JPWO2011018923A1 - 回折素子及び光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
小型化を図りコストを抑えつつも、異なる3種類の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置に用いる回折素子を提供するために、第1の光束は回折し、かつ、前記第2の光束、及び、前記第3の光束は透過する回折溝を有する回折素子を用い、波長λ2の光束と波長λ3の光束を入射させた場合には、回折素子を素通りさせ、波長λ1の光束を回折素子に入射させた場合には、回折角θが与えられるように構成する。これにより、波長λ1の光束については、回折素子と光検出器との相対距離に応じて、受光位置を変化させることができ、波長λ1の光束の受光位置を独立して適切な位置とすることができる。
Description
本発明は、異なる種類の光ディスクに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生(記録/再生)を行える光ピックアップ装置に用いると好適な回折素子及び該回折素子を有する光ピックアップ装置に関する。
近年、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、情報の記録及び/又は再生(以下、「記録及び/又は再生」を「記録/再生」と記載する)を行う高密度光ディスクシステムが知られている。このような高密度光ディスクシステムの一例であるNA0.85、光源波長405nmの仕様で情報記録/再生を行う光ディスク、いわゆるBlu−ray Disc(以下、BDという)では、DVD(NA0.6、光源波長650nm、記憶容量4.7GB)と同じ大きさである直径12cmの光ディスクに対して、1層あたり25GBの情報の記録が可能である。
ところで、かかるタイプの高密度光ディスクに対して適切に情報の記録/再生ができると言うだけでは、光ディスクプレーヤ/レコーダ(光情報記録再生装置)の製品としての価値は十分なものとはいえない。現在において、多種多様な情報を記録したDVDやCD(コンパクトディスク)が販売されている現実をふまえると、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生ができるだけでは足らず、例えばユーザが所有しているDVDやCDに対しても同様に適切に情報の記録/再生ができるようにすることが、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダとしての商品価値を高めることに通じるのである。このような背景から、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダに搭載される光ピックアップ装置は、高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できる性能を有することが望まれる。
高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できるようにする方法として、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを情報を記録/再生する光ディスクの記録密度に応じて選択的に切り替える方法が考えられるが、複数の光学系が必要となるので、小型化に不利であり、またコストが増大する。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすのが好ましい。そして、光ディスクに対向して配置される対物光学素子をなるべく共通化することが光ピックアップ装置の構成の小型化・低コスト化に最も有利となる。
特許文献1、2には、小型化・低コスト化を図るため、互いに異なる3つの波長の光束を出射できる半導体レーザを1パッケージに収容した光源及び共通の光検出器を用いて、高密度光ディスクと従来のDVD及びCDに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置が記載されている。
ところで、3つの半導体レーザを1パッケージに収めた光源の場合、各発光部が光軸直交方向にずれるため、単一の光検出器を用いてスポット検出を行う場合、発光部のズレ量に応じて各光束をシフトさせる必要がある。特許文献1,2においては、回折溝を用いて光束をシフトさせているが、発光点の間隔を既定値に精度良く合わせることが前提となっている。
一方、特許文献3には、3つの半導体レーザを1パッケージに収めた光源が開示されている。特許文献3によれば、405nm前後の光束を出射するいわゆる青紫色半導体レーザは、GaN基板に形成されるが、655nm前後の光束を出射するいわゆる赤色半導体レーザと、785nm前後の光束を出射するいわゆる赤外半導体レーザとは、GaAs基板に形成されている。ここで、同一基板上に異なる半導体レーザを形成する場合(モノリシック構造という)、比較的容易に発光点間隔を精度良く維持することができる。ところが、別基板にそれぞれ半導体レーザを形成すると、同一パッケージに組み付ける際に、互いの発光点の間隔がばらつくことは避けられない(特許文献4の段落[0010]、[0011]、[0012]参照)。しかるに、発光点の間隔が許容誤差を超えると、光検出器の受光面に光束が適切に集光されない恐れがある。これに対し、許容誤差範囲内に発光点の間隔を抑えると、歩留まりが悪化し、コストが増大するという問題がある。
本発明は、上述の問題を考慮したものであり、小型化を図りコストを抑えつつも、異なる3種類の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置に用いる回折素子を提供することを目的とする。
請求項1に記載の回折素子は、波長λ1の第1光束を出射する第1発光部と、波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を出射する第2発光部と、波長λ3(λ2<λ3)の第3光束を出射する第3発光部とを備えた光源と、対物光学系と、光検出器と、前記光源と前記光検出器との間の光路内に配置され、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束が共通して通過する回折素子とを有し、前記第1発光部からの光束を、前記対物光学系により第1光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第2発光部からの光束を、前記対物光学系により第2光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第3発光部からの光束を、前記対物光学系により第3光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置に用いる回折素子であって、
前記光源は、前記第2発光部と前記第3発光部は同一のチップ上に形成され、前記第1発光部は、前記第2発光部及び前記第3発光部とは異なるチップ上に形成されており、
前記回折素子は、前記第1の光束は回折し、かつ、前記第2の光束、及び、前記第3の光束は透過する回折溝を有することを特徴とする。
前記光源は、前記第2発光部と前記第3発光部は同一のチップ上に形成され、前記第1発光部は、前記第2発光部及び前記第3発光部とは異なるチップ上に形成されており、
前記回折素子は、前記第1の光束は回折し、かつ、前記第2の光束、及び、前記第3の光束は透過する回折溝を有することを特徴とする。
本発明の原理を、図1を参照して説明する。本発明の回折素子に、波長λ2の光束と波長λ3の光束を入射させた場合、回折素子から出射する回折光は同一次数(0次)であるため素通りする。これに対しm次光の波長λ1の光束を回折素子に入射させた場合、波長λ2の光束及び波長λ3の光束とは異なり回折角θが与えられ、波長λ2の光束及び波長λ3の光束とは異なる方向に出射されることとなる。ここで、回折素子DEが図示実線で示す位置にあった場合、光検出器の受光面上においては、波長λ2の光束及び波長λ3の光束の受光位置P2,P3は適切であるが、波長λ1の光束の受光位置P1は不適切であったものとする。かかる場合、回折素子DEを光ピックアップ装置の光軸方向の図示一点鎖線で示す位置に変えると、波長λ2の光束及び波長λ3の光束は素通りするので、光検出器の受光位置P2,P3は不変であるのに対し、波長λ1の光束については、回折素子DEと光検出器との相対距離に応じて、受光位置がP1からP1’へと変化する。これにより、波長λ1の光束の受光位置を独立して適切な位置とすることができるのである。尚、光ピックアップ装置の組み立て時に回折素子の光軸方向位置を調整し、組み立て後に固定してもよいし、回折素子を光軸方向に移動可能とし適時調整可能としてもよい。
請求項2に記載の回折素子は、請求項1に記載の発明において、以下の式(1)〜(3)、
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3)
を満たすことを特徴とする。
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3)
を満たすことを特徴とする。
請求項3に記載の回折素子は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1の光束が入射した場合には、m次(m=+1又は−1)回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなり、前記第2の光束が入射した場合には、0次回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなり、前記第3の光束が入射した場合には、0次回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなる回折溝を有することを特徴とする。
請求項4に記載の回折素子は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光学系の光軸に略平行に延在する3つ以上の段差面と、前記段差面と交差する3つ以上のテラス面とを有すると共に、隣接する前記テラス面が前記光ピックアップ装置の光軸方向に順次シフトしてなるステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって、ステップ周期構造を形成してなり、且つ以下の式(4)〜(6)、
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (4)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (5)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (6)
を満たすことを特徴とする。
但し、Φij(i=1、2、3)は、一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=(dj/λi)×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (4)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (5)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (6)
