JPWO2010106762A1 - コーティング組成物、コーティング方法、空気調和機、換気扇、および電気機器 - Google Patents

コーティング組成物、コーティング方法、空気調和機、換気扇、および電気機器 Download PDF

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Abstract

防汚性能が高く、プラスチック等の疎水性表面との密着性を向上できるコーティング組成物、およびコーティング方法を提供する。水性媒体中に疎水性の樹脂粒子が分散され、親水性の無機微粒子と、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤とを備えたコーティング組成物を提供する。また、水性媒体中に、親水性の無機微粒子と疎水性の樹脂粒子とが、分散された第1剤を準備する工程と、第1剤に、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤を添加して第2剤を準備する工程と、第2剤を被コーティング部材に塗布する工程と、被コーティング部材上の第2剤を乾燥させる工程とを備えたコーティング方法を提供する。

Description

本発明は、コーティング組成物、コーティング方法、および空気調和機、換気扇等の電気機器に関するものであり、特に電気機器の部品の表面の汚れを防止するための水系コーティング組成物、部品へのコーティング方法、およびコーティングされた電気機器に関するものである。
室内外で使用される家電製品等の各種物品の表面には、粉塵、埃、油煙、煙草のヤニ等の汚れが固着するため、これらの付着あるいは固着を抑制する方法が種々提案されている。例えば、物品の表面に帯電防止剤をコーティングする、撥油性のフッ素樹脂をコーティングする等して、親油性の汚れが固着するのを防止したり、除去し易くしたりする方法が知られている。しかしながら、上述の方法では、物品にコーティングされたコーティング膜が剥離し易い問題があり、長期間の防汚性能の維持が期待できなかった。
かかる問題を解決するために、親水性部分と疎水性部とを微小領域で相互に独立して露出するようにコーティング膜を形成することによって長期間にわたって防汚性能を維持する方法も試みられている。例えば、光触媒性酸化物を含む無機酸化物と疎水性樹脂を微視的に分散させて露出させる防汚コーティング組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−88247号公報
しかしながら、上記従来のコーティング組成物では、疎水性付与のため樹脂粒子を含有させても必ずしも表面に十分な疎水性部を形成できず、汚れの付着を防止する機能が十分に得られない問題があった。
さらに、親水性部として、酸化チタンやシリカ等の無機粒子を用いる場合、プラスチック等の疎水性表面との相性が悪く、付着力が弱いためコーティング膜が形成できない、コーティングできても剥がれが発生しやすいという問題もあった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、防汚性能が高く、疎水性表面との密着性を向上できるコーティング組成物、およびコーティング方法、並びにコーティングされた電気機器を提供することを目的とする。
本発明に係る第1のコーティング組成物は、水性媒体中に疎水性の樹脂粒子が分散されたコーティング組成物であって、親水性の無機微粒子と、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る第1のコーティング方法は、水性媒体中に、親水性の無機微粒子と疎水性の樹脂粒子とが分散された第1剤を準備する工程と、前記第1剤に、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤を添加して、第2剤を準備する工程と、前記第2剤を、被コーティング部材に塗布する工程と、
前記被コーティング部材上の前記第2剤を乾燥させる工程とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、防汚性能を向上でき、被コーティング材との密着性を向上できる。
本発明の実施の形態1に係るコーティング組成物により形成されたコーティング膜のイメージを示す説明図 本発明の実施の形態1に係るコーティング組成物により形成されたコーティング膜のイメージを示す説明図 本発明の実施の形態5に係る空気調和機の概略断面図 本発明の実施の形態5に係る部品に形成されたコーティング膜の概略断面図 本発明の実施の形態6に係る換気扇の概略断面図 本発明の実施例13〜19によるコーティング膜と比較例8によるコーティング膜の剥離までの回数比
発明者は上述の問題を解決すべく鋭意検討した結果、従来のコーティング組成物では、樹脂粒子表面に親水基が付与されて、防汚性能を低下させることが原因の1つであることを見出した。また界面活性剤、安定剤等を混合する場合にも同様の問題が存在することを見出した。
上記推測した現象を図を用いて説明する。図1は、水性媒体中に疎水性粒子および親水性粒子が分散されたコーティング組成物のイメージを示す説明図である。図1に示すように単に水性媒体中に疎水性粒子1および親水性粒子2を分散させたのみでは、疎水性粒子1は親水性粒子2および水系コーティング組成物に分散するため、分散剤、界面活性剤等に起因する親水基3を周囲に取り込む(例えば分散剤の疎水基が疎水性粒子1の周囲を取り囲み、これに対応する親水基3に取り囲まれる。その結果、疎水性粒子1の周囲に分散剤、界面活性剤等が存在することとなる)。このため、疎水性粒子1の周囲には親水性が付与された状態で、コーティング膜4を形成する。したがって汚れを排除するための疎水部をコーティング膜4の表面に露出させることが困難となる。
そこで、図2に示すように、分解剤6によって疎水性粒子1の周囲の親水基3を分解させれば、疎水部を露出させ、効果的に疎水部をコーティング膜4の表面に露出させることが可能となる。これにより防汚機能を向上できる。
さらに、特に被コーティング部材5が疎水性のプラスチック材である場合には、疎水性粒子1の疎水部を被コーティング部材5に接するように配置させることにより、コーティング膜4の被コーティング部材5への密着性を著しく向上できる。
図2に示すように、分解剤6により親水基3が切断され親水基3を保有しなくなった疎水性粒子1は、周りの親水性粒子2と異なる極性のため、反発されてコーティング膜の表面に析出しやすくなる。一方、切断されても一部親水基3を保有する疎水性粒子1は、同じ極性である周りの親水性粒子2と密着しようとするとともに、疎水性粒子1側は疎水性の被コーティング部材5に付着することで安定化しようとする。
