JPWO2010107060A1 - Dc−dcコンバータ - Google Patents

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Abstract

DC—DCコンバータは、絶縁型高周波トランスを備え、スイッチング回路から構成される電圧共振回路が第1のトランスの1次側に接続されている。高周波トランスの2次側の2次側と出力端子との間にインダクタンスが直列に接続され、交互にスイッチングされるように接続された第2のスイッチング回路が2次側と出力端子との間に接続され、整流回路及び平滑回路を介して出力される。第1のスイッチング信号で電圧共振回路がスイッチングされ、この第1のスイッチング信号の周波数は、目標電圧に比べて前記出力電圧が大きい際に基準周波数よりも高い周波数に設定され、目標電圧に比べて前記出力電圧が小さい際に基準周波数よりも低い周波数に設定される。

Description

この発明は、DC−DCコンバータに係り、特に、分散型直流電源からの電力を中電力容量の電力に変換する分散型電源用の絶縁型DC−DCコンバータに関する。
分散型直流電源、例えば、家庭用燃料電池、太陽光発電或いは風力発電システムから電力を中電力容量(0.3kW〜10kW)の電力に変換する分散型電源システムは、インバータなどの電力変換装置を備え、この電力変換装置では、入力(1次側)と系統(2次側)との絶縁が望まれている。このような電力変換装置に、高周波絶縁型のコンバータが使用されても、非絶縁型のコンバータに比較して、効率が悪化する問題がある。
また、燃料電池などの電源では、定格未満の出力で運転する頻度が必然的に多くなることから、上記のような定格出力時における効率向上はもとより、定格出力の50%以下の省電力の小出力運転時の効率を向上することが重要な課題となっている。このような背景から、特許文献1において、高効率のDC−DCコンバータが提案されている。
また、特許文献2には、スイッチング素子(FET)をゼロ電圧又はゼロ電流でスイッチング(ZVS或いはZCS)してスイッチング損失を低減することができる共振型スイッチング電源が開示されている。同様に、特許文献3にもスイッチング電源のスイッチをゼロ電圧・ゼロ電流でスイッチングするDC―DCコンバータが開示されている。また、この特許文献3には、スイッチング電源回路とトランスの間に電流共振回路が設けられ、スイッチング電源回路のスイッチが共振周波数付近frで動作される旨が記述されている。
更に、特許文献4及び5には、トランスの一次側にスイッチング電源を設けるのみならず、その2次側に設けた昇圧回路がスイッチング素子で構成される旨が記述されている。
特許第3934654号公報 特開平07−274498号公報 特開平07−222444号公報 特開2005−318757号公報 特開平06−311743号公報
特許文献1〜5に開示されたDC−DCコンバータは、高効率を実現することができる。しかし、小エネルギーの観点から、よりスイッチング・ロスが減少され、より高効率でDC−DC変換を実現することができるDC−DCコンバータの開発が要請されている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされているものであり、その目的は、高効率のDC−DCコンバータを提供することになる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされているものであり、その目的は、高効率のDC−DCコンバータを提供することにある。
この発明によれば、
交互にスイッチングされる1対の第1のスイッチング素子を含み、フルブリッジ回路、ハーフブリッジ回路及びプッシュプル回路のいずれかの回路で構成される第1のスイッチング回路を含み、出力電圧が変動する低電圧直流電源から直流電力が入力され、この直流電力をDC−AC変換して出力する電圧共振回路と、
前記電圧共振回路が接続された1次側及び2次側を有する絶縁型高周波トランスと、
この絶縁型高周波トランスの2次側の一方の端子と出力端子の一方との間に直列に接続されたインダクタンスと、
交互にスイッチングされるように接続された1対の第2のスイッチング素子から構成され、この1対の第2のスイッチング素子の一方が前記絶縁型高周波トランスの2次側の一方の端子と出力端子の一方との間に接続され、前記1対の第2のスイッチング素子の他方が前記絶縁型高周波トランスの2次側の他方の端子と出力端子の他方との間に接続されている第2のスイッチング回路と、
前記第2のスイッチング回路からの出力を整流する整流回路と、
この整流回路からの出力を平滑して前記出力端子に出力する平滑回路と、
導通電流が略零並びに印加電圧が略零のタイミングで前記第1のスイッチング素子をターンオン及びターンオフする第1のスイッチング信号で前記電圧共振回路における電圧共振を維持する第1のドライバ回路と、
印加電圧が略零のタイミングで前記第2のスイッチング素子をターンオン及びターンオフする第2のスイッチング信号で零電圧スイッチングを維持する第2のドライバ回路と、
前記整流回路から出力された出力電圧に依存して前記第1及び第2のスイッチング信号の周波数及び第1及び第2のスイッチング信号の夫々のオン時間を設定する制御回路であって、目標電圧に比べて前記出力電圧が大きい際に基準周波数よりも高い周波数を設定し、目標電圧に比べて前記出力電圧が小さい際に基準周波数よりも低い周波数を設定し、前記入力電圧が基準電圧よりも大きい際に前記第2のスイッチング信号のオン時間を小さくし、前記入力電圧が基準電圧よりも小さい際に前記第2のスイッチング信号のオン時間を大きく設定する制御回路と、
を具備することを特徴とするDC−DCコンバータが提供される。
この発明のDC−DCコンバータによれば、スイッチング・ロスの無い高効率の変換を実現することが出来る。
この発明のDC−DCコンバータによれば、全動作領域領において、1次及び2次のスイッチング回路がソフトスイッチングを行っているため高効率となる。また、この発明のDC−DCコンバータによれば、回路部品点数が少ないため、小型軽量化が図れ、コストダウンだけでなく、部品故障に対する信頼性が向上される。
図1は、この発明の一実施の形態に係るDC−DCコンバータを示す回路図である。 図2は、電圧共振回路をハーフブリッジ回路で構成したこの発明の他の実施の形態に係るDC−DCコンバータを示す回路図である。 図3は、電圧共振回路をプッシュプル回路で構成したこの発明の更に他の実施の形態に係るDC−DCコンバータを示す回路図である。 図4は、図1に示される回路において、出力される出力電力を一定にする為のパルス信号の周波数と入力電圧Vinとの関係を示すグラフである。 図5Aは、図1に示される回路において、入力電圧が一定の定常状態に達した後に出力される出力電力を可変とするパルス信号の周波数と出力電力との関係を示すグラフである。 図5Bは、図1に示される回路において、入力電圧が一定の定常状態に達した後に出力される出力電力とパルス信号のデューティー比との関係を示すグラフである。 図6は、図1に示すスイッチング素子を制御する制御ブロック図である。 図7は、図1に示すスイッチング素子を制御する制御フローを示すフローチャートである。 図8の(a)〜(e)は、定常状態において定格電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図9の(f)〜(j)は、定常状態において定格電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図10の(k)〜(o)は、定常状態において定格電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図11の(a)〜(e)は、定常状態において低入力電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図12の(f)〜(i)は、定常状態において低入力電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図13の(k)〜(o)は、定常状態において低入力電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図14の(a)〜(e)は、定常状態において高入力電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図15の(f)〜(i)は、定常状態において高入力電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図16の(k)〜(o)は、定常状態において高入力電圧モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図17の(a)〜(e)は、定常状態において中電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図18の(f)〜(i)は、定常状態において中電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図19の(k)〜(o)は、定常状態において中電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図20の(a)〜(e)は、定常状態において小電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図21の(f)〜(i)は、定常状態において小電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図22の(k)〜(o)は、定常状態において小電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図23の(a)〜(e)は、定常状態において大電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図24の(f)〜(i)は、定常状態において大電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図25の(k)〜(o)は、定常状態において大電力モードが設定されている際の図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。 図26の(a)〜(e)は、定格入力電圧モードが設定されている際の図3に示されるコンバータ回路における各部の動作を示している。 図1に示すDC−DCコンバータの変形例に係るDC−DCコンバータを示す回路図である。
以下、必要に応じて図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係るDC−DCコンバータについて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係るDC−DCコンバータを示している。この図1に示されるDC−DCコンバータとDC−AC変換を行うインバータ部からパワーコンディショナーとしての連系インバータが構成され、この連系インバータが分散型電源システムに適用される。