を満たすことを特徴とする。
但し、Φij(i=1、2、3)は、一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=(dj/λi)×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
式(4)〜(6)を満たすようにすれば、一ステップ単位内の全ての段差量に応じて発生する各光束の位相差を足したとき、その絶対値がそれぞれ、第1光束で略1、第2光束で略0、第3光束で略0になるように各段差量を設定することによって、m=±1、n=0を実現することができる。
請求項5に記載の回折素子は、請求項4に記載の発明において、前記第1段差量d1から前記第j段差量djのうち、その絶対値が最も大きい段差量を第k段差量としたとき、更に以下の式(7)、
1.0≦|Σφ1j|/(j−1)≦2.5 (7)
但し、
Σφ1j=Φ11+Φ12+・・・+Φ1j−1+Φ1j(j=kは除く)
を満たすことを特徴とする。
1.0≦|Σφ1j|/(j−1)≦2.5 (7)
但し、
Σφ1j=Φ11+Φ12+・・・+Φ1j−1+Φ1j(j=kは除く)
を満たすことを特徴とする。
最も大きい段差量(第k段差量)を除く、一ステップ単位内の全ての段差量に応じて発生するφの平均値を小さくすることができ、回折溝における波長依存性を改善することができる。
請求項6に記載の回折素子は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光学系の光軸に略平行に延在する3つ以上の第1段差面と、前記第1段差面と交差する3つ以上の第1テラス面とを有すると共に、隣接する前記第1テラス面が前記光ピックアップ装置の光軸方向に順次シフトしてなる第1ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第1ステップ周期構造と、前記光ピックアップ装置の光軸に略平行に延在する2つの第2段差面と、前記第2段差面と交差する2つの第2テラス面とを有し、前記2つの第2段差面が光軸直交方向に重なり合う第2ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第2ステップ周期構造とを、互いに周期を合わせて重畳してなり、且つ以下の式(8)〜(10)、
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
を満たすことを特徴とする。
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=(dj/λi)×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
を満たすことを特徴とする。
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=(dj/λi)×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
請求項7に記載の回折素子は、請求項3に記載の発明において、前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光学系の光軸に略平行に延在する複数の段差面と、前記段差面と交差する複数のテラス面とを有し、前記光ピックアップ装置の光軸直交方向において、前記段差面が一方の方向を向いたときを正、他方の方向を向いたときを負としたときに、前記段差面は、前記光軸直交方向に沿って正、負、正、負、または、負、正、負、正の順に配列されていることを特徴とする。
請求項8に記載の回折素子は、請求項7に記載の発明において、隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さの絶対値は異なっており、前記回折素子全体の前記段差面の半分以上が、以下の式(11)、
0.2≦|Φij|≦0.3 (11)
を満たす段差量を有することを特徴とする。
0.2≦|Φij|≦0.3 (11)
を満たす段差量を有することを特徴とする。
先述したように、ステップ周期構造においては、0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2を満たすことが好ましい。ステップ周期構造の好ましい例として、4ステップの階段構造が挙げられる。特に4ステップの階段構造から更にシフトしてなる構造(例えば、図2(e)のような構造)が好ましいステップ周期構造の一例として挙げられる。このような4ステップの構造においては、半分以上の段差面の段差量における|Φij|が、0.8/4=0.2以上、1.2/4=0.3以下を満たすことが好ましい。式(11)は、このようにして導き出された。
請求項9に記載の回折素子は、請求項7に記載の発明において、隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さは異なっており、前記段差面の全てが、以下の式(12)、
0.125≦|Φij|<0.375 (12)
を満たす段差量を有することを特徴とする。
0.125≦|Φij|<0.375 (12)
を満たす段差量を有することを特徴とする。
また、ステップ周期構造においては、0.5≦|ΣΦ1j|<1.5を満たしさえすれば、波長λ1の第1光束において、1次回折光又は−1次回折光を他の次数の回折光に比して最も多く発生させることができる。ステップ周期構造の好ましい例として、先述したように、4ステップの階段構造が挙げられる。特に4ステップの階段構造から更にシフトしてなる構造(例えば、図2(e)のような構造)が好ましいステップ周期構造の一例として挙げられる。このような4ステップの構造においては、全ての段差面の段差量における|Φij|が、0.5/4=0.125以上、1.5/4=0.375未満を満たすことが好ましい。式(12)は、このようにして導き出された。
請求項10に記載の回折素子は、請求項3に記載の発明において、前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光学系の光軸に略平行に延在する複数の段差面と、隣接した前記段差面同士を連結し前記光軸直交方向に対して傾いた斜面とからなるブレーズ構造を有し、以下の式(13)、
0.4≦(h/λ1)×(n1−1)≦0.8 (13)
但し、
第1波長λ1(μm)における回折素子の屈折率:n1
ブレーズ高さ:h(μm)
を満たすことを特徴とする。
0.4≦(h/λ1)×(n1−1)≦0.8 (13)
但し、
第1波長λ1(μm)における回折素子の屈折率:n1
ブレーズ高さ:h(μm)
を満たすことを特徴とする。
請求項11に記載の回折素子は、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、前記回折溝は、平行平板上に形成されていることを特徴とする。
請求項12に記載のピックアップ装置は、請求項1〜11のいずれかに記載の回折素子を有することを特徴とする。
本明細書中において、回折溝により回折作用を受けずに透過する光束を0次回折光と呼ぶ。又、本明細書においては、光ピックアップ装置の光学系の光軸を、「光軸」と略する場合もある。
本発明に係る光ピックアップ装置の光源は、第1発光部、第2発光部、第3発光部の少なくとも3つの発光部を有する。さらに、本発明の光ピックアップ装置は、第1光束を第1光ディスクの情報記録面上に集光させ、第2光束を第2光ディスクの情報記録面上に集光させ、第3光束を第3光ディスクの情報記録面上に集光させるための集光光学系を有する。また、本発明の光ピックアップ装置は、第1光ディスク、第2光ディスク又は第3光ディスクの情報記録面からの反射光束を受光する受光素子を有する。
第1光ディスクは、厚さがt1の保護基板と情報記録面とを有する。第2光ディスクは厚さがt2(t1<t2)の保護基板と情報記録面とを有する。第3光ディスクは、厚さがt3(t2<t3)の保護基板と情報記録面とを有する。第1光ディスクがBDであり、第2光ディスクがDVDであり、第3光ディスクがCDであることが好ましいが、これに限られるものではない。なお、第1光ディスク、第2光ディスク又は第3光ディスクは、複数の情報記録面を有する複数層の光ディスクでもよい。
本明細書において、BDとは、波長390〜415nm程度の光束、NA0.8〜0.9程度の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが0.05〜0.125mm程度であるBD系列光ディスクの総称であり、単一の情報記録層のみ有するBDや、2層以上の情報記録層を有するBD等を含むものである。更に、本明細書においては、DVDとは、NA0.60〜0.67程度の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが0.6mm程度であるDVD系列光ディスクの総称であり、DVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等を含む。また、本明細書においては、CDとは、NA0.45〜0.51程度の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが1.2mm程度であるCD系列光ディスクの総称であり、CD−ROM、CD−Audio、CD−Video、CD−R、CD−RW等を含む。尚、記録密度については、BDの記録密度が最も高く、次いでDVD、CDの順に低くなる。
なお、保護基板の厚さt1、t2、t3に関しては、以下の式(14)、(15)、(16)、
0.050mm ≦ t1 ≦ 0.125mm (14)
0.5mm ≦ t2 ≦ 0.7mm (15)
1.0mm ≦ t3 ≦ 1.3mm (16)
を満たすことが好ましいが、これに限られない。尚、ここで言う、保護基板の厚さとは、光ディスク表面に設けられた保護基板の厚さのことである。即ち、光ディスク表面から、表面に最も近い情報記録面までの保護基板の厚さのことをいう。
0.050mm ≦ t1 ≦ 0.125mm (14)
0.5mm ≦ t2 ≦ 0.7mm (15)
1.0mm ≦ t3 ≦ 1.3mm (16)
を満たすことが好ましいが、これに限られない。尚、ここで言う、保護基板の厚さとは、光ディスク表面に設けられた保護基板の厚さのことである。即ち、光ディスク表面から、表面に最も近い情報記録面までの保護基板の厚さのことをいう。
本明細書において、第1発光部、第2発光部、第3発光部は、好ましくはレーザ光源である。レーザ光源としては、好ましくは半導体レーザ、シリコンレーザ等を用いることが出来る。第1発光部から出射される第1光束の第1波長λ1、第2発光部から出射される第2光束の第2波長λ2(λ2>λ1)、第3発光部から出射される第3光束の第3波長λ3(λ3>λ2)は以下の式(17)、(18)、
1.5・λ1 < λ2 < 1.7・λ1 (17)
1.8・λ1 < λ3 < 2.0・λ1 (18)
を満たすことが好ましい。
1.5・λ1 < λ2 < 1.7・λ1 (17)
1.8・λ1 < λ3 < 2.0・λ1 (18)
を満たすことが好ましい。
