JPWO2010143421A1 - 光融合型イメージング方法、光融合型イメージング装置、プログラムおよび集積回路 - Google Patents

光融合型イメージング方法、光融合型イメージング装置、プログラムおよび集積回路 Download PDF

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Abstract

画質を向上し、イメージングにかかる時間を短くした光融合型イメージング方法は、生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズを特定する構造特定ステップ(S21)と、構造特定ステップ(S21)で特定された位置およびサイズに基づいて、観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定ステップ(S22)と、領域決定ステップ(S22)で決定されたイメージング対象領域を伝播する拡散光を測定する測定ステップ(S23)と、測定ステップ(S23)の測定結果に基づいてイメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージングステップ(S24)と、イメージングステップ(S24)によって画像化された光学的特性を表示する表示ステップ(S25)とを含む。

Description

本発明は、拡散光を用いて生体内の光学的特性をイメージングするための光融合型イメージング方法および装置などに関する。
生体内のイメージング方法としては、エックス線や超音波などが医療向けを中心として普及しているが、近年、非侵襲なイメージング手段として、波長700−900nm程度の近赤外光(NIR:Near Infrared Light)が注目されている。近赤外光は、水などによる吸収が小さいため生体内での透過性が比較的高く、エネルギーも低いことから生体内のイメージングに適している。したがって、近赤外光を生体表面から照射し、生体内で拡散、吸収されて再び生体表面に戻ってきた光を検出することで、生体組織における吸収係数や散乱係数の分布が得られる。このようなイメージング方法は、拡散光を用いて生体内の3次元情報を得ることから拡散光トモグラフィ(DOT:Diffuse Optical Tomography)と呼ばれる。
例えば、悪性腫瘍の部位および周辺では癌細胞の活発な増殖に伴い、新生血管が発生するため、正常組織あるいは良性腫瘍に比べて血流が増加し、ヘモグロビン濃度が上昇する。ヘモグロビン濃度が上昇すると近赤外光における光の吸収係数が増加することから、生体内の吸収係数の分布を調べることで悪性腫瘍の検出、あるいは、良性腫瘍と悪性腫瘍との判別が可能となる。このように、拡散光トモグラフィでは、エックス線や超音波では得られない生体組織の光学的特性を得ることができ、早期癌の発見や、無侵襲な生検、あるいは化学療法の効果のモニタリングなどへの応用が期待される。現在、特に乳癌を中心とした研究が活発に行われている。
図1は、拡散光トモグラフィの構成例を示す模式図である。まず、光入力チャネルと光出力チャネルを備えたプローブが被験者の体表面に当てられる。光源に繋がれた光入力チャネルから被験者の生体内にレーザー光が入力光として照射され、生体組織で拡散された光が腫瘍部に到達し、さらに到達した光の一部が再び散乱、吸収されながら出力光として光出力チャネルに到達する。画像再構成装置では、光入力チャネルから照射された入力光に対する、光出力チャネルで測定した出力光における振幅の減衰度合いや位相の変化量などの情報を元に、生体内の吸収係数あるいは散乱係数の分布をイメージング(再構成)する。
以下、拡散光トモグラフィの画像再構成方法の一例について概説する(詳細は、非特許文献1を参照のこと)。未知数は、生体組織内での吸収係数と散乱係数の分布であり、画像再構成時には、3次元のイメージング対象領域を複数の微小領域(以降、ボクセルと呼ぶ)に分割し、各ボクセルの吸収係数と散乱係数を推定する。生体内での光の伝播過程については、複数のモデルが提案されているが、Diffusion Approximationと呼ばれる手法が精度の良い近似方法として一般的である。ここで、各ボクセルの吸収係数と散乱係数として推定値を与えると、Diffusion Approximationにより生体内での光の伝播領域と振幅の減衰が決定できるため、光入力チャネルから発せられた入力光に対する、光出力チャネルで測定される出力光における位相と振幅の変化量が推定できる。従って、位相と振幅の変化量の推定値が実際の測定値に近づく、あるいは一致するように、各ボクセルの吸収係数と散乱係数を反復的に更新することで、最終的な吸収係数と散乱係数の推定値が得られる。ここで、位相と振幅の変化量の測定、およびモデルに基づく推定値の計算は、光入力チャネルと光出力チャネルにおける複数のペアに対して行われる。
このように、拡散光トモグラフィの画像再構成は逆問題を解くことに相当するため、反復演算の初期値を適切に設定することで、再構成精度(推定精度)の向上、すなわち検出感度と空間分解能の向上、および反復回数の削減に伴う演算処理量の削減が見込まれる。
先行例としては、超音波と拡散光トモグラフィを併用し、超音波によって取得した腫瘍位置に基づいて反復演算の初期値を設定する特許文献1に記載の方法がある。超音波など光以外のイメージング手段と拡散光トモグラフィを併用する手法(光融合型イメージング方法)は、組織の構造情報という超音波など従来の診断装置によって提供されていた情報に加えて、光学的特性という機能情報を提供できるだけでなく、拡散光トモグラフィ自体の性能も向上できる点で将来的に非常に有望なイメージング手法と言える。
ここで、超音波など光以外のイメージング手段と拡散光トモグラフィを併用する上記特許文献1の光融合型イメージング装置およびその方法について説明する。
図2は、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000の構成例を示すブロック図である。超音波信号測定部1001と超音波信号処理部1002は超音波信号の処理部である。超音波信号処理部1002は、超音波信号測定部1001で測定した超音波信号を解析および画像化し、超音波画像データ1021を表示部1003に出力して、腫瘍の位置やサイズを示す腫瘍情報1022を画像再構成部1005に出力する。光信号測定部1004と画像再構成部1005は拡散光トモグラフィの処理部に相当する。画像再構成部1005は、生体内の吸収係数などを再構成し、つまり、吸収係数を推定し、その結果を画像として示す光画像データ1051を表示部1003に出力する。表示部1003は、超音波画像データ1021と光画像データ1051とを表示する。
図3は、上記特許文献1の光融合型イメージング方法における拡散光トモグラフィの動作を示すフローチャートである。まず、ステップS1001において、全ての複数のチャネルペア(光出力チャネルと光出力チャネルのペア)において光信号(拡散光)を測定し、続いてステップS1002において、ステップS1001の測定結果を用いて所定領域内のボクセルの吸収係数を算出する、つまり吸収係数を再構成する。吸収係数は反復演算により算出されるが、その初期値は腫瘍情報1022に基づいて決定される。最後に、ステップS1003でボクセル毎の吸収係数を画像化して表示する。
図4Aは、光と超音波のそれぞれのプローブを融合した融合型プローブの外観の一例を示す図である。超音波のプローブを挟んで左側に複数の光入力チャネルが、右側に複数の光出力チャネルが配置されている。
図4Bは、光入力チャネルと光出力チャネルの間の光の伝播領域の一例を示す図である。光の伝播領域は、例えば、図4Aにおける光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu1のチャネルペアと、光入力チャネルIn2と光出力チャネルOu2のチャネルペアと、光入力チャネルIn3と光出力チャネルOu3のチャネルペアとにおいてそれぞれ生じる。一般に、光入力チャネルから照射された光は、生体内でバナナ形状の弧を描き、光出力チャネルに到達する。従って、チャネルペアにおいて光入力チャネルと光出力チャネルとの間の距離が遠いほど、光は深い領域を伝播することになる。例えば、光は、光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu1との間では深い領域1を伝播し、光入力チャネルIn2と光出力チャネルOu2との間では浅い領域2を伝播し、光入力チャネルIn3と光出力チャネルOu3との間ではさらに浅い領域3を伝播する。
米国特許出願公開第2004/0215072号
IEEE SIGNAL PROCESSING MAGAZINE,NOVEMBER 2001,pp.57−75
しかしながら、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000では、イメージングによって生成される画像の画質が劣化し、イメージングに長い時間を要するという問題がある。これは、この光融合型イメージング装置1000の拡散光トモグラフィにおいては、常に全てのチャネルペアを利用し、固定されたイメージング対象領域の吸収係数を再構成しているためである。以下、具体的に、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000の課題について説明する。
図5Aは、イメージング対象領域に対する腫瘍の位置関係を示す図である。上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000では、図5Aに示すように、腫瘍の位置やサイズに関わらずイメージング対象領域を固定にしている。
図5Bは、イメージング対象領域における腫瘍と光の伝播領域との位置関係を示す図である。なお、図5Bは、図5Aに示すイメージング対象領域のxz方向の断面における、チャネルペアの光の伝播領域の例を示す。
上述のように、光は、光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu1の間では深い領域1を伝播し、光入力チャネルIn2と光出力チャネルOu2の間では浅い領域2を伝播し、光入力チャネルIn3と光出力チャネルOu3の間ではさらに浅い領域3を伝播する。なお、実際には、光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu2との組み合わせなど、他の組み合わせ(チャネルペア)においても、光が伝播する領域が存在するが、説明を簡単にするため、図5Bでは図示しない。
領域3と領域1を比較すると、領域1のほうが光の伝播距離が長いため伝播途中での光の吸収及び散乱に伴う光強度の減衰が大きく、結果として光出力チャネルで検出または測定される光強度が低下する。測定時の雑音には光強度に依存しない成分が存在するため、光入力チャネルと光出力チャネル間の距離が遠いほど光出力チャネルにおける測定結果のSN比(信号に対する雑音の比であり、値が大きいほど信号に含まれる雑音が少ない)が低下することになる。測定結果のSN比が低下すると、測定結果に基づいて実施する再構成処理(吸収係数の推定処理)の精度も低下し、再構成結果を示す画像の画質も劣化する。
つまり、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000は、図5Bに示すように、腫瘍が領域2の範囲内にある場合でも、光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu1との間の測定結果など、SN比が低い測定結果を用いて、領域1など領域2以外の領域を含む固定のイメージング対象領域に対して再構成を実施している。これにより、再構成結果の画質が劣化してしまうのである。また、再構成に必要のないチャネルペアによる測定結果も含めて再構成を実施しているため、イメージングにかかる時間が長くなってしまうのである。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、画質を向上し、イメージングにかかる時間を短くした光融合型イメージング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法は、生体組織に対して照射されて前記生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定して前記生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法であって、前記生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズを前記構造特定方法によって特定する構造特定ステップと、前記構造特定ステップで特定された位置およびサイズに基づいて、前記観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定ステップと、前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定する測定ステップと、前記測定ステップの測定結果に基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージングステップと、前記イメージングステップによって画像化された光学的特性を表示する表示ステップとを含む。
これにより、例えば、超音波を用いた構造特定方法によって特定された観察対象物体の位置およびサイズに基づいて、その観察対象物体を含むイメージング対象領域が決定され、そのイメージング対象領域に対して拡散光トモグラフィによるイメージングが行われる。したがって、従来のように、観察対象物体のあらゆる位置およびサイズに対応し得るように、固定的なイメージング対象領域を予め広く設定しておく必要がなく、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法では、観察対象物体に応じてイメージング対象領域を適切な大きさで狭く設定することができる。その結果、SN比の低い拡散光の測定結果に基づいて光学的特性(例えば、吸収係数)の推定、すなわち光学的特性の再構成を行ってしまうことを避けることができ、画像化された光学的特性、すなわち再構成結果を示す画像の画質を向上し、イメージングにかかる時間(特に、再構成にかかる時間)を短くすることができる。
また、前記測定ステップは、前記領域決定ステップで決定された前記イメージング対象領域を近赤外光が伝播するように、前記生体組織に対して前記近赤外光を照射する照射ステップと、前記照射ステップで照射されて前記イメージング対象領域を伝播する前記近赤外光を前記拡散光として測定する対象領域測定ステップとを含んでもよい。
これにより、イメージング対象領域を伝播するように近赤外光が照射され、その照射された近赤外光が拡散光として測定されるため、その拡散光の測定時間を短くすることができる。つまり、従来では、観察対象物体の位置およびサイズに関わらず、予め定められた広い領域を伝播するように近赤外光が照射され、その照射された近赤外光が拡散光として測定されるが、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法では、上述のようにイメージング対象領域を適切な大きさで狭く設定することができるため、近赤外光の照射範囲、すなわち測定範囲を狭くすることができ、拡散光の測定時間を短くすることができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、それぞれ近赤外光を照射する照射チャネルと、前記照射チャネルから照射されて前記生体組織内で拡散する前記近赤外光である拡散光を検出する検出チャネルとからなる複数の組み合わせであって、それぞれ前記拡散光が伝播する領域が異なる複数のチャネルペアのうち、前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定し得るチャネルペアを選択する選択ステップを含み、前記照射ステップでは、前記選択ステップで選択されたチャネルペアの照射チャネルから前記近赤外光を照射し、前記対象領域測定ステップでは、前記選択ステップで選択されたチャネルペアの検出チャネルで前記拡散光を検出することにより、前記イメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定してもよい。
これにより、それぞれ照射チャネル(光入力チャネル)および検出チャネル(光出力チャネル)からなる複数のチャネルペアを有する光プローブを用いて、画質の向上と、拡散光の測定時間の短縮とを図ることができる。
また、前記測定ステップは、前記生体組織内の前記イメージング対象領域を含む予め定められた第1の領域を近赤外光が伝播するように、前記生体組織に対して前記近赤外光を照射する照射ステップと、前記照射ステップで照射されて前記予め定められた第1の領域を伝播する前記近赤外光を前記拡散光として測定する第1の既定領域測定ステップとを含み、前記イメージングステップでは、前記第1の既定領域測定ステップの測定結果のうち、前記イメージング対象領域を伝播する拡散光の測定結果のみに基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定してもよい。
例えば、予め定められた第1の領域は、観察対象物体のあらゆる位置およびサイズに対応し得るように、広く固定的に設定されている。このような場合に、その第1の領域を伝播するように近赤外光が照射されて拡散光として測定されても、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法では、その測定結果のうち、イメージング対象領域を伝播する拡散光の測定結果のみに基づいて光学的特性が推定される。その結果、SN比の低い拡散光の測定結果に基づいて光学的特性の推定、すなわち光学的特性の再構成を行ってしまうことを避けることができ、画像化された光学的特性、すなわち再構成結果を示す画像の画質を向上することができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、それぞれ近赤外光を照射する照射チャネルと、前記照射チャネルから照射されて前記生体組織内で拡散する前記近赤外光である拡散光を検出する検出チャネルとからなる複数の組み合わせであって、それぞれ前記拡散光が伝播する領域が異なる複数のチャネルペアのうち、前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定し得るチャネルペアを選択する選択ステップを含み、前記照射ステップでは、前記複数のチャネルペアの照射チャネルから前記近赤外光を照射し、前記第1の既定領域測定ステップでは、前記複数のチャネルペアの検出チャネルで前記拡散光を検出することにより、前記予め定められた第1の領域を伝播する前記拡散光を測定し、前記イメージングステップでは、前記第1の既定領域測定ステップの測定結果のうち、前記選択ステップで選択されたチャネルペアを用いた測定結果のみに基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定してもよい。
これにより、それぞれ照射チャネル(光入力チャネル)および検出チャネル(光出力チャネル)からなる複数のチャネルペアを有する光プローブを用いて、画質の向上を図ることができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、前記生体組織内に前記観察対象物体があるか否かを前記構造特定方法によって判別する判別ステップと、前記判別ステップで前記観察対象物体がないと判別されたときには、前記生体組織内の予め定められた第2の領域を伝播する前記拡散光を測定する第2の既定領域測定ステップと、前記第2の既定領域測定ステップの測定結果に基づいて前記予め定められた第2の領域内の光学的特性を推定して画像化する既定領域イメージングステップと、前記既定領域イメージングステップによって画像化された光学的特性を表示する既定領域表示ステップとを含み、前記構造特定ステップでは、前記判別ステップで前記観察対象物体があると判別されたときに、前記観察対象物体の位置およびサイズを特定してもよい。
