JPWO2011024701A1 - ネットワーク設計システム、ネットワーク設計方法、データ転送経路決定方法、ネットワーク設計プログラム - Google Patents

ネットワーク設計システム、ネットワーク設計方法、データ転送経路決定方法、ネットワーク設計プログラム Download PDF

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Abstract

サーバ間でよりスループットの高いデータ転送を可能にする。ネットワークを構成する複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間のネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて全サイトが到達可能になるように、各々のサイトが1つ使用すべきネットワーク運用単位の組合せを決定する。

Description

本発明はネットワーク設計システム、ネットワーク設計方法、データ転送経路決定方法、ネットワーク設計プログラムに関し、特に複数のサーバサイト、もしくはデータセンタ等を収容するネットワークの、ネットワーク設計システム、ネットワーク設計方法、データ転送経路決定方法、ネットワーク設計プログラムに関する。
インターネットにおいては、地理的に分散配置された各サイト間でデータ転送が行われており、近年、各サイト間で送受信されるデータ転送量は増大してきている。そのため、データ転送量が大きくとも高速にデータを転送できることが望まれている。
ここで、サイトとは、例えば図11に例示するように、データを処理、もしくは蓄積できるサーバマシーンを1つもしくは複数設置する場所を指すものとする。
図11を参照すると、サイト1000のサーバマシーン1030a〜1030nは、L2スイッチ1020を介して、ISP(Internet Service Provider)が提供するAS(Autonomous System:自律システム)1200にアクセスするために位置するエッジルータ1010と接続されている。L2スイッチ1020は、これに限定されること無く、例えばマルチレイヤスイッチであってもよい。
エッジルータ1010は、AS1200と接続されており、サイト1000はAS1200を利用し、1つのAS1200を通じてインターネット1100全体とつながっている。
なお、サーバマシーン1030a〜1030nは、少なくとも1台以上であればよく、その台数に制限はないものとする。
上述したような地理的に分散配置されている各サイトを識別する具体的な方法としては、例えば都市、もしくは国単位で識別する方法がある。
また、サイトの設置形態としては、サーバマシーンをラックに格納してビル内のフロアーに設置するような小型のものから、巨大数のサーバマシーン群を専用に収容するインターネットデータセンター(iDC)まである。
地理的に分散配置されている各サイト間でデータを高速に転送したい具体的な例としては、CDN(Contents Delivery Network:コンテンツ配信網)において、コンテンツホルダーから発行されたWebサイトや動画等のコンテンツデータがホスティングされているサイト(オリジンサイトとも呼ぶ)から、エンドユーザへの配信を行うエッジサイトへデータを複製する場合が考えられる。
また、CDNにおける別の例としては、コンテンツユーザがアクセスしたエッジサイトに、コンテンツユーザが所望のコンテンツで、かつ期限も有効なコンテンツがキャッシュされていない場合、上記のオリジンサイトからエッジサイトへコンテンツデータを転送するものが考えられる。
さらに別の例としては、オリジンサイトで動的に生成されるような、そもそもキャッシュ不能なデータを、オリジンサイトからエンドユーザがアクセスしたエッジサイトへ転送するものが考えられる。
これらのすべての例では、オリジンサイトからエッジサイトにデータを高速に転送できれば、エンドユーザの体感や満足度が高めることができる。
インターネットにおいては、地理的に分散配置されている各サイト間でデータを転送する場合、高速なデータ転送を行うためには最適な転送経路を選択することが重要となる。
しかし、これまでの関連技術においては、必ずしも性能的に最適な経路が選択されるわけではなかった。
以下、地理的に分散配置されている各サイト間における関連技術によるデータ転送について、順を追って説明する。
まず、インターネットはISPや大手ポータルの運営業者等が運用するネットワークの単位(ネットワーク運用単位)であるASが相互接続する形で構成されている。
ASは個々のルータやエンドシステムの集合になっているおり、各ASには世界中で一意となる番号が振られている。
各ASは、あるIP(Internet Protocol)アドレスプレフィックスに到達可能なAS番号の並びに基づく経路情報を、BGP(Border Gateway Protocol)という経路制御プロトコルを用いて交換する。IPアドレスプレフィックスとは、番号が連続するIPアドレスの集合をいう。
また、各ASは、受信した経路情報に基づいて、あるIPアドレスプレフィックスに対して、次に転送すべきホップ(ルータもしくはサーバのネットワークインタフェイスに付与されたIPアドレスで表現される)を示す転送テーブルを作成している。
AS間の接続は個々の運用業者のビジネス判断によって契約、実行されるものであるが、AS間の接続形態には主としてピアリングとトランジットがある。
ピアリングとは、ISP同士が相互に対等の条件でAS同士を接続しトラヒックを交換し合うことをいう。ピアリングでは、同等量のトラヒックを交換しあうことを前提として、基本的に互いに無料で送受信できる。
また、ピアリングでは、互いの配下への到達可能なアドレス群を通知しあう。
一方、トランジットは、あるISPが同業他社等へ提供するパケット中継サービスのことをいう。トランジットでは、パケット中継サービスを提供するISPが、パケット中継サービスの提供を受ける顧客(同業他社等)に対して、インターネット全体へのパケットの到達性を保証し、両者間で転送されるトラヒック量に応じて顧客からISPに料金が支払われる。
なお、現在では、上述したピアリングやトランジット等によるAS間の接続関係の積み上げにより、インターネットではTier1 ,Tier2といった運用業者間の階層構造が出来上がっている。
ピアリングやトランジット等によるAS間の接続関係は、インターネット上の2地点間での経路に取り方に大きな制約を与える。
例えば、あるASがピアリング相手のASから受信したパケットを、トランジットの提供者である上位のASに転送したり、同じく上位のASから受信したパケットをピアリング相手のASに転送したり、あるいはピアリング相手からもらったデータをさらに別のピアリング相手に送ったりした場合、それらは事実上パケットを無料で転送していることになる。
この問題を解決するため、ASの管理主体は、通常以下に示す方針によって、BGPによって経路情報を交換する。すなわち、ASの管理主体は、ピアリングの相手、もしくはトランジットのプロバイダに対しては、自分のAS内へ到達可能な経路、もしくは自分がトランジットプロバイダーの場合にはそのカスタマーの経路しか通知しない。
その結果、BGPによるある2地点間の経路は、必ずしも性能的に最適化された経路であるとは限らない。具体的には、ある2地点間の経路におけるルータのホップ数が最小なものになるとは限らない。
例えば、図12では、AS1を使用しているサイトXから、AS3を使用しているサイトYにデータを転送する状況を示している。なお、あるサイトがあるASを使用している具体例としては、例えば該サイトがASを運営しているISPに加入していることが考えられる。
サイトXとサイトYの間の最小ホップの経路は、AS1→AS4→AS2→AS5→AS3であるが、各ASが上述した経路情報を交換する方針に従って経路情報を交換していた場合、選択される経路はAS1→AS4→AS6→AS8→AS9→AS7→AS5→AS3となり、経路長が最短経路よりも長くなる。
経路長が最短経路よりも長くなる実際例は、例えば非特許文献2の図3に示されている。
非特許文献2の図3では、互いに地理的に比較的近い地点間であっても、Internet Exchange等におけるAS間の接続が十分進んでいない東南アジアのような地域では、欧米の各大陸を経由してパケットが転送される状況が示されている。異なる大陸間を経由する場合は大きな伝搬遅延が入ることになる。
