JP3908780B1 - 二酸化炭素溶解水による水溶性天然ガスの回収方法 - Google Patents

二酸化炭素溶解水による水溶性天然ガスの回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地盤沈下を発生させずに、埋蔵されている水溶性天然ガス及びヨウ素のほぼ全量を回収することができ、更に、採掘後の貯留層にCOを長期間漏洩することなく安定的に貯留することができる二酸化炭素溶解水による水溶性天然ガスの回収方法を提供する。
【解決手段】生産井5よりも構造下位に設けられた圧入井4から地層水2が存在する貯留層に、地層水2よりも高密度のCO溶解水3を圧入し、このCO溶解水3により地層水2を生産井5に向けて押し上げる。このとき、貯留層内の圧力が静水圧になるように、CO溶解水3の圧入量と地層水2の汲み上げ量とを調節する。次に、生産井5から汲み上げた地層水2を、水溶性天然ガス12とかん水13とに分離し、更に、かん水13からヨウ素を回収する。そして、ヨウ素回収後のかん水は、COを混合してCO溶解3水として再利用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素(CO)溶解水を地中に圧入して、地中の貯留層からメタン等の水溶性天然ガスを含有する地層水を汲み上げて、この地層水からメタン等の天然ガス及びヨウ素を回収するCO溶解水による水溶性天然ガスの回収方法に関する。
メタンを主成分とする水溶性天然ガスは、地下貯留層内の地層水中に存在しており、現在その生産量は、我が国で生産される天然ガス量(約30億m/年)の約30%(9億m/年)を占め、現在の年間生産量で600〜800年分(5000億m以上)の可採埋蔵量があると推定されている。また、水溶性天然ガスを含む地層水にはヨウ素も含まれており、通常、メタン等の天然ガスを分離した後の地層水(以下、かん水という。)からヨウ素の回収も行われている。我が国におけるヨウ素の推定埋蔵量は490万tとされており、現在、その生産量は、世界の生産量(約18000t/年)の40%(7200t/年)を占め、海外に輸出される重要な鉱物資源となっている。
従来、このような水溶性天然ガス及びヨウ素を回収する際は、ポンプ等によりこれらを含む地層水を汲み上げ、先ず、メタンを回収する。そして、メタン分離後のかん水から更にヨウ素を回収し、その後、地盤沈下を抑制するために、ヨウ素回収後のかん水の一部を地下貯留層に戻している。具体的には、地層水の汲み上げ量(約5500万t/年)に対して、その10%程度(約550万t/年)が地下貯留層に戻されている。このように、地下貯留層に還元するかん水の量を、地層水の汲み上げ量の10%程度に制限しているのは、還元されたかん水によって水溶性天然ガス及びヨウ素鉱床が希釈されることを防止するためである。
一方、近時、COの大気中への排出量削減を目的として、COを地中に貯留する技術(例えば、特許文献1参照。)、及びCOを水に溶解させたり又はハイドレート化したりして、海洋或いは地底に隔離貯留する技術(例えば、特許文献2参照。)等が検討されている。また、原油と一緒に産出する油溶性天然ガス及び遊離性天然ガス等を採掘した後の構造性貯留層に、COを貯留する検討もなされている。更に、超臨界COが原油を溶解しやすい性質を利用して、油層の孔隙内に残存する原油の二次回収にCOを利用する技術も開発されている。
特開平6−170215号公報 特開2004−50167号公報
しかしながら、前述した従来の技術及び検討されている技術には、以下に示す問題点がある。即ち、地層水を大量に汲み上げてその一部のみを地下貯留層に還元する従来の水溶性天然ガスの回収方法は、地下貯留層内に存在する全水溶性天然ガスの30〜40%程度しか回収できず、60〜70%程度が地下貯留層内に残存しており、水溶性天然ガスの回収率が低いという問題点がある。また、現在、水溶性天然ガスは、可採埋蔵量に比べて年間生産量が少なく、大幅に増産する余地があるが、前述したような従来の回収方法では、更なる地下水の大量汲み上げにより地盤沈下が発生する虞があるため、増産することができないという問題点もある。更に、地盤沈下を防止するためには、水溶性天然ガス及びヨウ素等を回収した後のかん水を、可能な限り地下貯留層に戻すことが必須とされているが、そのまま戻すと地下貯留層内に存在する水溶性天然ガス及びヨウ素鉱床を希釈することになるため、現状では、地層水の汲み上げ量に対して10%程度の量しか戻すことができない。