例えば、予め定められた第2の領域は広く固定的に設定されている。したがって、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法では、生体組織内に観察対象物体が確認されない場合には、イメージングを中断することなく、広い範囲において拡散光トモグラフィによるイメージングを行い、生体組織の状況を把握することができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、前記イメージングステップで推定された光学的特性に基づいて、前記観察対象物体の生体的特性を特定し、前記生体的特性を示す診断補助情報を生成する補助情報生成ステップを含み、前記表示ステップでは、さらに、前記診断補助情報を表示してもよい。
例えば、観察対象物体が腫瘍である場合には、その腫瘍が悪性であるか良性であるかが生体的特性として特定されて表示されるため、被験者に対して有用な診断結果を提供することができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の機能的特徴を特定し、前記機能的特徴を示す機能情報を生成する機能情報生成ステップを含み、前記表示ステップでは、さらに、前記機能情報を表示してもよい。
例えば、生体組織に照射された超音波を測定することによって生体組織内の血流量などが機能的特徴として特定されて表示されるため、被験者に対して有用な診断結果を提供することができる。
なお、本発明は、このような光融合型イメージング方法として実現することができるだけでなく、その方法によりイメージングを行う装置、集積回路、コンピュータにその方法によるイメージングを実行させるためのプログラム、および、そのプログラムを格納する記録媒体としても実現することができる。
本発明の光融合型イメージング方法は、画質を向上し、イメージングにかかる時間を短くすることができる。つまり、SN比の低い測定結果の使用を最小限に抑え、結果として再構成結果の画質の向上および画像再構成に係る処理量の削減、ならびに処理時間の短縮を実現できる。
図1は、拡散光トモグラフィの構成例を示す模式図である。 図2は、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000の構成例を示すブロック図である。 図3は、従来の光融合型イメージング方法における拡散光トモグラフィの動作を示すフローチャートである。 図4Aは、光と超音波のそれぞれのプローブを融合した融合型プローブの外観の一例を示す図である。 図4Bは、光入力チャネルと光出力チャネルの間の光の伝播領域の一例を示す図である。 図5Aは、イメージング対象領域に対する腫瘍の位置関係を示す図である。 図5Bは、イメージング対象領域における腫瘍と光の伝播領域との位置関係を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1における光融合型イメージング装置100の外観図である。 図7は、同上の光融合型イメージング装置の構成例を示すブロック図である。 図8は、同上の固定タイプの融合型プローブの外観を示す図である。 図9は、同上の光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図10は、同上の図9におけるステップS103の処理を示すフローチャートである。 図11Aは、イメージング可能領域、イメージング対象領域および腫瘍の位置関係を示す図である。 図11Bは、イメージング可能領域およびイメージング対象領域における腫瘍と光の伝播領域との位置関係を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態1における変形例1に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図13は、同上の変形例2に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図14は、同上の変形例3に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図15は、同上の変形例4に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図16は、同上の変形例5に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図17Aは、本発明の実施の形態2における光融合型イメージング方法をコンピュータシステムにより実現するためのプログラムを格納する記録媒体の一例を示す図である。 図17Bは、同上の光融合型イメージング方法をコンピュータシステムにより実現するためのプログラムを格納する記録媒体の他の例を示す図である。 図17Cは、同上の光融合型イメージング方法をコンピュータシステムにより実現するためのシステムの例を示す図である。 図18Aは、本発明の光融合型イメージング装置の構成を示すブロック図である。 図18Bは、本発明の光融合型イメージング方法を示すフローチャートである。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明に係る光融合型イメージング方法および光融合型イメージング装置の実施の形態1について、図面を参照して説明する。
図6は、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の外観図である。
本実施の形態における光融合型イメージング装置100は、超音波と拡散光トモグラフィを併用したイメージング装置であって、画質を向上し、イメージングにかかる時間を短くすることができる。このような光融合型イメージング装置100は、主に表示装置10a、本体装置10bおよび融合型プローブ10cから構成されている。
表示装置10aは、光融合型イメージング方法により得られた画像や、医療関係に必要な情報を表示させるための液晶又はCRT等によるディスプレイ装置であり、オペレータからの入力を受け付けるタッチパネル等を有している。
本体装置10bは、融合型プローブ10cにおける超音波および近赤外光の送受信を制御するための送受信回路と、各種の信号や画像を処理するためのDSP(Digital Signal Processor)やRAM等からなる信号画像処理回路と、オペレータからの操作を受け付けるスイッチ群とを備える。
融合型プローブ10cは、例えば図4Aに示す融合型プローブと同様、超音波を送受信するための超音波振動子や音響レンズ等からなる超音波プローブと、複数の光入力チャネル(照射チャネル)および複数の光出力チャネル(検出チャネル)からなる光プローブとを備える。例えば、超音波プローブは、複数の光入力チャネルと、複数の光出力チャネルとの間に配設される。なお、光入力チャネルおよび光出力チャネルの組み合わせからチャネルペアが構成される。
図7は、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の構成例を示すブロック図である。
光融合型イメージング装置100は、超音波信号測定部101、超音波信号処理部102、表示部103、情報取得部104、領域決定部105、チャネルペア決定部106、光信号測定部107、および画像再構成部108を備える。なお、超音波信号測定部101と光信号測定部107は融合型プローブ10cを構成し、超音波信号測定部101は超音波プローブに相当し、光信号測定部107は光プローブに相当する。そして、表示部103は表示装置10aに相当する。
超音波信号測定部101と超音波信号処理部102は超音波信号を処理する。超音波信号測定部101は、超音波を照射し、生体内で反射および散乱した超音波を超音波信号として検出して測定する。超音波信号処理部102は、超音波信号測定部101によって測定された超音波信号を解析して画像化し、その解析によって得られた画像を示す超音波画像データd3を表示部103に出力する。さらに、超音波信号処理部102は、上述の解析によって腫瘍の位置、形状、およびサイズなどを特定し、それらを示す腫瘍情報d1を情報取得部104および画像再構成部108に出力する。超音波信号処理部102において得られる腫瘍情報d1は、2次元情報であってもよいし、3次元情報であってもよい。2次元情報である際には、得られる腫瘍の形状を示す情報は腫瘍の特定断面の形状を示す情報であり、その特定断面の形状を示す情報から腫瘍の3次元的な形状とサイズなどが別途推定される。
情報取得部104、領域決定部105、チャネルペア決定部106、光信号測定部107、および画像再構成部108は、拡散光トモグラフィの処理を実行する。
情報取得部104は、超音波信号処理部102から腫瘍情報d1を取得し、その腫瘍情報d1を領域決定部105に出力する。
領域決定部105は、情報取得部104から腫瘍情報d1を取得し、その腫瘍情報d1に基づいて、予め定められたイメージング可能領域の中から、イメージングすべき対象となる領域(イメージング対象領域)を決定する。そして、領域決定部105は、そのイメージング対象領域を示す領域情報d4をチャネルペア決定部106および画像再構成部108に出力する。
チャネルペア決定部106は、領域決定部105から領域情報d4を取得すると、その領域情報d4によって示されるイメージング対象領域の全てまたは一部を光の伝播領域とする有効なチャネルペアを少なくとも1つ、光信号測定部107が有する複数のチャネルペアの中から決定(選択)する。なお、チャネルペアは、1つの光入力チャネルと1つの光出力チャネルとの組み合わせである。そして、チャネルペア決定部106は、その決定されたチャネルペアを示すペア情報d5を光信号測定部107に出力する。
光信号測定部107は、チャネルペア決定部106からペア情報d5を取得すると、そのペア情報d5によって示されるチャネルペアを複数のチャネルペアの中から選択する。そして、光信号測定部107は、選択されたチャネルペアに含まれる光入力チャネルから近赤外光を照射し、選択されたチャネルペアに含まれる光出力チャネルによって、生体内で拡散した近赤外光(拡散光)を光信号として検出して測定する。光信号測定部107は、測定結果を示す光測定情報d6を画像再構成部108に出力する。なお、ペア情報d5によって示されるチャネルペアが複数ある場合には、光信号測定部107は、ペア情報d5によって示されるチャネルペアごとに、上述の光信号の測定を順次繰り返し行う。
画像再構成部108は、光信号測定部107から出力される光測定情報d6と、領域決定部105から出力される領域情報d4と、超音波信号処理部102から出力される腫瘍情報d1とを取得する。そして、画像再構成部108は、その光測定情報d6、領域情報d4および腫瘍情報d1を用いることによって、イメージング対象領域における腫瘍部分の吸収係数(または、吸収係数と散乱係数の双方)を推定する、つまり再構成する。このとき、画像再構成部108は、Diffusion Approximationを用いて再構成を行う。画像再構成部108は、この再構成によって得られた吸収係数を画像化し、その画像(再構成結果)を示す光画像データd7を表示部103に出力する。つまり、本実施の形態では、画像再構成部108は表示部103を制御する表示制御部を備える。
表示部103は、超音波画像データd3および光画像データd7のそれぞれによって示される画像を表示する。
なお、本実施の形態では、光信号測定部107および超音波信号測定部101を含む融合型プローブ10cは、図6に示すように、ユーザに移動されながら測定を行うスキャナタイプであるが、固定された状態で測定を行うタイプ(固定タイプ)であってもよい。例えば、固定タイプの融合型プローブ10cは、乳癌診断用に胸を覆うドーム型の形状に構成されている。
図8は、固定タイプの融合型プローブ10cの外観を示す図である。
固定タイプの融合型プローブ10cは、上述のように、ドーム型の形状に構成されている。融合型プローブ10cの凹部の内表面には、上述の超音波プローブp1と、それぞれ光入力チャネルc1および光出力チャネルc2からなる複数のチャネルペアを有する光プローブとが配設されている。
このような固定タイプの融合型プローブ10cは、例えば、診察用のベッド20に2つ固定される。診察用のベッド20には2つの孔21が設けられ、固定タイプの融合型プローブ10cは、それらの孔21のそれぞれに、凹部の内表面が上方に向くように嵌め込まれて固定される。女性の被験者は、ベッド20にうつ伏せで横たわり、胸を融合型プローブ10cの凹部に挿入する。このように、融合型プローブ10cの凹部に胸が収められた状態で測定が行われる。
なお、超音波プローブと拡散光トモグラフィの光プローブは、同一の筐体内に配置してもよいし、それぞれ独立の筐体に配置してもよい。ただし、拡散光トモグラフィの光プローブがスキャナタイプである際には、拡散光トモグラフィと超音波のイメージング領域の対応関係の取得容易性を鑑みて、両者のプローブを同一筐体内に配置することが望ましい。
図9は、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、図9を参照して本発明の光融合型イメージング装置100における拡散光トモグラフィ部分の動作を中心に説明する。
まず、情報取得部104は、超音波により得られた腫瘍情報d1を取得する(ステップS101)。続いて、領域決定部105は、取得された腫瘍情報d1に基づいて、少なくとも腫瘍部位を含むようにイメージング対象領域を自動的に決定する(ステップS102)。イメージング対象領域は、光信号測定部107が搭載する光入力チャネルおよび光出力チャネルによって再構成が可能なイメージング可能領域内に収まるように決定される。
なお、腫瘍のサイズおよび位置などを示す腫瘍情報d1は、ユーザが超音波画像(超音波画像データd3によって示される画像)において腫瘍位置を確認しながら、手動で決定されてもよいし、画像特徴量や過去の症例データベース等との比較等によって自動的に決定されてもよい。また、イメージング対象領域についても、ユーザが超音波画像で腫瘍位置を確認しながら、手動で決定されてもよい。また、融合型プローブ10cのサイズの制約等により、イメージング対象領域の全領域に渡って等しい感度を持つように光入力チャネルおよび光出力チャネルを配置することが困難な場合がある。この場合、光信号測定部107は、例えば、図4Aのxy平面に平行な断面における融合型プローブ10cの中央部分において感度が高くなるように設計される。このようなケースでは、腫瘍位置は感度の高い部分にあることが望ましい。従って、腫瘍位置が予め設定した領域内に治まるように融合型プローブ10cを移動させることをユーザに促すような表示手段などのインタフェースを光融合型イメージング装置100に備えてもよい。例えば、光融合型イメージング装置100は、イメージング可能領域内の高感度領域を示す情報を超音波画像に重畳させて表示し、超音波画像により示される腫瘍位置とイメージング可能領域における高感度領域との位置関係を示す。
次に、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域の再構成に必要となる有効なチャネルペアを決定する(ステップS103)。光信号測定部107は、ステップS103において使用すると決定された有効なチャネルペアを用いて、光入力チャネルからレーザー光(近赤外光)を照射し、生体内を伝播して光出力チャネルに到達する拡散光を光信号として測定する(ステップS104)。画像再構成部108は、ステップS104での測定の結果に基づいて、ステップS102で決定したイメージング対象領域内の各ボクセルにおける吸収係数を再構成(推定)して画像化する(ステップS105)。画像再構成部108は、吸収係数を再構成する際には、反復演算によりその吸収係数を算出する。このとき、画像再構成部108は、その吸収係数の初期値を腫瘍情報d1に基づいて決定する。ここで、拡散光トモグラフィにおける再構成時の逆問題を解く際には、再構成の精度の観点から反復演算の使用が望ましい。しかし、例えば、Diffusion Approximationなどのモデルを表現する行列の擬似的な逆行列を求めることで、反復演算を行わずに直接的に再構成結果(吸収係数)を得るなどしてもよい。なお、直接的に再構成結果を得る際には、ステップS105において初期値の設定は不要である。なお、吸収係数は絶対値であってもよいし、基準値からの差分を示す相対値であってもよい。また、再構成の対象は吸収係数に限定されるものではなく、散乱係数など他の光学的特性を示す特徴量であってもよい。
最後に、表示部103は、画像化された再構成結果(推定された吸収係数)を表示する(ステップS106)。画像再構成結果は、イメージング対象領域の断面を2次元的に表示してもよいし、イメージング対象領域全体を3次元的に表示してもよい。ここで、拡散光トモグラフィの再構成結果を超音波画像に重畳して表示する際には、2次元で表示するか3次元で表示するかを両者で一致させる。
図10は、ステップS103の処理を示すフローチャートである。
まず、チャネルペア決定部106は、チャネル間の光の伝播領域がイメージング対象領域の少なくとも一部を含むようなチャネルペアを選択する(ステップS1031)。ここで、光の伝播領域の決定方法について詳細に述べる。光出力チャネルの測定値は、伝播領域内の各ボクセル(3次元空間を複数の微小3次元空間に分割した場合の、分割後の各3次元空間。例えば、複数の立方体に分割するケースでは、個々の立方体がボクセルとなる。)における吸収係数や散乱係数などの光学的特性に基づいて決定される。ここで、ボクセルの感度を(式1)のように定義する。
Figure 2010143421
(式1)において、mSDは、光入力チャネルSに対する光出力チャネルDの理論的な測定値を示し、μx,y,zは、イメージング対象領域内の3次元座標(x,y,z)に位置するボクセルの光学的特性を示す。J(x,y,z)は、(x,y,z)に位置するボクセルの感度であり、光学的特性の変化量に対する、光出力チャネルDの測定値の変化量の割合を示す。ここで、変化量は、いずれも基準値からの変化量とする。各ボクセルにおける光量とボクセルの感度とは比例関係にあることから、光の伝播領域を、ボクセルの感度が所定の閾値以上である領域と定義する。ボクセルの感度は、特にボクセルの深さに大きく依存し、深さの増加に伴い感度が低下する。従って、光の伝播領域を決定する際の閾値を、ボクセルの深さに応じて切替えて、深い位置にあるボクセルほど閾値を下げるなどとしてもよい。また、光の伝播領域がイメージング対象領域内において一定の体積以上の領域を含む場合にのみ選択するなど、所定の条件に基づいて選択を実施してもよい。
次に、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域内で、ステップS1031で選択されたチャネルペアの光の伝播領域とオーバーラップする伝播領域を有する他のチャネルペアが存在するかどうかを判定する(ステップS1032)。ここで、チャネルペア決定部106は、存在すると判定する場合には(ステップS1032のはい)、ステップS1031で選択されたチャネルペアとの間で、伝播領域が互いにオーバーラップする他のチャネルペアを抽出する(ステップS1033)。このとき、他のチャネルペアが複数あるときには、チャネルペア決定部106は、それらの全ての他のチャネルペアを抽出する。一方、チャネルペア決定部106は、存在しないと判定すると(ステップS1032のいいえ)、後述するステップS1036の処理を実行する。