その結果、コーティング膜4の表面には、汚れを排除するための疎水部が配置され、かつコーティング膜4と被コーティング部材5の界面には、一部親水基3を保有する疎水性粒子1が配置されることとなり、汚れを排除する機能と、被コーティング部材5への密着性を高める機能を発揮できる。
以下、本発明の技術的思想を具体化させた構成について説明する。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るコーティング組成物は、水性媒体中に疎水性粒子1として樹脂粒子が分散されたコーティング組成物であって、親水性粒子2として親水性の無機微粒子と、疎水性粒子1の周囲の親水基3を分解させる分解剤6として過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤とを備えたことを特徴とする。ここで、親水性の無機微粒子2の平均粒径は15nm以下が好ましい。樹脂粒子1をコーティング膜4の表面に突き出し、細かな無機微粒子2でコーティング膜の基体を形成するためである。
さらに無機微粒子2による親水部に樹脂粒子1による疎水部を点在させることで水を拡がりやすくでき、かつ汚れも排除できる。
本発明によれば、分解剤6として樹脂粒子1の周囲の親水基3を切断できる作用効果を有する酸化剤を用いたので、疎水性の樹脂粒子1に付着する分散剤等に起因する親水基の結合を切断し、樹脂粒子1を親水性の無機微粒子2中に適度に分散でき、樹脂粒子1の疎水部をコーティング膜4の表面に露出させることができるため、親水性の汚れを疎水性の樹脂粒子1により物理的に阻害させ、排除できる。
また、酸化剤6により分解された疎水性の樹脂粒子1に付着する親水基3は、親水性粒子2との結合作用を強化し、分解された疎水性の樹脂粒子1の疎水部は被コーティング部材5側への結合作用を強化するため、プラスチック等コーティングしにくい部材へのコーティングも可能となる。
なお、本発明のコーティング組成物中の酸化剤6による分解反応は、被コーティング部材5へのコーティング後に熱を加える、コーティング直前に酸化開始剤を混合する等の方法で効果的に開始させることができる。酸化剤6を別途コーティング直前に混合させてもよい。
〔酸化剤〕
本発明に係る酸化剤6は、水溶性が好ましく、常温で有機物分解作用があるものが好ましい。無機系酸化剤では、過酸化水素の金属塩の化学式をとる無機過酸化物、およびオキソ酸のヒドロキシ基(−OH)をヒドロペルオキシド基(−O−OH)に置き換えた構造を持つ過酸化物を用いることができる。また、塩素のオキソ酸の一種である過塩素酸類、硫黄のオキソ酸である過硫酸類を用いてもよい。
有機系酸化剤では過酸化物である、官能基としてペルオキシド構造(−O−O−)を有する化合物、または官能基として過カルボン酸構造(−C(=O)−O−O−)を有する化合物を用いることができる。
さらに具体的には、有機系酸化剤として過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、ペルオキソ一炭酸塩、過酢酸ナトリウム、過酢酸カリウム、メタクロロ過安息香酸、過安息香酸tert-ブチル、過カルボン酸等を用いることができる。
また、無機系酸化剤として、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム等の過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸アンモニウム等の塩素酸塩、過リン酸カルシウム、過リン酸カリウム等の過リン酸、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸マグネシウム等の過ヨウ素酸塩を用いることができる。
また、酸化剤6の添加量は樹脂粒子1の固形分の質量を100とした場合の割合が、0.1以上、25以下が好ましく、0.5以上、10以下がさらに好ましい。酸化剤6が0.1未満の場合には、樹脂粒子1の周辺の分散剤、界面活性剤、安定剤等に起因する親水基3を分解する十分な効果が得られない。25を超えると、酸化剤6が多くなり、所望の樹脂粒子1および無機微粒子2を含ませることができず防汚機能が十分発現できない。
〔樹脂粒子〕
本発明に係る樹脂粒子1は、コーティング組成物中に分散される必要があるため、例えばポリオキシアルキレンアルチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等の分散剤を用いて分散させる。疎水性の樹脂粒子1は、フッ素樹脂粒子が好ましく、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、ECTFE(エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体),PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、これらの共重合体もしくは混合物を用いることができる。上記樹脂粒子に他の樹脂粒子を混合してもよい。
さらに、樹脂粒子1は、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の樹脂粒子であってもよい。これらの共重合体もしくは混合物を用いることもできる。上記樹脂粒子に他の樹脂粒子を混合してもよい。
樹脂粒子1の平均粒径は、例えば光散乱法により測定される50〜500nm程度が好ましい。より好ましくは100〜250nmである。上記平均粒径を使用することで、分散しやすく、かつコーティング膜4の膜厚に対して十分大きな粒子となり、コーティング膜4の表面に露出させやすい。平均粒径を大きすぎると、コーティング膜4中の疎水性部の領域が大きくなりすぎて疎水性の汚染物質が付着しやすくなる。また、コーティング膜4の凹凸が大きくなり汚染物質が固着し易くなる。
また、樹脂粒子1は、水性媒体を含むコーティング組成物に対して0.2質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、3.0質量%以下がさらに好ましい。樹脂粒子1の含有量が少ないと十分な防汚効果が得られず、多すぎると、酸化剤6を添加してコーティング組成物を混合する際に凝集することがある。
〔無機微粒子〕
本発明に係る無機微粒子2は、親水性のシリカ微粒子、チタン微粒子を用いることができる。特に、シリカ微粒子は、チタニアやアルミナ等の他の無機微粒子に比べて、屈折率がプラスチックやガラス等に近い値であるため、これらを被コーティング部材5とした場合、界面や表面の光反射により、白くなったり、ぎらついたりしにくい。シリカが微粒子であることにより、さらに、この効果を高めることができる。シリカ微粒子の平均粒径は、上述のとおり、例えば光散乱法測定による平均粒径15nm程度以下が好ましい。
