JPWO2011046226A1 - 高分子超薄膜分散体及びその調製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、薄膜状の高分子構造体の調製方法として、例えばマイクロリソグラフィーの技術により得られたパターン状の金基体に自己組織化単分子膜を形成後、多官能性分子としてアルブミンを吸着し架橋させた後、アルブミン重合体薄膜を当該金基体から剥離させる方法(WO 2006/025592参照)や、基体上に高分子電解質を交互積層させて吸着させ高分子超薄膜を形成し、形成した薄膜を基体から剥離して基体と同じサイズの高分子超薄膜を調製する方法が知られている。
ところで、従来、所定の溶媒に不溶性の高分子は、粉末状にしたものであっても該溶媒に自発的に分散し得ないものが多く、分散促進剤など他の成分を添加しなければ該高分子の分散体を得ることは困難であった。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行い、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、以下の工程:
(a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程;
(b)前記複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程;及び
(c)前記媒体に高エネルギー照射をして、当該媒体中に浮遊している不溶性の高分子超薄膜を断片化する工程
により得られる、前記分散体。
上記(1)の分散体においては、前記高エネルギー照射は、例えば、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー及びソニケーターからなる群より選ばれる少なくとも1つを用いて行われるものが挙げられる。
(2)断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、以下の工程:
(a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程;
(b)前記複合膜を所定のパターンマスクで覆った後、高エネルギー照射によるエッチング処理をし、又は前記複合膜を剪断処理して、当該複合膜を断片化する工程;及び
(c)前記断片化後の複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程
により得られる、前記分散体。
上記(2)の分散体においては、前記高エネルギー照射は、例えば、酸素プラズマ、電子線又はマイクロ波からなる群より選ばれる少なくとも1つを用いて行われるものが挙げられる。
上記(1)及び(2)の分散体において、前記液状媒体としては、例えば水性媒体が挙げられる。
上記(1)及び(2)の分散体において、前記工程(a)における複合膜の形成は、例えば、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜とを、前記基材上に交互に積層させることにより行われるものが挙げられる。ここで、前記積層としては、例えば、スピンコーティング法、キャスト法又はマイクログラビア法で行われるものが挙げられる。
(3)断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、該分散体は、前記媒体が除去されることにより、前記超薄膜の少なくとも一部が互いに重複してなる膜状構造物を構築し得るものである、前記分散体。
(4)断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、前記高分子は、膜厚が500nm以下かつ膜面積が25mm2以下である、前記分散体。
(5)断片化された高分子超薄膜が集合してなる高分子超薄膜集合体であって、該集合体は、前記高分子の少なくとも一部が互いに重複してなる膜状構造物である、前記集合体。
上記(5)の集合体としては、例えば、膜厚が500nm以下かつ膜面積が25mm2以下であるものが挙げられる。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の分散体を乾燥させて得られる高分子超薄膜集合体。
上記(6)の集合体においては、前記乾燥は、例えば、凍結乾燥、真空乾燥、気流乾燥、回転乾燥、攪拌乾燥及び噴霧乾燥からなる群より選ばれる少なくとも1つにより行われるものが挙げられる。また、前記乾燥は、例えば、塗布若しくは噴霧後の前記分散体に対して、又は前記分散体から掬い取った高分子超薄膜に対して行われるものが挙げられる。
上記(6)の集合体は、例えば、膜状又は塊状の構造物が挙げられる。
上記(6)の集合体は、例えば、液状媒体中において高分子超薄膜の分散体として分散し得るものが挙げられる。
(7)断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体の調製方法であって、以下の工程:
(a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程;
(b)前記複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程;及び
(c)前記媒体に高エネルギー照射をして、当該媒体中に浮遊している不溶性の高分子超薄膜を断片化する工程
を含む、前記方法。
上記(7)の方法において、前記高エネルギー照射は、例えば、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー及びソニケーターからなる群より選ばれる少なくとも1つを用いて行うことができる。
(8)断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体の調製方法であって、以下の工程:
(a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程;
(b)前記複合膜を所定のパターンマスクで覆った後、高エネルギー照射によるエッチング処理をし、又は前記複合膜を剪断処理して、当該複合膜を断片化する工程;及び
(c)前記断片化後の複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程
を含む、前記方法。
上記(8)の方法において、前記高エネルギー照射は、例えば、酸素プラズマにより行うことができる。