また、第1光ディスク、第2光ディスク、第3光ディスクとして、それぞれ、BD、DVD及びCDが用いられる場合、第1発光部の第1波長λ1は好ましくは、350nm以上、440nm以下、より好ましくは、395nm以上、415nm以下であって、第2発光部の第2波長λ2は好ましくは570nm以上、730nm以下、より好ましくは、630nm以上、700nm以下であって、第3発光部の第3波長λ3は好ましくは、730nm以上、880nm以下、より好ましくは、750nm以上、850nm以下である。
第1発光部、第2発光部、第3発光部はユニット化された光源となっていると好ましい。ユニット化とは、例えば第1発光部、第2発光部、第3発光部とが1パッケージに固定収納されているようなものをいう。この場合、第1発光部、第2発光部、第3発光部は光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って異なる位置に配置されている。尚、光源において、第2発光部及び第3発光部とは同一チップに形成され、第1発光部はそれとは別なチップに形成されていることが望ましい。このような光源の例が、特開2004−319915号公報に開示されている。
受光素子としては、フォトダイオードなどの光検出器が好ましく用いられる。光ディスクの情報記録面上で反射した光が受光素子へ入射し、その出力信号を用いて、各光ディスクに記録された情報の読み取り信号が得られる。さらに、受光素子上のスポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、この検出に基づいて、合焦、トラッキングのために対物レンズを移動させることが出来る。受光素子は、複数の光検出器からなっていてもよい。受光素子は、メインの光検出器とサブの光検出器を有していてもよい。例えば、情報の記録再生に用いられるメイン光を受光する光検出器の両脇に2つのサブの光検出器を設け、当該2つのサブの光検出器によってトラッキング調整用のサブ光を受光するような受光素子としてもよい。また、受光素子は第1、第2、第3発光部のそれぞれに対応した複数(少なくとも3つ以上)の受光部を、光ピックアップ装置の光軸直交方向に異ならせて配置している。
集光光学系は、対物レンズを有する。集光光学系は、対物レンズの他にコリメータ(コリメートレンズと称することもある)等のカップリングレンズを有していることが好ましい。カップリングレンズとは、対物レンズと光源の間に配置され、光束の発散角を変える単レンズ又はレンズ群のことをいう。コリメータは、カップリングレンズの一種で、コリメータに入射した光を平行光にして出射するレンズである。本明細書において、対物レンズとは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系を指す。対物レンズは、二つ以上の複数のレンズ及び/又は光学素子から構成されていてもよいし、単玉のレンズのみからなっていてもよいが、好ましくは単玉の凸レンズからなる対物レンズである。また、対物レンズは、ガラスレンズであってもプラスチックレンズであっても、又は、ガラスレンズの上に光硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、又は熱硬化性樹脂などで光路差付与構造を設けたハイブリッドレンズであってもよい。対物レンズが複数のレンズを有する場合は、ガラスレンズとプラスチックレンズを混合して用いてもよい。対物レンズが複数のレンズを有する場合、光路差付与構造を有する平板光学素子と非球面レンズ(光路差付与構造を有していてもいなくてもよい)の組み合わせであってもよい。また、対物レンズは、屈折面が非球面であることが好ましい。また、対物レンズは、光路差付与構造が設けられるベース面が非球面であることが好ましい。
対物レンズとしては、3波長で共用する単一の対物レンズを用いても良いし、2波長で共用する対物レンズと、残りの波長専用の対物レンズとを用いても良い。このような対物レンズは良く知られているので、説明を省略する。
本発明の回折素子は、光源と受光素子の間の光路内であれば任意の位置に配置可能である。本発明の回折素子は、第1の光束が入射した場合には、m次(m≠0)回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなり、第2の光束が入射した場合には、0次回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなり、第3の光束が入射した場合には、0次回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなる回折溝を有する。このとき、m=±1であることが好ましい。
また、回折素子は、ガラス製又はプラスチック製のいずれであってもよいが、回折素子のd線におけるアッベ数νdが、以下の式(19)、
50≦νd≦65 (19)
を満たすと好ましい。この範囲は光学材料が豊富であり、材料選択の自由度が大きい。
50≦νd≦65 (19)
を満たすと好ましい。この範囲は光学材料が豊富であり、材料選択の自由度が大きい。
或いは、回折素子のd線におけるアッベ数νdが、以下の式(20)、
20≦νd≦40 (20)
を満たすと好ましい。このような素材を用いることで、第3光束の回折効率を向上させることができる。
20≦νd≦40 (20)
を満たすと好ましい。このような素材を用いることで、第3光束の回折効率を向上させることができる。
回折素子は、異なる材料を接合した接合型構造としても良い。回折溝を、接合型構造により構成することによって、異なる波長帯域の光の回折を抑えて、第1光束のみを選択的に所望の回折効率をもって構成することができる。例えば、回折溝を異なる材料により構成し、各材料を、第2波長λ2、及び、第3波長λ3においては屈折率に大差がなく、第1波長λ1においては、所要の屈折率差を有する材料に選定することによって、回折効率において良好な波長選択性を有する回折溝を構成することができる。
また、本明細書でいう回折溝とは、光軸に略平行に延在する段差面を有し、回折によって、特定の波長を有する光束の進行方向を変える作用を持たせる構造の総称である。尚、回折溝は、同心円状ではなく、直線状のような一次元格子であることが好ましい。一例を挙げると、回折溝は、図29の斜視図に示すように、基板上に光軸直交方向にストレートな形状で構成されており、それぞれの単位形状に特定の波長を有する光束が入射し、透過した光の波面が、隣り合う輪帯毎にズレを起こし、その結果、新たな波面を形成することによって光束の進行方向を変えるような構造を含むものである。回折溝は、好ましくは段差面を複数有し、段差面は光軸直交方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸直交方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。回折溝は、一般に、様々な断面形状(光軸を含む面での断面形状)をとり得、光軸を含む断面形状がブレーズ型構造と階段型構造とに大別される。
ブレーズ型構造とは、図2(a)、(b)に示されるように、回折溝を有する回折素子の光軸を含む断面形状が、鋸歯状の形状ということであり、具体的には、光ピックアップ装置の略光軸方向(図で上下方向)に沿って延在する複数の段差面STと、隣接する段差面同士を連結する斜面CPとを有する。尚、図2の例においては、上方が光源側、下方が光検出器側であって、平行平板上に回折溝が形成されているものとする。ブレーズ型構造において、1つのブレーズ単位の光軸垂直方向の長さをピッチPという。(図2(a)、(b)参照)また、ブレーズの光軸に平行方向の段差面の光軸方向長さを段差量B(又はブレーズ高さhと称することもある)という(図2(a)参照)。
また、階段型構造とは、図2(c)、(d)に示されるように、回折溝を有する光学素子の光軸を含む断面形状が、小階段状のもの(ステップ単位と称する)を複数有するということであり、具体的には、光ピックアップ装置の略光軸方向に沿って延在する複数の段差面STと、前記段差面と交差する複数のテラス面TRとを有する。
図2(c)に示す階段型構造は、3つ以上(図2(c)では5つ)の段差面STと、3つ以上(図2(c)では5つ)のテラス面TRとを有し、隣接するテラス面TRが光ピックアップ装置の光軸方向に順次シフトしてなるステップ単位を、光ピックアップ装置の光軸に交差する方向(図で左右方向)に沿って複数個配置することによって、ステップ周期構造を形成してなるものである。即ち、特にテラス面TRが3つ以上の階段型構造は、小さい段差面STと大きい段差面LSTとを有することになる。本明細書では、テラス面が3つの場合、3ステップ構造といい、4つの場合、4ステップ構造という。図2(c)に示す階段型構造では、5ステップである。
図2(d)に示す回折溝は、略光軸方向に延在する隣接する段差面ST、STの端部同士により、間に挟まれたテラス面TRを連結する構成であって、隣接するテラス面TR、TR同士は平行で光軸方向にシフトしている。本明細書では、テラス面が2つの場合、2ステップ構造という。尚、図2(e)に示すように、最も高い側から1又は2以上のテラスTRを等量だけ低める方向にシフトしてなる構造も、階段型構造とする。
また、階段型構造において、1つの階段単位の光軸垂直方向の長さをピッチPという(図2(c)、(d)参照)。また、光軸方向に沿った段差LST、STの長さを段差量B1,B2という。3レベル以上の階段型構造の場合、大段差量B1(第k段差量)と小段差量B2とが存在することになる(図2(c)参照)。一方、2ステップ構造の場合、基本的にB1=B2である。
尚、回折溝は、ある単位形状が周期的に繰り返されている構造であることが好ましい。ここでいう「単位形状が周期的に繰り返されている」とは、同一の形状が同一の周期で繰り返されている形状は当然含む。さらに、周期の1単位となる単位形状が、規則性を持って、周期が徐々に長くなったり、徐々に短くなったりする形状も、「単位形状が周期的に繰り返されている」ものに含まれているとする。
回折溝が、ブレーズ型構造を有する場合、単位形状である鋸歯状の形状が繰り返された形状となる。図2(a)に示されるように、同一の鋸歯状形状が繰り返されてもよい。
回折溝が、階段型構造を有する場合、図2(c)で示されるようなステップ単位が、繰り返されるような形状等があり得る。
尚、図3(a)に示す階段型構造の変形例の場合、テラス面TRが光軸に対して傾いているが、この場合、段差量Bは、空気に接する側の交差角が180度以上である段差面STとテラス面TRの交点間の光軸方向距離をいうものとする。又、図3(b)に示す階段型構造の変形例の場合、テラス面TRの奥に微小な段差が形成されているが、この場合も、段差量Bは、空気に接する側の交差角が180度以上である段差面STとテラス面TRの交点間の光軸方向距離をいうものとする。尚、段差面STの光軸方向長さを微小に変えても良い。また、回折溝は、平行平板の光源側に設けても良いし、光検出器側に設けても良い。
光情報記録再生装置は、上述の回折素子を備えた光ピックアップ装置を有する光ディスクドライブ装置を有する。