さらに、平均粒径4〜15nmでは、1つのシリカ微粒子について、シリカ微粒子質量のおおよそ15〜30%の質量に相当する表面部分が、コーティング組成物において、半ば水に溶解した状態とできる。平均粒径が15nmを超えると水に溶解したシリカ成分は少なくなりバインダーとしての作用を得にくくなるため、コーティング膜4の強度を十分に確保できずクラックが入り易くなる。
平均粒径が4nm未満では、半ば水に溶解したシリカ成分の割合が高くなりすぎて、シリカ粒子同士が凝集してしまう可能性がある。
また、シリカ微粒子の粒径は、コーティング膜4の透明性等の外観特性にも影響を与える。平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子であれば、コーティング膜4により反射する光の散乱が小さくなるため、コーティング膜4の透明性が向上し、被コーティング部材5の色調や風合いの変化を抑え、被コーティング部材5の色調や風合いを損なわないようにすることができる。
また、シリカ微粒子として、平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子を使用することで、得られるコーティング膜4中のシリカ成分が、緻密ではありながらシリカ微粒子間に微細な空隙を有するものとなる。緻密さにより膜厚を小さくできるとともに、空隙により汚染の原因となる粒子との分子間力(付着力)が小さくなるため、固着させにくくする効果がある。
コーティング組成物に対するシリカ微粒子の添加量は、0.5質量%以上、5質量%以下が好ましく、1質量%以上、4質量%以下がさらに好ましい。少なすぎると、無機微粒子2が、まばらになってコーティング膜4の基体を形成できない。多すぎると、コーティング膜4の基体が厚くなりすぎて、クラックが生じやすくなる。
コーティング組成物において、例えばシリカ微粒子:フッ素樹脂粒子(固形分質量比)を70:30〜95:5とすれば、シリカ微粒子による親水性領域と、フッ素樹脂粒子による疎水性領域とがバランスよく混在するコーティング膜4が常温での乾燥により得られる。80:20とすれば、さらに好ましい。
一方、特に粉塵、埃が著しい環境下では、樹脂粒子1の含有量を増大させて、例えばシリカ微粒子:フッ素樹脂粒子(固形分質量比)を20:80〜30:70とすれば、コーティング膜4の表面の防汚特性が向上する。
さらに、無機微粒子2は、珪素、マグネシウム、アルミニウム、チタン、セリウム、錫、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、アンチモン等の半導体または金属微粒子であってもよい。また、マグネシウム、アルミニウム、チタン、セリウム、錫、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、アンチモン等の酸化物あるいは窒化物の微粒子であってもよい。これらのいずれかを選択し混合させた混合物であってもよい。
〔水性媒体〕
本発明に係る水性媒体は、脱イオン水などの水を用いることができる。水中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオン等のイオン性不純物は少ないほうが良い。2価以上のイオン性不純物が200ppm以下であることが望ましく、より望ましくは50ppm以下である。
上述の樹脂粒子1、上述の無機微粒子2、上述の水媒体を、それぞれ組み合わせ、それぞれ用途にあった配合比により、コーティング膜4を形成することができる。すなわち、用途に応じて、無機微粒子:疎水性粒子(固形分質量比)を20:80〜95:5とすればよい。
〔コーティング膜の形成方法〕
本実施の形態に係るコーティング組成物のコーティング方法は、特に限定するものではないが、被コーティング部材5をコーティング組成物中に浸漬する、またははけ等を用いて被コーティング部材5表面に塗ることが可能である。またコーティング組成物を噴霧状にして塗布する方法もある。
本実施の形態に係るコーティング組成物を被コーティング部材5に塗布後乾燥させることにより、親水性の無機微粒子2を基体とした緻密な膜上に、疎水性の樹脂粒子1が疎水部を表面上に突出させた状態で分散され、他方被コーティング部材5との密着力を向上させて塗布できる。酸化剤6により疎水性の樹脂粒子1の周囲の親水基3を分解でき、分解された親水基3は活性化させた状態で被コーティング部材5との界面に介在できるためである。
酸化剤6の添加方法は、無機微粒子2および樹脂粒子1を添加し混合攪拌した後、脱イオン水にて希釈した後に添加することが好ましい。希釈しないで添加した場合では、コーティング組成物に対する樹脂粒子1の量が多くなるため、凝集が生じることがある。
〔被コーティング部材〕
本発明に係る被コーティング部材5は、特に油性、水性の汚れが混在し汚れがつき易いが、頻繁に清掃できない部品が適する。空調機の熱交換器、ファン、フラップ等に用いると効果的である。金属部品のみでなく、プラスチック部品の防汚コーティング組成物として効果的に適用できる。
本発明に係るコーティング組成物から得られるコーティング膜4においては、親水性の無機微粒子2で形成される親水性部の面積が、コーティング膜4の表面に露出する疎水性の樹脂粒子1の面積に比べ十分に大きく、連続した親水性部中に疎水部が点在した構成となる。親水性部が疎水部で分断されることなく連続しているため、コーティング膜4表面に水滴が付着した場合には、水が拡がりやすい特性を有する。
したがって、本発明に係るコーティング膜4は、水が拡がりやすいという高い親水性の状態で維持しつつ、汚染物質の付着において微視的に見れば親水性部と疎水性部を共存させることができる。このため、吸湿時や乾燥時の表面の水分の移動を容易にでき、付着した汚染物質を遊離させることも可能である。また、結露時や降雨時や洗浄時には、水が流れやすく浸透しやすいことから、付着した汚染物質が除去されやすいという効果もある。
他の側面で、本発明に係るコーティング組成物から得られるコーティング膜4においては、コーティング膜4の表面に露出する疎水性の樹脂粒子1の面積を増大させれば、連続した無機微粒子2による親水性部で油、静電気の排除、水の流れ確保ができるとともに、コーティング膜4表面の疎水性の樹脂粒子1により、効果的に粉塵、埃を排除できる。
本発明に係るコーティング組成物を用いることにより、特にプラスチック材との密着力を著しく向上できるため、前処理を省略することも可能となる。
