JPWO2011019053A1 - 貯留物質の貯留装置および貯留物質の貯留方法 - Google Patents

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Abstract

二酸化炭素を直接地下の塩水性帯水層へ注入し、塩水性帯水層に効率良く二酸化炭素を貯留させることが可能な二酸化炭素の貯留装置、および二酸化炭素の貯留方法を提供する。注入井9の先端には、例えば砥石製のフィルタ13が設けられる。二酸化炭素タンク3内に貯留される二酸化炭素は、圧送装置5によって圧送される。圧送装置5は、二酸化炭素タンク3内の二酸化炭素をポンプで注入井9へ送り込む。この際、二酸化炭素は圧送装置内で、圧力調整弁、温度調整器等により所定圧力範囲かつ所定温度範囲の状態に保たれる。二酸化炭素は、注入井9を矢印A方向に送られ、注入井9の端部に設けられたフィルタ13を通過して塩水性帯水層11へ注入される。塩水性帯水層11へ注入された二酸化炭素はマイクロバブル化する。

Description

本発明は、地下の塩水性帯水層へ二酸化炭素を注入し、二酸化炭素、二酸化炭素よりも水への溶解度が大きい物質およびメタンの内、少なくとも1種を含む貯留物質を塩水性帯水層へ貯留するための、貯留物質の貯留装置および貯留物質の貯留方法に関するものである。
現在、温室効果ガスとしての二酸化炭素に対し、大気中への排出量の低減が急務となっている。二酸化炭素の排出量を低減するためには、二酸化炭素自体の発生量を抑える方法の他に、二酸化炭素を地中へ貯留する方法が検討されている。
年間100万トン規模の大量の二酸化炭素を地中へ貯留する方法としては、地層内へ二酸化炭素を注入する方法がある。図13は二酸化炭素貯留装置80を示す図である。管体である注入井87が二酸化炭素を貯留する貯留層91まで延伸される。二酸化炭素タンク81に貯蔵されている二酸化炭素は、圧送装置83によって注入井87を介して、貯留層91へ注入される。
この場合、貯留層91内へ二酸化炭素を注入した後、二酸化炭素が地上へ浸み出してこないことが望ましい。したがって、図13に示すように、貯留層91上方に、背斜構造(上方への凸形状)を有するシール層89の存在が必要である。シール層89は、例えば粘土質等の二酸化炭素の通過しにくい地層である。
地下に注入された二酸化炭素は、シール層89によって地上に浸み出すことはない。しかし、このような上への凸形状のシール層89を有する地層は限られた場所にしか存在せず、適用可能な場所が限定される。
そこで、シール層89が背斜構造ではなく単斜構造であるような場所でも適用可能な方法として、地下の塩水性帯水層に存在する地層水に二酸化炭素を溶解させ、地下水中に二酸化炭素を効率良く貯留する方法が検討されている。
たとえば、二酸化炭素をマイクロバブル化し、水または海水中に分散させ、マイクロバブルが分散した水を海中に溶解させることで、二酸化炭素をハイドレートのマイクロ粒子にして海洋地底に投棄する方法がある(特許文献1)。
また、帯水層の地層水を汲み上げ、二酸化炭素を微細気泡化して気液混合流体として帯水層へ注入する方法がある(特許文献2、特許文献3)。
特開2004−50167号公報 特開2008−6367号公報 特開2008−19644号公報
しかし、特許文献1に記載されたように、マイクロバブル化した後にハイドレート粒子にして海洋に貯留する方法においては、一般に10℃をわずかに上回る二酸化炭素をハイドレート化するためには10MPaを超す高い圧力が必要となることから、その利用は10℃以下の環境に限られると考えられ、より高温での環境下では効率良く二酸化炭素を貯留することが困難であるという問題がある。
また、従来の旋回流の発生装置等による方法では、装置が複雑であり、地下環境でマイクロバブルを発生させるためには、よりシンプルな構造が要求される。
また、特許文献2、特許文献3に記載された手法は、帯水層にある地層水を一旦汲み上げて気液混合状態にして、再び帯水層へ注入しており、注入井のほかに地層水を汲みあげるための揚水井や、揚水のためのポンプが必要となり、システム全体が大掛かりなものとなり、また、貯留のための動力もかさむといった問題がある。さらに、帯水層への注入圧力は、揚水井での吸い出し圧力とバランスさせる必要があり、揚水量と注入量とを一致させる必要があることから、二酸化炭素を有効に貯留できないという問題がある。
