JPWO2010095447A1 - 樹脂硬化物層を有する染料系偏光板 - Google Patents

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Abstract

本発明は、偏光素子が二色性染料を含有し、且つ、該二色性染料の少なくとも一種がスルホ基で置換されたスチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料またはその塩であり、該偏光素子の少なくとも片側に保護層を有し、該偏光素子と該保護層間に、(メタ)アクリレート化合物および重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物層を有することを特徴とする偏光板に関するものであり、偏光板におけるバーニング及び赤変を顕著に抑制し、液晶プロジェクターに使用された場合、長期にわたって、安定した性能を維持することができ、また、直視型の画像表示層においても、高温多湿等の過酷条件下での使用においても、赤変を起こさない。

Description

本発明は、染料系偏光板における耐光性、特に、液晶プロジェクター等において発生する染料系偏光板のバーニング及び赤変を防止または減少させた偏光板に関する。
偏光素子は一般に、二色性色素であるヨウ素又は二色性染料をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吸着配向させることにより製造されている。この偏光素子の少なくとも片面に接着剤層を介してトリアセチルセルロースなどからなる保護フィルムを貼合して偏光板とされ、液晶表示装置などに用いられる。二色性色素としてヨウ素を用いた偏光板はヨウ素系偏光板と呼ばれ、一方、二色性色素として二色性染料を用いた偏光板は染料系偏光板と呼ばれる。これらのうち染料系偏光板は、ヨウ素系偏光板に比べコントラストが低い問題点があったが、高耐熱性、高湿熱耐久性を有するという特徴を有することからカラー液晶プロジェクター等で使用されている。
カラー液晶プロジェクターの場合、偏光板により光が大幅に吸収されること、および投射されて数十インチから百数十インチになる画像を0.5〜6インチの小面積の偏光板に集光させるために、その光密度の大きさから、光による劣化、および光を照射した際の熱の影響は避けられない。そのため、カラー液晶プロジェクターでは染料系偏光板が用いられていることが多い。そのような染料系偏光板を用いる液晶プロジェクターにおいては、偏光板の小型化に伴い偏光板にあたる光密度が上昇する。また、画像の明るさの向上が一層求められるため、光源をより明るくすることにより、該光密度は更に高くなる。そのような高い光密度での使用においても、高コントラストを有し、且つ初期光学特性を長期に維持出来る耐光性及び耐熱性に優れた偏光板が求められている。そのような要望に対して、特許文献1および特許文献2では、偏光板に発生した熱を逃がすために、放熱性を有する基板を設ける手法が開示されている。この方法は放熱という点では一定の効果を達成している。
しかしながら、近年、その光密度、および、その熱量から偏光板の吸収軸方向が平行となるようにして測定して得られた平行透過率が大きく減少する問題(以下、バーニングと記載する)が新たに生じている。バーニングは主に液晶プロジェクターの青色光源用の偏光板において顕著に発生が見られ、その改善が求められていた。これに対してこれまで、送風などで偏光板を冷却するなどの対処や、特許文献3に記載されているように無機偏光板を用いるなどの対策が提案されている。
また、偏光板が多種多様な場面で使用される様になるに従って、高い耐湿熱性も要求されている。その対策として、特許文献4では親水性高分子よりなる偏光素子に、(メタ)アクロイル基を有する重合性化合物の硬化物層を設けた偏光板が開示されている。
特開2000−112022 特開2007−256898 特開2008−065278 特開2008−065222
しかしながら、バーニングの抑制のための対策としては、前記の送風などの冷却による対処ではまだ不十分であり、無機基板を用いて放熱する偏光板(無機偏光板)は高価である。そのためバーニングを抑えることのできる低コストの偏光板が求められている。
また、プロジェクターが高湿度の環境下で使用される場合、プロジェクターに使用されている偏光板は高温高湿下に曝されるため、長期使用によって、染料系偏光板であっても赤く変色(以後、赤変と記載)する問題もあり、無機基板を用いた偏光板においても、更なる改善が望まれていた。
本発明においては該課題を解決しようとするものである。
前記課題を解決すべく鋭意検討の結果、二色性染料、例えば、スチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料を含有する偏光素子の少なくとも片側に保護層を有し、該偏光素子と該保護層間に、重合性樹脂と重合開始剤を含む樹脂組成物の硬化物層(樹脂硬化物層)、特に好ましくはアクリレート化合物またはメタクリレート化合物(以下単に(メタ)アクリレート化合物という)および光重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物層(以下単にアクリル樹脂硬化物層ともいう)を有することを特徴とする偏光板は、飛躍的に偏光板のバーニングが改善され、赤変も抑制されることが分かり、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記する発明に関するものである。
1. 偏光素子が二色性染料を含有し、且つ、該二色性染料の少なくとも一種がスチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料またはその塩であり、該偏光素子の少なくとも片側に保護層を有し、該偏光素子と該保護層間に、(メタ)アクリレート化合物および重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物層を有することを特徴とする偏光板。
2. 偏光素子が架橋剤を含有し、延伸された親水性高分子よりなる上記1に記載の偏光板。
3. スチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料が遊離酸として下記式(1)
Figure 2010095447