被コーティング部材がプラスチック材である場合、コーティング組成物との密着力を向上させるため、予め被コーティング部材5表面へUV照射、コロナ放電処理、フレーム処理、クロム酸液浸漬などの前処理を行うことが通常であったが、これらを省略できる効果がある。表面処理と本発明に係るコーティング膜4と併用する場合には表面処理を簡略化できる効果がある。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るコーティング方法は、実施の形態1に係るコーティング組成物をさらに好ましくコーティングする方法である。
すなわち、水性媒体中に、親水性の無機微粒子2と疎水性の樹脂粒子1とが、例えば固形分質量比が70:30〜95:5となるように分散された第1剤を準備する工程と、前記第1剤に、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤6を、前記樹脂粒子1の固形分の全質量を100として例えば0.5以上30以下の割合で添加して、第2剤を準備する工程と、前記第2剤を、被コーティング部材5に塗布する工程と、前記被コーティング部材5上の前記第2剤を乾燥させる工程とを備えたことを特徴とする。
本実施の形態に係るコーティング方法により、親水性の無機微粒子2を基体とした緻密な膜中に、疎水性の樹脂粒子1の疎水部を表面上に突出させた状態で分散させたコーティング膜4を、強固に被コーティング部材5上に形成できる。第2剤中の酸化剤を、被コーティング部材5へのコーティング直前に添加することにより、疎水性の樹脂粒子1の周囲の親水基3を分解でき、疎水部をコーティング膜4表面に分散できる。さらに分解された親水基3は活性化させた状態で被コーティング部材との界面に介在できるため強固な密着力を発現する。
塗布後は室温で乾燥、または、加熱乾燥を行ってもよい。室温で乾燥する場合には、気流で乾燥を促進することも乾燥時間を短縮するためには好ましい。加熱乾燥を行う場合には、温風の吹き付けで行っても良いし、乾燥炉中で加温しても良い。ここでの乾燥は無機微粒子が膜を形成し、流動性をなくすことを目的とするものである。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係るコーティング方法は、実施の形態1に係るコーティング組成物をさらに好ましくコーティングする方法である。
すなわち、水性媒体中に、親水性の無機微粒子2と疎水性の樹脂粒子1とが、例えば固形分質量比が70:30〜95:5となるように分散され、さらに過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤6を、例えば前記樹脂粒子の固形分の質量を100とした場合に、0.5以上30以下の割合で添加したコーティング組成物を準備する工程と、前記コーティング組成物を、被コーティング部材5に塗布する工程と、前記被コーティング部材5上の前記コーティング組成物を加熱する工程とを備えたことを特徴とする。
本実施の形態に係るコーティング方法により、親水性の無機微粒子2を基体とした緻密な膜中に、疎水性の樹脂粒子1の疎水部を表面上に突出させた状態で分散させたコーティング膜4を、強固に被コーティング部材5上に形成できる。
被コーティング部材5にコーティング後、コーティング組成物中の酸化剤6を加熱することにより、疎水性の樹脂粒子1の周辺の親水基3を分解でき、分解された親水基3は活性化させた状態で被コーティング部材5との界面に介在できるためである。また、加熱により、親水性の無機微粒子2と被コーティング部材5とを強固に密着させる効果がある。
本実施の形態による加熱は温風、赤外線、加熱炉を用いて行うことができる。加熱温度は、40℃以上90℃以下とすると、疎水性の樹脂粒子1の周囲の親水基3を分解でき、急激な乾燥により、コーティング膜4にクラックが発生することも抑制できる。
なお、上記実施形態2および3において、コーティング組成物を被コーティング部材5に塗布する工程について説明したが、塗布方法は、刷毛塗りでも、スプレーでも、浸漬でもよい。特にむらのないコーティング膜4とするために、浸漬で塗布した後、気流で余剰コーティング組成物を除去するのが好ましい。コーティング組成物に被コーティング部材5を浸漬させた場合には、被コーティング部材5をゆっくり引き上げて、被コーティング部材5を回転させれば、余剰コーティング組成物が除去でき、塗りむらを抑制できる。また、膜厚を厚くする場合には、上述のコーティング工程を繰り返えせばよい。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係るコーティング方法は、実施の形態1に係るコーティング組成物をさらに好ましくコーティングする方法である。
すなわち、水性媒体中に、親水性の無機微粒子2と疎水性の樹脂粒子1とが固形分質量比が20:80〜30:70となるように混合された第1剤を準備する工程と、前記第1剤に、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤6を、前記樹脂粒子1の固形分の質量を100とした場合に、0.1以上30以下の割合で添加して、第2剤を準備する工程と、前記第2剤を、被コーティング部材5に塗布する工程と、前記被コーティング部材5上の前記第2剤を乾燥させる工程とを備えたことを特徴とする。
疎水性の樹脂粒子1の含有量を増大させた場合であっても、親水性の無機微粒子2を基体とした緻密な膜中に、疎水性の樹脂粒子1の疎水部を表面上に突出させた状態で分散させたコーティング膜4を、強固に被コーティング部材5上に形成できる。
第2剤中の酸化剤6を、実施の形態2と同様に被コーティング部材5へのコーティング直前に添加してもよく、実施の形態3と同様に予めコーティング組成物に混合させ、加熱により反応を開始または促進させてもよい。いずれの場合であっても、実施の形態2および3と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態3、4において、無機微粒子2と樹脂粒子1との固形分質量比を70:30〜95:5、20:80〜30:70とする例、酸化剤6を、樹脂粒子1の固形分の質量を100とした場合に、0.5以上30以下、0.1以上30以下とする例について述べたが、用途、要求される機能によって、選択することができる。
特に、無機微粒子2に対して樹脂粒子1の含有量が多い場合、0.5以上20以下が好ましい。0.5未満であると、樹脂粒子1の周辺の分散剤、界面活性剤、安定剤等に起因する親水基3を分解する十分な効果が得られない。また、20を超えるとコーティング膜4の表面の樹脂粒子1と無機微粒子2のバランスが崩れてしまい十分な防汚性能を発揮することができない。さらにコーティング膜4と被コーティング材5との密着性が十分得られない。
実施の形態5.
