JPWO2011030673A1 - 累進屈折力レンズ - Google Patents

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Abstract

この累進屈折力レンズ(LS)は、遠景に対応する屈折力を有する遠用部(F)と、近景に対応する屈折力を有する近用部(N)と、前記遠用部(F)と前記近用部(N)との間に設けられ前記遠用部(F)から前記近用部(N)までの屈折力を連続的に接続する中間部(P)とを有する累進屈折力レンズ(LS)であって、アイポイント位置(EP)と遠用度数測定位置(F1)との装用状態での上下方向の距離が9mm以内であり、前記アイポイント位置(EP)と近用度数測定位置(N1)との装用状態での上下方向の距離が5.5mm以内であり、前記遠用度数測定位置(F1)と前記近用度数測定位置(N1)との間に付加される加入度が1.0ディオプター以下である。

Description

本発明は、累進屈折力レンズに関する。
本願は、2009年9月10日に、日本に出願された特願2009−209243号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
老視による調節力の衰えを補う為の矯正用眼鏡レンズとして、装用状態においてレンズの上方に位置し遠景に対応する屈折率を有する領域である遠用部と、レンズの下方に位置し近景に対応する屈折率を有する領域である近用部と、この遠用部と近用部の中間に位置し遠用部と近用部の屈折力を連続的に滑らかに変化させて接続する領域である中間部とを備えた累進屈折力レンズが知られている。累進屈折力レンズは遠用部の位置に視線を合わせることにより遠方距離を、近用部の位置に視線を合わせることにより近方距離を見ることが可能なため、老視が原因で単焦点レンズの装用や裸眼では遠方又は近方が見えなくなった装用者に有効である。
また、累進屈折力レンズの応用として、若年層の眼精疲労の低減という用途が考えられている。これは近方距離を見る際には近用部を使用することにより近方視のために必要な調節力を抑えて眼精疲労を低減し、遠方距離を見る際には遠用部を使用するという方法である。
特表2002−518705号公報
しかしながら、従来の累進屈折力レンズでは前記の若年層の眼精疲労の低減に使用することが困難であった。
例えば、遠近用レンズを装用する場合は、アイポイント付近で加入がほとんど付加されておらず、自然な視線で遠方を問題無く見ることができるものの、アイポイント位置と近用度数測定位置との距離が、短い品種でも12mm程度であり、近用部を使用するためには眼球を大きく下に回旋させなければならない。若年層は遠用度数測定位置を使用しても近方距離を見ることが可能なくらい調節力が大きいため、近方を見るためにわざわざ眼球を大きく下に回旋させることはほとんど考えられず、眼精疲労の低減効果が期待できない。
また、近々用レンズを装用する場合は、アイポイント付近で加入の大半が付加されているため、通常の視線での眼精疲労の低減効果が期待できる。しかし遠用度数測定位置とアイポイント位置との距離は14mm程度であり、遠用部を使用するためには眼球を大きく上に回旋させなければならず、遠方距離を見る場合に不便である。調節力が大きく、遠用度数で矯正した単焦点レンズで遠方距離も近方距離も見ることが可能である若年層にとっては、単焦点レンズよりも遠方視が不便な近々用レンズを好むとは考えにくい。
また、中近用レンズは遠用度数測定位置が近々用レンズ、近用度数測定位置が遠近用レンズに近い位置に配置されているため、若年層が装用する場合は、遠方視が不便な上に眼精疲労の低減効果が期待できないレンズとなってしまう。
本発明の態様は、近方距離を見る場合に無意識に近用部を使用することが可能で、さらに遠方距離は無理の無い眼球の回旋で見ることが可能な累進屈折力レンズの提供を目的とする。
本発明の一態様にかかる累進屈折力レンズは、遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、遠用部と近用部との間に設けられ遠用部から近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部とを有する累進屈折力レンズであって、アイポイント位置と遠用度数測定位置との装用状態での上下方向の距離が9mm以内であり、アイポイント位置と近用度数測定位置との装用状態での上下方向の距離が5.5mm以内であり、遠用度数測定位置と近用度数測定位置との間に付加される加入度が1.0ディオプター以下である。