で表されるスチルベン骨格を少なくとも1つ有する水溶性アゾ染料、またはその塩、またはその銅錯塩染料であることを特徴とする上記1〜2の何れか1項に記載の偏光板。
4. 二色性染料がアゾ染料であり、該樹脂組成物が、該アゾ染料として少なくとも、スチルベン骨格を1つ有する水溶性アゾ染料とスチルベン骨格を有しない水溶性アゾ染料の両者を含む樹脂組成物である上記1〜3の何れか1項に記載の偏光板。
5. (メタ)アクリレート化合物の少なくとも一種が分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする上記1〜4の何れか1項に記載の偏光板。
6. (メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種がビスフェノールA誘導体からなる(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする上記1〜5の何れか1項に記載の偏光板。
7. 該樹脂組成物が少なくとも1種の劣化防止助剤を含有することを特徴とする上記1〜6の何れか1項に記載の偏光板。
8. 保護層と偏光素子の間に接着剤層を有し、該樹脂組成物の硬化物層が該保護層と該接着剤層との間に設けられていることを特徴とする上記1〜7の何れか1項に記載の偏光板。
9. 保護層が偏光素子の両側に配置され、かつ、該樹脂組成物の硬化物層が少なくとも偏光素子の光の入射側に設けられていることを特徴とする上記1〜8の何れか1項に記載の偏光板。
10. 上記1〜9の何れか1項に記載の偏光板の片側に粘着剤層を有することを特徴とする偏光板。
11. 保護層がセルロースアセテート樹脂であることを特徴とする上記1〜10の何れか1項に記載の偏光板。
12. 上記1〜11の何れか1項に記載の偏光板を用いた液晶表示装置。
13. 上記1〜11の何れか1項に記載の偏光板を青色光源用に用いることを特徴とする液晶プロジェクター。
14. スチルベン骨格を有するジスアゾ染料の一種として、少なくともシー・アイ・ダイレクトオレンジ39を含む上記1〜11の何れか一項に記載の偏光板。
15. 偏光素子が二色性染料を含有し、該二色性染料の少なくとも一種がスルホ基で置換されたスチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料またはその塩であり、該偏光素子の少なくとも片面に保護層を有し、該偏光素子と該保護層間に、(メタ)アクリレート化合物および重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物層を有し、かつ、該樹脂組成物の組成が、溶剤を除く該樹脂組成物の固形分(固形分含量)の総量に対して、(メタ)アクリレート化合物を70〜99重量%、光重合開始剤を1〜10重量%及びその他の任意成分を0〜20重量%の割合で含み、かつ、(メタ)アクリレート化合物として、ビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物を、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、5〜40重量%含むことを特徴とする偏光板。
16. ビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物がビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物である上記1〜11、14及び15の何れか一項に記載の偏光板。
17. ビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物以外の(メタ)アクリレート化合物が、(メタ)アクリロイル基を3〜6個有する(メタ)アクリレート化合物である上記1〜11、14及び15の何れか一項に記載の偏光板。
18. 二色性染料を含有する偏光素子の少なくとも片側に保護層を有し、該偏光素子と該保護層間に樹脂硬化物層を有することを特徴とする偏光板。
19. 偏光素子が架橋剤を含有し、延伸された親水性高分子よりなる上記18に記載の偏光板。
本発明の染料系偏光板は耐光性及び耐熱性を大きく向上させ、特にバーニングを抑制することができる。また、赤変をも減少させることができる。
本発明の偏光板の構成{保護層(L)/樹脂硬化物層(L)/接着剤層(L)/偏光素子/接着剤層(M)/保護層(M)/粘着剤層/ガラス}に関する図である。 本発明の偏光板の構成{ガラス/粘着剤層/保護層(L)/樹脂硬化物層(L)/接着剤層(L)/偏光素子/接着剤層(M)/保護層(M)}に関する図である。 本発明の偏光板の構成{保護層(L)/樹脂硬化物層(L)/接着剤層(L)/偏光素子/接着剤層(M)/樹脂硬化物層(M)/保護層(M)/粘着剤層/ガラス}に関する図である 本発明の偏光板の構成{ガラス/粘着剤層/保護層(L)/樹脂硬化物層(L)/接着剤層(L)/偏光素子/接着剤層(M)/樹脂硬化物層(M)/保護層(M)}に関する図である。 実施例1で得られる偏光板の絶対平行透過率。 実施例1で得られる偏光板の絶対直交透過率。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する偏光素子は少なくとも一種の二色性染料、好ましくは少なくとも一種のスチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料またはその塩(銅等の金属錯塩も含む)(以下単にスチルベン骨格含有水溶性アゾ染料とも言う)を含有する。該偏光素子としては、例えば、二色性染料を高分子などに吸着させて一軸延伸することにより得られた偏光素子、二色性染料を含有した液晶化合物を配向させた偏光素子、二色性染料を含有したポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等からなるポリエン系配向フィルム(偏光素子)などが含まれる。偏光素子に使用される高分子としては親水性高分子が最も好ましい。親水性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、アミロース系樹脂、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂又はポリアクリル酸塩系樹脂などがあるが、これに限定されるものではない。この中でも特に二色性染料を含有させる場合の染色性、および、架橋性などからポリビニルアルコール系樹脂が最も好ましい。
以下、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを例にして、具体的な偏光素子の作製方法を説明する。
偏光素子を構成するポリビニルアルコール系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で作製することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得ることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニル及びこれと共重合可能な他の単量体(共重合成分)との共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。共重合体の場合、酢酸ビニル成分が50モル%より多く、共重合成分の割合は50モル%よリ少ない方が好ましい。通常酢酸ビニルの単独重合体が好ましい。酢酸ビニルと共重合する他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、エチレンなどのオレフィン類、ビニルエーテル類又は不飽和スルホン酸類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%が好ましく、95モル%以上がより好ましい。このポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよい。該変性されたポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルアルコール類として、ポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなどを挙げることが出来る。
ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000が好ましく、1,500〜5,000がより好ましい。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。この場合、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムには可塑剤としてグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール又は低分子量ポリエチレングリコールなどを含有していていても良い。可塑剤量は5〜20重量%が好ましく、8〜15重量%がより好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は特に限定されないが、例えば、5〜150μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルムには、まず膨潤処理が施される。膨潤処理は20〜50℃の液体中に30秒〜10分間浸漬させることによって行われる。該液体としては水が好ましい。偏光素子を作製する時間を短縮する場合には、色素の染色処理時にも膨潤するのでこの段階での膨潤処理を省略しても良い。
膨潤処理の後に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは二色性染料で染色処理される。該染色処理は、二色性染料を含有した液体中でポリビニルアルコール系樹脂フィルムを処理することによって行われる。この工程での処理温度は、5〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましく、35〜50℃で処理するのが特に好ましい。処理時間は適度に調節できるが、30秒〜20分の間で調節するのが好ましく、1〜10分の間がより好ましい。処理方法は、通常ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性染料を含有した溶液に浸漬する方法が好ましい。また、場合により、該溶液をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに塗布することによって処理をしても良い。
二色性染料を含有した溶液における二色性染料濃度は、特に限定はされないが、通常該溶液の総量に対して0.001〜2重量%程度、好ましくは0.005〜1重量%程度である。該二色性染料のうち、スチルベン骨格含有水溶性アゾ染料が占める割合は通常40〜100重量%程度であり、好ましくは、50〜90重量%であり、より好ましくは、60〜80重量%である。残部は二色性のその他の水溶性アゾ染料である。
二色性染料を含有した溶液には、染色助剤として、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、無水硫酸ナトリウムまたはトリポリリン酸ナトリウムなどを含有しても良い。これらの中で、トリポリリン酸ナトリウム等のトリポリリン酸の塩(好ましくはアルカリ金属塩)が好ましい。これらの含有量は、用いる染料の染色性、染色時間、染色温度により異なるが、例えば、0〜5重量%程度であり、好ましくは0.01〜2重量%程度であり、より好ましくは0.01〜1重量%程度であり、場合により0.1〜2重量%程度であってもよい。
二色性染料は配向することによって良好な偏光度を有するものが好ましい。特に、親水性高分子を染色し、配向した時、二色性の高いものが好ましい。そのような染料としては、例えばアゾ染料、アントラキノン系または/及びキノフタロン系等を挙げることが出来る。好ましいものとしては、水溶性アゾ染料を挙げることが出来る。例えば「機能性色素の応用」(株式会社CMC出版, 入江正浩監修, 第1刷発行版)P98−100に記載されたアゾ系の二色性化合物は何れも使用することができる。特に、二色性の高いものが好ましい。二色性が高い染料としては、例えば、シー.アイ.ダイレクト.イエロー28、シー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.イエロー44、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ26、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ107、シー.アイ.ダイレクト.レッド2、シー.アイ.ダイレクト.レッド31、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド247、シー.アイ.ダイレクト.グリーン80、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59、及び特開2001−33627、特開2002−296417、特開2003−215338、WO2004/092282、特開2001−0564112、特開2001−027708、特開平11−218611、特開平11−218610及び特開昭60−156759号公報に記載された有機染料等が挙げられる。これらの有機染料は遊離酸の他、アルカリ金属塩(例えばNa塩、K塩、Li塩)、アンモニウム塩、又はアミン類の塩として用いることができる。ただし、二色性染料はこれらに限定されず公知の二色性有機化合物を用いることが出来る。
本発明においては、少なくとも二色性染料の一種が、スチルベン骨格を少なくとも1つ有する水溶性アゾ系染料またはその塩(銅錯塩等の金属錯塩をも含む)であることが好ましい。
該スチルベン骨格としては、下記式(1)
Figure 2010095447

で表される骨格が好ましい。式(1)におけるスルホ基(−SOH)は、その塩であってもよい。
該スチルベン骨格含有水溶性アゾ染料はバーニングおよび赤変の抑制に好ましい効果を発揮する。
該スチルベン骨格含有水溶性アゾ染料は、何れも使用が可能であり、好ましくは、ジスアゾ染料、トリスアゾ染料及びテトラアゾ染料等が好ましい。また、場合により、ジスアゾ染料及びまたはトリスアゾ染料がより好ましい。該スチルベン骨格含有水溶性アゾ染料の総量に対して、該ジスアゾ染料の割合は好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは60〜100重量%である。
なお本明細書においては、アゾ基に酸素原子を有するアゾキシ基(−N=N(O)−)も、アゾ基として数えて、ジスアゾ染料またはトリスアゾ染料と呼ぶ。 本発明において使用されるスチルベン骨格含有水溶性アゾ染料としては、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39がより好ましくは、アゾ染料の総量に対して、15重量%〜80重量%含むのが好ましい。
スチルベン骨格含有水溶性アゾ染料として好ましいジスアゾ染料としては、例えば、下記の染料を挙げることが出来る。
Figure 2010095447

