JPWO2010052828A1 - 非虚血性心筋障害に対する医薬 - Google Patents

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Abstract

非虚血性心筋障害に対する有効な医療手段(治療又は予防手段)を提供することを課題とする。(1)ミッドカインタンパク質又は(2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクターを有効成分として含む、非虚血性心筋障害に対する医薬が提供される。また、当該医薬を用いた、非虚血性心筋障害に対する予防又は治療法が提供される。

Description

本発明は非虚血性心筋障害に対する医薬及びその用途に関する。
ミッドカイン(以下、「MK」と略称する)は分子量13kDaの塩基性タンパク質であり、神経突起伸長作用、細胞増殖、細胞遊走、血管新生、炎症の誘導、線維素溶解など多面的活性を有する(非特許文献1〜4)。がんや炎症性疾患など、様々な疾患へのMKの関与が報告されている(非特許文献5、6)。
心筋虚血再灌流障害に対するMKの作用・効果が検討された(特許文献1)。その結果、急性期における心筋障害進行の抑制を抗アポトーシス作用によってMKが抑制することが示された。また、虚血再還流後の慢性期においてはMK蛋白の持続投与により血管新生が促進され、心機能改善に寄与している事が証明された。このように心筋虚血再灌流障害に対してMKが有効であることが示された。
国際公開第2006/062087号パンフレット
Journal of Biochemistry 192: 359-371 2002 Journal of Biochemistry 119: 1150-1156 1996 Journal of Clinical Investigation 105: 489-495 2000 Journal of Immunology 167: 3463-3469 Cancer letters 204: 127-143 2004 Oncology 57: 253-257 1999 Clinical Research in Cardiology 96: 469-480 2007 Proceeding of the National Academy of Sciences USA 105 (10):3915-3920, 2008
心筋障害には、虚血性心筋障害の他、心筋症や弁膜症或いは拡張型心筋症といった非虚血性の心筋障害が含まれる。虚血性心筋障害と非虚血性心筋障害では病態ないし症状が異なることは勿論のこと、発症機構に大きな隔たりがある。また、非虚血性心筋障害の発症機構については未解明の部分が多く、このことが非虚血性心筋障害に対する有効な治療法の確立を妨げる大きな足枷となっている。
ところで、非虚血性心筋障害の一つである拡張型心筋症では、T細胞による自己免疫の抑制により、障害進行が抑制されると言われている(非特許文献7)。一方、MKを抑制すると活性化T細胞が増加し、自己免疫性の脳脊髄炎が抑制されることが報告された(非特許文献8)。これら二つの報告を総合すると、拡張型心筋症においても、MKの抑制が有効な治療戦略になると予想される。
現在、非虚血性心筋障害に対する有効な根治的治療法はない。そのため、臓器移植に頼らざるを得ないが、慢性的にドナー不足であることや患者への過度の負担を強いることなど解決すべき問題は多く、有効な治療法の創出が切望されている。このような状況の中、本発明は非虚血性心筋障害に対する有効な医療手段(治療又は予防手段)を提供することを課題とする。
本発明者らはMKの多様な生理活性に注目し、非虚血性心筋障害の動物モデルを用いてMKの作用を検討した。その結果、MKの投与によって非虚血性心筋障害の症状が改善した。即ち、MKを抑制するのではなく、MKを増強することが非虚血性心筋障害の治療に有効であることが判明した。即ち、「拡張型心筋症においても、MKの抑制が有効な治療戦略になる」との予想に反する意外な知見がもたらされ、非虚血性心筋障害に対する治療法の確立への途が拓かれた。また、後述の実施例の欄に言及した通り、以下の知見、即ち、薬剤誘発性の拡張型心筋症に対してMKが有効であること、及び不整脈に起因する拡張型心筋症に対してMKが有効であること、がもたらされた。本発明は以上の成果に基づくものであり、次の通りである。
[1]以下の(1)又は(2)を有効成分として含む、非虚血性心筋障害に対する医薬:
(1)ミッドカインタンパク質;
(2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクター。