図1に示されるDC−DCコンバータの入力端子Vinには、出力に変動を伴う直流電源(図示せず)、例えば、燃料電池、太陽電池、或いは風力発電からの出力(直流電力)Vinが入力されている。この出力Vinは、図1に示すコンバータでDC-DC変換され、変換されたDC出力がインバータ部で交流出力、比較的小出力(例えば、0.3kW〜数10kW程度)に変換されて、負荷に、例えば、家庭内の負荷に商用電圧(系統電圧)Voutとして出力される。ここで、商用電圧(系統電圧)Voutは、日本では、101V或いは202V(単相3線接続の場合)に相当し、米国では、115V或いは230Vに相当している。
燃料電池システムでは、図1に示されるコンバータに入力電圧Vinとして80V以下、現状では、20V〜60Vの電圧が入力され、無負荷の際にその出力電圧Vinが最も高く、負荷が大きくなるにつれて電圧が25%〜30%程度低下する特性を有している。また、太陽電池モジュールを備える太陽光発電システムでは、1枚の太陽電池モジュールで17−21Vの電圧Vinが出力され、システムとしては、170V〜350Vの電圧Voutが出力される。その出力電圧Voutは、120V〜450Vの範囲で変動される。更に、風力発電システムでは、50V程度の出力電圧Vinが発生されるが、羽根が回転している際には、30V〜50Vの範囲で出力Vinが変動される。
このコンバータは、高周波絶縁型のDC−DCコンバータであって、高周波トランスT1、直流電源に接続された入力端子Vinと高周波トランスT1の一次側との間に配置され、高周波の電圧を出力する電圧共振回路11、リーケージインダクタ(昇圧リアクトル)L1を有する高周波トランスT1、この高周波トランスT1の二次側に配置されたスイッチング回路13、スイッチング回路13からの出力電流を整流する整流回路14及び整流回路14からの出力を平滑化する平滑回路16から構成され、平滑回路16の出力端子20A、20Bから出力電圧が出力される。ここで、リーケージインダクタL1は、高周波トランスT1のリーケージインダクタL1に代えて或いはリーケージインダクタに加えて別途高周波トランスT1の2次側に昇圧リアクトルL1が接続されても良い。
図1に示されるコンバータは、電圧共振回路11を制御するドライブ・バッファ17及びスイッチング回路13を制御するドライブ・バッファ18を更に備えている。また、動作モードに応じたパルス信号を格納した参照テーブル36及び参照テーブル36を参照してこれらドライブ・バッファ17、18にパルス幅変調信号PWMを出力するCPU30から構成されるスイッチング制御部12を更に備えている。
ここで、連系インバータが日本で使用する場合を想定すると、DC−DCコンバータは、通常系統200Vの連系インバータユニットに接続され、高周波トランス12の二次側からは、370V程度の電圧が出力される。
一次側に配置された電圧共振回路11は、図1に示すようにフルブリッジ電圧共振回路で構成することができる。フルブリッジ電圧共振回路11においては、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3が直列接続され、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4が直列接続されている。スイッチング素子Q1、Q3の直列回路及びスイッチング素子Q2,Q4の直列回路が入力コンデンサC7に並列接続されるとともにフルブリッジ回路を構成するように夫々入力側10A、10Bの直流電源に並列接続されている。即ち、入力コンデンサC7が電源のプラス側10A及びマイナス側10B間に接続され、スイッチング素子Q1、Q2のドレインが電源のプラス側10Aに接続され、スイッチング素子Q3、Q4のソースが電源のマイナス側10Bに接続されている。また、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3間の接続部が出力側のトランスT1の一端部に接続され、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の接続部がトランスT1の他端部に接続されている。これらスイッチング素子Q1〜Q4の夫々は、FET(電界効果トランジスタ)或いはIGBT(絶縁ゲート・バイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子で構成され、ドレイン及びソース間(IGBTの場合にはエミッタ・コレクタ間)に寄生キャパシタC1〜C4及び寄生ダイオードD1〜D4を有している。また、スイッチング素子Q1〜Q4のゲートには、スイッチング素子Q1〜Q4を零電圧並びに零供給電流のタイミングでオン・オフするドライブ・バッファ17が接続されている。
入力端子10Aの電圧は、入力電圧信号として検出されてインタフェース(図示せず)を介してCPU30に入力されている。入力電圧信号は、CPU30によって参照テーブル36に格納されている参照入力電圧に参照され、参照入力電圧に対応するスイッチング周期及びパルス幅を有するパルス信号が選定される。このパルス信号は、CPU30からドライブ・バッファ17に与えられてこのドライブ・バッファ17からスイッチング信号がスイッチング素子Q1〜Q4に出力される。即ち、ドライブ・バッファ17から出力されるスイッチング・パルスは、入力電圧信号に応じてその周波数並びにデューティー比(デューティー・サイクルに対するオン期間の比)が選定されてスイッチング素子Q1〜Q4の夫々が実質的な零電圧並びに零供給電流のタイミングでオン及びオフされる。ここで、零供給電流とは、入力端子10A、10Bから対応するスイッチング素子Q1〜Q4の夫々に供給される電流がゼロの状態でスイッチングされることを意味している。後に説明されるようにスイッチング素子Q1〜Q4は、夫々寄生容量C1〜C4を有し、この寄生容量C1〜C4を充電する為の無効電流が高周波トランスT1のインダクタから供給され、寄生容量C1〜C4から高周波トランスT1のインダクタから放電される。しかし、この無効電流は、スイッチング素子Q1〜Q4がスイッチングされる際の零供給電流には含まれないものとする。
図1に示される電圧共振回路11は、図2に示されるようにハーフブリッジ電圧共振回路で構成しても良い。ハーフブリッジ電圧共振回路においては、図2に示されるようにスイッチング素子Q2、Q4の直列回路がキャパシタC7に並列に接続され、スイッチング素子Q2、Q4間の接続点が高周波トランスのT1の一次側の高圧端子に接続され、高周波トランスのT1の一次側の接地端子が接地側端子10Bに接続されている。このハーフブリッジ電圧共振回路は、後に説明するブリッジ電圧共振回路と同様に動作される。即ち、ブリッジ電圧共振回路の動作を説明する波形図において、スイッチング素子Q1、Q3が除去されたと同様に動作されることから、ハーフブリッジ電圧共振回路の動作の説明は省略する。
同様に、図1に示される電圧共振回路11は、図3に示すようにプッシュプル電圧共振回路で構成しても良い。プッシュプル電圧共振回路では、トランスT1の一次側中間タップが電源のプラス側10Aに接続され、トランスT1の一次側の端子にスイッチング素子Q3、Q4のドレインが接続され、スイッチング素子Q3、Q4のソースが電源のマイナス側10Bに接続されている。
図1及び図3に示されるようにトランスT1の二次側には、スイッチング回路13が接続されている。ここで、トランスT1の二次側の高電圧端子には、昇圧リアクトルL1が直列に接続され、また、この昇圧リアクトルL1を介してトランスT1の高電圧端子と接地端子20Bとの間には、スイッチング回路13を構成するスイッチング素子Q6が接続されている。トランスT1の2次側の低電圧端子と接地端子20Bとの間には、スイッチング回路13を構成するスイッチング素子Q5が接続されている。
スイッチング素子Q5及びQ6は、夫々そのドレイン(IGBTの場合にはコレクタ)及びソース(IGBTの場合にはエミッタ)間に並列接続された寄生キャパシタC5、C6並びに寄生ダイオードD5,D6を含んで構成されている。また、スイッチング素子Q5及びQ6には、ドライバ・バッファ18が接続されている。即ち、スイッチング素子Q6のドレイン(IGBTの場合にはコレクタ)が昇圧リアクトルL1を介してトランスT1の二次高圧側端子に接続され、スイッチング素子Q6のソース(IGBTの場合にはエミッタ)が接地側出力端子20Bに接続されている。また、スイッチング素子Q5のドレイン(IGBTの場合にはコレクタ)は、トランスT1の二次低電圧側端子に接続され、スイッチング素子Q5のソース(IGBTの場合にはエミッタ)が接地側出力端子20Bに接続されている。また、スイッチング素子Q5のドレインは、整流平滑回路14を構成するダイオードD8を介してプラス側出力端子20Aに接続されている。整流平滑回路14を構成するダイオードD7は、昇圧リアクトルL1を介してトランスT1の二次高圧側端子に接続されるとともにプラス側出力端子20Aに接続され、整流平滑回路14を構成するダイオードD8は、トランスT1の二次低圧側端子及びプラス側出力端子20A間に接続され、平滑用キャパシタC8が出力端子20A,20B間に接続されている。スイッチング素子Q5及びQ6のゲートは、スイッチング素子Q5及びスイッチング素子Q6を所定のタイミングでオン・オフするためにドライブ・バッファ18に接続されて出力電圧信号Voutが出力端子20A,20Bから出力される。出力端子20Aで検出される出力電圧は、電気的絶縁回路素子32、例えば、フォトカプラ及び図示しないインタフェースを介して出力電圧信号としてCPU30に入力されている。
また、CPU30は、入力端子10Aから入力される入力電圧信号及び出力端子20A,20B間から出力される出力電圧信号で参照テーブル36を参照して下記に説明する各モードに応じてスイッチング素子Q5及びスイッチング素子Q6をオン・オフするパルス信号のデューティー比(デューティー・サイクルに対するオン期間の比)及び周波数を設定して最適な条件下でスイッチング素子Q5、Q6を零供給電流並びに零電圧のタイミングでオン・オフしている。
ここで、各モードに応じた最適制御を実施する為に参照テーブル36には、図4、図5A及び図5Bに示される関係から最適なパルス信号の周波数及びパルス信号のデューティー比が格納され、この格納されたテーブルから選定されたパルス信号がスイッチング素子Q5、Q6に与えられてスイッチング回路13が最適制御される。図4は、出力端子20A,20B間から出力される出力電力Voutを一定にする為のパルス信号の周波数と出力電圧Voutとの関係を示すグラフ及びパルス信号のデューティー比(デューティー・サイクルに対するオン期間の比)と入力電圧との関係を示すグラフである。
図4から明らかなように出力電圧Voutが低下されると、パルス信号の周波数が低く設定され、出力電圧Voutが上昇されると、パルス信号の周波数が高く設定される。また、図4から明らかなように出力電圧Voutが低下されると、パルス信号のデューティー比が高く設定され、出力電圧Voutが上昇されると、パルス信号のデューティー比が低く設定される。パルス信号の周波数及びパルス信号のデューティー比が適切に設定された出力端子20A,20B間から出力される出力電圧信号Voutが一定に設定される。出力電圧信号Voutは、既に説明されるようにモニタされ、出力電圧信号Voutが一定となるようにパルス信号の周波数及びパルス信号のデューティー比が設定される。