Figure 2010095447

Figure 2010095447

また、スチルベン骨格含有水溶性アゾ染料として好ましいトリスアゾ染料としては、例えば、
Figure 2010095447

等を挙げることが出来る。
上記の中でシー.アイ.ダイレクト.オレンジ39がより好ましい。前記染料を含む偏光素子を用いた本発明の偏光板においては、顕著にバーニングが発生しにくいという効果を発揮する。
以上に記載された二色性染料以外の他の有機染料を、必要に応じて、併用することが出来る。目的とする偏光素子が、中性色の偏光素子、液晶プロジェクター用カラー偏光素子、あるいはその他のカラー偏光素子であるかによって、それぞれ配合する染料の種類は異なる。その配合割合は特に限定されず、光源、色相などの要望に応じて、配合量を任意に設定できる。
染色工程後、次の工程に入る前に洗浄工程(以降洗浄工程1という)を行うことが出来る。洗浄工程1とは、染色工程でポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吸着されずに、フィルム表面に付着している染料を洗浄する工程である。洗浄工程1を行うことによって、次に処理する液中に染料が移行するのを抑制することができる。洗浄工程1では、一般的には水が用いられる。洗浄方法は、通常、洗浄水に、上記で得られた染色樹脂フィルムを浸漬することが好ましい。また、場合によっては、洗浄水を該染色樹脂フィルム表面に流して、洗浄することも出来る。洗浄の時間は、特に限定されないが、好ましくは1〜300秒、より好ましくは1〜60秒である。洗浄工程1での水の温度は、親水性高分子が溶解しない温度であることが必要となる。一般的には5〜40℃で洗浄処理される。
染色工程又は洗浄工程1の後、架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させる工程を行うことが出来る。架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂又はホウ酸アンモニウムなどのホウ素化合物、グリオキザール又はグルタルアルデヒドなどの多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型又はブロック型などの多価イソシアネート系化合物、チタニウムオキシサルフェイトなどのチタニウム系化合物などを用いることができる。また、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリアミドエピクロルヒドリンなども架橋剤として用いることができる。耐水化剤としては、過酸化コハク酸、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カルシウム、ベンゾインエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、塩化アンモニウム又は塩化マグネシウムなどが挙げられる。
これらは必ずしも必須では無いが、通常、架橋剤として、ホウ酸を用いるのが好ましい。耐水化剤は必要に応じて、架橋剤と併用すればよい。
上記した少なくとも1種以上の架橋剤及び/又は耐水化剤を常法に従って上記洗浄後の染色樹脂フィルムに含有させる。通常は、架橋剤、必要に応じて更に耐水化剤を含有する溶液、好ましくは水溶液中に、洗浄後の染色樹脂フィルムを浸漬することにより、架橋剤(及び必要に応じて更に耐水化剤)を該樹脂フィルムに含浸させることができる。また、場合により、架橋剤、必要に応じて更に耐水化剤を含有する溶液を、洗浄後の染色樹脂フィルムの表面に塗布してもよい。 その際の溶媒としては、限定されるものではないが、水が好ましい。架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させる工程での溶媒中の架橋剤の含有濃度は、ホウ酸を例にして示すと溶媒に対して濃度0.1〜6.0重量%が好ましく、1.0〜4.0重量%がより好ましい。この工程での溶媒温度は、5〜70℃が好ましく、5〜50℃がより好ましい。この工程での処理時間は30秒〜6分が好ましく、1〜5分がより好ましい。この工程は、架橋処理又は耐水化処理とも呼ばれる。
また、場合により、架橋処理又は耐水化処理が不必要な場合には、この処理工程を省略してもよい。
染色工程もしくは洗浄工程1、またはこれら工程の後の架橋剤及び/又は耐水化剤を含有させる工程を行った後に、延伸工程を行う。延伸工程とは、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸に延伸する工程である。延伸方法は湿式延伸法又は乾式延伸法のどちらでもよい。
乾式延伸法の場合には、通常、空気中において、常温〜180℃、湿度20〜95%RHの雰囲気中で延伸処理される。乾式延伸法としては、例えば、ロール間ゾーン延伸法、ロール加熱延伸法、圧延伸法、赤外線加熱延伸法などが挙げられる。しかし、これらの延伸方法に限定されるものではない。延伸工程は1段で延伸することもできるが、2段以上の多段延伸により行うことも出来る。
湿式延伸法の場合には、水、水溶性有機溶剤、又はその混合溶液中で延伸する。架橋剤、及び必要に応じて耐水化剤、を含有した溶液中に浸漬しながら延伸処理を行うことが好ましい。架橋剤としては、例えば、前記架橋剤等が、また、耐水化剤としては、前記耐水化剤等が、それぞれ挙げられる。架橋剤はホウ酸が好ましい。通常湿式延伸処理は架橋剤を含む水溶液中で行うのが好ましい。延伸工程での架橋剤の濃度は、該水溶液の総量に対して、例えば、0.5〜15重量%が好ましく、2.0〜8.0重量%がより好ましい。耐水化剤の存在下に延伸処理を行う場合、耐水化剤の濃度は、該水溶液の総量に対して、例えば、0.5〜15重量%が好ましく、2.0〜8.0重量%がより好ましい。延伸倍率は2〜8倍が好ましく、5〜7倍がより好ましい。延伸処理温度は40〜60℃が好ましく、45〜58℃がより好ましい。延伸時間は通常30秒〜20分であるが、2〜5分がより好ましい。湿式延伸工程は1段で延伸することができるが、2段以上の多段延伸により行うこともできる。
延伸工程を行った後には、フィルム表面に架橋剤及び/又は耐水化剤の析出、又は異物が付着することがあるため、フィルム表面を洗浄する洗浄工程(以降洗浄工程2という)を行うことができる。洗浄時間は1秒〜5分が好ましい。洗浄方法は洗浄溶液に浸漬することが好ましい。また、洗浄溶液をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに流して、洗浄することができる。1段で洗浄処理することもできるし、2段以上の多段処理をすることもできる。洗浄工程の溶液温度は、特に限定されないが通常5〜50℃、好ましくは10〜40℃である。
洗浄に使用する溶媒として、例えば、水、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール又はトリメチロールプロパン等のアルコール類、エチレンジアミン又はジエチレントリアミン等のアミン類などの溶媒が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、2種以上のこれら溶媒の混合物を用いることもできる。最も好ましい溶媒は水である。
延伸工程又は洗浄工程2の後、フィルムを乾燥することにより、偏光素子を得ることが出来る。該フィルムの乾燥は、自然乾燥、または加熱送風乾燥等により行うことができる。より乾燥効率を高めるためにはフィルム表面の水分を、ロールによる圧縮やエアーナイフ、又は吸水ロール等によって除去した後、乾燥するのが好ましい。乾燥温度としては、20〜100℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。乾燥時間は通常30秒〜20分程度である。5〜10分程度が好ましい。
得られた偏光素子の少なくとも片面に透明保護層、及び、該保護層と偏光素子の間に、樹脂硬化物層、好ましくは、前記アクリル樹脂硬化物層を設けることによって本発明の偏光板とすることができる。
該透明保護層はポリマーからなる保護層であっても、また、無機基板からなる保護層であってもよい。ポリマーからなる保護層は塗布層として形成されていても、又はポリマーフィルムのラミネート層として設けられていてもよい。透明保護層を形成する透明ポリマーとしては、通常偏光素子の保護層として使用されている機械的強度が高く、熱安定性が良好な透明ポリマーを何れも使用することが出来る。透明保護層を形成するポリマーとしては、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースアセテート樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アリレート樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等の脂肪族鎖状ポリオレフィン、シクロ系ないしはノルボルネン骨格を有する環状ポリオレフィン)等を挙げることが出来、これらのポリマーは共重合体であってもよい。また、該ポリマーはポリイミド樹脂及び/又はポリアミド樹脂、ポリシロキサン系樹脂などであってもよい。また、更に、該透明保護層は液晶性を有するポリマー層であってもよい。該保護層の厚みは、例えば、0.5〜200μm程度である。無機基板からなる保護層としては、水晶やサファイヤ、ガラスなどの無機基板を挙げることが出来る。該保護層は偏光素子の片面だけでも、両面にあってもよい。好ましい保護層としてはセルロースアセテート樹脂からなる保護層を挙げることが出来る。
上記、透明保護層を偏光素子と貼り合わせるためには通常接着剤を使用する。
本発明の偏光板においては、偏光素子の少なくとも片面の、透明保護層と偏光素子の間に、前記樹脂硬化物層を必要とする。通常は、後記するように、透明保護層の、偏光素子と接着する側の表面に樹脂硬化物層を設け、その後該樹脂硬化物層を偏光素子と接着剤で接着するか、偏光素子の、保護層と接着する側の表面に樹脂硬化物層を設け、該樹脂硬化物層と保護層を接着剤で接着することにより、本発明の偏光板とすることが出来る。保護層は通常偏光素子の両側に設けるのが好ましい。
接着剤としては特に限定されないが、ポリビニルアルコール系接着剤が好ましい。ポリビニルアルコール系接着剤として、例えば、ゴーセノールRTMNH−26(日本合成株式会社製)、エクセバールRTMRS−2117(クラレ株式会社製)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。なお、本明細書において、上付RTMは登録商標を意味する。
接着剤には、架橋剤及び/又は耐水化剤を添加しても良い。
ポリビニルアルコール系接着剤には、耐水化剤として無水マレイン酸-イソブチレン共重合体を含んでいてもよく、また、更に、該耐水化剤と共に架橋剤を含んでいても良い。無水マレイン酸-イソブチレン共重合体として、例えば、イソバンRTM#18、イソバンRTM#04、アンモニア変性イソバン#104、アンモニア変性イソバン#110、イミド化イソバン#304、イミド化イソバン#310などクラレ株式会社で製造販売している商品が挙げられる。
上記耐水化剤と共に併用される架橋剤としては水溶性多価エポキシ化合物を挙げることができる。水溶性多価エポキシ化合物とは、例えば、デナコールRTMEX−521(ナガセケムテック株式会社製)、テトラッド−C(三菱ガス化学株式会社製)などが挙げられる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の接着剤として、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系といった公知の接着剤を用いることも出来る。また、接着剤の接着力の向上、または耐水性の向上を目的として、亜鉛化合物、塩化物、ヨウ化物等の添加物を同時に0.1〜10重量%程度の濃度で含有させることもできる。添加物についても限定されるものではない。
得られた本発明の偏光板を液晶、有機エレクトロルミネッセンス等の表示装置に貼り合わせる場合、貼りあわせ後に非露出面となる保護層の表面に視野角改善及び/又はコントラスト改善のための各種機能性層、輝度向上性を有する層を設けることもできる。偏光板の保護層表面に設けるこれらの各種機能性層等と偏光板との貼りあわせ、及び、偏光板の保護層、若しくは、偏光板の保護層表面に各種機能性層等を設けた場合には、その各種機能性層と、表示装置との貼り合せには粘着剤を用いるのが好ましい。
この偏光板は、もう一方の保護層表面、すなわち、表示装置と貼りあわされていない保護層露出面に、反射防止層や防眩層、ハードコート層など、公知の各種機能性層を有していてもよい。この各種機能性を有する層を作製するには塗工方法が好ましいが、その機能を有するフィルムを接着剤又は粘着剤を介して貼合せても良い。また、該機能性層は、位相差を制御するために層であっても良い。
本発明では、保護層を偏光板に設けるに際し、樹脂硬化物層を偏光板の保護層と偏光素子との間に設けることを特徴とする。具体的には、該樹脂硬化物層を偏光板に設ける場合、例えば、保護層(L)/接着剤層(L)/偏光素子/接着剤層(M)/保護層(M)により構成される偏光板の場合であれば、保護層と接着剤層の間、または、接着剤層と偏光素子の間のいずれかに、1層以上設ければよい。通常は、偏光素子の、光の入射側に、少なくとも1つの該樹脂硬化物層を設け、該樹脂硬化物層を通った光が、偏光素子に入射される様にするのが好ましい。該樹脂硬化物層は1層だけでも良いが、必要に応じて、2層以上設けてもよく、通常該樹脂硬化物層は、偏光素子の両側に、各1層づつ設けるのが好ましい。
なお、上記の保護層(L)および接着剤層(L)等における(L)は、偏光板を表示装置に貼り合わせた時、その層が偏光素子の光の入射側(光の照射される側)にあることを示し、保護層(M)および接着剤層(M)等における(M)は、偏光板を表示装置に貼り合わせた時、その層が偏光素子の光の出射側にあることを示す。
偏光板を表示装置に貼り合わせた時、少なくとも1つの該樹脂硬化物層が、偏光素子の光の入射側になるように、該樹脂硬化物層を設けることで、より効果的に、耐光性、特にバーニングの抑制及び赤変の抑制を達成することができる。具体的には、該樹脂硬化物層は、例えば図1、または、図2のように保護層(L)と接着剤層(L)の間が好ましい。また、該樹脂硬化物層は、接着剤層(L)と偏光素子の間であってもよい。また、さらに効果を高めるに、該樹脂硬化物層を、2層以上設けてもよい。該樹脂硬化物層を2層以上設ける場合、偏光素子の光の入射側、及び出射側にそれぞれ各1層またはそれ以上存在するようにするのが好ましい。また、その際に偏光素子に近い個所に該樹脂硬化物層を設ける方が、より耐久性を向上させるには好ましい。製造し易さ等も考慮すると、保護層上に、該樹脂硬化物層を設け、該樹脂硬化物層を接着剤で、偏光素子に接着して、偏光板とするのがより好ましい。上記樹脂硬化物層としては、アクリル樹脂硬化物層が好ましい。
具体的に、より好ましい本発明の偏光板としては、例えば図3、または図4のように、偏光素子の一方の側(光の入射側)が、保護層(L)と接着剤層の間に樹脂硬化物層が存在し、該樹脂硬化物層が該接着剤層で偏光素子と接着された構造であり、偏光素子の他方の側(光の出射側)も同様に、保護層(L)と接着剤層の間に樹脂硬化物層が存在し、該樹脂硬化物層が該接着剤層で偏光素子と接着された構造を有し、偏光素子の両側に、該樹脂硬化物層を有する偏光板である。
本発明の偏光板においては、該樹脂硬化物層に、接着剤層を介すること無く、直接偏光素子が接着していても良い(この場合、該樹脂硬化物層が接着剤層の役割も達成する)。しかし、通常、良好な密着性、及び、該樹脂硬化物層中の未反応モノマーの偏光素子への移行の防止などの点から、偏光素子と該樹脂硬化物層との間に接着剤層を設けるのが好ましい。該接着剤層は場合により、アンカーコート層であってもよい。また、より耐光性、または赤変に対して高耐久性を有する偏光板を得ようとする場合には、樹脂硬化物層を、偏光素子の両側に、各1層だけでなく、何れか一方若しくは両方に、2層以上の複数の樹脂硬化物層を設け、多層構造にすることも出来る。
本発明における樹脂硬化物層は、重合性樹脂(重合性モノマー)と重合開始剤を含む樹脂組成物の硬化物層で、透明であれば特に支障はない。好ましくは(メタ)アクリレート化合物および光重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物からなる光透過性の透明な層である。従って、該樹脂硬化物層は、好ましくは光の透過性を低下させる添加物を含まない。
