JPWO2010146671A1 - 水銀除去システム及び水銀含有高温排ガスの水銀除去方法 - Google Patents

水銀除去システム及び水銀含有高温排ガスの水銀除去方法 Download PDF

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Abstract

本実施例に係る水銀除去システム10Aは、ボイラ11からの高温排ガス12中に含まれるNOx、Hgを除去する水銀除去システムであって、NH4Cl溶液14と、NH3溶液15と、HCl溶液16とを液状同士で混合し、混合した混合液17をボイラ11の下流の煙道18内に供給させる薬剤供給部19Aと、高温排ガス12中のNOxをNH3で還元すると共に、HCl共存下でHgを酸化する脱硝触媒を有する還元脱硝装置20と、還元脱硝装置20において酸化されたHgを石灰石膏スラリー24を用いて除去する湿式脱硫装置25と、を有する。

Description

本発明は、ボイラなどから排出される高温排ガス中に含まれる水銀を除去する水銀除去システム及び水銀含有高温排ガスの水銀除去方法に関する。
石炭焚き高温排ガスや重質油を燃焼した際に生じる高温排ガス中には、煤塵、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)のほか、金属水銀(Hg0)が含まれることがある。近年、NOxを還元する脱硝装置、および、アルカリ吸収液をSOx吸収剤とする湿式脱硫装置と組み合わせて、この金属水銀を処理する方法や装置について様々な考案がなされてきた。
高温排ガス中の金属水銀を処理する方法として、煙道内、高温の脱硝装置の前流工程でアンモニウム(NH3)を噴霧して還元脱硝すると共に、塩酸(HCl)等の塩素化剤を噴霧し、脱硝触媒上で水銀を酸化(塩素化)させ、水溶性の塩化水銀にした後、後流側に設置した湿式の脱硫装置で水銀を除去するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図11に従来の水銀除去システムを含む高温排ガス処理システムの概略図を示す。図11に示すように、水銀除去システムを含む高温排ガス処理システム100では、ボイラ101から排出されたNOx、Hgを含有する高温排ガス102は、還元脱硝装置103に供給され、NOxの還元を行なう。その後、高温排ガス102はエアヒータ104で熱交換により空気と熱交換され、熱回収器105で熱回収された後、集塵装置106に供給される。高温排ガス102は脱硫装置107で硫黄酸化物が除去された後、浄化ガス108として排出され、再加熱器109で加熱された後、煙突110より排出される。
また、還元脱硝装置103の前流にはNH3注入箇所111があり、NH3タンク112から供給されるNH3によって窒素酸化物の還元を行う。
また、煙道内の脱硫装置107の前流側に設置された塩化水素濃度計測手段113により水銀塩素化剤として用いられる塩化水素(HCl)の濃度を測定すると共に、脱硫装置107の後流側に設置された水銀濃度計測手段114により水銀濃度を測定する。測定されたHCl、Hgの濃度計測値に基づいて、塩化水素溶液タンク115より供給する塩化水素(HCl)水溶液116の供給量を演算部117により算出する。算出された上記初期濃度に基づいて、制御手段118により塩化水素溶液タンク115からHCl注入箇所119より煙道120内に供給される気化した塩化水素(HClガス)の供給量を制御する。
還元剤としてNH3、尿素((NH22CO)などを供給すると共に、水銀塩素化剤としてHClを供給することで、高温排ガス102中のNOxは、還元脱硝装置103に充填されている脱硝触媒上で、NH3は下記式(1)のようにNOxの脱硝反応が進行し、HClは下記式(2)のようにHgの酸化反応が進行する。
4NO+4NH3+O2 → 4N2+6H2O・・・(1)
Hg+1/2O2+2HCl → HgCl2+H2O・・・(2)
従来の方法では、還元剤、水銀塩素化剤の添加は、NH3ガス、HClガスとしてガス状で供給する方法の他に、NH4Cl溶液として液状で供給する方法が行なわれている。NH4Cl溶液として液状で供給する場合、NH4Clが解離することで、NH3ガス、HClガスを生成し、NH3ガスが還元剤として作用し、HClガスが水銀塩素化剤として作用する。
特開平10−230137号公報
しかしながら、還元剤、水銀塩素化剤をNH3ガス、HClガスとしてガス状で供給する場合、各々別個に例えば噴霧ノズルなどガスを供給する供給設備が2系列必要になる、という問題がある。
また、還元剤、水銀塩素化剤をNH4Cl溶液として液状で供給する場合、NH4Clが解離した場合、1molのNH4Clから生成するNH3ガスとHClガスは各々1molであり、NH3ガスとHClガスとの生成量比は制御できない。そのため、高温排ガス中のNOx、金属水銀Hg0のガス性状によって、NH3とHClの必要量の比率が1対1でない場合、NH3、HClの何れか一方が過剰または不足する、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、還元剤、水銀塩素化剤を任意の割合で同時に簡略な装置で供給することが可能な水銀除去システム及び水銀含有高温排ガスの水銀除去方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、ボイラからの高温排ガス中に含まれる窒素酸化物、水銀を除去する水銀除去システムであって、脱硝触媒で高温排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元する還元剤、塩化水素共存下で水銀を酸化する水銀塩素化剤、脱硝触媒で高温排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元すると共に、塩化水素共存下で水銀を酸化する還元酸化助剤の何れか二つ以上を液状同士又はガス状同士で混合し、前記ボイラの煙道内に供給させる薬剤供給部と、前記高温排ガス中の窒素酸化物をアンモニアで還元すると共に、塩化水素共存下で水銀を酸化する脱硝触媒を有する還元脱硝装置と、該還元脱硝装置において酸化された水銀をアルカリ吸収液を用いて除去する湿式脱硫装置と、を有してなることを特徴とする水銀除去システムにある。
第2の発明は、第1の発明において、前記還元剤、前記水銀塩素化剤及び前記還元酸化助剤が、液状物質であり、前記薬剤供給部より前記液状物質を少なくとも2以上混合した混合液を液体状で噴霧させることを特徴とする水銀除去システムにある。
第3の発明は、第2の発明において、前記還元酸化助剤がハロゲン化アンモニウムであることを特徴とする水銀除去システムにある。
第4の発明は、第2又は3の発明において、前記還元剤がアンモニア、又は尿素であることを特徴とする水銀除去システムにある。
第5の発明は、第2乃至4の何れか一つの発明において、前記水銀塩素化剤がハロゲン化水素であることを特徴とする水銀除去システムにある。
第6の発明は、第2乃至5の何れか一つの発明において、前記薬剤供給部が、前記液状物質を液体状で前記煙道内に供給する薬剤供給管と、前記煙道内に前記薬剤供給管を囲うように挿入され、内部に供給された空気を前記煙道内に噴射させる噴射孔を有する吹き込み管と、前記薬剤供給管の先端部に取り付けられ、前記液状物質を噴射する噴射ノズルとを有し、前記液状物質を前記空気と同伴させて前記煙道内に噴霧させることを特徴とする水銀除去システムにある。
第7の発明は、第6の発明において、前記噴射ノズルが、前記液状物質と、前記液状物質の噴霧用の空気とを噴射させる二流体ノズルであることを特徴とする水銀除去システムにある。
第8の発明は、第2乃至5の何れか一つの発明において、前記薬剤供給部が、前記還元酸化助剤を液体状で前記煙道内に供給する還元酸化助剤供給管と、前記煙道内に前記還元酸化助剤供給管を囲うように挿入され、前記還元酸化助剤の噴霧用の空気を前記煙道内に供給する空気供給管と、前記還元酸化助剤供給管及び前記空気供給管の先端部に取り付けられ、前記還元酸化助剤及び前記空気を噴射する二流体ノズルとを有し、前記還元酸化助剤を前記空気と同伴させて前記煙道内に噴霧させることを特徴とする水銀除去システムにある。
第9の発明は、第1の発明において、前記還元剤及び前記水銀塩素化剤が、ガス状物質であり、前記水銀塩素化剤供給部より前記ガス状物質を少なくとも2以上混合した混合ガスを噴射させることを特徴とする水銀除去システムにある。
第10の発明は、第9の発明において、前記還元剤がアンモニアであることを特徴とする水銀除去システムにある。
第11の発明は、第9又は10の発明において、前記水銀塩素化剤が、ハロゲン化水素であることを特徴とする水銀除去システムにある。
第12の発明は、第1乃至11の何れか一つの発明において、前記高温排ガスの温度が、320℃以上420℃以下であることを特徴とする水銀除去システムにある。
