JP4320433B2 - オーバーレイリンク計算装置およびその計算方法ならびにプログラム - Google Patents
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Description
図11は従来のオーバーレイネットワークの一例の構成図である。IPネットワークなどの上にオーバーレイネットワークが構築されている例を示している。オーバーレイネットワークの構築においては、オーバーレイリンクをどのオーバーレイネットワークノード間で構成するかが課題となる。従来は、ノード間のルータの段数(ホップカウント)や遅延を測定し、測定した値の小さいノード間に、オーバーレイリンクを構成するという手法がとられている。
ここではオーバーレイネットワークを利用する例の一つとして、アプリケーションレイヤマルチキャスト(以下、ALMと表示する)を用いて詳しく説明する。ALMは、アプリケーション層にてマルチキャスト配送を実現する技術である。一般にはIPレベルのマルチキャスト機能であるIPマルチキャストが、広く知られており、各種ルータへの実装が進んでいる。しかし、IPマルチキャストでは本質的にいくつかの大きな問題を抱えている。例えば、インタードメインでの運用の難しさ、マルチキャストアドレスの割り当てや管理の難しさ、アクセス制御や品質管理などの難しさなどである。これらの理由から、実際にインターネットで広く用いられるに至っていない。
ALMでは、パケットの複製やマルチキャストルーティングなどをアプリケーション層で実現している。ALMノード間の通信はユニキャストで行われるため、ネットワーク層のルータはユニキャストのルーティングさえできればよい(特開2002−232466号公報(要約、図2)参照)。
また、この種のネットワークの一例が特開2003−234824号公報に開示されている。この技術は、フォトニックルータの情報と、フォトニックルータに収容されたファイバリンクの情報と、フォトニックルータで設定された光パスの情報とを収集し、ファイバリンクネットワークトポロジー情報と、設定された光パスリンクネットワーク情報の両方の情報を把握し、光パスに収容されるIPパケットと、ファイバに収容される光パスの両方をルーティングするルーティング方法を提供するというものである(特開2003−234824号公報(段落0010、図2参照)。
また、他の一例としてダイクストラ法を用いて経路計算を行う技術が開示されている(特開平8−178682号公報(段落0003〜0005、図1)参照)。
上述した特開2002−232466号公報記載の従来のオーバーレイネットワーク構築方法では、ノード間の遅延やルータのホップカウントなどの情報のみを元にオーバーレイリンクの決定を行っている。
図11は、従来手法によるホップカウントの情報を元に決定されたオーバーレイリンクの一例を示している。同図中の11〜15はオーバーレイネットワークノードであり、21〜24は一般のルータであるとする。オーバーレイネットワークノード11〜15はそれぞれ他のオーバーレイネットワークノードまでのホップカウントを計測する。計測したホップカウントの値が小さいノードから二つを隣接ノードとして選択し、隣接ノードに対してオーバーレイリンクを構成する。
同図のノード11は、ホップカウントが1であるノード12およびホップカウントが2であるノード13を隣接ノードとして選択し、オーバーレイリンク31,33を構成する。同様の手続きをそれぞれのオーバーレイネットワークノード12〜15で行うことで、オーバーレイネットワークが構成される。
同図を参照すると、ノード11とノード13間のオーバーレイリンク33は、ノード11とノード12間のオーバーレイリンク31およびノード12とノード13間のオーバーレイリンク32とネットワーク層のリンクを共有している。このオーバーレイネットワーク上でアプリケーションレイヤマルチキャストを実現する場合、オーバーレイリンク33は、オーバーレイリンク31、32と重複しており、必要のないリンクである。
このように従来手法では、オーバーレイリンクがひとつのネットワーク層のリンク上で重複して張られる可能性がある。
