JPWO2011010390A1 - 停車判定装置、停車判定方法、停車判定プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

停車判定装置、停車判定方法、停車判定プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

停車判定装置は、加速度取得手段と、統計量算出手段と、停車判定手段と、閾値更新手段と、を備える。加速度取得手段は、車両の加速度を取得する。統計量算出手段は、所定時間幅にわたる加速度の統計量を算出する。停車判定手段は、算出した統計量と所定の閾値とに基づき、車両が停車中であるか否か判定する。閾値更新手段は、停車判定手段が用いる閾値を更新する。

Description

本発明は、車両の停車判定を行う技術に関する。
従来から、移動体に設置された加速度センサからの検出値に基づき、移動体が停止しているか否か判定する技術が存在する。例えば、特許文献1には、加速度センサから検出された加速度の微分値がある閾値以下の場合、停車と判断する技術が開示されている。その他、本発明に関連する技術が特許文献2に開示されている。
特開2008−116370号公報 特開2002−131077号公報
車両の起動直後などエンジンの暖機の過渡期では、車両の振動量は、アイドリング状態であっても時々刻々と変化する。従って、従来技術による加速度のみに基づく停車判定では、車両の停止を正確に判定できない場合がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、停車判定に用いる閾値を車両の状態に応じて動的に設定することで、加速度のみに基づき停車判定を適切に実行することを目的とする。
請求項1に記載の発明では、停車判定装置は、車両の加速度を取得する加速度取得手段と、所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出手段と、前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定手段と、前記閾値を更新する閾値更新手段と、を備える。
請求項10の記載の発明は、車両の加速度を取得する加速度取得工程と、所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出工程と、前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停止判定工程と、前記閾値を更新する閾値更新工程と、を備える。
請求項11に記載の発明は、コンピュータにより実行される停車判定プログラムであって、車両の加速度を取得する加速度取得手段と、所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出手段と、前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定手段と、前記閾値を更新する閾値更新手段、として前記コンピュータを機能させる。
本発明の各実施例に係る停車判定装置の概略構成図の一例である。 第1実施例に係る停車判定装置の機能ブロックの一例である。 旧最小値VxO及び新最小値VxNと、閾値Vxth、更新最小値Vxmin及びパラメータαx5との関係を示すグラフの一例である。 エンジン始動直後の分散Vxの時間変化のグラフの一例である。 第1実施例の処理手順を示すフローチャートの一例である。 第2実施例に係る停車判定装置の機能ブロックの一例である。 第2実施例の処理手順を示すフローチャートの一例である。
本発明の1つの観点では、車両の加速度を取得する加速度取得手段と、所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出手段と、前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定手段と、前記閾値を更新する閾値更新手段と、を備える。
上記の停車判定装置は、例えばPND(Personal Navigation Device)などのポータブルデバイスであり、加速度取得手段と、統計量算出手段と、停車判定手段と、閾値更新手段と、を備える。加速度取得手段は、車両の加速度を取得する。加速度取得手段は、例えば加速度センサから1方向又は複数の方向の車両の加速度を取得する。統計量算出手段は、所定時間幅にわたる加速度の統計量を算出する。上述の所定時間幅は、実験等に基づき適切な値に定められる。この所定時間幅は、例えば、統計量を算出するのに必要な加速度のサンプル数を取得するのに要する時間幅に設定される。統計量算出手段は、例えば分散(不偏分散を含む。以下同じ。)、尖度、偏差などのばらつきの指標となる1又は複数の統計量を算出する。停車判定手段は、算出した統計量と所定の閾値とに基づき、車両が停車中であるか否か判定する。上述の閾値は、統計量ごと又は全統計量で統一して設けられ、閾値更新手段により変更される。なお、この閾値の初期値は、実験等に基づき適切な値に設定される。閾値更新手段は、停車判定手段が用いる閾値を更新する。具体的には、閾値更新手段は、例えば、統計量算出手段が算出した統計量に基づき閾値を変更する。他の例では、閾値更新手段は、エンジン始動後からエンジンの定常状態までの閾値を定めたマップ等を参照することで閾値を変更してもよい。以上のように、停車判定装置は、閾値を動的に変更させることで、エンジンの状態等の変動を考慮して適切に車両が停車中か否か判断することができる。
上記の停車判定装置の一態様では、前記加速度取得手段は、前記車両の前後方向、側面方向、及び上下方向の加速度を取得し、前記統計量算出手段は、前記前後方向、前記側面方向、及び前記上下方向の加速度の統計量を算出し、前記停車判定手段は、前記統計量算出手段が算出した前記前後方向の統計量と、当該統計量の閾値とに基づき、前記車両は停車中であると判定し、前記閾値更新手段は、前記前後方向、前記側面方向及び上下方向の統計量に基づき前記閾値を更新する。ここで、「車両の前後方向」とは、車両の前進方向又は後進方向のいずれかを正方向とした軸方向を指し、「車両の側面方向」とは、車両と水平な方向であって、かつ前後方向と垂直な方向を指し、「車両の上下方向」とは、前後方向及び側面方向と垂直な方向を指す。なお、これらの方向は、上記定義で厳密に決定される方向の他、上記定義とおよそ一致した方向であってもよい。この態様では、停車判定装置は、前後方向の統計量に基づき停車判定をすると共に、前後方向、側面方向及び上下方向の統計量に基づき、閾値を変動させる。このようにすることで、停車判定装置は、前後方向、側面方向及び上下方向の統計量に基づきエンジンの状態等に起因した車両の振動状態を閾値に反映し、車両の状態に応じて停車判定を適切に実行することができる。
上記の停車判定装置の他の一態様では、前記加速度取得手段は、前記車両の前後方向、側面方向、及び上下方向の加速度を取得し、前記統計量算出手段は、前記前後方向、前記側面方向、及び前記上下方向の加速度の統計量を算出し、前記停車判定手段は、前記統計量算出手段が算出した各方向の統計量と、当該統計量の閾値とに基づき、前記車両は前記車両が停車中であると判定し、前記閾値更新手段は、前記閾値を更新する。この態様では、停車判定装置は、3軸方向で得られた統計量とそれぞれの閾値とに基づき停車判定をすると共に、3軸方向で得られた統計量に基づき上述の閾値を更新する。このようにすることで、停車判定装置は、より精度高く停車判定をすることができる。また、停車判定装置は、側面方向及び上下方向の統計量を用いることで、路面振動やタイヤパターンなどによる振動を把握することができる。従って、停車判定装置は、アクセルペダルを踏むことなく、エンジンがアイドリングの状態で車両が動くいわゆるクリープ走行と停車中とをより正確に判断することができる。