なお、オーバーラップ部分の体積、あるいは、イメージング対象領域内の光の伝播領域に占めるオーバーラップ部分の割合などが所定の閾値以上の場合にのみオーバーラップすると判定するなどしてもよい。
続いて、チャネルペア決定部106は、選択されたチャネルペアのイメージング対象領域内での光の伝播領域が、ステップS1033で抽出された他の1つ以上のチャネルペアの光の伝播領域に包含されるかどうかを判定する(ステップS1034)。ここで、チャネルペア決定部106は、包含されると判定すると(ステップS1034のはい)、ステップS1031で選択されたチャネルペアを測定に使用するチャネルペアから除外すると決定する(ステップS1035)。
なお、光の伝播領域が他のチャネルペアの光の伝播領域によって完全に包含されない場合でも、例えば、包含されない領域の体積や、包含されない領域における所定の断面のサイズ(例えば、包含されない領域のxy平面に平行な断面内で引くことのできる線分のうち、長さが最大または最小となる線分の長さなど)、あるいは、光の伝播領域に対する包含される部分の領域の割合、また、包含されない領域がイメージング対象領域の中心部あるいは周辺部のどちらにあるかなどの位置情報に基づいて、チャネルペアから除外するかどうかを決定してもよい。さらに、イメージング対象領域内において、いずれのチャネルペアの伝播領域にも含まれない領域が、所定の割合以下となるかどうかなども判定条件としてよい。
ステップS1034とステップS1035の処理は、ステップS1033で抽出されたチャネルペアのそれぞれに対して繰り返し実行される。ステップS1031においてチャネルペアを選択する方法としては、複数の方法が可能である。例えば、チャネル間の距離が遠いチャネルペアから順に選択することにより、チャネル間の距離が遠いチャネルペアを優先的に排除できる。
次に、チャネルペア決定部106は、光の伝播領域がイメージング対象領域の少なくとも一部を含む未選択のチャネルペアがあるか否かを判別し(ステップS1036)、未選択のチャネルペアがあると判別したときには(ステップS1036のはい)、ステップS1031からの処理を繰り返し実行する。一方、領域決定部105は、未選択のチャネルペアがないと判別したときには(ステップS1036のいいえ)、ステップS1031で選択されてステップS1035において除外されなかったチャネルペアを、測定に使用する有効なチャネルペアと決定する(ステップS1037)。
ここで、特にチャネル間の距離が類似したチャネルペア間で光の伝播領域がオーバーラップするようなケースでは、光の伝播領域がオーバーラップする複数のチャネルペアを使用することで光信号のSN比が高まることがある。例えば、チャネルペアA、チャネルペアB、およびチャネルペアCの3つのチャネルペアの光の伝播領域がオーバーラップしており、融合型プローブ10cの接触条件等に起因してチャネルペアAのSN比がチャネルペアBとチャネルペアCよりも低いとする。この場合、チャネルペアAのみを使うよりも、3つのチャネルペアを共に用いることで光信号のSN比が向上する。従って、光の伝播領域がオーバーラップするチャネルペアを所定の個数までは許容するなどしてもよい。また、測定はチャネルペア毎に実施され、各チャネルペアにおける拡散光の測定には数百ミリ秒以上の時間を要することがあり、特に、実時間に近い処理が要求される際には、測定時間がボトルネックと成り得る。そのため、測定時間に基づいてオーバーラップするチャネルペアの許容条件を設定してもよい。
以上では、イメージング対象領域に応じて使用するチャネルペアを動的に決定したが、所定のイメージング対象領域に対して使用するチャネルペアを予め決定しておき、その結果を保持しておいてもよい。例えば、イメージング可能領域を深さ方向でN個に分割し、分割した各領域(分割領域)において使用するチャネルペアをメモリに保持しておく。このとき、ステップS103では、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域が、イメージング可能領域内のどの分割領域に対応するかを決定し、当該領域において使用するチャネルペアをメモリから読み出すことで、再構成に必要な有効なチャネルペアを決定する。イメージング対象領域が、複数の分割領域に跨る際には、チャネルペア決定部106は、各分割領域において必要となるチャネルペアを全て、再構成に必要な有効なチャネルペアとして決定する。あるいは、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域のうち、いずれかの分割領域に含まれる領域の割合が閾値以上となるように分割領域を選択し、選択された分割領域で必要となるチャネルペアを決定してもよく、さらにこのとき、イメージング対象領域の中心部分は必ずいずれかの分割領域に含まれるようにするなど場所に応じて条件を設定してもよい。
また、ステップS103では、腫瘍情報やイメージング対象領域のサイズに基づいてボクセルサイズも適応的に決定することとしてもよい。例えば、腫瘍サイズに対応するようにボクセルサイズを調節する。あるいは、ボクセルの個数の増加に伴い再構成処理における演算処理量が増加するため、イメージング対象領域に含まれるボクセルの個数が所定の数以下となるようにボクセルサイズを設定する。さらに、イメージングする領域が深くなるにつれて測定結果のSN比が低下して再構成の精度も劣化する際には、深い領域における検出感度や分解能は、浅い領域に比べて低下する。従って、イメージング対象領域が深くなるにつれて、ボクセルサイズが大きくなるように、あるいは、設定可能なボクセルサイズの最小値が大きくなるようにしてもよい。
図11Aは、イメージング可能領域、イメージング対象領域および腫瘍の位置関係を示す図である。光融合型イメージング装置100は、図9のステップS102におけて、予め定められたイメージング可能領域の中からイメージング対象領域を決定する。イメージング対象領域(図11A中の太い点線で囲まれた領域)が腫瘍を包含するように決定される。ここで、イメージング可能領域は、実線で囲まれた領域であり、イメージング対象領域がイメージング可能領域内で領域を限定して設定されていることが分かる。なお、表示部103は、拡散光トモグラフィの画像(光画像データd7によって示される画像)を超音波画像に重畳して表示する際には、超音波画像内部での拡散光トモグラフィのイメージング対象領域を視覚的にユーザに知らせるため、イメージング対象領域の境界を表示してもよい。
図11Bは、イメージング可能領域およびイメージング対象領域における腫瘍と光の伝播領域との位置関係を示す図である。光融合型イメージング装置100は、図9のステップS103において、イメージング対象領域の再構成に必要となる有効なチャネルペアを決定する。つまり、光入力チャネルIn1および光出力チャネルOu1からなるチャネルペア(以下、第1のチャネルペアという)と、光入力チャネルIn2および光出力チャネルOu2からなるチャネルペア(以下、第2のチャネルペアという)と、光入力チャネルIn3および光出力チャネルOu3かからなるチャネルペア(以下、第3のチャネルペアという)とのうち、イメージング対象領域を含むのは第2のチャネルペアのみである。したがって、光融合型イメージング装置100は、第2のチャネルペアを有効なチャネルペアとして決定し、その第2のチャネルペアによる測定結果だけを用いた再構成を行う。つまり、光融合型イメージング装置100は、第1のチャネルペアおよび第3のチャネルペアを除外して、それらのチャネルペアによる測定結果を用いた再構成を行わない。なお、光入力チャネルIn1および光出力チャネルOu2からなるチャネルペアなど、他のチャネルペアについては図示しない。
このように、本実施の形態では、腫瘍の位置およびサイズを特定し、イメージング可能領域から、その腫瘍を含むイメージング対象領域を決定し、そのイメージング対象領域のみに対して拡散光の測定を行い、その結果に基づいてイメージングを行う。したがって、本変形例では、予め定められたイメージング可能領域をイメージング対象領域として扱い、その全体に対して拡散光の測定を行ってイメージングする従来の方法と比べて、イメージング対象領域を伝播しないSN比の低い拡散光の測定と、その測定結果に基づく吸収係数の推定とを省くことができ、推定された吸収係数を示す画像の画質を向上することができる。さらに、イメージングにかかる時間を短くすることができる。
(変形例1)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第1の変形例について述べる。
図12は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作(特に、拡散光トモグラフィ部分の動作)を示すフローチャートである。なお、本変形例における処理は、上記実施の形態における図9のフローチャートに示す処理と比べて、拡散光を測定するチャネルペアを固定とする点において異なる。
まず、上記実施の形態と同様に、情報取得部104は、超音波により得られた腫瘍情報d1を取得する(ステップS101)。続いて、領域決定部105は、取得された腫瘍情報d1に基づいて、少なくとも腫瘍部位を含むようにイメージング対象領域を自動的に決定する(ステップS102)。そして、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域の再構成に必要となる有効なチャネルペアを決定する(ステップS103)。
ここで、本変形例では、光信号測定部107は、ステップS103におけるチャネルペアの決定結果に関わらず、所定のチャネルペア、すなわち予め設定した複数のチャネルペアを用いて測定を実施する(ステップS204)。ここで、予め設定した複数のチャネルペアは、ステップS103で決定されたチャネルペアを包含するものとする。例えば、予め設定した複数のチャネルペアは、融合型プローブ10cが有する全てのチャネルペアであって、それらのチャネルペアの光の伝播領域には、ステップS102で決定されたイメージング対象領域とオーバーラップしない伝播領域も含まれる。また、例えば、イメージング可能領域内の全ての領域は、予め設定した複数のチャネルペアの光の伝播領域の何れかとオーバーラップする。
画像再構成部108は、ステップS204における測定結果の中から、ステップS103において使用すると決定された有効なチャネルペアの測定結果を選択し、その選択した測定結果を用いて再構成処理を行う(ステップS205)。さらに、表示部103は、画像化された再構成結果(推定された吸収係数)を表示する(ステップS106)。
なお、再構成処理においては、各チャネルペアの測定結果の、再構成に対する寄与度を重みとして決定し、重み付けを行って再構成してもよい。重みは、チャネルペアに対する光の伝播領域とイメージング対象領域のオーバーラップ部分の体積など、ステップS103におけるチャネルペア選択時と同様の指標に基づいて、そのチャネルペア、またはそのチャネルペアによる光の伝播領域に対して決定される。例えば、光の伝播領域のオーバーラップ部分の体積が大きいほど、その伝播領域に対して大きな重みが決定される。重み付けに必要なデータはステップS103において取得できるため、ステップS103で各チャネルペアの重み付けまで行ってもよい。
更に、チャネルペア(光の伝播領域)よりも細かい粒度である、ボクセル単位での重み付けも可能である。反復演算による再構成処理では、評価関数を定義し、評価関数の値が収束したとみなせるまで反復する。このとき、評価関数は、以下の(式2)に示す誤差項と呼ばれる項を含む。
Figure 2010143421
(式2)において、allSDは、使用する全てのチャネルペアを示し、allVOXELは、それぞれのチャネルペアの伝播領域に含まれる全てのボクセルを示す。MSDは、光入力チャネルSから入力した光の、光出力チャネルDにおける実測値を示す。(式2)中の
Figure 2010143421
は、基準データと、実際の測定対象との間の測定値の変化量を示す。一方、(式2)中の
Figure 2010143421
は、(式1)中の
Figure 2010143421
に相当し、光出力チャネルDにおける測定値の変化量の理論値を示す。従って、誤差項Aは、各チャネルペアについて、理論値と実測値との差分を、全チャネルペアに渡って足し合わせた結果となる。再構成時には、誤差項Aを含む評価関数の値が小さくなるように、(式2)における未知のパラメータである
Figure 2010143421
の値を順次更新する。
ここで、J(x,y,z)は、ボクセルの感度であることから、評価関数値に対する各ボクセルの寄与度が感度に依存して異なり、感度の高いボクセルほど寄与度が高くなる。例えば、誤差項Aの値を0.1だけ変化させるとすると、感度が1であるボクセルであれば、吸収係数を0.1だけ変化させればよいが、感度が0.1であるボクセルの場合には、吸収係数を1だけ変化させる必要がある。このように、再構成処理においては、感度が高いボクセルの吸収係数が優先的に更新される傾向がある。従って、互いに感度の異なるボクセルが、評価関数値に対して同等の寄与度をもつように、評価関数において各ボクセルに対して重み付けしてもよい。重みの決定は、感度の逆数に基づいて行う、あるいは、より簡単化して、ボクセルの深さに応じて、深い位置にあるボクセルほど重みを大きくするなどが可能である。
このように、本変形例では、腫瘍の位置およびサイズを特定し、イメージング可能領域から、その腫瘍を含むイメージング対象領域を決定し、そのイメージング対象領域を含む予め定められた領域(例えばイメージング可能領域)に対して拡散光の測定を行う。そして、本変形例では、その予め定められた領域に対する測定結果のうち、イメージング対象領域に対する測定結果のみに基づいてイメージングを行う。したがって、本変形例では、予め定められた領域をイメージング対象領域として扱い、その全体に対して拡散光の測定を行ってイメージングする従来の方法と比べて、イメージング対象領域を伝播しないSN比の低い拡散光の測定結果に基づく吸収係数の推定を省くことができ、推定された吸収係数を示す画像の画質を向上することができる。さらに、イメージングにかかる時間を短くすることができる。
(変形例2)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第2の変形例について述べる。
図13は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例に係る光融合型イメージング装置100は、超音波により腫瘍を検出したかどうかに応じてイメージング対象領域の決定方法を切替える点に特徴がある。
まず、情報取得部104は、超音波により得られた腫瘍情報d1を取得する(ステップS301)。この腫瘍情報d1には、超音波により腫瘍を検出したかどうかを示す情報が含まれる。領域決定部105は、取得された腫瘍情報d1に含まれる上記情報に基づいて、超音波により腫瘍を検出したかどうかを判定する(ステップS302)。ここで、領域決定部105によって検出したと判定されると(ステップS302のはい)、上記実施の形態の図9に示すステップS102〜S104と同様に、領域決定部105は、取得された腫瘍情報d1に基づいてイメージング対象領域を自動的に決定し(ステップS303)、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域の再構成に必要となる有効なチャネルペアを決定する(ステップS304)。さらに、光信号測定部107は、ステップS304において使用すると決定された有効なチャネルペアを用いて、光入力チャネルからレーザー光(近赤外光)を照射し、生体内を伝播して光出力チャネルに到達する拡散光を測定する(ステップS305)。
一方、ステップS302で腫瘍を検出していないと判定されると(ステップS302のいいえ)、領域決定部105は、所定のイメージング対象領域、すなわち予め定められたイメージング対象領域を使用すると決定する(ステップS306)。なお、この所定のイメージング対象領域は、例えば、イメージング可能領域の全体である。次に、チャネルペア決定部106は、ステップS306において決定した所定のイメージング対象領域に対応する所定のチャネルペア、すなわち予め定められた複数のチャネルペアを使用して拡散光の測定を行う(ステップS307)。
そして、画像再構成部108は、ステップS305またはステップS307での測定の結果に基づいて、決定されたイメージング対象領域内の吸収係数を再構成して画像化する(ステップS105)。表示部103は、画像化された再構成結果を表示する(ステップS106)。
このように、本変形例では、腫瘍の有無に基づいて、イメージング対象領域を決定するため、腫瘍が無いような場合でも、適切にイメージングを行うことができる。
(変形例3)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第3の変形例について述べる。
図14は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例に係る光融合型イメージング装置100は、過去の再構成結果に基づいて、再構成処理における各ボクセルの吸収係数の初期値を決定する点に特徴がある。
まず、情報取得部104は、超音波により得られた腫瘍情報d1を取得する(ステップS401)。次に、光融合型イメージング装置100は、上記実施の形態の図9に示すステップS102〜S104と同様の処理を実行する(ステップS102〜S104)。
画像再構成部108は、ステップS102〜S104の処理が行われている間、過去の再構成結果に基づいて腫瘍部と非腫瘍部の吸収係数を推定する(ステップS402)。過去の再構成結果としては、同一検査時の過去の測定結果、あるいは、過去の検査時の測定結果を用いることができる。同一検査時の過去の測定結果としては、例えば、ユーザが融合型プローブ10cを移動しながら複数位置で再構成を実施する場合、その移動中における時間的に前の再構成結果を使用できる。また、過去の検査時の測定結果としては、検査を複数回受診する際の以前の再構成結果が利用できる。なお、吸収係数は悪性腫瘍部と良性腫瘍部とで異なるため両者は別々に設定される。
画像再構成部108は、ステップS402において決定した腫瘍部と非腫瘍部の吸収係数、および、ステップS401にて取得された腫瘍情報d1の示す腫瘍の位置とサイズなどに基づいて、再構成処理における各ボクセルの吸収係数の初期値、つまり再構成の反復演算における初期画像を決定する(ステップS403)。
そして、画像再構成部108は、ステップS104の測定結果と、ステップS403で決定した初期値(初期画像)とを用いて再構成を実施し、ステップS102で決定されたイメージング対象領域内の吸収係数を再構成して画像化する(ステップS404)。表示部103は、画像化された再構成結果を表示する(ステップS106)。
このように、本変形例では、過去の再構成結果に基づいて、再構成処理における初期値を決定し、その過去の再構成結果は、ステップS404で得られる再構成結果に近似していることが一般的であるため、再構成処理における反復演算の処理負担を軽減することができるとともに、再構成の精度を向上することができる。
(変形例4)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第4の変形例について述べる。
図15は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例に係る光融合型イメージング装置100は、再構成結果だけでなく、その再構成結果に基づく診断補助情報も表示または提示する点に特徴がある。
まず、光融合型イメージング装置100は、上記実施の形態の図9に示す動作と同様に、腫瘍情報d1を取得し、その腫瘍情報d1に基づいてイメージング対象領域および有効なチャネルペアを決定し、そのチャネルペアにおける測定結果に基づいてイメージング対象領域における吸収係数の再構成を実施する(ステップS101〜S105)。