第13の発明は、第1乃至12の何れか一つの発明において、前記還元脱硝装置の上流側と下流側に、前記高温排ガス中の窒素酸化物の濃度を測定する窒素酸化物濃度測定計を有することを特徴とする水銀除去システムにある。
第14の発明は、第1乃至13の何れか一つの発明において、前記水銀塩素化剤供給部と前記還元脱硝装置との間に設けられ、前記煙道中にアンモニアを供給するアンモニア供給部を有することを特徴とする水銀除去システムにある。
第15の発明は、第1乃至14の何れか一つの発明において、前記水銀塩素化剤供給部と前記還元脱硝装置との間に設けられ、前記煙道中に塩化水素を供給する塩化水素供給部を有することを特徴とする水銀除去システムにある。
第16の発明は、ボイラからの高温排ガス中に含まれる窒素酸化物、水銀を除去する水銀含有高温排ガスの水銀除去方法であって、前記脱硝触媒で高温排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元する還元剤、塩化水素共存下で水銀を酸化する水銀塩素化剤、脱硝触媒で高温排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元すると共に、塩化水素共存下で水銀を酸化する還元酸化助剤の何れか二つ以上を液状同士又はガス状同士で混合し、前記ボイラの煙道内に供給する薬剤供給工程と、前記脱硝触媒で前記高温排ガス中の窒素酸化物をアンモニアで還元すると共に、塩化水素共存下で水銀を酸化する還元脱硝処理工程と、該還元脱硝処理工程において酸化された水銀をアルカリ吸収液を用いて除去する湿式脱硫工程と、を含むことを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第17の発明は、第16の発明において、前記還元剤、前記水銀塩素化剤及び前記還元酸化助剤が、液状物質であり、前記薬剤供給工程より前記液状物質を少なくとも2以上混合した混合液を液体状で噴霧することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第18の発明は、第16の発明において、前記還元酸化助剤がハロゲン化アンモニウムであることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第19の発明は、第17又は18の発明において、前記還元剤がアンモニア、又は尿素であることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第20の発明は、第17乃至19の何れか一つの発明において、前記水銀塩素化剤がハロゲン化水素であることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第21の発明は、第17乃至20の何れか一つの発明において、前記薬剤供給工程が、前記液状物質を二流体ノズルを用いて噴霧することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第22の発明は、第17乃至21の何れか一つの発明において、前記還元脱硝処理工程の前工程側と後工程側に、前記高温排ガス中の窒素酸化物の濃度を測定する窒素酸化物濃度測定工程と、前記還元脱硝処理工程の後工程側に、前記高温排ガス中の水銀の濃度を測定する水銀濃度測定工程とを含み、前記窒素酸化物濃度測定工程により得られた前記高温排ガス中の窒素酸化物の濃度と、前記水銀濃度測定工程により得られた前記高温排ガス中の水銀の濃度との何れか一方又は両方に基づいて、前記混合液に含まれる前記液状物質の各々の濃度を調整することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第23の発明は、第17乃至22の何れか一つの発明において、前記混合液に含まれる前記液状物質の各々の濃度を測定し、前記液状物質の各々の濃度に基づいて、前記液状物質の各々の供給量を調整することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第24の発明は、第17の発明において、前記還元剤及び水銀塩素化剤が、ガス状物質であり、前記薬剤供給工程より前記ガス状物質を少なくとも2以上混合した混合ガスを噴霧することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第25の発明は、第24の発明において、前記ガス状物質が、前記還元剤としてアンモニアを用いることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
第26の発明は、第24又は25の発明において、前記水銀塩素化剤としてハロゲン化水素を用いることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法にある。
本発明によれば、還元剤、水銀塩素化剤、還元酸化助剤の何れか二つ以上を液状同士又はガス状同士で混合し、煙道内に供給することができるため、高温排ガスのガス性状に応じて還元剤、水銀塩素化剤を任意の割合で同時に簡略な装置で高温排ガスに供給することができ、高温排ガス中の水銀の酸化及び窒素酸化物の還元性能を高めることができる。
図1は、本発明の実施例1に係る水銀除去システムを示す概略図である。 図2は、水銀除去システムの構成の一部の構成を示す図である。 図3は、NH4Clの温度と水への飽和濃度との関係を示す図である。 図4は、混合液供給管及び空気供給管が挿入される煙道近傍を示す図である。 図5は、図4の部分拡大断面図である。 図6は、通常の噴射ノズルを用いた吹込み管の部分拡大断面図である。 図7は、二流体ノズルを用いたNH4Cl溶液の他の噴霧方法を示す図である。 図8は、本発明の実施例2に係る水銀除去システムの一部の構成を示す図である。 図9は、本発明の実施例3に係る水銀除去システムを示す概略図である。 図10は、水銀除去システムの構成の一部の構成を示す図である。 図11は、従来の水銀除去システムを含む高温排ガス処理システムの概略図である。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係る水銀除去システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る水銀除去システムを示す概略図であり、図2は、水銀除去システムの構成の一部の構成を示す図である。
図1、2に示すように、本実施例に係る水銀除去システム10Aは、ボイラ11からの高温排ガス12中に含まれる窒素酸化物(NOx)、水銀(Hg)を除去する水銀除去システムであって、還元酸化助剤として塩化アンモニウム(NH4Cl)を溶解した塩化アンモニウム(NH4Cl)溶液14と、還元剤としてアンモニア(NH3)を溶解したアンモニウム(NH3)溶液15と、水銀塩素化剤として塩化水素(HCl)を溶解した塩化水素(HCl)溶液16とを液状同士で混合し、混合した混合液17をボイラ11の下流の煙道18内に供給させる薬剤供給部19Aと、高温排ガス12中のNOxをNH3で還元すると共に、HCl共存下でHgを酸化する脱硝触媒を有する還元脱硝装置20と、脱硝された高温排ガス12を熱交換するエアヒータ(APH)22と、脱硝された高温排ガス12中の煤塵を除去する集塵器23と、還元脱硝装置20において酸化されたHgをアルカリ吸収液として石灰石膏スラリー24を用いて除去する湿式脱硫装置25と、を有するものである。
また、本発明においては、還元酸化助剤とは、脱硝触媒で高温排ガス中に含まれるNOxを還元すると共に、HCl共存下でHgを酸化するものをいう。還元酸化助剤は、脱硝触媒でHCl共存下でHgを酸化して塩素化するのに用いられる酸化助剤と、NH3を還元する還元剤として機能するものをいう。また、還元剤とは、脱硝触媒で高温排ガス中に含まれるNOxを還元するものをいう。また、水銀塩素化剤とは、HCl共存下でHgを酸化するものをいう。
<薬剤供給部>
薬剤供給部19Aは、NH4Cl溶液14と、NH3溶液15と、HCl溶液16とを液状同士で各々任意の割合で混合して混合液17を調整し、調整された混合液17をボイラ11の煙道18内に供給する。
(NH4Cl溶液の調整)
まず、還元酸化助剤として用いられる所定濃度のNH4Cl溶液14を調整する。搬送された塩化アンモニウム(NH4Cl)粉末31を一時的に貯留するサイロ32に供給する。サイロ32内のNH4Cl粉末31にブロワ33より空気34を供給し、NH4Cl粉末31がサイロ32内で乾燥、固着するのを防止する。サイロ32内のNH4Cl粉末31は、フィーダ35でサイロ32から所定量ごとNH4Cl粉末送給通路36に供給し、NH4Cl溶解タンク37に送給する。また、水供給タンク38より水39をNH4Cl溶解タンク37に送給する。NH4Cl溶解タンク37には攪拌器40−1が設けられ、NH4Cl溶解タンク37に供給されたNH4Cl粉末31は水39に溶解され、所定濃度のNH4Cl溶液14を生成し、攪拌器40−1によりNH4Cl溶液14の濃度を均一にする。また、水供給タンク38より供給される水39の供給量は調整弁V1により調整される。