一方、特開2003−234824号公報記載の技術はレイヤの異なるネットワークにおけるトポロジー情報を利用している点で本発明と類似するが、特開2003−234824号公報記載の技術はレイヤの異なるネットワークにおけるトポロジー情報を”同一に扱う“ための手法を示しているのに対し、本発明は下位層のトポロジー情報を利用してオーバーレイリンクを構成する手法を示すものであり、特開2003−234824号公報記載の技術はその目的、構成、効果のいずれもが本発明と全く相違する。
また、特開平8−178682号公報記載の技術にも上記課題を解決する手段は開示されていない。
そこで本発明の目的は、重複リンクの存在しないオーバーレイリンクを決定することが可能なオーバーレイリンク計算装置およびその計算方法ならびにプログラムを提供することにある。
また、本発明によるオーバーレイリンク計算方法は、ネットワーク層よりも上位のレイヤで構成されるオーバーレイネットワークにおけるノード間のリンクを決定するオーバーレイリンク計算方法であって、前記ネットワーク層のトポロジー情報を取得するトポロジー情報取得ステップと、取得したトポロジー情報に基づきオーバーレイリンクを計算するリンク計算ステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明によるプログラムは、ネットワーク層よりも上位のレイヤで構成されるオーバーレイネットワークにおけるノード間のリンクを決定するオーバーレイリンク計算方法のプログラムであって、コンピュータに、前記ネットワーク層のトポロジー情報を取得するトポロジー情報取得ステップと、取得したトポロジー情報に基づきオーバーレイリンクを計算するリンク計算ステップとを実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
本発明によれば、取得したトポロジー情報に基づきオーバーレイリンクが計算される。
図2は、本発明に係るオーバーレイリンク計算装置の第1実施例の動作を示すフローチャートである。
図3は、本発明の第1実施例におけるオーバーレイリンク決定処理にて使用されるツリー図である。
図4は、本発明の重複リンクの存在しないオーバーレイリンクの一例を示す図である。
図5は、本発明に係るオーバーレイリンク計算装置の第2実施例の構成図である。
図6は、本発明に係るオーバーレイリンク計算装置の第3実施例の構成図である。
図7は、第3実施例におけるオーバーレイリンク決定処理に使用されるツリー図の一例を示す図である。
図8は、本発明に係るオーバーレイリンク計算装置の第3実施例の動作を示すフローチャートである。
図9は、本発明に係るオーバーレイリンク計算装置の第4実施例の構成図である。
図10は、本発明に係るオーバーレイリンク計算装置の第5実施例の構成図である。
図11は、従来のオーバーレイネットワークの一例の構成図である。
図12は、従来のオーバーレイリンク計算装置の一例の構成図である。
同図において、オーバーレイネットワークノード装置1は、オーバーレイネットワーク転送部16と、オーバーレイネットワーク制御部17とから構成される。オーバーレイネットワーク転送部16は、転送テーブル111と、データ転送部112とから構成される。データ転送部112は、オーバーレイリンク上を転送されてきたデータを受信し、転送テーブル111からどのオーバーレイリンクに送信するかを決定し、データの送信を行う。
オーバーレイネットワーク制御部17は、転送経路計算部121、リンクデータベース122、リンク計算部123およびトポロジー情報取得部124とから構成される。トポロジー情報取得部124は、オーバーレイネットワークノード装置1の外部にあるトポロジー情報収集手段を持つ装置(不図示)からネットワーク層のトポロジー情報の取得を行う。
ここでのトポロジー情報収集手段を持つ装置とは、例えばルータやネットワーク管理システムなどである。ネットワーク層のパケットの転送を行うルータは、転送のための経路表を作成するために、ルーティングプロトコルを用いてネットワーク層のトポロジー情報を収集している。またネットワーク管理システムは、ネットワーク管理という目的のために、ネットワーク層のトポロジー情報をネットワーク内の各ルータから収集している。
