JPWO2010061894A1 - カプセル型医療装置誘導システム - Google Patents
カプセル型医療装置誘導システム Download PDFInfo
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Abstract
Description
F=|Mcap−Vcap×ρliq|×G+Fdis …(1)
で示される。なお、鉛直下方向誘導時に誘導に必要な力Fdownと、鉛直上方向に必要な力Fupとに分けることができ、各力Fdown,Fupは、
Fdown=|(Vcap×ρliq−Mcap)×G+Fdis| …(2)
Fup =|(Mcap−Vcap×ρliq)×G+Fdis| …(3)
で示される(図4参照)。ここで、Mcapは、カプセル本体2の質量であり、Vcapは、カプセル本体2の体積であり、ρliqは、胃1a内の液体40の密度であり、Gは、重力加速度であり、Fdisは、カプセル本体2の誘導方向に依存しない抗力である。
SM=K×F/Mmag …(4)
で示される。なお、Mmagは、カプセル本体2内の永久磁石24の質量である。すなわち、式(4)から、磁界発生装置20のサイズSMは、永久磁石24の質量Mmagの大きさに相関があることを示している。ここで、磁界発生装置20のサイズSMは、鉛直下方向誘導時のサイズSMdownと、鉛直上方向誘導時のサイズSMupとに分けることができ、
SMdown=K×|(Vcap×ρliq−Mcap)×G+Fdis|/Mmag …(5)
SMup =K×|(Mcap−Vcap×ρliq)×G+Fdis|/Mmag …(6)
と表すことができる。そこで、磁界発生装置20のサイズSMdown,SMupと、永久磁石24のサイズVmagとの関係について考察する。サイズVmagは、永久磁石24の密度をρmagとすると、
Vmag=Mmag/ρmag
と表すことができる。したがって、永久磁石24のサイズVmagは、永久磁石24の質量Mmagから決定することができる。また、永久磁石24を除いたカプセル本体2が液体40に浮くことを条件とする。すなわち、カプセル本体2は、
Vcap×ρliq>Mcap−Mmag …(7)
を満足するものとする。
まず、図4に示すように液体40内でのカプセル本体2にかかる鉛直方向の力関係をもとに、永久磁石24の質量Mmag(体積Vmag、以下「サイズVmag」と記載する。)と磁界発生装置20のサイズSMdown,SMupとを変数とし、永久磁石24のサイズVmagを除くカプセル本体2の質量(Mcap+Mmag)、カプセル本体2の体積Vcap、液体40の密度ρliqを定数として考察した。なお、永久磁石24のサイズVmag(質量Mmag)は、図5−1に示すように、カプセル本体2内で増大することができる。ただし、永久磁石24が格納されるサイズ(質量)は、定数であり、予め最大領域25に相当する最大容積Vmaxmag(最大質量Mmaxmag)まで確保される。この場合、永久磁石24を除くカプセル本体2の質量(Mcap−Mmag)は、上述したように定数となり、この定数をMcap-magとおく。このとき、
SMdown=K×|(Vcap×ρliq−(Mcap-mag+Mmag))×G+Fdis|/Mmag
=K×|−G+((Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G+Fdis)/Mmag|
…(8)
SMup =K×|((Mcap-mag+Mmag)−Vcap×ρliq)×G+Fdis|/Mmag
=K×|G+((Mcap-mag−Vcap×ρliq)×G+Fdis)/Mmag|
…(9)
と表せる。
(K/Mmagの係数)=(Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G+Fdis>0
…(10)
したがって、SMdown=f(Mmag)のグラフは、図5−2〜図5−4に示すように、第1象限、第3象限の反比例のグラフに対して、SMdown軸方向に−KG平行移動したものに絶対値の処理を行った(SMdown<0の領域を、SMdown>0の領域に反転する)グラフとなる。
条件1:(Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G>Fdisのとき
(K/Mmagの係数)=(Mcap-mag−Vcap×ρliq)×G+Fdis<0
…(11)
このとき、SMup=f(Mmag)のグラフは、図5−2に示すように、第2象限、第4象限の反比例のグラフに対してSMup軸方向にKG平行移動したものに絶対値の処理を行った(SMup<0の領域をSMup>0の領域に反転する)グラフとなる。