より具体的には、出力電圧Voutが低い場合には、トランスT1の1次側入力電圧が低下される。従って、トランスT1の二次側における昇圧回路として機能する電圧共振回路11におけるオン時間を長くする為にパルス信号の周波数が低下され、また、デューティー比が大きく選定されてスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4のオン期間が長く、オフ期間が短く設定されてこのスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4での昇圧比が大きくなる。これに対して出力電圧Voutが高い場合には、トランスT1の1次側入力電圧が上昇される。従って、トランスT1の二次側における昇圧回路として機能する電圧共振回路11におけるオン時間を短くする為にパルス信号の周波数が上昇され、また、デューティー比が小さく選定されてスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4のオン期間が短く、オフ期間が長く設定されてこのスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4での昇圧比が低下される。
図3に示されるプッシュプル回路で電圧共振回路11が構成される回路にあっても、同様に入力電圧Vinが低い場合には、電圧共振回路11におけるオン時間を長くする為にパルス信号の周波数が低下され、また、デューティー比が大きく選定されてスイッチング素子Q5,Q6のオン期間が長く、オフ期間が短く設定されてこのスイッチング素子Q5,Q6での昇圧比が大きくなり、出力電圧が一定に保たれる。これに対して入力電圧Vinが高い場合には、トランスT1の1次側入力電圧が上昇される。従って、トランスT1の二次側における昇圧回路として機能する電圧共振回路11におけるオン時間を短くする為にパルス信号の周波数が上昇され、また、デューティー比が小さく選定されてスイッチング素子Q2,Q4のオン期間が短く、オフ期間が長く設定されてこのスイッチング素子Q2,Q4での昇圧比が低下されることによって出力電圧が一定に保たれる。
図5A及び図5Bは、入力電圧が一定の定常状態に達した後における負荷変動に対するパルス信号の周波数と出力電力(出力電圧Vout:一定)との関係を示すグラフ及びパルス信号のデューティー比(デューティー・サイクルに対するオン期間の比)と出力電力(出力電圧Vout:一定)との関係を示すグラフである。図5Aから明らかなように入力電圧Vinが一定の定常状態となっている場合には、パルス信号の周波数が低く設定されると、出力電圧Voutが上昇され、パルス信号の周波数が高く設定されると、出力電圧Voutが低下される。従って、出力端子20A、20Bに接続された負荷に応じてパルス信号の周波数が可変されて一定の出力電圧が出力端子20A、20Bから出力される。ここで、電圧共振回路11のスイッチング素子Q1〜Q4をスイッチングするスイッチング・パルスの周波数は、昇圧リアクトルL1に依存して定められる。昇圧リアクトルL1への電流エネルギーの供給開始から電流エネルギーが飽和するに至るまで時間期間が最大値となる周波数が最も低い周波数に設定され、この最低周波数に比べて高い周波数に基準周波数が設定され、この基準周波数を基準に周波数が制御される。スイッチング周波数が制御される結果、DC−DCコンバータから出力する電力(電圧)を目標電力(目標電圧)に達するように制御することができる。
以上のように、スイッチング・パルス信号の周波数が可変されて、出力端子20A,20B間から出力される出力電圧信号Voutが可変される。従って、出力端子20A、20Bに接続された負荷に応じてパルス信号の周波数が可変されて出力電圧が出力端子20A、20Bから出力される。
上述した図1に示すDC―DCコンバータにおいては、図6に示すように目標電圧VrefがステップS1に示すように図示しない入力装置でCPU30に入力され、また、整流回路14からの出力電圧VoutがステップS2に示すように電気的絶縁回路素子32を介して入力される。目標電圧Vref及び出力電圧Voutは、ステップS3に示すようにCPU30で比較され、その差電圧で参照テーブル36が参照されてステップS4に示すように参照テーブル36内の周波数テーブルでトランスTiの1次側のスイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング周波数及びトランスTiの2次側のスイッチング素子Q5〜Q6のスイッチング周波数が決定される。また、ステップS5及びS6に示すようにCPU30においてパルス幅変調信号PWMのオン期間(時間)が決定される。この決定された周波数及びオン期間に基づいてステップS7に示すようにCPU30がパルスジェネレータとして作動してパルス信号(パルス幅変調信号)PWMがドライバ・バッファ17に与えられて格納される。また、この決定された周波数及びオン期間に基づいてステップS7に示すようにCPU30がパルスジェネレータとして作動して電気的絶縁回路素子34を介してパルス信号(パルス幅変調信号)PWMがドライバ・バッファ18に与えられて格納される。従って、ドライバ・バッファ17は、ステップS8〜S11に示すように1次側のスイッチング素子Q1〜Q4に第1〜第4のゲートパルスを与えてスイッチング素子Q1〜Q4をスイッチングする。同様に、ドライバ・バッファ18は、ステップS12及びS13に示すように2次側のスイッチング素子Q5,Q6に第5及び第6のゲートパルスを与えてスイッチング素子Q5〜Q6をスイッチングする。その結果、後に説明されるように、目標とされる電圧がキャパシタC8で構成される平滑回路16から出力される。
より詳細には、図6に示されたスイッチング制御では、図7に示されるように始めに目標出力電圧が設定される。(ステップS21)ここで、予め目標出力電圧に対応する基準となるスイッチング周波数が設定される。このスイッチング周波数で1次側のスイッチング素子Q1〜Q5がスイッチングされる。整流回路14からの出力電圧Voutが検出されてステップS22で目標電圧と比較される。出力電圧Voutが目標電圧に達している場合には、そのスイッチング周波数でのスイッチングが継続される。(ステップS23)出力電圧Voutが目標電圧に達していない場合には、ステップS24で目標電圧よりも出力電圧Voutが大きいかが判別される。出力電圧Voutが目標電圧よりも大きい場合には、ステップS25に示すように設定した周波数よりもより高い周波数が設定されて再びステップS22が実行される。周波数が高く設定されると、励磁電流が流れる期間が小さくなり、トランスTiの2次側端子電圧が減少して昇圧効果が低下され、2次側のリアクタンスL1の励磁エネルギーが減少される。結果として、出力電圧Voutが低下される。また、出力電圧Voutが目標電圧よりも小さい場合には、ステップS26に示すように設定した周波数よりもより低い周波数が設定されて再びステップS22が実行される。周波数が低く設定されると、励磁電流が流れる期間が大きくなり、トランスTiの一次側端子電圧が増加して昇圧効果が増加され、2次側のリアクタンスL1の励磁エネルギーが増加される。結果として、出力電圧Voutが増加される。このようにしてゲートパルスの周波数が制御されて出力が一定に維持される。トランスTiの2次側では、2次側のスイッチング素子Q5、Q6が交互にオンされて2次側のリアクタンスL1の励磁エネルギー及び直列接続されたトランスのエネルギーがダイオードD7,D8に供給される。ダイオードD7,D8のカソード側では、脈動するエネルギーが合成され出力コンデンサC8により平滑され直流電力として出力される。また、リアクタンスL1のエネルギー放出は、スイッチング素子Q5がオフの期間D8を通じてC8に供給され、スイッチング素子Q6がオフの期間D7を通じてC8に供給される。
また、図1に示されるDC−DCコンバータでは、全動作領域において、1次及び2次のスイッチング素子Q1〜Q6がソフトスイッチングされているため高効率で動作される。また、回路部品点数が少ないため、小型軽量化が図れ、コストダウンだけでなく、部品故障に対する信頼性が向上される。
以下、入力端子10A,10Bに一定の電力が入力される定常状態における図1に示されるDC−DCコンバータの動作を説明する。
定常状態においては、以下に説明するように、(1)定格入力電圧が入力される定格入力電圧モード、(2)比較的低い電圧で一定電力が入力される低入力電圧モード、(3)比較的高い電圧で一定電力が入力される高入力電圧モード、(4)中間レベルの一定電力が入力される中電力モード、(5)比較的小さい一定電力が入力される低電力モード、(6)比較的大きい一定電力が入力される大電力モードがある。
(1)定格入力電圧モード
図8(a)〜図8(o)は、低入力電圧モードにおける図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。この図8(a)〜図8(o)を参照して図1に示されるDC−DCコンバータの動作を説明する。
(時点t2〜時点t3の動作)
定格入力モードにおいては、図8(a)に示すように時点t2のタイミングでドライブ・バッファ17からスイッチング素子Q1,Q4のゲートに与えられるゲートパルス信号がオフされてスイッチング素子Q1,Q4がオフされる。この時点t2においては、図8(b)に示すようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧が零であり、図8(e)に示すようにスイッチング素子Q1,Q4には、実質的に零電流が入力側から供給されることから、零供給電流・零電圧でのスイッチング素子Q1,Q4のスイッチングが実現される。
尚、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン電流が完全な零ではなく、僅かな電流が流れているが、この電流は、昇圧リアクトルL1における自由振動及びトランスT1の励磁インダクタンスにおける励磁電流に相当している。
この時点t2から時点t3においては、昇圧リアクトルL1における自由振動及びトランスT1の励磁インダクタンスにおける励磁電流により、図8(e)に示すように、ドレイン電流iQ1,iQ4がスイッチング素子Q1,Q4のドレインからスイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間のキャパシタC1、C4に流入してこのキャパシタC1、C4が充電される。従って、図8(b)に示すように時点t2からスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧が穏やかに上昇される。
ここで、ブリッジ回路を構成する他方のスイッチング素子Q2,Q3は、時点t2においては、オフ状態にあり、そのドレイン・ソース間のキャパシタC2、C4は、スイッチング素子Q1,Q4のオフに伴い放電される。この放電電流は、図8(f)に示されるドレイン電流iQ2,iQ3が昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流に寄与する。また、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は、時点t2〜時点t3に架けて図8(d)に示すように穏やかに下降される。時点t2〜時点t3間においては、トランスT1の1次側には、電流iQ1,iQ4及び電流iQ2,iQ3を合成したトランス電流i1が流れ、トランスT1の2次側には、図9(h)に示すように励磁電流を差し引いたトランス電流i2が流れる。
(時点t3〜時点t5の動作)