ところで、上述したように、このような二酸化炭素等の貯留物質の地下への貯留は、貯留可能な場所が限られる。たとえば、浅すぎる場所への貯留は、貯留された貯留物質が人間の使用水に影響を及ぼすため望ましくない。
一方、より深い場所(例えば800m以上の深度)へ貯留物質を注入する場合には、人間の使用する水への影響はなく、その圧力によって、貯留効率を高めることが可能な超臨界状態にすることも可能である。しかし、深い場所への貯留物質の貯留は、貯留場所できる場所が限定され、また、注入井などの設置工数等の問題がある。
したがって、人間の使用する水に影響を及ぼさない範囲でより浅い範囲(400〜600m深度)への貯留物質の貯留が可能であれば、貯留場所の選択範囲をより広げることができる。しかしながら、このような浅い場所への貯留では、その圧力によって超臨界状態での注入が困難であり、気体や液体状態での貯留物質の注入となる。このため、気体や液体状態の貯留物質をより効率良く貯留可能な方法が望まれる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、二酸化炭素等の貯留物質を直接地下の比較的浅い塩水性帯水層へ注入し、塩水性帯水層に効率良く貯留物質を貯留させることが可能な貯留物質の貯留装置、および貯留物質の貯留方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、地下に貯留物質を貯留する貯留装置であって、塩水性帯水層へ達する注入井と、前記注入井へ二酸化炭素、二酸化炭素よりも水への溶解度が大きい物質およびメタンの内、少なくとも1種を含む貯留物質を圧送する圧送装置と、前記注入井の先端近傍に設けられた多孔質部材と、を具備し、前記注入井内へ圧送される貯留物質を、前記多孔質部材を介して前記塩水性帯水層へ注入することが可能であり、前記多孔質部材から前記塩水性帯水層へ貯留物質が注入される際に、貯留物質のマイクロバブルを発生させることを特徴とする貯留物質の貯留装置である。
前記多孔質部材は、セラミックス製の粒子と、前記粒子を結合する結合剤とを混合して焼成したものであり、孔径分布の最頻値が40μm以下であり、孔径分布の半値全幅が10μm以下であることが望ましい。
前記多孔質部材は、砥石であってもよい。前記多孔質部材より前記塩水性帯水層へ注入される前記貯留物質は、液体、気体またはこれらの混合状態であってもよい。
第1の発明によれば、二酸化炭素等の貯留物質を注入する注入井の先端に多孔質部材が設けられ、貯留物質が多孔質部材を通過する際にマイクロバブルを発生させるため、貯留物質を効率良く塩水性帯水層へ溶解させることができる。
また、多孔質部材が、セラミックス製の粒子と、粒子を結合する結合剤とを混合して焼成したものであり、孔径分布の最頻値が40μm以下であり、孔径分布の半値全幅が10μm以下のものを用いれば、貯留物質を塩水性帯水層へより効率良く溶解させることができる。このような多孔質部材は、例えば粒子の50%累積粒径が40μm以下であり、かつ、粒子の50%累積粒径の誤差が2.5μm以下であるセラミックス製の粒子と結合材とを混合焼成することで得ることができる。このような多孔質部材を用いれば、より確実にマイクロバブルを発生させることができ、このような多孔質部材としては、たとえば精密研磨用微粉からなるビトリファイド砥石が使用できる。なお、孔径分布の半値全幅とは、対象物質の孔径の分布として、微分細孔容積分布を縦軸、孔径(孔径の対数)を横軸とした場合に特定される孔径分布曲線において、微分細孔容積分布の最大値に対する半値での孔径分布幅をいう。
また、多孔質部材より塩水性帯水層へ注入される貯留物質の状態としては、気体や液体またはこれらの混合状態とすることができるため、超臨界状態などの特殊な状態である必要がなく、このため、比較的浅い地下に貯留することもできる。したがって、貯留する場所の範囲の制約が少ない。なお、マイクロバブルとは1mm未満の気泡または液滴を指す。
また、ガス田等からの生産井を用い、石油等を採取するとともに、石油等と同時に採取された水を貯留物質と混合して塩水性帯水層へ注入すれば、貯留物質を地中に貯留しながら石油等の増進回収ができる。この場合、ガス田、油田またはオイルサンドのいずれかに前記貯留物質を注入し、前記貯留物質のマイクロバブルと、ガス、石油または重油とを溶解または懸濁状態とすることができる。