上記(7)及び(8)の方法において、前記液状媒体としては、例えば水性媒体が挙げられる。
上記(7)及び(8)の方法において、工程(a)における前記複合膜の形成は、例えば、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜とを、前記基材上に交互に積層させることにより行うことができる。ここで、前記積層は、例えば、スピンコーティング法、キャスト法又はマイクログラビア法で行うことができる。
図2は、得られたPLAナノシートの図である。(a)はPVA膜を用いてPLAナノシートを剥離する様子を示した図であり、(b)はPLA/PVA複合膜を純水に浸漬させてPVAを溶解させ、PLAナノシートを浮遊させた図であり、(c)はPLAナノシートを金属枠に掬い取り乾燥させた図である。
図3は、PVA/PLA交互積層膜(PVA/PLA複合膜)を利用してPLAナノシートを大量調製する方法を示す模式図である。
図4は、図3の方法で作製したPLAナノシートが純粋中に20枚程度浮遊している図である。
図5は、乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)ナノシートの酸素プラズマ照射による断片化し、断片化ナノシートを分散させる方法を示す模式図である。
図6は、PLGAナノシートを酸素プラズマ照射によって断片化し、断片化ナノシートを分散させた図である。(a)は酸素プラズマ照射によってPLGAナノシートを断片化した後の断面を走査型電子顕微鏡像、(b)は断片化したPLGAナノシートをキュベットに分散させた図(左)とその対照(純水のみ)を示す図であり、(c)は断片化したPLGAナノシートの走査型電子顕微鏡像である。
図7は、PLAナノシートをホモジナイザーによって断片化し、断片化ナノシートを分散させた図である。(a)は断片化したPLAナノシートが分散している様子であり、(b)は(a)の対照(純水のみ)であり、(c)は(a)を遠心分離させて沈殿させた図である。
図8は、ホモジナイザーの照射時間とそれに伴う断片化PLAナノシート1枚あたりの平均面積の関係を示す図である。
図9は、断片化PLAナノシートの体積濃度と枚数濃度との関係を示す図である。
図10は、凍結乾燥させた断片化PLAナノシートと、それを再分散させた様子とを示す図である。(a)は断片化PLAナノシートの集合体である凍結乾燥体(塊状構造物)であり、(b)は1.5mLチューブに(a)の乾燥体を再分散させた様子である。
図11は、断片化PLAナノシートをその集合体である膜状構造物としてSiO2基板へ再構築させた図である。(a)は断片化PLAナノシートを膜状構造物として再構築させたSiO2基板の図、(b)及び(c)は(a)を高精細マイクロスコープで観察した図、(d)は(a)の走査型電子顕微鏡像である。
図12は、断片化PLAナノシートをその集合体である膜状構造物としてSiO2基板に再構築させたときの基板被覆率を示す図である。(a)は断片化PLAナノシートの体積濃度と基板被覆率との関係を示す図であり、(b)は断片化PLAナノシートを膜状構造物として再構築させたSiO2基板の図である。
図13は、断片化PLAナノシートを注射針、皮膚モデル基板及びマウス皮膚にそれぞれ再構築させた様子を示す図である。(a)は断片化PLAナノシートを膜状構造物として再構築させた注射針を可視光下で観察した図、(b)は(a)を蛍光実体顕微鏡で観察した図、(c)は断片化PLAナノシートを膜状構造物として再構築させた皮膚モデル基板を可視光下で観察した図、(d)は(c)を蛍光実体顕微鏡で観察した図、(e)は下半身を脱毛させたマウスの図、(f)は断片化PLAナノシートを膜状構造物として再構築する前のマウス下半身の図、(g)は断片化PLAナノシートを膜状構造物として再構築させた後のマウス下半身の図である。
図14は、マイクログラビア法を用いてポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム上にPLAナノシートを作製した様子を示す図である。
図15は、(a)はマイクログラビア法を用いて作製したPLAナノシートをPETフィルム上から剥離する様子を示す図である。(b)は(a)の拡大図である。
図16は、Transwell(登録商標)(Corning製)に開けた穴の部分に、断片化PLAナノシート分散体を用いてナノシートを再構築し結果を示す図である。
図17は、(a)は細菌透過阻害能の評価を行うための実験系を示す模式図であり、(b)は細菌透過阻害能の評価結果を示す図である。
1.高分子超薄膜分散体
本発明の高分子超薄膜分散体は、断片化された(裁断された)高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなるものであり、具体的には、以下の工程により得られるものが挙げられる。なお、本発明においては、以下の工程を含む、断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体の調製方法も提供され得る。
(1a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程(複合膜形成工程)
(1b)前記複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程(浸漬・浮遊工程)
(1c)前記媒体に高エネルギー照射をして、当該媒体中に浮遊している不溶性の高分子超薄膜を断片化する工程(断片化工程)
上記(1a)の複合膜形成工程では、適当な基材(好ましくは基板)上に、分散体に用いる液状媒体に不溶性の高分子超薄膜と当該液状媒体に可溶性の高分子膜との複合膜を形成する。ここで、当該複合膜の形成は、上記不溶性の高分子超薄膜と、上記可溶性の高分子膜とを、基材上に交互に積層させることにより行うことが好ましい。また本発明においては、当該基材として上記可溶性の高分子膜(高分子基板等)を用いることもできる。この場合、基材としての可溶性の高分子膜上に、上記不溶性の高分子超薄膜と上記可溶性の高分子膜とを交互に積層させることにより、複合膜を形成することが好ましい。
基材上に積層する上記不溶性の高分子超薄膜と上記可溶性の高分子膜との積層の順序や積層数は、特に限定はされず、任意に設定することができる。