[2]ミッドカインタンパク質が、配列番号1に示すアミノ酸配列又は該アミノ酸配列に等価なアミノ酸配列を含む、[1]に記載の医薬。
[3]ミッドカイン遺伝子が、配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4に示す塩基配列又は該塩基配列に等価な塩基配列を含む、[1]に記載の医薬。
[4]非虚血性心筋障害が、拡張型心筋症、肥大型心筋症又は弁膜症である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の医薬。
[5]非虚血性心筋障害が拡張型心筋症である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の医薬。
[6]拡張型心筋症が薬剤誘発性である、[5]に記載の医薬。
[7]拡張型心筋症を誘発する薬剤が、ドキソルビシン、薬学的に許容可能なドキソルビシンの塩、ドキソルビシン誘導体(但し、抗腫瘍作用を有するものに限る)、薬学的に許容可能なドキソルビシン誘導体の塩からなる群より選択される薬剤である、[6]に記載の医薬。
[8]ドキソルビシン、薬学的に許容可能なドキソルビシンの塩、ドキソルビシン誘導体(但し、抗腫瘍作用を有するものに限る)、薬学的に許容可能なドキソルビシン誘導体の塩からなる群より選択される薬剤を有効成分とした医薬と併用される、[7]に記載の医薬。
[9]拡張型心筋症が不整脈に起因するものである、[5]に記載の医薬。
[10]非虚血性心筋障害の患者に対して、以下の(1)又は(2)を有効成分として含む医薬を投与するステップを含む、非虚血性心筋障害の治療法:
(1)ミッドカインタンパク質;
(2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクター。
[11]ドキソルビシン、薬学的に許容可能なドキソルビシンの塩、ドキソルビシン誘導体(但し、抗腫瘍作用を有するものに限る)、薬学的に許容可能なドキソルビシン誘導体の塩からなる群より選択される薬剤を有効成分とした医薬によるがん治療を受ける患者に対して、以下の(1)又は(2)を有効成分として含む医薬を投与するステップを含む、非虚血性心筋障害の予防又は治療法:
(1)ミッドカインタンパク質;
(2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクター。
薬剤誘発性拡張型心筋症モデルを用いた実験のプロトコール。 ドキソルビシン誘発性拡張型心筋症モデルマウスの心エコー所見。ドキソルビシン誘発性拡張型心筋症モデルマウスに浸透圧ポンプでMKタンパク質を腹腔内投与し、心エコーで経過を観察した。上段は治療開始から4週後のMモード所見である。コントロール群の所見とMK治療群の所見との間には歴然とした差がある。下段は治療開始から4週後のEF(左室駆出率)及びFS(機能的短縮率)の測定結果である。治療開始時(MKタンパク質投与開始時;0日)と比較した割合(平均±標準偏差)を示した。グラフ中の*はコントロール群に対して有意であることを示す(p<0.05、n=4)。また、conはコントロール群の測定結果、mkは治療群の測定結果である。 ドキソルビシン誘発性拡張型心筋症モデルマウスの心エコー所見。MK投与群とコントロール群の間で拡張時の左室径(LVEDd)及び収縮時の左室径(LVESd)を比較した。●がMK治療群の測定結果であり、■はコントロール群の測定結果である。コントロール群ではLVEDd、LVESdともに経時的に増加している。これに対し、MK治療群では14日目以降、LVEDd及びLVESdはほぼ一定である。 内在性MKファミリータンパク質プレイオトロフィン(Pleiotrophin)及びMKのレセプターであるシンデカン(Syndecan)1、3、4の発現状態を示すグラフ。MK治療群(治療開始から4週後)とコントロール群の間で比較した(平均±標準誤差、n=3)。コントロール群の発現量に対する比率でMK治療群の発現量(グラフ中のMK)を評価した。 アポトーシス関連因子Akt1の発現状態を示すグラフ。MK治療群(治療開始から4週後)とコントロール群の間で比較した(平均±標準誤差、n=3)。コントロール群の発現量に対する比率でMK治療群の発現量(グラフ中のMK)を評価した。 心筋線維化関連因子TIMP-1,2の発現状態を示すグラフ。MK治療群(治療開始から4週後)とコントロール群の間で比較した(平均±標準誤差、n=3)。コントロール群の発現量に対する比率でMK治療群の発現量(グラフ中のMK)を評価した。*はコントロール群に対して有意であることを示す(p<0.05、n=3)。 ウサギ高頻拍モデルを用いた実験のプロトコール。