上記の停車判定装置の他の一態様では、前記統計量は、前記加速度のばらつき値であり、
前記停車判定手段は、前記ばらつき値と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する。ここで、「ばらつき値」とは、加速度のばらつきを示す統計的な数値であり、例えば加速度の分散、偏差または尖度などが例示される。このように、停車判定装置は、統計量としてばらつき値を使用することで、道路勾配等の影響を適切に抑制することができる。
上記の停車判定装置の一態様では、前記ばらつき値は、分散及び尖度であり、前記停車判定手段は、前記統計量算出手段が算出した分散が所定の閾値よりも下回った場合、かつ、前記統計量算出手段が算出した尖度が所定の閾値よりも上回った場合、前記車両は停止中であると判定する。この態様では、停車判定装置は、ばらつき値として尖度を使用することで、停車中とクリープ走行中との加速度の集中度に着目し、選択性を増す狙いを持つ。即ち、停車判定装置は、尖度(即ち集中度)が大きいほど、停車である可能性が高いと判断する。この態様によっても、停車判定装置は、道路勾配の影響を適切に抑制しつつ、停車中とクリープ走行中との選択性を増すことができる。
前記閾値更新手段は、前記閾値が第1パラメータに達した場合、前記閾値の更新処理を停止する。第1パラメータは、実験等により適切な値に設定される。具体的には、第1パラメータは、例えば車両が定常状態に達した場合に設定される閾値の範囲に設定される。一般に、エンジンの暖機等が完了し、車両が定常状態に達した場合には、閾値は学習が完了して殆ど変動しないことが予測される。具体的には、統計量が分散の場合には、この閾値は所定値以下へ推移することが予測され、統計量が尖度の場合には、この閾値は所定値以上へ推移することが予測される。従って、この態様では、停車判定装置は、前記閾値が第1パラメータに達した場合、前記閾値の更新処理を停止することで、不要な処理を削減し、消費電力の節減やハードウェア資源の有効活用等を実現することができる。
上記の停車判定装置の他の一態様では、前記ばらつき値は分散を含み、前記閾値更新手段は、過去に算出された前記分散の最小値を第2パラメータに基づき変動させた旧最小値を保持し、新たに算出された前記分散が前記旧最小値よりも小さい場合、当該分散と前記第2パラメータとに基づき新たに旧最小値を更新すると共に、前記閾値を当該旧最小値と第3パラメータとに基づき新たに設定する。第2及び第3パラメータは、実験等に基づき適切な値に予め設定されてもよく、又は、統計量に基づき適宜変更されてもよい。この態様では、停車判定装置は、新たに得られた分散が旧最小値より小さい場合、車両が定常状態に近付いたと判断し、閾値を変更する。この閾値は、当該分散と、第2及び第3パラメータとにより決定される。このように、停車判定装置は、第2及び第3パラメータを用いて閾値を決定することで、閾値の固定化等を防ぎ、閾値を柔軟に変更することができる。
上記の停車判定装置の他の一態様では、前記閾値更新手段は、前記統計量算出手段が算出した前記側面方向及び前記上下方向の分散が大きい程、前記第2パラメータ又は/及び前記第3パラメータを、前記閾値を上げる方向又は下げる度合を小さくする方向に調整する。このようにすることで、停車判定装置は、車両の状態に合わせ閾値を適切に更新することができる。
上記の停車判定装置の他の一態様では、前記閾値更新手段は、前記停車判定手段に基づく所定時間幅にわたる走行比率が大きい程、前記第2パラメータ又は/及び前記第3パラメータを、前記閾値を下げる方向又は上げる度合を小さくする方向に調整する。上述の所定時間幅は、例えば実験等に基づき適切な値に設定される。また、「走行比率が大きい」とは、上述の所定時間幅に対する車両が走行中であると認定されていた時間幅の割合が大きいことを指し、当然、上述の所定時間幅で全て走行中であると認定されていた場合も含む。即ち、停車判定装置は、走行比率が大きい場合であっても旧最小値が更新される場合、エンジンの暖機の状態等が急速に収まる方向、即ち定常状態へ変化していると判断する。そして、停車判定装置は、この場合、閾値を下げる方向又は上げる度合を小さくする方向に調整する。このようにすることで、停車判定装置は、車両の状態に応じて、閾値の変動速度を上げて、閾値を早期に収束させることができる。
本発明の別の観点では、車両の加速度を取得する加速度取得工程と、所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出工程と、前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停止判定工程と、前記閾値を更新する閾値更新工程と、を備える。停車判定装置は、この方法を用いることで、加速度のみによって適切に車両の停車判定を実行することができる。
本発明のさらに別の観点では、コンピュータにより実行される停車判定プログラムであって、車両の加速度を取得する加速度取得手段と、所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出手段と、前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定手段と、前記閾値を更新する閾値更新手段、として前記コンピュータを機能させる。従って、コンピュータは、上記のプログラムを搭載することにより、加速度のみによって適切に車両の停車判定を実行することができる。なお、好適な例では、上記のプログラムは、記憶媒体に記憶される。
以下、図面を参照して本発明の好適な第1及び第2実施例について説明する。以下では、本発明の各実施例で共通する停車判定装置の概略構成について説明した後、停車判定装置が実行する処理内容について第1実施例及び第2実施例で説明する。
[概略構成]
まず、本発明に係る停車判定装置の概要について図1を用いて説明する。図1は、停車判定装置100の概略構成の一例である。停車判定装置100は、車両に搭載される。図1に示すように、停車判定装置100は、加速度センサ1と、システムコントローラ2と、入力装置3と、出力装置4と、データ記憶ユニット5と、を備える。停車判定装置100の各要素は、バスライン30を介して相互に接続されている。
加速度センサ1は、例えば圧電素子からなり、加速度データを出力する。具体的には、加速度センサ1は、車両の進行(前進)方向を正とする方向(以後、「X軸方向」と呼ぶ。)の加速度(以後、「加速度Ax」と呼ぶ。)及びX軸方向と垂直な水平方向(以後、「Y軸方向」とも呼ぶ。)の加速度(以後、「加速度Ay」と呼ぶ。)並びに車両の上下方向でありX軸方向及びY軸方向と垂直な方向(以後、「Z軸方向」とも呼ぶ。)の加速度(以後、「加速度Az」と呼ぶ。)を検出し、システムコントローラ2へ供給する。
システムコントローラ2は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、停車判定装置100全体の制御を行う。
インタフェース21は、加速度センサ1とのインタフェース動作を行う。そして、インタフェース21は、加速度センサ1から加速度Ax、Ay、Azをシステムコントローラ20に入力する。
CPU22は、システムコントローラ2全体を制御する。CPU22は、予め用意されたプログラムを実行することにより、本発明における加速度取得手段、統計量算出手段、閾値更新手段、及び停車判定手段として機能する。これについては、後述する[第1実施例]及び[第2実施例]のセクションで詳しく説明する。ROM23は、システムコントローラ2を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置3から供給される入力信号に基づき各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
