JPWO2011033919A1 - 対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
レーザ光の発振波長が変化した際に生じる収束位置のずれが小さく、さらに、温度特性や光の利用効率に優れた光ピックアップ装置用の対物レンズを提供するために、波長λ(390nm≦λ≦420nm)の光束を出射する光源と、光源から出射された光束を厚さt(0mm<t≦0.125mm)の保護基板を介して光ディスクの情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、像側開口数は0.75以上であり、かつ、隣り合う輪帯同士が、入射光に対して所定の光路差を生じるように形成され、段差の向きが少なくとも一度入れ替わる折り返しの輪帯構造を、少なくとも1つの光学面上に有し、以下の式を満たす。−70≦(ΔSA/Δλ)/(Δf/Δλ)≦−20Δλ(nm)は波長の変化量、ΔSA(λrms)は波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの球面収差、Δf(mm)は波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの軸上色収差。
Description
本発明は、対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置に関するものである。
光ピックアップ装置等のレーザ光源の縦モードの発振波長は、一般的に温度変化や出力の変化によって変化することが知られている(最大出力の縦モードが変化することをモードホップ現象という)。例えば、ブルーレイディスク(以下、BD)に使用される青色レーザダイオードの発振波長は、出力を大きく変化させたとき、1nm程度変化することがある。具体的には、青色レーザダイオードの発振波長は、再生から記録への切り替えにおける出力の変化により、1nm程度長波長側へ変化することがある。
また、光ピックアップ装置の対物レンズの屈折率は、レーザ光の発振波長の変化によって変化することが知られている。そのため、レーザ光の発振波長が変化すると、そのレーザ光が対物レンズによって収束される位置(フォーカス位置)に変化が生じてしまうこととなる。従って、フォーカス位置のずれが大きくなると、フォーカス制御がはずれてしまい、光ディスクに記録や再生ができなくなるという問題を招く恐れがある。
これに対し、特許文献1には、レーザ光の発振波長が急激に変化しても、レーザ光のフォーカス位置を焦点深度内とすることができる光ピックアップ装置用の対物レンズが開示されている。
特許文献1に開示された対物レンズは、対物レンズの少なくとも一方の面に複数の輪帯段差を設けている。かかる複数の輪帯段差は、レーザ光の波長が変化した場合に対物レンズにより収束されるレーザ光の収束位置が焦点深度内となるような位相差を発生させる段差量を有している。これにより、レーザ光の波長が変化した場合、当該輪帯を通過したレーザ光に収束位置が焦点深度内となるような位相差を発生させている。そして、当該位相差により、波長変化に伴うフォーカス位置のずれを低減させている。
より詳細には、特許文献1に開示された対物レンズでは、レーザ光の波長が変化した際に生じる軸上色収差及び色球面収差を補正するような位相差を輪帯段差により発生させることにより、波長変化に伴うフォーカス位置のずれを低減させることが記載されている。
ところで、上記のような青色レーザダイオードは高出力であり、駆動電力の増大に伴って青色レーザダイオードの温度は上昇し、熱伝導により光ピックアップ装置の温度が上昇する。光ピックアップ装置の温度が上昇すると、レーザ光の発振波長の変化に加え、対物レンズに屈折率の変化が生じることとなる。即ち、光ピックアップ装置の温度の上昇に伴い、レーザ光の波長が変化することにより生じる収束位置のずれに加え、対物レンズの屈折率が変化することにより生じる収束位置のずれが生じてしまうという問題がある。
特に、対物レンズがプラスチックレンズの場合、ガラスレンズに比べて温度変化による屈折率の変化は大きくなる。そのため、対物レンズの屈折率が変化することにより生じる収束位置のずれは、より顕著なものとなる。
特許文献1に記載の対物レンズは、レーザ光の波長が変化したときの収束位置のずれを低減させることのみに鑑みてなされた発明であり、光ピックアップ装置の温度が変化したときの生じる収束位置のずれは考慮されていなかった。つまり、特許文献1に記載の対物レンズでは、光ピックアップ装置の温度が変化したときに収束位置にずれが生じてしまう、従って、温度特性が悪いという問題があった。さらには、特許文献1に記載の対物レンズの輪帯構造では、各輪帯の幅が小さくなりすぎ、段差部分のけられにより透過率が低下するため、光の利用効率が悪いという問題もあった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、レーザ光の発振波長が変化した際に生じる収束位置のずれ(フォーカス位置のずれ)を小さくし、さらには、温度特性や光の利用効率に優れた光ピックアップ対物レンズ及び光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の対物レンズは、波長λ(390nm≦λ≦420nm)の光束を出射する光源と、前記光源から出射された光束を厚さt(0mm<t≦0.125mm)の保護基板を介して光ディスクの情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記光源からの光束を、光ディスクの情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置に用いられる対物レンズであって、前記対物レンズの像側開口数は0.75以上であり、前記対物レンズは、複数の輪帯から構成され、かつ、隣り合う輪帯同士が、入射光に対して所定の光路差を生じるように形成された輪帯構造を、少なくとも1つの光学面上に有し、前記輪帯構造は、段差の向きが有効径内で少なくとも一度入れ替わる折り返し構造となっており、以下の(1)式を満たすことを特徴とする。
−70≦(ΔSA/Δλ)/(Δf/Δλ)≦−20 (1)
ここで、Δλ(nm)は波長の変化量、ΔSA(λrms)は波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの球面収差、Δf(mm)は波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの軸上色収差を表す。
−70≦(ΔSA/Δλ)/(Δf/Δλ)≦−20 (1)
ここで、Δλ(nm)は波長の変化量、ΔSA(λrms)は波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの球面収差、Δf(mm)は波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの軸上色収差を表す。
本発明者は、対物レンズに入射する光束をより長い波長にした場合に、軸上色収差を正の方向へ変化させ、かつ、球面収差をアンダー(補正不足)とすることにより、光束の波長が変化した際に生じるフォーカス位置のずれを小さくできる(フォーカス特性が良好)対物レンズを開発した。これにより、光ディスクに対して、良好に再生又は記録を行うことが可能となる。特に、記録の際には、レーザ光の出力の増大に伴い波長の変化が生じやすいため、本発明の効果がより顕著となる。