MK投与群(MK(+);n=14)、MK非投与群(MK(-);n=17)、コントロール群(CTL;n=5)を用意した。 ウサギ高頻拍モデルを用いた実験の結果。MK投与群(MK(+);n=14)とMK非投与群(MK(-);n=17)の生存率を比較して示した。 ウサギ高頻拍モデルを用いた実験の結果。心臓の形態(上段左)、HE染色の結果(上段中央)、胸膜漏出及び腹水の貯留(上段右)、心臓、肺、肝臓の重量比(下段)を示す。 ウサギ高頻拍モデルを用いた実験の結果。上段は心エコーの比較、下段は心室中隔壁厚(IVSWT)、左室拡張末期径(LVDd)、左室後壁厚(PWT)及び左室駆出率(EF)を比較したグラフである。 ウサギ高頻拍モデルを用いた実験の結果。左室自由壁及び左室/右室結合部をシリウスレッド(Sirius Red)で染色した。 ウサギ高頻拍モデルを用いた実験の結果。TUNNEL陽性核の比率をMK投与群(MK(+))とMK非投与群(MK(-))の間で比較した。 ウサギ高頻拍モデルを用いた実験の結果。関連分子の発現状態をウエスタンブロットで分析した。TUNNEL陽性核の比率をMK投与群(MK(+))とMK非投与群(MK(-))の間で比較した。 MKの作用機序(想定)。
本発明の第1の局面は非虚血性心筋障害に対する医薬に関する。「非虚血性心筋障害」とは、虚血性心筋障害に対立する用語であり、虚血以外の原因によって生ずる心筋障害のことをいう。また、「非虚血性心筋障害に対する医薬」とは非虚血性心筋障害の予防又は治療に用いられる医薬のことをいう。尚、非虚血性心筋障害の代表例は拡張型心筋症、肥大型心筋症及び弁膜症であるが、特に言及した場合を除いて、本発明における「非虚血性心筋障害」とは前述の通り虚血以外の原因によって生ずる心筋障害のことであり、これら三つの疾病(病態)に限定されない。
本発明の医薬は有効成分として(1)ミッドカインタンパク質又は(2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクターを含む。尚、本発明の医薬は通常(1)と(2)のいずれかのみを含むが、これら両者を含むことを妨げるものではない。
(1)ミッドカインタンパク質
ミッドカイン(MK)は、レチノイン酸応答遺伝子の産物として発見された増殖分化因子であり、塩基性アミノ酸とシステインに富む分子量13kDaのポリペプチドからなる(Kadomatsu, K. et al. :Biochem. Biophys. Res. Commun., 151:1312-1318; Tomomura, M. et al. :J. Biol. Chem., 265: 10765-10770, 1990)。MKは前述の通り数多くの生理活性を有する。公共のデータベースに登録されている、MKのアミノ酸配列(GenPept(NCBI), ACCESSION:NP_001012333, DEFINITION: midkine [Homo sapiens])を配列表の配列番号1に示す。本発明の有効成分であるミッドカインタンパク質(以下、「MKタンパク質」と呼ぶ)は、好ましくは当該アミノ酸配列を含むポリペプチドである。当該アミノ酸配列に等価なアミノ酸配列を含むポリペプチドをMKタンパク質として用いることもできる。ここでの「等価なアミノ酸配列」とは、基準となるアミノ酸配列(配列番号1)と一部で相違するが、当該相違がタンパク質の機能(非虚血性心筋障害に対して有効な作用)に実質的な影響を与えていないアミノ酸配列のことをいう。従って、基準となるアミノ酸配列(配列番号1)と、それに等価なアミノ酸配列との間には実質的な同一性が認められる。実質的な同一性の有無を判定するためには、例えば、後述の実施例に記載した実験系(動物モデルによる評価)を用い、非虚血性心筋障害に対する作用・効果の点において二つのアミノ酸配列の間に実質的な差がないことを確認すればよい。尚、マウス及びラットにおいてもMKが同定されている。マウスMKタンパク質のアミノ酸配列を配列表の配列番号5(GenPept(NCBI), ACCESSION:NP_034914, DEFINITION: midkine [Mus musculus])に、ラットMKタンパク質のアミノ酸配列を配列表の配列番号9(GenPept(NCBI), ACCESSION: NP_110486, DEFINITION: midkine [Rattus norvegicus])に示す。
