JPWO2011001897A1 - 難治性のc型慢性肝炎の治療のための薬剤及び方法 - Google Patents

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Abstract

22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFNとの組み合わせを、有効量で投与することにより、難治性のC型慢性肝炎であっても、効果的かつ安全に治療しうることを見いだした。

Description

本発明は、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとインターフェロンとを有効成分として組み合わせ、有効量で投与される、難治性のC型慢性肝炎の治療のための薬剤、及び該薬剤を用いた難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法に関する。
国内のC型肝炎ウイルス(HCV)の持続感染者は約150万〜200万人と推計され、その多くは、慢性肝炎の症状を呈しているC型慢性肝炎と推定されている。HCV感染者の80〜90%は肝組織所見からみればC型慢性肝炎であり、これら感染者の50〜60%は慢性肝炎から肝硬変・肝細胞癌へと進展する可能性がある。肝癌はHCVの感染に起因するものが多くを占め、肝癌の死亡者数は年間約3万人になる。一方、諸外国では国毎に差異があるものの、米国では410万人(320万人が慢性肝炎)が、欧州では約900 万の人々がHCVに感染していると推定されており、C型肝炎は世界的にも重要な医療上の問題となっている。C型慢性肝炎の治療の対象となる患者はHCVに感染した患者である。HCVには、遺伝子型(Genotype)として主として1型から6型の6タイプがあり、特に、遺伝子型1型や遺伝子型2型は世界的にも広く分布していることが知られている(非特許文献1)。これら遺伝子型のタイプには、さらにサブタイプが存在し、この違いはHCVを構成するRNAの特定領域の塩基配列によって識別可能であり、そのHCV量の測定も可能となっている(非特許文献2)。
C型慢性肝炎の治療には、体内からのHCV除去を目的としてインターフェロン(IFN)が広く用いられている。IFNは、ウイルス感染時の自然免疫系で産生され、ウイルス複製を阻害する抗ウイルス活性を有する生理活性物質である。IFNは、高度に相同性を有する種特異的タンパク質であり、4つのクラスのIFNがヒトに存在していることが知られている。現在、医薬品として、IFNにポリエチレングリコール(PEG)を付加し体内での持続時間を延長したPEG化IFN(PEG−IFN)タイプのものを含むいくつかの異なるタイプのIFNαやIFNβがC型慢性肝炎に効果を示す薬剤として認可されている。
C型慢性肝炎におけるIFNの効果を左右する因子として、患者の血中のHCV量とHCVの遺伝子型が重要であることが知られている。患者の血中のHCV量が高ウイルス量(1Meq/mL、5.0LogIU/mL(100KIU/mL)あるいは300fmol/L 以上)である場合やHCVの遺伝子型が1型、特に遺伝子型1bでは最も効果が低いことが明らかとなっている(非特許文献3)。
現在、遺伝子型1bで且つ高ウイルス量のC型慢性肝炎患者に対して、PEG-IFNとリバビリンの48週間併用療法が標準療法となっており、最も効果が高いことが期待されている。しかしながら、遺伝子型1bで且つ高ウイルス量の患者は最も治療が難しく、その効果は約50%程度に留まっている(非特許文献3)。この理由として、標準療法に対して治療抵抗性を示す遺伝子型1bのウイルス側の要因の他、リバビリンで生ずる貧血等の副作用により、薬剤量の減量が必要となり、治療効果不十分のために治療中断や中止となることの影響が大きいと考えられている(非特許文献1,4)。標準療法における副作用の発現頻度は、ヘモグロビン減少は56.2〜84.9%、赤血球減少は52.6〜82.9%と高頻度であり、貧血がリバビリンの重大な副作用の筆頭に掲げられている(非特許文献5,6)。実際、リバビリンの減量や中断の率は60歳未満で31.1%、60歳以上では69.4%と高率である(非特許文献4)。このため、リバビリンを用いて治療する際には、治療開始前に、血中ヘモグロビン値が12g/dL以上であることを確認することが求められている。心疾患又は既往がない場合には、血中ヘモグロビン値が10g/dL未満で、リバビリン投与が減量となり、8.5g/dL未満で投与中止となる。一方、心疾患又は既往がある場合は、この基準に加え、さらに、治療開始前からヘモグロビン値が2g/dL以上低下した場合、あるいはヘモグロビン値が12g/dL未満となった場合に、リバビリン投与が減量又は中止となる(非特許文献5,6)。こうしてリバビリンの副作用を減少させるためにリバビリン投与を減量または中止すると、リバビリンの治療効果も低下するために治療効果が低くなる(非特許文献7)。また、近年既存の標準的な治療法では高齢者ほど治療効果が低いことが報告されている(非特許文献3)。現在使用可能な薬剤では治療が困難なC型慢性肝炎患者の存在は、医療上で解決すべく大きな課題となっている。我が国ではC型慢性肝炎患者の7割以上は遺伝子型1bの患者であり、高齢者の患者の割合も高い。
C型慢性肝炎患者に対する標準療法(IFNやPEG-IFNとリバビリンとの併用)による完治率(ウイルスが血中から完全に除去に至る最終治療効果が得られる確率)は、治療開始後の血中のHCV量が測定感度以下となる陰性化の時期や血中のHCV量の減少パターンを指標として、より詳細に推測することが可能である。