第2の発明は、塩水性帯水層へ達する注入井の先端近傍に、セラミックス製の粒子と、前記粒子を結合する結合剤とを混合して焼成して形成され、孔径分布の最頻値が40μm以下であり、孔径分布の半値全幅が10μm以下である多孔質部材を設け、前記多孔質部材を介して前記塩水性帯水層へ前記貯留物質を注入し、前記貯留物質のマイクロバブルを生じさせることを特徴とする塩水性帯水層への貯留物質の貯留方法である。
第2の発明によれば、二酸化炭素等の貯留物質を注入する注入井の先端に、セラミックス製の粒子と、粒子を結合する結合剤とを混合して焼成し、孔径分布の最頻値が40μm以下であり、孔径分布の半値全幅が10μm以下である多孔質部材が設けられるため、多孔質部材を通過する貯留物質がマイクロバブル化する。このため、貯留物質を塩水性帯水層へ効率良く溶解させることができる。なお、この際、貯留物質は気体、液体、またはこれらの混合状態で良く、超臨界状態などの特殊な状態である必要はない。したがって、貯留深さが比較的浅い範囲であっても貯留物質を貯留することができる。
本発明によれば、二酸化炭素等の貯留物質を直接地下の比較的浅い塩水性帯水層へ注入し、塩水性帯水層に効率良く貯留物質を貯留させることが可能な貯留物質の貯留装置、および貯留物質の貯留方法を提供することができる。
二酸化炭素貯留装置1を示す図。 フィルタ13近傍の拡大図。 二酸化炭素貯留装置20を示す図。 二酸化炭素貯留装置30を示す図。 二酸化炭素貯留試験装置40を示す図。 孔径分布曲線を示す模式図。 ビトリファイド砥石フィルタ表面の走査電子顕微鏡写真を示す図。 ステンレスフィルタ表面の走査電子顕微鏡写真を示す図。 マイクロバブル75の発生状態を示す図。 マイクロバブル75の発生状態を示す模式図。 マイクロバブル化せず気泡79が発生した状態を示す図。 マイクロバブル化せず気泡79が発生した状態を示す模式図。 マイクロバブル75の発生状態を示す図。 マイクロバブル75の発生状態を示す模式図。 マイクロバブル75の発生状態を示す図。 マイクロバブル75の発生状態を示す模式図。 マイクロバブル75の発生状態を示す図。 マイクロバブル75の発生状態を示す模式図。 二酸化炭素貯留装置80を示す図。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る二酸化炭素貯留装置1を示す図である。二酸化炭素貯留装置1は、主に二酸化炭素タンク3、圧送装置5、注入井9、フィルタ13等から構成される。なお、以下の実施形態では、貯留物質として二酸化炭素の例を示すが、二酸化炭素よりも水への溶解度が大きいアセチレン、アンモニア、二酸化硫黄、塩化水素、塩素、硫化水素やメタン等のフレアガスであっても同様である。
工場等で排出された二酸化炭素は回収され、二酸化炭素タンク3に貯留される。なお、二酸化炭素発生源が隣接する場合には、二酸化炭素タンク3へ直接配管等を接続して貯留を行ってもよい。
二酸化炭素タンク3は圧送装置5と接続される。圧送装置5は、図示を省略したポンプ、圧力調整弁、バルブ、温度調整器等から構成される。圧送装置5には管体である注入井9が接合されている。注入井9は、地面7下に向けて延伸され、塩水性帯水層11まで達するように設けられる。塩水性帯水層11は、砂や砂利等とともに地下に存在する地層である。なお、塩水性帯水層11の上部には図示を省略したシール層(いわゆるキャップロック)が存在する。
注入井9の先端には、多孔質部材であるフィルタ13が設けられる。フィルタ13としては、たとえばセラミックス製の粒子と、前記粒子を結合する結合剤とを混合して焼成した部材が使用できる。なお、フィルタ13の孔径は、細かければよりマイクロバブルを発生させやすいが、流体の通過抵抗が大きくなるため、二酸化炭素の流量を大きくするための圧送装置5が大型化する。また、フィルタ13の孔径を大きくすれば、流体の通過抵抗は小さくなるが、マイクロバブル化の効率が劣る。フィルタ13の孔径としては、例えば20〜40μm程度のものが使用できる。
ここで、特に好ましいフィルタ13としては、多孔質部材の孔径分布の最頻値が40μm以下であり、そのばらつき(半値全幅)は10μm以下であることが望ましい。このような多孔質部材としては、多孔質部材を構成するセラミックス製の粒子の50%累積粒径が40μm以下であり、かつ、粒子の50%累積粒径の誤差が2.5μm以下である部材であり、たとえば、前記した粒子と結合剤とを混合・焼成して形成されたビトリファイド研削砥石(以下のJISで規定された#320以上の砥石)である。