以上、地理的に分散配置されているサイト間における関連技術によるデータ転送について説明したが、データ転送においては、データを誤り無く転送することも重要な要件となっている。
そのため、インターネットにおいては、サーバマシーン、あるいはエンドユーザのPCのようなエンドシステム間でHTTP(HyperText Transfer Protocol)のようなアプリケーションのデータを誤りなく転送するために、TCP(Transmission Control Protocol)が用いられている。
TCPでは、送信したデータに対する受信確認の応答を受信・処理することで、誤りなくデータを転送する。
TCPによるデータ転送時のスループットは、送受信間での往復でかかった遅延に相当するRTT(Round Trip Time)、もしくはパケット損失率に依存する。その一例が非特許文献3で示されている。
なお、RTTには、送受信間での往復での伝搬遅延と、往復時の装置内におけるパケットのプロトコル処理遅延および回線上への転送遅延等が含まれる。また、送受信間の往復では往路と復路で同一の経路を通過するとは限らない。
一般に、送受信間でインターネット上でのホップ数が大きくなると、パケット損失率が増加する。また、特に異なる大陸もしくは諸島間をつなぐ海底ケーブルによるAS間のリンクを含む場合は、伝搬遅延によりRTTが大きくなる。
また、パケット損失率が増加したり、RTTが大きくなったりすることにより、TCPによるデータ転送時のスループットは低下する。
上述した説明についての参考文献として、非特許文献1、非特許文献2、及び非特許文献3を挙げる。
Y. Rekhter and T. Li, " A Border Gateway Protocol 4 (BGP−4), " RFC1771, March 1995 Jon Baggaley, Batchuluun Batpurev, and Jim Klaas, "The World−Wide Inaccessible Web, Part 2: Internet routes," The International Review of Research in Open and Distance Learning Vol 8, No 2 (2007). J. Padhye, V. Firoiu, D. Towsley, J. Kurose, "Modeling TCP Throughput: A Simple Model and its Empirical Validation," Proceedings of SIGCOMM 98 1998. Robert Endre Tarjan, Data Structures and Network Algorithms, Society for Industrial Mathematics, Jan. 1, 1987. Configuring Hierarchical Squid Caches(http://old.squid−cache.org/Doc/Hierarchy−Tutorial/tutorial−7.html) Hayim Porat, Nurit Sprecher, and Zehavit Alon, "E−NNI registration protocol," http://www.ieee802.org/1/files/public/docs2009/new−porat−E−NNI−Registration−protocol−0309−v03.pdf
上述した関連技術における地理的に分散配置された各サイト間でのデータ転送においては、各サイトが使用すべきASを、AS間の接続関係の有無を特に考慮せずに独立に決めると、データ転送のスループットが上がらない場合があるという問題がある。
その理由は、あるサイトから別のサイトにデータを転送するとき、それぞれが使用するASの間に接続関係がない場合は、両サイト間の経路により多くのASが入ることで、ルータ単位のホップ数が多くなり、その結果、RTTの増大やパケット損失機会の増加を招き、TCPのスループットを悪化させる場合があるからである。
(発明の目的)
本発明の目的は、サーバ間でよりスループットの高いデータ転送ができるネットワークの設計が可能なネットワーク設計システム、ネットワーク設計方法、データ転送経路決定方法、ネットワーク設計プログラムを提供することである。
本発明の第1のネットワーク設計方法は、ネットワークを構成する複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間のネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて全サイトが到達可能になるように、各々のサイトが1つ使用すべきネットワーク運用単位の組合せを決定する。
本発明の第1のデータ転送経路決定方法は、ある発信サイトから別の着信サイトにデータを転送する際の経路を、本発明のネットワークの設計方法で得られたネットワーク運用単位の各ペアに予め与えられた接続関係に基づいて決定する
本発明の第1のネットワーク設計システムは、ネットワークを構成する複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間のネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて全サイトが到達可能になるように、各々のサイトが1つ使用すべきネットワーク運用単位の組合せを決定する処理手段を備える。
本発明の第1のネットワーク設計プログラムは、ネットワークを構成する複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間のネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて全サイトが到達可能になるように、各々のサイトが1つ使用すべきネットワーク運用単位の組合せを決定する決定処理を実行させる。
本発明によれば、スループットの高いデータ転送ができる最適なネットワーク運用単位の組合せを決定することができ、これにより、サーバ間でよりスループットの高いデータ転送ができるネットワークの設計が可能となる。
本発明の第1の実施の形態によるネットワーク設計システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態よるネットワーク設計システムの動作を示す流れ図である。 本発明の第1の実施の形態による最適なASの組合せ算出の動作を示す流れ図である。 本発明の第1の実施の形態よるネットワーク設計システムの動作の具体例の対象となる設計問題を示す図である。 本発明の第1の実施の形態よるネットワーク設計システムの動作の具体例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態よるネットワーク設計システム構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態よるネットワーク設計システム動作を示す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態よる部分木作成の動作を示す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態よるネットワーク設計システムの動作の具体例を示す図である。 本発明のネットワーク設計システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。 サイトの構成例を示す図である。 インターネットにおけるルーティングの階層性の説明図である。 本発明の原理の説明図である。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態によるネットワーク設計システムの構成を示す図である。
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態によるネットワーク設計システム100は、キーボード等の入力装置1と、プログラム制御により動作するデータ処理装置2と、情報を記憶する記憶装置3と、ディスプレイ装置や印刷装置等の出力装置4とを含む。