条件2:(Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G=Fdisのとき
(K/Mmagの係数)=(Mcap-mag−Vcap×ρliq)×G+Fdis=0
…(12)
このとき、SMup=KGとなり、そのグラフは、図5−3に示すようになる。
条件3:(Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G<Fdisのとき
(K/Mmagの係数)=(Mcap-mag−Vcap×ρliq)×G+Fdis>0
…(13)
このとき、SMup=f(Mmag)のグラフは、図5−4に示すように、第1象限、第3象限の反比例のグラフに対して、SMup軸方向にKG平行移動したものに絶対値の処理を行った(SMup<0の領域をSMup>0の領域に反転する)グラフとなる。
(SMdownの絶対値内)
=−G+((Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G+Fdis)/Mmag
≦0
((Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G+Fdis)≦Mmag×G
Fdis≦(Mmag+Mcap-mag−Vcap×ρliq)×G
Fdis≦(Mcap−Vcap×ρliq)×G
したがって、鉛直上方向に発生する力が次式を満たすことになる。
Fup =|(Mcap−Vcap×ρliq)×G+Fdis|
≦2×(Mcap−Vcap×ρliq)×G
…(14)
よって、磁界発生装置20がカプセル本体2に鉛直上方向に発生する力が、カプセル本体2の質量と、カプセル本体2の体積と液体40の密度との積(カプセル本体2に発生する浮力)との差の2倍に重力加速度を乗算した値以下となるように、永久磁石24のサイズを設定することが望ましい。
ここで、永久磁石24が領域26(容積Va>Vmaxmag)を占めるように永久磁石24のサイズVmagが永久磁石24の最大容積Vmaxmagを超えて設置する場合、図6に示すように、永久磁石24のサイズVmagを大きくするに従って、カプセル本体2の体積Vcapを大きくすることが好ましい。この場合、各条件1〜3のいずれも、体積Vcapを大きくすることによって、最大容積Vmaxmagを超えると、曲線L1,L2,L3から曲線L1a,L2a,L3aのように、磁界発生装置20のサイズSMを小さくすることができる。このように、カプセル本体2のサイズVcapを大きくし、永久磁石24のサイズVmagを大きくすることによって、磁界発生装置20のサイズSMを小さくすることができる。特に、カプセル本体2を経肛門で大腸を検査する場合、大きなサイズのカプセル本体2を適用することができ、この場合に用いる磁界発生装置20を小型化することができる。
ここで、条件1の場合とは、カプセル本体2の浮力と、永久磁石24を除いた場合のカプセル本体2の重力との差に対して、液体中での抵抗が小さい場合を意味する。このような条件下でカプセル本体2を誘導する抗力Fdisの大きさは、比較的小さい。たとえば、液体の抵抗、カプセル本体の密度のばらつき、体位変換での液体の揺れ、心拍・呼吸などによる揺れなどによって発生する抗力Fdisである。
F=Fdis=0.03×Vcap×ρliq×G
となる。ここで、液体の密度が約1g/cm3(0.9〜1.1g/cm3)で、経口導入のカプセル本体2の場合、
F<0.03×(0.752×3.14×4.00)×1.10×9.81
=2.3(mN)
となり、非常に小さな力Fで、カプセル本体2を誘導できるため、磁界発生装置20を小型化できる。さらに、カプセル本体2の密度の誤差を±1%程度に抑えることで、誘導に必要な力Fを1/3程度に小さくし、磁界発生装置20を小型化することができる。ただし、動作の安全率を考慮し、誘導に必要な力Fの1.1〜2倍程度の力が発生できる磁界発生装置にしてもよい。
1)経口して噴門部と胃と必要に応じて十二指腸、小腸、大腸とを検査する場合
この場合、まず側臥位でカプセル本体2を嚥下し、噴門部で一時的にカプセル本体2を呈しさせ、噴門部の画像を取得する。その後、カプセル本体2を胃に落下させる。その後、水、発泡剤を摂取して胃を拡張させる。なお、発泡剤の摂取は、カプセル本体2の嚥下前に行ってもよい。その後、カプセル本体2に対する胃内の液中での誘導と被検体の体位変換とを行って、カプセル本体2によって胃全体を観察する。その後、カプセル本体2を幽門部近傍に誘導し、幽門部の蠕動運動によってカプセル本体2を十二指腸に送出する。その後、蠕動運動を用いて、十二指腸以降の腸管の画像を取得する。