一方、特許文献1及び2に記載されているような廃鉱となった油田・ガス田等の構造性貯留層にCOを貯留するという現在検討されているCOの貯留方法は、構造性貯留層の直上のシール層を利用して超臨界状態でCOを貯留しているため、地震等によりこのシール層が破壊された場合、貯留層内に圧入され高圧で貯留されているCOが漏洩する虞がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、地盤沈下を発生させずに、埋蔵されている水溶性天然ガス及びヨウ素のほぼ全量を回収することができ、更に、採掘後の貯留層にCOを長期間漏洩することなく安定的に貯留することができるCO溶解水による水溶性天然ガスの回収方法を提供することを目的とする。
本発明に係る二酸化炭素溶解水による水溶性天然ガスの回収方法は、地表下に存在する地層水から水溶性天然ガス及びヨウ素を回収する方法であって、生産井よりも構造下位に設けられた圧入井から前記地層水が存在する貯留層にCO溶解水を圧入し、このCO溶解水が前記地層水よりも高密度であることを利用して、前記CO溶解水により前記地層水を前記生産井に向けて押し上げる工程と、前記生産井から前記地層水を汲み上げ、水溶性天然ガスとかん水とに分離する工程と、前記かん水からヨウ素を回収する工程と、ヨウ素回収後のかん水にCOを混合し、前記CO溶解水とする工程とを有し、前記CO溶解水の圧入量と前記地層水の汲み上げ量とを調節して、前記貯留層内の圧力を静水圧に保持することを特徴とする。
本発明においては、ヨウ素回収後のかん水にCOを溶解させてCO溶解水とし、この地層水よりも密度が高いCO溶解水を地下貯留層に還元圧入することにより、CO溶解水と地層水との密度差を利用して地層水を生産井に向かって押し上げる。このCO溶解水と地層水とは物性が同等であり、両者の間に界面張力及び粘性等には差が生じないため、還元圧入されていたCO溶解水は、貯留層を構成する鉱物粒子間に形成される間隙(粒子間孔隙)中に元々存在していた地層水をスムーズに押し出し、貯留層中に取り残される水溶性天然ガス及びヨウ素を含む地層水の量を限りなく少なくすることができる。即ち、本発明によれば、地盤沈下の発生を防止しつつ、水溶性天然ガス及びヨウ素を高収率で回収することができる。その結果、本発明の二酸化炭素溶解水による水溶性天然ガスの回収方法は、水溶性天然ガス及びヨウ素の可採埋蔵量を飛躍的に増加させることに寄与する。また、本発明の二酸化炭素溶解水による水溶性天然ガスの回収方法においては、CO溶解水の原料として、工場等から排出されたCOを使用することができるため、水溶性天然ガス田(水溶性天然ガスが埋蔵されていた非構造性貯留層)において、このようなCOを地下貯留することが可能となる。更に、本発明の二酸化炭素溶解水による水溶性天然ガスの回収方法においては、貯留層の圧力を全体として静水圧になるようにするため、地盤沈下及びCO漏洩の虞がなくなり、地震に対しても安全性を確保することができる。従って、大都市圏近傍の水溶性天然ガス田においても、安全に水溶性天然ガスを採掘しつつ、長期に安定してCOを地中隔離することができる。
本発明によれば、COをかん水に溶解させたCO溶解水を、静水圧になるようにして貯留層内に圧入しているため、地盤沈下を発生させずに、埋蔵されている水溶性天然ガスを高収率で回収することができると共に、水溶性天然ガス採掘後の貯留層にCOを、水に溶解させた状態で、即ちCO溶解水として、長期的に安定して貯留することができる。
以下、本発明の実施形態に係る水溶性天然ガスの回収方法について、添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態の水溶性天然ガスの回収方法を模式的に示す図である。図1に示すように、メタンを主成分とする水溶性天然ガスを含有する地層水2は、シール泥岩層1間の非構造性貯留層内に存在している。そこで、本実施形態の水溶性ガスの回収方法においては、地層水2が存在している非構造性貯留層に到達する圧入井4及び生産井5を掘削し、圧入井4から貯留層内にCOを溶解させたCO溶解水3を圧入し、生産井5から地層水2を汲み上げる。