また、対物レンズに入射する光束をより長い波長にした場合に、発生する球面収差をアンダーとしている。光ピックアップ装置の温度が上がった場合に、対物レンズがプラスチックレンズであると、対物レンズの屈折率が変化し、球面収差がオーバーとなる。一方、光ピックアップ装置の温度が上がると、光源の波長が長くなるため、アンダーな球面収差が発生し、先のオーバーな球面収差を打ち消すことが可能となる。したがって、光ピックアップ装置の温度が上昇した際に発生する球面収差の発生を抑えることが可能となる。つまり、良好な温度特性を得ることが可能となり、対物レンズがプラスチック製である場合に、温度変化時においても安定した性能を維持できる対物レンズを提供することが可能となる。
光ピックアップ装置が種々の環境下で使用されることを考慮すると、その環境温度を一定に維持することは困難であるといえる。従って、温度特性の悪いレンズを使用した場合、アクティブ補正機構のように環境温度変化に起因して発生する球面収差の制御が必要になり、光ピックアップ装置の構成が複雑化しコスト高を招く恐れがある。しかし、請求項1に係る発明によれば、良好な温度特性を得られるため、光ピックアップ装置の構成を簡素化することが可能となる。
上記(1)式を満たすことによって、フォーカス特性及び温度特性を良好にすることができる。
また、特許文献1に記載の対物レンズは、ブレーズ型の回折構造を有しており、輪帯構造の段差の向きは、有効径内で一度も入れ替わらない構造となっている。そのため、輪帯の幅が小さくなりすぎ、光の利用効率が悪いという問題があった。さらに特許文献1に記載の対物レンズは、温度特性が悪いという問題もあった。
特許文献1に対し、本願発明の対物レンズの輪帯構造は、段差の向きが有効径内で少なくとも一度入れ替わる折り返し構造となっている。そのため、対物レンズに入射する光束をより長い波長にした場合、軸上色収差を正の方向へ変化させることが可能となる。従って、より長い波長とした場合、球面収差をアンダーとすることにより、光束の波長が変化した際に生じるフォーカス位置のずれを小さくすることが可能となるとともに、良好な温度特性を得ることが可能となる。また、段差の向きが有効径内で少なくとも一度入れ替わる折り返し構造とすることにより、輪帯数を少なくし、光の利用効率を向上させることが可能となる。つまり、対物レンズの輪帯構造の段差の向きが有効径内で少なくとも一度入れ替わる構造にすることにより、輪帯数を少なくし光の利用効率を向上させるだけでなく、良好な温度特性を得ることが可能となるのである。尚、「段差の向きが入れ替わる折り返し構造」とは、隣り合う輪帯が生じさせる位相差の正負を逆にするような構造とも換言できる。
請求項2に記載の対物レンズは、請求項1に記載の発明であって、前記対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合に、軸上色収差が正の方向へ変化し、球面収差がアンダーとなることを特徴とする。
対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合に、軸上色収差が正の方向へ変化し、球面収差がアンダーとなることにより、光源の光束の波長が変化した際に生じるフォーカス位置のずれを小さくすることが可能となる。「軸上色収差が正の方向へ変化する」については、後述する。
請求項3に記載の対物レンズは、請求項1又は2に記載の発明であって、前記輪帯構造により、前記対物レンズを通過する波面に付加される光路差を、光軸からの高さh(mm)の関数として、
Φb=C2・h2+C4・h4+C6・h6+・・・・
(ただし、C2、C4、C6、・・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・の光路差関数係数である)により定義される光路差関数Φbで表したとき、2次の光路差関数係数C2が正であり、前記対物レンズに入射する光束の波長をより長い波長とした場合に、球面収差がアンダーとなることを特徴とする。
Φb=C2・h2+C4・h4+C6・h6+・・・・
(ただし、C2、C4、C6、・・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・の光路差関数係数である)により定義される光路差関数Φbで表したとき、2次の光路差関数係数C2が正であり、前記対物レンズに入射する光束の波長をより長い波長とした場合に、球面収差がアンダーとなることを特徴とする。
ここで、2次の光路差関数係数C2を正にすることにより、対物レンズに入射する光束をより長い波長にした場合に、軸上色収差を正の方向へ変化させることが可能となる。
請求項4に記載の対物レンズは、請求項1から3までの何れかに記載の発明であって、前記Δf/Δλと前記ΔSA/Δλが以下の(2)式と(3)式を満たすことを特徴とする。
0.00028≦Δf/Δλ≦0.0005 (2)
−0.02≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (3)
但し、球面収差ΔSAの符号は、オーバー(補正過剰)方向に変化する場合を「+」、アンダー(補正不足)方向に変化する場合を「−」とする。
0.00028≦Δf/Δλ≦0.0005 (2)
−0.02≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (3)
但し、球面収差ΔSAの符号は、オーバー(補正過剰)方向に変化する場合を「+」、アンダー(補正不足)方向に変化する場合を「−」とする。
請求項5に記載の対物レンズは、請求項1から4までの何れかに記載の発明であって、前記光ピックアップ装置の温度変化量をΔTとし、前記温度変化量ΔTに起因して発生する対物レンズの球面収差をΔSA′としたときに、以下の(4)式、
−0.00097≦ΔSA′/ΔT≦0.0016 (4)
を満たすことを特徴とする。
−0.00097≦ΔSA′/ΔT≦0.0016 (4)
を満たすことを特徴とする。
但し、ΔSA′を測定もしくは計算する際の前記対物レンズへの入射光束の波長の温度変化率を+0.05nm/℃とし、ΔSA′における球面収差の符号は、オーバー方向に変化する場合を「+」、アンダー方向に変化する場合を「−」とする。
請求項6に記載の対物レンズは、請求項1から5までの何れかに記載の発明であって、前記Δf/Δλと前記ΔSA/Δλが以下の(5)式と(6)式、
0.0003≦Δf/Δλ≦0.0004 (5)
−0.015≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (6)
を満たすことを特徴とする。
0.0003≦Δf/Δλ≦0.0004 (5)
−0.015≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (6)
を満たすことを特徴とする。
光ピックアップ装置の温度特性を改善するために、光ピックアップ装置の光学系内の光学素子をアクチュエータなどで制御し、光ピックアップ装置の温度変化に起因して発生する球面収差を補正する方法がある。上記(5)式と(6)式を満たすことにより、温度特性をさらに良好にすることが可能となる。そのため、光ピックアップ装置の温度特性を改善するために、光ピックアップ装置の光学系内の光学素子をアクチュエータで制御する場合において、アクチュエータの可動量を小さくすることが可能となる。よって、アクチュエータのサイズを小型化することが可能であり、光ピックアップ装置の構成を簡素化することが可能となる。