図3に、本発明の実施の形態5に係る空気調和機の概略断面図を示す。図3において、空気調和機7は、気体を取り込む取込口22と、取込口22から取り込んだ気体の熱を交換する熱交換器9と、熱交換器9により熱交換された気体を循環させるファン8と、ファン8により運ばれた気体の通り道を形成する風路形成部材12と、風路形成部材12により招かれた気体を導くベーン10およびフラップ11と、熱交換器9、ファン8を内蔵するカバー13とを具備する。そして、ファン8および風路形成材12の内側の一部の表面に、本発明のコーティング組成物によるコーティング膜4が形成されている。
ここでは特に防汚効果の高い部位にコーティング膜4を形成した例を示したが、ファン8、熱交換器9、ベーン10、フラップ11、風路形成部材12、カバー13の少なくとも一つの表面に、本発明のコーティング組成物によるコーティング膜4を形成すればよい。
例えば、ある程度水の流れを確保したい熱交換器9には、無機微粒子2の比率を大きくしたコーティング膜4を形成し、埃が付着しやすいファン8や風路形成材12には、疎水性の樹脂粒子1の比率を大きくしたコーティング膜4を形成するなど、各部位の機能を考慮して、配合比を決めることができる。
図4に示すように、上記各部品を被コーティング部材5として、これに形成されたコーティング膜4の表面には、汚れを排除するための疎水性の樹脂粒子1が配置され、かつコーティング膜4と被コーティング部材5の界面には、密着強化層14が形成されている。図4において15は酸化剤6の反応生成物である。
すなわち、本実施の形態に係る空気調和機においては、部品である熱交換器9、ファン8、風路形成材12の表面に、接着強化層14を介して、平均粒径50nm以上500nm以下の樹脂粒子と、平均粒径が15nm以下の無機微粒子と、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤6の反応生成物とを有するコーティング膜4が形成されている。
したがって、空気調和機において、コーティング膜4が形成された各部品における汚れを排除することができ、常時クリーンな状態を保つことができる。また、風量が大きくなってもコーティング膜4の剥がれを抑制することができる。掃除回数を減らすことができるが、部品清掃のためふき取る作業があっても、密着強化層14により強固にコーティング膜4が形成されているため、コーティング膜4の剥がれを防止できる。したがってメンテナンス特性にも優れる効果がある。
どの部品にコーティングするかは適宜選択できる。
実施の形態6.
図5に、本発明の実施の形態6に係る換気扇の概略断面図を示す。図5において、換気扇21は、吸気口19と、吸気口19から取り込んだ気体の通路に配置された羽根体17と、羽根体17を回転させるモータ16と、モータ16により回転された羽根体17で形成された気体の流れにより気体を排気する排気口20と、排気口20および吸気口19に連結され、羽根体17を内蔵する筐体18とを備える。そして、羽根体17の表面には、本発明のコーティング組成物によるコーティング膜4が形成されている。
特に埃が付着しやすい羽根体17には、無機微粒子2による基体に適度に疎水性の樹脂粒子1が分散するよう、無機微粒子2の比率をやや大きくしたコーティング膜4を形成するとよい。羽根体17の表面は、汚れを排除するための疎水性の樹脂粒子1が表面に配置され、かつコーティング膜4と被コーティング部材5の界面には、密着強化層14が形成される。
すなわち、本実施の形態に係る換気扇においては、部品である羽根体17の表面に、接着強化層14を介して、平均粒径50nm以上500nm以下の樹脂粒子と、平均粒径が15nm以下の無機微粒子と、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤6の反応生成物とを有するコーティング膜4が形成されている。
したがって、換気扇21において、コーティング膜4が形成された羽根体17での汚れを排除することができ、常時クリーンな状態を保つことができる。また、風量が大きくなってもコーティング膜4の剥がれを抑制することができる。掃除回数を減らすことができるが、部品清掃のためふき取る作業があっても、密着強化層14により強固にコーティング膜4が形成されているため、コーティング膜4の剥がれを防止できる。したがってメンテナンス特性にも優れる効果がある。
特に、羽根体17全体にコーティング膜4を形成した場合には、羽根の目詰まりによる換気風量の低下や騒音悪化も抑制できる。羽根体17以外の部品にコーティングしてもよい。
なお、実施の形態5および実施の形態6において空気調和機および換気扇の例について述べたが、エレベータ、冷蔵庫、太陽電池などの電気機器の各部品に用いることができる。被コーティング材5は、特に限定するものではないが、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ASG樹脂などのプラスチック部材に用いると接着強度が確保でき効果的である。
以下、具体的な実施例を示すことにより、この発明のコーティング組成物の防汚性、親水性、密着性の詳細な実験結果および特性を説明する。被コーティング部材5はステンレス製およびプラスチック製のものを用いた。なお、以下に示す実施例が、この発明の範囲を限定するものではない。
実施例1〜9および比較例1〜4では被コーティング材5として縦100mm×横30mm×厚さ1mmのステンレス基材を用い、コーティング膜4を形成した。
実施例1〜9として、以下のコーティング組成物を準備した。
[実施例1]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径10nmの酸化チタンゾル(昭和電工製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのポリオレフィンディスパージョン(住友精化製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、酸化チタンゾル2質量%、ポリオレフィンディスパージョン0.5質量%、過酸化水素0.01質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例2]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、コロイダルシリカ2質量%、PTFEディスパージョン0.5質量%、過酸化水素0.01質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例3]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、コロイダルシリカ3質量%、PTFEディスパージョン5質量%、過酸化水素0.1質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例4]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、コロイダルシリカ2.3質量%、PTFEディスパージョン0.1質量%、過酸化水素0.005質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例5]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径15nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、コロイダルシリカ2質量%、PTFEディスパージョン0.5質量%、過酸化水素0.01質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