本発明の態様にかかる累進屈折力レンズによれば、近方距離を見る場合に無意識に近用部を使用することが可能で、さらに遠方距離は無理の無い眼球の回旋で見ることが可能な累進屈折力レンズを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る累進屈折力レンズの領域区分の概要を示す図である。 眼球運動による視線利用範囲を示す図である。 本発明の実施例1に係る累進屈折力レンズの加入度変化を示す図である。 本実施例に係る累進屈折力レンズの収差を示す図である。 本発明の実施例2に係る累進屈折力レンズの加入度変化を示す図である。 本実施例に係る累進屈折力レンズの収差を示す図である。 本発明の実施例3に係る累進屈折力レンズの加入度変化を示す図である。 本実施例に係る累進屈折力レンズの収差を示す図である。 遠用度数測定位置と近用度数測定位置との間の距離と、アイポイントから横目線での明視域の上限角度との関係を示すグラフである。
本発明の一実施形態を説明する。以下の記載において、屈折力の単位は、特に言及しない場合にはディオプター(D)によって表されるものとする。また、以下の説明において、累進屈折力レンズの「上方」、「下方」、「上部」、「下部」等と表記する場合は、当該累進屈折力レンズが眼鏡用に加工される場合において眼鏡を装用したときのレンズの位置関係に基づくものとする。以下の各図面においても、レンズの位置関係(上下左右)は、紙面に対する位置関係(上下左右)と一致するものとする。
図1は本実施形態に係る累進屈折力レンズにおける領域区分の概要を示す図である。
図1に示すように、累進屈折力レンズLSは、眼鏡用フレームの形状に合わせてレンズを加工する前の状態(玉摺り加工前の状態)になっており、平面視で円形に形成されている。図1に示す累進屈折力レンズLSの図中の上下方向は、装用状態における上下方向と一致している。この累進屈折力レンズLSは、図中上側が装用時において上方に配置されることとなり、図中下側が装用時において下方に配置されることとなる。累進屈折力レンズLSは、遠用部Fと、近用部Nと、累進部(中間部)Pとを有している。
遠用部Fは、累進屈折力レンズLSの上方に配置されており、当該累進屈折力レンズLSが眼鏡用に加工された後には遠景に対応する屈折力を有する部分となる。近用部Nは、累進屈折力レンズLSの下部に配置されており、当該累進屈折力レンズLSが眼鏡用に加工された後には近景に対応する屈折力を有する部分となる。累進部Pは、累進屈折力レンズLSのうち遠用部Fと近用部Nの中間に配置されており、遠用部Fと近用部Nとの間の屈折力を連続的に滑らかに変化させて接続する部分である。
累進屈折力レンズLSは、複数の基準点を有している。このような基準点として、例えば、図1に示すように、アイポイント(フィッティングポイントとも呼ばれる)位置EP、光学中心点OG、遠用度数測定位置F1、近用度数測定位置N1などが挙げられる。アイポイント位置EPは、装用者がレンズ装用する時の基準点となる。光学中心点OGは、レンズの光学的特性の中心点となる。
遠用度数測定位置F1は、レンズの遠用度数を測定する測定基準点となる。遠用度数測定位置F1は、アイポイント位置EPの図中真上に設けられている。近用度数測定位置N1は、近用部Nにおいてレンズの近用度数を測定する測定基準点となる。近用度数測定位置N1は、アイポイント位置EPの図中真下に設けられている。
遠用度数測定位置F1での屈折力又は近用度数測定位置N1での屈折力は、例えばそれぞれ処方値で指定された遠用度数又は近用度数に基づいて設定されることになる。また、本実施形態では、累進屈折力レンズLSで測定される近用度数測定位置N1の屈折力から遠用度数測定位置F1の屈折力を引いた値を「加入度」と表記する。
本実施形態の累進屈折力レンズLSは、例えば図1に示すように、遠用度数測定位置F1からアイポイント位置EPまでの距離t1が9mm以下となるように形成されている。また、近用度数測定位置N1からアイポイント位置EPまでの距離t2が5.5mm以下となるように形成されている。