リンク計算部123は、トポロジー情報収集手段を持つ装置から取得したトポロジー情報を元に、計算によりオーバーレイリンクを生成する。生成されたオーバーレイリンクは、リンクデータベース122に格納される。リンクデータベース122に格納されたオーバーレイリンク情報は、転送経路計算部121によって転送経路の決定が行われ、オーバーレイネットワーク転送部16における転送テーブル111に登録される。
図12は従来のオーバーレイリンク計算装置の一例の構成図である。同図に示す従来の構成では、オーバーレイネットワーク制御部17に遅延測定部127およびリンク決定部126を有する。本発明の第1実施例では、遅延測定部127ではなく、トポロジー情報取得部124を有する点が異なる。また従来の構成では、遅延情報を元にオーバーレイリンクの決定を行うリンク決定部126を有するが、本発明の第1実施例ではトポロジー情報を元にオーバーレイリンクを算出するリンク計算部123を有する点が異なる。
次に、オーバーレイリンク計算装置の第1実施例の動作について図2を参照しながら説明する。図2は本発明に係るオーバーレイリンク計算装置の第1実施例の動作を示すフローチャートである。
まず、ルーティングプロトコルにより収集されたトポロジー情報を元に、公知のアルゴリズムであるダイクストラ法を用いて最短パスツリーを計算する(ステップS1)。
ダイクストラ法については前述の特開平8−178682号公報に記載されている。すなわち、探索開始リンクから始まるリンクのツリーを構成していくとき、あるリンクから複数のリンクに枝分かれする場合に、各枝のリンクの経路コスト(探索開始リンクからそのリンクに至るコストの総和)の大小を比較して、経路コストの小さい順に並べ替え、経路コストの小さいリンクからさらに探索を続けていく。そして、最初に探索終了リンクに到達すれば、その時点で、探索終了リンクに到達する最もコストの少ない経路を決定する。経路コストの小さいリンクから順に探索を続けていくので、真先に探索終了リンクに到達した経路がそのまま探索経路になる。
ここで、あるオーバーレイネットワークノードAにおけるオーバーレイリンクを決定する際には、ノードAを最短パスツリーの起点ノードとして計算を行う。本第一実施例では、計算を行うオーバーレイネットワークノード装置1自身から構成されるオーバーレイリンクを決定するため、自分自身が起点ノードとなる。
また、ここでのトポロジー情報とはネットワーク層のリンク情報の集合であり、リンク情報とは、リンクのコスト値と、そのリンクがどのノードとどのノードとの間で張られているかという情報の組みである。
図3は本発明の第1実施例におけるオーバーレイリンク決定処理にて使用されるツリー図である。同図は、図11のネットワークにおいて各リンクのコストがすべて1である場合、ステップS1により得られるノード11からの最短パスツリーを示す図である。すなわち、ノード11−12間、ノード12−13間、ノード13−14間、ノード13−23間、ノード14−24間、ノード11−21間、ノード21−22間、ノード22−15間、ノード15−24間に構成される各リンクが最短パスであることを示している。
以降このツリーの探索という形で、自身(ノード11)との間でオーバーレイリンクを構成する対象となるオーバーレイネットワークノードを決定する。
ステップS1で算出したツリーの起点ノードの子ノードの一つを対象ノードとする(ステップS2)。次に、対象ノードがオーバーレイネットワークノードであるかを調べる(ステップS3)。対象ノードがオーバーレイネットワークノードでない場合、対象ノードに未探索である子ノードがあるかを調べる(ステップS4)。未探索の子ノードがあった場合、その子ノードを対象ノードとし(ステップS5)ステップS3に戻る。
次に、ステップS4において、対象ノードに未探索の子ノードがない場合について説明する。対象ノードを探索済み状態に変更し、自身の親ノード(1つ前のノード)を対象ノードにする(ステップS7)。
続いて、対象ノードに未探索の子ノードがある場合には(ステップS8)、ステップS5へすすみ、そうでない場合にはステップS9へ進む。ステップS9においては、対象ノードが起点ノードであるかを調べ、そうであれば終了し、そうでなければステップS7へ進む。
次に、ステップS3において、対象ノードがオーバーレイネットワークノード装置であった場合について説明する。対象ノードをオーバーレイリンク接続ノードとし(ステップS6)、ステップS7へと進む。