図8(c)に示すように時点t3のタイミングでドライブ・バッファ17からスイッチング素子Q2,Q3に印加されるゲートパルス信号がオンとされてスイッチング素子Q2、Q3がオンされる。この時点t3においては、図8(d)に示すようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧が零であり、図9(f)に示すようにスイッチング素子Q2,Q3には、実質的に零電流が入力側から供給されることから、零供給電流・零電圧でのスイッチング素子Q2,Q3のスイッチングが実現される。
時点t3から時点t9の間、スイッチング素子Q2,Q3がオンされ続け、トランスT1の2次側のスイッチング素子Q5は、図9(i)及び(j)に示されるように、時点t3から時点t5の間にオンとされる。また、スイッチング素子Q6は、図8(k)及び(l)に示すように、時点t2から時点t12の間、特に、時点t3から時点t9の間オンに維持される。従って、時点t3から時点t5の間、スイッチング素子Q5、Q6、トランスT1の2次側及び昇圧リアクトルL1は、閉回路を形成し、トランスT1の2次側に発生した電圧は、全て昇圧リアクトルL1に注入され、トランスT1に流入する電流I(I=ET/L)により直線的に電流が上昇される。トランスt1の1次側においても、図8(f)に示されるように、同様にドレイン電流iQ2,iQ3が直線的に上昇される。ここで、Eは、入力電圧、Tはオン時間及びLは、リアクトルL1のインダクダンスを1次側に変換したものである。
ここで、この時点t3及びt2においては、図9(j)及び図8(l)に示すようにスイッチング素子Q5,Q6には、入力側から実質的に零の供給電流が供給され、また、スイッチング素子Q5,Q6のドレイン電圧が零となっていることから、零供給電流・零電圧でのスイッチング素子Q5,Q6のスイッチングが実現される。
(時点t5〜時点t6の動作)
図9(i)に示すように時点t5のタイミングでドライブ・バッファ18からスイッチング素子Q5へのゲートパルス信号がオフされてスイッチング素子Q5がオフされる。この時点t5においても、図9(j)に示すようにスイッチング素子Q5のドレイン電圧が零であり、零電圧でのスイッチング素子Q5のスイッチングが実現される。
時点t5から時点t9において、スイッチング素子Q5がオフ状態に維持される。時点t5から時点t6間において、図9(j)に示すように、昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量C5が充電され、ドレイン電圧が穏やかに上昇される。
(時点t6〜時点t8の動作)
時点t6から時点t8の間、スイッチング素子Q5がオフとされ、スイッチング素子Q6がオンとされることから、整流ダイオードD7が接地された状態で図10(m)に示すように導通された整流ダイオードD8を介して2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出される。従って、図9(f)に示すようにドレイン電流iQ2,iQ3が下降され、図10(m)に示すようにダイオードD7のダイオード電流iD7も下降される。時点t8において、昇圧リアクトルL1のエネルギーは全て放出され、整流ダイオードD8を流れる電流がゼロとなり、整流ダイオードD8が穏やかにオフされる。その後、この整流ダイオードD8には、逆バイアスが印加される。逆バイアスが印加される前に整流ダイオードD8に流れる整流電流がゼロとなることから、以下の説明において、整流ダイオードD8がゼロ電流でスイッチングされると称する。時点t9において、図9(i)に示すようにドライブ・バッファ18からスイッチング素子Q5へのゲートパルス信号がオンされてスイッチング素子Q5がオンされる。この時点t9においては、スイッチング素子Q5のドレイン電圧が零であり、また、供給電流も実質的に零であることから、スイッチング素子Q5の零電圧・零供給電流でのスイッチングが実現される。
(時点t8〜時点t9の動作)
時点t8から時点t9間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量による自由振動が起こり、図9(j)に示されるようにスイッチング素子Q5のドレインの電圧が穏やかに下降される。この時、昇圧リアクトルL1の電流は、反転される。
(時点t9の動作)
スイッチング素子Q5の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t9にて既に述べたようにスイッチング素子Q5がオン(ゼロ電圧スイッチング)され、図8(c)に示すようにスイッチング素子Q2,Q3がオフされる。この時、スイッチング素子Q2,Q3の供給電流は、略0Aとなり、スイッチング素子Q2,Q3が零供給電流でスイッチングされる。時点t9から時点t10間において、電流iQ2,iQ3は、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量を充電し、図8(d)に示すようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧が穏やかに上昇される。
(時点t9〜時点t10の動作)
同様に、図9(f)に示されるようにブリッジ回路構成するスイッチング素子Q2,Q3のドレイン電流iQ2,iQ3は、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1、C4を放電し、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は、図8(b)に示すように穏やかに下降される。
(時点t10の動作)
時点t10において、スイッチング素子Q1,Q4がオンされる。この時のドレイン電圧は、略0Vなので、ゼロ電圧でスイッチングされ、また、略供給電流も略零であるので零供給電流でのスイッチングが実施される。
(時点t10〜時点t12の動作)
時点t10から時点t16の間、図8(a)に示すようにスイッチング素子Q1,Q4がオンされる。また、この間、2次側スイッチング素子Q5は、図9(i)に示すように時点t10から時点t16までオンに維持され、また、図10(k)に示すようにスイッチング素子Q6も時点t10から時点t12の間オンに維持される。従って、トランスT1の2次側に発生した電圧は、全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇される。トランスT1の1次側でも同様にスイッチング素子Q1,Q4の電流iQ1,iQ4は、図8(e)に示されるように直線的に電流が上昇される。
(時点t12〜時点t13の動作)
時点t12において、図8(k)に示すようにスイッチング素子Q6がオフされる。時点t12から時点t13間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量C6が充電され、図8(l)に示されるようにドレイン電圧が穏やかに上昇される。
(時点t13〜時点t15の動作)
時点t13から時点t15間、図8(n)に示すように整流ダイオードD7が導通して2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出され、スイッチング素子Q1,Q4の電流iQ1,iQ4が下降され、図10(n)に示すようにダイオードD7のダイオード電流iD7の電流も下降される。時点t15において、昇圧リアクトルL1のエネルギーは全て放出され、整流ダイオードD7の電流がゼロとなり、整流ダイオードD7は、非道通とされる。その後、整流ダイオードD7には、逆バイアスが印加される。従って整流ダイオードD7は、ゼロ電流でスイッチングされる。
(時点t15〜時点t16の動作)
時点t15から時点t16間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量C6による自由振動が起こり、図10(l)に示すようにスイッチング素子Q6のドレインの電圧は、穏やかに下降される。この時、昇圧リアクトルL1の電流は、反転される。
(時点t16〜時点t17の動作)
図10(k)に示すようにスイッチング素子Q6の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t16にてスイッチング素子Q6がオンされ、図8(a)に示すようにスイッチング素子Q1,Q4がオフされる。この時、スイッチング素子Q1,Q4の供給電流は、略0Aとなり、また、ドレイン電圧も零電圧であることから、ゼロ電流及びゼロ電圧でのスイッチングとなる。時点t16から時点t17間において、スイッチング素子Q1,Q4の電流iQ1,iQ4は、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1、C4を充電し、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧が穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路であることから、スイッチング素子Q2,Q3の電流iQ2,iQ3は、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2、C3を放電し、図8(d)に示すようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は、穏やかに下降される。
(時点t17の動作)
図8(c)に示すように時点t17において、スイッチング素子Q2,Q3がオンされる。この時のドレイン電圧は、略0Vであり、また、供給電流もゼロであるので、ゼロ電圧スイッチングが実現される。
上述しように定格入力電圧モードにおいては、図1に示されるDC−DCコンバータが動作されることから、図10(o)に示すような出力電流がキャパシタC8に供給され、キャパシタC8の両端電圧が一定電圧として出力端子20A,20Bから出力される。
(2)低入力電圧モード(電力一定)
図11(a)〜図13(o)は、低入力電圧モードにおける図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。この図11(a)〜図13(o)を参照して図1に示されるDC−DCコンバータの動作を説明する。
(時点t2〜時点t3の動作)
この低入力電圧モード(電力一定)でのタイムチャートにおいて、図11(a)に示されるように時点t2のタイミングにてスイッチング素子Q1,Q4がオフされる。時点t2から時点t3間、スイッチング素子Q1,Q4の電流iQ1,iQ4は、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁インダクタンスによる励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1、C4を充電し、図11(b)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は、穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路の他方のスイッチング素子Q2,Q3では、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、図12(f)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2、C3を放電し、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は、図11(d)に示されるように穏やかに下降される。トランスT1の1次側には、図12(g)に示されるようにドレイン電流iQ1,iQ4及びドレイン電流iQ2,iQ3を合成した電流i1が流れ、トランスT1の2次側には、図12(h)に示されるように励磁電流を差し引いた電流i2が流れる。