「アミノ酸配列の一部で相違する」とは、典型的には、アミノ酸配列を構成する1〜数個(上限は例えば3個、5個、7個、10個)のアミノ酸の欠失、置換、若しくは1〜数個(上限は例えば3個、5個、7個、10個)のアミノ酸の付加、挿入、又はこれらの組合せによりアミノ酸配列に変異(変化)が生じていることをいう。ここでのアミノ酸配列の相違は上記機能の大幅な低下がない限り許容される。この条件を満たす限りアミノ酸配列が相違する位置は特に限定されず、また複数の位置で相違が生じていてもよい。ここでの複数とは例えば全アミノ酸の約30%未満に相当する数であり、好ましくは約20%未満に相当する数であり、さらに好ましくは約10%未満に相当する数であり、より一層好ましくは約5%未満に相当する数であり、最も好ましくは約1%未満に相当する数である。即ち等価アミノ酸配列は、配列番号1のアミノ酸配列と例えば約70%以上、好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、より一層好ましくは約95%以上、最も好ましくは約99%以上の配列同一性を有する。
基準となるアミノ酸配列(配列番号1)と等価アミノ酸配列との間の相違が保存的アミノ酸置換基によって生じていることが好ましい。ここでの「保存的アミノ酸置換」とは、あるアミノ酸残基を、同様の性質の側鎖を有するアミノ酸残基に置換することをいう。アミノ酸残基はその側鎖によって塩基性側鎖(例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、芳香族側鎖(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)のように、いくつかのファミリーに分類されている。保存的アミノ酸置換は好ましくは、同一のファミリー内のアミノ酸残基間の置換である。
ところで、二つのアミノ酸配列又は二つの核酸配列(以下、これらを含む用語として「二つの配列」を使用する)の配列同一性(%)は例えば以下の手順で決定することができる。まず、最適な比較ができるよう二つの配列を並べる(例えば、第一の配列にギャップを導入して第二の配列とのアライメントを最適化してもよい)。第一の配列の特定位置の分子(アミノ酸残基又はヌクレオチド)が、第二の配列における対応する位置の分子と同じであるとき、その位置の分子が同一であるといえる。配列同一性は、その二つの配列に共通する同一位置の数の関数であり(すなわち、配列同一性(%)=同一位置の数/位置の総数 × 100)、好ましくは、アライメントの最適化に要したギャップの数およびサイズも考慮に入れる。
二つの配列の比較及び同一性の決定は数学的アルゴリズムを用いて実現可能である。配列の比較に利用可能な数学的アルゴリズムの具体例としては、KarlinおよびAltschul (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-68に記載され、KarlinおよびAltschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-77において改変されたアルゴリズムがあるが、これに限定されることはない。このようなアルゴリズムは、Altschulら (1990) J. Mol. Biol. 215:403-10に記載のNBLASTプログラムおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。本発明の核酸分子に等価なヌクレオチド配列を得るには例えば、NBLASTプログラムでscore = 100、wordlength = 12としてBLASTヌクレオチド検索を行えばよい。基準となるアミノ酸配列に等価なアミノ酸配列を得るには例えば、XBLASTプログラムでscore = 50、wordlength = 3としてBLASTポリペプチド検索を行えばよい。比較のためのギャップアライメントを得るためには、Altschulら (1997) Amino Acids Research 25(17):3389-3402に記載のGapped BLASTが利用可能である。BLASTおよびGapped BLASTを利用する場合は、対応するプログラム(例えばXBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる。詳しくは例えばNCBIのウェブページを参照されたい。配列の比較に利用可能な他の数学的アルゴリズムの例としては、MyersおよびMiller (1988) Comput Appl Biosci. 4:11-17に記載のアルゴリズムがある。このようなアルゴリズムは、例えばGENESTREAMネットワークサーバー(IGH Montpellier、フランス)またはISRECサーバーで利用可能なALIGNプログラムに組み込まれている。アミノ酸配列の比較にALIGNプログラムを利用する場合は例えば、PAM120残基質量表を使用し、ギャップ長ペナルティ=12、ギャップペナルティ=4とすることができる。