なお、粒子の累積粒度および粒径の誤差は日本工業規格JIS R6001:1998の「4.粒径分布」およびJIS R6002:1998の「8.電気抵抗試験方法」(ISO 8486−1:1996、ISO 8486−2:1996)によるものである。また、フィルタ13の孔径の測定は、JIS R1655:2003に規定される水銀ポロシメータによるものである。
二酸化炭素タンク3内に貯留される二酸化炭素は、圧送装置5によって圧送される。圧送装置5は、二酸化炭素タンク3内の二酸化炭素をポンプで注入井9へ送り込む。この際、圧送装置5は、圧力調整弁、温度調整器等により、所定圧力、所定温度の状態で二酸化炭素を圧送することができる。
なお、圧送装置5は、例えば、二酸化炭素を超臨界状態で圧送することもできるが、本装置においては、二酸化炭素が気体、液体またはこれらの混合状態であっても効果を得ることができる。たとえば、二酸化炭素の圧送条件としては、二酸化炭素温度20〜40℃、圧力を2〜8MPaとすればよい。これは、例えば200〜800m深度に二酸化炭素を貯留する際に適した条件である。このような条件の二酸化炭素は、注入井9を矢印A方向に送られ、注入井9の端部に設けられたフィルタ13を通過して塩水性帯水層11へ注入される。
図2は、注入井9の先端近傍を示す断面図である。注入井9の下端近傍の側面にはリング状のフィルタ13が設けられる。なお、注入井9の下端(底面)は閉じられており、内部を流れる二酸化炭素はフィルタ13から塩水性帯水層11へ噴射される。注入井9内を通過した二酸化炭素は、フィルタ13を通過して周囲の塩水性帯水層11へ噴射される際、フィルタ13によってマイクロバブル化する。
塩水性帯水層11内へマイクロバブルとして注入された二酸化炭素は、噴射の際(図中矢印B)またはその後の浮上の際(図中矢印C)に塩水性帯水層11内へ溶解する。二酸化炭素がマイクロバブル化することで、二酸化炭素の塩水性帯水層11内への滞留時間が長くなり(マイクロバブル15の塩水性帯水層11内での浮上速度が極めて遅くなるため)、また、単位量当たりの塩水性帯水層11との接触面積を大きくできるため、二酸化炭素の塩水性帯水層11への溶解を極めて効率良く進行させることができる。
また、塩水性帯水層11内をゆっくりと移動しながら塩水性帯水層11へ溶解する二酸化炭素は、塩水性帯水層11の周囲に存在する岩石鉱物等との化学反応によって、炭酸塩などの化合物を形成する。したがって、二酸化炭素は塩水性帯水層のみならず地下や海底下に炭酸化合物として固定することができる。
次に、本発明にかかる二酸化炭素の貯留方法の他の実施形態について説明する。図3は、二酸化炭素貯留装置20を示す図である。なお、以下の実施の形態において、図1に示す二酸化炭素貯留装置1と同一の機能を果たす構成要素には、図1と同一番号を付し重複した説明を省略する。
二酸化炭素貯留装置20は、二酸化炭素貯留装置1に対して、注入井9a、9bが複数設けられる点で異なる。地下に、浸透性の低い泥岩層と浸透性の高い砂岩層とが交互に存在するような砂泥互層が形成される場合には、塩水性帯水層11a、11bが存在するそれぞれの複数の砂岩層へ達するように、注入井9a、9bがそれぞれ設けられる。二酸化炭素貯留装置20は、それぞれの注入井9a、9bによって、塩水性帯水層11a、11bへ二酸化炭素を同時に、または個別に注入することができる。したがって、効率良く二酸化炭素を塩水性帯水層11a、11bへ注入することができる。
図4は、二酸化炭素貯留装置30を示す図である。二酸化炭素貯留装置30は、二酸化炭素貯留装置1に対して、海面31上へ設置される点で異なる。海底33下方に存在する塩水性帯水層11へ効率良く二酸化炭素を貯留するために、二酸化炭素貯留装置30は海面31へ設けられる。二酸化炭素貯留装置30は、海底33下の塩水性帯水層11へ効率良く二酸化炭素を貯留することができる。また、二酸化炭素を二酸化炭素タンク3へ運搬する手段として船舶を用い、船舶から直接二酸化炭素を二酸化炭素タンク3へ補充することができる。
本発明にかかる貯留物質の貯留方法について、マイクロバブルの発生状況の確認を行った。図5は二酸化炭素貯留試験装置40を示す図である。