入力装置3は、停車判定装置100に対して利用者が行う必要な命令や情報の入力を受け付けるインタフェースである。出力装置4は、利用者の操作に応答するための情報を出力する。例えば、出力部11は、システムコントローラ2の制御に基づき、画像または映像の出力及び/又は音声出力を行う。
データ記憶ユニット5は、停車判定装置100の動作を制御するためのプログラムを保存したり、停車判定装置100の動作に必要な情報を保持したりするためのものである。
なお、上述の停車判定装置100の構成は一例であり、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。例えば、停車判定装置100は、上述の構成に代えて、入力装置3又は/及び出力装置4を有しなくてもよい。他の例では、停車判定装置100は、上述の構成に加えて、通信装置を備え、他の装置へ停止判定結果等のデータを供給してもよい。
以下では、システムコントローラ2が実行する処理について[第1実施例]及び[第2実施例]のセクションで説明する。なお、以後では、停車判定装置100が搭載される車両を「搭載車両」と呼ぶ。
[第1実施例]
次に、第1実施例でシステムコントローラ2が実行する処理について説明する。第1実施例では、システムコントローラ2は、加速度Ax、Ay、Azに基づき各3方向の分散を算出し、各値が所定の閾値以下であれば搭載車両が停止したと判断する。このとき、システムコントローラ2は、上述の閾値を変化させることにより、適切に搭載車両の停止判定を実行する。以後では、上述の具体的な処理内容を説明した後、効果、処理フロー、及び第1実施例の各変形例について順に説明する。
まず、第1実施例の具体的な処理を、図2を用いて詳しく説明する。図2は、第1実施例に係る停車判定装置100の機能ブロックを示す図の一例である。図2に示すように、システムコントローラ2は、加速度取得部2aと、統計量算出部2bと、閾値更新部2cと、停車判定部2dと、を備える。以下、これらの各要素が実行する処理について説明する。なお、以下で説明する閾値又は当該閾値の算出に用いる値は、例えば、搭載車両のエンジンの停止又は始動ごとに初期化されてもよく、または、所定時間幅ごとに初期化されてもよい。この場合、各閾値等の初期値及び上述の所定時間幅は、実験等に基づき適切な値に設定される。
加速度取得部2aは、加速度センサ1から加速度Ax、Ay、Azをそれぞれ取得する。そして、加速度取得部2aは、加速度Ax、Ay、Azを統計量算出部2bへ供給する。
統計量算出部2bは、加速度Ax、Ay、Azに基づき統計量を算出する。具体的には、統計量算出部2bは、加速度Ax、Ay、Azを所定時間幅(以後、「サンプリング時間幅Tw」と呼ぶ。)だけサンプリングする。そして、統計量算出部2bは、サンプリングされた所定個数の加速度Ax、Ay、Azから、サンプリング時間幅Twごとに、加速度Ax、Ay、Azの分散を算出する。以後では、加速度Axの分散を「分散Vx」と呼び、加速度Ayの分散を「分散Vy」と呼び、加速度Azの分散を「分散Vz」と呼ぶ。このように、停車判定装置100は、統計量として分散を用いることで、搭載車両が走行中又は停止中の道路勾配の影響を受けることなく、停車判定を適切に実行することができる。
次に、閾値更新部2cが実行する処理について説明する。図2に示すように、閾値更新部2cは、更新最小値決定部2cxと、閾値算出部2cyと、を備える。閾値更新部2cは、分散Vx、Vy、Vzに基づき、これらに対する閾値を更新する。以後では、分散Vxに用いる閾値を「閾値Vxth」と呼び、分散Vyに用いる閾値を「閾値Vyth」と呼び、分散Vzに用いる閾値を「閾値Vzth」と呼ぶ。
まず、更新最小値決定部2cxが実行する処理について説明する。更新最小値決定部2cxは、統計量算出部2bから供給された分散Vx、Vy、Vzの各最小値をそれぞれ所定のパラメータ「αx3」、「αy3」、「αz3」により操作した値(以後、「更新最小値」と呼ぶ。)を算出する。
これについて具体的に説明する。説明の簡便化のため、分散Vxの更新最小値(以後、「更新最小値Vxmin」と呼ぶ。)を求める方法について最初に説明する。なお、後述するように、分散Vy、Vzの更新最小値についても、これと同様の方法により求める。
更新最小値決定部2cxは、統計量算出部2bから供給された最新の分散Vxが、当該分散Vxの取得直前までに取得された分散Vxの最小値に基づき算出された更新最小値(以後、「旧最小値VxO」と呼ぶ。)より小さいか否か判定する。この場合、更新最小値決定部2cxは、旧最小値VxOを、例えばデータ記憶ユニット5に記憶しているものとする。そして、更新最小値決定部2cxは、最新の分散Vxが旧最小値VxOよりも小さい場合、当該分散Vxを暫定的な更新最小値(以後、「新最小値VxN」と呼ぶ。)として定める。
そして、更新最小値決定部2cxは、旧最小値VxOと新最小値VxNとに基づき、更新最小値Vxminを決定する。例えば、更新最小値決定部2cxは、更新最小値Vxminを旧最小値VxOと新最小値VxNとの間に設定する。具体的には、更新最小値決定部2cxは、パラメータαx3を用いて、以下の式(1)により更新最小値Vxminを定める。
Vxmin=VxN+|VxN−VxO|×αx3 式(1)
パラメータαx3は、実験等に基づき適切な値に設定される。好適には、更新最小値決定部2cxは、パラメータαx3を0以上1以下の値に設定することで、更新最小値Vxminを旧最小値VxOと新最小値VxNとの間に設定する。これにより、更新最小値決定部2cxは、旧最小値VxOが固定化するのを防ぎ、それに連動した閾値Vxthを適度に変動させる。
更新最小値Vxminの設定方法について図3を用いてさらに詳しく説明する。図3は、旧最小値VxO、新最小値VxN、更新最小値Vxmin、閾値Vxth、及び所定のパラメータ「αx5」の関係を示すグラフの一例である。なお、閾値Vxthの決定方法及びパラメータαx5の説明については、閾値算出部2cyの処理の説明と共に後述する。
図3に示すように、時刻「t2」では、時刻「t1」に算出された更新最小値Vxminが旧最小値VxOとして設定されている。そして、更新最小値決定部2cxは、時刻t2に、旧最小値VxOより小さい分散Vxを取得し、新最小値VxNに設定する。次に、更新最小値決定部2cxは、式(1)を用いて更新最小値Vxminを算出する。この場合、パラメータαx3は0以上1以下の値に設定されているため、更新最小値Vxminは旧最小値VxOと新最小値VxNとの間の値に設定される。そして、更新最小値決定部2cxは、算出した更新最小値Vxminを閾値算出部2cyへ供給すると共に、更新最小値Vxminを旧最小値VxOに設定する。以上のようにすることで、更新最小値決定部2cxは、更新最小値Vxminを過度に小さい値に設定することによる固定化を防ぎ、それに連動した閾値Vxthを適度に変化させることができる。この具体的な効果の説明は、全体処理の説明後に(効果)のセクションで補足説明する。
また、更新最小値決定部2cxは、更新最小値Vxminと同様に、分散Vy、Vzとパラメータαy3、αz3とに基づき、それぞれ旧最小値「VyO」、「VzO」及び新最小値「VyN」、「VzN」を定めると共に、それぞれ更新最小値「Vymin」、「Vzmin」を決定する。より具体的には、更新最小値決定部2cxは、以下の式(2)及び式(3)を用いて更新最小値Vymin、Vzminを決定する。
Vymin=VyN+|VyN−VyO|×αy3 式(2)
Vzmin=VzN+|VzN−VzO|×αz3 式(3)
式(2)及び(3)に使用されるパラメータαy3、αz3は、実験等に基づき適切な値に設定される。このとき、更新最小値決定部2cxは、式(1)と同様に、好適には、パラメータαy3、αz3を0以上1以下の値に設定する。これにより、更新最小値決定部2cxは、更新最小値Vymin、Vzminを、それぞれ旧最小値VyO、VzOと新最小値VyN、VzNとの間に設定する。