データ処理装置2は、設計情報処理手段21と、AS組合せ評価手段22と、最適化処理手段23とを備える。
設計情報処理手段21は、出力装置4に表示されて設計者が設計情報を入力する入力フォーマットを作成する。
また、設計情報処理手段21は、設計者が該入力フォーマットに沿って、入力装置1を通じて入力する設計情報を、データ処理装置2の各手段における扱いに適した形式に変換して、設計情報記憶部31に格納する処理を行う。
ここで、設計情報は、1つ若しくは複数の目的関数の計算方法に関する情報と、サイトと、各サイトに与えられたAS候補と、異なるサイト間の各AS候補のペア間の接続関係の有無と、接続関係がある場合は該接続関係に付与されたコストとを含む。
また、設計情報処理手段21は、扱いに適した形式に変換した設計情報を設計情報記憶部31に格納した後、AS組合せ評価手段22を起動する。
AS組合せ評価手段22は、設計情報記憶部31に格納されている設計情報を参照して、各サイトが1つ使用するAS候補の組合せを1組ずつ作成すると共に、該組合せに対応する最小全域木を、接続関係を有するAS間に与えられたコストに基づいてプリム法により作成する。
ここで、AS間に与えられたコストとは接続関係を有するAS間の距離を指す。
また、最小全域木とは、グラフを構成する「辺の重みの総和」が最小となる全域木を指し、グラフとは、ノードの集合とエッジ(リンク)の集合で構成されるグラフを指す。
上述した最小全域木、全域木、グラフ、及びプリム法については、本発明の技術分野における当業者にとってよく知られており、方式そのものは本発明とは直接的には関係しないため、その詳細については省略する。
また、AS間の接続をASリンクと呼び、ASリンクをグラフとして表現したものをASグラフと呼ぶ。
また、AS組合せ評価手段22は、作成した最小全域木から、全サイト間が到達可能かどうか判定する。全サイト間が到達可能とは、すなわち作成した最小全域木が設計情報に含まれる全サイトを含むかどうかを意味する。
具体的には、AS組合せ評価手段22は、設計情報記憶部31に格納されている設計情報を参照して、作成した最小全域木が該設計情報に含まれる全サイトを含むかどうかを判定する。
また、AS組合せ評価手段22は、全サイト間が到達可能であると判定したAS候補の組合せに対しては、少なくとも該AS候補の組合せに関する情報を、到達可能組合せ記憶部32に格納する。
AS候補の組合せに関する情報とは、具体的には、全サイト間が到達可能であると判定したAS候補の組合せに対応する最小全域木を構成するASリンクの情報を指す。
最適化処理手段23は、AS組合せ評価手段22が処理を終えると、AS候補の組合せが到達可能組合せ記憶部32に一つ以上格納されている場合は、到達可能組合せ記憶部32から、該AS候補の組合せに関する情報を取り出す。そして、最適化処理手段23は、到達可能組合せ記憶部32に格納されているすべてのAS候補の組合せについて、目的関数を評価して、該AS候補の組合せ最適なASの組合せを算出する。なお、目的関数とは、最適化問題において、最小若しくは最大にしたい値や関数値等のことをいう。
具体的には、最適化処理手段23は、各AS候補の組合せに対応する最小全域木を構成するASリンクのコスト最大値を目的関数として評価し、該ASリンクのコスト最大値が最小となる最適なASの組合せを算出する。
また、最適化処理手段23は、最小全域木を構成するASリンクの総数を目的関数として評価し、該ASリンクの総数が最大となる最適なASの組合せを算出する。
また、最適化処理手段23は、最小全域木を構成するASリンクのコストの総和を目的関数として評価し、該ASリンクのコストの総和が最小となる最適なASの組合せを算出する。
また、最適化処理手段23は、算出した最適なASの組合せを出力装置4に出力する。
記憶装置3は、設計情報記憶部31と、到達可能組合せ記憶部32とを備える。
設計情報記憶部31には、1つもしくは複数の目的関数の計算方法に関する情報と、サイト名と、各サイトに与えられたAS候補と、各AS候補のペア間の接続関係の有無と、接続関係がある場合は、該接続関係に付与されたコストとを含む設計情報が格納される。
到達可能組合せ記憶部32は、AS組合せ評価手段22によって得られた、全サイト間が到達可能となるASの組合せと、該ASの組合せに関する情報を格納する。
(第1の実施の形態の動作の説明)
次に、図1及び図2を参照して、本実施の形態の動作について詳細に説明する。図2は、本実施の形態によるネットワーク設計システム100の動作を示す流れ図である。
まず、設計情報処理手段21が、入力フォーマットを出力装置4で画面表示し、該入力フォーマットに従って、設計者は入力装置1を用いて設計情報を入力する。設計情報の入力後、設計情報処理手段21は、該設計情報を記憶フォーマットに変換して設計情報記憶部31に格納し、AS組合せ評価手段22を起動する(ステップS201)。
次いで、AS組合せ評価手段22は、設計情報記憶部31に格納されている設計情報を参照して、各サイトが1つ使用するAS候補の組合せを1組作成すると共に、該AS候補の組合せに対応する最小全域木を、接続関係を有するAS間に与えられたコストに基づいてプリム法により作成する(ステップS202)。最小全域木については目的関数の評価のところで説明する。
次いで、AS組合せ評価手段22は、全サイトが到達可能であるか調べるため、設計情報記憶部31に格納されている設計情報を参照して、ステップS202で得られた最小全域木が設計情報に含まれる全サイトを含むかどうかを調べる(ステップS203)。最小全域木が設計情報に含まれる全サイトを含む場合は、AS組合せ評価手段22は、最小全域木を構成するAS候補の組合せを、全サイト間が到達可能なAS候補の組合せと判定し(ステップS203”YES”)、該AS候補の組合せと該最小全域木を構成するASリンクの情報を到達可能組合せ記憶部32に格納して(ステップS204)、ステップS205に行く。
該最小全域木が全サイトを含まない場合、AS組合せ評価手段22は、最小全域木を構成するAS候補の組合せを、全サイト間が到達可能なAS候補の組合せではないと判定し(ステップS203”NO”)、ステップS205に進む。
次いで、AS組合せ評価手段22は、各サイトが1つ使用するAS候補の組合せの全パターンを処理したか調べる(ステップS205)。
各サイトが1つ使用するAS候補の組合せの全パターンを処理している場合(ステップS205”YES”)、AS組合せ評価手段22は、ステップS206に進む。
各サイトが1つ使用するAS候補の組合せの全パターンを処理していない場合(ステップS205”NO”)、AS組合せ評価手段22は、ステップS202へ戻り、各サイトが1つ使用するAS候補の組合せの全パターンを処理するまでステップS202〜ステップS205を繰り返す。
各サイトが1つ使用するAS候補の組合せの全パターンを処理した後(ステップS205”YES”)、最適化処理手段23が、到達可能組合せ記憶部32を参照して、全サイト間が到達可能なAS候補の組合せが1以上あるかどうか調べる(ステップS206)。
全サイト間が到達可能なAS候補の組合せが1以上ある場合(ステップS206”YES”)、最適化処理手段23は、目的関数を最適化するASの組合せを算出して、該ASの組合せを出力装置4に出力し(ステップS207)、動作を終了する。
到達可能なASの組合せがない場合(ステップS206”NO”)、最適化処理手段23は、設計不能の旨を出力装置4に出力し(ステップS208)、動作を終了する。
(最適なASの組合せ算出の動作の説明)
以下、図2のステップS207において最適なASの組合せを算出するための具体的な方法について、図3を参照して詳細に説明する。図3は、本実施の形態による最適なASの組合せ算出の動作を示す流れ図である。なお、本実施の形態で考える設計の目的は、エンドツーエンドのデータ転送スループットの最悪値を最大化することである。
まず、最適化処理手段23は、ステップS204で格納されている、各AS候補の組合せに対応する最小全域木を構成するASリンクのコスト最大値を目的関数として評価し、全てのAS候補の組合せの中で、ASリンクのコスト最大値が最小となるAS候補の組合せを求める(ステップS301)。
リンクのコストの最大値とは、すなわちAS間のリンク距離が最大となるリンクの距離(最大リンク距離)を指す。