この指標においては、治療開始から4週時点で陰性化した症例を「RVR(Rapid Virological Response)」、治療開始から12週時点で血中のHCV量が投与前の100分の1(2Log)以下に低下した症例を「EVR(Early Virological Response)」に区分し、EVRは、さらに、12週時点で陰性化した症例を「cEVR(Complete Early Virological Response)」、陰性化には至らない症例を「pEVR(Partial Early Virological Response)」に区分する。また、治療開始から12週を超えて24週時点で陰性化した症例を「LVR(Late Virological Response)」、治療開始から12週時点では血中のHCV量が投与前の100分の1以下に低下したが24週時点で陰性化しなかった症例を「PR(Partial Responder」、治療開始から24週時点で陰性化しなかった症例を「NR(Non Responder)」、Non Responderのうち治療開始から24週時点でHCV量が投与前の100分の1以下に至らなかった症例を「Null Responder」と区分する(非特許文献8)。
これら区分と完治率との関係は、例えば、PEG-IFNとリバビリンの併用で、48週間治療した場合、遺伝子型1型で且つ高ウイルス量の患者における完治率は、RVR症例で90〜100%、cEVR症例で71〜75%、LVR症例で36〜45%であり、24週を超えて陰性化した症例では0〜2%であった(非特許文献7、9)。すなわち、遺伝子型1型で且つ高ウイルス量の患者は、特に、12週を超えて陰性化した場合には、標準療法による完治率が低い難治療患者である。
近年、C型慢性肝炎難治症例を含むC型慢性肝炎患者の治療薬として、HCVの増殖を直接に抑制する薬剤の研究が進められてきている。これら薬剤は、標準療法であるIFNとリバビリンの併用にさらに加えられ、3剤〜多剤の併用で用いられることを特徴としており、C型慢性肝炎難治症例を含むC型慢性肝炎患者において、HCVを体内から早期に除去することが期待されている。しかしながら、HCVの増殖を直接に抑制する薬剤は、HCVに薬剤抵抗性を生じさせること、薬剤固有の副作用により治療完遂ができないことなど、いまだ解決すべき課題が指摘されており、現在、C型慢性肝炎難治症例に対する薬剤として、通常で使用できるものは存在しない(非特許文献10)。また、高い治療効果を期待するには、リバビリンの併用が必要となるため、リバビリンによる副作用の問題は回避することができない。よって、難治性のC型慢性肝炎患者に対して、有効で、かつ安全性の高い薬剤が、医療上強く望まれている。
一方、肝細胞障害抑制効果をもつ22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールは、IFNと組み合わせることで相乗的な抗HCV活性を有することが報告されており、リバビリンを含まない2剤併用投与により、ウイルス性疾患の予防又は治療のための優れた薬剤となり得ることが期待されている(特許文献1)。
しかしながら、難治性のC型慢性肝炎患者を対象とした有効性や安全性については、これまで報告されていない。
国際公開第2008/004653号
「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)」,(米国),2001年,345巻,No1,p.41−52 「ジャーナル・オブ・クリニカル・マイクロバイオロジー(Journal of Clinical Microbiology)」,(米国),2006年,p.318−323 「B型,C型肝炎治療における新たな問題点」,メディカル・ジャーナル社,2008年,p.19−33 「ウイルス肝炎の新しい治療法」,メジカル・ビュー社,2008年,25巻,3号,p.76−81 「レベトールカプセル200mg」2007年2月改定(第7版)添付文書,シェリング・プラウ株式会社 「コペガス錠200mg」2007年7月改定(第4版)添付文書,中外製薬株式会社 「臨床薬理」肝胆膵,2004年,49巻(6),p.1099−1121 「ヘパトロジー(Hepatology)」,(米国),2009年,49巻,4号,p.1335−1374 「アンチバイラル・テラピー(Antiviral Therapy)」,(米国),2008年,13巻,p.9−16 「ネイチャー・レビュー(Nature Reviews)」,(米国),2007年,6号,p.991−1000
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、難治性のC型慢性肝炎患者に対して、有効でかつ副作用の少ない薬剤を提供することにある。さらなる本発明の目的は、このような薬剤を用いた、難治性のC型慢性肝炎の治療の方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFNとを有効成分として組み合わせ、有効量で投与することにより、難治性のC型慢性肝炎であっても、効果的に治療しうることを見いだした。特に、この組み合わせは、IFNとリバビリンとの併用による標準療法により、24週時点で血中のHCV量が陰性化に至ったが、その後、再発するに至った患者に対して、優れた効果を示した。また、IFNとリバビリンとの併用による標準療法において、24週時点で血中のHCV量が陰性化に至らず、24週以降に血中のHCV量が陰性化に至ったが、その後、再発し血中のHCV量が高ウイルス量に至った、あるいは24週以降も陰性化に至らず、血中のHCV量が高ウイルス量である、さらに難治性の患者に対しても、優れた効果を示した。さらに、本発明者は、この組み合わせを投与した場合、標準療法と比較して、貧血の原因となる血中のヘモグロビンの低下を防止させることを見出した。