2)経肛門で大腸を検査する場合
この場合、まず、経口あるいは経肛門によって大腸の蠕動運動を抑制させる蠕動抑制剤を投与しておくことが好ましい。その後、経肛門でカプセル本体2と液体とを導入する。なお、等腸液などの液体は、事前に経口で導入しておいてもよい。その後、カプセル本体2を液中で拡張された大腸内を誘導し、さらに体位変換を行って、カプセル本体2によって大腸の観察を行う。なお、経肛門で導入されるカプセル本体2は、直径20mm×長さ40mm以下のサイズであることが好ましい。すなわち、大腸を容易に通過できる直径で、肛門に戻ることができる長さであることが好ましい。
一方、条件2,3の場合、カプセル本体2の浮力と、永久磁石24を除いたカプセル本体2の重力との差に対して、液中での抗力Fdisが等しいか大きい場合である。この場合、カプセル本体2の永久磁石24のサイズVmagを、Vcap×ρliq<Mcapを満足するように設定し、カプセル本体2内に、できるかぎり大きなサイズの永久磁石24を設置することが好ましい。特に、条件2の場合、永久磁石24のサイズVmagを大きくしても、磁界発生装置20のサイズSMは変わらないが、他の方向、たとえば水平方向に発生する力を考慮すると、永久磁石24のサイズVmagは、大きい方が好ましい。
1)経口で導入され、食道を誘導で観察する場合
2)経口で導入され、胃を観察後、幽門を誘導で通過させる場合
3)経口で導入され、小腸を誘導で観察する場合
4)経口で導入され、大腸を誘導で観察する場合
5)経肛門で導入され、大腸を誘導で観察する場合
である。
なお、磁界発生装置20の磁界発生部を被検体1の下部にのみ配置し、被検査者を磁界発生装置20で覆わないようにすると、被検査者の閉塞感を取り除くとともに、検査者が被検査者にアプローチし易くなる。
つぎに、カプセル本体2を、被検体1に導入した液体40内で、鉛直方向に誘導する場合、カプセル本体2の自重、浮力以外にも抗力が発生するが、この抗力が鉛直上方向のみに発生する場合を考える。この場合に、誘導に必要な力Fは、図9を参照して、鉛直下方向誘導時に誘導に必要な力Fdownと、鉛直上方向に必要な力Fupとに分けることができ、
Fdown=|(Vcap×ρliq−Mcap)×G+Fdis|
…(15)
Fup =|(Mcap−Vcap×ρliq)×G|
…(16)
と表すことができる。なお、この鉛直上方向に発生する抗力としては、液面での表面張力や、幽門を下にした体位での幽門通過時の力などがある。
SMdown=K×|(Vcap×ρliq−Mcap)×G+Fdis|÷Mmag
…(17)
SMup =K×|(Mcap−Vcap×ρliq)×G|÷Mmag
…(18)
と表すことができる。なお、この場合も、永久磁石24を除いたカプセル本体2が液体40に浮くことを条件とする、式(7)を満足するものとする。この場合における永久磁石24のサイズVmag(質量Mmag)に対する磁界発生装置20のサイズSMの関係は、図10に示すように、鉛直上方向誘導時の曲線L21と鉛直下方向誘導時の曲線L22とによって示され、誘導の方向性によって異なった特性曲線を示す。
K×|(Vcap×ρliq−Mcap)×G+Fdis|÷Mmag
=K×|(Mcap−Vcap×ρliq)×G|÷Mmag …(19)
から、Fdis=2(Mcap−Vcap×ρliq)×G を求めることができる。したがって、カプセル本体2にかかる重力と浮力との差の2倍が、磁界発生装置がカプセル本体2に鉛直上方向に発生する抗力と等しくなるように、カプセル本体2の永久磁石24のサイズVmagを設定することによって、磁界発生装置20のサイズSMを最小化することができる。すなわち、曲線L21と曲線L22の磁界発生装置20のサイズSMが大きい曲線部分の合成曲線に対して最小値を求めることができる。このときの永久磁石24の最適サイズは、図10に示したサイズV3であり、曲線L21と曲線L22との交点の値である。また、磁界発生装置20がカプセル本体2に発生する鉛直上下方向の力は、カプセル本体2の質量と、カプセル本体2の体積と液体40の密度との積(カプセル本体2に働く浮力)との差となる。
ここで、鉛直上方向にのみ発生する抗力下で、カプセル本体2を誘導できるアプリケーションとしては、つぎのような検査が挙げられる。
1)抗力が液体の表面張力の場合であって、噴門部と胃と必要に応じて十二指腸,小腸,大腸とを検査する場合