次に、オーバーレイリンク計算装置の第1実施例の動作の具体例について説明する。まず、トポロジー情報取得部124においてルーティングプロトコルにより収集されたトポロジー情報を元に、リンク計算部123においてダイクストラ法を用いノード11自身を起点とした最短パスツリーを計算する(ステップS1)。
起点ノードであるノード11には、子ノード12、21が存在する(図3参照)。そこで、リンク計算部123はまず子ノード12を対象ノードとする(ステップS2)。
対象ノード12はオーバーレイネットワークノード装置であるので(ステップS3)、対象ノード12をオーバーレイリンク接続ノードとする(ステップS6)。
次に、対象ノード12を探索済みとし、対象ノードを親ノード(ノード11)に変更する(ステップS7)。
次に、対象ノード11に未探索の子ノードがあるかを調べ(ステップS8)、未探索の子ノード21があるので、対象ノードを未探索の子ノード21に変更する(ステップS5)。
次に、対象ノード21はオーバーレイネットワーク装置ではないため(ステップS3)、対象ノード21に未探索の子ノードがあるかを調べる(ステップS4)。対象ノード21に未探索の子ノード22があるので、対象ノードを未探索の子ノード22に変更する(ステップS5)。
次に、対象ノード22はオーバーレイネットワーク装置ではないため(ステップS3)、対象ノード22に未探索の子ノードがあるかを調べる(ステップS4)。対象ノード22に未探索の子ノード15があるので、対象ノードを未探索の子ノード15に変更する(ステップS5)。
次に、対象ノード15はオーバーレイネットワーク装置であるので(ステップS3)、対象ノード15をオーバーレイリンク接続ノードとする(ステップS6)。
次に、自身である対象ノード15を探索済みとし、対象ノードを親ノード(ノード22)に変更する(ステップS7)。
次に、親ノード22に未探索の子ノードがあるかを調べ(ステップS8)、未探索の子ノードがないので、対象ノード22が起点ノードであるかを調べる(ステップS9)。
対象ノード22は起点ノードではないので、ステップS7に戻る。そして、自身22を探索済みとし、対象ノードを親ノード(ノード21)に変更する(ステップS7)。
次に、親ノード21に未探索の子ノードがあるかを調べ(ステップS8)、未探索の子ノードがないので、対象ノード21が起点ノードであるかを調べる(ステップS9)。
対象ノード21は起点ノードではないので、ステップS7に戻る。そして、自身21を探索済みとし、対象ノードを親ノード(ノード11)に変更する(ステップS7)。
次に、親ノード11に未探索の子ノードがあるかを調べ(ステップS8)、未探索の子ノードがないので、対象ノード11が起点ノードであるかを調べる(ステップS9)。
対象ノード11は起点ノードであるので、ノード11を起点とするオーバーレイリンク決定処理はこれで終了となる。
この結果、ノード11からオーバーレイリンクの接続相手として、ノード12およびノード15が得られる。
上述したのと同様の処理を、ノード12,13,14,15をそれぞれ起点ノードとして行う。その結果、図4に示すような重複リンクの存在しないオーバーレイリンクが得られる。
同図を参照すると、第2実施例のオーバーレイネットワークノード装置1は第1実施例の構成に加えL3ネットワーク制御部18を含んでいる。
L3ネットワーク制御部18は、経路計算部131と、トポロジーデータベース132と、ルーティングプロトコル処理部133とを含んで構成される。ルーティングプロトコル処理部133は、ネットワーク層における隣接ノードとの間でルーティングプロトコルを用い、ネットワーク層のトポロジー情報を収集している。
収集したトポロジー情報は、トポロジーデータベース132に格納される。経路計算部131は、ルーティングプロトコル毎に定められた計算手順にしたがってネットワーク層における経路情報を算出する。
図1で示した第1実施例とは、トポロジー情報収集手段であるL3ネットワーク制御部18をオーバーレイネットワークノード装置1自身が有している点が異なっている。第1実施例では、トポロジー情報収集手段が外部にあるためにオーバーレイネットワークノード装置1とトポロジー情報収集手段を持つ装置との間で、トポロジー情報の受け渡しを行う手段が必要であった。しかし、本実施例では、オーバーレイネットワークノード装置1自身でトポロジー情報の収集ができるため、外部の装置との連携を行う必要がない。