該樹脂組成物は、通常、該樹脂組成物総量(固形分のみ:以下同じ)に対して、重合性樹脂、好ましくは(メタ)アクリレート化合物50〜99.9重量%、好ましくは70〜99重量%、更に好ましくは80〜98重量%、重合開始剤、好ましくは光重合開始剤0.1〜12重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは2〜10重量%、及び他の任意成分0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜10重量%を含む重合性樹脂組成物である。また、該樹脂組成物は場合により、(メタ)アクリレート化合物90〜99.9重量%、好ましくは90〜99重量%と、重合開始剤、好ましくは光重合開始剤0.1〜10重量%、より好ましくは1〜10重量%を含む重合性樹脂組成物の場合、より好ましい。 上記の樹脂組成物は重合性樹脂、好ましくは(メタ)アクリレート化合物及び光重合開始剤以外の任意成分として、例えば、各種ポリマーや、オリゴマー、シリカゾル、その他各種助剤等を含有していてもよい。それらは、該樹脂組成物の硬化や硬化物の透明性等をを阻害しない成分およびその濃度であれば特に限定されず用いることが出来る。任意成分の含量は該樹脂組成物を支障なく硬化することができ、かつ、本発明の効果を発揮する範囲であれば、特に制限は無い。しかし、通常は、該樹脂組成物の総量に対して、0〜30重量%の範囲内、好ましくは0〜20重量%の範囲内、より好ましくは0〜10重量%の範囲内である。好ましい上記の樹脂組成物においては、溶剤を除く、該樹脂組成物の固形分総量に対して、重合性樹脂、好ましくは(メタ)アクリレート化合物、及び光重合開始剤の合計量が80重量%以上、より好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上であり、上限は100重量%であってもよい。この場合、残部はその他の任意成分である。特に、(メタ)アクリレート化合物、及び光重合開始剤の合計量が95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上100重量%以下の時、硬化の安定性が向上し、優れたバーニング抑制効果を示す。また、その他の任意成分を該樹脂組成物の総量に対して0.01〜5重量%含むとき、残部は(メタ)アクリレート化合物と光重合開始剤であり、残部における両者の割合は、両者の総量に対して、(メタ)アクリレート化合物90〜99.9重量%、好ましくは90〜99重量%、重合開始剤0.1〜10重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
偏光板に該樹脂硬化物層を形成させる好ましい方法としては、(i)上記の(メタ)アクリレート化合物及び光重合開始剤を含む樹脂組成物を、保護層用のフィルムの片面(偏光素子へ接着する側の面)へコーティングし、重合性樹脂組成物よりなる層を設け、その層を光硬化により、樹脂硬化物層とした後に、該樹脂硬化物層の面を、接着剤で、偏光素子へ接着する方法、(ii)偏光素子に、上記樹脂組成物を直接コーティングし、偏光素子上に直接重合性樹脂組成物よりなる層を設け、その層を光硬化により、樹脂硬化物層とした後に、その樹脂硬化物層上に、保護層を形成する方法、(iii)また、場合により、上記(i)の方法において、保護層用のフィルムの片面(偏光素子へ接着する側の面)へ重合性樹脂組成物よりなる層を設け、光硬化することなく、偏光素子と直接貼り合わせた後、光硬化させ、接着剤層の介在無しに、偏光素子表面に直接樹脂硬化物層を設ける方法、更に、(iv)剥離フィルムに、上記樹脂組成物を塗布し、光硬化させ、樹脂硬化物層を形成し、得られた樹脂硬化物層を、保護層用フィルムまたは偏光素子に転写、または積層する方法等を挙げることが出来る。
上記樹脂組成物を塗布する方法は特に限定されず、例えば、スピンコート方式、ワイヤーバーコート方式、グラビアコート方式、マイクログラビアコート方式、カレンダーコート方式、スプレーコート方式又はメニスカスコート方式等などによる方法が挙げられる。
上記の樹脂組成物(重合性樹脂組成物)は、重合樹脂(好ましくは(メタ)アクリレート化合物)、重合開始剤、好ましくは光重合開始剤及び、必要に応じて、任意の添加剤を適宜混合することにより得ることが出来る。塗布する場合には、必要に応じて、塗布後除去可能な溶剤等で適宜希釈して、用いることも出来る。重合樹脂が(メタ)アクリレート化合物の場合、(メタ)アクリレート化合物は、一種のみでも良いが、通常二種以上併用するのが好ましい。好ましい二種の併用としては、分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物と分子内に水酸基を有しない(メタ)アクリレート化合物の併用は好ましい。分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物の含量は、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、20〜70重量%程度、より好ましくは25〜60重量%程度であり、更に好ましくは40〜60重量%である。残部が分子内に水酸基を有しない(メタ)アクリレート化合物であり、該化合物としてはメタアクリロイル基を2〜6個有する化合物が好ましく、より好ましくは3〜6個有する化合物である。
分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物として、分子内に水酸基を1〜2個有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。それらとしては、水酸基を2〜6個有する炭素数2〜15の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との縮合で得られる(メタ)アクリロイル基を1〜5個及び水酸基を1〜2個有する(メタ)アクリレート化合物(但し、水酸基と(メタ)アクリロイル基の合計は2〜6個)、または、上記多価アルコール、好ましくはグリコールのグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応で得られる(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。
また、他の好ましい二種の併用としては、後記するビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物と、他の(メタ)アクリレート化合物、好ましくは(メタ)アクリロイル基を2〜6個有する(メタ)アクリレート化合物、より好ましくは(メタ)アクリロイル基を2〜6個有する(メタ)アクリレート化合物との併用である。ビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物の併用は、後記するようにバーニング耐性をより向上させる上で、好ましい。
また、場合により、前記樹脂組成物が(メタ)アクロイル基を2つ以上有するポリ(メタ)アクリレート化合物、好ましくは(メタ)アクロイル基を2〜6個有するポリ(メタ)アクリレート化合物を、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、大凡、50〜100重量%、好ましくは60〜100重量%含有し、残部はモノ(メタ)アクリレート化合物である時も好ましい。モノ(メタ)アクリレート化合物としては、グリコールのモノ(メタ)アクリレート化合物またはシクロ環含有モノ(メタ)アクリレート化合物等が好ましく、炭素数5〜10のシクロ環含有モノ(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが更に好ましい。バーニング抑制等においてより好ましい樹脂組成物においては、(メタ)アクリレート化合物として、ポリアクリレート化合物のみを含む場合であり、(メタ)アクロイル基を1分子中に3〜6個有するポリ(メタ)アクリレート化合物を、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、50〜90重量%、より好ましくは60〜90重量%程度含み、残部がジ(メタ)アクリレート化合物の場合であり、ジ(メタ)アクリレート化合物が、前記式(2)のビスフェノールA骨格を含有するジ(メタ)アクリレート化合物の場合、更に好ましい。
上記の樹脂組成物(重合性樹脂組成物)で用いられる(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリロイル基を1個以上、好ましくは1〜6個、有すれば、特に限定はない。例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応生成物、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、カプロラクトン変性トリス{(メタ)アクリロキシエチル}イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物等が挙げられる。
また、更に、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(メタアクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ブチルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
好ましくは、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタアクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート)、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートまたはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
後記するように、特に、ビスフェノールA誘導体からなる(メタ)アクリレート化合物、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物またはEO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物はバーニング耐性を向上させるために、好ましい。なかでも、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物は好ましい。
これらの(メタ)アクリレート化合物は、「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター出版, 加藤清視著)P259−302等にも記載されており、上記例示化合物の他、この文献に記載の(メタ)アクリレートモノマーも用いることができる。
本発明で使用するアクリレート化合物において、分子内に少なくとも水酸基を1つ以上有している(メタ)アクリレート化合物は、樹脂硬化物層の、保護層または偏光素子との密着性を向上させるので、(メタ)アクリレート化合物の一種として樹脂組成物中に含むことが好ましい。少なくとも1種類以上の、分子内に水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物(以下水酸基含有(メタ)アクリレート化合物ともいう)を、樹脂組成物(固形分含量:以下同じ)100重量部中に1重量部以上含有してるだけでも上記の効果を有する。好ましい樹脂組成物においては、該化合物を樹脂組成物100重量部中に10重量部以上、好ましくは20重量部以上、より好ましくは30重量部以上の割合で含む。過剰になっても効果が上がらないばかりか、場合によっては弊害もあり得るので、通常、該水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の含量は、樹脂組成物100重量部中に70重量部以下、好ましくは60重量部以下程度が好ましい。
分子内に少なくとも水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物[デナコールRTMDA−321 長瀬産業株式会社製]、トリグリセロールジアクリレート[エポキシエステル80MFA 共栄社油脂株式会社製]、プロピレングリコールジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物[デナコールRTMDA−911 長瀬産業株式会社製]、フタル酸ジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物[デナコールRTMDA−721 長瀬産業株式会社製]、ペンタエリスリトールトリアクリレート[カヤラッドRTMPET−30 日本化薬株式会社製]、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物[カヤラッドRTMR−167 日本化薬株式会社製]、グリセロールトリグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物[デナコールRTMDA−314 長瀬産業株式会社製]、グリセロールジメタクリレート[ブレンマーRTMGMR 日本油脂株式会社製]、グリセロールアクリレートメタクリレート[ブレンマーRTMGAM 日本油脂株式会社製]、エチレングリコールジグリシジルエーテルとメタクリル酸との反応生成物[デナコールRTMDM−811 長瀬産業株式会社製]、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルとメタクリル酸との反応生成物[デナコールRTMDM−851 長瀬産業株式会社製]、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物[カヤラッドRTMR−115 日本化薬株式会社製]、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート[アロニックスRTMM−233 東亞合成株式会社製]、ポリエチレングリコール/ポリブチレングリコールメタクリレート[ブレンマーRTMPETシリーズ 日本油脂株式会社製]、ポリプロピレングリコールメタクリレート[ブレンマーRTMPP−330、PP−500、PP−800 日本油脂株式会社製]、ポリエチレングリコールメタクリレート[ブレンマーRTMPE−90、PE−200、PE−350 日本油脂株式会社製]、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート[アロニックスRTMM−5700 東亞合成株式会社製]、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート[GE−650 三菱瓦斯化学株式会社製]、2−ヒドロキシプロピルアクリレート[HPA 大阪有機株式会社製]、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート[GE−610 三菱瓦斯化学株式会社製]、2−ヒドロキシエチルアクリレート[HEA 大阪有機株式会社製]、グリセロールメタクリレート[ブレンマーRTMGLM 日本油脂株式会社製]、ブチルグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物[デナコールRTMDA−151 長瀬産業株式会社製]、ブタンジオールモノアクリレート[SR−676 サートマー株式会社製]等が挙げられる。
好ましくは、ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物などが挙げられる。本発明で使用する樹脂組成物においては、分子内に少なくとも水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物として、これらからなる群から選ばれる少なくとも一種を用いるのが好ましい。より好ましくは、分子内に少なくとも水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物として、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物の何れか一方、若しくは両者を用いる場合であり、両者を用いる場合更に好ましい。
本発明の偏光板において、バーニング耐久性を、更に、向上させるには、(メタ)アクリレート化合物の少なくとも一つがビスフェノールA誘導体からなる(メタ)アクリレート化合物、即ち、ビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
即ち、分子内に少なくとも下記式(2)
Figure 2010095447