CO溶解水3は密度が約1.08であり、地層水2(密度約1.03)よりも高密度で重いため、これらの密度差(0.05)を利用し、圧入井4を生産井5よりも構造下位側に設け、CO溶解水3で生産井5に向けて地層水2を押し上げる。地層水2とCO溶解水3とは、その物性がほぼ等しく、またこれらの境界面20は長期に安定して存在するため、汲み上げた地層水2から水溶性天然ガス及びヨウ素を効率よく回収することができる。なお、地層水2とCO溶解水3の境界面20が長期に安定して存在することは、CO長期挙動シュミレーション及びCOの海洋固定の研究等により、一般に知られている(T. Sato,他1名、「Numerical Prediction of Dilution Process and Biological Impacts in CO2 Ocean Sequestration」、Journal of Marine Science and Technology、2002年6月、p.169−180、及びY. Song,他5名、「Measurement on Density of CO2Solution by Mach-zehnder Interferometry」、Annals of the New York Academy of Science、2002年10月、972巻、p.206−212等参照)。一方、物性が地層水2と大きく異なる流体を圧入した場合、圧入した流体は、貯留層の特定の大きさの粒子間孔隙中に存在する地層水2と接触はするものの、その物性の違い(界面張力及び粘性等の差)に起因し、地層水2を取り込むことができず、その部分を迂回して流動する。その結果、この特定の大きさの粒子間孔隙中に存在する地層水2は、孤立して取り残される。このような現象は、油層工学の分野においては、残留ガス、残留オイル又は不動水として知られており、石油・天然ガスの二次回収効率低下の最大の要因となっている。
このとき、圧入ポンプ6及び汲み上げポンプ7により夫々CO溶解水3の圧入量と地層水2の汲み上げ量とを調節して、貯留層内の圧力を静水圧に保持する。これにより、CO溶解水3が地表に漏洩するリスクを低減できると共に、地盤沈下を抑制することができる。
また、CO溶解水2は、例えば、工場等のCO排出源8から排出されパイプライン17等を介してCOタンク9に貯留されたCOと、かん水タンク16に貯留された天然ガス及びヨウ素を回収した後のかん水とを、ミキサー10で混合することにより作製することができる。図2は横軸に圧力及び地下深度をとり、縦軸にCO溶解度をとって、40℃の純水におけるCOの溶解度と圧力及び地下深度との関係を示すグラフ図である。なお、40℃は深度1000〜2000mの地下温度に相当する。図2に示すように、水に対するCOの溶解度は、圧力が上昇するに従い又は地下深度が深くなるに従い大きくなる。圧入井4内の圧力は深度が増すに従い大きくなるため、かん水が管内を流下するに従いそのCO溶解度も大きくなり、かん水中に混合されたCOは坑底付近で完全に溶解する。なお、ミキサー10はその一部が圧入井4の管内に設置されていてもよく、また、ミキサー10として、マイクロバブル発生装置及び液体CO混合装置等を使用して、かん水中にCOを分散させてもよい。
次に、汲み上げた地層水2を、セパレーター11によりメタンを主成分とする天然ガス12とかん水13とに分離する。そして、天然ガス12は、ガスタンク14に貯留し、ガスパイプライン18を介して工場等に供給する。一方、かん水13は、ヨウ素分離装置15に導入し、その中に含まれるヨウ素を回収する。更に、ヨウ素回収後のかん水は、還元水パイプライン19を介してかん水タンク16に貯留し、CO溶解水3の原料として再利用する。従来の水溶性天然ガスの回収方法では、ヨウ素回収後のかん水の約10%が貯留層に戻され、残りの約90%が海に排出されていたが、本実施形態の水溶性天然ガスの回収方法においては、ヨウ素回収後のかん水の全てをCO溶解水3として貯留層に還元しているため、地盤沈下を防止することができると共に、製造コスト及び環境負荷を大幅に低減することができる。