例6]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径500nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、コロイダルシリカ2質量%、PTFEディスパージョン0.5質量%、過酸化水素0.01質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例7]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、コロイダルシリカ2質量%、PTFEディスパージョン0.5質量%、過酸化水素0.0025質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例8]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過硫酸アンモニウムを準備し、コロイダルシリカ4.5質量%、PTFEディスパージョン0.5質量%、過硫酸アンモニウム0.01質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例9]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径150nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過硫酸アンモニウムを準備し、コロイダルシリカ2質量%、PTFEディスパージョン5.5質量%、過硫酸アンモニウム0.01質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
比較例1〜4として、以下のコーティング組成物を準備した。
[比較例1]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を準備し、コロイダルシリカ2質量%、PTFEディスパージョン0.5質量%を撹拌混合して、酸化剤6を含まないコーティング組成物を調製した。
[比較例2]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、コロイダルシリカ2.3質量%、過酸化水素0.01質量%を撹拌混合して、樹脂粒子1を含まないコーティング組成物を調製した。
[比較例3]
水性媒体として脱イオン水を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、PTFEディスパージョン0.5質量%、過酸化水素0.01質量%、平均粒径30nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を撹拌混合して、平均粒径の大きなコロイダルシリカを含ませたコーティング組成物を調製した。
[比較例4]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径250nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を準備し、コロイダルシリカ2質量%、PTFEディスパージョン0.5質量%、亜塩素酸ナトリウムを0.01質量%を撹拌混合して、酸化剤6には酸化しにくい亜塩素酸ナトリウムを用いたコーティング組成物を調製した。
表1に実施例1〜9および比較例1〜4のコーティング組成物の配合比等を示す。
Figure 2010106762
実施例1〜9及び比較例1、4のコーティング組成物を用いて、ステンレス基材5に塗布し、エアブローにて余剰液を吹き飛ばす方法でコーティング膜4を形成させた後、形成されたコーティング膜4の性状、初期接触角θおよび防汚性能をそれぞれ評価した。ここで、コーティング膜4の性状は、目視観察により評価した。接触角θは、接触角計(協和界面化学株式会社製DM100)により測定した。防汚性能は、親水性汚損物質である砂塵の固着性、疎水性汚損物質であるカーボン粉塵の固着性を評価した。
親水性汚損物質の固着性評価は、1〜3μmを中心粒径とする赤色のJIS関東ローム粉塵を用いて砂塵付着性としての評価を行った。具体的にはエアーでコーティング膜表面に吹き付けることにより、関東ローム粉塵の固着による着色を目視観察にて五段階評価した。この評価において、関東ローム粉塵の固着がほとんどないものを1とし、関東ローム粉塵の固着が多いものを5と表記する。また、疎水性汚損物質の固着性評価は、油系のカーボンブラックをエアーでコーティング膜表面に吹き付けることにより、黒色のカーボンブラックの固着による着色を目視観察にて五段階評価した。この評価において、カーボンブラックの固着がほとんどないものを1とし、カーボンブラックの固着が多いものを5と表記する。その評価結果を表2に示す。
Figure 2010106762
表2に示す実験結果から、実施例1〜8のコーティング組成物により形成されたコーティング膜4は、いずれも親水性、疎水性の両方の汚損物質に対して優れた防汚性能を示した。また、実施例2〜8より無機微粒子2としてシリカ微粒子、樹脂粒子1としてフッ素樹脂粒子を使用したものが良好な性能を示した。本発明の実施例のコーティング膜4は連続して連なった親水性シリカ膜がベースになっているため、接触角は総じて低い値を示しているが、ミクロ領域(微視的)では、親水性のシリカ微粒子と疎水性のフッ素樹脂粒子が交互にナノレベルで連続して配置されている。また、配置された樹脂粒子1はコーティング膜4を形成する際に、樹脂粒子1周囲に存在する親水基3が添加した酸化剤6により切断され、樹脂粒子1表面における親水基3が低減する。よって、樹脂粒子1が疎水性機能を向上できることとなる。
また、シリカ微粒子とフッ素樹脂粒子との含有量(重量比率)を調整することにより、形成されるコーティング膜4の防汚性能を調整することができた。シリカ微粒子の割合を多くした場合は疎水性汚損物質の付着を抑制することができ、フッ素の割合を多くした場合は親水性汚損物質の付着を抑制できることができる。シリカ微粒子:フッ素樹脂粒子固形分比が80:20である実施例2において、親水性汚損物質、疎水性汚損物質とも付着量が最小になっていることがわかる。
さらに、実施例2〜8のコーティング組成物では、厚さが均一で薄いコーティング膜を形成することができた。電子顕微鏡画像からコーティング厚みは100nm〜200nm程度の薄膜であることが確認できた。また透明な膜が形成できた。実施例9では、フッ素樹脂粒子の含有量が多く、若干凝集している様子が確認されており、コーティング形成膜の状態は微白膜であった。
一方、比較例1においては、酸化剤6を添加していないため、コーティング膜4中のフッ素樹脂粒子表面には界面活性剤等の親水基3が残存していることになる。これにより、点在しているフッ素樹脂粒子表面の疎水部としての機能が弱まることから、親水性汚損物質の付着しやすくなっている。また、比較例2におけるシリカ微粒子のみで形成したコーティング膜(シリカ微粒子の質量:フッ素樹脂粒子の質量=100:0)では、フッ素粒子による微小凹凸が無いために付着面積が広く、全体としての防汚効果はかなり低下する。
また、比較例3においてはシリカ粒子径が大きいためクラックが生じた。このため汚れが引っかかりやすく、防汚性能が悪くなった。シリカ粒子径は微粒子である必要がある。比較例4においては、亜塩素酸ナトリウムでは樹脂粒子表面の親水基を十分に切断できないため、防汚性能が悪いものと思われる。
次に被コーティング材5として縦100mm×横10mm×厚さ2mmのプラスチック平板基材(材質;ポリスチレン、白色板)を用いて同様の実験を行った。実施例10〜12および比較例5〜7として、以下のコーティング組成物を準備した。
[実施例10]