ここで、光情報記録再生装置に装備される光ディスクドライブ装置に関して説明すると、光ディスクドライブ装置には、光ピックアップ装置等を収納している光情報記録再生装置本体から光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイのみが外部に取り出される方式と、光ピックアップ装置等が収納されている光ディスクドライブ装置本体ごと、外部に取り出される方式とがある。
上述した各方式を用いる光情報記録再生装置には、概ね、次の構成部材が装備されているがこれに限られるものではない。ハウジング等に収納された光ピックアップ装置、光ピックアップ装置をハウジングごと光ディスクの内周あるいは外周に向けて移動させるシークモータ等の光ピックアップ装置の駆動源、光ピックアップ装置のハウジングを光ディスクの内周あるいは外周に向けてガイドするガイドレールなどを有した光ピックアップ装置の移送手段及び、光ディスクの回転駆動を行うスピンドルモータ等である。
前者の方式には、これら各構成部材の他に、光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイおよびトレイを摺動させるためのローディング機構等が設けられ、後者の方式にはトレイおよびローディング機構がなく、各構成部材が外部に引き出し可能なシャーシに相当するドロワーに設けられていることが好ましい。
本発明によれば、小型化を図りコストを抑えつつも、異なる3種類の光ディスクに対して適切に情報の記録/再生を行える光ピックアップ装置に用いる回折素子を提供することも可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図4は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる本実施の形態の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU1は、光情報記録再生装置に搭載できる。図5は、図4に示す光検出器PDの受光面を矢印II方向から見た平面図であり、集光スポットをハッチングで示している。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
光ピックアップ装置PU1は、対物光学系としての単一の対物レンズOBJ、λ/4波長板QWP、コリメートレンズCOL、光束分離素子としての偏光ビームスプリッタPBS、BDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ1=405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1半導体レーザLD1(第1発光部)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ2=655nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2半導体レーザLD2(第2発光部)と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され波長λ3=785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する第3半導体レーザLD3(第3発光部)を、1パッケージに収容して一体化した光源ユニットLDP、入射光束を3分割して出射するグレーティングGRT、センサレンズSN、回折溝を有する回折素子DE、光検出器PD等を有する。尚、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3は同じチップに形成され、第1半導体レーザLD1は、それとは異なるチップに形成されている。
回折素子DEは、第1光束が入射したときに最も光量が高い回折光として1次回折光を発生し、第2光束及び第3光束が入射したときに最も光量が高い回折光として0次回折光を発生する回折溝を表面に形成している。又、回折素子DEは、不図示のガイドにより光軸方向に移動可能に保持されている。
図5に示されるように、光検出器PDは、光軸に略直交する受光面側に、3行3列に並んだ受光部11R〜33Rを有する。受光部11R〜13RはBDからの反射光を受光する第1受光部であり、受光部21R〜23RはDVDからの反射光を受光する第2受光部であり、受光部31R〜33RはCDからの反射光を受光する第3受光部である。受光部12Rは、上下左右に4分割され、その受光量をそれぞれ1e、1c、1f、1dとする。又受光部12Rの両側の受光部11R、13Rは、左右に2分割され、その受光量をそれぞれ1h、1g、及び1b、1aとする。受光部22Rは、上下左右に4分割され、その受光量をそれぞれ2e、2c、2f、2dとする。又受光部22Rの両側の受光部21R、23Rは、左右に2分割され、その受光量をそれぞれ2h、2g、及び2b、2aとする。更に受光部32Rは、上下左右に4分割され、その受光量をそれぞれ3e、3c、3f、3dとする。又受光部32Rの両側の受光部31R、33Rは、左右に2分割され、その受光量をそれぞれ3h、3g、及び3b、3aとする。
次に、光ピックアップ装置PU1の動作について説明する。第1半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、実線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過して平行光となり、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.1mmの保護基板を介して、BDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
BDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部11R〜13R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、BDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、BDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(1c+1f)−(1e+1d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(1a+1g+1e+1f)−(1b+1h+1c+1d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(1a+1b+1c+1d+1e+1f+1g+1h)で表される。
次に、第2半導体レーザLD2から射出された第2光束(λ2=655nm)の発散光束は、一点鎖線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過して平行光となり、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ0.6mmの保護基板を介して、DVDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
DVDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部21R〜23R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、DVDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、DVDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(2c+2f)−(2e+2d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(2a+2g+2e+2f)−(2b+2h+2c+2d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(2a+2b+2c+2d+2e+2f+2g+2h)で表される。
次に、第3半導体レーザLD3から射出された第3光束(λ3=785nm)の発散光束は、点線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過して平行光となり、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に対物レンズOBJにより集光された光束は、厚さ1.2mmの保護基板を介して、CDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
CDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部31R〜33R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、CDに記録された情報を読み取ることができる。
より具体的には、CDに対してフォーカスサーボが入った状態のフォーカスエラー(FE)信号、トラッキングエラー(TE)信号及び記録マーク再生信号(RF)を観察する。例として、フォーカスサーボは非点収差法が用いられ、FE信号は(3c+3f)−(3e+3d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをフォーカシングさせる。
一方、トラッキングサーボはDPP法を用いることとする。DPP法において、TE信号は、(3a+3g+3e+3f)−(3b+3h+3c+3d)によって得られるものであり、これがゼロに近づくように対物レンズ用アクチュエータにより対物レンズOBJをトラッキングさせる。尚、RF信号は、各受光光量の総和であり、(3a+3b+3c+3d+3e+3f+3g+3h)で表される。
ところで、上述したように第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3は同じチップに形成され、第1半導体レーザLD1は、それとは異なるチップに形成されているので、光源ユニットLDPに組み付ける際に、第1半導体レーザLD1と、第2半導体レーザLD2及び第3半導体レーザLD3との間隔にバラツキが生じる。一方、光検出器PDの受光部11R〜33Rは、相対位置をずらすことができない。従って、半導体レーザの間隔が許容誤差を超えると、各光束を受光部11R〜33Rに適切に受光させることができなくなる。そこで、本実施の形態では、以下のようにして、かかる問題を解決している。
図6は、回折素子DEの位置と、光検出器PDにおける各光束の受光位置との関係を示す概略図であるが、理解しやすいように各光束は線で示しており、光検出器の受光部は中央のみ示している。例えば、図6(a)に示す状態では、第1半導体レーザと第2半導体レーザとの間隔が基準値より大きく、回折素子DEを通過した第2光束と第3光束の0次回折光が、それぞれ受光部22R、32Rの中央に位置するように光学系をセットすると、第1光束の1次回折光が受光部12Rの上方に集光してしまい、不適切な信号が出力される恐れがある。
かかる場合、図6(b)に示すように、回折素子DEを光検出器PDに接近させるように移動させると、回折素子DEを通過した第2光束と第3光束の0次回折光の光路は変わらないのに対し、第1光束の1次回折光は、受光部12Rの中央に近づくようになる。即ち、回折素子DEを光検出器PDに対して相対的に移動することで、全ての光束をそれぞれ受光部に適切に集光することができるのである。尚、第1光束の1次回折光が受光部12Rの下方に集光してしまう場合には、回折素子DEを光検出器PDから離間させるように移動させればよい。