これは、例えばある発着信サイト間でHTTPデータを転送する場合、各中継サイトはHTTPプロキシーとして動作し、ASリンクの両端のサイト間ではTCPを終端するという状況の元で、発信・着信サイト間でのエンドツーエンドのスループットSの最小値を最大化することを意図している。
ここで、最大リンク距離がスループットSの最小値を与えことについて背景を説明する。
まず、スループットSは、エンドツーエンドの経路に含まれる各ASリンクにおけるスループットの最小値が与えられる。
各ASリンクでのスループットは、その両端のサイト間でTCPを終端しているので、ASリンクを両側で終端するサイト間の距離(ASリンクに与えたコスト)の影響をうけるRTTに反比例する。
よって、サイト間の距離が大きければ大きいほど、スループットSの最小値は小さくなるため、各発着信サイト間のスループットSの最小値は、そのASグラフに含まれる最大リンクコスト(最大リンク距離)で決まる。
与えられたASグラフの連結性を保ちつつ、最大リンクコストを最小化するには、与えられたASグラフから、連結性が保たれる範囲で、最大コストをもつASリンクを順番に除いていくことになる。この手順で最終的に得られるのは、ここでは証明を示さないが、最小全域木に等しいと考えられる。
上述した説明についての参考文献として、非特許文献4を挙げる。
なお、最小全域木を抽出できれば、連結性の判断もできるので、ステップS202において、ステップS207で目的関数を評価するよりも早く最小全域木を抽出している。
ステップS301の結果、最大リンク距離を最小化するAS候補の組合せが1つである場合(ステップS302”YES”)、最適化処理手段23は、該AS候補の組合せを、各サイトで使用すべき最適なASの組合せと判断する(ステップS306)。
ステップS301の結果、最大リンク距離を最小化するAS候補の組合せが複数ある場合(ステップS302”NO”)、最適化処理手段23は、最大リンク距離を最小化する複数のAS候補の組合せについて、各AS候補の組合せに対応する最小探索木を構成するASリンクの総数を目的関数とし、該ASリンクの総数が最大となるAS候補の組合せを求める(ステップS303)。
ここで、ステップS303でASリンクの総数が最大となるAS候補の組合せを求めるのは、あるサイト間での転送経路がより多く取れ、障害時や輻輳時により適切な経路を選択できることを意図している。
ステップS303の結果、ASリンクの総数を最大にするAS候補の組合せが1つである場合(ステップS304”YES”)、最適化処理手段23は、該AS候補の組合せを、各サイトで使用すべき最適なASの組合せと判断する(ステップS306)。
ステップS303の結果、ASリンクの総数を最大にするAS候補の組合せが複数ある場合(ステップS304”NO”)、最適化処理手段23は、ASリンクの総数を最大にする複数のAS候補の組合せについて、各AS候補の組合せに対応する最小探索木を構成するASリンクの距離の総和を目的関数とし、該ASリンクの距離の総和が最小となるAS候補の組合せを求める(ステップS305)。最適化処理手段23は、求めたAS候補の組合せを、各サイトで使用すべき最適なASの組合せとする(ステップS306)。
以上のようにして、最適化処理手段23は、第1の目的関数の最適解が複数ある場合は、第1の目的関数で最適解となる複数のAS候補の組合せに対して第2の目的関数を評価し、第2の目的関数の最適解が複数ある場合は、第2の目的関数で最適解となる複数のAS候補の組合せに対して第3の目的関数を評価し、第3の目的関数で最適解となるAS候補の組合せを最適なASの組合せとする。
よって、本実施の形態においては、設計情報記憶部31には、第1、第2、および第3の目的関数の算出法に関する情報が格納される。
次に、具体的な実施例を用いて本実施の形態の動作を説明する。
(構成の説明)
図4はTYO,HKG,HCM,JKT,MNLの5つのサイトと、それぞれに与えられたAS候補と、AS候補間にある接続関係と、サイト間の距離とを示した設計問題の例を示している。
図5は、上述した本実施の形態の動作を、図4に示す設計問題の例に適用したときの結果を示している。当該結果は、到達可能組合せ記憶部32に格納されている。
ここで、図5に示す(TYO,HCM,JKT,MNL)は、各サイトで選択されたASの組合せを示す。ただし、HKGサイトにはAS候補が一つしかないので、組合せの要素からは省いている。
組合せの表現を単純にするため、図5では、各サイトにおいて選択されるASについて次のように0,1で置き換えている。
TYOサイト: AS2516=0, AS2914=1
HCMサイト: AS7643=0, AS18403=1
JKTサイト: AS4761=0, AS7713=1
MNKサイト: AS4775=0, AS6648=1
(動作の説明)
次に、図5に示すテーブルの中身と、最適化の過程について説明する。
AS組合せ評価手段22によって全サイト間の到達性が確認されたAS候補の組合せに対応する最小全域木において、先ず、最適化処理手段23は、第1の目的関数であるASリンクのコスト(都市間の距離)の最大値を評価する。
図5を参照すると、ASリンクのコスト最大値(Max link length)を最小にする組合せは、(1,0,0,0)と(1,0,0,1)の2組が該当する。
そこで、最適化処理手段23は、次に第2の目的関数であるASリンクの総数を評価する。
(1,0,0,0)のASリンク数(# of links)は5個であるのに対し、(1,0,0,1)のASリンク数は6個となるので、(1,0,0,1)がこの問題の解となる。
よって、最適化処理手段23は、ASの組合せが(1,0,0,1)、すなわち、(AS2914, AS9304, AS7643, AS4761, AS6648)が、各サイトが使用すべきASの組合せと判断する。
(第1の実施の形態による効果)
次に本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態によれば、与えられた目的関数を明示的に最適化することにより、スループットの高いデータ転送ができる最適なASの組合せを決定することができる。
これにより、サーバ間でよりスループットの高いデータ転送ができるネットワークの設計が可能となる。
その理由は、サイト間のデータ転送経路において、各サイトが有するASのうち使用するAS以外のASはデータ転送経路に入らないことにより、該データ転送経路のホップ数が削減され、サイト間転送時のRTTも削減され、またパケット損失機会も減るからである。
例えば、図13では、サイト1から5に対して、(ASa, ASb, ASc, ASd, ASe)というASの組合せが与えられ、例えばサイト2からはサイト4に対しては、ASb→ASa→ASc→ASdという経路になり、ASbとASdの間にこの組合せ以外のASが多数に入る場合に比べてスループットが向上する。
また、本実施の形態によれば、コスト効率よくスループット等の性能を向上させることができる。
その理由は、全てのサイトの間を繋ぐネットワークを構築するのに、コストの高い専用線、IP−VPN、広域イーサネット等の仮想専用ネットワークを用いないからである。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態によるネットワーク設計システム100について、図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施の形態では、与えられた制約条件の下で目的関数を最適化するためにいわゆる全数探索を行ったが、本実施の形態では、制約付きプリム法と呼ぶヒューリスティックな手法で、各サイトが使用すべきASの組合せを求める。
ここで、プリム法とは、最小全域木を求めるひとつの方法である。アルゴリズムとしては、すでに得られている部分木に対して、あらたに加えるノードは、現在の部分木にあるノードからそれにつながるリンクのコストが最小になるように行う。これを加えるノードがなくなるまで再帰的に行う。
また、詳細については後述するが、本実施の形態においては、設計情報に含まれるサイトについて優先順位付けを行う。
サイトの優先順位は、サイトの次数(サイト次数)の大きさの順にきめる。すなわち、設計情報に含まれる全サイトを、サイト次数の大きい順に優先順位付けする。