請求項7に記載の対物レンズは、請求項1から6までの何れかに記載の発明であって、前記対物レンズの折り返し部よりも光軸直交方向内側に形成された前記輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をm1とし、前記対物レンズの前記折り返し部よりも光軸直交方向内側に形成された前記輪帯構造の輪帯の総数をM1、前記対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(7)式、
2.8≦(m1・M1)/f≦6.9 (7)
を満たすことを特徴とする。
2.8≦(m1・M1)/f≦6.9 (7)
を満たすことを特徴とする。
請求項8に記載の対物レンズは、請求項1から7までの何れかに記載の発明であって、前記対物レンズの前記折り返し部よりも光軸直交方向外側に形成された前記輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をm2とし、前記対物レンズの前記折り返し部よりも光軸直交方向外側の前記輪帯構造の輪帯の総数をM2、前記対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(8)式、
35≦(m2・M2)/f≦93 (8)
を満たすことを特徴とする。
35≦(m2・M2)/f≦93 (8)
を満たすことを特徴とする。
請求項9に記載の対物レンズは、請求項1から8までの何れかに記載の発明であって、前記対物レンズの有効径内の前記輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をmとし、前記対物レンズの輪帯の総数をM、前記対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(9)式、
38≦(m・M)/f≦100 (9)
を満たすことを特徴とする。
38≦(m・M)/f≦100 (9)
を満たすことを特徴とする。
請求項10に記載の対物レンズは、請求項1から9までの何れかに記載の発明であって、前記輪帯構造が形成された前記対物レンズの光学面上で、段差の向きが入れ替わる像側開口数をNA′としたときに、以下の(10)式、
0.41≦NA′≦0.56 (10)
を満たすことを特徴とする。
0.41≦NA′≦0.56 (10)
を満たすことを特徴とする。
請求項11に記載の対物レンズは、請求項1から10までの何れかに記載の発明であって、前記対物レンズの有効径内の前記輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値mが2以上の自然数であることを特徴とする。
mを2以上の自然数に設定すると、輪帯幅を大きく確保することができ、金型加工時の形状誤差や成形時の転写不良による光利用効率の低下を低減することが可能となる。
請求項12に記載の対物レンズは、請求項1から11までの何れかに記載の発明であって、前記対物レンズの光軸上の厚さをdとしたときに、以下の(11)式、
0.9≦d/f≦1.8 (11)
を満たすことを特徴とする。
0.9≦d/f≦1.8 (11)
を満たすことを特徴とする。
BDのような短波長、高NAの光ディスクに対応させる場合、対物レンズにおいて、非点収差が発生しやすくなり、偏心コマ収差も発生しやすくなるという課題が生じるが、上記(11)式を満たすことにより非点収差や偏心コマ収差の発生を抑制することが可能となる。
請求項13に記載の対物レンズは、請求項1から12までの何れかに記載の発明であって、前記対物レンズは、プラスチックレンズであることを特徴とする。
プラスチックレンズでは、ガラスレンズに比べて温度変化による屈折率の変化は大きくなる。そのため、対物レンズの屈折率が変化することにより生じる収束位置のずれはより大きく発生してしまうので、本発明の効果がより顕著となる。
請求項14に記載の光ピックアップ装置は、請求項1から13までの何れかに記載の対物レンズを搭載したことを特徴とする。
請求項15に記載の光情報記録再生装置は、請求項14に記載の光ピックアップ装置を備えたことを特徴とする。
本発明に係る光ピックアップ装置は、少なくとも一つの光源を有する。さらに、本発明の光ピックアップ装置は、光源から出射された光束を光ディスクの情報記録面上に集光させるための集光光学系を有する。また、本発明の光ピックアップ装置は、光ディスクの情報記録面からの反射光束を受光する受光素子を有する。
光ディスクは、厚さがtの保護基板と情報記録面とを有する。光ディスクはBD(Blu−ray Disc)であることが好ましい。なお、光ディスクは、複数の情報記録面を有する複数層の光ディスクでもよい。
本明細書において、BDとは、波長390〜420nm程度の光束、NA0.8〜0.9程度の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが0mm〜0.125mm程度、より好ましくは0.075mm〜0.125mm程度であるBD系列光ディスクの総称であり、単一の情報記録層のみ有するBDや、2層や3層以上(例えば4層)の情報記録層を有するBD等を含むものである。
なお、保護基板の厚さtに関しては、以下の条件式(a)を満たすことが好ましいが、これに限られない。尚、ここで言う、保護基板の厚さとは、光ディスク表面に設けられた保護基板の厚さのことである。即ち、光ディスク表面から、表面に最も近い情報記録面までの保護基板の厚さのことをいう。
0mm<t≦0.125mm (a)
好ましくは、以下の条件式(a)’、
0.075mm≦t≦0.125mm (a)’
を満たすことが好ましい。
0mm<t≦0.125mm (a)
好ましくは、以下の条件式(a)’、
0.075mm≦t≦0.125mm (a)’
を満たすことが好ましい。
本明細書において、光源は、好ましくはレーザ光源である。レーザ光源としては、好ましくは半導体レーザ、シリコンレーザ等を用いることが出来る。また、光ディスクとして、BDが用いられる場合、光源から出射される光束の波長λは好ましくは、350nm以上、440nm以下、より好ましくは、390nm以上、420nm以下である。また、第1光源と後述する受光素子を1パッケージ化してもよい。
受光素子としては、フォトダイオードなどの光検出器が好ましく用いられる。光ディスクの情報記録面上で反射した光が受光素子へ入射し、その出力信号を用いて、各光ディスクに記録された情報の読み取り信号が得られる。さらに、受光素子上のスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、この検出に基づいて、合焦、トラッキングのために対物レンズを移動させることが出来る。受光素子は、複数の光検出器からなっていてもよい。受光素子は、メインの光検出器とサブの光検出器を有していてもよい。例えば、情報の記録再生に用いられるメイン光を受光する光検出器の両脇に2つのサブの光検出器を設け、当該2つのサブの光検出器によってトラッキング調整用のサブ光を受光するような受光素子としてもよい。また、受光素子は各光源に対応した複数の受光素子を有していてもよい。