なお、本実施形態の水溶性天然ガスの回収方法においては、かん水中に溶解させるCOの濃度は、圧入深度、地表温度及び地層圧等に応じて適宜設定することができる。例えば、図2に示すように、圧入深度が1500〜2000mである場合は、6質量%前後にすることが望ましい。これにより、かん水中のCO濃度が飽和状態となり、より多くのCOを貯留することができる。
上述の如く、本実施形態の水溶性天然ガスの回収方法においては、従来、そのほとんどが海に排出されていたヨウ素回収後のかん水にCOを混合して、CO溶解水として貯留層に還元圧入するため、地盤沈下の発生を防止することができる。これにより、地盤沈下を防止するために抑制されていた地層水の汲み上げ量を増加させることができるため、最大可能生産量に比べて少なく設定されていた水溶性天然ガス及びヨウ素の生産量を増産することが可能となる。また、CO溶解水は地層水と物性が同等であるため、貯留層中に取り残される水溶性天然ガス及びヨウ素の量を限りなく少なくすることができるため、これらの回収率は大幅に向上し、その結果、天然ガス及びヨウ素の可採埋蔵量も飛躍的に増大する。
また、CO溶解水の原料として工場等から排出されたCOを使用することにより、工場等から排出されたCOをCO溶解水として、地下貯留層に長期間漏洩することなく安定的に貯留することができる。そして、国内の水溶性天然ガス田における採掘量から見積もると、現在日本のエネルギー部門で排出されているCO(約3億t強/年)の約1%(約300万t/年)が地下貯留できることとなる。このように、本実施形態の水溶性天然ガスの回収方法を適用することにより、工場等から排出されたCOの大気中への排出量を削減することが可能となる。更に、貯留層の圧力を全体として静水圧になるようにしているため、地盤沈下及びCO漏洩の虞がなくなり、地震に対しても安全性を確保することができるため、大都市圏近傍においても、安全に水溶性天然ガスを採掘しつつ、長期に安定してCOを地中隔離することができる。
このように、本発明は、水溶性天然ガスの二次回収技術と組み合わせて、経済的かつ長期安定した非構造性CO地中貯留技術が実現できる画期的な技術であり、天然ガスを大量に消費し、その一方で地球温暖化対策が急務とされる我が国に相応しい技術である。また、COの地表漏洩リスクがないため、地震国日本において、これまで提案されてきた技術よりも安全にCOの地中隔離が実現可能な技術でもある。
以下、本発明の効果について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。図3は本実施例の実験装置を模式的に示す図である。図3に示すように、本実施例においては、約40°に傾斜させた内径20mm、長さ300mmのガラス管21にガラスビーズ22を充填し、非構造性の単傾斜構造の貯留層を再現した。そして、このガラス管21中に、地層水を模した真水(密度1.00)を下方から注入し、ガラスビーズ22の間隙を真水で完全に満たした。次に、ガラス管21中に、注射器27を使用し、下方から約2.25mm/秒の流速で、CO溶解水を模したインクで着色した塩水(密度1.05,塩分濃度5質量%)を注入し、塩水が真水を押し上げる(掃攻する)状態を観察した。
先ず、ガラス管21にビーズ22を充填せずに上述した掃攻実験を行った。図4(a)〜(f)はその結果を示す図であり、図4(a)は注入から20秒後、図4(b)は注入から40秒後、図4(c)は注入から60秒後、図4(d)は注入から80秒後、図4(e)は注入から100秒後、図4(f)は注入から120秒後を示す。図4(a)〜(f)に示すように、この実験では、きれいな界面を形成しながら、インク着色した塩水23が真水24を、その密度差により押し上げていく様子が観察された。