ここで、サイト次数とは、各サイトにおける最大のASの次数(AS次数)とする。また、AS次数とは、各ASが接続関係を持つ他のASの総数、つまり、あるASにおいて、該ASから伸びるASリンクの総数をいう。
また、優先順位付けにおいてサイト次数が同数となるサイトがある場合は、サイトの次数が同数となったサイト同士について、各サイトにおいてサイトの次数を与えるAS(すなわち、各サイト内でAS次数が最大のAS)同士について、それぞれのAS番号を比較し、当該AS番号の小さい順にサイトを優先順位付けする。
各サイトにおいて、ASの優先順位はまずASのその時のAS次数の大きい順に順位づけし、AS次数が等しいASが複数ある場合は、該複数のASの中でAS番号の小さい順に順位付けする。
上述の方法により求めた優先順位の情報(優先順位情報)に基づいて、本実施の形態では、以下の制約を課した制約付きプリム法により、部分木を作成する。
第1の制約は、部分木の作成を開始するサイトは、サイトの優先順位が一番高いものにすること。また、プリム法に従って、次に加えるべきリンクコストの等しいASリンクが複数ある場合は、該ASリンクの先のサイトの優先順位が一番高いものを加えるべきサイトとして選ぶこと。
第2の制約は、プリム法に従って次に加えるサイトとして決定したサイトにおいて、到達可能なAS候補が複数ある場合は、該複数のAS候補の中で優先順位が一番高いASを選ぶこと
第3の制約は、あるサイトでASを1つ選択したら、該サイトにおける他のAS候補と、該他のAS候補に繋がるASリンクを削除すること。そして、該サイトの出入りでは必ず選択したASを経由すること。
なお、上述の第3の制約により、選択されなかったAS及び該ASに繋がるASリンクが削除されたことで、各サイトにおけるASで次数が減少するものも出てくることが考えられる。このため、第3の制約により選択されなかったAS及び該ASから伸びるリンクを削除するたびに、まだ部分木に追加していないサイトについて、図8に置ける優先順位付けの処理を行い、優先順位を再計算することとする。
図6を参照すると、本発明の第2の実施の形態によるネットワーク設計システム100は、入力装置1と、データ処理装置5と、記憶装置6と、出力装置4とを含む。
入力装置1、及び出力装置4は、図1に示す第1の実施の形態における入力装置1、出力装置4と同様であるため、その詳細については省略する。
データ処理装置5は、設計情報処理手段51と、AS組合せ決定手段52とを備える。
設計情報処理手段51は、出力装置4に表示されて設計者が設計情報を入力する入力フォーマットを作成する。
また、設計情報処理手段51は、設計者が入力フォーマットに沿って、入力装置1を通じて入力する設計情報を、AS組合せ決定手段52が処理しやすい形式に変換して、設計情報記憶部61に格納する処理を行う。
ここで、設計情報は、サイトと、各サイトに与えられたAS候補と、各AS候補間の接続関係の有無と、接続関係がある場合は該接続関係に付与されたコストとを含む。
また、設計情報処理手段51は、AS組合せ決定手段52が処理しやすい形式に変換した設計情報を設計情報記憶部31に格納した後、AS組合せ決定手段52を起動する。
AS組合せ決定手段52は、設計情報記憶部61に格納されている設計情報を取り出して演算用記憶部62へ格納する。
また、AS組合せ決定手段52は、与えられたAS候補の中から、各サイトが1つ使用するASの組合せを制約付きプリム法により決定し、同時に到達性も判定する。制約付きプリム法については、動作の説明において詳細に説明する。
記憶装置6は、設計情報記憶部61と、演算用記憶部62とを備える。
設計情報記憶部61には、サイトと、各サイトに与えられたAS候補と、各AS候補間の接続関係の有無と、接続関係がある場合は該接続関係に付与されたコストとを含む設計情報が記憶される。
演算用記憶部62は、AS組合せ決定手段52による制約付きプリム法に基づく演算処理によって、未訪問サイトやAS間リンク等の更新されるデータを含む、設計情報が蓄積される。
(第2の実施の形態の動作の説明)
次に、図6及び図7を参照して、本実施の形態の動作について詳細に説明する。図7は、本実施の形態によるネットワーク設計システム100の動作を示す流れ図である。
まず、設計情報処理手段51が、入力フォーマットを出力装置4で画面表示し、該入力フォーマットに従って、設計者は入力装置1を用いて設計情報を入力する。設計情報の入力後、設計情報処理手段51は、該設計情報を記憶フォーマットに変換して設計情報記憶部61に格納し、AS組合せ決定手段52を起動する(ステップS701)。
次いで、AS組合せ決定手段52は、設計情報記憶部61に格納されている設計情報を取り出して演算用記憶部62に格納し(ステップS702)、各サイトが1つ使用するASの組合せを制約付きプリム法により決定する(ステップS703)。ステップS703の具体的な動作は、後述する。
各サイトが1つ使用するAS候補の組合せを決定した後(ステップS703)、AS組合せ決定手段52は、全サイトが到達可能かを判定するため、演算用記憶部62の部分木情報と、設計情報記憶部61の設計情報を参照し、現在得られている部分木が、設計情報として最初に与えられた全サイトを含むか否かを調べる(ステップS811)。なお、部分木情報については、後述する。
現在得られている部分木が、設計情報として最初に与えられた全サイトを含む場合、AS組合せ決定手段52は、該部分木に各サイトを加えた時に選択されたASの組合せを、全サイト間が到達可能なASの組合せと判断し(ステップS704”YES”)、該ASの組合せを出力装置4に出力して(ステップS705)、動作を終了する。
現在得られている部分木が、設計情報として最初に与えられた全サイトを含まない場合、AS組合せ決定手段52は、該部分木に各サイトを加えた時に選択されたASの組合せでは、全サイト間が到達可能ではないと判断し(ステップS704”NO”)、設計不能を出力装置4に出力して(ステップS706)、動作を終了する。
(部分木作成の動作の説明)
ここで、ステップS703の動作について、図8を参照して説明する。図8は、本実施の形態による部分木作成の動作を示す流れ図である。
図8を参照すると、まず、AS組合せ決定手段52は、設計情報に含まれる全サイトを、サイト次数の大きい順に優先順位付けする(ステップS801)。
ステップS801の結果、サイト次数が同数となるサイトがある場合(ステップS802”YES”)、AS組合せ決定手段52は、サイトの次数が同数となったサイト同士について、各サイトにおいてサイトの次数を与えるAS、すなわち、各サイト内でAS次数が最大のAS同士について、それぞれのAS番号を比較し、当該AS番号の小さい順にサイトを優先順位付けする(ステップS803)。
次いで、AS組合せ決定手段52は、サイトの優先順位の情報を、演算用記憶部62に格納する(ステップS804)。
次いで、AS組合せ決定手段52は、演算用記憶部62を参照し、優先順位が一番高いサイトを開始サイトとした選択し、さらに該サイトで優先順位が一番高いASを選択し、部分木の作成を開始する(ステップS805)。
次いで、AS組合せ決定手段52は、選択されなかったAS及び該ASから伸びるASリンクを削除し、削除したAS及びASリンクの情報に基づいて、演算用記憶部62に格納されている設計情報を更新する(ステップS806)。
次いで、AS組合せ決定手段52は、演算用記憶部62の設計情報を参照して、まだ部分木に加えていない全サイトについて、ステップS801〜S804と同様の処理を行い、再度優先順位付けを行い、演算用記憶部62に格納されている優先順位情報を更新する(ステップS807)。
次いで、AS組合せ決定手段52は、演算用記憶部62の設計情報を参照し、制約付きプリム法により、次に部分木に追加すべきサイトを決定し、次に演算用記憶部62の優先順位情報を参照し、次に部分木に追加すべきサイトとして決定されたサイトにおける最高順位のASを、該サイトで使用するASと決定し、部分木へ追加する(ステップS808)。
すなわち、次に追加すべきサイトは、まだ部分木に追加されていないサイトであって、直前に部分木へ追加されたサイト(直前追加サイト)のASから伸びるASリンクに繋がるAS候補を有するサイトのうち、リンクコストが最小となるサイトが選ばれる。
