JP2008065222A - 重合性樹脂組成物より得られる層を設けた高耐久性偏光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
本発明は、二色性色素および架橋剤を吸着し延伸された親水性高分子より得られる偏光素膜を用いてなる偏光板に、特定の重合性樹脂組成物を硬化させて得られる層を有し、該層の厚みが0.5μm乃至10μmである層を少なくとも1層以上を設けられていることを特徴とする偏光板であり、耐久性、主に湿熱耐久性が大きく向上し、かつ、乾熱耐久性においても色変化の起こらない偏光板が得られる。液晶ディスプレイ用偏光板における高透過率、高コントラスト、かつ耐久性の高い偏光板が得られる。
【選択図】なし
Description
(1)二色性色素および架橋剤を吸着し延伸された親水性高分子より得られる偏光素膜を用いてなる偏光板に、溶剤を除く重合性樹脂組成物100重量部中、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物であって、膜厚5μmの硬化樹脂膜層とした場合の該樹脂膜層の透湿度が24時間で1500g/m2以下となる少なくとも1種以上の(メタ)アクリレート化合物(A)が30乃至98重量部と、25℃の水に対する溶解度が1重量%以下である少なくとも1種類以上の(メタ)アクリレート化合物(B)が1乃至70重量部と、重合開始剤(C)0.1〜10重量部を含有する重合性樹脂組成物を硬化させて得られる層を有し、該層の厚みが0.5〜10μmである層を少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする偏光板、
(2)前記(メタ)アクリレート化合物(B)が分子内に少なくとも水酸基を1つ以上有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(a)であることを特徴とする(1)に記載の偏光板、
(3)(メタ)アクリレート化合物(B)がジシクロペンタジエン骨格を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(b)であることを特徴とする(1)に記載の偏光板、
(4)前記(メタ)アクリレート化合物(B)のジシクロペンタジエン骨格を有する化合物(b)が、ジシクロペンタニル骨格又はジシクロペンテニル骨格と、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(3)に記載の偏光板、
(5)前記(メタ)アクリレート化合物(B)が、水酸基を1つ以上有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(a)と、ジシクロペンタジエン骨格を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(b)を、共に有し、該(メタ)アクリレート化合物(a)と(b)の含有重量比率が5:9乃至11:3である重合性樹脂組成物からなることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の偏光板、
(6)前記(メタ)アクリレート化合物(A)又は(B)が(メタ)アクリロイル基を3つ以上有し、少なくとも1種以上の該化合物が、溶剤を除く重合性樹脂組成物100重量部中に50重量部以上含有することを特徴とする重合性樹脂組成物を硬化させた層を有する(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の偏光板、
(7)前記(メタ)アクリレート化合物(A)が、ペンタエリスリトール骨格、ネオペンチルグリコール骨格、トリメチロールプロパン骨格のいずれかの骨格と、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の偏光板、
(8)重合性樹脂組成物を硬化させた層が、保護層/接着層/偏光素膜/接着層/保護層により構成される偏光板において、保護層と偏光素膜の間に少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の偏光板、
(9)重合性樹脂組成物を硬化させた層が、保護層(L)/接着層(L)/偏光素膜/接着層(M)/保護層(M)/粘着層により構成される偏光板において、保護層(L)と偏光素膜の間に少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の偏光板、
(10)重合性樹脂組成物を硬化させた層が、保護層(L)/接着層(L)/偏光素膜/接着層(M)/保護層(M)/粘着層により構成される偏光板において、保護層(L)と接着層(L)との間に、少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の偏光板、
(11)保護層(L)/接着層(L)/偏光素膜/接着層(M)/保護層(M)/粘着層により構成される偏光板において、重合性樹脂組成物を硬化させた層が、保護層(L)と接着層(L)との間と、保護層(M)と接着層(M)の間、それぞれの層の間に少なくとも1層以上づつ設けられていることを特徴とする(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の偏光板、
(12)重合性樹脂組成物が、紫外線硬化型樹脂組成物であることを特徴とする(1)乃至(11)のいずれか一項に記載の偏光板、
(13)保護層がトリアセチルセルロースであることを特徴とする(1)乃至(12)のいずれか一項に記載の偏光板、
に関する。
本願発明は、二色性色素および架橋剤を吸着し延伸された親水性高分子より得られる偏光素膜を用いてなる偏光板に、溶剤を除く重合性樹脂組成物100重量部中、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物で、膜厚5μmの硬化樹脂膜層とした場合の該樹脂膜層の透湿度が24時間で1500g/m2以下となる少なくとも1種以上の(メタ)アクリレート化合物(A)が30乃至98重量部と、25℃の水に対する溶解度が1重量%以下である少なくとも1種類以上の(メタ)アクリレート化合物(B)が1乃至70重量部と、重合開始剤(C)0.1〜10重量部を含有する重合性樹脂組成物を硬化させて得られる層を有し、該層の厚みが0.5〜10μmである層を少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする偏光板に関するものである。
表1 (メタ)アクリロイル基を有する化合物を塗膜にした時の透湿度