ここで、本変形例における画像再構成部108は、ステップS105における再構成結果、つまり、イメージング対象領域の各ボクセルの吸収係数に基づいて、診断補助情報を生成する(ステップS501)。例えば、画像再構成部108は、再構成結果に基づいて腫瘍が良性であるか悪性であるかを判定し、その結果を示す診断補助情報を生成する。具体的には、画像再構成部108は、再構成結果である吸収係数が閾値よりも大きいときには、腫瘍が悪性と判定し、その吸収係数が閾値以下であるときには、腫瘍が良性と判定する。または、画像再構成部108は、過去の再構成結果と最近の再構成結果とを比較し、腫瘍の変化を示す診断補助情報を生成する。例えば、被験者が化学療法(放射線治療など)を受けている場合には、画像再構成部108は、上述の腫瘍の変化を化学療法の効果として扱い、その効果を示す診断補助情報を生成する。
そして、表示部103は、画像化された再構成結果とともに上述の診断補助情報を表示する(ステップS502)。
(変形例5)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第5の変形例について述べる。
図16は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例に係る光融合型イメージング装置100は、再構成結果と、超音波によって得られた機能情報(以下、超音波機能情報という)とを表示または提示する点に特徴がある。つまり、上記実施の形態では、通常のBモード画像などを用いて、腫瘍の位置や大きさなどの構造情報、すなわち腫瘍情報d1を取得する目的で超音波を用いたが、本変形例では、さらに、超音波エコー強度の時間変化などから、組織の性質を示す超音波機能情報を取得する目的でも超音波を用いる。そして、本変形例では、その超音波によって得られた超音波機能情報と、光(近赤外光)によって得られた再構成結果と併用する。なお、光によって得られた再構成結果は、光によって得られた機能情報であり、光機能情報という。
まず、情報取得部104は、超音波信号処理部102から、超音波によって生成された腫瘍情報d1を取得し、画像再構成部108は、その超音波信号処理部102から、超音波機能情報を取得する(ステップS601)。すなわち、本変形例に係る超音波信号処理部102は、超音波信号測定部101によって測定された超音波信号を解析することによって、腫瘍の位置、形状、およびサイズなどの構造に関する情報である構造情報を上述の腫瘍情報d1として生成するとともに、超音波信号の時間的変化などを解析することによって、組織の性質(例えば血流量など)を示す超音波機能情報を生成する。そして、超音波信号処理部102は、腫瘍情報d1を情報取得部104に出力するとともに、その腫瘍情報d1と超音波機能情報とを画像再構成部108に出力する。
次に、光融合型イメージング装置100は、上記実施の形態の図9に示すステップS102〜S105と同様の処理を実行する(ステップS102〜S105)。
表示部103は、ステップS105で画像化された再構成結果を、光機能情報として表示するとともに、ステップS601で取得された超音波機能情報を表示する(ステップS602)。つまり、表示部103は、超音波によって得られた構造情報を示す画像(超音波画像データd3によって示される画像)に加えて、光と超音波から得られた機能情報を取得し、併せて表示する。このとき、画像再構成部108は、光機能情報と超音波機能情報の両方に基づき、新規の機能情報パラメータを定義し、その機能情報パラメータを表示部103に表示させてもよい。あるいは、画像再構成部108は、両者の機能情報に関連性がある場合には、機能情報間の整合度合いを調べ、整合度合いが高いほど得られた機能情報の信頼度が高いと判定するなどしてもよい。例えば、超音波機能情報が、光機能情報と同様に、組織内の血流量を反映する場合などに可能である。この場合、画像再構成部108は、その判定結果を表示部103に表示させる。
なお、本変形例では、超音波によって得られた機能情報を表示したが、光や超音波以外の他のモーダルによって得られた機能情報を表示してもよい。さらに、変形例4と同様に、得られた機能情報および構造情報に基づいて診断補助情報を生成して、その診断補助情報も表示してもよい。
(実施の形態2)
上記実施の形態1およびその変形例で示した光融合型イメージング方法を実現するためのプログラムを、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録するようにすることにより、上記実施の形態1およびその変形例で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
図17A〜図17Cは、上記実施の形態1およびその変形例の光融合型イメージング方法を、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録されたプログラムを用いて、コンピュータシステムにより実施する場合の説明図である。
図17Bは、フレキシブルディスクFの正面からみた外観、断面構造、及びフレキシブルディスク本体FDを示し、図17Aは、記録媒体本体であるフレキシブルディスク本体FDの物理フォーマットの例を示している。フレキシブルディスク本体FDはケース内に内蔵され、該ディスクの表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフレキシブルディスクFでは、上記フレキシブルディスク本体FD上に割り当てられた領域に、上記プログラムが記録されている。
また、図17Cは、フレキシブルディスクFに対して上記プログラムの記録再生を行うための構成を示す。光融合型イメージング方法を実現する上記プログラムをフレキシブルディスクFに記録する場合は、コンピュータシステムCsから上記プログラムをフレキシブルディスクドライブFDDを介して書き込む。また、フレキシブルディスクF内の上記プログラムにより上記光融合型イメージング方法をコンピュータシステムCs中に構築する場合は、フレキシブルディスクドライブFDDによりプログラムをフレキシブルディスクFから読み出し、コンピュータシステムCsに転送する。
なお、上記説明では、記録媒体としてフレキシブルディスクを用いて説明を行ったが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。
以上、本発明に係る光融合型イメージング方法および装置について、上記実施の形態1および2ならび変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態および変形例に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を上記各実施の形態および変形例に施したものも、本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態1における光融合型イメージング装置100は、図7に示すように情報取得部104などの構成要素を備えたが、それらの構成要素を備えなくてもよい。
図18Aは、本発明に係る光融合型イメージング装置の構成を示すブロック図である。
この光融合型イメージング装置30は、生体組織に対して照射されてその生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定してその生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、その拡散光の測定と異なる測定を行って生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法によって、生体組織内を画像化する光融合型イメージング装置であって、生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズをその構造特定方法によって特定する構造特定部31と、構造特定部31によって特定された位置およびサイズに基づいて、観察対象物体(腫瘍)を含むイメージング対象領域を決定する領域決定部32と、領域決定部32によって決定されたイメージング対象領域を伝播する拡散光を測定する測定部33と、測定部33による測定結果に基づいてイメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージング部34と、イメージング部34によって画像化された光学的特性を表示する表示部35とを備える。
例えば、光融合型イメージング装置30は、上述の実施の形態および変形例の光融合型イメージング装置100に相当する。同様に、構造特定部31は、上述の実施の形態および変形例の超音波信号測定部101および超音波信号処理部102に相当し、領域決定部32は、上述の実施の形態および変形例の領域決定部105に相当する。測定部33は、上述の実施の形態および変形例のチャネルペア決定部106および光信号測定部107に相当する。また、イメージング部34および表示部35はそれぞれ、上述の実施の形態および変形例の画像再構成部108および表示部103に相当する。
図18Bは、本発明に係る光融合型イメージング方法の動作を示すフローチャートである。
この光融合型イメージング方法は、生体組織に対して照射されて生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定してその生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、その拡散光の測定と異なる測定を行って生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法であって、生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズをその構造特定方法によって特定する構造特定ステップS21と、構造特定ステップS21で特定された位置およびサイズに基づいて、その観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定ステップS22と、領域決定ステップS22で決定されたイメージング対象領域を伝播する拡散光を測定する測定ステップS23と、測定ステップS23の測定結果に基づいてそのイメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージングステップS24と、イメージングステップS24によって画像化された光学的特性を表示する表示ステップS25とを含む。
このような光融合型イメージング装置30では、例えば、超音波を用いた構造特定方法によって特定された観察対象物体の位置およびサイズに基づいて、その観察対象物体を含むイメージング対象領域が決定され、そのイメージング対象領域に対して拡散光トモグラフィによるイメージングが行われる。したがって、従来のように、観察対象物体のあらゆる位置およびサイズに対応し得るように、固定的なイメージング対象領域を予め広く設定しておく必要がなく、本発明に係る光融合型イメージング装置30では、観察対象物体に応じてイメージング対象領域を適切な大きさで狭く設定することができる。その結果、SN比の低い拡散光の測定結果に基づいて光学的特性(例えば、吸収係数)の推定、すなわち光学的特性の再構成を行ってしまうことを避けることができ、画像化された光学的特性、すなわち再構成結果を示す画像の画質を向上し、イメージングにかかる時間(特に、再構成にかかる時間)を短くすることができる。
したがって、本発明は、光融合型イメージング装置100のように情報取得部104などの構成要素がなくても、上記作用効果を奏することができる。
また、光融合型イメージング装置100は、再構成結果をメモリに記録する記録手段をさらに備えてもよい。記録手段は、再構成結果に加えて、イメージング対象領域、測定に使用したチャネルペアを示す情報、測定結果、あるいは、再構成結果に対応する超音波画像との間の位置関係を示す情報などをメモリに記録してもよい。
また、上記実施の形態1では、ステップS102において、超音波の構造情報に基づく腫瘍情報d1からイメージング対象領域を決定したが、超音波の機能情報に基づく腫瘍情報d1からイメージング対象領域を決定してもよい。
なお、上記各実施の形態および変形例の光融合型イメージング装置100では、超音波と光を併用したが、光を用いたイメージング手法(拡散光トモグラフィ)に、超音波を用いたイメージング手法以外の他のイメージング手法を組み合わせてもよく、光および超音波を併用したイメージング手法に、さらに他のイメージング手法を組み合わせてもよい。他のイメージング手法は、例えば、エックス線を用いたマンモグラフィやCT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、あるいはPET(Positron Emission Tomography)などである。
また、上記各実施の形態および変形例では、拡散光トモグラフィを、超音波を用いたイメージング手法と組み合わせたが、拡散光トモグラフィとは異なる他の光イメージング手法を組合せてもよい。他の光イメージング手法は、例えば、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography)である。
また、上記各実施の形態および変形例の光融合型イメージング装置100では、体の外から観察した。しかし、光融合型イメージング装置100を内視鏡に組み込んでもよい。
また、本発明に係る光融合型イメージング装置100の用途は、腫瘍の検出に限定されない。例えば、本発明に係る光融合型イメージング装置100は、脳内の血流変化に基づいた脳機能のイメージングや、出血等を伴う脳内疾患の検出などにも応用できる。さらに、上記各実施の形態および変形例では、光融合型イメージング装置100は、腫瘍のサイズや位置に基づいてイメージング対象領域を設定(決定)したが、腫瘍と異なる観察対象物体のサイズや位置に基づいてイメージング対象領域を設定してもよい。
また、図7に示す領域決定部105、チャネルペア決定部106、および、画像再構成部108などの各ブロック(構成要素)は典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
本発明に係る光融合型イメージング方法および装置は、光以外のイメージング手段により取得した腫瘍の位置やサイズに基づいて拡散光トモグラフィのイメージング対象領域を決定し、さらにイメージング対象領域に基づいて拡散光の測定に使用するチャネルペアを決定するため、測定信号のSN比の向上による再構成結果の高画質化のみならず、イメージングにかかる時間も短縮される。故に本発明に係る光融合型イメージング方法および装置は、特に医療機器産業において高い利用可能性をもつ。
10a 表示装置
10b 本体装置
10c 融合型プローブ
30,100 光融合型イメージング装置
31 構造特定部
32,105 領域決定部
33 測定部
34 イメージング部
35,103 表示部
101 超音波信号測定部
102 超音波信号処理部
104 情報取得部
106 チャネルペア決定部
107 光信号測定部
108 画像再構成部
本発明は、拡散光を用いて生体内の光学的特性をイメージングするための光融合型イメージング方法および装置などに関する。
生体内のイメージング方法としては、エックス線や超音波などが医療向けを中心として普及しているが、近年、非侵襲なイメージング手段として、波長700−900nm程度の近赤外光(NIR:Near Infrared Light)が注目されている。近赤外光は、水などによる吸収が小さいため生体内での透過性が比較的高く、エネルギーも低いことから生体内のイメージングに適している。したがって、近赤外光を生体表面から照射し、生体内で拡散、吸収されて再び生体表面に戻ってきた光を検出することで、生体組織における吸収係数や散乱係数の分布が得られる。このようなイメージング方法は、拡散光を用いて生体内の3次元情報を得ることから拡散光トモグラフィ(DOT:Diffuse Optical Tomography)と呼ばれる。
例えば、悪性腫瘍の部位および周辺では癌細胞の活発な増殖に伴い、新生血管が発生するため、正常組織あるいは良性腫瘍に比べて血流が増加し、ヘモグロビン濃度が上昇する。ヘモグロビン濃度が上昇すると近赤外光における光の吸収係数が増加することから、生体内の吸収係数の分布を調べることで悪性腫瘍の検出、あるいは、良性腫瘍と悪性腫瘍との判別が可能となる。このように、拡散光トモグラフィでは、エックス線や超音波では得られない生体組織の光学的特性を得ることができ、早期癌の発見や、無侵襲な生検、あるいは化学療法の効果のモニタリングなどへの応用が期待される。現在、特に乳癌を中心とした研究が活発に行われている。
図1は、拡散光トモグラフィの構成例を示す模式図である。まず、光入力チャネルと光出力チャネルを備えたプローブが被験者の体表面に当てられる。光源に繋がれた光入力チャネルから被験者の生体内にレーザー光が入力光として照射され、生体組織で拡散された光が腫瘍部に到達し、さらに到達した光の一部が再び散乱、吸収されながら出力光として光出力チャネルに到達する。画像再構成装置では、光入力チャネルから照射された入力光に対する、光出力チャネルで測定した出力光における振幅の減衰度合いや位相の変化量などの情報を元に、生体内の吸収係数あるいは散乱係数の分布をイメージング(再構成)する。
以下、拡散光トモグラフィの画像再構成方法の一例について概説する(詳細は、非特許文献1を参照のこと)。未知数は、生体組織内での吸収係数と散乱係数の分布であり、画像再構成時には、3次元のイメージング対象領域を複数の微小領域(以降、ボクセルと呼ぶ)に分割し、各ボクセルの吸収係数と散乱係数を推定する。生体内での光の伝播過程については、複数のモデルが提案されているが、Diffusion Approximationと呼ばれる手法が精度の良い近似方法として一般的である。ここで、各ボクセルの吸収係数と散乱係数として推定値を与えると、Diffusion Approximationにより生体内での光の伝播領域と振幅の減衰が決定できるため、光入力チャネルから発せられた入力光に対する、光出力チャネルで測定される出力光における位相と振幅の変化量が推定できる。従って、位相と振幅の変化量の推定値が実際の測定値に近づく、あるいは一致するように、各ボクセルの吸収係数と散乱係数を反復的に更新することで、最終的な吸収係数と散乱係数の推定値が得られる。ここで、位相と振幅の変化量の測定、およびモデルに基づく推定値の計算は、光入力チャネルと光出力チャネルにおける複数のペアに対して行われる。
このように、拡散光トモグラフィの画像再構成は逆問題を解くことに相当するため、反復演算の初期値を適切に設定することで、再構成精度(推定精度)の向上、すなわち検出感度と空間分解能の向上、および反復回数の削減に伴う演算処理量の削減が見込まれる。
先行例としては、超音波と拡散光トモグラフィを併用し、超音波によって取得した腫瘍位置に基づいて反復演算の初期値を設定する特許文献1に記載の方法がある。超音波など光以外のイメージング手段と拡散光トモグラフィを併用する手法(光融合型イメージング方法)は、組織の構造情報という超音波など従来の診断装置によって提供されていた情報に加えて、光学的特性という機能情報を提供できるだけでなく、拡散光トモグラフィ自体の性能も向上できる点で将来的に非常に有望なイメージング手法と言える。
ここで、超音波など光以外のイメージング手段と拡散光トモグラフィを併用する上記特許文献1の光融合型イメージング装置およびその方法について説明する。