(時点t3〜時点t12の動作)
図11(c)に示されるように時点t3から時点t12の間、スイッチング素子Q2,Q3がオンされる。また、この間、スイッチング素子Q5は、図12(i)に示されるように時点t3から時点t9の間オン、スイッチング素子Q6は、図13(k)に示されるように時点t3から時点t12の間オンのままとなり、トランスT1の2次側に発生した電圧は、全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇される。トランスT1の1次側でも同様にドレイン電流iQ2,iQ3は、図12(f)に示されるように直線的に上昇される。時点t9において、スイッチング素子Q5がオフされる。時点t9から時点t10間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量C5が充電され、ドレイン電圧が穏やかに上昇される。
時点t10から時点t11間、図13(m)に示されるように整流ダイオードD8が導通し、2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出される。従って、ドレイン電流iQ2,iQ3が下降され、図13(m)に示されるようにダイオードD8の電流iD8も下降される。時点t11において、昇圧リアクトルL1のエネルギーが全て放出され、整流ダイオードD8の電流がゼロとなり、整流ダイオードD8は穏やかにオフされる。即ち、整流ダイオードD8は、ゼロ電流でスイッチングされる。
時点t11から時点t12間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量C5による自由振動が起こり、図12(j)に示されるようにスイッチング素子Q5のドレインの電圧は穏やかに下降する。この時、昇圧リアクトルL1の電流は、反転される。スイッチング素子Q5の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t12にてスイッチング素子Q5がオンされ、図11(c)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3がオフされる。この時、スイッチング素子Q2,Q3の供給電流は、ほぼ0Aとなり、ゼロ電流スイッチングとなる。
(時点t12〜時点t13の動作)
時点t12から時点t13間において、スイッチング素子Q2,Q3の電流iQ2,iQ3は、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2,C3を充電し、図11(d)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧が穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路なのでスイッチング素子Q1,Q4では、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1,C4を放電し、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は、穏やかに下降される。ここで、図11(a)に示されるように時点t13において、スイッチング素子Q1,Q4がオンされる。この時のドレイン電圧はほぼ0Vなので、ゼロ電圧スイッチングとなる。
(時点t13〜時点t22の動作)
図11(a)に示されるように時点t13から時点t22の間、スイッチング素子Q1,Q4がオンされる。また、この間、図12(i)に示されるようにトランスT1の2次側のスイッチング素子Q5は、この時点t13から時点t22の期間ではオンであり、スイッチング素子Q6は、図13(k)に示されるように時点t13から時点t19の間にオンのままとなり、トランスT1の2次側に発生した電圧は、全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇される。トランスT1の1次側でも同様に電流iQ1,iQ4は、図11(e)に示されるように直線的に電流が上昇する。図13(k)に示されるように時点t19において、スイッチング素子Q6がオフされる。時点t19から時点t20間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量C6が充電され、図13(l)に示されるようにドレイン電圧が穏やかに上昇する。
図13(n)に示されるように時点t20から時点t21の間、整流ダイオードD7がオンされ、2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出され、電流iQ1,iQ4が下降され、ダイオードD7の電流iD7も下降される。時点t21において、昇圧リアクトルL1のエネルギーが全て放出され、整流ダイオードD7の電流がゼロとなり、整流ダイオードD7は穏やかにオフされる。即ち、整流ダイオードD7は、ゼロ電流でスイッチングされる。
時点t21から時点t22間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量による自由振動が起こり、スイッチング素子Q6のドレインの電圧は、穏やかに下降される。この時、昇圧リアクトルL1の電流は反転される。図13(l)に示されるようにスイッチング素子Q6の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t22において、図13(k)に示されるようにスイッチング素子Q6がオンされ、スイッチング素子Q1,Q4がオフされる。この時、スイッチング素子Q1,Q4の供給電流は、ほぼ0Aとなり、ゼロ電流スイッチングとなる。時点t22から時点t23間において、電流iQ1,iQ4は昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1、C4を充電し、図11(b)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧が穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q2,Q3では、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、図11(d)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量を放電し、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は穏やかに下降される。
(時点t23の動作)
図11(c)に示されるように時点t23において、スイッチング素子Q2,Q3がオンされる。この時のドレイン電圧はほぼ0Vなので、ゼロ電圧スイッチングとなる。
上述しように低入力電圧モードにおいても、図13(o)に示すような出力電流がキャパシタC8に供給され、キャパシタC8の両端電圧が一定電圧として出力端子20A,20Bから出力される。この低入力電圧モードにおいては、図8(a)、図8(c)、図9(i)及び図8(k)と図11(a)、図11(c)、図12(i)及び図13(k)との比較から明らかなように定格入力電圧に比べて低い入力電圧がコンバータに供給される場合には、スイッチング周波数が低下され、オンデューティーが大きく定められる。
(3)高入力電圧モード(電力一定)
図14(a)〜図16(o)は、高入力電圧モードにおける図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。この図14(a)〜図16(o)を参照して図1に示されるDC−DCコンバータの動作を説明する。
(時点t1〜時点t2の動作)
高入力電圧モード(電力一定)のタイムチャートにおいて、図14(a)に示されるように時点t1のタイミングにてスイッチング素子Q1,Q4がオフされる。時点t1から時点t2間、電流iQ1,iQ4は、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランス時点t1の励磁インダクタンスによる励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1,C4が充電され、図14(b)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は、穏やかに上昇する。同様に、ブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q2,Q3では、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2、C3が放電され、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は、穏やかに下降される。トランスT1の1次側には、図15(g)に示されるように電流iQ1,iQ4及びiQ2,iQ3を合成した電流i1が流れ、トランスT1の2次側には、図15(h)に示されるように励磁電流を差し引いた電流i2が流れる。
(時点t2〜時点t7の動作)
図14(c)に示されるように、時点t2から時点t7の間、スイッチング素子Q2,Q3がオンされる。また、この間、2次側のスイッチング素子Q5は、図15(i)に示されるように時点t2から時点t3の間ではオンとされ、スイッチング素子Q6は、図16(k)に示されるように時点t2から時点t7の間オンのままとなり、トランスT1の2次側に発生した電圧は全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇される。トランスT1の1次側でも同様にスイッチング素子Q2,Q3では、図15(f)に示されるように直線的に電流iQ2,iQ3が上昇される。時点t3において、図15(j)に示されるようにスイッチング素子Q5がオフされる。時点t3から時点t4間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量C5が充電され、図15(j)に示されるようにドレイン電圧が穏やかに上昇する。
図16(m)に示されるように時点t4から時点t6間、整流ダイオードD8がオンし、2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出され、電流iQ2,iQ3が下降、ダイオードの電流iD8も下降される。時点t6において、昇圧リアクトルL1のエネルギーは全て放出され、整流ダイオードD8の電流がゼロとなり、整流ダイオードD8は穏やかにオフされる。即ち、整流ダイオードD8は、ゼロ電流でスイッチングされる。