この結果から、ジエチレングリコールジアクリレート、ならびにポリエチレングリコール400ジアクリレートなどは透湿度が高い。
表2 (メタ)アクリロイル基を有する化合物の溶解度 (g/100ml水)
表2から分かるように、ブタンジオールモノアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ビニルアセテート、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール400ジアクリレート又はポリエチレングリコール200ジアクリレートの25℃の水に対する溶解度は1重量%以上である。これらのような(メタ)アクリレート化合物を用いてしまうと、硬度、密着性、偏光板の耐久性を向上するには至らない。
厚みが75μm、重合度2400、けん化度99%以上のポリビニルアルコール系フィルム(クラレ社製VF−XS)を40℃の温水で膨潤させた後、ヨウ素、ヨウ化カリウムおよびホウ酸を含有した水溶液で染色を行った。染色されたフィルムをホウ酸を3重量%含有している溶液中で5倍に延伸し、延伸後、ヨウ化カリウムを5重量%含有する水溶液に浸漬した。ヨウ化カリウム水溶液に15秒浸漬したフィルムを、70℃の乾燥機にて10分間乾燥し、偏光素膜とした。得られた偏光素膜は、保護層としてトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム社製 TD−80UF、以下TACと省略する)をPVA系接着剤を用いて両面にラミネートし、偏光板とした。
実施例1において重合性樹脂組成物をペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製 カヤラッド PET-30)60重量部、ジシクロペンテニルエチルメタクリレート(日立化成社製 FA-512M)30重量部、イルガキュアー184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)5重量部に変えて、ジシクロペンテニル骨格を含む重合性樹脂組成物によって得られる層を有する本発明の偏光板を得た以外は、すべて同様にして偏光板を作製し、湿熱試験および乾熱試験での耐久性を確認した。
実施例1において重合性樹脂組成物をジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製 カヤラッド DPHA)50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製 カヤラッド PET-30)30重量部、ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成社製 FA-513A)20重量部、イルガキュアー184(チバスペシャリティーケミカルズ製)5重量部に変えて、重合性樹脂組成物によって得られる層を有する本発明の偏光板を得た以外は、すべて同様にして偏光板を作製し、湿熱試験および乾熱試験での耐久性を確認した。
トリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム社製 TD−80UF)に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製 カヤラッド DPHA)50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製 カヤラッド PET-30)30重量部、ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成社製 FA-513A)20重量部、イルガキュアー184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)5重量部を膜厚3μmになるように塗工し、空気中で紫外線を高圧水銀灯(積算光量400mJ/cm2)で照射し、重合性樹脂組成物によって得られる層を有する透明保護フィルムを作製した。その層表面にpH11のアルカリ水溶液を10分間接触させ、層表面の水との接触角は80°から57.2°へ低下させた。その重合性樹脂組成物を硬化させた層を、接着剤を用いて偏光素子と接着させ、構成がTAC/重合性樹脂組成物を硬化させた層/接着剤層/偏光素膜/接着剤層/TACとなる偏光板を得た。その偏光板を40mmx40mmにカットし粘着剤(日本化薬社製 PTR-3000)を介して1mmのガラス板と貼り合わせて、TAC/重合性樹脂組成物を硬化させた層/接着剤層/偏光素膜/接着剤層/TAC/粘着層/ガラスとなる構成で、湿熱試験および乾熱耐久性を確認した。
実施例4において、偏光素膜の両側に重合性樹脂組成物を硬化させた層を設け、TAC/重合性樹脂組成物を硬化させた層/接着剤層/偏光素膜/接着剤層/重合性樹脂組成物を硬化させた層/TACという構成の偏光板を得た以外は同様にサンプル作製を行い、湿熱試験および乾熱試験を確認した。
実施例3において、加熱により溶剤を除去後の膜厚が1μmとなるようにし、硬化させて本発明の重合性樹脂組成物によって得られる層を有する偏光板を得た以外は同様にサンプル作製を行い、湿熱試験および乾熱試験を確認した。
実施例3において、加熱により溶剤を除去後の膜厚が9μmとなるようにし、硬化させて本発明の重合性樹脂組成物によって得られる層を有する偏光板を得た以外は同様にサンプル作製を行い、湿熱試験および乾熱試験を確認した。
実施例1において、重合性樹脂組成物によって得られる層を設けない以外は同様にして、湿熱試験、および乾熱試験での耐久性を確認した。
実施例1において、重合性樹脂組成物をジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製 カヤラッド DPHA)100重量部、イルガキュアー184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)5重量部を撹拌混合し、本発明の条件を満たしていない重合性型樹脂組成物よりなる層を偏光板に設けた以外は同様にして湿熱試験および乾熱試験での耐久性を確認した。
実施例1において、重合性組成物をポリエチレングリコールジアクリレート(日本化薬社製 カヤラッド PEG-400DA)50重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬社製 カヤラッド PET-30)50重量部、イルガキュアー184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)5重量部を撹拌混合し、本発明の条件を満たしていない重合性樹脂組成物よりなる層を偏光板に設けた以外は同様にして湿熱試験および乾熱試験での耐久性を確認した。