NH4Cl溶液14の濃度は、0wt%よりも大きく43wt%以下が好ましく、10wt%以上23wt%以下がより好ましく、18wt%以上23wt%以下が更に好ましく、20wt%前後が最も好ましい。これは、NH4Cl粉末31が少なくとも水39に常温(例えば、20℃前後)で溶解している必要があり、NH4Clの水への飽和溶解濃度以下であることが必要だからである。図3は、NH4Clの温度と水への飽和濃度との関係を示す図である。図3に示すように、溶液の温度が0℃前後の時、NH4Cl粉末31が水39に溶解できる飽和濃度は、23wt%程度であり、100℃前後の時、NH4Cl粉末31が水39に溶解できる飽和濃度は、43wt%程度である。そのため、NH4Cl溶液14の濃度は、0wt%よりも大きく43wt%以下とする必要がある。
(NH4Cl溶液の濃度の制御)
また、NH4Cl溶解タンク37中のNH4Cl溶液14は、濃度計41により測定し、測定されたNH4Cl溶液14の濃度の値は演算装置42に伝達される。演算装置42は、NH4Cl溶液14の濃度に基づいてNH4Cl粉末31、水39の各々供給量を決定する。演算装置42は、フィーダ35、調整弁V1に各々制御信号を伝達し、NH4Cl粉末31、水39の各々の供給量を調整する。NH4Cl溶解タンク37中のNH4Cl溶液14の濃度を上記のように0wt%よりも大きく43wt%以下の範囲となるように調整する。
(NH3溶液の調整)
まず、還元剤として用いられるNH3を溶解したNH3溶液15はNH3溶解タンク43で調整される。NH3の濃度としては、例えば0wt%よりも大きく28wt%以下の範囲となるように調整するのが好ましい。また、NH3溶解タンク43中には攪拌器40−2が設けられ、攪拌器40−2でNH3溶液15に含まれるNH3の濃度を均一に保つようにしている。
(HCl溶液の調整)
まず、還元酸化助剤として用いられるHClを溶解したHCl溶液16はHCl溶解タンク44で調整される。HClの濃度としては、例えば0wt%よりも大きく38wt%以下の範囲となるように調整するのが好ましい。また、HCl溶解タンク44中には攪拌器40−3が設けられ、攪拌器40−3でHCl溶液16に含まれるHClの濃度を均一に保つようにしている。
NH4Cl溶液14はポンプ45−1によりNH4Cl溶解タンク37からNH4Cl溶液供給管46を介して混合液溶解タンク47に送給され、NH3溶液15はNH3溶解タンク43からポンプ45−2によりNH3溶液供給管48を介して混合液溶解タンク47に送給され、HCl溶液16はポンプ45−3によりHCl溶解タンク44からHCl溶液供給管49を介して混合液溶解タンク47に送給され、貯留される。
また、NH4Cl溶液供給管46、NH3溶液供給管48、HCl溶液供給管49には、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の流量を測定する流量計50−1〜50−3と、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の流量を調整する調整弁V2〜V4が設けられている。NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の流量は、流量計50−1〜50−3により測定され、調整弁V2〜V4によりNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の供給量は調整される。また、混合液溶解タンク47中には攪拌器40−4が設けられ、攪拌器40−4で混合液17に含まれるNH4Cl、NH3、HClの濃度を均一に保つようにする。
また、本実施例に係る水銀除去システム10Aにおいては、薬剤供給部19Aは、混合液17を液体状で煙道18内に供給する混合液供給管51と、煙道18内に混合液供給管51を囲うように挿入され、内部に供給された空気52を煙道18内に噴射させる噴射孔53(図5参照)を有する吹込み管54(図4、5参照)と、混合液供給管51の先端部に取り付けられ、混合液17を噴射する二流体ノズル55とを有している。また、薬剤供給部19Aは、二流体ノズル55に連結され、NH4Cl溶液14を圧縮して噴霧させる空気56を供給する空気供給管57Aと、吹込み管54と連結し(図4参照)、NH4Cl溶液14を圧縮して噴霧させる空気52を吹込み管54内に供給する空気供給管58と、を有する。尚、図1では、空気供給管58は煙道18内に挿入されているが、空気供給管58は吹込み管54に連結されている(図4参照)。
また、図4は、混合液供給管及び空気供給管が挿入される煙道近傍を示す図であり、図5は、図4の部分拡大断面図である。図4に示すように、吹込み管54は、煙道18内に混合液供給管51及び空気供給管57Aを囲うように挿入されている。また、図5に示すように、混合液供給管51は、吹込み管54内で空気供給管57Aと隣接するように設けられている。また、二流体ノズル55は、吹込み管54の壁面の噴射孔53内に設けられ、混合液供給管51及び空気供給管57Aと連結している。二流体ノズル55から噴射される混合液17は空気56により噴霧され、混合液17を噴射孔53から噴射される空気52と同伴させて更に煙道18内に噴霧させている。
混合液溶解タンク47内の混合液17はフィードポンプ59により混合液供給管51を介して二流体ノズル55に送給される。また、混合液供給管51内の混合液17の流量は流量計50−4により測定され、調整弁V5により混合液17の供給量を調整する。
空気56は、空気供給部60から空気供給管57Aを介して二流体ノズル55に送給され、二流体ノズル55から混合液17を噴霧する際の圧縮用の空気として用いられる。これにより、二流体ノズル55から噴射される混合液17を微細な液滴として噴霧することができる。また、図1に示すように、空気供給部60から供給される空気56の流量は流量計50−5により測定され、調整弁V6により調整される。空気56の流量により、二流体ノズル55から噴霧される混合液17の液滴の大きさを調整することができる。
また、二流体ノズル55から噴射される空気56の流量は、例えば気水比100以上10000以下(体積比)とするのが好ましい。これは、二流体ノズル55から噴射される混合液17を微細な液滴として煙道18内に噴霧させるようにするためである。
空気52は、空気供給部61から空気供給管58を介して吹込み管54に送給され、二流体ノズル55から噴霧される混合液17の液滴を分散させるための圧縮用の空気として用いられる。また、図1に示すように、空気供給部61から供給される空気52の流量は流量計50−6により測定され、調整弁V7により調整される。空気52は吹込み管54の噴射孔53と二流体ノズル55との隙間62から噴射される。このため、隙間62から空気52を噴射することで、二流体ノズル55から噴霧される混合液17の液滴を更に煙道18内に分散させることができる。
また、噴射孔53から噴射される空気52は、二流体ノズル55から噴射される混合液17が吹込み管54に付着するのを防ぐためと、吹込み管54内の温度上昇を抑制し、NH4Cl溶液14の沸騰及び塩化アンモニウム粒子の析出を防ぐために用いられる。
また、空気52は、吹込み管54と混合液供給管51との間を流れるため、NH4Cl溶液14の冷却用の空気として働き、煙道18内の高温排ガス12の熱が吹込み管54の外側から混合液供給管51内に伝達されるのを防ぐことができる。このため、吹込み管54内の温度上昇を防止し、混合液17が加熱されるのを防ぐことで、吹込み管54内で混合液17が沸騰するのを防止することができ、混合液17が噴射される直前まで液体状態を維持することができる。また、二流体ノズル55の腐食も防止することができる。
また、吹込み管54内の温度上昇を防止できるため、混合液供給管51、空気供給管57Aを構成する材料として金属材料を用いることができる。混合液供給管51、空気供給管57Aを構成する材料として、例えば、混合液供給管51には耐食金属例えばハステロイCなどのニッケル基耐熱・耐食合金、樹脂ライニング鋼管(低温度部)を例示できる。空気供給管57Aには炭素鋼、ステンレス等を例示することができる。なお、混合液供給管51、空気供給管57Aを構成する材料として特に金属材料に限定されるものではない。また、混合液17は、混合液溶解タンク47から常温で煙道18内に供給することができるため、混合液供給管51、吹込み管54を構成する材料に安価な樹脂類あるいは樹脂ライニング配管を使用することができる。