当該積層の方法は、限定はされないが、例えば、所望の高分子溶液を、スピンコーティング法、キャスト法及びマイクログラビア法等の公知の膜形成法により、高分子超薄膜又は高分子膜とする方法が好ましく挙げられる。スピンコーティング法を用いた場合は、例えば、基材上に、所望の高分子溶液を、スピンコーターにより100〜1000rpmで1〜10秒塗布し、次いで1000〜8000rpmで10〜120秒で塗布した後、20〜150℃で60〜300秒加熱乾燥させればよい。高分子溶液の濃度によって基材上の高分子超薄膜又は高分子膜の膜厚を制御することができ、1〜100mg/mLであることが好ましく、より好ましくは2〜50mg/mLであり、さらに好ましくは5〜20mg/mLである。さらに、スピンコーターの回転速度及び回転時間を上げれば、基材上の高分子超薄膜又は高分子膜の膜厚は薄くなる。加熱温度及び加熱時間はコーティング後の高分子溶液の溶媒が蒸発する条件であればよく、特に限定はされない。
また当該積層の方法としては、前述したように、基材そのものに可溶性の高分子膜(高分子基板等)用いる場合、ロール・ツー・ロール(role−to−role)方式を用いた積層方法が好ましく挙げられる。具体的には、ロール状に巻いた状態の、基材(可溶性高分子膜)と、当該基材上に高分子溶液(不溶性高分子超薄膜用、可溶性高分子膜用)を、それぞれ塗布及び乾燥させながらロール状に巻き取り、積屓回数分この手順を繰り返すことにより、ロール状に巻き取られた状態の前記複合膜を形成することができる。
なお、(1a)工程においては、上記不溶性の高分子超薄膜が、最終的に、本発明の分散体中に分散される高分子超薄膜の由来元となる。また、上記可溶性の高分子膜の材料としては、分散体に使用する液状媒体に溶解できるものであればよく、限定はされないが、例えば、液状媒体が水性媒体の場合は、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸等の高分子電解質や、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド及びポリビニルアルコール(PVA)並びにデンプン及びセルロースアセテート等の多糖類等の非イオン性の水溶性高分子が好ましく挙げられ、中でも、PVAがより好ましい。
上記(1b)の浸漬・浮遊工程では、基材上に形成した複合膜を液状媒体に浸漬させるが、この際、当該複合膜のうち、液状媒体に可溶性の高分子膜の部分のみ溶解することになる。その結果、液状媒体に高分子超薄膜のみが当該複合膜から1枚ずつ離れ、液状媒体中に浮遊させることができる。ここで、複合膜を液状媒体に浸漬させる際は、基材上に形成した複合膜を一旦基材から剥離させた後、浸漬させてもよいし、又は、複合膜を剥離させずに基材ごと浸漬させてもよく、限定はされない。
上記(1c)の断片化工程では、高分子超薄膜を浮遊させた液状媒体に、高エネルギー照射をすることで、当該高分子超薄膜を細かく断片化する(裁断する)。これにより、微細な大きさの高分子超薄膜を液状媒体中に分散させた状態となり、本発明の分散体を調製することができる。ここで、上記高エネルギー照射の方法は限定はされないが、例えば、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー及びソニケーター等の公知のエネルギー照射装置を用いて行われるものであることが好ましく、中でも、ホモジナイザー及びソニケーターを用いることがより好ましい。なお、当該工程後に得られた分散体には、必要に応じて公知の各種分散剤(使用する液状媒体に可溶性の高分子等)を添加してもよく、限定はされない。
さらに、本発明の高分子超薄膜分散体としては、例えば、以下の工程により得られるものも挙げられる。なお、本発明においては、以下の工程を含む、断片化された高分子の超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体の調製方法も提供され得る。
(2a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程(複合膜形成工程)
(2b)前記複合膜を所定のパターンマスクで覆った後、高エネルギー照射によるエッチング処理をし、又は前記複合膜を剪断処理して、当該複合膜を断片化する工程(断片化工程)
(2c)前記断片化後の複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させ、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程(浸漬・浮遊工程)
上記(2a)の複合膜形成工程については、前述した(1a)工程に関する説明記載が同様に適用できる。
上記(2b)の断片化工程では、リソグラフィー技術を利用し、複合膜へのエッチング処理を施すことにより、当該複合膜を複合状態(積層状態等)のまま断片化する。当該工程において、「複合膜を所定のパターンマスクで覆う」とは、その覆う態様(手順)が特定の態様に限定されるわけではなく、結果的に、エッチング処理前の段階において、複合膜が所定のパターンマスクで覆われているようにする態様がすべて含まれる。したがって、(i)基材上に形成した複合膜に対し、当該複合膜を基材に固定(密着)させたまま、パターンマスクを覆い被せる態様でもよいし(その後、エッチング処理前に、パターンマスクと共に複合膜を基材から剥離することが好ましい)、(ii)基材上に形成した複合膜に対し、当該複合膜を先に基材から剥離した後、パターンマスクを覆い被せる態様でもよいし、あるいは、(iii)複合膜を基材上に形成する前に予め当該基材上にパターンマスクを形成する又は置いておき、その後、複合膜を形成したときには既に当該複合膜にパターンマスクが密着している状態として、基材上からパターンマスクと複合膜とを一体で剥離することにより、パターンマスクに覆われた状態の複合膜を得るようにしてもよく、特に限定はされない。
このように、所定のパターンマスクで覆われた複合膜にエッチング処理を施して、複合膜の状態のまま断片化しておくことにより、後述する(2c)工程において液状媒体中に複合膜を浸漬させるだけで、断片化された高分子超薄膜を液状媒体中に分散させることができるため、より効率的かつ確実な断片化が可能となる。また、個々の断片(高分子超薄膜)の形状は、使用したパターンマスクの形状に依存するため、均一性の高いものとすることができ、より分散性に優れた分散体となる。