即ち、本発明者は、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFNとを有効成分として組み合わせた医薬が、難治性のC型慢性肝炎に有効で、しかも、安全性にも優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、より詳しくは、以下の発明を提供するものである。
(1) 22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとインターフェロンとの組み合わせを有効成分とする、難治性のC型慢性肝炎の治療のための薬剤。
(2) 血中のC型肝炎ウイルスが遺伝子型1bである患者を対象とする、(1)に記載の薬剤。
(3) 血中のC型肝炎ウイルス量が高ウイルス量である患者を対象とする、(2)に記載の薬剤。
(4) インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤と、(1)に記載の薬剤との組み合わせであって、
(a)難治性のC型慢性肝炎患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
(b)患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、その投与後12週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合に、(1)に記載の薬剤が投与される、
ことを特徴とする組み合わせ。
(5) 患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、12週から24週において陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合に、(1)に記載の薬剤が投与される、(4)に記載の組み合わせ。
(6) インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤と、(1)に記載の薬剤との組み合わせであって、
(a)難治性のC型慢性肝炎患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
(b)患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、その投与後24週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合、あるいはその投与後24週を超えても陰性化しない場合に、(1)に記載の薬剤が投与される、
ことを特徴とする組み合わせ。
(7) インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤と、(1)に記載の薬剤との組み合わせであって、
(a)難治性のC型慢性肝炎患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
(b)その後、患者の血中のC型肝炎ウイルス量が減少した場合であって、かつ、患者の血中のヘモグロビン値が低値の場合に、(1)に記載の薬剤が投与される、
ことを特徴とする組み合わせ。
(8) 22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとインターフェロンとの組み合わせを、有効量投与することを含む、難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法。
(9) 血中のC型肝炎ウイルスが遺伝子型1bである患者を対象とする、(8)に記載の方法。
(10) 血中のC型肝炎ウイルス量が高ウイルス量である患者を対象とする、(9)に記載の方法。
(11) 難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法であって、
(a)患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
(b)患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、その投与後12週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合に、(1)に記載の薬剤が投与される、
ことを特徴とする方法。
(12) 患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、12週から24週において陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、(11)に記載の方法。
(13) 難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法であって、
(a)患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
(b)患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、その投与後24週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合、あるいはその投与後24週を超えても陰性化しない場合に、(1)に記載の薬剤が投与される、