二酸化炭素貯留試験装置40は、二酸化炭素タンク41、圧力調整弁45、55、水タンク51、シリンジポンプ43、53、圧力容器63等から構成される。
二酸化炭素タンク41には二酸化炭素が貯留される。二酸化炭素タンク41にはシリンジポンプ43、圧力調整弁45、バルブ47が配管49によって接続される。シリンジポンプ43は、二酸化炭素を圧力容器63へ圧送する。なお、二酸化炭素は圧力調整弁45により任意の圧力に調整が可能であり、また図示を省略した温度調整器によって、圧力容器63へ圧送される二酸化炭素を任意の温度に調整することができる。
水タンク51内には、水が充填される。水タンク51には、シリンジポンプ53、圧力調整弁55、バルブ57が配管59によって接続される。シリンジポンプ53は、水を圧力容器63へ圧送する。なお、二酸化炭素と同様に、水は圧力調整弁55により任意の圧力に調整が可能であり、また図示を省略した温度調整器によって、圧力容器63へ圧送される水を任意の温度に調整することができる。
配管59は配管49と接合される。したがって、バルブ47、57を調整することで、二酸化炭素単体または二酸化炭素と水の混合物を圧力容器63へ圧送することができる(図中矢印D方向)。
圧力容器63と配管49との接合部には、フィルタ61が設けられる。フィルタ61は直径50mmで5mm厚さの円板状の形状である。フィルタ61は交換が可能であり、たとえば孔径を変更して試験を行うことができる。
圧力容器63には互いに対向する側面に照明窓67および撮影窓71が設けられる。照明窓67および撮影窓71は透明な窓であり、内部の様子を確認することができる。照明窓67からは、外部に設置された照明69によって内部が照射される。対向する位置に設けられた撮影窓71の外部にはカメラ73が設置される。カメラ73は、照明69によって照らされた圧力容器63内の様子を撮影することができる。なお、カメラ73はハイスピードカメラであり、フィルタ61を通過して圧力容器63内へ注入された二酸化炭素の状態を知ることができる。
圧力容器63内には、所定の圧力の水が充填されている。また、圧力容器63には、排出弁65が設けられる。排出弁65は、圧力容器63内へ二酸化炭素等が注入されても、圧力容器63内が一定の圧力に保持されるように機能する。すなわち、注入された二酸化炭素等によって圧力が上昇すると、上昇した圧力が定常な状態となるように内部の水等を排出する。なお、圧力容器63内の水が、模擬的な塩水性帯水層に該当する。
二酸化炭素貯留試験装置40を使用して、圧力容器63内へ種々の状態で注入した二酸化炭素の状態を観察した。圧力容器63へ注入する二酸化炭素としては、液体状態、気体状態、およびこれらの混合状態とした。フィルタ61としては、孔径(規格)20μmおよび40μmのステンレス焼結フィルタと、孔径(規格)28μmおよび40μmのビトリファイド砥石を使用した。なお、孔径40μm(規格)のステンレス焼結フィルタと、孔径28μmおよび40μm(規格)のビトリファイド砥石を全自動細孔径分布測定装置(QUANTA Crome社製 Pore Master 60−GT)にて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2011019053
表1に示すように、ビトリファイド砥石は、呼び径に対してやや孔径が小さく、特に、半値全幅がステンレス焼結フィルタと比較して極めて小さい。すなわち、ビトリファイド砥石は孔径のばらつきが小さく、孔径のサイズがステンレス焼結フィルタに対して揃っていることが分かる。ここで、孔径分布の半値全幅とは、対象物質の孔径の分布として、微分細孔容積分布を縦軸、孔径(孔径の対数)を横軸とした場合に特定される孔径分布曲線において、微分細孔容積分布の最大値に対する半値での孔径分布幅をいう。図6は、孔径分布を示す模式図である。図6に示すように、孔径分布は、縦軸を微分細孔容積分布(−dV/d(logD))とし、横軸に孔径をとることで得ることができる。微分細孔容積分布は、測定ポイントのばらつきおよび孔径の対数プロットを考慮して、孔径毎の細孔容積である差分細孔容積dVを、孔径の対数扱いでの差分値d(logD)で割った値である。半値全幅とは、図6に示す例では、分布曲線の最大微分細孔容積分布Fの半分の値Gにおける曲線の分布幅Hである。ビトリファイド砥石を用いれば、孔径分布のばらつき(半値全幅)は概ね10μm以下とすることができる。このような孔径ばらつきとなるように、セラミックス製(アルミナおよびチタン酸化物)の粒子として、50%累積粒径が40μm以下であり、かつ、粒子の50%累積粒径の誤差が2.5μm以下のものを用いた。なお、用いたビトリファイド砥石は、松永砥石株式会社製のアルミナ研削砥石である。