同図を参照すると、第3実施例のオーバーレイネットワークノード装置1は第1実施例の構成に加えトレースルート(trace route)測定部19を含んでいる。
トレースルート測定部19は、トポロジーデータベース132と、パケット送受信部135とを含んで構成される。パケット送受信部135は、トレースルートを用いてトポロジー情報を収集する。収集したトポロジー情報は、トポロジーデータベース132に格納される。
トレースルートは、インターネットにおいて、自身からあるホスト宛てのネットワーク経路を測定する公知の手法である。ここでのネットワーク経路というのは、ネットワーク層において宛先に至るまでに、どのノードを通過するかという情報である。トレースルート測定部19は、トレースルートを用いてすべてのオーバーレイネットワークノード宛てのネットワーク経路を測定する。トレースルート測定した情報から得られるトポロジー情報は、第2実施例におけるルーティングプロトコルを用いて得られるトポロジー情報に対して、部分的な情報しか得ることができない。
図7は第3実施例におけるオーバーレイリンク決定処理に使用されるツリー図の一例を示す図である。同図はノード11からトポロジー情報の収集を行う場合に得られるトポロジー情報を示している。このように本実施例では図3のネットワーク中において、ノード13,23間のリンク、ノード23,15間のリンク、ノード14,24間のリンクおよびノード24,15間のリンクに関する情報を得ることができない。しかし、ノード11から他のオーバーレイネットワークへのパケットは、これらのリンクを使用しないため、オーバーレイリンクの決定には影響がない。
図8は本発明に係るオーバーレイリンク計算装置の第3実施例の動作を示すフローチャートである。次に同図を参照して本実施例の動作について、第1実施例の動作との違いを説明する。第1実施例の動作(図2参照)では、ダイクストラ法を用いて最短パスツリーの計算を行っていた(ステップS1)。これに対し、本実施例(図8参照)では、トレースルートを用いて収集した情報を元にツリーを構成する(ステップS11)。
また、図5で示した第2実施例とは、トポロジー情報収集手段がL3ネットワーク制御部18ではなく、トレースルート測定部19となっている点が異なる。本実施例では、ルーティングプロトコルが動作していないネットワークにおいても、適用することができる。
同図を参照すると、オーバーレイネットワークノード装置1はオーバーレイネットワーク転送部16と、オーバーレイネットワーク制御部17とを含んでいる。オーバーレイネットワーク転送部16の構成は図1の第1実施例と同様である。
オーバーレイネットワーク制御部17は転送経路計算部121と、リンクデータベース122と、オーバーレイリンク情報受信部129とを含んで構成される。
オーバーレイネットワーク管理装置2は、オーバーレイネットワーク管理部26と、トポロジー管理部27とを含んで構成される。
オーバーレイネットワーク管理部26は、リンク計算部221と、トポロジー情報取得部222と、リンクデータベース223と、オーバーレイリンク情報送信部224とを含んで構成される。
トポロジー管理部27は、SNMP(simple network management protocol)などネットワーク管理用のプロトコルを使用してネットワーク内の各ルータからトポロジー情報を収集するトポロジー情報収集部212と、収集したトポロジー情報を格納するトポロジーデータベース132とを含んで構成される。
オーバーレイネットワーク管理部26のトポロジー情報取得部222はトポロジー管理部27のトポロジーデータベース132に格納されている情報を取得し、リンク計算部221に渡す。リンク計算部221は、渡されたトポロジー情報を元に計算を行い、オーバーレイリンクを生成する。