次いで、AS組合せ決定手段52は、次に部分木に追加すべきサイトとして決定されたサイトで選ばれなかったASと、該ASに繋がるASリンクを削除し、削除したAS及びASリンクの情報に基づいて、演算用記憶部62に格納されている設計情報を更新する(ステップS809)。
次いで、AS組合せ決定手段52は、演算用記憶部62を参照して、次に追加可能なサイト(追加可能サイト)があるかどうか確認する(ステップS810)。
具体的には、AS組合せ決定手段52は、直前追加サイトのASから伸びるASリンクに繋がるAS候補を有するサイトを探し、直前追加サイトのASから繋がるサイトがなかった場合は、直前追加サイトのひとつ前のサイトへ遡り、同様に当該ひとつ前のサイトのASから伸びるASリンクに繋がるAS候補を有するサイトを探す。そして、上述の探索により見つかったサイトを、追加可能サイトと判断する。
追加可能サイトがあると判断した場合(ステップS810”YES”)、AS組合せ決定手段52は、ステップS807の処理へ戻り、追加可能サイトがなくなるまで、ステップS807〜S810の処理を繰り返し、ステップS810で追加可能サイトがないと判断した場合、AS組合せ決定手段は部分木作成の動作を終了する(ステップS810”NO”)。
次に、具体的な実施例を用いて本実施の形態の動作を説明する。
(構成の説明)
図9は、図4で与えられた設計問題の例に対して、上述した本実施の形態の動作を適用したときの結果を示している。当該結果は、演算用記憶部62に格納されている。
(動作の説明)
以下、本実施の形態による制約付きプリム法により図9の解を求めた手順を説明する。
まず、図8のステップS801〜S804において、全サイトに優先順位をつけると以下のようになる。なお、括弧内はサイト次数を与えるASをしめす。
TYO(AS2914)>HKG(AS9304)>JKT(AS4761)>MNL(AS4775)>HCM(AS7643)
まず、ステップS805ではTYOサイトが部分木の開始サイトとして選択される。
なお、TYOサイトにおいてAS2914が選択されるのは、AS2516のAS次数が”3”であるのに対し、AS2914のAS次数が”4”であるためである。
そして、ステップS806で選択されなかったAS2516及びAS2516から伸びるASリンクは削除される。
次に、ステップS807で、TYOサイトを除いたサイトに再度優先順位をつけた後、ステップS808で次に部分木に追加すべきサイトを決定する。
TYO(AS2914)から伸びるASリンクでリンクコストが最小なのはTYO−HKGのため、ステップS808ではHKGサイトを部分木に追加し、ステップS809で設計情報を更新する。なお、HKGサイトはASが1つしか存在しないため、必然的にAS9304が使用するASとなる。
次に、ステップS810で追加可能サイトを確認すると、HKG(AS9304)から伸びるASリンクはMNL,JKT,HCMの3サイトがあるため、ステップS807に戻る。
そして、再びステップS807で、TYOサイトとHKGサイトを除いたサイトに優先順位をつけた後、ステップS808で次に部分木に追加すべきサイトを決定する。
再びステップS808では、TYO−HKGの部分木に対して、くわえるべき候補として上記3つのサイトを考えると、TYO−MNL間のコストが最小なので、MNLサイトを追加し、順位の高い方のAS6648を選択する。
同様にして、その後HKGからHCMサイトを追加し到達可能なAS7643を選択する。最後にHKGからJKTサイトを追加し、到達可能なAS4761を選択する。
(第2の実施の形態による効果)
次に本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態によれば、次数の高いASを選ぶことで、他のASとの間で取りうる経路を多くする可能性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、サイト数やASの候補数が増えていっても、第1の実施の形態よりも少ない計算量で各サイトが使用すべきASの組合せを決定することができる。
その理由は、以下の通りである。
サイト数をN、各サイトで使用可能なASの数の最大値をA、ASの組合せにおけるASリンクの総数の最大値をLとすると、通常のプリム法による計算量(計算の複雑度)はL*logNであるが、制約付きプリム法では、サイトを追加する毎に、残っているサイトの中でそのサイトで使用可能なASのソートを行うので、当該処理の計算量はO(N*A*logA)となり、よって、制約付きプリム法による計算量はO(L*N*logN*A*logA)となる。
一方、第1の実施の形態では、ASの組合せの総数はAで、最小全域木をプリム法で抽出すると、該抽出の計算量はO(L*logN)になり、よって、最小全域木をプリム法で抽出する計算量はO(A* L*logN)となる。
よって第2の実施の形態では、第1の実施の形態よりも少ない計算量で各サイトが使用すべきASの組合せを決定することができる。
なお、上述した第1および第2の実施の形態において、各サイトに与えたAS候補の間の接続関係については、次のようにして該接続関係の情報を得ることができる。
例えば、CIDR REPORTのサイト (http://www.cidr−report.org/as2.0/)からは、BGPを扱うルータから得たれた現時点の接続関係の情報が得られる。
また、CAIDAのAS relationshipのサイト(http://www.caida.org/data/active/as−relationships/)では、ピアリング、トランジットの推定の結果まで得られる。
さらに、Robtexのサイト(http://www.robtex.com/)からは、Internet Routing Registoryに登録された情報に基づいた、接続関係に関する情報が得られる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態によるネットワーク設計システム100について、詳細に説明する。
本実施の形態では、第1及び第2の実施の形態において、データの発信もしくは着信をするサイト以外に、中継を専門におこなうサイトを含めた設計を行う。
具体的には、図2のステップS201でおよび図7のステップS701で与えられた設計情報に含まれる各サイトについて、発信もしくは着信のあるサイトと、中継専用サイトとの区別をつけたうえで、ASの組み合わせを算出する。
そして、図2のステップS203,図7のステップS704における到達性のチェックでは、少なくとも発着もしくは着信のサイトとして与えられたサイトの間で到達性が確認できれば、設計できたものとする。すなわち、与えられたすべての中継サイトと他のサイト間で到達性を確保する必要はない。
(第3の実施の形態による効果)
次に本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態によれば、発着信サイト以外に中継サイトを与えることで、データの転送スループットを向上させることができる。
その理由は、例えば、図4の問題例で、HKGサイトだけは中継専用サイトとし、他の全てのサイトは発着信サイトとして与えられたものとすると、データ転送経路にHKGサイトを含む場合は、最大リンク距離の最小値は図5に示したように3212である。
一方、データ転送経路にHKGサイトを含まない場合は、TYO−JKT間の5768が最大リンク距離の最小値となる。
よって、逆に中継専用のHKGサイトを入れることで、最大リンク距離の最小値が5768から3212に削減でき、データ転送スループットの向上につながる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態によるネットワーク設計システム100について、図面を参照して詳細に説明する。
第1の実施の形態、及び第2の実施の形態により得られたASグラフに基づく経路によって、発信サイトと着信サイトの間でデータを転送する場合、発信サイトにおいて、もしIPアドレスが着信サイトに設定されたパケットをそのままインターネット上に転送すると、発信サイトと着信サイトがそれぞれ使用するASの間に接続関係がない場合は、BGPの経路制御に従ってパケットが転送され、必ずしも本発明が提供する設計方法で意図された経路上を転送されるとは限らない。
そこで、本実施の形態では、発信サイトと着信サイトの間でHTTPのデータを転送する場合は、各中継サイトはTCPを終端し、HTTPのデータを取り出すプロキシーとして動作させる。