図7(a)は、本発明にかかる孔径40μmのビトリファイド砥石、図7(b)は孔径40μmのステンレス焼結フィルタのフィルタ表面の写真である。前述の通り、ビトリファイド砥石は、ステンレス焼結フィルタと比較して、同一孔径(規格)であっても孔径ばらつきが小さい。これは、ビトリファイド砥石の粒度ばらつき(2.5μm以下)が小さいためである。
なお、試験においては前述のビトリファイド砥石の他にも、孔径12μmのビトリファイド砥石も使用した。このビトリファイド砥石は、孔径分布のメディアンが4.87μm、モードが4.63μmとなっている。つまり、孔径分布の最頻値は孔径28μmおよび40μmのものよりさらに孔径が小さい。また、このビトリファイド砥石の孔径分布の半値全幅は2.0μmとなっている。このビトリファイド砥石は、前述のビトリファイド砥石と同様に、孔径分布の最頻値が40μm以下であり、孔径分布の半値全幅が10μm以下という条件を満たす。
なお、二酸化炭素単体の場合のほか、二酸化炭素と水との混合物を圧力容器63へ注入した際の状態も確認した。
表2は各試験の条件および結果を示す。表2において、「流量」、「温度」、「圧力」は、それぞれ圧力容器へ注入する二酸化炭素の流量、温度、圧力を示す。試験No.1〜12、19〜24の二酸化炭素は気体状態である。試験No.13〜18は二酸化炭素が液体(または気体との混合)状態である。また、「フィルタ種類」において「SUS焼結」はステンレス焼結フィルタであり、「砥石」はビトリファイド砥石であり、また、「フィルタ」はフィルタの孔径(規格)を示す。
また、表2の試験No.29〜31には、二酸化炭素が気体状態であり、圧力容器内に海水を満たした状態で試験を行なった結果を示す。「海水濃度」には、圧力容器に満たされている水の海水濃度を示す。
なお、圧力が4MPaの条件は、貯留深度が400mであることを想定しており、圧力が6MPaの条件は、貯留深度が600mであることを想定したものである。
Figure 2011019053
マイクロバブルの発生状況としては、1mm以上の気泡または液滴(以下、気体、液体もしくはその混合状態を問わず単に「気泡」と称する)が確認されても、1mm未満のマイクロバブルが多数発生すれば「◎」とした。また、発生した気泡のほとんどが1mm以上であっても、わずかながらにマイクロバブルが確認された場合には「△」とした。すべてが1mm以上の気泡である場合には「×」とした。
表2において、試験No.1〜28を比較すると分かるように、フィルタ孔径、流量、圧力を変化させた場合、フィルタ61として砥石フィルタを用いた場合に(試験No.1〜24)、マイクロバブルがよく発生した。一方、フィルタ61としてステンレス焼結フィルタを用いた場合(試験No.25〜28)ではマイクロバブルは発生しなかった(少なかった)。
図8(a)、図8(b)は試験No.6におけるマイクロバブルの発生状況を示す例である。図8(a)はカメラ73により撮影された映像であり、図8(b)は図8(a)の模式図である。なお、図中右側が圧力容器63の下側であり、図中左側が圧力容器63の上側である。
図8(b)に示すように、圧力容器63の下方(図面向かって右側)より二酸化炭素を注入すると、二酸化炭素は圧力容器63内の水中を矢印E方向へ噴射される。この際、多少の気泡79が生じるものの、非常に細かなマイクロバブル75が確認された。マイクロバブル75は、図面向かって左側(圧力容器63の上方)へ行くにつれて消滅するものも見られた。これは、マイクロバブルとなった二酸化炭素が水77中に溶解したためである。
同様に、図9(a)、図9(b)は試験No.28における二酸化炭素の状況を示す例である。図9(a)はカメラ73により撮影された映像であり、図9(b)は図9(a)の模式図である。図中矢印Eは、二酸化炭素の注入方向である。