次に、閾値算出部2cyが実行する処理について説明する。閾値算出部2cyは、更新最小値決定部2cxから新たに更新最小値Vxmin、Vymin、Vzminが供給された場合、これらの更新最小値に基づき閾値Vxth、Vyth、Vzthを算出する。
具体的には、閾値算出部2cyは、更新最小値Vxminに所定のパラメータ「αx2」を乗じた値を閾値Vxthに設定する。パラメータαx2は、実験等により適切な値に設定される。即ち、閾値算出部2cyは、以下の式(4)を用いて閾値Vxthを算出する。
Vxth=Vxmin×αx2 式(4)
これについて、図3の例を用いて具体的に説明する。閾値算出部2cyは、時刻t2で、更新最小値決定部2cxが決定した更新最小値Vxminから式(4)を用いて閾値Vxthを設定する。図3の例では、パラメータαx2は、1以上の値に設定されている。以上のように、閾値算出部2cyは、更新最小値Vxminの変化に応じて閾値Vxthを適切に更新させることができる。
同様に、閾値算出部2cyは、パラメータαy2、αz2を更新最小値Vymin、Vzminにそれぞれ乗じることで閾値Vyth、Vzthを算出する。具体的には、閾値算出部2cyは、以下の式(5)及び(6)を用いて閾値Vyth、Vzthを算出する。
Vyth=Vymin×αy2 式(5)
Vzth=Vzmin×αz2 式(6)
式(5)及び式(6)に使用されるパラメータαy2、αz2は、実験等に基づき適切な値に設定される。そして、閾値算出部2cyは、更新後の閾値Vxth、Vyth、Vzthを停車判定部2dへ供給する。
また、更新最小値決定部2cx及び閾値算出部2cyは、算出した閾値Vxthが図3に示すパラメータαx5以下になった場合、閾値Vxthの更新処理を停止する。同様に、更新最小値決定部2cx及び閾値算出部2cyは、算出した閾値Vyth、Vzthがそれぞれ所定のパラメータαy5、αz5以下になった場合、該当する閾値の更新処理を停止する。即ち、この場合、更新最小値決定部2cx及び閾値算出部2cyは、エンジン等の暖機が完了して搭載車両が定常状態になったと判断し、パラメータαx5、αy5、αz5に達した閾値の更新処理を停止する。このようにすることで、更新最小値決定部2cx及び閾値算出部2cyは、不要な処理を防ぐ。即ち、これにより、停車判定装置100は、消費電力を抑制し、CPU22等のハードウェア資源を効率よく使用することができる。なお、パラメータαx5乃至αz5は、例えば閾値ごとに実験等に基づき適切な値に設定される。
次に、停車判定部2dが実行する処理について説明する。停車判定部2dは、閾値更新部2cから供給された更新閾値Vxth、Vyth、Vzthと、統計量算出部2bから供給される分散Vx、Vy、Vzと、をそれぞれ比較し、全ての統計量が各閾値よりも小さい場合、搭載車両が停止中であると判定する。即ち、停車判定部2dは、以下の式(7)乃至(9)がすべて成立した場合、搭載車両が停止中であると判定する。
Vx<Vxth 式(7)
Vy<Vyth 式(8)
Vz<Vzth 式(9)
一方、停車判定部2dは、上述の式(7)乃至式(9)のいずれかが成立しない場合、搭載車両が走行中であると判定する。特に、停車判定部2dは、Y軸方向の分散Vy及びZ軸方向の分散Vzを用いることで、路面振動やタイヤパターンなどによる振動を適切に把握することができ、クリープ走行と、停車中とをより正確に判断することができる。
以上のように、システムコントローラ2は、分散を用いると共に、停止判定の際に用いる閾値を搭載車両の状態に応じて動的に変更することで、適切に停止判定を実行することができる。
(効果)
次に、図4を用いて第1実施例の効果について説明する。図4は、搭載車両のエンジン始動後におけるアイドリング時の分散Vxの変化を示すグラフの一例である。図4では、各時刻「t1」乃至「t8」で加速度Axに基づき分散Vxが算出されている。
図4に示すように、エンジン始動後、時刻t1で得られる分散Vxは、極小値をとる。そして、その後、時刻t2では再び分散Vxは上昇する。そして、時刻t3〜時刻t5では、分散Vxは緩やかに下がり、時刻t6以降、分散Vxは定常状態になる。
このように、エンジン始動後の所定時間幅では、エンジンやコンプレッサーなどが発生する振動等に起因して、停止中であっても加速度Ax、Ay、Azは不規則に変動する。また、その変動の態様は、エンジン始動後から定常状態に達するまで不規則的に変化し、単調減少にはならない。以上を考慮し、第1実施例では、システムコントローラ2は、得られた分散Vx、Vy、Vzに基づき閾値Vxth、Vyth、Vzthを動的に変化させる。これにより、システムコントローラ2は、上述の搭載車両の状態変化に応じて適切に停車判定をすることができる。
さらに、第1実施例のシステムコントローラ2は、3軸それぞれで統計量をとり閾値と比較している。このようにすることで、システムコントローラ2は、停止判定を高精度化することができる。
(処理フロー)
次に、第1実施例でシステムコントローラ2が実行する処理手順について図5を用いて説明する。図5は、第1実施例でシステムコントローラ2が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。システムコントローラ2は、図5に示すフローチャートの処理を、所定の周期に従い繰り返し実行する。
まず、システムコントローラ2は、サンプリング時間幅Twにわたり、X軸方向の加速度Ax、Y軸方向の加速度Ay、Z軸方向の加速度Azを取得する(ステップS101)。
次に、システムコントローラ2は、分散Vx、Vy、Vzを算出する(ステップS102)。具体的には、システムコントローラ2は、ステップS101でサンプリング時間幅Twにわたり取得した加速度Ax、Ay、Azに基づきこれらの統計量を算出する。
そして、システムコントローラ2は、分散Vx、Vy、Vzに基づき、更新最小値Vxmin乃至Vzminをそれぞれ算出する(ステップS103)。具体的には、システムコントローラ2は、分散Vx、Vy、Vzがそれぞれ旧最小値VxO乃至VzOよりも小さい場合、これらを新最小値VxN乃至VzNとして設定し、式(1)乃至式(3)に基づき更新最小値Vxmin乃至Vzminを更新する。
次に、システムコントローラ2は、更新最小値Vxmin乃至Vzminから閾値Vxth乃至Vzminを更新する(ステップS104)。具体的には、システムコントローラ2は、式(4)乃至(6)に基づき閾値Vxth乃至Vzthを更新する。
そして、システムコントローラ2は、分散Vx、Vy、Vzがそれぞれ閾値Vxth乃至Vzthより小さいか否か判定する(ステップS105)。具体的には、システムコントローラ2は、式(7)乃至(9)が成立するか否か判定する。
そして、分散Vx、Vy、Vzがそれぞれ閾値Vxth、Vyth、Vzthより小さい場合(ステップS105;Yes)、システムコントローラ2は、搭載車両が停止中であると判定する(ステップS106)。一方、分散Vxが閾値Vxth以上、又は、分散Vyが閾値Vyth以上、又は、分散Vzが閾値Vzth以上の場合(ステップS105;No)、システムコントローラ2は、走行中であると判定する(ステップS107)。
以上説明したように、本実施例による停車判定装置は、加速度取得手段と、統計量算出手段と、停車判定手段と、閾値更新手段と、を備える。加速度取得手段は、車両の3方向の加速度を取得する。統計量算出手段は、所定時間幅にわたる加速度の統計量である分散を算出する。閾値更新手段は、停車判定手段が用いる閾値を更新する。このようにすることで、停車判定装置は、エンジンの状態等に応じて閾値を動的に変更させることができ、車両の状態に応じて車両の停車判定を適切に実行することができる。
(変形例1)