次に、ガラス管21に中心に1mmの穴が開いている直径が3mmのビーズを充填し、上述した掃攻実験を行った。図5(a)〜(f)はその結果を示す図であり、図5(a)は注入から20秒後、図5(b)は注入から40秒後、図5(c)は注入から60秒後、図5(d)は注入から80秒後、図5(e)は注入から100秒後、図5(f)は注入から120秒後を示す。図5(a)〜(f)に示すように、この実験では、インク着色した塩水23が真水24を押し上げていく様子が観察された。ただし、ガラスビーズの粒子間で流体の流れが乱れるため、両者の界面はやや不明瞭となっていた。
次に、ガラス管21に直径が0.05mmのビーズを充填し、上述した掃攻実験を行った。図6(a)〜(f)はその結果を示す図であり、図6(a)は注入から20秒後、図6(b)は注入から40秒後、図6(c)は注入から60秒後、図6(d)は注入から80秒後、図6(e)は注入から100秒後、図6(f)は注入から120秒後を示す。図6(a)〜(f)に示すように、この実験でも、インク着色した塩水23が真水24を押し上げていく様子が観察された。なお、この実験では図5に示す実験よりも両者の界面が不明瞭となっているが、これは、ガラスビーズの直径が小さいため浸透率が減少し、ガラスビーズとガラス管21の壁面との間にできる大きな隙間を塩水23が流れやすくなったためと、考えられる。
次に、ガラス管21に直径が3mmのビーズを充填し、無着色の塩水25でインク着色の真水26を押し上げ、ガラス管21内に残った真水26の着色状態から、回収効率を調べた。図7(a)〜(f)はその結果を示す図であり、図7(a)は注入から20秒後、図7(b)は注入から40秒後、図7(c)は注入から60秒後、図7(d)は注入から80秒後、図7(e)は注入から100秒後、図7(f)は注入から120秒後を示す。図7(a)〜(f)に示すように、この実験でも、上述した各実験と同様に、塩水25が真水26を押し上げており、塩水25に置換された部分はほぼ透明であった。更に、簡単な比色では、ガラス管1体積分の置換において98%以上の回収率であった。
本発明の実施形態に係る水溶性天然ガスの回収方法を模式的に示す図である。 横軸に圧力及び地下深度をとり、縦軸にCO溶解度をとって、40℃の純水におけるCOの溶解度と圧力及び地下深度との関係を示すグラフ図である。 本発明の実施例の実験装置を模式的に示す図である。 (a)〜(f)はガラス管にビーズを充填せずに行った掃攻実験の結果を示す図である。 (a)〜(f)はガラス管に中心に1mmの穴が開いている直径が3mmのビーズを充填して行った掃攻実験の結果を示す図である。 (a)〜(f)はガラス管に直径が0.05mmのビーズを充填して行った掃攻実験の結果を示す図である。 (a)〜(f)はガラス管に直径が3mmのビーズを充填し、無着色の塩水でインク着色の真水を押し上げた掃攻実験の結果を示す図である。
符号の説明
1 シール泥岩層
2 地層水
3 CO溶解水
4 圧入井
5 生産井
6、7 ポンプ
8 CO排出源
9 COタンク
10 ミキサー
11 セパレーター
12 水溶性天然ガス
13 かん水
14 ガスタンク
15 ヨウ素分離装置
16 かん水タンク
17 COパイプライン
18 ガスパイプライン
19 還元水パイプライン
20 地層水2とCO溶解水3との境界面
21 ガラス管
22 ビーズ
23、25 塩水
24、26 真水
27 注射器

Claims (1)

  1. 地表下に存在する地層水から水溶性天然ガス及びヨウ素を回収する方法であって、
    生産井よりも構造下位に設けられた圧入井から前記地層水が存在する貯留層に二酸化炭素溶解水を圧入し、この二酸化炭素溶解水が前記地層水よりも高密度であることを利用して、前記二酸化炭素溶解水により前記地層水を前記生産井に向けて押し上げる工程と、
    前記生産井から前記地層水を汲み上げ、水溶性天然ガスとかん水とに分離する工程と、
    前記かん水からヨウ素を回収する工程と、
    ヨウ素回収後のかん水に二酸化炭素を混合し、前記二酸化炭素溶解水とする工程とを有し、
    前記二酸化炭素溶解水の圧入量と前記地層水の汲み上げ量とを調節して、前記貯留層内の圧力を静水圧に保持することを特徴とする二酸化炭素溶解水による水溶性天然ガスの回収方法。
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