実施例2と同様のコーティング組成物を調製した。
[実施例11]
脱イオン水及び平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)1.7質量%および平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)5質量%、酸化剤6として過酸化水素を0.1質量%を、撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例12]
脱イオン水及び平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)3質量%および平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)0.25質量%、酸化剤6として過酸化水素を0.01質量%撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
比較例5〜7として、以下のコーティング組成物を準備した。
[比較例5]
脱イオン水及び平均粒径20nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)2質量%および平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)0.5質量%を撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[比較例6]
脱イオン水及び平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)3質量%および酸化剤6として過酸化水素を0.01質量%撹拌混合してコーティング組成物を調製し、樹脂粒子1を含まないものを作製した。
[比較例7]
比較例7では、脱イオン水及び平均粒径20nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)2質量%および平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)0.5質量%、分解剤として亜塩素酸ナトリウムを0.01質量%撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
実施例10〜12および比較例5〜7で準備したコーティング組成物にプラスチック平板5を浸漬し、ゆっくり引き上げることでコーティング膜4を形成した。
実施例10〜12および比較例5、6は60℃、18時間の加熱を行った。比較例7は25℃で18時間乾燥した。
表3に実施例10〜12および比較例5〜7のコーティング組成物の配合比を示す。
Figure 2010106762
上記ステンレス基材による実験と同様に形成したコーティング膜4の性状、初期接触角θおよび防汚性能をそれぞれ評価した。
また、密着性の評価は以下の方法で行った。折り畳んで水で湿らせたガーゼを、5cm角の押し付け面でコーティング面に押し付け、100g重/cm2の加重をかけながら10cmの往復運動をさせた。コーティング膜4が剥離を開始するまでの往復回数を密着力の強さの指標とした。
Figure 2010106762
表4に示す実験結果から、実施例9〜11のコーティング組成物により形成されたコーティング膜は、いずれも親水性、疎水性の両方の汚損物質に対して優れた防汚性能を示した。また、酸化剤6を添加しなかった比較例5と比較して、明確に密着性向上の効果を得ることができた。シリカ微粒子のみでコーティング組成物を形成した比較例6では、表面の撥水性の高いプラスチック部材に対してはコーティング膜4を形成することができなかった。
また、実施例10において、シリカ微粒子の添加量を増加することで、親水性が向上することができ、また親水性、疎水性の両方の汚損物質に対して優れた防汚性能を示した。
一方、比較例5では砂塵付着が多い結果となっている。酸化剤6を添加していないため、コーティング膜4中に点在するフッ素樹脂粒子表面の親水基が低減できず、疎水部としての機能が十分得られていないと推察される。また、プラスチック部材6に対する密着性が非常に弱い結果となっている。また、比較例7においても密着性が得られない結果となった。
実施例13〜19および比較例8では被コーティング材5として縦100mm×横30mm×厚さ1mmのポリプロピレン製のプラスチック基材を用い、コーティング膜4を形成した。
[実施例13]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径200nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として硫酸アンモニウム(A)を準備し、コロイダルシリカ2質量%、PTFEディスパージョン0.5質量%、前記酸化剤を0.05質量%添加し、撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例14]
酸化剤6として硫酸ナトリウム(B)を準備し、他は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。
[実施例15]
酸化剤6として炭酸水素ナトリウム(C)を準備し、他は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。
[実施例16]
酸化剤6として亜硫酸ナトリウム(D)を準備し、他は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。
[実施例17]
酸化剤6として過酸化水素(E)を準備し、他は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。
[実施例18]
酸化剤6として過硫酸アンモニウム(F)を準備し、他は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。
[実施例19]
酸化剤6として過硫酸ナトリウム(G)を準備し、他は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。
[比較例8]
酸化剤6を添加せず(H)、他は実施例13と同様にしてコーティング組成物を調製した。
実施例13〜19および比較例8によるコーティング組成物にプラスチック基材を浸漬させ、ゆっくり引き上げた後、乾燥させたそれぞれのコーティング膜に、5cm角の押し付け面でガーゼを押し付け、1kg重/cm2の加重をかけながら10cmの往復運動をさせ、それぞれのコーティング膜が剥離するまでの往復回数を密着力の強さの指標として、密着性評価を行った。
図6に示すように、酸化剤6を添加した実施例13〜19(A〜G)によるコーティング膜は、酸化剤6を添加しない比較例8(H)によるコーティング膜より剥離までの往復回数が多く密着性に優れることがわかった。
特に、酸化剤6として過酸化剤である過酸化水素(E)、過硫酸アンモニウム(F)、過硫酸ナトリウム(G)を添加した実施例17、実施例18、実施例19によるコーティング膜の密着性が優れる。
これらにより、もともと密着性の悪いプラスチック基材に、予め紫外線照射処理やコロナ放電処理等の表面処理を行わなくても密着性を確保できることがわかる。
実施例20、21では被コーティング材5として縦100mm×横30mm×厚さ1mmのポリプロピレン製のプラスチック基材を用い、コーティング膜4を形成した。
[実施例20]