図2は、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000の構成例を示すブロック図である。超音波信号測定部1001と超音波信号処理部1002は超音波信号の処理部である。超音波信号処理部1002は、超音波信号測定部1001で測定した超音波信号を解析および画像化し、超音波画像データ1021を表示部1003に出力して、腫瘍の位置やサイズを示す腫瘍情報1022を画像再構成部1005に出力する。光信号測定部1004と画像再構成部1005は拡散光トモグラフィの処理部に相当する。画像再構成部1005は、生体内の吸収係数などを再構成し、つまり、吸収係数を推定し、その結果を画像として示す光画像データ1051を表示部1003に出力する。表示部1003は、超音波画像データ1021と光画像データ1051とを表示する。
図3は、上記特許文献1の光融合型イメージング方法における拡散光トモグラフィの動作を示すフローチャートである。まず、ステップS1001において、全ての複数のチャネルペア(光出力チャネルと光出力チャネルのペア)において光信号(拡散光)を測定し、続いてステップS1002において、ステップS1001の測定結果を用いて所定領域内のボクセルの吸収係数を算出する、つまり吸収係数を再構成する。吸収係数は反復演算により算出されるが、その初期値は腫瘍情報1022に基づいて決定される。最後に、ステップS1003でボクセル毎の吸収係数を画像化して表示する。
図4Aは、光と超音波のそれぞれのプローブを融合した融合型プローブの外観の一例を示す図である。超音波のプローブを挟んで左側に複数の光入力チャネルが、右側に複数の光出力チャネルが配置されている。
図4Bは、光入力チャネルと光出力チャネルの間の光の伝播領域の一例を示す図である。光の伝播領域は、例えば、図4Aにおける光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu1のチャネルペアと、光入力チャネルIn2と光出力チャネルOu2のチャネルペアと、光入力チャネルIn3と光出力チャネルOu3のチャネルペアとにおいてそれぞれ生じる。一般に、光入力チャネルから照射された光は、生体内でバナナ形状の弧を描き、光出力チャネルに到達する。従って、チャネルペアにおいて光入力チャネルと光出力チャネルとの間の距離が遠いほど、光は深い領域を伝播することになる。例えば、光は、光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu1との間では深い領域1を伝播し、光入力チャネルIn2と光出力チャネルOu2との間では浅い領域2を伝播し、光入力チャネルIn3と光出力チャネルOu3との間ではさらに浅い領域3を伝播する。
米国特許出願公開第2004/0215072号明細書
IEEE SIGNAL PROCESSING MAGAZINE,NOVEMBER 2001,pp.57−75
しかしながら、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000では、イメージングによって生成される画像の画質が劣化し、イメージングに長い時間を要するという問題がある。これは、この光融合型イメージング装置1000の拡散光トモグラフィにおいては、常に全てのチャネルペアを利用し、固定されたイメージング対象領域の吸収係数を再構成しているためである。以下、具体的に、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000の課題について説明する。
図5Aは、イメージング対象領域に対する腫瘍の位置関係を示す図である。上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000では、図5Aに示すように、腫瘍の位置やサイズに関わらずイメージング対象領域を固定にしている。
図5Bは、イメージング対象領域における腫瘍と光の伝播領域との位置関係を示す図である。なお、図5Bは、図5Aに示すイメージング対象領域のxz方向の断面における、チャネルペアの光の伝播領域の例を示す。
上述のように、光は、光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu1の間では深い領域1を伝播し、光入力チャネルIn2と光出力チャネルOu2の間では浅い領域2を伝播し、光入力チャネルIn3と光出力チャネルOu3の間ではさらに浅い領域3を伝播する。なお、実際には、光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu2との組み合わせなど、他の組み合わせ(チャネルペア)においても、光が伝播する領域が存在するが、説明を簡単にするため、図5Bでは図示しない。
領域3と領域1を比較すると、領域1のほうが光の伝播距離が長いため伝播途中での光の吸収及び散乱に伴う光強度の減衰が大きく、結果として光出力チャネルで検出または測定される光強度が低下する。測定時の雑音には光強度に依存しない成分が存在するため、光入力チャネルと光出力チャネル間の距離が遠いほど光出力チャネルにおける測定結果のSN比(信号に対する雑音の比であり、値が大きいほど信号に含まれる雑音が少ない)が低下することになる。測定結果のSN比が低下すると、測定結果に基づいて実施する再構成処理(吸収係数の推定処理)の精度も低下し、再構成結果を示す画像の画質も劣化する。
つまり、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000は、図5Bに示すように、腫瘍が領域2の範囲内にある場合でも、光入力チャネルIn1と光出力チャネルOu1との間の測定結果など、SN比が低い測定結果を用いて、領域1など領域2以外の領域を含む固定のイメージング対象領域に対して再構成を実施している。これにより、再構成結果の画質が劣化してしまうのである。また、再構成に必要のないチャネルペアによる測定結果も含めて再構成を実施しているため、イメージングにかかる時間が長くなってしまうのである。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、画質を向上し、イメージングにかかる時間を短くした光融合型イメージング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法は、生体組織に対して照射されて前記生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定して前記生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法であって、前記生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズを前記構造特定方法によって特定する構造特定ステップと、前記構造特定ステップで特定された位置およびサイズに基づいて、前記観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定ステップと、前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定する測定ステップと、前記測定ステップの測定結果に基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージングステップと、前記イメージングステップによって画像化された光学的特性を表示する表示ステップとを含む。
これにより、例えば、超音波を用いた構造特定方法によって特定された観察対象物体の位置およびサイズに基づいて、その観察対象物体を含むイメージング対象領域が決定され、そのイメージング対象領域に対して拡散光トモグラフィによるイメージングが行われる。したがって、従来のように、観察対象物体のあらゆる位置およびサイズに対応し得るように、固定的なイメージング対象領域を予め広く設定しておく必要がなく、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法では、観察対象物体に応じてイメージング対象領域を適切な大きさで狭く設定することができる。その結果、SN比の低い拡散光の測定結果に基づいて光学的特性(例えば、吸収係数)の推定、すなわち光学的特性の再構成を行ってしまうことを避けることができ、画像化された光学的特性、すなわち再構成結果を示す画像の画質を向上し、イメージングにかかる時間(特に、再構成にかかる時間)を短くすることができる。
また、前記測定ステップは、前記領域決定ステップで決定された前記イメージング対象領域を近赤外光が伝播するように、前記生体組織に対して前記近赤外光を照射する照射ステップと、前記照射ステップで照射されて前記イメージング対象領域を伝播する前記近赤外光を前記拡散光として測定する対象領域測定ステップとを含んでもよい。
これにより、イメージング対象領域を伝播するように近赤外光が照射され、その照射された近赤外光が拡散光として測定されるため、その拡散光の測定時間を短くすることができる。つまり、従来では、観察対象物体の位置およびサイズに関わらず、予め定められた広い領域を伝播するように近赤外光が照射され、その照射された近赤外光が拡散光として測定されるが、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法では、上述のようにイメージング対象領域を適切な大きさで狭く設定することができるため、近赤外光の照射範囲、すなわち測定範囲を狭くすることができ、拡散光の測定時間を短くすることができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、それぞれ近赤外光を照射する照射チャネルと、前記照射チャネルから照射されて前記生体組織内で拡散する前記近赤外光である拡散光を検出する検出チャネルとからなる複数の組み合わせであって、それぞれ前記拡散光が伝播する領域が異なる複数のチャネルペアのうち、前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定し得るチャネルペアを選択する選択ステップを含み、前記照射ステップでは、前記選択ステップで選択されたチャネルペアの照射チャネルから前記近赤外光を照射し、前記対象領域測定ステップでは、前記選択ステップで選択されたチャネルペアの検出チャネルで前記拡散光を検出することにより、前記イメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定してもよい。
これにより、それぞれ照射チャネル(光入力チャネル)および検出チャネル(光出力チャネル)からなる複数のチャネルペアを有する光プローブを用いて、画質の向上と、拡散光の測定時間の短縮とを図ることができる。
また、前記測定ステップは、前記生体組織内の前記イメージング対象領域を含む予め定められた第1の領域を近赤外光が伝播するように、前記生体組織に対して前記近赤外光を照射する照射ステップと、前記照射ステップで照射されて前記予め定められた第1の領域を伝播する前記近赤外光を前記拡散光として測定する第1の既定領域測定ステップとを含み、前記イメージングステップでは、前記第1の既定領域測定ステップの測定結果のうち、前記イメージング対象領域を伝播する拡散光の測定結果のみに基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定してもよい。
例えば、予め定められた第1の領域は、観察対象物体のあらゆる位置およびサイズに対応し得るように、広く固定的に設定されている。このような場合に、その第1の領域を伝播するように近赤外光が照射されて拡散光として測定されても、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法では、その測定結果のうち、イメージング対象領域を伝播する拡散光の測定結果のみに基づいて光学的特性が推定される。その結果、SN比の低い拡散光の測定結果に基づいて光学的特性の推定、すなわち光学的特性の再構成を行ってしまうことを避けることができ、画像化された光学的特性、すなわち再構成結果を示す画像の画質を向上することができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、それぞれ近赤外光を照射する照射チャネルと、前記照射チャネルから照射されて前記生体組織内で拡散する前記近赤外光である拡散光を検出する検出チャネルとからなる複数の組み合わせであって、それぞれ前記拡散光が伝播する領域が異なる複数のチャネルペアのうち、前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定し得るチャネルペアを選択する選択ステップを含み、前記照射ステップでは、前記複数のチャネルペアの照射チャネルから前記近赤外光を照射し、前記第1の既定領域測定ステップでは、前記複数のチャネルペアの検出チャネルで前記拡散光を検出することにより、前記予め定められた第1の領域を伝播する前記拡散光を測定し、前記イメージングステップでは、前記第1の既定領域測定ステップの測定結果のうち、前記選択ステップで選択されたチャネルペアを用いた測定結果のみに基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定してもよい。
これにより、それぞれ照射チャネル(光入力チャネル)および検出チャネル(光出力チャネル)からなる複数のチャネルペアを有する光プローブを用いて、画質の向上を図ることができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、前記生体組織内に前記観察対象物体があるか否かを前記構造特定方法によって判別する判別ステップと、前記判別ステップで前記観察対象物体がないと判別されたときには、前記生体組織内の予め定められた第2の領域を伝播する前記拡散光を測定する第2の既定領域測定ステップと、前記第2の既定領域測定ステップの測定結果に基づいて前記予め定められた第2の領域内の光学的特性を推定して画像化する既定領域イメージングステップと、前記既定領域イメージングステップによって画像化された光学的特性を表示する既定領域表示ステップとを含み、前記構造特定ステップでは、前記判別ステップで前記観察対象物体があると判別されたときに、前記観察対象物体の位置およびサイズを特定してもよい。
例えば、予め定められた第2の領域は広く固定的に設定されている。したがって、本発明の一態様に係る光融合型イメージング方法では、生体組織内に観察対象物体が確認されない場合には、イメージングを中断することなく、広い範囲において拡散光トモグラフィによるイメージングを行い、生体組織の状況を把握することができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、前記イメージングステップで推定された光学的特性に基づいて、前記観察対象物体の生体的特性を特定し、前記生体的特性を示す診断補助情報を生成する補助情報生成ステップを含み、前記表示ステップでは、さらに、前記診断補助情報を表示してもよい。
例えば、観察対象物体が腫瘍である場合には、その腫瘍が悪性であるか良性であるかが生体的特性として特定されて表示されるため、被験者に対して有用な診断結果を提供することができる。
また、前記光融合型イメージング方法は、さらに、前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の機能的特徴を特定し、前記機能的特徴を示す機能情報を生成する機能情報生成ステップを含み、前記表示ステップでは、さらに、前記機能情報を表示してもよい。
例えば、生体組織に照射された超音波を測定することによって生体組織内の血流量などが機能的特徴として特定されて表示されるため、被験者に対して有用な診断結果を提供することができる。
なお、本発明は、このような光融合型イメージング方法として実現することができるだけでなく、その方法によりイメージングを行う装置、集積回路、コンピュータにその方法によるイメージングを実行させるためのプログラム、および、そのプログラムを格納する記録媒体としても実現することができる。
本発明の光融合型イメージング方法は、画質を向上し、イメージングにかかる時間を短くすることができる。つまり、SN比の低い測定結果の使用を最小限に抑え、結果として再構成結果の画質の向上および画像再構成に係る処理量の削減、ならびに処理時間の短縮を実現できる。
図1は、拡散光トモグラフィの構成例を示す模式図である。 図2は、上記特許文献1の光融合型イメージング装置1000の構成例を示すブロック図である。 図3は、従来の光融合型イメージング方法における拡散光トモグラフィの動作を示すフローチャートである。 図4Aは、光と超音波のそれぞれのプローブを融合した融合型プローブの外観の一例を示す図である。 図4Bは、光入力チャネルと光出力チャネルの間の光の伝播領域の一例を示す図である。 図5Aは、イメージング対象領域に対する腫瘍の位置関係を示す図である。 図5Bは、イメージング対象領域における腫瘍と光の伝播領域との位置関係を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1における光融合型イメージング装置100の外観図である。 図7は、同上の光融合型イメージング装置の構成例を示すブロック図である。 図8は、同上の固定タイプの融合型プローブの外観を示す図である。 図9は、同上の光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図10は、同上の図9におけるステップS103の処理を示すフローチャートである。 図11Aは、イメージング可能領域、イメージング対象領域および腫瘍の位置関係を示す図である。 図11Bは、イメージング可能領域およびイメージング対象領域における腫瘍と光の伝播領域との位置関係を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態1における変形例1に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図13は、同上の変形例2に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図14は、同上の変形例3に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図15は、同上の変形例4に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図16は、同上の変形例5に係る光融合型イメージング装置の動作を示すフローチャートである。 図17Aは、本発明の実施の形態2における光融合型イメージング方法をコンピュータシステムにより実現するためのプログラムを格納する記録媒体の一例を示す図である。 図17Bは、同上の光融合型イメージング方法をコンピュータシステムにより実現するためのプログラムを格納する記録媒体の他の例を示す図である。 図17Cは、同上の光融合型イメージング方法をコンピュータシステムにより実現するためのシステムの例を示す図である。 図18Aは、本発明の光融合型イメージング装置の構成を示すブロック図である。 図18Bは、本発明の光融合型イメージング方法を示すフローチャートである。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明に係る光融合型イメージング方法および光融合型イメージング装置の実施の形態1について、図面を参照して説明する。
図6は、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の外観図である。
本実施の形態における光融合型イメージング装置100は、超音波と拡散光トモグラフィを併用したイメージング装置であって、画質を向上し、イメージングにかかる時間を短くすることができる。このような光融合型イメージング装置100は、主に表示装置10a、本体装置10bおよび融合型プローブ10cから構成されている。
表示装置10aは、光融合型イメージング方法により得られた画像や、医療関係に必要な情報を表示させるための液晶又はCRT等によるディスプレイ装置であり、オペレータからの入力を受け付けるタッチパネル等を有している。