この距離t2は、眼球運動を考慮した場合に重要な意味を有している。図2は、眼球運動による視線利用範囲を示す図である。例えばディスプレイを見ながら端末(VDA)を操作する場合などの近方視時において、図2に示すように、近用視点は光学中心点OGの上方に例えば0°、下方に例えば25°の範囲VA内で眼球を回旋させることが知られている。この場合の眼球の回旋範囲VAの上下方向の中央値は下方に12.5°である。例えば眼球の回旋中心から累進屈折力レンズLSまでの距離が25mm程度とすると、この中央値はアイポイント位置EPから約5.5mm下方の位置に相当する。
本実施形態では、このような眼球の回旋範囲の中央値に対応する位置及び当該位置よりも上側に近用度数測定位置N1が設定されることになる。この構成により、装用者が眼球を大きく回旋させなくても近用部Nに視線を合わせることができるため、装用者の負担を軽減することができる。このため、眼精疲労を低減する効果が得られる。
本実施形態の累進屈折力レンズLSは、上記距離t1と、距離t2との和を8.0mm以内とすることができる。この構成により、装用者が遠用部F及び近用部Nに視線を合わせる場合において眼球を回旋させる範囲をそれぞれ小さくすることができるため、より負担を軽減することができ、眼精疲労を低減することができる。なお、この累進屈折力レンズLSは、距離t1を距離t2以上とすることができる。
本実施形態の累進屈折力レンズLSは、遠用度数測定位置F1と近用度数測定位置N1との間に付加される加入度が1.0ディオプター以下となるように形成されている。この構成により、非点収差を小さくすることが可能なため、レンズ装用における像のぼやけを防止又は低減させることが可能となる。
本実施形態の累進屈折力レンズLSは、アイポイント位置EP及び当該アイポイント位置EPよりも下側の位置において、非点収差を0.5ディオプター未満とすることができる。この構成により、装用者が像のぼやけをほとんど感じずにレンズを装用することができる。
更に、アイポイント位置EPよりも上側の位置においても、非点収差を0.5ディオプター未満とすることができる。この場合、遠方視の場合についても装用者が像のぼやけをほとんど感じずにレンズを装用することができるため、より効果が大きくなる。
更に、人間の視覚において、瞬時に特定情報を雑音内より受容可能な範囲(有効視野)が知られており、この有効視野は例えば中心より左右方向に約15°以内の範囲とされている。この観点から、本実施形態の累進屈折力レンズLSは、当該左右方向の有効視野に対応する領域において、明視域(非点収差が例えば0.5ディオプター未満)とすることができる。
以上のように、本実施形態に係る累進屈折力レンズLSは、遠景に対応する屈折力を有する遠用部Fと、近景に対応する屈折力を有する近用部Nと、遠用部と近用部との間に設けられ遠用部から近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部Pとを有する屈折力レンズLSであって、アイポイント位置EPと遠用度数測定位置F1との装用状態での上下方向の距離t1が9mm以内、アイポイント位置EPと近用度数測定位置N1との装用状態での上下方向の距離t2が5.5mm以内であり、遠用度数測定位置F1と近用度数測定位置N1との間に付加される加入度が1.0ディオプター以下であることとしたので、レンズの非点収差を小さくすることによる像のぼやけの軽減及び眼球の旋回範囲の観点から、装用者に対する負担を軽減することができる。これにより、装用者の眼精疲労を低減することができる。
(実施例1)
本発明の累進屈折力レンズについての実施例1を説明する。図3は、本実施例に係る累進屈折力レンズLS1のアイポイント位置EPの上下方向での加入度変化を示す図である。図4は、累進屈折力レンズLS1全体の収差を示す図である。
図3及び図4に示すように、本実施例に係る累進屈折力レンズLS1は、遠用度数測定位置F1で完全矯正度数、加入度が0.5ディオプター、遠用度数測定位置F1がアイポイント位置EPより8mm真上、近用度数測定位置N1がアイポイント位置EPと同じ場所になり、遠用度数測定位置F1から近用度数測定位置N1まで加入度が一定の勾配で変化するように形成されている。
また、累進屈折力レンズLS1は近用度数測定位置N1がアイポイント位置EPと同じ位置に配置されており、近用度数測定位置N1(アイポイント位置EP)以下で全て非点収差が0.5ディオプター未満の明視域となっている。