リンク計算部221でのオーバーレイリンクの計算では、ネットワーク中のオーバーレイネットワークノード毎のオーバーレイリンクの決定が行われる。第1実施例での方法において、オーバーレイネットワークノード毎にそれぞれのノードを起点ノードとして計算を行う。生成されたオーバーレイリンクは、リンクデータベース223に格納される。オーバーレイリンク情報送信部224は、リンクデータベース223に格納されているオーバーレイリンク情報を、ネットワーク中の各オーバーレイネットワークノード装置1に送信する。
図1で示した第1実施例とは、リンク計算部221およびトポロジー情報取得部222が、オーバーレイネットワークノード装置1にではなく、オーバーレイネットワーク管理装置2内にある点が異なる。オーバーレイネットワークノード装置1は、負荷の大きいリンク計算処理を行う必要がなく、オーバーレイネットワークにおけるデータ転送機能に特化した構成をとることが可能である。
オーバーレイネットワークノード装置1は転送テーブル受信部231と、転送テーブル111と、データ転送部112とを含んで構成される。
オーバーレイネットワーク管理装置2はオーバーレイネットワーク制御部26と、トポロジー管理部27とを含んで構成される。
オーバーレイネットワーク制御部26は、リンク計算部221と、トポロジー情報取得部222と、リンクデータベース223と、転送経路計算部241と、転送テーブル送信部242とを含んで構成される。
オーバーレイネットワーク管理部26のトポロジー情報取得部222は、トポロジー管理部27のトポロジーデータベース132に格納されている情報を取得し、リンク計算部221に渡す。リンク計算部221は、渡されたトポロジー情報を元に計算を行い、オーバーレイリンクを生成する。
リンク計算部221でのオーバーレイリンクの計算では、ネットワーク中のオーバーレイネットワークノード毎のオーバーレイリンクの決定が行われる。算出方法は第4実施例における方法と同じである。生成されたオーバーレイリンクは、リンクデータベース223に格納される。
リンクデータベース223に格納されたオーバーレイリンク情報は、転送経路計算部241によって転送経路の決定が行われ、転送テーブル送信部242により、ネットワーク中の各オーバーレイネットワークノード装置1に転送される。
トポロジー管理部27は、SNMPなどネットワーク管理用のプロトコルを使用してネットワーク内の各ルータからトポロジー情報を収集するトポロジー情報収集部212と、収集したトポロジー情報を格納するトポロジーデータベース132とを含んで構成される。
図1で示した第1実施例とは、リンク計算部221およびトポロジー情報取得部222が、オーバーレイネットワークノード装置1にではなく、オーバーレイネットワーク管理装置2内にある点が異なる。
また、図9で示した第4実施例とは、転送経路計算部241がオーバーレイネットワークノード装置1にではなく、オーバーレイネットワーク管理装置2内にある点が異なる。
オーバーレイネットワークノード装置1は、負荷の大きいリンク計算処理および転送経路計算処理を行う必要がなく、第4実施例に比べさらにオーバーレイネットワークにおけるデータ転送機能に特化した構成をとることが可能である。
オーバーレイネットワーク制御部17はその記憶部からそのプログラムを読み出し、そのプログラムにしたがってトポロジー情報取得部124およびリンク計算部123を制御する。その制御内容については既に述べたのでここでの説明は省略する。
本発明によれば、上記構成を含むため、重複リンクの存在しないオーバーレイリンクを決定することが可能となる。
すなわち、本発明の第1の効果は、重複リンクの存在しないオーバーレイネットワークを構築できるため、ネットワーク層におけるリンクの帯域を節約することができる。
その理由は、オーバーレイリンクを決定する際に、ネットワーク層におけるトポロジーを利用しているためである。
第2の効果は、ネットワーク層の障害に対して影響を受けるオーバーレイリンクの数を少なくすることにより、オーバーレイネットワークの信頼性を向上させることができる。
重複リンクは、ネットワーク層のリンクを共有しているため、ネットワーク層のリンクに障害が発生すると、複数のオーバーレイリンクに影響を与える可能性がある。本発明によるオーバーレイリンク決定方法であれば、ネットワーク層のあるリンクの障害に対して、影響を受けるオーバーレイリンクはたかだか一つに抑えることができる。
Claims (22)
- ネットワーク層よりも上位のレイヤで構成されるオーバーレイネットワークにおけるノード間のリンクを決定するオーバーレイリンク計算装置であって、