本体装置10bは、融合型プローブ10cにおける超音波および近赤外光の送受信を制御するための送受信回路と、各種の信号や画像を処理するためのDSP(Digital Signal Processor)やRAM等からなる信号画像処理回路と、オペレータからの操作を受け付けるスイッチ群とを備える。
融合型プローブ10cは、例えば図4Aに示す融合型プローブと同様、超音波を送受信するための超音波振動子や音響レンズ等からなる超音波プローブと、複数の光入力チャネル(照射チャネル)および複数の光出力チャネル(検出チャネル)からなる光プローブとを備える。例えば、超音波プローブは、複数の光入力チャネルと、複数の光出力チャネルとの間に配設される。なお、光入力チャネルおよび光出力チャネルの組み合わせからチャネルペアが構成される。
図7は、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の構成例を示すブロック図である。
光融合型イメージング装置100は、超音波信号測定部101、超音波信号処理部102、表示部103、情報取得部104、領域決定部105、チャネルペア決定部106、光信号測定部107、および画像再構成部108を備える。なお、超音波信号測定部101と光信号測定部107は融合型プローブ10cを構成し、超音波信号測定部101は超音波プローブに相当し、光信号測定部107は光プローブに相当する。そして、表示部103は表示装置10aに相当する。
超音波信号測定部101と超音波信号処理部102は超音波信号を処理する。超音波信号測定部101は、超音波を照射し、生体内で反射および散乱した超音波を超音波信号として検出して測定する。超音波信号処理部102は、超音波信号測定部101によって測定された超音波信号を解析して画像化し、その解析によって得られた画像を示す超音波画像データd3を表示部103に出力する。さらに、超音波信号処理部102は、上述の解析によって腫瘍の位置、形状、およびサイズなどを特定し、それらを示す腫瘍情報d1を情報取得部104および画像再構成部108に出力する。超音波信号処理部102において得られる腫瘍情報d1は、2次元情報であってもよいし、3次元情報であってもよい。2次元情報である際には、得られる腫瘍の形状を示す情報は腫瘍の特定断面の形状を示す情報であり、その特定断面の形状を示す情報から腫瘍の3次元的な形状とサイズなどが別途推定される。
情報取得部104、領域決定部105、チャネルペア決定部106、光信号測定部107、および画像再構成部108は、拡散光トモグラフィの処理を実行する。
情報取得部104は、超音波信号処理部102から腫瘍情報d1を取得し、その腫瘍情報d1を領域決定部105に出力する。
領域決定部105は、情報取得部104から腫瘍情報d1を取得し、その腫瘍情報d1に基づいて、予め定められたイメージング可能領域の中から、イメージングすべき対象となる領域(イメージング対象領域)を決定する。そして、領域決定部105は、そのイメージング対象領域を示す領域情報d4をチャネルペア決定部106および画像再構成部108に出力する。
チャネルペア決定部106は、領域決定部105から領域情報d4を取得すると、その領域情報d4によって示されるイメージング対象領域の全てまたは一部を光の伝播領域とする有効なチャネルペアを少なくとも1つ、光信号測定部107が有する複数のチャネルペアの中から決定(選択)する。なお、チャネルペアは、1つの光入力チャネルと1つの光出力チャネルとの組み合わせである。そして、チャネルペア決定部106は、その決定されたチャネルペアを示すペア情報d5を光信号測定部107に出力する。
光信号測定部107は、チャネルペア決定部106からペア情報d5を取得すると、そのペア情報d5によって示されるチャネルペアを複数のチャネルペアの中から選択する。そして、光信号測定部107は、選択されたチャネルペアに含まれる光入力チャネルから近赤外光を照射し、選択されたチャネルペアに含まれる光出力チャネルによって、生体内で拡散した近赤外光(拡散光)を光信号として検出して測定する。光信号測定部107は、測定結果を示す光測定情報d6を画像再構成部108に出力する。なお、ペア情報d5によって示されるチャネルペアが複数ある場合には、光信号測定部107は、ペア情報d5によって示されるチャネルペアごとに、上述の光信号の測定を順次繰り返し行う。
画像再構成部108は、光信号測定部107から出力される光測定情報d6と、領域決定部105から出力される領域情報d4と、超音波信号処理部102から出力される腫瘍情報d1とを取得する。そして、画像再構成部108は、その光測定情報d6、領域情報d4および腫瘍情報d1を用いることによって、イメージング対象領域における腫瘍部分の吸収係数(または、吸収係数と散乱係数の双方)を推定する、つまり再構成する。このとき、画像再構成部108は、Diffusion Approximationを用いて再構成を行う。画像再構成部108は、この再構成によって得られた吸収係数を画像化し、その画像(再構成結果)を示す光画像データd7を表示部103に出力する。つまり、本実施の形態では、画像再構成部108は表示部103を制御する表示制御部を備える。
表示部103は、超音波画像データd3および光画像データd7のそれぞれによって示される画像を表示する。
なお、本実施の形態では、光信号測定部107および超音波信号測定部101を含む融合型プローブ10cは、図6に示すように、ユーザに移動されながら測定を行うスキャナタイプであるが、固定された状態で測定を行うタイプ(固定タイプ)であってもよい。例えば、固定タイプの融合型プローブ10cは、乳癌診断用に胸を覆うドーム型の形状に構成されている。
図8は、固定タイプの融合型プローブ10cの外観を示す図である。
固定タイプの融合型プローブ10cは、上述のように、ドーム型の形状に構成されている。融合型プローブ10cの凹部の内表面には、上述の超音波プローブp1と、それぞれ光入力チャネルc1および光出力チャネルc2からなる複数のチャネルペアを有する光プローブとが配設されている。
このような固定タイプの融合型プローブ10cは、例えば、診察用のベッド20に2つ固定される。診察用のベッド20には2つの孔21が設けられ、固定タイプの融合型プローブ10cは、それらの孔21のそれぞれに、凹部の内表面が上方に向くように嵌め込まれて固定される。女性の被験者は、ベッド20にうつ伏せで横たわり、胸を融合型プローブ10cの凹部に挿入する。このように、融合型プローブ10cの凹部に胸が収められた状態で測定が行われる。
なお、超音波プローブと拡散光トモグラフィの光プローブは、同一の筐体内に配置してもよいし、それぞれ独立の筐体に配置してもよい。ただし、拡散光トモグラフィの光プローブがスキャナタイプである際には、拡散光トモグラフィと超音波のイメージング領域の対応関係の取得容易性を鑑みて、両者のプローブを同一筐体内に配置することが望ましい。
図9は、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、図9を参照して本発明の光融合型イメージング装置100における拡散光トモグラフィ部分の動作を中心に説明する。
まず、情報取得部104は、超音波により得られた腫瘍情報d1を取得する(ステップS101)。続いて、領域決定部105は、取得された腫瘍情報d1に基づいて、少なくとも腫瘍部位を含むようにイメージング対象領域を自動的に決定する(ステップS102)。イメージング対象領域は、光信号測定部107が搭載する光入力チャネルおよび光出力チャネルによって再構成が可能なイメージング可能領域内に収まるように決定される。
なお、腫瘍のサイズおよび位置などを示す腫瘍情報d1は、ユーザが超音波画像(超音波画像データd3によって示される画像)において腫瘍位置を確認しながら、手動で決定されてもよいし、画像特徴量や過去の症例データベース等との比較等によって自動的に決定されてもよい。また、イメージング対象領域についても、ユーザが超音波画像で腫瘍位置を確認しながら、手動で決定されてもよい。また、融合型プローブ10cのサイズの制約等により、イメージング対象領域の全領域に渡って等しい感度を持つように光入力チャネルおよび光出力チャネルを配置することが困難な場合がある。この場合、光信号測定部107は、例えば、図4Aのxy平面に平行な断面における融合型プローブ10cの中央部分において感度が高くなるように設計される。このようなケースでは、腫瘍位置は感度の高い部分にあることが望ましい。従って、腫瘍位置が予め設定した領域内に治まるように融合型プローブ10cを移動させることをユーザに促すような表示手段などのインタフェースを光融合型イメージング装置100に備えてもよい。例えば、光融合型イメージング装置100は、イメージング可能領域内の高感度領域を示す情報を超音波画像に重畳させて表示し、超音波画像により示される腫瘍位置とイメージング可能領域における高感度領域との位置関係を示す。
次に、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域の再構成に必要となる有効なチャネルペアを決定する(ステップS103)。光信号測定部107は、ステップS103において使用すると決定された有効なチャネルペアを用いて、光入力チャネルからレーザー光(近赤外光)を照射し、生体内を伝播して光出力チャネルに到達する拡散光を光信号として測定する(ステップS104)。画像再構成部108は、ステップS104での測定の結果に基づいて、ステップS102で決定したイメージング対象領域内の各ボクセルにおける吸収係数を再構成(推定)して画像化する(ステップS105)。画像再構成部108は、吸収係数を再構成する際には、反復演算によりその吸収係数を算出する。このとき、画像再構成部108は、その吸収係数の初期値を腫瘍情報d1に基づいて決定する。ここで、拡散光トモグラフィにおける再構成時の逆問題を解く際には、再構成の精度の観点から反復演算の使用が望ましい。しかし、例えば、Diffusion Approximationなどのモデルを表現する行列の擬似的な逆行列を求めることで、反復演算を行わずに直接的に再構成結果(吸収係数)を得るなどしてもよい。なお、直接的に再構成結果を得る際には、ステップS105において初期値の設定は不要である。なお、吸収係数は絶対値であってもよいし、基準値からの差分を示す相対値であってもよい。また、再構成の対象は吸収係数に限定されるものではなく、散乱係数など他の光学的特性を示す特徴量であってもよい。
最後に、表示部103は、画像化された再構成結果(推定された吸収係数)を表示する(ステップS106)。画像再構成結果は、イメージング対象領域の断面を2次元的に表示してもよいし、イメージング対象領域全体を3次元的に表示してもよい。ここで、拡散光トモグラフィの再構成結果を超音波画像に重畳して表示する際には、2次元で表示するか3次元で表示するかを両者で一致させる。
図10は、ステップS103の処理を示すフローチャートである。
まず、チャネルペア決定部106は、チャネル間の光の伝播領域がイメージング対象領域の少なくとも一部を含むようなチャネルペアを選択する(ステップS1031)。ここで、光の伝播領域の決定方法について詳細に述べる。光出力チャネルの測定値は、伝播領域内の各ボクセル(3次元空間を複数の微小3次元空間に分割した場合の、分割後の各3次元空間。例えば、複数の立方体に分割するケースでは、個々の立方体がボクセルとなる。)における吸収係数や散乱係数などの光学的特性に基づいて決定される。ここで、ボクセルの感度を(式1)のように定義する。
Figure 2010143421
(式1)において、mSDは、光入力チャネルSに対する光出力チャネルDの理論的な測定値を示し、μx,y,zは、イメージング対象領域内の3次元座標(x,y,z)に位置するボクセルの光学的特性を示す。J(x,y,z)は、(x,y,z)に位置するボクセルの感度であり、光学的特性の変化量に対する、光出力チャネルDの測定値の変化量の割合を示す。ここで、変化量は、いずれも基準値からの変化量とする。各ボクセルにおける光量とボクセルの感度とは比例関係にあることから、光の伝播領域を、ボクセルの感度が所定の閾値以上である領域と定義する。ボクセルの感度は、特にボクセルの深さに大きく依存し、深さの増加に伴い感度が低下する。従って、光の伝播領域を決定する際の閾値を、ボクセルの深さに応じて切替えて、深い位置にあるボクセルほど閾値を下げるなどとしてもよい。また、光の伝播領域がイメージング対象領域内において一定の体積以上の領域を含む場合にのみ選択するなど、所定の条件に基づいて選択を実施してもよい。
次に、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域内で、ステップS1031で選択されたチャネルペアの光の伝播領域とオーバーラップする伝播領域を有する他のチャネルペアが存在するかどうかを判定する(ステップS1032)。ここで、チャネルペア決定部106は、存在すると判定する場合には(ステップS1032のはい)、ステップS1031で選択されたチャネルペアとの間で、伝播領域が互いにオーバーラップする他のチャネルペアを抽出する(ステップS1033)。このとき、他のチャネルペアが複数あるときには、チャネルペア決定部106は、それらの全ての他のチャネルペアを抽出する。一方、チャネルペア決定部106は、存在しないと判定すると(ステップS1032のいいえ)、後述するステップS1036の処理を実行する。
なお、オーバーラップ部分の体積、あるいは、イメージング対象領域内の光の伝播領域に占めるオーバーラップ部分の割合などが所定の閾値以上の場合にのみオーバーラップすると判定するなどしてもよい。
続いて、チャネルペア決定部106は、選択されたチャネルペアのイメージング対象領域内での光の伝播領域が、ステップS1033で抽出された他の1つ以上のチャネルペアの光の伝播領域に包含されるかどうかを判定する(ステップS1034)。ここで、チャネルペア決定部106は、包含されると判定すると(ステップS1034のはい)、ステップS1031で選択されたチャネルペアを測定に使用するチャネルペアから除外すると決定する(ステップS1035)。
なお、光の伝播領域が他のチャネルペアの光の伝播領域によって完全に包含されない場合でも、例えば、包含されない領域の体積や、包含されない領域における所定の断面のサイズ(例えば、包含されない領域のxy平面に平行な断面内で引くことのできる線分のうち、長さが最大または最小となる線分の長さなど)、あるいは、光の伝播領域に対する包含される部分の領域の割合、また、包含されない領域がイメージング対象領域の中心部あるいは周辺部のどちらにあるかなどの位置情報に基づいて、チャネルペアから除外するかどうかを決定してもよい。さらに、イメージング対象領域内において、いずれのチャネルペアの伝播領域にも含まれない領域が、所定の割合以下となるかどうかなども判定条件としてよい。
ステップS1034とステップS1035の処理は、ステップS1033で抽出されたチャネルペアのそれぞれに対して繰り返し実行される。ステップS1031においてチャネルペアを選択する方法としては、複数の方法が可能である。例えば、チャネル間の距離が遠いチャネルペアから順に選択することにより、チャネル間の距離が遠いチャネルペアを優先的に排除できる。
次に、チャネルペア決定部106は、光の伝播領域がイメージング対象領域の少なくとも一部を含む未選択のチャネルペアがあるか否かを判別し(ステップS1036)、未選択のチャネルペアがあると判別したときには(ステップS1036のはい)、ステップS1031からの処理を繰り返し実行する。一方、領域決定部105は、未選択のチャネルペアがないと判別したときには(ステップS1036のいいえ)、ステップS1031で選択されてステップS1035において除外されなかったチャネルペアを、測定に使用する有効なチャネルペアと決定する(ステップS1037)。
ここで、特にチャネル間の距離が類似したチャネルペア間で光の伝播領域がオーバーラップするようなケースでは、光の伝播領域がオーバーラップする複数のチャネルペアを使用することで光信号のSN比が高まることがある。例えば、チャネルペアA、チャネルペアB、およびチャネルペアCの3つのチャネルペアの光の伝播領域がオーバーラップしており、融合型プローブ10cの接触条件等に起因してチャネルペアAのSN比がチャネルペアBとチャネルペアCよりも低いとする。この場合、チャネルペアAのみを使うよりも、3つのチャネルペアを共に用いることで光信号のSN比が向上する。従って、光の伝播領域がオーバーラップするチャネルペアを所定の個数までは許容するなどしてもよい。また、測定はチャネルペア毎に実施され、各チャネルペアにおける拡散光の測定には数百ミリ秒以上の時間を要することがあり、特に、実時間に近い処理が要求される際には、測定時間がボトルネックと成り得る。そのため、測定時間に基づいてオーバーラップするチャネルペアの許容条件を設定してもよい。
以上では、イメージング対象領域に応じて使用するチャネルペアを動的に決定したが、所定のイメージング対象領域に対して使用するチャネルペアを予め決定しておき、その結果を保持しておいてもよい。例えば、イメージング可能領域を深さ方向でN個に分割し、分割した各領域(分割領域)において使用するチャネルペアをメモリに保持しておく。このとき、ステップS103では、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域が、イメージング可能領域内のどの分割領域に対応するかを決定し、当該領域において使用するチャネルペアをメモリから読み出すことで、再構成に必要な有効なチャネルペアを決定する。イメージング対象領域が、複数の分割領域に跨る際には、チャネルペア決定部106は、各分割領域において必要となるチャネルペアを全て、再構成に必要な有効なチャネルペアとして決定する。あるいは、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域のうち、いずれかの分割領域に含まれる領域の割合が閾値以上となるように分割領域を選択し、選択された分割領域で必要となるチャネルペアを決定してもよく、さらにこのとき、イメージング対象領域の中心部分は必ずいずれかの分割領域に含まれるようにするなど場所に応じて条件を設定してもよい。
また、ステップS103では、腫瘍情報やイメージング対象領域のサイズに基づいてボクセルサイズも適応的に決定することとしてもよい。例えば、腫瘍サイズに対応するようにボクセルサイズを調節する。あるいは、ボクセルの個数の増加に伴い再構成処理における演算処理量が増加するため、イメージング対象領域に含まれるボクセルの個数が所定の数以下となるようにボクセルサイズを設定する。さらに、イメージングする領域が深くなるにつれて測定結果のSN比が低下して再構成の精度も劣化する際には、深い領域における検出感度や分解能は、浅い領域に比べて低下する。従って、イメージング対象領域が深くなるにつれて、ボクセルサイズが大きくなるように、あるいは、設定可能なボクセルサイズの最小値が大きくなるようにしてもよい。
図11Aは、イメージング可能領域、イメージング対象領域および腫瘍の位置関係を示す図である。光融合型イメージング装置100は、図9のステップS102におけて、予め定められたイメージング可能領域の中からイメージング対象領域を決定する。イメージング対象領域(図11A中の太い点線で囲まれた領域)が腫瘍を包含するように決定される。ここで、イメージング可能領域は、実線で囲まれた領域であり、イメージング対象領域がイメージング可能領域内で領域を限定して設定されていることが分かる。なお、表示部103は、拡散光トモグラフィの画像(光画像データd7によって示される画像)を超音波画像に重畳して表示する際には、超音波画像内部での拡散光トモグラフィのイメージング対象領域を視覚的にユーザに知らせるため、イメージング対象領域の境界を表示してもよい。