第1実施例の説明では、システムコントローラ2は、統計量として分散を用いた。しかし、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。これに代えて、またはこれに加え、システムコントローラ2は、統計量として尖度を用いてよい。これによっても、システムコントローラ2は、クリープ走行と、停止中とを適切に判別することができる。
これについて具体的に説明する。以後では、加速度Axの尖度を「尖度Kx」と呼び、加速度Ayの尖度を「尖度Ky」と呼び、加速度Azの尖度を「尖度Kz」と呼ぶ。また、尖度Kxに用いる閾値を「閾値Kxth」と呼び、尖度Kyに用いる閾値を「閾値Kyth」と呼び、尖度Kzに用いる閾値を「閾値Kzth」と呼ぶ。
まず、統計量算出部2bは、尖度Kx、Ky、Kzを算出する。そして、更新最小値決定部2cxは、尖度Kx、Ky、Kzの最大値に基づき、分散での更新最小値に相当する更新最大値「Kxmax」、「Kymax」、「Kzmax」を算出する。即ち、更新最大値は、尖度Kx、Ky、Kzの各最大値を所定のパラメータαkx3、αky3、αkz3により操作した値である。具体的には、更新最小値決定部2cxは、旧最小値に相当する旧最大値「KxO」、「KyO」、「KzO」、及び、新最大値に相当する新最大値「KxN」、「KyN」、「KzN」を用いて、以下の式(10)乃至(12)から更新最大値Kxmax、Kymax、Kzmaxを算出する。
Kxmax=KxN−|KxN−KxO|×αkx3 式(10)
Kymax=KyN−|KyN−KyO|×αky3 式(11)
Kzmax=KzN−|KzN−KzO|×αkz3 式(12)
このとき、更新最小値決定部2cxは、好適には、式(10)乃至(12)に用いるパラメータαkx3、αky3、αkz3をそれぞれ0以上1以下に設定することで、更新最大値Kxmax、Kymax、Kzmaxを、それぞれ旧最小値KxO、KyO、KzOと新最小値KxN、KyN、KzNとの間に設定する。具体的には、式(10)乃至(12)に使用するパラメータαkx3、αky3、αkz3は、それぞれ実験等に基づき、又は第2実施例で後述するように動的に適切な値に設定される。
そして、閾値算出部2cyは、更新最大値Kxmax、Kymax、Kzmaxをパラメータαkx2、αky2、αkz2でそれぞれ割ることで、閾値Kxth、Kyth、Kzthを算出する。具体的には、以下の式(13)乃至(15)から閾値Kxth、Kyth、Kzthを更新する。
Kxth=Kxmax/αkx2 式(13)
Kyth=Kymax/αky2 式(14)
Kzth=Kzmax/αkz2 式(15)
このとき、パラメータαkx2乃至αkz2は、好適には1以上2未満の値に設定される。具体的には、パラメータαkx2乃至αkz2は、実験等に基づき適切な値に設定される。なお、更新最小値決定部2cx及び閾値算出部2cyは、これらの閾値がそれぞれ所定のパラメータαkx5、αky5、αkz5以上に達した場合、該当する閾値の更新処理を停止する。
次に、停車判定部2dは、尖度Kx、Ky、Kzが閾値Kxth、Kyth、Kzthよりも大きい場合、停車中であると判断する。即ち、停車判定部2dは、以下の式(16)乃至(18)を全て満たした場合、停車中であると判断する。
Kx>Kxth 式(16)
Ky>Kyth 式(17)
Kz>Kzth 式(18)
以上のように、システムコントローラ2は、統計量に尖度を併用することにより、搭載車両のクリープ走行と停止状態との選択性を増すことができる。これについて補足説明する。一般に、クリープ状態で得られる分散Vx、Vy、Vzと、停止状態で得られる分散Vx、Vy、Vzとは、明確な差異が生じない場合がある。一方、停止中に得られる加速度Ax、Ay、Azは、クリープ走行中に得られる加速度Ax、Ay、Azよりも尖度(即ち、平均付近の集中度)が大きい。以上を考慮し、システムコントローラ2は、統計量に尖度を併用することによって、クリープ状態と停止状態との選択性を増すことができる。
(変形例2)
第1実施例及び変形例1の閾値更新部2cの説明では、更新最小値決定部2cxは、式(1)乃至(3)及び式(10)乃至(12)を用いることで、パラメータαx3、αy3、αz3から更新最小値Vxmin乃至Kzmaxを算出していた。しかし、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。
例えば、これに代えて、更新最小値決定部2cxは、新最小値VxN乃至KzNにそれぞれ所定のパラメータ「αx4」、「αy4」、「αz4」、「αkx4」、「αky4」、「αkz4」だけ増減させた値を更新最小値Vxmin乃至Kzmaxとして設定してもよい。上述のパラメータは、それぞれ実験等に基づき予め適切な値に設定されてもよく、後述する第2実施例に示すように動的に設定されてもよい。具体的には、更新最小値決定部2cxは、以下の式(19)乃至(24)を用いることで、更新最小値Vxmin乃至Kzmaxを算出する。
Vxmin=VxN+αx4 式(19)
Vymin=VyN+αy4 式(20)
Vzmin=VzN+αz4 式(21)
Kxmax=KxN−αkx4 式(22)
Kymax=KyN−αky4 式(23)
Kzmax=KzN−αkz4 式(24)
このようにすることによっても、更新最小値決定部2cxは、更新最小値Vxmin乃至Kzmaxを適切に算出することができる。
なお、パラメータαx3乃至αkz3、αx4乃至αkz4は、適用する式ごとに異なった値を設定してもよい。これにより、停車判定装置100は、統計量ごと又は加速度を取得する方向ごとにより適切に閾値を変動させることができる。
(変形例3)
第1実施例及び変形例1の閾値算出部2cyの説明では、閾値算出部2cyは、更新最小値Vxmin乃至Kzmaxにパラメータαx2乃至αkz2を乗じた値を閾値Vxth乃至Kzthとして決定した。しかし、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。
例えば、これに代えて、閾値算出部2cyは、更新最小値Vxmin乃至Kzmaxにそれぞれ所定のパラメータ「αx1」、「αy1」、「αz1」、「αkx1」、「αky1」、「αkz1」を加えた値を閾値Vxth乃至Kzthとして設定してもよい。なお、これらのパラメータは、正値の他、負値であってもよい。具体的には、閾値算出部2cyは、以下の式(25)乃至式(30)により閾値Vxth乃至Kzthを決定する。
Vxth=Vxmin+αx1 式(25)
Vyth=Vymin+αy1 式(26)
Vzth=Vzmin+αz1 式(27)
Kxth=Kxmin−αkx1 式(28)
Kyth=Kymax−αky1 式(29)
Kzth=Kzmax−αkz1 式(30)
このようにすることによっても、閾値算出部2cyは、閾値Vxth乃至Kzthを適切に算出することができる。
なお、パラメータαx1乃至αkz1、αx2乃至αkz2は、適用する式ごとに異なった値を設定してもよい。これにより、停車判定装置100は、統計量ごと又は加速度を取得する方向ごとにより適切に閾値を変動させることができる。
(変形例4)
これまでの閾値更新部2cの説明では、閾値更新部2cは、分散Vx、Vy、Vz及び尖度Kx、Ky、Kzに基づき閾値Vxth乃至Kzthを決定していた。これに代えて、閾値更新部2cは、エンジン暖機直後、即ち、搭載車両の起動後から定常状態に至るまでの各時刻で使用すべき適切な閾値Vxth乃至Kzthのテーブル(マップ)を参照することで、使用すべき閾値Vxth乃至Kzthを決定してもよい。この場合、上述のテーブルは、実験等に基づき作成され、データ記憶ユニット5等に予め記憶される。これによっても、閾値更新部2cは、適切に閾値Vxth乃至Kzthを決定し、停止判定を実行することができる。
(変形例5)