水性媒体として脱イオン水を、親水性の無機微粒子2として平均粒径5nmのコロイダルシリカ(日産化学社製)を、疎水性の樹脂粒子1として平均粒径250nmのPTFEディスパージョン(旭硝子製)を、酸化剤6として過酸化水素を準備し、コロイダルシリカ0.3質量%、PTFEディスパージョン1.1質量%、酸化剤を0.05質量%添加し、撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
[実施例21]
実施例20と同様に、水性媒体、無機微粒子2、樹脂粒子1、酸化剤6を準備し、コロイダルシリカ1.4質量%、PTFEディスパージョン0.6質量%、酸化剤を0.05質量%添加し、撹拌混合してコーティング組成物を調製した。
表5に示す無機微粒子2と樹脂粒子1の固形分質量比を変化させたコーティング組成物を、縦100mm×横30mm×厚さ1mmのポリプロピレン製のプラスチック基材にコーティングし、コーティング膜4の透明度、密着性の評価を実施例10〜12と同様にして行った。
酸化剤6は樹脂粒子1の固形分の質量を100とした場合、2以上10以下が更に好ましい。2未満の場合には、樹脂粒子1の周辺の分散剤、界面活性剤、安定剤等に起因する親水基3を分解する十分な効果が得られない。10を超えると、酸化剤6が多くなり、所望の樹脂粒子1および無機微粒子2を含ませることができず防汚機能が十分発現できない。
結果を表6に示す。これより、樹脂粒子比率が高い場合カーボンブラック付着性がやや悪くなるものの、透明度、密着性は良好であることがわかった。他方無機微粒子比率を高くすると砂塵付着性がやや悪くものの、透明度もよく、密着性も確保できることがわかった。
Figure 2010106762
Figure 2010106762
1 疎水性粒子、樹脂粒子、2 親水性粒子、無機微粒子 3 親水基、4 コーティング膜、5 被コーティング部材、6 分解剤、酸化剤、7 空気調和機、8 ファン、9 熱交換器、10 ベーン、11 フラップ、12 風路形成部材、13 カバー、14 接着強化層、15 反応性生物、16 モータ、17 羽根体、18 筐体、19 吸気口、20 排気口、21 換気扇、22 取込口

Claims (11)

  1. 水性媒体中に疎水性の樹脂粒子が分散されたコーティング組成物であって、
    親水性の無機微粒子と、
    過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤と
    を備えたことを特徴とするコーティング組成物。
  2. 酸化剤は、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸アンモニウム、過リン酸カルシウム、過リン酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸マグネシウム、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、ペルオキソ一炭酸塩、過酢酸ナトリウム、過酢酸カリウム、メタクロロ過安息香酸、過安息香酸tert-ブチル、過カルボン酸の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
  3. 酸化剤は、水溶性であり、樹脂粒子の固形分の質量を100とした場合の割合は、0.1以上30以下であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
  4. 樹脂粒子は、平均粒径が50nm以上500nm以下のフッ素樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
  5. 無機微粒子は平均粒径が15nm以下であり、
    樹脂粒子は平均粒径50nm以上500nm以下であって、無機微粒子と樹脂粒子との質量比が20:80〜95:5であることを特徴とする請求項1記載のコーティング組成物。
  6. 水性媒体中に、親水性の無機微粒子と疎水性の樹脂粒子とが分散された第1剤を準備する工程と、
    前記第1剤に、過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤を添加して、第2剤を準備する工程と、
    前記第2剤を、被コーティング部材に塗布する工程と、
    前記被コーティング部材上の前記第2剤を乾燥させる工程とを
    を備えたことを特徴とするコーティング方法。
  7. 水性媒体中に、親水性の無機微粒子と疎水性の樹脂粒子とが分散され、さらに過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤が添加されたコーティング組成物を準備する工程と、
    前記コーティング組成物を、被コーティング部材に塗布する工程と、
    前記被コーティング部材上の前記コーティング組成物を加熱する工程とを
    を備えたことを特徴とするコーティング方法。
  8. 水性媒体、および
    上記水性媒体に分散された、
    酢酸ビニル、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂の少なくともいずれかを含む疎水性の樹脂粒子と、
    珪素、マグネシウム、アルミニウム、チタン、セリウム、錫、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、アンチモンからなる金属の微粒子、上記金属の酸化物微粒子、および上記金属の窒化物微粒子の少なくともいずれかを含む親水性の無機微粒子と、
    過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤と
    を備えたことを特徴とするコーティング組成物。
  9. 気体を取り込む取込口と、上記取込口から取り込んだ気体の熱を交換する熱交換器と、上記熱交換器により熱交換された気体を循環させるファンと、上記ファンにより運ばれた気体の通り道を形成する風路形成部材と、上記風路形成部材により招かれた気体を導くベーンおよびフラップと、上記熱交換器、ファンを内蔵するカバーとを備え、
    上記熱交換器、ファン、ベーン、フラップ、風路形成部材、カバーの少なくともいずれかの表面には、接着強化層を介して、
    平均粒径50nm以上500nm以下の樹脂粒子と、
    平均粒径が15nm以下の無機微粒子と、
    過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤の反応生成物と
    を有するコーティング膜を具備することを特徴とする空気調和機。
  10. 吸気口と、上記吸気口から取り込んだ気体の通路に配置された羽根体と、上記羽根体を回転させるモータと、上記モータにより回転された上記羽根体で形成された気体の流れにより上記気体を排気する排気口と、上記排気口および上記吸気口に連結され、上記羽根体を内蔵する筐体とを備えた換気扇であって、
    上記吸気口、羽根体、モータ、排気口、筐体の少なくともいずれかの表面には、接着強化層を介して、
    平均粒径50nm以上500nm以下の樹脂粒子と、
    平均粒径が15nm以下の無機微粒子と、
    過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤の反応生成物と
    を有するコーティング膜を具備することを特徴とする換気扇。
  11. 接着強化層を介して、
    平均粒径50nm以上500nm以下の樹脂粒子と、
    平均粒径が15nm以下の無機微粒子と、
    過酸化物、過塩素酸、塩素酸塩、過硫酸、過リン酸、過ヨウ素酸塩の少なくともいずれかを含む酸化剤の反応生成物と
    を有するコーティング膜を具備することを特徴とする電気機器。
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