図7は、回折素子DEを、別な位置として光源ユニットLDPと対物レンズOBJとの間に配置した光ピックアップ装置の概略図であるが、一部の素子を省略しており、理解しやすいように各光束は線で示しており、また光検出器の受光部は中央のみ示している。例えば、図7(a)に示す状態では、第1半導体レーザLD1と第2半導体レーザLD2との間隔が基準値より大きくなっているため、回折素子DEを通過した第2光束と第3光束の0次回折光が、それぞれ偏光ビームスプリッタPBSを通過し、対物レンズOBJにより光ディスク(BD/DVD/CD)に集光され、その反射光が対物レンズOBJを通過し、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、光検出器PDの受光部22R、32Rの中央に位置するように光学系をセットすると、第1光束の1次回折光が受光部12Rの上方に集光してしまい、不適切な信号が出力される恐れがある。
かかる場合、図7(b)に示すように、回折素子DEを対物レンズOBJから離間させるように移動させると、回折素子DEを通過した第2光束と第3光束の0次回折光の光路は変わらないのに対し、第1光束の1次回折光は、受光部12Rの中央に近づくようになる。即ち、回折素子DEを対物レンズOBJに対して相対的に移動することで、全ての光束をそれぞれ受光部に適切に集光することができるのである。尚、第1光束の1次回折光が受光部12Rの下方に集光してしまう場合には、回折素子DEを対物レンズOBJに接近させるように移動させればよい。
図8は、異なる光ディスクであるBDとDVDとCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる本実施の形態の光ピックアップ装置PU2の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU2は、光情報記録再生装置に搭載できる。ここでは、第1光ディスクをBDとし、第2光ディスクをDVDとし、第3光ディスクをCDとする。なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に対し異なる点のみを説明し、共通する構成については同じ符号を付すことで説明を省略する。
本実施の形態の光ピックアップ装置PU2は、対物光学系として、第1対物レンズOBJ1と第2対物レンズOBJ2とを有する。第1対物レンズOBJ1と第2対物レンズOBJ2とは、ホルダにより保持されており、不図示のアクチュエータにより、いずれか一方を光ピックアップ装置の光路内に挿入できるようになっている。第1対物レンズOBJ1は、第1光束専用設計とされ、第2対物レンズOBJ2は、第2光束及び第3光束共用設計とされている。
次に光ピックアップ装置PU2の動作について説明する。BD使用時には、第1対物レンズOBJ1が光ピックアップ装置の光路内に挿入される。第1半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、実線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過して平行光となり、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に第1対物レンズOBJ1により集光された光束は、厚さ0.1mmの保護基板を介して、BDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
BDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第1対物レンズOBJ1、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部11R〜13R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより第1対物レンズOBJ1をフォーカシングやトラッキングさせることで、BDに記録された情報を読み取ることができる。
次に、DVD使用時には、第2対物レンズOBJ2が光ピックアップ装置の光路内に挿入される。第2半導体レーザLD2から射出された第2光束(λ2=655nm)の発散光束は、一点鎖線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過して平行光となり、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に第2対物レンズOBJ2により集光された光束は、厚さ0.6mmの保護基板を介して、DVDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
DVDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOBJ2、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部21R〜23R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより第2対物レンズOBJ2をフォーカシングやトラッキングさせることで、DVDに記録された情報を読み取ることができる。
次に、CD使用時には、第2対物レンズOBJ2が光ピックアップ装置の光路内に挿入される。第3半導体レーザLD3から射出された第3光束(λ3=785nm)の発散光束は、点線で示すように、グレーティングGRTを通過して3分割された後、偏光ビームスプリッタPBSで反射され、コリメートレンズCOLを通過して平行光となり、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、不図示の絞りによりその光束径が規制され、更に第2対物レンズOBJ2により集光された光束は、厚さ1.2mmの保護基板を介して、CDの情報記録面上に形成されるスポットとなる。
CDの情報記録面上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び第2対物レンズOBJ2、不図示の絞りを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCOLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS、センサレンズSN及び回折素子DEを通過して、3分割された光束がそれぞれ光検出器PDの受光部31R〜33R上に収束する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて、不図示の対物レンズ用アクチュエータにより第2対物レンズOBJ2をフォーカシングやトラッキングさせることで、CDに記録された情報を読み取ることができる。
このように、第1対物レンズOBJ1を、第1光束専用設計とし、第2対物レンズOBJ2を、第2光束及び第3光束共用設計とすれば、回折素子DEにおける回折効率が第3光束について低下するような場合でも、光検出器PDの最低限の受光量を確保することができる。尚、第1対物レンズOBJ1を、第1光束及び第2光束共用設計とし、第2対物レンズOBJ2を、第3光束専用設計としても良い。
上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、回折素子DEを、偏光ビームスプリッタPBSと光検出器PDの間の光路中に配置する構成としたが、図7に示したように光源ユニットLDPと偏光ビームスプリッタPBSの間の光路中に配置しても良い。また、回折素子DEを他の光学素子と一体化してもよい。例えば、センサレンズSNの何れかの光学面上に回折溝を形成したり、グレーティングGRTの何れかの光学面上に回折溝を形成したりすることで部品点数を削減することが可能となる。
以下、上述した実施の形態に用いることができる実施例について説明する。尚、以下の表の数値において、回折次数の符号は、実施例の断面図において、水平な光軸に沿って入射した光束が、下方に向かう場合を+とし、上方に向かう場合を−とする。また、段差量diの符号は、実施例の断面図において、上方に隣接するテラス面より右側に向かう方向を+とし、上方に隣接するテラス面より左側に向かう方向を−とする。また、ブレーズ高さhの符号は、実施例の断面図において、上方に隣接する斜面より右側に向かう方向を+とし、上方に隣接する斜面より左側に向かう方向を−とする。実施例の断面図において、段差量di、及び、ブレーズ高さhの数値の後ろに記載されている符号は、上述したように段差量di、及び、ブレーズ高さhの符号を表す。
(実施例1)
実施例1は、テラス面が4つある4ステップの階段型構造を1ステップ単位として周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表1に示す。図9は、実施例1の回折素子の光軸方向断面図である。実施例1の階段型構造は、第1〜3番目の段差面の段差量=5.965μmであり、第4番目の段差面の段差量=−17.895μmである。
実施例1は、テラス面が4つある4ステップの階段型構造を1ステップ単位として周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表1に示す。図9は、実施例1の回折素子の光軸方向断面図である。実施例1の階段型構造は、第1〜3番目の段差面の段差量=5.965μmであり、第4番目の段差面の段差量=−17.895μmである。
ここで、階段型構造を通過した光束の波面について説明する。図10に示すように、階段型構造を通過した波長λ1=405nmの第1光束の平均波面の進行方向は、図10の太線で示すように、入射光の進行方向に対して変化することとなる。このとき、段差量=5.965μmで光軸に沿ってシフトした隣接するテラス面を通過した波面は、それぞれ1/4×λ1ずつずれてゆき、任意のステップ単位内の第j番目の段差と、それに隣接するステップ単位内の第j番目の段差を通過した光束の波面同士では、1×λ1ずれることとなるため(ΣΦ1j=1)、階段型構造を通過した第1光束の回折次数は+1次となる。
一方、図11に示すように、階段型構造を通過した波長λ2=655nmの第2光束の平均波面の進行方向は、図11の太線で示すように、入射光の進行方向と同じ方向となる。このとき、段差量=5.965μmで光軸に沿ってシフトした隣接するテラス面を通過した波面は、それぞれ−0.076×λ2ずつずれてゆき、任意のステップ単位内の第j番目の段差と、それに隣接するステップ単位内の第j番目の段差を通過した光束の波面同士の位相のズレは、殆ど無いため(ΣΦ2j=0)、階段型構造を通過した第2光束は回折作用を受けずにそのまま通過する(このような光束を0次回折光とよぶ)。
同様に、図12に示すように、階段型構造を通過した波長λ3=785nmの第2光束の平均波面の進行方向は、図12の太線で示すように、入射光の進行方向と同じ方向となる。このとき、段差量=5.965μmで光軸に沿ってシフトした隣接するテラス面を通過した波面は、それぞれ0.082×λ3ずつずれてゆき、任意のステップ単位内の第j番目の段差と、それに隣接するステップ単位内の第j番目の段差を通過した光束の波面同士の位相のズレは、殆ど無いため(ΣΦ3j=0)、階段型構造を通過した第3光束は回折作用を受けずにそのまま通過する(このような光束を0次回折光とよぶ)。