ことを特徴とする方法。
(14) 難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法であって、
(a)患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
(b)その後、患者の血中のC型肝炎ウイルス量が減少した場合であって、かつ、患者の血中のヘモグロビン値が低値の場合に、(1)に記載の薬剤が投与される、
ことを特徴とする方法。
本発明により、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFNとを有効成分とする難治性のC型慢性肝炎の治療のための薬剤、及び該薬剤を用いた難治性のC型慢性肝炎の治療の方法が提供された。22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFNとを有効成分とする本発明の薬剤は、難治性のC型慢性肝炎に対して、優れた効果を示した。また、本発明の薬剤による治療では、標準療法における貧血という副作用の問題が顕著に抑制されていた。本発明によれば、難治性のC型慢性肝炎患者を対象として、有効性と安全性を兼ね備えた医療を行うことが可能となる。
図1は、リバビリンとPEG−IFNの併用による標準療法と、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG−IFNの併用による本発明の療法における、12週間までの血中ヘモグロビン値の変化を示す図である。 図2は、リバビリンとPEG−IFNの併用による標準療法と、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG−IFNの併用による本発明の療法における、24週間までの血中ヘモグロビン値の変化を示す図である。
本発明は、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFNとの組み合わせを有効成分とする、難治性のC型慢性肝炎の治療のための薬剤、及び、この組み合わせを、有効量で投与することを含む、難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法を提供する。
本発明において、「C型慢性肝炎」とは、C型肝炎ウイルスが持続的に肝臓に感染して起こる肝臓の炎症性の疾患で、6ヶ月以上の感染が持続しているC型肝炎を意味する。また、「難治性のC型慢性肝炎」とは、IFNとリバビリンの組み合わせによる標準療法によっては完治が困難なタイプのC型慢性肝炎を意味する。典型的には、血中のC型肝炎ウイルスは遺伝子型1bであり、より典型的には高ウイルス量の患者である。ここで「高ウイルス量」とは、血中のウイルス量が1Meq/mL以上、5.0LogIU/mL(100KIU/mL)以上、及び300fmol/L以上、のいずれかの基準を満たす場合を意味する。血中のC型肝炎ウイルス量が高ウイルス量の患者は、標準療法による治療開始後、12週を超えて、血中ウイルス量が陰性化した場合には、完治率が低いという特徴を有する。また、標準療法による治療開始後、24週時点で血中のHCV量が陰性化に至らず、24週以降に血中のHCV量が陰性化に至ったが、その後、再発し血中のHCV量が高ウイルス量に至った患者、あるいは24週以降も陰性化に至らず、血中のHCV量が高ウイルス量である患者は、完治率が特に低いという特徴を有する。
一方、血中ヘモグロビン値が低値の場合には、リバビリンを含む標準治療が開始あるいは達成できず、血中ウイルス量が陰性化しないという特徴を有する。ここで「ヘモグロビン値が低値の場合」とは、一般的には、ヘモグロビン値が、10g/dL未満である場合を意味する。但し、心疾患又はその既往歴がある場合における「ヘモグロビン値が低値の場合」には、10g/dL以上であっても、リバビリンを含む標準治療の開始後、2g/dL以上低下した状態が継続した場合(例えば、4週間以上継続した場合)、及び、10g/dL未満であるため標準療法におけるリバビリン投与量を減量したが、その後12g/dL未満である状態が継続した場合(例えば、4週間以上継続した場合)をも含む意味である。
本発明の薬剤の有効成分として用いられる「22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオール」は公知化合物であり、例えば、WO97/03088号公報の実施例22(化合物27)に記載の方法により得ることができる。22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールは、通常、例えば、カプセル剤、マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、粉末等、慣用の医薬製剤の形で経口投与することができる。また、静注、筋注等の注射剤等、慣用の医薬製剤の形で非経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、腹腔内投与、直腸投与、経皮投与)投与することもできる。各種製剤は、通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などの薬学的に許容される添加剤を用いて常法により製造することができる。上記の具体的な添加剤の例としては、例えば、乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