また、本実施例に係る水銀除去システム10Aにおいては、二流体ノズル55は、例えば数〜数十本以下のノズルを煙道18に設けるようにしている。従来より、通常用いられているNH3グリッドは煙道18に例えば数百〜数千本設けられていた。これに対し、二流体ノズル55は煙道18に数〜数十本以下しか設けておらず、またフランジ部63、65にて固定しているため、ノズルの交換が容易な構造となっている。尚、図4では、二流体ノズル55は2つ設けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、煙道18内での設置面積に応じて適宜複数設けるようしてもよい。
また、図4に示すように、吹込み管54は、煙道18の外側であって、吹込み管54の外周にフランジ部63を設け、フランジ部63は煙道18の開口部64の端部64aに設けられたフランジ部65と対応するように形成されている。吹込み管54のフランジ部63が煙道18に設けられているフランジ部65と連結されることで、吹込み管54を煙道18に取り付けられる。吹込み管54のフランジ部63と煙道18のフランジ部65とは、例えばフランジ部63、フランジ部65の外周に複数の孔を設け、ボルトで固定するようにしてもよい。フランジ部63とフランジ部65とを着脱自在とすることで、吹込み管54を煙道18に容易に挿脱することができるため、吹込み管54、煙道18内部のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、混合液17の噴霧用に二流体ノズル55を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常の液体噴霧用の噴射ノズルを用いてもよい。
図6は、通常の噴射ノズルを用いた吹込み管の部分拡大断面図である。図6に示すように、混合液17の液滴径を特に調整する必要がない場合には、混合液17を噴射ノズル66から噴射させ、噴射孔53から噴射される空気52と同伴して煙道18内に噴霧させるようにしてもよい。
また、混合液供給管51、空気供給管57Aは吹込み管54内に設け、混合液17を二流体ノズル55から煙道18内に噴霧するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。混合液供給管51内の混合液17が加熱されるのを防ぐことができれば、吹込み管54を用いずに混合液供給管51、空気供給管57Aを二流体ノズル55と連結させ、混合液17を煙道18内に噴霧するようにしてもよい。
二流体ノズルを用いたNH4Cl溶液の他の噴霧方法を図7に示す。図7に示すように、薬剤供給部19Bは、混合液供給管51を内管とし、空気供給管57Bを外管とした二重管構造とし、混合液供給管51及び空気供給管57Bを二流体ノズル55と連結させるようにする。
即ち、図7に示すように、薬剤供給部19Bは、NH4Cl溶液14を煙道18内に供給するNH4Cl溶液供給管46と、煙道18内にNH4Cl溶液供給管46を囲うように挿入され、混合液17の噴霧用の空気56を煙道18内に供給する空気供給管57Bと、混合液供給管51及び空気供給管57Bの先端部に取り付けられ、混合液17及び空気56を噴射する二流体ノズル55とを有している。空気供給管57Bにより混合液供給管51を囲うようにすることで、空気供給管57B内に供給される空気56により混合液供給管51内の混合液17が煙道18内の高温排ガス12により加熱されるのを防ぐことができると共に、混合液17を空気56と同伴させて煙道18内に噴霧させることができる。また、薬剤供給部19Bは、図4〜図6に示すような吹込み管54を設けていないため、煙道18内に混合液供給管51、空気供給管57B及び二流体ノズル55の取り付けを簡略化することができる。更に、吹込み管54がないため、混合液供給管51、空気供給管57B及び二流体ノズル55の交換を容易に行なうことができる。
また、空気56は空気供給部60から供給され、空気52は空気供給部61から供給され、各々別々の供給源から空気を供給するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一の供給源から空気を供給するようにしてもよい。即ち、空気52は空気供給部60から供給される空気を用いてもよい。また、空気56は空気供給部61から供給される空気を用いてもよい。
また、煙道18内の高温排ガス12の温度は、例えば320℃以上420℃以下であり、高温である。混合液供給管51は、吹込み管54内に設けられ、空気52が混合液17の冷却用として用いられている。このため、二流体ノズル55より噴射される直前まで混合液17は液体状態を維持し、二流体ノズル55から混合液17を液滴状で噴霧することで、高温排ガス12の高温雰囲気温度により噴霧した混合液17の液滴を気化させることができる。
また、噴霧された混合液17の液滴は、高温排ガス12の高温雰囲気温度により蒸発することで、混合液17に含まれるNH4Cl溶液14に起因する微細なNH4Clの固体粒子を一時生成し、下記式(1)のように、HClガスとNH3ガスとに分解し、昇華する。よって、二流体ノズル55から噴霧された混合液17の液滴から混合液17に含まれるNH4Cl溶液14が分解して、HClガス、NH3ガスを生じ、煙道18内に供給することができる。
NH4Cl → NH3+HCl・・・(1)
また、煙道18内の高温排ガス12の温度は、例えば320℃以上420℃以下が好ましく、320℃以上380℃以下がより好ましく、350℃以上380℃以下が更に好ましい。これは脱硝触媒上でNOxの脱硝反応と、Hgの酸化反応を同時に生じさせることができるためである。
また、煙道18内の高温排ガス12のNH3濃度、HCl濃度は、高温排ガス12のNOx濃度に対し、高温排ガス12のNOxのモル数に対するNH3のモル数の比(NH3/NOxモル比)が、要求脱硝性能に応じて1以下の値となるように設定する。
高温排ガス12のNOx濃度にもよるが、NH3濃度、HCl濃度が、数十〜数百ppm、好ましくは数十〜200ppmとなるように混合液17を噴霧するようにすればよい。これは、NH3とNOxとはモル比1対1で反応するため、NH3が過剰に供給されると、反応後にNH3の余剰分が残存する。このNH3から高温排ガス12中の成分から酸性の硫酸塩を生じ、煙道18内やエアヒータ22,集塵機23等の腐食による破損や灰の付着に伴う閉塞を生じたり、破損した煙道18から高温排ガス12が漏洩するのを防止するためである。
なお、高温排ガス12のHg濃度は0.1μg/m3N以上数十μg/m3N以下と、高温排ガス12中のHCl濃度に対してモル比で1/1000以下とするのが好ましい。
また、二流体ノズル55の孔径は、0.01mm以上10mm以下とするのが好ましく、0.1mm以上5mm以下とするのがより好ましい。
また、二流体ノズル55から噴霧される混合液17の液滴径は、平均して1nm以上100μm以下の微細な液滴とするのが好ましい。平均して1nm以上100μm以下の微細な液滴を生成することで、噴霧された混合液17の液滴に含まれるNH4Cl溶液14から生じるNH4Clの固体粒子を高温排ガス12中に短い滞留時間でNH3ガス、HClガスに分解し、昇華させることができる。これにより、混合液17を予め加熱しておく必要がないため、煙道18、二流体ノズル55の低級化、腐食を防止することができる。
よって、本実施例に係る水銀除去システム10Aによれば、NH4Cl溶液14、NH3溶液15及びHCl溶液16を混合した混合液17を煙道18内に供給しているため、一つの簡単な装置でNOxの還元を行なうと共に、Hgの酸化を行なうことができる。
また、混合液17を形成するNH4Cl溶液14、NH3溶液15及びHCl溶液16の各々の供給量を制御することで、高温排ガス12中のNOx又はHg濃度などガス性状に応じて混合液17中のNH4Cl溶液14、NH3溶液15及びHCl溶液16の供給量を任意に調整することができ、NOxの脱硝性能を満足すると共に、Hgの酸化性能を維持することができる。
また、混合液17を噴霧させる手段として、二流体ノズル55を用いているので、二流体ノズル55より混合液17を噴霧することで、混合液17を形成するNH4Cl溶液14、NH3溶液15及びHCl溶液16を高温排ガス12の高温雰囲気温度によりHClガス、NH3ガスとに分解し、煙道18内に供給することができる。このため、従来より用いられている水銀除去システムにおける水銀塩素化剤供給装置に備えられている塩化水素気化器、噴霧グリッド、塩酸溶液タンク等を省略することができる。
また、混合液17中に含まれるNH4Cl溶液14を調整する際に用いたNH4Cl粉末31は中性塩であるため、取り扱いも容易であり、肥料に用いられるように安価で容易に入手することができる。また、NH4Cl溶液14からNH3ガスを生成することができるため、NH3ガスの使用量を減らすことができる。また、HClは危険物であるため、輸送費用、法規上の許認可費用、安全管理対策にかかる設備費用など取り扱いに費用がかかるが、NH4Cl粉末31は取り扱いに要する費用を大幅に低減することができる。