で表されるビスフェノールA骨格を1つ以上有している(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。分子内にビスフェノールA基を有する化合物は、少なくとも1種類以上を本発明で使用する樹脂組成物(固形分含量)100重量部中に1重量部以上含有してるだけでもバーニング耐性は向上するが、5重部以上が好ましく、より好ましくは10重量部以上、さらに好ましくは15重量部以上含むことが良い。上限は特に限定されないが、通常、50重量部以下、好ましくは40重量部以下、更に好ましくは30重量部以下程度である。
分子内に少なくとも水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物[カヤラッドRTMR−115 日本化薬株式会社製]、EO変性ビスフェノールAジアクリレート[SR−349(サートマー株式会社製)、カヤラッドRTMR−551(日本化薬株式会社製)]、EO変性ビスフェノールジメタクリレート[MR−B(大八化学株式会社製)]、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート(SR−348[サートマー株式会社製]、NKエステルBPE−200[新中村株式会社製]、NKエステルBPE−500[新中村株式会社製]、NKエステルBPE−1300[新中村株式会社製])等が挙げられるがこれに限定されるものではない。ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物またはEO変性ビスフェノールAジアクリレート等のビスフェノールA骨格を有する(メタ)アクリレート化合物であれば、バーニング耐久性がさらに向上し、好ましい。特に、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物はより好ましい。
より十分に安定した硬度、および偏光板の耐久性を向上できる樹脂組成物を得るためには、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する化合物を、重合性樹脂組成物100重量部中に好ましくは50重量部以上、より好ましくは60重量部以上、さらに好ましくは70重量部以上含有することが好ましい。 そして、該樹脂組成物中の(メタ)アクリレート化合物の全てが(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する(メタ)アクリレート化合物であってもよいが、通常90重量部以下、より好ましくは85重量部以下である。
本発明で使用される樹脂組成物中含まれる、重合開始剤としては、(メタ)アクリレート化合物の重合を開始させるものであれば、光重合開始剤または熱重合開始剤何れでもよい。本発明においては、光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、イルガキュアーRTM907)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、 イルガキュアーRTM184)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、イルガキュアーRTM2959)、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク株式会社製、ダロキュアーRTM953)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク株式会社製、ダロキュアーRTM1116)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、イルガキュアーRTM1173)、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製 イルガキュアーRTM651)等のベンゾイン系化合物、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン(日本化薬株式会社製、 カヤキュアーRTMMBP)等のベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン(日本化薬株式会社製、 カヤキュアーRTMCTX)、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン(日本化薬株式会社製、 カヤキュアーRTMRTX)、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン(日本化薬株式会社製、 カヤキュアーRTMCTX)、2,4−ジエチルチオキサンソン(日本化薬株式会社製、 カヤキュアーRTMDETX)、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン(日本化薬株式会社製、 カヤキュアーRTMDITX)等のチオキサンソン系化合物等が挙げられる。
より好ましくは、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、 イルガキュアーRTM907)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、 イルガキュアーRTM184)又は2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、 イルガキュアーRTM651)が良い。これらの光重合開始剤は1種類でも複数でも任意の配合割合で混合して使用することができる。
ベンゾフェノン系化合物やチオキサンソン系化合物を用いる場合には、光重合反応を促進させるために、助剤を併用することも可能である。そのような助剤としては例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、4,4’―ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル又は4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン系化合物が挙げられる。
前記光重合開始剤および助剤の添加量は、偏光性能の低下が起こらない範囲で使用することが好ましく、光重合開始剤の量は、重合性組成物中の(メタ)アクリレート化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上12重量部以下、より好ましくは2重量部以上10重量部以下程度がよい。また、助剤は光重合開始剤に対して、0.5倍から2倍量程度がよい。
重合開始剤が熱重合開始剤の場合、重合開始剤の他に、架橋剤または/および開始触媒を用いるのが好ましい。架橋剤の種類としては、イソシアネート系、ホウ素系、チタネート系等の種々の公知の化合物を用いることができ、重合を促進させるものであれば限定されない。その添加量は、重合性樹脂組成物(固形分含量)100重量部中に0.1重量部以上20重量部以下、より好ましくは該組成物(固形分含量)100重量部中に1重量部以上10重量部以下程度がよい。
本発明において、重合性樹脂組成物の硬化処理において、熱硬化型の場合よりも紫外線硬化型の場合の方が、光に対する安定性や硬化時間、製造コストを考えて有用である。
耐光性試験において、前記樹脂硬化物層をより安定にするために、劣化防止助剤を添加しても良い。劣化防止助剤とは、酸化防止剤、光安定剤を示す。酸化防止剤とは、例えば、ヒンダートフェノール系やセミヒンダートフェノール系などのフェノール系酸化防止剤、フェニレンジアミン系などのアミン系酸化防止剤、フォスファイト系やホスホナイト系などのリン系酸化防止剤、チオエーテル系などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。光安定剤とは、例えば、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系、トリアジン系などの紫外線吸収剤、有機ニッケル錯体などの励起エネルギー吸収剤(Quencher)、カーボンブラックや酸化チタンなどの紫外線遮蔽剤、基本骨格として2,2,6,6−テトラメチルビペリジン骨格を有するヒンダートアミン系光安定剤(HALS)などが挙げられる。添加濃度は、特に限定されず、劣化防止助剤の能力により任意に添加できる。一般的には、溶剤を除いた重合性樹脂組成物に対して0.01重量%乃至5重量%、好ましくは0.05重量%乃至3重量%を添加するのが好ましい。
本発明の好ましい樹脂組成物を挙げると下記の通りである。
(1)溶剤を除く樹脂組成物の固形分の総量に対して、(メタ)アクリレート化合物を70〜99重量%、好ましくは80〜99重量%、より好ましくは90〜99重量% 及び光重合開始剤を1〜10重量%及びその他の任意成分を残部含む樹脂組成物。
(2)(メタ)アクリレート化合物が、分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物を含み、その含量が、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、20〜70重量%であり、残部が分子内に水酸基を有しない(メタ)アクリレート化合物である上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物が、(a)水酸基を2〜6個有する炭素数2〜15の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との縮合で得られる(メタ)アクリロイル基を1〜5個及び水酸基を1〜2個有する(メタ)アクリレート化合物、及び(b)ビスフェノールAのグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応で得られる(メタ)アクリレート化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(2)に記載の樹脂組成物。
(4)分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物として、上記(a)及び(b)の両者を含み、(a)1重量部に対する(b)の割合が、0.4〜1重量部である上記(3)に記載の樹脂組成物。
(5)(メタ)アクリレート化合物として、前記式(2)で表されるビスフェノールA骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、10〜40重量%含有する上記(1)〜(4)の何れか一項に記載の樹脂組成物。
(6)(メタ)アクリレート化合物として(メタ)アクリロイル基を3〜6個有する(メタ)アクリレート化合物を、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、60〜90重量%含有する上記(1)〜(5)の何れか一項に記載の樹脂組成物。
(7)分子内に水酸基を含まない(メタ)アクリレート化合物が、(メタ)アクリロイル基を3〜6個有する(メタ)アクリレート化合物である上記(2)〜(6)の何れか一項に記載の樹脂組成物。
(8)分子内に水酸基を含まない(メタ)アクリレート化合物が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである上記(2)〜(7)の何れか一項に記載の樹脂組成物。
(9)(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物の含量が40〜60重量%であり、分子内に水酸基を有しない(メタ)アクリレート化合物が40〜60重量%である上記(2)〜(7)の何れか一項に記載の樹脂組成物。
(10)(メタ)アクリレート化合物として炭素数5〜10のシクロ環含有モノ(メタ)アクリレート化合物を、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、10〜30重量%含有する上記(1)〜(3)または(6)の何れか一項に記載の樹脂組成物。
(11)(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、分子内に水酸基を有さず、かつ、(メタ)アクリロイル基を3〜6個有する(メタ)アクリレート化合物が40〜60重量%であり、残部が分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物である上記(10)に記載の樹脂組成物。
上記(10)または(11)の樹脂組成物の樹脂硬化物層を有する偏光板、より好ましくは、偏光素子の両側に該樹脂硬化物層を設けた偏光板は、高湿熱耐性において優れ、赤変が少ない。
偏光板に樹脂硬化物層を形成させる場合に、前記樹脂組成物を直接または適当な溶剤を用いて希釈し、保護層または二色性色素を吸着配向させたポリビニルアルコール系フィルムに塗布する。その後加熱等により溶剤を除去し、該塗布層を加熱、または該塗布層に紫外線を照射することにより該樹脂組成物を硬化させた層(樹脂硬化物層)を得ることができる。本発明において好ましいのは紫外線等の照射により硬化させる光硬化が好ましい。
塗布する際に用いられる該組成物の希釈用の溶剤としては、該組成物の溶解性、塗布時の基板上へのぬれ性に優れ、表面性の低下を起こさないものであれば特に制限はない。そのような溶剤としては、例えば水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン又は2,6−ジメチル−4−ヘプタノン等のケトン類、n−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール又はイソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、酢酸メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、酢酸メトキシエチル又はサクサンエトキシエチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N−ジメチルアセトホルムアミドが挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、トルエン、シクロペンタノン又は酢酸エチルが良い。また、溶剤は単一でも混合物でもよい。該組成物を溶解する際の該組成物の濃度は溶剤溶解性、基板上へのぬれ性、塗布後の厚みなどによって異なるが、好ましくは5〜95重量%、より好ましくは10〜80重量%程度がよい。