本発明の薬剤における22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールの剤形、投与方法、投与量、投与期間、投与間隔、投与経路等は、例えば、患者の体重、年齢、血中ウイルス量、症状の程度等によって適宜設定することができ、IFNとの併用により抗ウイルス作用が奏効する範囲内であれば特に制限はない。例えば、1日1〜1000mgを1回あるいは複数回に分けて、経口又は非経口投与される。好ましくは1日25〜800mgを2回に分けて経口又は非経口投与する。
本発明の薬剤の有効成分として用いる「インターフェロン」としては、天然型IFNα(スミフェロン:大日本住友製薬社製など)、IFNα−2a、IFNα−2b(イントロンA:シェリング・プラウ社製)、PEG−天然型IFNα、PEG−IFNα−2a(ペガシス:ロシュ社製・中外製薬社製)、PEG−IFNα−2b(ペグイントロンA:シェリング・プラウ社製)、天然型IFNβ(IFNβモチダ:持田製薬社製、フェロン:東レ社製)、PEG−IFNβ、天然型IFNγ、コンセンサスIFN(アドバフェロン:アステラス製薬社製など)若しくはPEG化コンセンサスIFN、長時間型IFNなどの治療に用いられるIFN誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、IFNα−2bやIFNα−2aであり、より好ましくは、PEG化されたものである。
本発明の薬剤におけるIFNの剤型、投与方法、投与量、投与期間、投与間隔、投与経路等は、例えば、患者の体重、年齢、血中ウイルス量、症状の程度等によって適宜設定することができ、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとの併用により抗ウイルス作用が奏効する範囲内であれば特に制限はない。国内の治療ガイドラインでは、遺伝子型1bで高ウイルス量の症例の場合、PEG−IFNとリバビリンの併用の48週間投与が基本とされているが、一部症例に対しては治療効果を上げるため72週間まで延長投与も選択可能となっている。本発明の薬剤におけるIFNの投与期間は、必ずしもこのガイドラインに沿った期間に限定されるものではなく、投与するIFNの種類や剤型によって適宜変更することができる。また、IFNは、通常、皮下、静脈内、または筋肉内に投与するが、医療上有効である限り、他の非経口的方法(例えば、鼻スプレー、経皮、坐薬等による)や経口用IFNを用いた経口的方法であってもよい。例えば、通常、IFNは1日600〜1000万単位を、2週〜8週連日投与後、22週〜46週間歇投与する。また、PEG−IFNα−2aでは180μg/人、PEG−IFNα−2bでは1.5μg/kgを週1回皮下投与で48週以上連続して投与する。
本発明の薬剤における22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールと、IFNとの組み合わせは、難治性のC型慢性肝炎の治療に有効である限り、特に制限はない。例えば、IFNは1週間当たりPEG−IFNα−2aの180μgあるいはPEG化IFNα−2bの1.5μg/kgであり、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールの用量は1日1mg〜1000mgの範囲内から適宜決められるが、1日25mg〜800mgを投与する。22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFN各々の適切な投与量や投与間隔は、制御された臨床試験により決定され得る。
本発明の薬剤は、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールと、IFNとを併用投与するものであるが、本発明における「併用」には、それぞれの単独製剤の形態で同時に又は時間差をおいて投与することを包含する。また、各成分の投与回数は同じであっても異なっていてもよい。従って、本発明の薬剤は、2種の有効成分を1つの組成物中に含む1剤系の薬剤であってもよいし、2種の有効成分を別々の組成物中に含む2剤系の薬剤であってもよい。
本発明の薬剤は、患者への標準療法(IFNとリバビリンとの組み合わせ)の適用後に、投与することもできる。本発明の薬剤のこの投与態様においては、まず、患者に、IFNとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、IFNとリバビリンとの組み合わせの効果によって投与後12週を超えて陰性化した場合であって、かつ、陰性化した後に高ウイルス量となった場合に、本発明の薬剤が投与される。また、患者に、IFNとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、IFNとリバビリンとの組み合わせの効果によって投与後24週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合、あるいはその投与後24週を超えても陰性化しない場合にに、本発明の薬剤が投与される。また、IFNとリバビリンとの組み合わせの効果によって患者の血中のC型肝炎ウイルス量が減少するが、患者の血中のヘモグロビン値が低値のため(貧血等の副作用のため)、標準の投与量の投与継続が困難の場合に、本発明の薬剤が投与される。ここで「ヘモグロビン値が低値の場合」とは、一般的には、ヘモグロビン値が、10g/dL未満である場合を意味する。但し、心疾患又はその既往歴がある患者における「ヘモグロビン値が低値の場合」には、10g/dL以上であっても、リバビリン投与開始後、2g/dL以上低下した状態が継続した場合(例えば、4週間以上継続した場合)、及び、10g/dL未満であるため標準療法におけるリバビリン投与量を減量したが、その後12g/dL未満である状態が継続した場合(例えば、4週間以上継続した場合)をも含む意味である。