実施例1において、加熱により溶剤を除去後の膜厚が20μmとなるようにし、溶剤を乾燥後、空気中で高圧水銀灯(積算光量400mJ/cm2を照射させて硬化させて、本発明の条件を満たしていない重合性樹脂組成物より得られる層の厚みを有する偏光板を得た以外は、すべて同様にして偏光板を作製し、湿熱試験および乾熱試験での耐久性を確認した。
特開2003−185842 実施例1に従い、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素およびホウ酸を吸着し、5倍延伸された偏光素膜の表面にジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(日立化成社製 FA-512M)100重量部、D1173(メルク社製 重合開始剤)5重量部を重合性硬化物層の厚みが20μmになるように塗工し、メタルハライドランプにより紫外線を400mJ/m2照射して硬化させて得られる偏光板を作製し、湿熱試験および乾熱試験での耐久性を確認した。
実施例3において、加熱により溶剤を除去後の膜厚が0.3μmとなるようにし、硬化させて本発明の重合性樹脂組成物によって得られる層を有する偏光板を得た以外は同様にサンプル作製を行い、湿熱試験および乾熱試験を確認した。
Claims (13)
- 二色性色素および架橋剤を吸着し延伸された親水性高分子より得られる偏光素膜を用いてなる偏光板に、溶剤を除く重合性樹脂組成物100重量部中、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物であって、膜厚5μmの硬化樹脂膜層とした場合の該樹脂膜層の透湿度が24時間で1500g/m2以下となる少なくとも1種以上の(メタ)アクリレート化合物(A)が30乃至98重量部と、25℃の水に対する溶解度が1重量%以下である少なくとも1種類以上の(メタ)アクリレート化合物(B)が1乃至70重量部と、重合開始剤(C)0.1〜10重量部を含有する重合性樹脂組成物を硬化させて得られる層を有し、該層の厚みが0.5〜10μmである層を少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする偏光板。
- 前記(メタ)アクリレート化合物(B)が分子内に少なくとも水酸基を1つ以上有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(a)であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
- (メタ)アクリレート化合物(B)がジシクロペンタジエン骨格を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(b)であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
- 前記(メタ)アクリレート化合物(B)のジシクロペンタジエン骨格を有する化合物(b)が、ジシクロペンタニル骨格又はジシクロペンテニル骨格と、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である請求項3に記載の偏光板。
- 前記(メタ)アクリレート化合物(B)が、水酸基を1つ以上有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(a)と、ジシクロペンタジエン骨格を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を1つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(b)を、共に有し、該(メタ)アクリレート化合物(a)と(b)の含有重量比率が5:9乃至11:3である重合性樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の偏光板。
- 前記(メタ)アクリレート化合物(A)又は(B)が(メタ)アクリロイル基を3つ以上有し、少なくとも1種以上の該化合物が、溶剤を除く重合性樹脂組成物100重量部中に50重量部以上含有することを特徴とする重合性樹脂組成物を硬化させた層を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の偏光板。
- 前記(メタ)アクリレート化合物(A)が、ペンタエリスリトール骨格、ネオペンチルグリコール骨格、トリメチロールプロパン骨格のいずれかの骨格と、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の偏光板。
- 重合性樹脂組成物を硬化させた層が、保護層/接着層/偏光素膜/接着層/保護層により構成される偏光板において、保護層と偏光素膜の間に少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の偏光板。
- 重合性樹脂組成物を硬化させた層が、保護層(L)/接着層(L)/偏光素膜/接着層(M)/保護層(M)/粘着層により構成される偏光板において、保護層(L)と偏光素膜の間に少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の偏光板。
- 重合性樹脂組成物を硬化させた層が、保護層(L)/接着層(L)/偏光素膜/接着層(M)/保護層(M)/粘着層により構成される偏光板において、保護層(L)と接着層(L)との間に、少なくとも1層以上設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の偏光板。
- 保護層(L)/接着層(L)/偏光素膜/接着層(M)/保護層(M)/粘着層により構成される偏光板において、重合性樹脂組成物を硬化させた層が、保護層(L)と接着層(L)との間と、保護層(M)と接着層(M)の間、それぞれの層の間に少なくとも1層以上づつ設けられていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の偏光板。
- 重合性樹脂組成物が、紫外線硬化型樹脂組成物であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の偏光板。
- 保護層がトリアセチルセルロースであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の偏光板。
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