集光光学系は、対物レンズを有する。集光光学系は、対物レンズの他にコリメータ等のカップリングレンズを有していることが好ましい。カップリングレンズとは、対物レンズと光源の間に配置され、光束の発散角を変える単レンズ又はレンズ群のことをいう。コリメータは、カップリングレンズの一種で、コリメータに入射した光を平行光にして出射するレンズである。集光光学系は、温度変化時に発生する収差を補正するためにカップリングレンズを光軸方向に移動する手段を有していても良い。本明細書において、対物レンズとは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系を指す。また、対物レンズは、ガラスレンズであってもプラスチックレンズであっても、又は、ガラスレンズの上に光硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、又は熱硬化性樹脂などで光路差付与構造を設けたハイブリッドレンズであってもよい。本発明においては、対物レンズがプラスチックレンズであることが好ましい。また、対物レンズは、屈折面が非球面であることが好ましい。また、対物レンズは、輪帯構造が設けられるベース面が非球面であることが好ましい。
また、対物レンズをガラスレンズとする場合は、ガラス転移点Tgが450℃以下、更に好ましくは400℃以下であるガラス材料を使用することが好ましい。ガラス転移点Tgが450℃以下であるガラス材料を使用することにより、比較的低温での成形が可能となるので、金型の寿命を延ばすことが出来る。このようなガラス転移点Tgが低いガラス材料としては、例えば(株)住田光学ガラス製のK−PG325や、K−PG375(共に製品名)がある。
ところで、ガラスレンズは一般的に樹脂レンズよりも比重が大きいため、対物レンズをガラスレンズとすると、質量が大きくなり対物レンズを駆動するアクチュエータに負担がかかる。そのため、対物レンズをガラスレンズとする場合には、比重が小さいガラス材料を使用するのが好ましい。具体的には、比重が4.0以下であるのが好ましく、更に好ましくは比重が3.0以下であるものである。
また、対物レンズをプラスチックレンズとする場合は、環状オレフィン系の樹脂材料等の脂環式炭化水素系重合体材料を使用するのが好ましい。また、当該樹脂材料は、波長405nmに対する温度25℃での屈折率が1.54乃至1.60の範囲内であって、−5℃から70℃の温度範囲内での温度変化に伴う波長405nmに対する屈折率変化率dN/dT(℃−1)が−20×10−5乃至−5×10−5(より好ましくは、−10×10−5乃至−8×10−5)の範囲内である樹脂材料を使用するのがより好ましい。また、対物レンズをプラスチックレンズとする場合、カップリングレンズもプラスチックレンズとすることが好ましい。
脂環式炭化水素系重合体の好ましい例を幾つか、以下に示す。
第1の好ましい例は、下記式(I)で表される繰り返し単位〔1〕を含有する重合体ブロック〔A〕と、下記式(1)で表される繰り返し単位〔1〕並びに下記式(II)で表される繰り返し単位〔2〕または/および下記式(III)で表される繰り返し単位〔3〕を含有する重合体ブロック〔B〕とを有し、前記ブロック〔A〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率a(モル%)と、前記ブロック〔B〕中の繰り返し単位〔1〕のモル分率b(モル%)との関係がa>bであるブロック共重合体からなる樹脂組成物である。
(式中、R1は水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表し、R2−R12はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、またはハロゲン基である。)
(式中、R13は、水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
(式中、R14およびR15はそれぞれ独立に、水素原子、または炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
次に、第2の好ましい例は、少なくとも炭素原子数2〜20のα−オレフィンと下記一般式(IV)で表される環状オレフィンからなる単量体組成物とを付加重合させることにより得られる重合体(A)と、炭素原子数2〜20のα−オレフィンと下記一般式(V)で表される環状オレフィンからなる単量体組成物とを付加重合させることにより得られる重合体(B)とを含む樹脂組成物である。
次に、第2の好ましい例は、少なくとも炭素原子数2〜20のα−オレフィンと下記一般式(IV)で表される環状オレフィンからなる単量体組成物とを付加重合させることにより得られる重合体(A)と、炭素原子数2〜20のα−オレフィンと下記一般式(V)で表される環状オレフィンからなる単量体組成物とを付加重合させることにより得られる重合体(B)とを含む樹脂組成物である。
〔式中、nは0または1であり、mは0または1以上の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18、Ra及びRbは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、括弧内の単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR15とR16と、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
〔式中、R19〜R26はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。〕
樹脂材料に更なる性能を付加するために、以下のような添加剤を添加してもよい。
樹脂材料に更なる性能を付加するために、以下のような添加剤を添加してもよい。
(安定剤)
フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤及びイオウ系安定剤から選ばれた少なくとも1種の安定剤を添加することが好ましい。これらの安定剤を適宜選択し添加することで、例えば、405nmといった短波長の光を継続的に照射した場合の白濁や、屈折率の変動等の光学特性変動をより高度に抑制することができる。
フェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤及びイオウ系安定剤から選ばれた少なくとも1種の安定剤を添加することが好ましい。これらの安定剤を適宜選択し添加することで、例えば、405nmといった短波長の光を継続的に照射した場合の白濁や、屈折率の変動等の光学特性変動をより高度に抑制することができる。
好ましいフェノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート))]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。
また、好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
また、好ましいリン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
また、好ましいイオウ系安定剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ)−プロピオネート、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
これらの各安定剤の配合量は、本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、脂環式炭化水素系共重合体100質量部に対して通常0.01〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部であることが好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、同一分子中に親水基と疎水基とを有する化合物である。界面活性剤は樹脂表面への水分の付着や上記表面からの水分の蒸発の速度を調節することで、樹脂組成物の白濁を防止することが可能となる。