また、基板上へ塗布する際、該基板上へのぬれ性が乏しい場合や、形成された該樹脂組成物層の表面性が悪い場合は、それらを改善するために該組成物中に種々のレベリング剤を添加することも可能である。レベリング剤の種類としては、シリコン系、フッ素系、ポリエーテル系、アクリル酸共重合物系又はチタネート系等の種々の化合物を用いることができる。その添加量は、樹脂組成物(固形分含量)100重量部中に0.0001重量部以上10重量部以下、より好ましくは該組成物100重量部中に0.1重量部以上5重量部以下程度がよい。
基板上へ形成された該組成物層を硬化した後、硬化した層と保護フィルムとの密着性が悪い場合は、それらを改善するために該組成物中に種々の架橋剤を添加することも可能である。架橋剤の種類としては、イソシアネート系、ホウ素系、チタネート系又はシリコン系等の種々の化合物を用いることができる。その添加量は、重合性樹脂組成物100重量部中に0.0001重量部以上20重量部以下、より好ましくは該組成物100重量部中に0.1重量部以上10重量部以下程度がよい。
樹脂硬化物層は、樹脂組成物層の加熱または樹脂組成物層への紫外線照射により十分に重合し、未反応モノマー成分を極力少なくすることが好ましい。その程度は、樹脂硬化物100重量部中の未反応の(メタ)アクリレート化合物が0重量部以上5重量部以下、より好ましくは0重量部以上3重量部以下、さらに好ましくは0重量部以上1重量部以下になるようにするのがよい。そのような層を得る方法としては、例えば塗布後の樹脂組成物の層の厚さを最適化する方法、添加する光重合開始剤の種類や量を最適化する方法、十分な加熱または紫外線を照射する方法、窒素等の不活性ガス中で行うなどの紫外線照射時の雰囲気を変えて硬化させる方法などが挙げられる。通常、使用する重合開始剤、使用する紫外線強度などに合わせて、適当な膜厚にして、十分な紫外線を照射するようにすることである。該膜厚は、塗布液の樹脂組成物濃度の調整、及び塗布量の調整により、調製することが出来る。
樹脂硬化物層の厚みは0.1μm乃至10μmが良く、より好ましくは1μm乃至8μm、さらに好ましくは2μm乃至6μmが良い。10μmより厚いと、残留未反応モノマーが増えて、耐久性が不十分であり、かつ、乾熱耐久性試験において偏光板が赤変する可能性があるため不適である。0.1μmより薄い層では逆に耐光性向上はあまり得られない。
光硬化の場合の紫外線の照射量は、(メタ)アクリレート化合物の種類、光重合開始剤の種類と添加量、膜厚によって異なるが、例えば100〜2000mJ/cm程度がよい。
また、樹脂硬化物層は、アルカリ性溶液によって処理されても透明であることが好ましい。具体的には樹脂硬化物層をpH11以上のアルカリ水溶液によって40℃で10分間処理した後、該樹脂硬化物層に白濁がないことが一つの指標となる。より具体的には、ポリエチレンテレフタレートに該樹脂組成物を塗工し、硬化した後の厚さが5μmの層を設け、該樹脂硬化物層を有するフィルムを、pH11の水溶液で40℃で10分間処理処理したのち、波長550nmでの光線透過率の変化を測定し、処理前と比べて、通常5%以内、好ましくは1%以内の変化であれば、該樹脂硬化物層は本発明の偏光板の樹脂硬化物層として好ましい。
樹脂硬化物層の偏光素子との貼り合わせ面を、アルカリ水溶液で処理することによって、偏光素子のポリビニルアルコール系フィルムと樹脂硬化物層との密着性が向上する。従って、樹脂硬化物層を偏光素子と接着剤で貼り合わせる場合、樹脂硬化物層の貼り合わせ面を予めアルカリ水溶液で処理することは密着性の向上ため好ましい。樹脂硬化物層の貼り合わせ面をアルカリ水溶液で処理した後は、その表面を水もしくは酸性水溶液で中和し、乾燥する。該処理後の樹脂硬化物層の貼り合わせ面に、10μリットルの水を滴下した時の接触角が60°以下、より好ましくは、50°以下、さらに好ましくは40°以下になるように、アルカリ水溶液での処理を行うのが好ましい。
こうして得られた本発明の偏光板を、例えば、液晶プロジェクターの青色光源に対して用いた場合、バーニング現象は大幅に減少される。
液晶プロジェクターの青色光源に用いられる偏光板は、一般的に400〜500nm、特に430〜500nmの波長において、高い偏光度を有していることが必要である。例えば、好ましい偏光板の光学特性は、波長430〜500nmにおいて、偏光素子の吸収軸と平行した直線偏光光を照射したときに透過率が0.3%以下であり、偏光素子の吸収軸に直交した直線偏光光を照射したときの透過率が77%以上である。より好ましくは、該光学特性は、偏光素子の吸収軸と平行した直線偏光光を照射したときの透過率が0.1%以下であり、偏光素子の吸収軸に直交した直線偏光光を照射したときの透過率が80%以上である。
また、本発明の偏光板は、例えば、液晶プロジェクターの緑色光源に対して用いることも出来る。この場合も本発明の偏光板においては、バーニング現象が抑制される。液晶プロジェクターの緑色光源に用いられる偏光板は、500〜600nm、特に520〜580nmの波長において、高い偏光度を有していることが必要である。例えば、緑色光源に対して用いられる好ましい偏光板の光学特性は、波長520〜580nmにおいて、偏光素子の吸収軸と平行した直線偏光光を照射したときの透過率が0.2%以下であり、偏光素子の吸収軸に直交した直線偏光光を照射したときの透過率が83%以上である。より好ましくは、該光学特性は、偏光素子の吸収軸と平行した直線偏光光を照射したときの透過率が0.1%以下であり、偏光素子の吸収軸に直交した直線偏光光を照射したときの透過率が86%以上である。
本発明の偏光板は、液晶プロジェクター用だけでなく一般的な直視用の画像表示装置用としても用いることが出来る。直視用の画像表示装置に使用される染料系偏光板においても、長期にわたる高温高湿試験において赤変等の色相変化が発生するが、本発明の偏光板においてはその色相変化を抑制することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例に示す透過率の評価は以下のようにして行った。
それぞれの透過率は、分光光度計〔日立製作所株式会社製、“U−4100”〕を用いて測定した。
分光光度計〔日立製作所株式会社製、“U−4100”〕を用いて、透過率を測定するにあたり、光の出射側に、JIS-Z8701( C光源2°視野)に基づき視感度補正後の透過率43%で偏光度99.99%のヨウ素系偏光板(ポラテクノ株式会社製、SKN−18043P)を設置し、偏光光(以下絶対偏光光という)を測定試料に入射出来るようにした。該ヨウ素系偏光板の保護層は紫外線吸収能のないトリアセチルセルロース樹脂フィルムである。
本発明の偏光板の片面に保護膜を貼合して得た偏光板に、絶対偏光光を入射し、その絶対偏光光の振動方向と本発明の偏光板の吸収軸方向が平行となるようにして測定して得られた平行透過率(以下絶対平行透過率という)をKy、その絶対偏光光の振動方向と本発明の偏光板の吸収軸方向が直交となるようにして測定して得られた直交透過率(以下絶対直交透過率という)をKzとした。
実施例1
ケン化度が99%以上の膜厚75μmのポリビニルアルコール系樹脂フィルム( クラレ株式会社製 VF−XH、平均重合度4、000)を40℃の温水に2分浸漬し膨潤処理をした。膨潤処理したフィルムを、スチルベン骨格を有するアゾ染料(シー・アイ・ダイレクト・オレンジ39) 0.1重量%と、スチルベン骨格を有しないアゾ染料(シー・アイ・ダイレクト・レッド81) 0.05重量%及びトリポリ燐酸ナトリウム0.1重量%を含有した45℃の水溶液に浸漬し、染料の吸着を行った。染料が吸着されたフィルムを水にて洗浄し、次いで、2重量%のホウ酸を含有した40℃の水溶液で1分間処理を行った。ホウ酸処理して得られたフィルムを、5.0倍に延伸しながらホウ酸3.0重量%を含有した55℃の水溶液中で5分間処理を行った。その延伸処理して得られたフィルムの緊張状態を保ちつつ30℃において15秒間水洗した。得られたフィルムを直ちに70℃で9分間乾燥し、膜厚28μmの偏光素子を得た。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTMDPHA)50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTMPET−30)30重量部、ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成株式会社製、FA−513AS)20重量部、イルガキュアーRTM184(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、)5重量部及びトルエン 100重量部からなる樹脂組成物を調製した。該樹脂組成物を膜厚6μmになるようにバーコーダROD#5を用いて、保護層用のトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(コニカ株式会社製、 KC−8UYMW)に塗工し、70℃で2分間乾燥した。得られた該樹脂組成物層に、空気中で高圧水銀灯を用いて紫外線を、積算光量400mJ/cmで照射し、樹脂硬化物層を有するトリアセチルセルロースフィルムを作製した。得られたフィルムの樹脂硬化物層の表面を、pH11のアルカリ水溶液に10分間接触させ、樹脂硬化物層の表面処理を行った。該表面の水との接触角は、処理前の80.0°から、該表面処理後55.4°へ低下した。得られたフィルム2枚を、偏光素子の両面に、樹脂硬化物層の表面処理された面が偏光素子と接着するように、接着剤{ゴーセノールRTMNH−26(日本合成化学株式会社)の4%水溶液}を用いて接着した。TAC/樹脂硬化物層/接着剤層/偏光素子/接着剤層/樹脂硬化物層/TACの構成を持つ本発明の偏光板を得た。
得られた偏光板を40mmx40mmにカットしアクリル系粘着剤(ポラテクノ株式会社製 AD−ROC)を介して厚さ1mmのガラス板と貼り合わせて、TAC/樹脂硬化物層/接着剤層/偏光素子/接着剤層/樹脂硬化物層/TAC/粘着剤層/ガラスとなる構成の、ガラス基板を有する耐光性試験用偏光板(サンプル)を作製した。
図5に、得られた偏光板の初期における絶対平行透過率Kyを、図6に、得られた偏光板の初期における絶対直交透過率Kzを示す。
バーニング劣化試験
耐光性試験は、高圧水銀ランプ耐光性試験機(ウシオ電機株式会社製、 超高圧水銀ランプ 2000W)を用いて、95℃の環境で、光照射を行い、84時間後と644時間後におけるサンプルの450nmにおける絶対平行透過率Kyを測定し、照射前のサンプルにおけるKy値と比較した。その結果を表1に示した。
なお、該試験においては、照射光が、TAC面から入射するようにサンプルの偏光板を設置した。
実施例2
樹脂組成物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTM DPHA)50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTM PET−30)30重量部、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTMR−115)20重量部、イルガキュアーRTM184(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製、)5重量部、トルエン 100重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、本発明の偏光板を得た。
また、実施例1と同様にして、試験用のサンプルを作製し、バーニング劣化試験を行った。その結果を表1に示す。
実施例3
樹脂組成物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTM DPHA)50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTMPET−30)30重量部、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTMR−115)20重量部、アデカスタブRTMAO−50(ADEKA株式会社製) 1.0重量部、イルガキュアーRTM184(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)5重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、本発明の偏光板を得た。
また、実施例1と同様にして、試験用のサンプルを作製し、バーニング劣化試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、樹脂硬化物層を設けること無く、保護層用のTACフィルム2枚を、直接偏光素子の両面に、接着剤で接着する以外は、実施例1と同様にして、比較用の偏光板及び試験用サンプルの作製を行い、バーニング劣化試験を行った。その結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、アゾ染料代替の2色性色素として、ヨウ素を0.028重量%、ヨウ化カリウム 2.06重量%を用いる以外は実施例1と同様にして、比較用の偏光板及び試験用サンプルの作製を行い、バーニング劣化試験を行った。その結果を表1に示す。
表1 絶対平行透過率Kyの測定結果
Figure 2010095447
なお、表1において、比較例2では、644時間後にはバーニングにより焼けてしまい絶対平行透過率Kyの測定が出来なかった。
実施例4
ケン化度が99%以上の膜厚75μmのポリビニルアルコール系樹脂フィルム(クラレ株式会社製、 VF−XH、平均重合度4,000)を40℃の温水に2分浸漬し膨潤処理をした。次いで、スチルベン骨格を有するアゾ染料として、シー・アイ・ダイレクト・オレンジ39を0.190重量%、特開平11−218611に記載の下記式(3)
Figure 2010095447