この場合、まず側臥位でカプセル本体2を嚥下し、噴門部で一時的にカプセル本体2を呈しさせ、噴門部の画像を取得する。その後、カプセル本体2を胃に落下させる。その後、水、発泡剤を摂取して胃を拡張させる。なお、発泡剤の摂取は、カプセル本体2の嚥下前に行ってもよい。その後、カプセル本体2に対する胃内の液中での誘導と被検体の体位変換とを行って、カプセル本体2によって胃全体を観察する。その後、カプセル本体2を幽門部近傍に誘導し、幽門部の蠕動運動によってカプセル本体2を十二指腸に送出する。その後、蠕動運動を用いて、十二指腸以降の腸管の画像を取得する。
この検査で、幽門通過時に、体位を右側臥位にし、下方向に幽門の通過に必要な力を発生させることで、能動的に幽門を通過する。この幽門の通過に必要な力は、100mN程度である。この場合、蠕動運動で幽門部を通過させる場合よりも、短時間で確実にカプセル本体2を十二指腸に導入することができる。また、これによって、カプセル本体2の電池寿命内に、胃観察後の十二指腸以降の腸管を一層多く観察することができる。
つぎに、カプセル本体2の鉛直方向誘導時に、発生する方向に方向性がない抗力Fdis1と、鉛直上方向にのみ働く抗力Fdis2とが共存する場合に、カプセル本体2を誘導するために必要な磁界発生装置20のサイズSMは、鉛直下方向誘導時のサイズSMdownと、鉛直上方向誘導時のサイズSMupとに分けることができ、
SMdown=K×(|(Vcap×ρliq−Mcap)×G+Fdis1+Fdis2|)÷Mmag …(20)
SMup =K×|(Mcap−Vcap×ρliq)×G+Fdis1|÷Mmag …(21)
と表すことができる。なお、この場合も、永久磁石24を除いたカプセル本体2が液体40に浮くことを条件とする、式(7)を満足するものとする。
条件1:(Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G>Fdis1
条件2:(Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G=Fdis1
条件3:(Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G<Fdis1
に場合分けされる。この結果、図11−1〜図11−3に示すような結果になる。
K×|(Vcap×ρliq−Mcap)×G+Fdis2|÷Mmag
=K×|(Mcap−Vcap×ρliq)×G|÷Mmag
から、
Fdis2=2(Mcap−Vcap×ρliq)×G
…(22)
を求めることができる。したがって、カプセル本体2にかかる重力と浮力との差の2倍が、磁界発生装置20がカプセル本体2に鉛直上方向に発生する抗力と等しくなるように、カプセル本体2の永久磁石24のサイズVmagを設定することによって、磁界発生装置20のサイズSMを最小化することができる。すなわち、曲線L31と曲線L32の磁界発生装置20のサイズSMが大きい曲線部分の合成曲線L30に対して最小値を求めることができる。このときの永久磁石24の最適サイズは、図11−1に示したサイズV4であり、曲線L31と曲線L32との交点の値である。
Fdown=Fup
=|(Mcap−Vcap×ρliq)×G+Fdis1|
<|(Mcap−Vcap×ρliq)×G+(Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G|
=Mmag×G
…(23)
よって、鉛直上下方向の力が、永久磁石24の質量と重力加速度との積よりも小さくなるように設定される。
K×|(Vcap×ρliq−Mcap)×G+Fdis2|÷Mmag
≦K×|(Mcap−Vcap×ρliq)×G|÷Mmag
から、
Fdis2≦2(Mcap−Vcap×ρliq)×G
…(24)
であれば、磁界発生装置20のサイズSMを小さくすることができる。このとき、磁界発生装置20がカプセル本体2に発生する鉛直上方向の力の最大値は、鉛直下方向の力の最大値よりも大きくなり、その値は、下記の式で表される。
Fup=Mmag×G
…(25)
よって、鉛直上下方向の力が、永久磁石24の質量と重力加速度との積が等しくなるように設定される。
Fdis2≦2(Mcap−Vcap×ρliq)×G
…(26)
となるように、永久磁石24が設定される。このとき、磁界発生装置20がカプセル本体2に発生する鉛直上方向の力の最大値は、鉛直下方向の力の最大値よりも大きくなり、その値は、下記の式を満たす。
Fup≧Mmag×G
…(27)
よって、鉛直上下方向の力が、永久磁石24の質量と重力加速度との積以上になるように設定される。
(SMdownの絶対値内)
=−G+((Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G+Fdis1+Fdis2)/Mmag