本発明の薬剤の投与対象となる患者は、好ましくは、IFNとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与された後、12週から24週に血中のC型肝炎ウイルス量が陰性化し、かつ、陰性化後に高ウイルス量となった患者、IFNとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与された後、24週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった患者、あるいはIFNとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤の投与後24週を超えても陰性化しない患者である。本発明の薬剤は、このように標準療法との組み合わせで、患者に適用することも可能である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1] C型慢性肝炎難治症例(LVR症例)における22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG−IFNによる抗ウイルス作用の検討
遺伝子型1bのHCVに感染しC型慢性肝炎となり、遺伝子型1bで且つ高ウイルス量のC型慢性肝炎の標準治療であるPEG−IFNとリバビリンの48週の併用療法を施行し、12週時点で血中HCV量が陰性化に至らず24週時点で血中のHCV量が陰性化に至った(LVR症例)が、その後、再発し血中のHCV量が高ウイルス量に至ったC型慢性肝炎難治症例の患者21名(男性9名、女性12名)を対象とした。対象患者には、25mgまたは400mgの22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールを含む細粒剤を1日2回経口投与し、かつ、PEG−IFNα−2a(ペガシス:ロシュ社製・中外製薬社製)を180μg/週で皮下投与し、これを12週間続けた(以下、それぞれ「50mg/日投与群」、「800mg/日投与群」と記す)。投与前および12週までの血中HCV量ならびに安全性(臨床検査値異常:血中ヘモグロビン値)の推移を検討した。血中HCV量の測定は、TaqMan(R)PCR法を用い、陰性化の基準は1.2LogIU/mL未満とした。
表1に、50mg/日投与群、800mg/日投与群の患者の背景を示した。両投与群全体の患者背景としては、性別は、男性が9名(42.9%)、女性が12名(57.1%)、年齢は、平均年齢59.1歳であり最少年齢35歳、最高年齢67歳であり、60歳を基準とした場合では、60歳未満9名(42.9%)、60歳以上12名(57.1%)であった。投与前の患者の血中HCV量は、平均で6.37LogIU/mLであり、最小値5.00LogIU/mL、最大値7.20LogIU/mLであり、高ウイルス量の基準である5.00LogIU/mLを上回り、いずれも遺伝子型1bの感染患者であった。
Figure 2011001897
表2に12週時の血中HCV量の陰性化率を示した。前治療のPEG‐IFNとリバビリンの併用の標準療法では12週時の血中HCV量の陰性化率は0%であるのに対して、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG‐IFNα−2aの投与群全体では、57.1%が陰性化した。
Figure 2011001897
表3に、性別で分類した結果を示した。12週時の血中HCV量の陰性化率は、男性と女性でいずれも前治療での陰性化率の0%を顕著に上回った。
Figure 2011001897
表4に年齢で分類した結果を示した。12週時の血中HCV量の陰性化率は、60歳未満と60歳以上でいずれも前治療での陰性化率の0%を顕著に上回った。
Figure 2011001897
なお、25mgまたは400mgの22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールを含む細粒剤を1日2回経口投与し、かつ、PEG−IFNα−2a(ペガシス:ロシュ社製・中外製薬社製)を180μg/週で皮下投与した上記症例の中で、12週時までに血中のHCV量が陰性化に至り、その後、48週まで投与を継続した症例では、3例中2例が、投与期間の48週間、血中のHCV量の陰性化が継続した。この症例では、その後24週間の無治療期間の後でも再発することなく、完治に至った。
[実施例2] C型慢性肝炎難治症例(LVR症例)における22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG−IFNによる血中ヘモグロビン値への影響の検討
図1に、患者の血中のヘモグロビン値の変化を示した。前治療のPEG‐IFNとリバビリンの併用の標準療法では、投与5週(35日)までに血中ヘモグロビン値が平均値で11.0g/dL以下となる明らかな減少が見られたのに対して、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG‐IFNα−2aの投与では、いずれの用量でも平均値で12.0g/dL以下に至ることはなくヘモグロビン値の減少は明らかに軽度であった。