また、混合液17中のNH4Cl溶液14は水に溶解し、全てNH3ガスとHClガスとに気化するため、NH4Cl溶液14に起因するNH4Clの固体粒子が残ることはなく、煙道18や後流側に設けた脱硝触媒へのNH4Clの固体粒子の堆積、脱硝触媒の劣化を防止することができる。
また、混合液17は高温排ガス12を熱源として用い、NH4Cl溶液14、NH3溶液15及びHCl溶液16をNH3ガスとHClガスとに気化させているため、混合液17を気化させるためにスチームなどのような新たな熱源となる昇華設備の設置を省略することができると共に、混合液17が高温排ガス12中で気化させるために必要な滞留時間を短くすることができる。
また、二流体ノズル55より混合液17を噴霧する流量は、高温排ガス量が例えば1,500,000m3N/hであるのに対し、数t/hとわずかであるため、高温排ガス12のガス温度の低下を例えば数℃以下とほとんどなくすることができる。そのため、高温排ガス12中のSO3が凝縮するのを防ぐと共に、高温排ガス12中の灰が煙道18等に堆積し、付着するのを防止することができる。
また、NH4Clの固体粉末を煙道内に供給している水銀除去システムのように、NH4Clの固体を粉砕して噴霧するのに比べ、本実施例に係る水銀除去システム10Aでは、混合液17に含まれるNH4Cl溶液14のような液体の場合、NH4Cl溶液14の液体粒子を容易に微細化できると共に、噴霧した微細な液滴径以下の固体粒子を生成することができるため、NH4Cl溶液14の分解に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、NH4Cl粉末31をNH4Cl溶液14として用いているため、従来のように微細に粉砕することなく、ペレット状のまま保管し、必要に応じて用いることができる。
また、NH4Cl溶液14の濃度に基づいてNH4Cl粉末31、水39の各々の供給量を調整することができるため、高温排ガス12のNOx、Hgの濃度に応じてNH4Cl溶液14の濃度を調整することができる。
また、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の液滴から生じたHClガス、NH3ガスは、図1に示すように、高温排ガス12に同伴して還元脱硝装置20に送給される。NH4Clが分解して生じたNH3ガスは、還元脱硝装置20でNOxの還元脱硝用に用い、HClガスはHgの酸化用に用いてNOx及びHgを高温排ガス12から除去するようにしている。
還元脱硝装置20には脱硝触媒が充填されている。脱硝触媒上でNH3は下記式(2)のようにNOxを還元脱硝し、HClは下記式(3)のようにHgを水銀酸化する。
4NO+4NH3+O2 → 4N2+6H2O・・・(2)
Hg+1/2O2+2HCl → HgCl2+H2O・・・(3)
また、本実施例に係る水銀除去システム10Aにおいては、混合液17としてNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16を混合させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。NH4ClはNH3ガス、HClガスに分解され、還元剤、水銀塩素化剤を生成するため、NH4Cl溶液14のみを煙道18内に噴霧するようにしてもよい。また、NH3溶液15とHCl溶液16とを任意の割合で混合し、混合液として煙道18内に噴霧するようにしてもよい。
また、本実施例に係る水銀除去システム10Aにおいては、薬剤供給部19Aは、混合液17としてNH4Clを含むNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16を用いているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、本実施例では、還元酸化助剤として、NH4Clを用いているが、NH4Cl以外の臭化アンモニウム(NH4Br)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)などのハロゲン化アンモニウムを還元酸化助剤として用い、水に溶解した溶液を用いてもよい。
また、還元剤として、NH3を用いているが、尿素((H2N)2C=O)など還元作用を有するものを還元剤として用い、水に溶解した溶液を用いてもよい。また、例えば、NH4Cl溶液14を調整する際、NH4Cl粉末31の他に、尿素((H2N)2C=O)を混合して水39に溶解させ、NH4Cl粉末31と尿素とを混合した水溶液を用いてもよい。ボイラ設備においては、窒素酸化物濃度変動があるため、そのような場合には、NH4Clと共に尿素を添加してNH3の供給量を増大させるようにしてもよい。
また、水銀塩素化剤として、HClを用いているが、HCl以外の臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)などのハロゲン化水素を水銀塩素化剤として用い、水に溶解した溶液を用いてもよい。
また、NH4Cl溶液14を、NH3溶液15、HCl溶液16の他に、還元酸化助剤を溶解させた溶液、還元剤を溶解させた溶液、水銀塩素化剤を溶解させた溶液の何れか一方または両方を更に、複数混合させるようにしてもよい。
また、図1に示すように、高温排ガス12は、還元脱硝装置20において高温排ガス12中のNOxの還元とHgの酸化がされた後、エアヒータ22、集塵器23を通過して湿式脱硫装置25に送給される。また、エアヒータ22と集塵器23との間には熱回収器を設けるようにしてもよい。高温排ガス12中のHgClは、湿式脱硫装置25においてアルカリ吸収液として用いられる石灰石膏スラリー24中に吸収され、高温排ガス12から分離し、除去され、高温排ガス12は浄化される。浄化された高温排ガスは、浄化ガス67として煙突68から排出される。また、アルカリ吸収液として石灰石膏スラリー24を用いているが、高温排ガス12中のHgClを吸収できるものであれば他の溶液もアルカリ吸収液として用いることができる。
また、二流体ノズル55の下流側であって、還元脱硝装置20の上流側に、NH3ガスとHClガスとを混合する混合器を設けるようにしてもよい。混合器としては、例えば、スタティックミキサー等を用いることができる。二流体ノズル55より噴霧されたNH4Cl溶液14が気化して生じたNH3ガス及びHClガスの分散度合いが不十分な場合には、還元脱硝装置20の上流側に設けた前記混合器により高温排ガス12中のNH3ガス及びHClガスの分散度合いの均一化を図ることができる。
また、二流体ノズル55の下流側には、二流体ノズル55より噴霧される混合液17の流量を計測する流量計71を設けるようにしてもよい。これにより、二流体ノズル55より噴霧される混合液17の流量を測定するようにする。また、煙道18内の高温排ガス12の流速を測定することもできる。
また、還元脱硝装置20の入口側および出口側には、NOx濃度計72−1、72−2が設けられている。NOx濃度計72−1、72−2で測定された高温排ガス12中のNOx濃度の値から還元脱硝装置20におけるNOxの還元割合を確認することができる。よって、NOx濃度計72−1、72−2で測定された高温排ガス12中のNOx濃度の値からNH4Cl溶液14の濃度、供給流量を制御することで、二流体ノズル55から噴霧されるNH4Cl溶液14の濃度、供給流量を各々調整し、所定の脱硝性能を満足するようにすることができる。
また、高温排ガス12の煙道18内に供給されるNH3、HCl濃度は、高温排ガス12のNOx濃度に対し、高温排ガス12のNOxのモル数に対するNH3のモル数の比(NH3/NOxモル比)が、要求脱硝性能に応じて1以下の値となるように設定する。
NH3添加量は、NOxが数十〜数百ppm、好ましくは数十〜200ppmとなるように、NH4Cl溶液14から解離されるNH3ガスを煙道18内に噴霧し、NH3ガス81によるNH3を煙道18内に噴射するようにすればよい。これは、NH3とNOxとはモル比1対1で反応するため、NH3が過剰に供給されると、反応後にNH3の余剰分が残存する。このNH3から高温排ガス12中の成分から酸性の硫酸塩を生じ、煙道18内やエアヒータ22、集塵機23等の腐食による破損や灰の付着に伴う閉塞を生じたり、破損した煙道18から高温排ガス12が漏洩するのを防止するためである。
なお、高温排ガス12のHg濃度は0.1μg/m3N以上数十μg/m3N以下と、高温排ガス12中のHCl濃度に対してモル比で1/1000以下とするのが好ましい。