≦0
((Vcap×ρliq−Mcap-mag)×G+Fdis1+Fdis2)≦Mmag×G
Fdis1+Fdis2≦(Mmag+Mcap-mag−Vcap×ρliq)×G
Fdis1+Fdis2≦(Mcap−Vcap×ρliq)×G
ここで、Fdis2>0 より、
Fdis1≦(Mcap−Vcap×ρliq)×G
…(28)
したがって、鉛直上方向に発生する力が次式を満たすことになる。
Fup =|(Mcap−Vcap×ρliq)×G+Fdis1|
≦|(Mcap−Vcap×ρliq)×G+(Mcap−Vcap×ρliq)×G|
≦2×(Mcap−Vcap×ρliq)×G
…(29)
よって、磁界発生装置20がカプセル本体2に鉛直上方向に発生する力が、カプセル本体2の質量と、カプセル本体2の体積と液体40の密度との積(カプセル本体2に発生する浮力)との差の2倍に重力加速度を乗算した値以下となるように、永久磁石24のサイズを設定することが望ましい。
図12は、検査に対応して最適化されたカプセル本体の誘導を行うカプセル型医療装置誘導システムの構成を示す模式図である。このカプセル型医療装置誘導システム11は、被検体1の内部にカプセル型医療装置(カプセル本体)2を導入し、この被検体1内部のカプセル本体2を誘導しつつ、体内画像を取得し、あるいは体内組織などを採取するものである。このシステムは、被検体1の体表上に配置した複数のアンテナ3aを介して被検体1内部のカプセル本体2と無線通信を行う通信部3と、カプセル本体2によって撮像された被検体1の体内画像等の各種情報を表示する表示部4と、被検体1内部のカプセル本体2を誘導するための磁界を発生する磁界発生部5と、磁界発生部5に電力を供給する電力供給部6と、磁界発生部5を移動させる移動部7と、導入されるカプセル本体2の種別などの各種情報を入力する入力部8と、被検体1の体内画像等の各種情報を記憶する記憶部9と、被検体1内部のカプセル本体2の位置を検出する位置検出装置12と、位置検出装置12が用いる磁界の駆動を行う駆動部13と、上記各構成部を制御する制御部10とを備える。
C−1)カプセル種別:密度が約1g/cm3,サイズ(小)
検査内容:食道(噴門部)および胃の観察(幽門部は蠕動運動で通過)
最大磁界(磁界発生装置サイズ):小
C−2)カプセル種別:密度が約1g/cm3よりも大きく、サイズ(小)
検査内容:食道(噴門部)、胃、十二指腸の観察(幽門部は誘導で通過)
最大磁界(磁界発生装置サイズ):中
C−3)カプセル種別:密度が約1g/cm3よりも大きく、サイズ(小)
検査内容:全消化管の観察(誘導)
最大磁界(磁界発生装置サイズ):大
C−4)カプセル種別:サイズ(大)
検査内容:特定なし
最大磁界(磁界発生装置サイズ):小
C−5)カプセル種別:サイズ(大)
検査内容:大腸検査
最大磁界(磁界発生装置サイズ):大
2 カプセル本体
3 通信部
3a アンテナ
4 表示部
5 磁界発生部
6 電力供給部
7 移動部
8 入力部
9 記憶部
10 制御部
10a 画像処理部
10b 位置算出部
10c 磁界発生制御部
10d 制御テーブル
11 カプセル型医療装置誘導システム
12 位置検出装置
13 駆動部
20 磁界発生装置
21 撮像部
22 制御回路
23 電源
32 ベッド
24 永久磁石
40 液体
Claims (14)
- 前記被検体内に導入され、永久磁石を備えて流体内で前記被検体内の検査または処置を行うカプセル本体と、
前記被検体外に設けられ、前記永久磁石に対して磁気引力を発生し、前記カプセル本体を誘導する磁界発生装置と、
前記永久磁石を除く前記カプセル本体の質量が、前記カプセル本体の体積と前記流体の密度との積よりも小さく、
前記磁界発生装置は、該磁界発生装置が前記カプセル本体に鉛直上方向に発生する磁気引力の最大値と鉛直下方向に発生する磁気引力の最大値とを等しくし、前記鉛直上下方向に発生する磁気引力の最大値を、前記永久磁石の質量に重力加速度を乗算した値よりも小さくして前記カプセル本体を誘導することを特徴とするカプセル型医療装置誘導システム。 - 前記被検体内に導入され、永久磁石を備えて前記流体内で前記被検体内の検査または処置を行うカプセル本体と、
前記被検体外に設けられ、前記永久磁石に対して磁気引力を発生し、前記カプセル本体を誘導する磁界発生装置と、
前記永久磁石を除く前記カプセル本体の質量が、前記カプセル本体の体積と前記流体の密度との積よりも小さく、