上記パターンマスクの形状は限定はされないが、縦横に規則的な格子状のパターンを有するパターンマスク等が好ましい。また、上記高エネルギー照射の方法は、形成した複合膜をエッチング処理できる方法であればよく、限定はされないが、例えば、酸素プラズマ処理、一酸化炭素プラズマ処理、ハロゲンガスを用いた反応性イオンエッチング処理等の方法が好ましく挙げられ、中でも、酸素プラズマ処理を用いることがより好ましい。
また、上記(2b)の断片化工程においては、上述した複合膜へのエッチング処理のほか、複合膜に剪断処理を施すことにより当該複合膜を複合状態(積層状態等)のまま断片化してもよい。具体的には、例えば、カッター状やシュレッダー状の刃物を用いて複合膜を剪断したり、針状、櫛状のもので引っ掻くことすることにより、当該複合膜あるいは超薄膜のみを所望の形状及び大きさに断片化することができる。さらに、ロール・ツー・ロール(role−to−role)方式を応用する場合は、移動する複合膜に対して例えば櫛形のカッター等を当てることにより、連続操作で効率的に当該複合膜を切断し、断片化することもできる。
上記(2c)の浸漬・浮遊工程については、前述した(1b)工程に関する説明記載が同様に適用できる。なお、当該工程後に得られた分散体には、必要に応じて公知の各種分散剤(使用する液状媒体に可溶性の高分子等)を添加してもよく、限定はされない。
また、本発明の高分子超薄膜分散体としては、例えば、断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、(i)当該高分子超薄膜の膜厚が500nm以下かつ最長軸の長さが5mm以下であるか、及び/又は、(ii)当該高分子超薄膜の膜厚が500nm以下かつ膜面積が25mm2以下である高分子超薄膜分散体が好ましく挙げられる。
ここで、当該高分子超薄膜の膜厚は、上述の通り、500nm以下であり、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは10nm〜200nm、さらに好ましくは15nm〜100nmである。高分子超薄膜の膜厚が上記範囲内であると、界面に再構築する際に高い接着性が発現する点で好ましい。
また、当該高分子超薄膜の最長軸の長さは、上述の通り、5mm以下であり、好ましくは1μm〜5mm、より好ましくは5μm〜1mm、さらに好ましくは50μm〜500μmである。ここで、上記「最長軸の長さ」とは、高分子超薄膜における最大幅をなす部分の長さである。高分子超薄膜の最長軸の長さが上記範囲内であると、複雑な形状を有する界面に対しても接着できる点で好ましい。
さらに、当該高分子超薄膜の膜面積は、上述の通り、25mm2以下であり、好ましくは0.5μm2〜25mm2である。高分子超薄膜の膜面積が上記範囲内であると、複雑な形状を有する界面に対しても接着できる点で好ましい。
また、本発明の高分子超薄膜分散体としては、例えば、断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜の分散体であって、当該分散体から液状媒体が除去されることにより、高分子超薄膜の少なくとも一部が互いに重複してなる膜状構造物を構築し得るものが挙げられる。ここでいう膜状構造物は、もともとシート状の高分子超薄膜を断片化したものがパッチワーク状に集合して形成された(構築された)ものであるため、本発明の分散体は、いわゆる膜状構造物の再構築性の機能を有するものと言える。当該膜状構造物の詳細ついては、後述する「2.高分子超薄膜集合体」における同構造物の説明が同様に適用できる。
本発明の分散体における高分子超薄膜の個々の形状は、限定はされないが、例えば、円状、多角形状、楕円形状、リボン形状、ひも形状、多分岐形状、星形状が好ましく挙げられる。
本発明の分散体における液状媒体は、限定はされないが、例えば、水性媒体であることが好ましく、具体的には、水、塩を溶解させた水、界面活性剤を溶解させた水、緩衝液等が好ましく挙げられるが、溶剤の選択には、前述した高分子超薄膜を溶解させないものである必要がある。
本発明の分散体における超薄膜を構成する高分子(後述する液状媒体に不溶性の高分子超薄膜)の材料は、限定はされないが、例えば、生分解性高分子に代表されるポリ乳酸(PLA)、乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)及びポリカプロラクトン(PCL)、汎用性高分子に代表されるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート及びポリカーボネート、並びに、ゴム系高分子に代表されるポリ酢酸ビニル、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン及びポリシロキサン等が好ましく挙げられる。
本発明の分散体中に含まれる高分子超薄膜の濃度は、限定はされないが、例えば、1〜100mg/mLであることが好ましく、より好ましくは2〜50mg/mLであり、さらに好ましくは5〜20mg/mLである。高分子超薄膜の濃度が上記範囲内であると、パッチワーク状の膜状構造物の再構築性の点で好ましい。
2.高分子超薄膜集合体
本発明の高分子超薄膜集合体としては、例えば、断片化された高分子超薄膜が集合してなるものであって、該高分子超薄膜の少なくとも一部が互いに重複してなる膜状構造物が挙げられる。このような集合体は、例えば、前述した本発明の高分子超薄膜分散体を乾燥等させて当該分散体中の液状媒体を除去することにより得ることができる。本発明の集合体の形態は、上述した膜状構造物のほか、例えば、塊状の形状を有するもの(塊状構造物)等であってもよく、限定はされない。なお、本発明の集合体を構成する高分子超薄膜の、(i)膜厚及び最長軸の長さ、並びに(ii)膜厚及び膜面積に関しては、前記1.項で述べた数値範囲のものが好ましい。
ここで、上記膜状構造物とは、任意の基板(基体)上に、断片化された高分子超薄膜の少なくとも一部が互いに重複する態様(隣り合う高分子超薄膜に少なくとも一部が追従する態様)でシート状に広がってなるものである。詳しくは、多数の断片化された高分子超薄膜がそれぞれ互いにパッチワーク状に密着して一体化し、全体として一つの膜のごとく機能し得るものである(例えば、図11(a)〜(d)参照)。この膜状構造物では、構成成分となる個々の高分子超薄膜の各々が、物理吸着(界面吸着)により基板上に吸着し、全体として巨大なファンデルワールス力が働くため、極めて接着性の高い膜が形成される。また、この膜状構造物は、断片化された微細な高分子超薄膜が無数にシート状に広がって形成されたものであるため、膜全体の厚みの均一性が非常に高いものである。なお、当該膜状構造物においては、高分子超薄膜どうしの隙間からなる孔(基本的には肉眼では視認できない程度の孔径のもの)があってもよく、限定はされない。