第1実施例及び変形例1の停車判定部2dの説明では、停車判定部2dは、分散Vx、Vy、Vz及び尖度Kx、Ky、Kzがそれぞれ式(7)乃至(9)及び式(13)乃至(15)を満たした場合、搭載車両が停止中であると認定した。しかし、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。
例えば、これに代えて、停車判定部2dは、上述の式のうち、所定個数以上の式を満たした場合、搭載車両が停止中であると認定してもよい。この場合、上述の所定個数は、実験等に基づき適切な値に設定される。
他の例では、停車判定部2dは、X軸方向の統計量のみ、又は、X軸方向の統計量に加えY軸方向の統計量若しくはZ軸方向の統計量の一方のみ、に基づき停車判定を実行してもよい。
(変形例6)
閾値更新部2cは、車種ごとに閾値Vxth乃至Kzthの変動を変えてもよい。具体的には、閾値更新部2cは、搭載車両の車種に基づき予め決定されたパラメータαx1乃至αkz4をデータ記憶ユニット5に予め保持しておき、これらを用いて閾値Vxth乃至Kzthを定める。他の例では、閾値更新部2cは、入力部3からの外部入力を受け付けることで、パラメータαx1乃至αkz4を利用者に決定させる。以上のようにすることで、閾値更新部2cは、ディーゼルエンジンかガソリンエンジンかのエンジンの違い、サスペンションの硬さ、車高の違い等の車種ごとのばらつきを考慮し、閾値Vxth乃至Kzthを適切に変動させることができる。即ち、閾値更新部2cは、車種を考慮することで、閾値Vxth乃至Kzthをより車両の状態に応じた適切な値に追従させることができる。
(変形例7)
図1の説明では、停車判定装置100は、加速度センサ1から加速度Ax、Ay、Azを取得していた。しかし、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。例えば、これに代えて、停車判定装置100は、図示しない車速センサ等から得られた車速パルスに基づきこれらの加速度を算出してもよい。これによっても、本発明を好適に適用することができる。
(変形例8)
上述の更新最小値Vxminの説明では、一例として、更新最小値決定部2cxは、更新最小値Vxminを旧最小値VxOと新最小値VxNとの間に設定した。しかし、本発明が適用可能な更新最小値Vxminの設定方法は、これに限定されない。これによっても、好適に本発明を適用することができる。
(変形例9)
更新最小値決定部2cxは、第1実施例の説明及び変形例3に代えて、更新最小値Vxminを新最小値VxNに所定の係数を乗じることにより定めてもよい。即ち、上述の係数を「α」とすると、更新最小値決定部2cxは、以下の式(31)により更新最小値Vxminを決定する。
Vxmin=VxN×α 式(31)
なお、係数αは、1より小さい値に設定されてもよい。同様に、更新最小値決定部2cxは、更新最小値Vymin、Vzmin及び更新最大値Kxmin乃至Kzminについても上述の係数αと同一又は異なる所定の係数を乗じることにより定めてもよい。
(変形例10)
図3の説明では、更新最小値決定部2cxは、算出した更新最小値Vxminを旧最小値VxOに設定した。これに代えて、更新最小値決定部2cxは、更新最小値Vxminと旧最小値VxOとを独立して算出してもよい。具体的には、この場合、更新最小値決定部2cxは、新最小値VxNを旧最小値VxOに設定する。これによっても、本発明を好適に適用することができる。
(変形例11) 第1実施例及び上述の変形例では、更新最小値決定部2cxは、一例としてパラメータαx3乃至αkz3を0以上1以下の値に設定した。これに代えて、更新最小値決定部2cxは、パラメータαx3乃至αkz3を負値に設定してもよい。これによっても、本発明を好適に適用することができる。
同様に、図3の説明では、更新最小値決定部2cxは、一例としてパラメータαx2乃至αkz2を1以上2未満の値に設定した。しかし、本発明が適用可能なパラメータαx2乃至αkz2の設定はこれに限定されず、1以上2未満以外の値に設定されてもよい。
[第2実施例]
第2実施例では、システムコントローラ2は、第1実施例の処理に代えて、X軸方向の統計量に基づき停車判定を行うと共に、Y軸方向の統計量及びZ軸方向の統計量に基づき閾値を決定するためのパラメータαx2及びαx3を動的に変更する。このようにすることで、システムコントローラ2は、搭載車両の状態に応じて閾値をより適切な値に設定する。以後では、第2実施例の具体的な処理内容を説明した後、処理フロー及び第2実施例の各変形例について順に説明する。
第2実施例でシステムコントローラ2が実行する処理について図6を用いて説明する。図6は、第2実施例に係る停車判定装置100の機能ブロックを示す図の一例である。図6に示すように、システムコントローラ2は、第1実施例と同様、加速度取得部2aと、統計量算出部2bと、閾値更新部2cと、停車判定部2dと、を備える。以下、これらの各要素が実行する処理について説明する。
まず、加速度取得部2aは、第1実施例と同様、加速度センサ1から加速度Ax、Ay、Azを取得し、これらを統計量算出部2bへ供給する。
次に、統計量算出部2bは、第1実施例と同様、サンプリング時間幅Twごとに、加速度取得部2aから供給される加速度Ax、Ay、Azに基づき、分散Vx、Vy、Vzを算出する。そして、統計量算出部2bは、停車判定部2dへ分散Vxを供給すると共に、閾値更新部2cへ分散Vx、Vy、Vzを供給する。
次に、閾値更新部2cが実行する処理について説明する。閾値更新部2cは、分散Vx、Vy、Vzに基づき、閾値Vxthを更新する。閾値更新部2cは、更新最小値決定部2cxと、閾値算出部2cyと、パラメータ決定部2czと、を備える。以下、これらが実行する処理について具体的に説明する。
パラメータ決定部2czは、統計量算出部2bから供給される分散Vy、Vzに基づき、パラメータαx2、αx3を変更する。なお、パラメータαx2、αx3の初期値は、実験等に基づき適切な値に設定され、データ記憶ユニット5等に予め記憶されているものとする。
この処理の具体例について説明する。例えば、パラメータ決定部2czは、分散Vy及び分散Vzが大きいほど、パラメータαx2又は/及びパラメータαx3を変化させる。即ち、分散Vy及び分散Vzが大きい場合、パラメータ決定部2czは、エンジン等の暖機状態が未だ過渡期にあると判断し、パラメータαx2、αx3を変化させることにより閾値Vxthを緩やかに下げるか一時的に上昇させる。パラメータ決定部2czは、例えば、予め実験等に基づき作成されたマップまたは式を用いて上述の処理を実行する。このマップ又は式は、実験等に基づき作成され、データ記憶ユニット5に予め記憶される。
上述の例を言い換えると、パラメータ決定部2czは、分散Vy及び分散Vzが小さいほど、パラメータαx2又は/及びパラメータαx3を下げる。即ち、分散Vy及び分散Vzが小さい場合、パラメータ決定部2czは、搭載車両が定常状態へ遷移していると判断し、閾値Vxthの下げ幅を上げる又は上げ幅を下げる。
そして、パラメータ決定部2czは、決定したパラメータαx3を更新最小値決定部2cxに供給すると共に、パラメータαx2を閾値算出部2cyへ供給する。以上のように、パラメータ決定部2czは、パラメータαx2、αx3を分散Vy、Vzに基づき動的に変更することで、搭載車両の状態に応じてより的確に閾値Vxthを決定することができる。
次に、更新最小値決定部2cxが実行する処理について説明する。更新最小値決定部2cxは、統計量算出部2bから供給される分散Vx及びパラメータ決定部2czから供給されるパラメータαx3に基づき、更新最小値Vxminを決定する。具体的には、第1実施例と同様、更新最小値決定部2cxは、旧最小値VxOよりも分散Vxが小さい場合には、分散Vxを新最小値VxNとして設定する。そして、更新最小値決定部2cxは、新最小値VxNが設定された場合、式(1)を用いて、パラメータ決定部2czから供給されるパラメータαx3に基づき更新最小値Vxminを更新する。このとき、更新最小値Vxminは、パラメータαx3により、エンジンの状態等に応じてその変動幅が適切に設定される。