前記ネットワーク層のトポロジー情報を取得するトポロジー情報取得手段と、
取得したトポロジー情報に基づき、ネットワーク層のリンク上にて重複を生じないようなオーバーレイリンクを計算するリンク計算手段とを含み、
前記リンク計算手段は、
最短パスツリーの起点ノードの子ノードを対象ノードとし、
前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうかを調べる処理を実行し、
前記対象ノードが前記オーバーレイネットワークノード装置であれば対象ノードをオーバーレイリンクノード接続ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイネットワーク装置でなければ未探索の子ノードを対象ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうか調べる前記処理を繰り返し、
未探索の子ノードがなくなったら未探索の子ノードが見つかるまで、親ノードを対象ノードとする処理を繰り返し、未探索の子ノードが見つかったら見つかった子ノードを対象ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうか調べる前記処理を繰り返すことを特徴とするオーバーレイリンク計算装置。 - 前記トポロジー情報取得手段は、外部のトポロジー情報収集装置から前記ネットワーク層のトポロジー情報を取得することを特徴とする請求項1記載のオーバーレイリンク計算装置。
- さらにネットワーク層のトポロジー情報を収集し、その情報を前記トポロジー情報取得手段に取得させるトポロジー情報収集手段を含むことを特徴とする請求項1記載のオーバーレイリンク計算装置。
- 前記オーバーレイリンク計算装置は、オーバーレイネットワークノード装置で構成されることを特徴とする請求項1記載のオーバーレイリンク計算装置。
- 前記オーバーレイリンク計算装置は、オーバーレイネットワークノード装置とオーバーレイネットワーク管理装置とから構成され、
前記トポロジー情報取得手段および前記リンク計算手段は、前記オーバーレイネットワーク管理装置に設けられることを特徴とする請求項1記載のオーバーレイリンク計算装置。 - 前記トポロジー情報収集手段は、ルーティングプロトコルを用いてネットワーク層のトポロジー情報を収集することを特徴とする請求項3記載のオーバーレイリンク計算装置。
- 前記トポロジー情報収集手段は、トレースルートを用いてネットワーク層のトポロジー情報を収集することを特徴とする請求項3記載のオーバーレイリンク計算装置。
- 前記オーバーレイネットワーク管理装置は、
前記トポロジー情報取得手段および前記リンク計算手段を含むオーバーレイネットワーク管理部と、
前記ネットワーク層のトポロジー情報を収集し、その情報を前記トポロジー情報取得手段に取得させるトポロジー管理部とを含むことを特徴とする請求項5記載のオーバーレイリンク計算装置。 - 前記オーバーレイネットワーク管理部は、前記リンク計算手段による計算結果に基づき転送経路を計算する転送経路計算部を含むことを特徴とする請求項8記載のオーバーレイリンク計算装置。
- 前記リンク計算手段は、オーバーレイノードごとにオーバーレイリンクを決定することを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のオーバーレイリンク計算装置。
- ネットワーク層よりも上位のレイヤで構成するオーバーレイネットワークにおけるノード間のリンクを決定するオーバーレイリンク計算方法であって、
前記ネットワーク層のトポロジー情報を取得するトポロジー情報取得ステップと、
取得したトポロジー情報に基づきネットワーク層のリンク上にて重複を生じないようなオーバーレイリンクを計算するリンク計算ステップとを含み、
前記リンク計算ステップは、
前記最短パスツリーの起点ノードの子ノードを対象ノードとし、
前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうかを調べる処理を実行し、