ステンレス焼結フィルタが用いられた場合、注入された二酸化炭素はマイクロバブル化することなく、大きな気泡79として水77内へ注入された。気泡77は、フィルタ61から離脱すると即座に上方へ浮上した。したがって二酸化炭素はほとんど水77へ溶解することはなかった。これは、ステンレス焼結フィルタが砥石フィルタと比較して、その孔径ばらつきが大きく、二酸化炭素が大きな孔を優先的に通過することから、細かなマイクロバブルの発生が抑制されたためである。
図10(a)、図10(b)は試験No.9におけるマイクロバブルの発生状況を示す例である。図10(a)はカメラ73により撮影された映像であり、図10(b)は図10(a)の模式図である。
図10(b)に示すように、フィルタ孔径を28μmとして、図中矢印E方向へ二酸化炭素を注入すると、例えば図8(b)と比較して非常に細かなマイクロバブル75が確認された。マイクロバブル75は、図面向かって左側へ行くにつれて消滅した。これは、マイクロバブル75となった二酸化炭素が水77中に溶解したためである。
試験No.29〜34は、圧力容器の内部を水ではなく所定の海水濃度で満たした場合の結果を示す。12μmビリファイド砥石において、海水濃度が50%および100%の条件であっても、マイクロバブルが多数発生した。なお、図11(a)、図11(b)は試験No.31におけるマイクロバブルの発生状況を示す例である。(図11(a)、(b)においては、図面下側が圧力容器63の下方である。)
なお、フィルタ孔径を小さくすると、低い圧力でもマイクロバブルを容易に発生させることができるが、流量が小さくなるため、注入量は減少する。これに対し、フィルタ孔径を大きくすると、より高い圧力で使用しないと、マイクロバブルの発生しにくくなるが、注入量を増大することができる。貯留する深さに応じて使用するフィルタの孔径を選択すれば良い。
図12(a)、図12(b)は砥石フィルタ上に砂岩層を設置して、40℃、10MPa、7ml/minの条件で二酸化炭素のマイクロバブル化を行った際のマイクロバブルの発生状況を示す例である。図12(a)はカメラ73により撮影された映像であり、図12(b)は図12(a)の模式図である。
実際に二酸化炭素を貯留層に貯留するためには、フィルタより噴射された二酸化炭素の砂岩層を通過した後の帯水層でのバブル発生状況が問題となる。そこで、フィルタ61上に砂岩層として多胡砂岩を設置して、砂岩層からでるバブルの発生状況を調査した。その結果、図12(a)、図12(b)に示すようにフィルタ61上に多胡砂岩を設け、フィルタ61および多胡砂岩を通過してもマイクロバブルが発生することが確認された。なお、同様に多胡砂岩に代えてベイリア砂岩を用いても同様にマイクロバブルの発生が確認された。
このように、砥石を用いたフィルタ61を介して、二酸化炭素を水77中へ注入すると、二酸化炭素のマイクロバブル75を容易に発生させることができる。二酸化炭素をマイクロバブル化することで、二酸化炭素が水77へ効率良く溶解される。また、水と二酸化炭素を混合した場合であっても、フィルタ61を介して水77中へ注入すると、マイクロバブル化する。なお、本実施例においては、二酸化炭素の例を示したが、他の物質であっても、砥石フィルタを介して水中に噴射させれば同様にマイクロバブルを発生させることができる。特にアセチレン、アンモニア、二酸化硫黄、塩化水素、塩素、硫化水素においては、同じ温度圧力条件における溶解度が二酸化炭素よりも高く、相当な溶解促進効果が期待できる。
以上本発明の実施の形態によれば、多孔質部材である砥石フィルタを介し、二酸化炭素を塩水性帯水層へ注入することで、塩水性帯水層内で二酸化炭素が効率良くマイクロバブル化し、このため、二酸化炭素は塩水性帯水層へ効率良く溶解するとともに、岩石等の成分であるCa、Mg、Na等との化学反応によって炭酸化合物として地下に固定することができる。
二酸化炭素の状態は超臨界状態等に限られないため、適用できる条件が広く、適用場所の制限が少ない。さらに、地下の塩水性帯水層へ直接注入することが可能であるため、地下より塩水性帯水層の地層水を汲みあげる必要がなく、このため装置も小型化することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、ガス田、油田、オイルサンドなどに達する生産井を設け、注入井によって、二酸化炭素等を当該地下に注入することで、生産井によってガス、石油、重油等の増進回収を行うことができる。現在のガス、石油、重油等の増進回収法においては、油等と二酸化炭素とが溶解または懸濁状態になるような高圧の二酸化炭素を圧入して、二酸化炭素と採掘する油等を混合させて増進回収を図っている。