界面活性剤は、同一分子中に親水基と疎水基とを有する化合物である。界面活性剤は樹脂表面への水分の付着や上記表面からの水分の蒸発の速度を調節することで、樹脂組成物の白濁を防止することが可能となる。
界面活性剤の親水基としては、具体的には、ヒドロキシ基、炭素数1以上のヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、アンモニウム塩、チオール、スルホン酸塩、リン酸塩、ポリアルキレングリコール基などが挙げられる。ここで、アミノ基は1級、2級、3級のいずれであってもよい。界面活性剤の疎水基としては、具体的に炭素数6以上のアルキル基、炭素数6以上のアルキル基を有するシリル基、炭素数6以上のフルオロアルキル基などが挙げられる。ここで、炭素数6以上のアルキル基は置換基として芳香環を有していてもよい。アルキル基としては、具体的にヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデセニル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ミリスチル、ステアリル、ラウリル、パルミチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。芳香環としてはフェニル基などが挙げられる。この界面活性剤は、上記のような親水基と疎水基とをそれぞれ同一分子中に少なくとも1個ずつ有していればよく、各基を2個以上有していてもよい。
このような界面活性剤としては、より具体的には、例えば、ミリスチルジエタノールアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシドデシルアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシトリデシルアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシテトラデシルアミン、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ジ−2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシドデシルアミン、アルキル(炭素数8〜18)ベンジルジメチルアンモニウムクロライド、エチレンビスアルキル(炭素数8〜18)アミド、ステアリルジエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、パルミチルジエタノールアミド、などが挙げられる。これらのうちでも、ヒドロキシアルキル基を有するアミン化合物またはアミド化合物が好ましく用いられる。本発明では、これら化合物を2種以上組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤は、温度、湿度の変動に伴う成形物の白濁を効果的に抑え、成形物の光透過率を高く維持するという観点から、脂環式炭化水素系重合体100質量部に対して0.01〜10質量部添加されることが好ましい。界面活性剤の添加量は脂環式炭化水素系重合体100質量部に対して0.05〜5質量部とすることがより好ましく、0.3〜3質量部とすることが更に好ましい。
(可塑剤)
可塑剤は共重合体のメルトインデックスを調節するため、必要に応じて添加される。
可塑剤は共重合体のメルトインデックスを調節するため、必要に応じて添加される。
可塑剤としては、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)、ジプロピレングリコールジベンゾエート、クエン酸トリ−n−ブチル、クエン酸トリ−n−ブチルアセチル、エポキシ化大豆油、2−エチルヘキシルエポキシ化トール油、塩素化パラフィン、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、リン酸−t−ブチルフェニル、リン酸トリ−2−エチルヘキシルジフェニル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、Santicizer 278、Paraplex G40、Drapex 334F、Plastolein 9720、Mesamoll、DNODP−610、HB−40等の公知のものが適用可能である。可塑剤の選定及び添加量の決定は、共重合体の透過性や環境変化に対する耐性を損なわないことを条件に適宜行なわれる。
これらの樹脂としては、シクロオレフィン樹脂が好適に用いられ、具体的には、日本ゼオン社製のZEONEXや、三井化学社製のAPEL、TOPAS ADVANCED POLYMERS社製のTOPAS、JSR社製ARTONなどが好ましい例として挙げられる。
また、対物レンズを構成する材料のアッベ数は、50以上であることが好ましい。
対物レンズについて、以下に記載する。本発明に係る対物レンズは、複数の輪帯から構成され、かつ、隣り合う輪帯同士が、入射光に対して所定の光路差を生じるように形成された輪帯構造を、少なくとも1つの光学面上に有している。当該輪帯構造は回折構造であることが好ましい。
また、本明細書でいう回折構造とは、段差を有し、回折によって光束を収束あるいは発散させる作用を持たせる構造の総称である。例えば、単位形状が光軸を中心として複数並ぶことによって構成されており、それぞれの単位形状に光束が入射し、透過した光の波面が、隣り合う輪帯毎にずれを起こし、その結果、新たな波面を形成することによって光を収束あるいは発散させるような構造を含むものである。回折構造は、好ましくは段差を複数有し、段差は光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。また、回折構造を設けた対物レンズが単玉非球面レンズの場合、光軸からの高さによって光束の対物レンズへの入射角が異なるため、回折構造の段差量は輪帯毎に若干異なることとなる。例えば、対物レンズが単玉非球面の凸レンズである場合、同じ回折次数の回折光を発生させる回折構造であっても、一般的に光軸から離れる程、段差量が大きくなる傾向となる。
また、対物レンズの輪帯構造は、段差の向きが有効径内で少なくとも一度入れ替わる折り返し構造となっている。ここで、段差の向きが有効径内で少なくとも一度入れ変わる折り返し構造とは、図1に示すように、光軸付近では輪帯構造の段差が光軸とは逆の方向を向いているが、途中で入れ替わり、入れ替わる位置よりも光軸直交方向外側では、輪帯構造の段差が光軸の方向を向いている構造のことである。尚、「段差が光軸とは逆の方向を向いている」とは、図2のような状態を言う。
本発明に係る対物レンズの有効径内の輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値mが2以上の自然数であることが好ましい。
ここで、有効径内の輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値mは、輪帯間の各段差で最も多く発生する回折光の回折次数の絶対値の合計を段差数で除すことによって求める事ができる。より具体的には、有効径内の輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値mは、以下のように求めることができる。