二つのアミノ酸配列の同一性を、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを用いて、Blossom 62マトリックスまたはPAM250マトリックスを使用し、ギャップ加重=12、10、8、6、又は4、ギャップ長加重=2、3、又は4として決定することができる。また、二つの核酸配列の同一性を、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを用いて、ギャップ加重=50、ギャップ長加重=3として決定することができる。
MKタンパク質は、本明細書又は添付の配列表が開示する配列情報を参考にして、標準的な遺伝子工学的手法、分子生物学的手法、生化学的手法などを用いることによって容易に調製することができる。例えば、MKタンパク質をコードするDNAで適当な宿主細胞(例えば大腸菌、酵母)を形質転換し、形質転換体内で発現されたタンパク質を回収することにより調製することができる。回収されたタンパク質は目的に応じて適宜精製される。このように組換えタンパク質としてMKタンパク質を得ることにすれば種々の修飾が可能である。例えば、MKタンパク質をコードするDNAと他の適当なDNAとを同じベクターに挿入し、当該ベクターを用いて組換えタンパク質の生産を行えば、任意のペプチドないしタンパク質が連結された組換えタンパク質からなるMKタンパク質を得ることができる。また、糖鎖及び/又は脂質の付加や、あるいはN末端若しくはC末端のプロセッシングが生ずるような修飾を施してもよい。以上のような修飾により、組換えタンパク質の抽出、精製の簡便化、又は生物学的機能の付加等が可能である。
質的均一性及び純度の面などから、MKタンパク質を遺伝子工学的手法によって調製することが好ましい。しかしながら、MKタンパク質の調製法は遺伝子工学的手法によるものに限られない。例えば、天然材料から標準的な手法(破砕、抽出、精製など)によってMKタンパク質を調製することもできる。
(2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクター
本発明の一態様では、ミッドカイン遺伝子(以下、「MK遺伝子」と呼ぶ)を保持するベクターを有効成分とする。「ベクター」とは、目的の遺伝子を標的細胞へ運搬するための運搬体である。本発明ではMK遺伝子が目的の遺伝子である。MK遺伝子を標的細胞に導入し、標的細胞内で発現させることが可能である限り、ベクターの種類は特に限定されない。ここでの「ベクター」にはウイルスベクター及び非ウイルスベクターが含まれる。ウイルスベクターを用いた遺伝子導入法は、ウイルスが細胞へと感染する現象を巧みに利用するものであり、高い遺伝子導入効率が得られる。ウイルスベクターとしてアデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、センダイウイルスベクター等が開発されている。
非ウイルスベクターとしてリポソーム、正電荷型リポソーム(Felgner, P.L., Gadek, T.R., Holm, M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 84:7413-7417, 1987)、HVJ(Hemagglutinating virus of Japan)-リポソーム(Dzau, V.J., Mann, M., Morishita, R. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 93:11421-11425, 1996、Kaneda, Y., Saeki, Y. & Morishita, R., Molecular Med. Today, 5:298-303, 1999)等が開発されている。本発明におけるベクターをこのような非ウイルス性ベクターとして構築してもよい。
アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクターではベクターに組み込んだ外来遺伝子が宿主染色体へと組み込まれ、安定かつ長期的な発現が期待できる。レトロウイルスベクターの場合はウイルスゲノムの宿主染色体への組み込みには細胞の分裂が必要であることから非分裂細胞への遺伝子導入には適さない。一方、レンチウイルスベクターやアデノ随伴ウイルスベクターは非分裂細胞においても感染後に外来遺伝子の宿主染色体への組み込みが生ずる。従って、これらのベクターは非分裂細胞において安定かつ長期的に外来遺伝子を発現させるために有効である。