実施例1では、第1光束の1次回折光の回折効率は81.1%、第2光束の0次回折光の回折効率は74.7%、第3光束の0次回折光の回折効率は70.1%である。
図13は、実施例1の回折素子における回折効率の波長依存性を示す図である。図13に示すように、405nmを中心として、半導体レーザに±5nmの波長変化が生じると回折効率は約半分に低下するため、半導体レーザの選定が必要になって歩留まりが悪化するという課題がある。実施例2では、かかる課題を解消している。
(実施例2)
実施例2は、実施例1の4ステップの階段型構造のうち高い方の2ステップを光軸方向の低い側に、光路差にして、−20×λ1だけシフト(物理的なシフト量は、−20×λ1/(n1−1)=−14.461μmである)したものを1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表2に示す。図14は、実施例2の回折素子の光軸方向断面図である。図14において、点線で示した形状はシフト前の階段型構造を示す。実施例2の階段型構造は、1番目の段差面の段差量=5.965μmであり、2番目の段差面の段差量=−8.496μmであり、3番目の段差面の段差量=5.965μmであり、4番目の段差面の段差量=−3.434μmである。
実施例2は、実施例1の4ステップの階段型構造のうち高い方の2ステップを光軸方向の低い側に、光路差にして、−20×λ1だけシフト(物理的なシフト量は、−20×λ1/(n1−1)=−14.461μmである)したものを1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表2に示す。図14は、実施例2の回折素子の光軸方向断面図である。図14において、点線で示した形状はシフト前の階段型構造を示す。実施例2の階段型構造は、1番目の段差面の段差量=5.965μmであり、2番目の段差面の段差量=−8.496μmであり、3番目の段差面の段差量=5.965μmであり、4番目の段差面の段差量=−3.434μmである。
実施例2の階段型構造を言い換えると、後述の図27に示すように、前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光軸に略平行に延在する3つ以上の第1段差面と、前記第1段差面と交差する3つ以上の第1テラス面とを有すると共に、隣接する前記第1テラス面が前記光ピックアップ装置の光軸方向に順次シフトしてなる第1ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第1ステップ周期構造(4ステップ構造)と、前記光ピックアップ装置の光軸に略平行に延在する2つの第2段差面と、前記第2段差面と交差する2つの第2テラス面とを有し、前記2つの第2段差面が光軸直交方向に重なり合う第2ステップ単位(2ステップ構造)を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第2ステップ周期構造とを、互いに周期を合わせて重畳してなり、且つ以下の式(8)〜(10)、
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
を満たすものである。
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=dj/λi×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
を満たすものである。
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=dj/λi×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
実施例2の階段型構造を更に言い換えると、光軸直交方向において、段差面が図14で上方に隣接するテラス面より右側に向かう方向を正、図14で上方に隣接するテラス面より左側に向かう方向を負としたときに、段差面は、上方から順に正、負、正、負の順に配列されており、隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さの絶対値は異なっており、回折素子全体の前記段差面の半分以上が、以下の式(11)、
0.2≦|Φ1j|≦0.3 (11)
を満たす段差量を有する。
0.2≦|Φ1j|≦0.3 (11)
を満たす段差量を有する。
実施例2の階段型構造を更に言い換えると、光軸直交方向において、段差面が図14で上方に隣接するテラス面より右側に向かう方向を正、図14で上方に隣接するテラス面より左側に向かう方向を負としたときに、段差面は、上方から順に正、負、正、負の順に配列されており、隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さの絶対値は異なっており、段差面の全てが、以下の式(12)、
0.125≦|Φ1j|<0.375 (12)
を満たす段差量を有する。
0.125≦|Φ1j|<0.375 (12)
を満たす段差量を有する。
図15は、実施例2の回折素子における回折効率の波長依存性を示す図である。図15に示すように、405nmを中心として、半導体レーザに±5nmの波長変化が生じた場合でも、回折効率の低下は約10%程度であり、波長特性の改善が図られている。しかしながら、実施例2では、第1光束の1次回折光の回折効率が81.1%、第2光束の0次回折光の回折効率が87.2%であるのに対し、第3光束の0次回折光の回折効率は41.4%である。
(実施例3)
実施例3は、1番目〜3番目の段差量=5.951μm、4番目の段差量が、−17.852μmである4ステップの階段型構造のうち高い方の2ステップを光軸方向の低い側に、光路差にして、−18.07×λ1だけシフト(物理的なシフト量は、−18.07×λ1/(n1−1)=−13.065μmである)したものを1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表3に示す。図16は、実施例3の回折素子の光軸方向断面図である。図16において、点線で示した形状はシフト前の階段型構造を示す。実施例3の階段型構造は、1番目の段差面の段差量=5.951μmであり、2番目の段差面の段差量=−7.115μmであり、3番目の段差面の段差量=5.951μmであり、4番目の段差面の段差量=−4.787μmである。
実施例3は、1番目〜3番目の段差量=5.951μm、4番目の段差量が、−17.852μmである4ステップの階段型構造のうち高い方の2ステップを光軸方向の低い側に、光路差にして、−18.07×λ1だけシフト(物理的なシフト量は、−18.07×λ1/(n1−1)=−13.065μmである)したものを1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表3に示す。図16は、実施例3の回折素子の光軸方向断面図である。図16において、点線で示した形状はシフト前の階段型構造を示す。実施例3の階段型構造は、1番目の段差面の段差量=5.951μmであり、2番目の段差面の段差量=−7.115μmであり、3番目の段差面の段差量=5.951μmであり、4番目の段差面の段差量=−4.787μmである。
実施例3の階段型構造を言い換えると、後述の図27に示すように、前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光軸に略平行に延在する3つ以上の第1段差面と、前記第1段差面と交差する3つ以上の第1テラス面とを有すると共に、隣接する前記第1テラス面が前記光ピックアップ装置の光軸方向に順次シフトしてなる第1ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第1ステップ周期構造と、前記光ピックアップ装置の光軸に略平行に延在する2つの第2段差面と、前記第2段差面と交差する2つの第2テラス面とを有し、前記2つの第2段差面が光軸直交方向に重なり合う第2ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第2ステップ周期構造とを、互いに周期を合わせて重畳してなり、且つ以下の式(8)〜(10)、
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
を満たすものである。
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=dj/λi×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
を満たすものである。
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=dj/λi×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
実施例3の階段型構造を更に言い換えると、光軸直交方向において、段差面が図16で上方に隣接するテラス面より右側に向かう方向を正、図16で上方に隣接するテラス面より左側に向かう方向を負としたときに、段差面は、上方から順に正、負、正、負の順に配列されており、隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さの絶対値は異なっており、回折素子全体の前記段差面の半分以上が、以下の式(11)、
0.2≦|Φ1j|≦0.3 (11)
を満たす段差量を有する。
0.2≦|Φ1j|≦0.3 (11)
を満たす段差量を有する。
図17は、実施例3の回折素子における回折効率の波長依存性を示す図である。図17に示すように、405nmを中心として、半導体レーザに±5nmの波長変化が生じた場合でも、回折効率の低下は約10%程度であり、波長特性の改善が図られている。しかも、実施例3では、第1光束の1次回折光の回折効率が71.5%、第2光束の0次回折光の回折効率が91.2%、第3光束の0次回折光の回折効率が61.2%となり、各光束の回折効率のバランスが図られている。
(実施例4)
実施例4は、実施例1の4ステップの階段型構造の段差量を小さくしたものを1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表4に示す。図18は、実施例3の回折素子の光軸方向断面図である。実施例3の階段型構造は、1〜3番目の段差面の段差量=1.294μmであり、4番目の段差面の段差量=−3.883μmである。
実施例4は、実施例1の4ステップの階段型構造の段差量を小さくしたものを1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表4に示す。図18は、実施例3の回折素子の光軸方向断面図である。実施例3の階段型構造は、1〜3番目の段差面の段差量=1.294μmであり、4番目の段差面の段差量=−3.883μmである。
実施例4の階段型構造を言い換えると、第1段差量d1から前記第4段差量d4のうち、その絶対値が最も大きい段差量である第4段差量以外の段差量が、以下の式(7)、