有効径内に形成された段差の段差量(μm)を光軸から近い順に、Δ1、Δ2、・・・、Δi−1、Δi、としたとき、以下で算出するものとする。m=Σ|mi|/iただし、mi=INT(Xi)、Xi=Δi・(N0−1)/(λ0・10−3)ここで、INT(X)はXを四捨五入して得られる整数であり、Δi(μm)は、光軸方向の段差の深さであり、N0は設計基準波長λ0(nm)における対物レンズの屈折率である。
本発明に係る対物レンズは、対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合に、軸上色収差が正の方向へ変化し、球面収差がアンダーとなる。ここで軸上色収差が正の方向へ変化するとは、図3に示すように、対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合に、軸上色収差が色出し方向へ変化することをいう。色出し方向とは、図3に示すようにA点からB点へ向かう方向である。A点は基準波長時における本発明の対物レンズの軸上色収差、B点は対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合における本発明の対物レンズの軸上色収差を表す。また、軸上色収差が正の方向へ変化するとは、対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合に、対物レンズのフォーカス位置が対物レンズから遠ざかることである。つまり、図3のBはAよりも対物レンズから離れた位置である。また、本発明に係る対物レンズは、図3に示すように、光束の波長が対物レンズの設計基準波長である場合において、軸上色収差及び球面収差が発生していないことが好ましい。
ここで、「アンダーな球面収差もしくは、オーバーな球面収差」については、図13に示すように、近軸像点位置を原点とする球面収差において、近軸像点よりも手前側で光軸と交わる場合を「アンダー」、近軸像点よりも遠い位置で光軸と交わる場合を「オーバー」とする。
本発明に係る対物レンズは、対物レンズに入射する光束の波長の変化量をΔλ(nm)、波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの球面収差をΔSA(λrms)、波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの軸上色収差をΔf(mm)としたときに、以下の(1)式、
−70≦(ΔSA/Δλ)/(Δf/Δλ)≦−20 (1)
を満たす。
−70≦(ΔSA/Δλ)/(Δf/Δλ)≦−20 (1)
を満たす。
また、Δf/ΔλとΔSA/Δλが以下の(2)式と(3)式、
0.00028≦Δf/Δλ≦0.0005 (2)
−0.02≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (3)
を満たすことが好ましい。
0.00028≦Δf/Δλ≦0.0005 (2)
−0.02≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (3)
を満たすことが好ましい。
また、本発明に係る対物レンズは、輪帯構造により、対物レンズを通過する波面に付加される光路差を、光軸からの高さh(mm)の関数として、
Φb=C2・h2+C4・h4+C6・h6+・・・・
(ただし、C2、C4、C6、・・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・の光路差関数係数である)により定義される光路差関数Φbで表したとき、2次の光路差関数係数C2が正であることが好ましい。2次の光路差関数係数C2を正にすることにより、対物レンズに入射する光束をより長い波長にした場合に、軸上色収差を正の方向へ変化させることが可能となる。
Φb=C2・h2+C4・h4+C6・h6+・・・・
(ただし、C2、C4、C6、・・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・の光路差関数係数である)により定義される光路差関数Φbで表したとき、2次の光路差関数係数C2が正であることが好ましい。2次の光路差関数係数C2を正にすることにより、対物レンズに入射する光束をより長い波長にした場合に、軸上色収差を正の方向へ変化させることが可能となる。
本発明に係る対物レンズは、光ピックアップ装置の温度変化量をΔTとし、温度変化ΔTに起因して発生する対物レンズの球面収差をΔSA′としたときに、以下の(4)式、
−0.00097≦ΔSA′/ΔT≦0.0016 (4)
を満たすことが好ましい。
−0.00097≦ΔSA′/ΔT≦0.0016 (4)
を満たすことが好ましい。
以下の(4)′式、
−0.00097≦ΔSA′/ΔT≦0.0015 (4)′
を満たすと、より好ましい。
−0.00097≦ΔSA′/ΔT≦0.0015 (4)′
を満たすと、より好ましい。
本発明に係る対物レンズは、Δf/ΔλとΔSA/Δλが以下の(5)式と(6)式、
0.0003≦Δf/Δλ≦0.0004 (5)
−0.015≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (6)
を満たすことが好ましい。
0.0003≦Δf/Δλ≦0.0004 (5)
−0.015≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (6)
を満たすことが好ましい。
上記(5)式と(6)式を満たすことにより、温度特性をさらに良好にすることが可能となる。そのため、光ピックアップ装置の温度特性を改善するために、光ピックアップ装置の光学系内の光学素子をアクチュエータで制御する場合において、アクチュエータの可動量を小さくすることが可能となる。よって、アクチュエータのサイズを小型化することが可能であり、光ピックアップ装置の構成を簡素化することが可能となる。
以下の(5)′式と(6)′式、
0.00031≦Δf/Δλ≦0.00037 (5)′
−0.012≦ΔSA/Δλ≦−0.008 (6)′
を満たすと、より好ましい。
0.00031≦Δf/Δλ≦0.00037 (5)′
−0.012≦ΔSA/Δλ≦−0.008 (6)′
を満たすと、より好ましい。
本発明に係る対物レンズは、対物レンズの折り返しよりも光軸直交方向内側に形成された輪帯構造(図1のA、B、C、G)によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をm1とし、対物レンズの折り返しよりも光軸直交方向内側に形成された輪帯構造の輪帯の総数をM1、対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(7)式、
2.8≦(m1・M1)/f≦6.9 (7)
を満たすことが好ましい。
2.8≦(m1・M1)/f≦6.9 (7)
を満たすことが好ましい。
上記(7)式を満たすことにより、対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合に、軸上色収差を正の方向へ変化させることが可能となる。