一方、上記塊状構造物とは、例えば前述したような任意の基板が存在しない場合に、個々の高分子超薄膜が任意の形状で集合して一つの塊状に形成されたものであればよく、特に限定はされない。
本発明の集合体を得る際の乾燥の方法としては、限定はされないが、例えば、凍結乾燥、真空乾燥、気流乾燥、回転乾燥、攪拌乾燥及び噴霧乾燥等が好ましく挙げられ、中でも、凍結乾燥、真空乾燥及び噴霧乾燥がより好ましい。これら各種乾燥方法は、常法により実施することができる。また、当該乾燥は、本発明の分散体を任意の基材に塗布若しくは噴霧した後この分散体に対して行われることが好ましい。さらに、本発明の分散体から任意の方法で掬い取った高分子超薄膜に対して当該乾燥を行うことも、好ましい態様として挙げられる。
本発明においては、上述した高分子超薄膜から、断片化高分子超薄膜(乾燥状態のもの)を得ることもできる。具体的には、一旦基板上に形成させた高分子超薄膜を、カッター等の刃物や針状、櫛状の器具により引っ掻くことにより裁断(剪断)処理し、その後当該基板から剥離させることにより、断片化高分子超薄膜を得ることができる。この場合、基板としては、例えばゴム状の基板(ゴム板)を用いることが好ましい。上記裁断処理の後、当該ゴム板を繰り返し伸縮させることにより、通常は剥離困難な高分子超薄膜をゴム板から浮かせて剥離させ、断片化高分子超薄膜を回収することができる。
3.高分子超薄膜分散体及び集合体等の用途
本発明の高分子超薄膜分散体は、例えば、水系溶媒に対して不溶性の高分子であっても、薄膜状にし且つ断片化することで、当該溶媒に容易に分散させることができる。そのため、本発明の高分子超薄膜分散体及びそれを乾燥させた高分子超薄膜集合体は、従来にないタイプの化粧用材料、経皮吸収材料(軟膏など)、外科手術用の止血及び癒着防止材料、組織再生工学用材料等にも応用でき、各種医薬品、医薬部外品、化粧品(化粧料)、食品及び医療用具等に配合することができる。このように、本発明の分散体及び集合体は、医療分野等の各種用途に用いることができる。よって、本発明は、前記高分子超薄膜分散体及び/又は高分子超薄膜集合体を含む、化粧用材料、経皮吸収材料、外科手術用の止血及び癒着防止材料、並びに組織再生工学用材料等も提供し得るものであり、さらに、当該分散体及び/又は集合体を含む、各種医薬品、医薬部外品、化粧品(化粧料)、食品及び医療用具等も提供し得るものである。
また、上記分散体から再構築されたシート状の高分子超薄膜集合体は、非常に緊密な膜であり、例えば細菌や微生物の透過阻害能及び透過抑制能に優れるという性質も有するため、この点でも、創傷被覆材、創傷保護材、穿孔部閉塞材等いった医療用途への応用が可能である。よって、本発明は、前記高分子超薄膜集合体を含む、創傷被覆材、創傷保護材及び穿孔部閉塞材等も提供し得るものである。
さらに、本発明の高分子超薄膜分散体及び高分子超薄膜集合体は、有機溶媒にしか溶解しない高分子塗料であっても、当該高分子を水系溶媒に分散させることができるため、水性塗料及びコーティング剤等の工業用製品に配合して用いることができる。よって、本発明は、前記高分子超薄膜分散体及び/又は高分子超薄膜集合体を含む、水性塗料及びコーティング剤等も提供し得るものである。
なお、高分子超薄膜集合体から得られた断片化高分子超薄膜(乾燥状態のもの)については、再度、水系媒体に容易に分散させることができるため、本発明の高分子超薄膜分散体の用途と同様の用途に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例では、本発明でいう「高分子超薄膜」を「ナノシート」と表記することがある。
酸化シリコン(SiO2)基板(4×4cm)上でPLA溶液(重量平均分子量:80,000,5mg/mL)をスピンコートし(4000rpm,20sec)、加熱乾燥させ(70℃,1min)、触針膜厚計を用いて膜厚を測定したところ、23±5nmであった(図1)。次いで、PLA膜上にポリビニルアルコール(PVA,20mg/mL)水溶液をキャストし、加熱乾燥させた(70℃,15min)。PLA/PVA複合膜はピンセットで簡便に剥離でき、柔軟かつ強靭で透明なフィルムであった(図2(a))。このフィルムを純水中に浸漬させると、PVA膜が溶解すると同時に、無色透明でフリースタンディングなPLAナノシートが得られた(図2(b))。同様の方法で、PLGAナノシート(膜厚18±6nm)及びPCLナノシート(膜厚18±5nm)についても、無色透明でフリースタンディングなものが得られた。
なお、これらのナノシートは、金属枠で掬い大気中に取り出すことも可能であり、乾燥してもシートは破断しなかった(図2(c))。
SiO2基板(4×4cm)上に100mg/mL PVA水溶液をスピンコートし(4000rpm,20sec)、加熱乾燥させた(70℃,1min)。次いで、10mg/mL PLA溶液をスピンコートし(4000rpm,20sec)、加熱乾燥させ(70℃,1min)、PLAナノシートを作製した。この操作を20回繰り返しPVA/PLA交互積層膜(PVA/PLA複合膜)を作製した(図3)。
このPVA/PLA交互積層膜をSiO2基板ごと純水に浸漬させると、PVA層のみが徐々に溶解し、PLAナノシートが基板から次々に剥離した。その結果、基板上での形状を維持した20枚のPLAナノシートが、純水中に浮遊した状態で得られた(図4)。同様の方法で、PLGAナノシート及びPCLナノシートも大量調製することができた。
図5に示すように、テフロン(登録商標)基板(2×2cm)上に、フォトリソグラフィー加工によってレジストパターン(OFPR−800,510cp;5μm×10μmの長方形)を作製した。レジストパターンの上に、PVA水溶液(100mg/mL)を4回繰返してスピンコートし(600rpm,10sec)、乾燥させた(70℃,120sec)。