また、還元脱硝装置20から排出される処理ガス中の水銀(Hg)含有量を測定する水銀(Hg)濃度計73と、集塵器23から排出され、湿式脱硫装置25に供給される高温排ガス12中のHCl含有量を測定する塩化水素(HCl)濃度計74と、が設けられている。尚、Hg濃度計73は湿式脱硫装置25の後流側に設け、湿式脱硫装置25から排出される処理ガス中の水銀(Hg)含有量を測定するようにしてもよい。
Hg濃度計73及びHCl濃度計74で測定された高温排ガス12中のHCl濃度、Hg濃度の値から還元脱硝装置20におけるHgの酸化割合を確認することができる。Hg濃度計73、HCl濃度計74で測定された高温排ガス12中のHg濃度の値から二流体ノズル55から噴霧されるNH4Cl溶液14の供給流量を調整し、所定の脱硝性能を満足すると共に、Hgの酸化性能を維持するようにしている。
また、NH4Cl溶液14の添加量と、HCl溶液16の供給流量の制御は、NH4Cl溶液14から解離して生じるHClガスと、HCl溶液16が気化して生じるHClガスとを併せて、還元脱硝装置20の出口での水銀酸化率(Hg2+/HgT)が95%以上、又は金属水銀濃度(Hg0)を1μg/Nm3以下となるようにする。なお、HgTとは、全水銀濃度をいい、下記式(4)のように金属水銀濃度(Hg0)と酸化水銀濃度(Hg2+)との和で表される。
HgT=Hg0+Hg2+・・・(4)
また、ボイラ11で使用される石炭の石炭性状から高温排ガス12中に含まれるNOx、Hg、HClの各々の含有量を求め、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の供給量を決定するようにしてもよい。即ち、ボイラ11で石炭性状が燃焼することで高温排ガス12中に含まれるNOx、Hg、HClの各々の含有量が求められる。そして、ボイラ11で石炭の燃焼を最大にすることで、NOx、Hg、HClが高温排ガス12に含まれる最大量をボイラ11の燃焼量から求めることができる。よって、ボイラ11で使用される石炭の石炭性状から高温排ガス12中に含まれるNOx、Hg、HClの各々の含有量を求め、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の供給量を決定することができる。
よって、本実施例に係る水銀除去システム10Aは、ボイラ11等の燃焼設備から排出される高温排ガス12中のNOx及びHgの濃度のバランスに応じて、煙道18中にNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16を供給し、HCl又はNH3の必要量を調整して供給することができる。
<供給量の制御方法>
演算装置42は、NOx濃度計72−1、72−2、Hg濃度計73により測定された高温排ガス12中のNOx濃度、Hg濃度の分析結果に基づいて必要なNH3、HClの量を求める。演算装置42は、求められたNH3、HClの濃度からNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の供給量を決定する。演算装置42は、調整弁V2〜V4の開閉を制御することで、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の供給量を調整する。また、演算装置42は、流量計71により測定された混合液17の流量に基づいて混合液17の流量、流速を算出し、調整弁V5の開閉を制御することで、混合液17の供給量を調整する。
また、Hg濃度計73により、水銀酸化率(Hg2+/HgT)が0.95よりも小さい場合、又は金属水銀濃度(Hg0)が1μg/Nm3よりも大きい場合には、HCl添加量を増加させる。HCl添加量は、例えばHCl溶液16の供給量を増加させることにより行なうことができる。
また、NOx濃度計72−2により、還元脱硝装置20の出口側の高温排ガス12中のNOx濃度、NH3濃度を測定し、測定された高温排ガス12中のNH3濃度が1ppmよりも大きい場合には、NH3添加量を減少させる。また、NOx濃度計72−2で測定された高温排ガス12中のNOx濃度が1ppmよりも小さい場合には、NH3添加量を増加させる。但し、NH3濃度は、高温排ガス12の入口側のNOxモル流速(モル/H)に対して、高温排ガス12のNOxのモル数に対するNH3のモル数の比(NH3/NOxモル比)が、要求脱硝性能に応じて1以下の値となるように設定する。また、NH3添加量は、例えばNH3溶液15の供給量を増減させることにより行なうことができる。
このように、本実施例に係る水銀除去システム10Aによれば、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16を混合した混合液17を混合液溶解タンク47から二流体ノズル55でボイラ11の煙道18内に噴霧することで、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16が気化し、HClガス、NH3ガスとなり、脱硝触媒上で高温排ガス12中のHgを酸化すると共に、NOxを還元することができる。また、混合液17中のNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の供給量を調整することで、高温排ガス12のガス性状に応じて還元剤、水銀塩素化剤を適性量として任意に供給することができる。
本発明による実施例2に係る水銀除去システムについて、図面を参照して説明する。
本発明の実施例2に係る水銀除去システムは、実施例1に係る水銀除去システムの構成と同様であるため、本実施例では、水銀除去システムの構成の一部のみを示す図を用いて説明する。
図8は、本発明の実施例2に係る水銀除去システムの一部の構成を示す図である。なお、実施例1に係る水銀除去システムの構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図8に示すように、本実施例に係る水銀除去システム10Bは、図1、2に示す本発明の実施例1に係る水銀除去システム10AのNH4Cl溶解タンク37、NH3溶解タンク43、HCl溶解タンク44の各々に溶液中のNH4Cl、NH3、HClの濃度を測定する濃度計41−1〜41−3を設けている。
濃度計41−1はNH4Cl溶液14のNH4Clの濃度を測定し、濃度計41−2はNH3溶液15のNH3の濃度を測定し、濃度計41−3はHCl溶液16のHClの濃度を測定し、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の濃度の測定結果を演算装置42に送信する。演算装置42は、濃度計41−1〜41−3により測定されたNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々のNH4Cl、NH3、HClの濃度の値に基づいて混合液溶解タンク47に送給するNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の供給速度を求める。
演算装置42は、演算装置42で算出されたNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の供給速度を調整弁V2〜V5に伝達し、調整弁V2〜V5の開閉具合を調整することで、NH4Cl溶液供給管46を流入するNH4Cl溶液14の流量、NH3溶液供給管48を流入するNH3溶液15の流量、HCl溶液供給管49を流入するHCl溶液16の流量を調整することができる。
よって、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々のNH4Cl、NH3、HClの濃度に応じてNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の各々の供給量を調整することで、NH4Cl、NH3、HClを適正な濃度とした混合液17を生成し、煙道18内に供給することができる。
本発明による実施例3に係る水銀除去システムについて、図面を参照して説明する。
図9は、本発明の実施例3に係る水銀除去システムを示す概略図であり、図10は、水銀除去システムの構成の一部の構成を示す図である。なお、実施例1、2に係る水銀除去システムの構成と重複する部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図9、10に示すように、本実施例に係る水銀除去システム10Cは、図1、2に示す本発明の実施例1に係る水銀除去システム10Aにおいて供給していた液体状のNH4Cl、NH3、HClをガス状で供給するものである。