上記したように、リバビリンを用いた治療をする際には、治療開始前に、血中ヘモグロビン値が12g/dL以上であることを確認することが求められており、それ未満の場合には、投与されるリバビリンの減量又は中止の対象となる。しかしながら、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFNの併用する本発明の方法には、このようなヘモグロビンの減少が認められなかった。このため、治療を中断または断念する患者はいなかった。
[実施例3] C型慢性肝炎難治症例(NR症例)における22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG−IFNによる抗ウイルス作用の検討
遺伝子型1bのHCVに感染してC型慢性肝炎となり、特に難治性が高い、下記患者(計12名;男性7名、女性5名)を対象とした。
(1)遺伝子型1bで且つ高ウイルス量のC型慢性肝炎の標準治療であるPEG−IFNとリバビリンの48週の併用療法を施行し、24週時点で血中HCV量が陰性化に至らず、24週以降に血中のHCV量が陰性化に至ったが、その後、再発し血中のHCV量が高ウイルス量に至った患者(NR症例)
(2)治療開始から12週時点では血中のHCV量が投与前の100分の1以下に低下したが24週以降も陰性化に至らない患者(PR症例)であって、血中のHCV量が高ウイルス量である患者(NR症例)
これら対象患者(NR症例)には、25mgまたは400mgの22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールを含む細粒剤を1日2回経口投与し、かつ、PEG−IFNα−2a(ペガシス:ロシュ社製・中外製薬社製)を180μg/週で皮下投与し、これを24週間続けた(以下、それぞれ「50mg/日投与群」、「800mg/日投与群」と記す)。投与前および24週までの血中HCV量ならびに安全性(臨床検査値異常:血中ヘモグロビン値)の推移を検討した。血中HCV量の測定は、TaqMan(R)PCR法を用い、陰性化の基準は1.2LogIU/mL未満とした。
表5に、50mg/日投与群、800mg/日投与群の患者の背景を示した。両投与群全体の患者背景としては、性別は、男性が7名(58.3%)、女性が5名(47.1%)、年齢は、平均年齢58.3歳であり、最少年齢43歳、最高年齢69歳であり、60歳を基準とした場合では、60歳未満6名(50.0%)、60歳以上6名(50.0%)であった。投与前の患者の血中HCV量は、平均で6.66LogIU/mLであり、最小値5.30LogIU/mL、最大値7.40LogIU/mLであり、高ウイルス量の基準である5.00LogIU/mLを上回り、いずれも遺伝子型1bの感染患者であった。
Figure 2011001897
表6に24週時の血中HCV量の陰性化率を示した。前治療のPEG‐IFNとリバビリンの併用の標準療法では24週時の血中HCV量の陰性化率は0%であるのに対して、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG‐IFNα−2aの投与群全体では、50.0%が陰性化した。
Figure 2011001897
表7に、性別で分類した結果を示した。24週時の血中HCV量の陰性化率は、男性と女性でいずれも前治療での陰性化率の0%を顕著に上回った。
Figure 2011001897
表8に年齢で分類した結果を示した。24週時の血中HCV量の陰性化率は、60歳未満と60歳以上でいずれも前治療での陰性化率の0%を顕著に上回った。
Figure 2011001897
[実施例4] C型慢性肝炎難治症例(NR症例)における22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG−IFNによる血中ヘモグロビン値への影響の検討
図2に、患者の血中のヘモグロビン値の変化を示した。前治療のPEG‐IFNとリバビリンの併用の標準療法では、投与24週(168日)までに血中ヘモグロビン値が平均値で11.0g/dL程度となる明らかな減少が見られた。一方、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとPEG‐IFNα−2aの投与において、50mgの用量では平均値で12.0g/dL以下に至ることはなく、また800mgの用量では平均値で12.0g/dL以下に至ることはあるものの、これらの患者は治療開始前で平均値で14.0g/dL以下であり減少の程度は小さく、ヘモグロビン値の減少は軽度であった。
上記したように、リバビリンを用いた治療をする際には、治療開始前に、血中ヘモグロビン値が12g/dL以上であることを確認することが求められており、それ未満の場合には、投与されるリバビリンの減量又は中止の対象となる。しかしながら、22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとIFNの併用する本発明の方法では、800mgの用量でヘモグロビンの減少が認められたものの、軽微であったことから、治療を中断または断念する患者はいなかった。
本発明の薬剤は、血中のウイルス量(HCV‐RNA)が高ウイルス量を示すC型慢性肝炎患者、特に、血中のウイルス(HCV‐RNA)が遺伝子型1bであるC型慢性肝炎患者、あるいはIFNとリバビリンの組み合わせによる標準療法を適用後、再発したC型慢性肝炎患者、に対して高い治療の効果を示すことができる。また、本発明の薬剤による治療では、標準療法における貧血という副作用の問題が顕著に少ない。本発明の薬剤は、その高い有効性と安全性から、HCVの増殖を直接に抑制する薬剤などとの併用にも適しており、また、従来療法では治療が高度に困難なHCVサブタイプが出現した場合への適用も期待できる。

Claims (14)