次に、閾値算出部2cyが実行する処理について説明する。閾値算出部2cyは、更新最小値決定部2cxから供給される更新最小値Vxminと、パラメータ決定部2czから供給されるパラメータαx2と、に基づき、閾値Vxthを更新する。具体的には、閾値算出部2cyは、式(4)を用いて、閾値Vxthを定める。このとき、閾値Vxthは、パラメータαx3により、エンジンの状態等に応じてその変動幅が適切に設定される。そして、閾値算出部2cyは、更新した閾値Vxthを停車判定部2dへ供給する。
また、更新最小値決定部2cx、閾値算出部2cy、及びパラメータ決定部2czは、算出した閾値Vxthがパラメータαx5以下になった場合、処理を停止する。即ち、この場合、更新最小値決定部2cx、閾値算出部2cy、及びパラメータ決定部2czは、エンジンの暖機等が完了し、搭載車両が定常状態になったと判断し、閾値の更新処理を停止する。このようにすることで、更新最小値決定部2cx及び閾値算出部2cyは、不要な処理を防ぎ、消費電力を抑制し、CPU22等のハードウェア資源を効率よく使用することができる。
次に、停車判定部2dが実行する処理について説明する。停車判定部2dは、統計量算出部2bから供給された分散Vxが閾値Vxthより小さい場合、搭載車両が停止していると判定する。即ち、停車判定部2dは、式(7)が成立する場合、搭載車両が停止していると判定する。一方、停車判定部2dは、式(7)が成立しない場合、搭載車両が走行中であると判定する。
以上のように、システムコントローラ2は、X軸方向の統計量に基づき停車判断を行うと共に、Y軸方向及びZ軸方向の統計量に基づき閾値Vxthを決定するためのパラメータαx2、αx3を動的に変更する。このようにすることで、システムコントローラ2は、搭載車両の状態に応じて閾値Vxthを適切に設定し、より確実に搭載車両の停止判定を実行することができる。
(処理フロー)
次に、第2実施例でシステムコントローラ2が実行する処理手順について図7を用いて説明する。図7は、第2実施例でシステムコントローラ2が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。システムコントローラ2は、図7に示すフローチャートの処理を、所定の周期に従い繰り返し実行する。
まず、システムコントローラ2は、サンプリング時間幅Twにわたり、X軸方向の加速度Ax、Y軸方向の加速度Ay、Z軸方向の加速度Azを取得する(ステップS201)。
次に、システムコントローラ2は、分散Vx、Vy、Vzを算出する(ステップS202)。具体的には、システムコントローラ2は、ステップS201でサンプリング時間幅Twにわたり取得した加速度Ax、Ay、Azに基づきこれらの統計量を算出する。
そして、システムコントローラ2は、分散Vy、Vzに基づきパラメータαx2、αx3を変更する(ステップS203)。これにより、システムコントローラ2は、車両の状態をパラメータαx2、αx3に適切に反映させる。
そして、システムコントローラ2は、分散Vx及びパラメータαx3に基づき、更新最小値Vxminをそれぞれ算出する(ステップS204)。具体的には、システムコントローラ2は、分散Vxがそれぞれ旧最小値VxOよりも小さい場合、これを新最小値VxNとして設定し、式(1)に基づき更新最小値Vxminを更新する。
次に、システムコントローラ2は、更新最小値Vxminから閾値Vxthを更新する(ステップS205)。具体的には、システムコントローラ2は、式(4)に基づき閾値Vxthを更新する。
そして、システムコントローラ2は、分散Vxが閾値Vxthより小さいか否か判定する(ステップS206)。即ち、システムコントローラ2は、式(7)が成立するか否か判定する。
そして、分散Vxがそれぞれ閾値Vxthより小さい場合(ステップS206;Yes)、システムコントローラ2は、停止中であると判定する(ステップS207)。一方、分散Vxが閾値Vxth以上の場合(ステップS206;No)、システムコントローラ2は、走行中であると判定する(ステップS208)。
(変形例1)
第1実施例の(変形例1)は、第2実施例にも適用することができる。
例えば、統計量算出部2bは、尖度Kxを算出し、閾値更新部2cは(変形例1)と同様に閾値Kxthを更新する。このとき、パラメータαx2、αkx2、αx3、αkx3は、パラメータ決定部2czによりそれぞれ適宜調整される。そして、停車判定部2dは、尖度Kxが閾値Kxthより大きく、かつ、分散Vxが閾値Vxthより小さい場合、停車中であると判断する。
他の例では、統計量算出部2bは、上述の例に加えて、尖度Ky、Kzを算出する。そして、パラメータ決定部2czは、尖度Ky及び尖度Kzが小さいほど、エンジン等の暖機状態が未だ過渡期にあると判断し、パラメータαx2、αkx2又は/及びパラメータαx3、αkx3を減少させることで各閾値の下げ幅を上げるか上げ幅を下げる。言い換えると、パラメータ決定部2czは、尖度Ky及び尖度Kzが大きいほど、搭載車両が定常状態へ遷移していると判断し、パラメータαx2、αkx2又は/及びパラメータαx3、αkx3を減少させることで各閾値の上げ幅を上げるか下げ幅を下げる。
(変形例2)
第1実施例の(変形例2)及び(変形例3)は、第2実施例にも適用することができる。即ち、システムコントローラ2は、パラメータαx2、αkx2に代えてパラメータαx1、αkx1を使用してもよく、又は/及び、パラメータαx3、αkx3に代えてパラメータαx4、αkx4を使用してもよい。これらの場合であっても、パラメータ決定部2czは、分散Vy、Vz又は/及び尖度Ky、Kzに基づき、パラメータαx1、αkx4のうち、使用されるパラメータを変更する。これによっても、好適に本発明を適用することができる。
(変形例3)
第1実施例の(変形例6)は、第2実施例にも適用することができる。即ち、閾値更新部2cは、車種ごとに閾値Vxth、Kxthの変動を変えてもよい。具体的には、閾値更新部2cは、搭載車両の車種に基づき予め決定されたパラメータαx1乃至αkx4の初期値をデータ記憶ユニット5に予め保持しておき、これらを用いて閾値Vxth、Kxthを定める。他の例では、閾値更新部2cは、入力部3からの入力を受け付けることで、パラメータαx1乃至αkx4の初期値を利用者に決定させる。以上のようにすることで、閾値更新部2cは、車種ごとに閾値Vxth乃至Kzthを適切に変動させることができる。
(変形例4)
第1実施例の(変形例7)乃至(変形例11)は、第2実施例にも適用することができる。即ち、この場合、停車判定装置100は、第2実施例に代えて、又はこれに加えて、(変形例7)乃至(変形例11)に記載の処理を任意に組み合わせて実行する。これらによっても、本発明を好適に適用することができる。
(変形例5)
上述のパラメータ決定部2czの説明では、パラメータ決定部2czは、Y軸方向及びZ軸方向の統計量に基づきパラメータαx1乃至αkx4を適切に変動させていた。しかし、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。
これに代えて、システムコントローラ2は、X軸方向及びY軸方向及びZ軸方向の統計量の変化に基づき所定時間幅での走行時間の割合(走行比率)を推定し、走行比率が大きいほど、パラメータαx1乃至αkx4を小さく設定してもよい。上述の所定時間幅は、実験等に基づき適切に設定される。即ち、この場合、システムコントローラ2は、例えば、第1実施例と同様の方法により、所定時間幅にわたる走行比率を推定する。この走行比率は、例えば、上述の所定時間幅にわたり停車判定部2dが停止中か否か判断した時間幅に対する走行中と判断した時間幅の割合とする。そして、システムコントローラ2は、例えば予め作成された所定のマップ又は式に基づき、走行比率が大きいほど、パラメータαx1乃至αkx4を小さく設定する。上述のマップ又は式は、例えば実験等に基づき作成され、データ記憶ユニット5内に記憶される。