即ち、図9、10に示すように、本実施例に係る水銀除去システム10Cは、ボイラ11からの高温排ガス12中に含まれるNOx、Hgを除去する水銀除去システムであって、還元剤としてNH3ガス81と、水銀塩素化剤としてHClガス82とをガス状同士で混合し、混合した混合ガス83をボイラ11の煙道18内に供給させる薬剤供給部19Cと、高温排ガス12中のNOxをNH3で還元すると共に、HCl共存下でHgを酸化する脱硝触媒を有する還元脱硝装置20と、脱硝された高温排ガス12を熱交換するエアヒータ(APH)22と、脱硝された高温排ガス12中の煤塵を除去する集塵器23と、還元脱硝装置20において酸化されたHgをアルカリ吸収液として石灰石膏スラリー24を用いて除去する湿式脱硫装置25と、を有するものである。
また、薬剤供給部19Cは、還元剤として用いられるガス状物質としてNH3ガス81を供給するNH3ガス供給部84と、水銀塩素化剤として用いられるガス状物質としてHClガス82を供給するHClガス供給部85と、NH3ガス供給部84よりNH3ガス81を煙道18に送給するNH3ガス供給管86と、HClガス供給部85とNH3ガス供給管86とを連結するHClガス供給管87と、を有している。
また、NH3ガス供給管86にはNH3ガス81の流量を測定する流量計88−1が設けられ、HClガス供給管87にはHClガス82の流量を測定する流量計88−2が設けている。NH3ガス81、HClガス82は、各々流量計88−1、88−2により測定され、調整弁V11、V12により各々の流量が調整される。また、NH3ガス供給管86のNH3ガス81とHClガス82とが混合される後流側には、混合ガス83の流量を測定する流量計88−3が設けられている。混合ガス83は流量計88−3により測定され、調整弁V13により煙道18内に供給される流量が調整される。
薬剤供給部19Cでは、NH3ガス81とHClガス82とを煙道18に送給する前に混合させ、混合ガス83として煙道18内に噴射ノズル89より噴射している。混合ガス83中のNH3ガス81とHClガス82は、高温排ガス12に同伴して還元脱硝装置20に送給される。上述のように、還元脱硝装置20の脱硝触媒上でNH3ガスは下記式(5)のようにNOxを還元脱硝し、HClガスは下記式(6)のようにHgを水銀酸化する。
4NO+4NH3+O2 → 4N2+6H2O・・・(5)
Hg+1/2O2+2HCl → HgCl2+H2O・・・(6)
よって、本実施例に係る水銀除去システム10Cによれば、NH3ガス81とHClガス82とを含む混合ガス83をボイラ11の煙道18内に噴射ノズル89より噴射しているため、高温排ガス12のガス性状に応じてNH3ガス81、HClガス82を適性量として噴射ノズル89から煙道18内に供給することができる。
また、NH3ガス81とHClガス82とは、NH3ガス供給部84、HClガス供給部85から別々に供給し、混合している。このため、ボイラ11等の燃焼設備から排出される高温排ガス12中のNOx及びHgの濃度のバランスに応じて、混合ガス83成分であるNH3ガス81、HClガス82の供給比率を調整することで、NH3ガス81、HClガス82の供給量を予め任意に調整し、HCl又はNH3の必要量を調整して煙道18に送給することができる。
また、混合ガス83はガス状物質であるため、煙道18内に比較的均一に噴射することができるため、煙道18内におけるNH3ガス及びHClガスの濃度分布のばらつきを低減することができる。これは、図1、2、8に示すような本発明の実施例1、2に係る水銀除去システム10A、10Bのように、NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16などの液状物質を煙道18内に噴霧し、煙道18内の構造物に衝突すると、熱衝撃により構造物の熱歪みを生じ、破損する恐れがある。NH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16の液滴が蒸発する前に構造物に衝突しないように二流体ノズル55のように噴霧ノズルを設置すると、煙道18の内壁面近傍にはNH4Cl溶液14、NH3溶液15、HCl溶液16から生じるNH3ガス、HClガスが低濃度となる領域が発生するためである。
これに対し、本実施例に係る水銀除去システム10Cでは、ガス状物質として混合ガス83をボイラ11の煙道18内に噴射しているため、煙道18内にNH3ガス、HClガスを比較的均一に噴射でき、煙道18内でNH3ガス81、HClガス82が低濃度となる領域を解消し、還元剤であるNH3ガス81及び水銀塩素化剤であるHClガス82の濃度分布のばらつきを低減することができる。
また、噴射ノズル89は煙道18内に設けられ、NH3ガス供給管86の一部は、煙道18内に挿入されているため、混合ガス83を加温することができ、混合ガス83中のNH3ガス81、HClガス82のガス状態を維持することができる。
噴射ノズル89の温度と、煙道18内に挿入されているNH3ガス供給管86の温度とは、例えば270℃以上であるのが好ましく、350℃以上であるのがより好ましい。これは、噴射ノズル89の先端やNH3ガス供給管86内などにNH4Clが析出するのを防止するためである。また、噴射ノズル89の温度、NH3ガス供給管86の配管温度が、350℃以上であれば、NH3ガス81とHClガス82を確実にガス化させることができるためである。
また、混合ガス83中のNH3ガス81とHClガス82とのガス状態を確実に維持するため、NH3ガス供給管86には、混合ガス83を加温するための加熱器を設けるようにしてもよい。
また、本実施例に係る水銀除去システム10Cにおいては、ガス状物質としてNH3ガス81とHClガス82とを用いているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、水銀塩素化剤として、HClガス82に代えて臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)など他のハロゲン化水素からなるガスを用いてもよい。
また、還元剤として、NH3ガス81を用いているが、本発明は、これに限定されるものではなく、NOxを還元できるガス状物質であれば用いることができる。
また、図9に示すように、高温排ガス12は、還元脱硝装置20において高温排ガス12中のNOxの還元とHgの酸化がされた後、エアヒータ22、集塵器23を通過して湿式脱硫装置25に送給される。また、エアヒータ22と集塵器23との間には熱回収器を設けるようにしてもよい。高温排ガス12中のHgClは、湿式脱硫装置25においてアルカリ吸収液として用いられる石灰石膏スラリー24中に吸収され、高温排ガス12から分離し、除去され、高温排ガス12は浄化される。浄化された高温排ガスは、浄化ガス67として煙突68から排出される。
このように、本実施例に係る水銀除去システム10Cによれば、NH3ガス81とHClガス82とを含む混合ガス83をボイラ11の煙道18内に供給することで、HClガス82で脱硝触媒上で高温排ガス12中のHgを酸化すると共に、NH3ガス81でNOxを還元することができる。また、混合ガス83中のNH3ガス81、HClガス82の割合を調整することで、高温排ガス12のガス性状に応じてNH3ガス81、HClガス82を適性量で任意に供給することができる。更に、混合ガス83を煙道18内に比較的に均一に供給することができるため、還元剤及び水銀塩素化剤の濃度分布のばらつきを低減することができる。
以上のように、本発明に係る水銀除去システム及び水銀含有高温排ガスの水銀除去方法は、高温排ガスのガス性状に応じて還元剤、水銀塩素化剤を任意の割合として同時に高温排ガスに供給することができるので、ボイラから排出される排ガス処理用の水銀除去システムに用いるのに適している。
10A〜10C 水銀除去システム
11 ボイラ
12 高温排ガス
14 塩化アンモニウム(NH4Cl)溶液
15 アンモニウム(NH3)溶液
16 塩化水素(HCl)溶液
17 混合液
18 煙道
19A〜19C 薬剤供給部
20 還元脱硝装置
22 エアヒータ(APH)
23 集塵器
24 石灰石膏スラリー
25 湿式脱硫装置
31 塩化アンモニウム(NH4Cl)粉末
32 サイロ
33 ブロワ
34 空気
35 フィーダ
36 NH4Cl粉末送給通路
37 NH4Cl溶解タンク
38 水供給タンク
39 水
40−1〜40−4 攪拌器
41、41−1〜41−3 濃度計
42 演算装置
43 NH3溶解タンク
44 HCl溶解タンク
45−1〜45−6 ポンプ
46 NH4Cl溶液供給管
47 混合液溶解タンク
48 NH3溶液供給管
49 HCl溶液供給管
50−1〜50−6、88−1、88−2 流量計
51 混合液供給管
52、56 空気
53 噴射孔
54 吹込み管
55 二流体ノズル
57、58 空気供給管
59 フィードポンプ
60、61 空気供給部
62 隙間
63、65 フランジ部
64 開口部
66、89 噴射ノズル
67 浄化ガス
68 煙突
71 流量計
72−1、72−2 窒素酸化物(NOx)濃度計
73 水銀(Hg)濃度計