本発明に係る対物レンズは、対物レンズの折り返しよりも光軸直交方向外側に形成された輪帯構造(図1のD、E、F)によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をm2とし、対物レンズの折り返しよりも光軸直交方向外側の輪帯構造の輪帯の総数をM2、対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(8)式、
35≦(m2・M2)/f≦93 (8)
を満たすことが好ましい。
35≦(m2・M2)/f≦93 (8)
を満たすことが好ましい。
上記(8)式を満たすことにより、対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合に、球面収差をアンダーとすることが可能となる。
本発明に係る対物レンズは、対物レンズの有効径内の輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をmとし、対物レンズの輪帯の総数をM、対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(9)式、
38≦(m・M)/f≦100 (9)
を満たすことが好ましい。
38≦(m・M)/f≦100 (9)
を満たすことが好ましい。
本発明に係る対物レンズは、輪帯構造が形成された対物レンズの光学面上で、段差の向きが入れ替わる像側開口数をNA′としたときに、以下の(10)式、
0.41≦NA′≦0.56 (10)
を満たすことが好ましい。
0.41≦NA′≦0.56 (10)
を満たすことが好ましい。
上記(10)式を満たすことにより、対物レンズへ入射する光束をより長い波長とした場合に、軸上色収差を正の方向へ変化させることが可能となる。図1において、段差の向きが入れ替わる像側開口数は、NA′である。
本発明に係る対物レンズの光軸上の厚さをd(mm)、対物レンズの焦点距離をf(mm)としたときに、以下の(11)式、
0.9≦d/f≦1.8 (11)
を満たすことが好ましい。
0.9≦d/f≦1.8 (11)
を満たすことが好ましい。
BDのような短波長、高NAの光ディスクに対応させる場合、対物レンズにおいて、非点収差が発生しやすくなり、偏心コマ収差も発生しやすくなるという課題が生じるが、上記(11)式を満たすことにより非点収差や偏心コマ収差の発生を抑制することが可能となる。
さらに、以下の(12)式、
0.9≦d/f≦1.5 (12)
を満たすと、より好ましい。
0.9≦d/f≦1.5 (12)
を満たすと、より好ましい。
上記(12)式を満たすことにより、対物レンズのワーキングディスタンスを長めに確保することが可能となる。
本発明によれば、レーザ光の発振波長が変化したときに生じるベストフォーカス位置のずれを小さくすることが可能となる。したがって、光ディスクに対して、良好に再生又は記録を行うことが可能となる。特に、記録の際には、レーザ光の出力の増大に伴い波長の変化が生じやすいため、本発明の効果がより顕著となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図4はBDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる本実施の形態の光ピックアップ装置PU1の構成の一例を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU1は、光情報記録再生装置に搭載できる。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
光ピックアップ装置PU1は、対物レンズOBJ、λ/4波長板QWP、光軸方向に移動可能なコリメートレンズCL、偏光ビームスプリッタBS、BDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ1=405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1半導体レーザLD1(第1光源)と、センサレンズSEN、光検出器としての受光素子PD1等を有する。
本実施の形態にかかる単玉の対物レンズOBJは、複数の輪帯から構成され、かつ、隣り合う輪帯同士が、入射光に対して所定の光路差を生じるように形成された輪帯構造を、光源側の光学面上に有している。また、輪帯構造は、段差の向きが有効径内で少なくとも一度入れ替わる折り返し構造となっている。また、本実施の形態の対物レンズはプラスチックレンズである。
第1半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、実線で示すように、偏光ビームスプリッタBSを通過した後、コリメートレンズCLを通過して平行光となり、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、絞りAPによりその光束径が規制され、対物レンズOBJに入射する。ここで、対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.1mmの保護基板PL1を介して、BDの情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。
情報記録面RL1上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りAPを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタBSで反射され、センサレンズSENを介して受光素子PD1の受光面上に収束する。そして、受光素子PDの出力信号を用いて、2軸アクチュエータAC1により対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、BDに記録された情報を読み取ることができる。ここで、複数の情報記録層を有するBDの記録/再生を行う場合、温度変化時や異なる情報記録層に起因して発生する球面収差を、倍率変更手段としてのコリメートレンズCLをアクチュエータAC2により光軸方向に変化させて、対物光学素子OBJに入射する光束の発散角又は収束角を変更することで補正できるようになっている。また、第1光束に波長変動が生じた場合に、コリメータレンズCLを光軸方向に移動させても良い。
以下、上述した実施の形態に用いることができる実施例について説明する。尚、これ以降(表のレンズデータ含む)において、10のべき乗数(例えば、2.5×10−3)を、E(例えば、2.5×E−3)を用いて表す場合がある。また、対物レンズの光学面は、それぞれ数1式に表に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
ここで、X(h)は光軸方向の軸(光の進行方向を正とする)、κは円錐係数、Aiは非球面係数、hは光軸からの高さ、rは近軸曲率半径である。
また、回折構造を用いた実施例の場合、その回折構造により各波長の光束に対して与えられる光路差は、数2式の光路差関数に、表に示す係数を代入した数式で規定される。
尚、λは入射光束の波長、λBは製造波長(ブレーズ化波長)、dorは回折次数、Ciは光路差関数の係数である。