各ウイルスベクターは既報の方法に従い又は市販される専用のキットを用いて作製することができる。例えば、アデノウイルスベクターの作製はCOS-TPC法や完全長DNA導入法などで行うことができる。COS-TPC法は、目的のcDNA又は発現カセットを組み込んだ組換えコスミドと、親ウイルスDNA-末端タンパク質複合体(DNA-TPC)を293細胞に同時トランスフェクションし、293細胞内でおこる相同組換えを利用して組換えアデノウイルスを作製する方法である(Miyake,S., Makimura,M., Kanegae,Y., Harada,S., Takamori,K., Tokuda,C., and Saito,I. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 1320.)。一方、完全長DNA導入法は、目的の遺伝子を挿入した組換えコスミドを制限消化処理した後、293細胞にトランスフェクションすることによって組換えアデノウイルスを作製する方法である(寺島美保、近藤小貴、鐘ヶ江裕美、斎藤泉(2003)実験医学 21(7)931.)。COS-TPC法はAdenovirus Expression Vector Kit (Dual Version)(タカラバイオ株式会社)、Adenovirus genome DNA-TPC(タカラバイオ株式会社)を利用して行うことができる。また、完全長DNA導入法は、Adenovirus Expression Vector Kit (Dual Version)(タカラバイオ株式会社)を利用して行うことができる。
一方、レトロウイルスベクターは以下の手順で作製することができる。まず、ウイルスゲノムの両端に存在するLTR(Long Terminal Repeat)の間のパッケージングシグナル配列以外のウイルスゲノム(gag、pol、env遺伝子)を取り除き、そこへ目的の遺伝子を挿入する。このようにして構築したウイルスDNAを、gag、pol、env遺伝子を構成的に発現するパッケージング細胞に導入する。これによって、パッケージングシグナル配列をもつベクターRNAのみがウイルス粒子に組み込まれ、レトロウイルスベクターが産生される。
アデノベクターを応用ないし改良したベクターとして、ファイバータンパク質の改変により特異性を向上させたもの(特異的感染ベクター)や目的遺伝子の発現効率向上が期待できるguttedベクター(ヘルパー依存性型ベクター)などが開発されている。本発明の組換えベクターをこのようなウイルスベクターとして構築してもよい。
ベクターに挿入されるミッドカイン遺伝子(以下「MK遺伝子」と呼ぶ)は好ましくは配列番号2(GenBank(NCBI), ACCESSION: NM_001012334, DEFINITION: Homo sapiens midkine (neurite growth-promoting factor 2) (MDK), transcript variant 1, mRNA)、配列番号3(GenBank(NCBI), ACCESSION: NM_001012333, DEFINITION: Homo sapiens midkine (neurite growth-promoting factor 2) (MDK), transcript variant 2, mRNA)、又は配列番号4(GenBank(NCBI), ACCESSION: NM_002391, DEFINITION: Homo sapiens midkine (neurite growth-promoting factor 2) (MDK), transcript variant 3, mRNA)に記載の塩基配列からなる。但し、当該塩基配列に等価な塩基配列かならなるDNA(以下、「等価DNA」と呼ぶ)をMK遺伝子として用いることもできる。ここでの「等価な塩基配列」とは、基準の塩基配列と一部で相違するが、当該相違によってそれがコードするタンパク質の機能(非虚血性心筋障害に対して有効な作用)が実質的な影響を受けていない塩基配列のことをいう。等価DNAの具体例は、基準の塩基配列(配列番号2〜4のいずれか)に相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAである。ここでの「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。