この累進屈折力レンズLS1で遠方を見る場合について考える。各距離の物体を明視するための加入度の上限は表1のようになる。例えば5m遠方の物体を見るためには加入度が0.2ディオプター以下の領域で物体を見る必要がある。加入度が0.2ディオプター以下の領域は累進屈折力レンズLS1ではアイポイント位置EPの真上方向4.8mm以上に位置しているので、5m遠方の物体を見るためには眼球を10.9°以上真上に回旋させる必要がある。
Figure 2011030673
5m遠方の物体が眼球と同じ高さにある場合は、頭を10.9°以上真下に傾けることにより眼球を10.9°以上真上に回旋させた状態を維持する必要があるが、5m遠方の物体が眼球より1m高い位置にある場合は、頭の角度が水平な状態で物体を見た状態で眼球の回旋角が真上方向に11.5°となるので、この物体を見るために不自然に頭を真下に傾ける必要がない。
各物体位置における、明視のために必要な頭を真下方向に動かす角度を表2に表す。表2の結果から、累進屈折力レンズLS1は例えば眼球と比較した物体の高さが0.5m以上、物体距離が3m以内の物体を見ることが多い装用者や、眼球と比較した物体の高さが1m以上、物体距離が5m以内の物体を見ることが多い装用者にとって特に快適な遠方視を与えることができる。
Figure 2011030673
次に、累進屈折力レンズLS1で近方を見る場合について考える。累進屈折力レンズLS1は近用度数測定位置N1がアイポイント位置EPと同じ位置に配置されており、アイポイント位置EP以下の位置で近方を見る場合は、近方を見るために必要な調節力を0.5ディオプター低減させることができるので、その分の眼精疲労低減効果が期待できる。日常生活において近方をアイポイント位置EPより上で見るケースは通常では考えにくいため、累進屈折力レンズLS1は通常使用においては装用者にとって調節力0.5ディオプター分の眼精疲労低減効果が期待できる。
また、累進屈折力レンズLS1は近用度数測定位置N1以下で全て非点収差が0.5ディオプター未満の明視域となっているので、累進屈折力レンズ特有のぼやけや歪みを感じずに近方を見ることができる。
(実施例2)
次に、本発明の累進屈折力レンズについての実施例2を説明する。図5は、本実施例に係る累進屈折力レンズLS2のアイポイント位置EPの上下方向での加入度変化を示す図である。図6は、累進屈折力レンズLS2全体の収差を示す図である。
図5及び図6に示すように、本実施例に係る累進屈折力レンズLS2は、遠用度数測定位置F1で完全矯正度数、加入度が0.5ディオプター、遠用度数測定位置F1がアイポイント位置EPより4mm真上、近用度数測定位置N1がアイポイント位置EPより4mm真下となり、遠用度数測定位置F1から近用度数測定位置N1まで加入度が一定の勾配で変化するように形成されている。
まず、累進屈折力レンズLS2で遠方を見る場合について考える。各物体位置における、明視のために必要な頭を真下方向に動かす角度を表3に表した。表3を表2と比較すると、本レンズは実施例1のレンズよりも明視のために必要な頭を真下方向に動かすケースが少ないことがわかる。これは累進屈折力レンズLS2の遠用度数測定位置F1が実施例1のレンズよりも下に配置されているためである。
Figure 2011030673
次に、累進屈折力レンズLS2を用いて近方を見る場合について考える。累進屈折力レンズLS2を用いて近用度数測定位置N1以下の位置で近方を見る場合は、近方を見るために必要な調節力を0.5ディオプター低減させることができるので、その分の眼精疲労低減効果が期待できる。但し本レンズは近用度数測定位置N1がアイポイント位置EPの4mm真下に配置されているので、加入度が0.5ディオプター付加されている部分で物体を見るためには9.1度以上視線を下に傾ける必要がある。
各物体位置おける、頭を水平にして物体を見る視線での眼球の下方向の回旋角を表4に表した。表4の結果から、例えば眼球と比較した物体の高さが−5cm以下、物体距離が30cm以内の物体を見ることが多い装用者や、眼球と比較した物体の高さが−10cm以下、物体距離が50cm以内の物体を見ることが多い装用者にとっては自然な視線で調節力0.5ディオプター分の眼精疲労低減効果が期待できる。
Figure 2011030673