で表される染料を0.222重量%及び特開2001−56412の化合物No.1の染料(下記式
Figure 2010095447
で表される化合物)を0.173重量%、スチルベン骨格を有しないアゾ染料としてシー・アイ・ダイレクトレッド81を0.216重量%、トリポリ燐酸ナトリウム0.05重量%、及び無水芒硝0.03重量%を含有した45℃の水溶液に、上記で得られた、膨潤処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬し染料の吸着を行った。
染料が吸着されたフィルムを水で洗浄し、次いで2重量%のホウ酸を含有した40℃の水溶液で1分間処理を行った。ホウ酸処理して得られたフィルムを、5.0倍に延伸しながらホウ酸3.0重量%を含有した50℃の水溶液中で5分間処理を行った。この延伸処理されたフィルムの緊張状態を保ちつつ30℃において15秒間水洗し、直ちに70℃で9分間乾燥し、膜厚28μmの偏光素子を得た。
傷防止加工剤(日本化薬株式会社製、 PLC−1000)が塗工及び硬化された層を有するトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(TD−80U 富士写真フィルム株式会社製)および、液晶が塗工されたトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(富士写真フィルム株式会社製、 WVA038)のそれぞれのトリアセチルセルロース面に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTMDPHA)50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬株式会社製、 カヤラッドRTMPET−30)30重量部、ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成株式会社製、FA−513AS)20重量部、イルガキュアーRTM184(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)5重量部及びトルエン 100重量部よりなる樹脂組成物を膜厚6μmになるようにバーコーダROD#5を用いて塗工した。両フィルムの塗工面を70℃で2分間乾燥し、次いで、空気中で高圧水銀灯を用いて紫外線を照射した(積算光量400mJ/cm2)。樹脂硬化物層を有する2枚の透明フィルムを作製した。次いで、2枚のフィルムのそれぞれの樹脂硬化物層の表面を、pH11のアルカリ水溶液に10分間接触させることにより、樹脂硬化物層表面の水との接触角を低下させた。それぞれの該樹脂硬化物層表面が偏光素子と接着するように、偏光素子の両面に、実施例1と同様に、接着剤を用いて、上記で得た2枚のフィルムを接着した。構成が傷防止加工剤よりなる層(ハードコート層)/TAC/樹脂硬化物層/接着剤層/偏光素子/接着剤層/樹脂硬化物層/TAC/液晶層となる本発明の偏光板を得た。
得られた偏光板を40mmx40mmにカットし、実施例1と同様にアクリル系粘着剤を介して厚さ1mmのガラス板と貼り合わせた。ハードコート層/TAC/樹脂硬化物層/接着剤層/偏光素子/接着剤層/樹脂硬化物層/TAC/液晶層/粘着層/ガラスとなる構成の、ガラス基板を有する偏光板(試験用サンプル)を作製した。
耐湿熱性試験(劣化加速試験)
得られた偏光板を温度85℃、湿度85%の環境下に、624時間曝して、劣化加速試験を行った。
上記、実施例4によって得られた2枚の偏光板を、その吸収軸方向が同一となるように重ねた場合の透過率を平行位透過率Tp 、2枚の偏光板をその吸収軸が直交するように重ねた場合の透過率を直交位透過率Tc とし、得られた平行位透過率、および、直交位透過率から、偏光板の色相についてJIS Z8729(色の表示方法 L、a、b表示系およびL、u、v表色系)により示される表色系にて、平行色相のaを測定した。その結果を表2に示した。また、両者の差(変化量)を求め、一緒に表2に示した。
なお、ここでいう平行色相とは、2枚の偏光板をそれぞれ吸収軸が平行になるように重ねた状態で測定された色相を意味する。L*、a*、b*表色系ではa*、b*のそれぞれがゼロに近いほど色相がニュートラル色を示すことを表している。
比較例3
実施例4において、樹脂硬化物層を設けること無く、実施例4で使用したと同じ2枚のトリアセチルセルロースフィルム(TAC)を、偏光素子の両面に、実施例4で使用した接着剤を用いて貼り付ける以外は、実施例4と同様にして、比較用偏光板を作成した。次いで、それに、実施例4と同様にして、ガラス基板を粘着剤で貼り合わせ、傷防止加工剤よりなる層/TAC/接着剤層/偏光素子/接着剤層/TAC/液晶層/粘着剤層/ガラスとなる構成の、試験用サンプル(ガラス基板を有する偏光板)を作成した。
実施例4と同様に、耐湿熱性試験(劣化加速試験)を行い、その結果を表2に示した。
表2 平行色相aの測定結果及び変化量
Figure 2010095447
以上の実施例、比較例から明らかなように、本発明の偏光板は、超高圧水銀ランプのような強度の光に長時間曝す耐光性試験でも、絶対平行透過率Kyの変化が少なく、バーニング耐性に優れる。また、高温高湿環境下に、長時間曝す耐湿熱性試験での平行色相aの変化が少なく、高温高湿環境下でも赤変が少ない偏光板であること判る。従って、本発明の偏光板は液晶プロジェクター用の偏光板として有用であり、また、直視用の画像表示装置用の偏光板としても有用である。そしてそれらに使用された時、長期に、安定した性能を維持できる。
1保護層
2樹脂硬化物層
3接着剤層
4偏光素子
5粘着剤層
6ガラス