前記対象ノードが前記オーバーレイネットワークノード装置であれば対象ノードをオーバーレイリンクノード接続ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイネットワーク装置でなければ未探索の子ノードを対象ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうか調べる前記処理を繰り返し、
未探索の子ノードがなくなったら未探索の子ノードが見つかるまで、親ノードを対象ノードとする処理を繰り返し、未探索の子ノードが見つかったら見つかった子ノードを対象ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうか調べる前記処理を繰り返すことを特徴とするオーバーレイリンク計算方法。 - 前記トポロジー情報取得ステップにおいて、外部のトポロジー情報収集装置から前記ネットワーク層のトポロジー情報を取得することを特徴とする請求項11記載のオーバーレイリンク計算方法。
- さらにネットワーク層のトポロジー情報を収集し、その情報を前記トポロジー情報取得ステップに取得させるトポロジー情報収集ステップを含むことを特徴とする請求項11記載のオーバーレイリンク計算方法。
- 前記トポロジー情報収集ステップにおいて、ルーティングプロトコルを用いてネットワーク層のトポロジー情報を収集することを特徴とする請求項13記載のオーバーレイリンク計算方法。
- 前記トポロジー情報収集ステップにおいて、トレースルートを用いてネットワーク層のトポロジー情報を収集することを特徴とする請求項14記載のオーバーレイリンク計算方法。
- 前記リンク計算ステップにおいて、オーバーレイノードごとにオーバーレイリンクを決定することを特徴とする請求項11から請求項15の何れかに記載のオーバーレイリンク計算方法。
- ネットワーク層よりも上位のレイヤで構成するオーバーレイネットワークにおけるノード間のリンクを決定するオーバーレイリンク計算方法のプログラムであって、
コンピュータに、
前記ネットワーク層のトポロジー情報を取得するトポロジー情報取得ステップと、
取得したトポロジー情報に基づきネットワーク層のリンク上にて重複を生じないようなオーバーレイリンクを計算するリンク計算ステップとを実行させ、
前記リンク計算ステップは、
前記最短パスツリーの起点ノードの子ノードを対象ノードとし、
前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうかを調べる処理を実行し、
前記対象ノードが前記オーバーレイネットワークノード装置であれば対象ノードをオーバーレイリンクノード接続ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイネットワーク装置でなければ未探索の子ノードを対象ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうか調べる前記処理を繰り返し、
未探索の子ノードがなくなったら未探索の子ノードが見つかるまで、親ノードを対象ノードとする処理を繰り返し、未探索の子ノードが見つかったら見つかった子ノードを対象ノードとし、前記対象ノードがオーバーレイリンクネットワークノード装置かどうか調べる前記処理を繰り返すことを特徴とするプログラム。 - 前記トポロジー情報取得ステップにおいて、外部のトポロジー情報収集装置から前記ネットワーク層のトポロジー情報を取得することを特徴とする請求項17記載のプログラム。
- さらにネットワーク層のトポロジー情報を収集し、その情報を前記トポロジー情報取得ステップに取得させるトポロジー情報収集ステップを含むことを特徴とする請求項17記載のプログラム。
- 前記トポロジー情報収集ステップにおいて、ルーティングプロトコルを用いてネットワーク層のトポロジー情報を収集することを特徴とする請求項19記載のプログラム。
- 前記トポロジー情報収集ステップにおいて、トレースルートを用いてネットワーク層のトポロジー情報を収集することを特徴とする請求項19記載のプログラム。
- 前記リンク計算ステップにおいて、オーバーレイノードごとにオーバーレイリンクを決定することを特徴とする請求項17から請求項21の何れかに記載のプログラム。
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