図11Bは、イメージング可能領域およびイメージング対象領域における腫瘍と光の伝播領域との位置関係を示す図である。光融合型イメージング装置100は、図9のステップS103において、イメージング対象領域の再構成に必要となる有効なチャネルペアを決定する。つまり、光入力チャネルIn1および光出力チャネルOu1からなるチャネルペア(以下、第1のチャネルペアという)と、光入力チャネルIn2および光出力チャネルOu2からなるチャネルペア(以下、第2のチャネルペアという)と、光入力チャネルIn3および光出力チャネルOu3かからなるチャネルペア(以下、第3のチャネルペアという)とのうち、イメージング対象領域を含むのは第2のチャネルペアのみである。したがって、光融合型イメージング装置100は、第2のチャネルペアを有効なチャネルペアとして決定し、その第2のチャネルペアによる測定結果だけを用いた再構成を行う。つまり、光融合型イメージング装置100は、第1のチャネルペアおよび第3のチャネルペアを除外して、それらのチャネルペアによる測定結果を用いた再構成を行わない。なお、光入力チャネルIn1および光出力チャネルOu2からなるチャネルペアなど、他のチャネルペアについては図示しない。
このように、本実施の形態では、腫瘍の位置およびサイズを特定し、イメージング可能領域から、その腫瘍を含むイメージング対象領域を決定し、そのイメージング対象領域のみに対して拡散光の測定を行い、その結果に基づいてイメージングを行う。したがって、本変形例では、予め定められたイメージング可能領域をイメージング対象領域として扱い、その全体に対して拡散光の測定を行ってイメージングする従来の方法と比べて、イメージング対象領域を伝播しないSN比の低い拡散光の測定と、その測定結果に基づく吸収係数の推定とを省くことができ、推定された吸収係数を示す画像の画質を向上することができる。さらに、イメージングにかかる時間を短くすることができる。
(変形例1)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第1の変形例について述べる。
図12は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作(特に、拡散光トモグラフィ部分の動作)を示すフローチャートである。なお、本変形例における処理は、上記実施の形態における図9のフローチャートに示す処理と比べて、拡散光を測定するチャネルペアを固定とする点において異なる。
まず、上記実施の形態と同様に、情報取得部104は、超音波により得られた腫瘍情報d1を取得する(ステップS101)。続いて、領域決定部105は、取得された腫瘍情報d1に基づいて、少なくとも腫瘍部位を含むようにイメージング対象領域を自動的に決定する(ステップS102)。そして、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域の再構成に必要となる有効なチャネルペアを決定する(ステップS103)。
ここで、本変形例では、光信号測定部107は、ステップS103におけるチャネルペアの決定結果に関わらず、所定のチャネルペア、すなわち予め設定した複数のチャネルペアを用いて測定を実施する(ステップS204)。ここで、予め設定した複数のチャネルペアは、ステップS103で決定されたチャネルペアを包含するものとする。例えば、予め設定した複数のチャネルペアは、融合型プローブ10cが有する全てのチャネルペアであって、それらのチャネルペアの光の伝播領域には、ステップS102で決定されたイメージング対象領域とオーバーラップしない伝播領域も含まれる。また、例えば、イメージング可能領域内の全ての領域は、予め設定した複数のチャネルペアの光の伝播領域の何れかとオーバーラップする。
画像再構成部108は、ステップS204における測定結果の中から、ステップS103において使用すると決定された有効なチャネルペアの測定結果を選択し、その選択した測定結果を用いて再構成処理を行う(ステップS205)。さらに、表示部103は、画像化された再構成結果(推定された吸収係数)を表示する(ステップS106)。
なお、再構成処理においては、各チャネルペアの測定結果の、再構成に対する寄与度を重みとして決定し、重み付けを行って再構成してもよい。重みは、チャネルペアに対する光の伝播領域とイメージング対象領域のオーバーラップ部分の体積など、ステップS103におけるチャネルペア選択時と同様の指標に基づいて、そのチャネルペア、またはそのチャネルペアによる光の伝播領域に対して決定される。例えば、光の伝播領域のオーバーラップ部分の体積が大きいほど、その伝播領域に対して大きな重みが決定される。重み付けに必要なデータはステップS103において取得できるため、ステップS103で各チャネルペアの重み付けまで行ってもよい。
更に、チャネルペア(光の伝播領域)よりも細かい粒度である、ボクセル単位での重み付けも可能である。反復演算による再構成処理では、評価関数を定義し、評価関数の値が収束したとみなせるまで反復する。このとき、評価関数は、以下の(式2)に示す誤差項と呼ばれる項を含む。
Figure 2010143421
(式2)において、allSDは、使用する全てのチャネルペアを示し、allVOXELは、それぞれのチャネルペアの伝播領域に含まれる全てのボクセルを示す。MSDは、光入力チャネルSから入力した光の、光出力チャネルDにおける実測値を示す。(式2)中の
Figure 2010143421
は、基準データと、実際の測定対象との間の測定値の変化量を示す。一方、(式2)中の
Figure 2010143421
は、(式1)中の
Figure 2010143421
に相当し、光出力チャネルDにおける測定値の変化量の理論値を示す。従って、誤差項Aは、各チャネルペアについて、理論値と実測値との差分を、全チャネルペアに渡って足し合わせた結果となる。再構成時には、誤差項Aを含む評価関数の値が小さくなるように、(式2)における未知のパラメータである
Figure 2010143421
の値を順次更新する。
ここで、J(x,y,z)は、ボクセルの感度であることから、評価関数値に対する各ボクセルの寄与度が感度に依存して異なり、感度の高いボクセルほど寄与度が高くなる。例えば、誤差項Aの値を0.1だけ変化させるとすると、感度が1であるボクセルであれば、吸収係数を0.1だけ変化させればよいが、感度が0.1であるボクセルの場合には、吸収係数を1だけ変化させる必要がある。このように、再構成処理においては、感度が高いボクセルの吸収係数が優先的に更新される傾向がある。従って、互いに感度の異なるボクセルが、評価関数値に対して同等の寄与度をもつように、評価関数において各ボクセルに対して重み付けしてもよい。重みの決定は、感度の逆数に基づいて行う、あるいは、より簡単化して、ボクセルの深さに応じて、深い位置にあるボクセルほど重みを大きくするなどが可能である。
このように、本変形例では、腫瘍の位置およびサイズを特定し、イメージング可能領域から、その腫瘍を含むイメージング対象領域を決定し、そのイメージング対象領域を含む予め定められた領域(例えばイメージング可能領域)に対して拡散光の測定を行う。そして、本変形例では、その予め定められた領域に対する測定結果のうち、イメージング対象領域に対する測定結果のみに基づいてイメージングを行う。したがって、本変形例では、予め定められた領域をイメージング対象領域として扱い、その全体に対して拡散光の測定を行ってイメージングする従来の方法と比べて、イメージング対象領域を伝播しないSN比の低い拡散光の測定結果に基づく吸収係数の推定を省くことができ、推定された吸収係数を示す画像の画質を向上することができる。さらに、イメージングにかかる時間を短くすることができる。
(変形例2)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第2の変形例について述べる。
図13は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例に係る光融合型イメージング装置100は、超音波により腫瘍を検出したかどうかに応じてイメージング対象領域の決定方法を切替える点に特徴がある。
まず、情報取得部104は、超音波により得られた腫瘍情報d1を取得する(ステップS301)。この腫瘍情報d1には、超音波により腫瘍を検出したかどうかを示す情報が含まれる。領域決定部105は、取得された腫瘍情報d1に含まれる上記情報に基づいて、超音波により腫瘍を検出したかどうかを判定する(ステップS302)。ここで、領域決定部105によって検出したと判定されると(ステップS302のはい)、上記実施の形態の図9に示すステップS102〜S104と同様に、領域決定部105は、取得された腫瘍情報d1に基づいてイメージング対象領域を自動的に決定し(ステップS303)、チャネルペア決定部106は、イメージング対象領域の再構成に必要となる有効なチャネルペアを決定する(ステップS304)。さらに、光信号測定部107は、ステップS304において使用すると決定された有効なチャネルペアを用いて、光入力チャネルからレーザー光(近赤外光)を照射し、生体内を伝播して光出力チャネルに到達する拡散光を測定する(ステップS305)。
一方、ステップS302で腫瘍を検出していないと判定されると(ステップS302のいいえ)、領域決定部105は、所定のイメージング対象領域、すなわち予め定められたイメージング対象領域を使用すると決定する(ステップS306)。なお、この所定のイメージング対象領域は、例えば、イメージング可能領域の全体である。次に、チャネルペア決定部106は、ステップS306において決定した所定のイメージング対象領域に対応する所定のチャネルペア、すなわち予め定められた複数のチャネルペアを使用して拡散光の測定を行う(ステップS307)。
そして、画像再構成部108は、ステップS305またはステップS307での測定の結果に基づいて、決定されたイメージング対象領域内の吸収係数を再構成して画像化する(ステップS105)。表示部103は、画像化された再構成結果を表示する(ステップS106)。
このように、本変形例では、腫瘍の有無に基づいて、イメージング対象領域を決定するため、腫瘍が無いような場合でも、適切にイメージングを行うことができる。
(変形例3)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第3の変形例について述べる。
図14は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例に係る光融合型イメージング装置100は、過去の再構成結果に基づいて、再構成処理における各ボクセルの吸収係数の初期値を決定する点に特徴がある。
まず、情報取得部104は、超音波により得られた腫瘍情報d1を取得する(ステップS401)。次に、光融合型イメージング装置100は、上記実施の形態の図9に示すステップS102〜S104と同様の処理を実行する(ステップS102〜S104)。
画像再構成部108は、ステップS102〜S104の処理が行われている間、過去の再構成結果に基づいて腫瘍部と非腫瘍部の吸収係数を推定する(ステップS402)。過去の再構成結果としては、同一検査時の過去の測定結果、あるいは、過去の検査時の測定結果を用いることができる。同一検査時の過去の測定結果としては、例えば、ユーザが融合型プローブ10cを移動しながら複数位置で再構成を実施する場合、その移動中における時間的に前の再構成結果を使用できる。また、過去の検査時の測定結果としては、検査を複数回受診する際の以前の再構成結果が利用できる。なお、吸収係数は悪性腫瘍部と良性腫瘍部とで異なるため両者は別々に設定される。
画像再構成部108は、ステップS402において決定した腫瘍部と非腫瘍部の吸収係数、および、ステップS401にて取得された腫瘍情報d1の示す腫瘍の位置とサイズなどに基づいて、再構成処理における各ボクセルの吸収係数の初期値、つまり再構成の反復演算における初期画像を決定する(ステップS403)。
そして、画像再構成部108は、ステップS104の測定結果と、ステップS403で決定した初期値(初期画像)とを用いて再構成を実施し、ステップS102で決定されたイメージング対象領域内の吸収係数を再構成して画像化する(ステップS404)。表示部103は、画像化された再構成結果を表示する(ステップS106)。
このように、本変形例では、過去の再構成結果に基づいて、再構成処理における初期値を決定し、その過去の再構成結果は、ステップS404で得られる再構成結果に近似していることが一般的であるため、再構成処理における反復演算の処理負担を軽減することができるとともに、再構成の精度を向上することができる。
(変形例4)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第4の変形例について述べる。
図15は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例に係る光融合型イメージング装置100は、再構成結果だけでなく、その再構成結果に基づく診断補助情報も表示または提示する点に特徴がある。
まず、光融合型イメージング装置100は、上記実施の形態の図9に示す動作と同様に、腫瘍情報d1を取得し、その腫瘍情報d1に基づいてイメージング対象領域および有効なチャネルペアを決定し、そのチャネルペアにおける測定結果に基づいてイメージング対象領域における吸収係数の再構成を実施する(ステップS101〜S105)。
ここで、本変形例における画像再構成部108は、ステップS105における再構成結果、つまり、イメージング対象領域の各ボクセルの吸収係数に基づいて、診断補助情報を生成する(ステップS501)。例えば、画像再構成部108は、再構成結果に基づいて腫瘍が良性であるか悪性であるかを判定し、その結果を示す診断補助情報を生成する。具体的には、画像再構成部108は、再構成結果である吸収係数が閾値よりも大きいときには、腫瘍が悪性と判定し、その吸収係数が閾値以下であるときには、腫瘍が良性と判定する。または、画像再構成部108は、過去の再構成結果と最近の再構成結果とを比較し、腫瘍の変化を示す診断補助情報を生成する。例えば、被験者が化学療法(放射線治療など)を受けている場合には、画像再構成部108は、上述の腫瘍の変化を化学療法の効果として扱い、その効果を示す診断補助情報を生成する。
そして、表示部103は、画像化された再構成結果とともに上述の診断補助情報を表示する(ステップS502)。
(変形例5)
以下に、本実施の形態における光融合型イメージング装置100の第5の変形例について述べる。
図16は、本変形例に係る光融合型イメージング装置100の動作を示すフローチャートである。なお、本変形例に係る光融合型イメージング装置100は、再構成結果と、超音波によって得られた機能情報(以下、超音波機能情報という)とを表示または提示する点に特徴がある。つまり、上記実施の形態では、通常のBモード画像などを用いて、腫瘍の位置や大きさなどの構造情報、すなわち腫瘍情報d1を取得する目的で超音波を用いたが、本変形例では、さらに、超音波エコー強度の時間変化などから、組織の性質を示す超音波機能情報を取得する目的でも超音波を用いる。そして、本変形例では、その超音波によって得られた超音波機能情報と、光(近赤外光)によって得られた再構成結果と併用する。なお、光によって得られた再構成結果は、光によって得られた機能情報であり、光機能情報という。
まず、情報取得部104は、超音波信号処理部102から、超音波によって生成された腫瘍情報d1を取得し、画像再構成部108は、その超音波信号処理部102から、超音波機能情報を取得する(ステップS601)。すなわち、本変形例に係る超音波信号処理部102は、超音波信号測定部101によって測定された超音波信号を解析することによって、腫瘍の位置、形状、およびサイズなどの構造に関する情報である構造情報を上述の腫瘍情報d1として生成するとともに、超音波信号の時間的変化などを解析することによって、組織の性質(例えば血流量など)を示す超音波機能情報を生成する。そして、超音波信号処理部102は、腫瘍情報d1を情報取得部104に出力するとともに、その腫瘍情報d1と超音波機能情報とを画像再構成部108に出力する。
次に、光融合型イメージング装置100は、上記実施の形態の図9に示すステップS102〜S105と同様の処理を実行する(ステップS102〜S105)。
表示部103は、ステップS105で画像化された再構成結果を、光機能情報として表示するとともに、ステップS601で取得された超音波機能情報を表示する(ステップS602)。つまり、表示部103は、超音波によって得られた構造情報を示す画像(超音波画像データd3によって示される画像)に加えて、光と超音波から得られた機能情報を取得し、併せて表示する。このとき、画像再構成部108は、光機能情報と超音波機能情報の両方に基づき、新規の機能情報パラメータを定義し、その機能情報パラメータを表示部103に表示させてもよい。あるいは、画像再構成部108は、両者の機能情報に関連性がある場合には、機能情報間の整合度合いを調べ、整合度合いが高いほど得られた機能情報の信頼度が高いと判定するなどしてもよい。例えば、超音波機能情報が、光機能情報と同様に、組織内の血流量を反映する場合などに可能である。この場合、画像再構成部108は、その判定結果を表示部103に表示させる。
なお、本変形例では、超音波によって得られた機能情報を表示したが、光や超音波以外の他のモーダルによって得られた機能情報を表示してもよい。さらに、変形例4と同様に、得られた機能情報および構造情報に基づいて診断補助情報を生成して、その診断補助情報も表示してもよい。
(実施の形態2)
上記実施の形態1およびその変形例で示した光融合型イメージング方法を実現するためのプログラムを、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録するようにすることにより、上記実施の形態1およびその変形例で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
図17A〜図17Cは、上記実施の形態1およびその変形例の光融合型イメージング方法を、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録されたプログラムを用いて、コンピュータシステムにより実施する場合の説明図である。
図17Bは、フレキシブルディスクFの正面からみた外観、断面構造、及びフレキシブルディスク本体FDを示し、図17Aは、記録媒体本体であるフレキシブルディスク本体FDの物理フォーマットの例を示している。フレキシブルディスク本体FDはケース内に内蔵され、該ディスクの表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフレキシブルディスクFでは、上記フレキシブルディスク本体FD上に割り当てられた領域に、上記プログラムが記録されている。
また、図17Cは、フレキシブルディスクFに対して上記プログラムの記録再生を行うための構成を示す。光融合型イメージング方法を実現する上記プログラムをフレキシブルディスクFに記録する場合は、コンピュータシステムCsから上記プログラムをフレキシブルディスクドライブFDDを介して書き込む。また、フレキシブルディスクF内の上記プログラムにより上記光融合型イメージング方法をコンピュータシステムCs中に構築する場合は、フレキシブルディスクドライブFDDによりプログラムをフレキシブルディスクFから読み出し、コンピュータシステムCsに転送する。
なお、上記説明では、記録媒体としてフレキシブルディスクを用いて説明を行ったが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。