次いで、PVA水溶液(100mg/mL)及びPLGA溶液(10mg/mL)を、この順で、スピンコート(4000rpm,20sec)した。この操作を10回繰返し、PVA/PLGA交互積層膜(PVA/PLGA複合膜)を作製した。さらに、PVA水溶液(100mg/mL)をスピンコートし(600rpm,10sec)、乾燥させて、PVAの支持膜とした後(70℃,120sec)、積層膜と共にテフロン(登録商標)基板上から剥離した。剥離したPVA/PLGA交互積層膜の裏面(レジストパターン側)を表向きにし、酸素プラズマ照射(200w,120sec)によりエッチング処理して、レジストパターン以外の領域を除去することによって、薄膜の断片化(裁断)を行った。最後に、純水中で積層膜のPVA層を溶解させた後、遠心分離(100g,5min)にてレジストパターンを除去し、断片化PLGAナノシートを分散体として回収した。
また、酸素プラズマ照射後の積層膜を四酸化オスミウムでコーティング処理した後、走査電子顕微鏡(HITACHI S−4500,10kV)にて裁断面を観察した。
酸素プラズマ照射後、基板の断面方向から走査電子顕微鏡を用いて観察したところ、凸型パターンを呈しており、レジスト非存在領域にて選択的に裁断されたことが確認できた(図6(a))。断片化後、PVA支持膜ごと純水中で振とうさせたところ(37℃,30min)、分散した断片化PLGAナノシートの白濁が観察された(図6(b))。さらに、得られた分散体をガラス基板に塗布、乾燥した後、走査電子顕微鏡にて観察したところ、レジストパターンの形状を維持した裁断化PLGAナノシートが多数確認された(図6(c))。従って、交互積層膜の最表面にレジストパターンを配置することにより、酸素プラズマ照射によるエッチング処理にて、パターン形状通りに交互積層膜を断片化したことが確認された。
実施例2と同様に、SiO2基板(4×4cm,5枚)上に100mg/mL PVA水溶液をスピンコートし(4000rpm,20sec)、加熱乾燥した(70℃,1min)。次いで、10mg/mL PLA溶液をスピンコートし(4000rpm,20sec)、加熱乾燥させ(70℃,1min)、PLAナノシートを作製した。この操作を10回繰り返しPVA/PLA交互積層膜(PVA/PLA複合膜)を作製した。
得られたPVA/PLA交互積層膜を基板ごと純水に浸漬させると、50枚(PLAとして約8mg相当)のPLAナノシートを純水に浮遊させた状態のものが得られた。
この状態のPLAナノシートを、ホモジナイザー(Physcotron NS−51,マイクロテック(株))を用いて粉砕(断片化)したところ(33000rpm、1min)、断片化PLAナノシートの高粘稠分散体が得られた(図7(a))。得られた分散体をそのまま放置しても断片化ナノシートの沈殿は認められず、断片化ナノシートの自発的な分散性が確認できた。他方、ナノシート化させていないPLA粉末(PLA約8mg)をホモジナイザーにて10分以上粉砕した場合(33000rpm)は、放置すると直ちに沈殿が生じた(図7(b))。さらに、得られた断片化PLAナノシートは、遠心分離(3000rpm、10min)にて精製及び濃縮操作を行うことも可能であった(図7(c))。
また、粉砕攪拌後(33,000rpm,1〜10min)の断片化PLAナノシート分散体をSiO2基板上に滴下(10μL)し、乾燥させた。実体顕微鏡(SZX7,オリンパス(株))を用いて吸着したナノシートの面積を計測したところ、ナノシート分散体の面積(粉砕前:1.6×103mm2)は、粉砕攪拌時間の増大と共に徐々に縮小し、7分以降は一定となった(0.24±0.08mm2)(図8)。
実施例4における粉砕攪拌後(33,000rpm,10min)、各希釈系列の断片化PLAナノシート分散体を調製し、それらをSiO2基板上に滴下(10μL)し、乾燥させた。実体顕微鏡を用いて吸着したナノシートの面積と枚数をそれぞれ計測した。次いで、同濃度の分散溶液(500μL)を凍結乾燥させてその重量を測定し、分散体中の枚数と重量の関係を導いた。
各希釈系列の断片化PLAナノシート分散体のナノシート数(10μL中)とその凍結乾燥重量(500μL中)を実測することによって、枚数濃度と体積濃度の両者を導くことに成功した。両者は比例関係を示すことからも、その妥当性を示した(図9)。従って、断片化後に濃度定量し、濃度を統一して種々の実験を行うことができることが分かった。
実施例4で得られた断片化PLAナノシート分散体を、15mLコニカルチューブに添加した。チューブごと−80℃にて凍結させ、凍結乾燥機(DC400,ヤマト科学(株))を用いて乾燥させた。チューブ壁面に沿うように乾燥した断片化PLAナノシートの集合体(固体;塊状構造物)が得られ(図10(a))、その一部分に純水を添加すると、再分散して元のPLAナノシート分散体が得られることが確認された(図10(b))。
SiO2基板(1cm×2cm)に、実施例4で得られた断片化PLAナノシートの分散体を滴下し、デシケータ内で乾燥させたところ、断片化PLAナノシートは、当該基板全体に一様に広がるように吸着して、全体として一つのシート状構造物を形成した(図11(a))。高精細マイクロスコープによりこのSiO2基板表面を観察したところ、個々の断片化PLAナノシートが基板に対してパッチワーク様に重なった状態で吸着しており、構造色を呈していた(1層は赤紫色、2層は青色)(図11(b),(c))。さらに、爪やピンセットで吸着部位を引っ掻いても剥離できなかった。この状態を走査電子顕微鏡にて観察したところ、1枚目の断片化PLAナノシート上に2枚目の断片化PLAナノシートが追従するように、面で密着している様子が確認できた(図11(d))。従って、PLAナノシートは、断片化させてもシート形状を維持し、面接触にてSiO2基板上にシートが再構築されることが確認された。
各希釈系列で調製した断片化PLAナノシート分散液(0.01〜1.0mg/mL)に、SiO2基板を浸漬、垂直方向に引出したところ(1回)、断片化PLAナノシートは基板に一様に吸着し、吸着部位はナノシート由来の構造色を呈していた(図12(b))。実体顕微鏡にてナノシートの基板被覆率を計測したところ、分散液の濃度依存的に増大し、0.32mg/mL以上で飽和に達した(被覆率:88.4%)(図12(a))。
実施例2に記載の方法に従って、SiO2基板(4cm×4cm,5枚)上に100mg/mL PVA水溶液をスピンコートし(4000rpm,20sec)、加熱乾燥した(70℃,1min)。次いで、疎水性蛍光プローブのオクタデシルローダミン(200M)を予め溶解させた10mg/mL PLA溶液をスピンコートし(4000rpm,20sec)、加熱乾燥させ(70℃,1min)、ローダミン標識させたPLAナノシートを作製した。この操作を10回繰り返しPVA/PLA交互積層膜(PVA/PLA複合膜)を作製した。