前記磁界発生装置は、該磁界発生装置が前記カプセル本体に鉛直上方向に発生する磁気引力の最大値を、鉛直下方向に発生する磁気引力の最大値以上にし、前記鉛直上下方向に発生する磁気引力の最大値を、前記永久磁石の質量に重力加速度を乗算した値以上にして前記カプセル本体を誘導することを特徴とするカプセル型医療装置誘導システム。 - 前記カプセル本体の前記流体に対する比重が略1であることを特徴とする請求項1に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記カプセル本体の前記流体に対する比重が1より大きいことを特徴とする請求項1に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記カプセル本体の前記流体に対する比重が1より大きいことを特徴とする請求項2に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記磁界発生装置は、前記カプセル本体に鉛直上方向に発生する力の最大値を、前記カプセル本体の質量と、前記カプセル本体の体積と前記流体の密度との積との差の2倍に重力加速度を乗算した値以下にして前記カプセル本体を誘導することを特徴とする請求項5に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記カプセル本体は、被検体内に経口で摂取され、経口で摂取され一時的に胃に溜められた前記流体の中で前記磁界発生装置が発生する磁界によって誘導されることを特徴とする請求項1に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記カプセル本体は、被検体内に経肛門で導入され、経口もしくは経肛門で摂取され一時的に大腸に溜められた前記流体の中で前記磁界発生装置が発生する磁界によって誘導されることを特徴とする請求項1に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記カプセル本体は、被検体内に経口で摂取され、食道、胃幽門部、十二指腸、小腸、大腸のいずれかの中で前記磁界発生装置が発生する磁界によって誘導されることを特徴とする請求項2に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記カプセル本体は、被検体内に経肛門で導入され、大腸の中で前記磁界発生装置が発生する磁界によって誘導されることを特徴とする請求項2に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記被検体内に導入され、永久磁石を備えて前記流体内で前記被検体内の検査または処置を行うカプセル本体と、
前記被検体外に設けられ、前記永久磁石に対して磁気引力を発生し、前記カプセル本体を誘導する磁界発生装置と、
前記永久磁石を除く前記カプセル本体の質量が、前記カプセル本体の体積と前記流体の密度との積よりも小さく、
前記カプセル本体は、前記永久磁石の大きさ、前記カプセル本体の体積、前記カプセル本体の形状のいずれかが異なる複数の種類の複数のカプセル本体からなり、
前記カプセル本体の種類を入力する入力部を備え、
前記磁界発生装置は、前記入力部によって入力されたカプセル本体の種類に応じて前記カプセル本体に発生する最大磁気引力を変更する磁界発生制御部を備えたことを特徴とするカプセル型医療装置誘導システム。 - 前記磁界発生制御部は、鉛直上方向に発生する磁気引力の最大値と鉛直下方向に発生する磁気引力の最大値とを等しくし、前記鉛直上下方向に発生する磁気引力の最大値が、前記永久磁石の質量に重力加速度を乗算した値よりも小さくなるように、磁気引力の最大値を設定して制御することを特徴とする請求項11に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記磁界発生制御部は、鉛直上方向に発生する磁気引力の最大値を鉛直下方向に発生する磁気引力の最大値以上にし、前記鉛直上下方向に発生する磁気引力の最大値が、前記永久磁石の質量に重力加速度を乗算した値以上となるように、磁気引力の最大値を設定して制御することを特徴とする請求項11に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
- 前記磁界発生制御部は、鉛直上方向に発生する力の最大値が、前記入力部に入力されたカプセル本体の種類の該カプセル本体の質量と、該カプセル本体の体積と前記流体の密度との積との差の2倍に重力加速度を乗算した値以下となるように、磁気引力の最大値を設定して制御することを特徴とする請求項11に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
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