Claims (19)

  1. 偏光素子が二色性染料を含有し、且つ、該二色性染料の少なくとも一種がスチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料またはその塩であり、該偏光素子の少なくとも片側に保護層を有し、該偏光素子と該保護層間に、(メタ)アクリレート化合物および重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物層を有することを特徴とする偏光板。
  2. 偏光素子が架橋剤を含有し、延伸された親水性高分子よりなる請求項1に記載の偏光板。
  3. スチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料が遊離酸として下記式(1)
    Figure 2010095447

    で表されるスチルベン骨格を少なくとも1つ有する水溶性アゾ染料、またはその塩、またはその銅錯塩染料であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  4. 二色性染料がアゾ染料であり、該アゾ染料として少なくとも、スチルベン骨格を1つ有する水溶性ジスアゾ染料とスチルベン骨格を有しない水溶性アゾ染料の両者を含む偏光素子である請求項1に記載の偏光板。
  5. (メタ)アクリレート化合物の少なくとも一種が分子内に水酸基を少なくとも1つ有する(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  6. (メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種がビスフェノールA誘導体からなる(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1または4に記載の偏光板。
  7. 該樹脂組成物が少なくとも1種の劣化防止助剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  8. 保護層と偏光素子の間に接着剤層を有し、該樹脂組成物の硬化物層が該保護層と該接着剤層との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  9. 保護層が偏光素子の両側に配置され、かつ、該樹脂組成物の硬化物層が偏光素子の光の入射側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  10. 請求項1に記載の偏光板の片側に粘着剤層を有することを特徴とする偏光板。
  11. 保護層がセルロースアセテート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の偏光板を用いた液晶表示装置。
  13. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の偏光板を青色光源用に用いることを特徴とする液晶プロジェクター。
  14. スチルベン骨格を有するアゾ染料の一種として、少なくともシー・アイ・ダイレクトオレンジ39を含む請求項14に記載の偏光板。
  15. 偏光素子が二色性染料を含有し、該二色性染料の少なくとも一種がスルホ基で置換されたスチルベン骨格を有する水溶性アゾ染料またはその塩であり、該偏光素子の少なくとも片面に保護層を有し、該偏光素子と該保護層間に、(メタ)アクリレート化合物および重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物層を有し、かつ、該樹脂組成物の組成が、溶剤を除く該樹脂組成物の固形分の総量に対して、(メタ)アクリレート化合物を70〜99重量%、光重合開始剤を1〜10重量%及びその他の任意成分を0〜20重量%の割合で含み、かつ、(メタ)アクリレート化合物として、ビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物を、(メタ)アクリレート化合物の総量に対して、5〜40重量%含むことを特徴とする偏光板。
  16. ビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物がビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物である請求項15に記載の偏光板。
  17. ビスフェノールA骨格含有(メタ)アクリレート化合物以外の(メタ)アクリレート化合物が、(メタ)アクリロイル基を3〜6個有する(メタ)アクリレート化合物である請求項15または16に記載の偏光板。
  18. 二色性染料を含有する偏光素子の少なくとも片側に保護層を有し、該偏光素子と該保護層間に樹脂硬化物層を有することを特徴とする偏光板。
  19. 偏光素子が架橋剤を含有し、延伸された親水性高分子よりなる請求項18に記載の偏光板。
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