時点t6から時点t7間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量C5による自由振動が起こり、図15(j)に示されるようにスイッチング素子Q5のドレインの電圧は穏やかに下降される。この時昇圧リアクトルL1の電流は反転する。スイッチング素子Q5の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t7にてスイッチング素子Q5がオン、スイッチング素子Q2,Q3がオフされる。この時、スイッチング素子Q2,Q3の供給電流はほぼ0Aとなり、ゼロ電流スイッチングとなる。時点t7から時点t8間において、スイッチング素子Q2,Q3では、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2,C3を充電し、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧が穏やかに上昇する。同様に、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4に供給され、ドレイン・ソース間の容量C1、C4が放電され、図14(b)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は穏やかに下降される。時点t8において、スイッチング素子Q1,Q4がオンされる。この時のドレイン電圧はほぼ0Vなので、ゼロ電圧スイッチングとなる。
(時点t8〜時点t13の動作)
図15(a)に示されるように時点t8から時点t13の間、スイッチング素子Q1,Q4がオンされる。また、この間、2次側スイッチング素子Q5は時点t8から時点t13の間オンとされ、図16(k)に示されるようにスイッチング素子Q6は時点t8から時点t9の間オンのままとなり、トランスT1の2次側に発生した電圧は全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇する。トランスT1の1次側でも同様に電流iQ1,iQ4が直線的に上昇される。図16(k)に示されるように時点t9において、スイッチング素子Q6がオフされる。時点t9から時点t10間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量C6が充電され、図16(l)に示されるようにドレイン電圧が穏やかに上昇される。
図16(n)に示されるように時点t10から時点t12間、整流ダイオードD7がオンし、2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出され、電流iQ1,iQ4が下降され、ダイオードD7の電流iD7も下降される。時点t12において、昇圧リアクトルL1のエネルギーは全て放出され、整流ダイオードD7の電流がゼロとなり、整流ダイオードD7は穏やかにオフする。即ち、整流ダイオードD7は、ゼロ電流でスイッチングされる。
時点t12から時点t13間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量C6による自由振動が起こり、図16(l)に示されるようにスイッチング素子Q6のドレインの電圧は穏やかに下降される。この時昇圧リアクトルL1の電流は反転される。スイッチング素子Q6の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t13で図16(k)に示されるようにスイッチング素子Q6がオンされ、図14(a)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4がオフされる。この時、スイッチング素子Q1,Q4の供給電流はほぼ0Aとなり、ゼロ電流スイッチングとなる。時点t13から時点t14間において、電流iQ1,iQ4は昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1、C4を充電し、図14(b)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧が穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路では、昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2、C3を放電し、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は、図14(d)に示されるように穏やかに下降される。時点t14において、スイッチング素子Q2,Q3がオンする。この時のドレイン電圧はほぼ0Vなので、ゼロ電圧スイッチングとなる。
上述しように高入力電圧モードにおいても、図16(o)に示すような出力電流がキャパシタC8に供給され、キャパシタC8の両端電圧が一定電圧として出力端子20A,20Bから出力される。この高入力電圧モードにおいては、図8(a)、図8(c)、図9(i)及び図8(k)と図14(a)、図14(c)、図15(i)及び図16(k)との比較から明らかなように定格入力電圧に比べて高い入力電圧がコンバータに供給される場合には、スイッチング周波数が上昇され、オンデューティーが小さく定められる。
(4)中電力モード(入力電圧一定)
図17(a)〜図19(o)は、中電力モードにおける図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。この図17(a)〜図19(o)は、定格入力電圧モード(電力一定)と同様であるので、定格入力電圧モード(電力一定)における説明において、図8(a)〜図8(o)を図17(a)〜図19(o)に読み替えることによって中電力モードにおけるDC−DCコンバータの動作が理解できることから、その説明は省略する。
(5)小電力モード(入力電圧一定)
図20(a)〜図22(o)は、小電力モードにおける図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。この図20(a)〜図22(o)を参照して図1に示されるDC−DCコンバータの動作を説明する。
(時点t1における動作)
小電力モード(入力電圧一定)のタイムチャートにおいて、図20(a)に示されるように時点t1のタイミングにてスイッチング素子Q1,Q4がオフされる。時点t1から時点t2間、電流iQ1,iQ4は昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁インダクタンスによる励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1,C4が充電され、図20(b)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路では昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2,C3が放電され、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は、穏やかに下降される。図21(g)に示されるように1次側のトランス電流i1として電流iQ1,iQ4及びiQ2,iQ3を合成した電流が流れ、図21(h)に示されるように2次側には、トランス電流i2として励磁電流を差し引いた電流が流れる。
(時点t2〜時点t6の動作)
図20(c)に示されるように時点t2から時点t6の間、スイッチング素子Q2,Q3がオンする。また、この間、図21(i)に示されるように2次側スイッチング素子Q5は時点t2から時点t3の間オンされ、図22(k)に示されるようにスイッチング素子Q6は時点t2から時点t6の間オンのままとなり、トランスT1の2次側に発生した電圧は全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇する。図21(f)に示されるようにトランスT1の1次側でも同様に電流iQ2,iQ3は直線的に電流が上昇される。図21(i)に示されるように時点t3において、スイッチング素子Q5がオフされる。時点t3から時点t4間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量C5が充電され、図21(j)に示されるようにドレイン電圧が穏やかに上昇される。
図22(m)に示されるように時点t4から時点t5間、整流ダイオードD8がオンされ、2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出され、図21(f)に示されるように電流iQ2,iQ3が下降され、ダイオードの電流iD8も下降される。時点t5において、昇圧リアクトルL1のエネルギーは全て放出され、整流ダイオードD8の電流がゼロとなり、整流ダイオードD8は穏やかにオフする。即ち、整流ダイオードD8は、ゼロ電流でスイッチングされる。
時点t5から時点t6間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量による自由振動が起こり、図21(j)に示されるようにスイッチング素子Q5のドレインの電圧は穏やかに下降される。この時、昇圧リアクトルL1の電流は反転される。スイッチング素子Q5の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t6にてスイッチング素子Q5がオンされ、図20(c)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3がオフされる。この時、図21(f)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3の供給電流はほぼ0Aとなり、ゼロ電流スイッチングとなる。
(時点t6〜時点t7の動作)
時点t6から時点t7間において、電流iQ2,iQ3は昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスの励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量をC2、C3を充電し、図20(d)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧が穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路では昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1、C4が放電され、図20(b)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は穏やかに下降される。時点t7において、スイッチング素子Q1,Q4がオンされる。この時のドレイン電圧はほぼ0Vなので、ゼロ電圧スイッチングとなる。
時点t7から時点t11の間、スイッチング素子Q1,Q4がオンされる。また、この間、2次側スイッチング素子Q5は時点t7から時点t11の間オンされ、スイッチング素子Q6は時点t7から時点t8の間オンのままとなり、図21(h)に示されるようにトランスT1の2次側に発生した電圧は全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇される。図21(g)に示されるようにトランスT1の1次側でも同様に電流iQ1,iQ4は直線的に電流が上昇される。図22(k)に示されるように時点t8において、スイッチング素子Q6がオフされる。時点t8から時点t9間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量を充電し、図22(l)に示されるようにドレイン電圧が穏やかに上昇する。