実施例1〜4のレンズデータを表1〜4にそれぞれ示す。輪帯構造を持たないノーマルレンズである比較例1〜4のレンズデータを表5〜8にそれぞれ示す。表9及び表10に実施例1〜4及び比較例1〜4の一覧表を示す。実施例1〜4及び比較例1〜4のレンズには、環状オレフィン系の樹脂材料を用いている。以下の表で、反転輪帯とは図1でいうところのGのように入れ替わっている輪帯をいう。表9及び表10の温度特性ΔSA′は、光ピックアップ装置の温度が30℃変化した際に生じる球面収差の値である。また、実施例1〜4において、対物レンズの折り返しよりも光軸直交方向内側に形成された輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値m1及び、対物レンズの折り返しよりも光軸直交方向外側に形成された輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値m2は、対物レンズの有効径内の輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値mと同次数となっている。
表9及び表10に示すように、実施例1〜4に示した本発明の対物レンズは、比較例1〜4に示した輪帯構造を持たないそれぞれのノーマルレンズに対して、Δf/Δλの値が大きくなっている、つまり、対物レンズに入射する光束をより長い波長にした場合に、軸上色収差が正の方向へ変化している。また、実施例1〜4に示した本発明の対物レンズでは、ΔSA/Δλの値が負の値となっている、つまり、対物レンズに入射する光束をより長い波長にした場合に、球面収差がアンダーとなっている。これらにより、実施例1〜4に示した本発明の対物レンズでは、比較例1〜4に示したそれぞれのノーマルレンズと比較して、光束の波長が変化した際に生じる色収差(フォーカス位置のずれ)を小さくすることを可能にしている。また、実施例1〜4に示した本発明の対物レンズでは、比較例1〜4に示したそれぞれのノーマルレンズと比較して、温度変化した際に生じる球面収差の絶対値が小さくなっている、つまり、温度特性を良好にすることを可能にしている。
Claims (15)
- 波長λ(390nm≦λ≦420nm)の光束を出射する光源と、前記光源から出射された光束を厚さt(0mm<t≦0.125mm)の保護基板を介して光ディスクの情報記録面に集光させるための対物レンズを含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記光源からの光束を、光ディスクの情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置に用いられる対物レンズであって、
前記対物レンズの像側開口数は0.75以上であり、
前記対物レンズは、複数の輪帯から構成され、かつ、隣り合う輪帯同士が、入射光に対して所定の光路差を生じるように形成された輪帯構造を、少なくとも1つの光学面上に有し、前記輪帯構造は、段差の向きが有効径内で少なくとも一度入れ替わる折り返し構造となっており、
以下の(1)式を満たすことを特徴とする対物レンズ。
−70≦(ΔSA/Δλ)/(Δf/Δλ)≦−20 (1)
ここで、Δλ(nm)は波長の変化量、ΔSA(λrms)は波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの球面収差、Δf(mm)は波長の変化Δλに起因して発生する対物レンズの軸上色収差を表す。 - 前記対物レンズに入射する光束をより長い波長とした場合に、軸上色収差が正の方向へ変化し、発生する球面収差がアンダーとなることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
- 前記輪帯構造により、前記対物レンズを通過する波面に付加される光路差を、光軸からの高さh(mm)の関数として、
Φb=C2・h2+C4・h4+C6・h6+・・・・
(ただし、C2、C4、C6、・・・・はそれぞれ2次、4次、6次、・・・・の光路差関数係数である)により定義される光路差関数Φbで表したとき、2次の光路差関数係数C2が正であり、
前記対物レンズに入射する光束の波長をより長い波長とした場合に、球面収差がアンダーとなることを特徴とする請求項1又は2に記載の対物レンズ。 - 前記Δf/Δλと前記ΔSA/Δλが以下の(2)式と(3)式を満たすことを特徴とする請求項1から3までの何れか一項に記載の対物レンズ。
0.00028≦Δf/Δλ≦0.0005 (2)
−0.02≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (3) - 前記光ピックアップ装置の温度変化量をΔTとし、前記温度変化量ΔTに起因して発生する対物レンズの球面収差をΔSA′としたときに、以下の(4)式を満たすことを特徴とする請求項1から4までの何れか一項に記載の対物レンズ。
−0.00097≦ΔSA′/ΔT≦0.0016 (4) - 前記Δf/Δλと前記ΔSA/Δλが以下の(5)式と(6)式を満たすことを特徴とする請求項1から5までの何れか一項に記載の対物レンズ。
0.0003≦Δf/Δλ≦0.0004 (5)
−0.015≦ΔSA/Δλ≦−0.006 (6) - 前記対物レンズの折り返し部よりも光軸直交方向内側に形成された前記輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をm1とし、前記対物レンズの前記折り返し部よりも光軸直交方向内側に形成された前記輪帯構造の輪帯の総数をM1、前記対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(7)式を満たすことを特徴とする請求項1から6までの何れか一項に記載の対物レンズ。
2.8≦(m1・M1)/f≦6.9 (7) - 前記対物レンズの前記折り返し部よりも光軸直交方向外側に形成された前記輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をm2とし、前記対物レンズの前記折り返し部よりも光軸直交方向外側の前記輪帯構造の輪帯の総数をM2、前記対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(8)式を満たすことを特徴とする請求項1から7までの何れか一項に記載の対物レンズ。
35≦(m2・M2)/f≦93 (8) - 前記対物レンズの有効径内の前記輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値をmとし、前記対物レンズの輪帯の総数をM、前記対物レンズの焦点距離をf(mm)としたとき、以下の(9)式を満たすことを特徴とする請求項1から8までの何れか一項に記載の対物レンズ。
38≦(m・M)/f≦100 (9) - 前記輪帯構造が形成された前記対物レンズの光学面上で、段差の向きが入れ替わる像側開口数をNA′としたときに、以下の(10)式を満たすことを特徴とする請求項1から9までの何れか一項に記載の対物レンズ。
0.41≦NA′≦0.56 (10) - 前記対物レンズの有効径内の前記輪帯構造によって発生する回折光の回折次数の絶対値の平均値mが2以上の自然数であることを特徴とする請求項1から10までの何れか一項に記載の対物レンズ。
- 前記対物レンズの光軸上の厚さをd(mm)としたときに、以下の(11)式を満たすことを特徴とする請求項1から11までの何れか一項に記載の対物レンズ。
0.9≦d/f≦1.8 (11) - 前記対物レンズは、プラスチックレンズであることを特徴とする請求項1から12までの何れか一項に記載の対物レンズ。
- 請求項1から13までの何れか一項に記載の対物レンズを搭載したことを特徴とする光ピックアップ装置。
- 請求項14に記載の光ピックアップ装置を備えたことを特徴とする光情報記録再生装置。
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