更に、場合により複数のサイトのそれぞれから同一データに対する要求がある場合に、該要求があるごとに当該データを返送できるように、各中継サイトをプロキシキャッシュとして動作させる。
そして、オリジンサイトに対応するドメイン名が与えられたとき、各エッジサイトでは、設計で得られたASグラフ上で設定可能な発着信サイト間の経路に基づいて転送できるように設定する。
また、各サイトにおいて、非特許文献5に記載のSquidを用いる場合は、HTTP get requestで要求されるURLに含まれるドメインに対して、HTTP get requestの次の転送先をプロキシーの「親」として設定しておく。
そして、ある発着信サイト間において、経路が複数ある場合、各経路に含まれるASリンクの距離の最大値が最小となる経路が優先して選ばれるようにする。
ここで、ASリンクの距離は、該ASリンクを両側で終端するサイト間の距離で与える。この理由は、設計時にエンドツーエンドのTCPスループットを最大化しようとしたのと同じである。
例えば図9の設計例において、TYOサイトがオリジンサイトとし、エッジサイトであるMNLサイトへの分配経路の決定方法について説明する。
TYOサイトとMNLサイトの間には、TYO−MNLの1ホップの経路(2990km)と、TYO−HKG−MNLの2ホップの経路(2854km+1013km)があるが、TYO−HKG−MNLの2ホップの経路の方が最大リンク距離が小さいため、TYO−HKG−MNLの2ホップの経路を、TYO−MNLの1ホップの経路よりも優先して用いるようにする。
また、各サイトにおいて、非特許文献5にあるSquidを用いる場合は、MNLサイトにおいてHKGサイトとTYOサイトを親に設定し、それぞれに付与する重みがHKG>TYOとなるように設定しておく。
(第4の実施の形態による効果)
次に本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態、及び第2の実施の形態により得られたASグラフに基づく経路によって発信サイトと着信サイトの間でデータを転送する場合、発信サイトにおいて、もしIPアドレスが着信サイトに設定されたパケットをそのままインターネット上に転送した場合に、発信サイトと着信サイトがそれぞれ使用するASの間に接続関係がない場合でも、該ASグラフに基づく経路に沿って転送される。
なお、上述した第1〜第4の実施の形態では、各サイトは、インターネットを構成するASを、選択・決定すべきネットワークの運用単位としてきたが、他の技術に基づくネットワーク運用単位としては、非特許文献6に示す、MEF(Metro Ethernet Forum)で議論されているイーサネット・ドメインも考えられる。
当該議論においては、異なるキャリア、もしくは異なる運用業者におけるイーサネット・ドメイン間の接続方式として、E−NNIの標準化も議論されている。
上述した説明についての参考文献として、非特許文献5、及び非特許文献6を挙げる。
次に、本発明のネットワーク設計システム100のハードウェア構成例について、図10を参照して説明する。図10は、ネットワーク設計システム100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図10を参照すると、ネットワーク設計システム100は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成であり、CPU(Central Processing Unit)801、RAM(Random Access Memory)等のメモリからなる、データの作業領域やデータの一時退避領域に用いられる主記憶部802、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信部803、入力装置805や出力装置806及び記憶装置807と接続してデータの送受信を行う入出力インタフェース部804、上記各構成要素を相互に接続するシステムバス808を備えている。記憶装置807は、例えば、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成されるハードディスク装置等で実現される。
本発明のネットワーク設計システム100のデータ処理装置809は、プログラムを組み込んだ、LSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品である回路部品を実装することにより、その動作をハードウェア的に実現することは勿論として、その機能を提供するプログラムを、記憶装置807に格納し、そのプログラムを主記憶部802にロードしてCPU801で実行することにより、ソフトウェア的に実現することも可能である。
この出願は、2009年8月26日に出願された日本出願特願2009−195499を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明によれば、ネットワーク運用単位であるASの多数から構成されるインターネット上で、地理的に分散配置された複数のサーバサイトもしくはデータセンタからの、コンテンツ配信サービスやアプリケーション配信サービスを提供する等の用途に適用できる。
また、本発明によれば、オリジンサイトからエッジサイト間へのコンテンツの分配のみならず、オリジンサーバのアプリケーションで処理した結果を、1つもしくは複数の中継サイトを経由してエンドユーザのWebクライアントに転送するアプリケーション配信にも使える。
以上好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。

Claims (26)

  1. ネットワークを構成する複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間の前記ネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて全サイトが到達可能になるように、各々のサイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを決定することを特徴とするネットワーク設計方法。
  2. ネットワークを構成するデータの発信もしくは着信を行う複数のサイトと中継のみを行う複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間の前記ネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて少なくともデータの発信もしくは着信を行う全サイトが到達可能となるように、各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを決定することを特徴とするネットワーク設計方法。
  3. 各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、
    異なるサイト間の接続関係のある前記ネットワーク運用単位の各ペア間に与えられたコストに基づいて最小全域木を作成し、前記最小全域木において前記コストの最大値を最小とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネットワーク設計方法。
  4. 各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、更に、前記ネットワーク運用単位の各ペア間で有する接続関係の総数を最大とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項3に記載のネットワーク設計方法。
  5. 前記各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、更に、接続関係を有する前記ネットワーク運用単位の各ペア間に与えられたコストの総和を最小とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項4に記載のネットワーク設計方法。
  6. 使用すべき前記ネットワーク運用単位を順番にサイトを選択する毎に決定し、新たに選択すべきサイトをプリム法に基づいて決定し、前記新たに選択すべきサイトで使用すべき前記ネットワーク運用単位を、他のサイトの前記ネットワーク運用単位との間に予め与えられた接続関係の総数に基づいて決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネットワーク設計方法。