1.0≦|Σφ1j|/(j−1)≦2.5 (7)
但し、Σφ1j=Φ11+Φ12+φ13(j=4)
を満たす段差量を有する。
1.0≦|Σφ1j|/(j−1)≦2.5 (7)
但し、Σφ1j=Φ11+Φ12+φ13(j=4)
を満たす段差量を有する。
図19は、実施例4の回折素子における回折効率の波長依存性を示す図である。図19に示すように、405nmを中心として、半導体レーザに−5nmの波長変化が生じた場合でも、回折効率の低下は約10%程度であり、+5nmの波長変化が生じた場合には、回折効率は逆に約10%程度増大する。しかも、実施例3では、第1光束の−1次回折光の回折効率が74.9%、第2光束の0次回折光の回折効率が78.9%、第3光束の0次回折光の回折効率が49.7%となり、各光束の回折効率のバランスが図られている。
(実施例5)
実施例5は、1番目〜3番目の段差量=1.265μm、4番目の段差量が、−3.795μmである4ステップの階段型構造のうち高い方の2ステップを光軸方向の低い側にシフトしたものに対して更に段差量を小さくしたものを1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表5に示す。図20は、実施例5の回折素子の光軸方向断面図である。実施例5の階段型構造は、1番目の段差面の段差量=1.265μmであり、2番目の段差面の段差量=−2.437μmであり、3番目の段差面の段差量=1.265μmであり、4番目の段差面の段差量=−3.796μmである。
実施例5は、1番目〜3番目の段差量=1.265μm、4番目の段差量が、−3.795μmである4ステップの階段型構造のうち高い方の2ステップを光軸方向の低い側にシフトしたものに対して更に段差量を小さくしたものを1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表5に示す。図20は、実施例5の回折素子の光軸方向断面図である。実施例5の階段型構造は、1番目の段差面の段差量=1.265μmであり、2番目の段差面の段差量=−2.437μmであり、3番目の段差面の段差量=1.265μmであり、4番目の段差面の段差量=−3.796μmである。
実施例5の階段型構造を言い換えると、後述の図27に示すように、前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光軸に略平行に延在する3つ以上の第1段差面と、前記第1段差面と交差する3つ以上の第1テラス面とを有すると共に、隣接する前記第1テラス面が前記光ピックアップ装置の光軸方向に順次シフトしてなる第1ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第1ステップ周期構造と、前記光ピックアップ装置の光軸に略平行に延在する2つの第2段差面と、前記第2段差面と交差する2つの第2テラス面とを有し、前記2つの第2段差面が光軸直交方向に重なり合う第2ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第2ステップ周期構造とを、互いに周期を合わせて重畳してなり、且つ以下の式(8)〜(10)、
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
を満たすものである。
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=dj/λi×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
を満たすものである。
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=dj/λi×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A)
である。
実施例5の階段型構造を更に言い換えると、光軸直交方向において、段差面が図20で上方に隣接するテラス面より右側に向かう方向を正、図20で上方に隣接するテラス面より左側に向かう方向を負としたときに、段差面は、上方から順に正、負、正、負の順に配列されており、隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さの絶対値は異なっており、回折素子全体の前記段差面の半分以上が、以下の式(11)、
0.2≦|Φ1j|≦0.3 (11)
を満たす段差量を有する。
0.2≦|Φ1j|≦0.3 (11)
を満たす段差量を有する。
実施例5の階段型構造を更に言い換えると、光軸直交方向において、段差面が図20で上方に隣接するテラス面より右側に向かう方向を正、図20で上方に隣接するテラス面より左側に向かう方向を負としたときに、段差面は、上方から順に正、負、正、負の順に配列されており、隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さの絶対値は異なっており、段差面の全てが、以下の式(12)、
0.125≦|Φ1j|<0.375 (12)
を満たす段差量を有するものである。
0.125≦|Φ1j|<0.375 (12)
を満たす段差量を有するものである。
図21は、実施例5の回折素子における回折効率の波長依存性を示す図である。図21に示すように、405nmを中心として、半導体レーザに−5nmの波長変化が生じた場合でも、回折効率の低下は約5%程度であり、+5nmの波長変化が生じた場合には、回折効率は逆に約5%程度増大する。しかも、実施例5では、第1光束の−1次回折光の回折効率が70.1%、第2光束の0次回折光の回折効率が97.0%、第3光束の0次回折光の回折効率が54.9%となり、各光束の回折効率のバランスが図られている。
(実施例6)
実施例6は、3ステップの階段型構造を1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表6に示す。図22は、実施例6の回折素子の光軸方向断面図である。実施例6の階段型構造は、1〜2番目の段差面の段差量=6.001μmであり、3番目の段差面の段差量=−12.002μmである。実施例6では、第1光束の1次回折光の回折効率が66.4%、第2光束の0次回折光の回折効率が94.6%、第3光束の0次回折光の回折効率が73.0%となり、各光束の回折効率のバランスが図られている。
実施例6は、3ステップの階段型構造を1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表6に示す。図22は、実施例6の回折素子の光軸方向断面図である。実施例6の階段型構造は、1〜2番目の段差面の段差量=6.001μmであり、3番目の段差面の段差量=−12.002μmである。実施例6では、第1光束の1次回折光の回折効率が66.4%、第2光束の0次回折光の回折効率が94.6%、第3光束の0次回折光の回折効率が73.0%となり、各光束の回折効率のバランスが図られている。
(実施例7)
実施例7は、以上の実施例より高分散(アッベ数νd=27)の素材を用いてなり、3ステップの階段型構造を1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表7に示す。図23は、実施例7の回折素子の光軸方向断面図である。実施例7の階段型構造は、1〜2番目の段差面の段差量=5.366μmであり、3番目の段差面の段差量=−10.782μmである。実施例7では、第1光束の−1次回折光の回折効率が60.7%、第2光束の0次回折光の回折効率が84.0%、第3光束の0次回折光の回折効率が93.2%となり、各光束の回折効率のバランスが図られているとともに、高分散素材を使用することで、実施例1〜6に比べて、第3光束の回折効率が改善されている。
実施例7は、以上の実施例より高分散(アッベ数νd=27)の素材を用いてなり、3ステップの階段型構造を1ステップ単位とし、これを周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表7に示す。図23は、実施例7の回折素子の光軸方向断面図である。実施例7の階段型構造は、1〜2番目の段差面の段差量=5.366μmであり、3番目の段差面の段差量=−10.782μmである。実施例7では、第1光束の−1次回折光の回折効率が60.7%、第2光束の0次回折光の回折効率が84.0%、第3光束の0次回折光の回折効率が93.2%となり、各光束の回折効率のバランスが図られているとともに、高分散素材を使用することで、実施例1〜6に比べて、第3光束の回折効率が改善されている。
(実施例8)
実施例8は、ブレーズ形状を周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表8に示す。図24は、実施例8の回折素子の光軸方向断面図である。ここで、図25を参照して、ブレーズの高さ(段差面の段差量)hを変化させると、各波長の光束の回折効率が変化することがわかる。そこで、図25から最もバランスの良い高さhを0.490μmとした。
実施例8は、ブレーズ形状を周期的に繰り返してなる回折溝を備えた回折素子であり、その形状データを表8に示す。図24は、実施例8の回折素子の光軸方向断面図である。ここで、図25を参照して、ブレーズの高さ(段差面の段差量)hを変化させると、各波長の光束の回折効率が変化することがわかる。そこで、図25から最もバランスの良い高さhを0.490μmとした。
図26は、実施例8の回折素子における回折効率の波長依存性を示す図である。図26に示すように、405nmを中心として、半導体レーザに+5nmの波長変化が生じた場合でも、回折効率の低下は約2%程度であり、+5nmの波長変化が生じた場合には、回折効率は逆に約2%程度増大する。しかも、実施例8では、第1光束の1次回折光の回折効率が70.2%、第2光束の0次回折光の回折効率が56.5%、第3光束の0次回折光の回折効率が68.1%となり、各光束の回折効率のバランスが図られている。
以上の実施例では、光束が出射する側の光学面上に回折溝を形成したが、光束が入射する側の光学面上に回折溝を形成してもよい。
尚、図27は、例えば実施例3のようなシフトした階段型構造の形成例を示している。より具体的には、光ピックアップ装置の光軸(図で上下方向)に略平行に延在する4つの第1段差面ST1と、第1段差面ST1と交差する4つの第1テラス面TR1とを有すると共に、隣接する第1テラス面TR1が光軸方向に順次シフトしてなる第1ステップ単位を、光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された4ステップ構造(第1ステップ周期構造)4SSと、光軸に略平行に延在する2つの第2段差面ST2と、第1テラス面TR1の2倍の光軸直交長さを有し第2段差面ST2と交差する2つの第2テラス面TR2とを有し、2つの第2段差面ST2が光軸直交方向に重なり合う第2ステップ単位を、光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された2ステップ構造(第2ステップ周期構造)2SSとを、互いに周期を合わせて重畳する。これにより、実施例3に示すようなシフトした階段型構造を得ることができる。結果として得られた階段型構造は、実施例3と同様な特性を有する。尚、この構造に、図3に示すような斜面や微小段差を設けることは任意である。