  1. 22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとインターフェロンとの組み合わせを有効成分とする、難治性のC型慢性肝炎の治療のための薬剤。
  2. 血中のC型肝炎ウイルスが遺伝子型1bである患者を対象とする、請求項1に記載の薬剤。
  3. 血中のC型肝炎ウイルス量が高ウイルス量である患者を対象とする、請求項2に記載の薬剤。
  4. インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤と、請求項1に記載の薬剤との組み合わせであって、
    (a)難治性のC型慢性肝炎患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
    (b)患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、その投与後12週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、
    ことを特徴とする組み合わせ。
  5. 患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、12週から24週において陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、請求項4に記載の組み合わせ。
  6. インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤と、請求項1に記載の薬剤との組み合わせであって、
    (a)難治性のC型慢性肝炎患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
    (b)患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、その投与後24週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合、あるいはその投与後24週を超えても陰性化しない場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、
    ことを特徴とする組み合わせ。
  7. インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤と、請求項1に記載の薬剤との組み合わせであって、
    (a)難治性のC型慢性肝炎患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
    (b)その後、患者の血中のC型肝炎ウイルス量が減少した場合であって、かつ、患者の血中のヘモグロビン値が低値の場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、
    ことを特徴とする組み合わせ。
  8. 22β−メトキシオレアン−12−エン−3β,24(4β)−ジオールとインターフェロンとの組み合わせを、有効量投与することを含む、難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法。
  9. 血中のC型肝炎ウイルスが遺伝子型1bである患者を対象とする、請求項8に記載の方法。
  10. 血中のC型肝炎ウイルス量が高ウイルス量である患者を対象とする、請求項9に記載の方法。
  11. 難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法であって、
    (a)患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
    (b)患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、その投与後12週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、
    ことを特徴とする方法。
  12. 患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、12週から24週において陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、請求項11に記載の方法。
  13. 難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法であって、
    (a)患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
    (b)患者の血中のC型肝炎ウイルス量が、その投与後24週を超えて陰性化した場合であって、かつ、その陰性化後に高ウイルス量となった場合、あるいはその投与後24週を超えても陰性化しない場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、
    ことを特徴とする方法。
  14. 難治性のC型慢性肝炎の治療のための方法であって、
    (a)患者に、インターフェロンとリバビリンとの組み合わせを有効成分とする薬剤が投与され、
    (b)その後、患者の血中のC型肝炎ウイルス量が減少した場合であって、かつ、患者の血中のヘモグロビン値が低値の場合に、請求項1に記載の薬剤が投与される、
    ことを特徴とする方法。
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