74 塩化水素(HCl)濃度計
81 NH3ガス
82 HClガス
83 混合ガス
84 NH3ガス供給部
85 HClガス供給部
86 NH3ガス供給管
87 HClガス供給管
V1〜V7、V11〜V13 調整弁

Claims (26)

  1. ボイラからの高温排ガス中に含まれる窒素酸化物、水銀を除去する水銀除去システムであって、
    脱硝触媒で高温排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元する還元剤、塩化水素共存下で水銀を酸化する水銀塩素化剤、脱硝触媒で高温排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元すると共に、塩化水素共存下で水銀を酸化する還元酸化助剤の何れか二つ以上を液状同士又はガス状同士で混合し、前記ボイラの煙道内に供給させる薬剤供給部と、
    前記高温排ガス中の窒素酸化物をアンモニアで還元すると共に、塩化水素共存下で水銀を酸化する脱硝触媒を有する還元脱硝装置と、
    該還元脱硝装置において酸化された水銀をアルカリ吸収液を用いて除去する湿式脱硫装置と、
    を有してなることを特徴とする水銀除去システム。
  2. 請求項1において、
    前記還元剤、前記水銀塩素化剤及び前記還元酸化助剤が、液状物質であり、
    前記薬剤供給部より前記液状物質を少なくとも二つ以上混合した混合液を液体状で噴霧させることを特徴とする水銀除去システム。
  3. 請求項2において、
    前記還元酸化助剤がハロゲン化アンモニウムであることを特徴とする水銀除去システム。
  4. 請求項2又は3において、
    前記還元剤がアンモニア、又は尿素であることを特徴とする水銀除去システム。
  5. 請求項2乃至4の何れか一つにおいて、
    前記水銀塩素化剤がハロゲン化水素であることを特徴とする水銀除去システム。
  6. 請求項2乃至5の何れか一つにおいて、
    前記薬剤供給部が、
    前記液状物質を液体状で前記煙道内に供給する薬剤供給管と、
    前記煙道内に前記薬剤供給管を囲うように挿入され、内部に供給された空気を前記煙道内に噴射させる噴射孔を有する吹き込み管と、
    前記薬剤供給管の先端部に取り付けられ、前記液状物質を噴射する噴射ノズルとを有し、
    前記液状物質を前記空気と同伴させて前記煙道内に噴霧させることを特徴とする水銀除去システム。
  7. 請求項6において、
    前記噴射ノズルが、前記液状物質と、前記液状物質の噴霧用の空気とを噴射させる二流体ノズルであることを特徴とする水銀除去システム。
  8. 請求項2乃至5の何れか一つにおいて、
    前記薬剤供給部が、
    前記還元酸化助剤を液体状で前記煙道内に供給する還元酸化助剤供給管と、
    前記煙道内に前記還元酸化助剤供給管を囲うように挿入され、前記還元酸化助剤の噴霧用の空気を前記煙道内に供給する空気供給管と、
    前記還元酸化助剤供給管及び前記空気供給管の先端部に取り付けられ、前記還元酸化助剤及び前記空気を噴射する二流体ノズルとを有し、
    前記還元酸化助剤を前記空気と同伴させて前記煙道内に噴霧させることを特徴とする水銀除去システム。
  9. 請求項1において、
    前記還元剤及び前記水銀塩素化剤が、ガス状物質であり、
    前記薬剤供給部より前記ガス状物質を少なくとも2以上混合した混合ガスを噴射させることを特徴とする水銀除去システム。
  10. 請求項9において、
    前記還元剤がアンモニアであることを特徴とする水銀除去システム。
  11. 請求項9又は10において、
    前記水銀塩素化剤が、ハロゲン化水素であることを特徴とする水銀除去システム。
  12. 請求項1乃至11の何れか一つにおいて、
    前記高温排ガスの温度が、320℃以上420℃以下であることを特徴とする水銀除去システム。
  13. 請求項1乃至12の何れか一つにおいて、
    前記還元脱硝装置の上流側と下流側に、前記高温排ガス中の窒素酸化物の濃度を測定する窒素酸化物濃度測定計を有することを特徴とする水銀除去システム。
  14. 請求項1乃至13の何れか一つにおいて、
    前記薬剤供給部と前記還元脱硝装置との間に設けられ、前記煙道内にアンモニアを供給するアンモニア供給部を有することを特徴とする水銀除去システム。
  15. 請求項1乃至14の何れか一つにおいて、
    前記薬剤供給部と前記還元脱硝装置との間に設けられ、前記煙道内に塩化水素を供給する塩化水素供給部を有することを特徴とする水銀除去システム。
  16. ボイラからの高温排ガス中に含まれる窒素酸化物、水銀を除去する水銀含有高温排ガスの水銀除去方法であって、
    脱硝触媒で高温排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元する還元剤、塩化水素共存下で水銀を酸化する水銀塩素化剤、脱硝触媒で高温排ガス中に含まれる窒素酸化物を還元すると共に、塩化水素共存下で水銀を酸化する還元酸化助剤の何れか二つ以上を液状同士又はガス状同士で混合し、前記ボイラの煙道内に供給する薬剤供給工程と、
    前記脱硝触媒で前記高温排ガス中の窒素酸化物をアンモニアで還元すると共に、塩化水素共存下で水銀を酸化する還元脱硝処理工程と、
    該還元脱硝処理工程において酸化された水銀をアルカリ吸収液を用いて除去する湿式脱硫工程と、
    を含むことを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  17. 請求項16において、
    前記還元剤、前記水銀塩素化剤及び前記還元酸化助剤が、液状物質であり、
    前記薬剤供給工程より前記液状物質を少なくとも2以上混合した混合液を液体状で噴霧することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  18. 請求項17において、
    前記還元酸化助剤がハロゲン化アンモニウムであることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  19. 請求項17又は18において、
    前記還元剤がアンモニア、又は尿素であることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  20. 請求項17乃至19の何れか一つにおいて、
    前記水銀塩素化剤がハロゲン化水素であることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  21. 請求項17乃至20の何れか一つにおいて、
    前記薬剤供給工程が、前記液状物質を二流体ノズルを用いて噴霧することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  22. 請求項17乃至21の何れか一つにおいて、
    前記還元脱硝処理工程の前工程側と後工程側に、前記高温排ガス中の窒素酸化物の濃度を測定する窒素酸化物濃度測定工程と、
    前記還元脱硝処理工程の後工程側に、前記高温排ガス中の水銀の濃度を測定する水銀濃度測定工程とを含み、
    前記窒素酸化物濃度測定工程により得られた前記高温排ガス中の窒素酸化物の濃度と、前記水銀濃度測定工程により得られた前記高温排ガス中の水銀の濃度との何れか一方又は両方に基づいて、前記混合液に含まれる前記液状物質の各々の濃度を調整することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  23. 請求項17乃至22の何れか一つにおいて、
    前記混合液に含まれる前記液状物質の各々の濃度を測定し、
    前記液状物質の各々の濃度に基づいて、前記液状物質の各々の供給量を調整することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  24. 請求項17において、
    前記還元剤及び水銀塩素化剤が、ガス状物質であり、
    前記薬剤供給工程より前記ガス状物質を少なくとも2以上混合した混合ガスを噴霧することを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  25. 請求項24において、
    前記ガス状物質が、前記還元剤としてアンモニアを用いることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
  26. 請求項24又は25において、
    前記水銀塩素化剤としてハロゲン化水素を用いることを特徴とする水銀含有高温排ガスの水銀除去方法。
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