ただし、二酸化炭素と油等が元来溶解または懸濁状態になりにくく、実際には溶解または懸濁状態になる圧力が維持できる相当に深い場所に存在するガス田、油田、オイルサンドなどへ二酸化炭素を圧入しないと増進回収が図れていない。本発明をこういった増進回収に適用することで、圧入した二酸化炭素が微細気泡となり、従来よりも低い圧力で二酸化炭素と油等とが、より一層溶解または懸濁状態になりやすくなる。本発明をこういった増進回収に適用することで、これまで二酸化炭素と油等が溶解または懸濁状態になりにくく増進回収が図られていなかった比較的浅い範囲のガス田、油田、オイルサンドなどにおいても、ガス、石油、重油等の増進回収を行うことができる。
また、この際に、生産井によって採取された油等と水の混合物から油等を回収した後、残りの水を二酸化炭素に混合して地下へ注入することで、過剰に採取した水を地下へ戻すことができ、このため地盤沈下等を抑制するとともに、塩水性帯水層へ効率良く二酸化炭素を注入することができる。
1、20、30………二酸化炭素貯留装置
3………二酸化炭素タンク
5………圧送装置
7………地面
9………注入井
11………塩水性帯水層
13………フィルタ
15………マイクロバブル
31………海面
33………海底
40………二酸化炭素貯留試験装置
41………二酸化炭素タンク
43………シリンジポンプ
45………圧力調整弁
47………バルブ
49………配管
51………水タンク
53………シリンジポンプ
55………圧力調整弁
57………バルブ
59………配管
61………フィルタ
63………圧力容器
65………排出弁
67………照明窓
69………照明
71………撮影窓
73………カメラ
75………マクロバブル
77………水
79………気泡
80………二酸化炭素貯留装置
81………二酸化炭素タンク
83………圧送装置
85………地面
87………注入井
89………シール層
91………貯留層

Claims (7)

  1. 地下に貯留物質を貯留する貯留装置であって、
    塩水性帯水層へ達する注入井と、
    前記注入井へ二酸化炭素、二酸化炭素よりも水への溶解度が大きい物質およびメタンの内、少なくとも1種を含む貯留物質を圧送する圧送装置と、
    前記注入井の先端近傍に設けられたセラミックス製の多孔質部材と、
    を具備し、
    前記注入井内へ圧送される貯留物質を、前記多孔質部材を介して前記塩水性帯水層へ注入することが可能であり、
    前記多孔質部材から前記塩水性帯水層へ貯留物質が注入される際に、貯留物質のマイクロバブルを発生させることを特徴とする貯留物質の貯留装置。
  2. 前記多孔質部材は、セラミックス製の粒子と、前記粒子を結合する結合剤とを混合して焼成したものであり、孔径分布の最頻値が40μm以下であり、孔径分布の半値全幅が10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の貯留物質の貯留装置。
  3. 前記多孔質部材は、砥石であることを特徴とする請求項2に記載の貯留物質の貯留装置。
  4. 前記多孔質部材より前記塩水性帯水層へ注入される前記貯留物質は、液体、気体またはこれらの混合状態であることを特徴とする請求項1記載の貯留物質の貯留装置。
  5. ガス田、油田またはオイルサンドのいずれかに達する生産井を更に具備し、
    前記生産井からはガス、石油または重油を採取可能であることを特徴とする請求項1記載の貯留物質の貯留装置。
  6. ガス田、油田またはオイルサンドのいずれかに前記貯留物質を注入し、前記貯留物質のマイクロバブルと、ガス、石油または重油とを溶解または懸濁状態とすることが可能であることを特徴とする請求項5記載の貯留物質の貯留装置。
  7. 塩水性帯水層へ達する注入井の先端近傍に、セラミックス製の粒子と、前記粒子を結合する結合剤とを混合して焼成して形成され、孔径分布の最頻値が40μm以下であり、孔径分布の半値全幅が10μm以下である多孔質部材を設け、前記多孔質部材を介して前記塩水性帯水層へ前記貯留物質を注入し、前記貯留物質のマイクロバブルを生じさせることを特徴とする塩水性帯水層への貯留物質の貯留方法。
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