但し、表5で表される各物体位置おける、頭を水平にして物体を見る視線でのレンズの加入度の結果から、眼球の回旋角が下方向に9.1度未満の視線でも、表5内に記載された加入度分の眼精疲労効果が期待できることがわかる。
Figure 2011030673
また、累進屈折力レンズLS2は近用度数測定位置N1以下で全て非点収差が0.5ディオプター未満の明視域となっているので、累進屈折力レンズ特有のぼやけや歪みを感じずに近方を見ることができる。
(実施例3)
次に、本発明の累進屈折力レンズについての実施例3を説明する。図7は、本実施例に係る累進屈折力レンズLS3のアイポイント位置EPの上下方向での加入度変化を示す図である。図8は、累進屈折力レンズLS3全体の収差を示す図である。
図7及び図8に示すように、本実施例では、遠用度数測定位置F1で完全矯正度数、加入度が0.75ディオプター、遠用度数測定位置F1がアイポイント位置EPより8mm真上、近用度数測定位置N1がアイポイント位置EPより4mm真下となり、遠用度数測定位置F1から近用度数測定位置N1まで加入度が一定の勾配で変化するように形成されている。
まず本レンズで遠方を見る場合について考える。
図3と図7を比較すると、実施例1に係る累進屈折力レンズLS1と本実施例に係る累進屈折力レンズLS3とは、アイポイント位置EPより上の方向では加入度変化が等しいことがわかる。そのため、各物体位置における、明視のために必要な頭を真下方向に動かす角度は表2で表した値と等しくなる。
次に、累進屈折力レンズLS3で近方を見る場合について考える。
図5と図7を比較すると、実施例2に係る累進屈折力レンズLS2と本実施例に係る累進屈折力レンズLS3とは、度数が変化している領域の度数勾配と、近用度数測定位置は等しい。但し累進屈折力レンズLS3は、アイポイント位置より下の方向では実施例2のレンズより全体的に0.25ディオプター多く加入度が付加されている。
各物体位置おける、頭を水平にして物体を見る視線でのレンズの加入度は表6で表される。この結果から、累進屈折力レンズLS3は実施例2に係る累進屈折力レンズLS2よりも0.25ディオプター分多く眼精疲労低減効果が期待できることがわかる。また、正面視では実施例1の累進屈折力レンズLS1と同等、下方視では当該累進屈折力レンズLS1よりも多く眼精疲労低減効果が期待できることがわかる。
Figure 2011030673
(実施例1〜実施例3のまとめ)
以上の実施例1〜実施例3において、例えば実施例1の累進屈折力レンズLS1と実施例2の累進屈折力レンズLS2とを比較すると、累進屈折力レンズLS1は累進屈折力レンズLS2より近用測定位置N1とアイポイント位置EPとの距離が短いため、近方を見る場合の使い勝手が良いことがわかる。また、累進屈折力レンズLS2は累進屈折力レンズLS1より遠用測定位置F1とアイポイント位置EPとの距離が短いため、遠方を見る場合の使い勝手が良いことがわかる。
また、累進屈折力レンズLS1及び累進屈折力レンズLS2は加入度を0.5ディオプターとし、実施例3のレンズは加入度を0.75ディオプターとしたので、実施例3の累進屈折力レンズLS3は実施例1、実施例2の各レンズと比較すると最大1.5倍の眼精疲労低減効果が期待できることになる。
但し図4、図6、図8を比較するとわかる通り、累進屈折力レンズLS3は累進屈折力レンズLS1、累進屈折力レンズLS2のレンズよりも近用度数測定位置N1と遠用度数測定位置F1との距離が4mm長いにも関わらず、実施例1、実施例2のレンズよりも明視域が狭くなっていることがわかる。これは加入度が大きいことが原因であり、一概に加入度が大きいレンズほど良いとは言えないことになる。
よって、本発明に係るレンズを処方する場合は、不必要に加入度を大きくせず、装用者の使い勝手を損なわない範囲でできるだけ近用度数測定位置N1と遠用度数測定位置F1の距離を長くすることが望ましい。これにより、装用者の負担を軽減することができ、眼精疲労を低減することができる累進屈折力レンズを得ることができる。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4を説明する。
図9は、遠用度数測定位置F1と近用度数測定位置N1との間の距離(測定点間距離)(mm)と、アイポイントから横目線での明視域の上限角度(°)との関係を示すグラフである。なお、図9に示すグラフは、一の累進屈折力レンズをサンプルにデータ取ったグラフであり、累進屈折力レンズLSの特性を示す一例に過ぎない。