実施例4に記載の方法に従って、ローダミン標識させた断片化PLAナノシートを得た。18G注射針(金属)や皮膚モデルとして人工皮革基板(ウレタン樹脂)を用いて実施例7と同様の引出し操作を試みた。両者とも可視光下では断片化PLAナノシートの吸着は目視できなかった。そこで、実体蛍光顕微鏡によって浸漬部位を観察したところ、断片化PLAナノシートの吸着が鮮明に可視化でき、細部(注射針の内側や皮膚モデル基板上の凹凸)に亘って断片化PLAナノシートは吸着し、当該ナノシートの集合体である膜状構造物が確認できた(図13(a)〜(d))。また、乾燥後は、当該膜状構造物は剥離できないほど密に吸着していた。
さらに、マウス(C57BL/6,7週齢)にケタミンを腹腔麻酔後(2.5mg/body)、マウスの下半身を脱毛した。断片化PLAナノシート分散体(0.32mg/mL)にマウス下半身を浸漬し、引き出して吸着させた。吸着部位をin vivo生体観察システム(OV110,オリンパス(株))にて観察したところ、可視光下ではその吸着は目視できなかったが(図13(e))、蛍光顕微鏡下では浸漬部位のみが一様に発光しており、断片化PLAナノシートの集合体である膜状構造物が確認できた(図13(g))。特に、指の間や爪全体にまでも当該膜状構造物が被覆されていた。他方、吸着前は全く発光しなかった(図13(f))。従って、断片化PLAナノシートは、全身の皮膚や細部にまで被覆可能であることをin vivoにおいて実証した。
ロール状に加工されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:100μm,幅:10cm,長さ:200m,東洋紡社)上に100mg/mL PVA水溶液、次いで15mg/mL PLA溶液をマイクログラビア方式(NCR−230、ラボ社)で塗布した(図14)。このPVA/PLA交互積層膜をPETフィルムごと純水に浸漬させると、PVA層のみが徐々に溶解し、PLAナノシートが基板から次々に剥離し、PLAナノシートが純水中に浮遊した状態で得られた(図15)。膜厚は35±2nmであった(触針膜圧計にて測定)。また、このPVA/PLA交互積層膜をカッターでPETフィルムごと断片化すれば、その形状のPLAナノシートが同様に浮遊した状態で得られた。また、金属の針でメッシュ状に引っかき傷を付けると、メッシュの目のサイズ及び形状のPLAナノシートが同様に浮遊した状態で得られた。
実施例1と同様に酸化シリコン(SiO2)基板(4×4cm)上でPLA溶液(重量平均分子量:80,000−100,000,10mg/mL)をスピンコートし(4000rpm,20sec)、加熱乾燥(70℃,1min)させて、膜厚60nmのPLAナノシートを得た。このナノシートを、実施例4と同様にホモジナイザーにより粉砕し、本実施例で用いる断片化PLAナノシートを得た。
ポリカーボネートメンブレンであるTranswell(登録商標)(Corning製;面積:0.57cm2)に、18G針(直径:1.2mm)を突き刺して、同直径を有する円形状の穴を開けた。その穴の部分に、各希釈濃度系列の断片化PLAナノシート(膜厚:60nm)分散体を、50μL滴下した。終夜乾燥した後、SEM(走査型電子顕微鏡)にて断片化PLAナノシートが再構築されて穴を塞いでいる様子を観察した。50μLに平均416枚以上の断片化PLAナノシートが分散している分散体を用いた場合に、穴を完全に塞ぐことができるナノシートが再構築されることが観察された。その結果を図16に示した。
(2)再構築したPLAナノシートの細菌透過阻害能の評価
上記(1)と同様の方法を用いて、Transwell(登録商標)に開けた穴に、断片化PLAナノシート分散体(1×104sheets/mL)50μLを滴下して終夜乾燥させ、当該穴を完全に塞ぐナノシートを再構築した。この再構築したPLAナノシート部分を有するTranswell(登録商標)を、24ウェルプレートの各ウェル中に組み込んだ後、内側の槽(inner)にFBS(ウシ胎児血清)及び緑膿菌(Pseudomonasaeruginosa;以下「pseudo」)を滴下し(FBS:100μL、pseudo:1×105(CFU)、外側の槽(outer)にFBS(600μL)を満たした(実施例群;図17(a)参照)。その後、37℃で6時間静置培養後、各槽の溶液(10μL)を採取し、PBSを用いて105倍希釈した培養液(100μL)を、それぞれ37℃で12〜15時間、好気条件にて静置培養し、菌数を計測することで、細菌透過阻害能を評価した。
上記と同様の実験を、Transwell(登録商標)に開けた穴にPLAナノシート(膜厚60nm)を貼付したものを用いた場合(陽性対照群)と、未貼付のもの(上記穴を開けたままのTranswell(登録商標))を用いた場合(陰性対照群)について行った。
細菌透過阻害能の評価の結果、再構築したPLAナノシート部分を有するTranswell(登録商標)を用いた場合(実施例群)は、内側の槽の緑膿菌数が21.7×105CFUであったのに対し、外側の槽では0.67×105CFUであり、内側の槽の30分の1であった。一方、陰性対照群では、外槽への緑膿菌の漏出が認められ、その細菌数は14.0×105CFUであった。これにより、再構築したPLAナノシートは、効果的に緑膿菌を阻害することが示された。他方、陽性対照群では、外槽への緑膿菌の漏出は認められなかった(検出限界以下であった)。その結果を図17(b)に示した。
以上のことから、断片化PLAナノシート分散体は、既存のメンブレンに開けた穴の上にもナノシートを再構築することが可能であり、再構築したナノシートは十分な細菌透過阻害能を有することが示された。
本発明の高分子超薄膜分散体は、例えば、水系溶媒に対して不溶性の高分子であっても、薄膜状にし且つ断片化することで、当該溶媒に分散させることができる点で有用である。よって、本発明の高分子超薄膜分散体及び高分子超薄膜集合体は、従来にないタイプの化粧用材料、経皮吸収材料(軟膏など)、外科手術用の止血及び癒着防止材料、組織再生工学用材料などにも応用でき、医薬品、医薬部外品、化粧品(化粧料)、食品及び医療用具等に配合することができる。このように、医療分野等の用途への貢献が期待できる点で、本発明の分散体及び集合体は極めて実用性の高いものである。また、本発明の分散体及び集合体は、有機溶媒にしか溶解しない高分子塗料であっても、当該高分子を薄膜状にし且つ断片化することで水系溶媒に分散させることができるため、水性塗料及びコーティング剤等の工業用製品に配合して用いることができる点でも、実用性に優れたものである。