又、図28は、シフトした階段型構造の別な形成例を示している。より具体的には、光ピックアップ装置の光軸(図で上下方向)に略平行に延在する4つの第1段差面ST1と、第1段差面ST1と交差する4つの第1テラス面TR1とを有すると共に、隣接する第1テラス面TR1が光軸方向に順次シフトしてなる第1ステップ単位を、光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された4ステップ構造(第1ステップ周期構造)4SSと、光軸に略平行に延在する2つの第2段差面ST2と、第1テラス面TR1の3倍の光軸直交長さを有し第2段差面ST2と交差する高い第2テラス面TR2及び第1テラス面TR1と等しい光軸直交長さを有し第2段差面ST2と交差する低い第2テラス面TR2’とを有し、2つの第2段差面ST2が光軸直交方向に重なり合う第2ステップ単位を、光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された2ステップ構造(第2ステップ周期構造)2SSとを、互いに周期を合わせて重畳する。これにより、図に示すようなシフトした階段型構造を得ることができる。尚、この構造に、図3に示すような斜面や微小段差を設けることは任意である。
本発明は、明細書に記載の実施例に限定されるものではなく、他の実施例・変形例を含むことは、本明細書に記載された実施例や思想から本分野の当業者にとって明らかである。明細書の記載及び実施例は、あくまでも例証を目的としており、本発明の範囲は後述するクレームによって示されている。
COL コリメートレンズ
DE 回折素子
GRT グレーティング
LD1 第1半導体レーザ
LD2 第2半導体レーザ
LD3 第3半導体レーザ
LDP 光源ユニット
OBJ 対物レンズ
OBJ1 第1対物レンズ
OBJ2 第2対物レンズ
PBS 偏光ビームスプリッタ
PD 光検出器
PU1 光ピックアップ装置
PU2 光ピックアップ装置
QWP λ/4波長板
SN センサレンズ
DE 回折素子
GRT グレーティング
LD1 第1半導体レーザ
LD2 第2半導体レーザ
LD3 第3半導体レーザ
LDP 光源ユニット
OBJ 対物レンズ
OBJ1 第1対物レンズ
OBJ2 第2対物レンズ
PBS 偏光ビームスプリッタ
PD 光検出器
PU1 光ピックアップ装置
PU2 光ピックアップ装置
QWP λ/4波長板
SN センサレンズ
Claims (12)
- 波長λ1の第1光束を出射する第1発光部と、波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を出射する第2発光部と、波長λ3(λ2<λ3)の第3光束を出射する第3発光部とを備えた光源と、対物光学系と、光検出器と、前記光源と前記光検出器との間の光路内に配置され、前記第1光束と前記第2光束と前記第3光束が共通して通過する回折素子とを有し、前記第1発光部からの光束を、前記対物光学系により第1光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第1光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第2発光部からの光束を、前記対物光学系により第2光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第2光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行い、前記第3発光部からの光束を、前記対物光学系により第3光ディスクの情報記録面上に集光させることでスポットを形成し、その反射光を受光した前記光検出器からの信号に基づいて、前記第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置に用いる回折素子であって、
前記光源は、前記第2発光部と前記第3発光部は同一のチップ上に形成され、前記第1発光部は、前記第2発光部及び前記第3発光部とは異なるチップ上に形成されており、
前記回折素子は、前記第1の光束は回折し、かつ、前記第2の光束、及び、前記第3の光束は透過する回折溝を有することを特徴とする回折素子。 - 以下の式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
395(nm)≦λ1≦415(nm) (1)
630(nm)≦λ2≦700(nm) (2)
750(nm)≦λ3≦850(nm) (3) - 前記第1の光束が入射した場合には、m次(m=+1又は−1)回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなり、前記第2の光束が入射した場合には、0次回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなり、前記第3の光束が入射した場合には、0次回折光の回折効率が他の何れの回折次数の回折光の回折効率よりも高くなる回折溝を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の回折素子。
- 前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光学系の光軸に略平行に延在する3つ以上の段差面と、前記段差面と交差する3つ以上のテラス面とを有すると共に、隣接する前記テラス面が前記光ピックアップ装置の光軸方向に順次シフトしてなるステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって、ステップ周期構造を形成してなり、且つ以下の式(4)〜(6)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回折素子。
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (4)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (5)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (6)
但し、Φij(i=1、2、3)は、一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=(dj/λi)×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A) - 前記第1段差量d1から前記第j段差量djのうち、その絶対値が最も大きい段差量を第k段差量としたとき、更に以下の式(7)を満たすことを特徴とする請求項4に記載の回折素子。
1.0≦|Σφ1j|/(j−1)≦2.5 (7)
但し、
Σφ1j=Φ11+Φ12+・・・+Φ1j−1+Φ1j
(j=kは除く) - 前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光学系の光軸に略平行に延在する3つ以上の第1段差面と、前記第1段差面と交差する3つ以上の第1テラス面とを有すると共に、隣接する前記第1テラス面が前記光ピックアップ装置の光軸方向に順次シフトしてなる第1ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第1ステップ周期構造と、前記光ピックアップ装置の光軸に略平行に延在する2つの第2段差面と、前記第2段差面と交差する2つの第2テラス面とを有し、前記2つの第2段差面が光軸直交方向に重なり合う第2ステップ単位を、前記光ピックアップ装置の光軸に交差する方向に沿って複数個配置することによって形成された第2ステップ周期構造とを、互いに周期を合わせて重畳してなり、且つ以下の式(8)〜(10)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回折素子。
0.8≦|ΣΦ1j|≦1.2 (8)
0 ≦|ΣΦ2j|≦0.3 (9)
0 ≦|ΣΦ3j|≦0.3 (10)
但し、Φij(i=1、2、3)は、重畳構造におけるテラス面と段差面とからなる一ステップ単位内に存在する段差量(隣接する前記テラス面間の前記光軸方向シフト量とする)を第1段差量d1、第2段差量d2、第3段差量d3、・・・・、第j段差量dj、としたとき、各段差量により発生する第i波長λiの位相差である。
ここで、
Φij=φij−ROUND(φi)
φij=(dj/λi)×(ni−1)
ΣΦij=Φi1+Φi2+・・・+Φij−1+Φij
第i波長:λi(μm)
第i波長λiにおける回折素子の屈折率:ni
第j段差:dj(μm)
任意の実数Aの小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数:ROUND(A) - 前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光学系の光軸に略平行に延在する複数の段差面と、前記段差面と交差する複数のテラス面とを有し、前記光ピックアップ装置の光軸直交方向において、前記段差面が一方の方向を向いたときを正、他方の方向を向いたときを負としたときに、前記段差面は、前記光軸直交方向に沿って正、負、正、負、または、負、正、負、正の順に配列されていることを特徴とする請求項3に記載の回折素子。
- 隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さの絶対値は異なっており、前記回折素子全体の前記段差面の半分以上が、以下の式(11)を満たす段差量を有することを特徴とする請求項7に記載の回折素子。
0.2≦|Φ1j|≦0.3 (11) - 隣り合う正の前記段差面と負の前記段差面の光軸方向長さの絶対値は異なっており、前記段差面の全てが、以下の式(12)を満たす段差量を有することを特徴とする請求項7に記載の回折素子。
0.125≦|Φ1j|<0.375 (12) - 前記回折溝は、前記光ピックアップ装置の光学系の光軸に略平行に延在する複数の段差面と、隣接した前記段差面同士を連結し前記光軸直交方向に対して傾いた斜面とからなるブレーズ構造を有し、以下の条件式(13)を満たすことを特徴とする請求項3に記載の回折素子。
0.4≦(h/λ1)×(n1−1)≦0.8 (13)
但し、
第1波長λ1(μm)における回折素子の屈折率:n1
ブレーズ高さ:h(μm) - 前記回折溝は、平行平板上に形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の回折素子。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の回折素子を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
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---|---|---|---|
JP2009187277 | 2009-08-12 | ||
JP2009187277 | 2009-08-12 | ||
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