  7. 前記ネットワーク運用単位が、インターネットを構成する自律システムであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のネットワーク設計方法。
  8. 前記ネットワーク運用単位が、イーサネット・ドメインであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のネットワーク設計方法。
  9. ある発信サイトから別の着信サイトにデータを転送する際の経路を、請求項1から請求項8の何れかに記載のネットワークの設計方法で得られた前記ネットワーク運用単位の各ペアに予め与えられた接続関係に基づいて決定することを特徴とするデータ転送経路決定方法。
  10. あるサイトから、他の1以上のサイトに対してHTTPデータを分配する場合、分配経路上の各サイトを、HTTPのプロキシーサーバもしくはキャッシュサーバとして動作させることを特徴とする請求項9に記載のデータ転送経路決定方法。
  11. ネットワークを構成する複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間の前記ネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて全サイトが到達可能になるように、各々のサイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを決定する処理手段を備えることを特徴とするネットワーク設計システム。
  12. ネットワークを構成するデータの発信もしくは着信を行う複数のサイトと中継のみを行う複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間の前記ネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて少なくともデータの発信もしくは着信を行う全サイトが到達可能となるように、各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを決定する処理手段を備えることを特徴とするネットワーク設計システム。
  13. 前記処理手段は、
    各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、
    異なるサイト間の接続関係のある前記ネットワーク運用単位の各ペア間に与えられたコストに基づいて最小全域木を作成し、前記最小全域木において前記コストの最大値を最小とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のネットワーク設計システム。
  14. 前記処理手段は、
    各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、更に、前記ネットワーク運用単位の各ペア間で有する接続関係の総数を最大とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項13に記載のネットワーク設計システム。
  15. 前記処理手段は、
    前記各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、更に、接続関係を有する前記ネットワーク運用単位の各ペア間に与えられたコストの総和を最小とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項14に記載のネットワーク設計システム。
  16. 前記処理手段は、
    使用すべき前記ネットワーク運用単位を順番にサイトを選択する毎に決定し、新たに選択すべきサイトをプリム法に基づいて決定し、前記新たに選択すべきサイトで使用すべき前記ネットワーク運用単位を、他のサイトの前記ネットワーク運用単位との間に予め与えられた接続関係の総数に基づいて決定することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のネットワーク設計システム。
  17. 前記ネットワーク運用単位が、インターネットを構成する自律システムであることを特徴とする請求項11から請求項16の何れかに記載のネットワーク設計システム。
  18. 前記ネットワーク運用単位が、イーサネット・ドメインであることを特徴とする請求項11から請求項16の何れかに記載のネットワーク設計システム。
  19. コンピュータに、
    ネットワークを構成する複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間の前記ネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて全サイトが到達可能になるように、各々のサイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを決定する決定処理を実行させることを特徴とするネットワーク設計プログラム。
  20. コンピュータに、
    ネットワークを構成するデータの発信もしくは着信を行う複数のサイトと中継のみを行う複数のサイトの各サイトに少なくとも1つ与えられたネットワーク運用単位の候補について、異なるサイト間の前記ネットワーク運用単位の候補の各ペアに与えられた接続関係に基づいて少なくともデータの発信もしくは着信を行う全サイトが到達可能となるように、各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを決定する決定処理を実行させることを特徴とするネットワーク設計プログラム。
  21. 前記決定処理において、
    各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、
    異なるサイト間の接続関係のある前記ネットワーク運用単位の各ペア間に与えられたコストに基づいて最小全域木を作成し、前記最小全域木において前記コストの最大値を最小とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載のネットワーク設計プログラム。
  22. 前記決定処理において、
    各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、更に、前記ネットワーク運用単位の各ペア間で有する接続関係の総数を最大とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項21に記載のネットワーク設計プログラム。
  23. 前記決定処理において、
    前記各サイトが1つ使用すべき前記ネットワーク運用単位の組合せを、更に、接続関係を有する前記ネットワーク運用単位の各ペア間に与えられたコストの総和を最小とする前記ネットワーク運用単位の組合せを算出することにより決定することを特徴とする請求項22に記載のネットワーク設計プログラム。
  24. 前記決定処理において、
    使用すべき前記ネットワーク運用単位を順番にサイトを選択する毎に決定し、新たに選択すべきサイトをプリム法に基づいて決定し、前記新たに選択すべきサイトで使用すべき前記ネットワーク運用単位を、他のサイトの前記ネットワーク運用単位との間に予め与えられた接続関係の総数に基づいて決定することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載のネットワーク設計プログラム。
  25. 前記ネットワーク運用単位が、インターネットを構成する自律システムであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のネットワーク設計プログラム。
  26. 前記ネットワーク運用単位が、イーサネット・ドメインであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のネットワーク設計プログラム。
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