図9によれば、加入度が一定の場合には上記距離が大きいほど明視域の上限角度が大きくなり、上記距離が一定の場合には加入度が大きいほど上限角度が大きくなることがわかる。明視域の上限角度を大きくしようとするには、加入度を小さくする又は上記距離を大きくすることが有効であることがわかる。
また、累進屈折力レンズは、有効視野内(15°)において明視域の領域が確保されていることが好ましい。一方で、本発明においては、装用者の負担軽減の観点から、上記距離及び加入度が小さいほど好ましい。これらを満たすため、遠用度数測定位置F1から近用度数測定位置N1までの距離と、加入度とを適宜設定する必要がある。
本実施例において、例えば加入度が0.75ディオプターの場合には、遠用度数測定位置F1と近用度数測定位置N1との距離を約13.5mm以上とする必要がある。この値は、本発明において設定される当該距離及び加入度の範囲内の値である。また、加入度が1.0ディオプターの場合には、当該距離は14.5mm以上とする必要がある。本実施形態においてアイポイント位置EPから遠用度数測定位置F1までの距離を9.0mmとし、アイポイント位置EPから近用度数測定位置N1までの距離を5.5mmとしたときの値が14.5mmであるため、加入度1.0ディオプターという値は、本発明における臨界値であるといえる。
図9に示すように、加入度を1.0以上とする場合には、上記距離を14.5より大きくする必要がある。例えば加入度を1.25ディオプターとする場合、上記距離は16.0mm以上とする必要がある。当該距離をこのように長くしたのでは、装用者が遠用部Fあるいは近用部Nを使用する際に視線を合わせるために大きく眼球を回旋させる必要があるため、本発明の意義が薄れてしまうことになる。このため、加入度を1.0ディオプターよりも大きくすることは、遠用度数測定位置F1と近用度数測定位置N1との間の距離が大きくなりすぎることになるため、本発明では好ましくないといえる。
LS 累進屈折力レンズ
F 遠用部
N 近用部
P 累進部(中間部)
F1 遠用度数測定位置
EP アイポイント位置

Claims (5)

  1. 遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、前記遠用部と前記近用部との間に設けられ前記遠用部から前記近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部とを有する累進屈折力レンズであって、
    アイポイント位置と遠用度数測定位置との装用状態での上下方向の距離が9mm以内であり、前記アイポイント位置と近用度数測定位置との装用状態での上下方向の距離が5.5mm以内であり、前記遠用度数測定位置と前記近用度数測定位置との間に付加される加入度が1.0ディオプター以下である
    累進屈折力レンズ。
  2. 前記アイポイント位置と前記遠用度数測定位置との装用状態での上下方向の距離と、前記アイポイント位置と前記近用度数測定位置との装用状態での上下方向の距離との和が8.0mm以内である
    請求項1に記載の累進屈折力レンズ。
  3. 前記アイポイント位置及び当該アイポイント位置よりも装用状態での上下方向の下側の位置において、非点収差が0.5ディオプター未満である
    請求項1又は請求項2に記載の累進屈折力レンズ。
  4. 前記アイポイント位置よりも装用状態での上下方向の上側の位置において、非点収差が0.5ディオプター未満である
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ。
  5. 前記アイポイント位置と前記遠用度数測定位置との装用状態での上下方向の距離は、前記アイポイント位置と前記近用度数測定位置との装用状態での上下方向の距離以上である
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の累進屈折力レンズ。
JP2011530802A 2009-09-10 2010-08-26 累進屈折力レンズ Pending JPWO2011030673A1 (ja)

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