これについて補足説明する。一般に、走行比率が高いときに、新最小値又は新最大値が新たに設定されて閾値が変更される場合は、エンジンの状態が定常状態に急速に収束する方向に遷移していると判断される。従って、システムコントローラ2は、走行比率が大きい場合には、閾値の変動度合を決定するパラメータαx1乃至αkx4を小さくすることで、エンジン状態に合わせて閾値の学習速度を上げる。これにより、システムコントローラ2は、エンジンの状態に合わせて、閾値を早期に収束させることができる。
本発明は、PND(Personal Navigation Device)などのナビゲーション装置、その他携帯可能な端末(ポータブルデバイス)に好適に適用することができる。また、本発明は、運転者の運転評価及び燃費が良い運転であるか否かを判断するエコ診断を実行する機器等に適用することもできる。いずれの場合であっても、本発明を適用した機器は、加速度センサのみに基づき停車中か否かを的確に判断することができる。
1 加速度センサ
2 システムコントローラ
3 入力装置
4 出力装置
5 データ記憶ユニット
21 インタフェース
22 CPU
23 ROM
24 RAM
100 停車判定装置
請求項1に記載の発明では、車両の前後方向、側面方向、及び上下方向の加速度を取得する加速度取得手段と、所定時間幅にわたる前記前後方向、前記側面方向、及び前記上下方向の加速度の統計量を算出する統計量算出手段と、前記統計量算出手段が算出した前記前後方向の統計量と、当該統計量の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定手段と、前記側面方向及び上下方向の統計量に基づき前記閾値を更新する閾値更新手段と、を備える。
請求項に記載の発明は、車両の前後方向、側面方向、及び上下方向の加速度を取得する加速度取得工程と、所定時間幅にわたる前記前後方向、前記側面方向、及び前記上下方向の加速度の統計量を算出する統計量算出工程と、前記統計量算出工程が算出した前記前後方向の統計量と、当該統計量の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定工程と、前記側面方向及び上下方向の統計量に基づき前記閾値を更新する閾値更新工程と、を備える。
請求項に記載の発明は、コンピュータにより実行される停車判定プログラムであって、車両の前後方向、側面方向、及び上下方向の加速度を取得する加速度取得手段と、所定時間幅にわたる前記前後方向、前記側面方向、及び前記上下方向の加速度の統計量を算出する統計量算出手段と、前記統計量算出手段が算出した前記前後方向の統計量と、当該統計量の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定手段と、前記側面方向及び上下方向の統計量に基づき前記閾値を更新する閾値更新手段、として前記コンピュータを機能させる。

Claims (12)

  1. 車両の加速度を取得する加速度取得手段と、
    所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出手段と、
    前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定手段と、
    前記閾値を更新する閾値更新手段と、
    を備えることを特徴とする停車判定装置。
  2. 前記加速度取得手段は、前記車両の前後方向、側面方向、及び上下方向の加速度を取得し、
    前記統計量算出手段は、前記前後方向、前記側面方向、及び前記上下方向の加速度の統計量を算出し、
    前記停車判定手段は、前記統計量算出手段が算出した前記前後方向の統計量と、当該統計量の閾値とに基づき、前記車両は停車中であると判定し、
    前記閾値更新手段は、前記側面方向及び上下方向の統計量に基づき前記閾値を更新することを特徴とする請求項1に記載の停車判定装置。
  3. 前記加速度取得手段は、前記車両の前後方向、側面方向、及び上下方向の加速度を取得し、
    前記統計量算出手段は、前記前後方向、前記側面方向、及び前記上下方向の加速度の統計量を算出し、
    前記停車判定手段は、前記統計量算出手段が算出した各方向の統計量と、当該統計量の閾値とに基づき、前記車両は前記車両が停車中であると判定し、
    前記閾値更新手段は、前記閾値を更新することを特徴とする請求項1に記載の停車判定装置。
  4. 前記統計量は、前記加速度のばらつき値であり、
    前記停車判定手段は、前記ばらつき値と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の停車判定装置。
  5. 前記ばらつき値は、分散及び尖度であり、
    前記停車判定手段は、前記統計量算出手段が算出した分散が所定の閾値よりも下回った場合、かつ、前記統計量算出手段が算出した尖度が所定の閾値よりも上回った場合、前記車両は停止中であると判定することを特徴とする請求項4に記載の停車判定装置。
  6. 前記閾値更新手段は、前記閾値が第1パラメータに達した場合、前記閾値の更新処理を停止することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の停車判定装置。
  7. 前記ばらつき値は分散を含み、
    前記閾値更新手段は、過去に算出された前記分散の最小値を第2パラメータに基づき変動させた旧最小値を保持し、新たに算出された前記分散が前記旧最小値よりも小さい場合、当該分散と前記第2パラメータとに基づき新たに旧最小値を更新すると共に、前記閾値を当該旧最小値と第3パラメータとに基づき新たに設定する請求項4乃至6のいずれか一項に記載の停車判定装置。
  8. 前記閾値更新手段は、前記統計量算出手段が算出した前記側面方向及び前記上下方向の分散が大きい程、前記第2パラメータ又は/及び前記第3パラメータを、前記閾値を上げる方向又は下げる度合を小さくする方向に調整する請求項7に記載の停車判定装置。
  9. 前記閾値更新手段は、前記停車判定手段に基づく所定時間幅にわたる走行比率が大きい程、前記第2パラメータ又は/及び前記第3パラメータを、前記閾値を下げる方向又は上げる度合を小さくする方向に調整する請求項7に記載の停車判定装置。
  10. 車両の加速度を取得する加速度取得工程と、
    所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出工程と、
    前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停止判定工程と、
    前記閾値を更新する閾値更新工程と、
    を備えることを特徴とする停車判定方法。
  11. コンピュータにより実行される停車判定プログラムであって、
    車両の加速度を取得する加速度取得手段と、
    所定時間幅にわたる前記加速度の統計量を算出する統計量算出手段と、
    前記統計量と所定の閾値とに基づき、前記車両が停車中であるか否か判定する停車判定手段と、
    前記閾値を更新する閾値更新手段、
    として前記コンピュータを機能させることを特徴とする停止判定プログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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