以上、本発明に係る光融合型イメージング方法および装置について、上記実施の形態1および2ならび変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態および変形例に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、当業者が思いつく変形を上記各実施の形態および変形例に施したものも、本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態1における光融合型イメージング装置100は、図7に示すように情報取得部104などの構成要素を備えたが、それらの構成要素を備えなくてもよい。
図18Aは、本発明に係る光融合型イメージング装置の構成を示すブロック図である。
この光融合型イメージング装置30は、生体組織に対して照射されてその生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定してその生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、その拡散光の測定と異なる測定を行って生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法によって、生体組織内を画像化する光融合型イメージング装置であって、生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズをその構造特定方法によって特定する構造特定部31と、構造特定部31によって特定された位置およびサイズに基づいて、観察対象物体(腫瘍)を含むイメージング対象領域を決定する領域決定部32と、領域決定部32によって決定されたイメージング対象領域を伝播する拡散光を測定する測定部33と、測定部33による測定結果に基づいてイメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージング部34と、イメージング部34によって画像化された光学的特性を表示する表示部35とを備える。
例えば、光融合型イメージング装置30は、上述の実施の形態および変形例の光融合型イメージング装置100に相当する。同様に、構造特定部31は、上述の実施の形態および変形例の超音波信号測定部101および超音波信号処理部102に相当し、領域決定部32は、上述の実施の形態および変形例の領域決定部105に相当する。測定部33は、上述の実施の形態および変形例のチャネルペア決定部106および光信号測定部107に相当する。また、イメージング部34および表示部35はそれぞれ、上述の実施の形態および変形例の画像再構成部108および表示部103に相当する。
図18Bは、本発明に係る光融合型イメージング方法の動作を示すフローチャートである。
この光融合型イメージング方法は、生体組織に対して照射されて生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定してその生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、その拡散光の測定と異なる測定を行って生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法であって、生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズをその構造特定方法によって特定する構造特定ステップS21と、構造特定ステップS21で特定された位置およびサイズに基づいて、その観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定ステップS22と、領域決定ステップS22で決定されたイメージング対象領域を伝播する拡散光を測定する測定ステップS23と、測定ステップS23の測定結果に基づいてそのイメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージングステップS24と、イメージングステップS24によって画像化された光学的特性を表示する表示ステップS25とを含む。
このような光融合型イメージング装置30では、例えば、超音波を用いた構造特定方法によって特定された観察対象物体の位置およびサイズに基づいて、その観察対象物体を含むイメージング対象領域が決定され、そのイメージング対象領域に対して拡散光トモグラフィによるイメージングが行われる。したがって、従来のように、観察対象物体のあらゆる位置およびサイズに対応し得るように、固定的なイメージング対象領域を予め広く設定しておく必要がなく、本発明に係る光融合型イメージング装置30では、観察対象物体に応じてイメージング対象領域を適切な大きさで狭く設定することができる。その結果、SN比の低い拡散光の測定結果に基づいて光学的特性(例えば、吸収係数)の推定、すなわち光学的特性の再構成を行ってしまうことを避けることができ、画像化された光学的特性、すなわち再構成結果を示す画像の画質を向上し、イメージングにかかる時間(特に、再構成にかかる時間)を短くすることができる。
したがって、本発明は、光融合型イメージング装置100のように情報取得部104などの構成要素がなくても、上記作用効果を奏することができる。
また、光融合型イメージング装置100は、再構成結果をメモリに記録する記録手段をさらに備えてもよい。記録手段は、再構成結果に加えて、イメージング対象領域、測定に使用したチャネルペアを示す情報、測定結果、あるいは、再構成結果に対応する超音波画像との間の位置関係を示す情報などをメモリに記録してもよい。
また、上記実施の形態1では、ステップS102において、超音波の構造情報に基づく腫瘍情報d1からイメージング対象領域を決定したが、超音波の機能情報に基づく腫瘍情報d1からイメージング対象領域を決定してもよい。
なお、上記各実施の形態および変形例の光融合型イメージング装置100では、超音波と光を併用したが、光を用いたイメージング手法(拡散光トモグラフィ)に、超音波を用いたイメージング手法以外の他のイメージング手法を組み合わせてもよく、光および超音波を併用したイメージング手法に、さらに他のイメージング手法を組み合わせてもよい。他のイメージング手法は、例えば、エックス線を用いたマンモグラフィやCT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、あるいはPET(Positron Emission Tomography)などである。
また、上記各実施の形態および変形例では、拡散光トモグラフィを、超音波を用いたイメージング手法と組み合わせたが、拡散光トモグラフィとは異なる他の光イメージング手法を組合せてもよい。他の光イメージング手法は、例えば、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography)である。
また、上記各実施の形態および変形例の光融合型イメージング装置100では、体の外から観察した。しかし、光融合型イメージング装置100を内視鏡に組み込んでもよい。
また、本発明に係る光融合型イメージング装置100の用途は、腫瘍の検出に限定されない。例えば、本発明に係る光融合型イメージング装置100は、脳内の血流変化に基づいた脳機能のイメージングや、出血等を伴う脳内疾患の検出などにも応用できる。さらに、上記各実施の形態および変形例では、光融合型イメージング装置100は、腫瘍のサイズや位置に基づいてイメージング対象領域を設定(決定)したが、腫瘍と異なる観察対象物体のサイズや位置に基づいてイメージング対象領域を設定してもよい。
また、図7に示す領域決定部105、チャネルペア決定部106、および、画像再構成部108などの各ブロック(構成要素)は典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
本発明に係る光融合型イメージング方法および装置は、光以外のイメージング手段により取得した腫瘍の位置やサイズに基づいて拡散光トモグラフィのイメージング対象領域を決定し、さらにイメージング対象領域に基づいて拡散光の測定に使用するチャネルペアを決定するため、測定信号のSN比の向上による再構成結果の高画質化のみならず、イメージングにかかる時間も短縮される。故に本発明に係る光融合型イメージング方法および装置は、特に医療機器産業において高い利用可能性をもつ。
10a 表示装置
10b 本体装置
10c 融合型プローブ
30,100 光融合型イメージング装置
31 構造特定部
32,105 領域決定部
33 測定部
34 イメージング部
35,103 表示部
101 超音波信号測定部
102 超音波信号処理部
104 情報取得部
106 チャネルペア決定部
107 光信号測定部
108 画像再構成部

Claims (14)

  1. 生体組織に対して照射されて前記生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定して前記生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法であって、
    前記生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズを前記構造特定方法によって特定する構造特定ステップと、
    前記構造特定ステップで特定された位置およびサイズに基づいて、前記観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定ステップと、
    前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップの測定結果に基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージングステップと、
    前記イメージングステップによって画像化された光学的特性を表示する表示ステップと
    を含む光融合型イメージング方法。
  2. 前記測定ステップは、
    前記領域決定ステップで決定された前記イメージング対象領域を近赤外光が伝播するように、前記生体組織に対して前記近赤外光を照射する照射ステップと、
    前記照射ステップで照射されて前記イメージング対象領域を伝播する前記近赤外光を前記拡散光として測定する対象領域測定ステップとを含む
    請求項1に記載の光融合型イメージング方法。
  3. 前記光融合型イメージング方法は、さらに、
    それぞれ近赤外光を照射する照射チャネルと、前記照射チャネルから照射されて前記生体組織内で拡散する前記近赤外光である拡散光を検出する検出チャネルとからなる複数の組み合わせであって、それぞれ前記拡散光が伝播する領域が異なる複数のチャネルペアのうち、前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定し得るチャネルペアを選択する選択ステップを含み、
    前記照射ステップでは、
    前記選択ステップで選択されたチャネルペアの照射チャネルから前記近赤外光を照射し、
    前記対象領域測定ステップでは、
    前記選択ステップで選択されたチャネルペアの検出チャネルで前記拡散光を検出することにより、前記イメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定する、
    請求項2に記載の光融合型イメージング方法。
  4. 前記測定ステップは、
    前記生体組織内の前記イメージング対象領域を含む予め定められた第1の領域を近赤外光が伝播するように、前記生体組織に対して前記近赤外光を照射する照射ステップと、
    前記照射ステップで照射されて前記予め定められた第1の領域を伝播する前記近赤外光を前記拡散光として測定する第1の既定領域測定ステップとを含み、
    前記イメージングステップでは、
    前記第1の既定領域測定ステップの測定結果のうち、前記イメージング対象領域を伝播する拡散光の測定結果のみに基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定する、
    請求項1に記載の光融合型イメージング方法。
  5. 前記光融合型イメージング方法は、さらに、
    それぞれ近赤外光を照射する照射チャネルと、前記照射チャネルから照射されて前記生体組織内で拡散する前記近赤外光である拡散光を検出する検出チャネルとからなる複数の組み合わせであって、それぞれ前記拡散光が伝播する領域が異なる複数のチャネルペアのうち、前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定し得るチャネルペアを選択する選択ステップを含み、
    前記照射ステップでは、
    前記複数のチャネルペアの照射チャネルから前記近赤外光を照射し、
    前記第1の既定領域測定ステップでは、
    前記複数のチャネルペアの検出チャネルで前記拡散光を検出することにより、前記予め定められた第1の領域を伝播する前記拡散光を測定し、
    前記イメージングステップでは、
    前記第1の既定領域測定ステップの測定結果のうち、前記選択ステップで選択されたチャネルペアを用いた測定結果のみに基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定する、
    請求項4に記載の光融合型イメージング方法。
  6. 前記イメージングステップでは、
    前記近赤外光の前記生体組織における吸収係数を前記光学的特性として推定して画像化する、
    請求項1〜5の何れか1項に記載の光融合型イメージング方法。
  7. 前記イメージングステップでは、
    前記イメージング対象領域を複数の単位領域に分割し、前記単位領域ごとに前記光学的特性を推定して画像化する、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の光融合型イメージング方法。
  8. 前記光融合型イメージング方法は、さらに、
    前記生体組織内に前記観察対象物体があるか否かを前記構造特定方法によって判別する判別ステップと、
    前記判別ステップで前記観察対象物体がないと判別されたときには、前記生体組織内の予め定められた第2の領域を伝播する前記拡散光を測定する第2の既定領域測定ステップと、
    前記第2の既定領域測定ステップの測定結果に基づいて前記予め定められた第2の領域内の光学的特性を推定して画像化する既定領域イメージングステップと、
    前記既定領域イメージングステップによって画像化された光学的特性を表示する既定領域表示ステップとを含み、
    前記構造特定ステップでは、
    前記判別ステップで前記観察対象物体があると判別されたときに、前記観察対象物体の位置およびサイズを特定する、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の光融合型イメージング方法。
  9. 前記構造特定方法は、前記生体組織に対して照射され前記生体組織内を伝播する超音波を測定し、前記測定の結果に基づいて前記生体組織内の構造的特徴を特定する方法である、
    請求項1〜8の何れか1項に記載の光融合型イメージング方法。
  10. 前記光融合型イメージング方法は、さらに、
    前記イメージングステップで推定された光学的特性に基づいて、前記観察対象物体の生体的特性を特定し、前記生体的特性を示す診断補助情報を生成する補助情報生成ステップを含み、
    前記表示ステップでは、さらに、前記診断補助情報を表示する、
    請求項1〜9の何れか1項に記載の光融合型イメージング方法。
  11. 前記光融合型イメージング方法は、さらに、
    前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の機能的特徴を特定し、前記機能的特徴を示す機能情報を生成する機能情報生成ステップを含み、
    前記表示ステップでは、さらに、前記機能情報を表示する、
    請求項1〜10の何れか1項に記載の光融合型イメージング方法。
  12. 生体組織に対して照射されて前記生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定して前記生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法によって、前記生体組織内を画像化する光融合型イメージング装置であって、
    前記生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズを前記構造特定方法によって特定する構造特定部と、
    前記構造特定部によって特定された位置およびサイズに基づいて、前記観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定部と、
    前記領域決定部によって決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定する測定部と、
    前記測定部による測定結果に基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージング部と、
    前記イメージング部によって画像化された光学的特性を表示する表示部と
    を備える光融合型イメージング装置。
  13. 生体組織に対して照射されて前記生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定して前記生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法のためのプログラムであって、
    前記生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズを前記構造特定方法によって特定する構造特定ステップと、
    前記構造特定ステップで特定された位置およびサイズに基づいて、前記観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定ステップと、
    前記領域決定ステップで決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップの測定結果に基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージングステップと、
    前記イメージングステップによって画像化された光学的特性を表示する表示ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  14. 生体組織に対して照射されて前記生体組織内で拡散する近赤外光である拡散光を測定して前記生体組織内の光学的特性を画像化するイメージング方法と、前記拡散光の測定と異なる測定を行って前記生体組織内の構造的特徴を特定する構造特定方法とが融合した光融合型イメージング方法によって、前記生体組織内を画像化する集積回路であって、
    前記生体組織内にある観察対象物体の位置およびサイズを前記構造特定方法によって特定する構造特定部と、
    前記構造特定部によって特定された位置およびサイズに基づいて、前記観察対象物体を含むイメージング対象領域を決定する領域決定部と、
    前記領域決定部によって決定されたイメージング対象領域を伝播する前記拡散光を測定する測定部と、
    前記測定部による測定結果に基づいて前記イメージング対象領域内の光学的特性を推定して画像化するイメージング部と、
    前記イメージング部によって画像化された光学的特性を表示部に表示させる表示制御部と
    を備える集積回路。
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