Claims (23)
- 断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、以下の工程:
(a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程;
(b)前記複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程;及び
(c)前記媒体に高エネルギー照射をして、当該媒体中に浮遊している不溶性の高分子超薄膜を断片化する工程
により得られる、前記分散体。 - 前記高エネルギー照射が、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー及びソニケーターからなる群より選ばれる少なくとも1つを用いて行われるものである、請求項1記載の分散体。
- 断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、以下の工程:
(a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程;
(b)前記複合膜を所定のパターンマスクで覆った後、高エネルギー照射によるエッチング処理をし、又は前記複合膜を剪断処理して、当該複合膜を断片化する工程;及び
(c)前記断片化後の複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程
により得られる、前記分散体。 - 前記高エネルギー照射が、酸素プラズマ、電子線又はマイクロ波からなる群より選ばれる少なくとも1つを用いて行われるものである、請求項3記載の分散体。
- 前記液状媒体が水性媒体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分散体。
- 前記工程(a)における複合膜の形成が、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜とを、前記基材上に交互に積層させることにより行われるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分散体。
- 前記積層が、スピンコーティング法、キャスト法又はマイクログラビア法で行われるものである、請求項6記載の分散体。
- 断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、該分散体は、前記媒体が除去されることにより、前記高分子の少なくとも一部が互いに重複してなる膜状構造物を構築し得るものである、前記分散体。
- 断片化された高分子超薄膜が液状媒体に分散してなる高分子超薄膜分散体であって、前記高分子は、膜厚が500nm以下かつ膜面積が25mm2以下である、前記分散体。
- 断片化された高分子超薄膜が集合してなる高分子超薄膜集合体であって、該集合体は、前記高分子の少なくとも一部が互いに重複してなる膜状構造物である、前記集合体。
- 前記高分子は、膜厚が500nm以下かつ膜面積が25mm2以下である、請求項10記載の集合体。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の分散体を乾燥させて得られる高分子超薄膜集合体。
- 前記乾燥が、凍結乾燥、真空乾燥、気流乾燥、回転乾燥、攪拌乾燥及び噴霧乾燥からなる群より選ばれる少なくとも1つにより行われるものである、請求項12記載の集合体。
- 前記乾燥は、塗布若しくは噴霧後の前記分散体に対して、又は前記分散体から掬い取った高分子超薄膜に対して行われるものである、請求項12又は13記載の集合体。
- 膜状又は塊状の構造物である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の集合体。
- 前記集合体は、液状媒体中において高分子超薄膜の分散体として分散し得るものである、請求項10〜15のいずれか1項に記載の集合体。
- 断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体の調製方法であって、以下の工程:
(a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程;
(b)前記複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程;及び
(c)前記媒体に高エネルギー照射をして、当該媒体中に浮遊している不溶性の高分子超薄膜を断片化する工程
を含む、前記方法。 - 前記高エネルギー照射が、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー及びソニケーターからなる群より選ばれる少なくとも1つを用いて行われる、請求項17記載の方法。
- 断片化された高分子超薄膜が液状媒体中に分散してなる高分子超薄膜分散体の調製方法であって、以下の工程:
(a)基材上に、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と可溶性の高分子膜との複合膜を形成する工程;
(b)前記複合膜を所定のパターンマスクで覆った後、高エネルギー照射によるエッチング処理をし、又は前記複合膜を剪断処理して、当該複合膜を断片化する工程;及び
(c)前記断片化後の複合膜を前記媒体中に浸漬させて、当該複合膜中の前記可溶性の高分子膜を溶解させることで、前記不溶性の高分子超薄膜を当該媒体中に浮遊させる工程
を含む、前記方法。 - 前記高エネルギー照射が、酸素プラズマにより行われる、請求項19記載の方法。
- 前記液状媒体が水性媒体である、請求項17〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(a)における前記複合膜の形成が、前記媒体に不溶性の高分子超薄膜と前記媒体に可溶性の高分子膜とを、前記基材上に交互に積層させることにより行われる、請求項17〜21のいずれか1項に記載の方法。
- 前記積層が、スピンコーティング法、キャスト法又はマイクログラビア法で行われる、請求項22記載の方法。
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