図22(n)に示されるように時点t9から時点t10間、整流ダイオードD7がオンされ、2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出され、電流iQ1,iQ4が下降され、ダイオードD7の電流iD7も下降される。時点t10において、昇圧リアクトルL1のエネルギーは全て放出され、整流ダイオードD7の電流がゼロとなり、整流ダイオードD7は穏やかにオフされる。即ち、整流ダイオードD7は、ゼロ電流でスイッチングされる。
時点t10から時点t11間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量による自由振動が起こり、スイッチング素子Q6のドレインの電圧は穏やかに下降される。この時昇圧リアクトルL1の電流は反転される。スイッチング素子Q6の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t11にてスイッチング素子Q6がオンされ、スイッチング素子Q1,Q4がオフされる。この時、Q1,Q4の供給電流はほぼ0Aとなり、ゼロ電流スイッチングとなる。時点t11から時点t12間において、電流iQ1,iQ4は昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1,C4を充電し、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧が穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路では昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2、C3が放電され、図20(d)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は穏やかに下降される。時点t12において、スイッチング素子Q2,Q3がオンされる。この時のドレイン電圧はほぼ0Vなので、ゼロ電圧スイッチングとなる。
上述しように小電力モードにおいても、図22(o)に示すような出力電流がキャパシタC8に供給され、キャパシタC8の両端電圧が一定電圧として出力端子20A,20Bから出力される。この小電力モードにおいては、図8(a)、図8(c)、図9(i)及び図10(k)と図20(a)、図20(c)、図21(i)及び図22(k)との比較から明らかなように定格入力電圧に比べて低い小電力がコンバータに供給される場合には、スイッチング周波数が上昇され、オンデューティーが小さく定められる。
(6)大電力モード(入力電圧一定)
図23(a)〜図25(o)は、大電力モードにおける図1に示されるDC−DCコンバータにおける各部の動作を示している。この図23(a)〜図25(o)を参照して図1に示されるDC−DCコンバータの動作を説明する。
(時点t2における動作)
大電力モード(入力電圧一定)のタイムチャートにおいて、図23(a)に示されるように時点t2のタイミングにてスイッチング素子Q1,Q4がオフされる。時点t2から時点t3間、電流iQ1,iQ4は昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁インダクタンスによる励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1,C4を充電し、図23(b)に示されるようにスイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は穏やかに上昇される。同様に、ブリッジ回路では昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量を放電し、図23(d)に示されるようにスイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は、穏やかに下降する。図24(g)に示されるように1次側のトランス電流i1として電流iQ1,iQ4及びiQ2,iQ3を合成した電流が流れ、図24(h)に示されるように2次側のトランス電流i2として励磁電流を差し引いた電流が流れる。
(時点t3〜時点t13の動作)
図23(c)に示されるように時点t3から時点t13の間、スイッチング素子Q2,Q3がオンされる。また、この間、図24(i)に示されるように2次側スイッチング素子Q5は時点t3から時点t7の間オンであり、図25(k)に示されるようにスイッチング素子Q6は時点t3から時点t13の間オンのままとなり、トランスT1の2次側に発生した電圧は全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇される。図22(f)に示されるようにトランスT1の1次側でも同様に電流iQ2,iQ3は直線的に電流が上昇される。時点t7において、スイッチング素子Q5がオフする。時点t7から時点t8間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量C5が充電さ、図24(j)に示されるようにドレイン電圧が穏やかに上昇する。
図25(m)に示されるように時点t8から時点t12間、整流ダイオードD8がオンされ、2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出され、電流iQ2,iQ3が下降され、ダイオードの電流iD8も下降する。時点t12において、昇圧リアクトルL1のエネルギーは全て放出され、整流ダイオードD8の電流がゼロとなり、整流ダイオードD8は穏やかにオフする。即ち、整流ダイオードD8は、ゼロ電流でスイッチングされる。
時点t12から時点t13間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q5のドレイン・ソース間の容量による自由振動が起こり、スイッチング素子Q5のドレインの電圧は穏やかに下降される。この時昇圧リアクトルL1の電流は反転される。スイッチング素子Q5の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t13にてスイッチング素子Q5がオン、スイッチング素子Q2,Q3がオフされる。この時、スイッチング素子Q2,Q3の供給電流はほぼ0Aとなり、ゼロ電流スイッチングとなる。時点t13から時点t14間において、電流iQ2,iQ3は昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2、C3を充電し、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧が穏やかに上昇する。同様に、ブリッジ回路では昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1,C4を放電し、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧は穏やかに下降される。時点t14において、スイッチング素子Q1,Q4がオンされる。この時のドレイン電圧はほぼ0Vなので、ゼロ電圧スイッチングとなる。
(時点t14〜時点t24の動作)
図23(a)に示されるように時点t14から時点t24の間、Q1,Q4がオンされる。また、この間、図24(i)に示されるように2次側スイッチング素子Q5は時点t14から時点t24の間にオンにされ、スイッチング素子Q6は時点t14から時点t18の間オンのままとなり、トランスT1の2次側に発生した電圧は全て昇圧リアクトルL1に注入され、I=ET/Lにより直線的に電流が上昇する。トランスT1の1次側でも同様に電流iQ1,iQ4は直線的に電流が上昇する。時点t18において、図25(k)に示されるようにスイッチング素子Q6がオフされる。時点t18から時点t19間にて昇圧リアクトルL1に流れていた電流により、スイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量C6が充電され、図25(l)に示されるようにドレイン電圧が穏やかに上昇される。
時点t19から時点t23間、整流ダイオードD7がオンし、2次側の昇圧リアクトルL1のエネルギーが放出され、電流iQ1,iQ4が下降され、ダイオードD7の電流iD7も下降される。時点t23において、昇圧リアクトルL1のエネルギーは全て放出され、整流ダイオードD7の電流がゼロとなり、整流ダイオードD7は穏やかにオフする。即ち、整流ダイオードD7は、ゼロ電流でスイッチングされる。
時点t23から時点t24間、昇圧リアクトルL1とスイッチング素子Q6のドレイン・ソース間の容量C6による自由振動が起こり、スイッチング素子Q6のドレインの電圧は穏やかに下降される。この時昇圧リアクトルL1の電流は反転される。スイッチング素子Q6の電圧がほぼ0Vなるタイミングの時点t24にてスイッチング素子Q6がオン、スイッチング素子Q1,Q4がオフされる。この時、Q1,Q4の供給電流はほぼ0Aとなり、ゼロ電流スイッチングとなる。時点t24から時点t25間において、電流iQ1,iQ4は昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン・ソース間の容量C1,C4が充電され、スイッチング素子Q1,Q4のドレイン電圧が穏やかに上昇する。同様に、ブリッジ回路では昇圧リアクトルL1による自由振動及びトランスT1の励磁電流により、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン・ソース間の容量C2,C3が放電され、スイッチング素子Q2,Q3のドレイン電圧は穏やかに下降される。時点t25において、スイッチング素子Q2,Q3がオンされる。この時のドレイン電圧はほぼ0Vなので、ゼロ電圧スイッチングとなる。
上述しように大電力モードモードにおいても、図25(o)に示すような出力電流がキャパシタC8に供給され、キャパシタC8の両端電圧が一定電圧として出力端子20A,20Bから出力される。この大電力モードにおいては、図8(a)、図8(c)、図9(i)及び図10(k)と図23(a)、図23(c)、図24(i)及び図25(k)との比較から明らかなように定格入力電力に比べて大きい電力がコンバータに供給される場合には、スイッチング周波数が低下され、オンデューティーが大きく定められる。
図26は、図3に示したプッシュプル電圧共振回路の各部における動作を示す波形図である。この図26に示される動作モードは、定格入力電圧が入力されるモードに相当し、図26と図8との比較から明らかなようにスイッチング素子Q4、Q2が同様に動作される。図26においては、図26の(a)がスイッチング素子Q4のゲート電圧のオン・オフを示し、図26の(b)がスイッチング素子Q4のドレイン電圧の変化を示している。同様に、図26の(c)がスイッチング素子Q2のゲート電圧のオン・オフを示し、図26の(d)がスイッチング素子Q2のドレイン電圧の変化を示している。また、図26の(e)は、スイッチング素子Q4のドレイン電流の変化を示している。他のモードにおいても、プッシュプル電圧共振回路は、ブリッジ共振回路と同様に動作されることから、その説明並びに各モードにおける波形図の図示を省略する。
図1に示したDC―DCコンバータは、比較例としての特許文献1のDC―DCコンバータとは、広制御範囲(出力電力一定、入力電圧を可変した場合の制御及び入力電圧一定、出力電力を可変した場合の制御)が可能となる。即ち、比較例では一次側の無制御コンバータから2つのトランス出力を整流し、2次側のコンバータにて直列と並列を交互に制御している為、2倍の入力電圧範囲内でしか実現出来ない問題がある。これに対して図1に示すDC−DCコンバータでは、出力電圧制御に昇圧を利用している。従って、トランスの2次電圧が低い場合でも昇圧機能を有する範囲であれば任意の入力電圧範囲を制御可能である。その為、広制御範囲を実現することができる。
また、比較例の回路では複合共振を用い、1次回路における、電流共振は共振リアクトル(トランスのリーケージインダクタンスを含む)と共振コンデンサにより共振を行い、正弦波に近い電流を流し、その電流がほぼ0Aでスイッチング素子をオン/オフし、ゼロ電流スイッチングを実現している。2次回路にて2つのトランスの出力を直並列に動作させ、出力電圧を制御しているが、2次回路のスイッチング素子はハードスイッチングを行っていた為、スイッチング素子のロスが大きい問題がある。これに対して図1に示す回路では、電流共振回路を設けることなく、周波数制御を用いて電圧制御を実施している。従って、1次回路と2次回路の両方でソフトスイッチングを実現することができる。制御においては、周波数を可変してもゼロ電流タイミングでスイッチング素子をオンさせる臨界モードを用いるため、ソフトスイッチングを実現でき、FET損失が減少し、効率が向上される。更に素子の選定に関しても全制御領域において、ソフトスイッチングを行っているため、導通損失のみを考慮すれば、スイッチングスピードに関して考慮する必要は無いこととなっている。また、比較例の回路では2次側に整流回路を2個持ち(倍電圧回路)、それぞれの回路に整流ダイオードが最低2本ずつ、また、フライホイールダイオードが2本と2次回路にダイオードは計6本必要である。これに対して、図1に示される回路においては、整流ダイオードを2個まで減らすことが出来、ダイオードロスを減少させることができる。また、1次スイッチング素子のソフトスイッチング動作において、昇圧リアクトルは1次スイッチング素子のドレイン−ソース間の容量の充放電を助け、トランス1次に流れる励磁電流を減らすことが出来る。励磁電流は無効電流なので、無効電流が減ることにより、損失が減り効率が向上される。具体的には、図1に示すDC―DCコンバータによれば、効率を比較例に係る回路に比べ、0.5%〜1.0%向上させることができる。
尚、図1に示されるダイオードD5、D6は、図27に示されるようにスイッチング素子Q5,スイッチング素子Q6に同期してオン・オフされるスイッチング素子Q7,Q8(FET)で同期整流回路を構成しても良い。スイッチング素子Q7,Q8は、同期してオン・オフされることから、図8(a)〜図25(o)を参照したと同様に動作される。
尚、スイッチング素子Q7,Q8は、他のスイッチング素子と同様に等価的にキャパシタC7、C8及びダイオードD7,D8を有している。
また、図1に示されるDC−DCコンバータにおいて、昇圧リアクトルL1は、トランスT1の2次側の高電圧端子に接続されているが、図27に示すように2次側の高電圧端子に接続するに代えてトランスT1の1次側とスイッチング素子Q2、Q4間の接続点との間に接続されても良い。また、高周波トランスT1がリーケージトランスであれば、リーケージトランスに含まれるリーケージインダクタンスが昇圧リアクトルの作用を有することから、図1に示される昇圧リアクトルL1は、省略されても良い。
以上要約すれば、出力電圧一定のDC−DCコンバータでは、電力一定制御においては、以下の通りに制御が実施される。
入力電圧が低い場合はトランスT1の電圧が低下される。従って、2次側における昇圧回路のオン時間を長くするために周波数が低下される。低入力電圧モードにおいて、時点t3〜時点t9のタイミングにて電流が増加される為に、スイッチング素子Q5,スイッチング素子Q6のデューティー・サイクルでは、オン期間が長く設定され、オフ期間は短く設定されて電圧の昇圧比が大きく設定される。
また、入力電圧が高い場合はトランスの電圧が上昇される。従って、2次側における昇圧回路のオン期間を短くするために、周波数が上げられる。高入力電圧モードにおいて、時点t8〜時点t9のタイミングにて電流を減少させる為、スイッチング素子Q5及びスイッチング素子Q6のデューティー・サイクルはオフが長く設定され、オン期間が短く設定されて電圧の昇圧比が小さく設定される。
また、入力電圧一定制御においては、出力電力が小さい場合には、スイッチング素子Q5,スイッチング素子Q6のデューティー・サイクルが一定とされる。周波数が上昇されて、昇圧回路のオン期間が減少される為、昇圧リアクトルに蓄えられるエネルギーが小さくなり、小出力電力に対応されるように出力電圧が一定に維持される。出力電力が大きい場合、スイッチング素子Q5,スイッチング素子Q6のデューティー・サイクルが一定とされる。周波数が低下されることにより、昇圧回路のオン期間が増加される為、昇圧リアクトルに蓄えられるエネルギーが大きくなり、大出力電力に対応されるように出力電圧が一定に維持される。
以上のように、この発明のDC−DCコンバータにおいては、絶縁トランスの入出力側(1次及び2次側)に使用するスイッチング素子が全てソフトスイッチングで制御されていることから、高効率のDC−DCコンバータとすることができる。また、トランスのリーケージインダクタンスが利用されている。従って、高効率のDC−DCコンバータでありながら、個別の部品がいらずローコストを実現することができる。また、リーケージインダクタンスは、固体差が大きく共振周波数の値にばらつきがあるが、ソフトウェアでスイッチング制御していることから、個別の調整値を記録し、理想的な共振及び制御を実現することができる。更に、スイッチング周波数を低下させてスイッチング素子を制御することから、スイッチングにおける損失或いはトランスのコア損失も低下させることができ、より高効率を実現することができる。
この発明によれば、高効率のDC−DCコンバータが提供される。
Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6...スイッチング素子、D1,D2,D3,D4,D5,D6...スイッチング素子の寄生ダイオード、C1,C2,C3,C4,C5,C6...スイッチング素子のD−S間の容量、C7...入力コンデンサ、C8...平滑コンデンサ、D7,D8...整流ダイオード、L1...昇圧リアクトル或いはトランスのリーケージインダクタンス、T1:トランス、11...電圧共振回路、13...スイッチング回路、14...整流回路、12...スイッチング制御部、17,18...ドライブ・バッファ、30...CPU、36...参照テーブル

Claims (6)

  1. 交互にスイッチングされる1対の第1のスイッチング素子を含み、フルブリッジ回路、ハーフブリッジ回路及びプッシュプル回路のいずれかの回路で構成される第1のスイッチング回路を含み、出力電圧が変動する低電圧直流電源から直流電力が入力され、この直流電力をDC−AC変換して出力する電圧共振回路と、
    前記電圧共振回路が接続された1次側及び2次側を有する絶縁型高周波トランスと、
    この絶縁型高周波トランスの2次側の一方の端子と出力端子の一方との間に直列に接続されたインダクタンスと、
    交互にスイッチングされるように接続された1対の第2のスイッチング素子から構成され、この1対の第2のスイッチング素子の一方が前記絶縁型高周波トランスの2次側の一方の端子と出力端子の一方との間に接続され、前記1対の第2のスイッチング素子の他方が前記絶縁型高周波トランスの2次側の他方の端子と出力端子の他方との間に接続されている第2のスイッチング回路と、
    前記第2のスイッチング回路からの出力を整流する整流回路と、
    この整流回路からの出力を平滑して前記出力端子に出力する平滑回路と、
    導通電流が略零並びに印加電圧が略零のタイミングで前記第1のスイッチング素子をターンオン及びターンオフする第1のスイッチング信号で前記電圧共振回路における電圧共振を維持する第1のドライバ回路と、
    印加電圧が略零のタイミングで前記第2のスイッチング素子をターンオン及びターンオフする第2のスイッチング信号で零電圧スイッチングを維持する第2のドライバ回路と、
    前記整流回路から出力された出力電圧に依存して前記第1及び第2のスイッチング信号の周波数及び第1及び第2のスイッチング信号の夫々のオン時間を設定する制御回路であって、目標電圧に比べて前記出力電圧が大きい際に基準周波数よりも高い周波数を設定し、目標電圧に比べて前記出力電圧が小さい際に基準周波数よりも低い周波数を設定し、前記入力電圧が基準電圧よりも大きい際に前記第2のスイッチング信号のオン時間を小さくし、前記入力電圧が基準電圧よりも小さい際に前記第2のスイッチング信号のオン時間を大きく設定する制御回路と、
    を具備することを特徴とするDC−DCコンバータ。
  2. 前記電圧共振回路は、また、交互にスイッチングされる1対の第3のスイッチング素子を含み、前記1対の第1のスイッチング素子が直列接続されて入力端子に接続され、前記1対の第1のスイッチング素子の接続点が前記絶縁型高周波トランスの1次側の一方の端子に接続され、前記1対の第3のスイッチング素子が直列接続されて入力端子に接続され、前記1対の第3のスイッチング素子の接続点が前記絶縁型高周波トランスの1次側の他方の端子に接続されてフルブリッジ回路を構成していることを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
  3. 前記電圧共振回路は、前記1対の第1のスイッチング素子が直列接続されて入力端子に接続され、前記1対の第1のスイッチング素子の接続点が前記絶縁型高周波トランスの1次側の一方の端子に接続され、前記絶縁型高周波トランスの1次側の他方の端子が前記入力端子の一方に接続されてハーフブリッジ回路を構成していることを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
  4. 前記絶縁型高周波トランスは、一次側に入力端子の一方に接続された中間端子を有し、前記電圧共振回路は、前記1対の第1のスイッチング素子の一方が前記絶縁型高周波トランスの一次側の一方の端子及び前記入力端子の他方の間に接続され、前記1対の第1のスイッチング素子の他方が前記絶縁型高周波トランスの一次側の他方の端子及び前記入力端子の前記他方の間に接続されてプッシュプル回路を構成していることを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
  5. 前記整流回路は、前記第2のスイッチング信号で前記第2のスイッチング素子に同期してオン・オフされる第3のスイッチング素子で構成されることを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
  6. 前記インダクタンスは、前記第1のトランスが有するリーケージトランスに相当することを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ。
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