このようなストリンジェントな条件は当業者に公知であって例えばMolecular Cloning(Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)やCurrent protocols in molecular biology(edited by Frederick M. Ausubel et al., 1987)を参照して設定することができる。ストリンジェントな条件として例えば、ハイブリダイゼーション液(50%ホルムアミド、10×SSC(0.15M NaCl, 15mM sodium citrate, pH 7.0)、5×Denhardt溶液、1% SDS、10% デキストラン硫酸、10μg/mlの変性サケ精子DNA、50mMリン酸バッファー(pH7.5))を用いて約42℃〜約50℃でインキュベーションし、その後0.1×SSC、0.1% SDSを用いて約65℃〜約70℃で洗浄する条件を挙げることができる。更に好ましいストリンジェントな条件として例えば、ハイブリダイゼーション液として50%ホルムアミド、5×SSC(0.15M NaCl, 15mM sodium citrate, pH 7.0)、1×Denhardt溶液、1%SDS、10%デキストラン硫酸、10μg/mlの変性サケ精子DNA、50mMリン酸バッファー(pH7.5))を用いる条件を挙げることができる。
等価DNAの他の具体例として、基準の塩基配列(配列番号2〜4のいずれか)に対して1若しくは複数の塩基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位を含む塩基配列からなり、非虚血性心筋障害に対して有効なタンパク質をコードするDNAを挙げることができる。塩基の置換や欠失などは複数の部位に生じていてもよい。ここでの「複数」とは、当該DNAがコードするタンパク質の立体構造におけるアミノ酸残基の位置や種類によっても異なるが例えば2〜40塩基、好ましくは2〜20塩基、より好ましくは2〜10塩基である。以上のような等価DNAは例えば、制限酵素処理、エキソヌクレアーゼやDNAリガーゼ等による処理、位置指定突然変異導入法(Molecular Cloning, Third Edition, Chapter 13 ,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)やランダム突然変異導入法(Molecular Cloning, Third Edition, Chapter 13 ,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)による変異の導入などを利用して、塩基の置換、欠失、挿入、付加、及び/又は逆位を含むように基準の塩基配列を有するDNAを改変することによって得ることができる。また、紫外線照射など他の方法によっても等価DNAを得ることができる。
等価DNAの更に他の例として、SNP(一塩基多型)に代表される多型に起因して上記のごとき塩基の相違が認められるDNAを挙げることができる。
尚、マウスMK遺伝子(Kadomatsu, K. et al., Biochem. Biophy. Res. Commun., 151, 1312(1988))及びラットMK遺伝子が同定されている。マウスMK遺伝子の配列を配列表の配列番号6(GenBank(NCBI), ACCESSION: NM_010784, DEFINITION: Mus musculus midkine (Mdk), transcript variant 1, mRNA)、配列番号7(GenBank(NCBI), ACCESSION: NM_001012335, DEFINITION: Mus musculus midkine (Mdk), transcript variant 2, mRNA)及び配列番号8(GenBank(NCBI), ACCESSION: NM_001012336, DEFINITION: Mus musculus midkine (Mdk), transcript variant 3, mRNA)に、ラットMK遺伝子の配列を配列表の配列番号10(GenBank(NCBI), ACCESSION: NM_030859, DEFINITION: Rattus norvegicus midkine (Mdk), mRNA)にそれぞれ示す。
MK遺伝子は、本明細書又は添付の配列表が開示する配列情報を参考にし、標準的な遺伝子工学的手法、分子生物学的手法、生化学的手法などを用いることによって調製することができる。例えば、MK遺伝子に対して特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドプローブ・プライマーを適宜利用することによってヒトcDNAライブラリーよりMK遺伝子を単離(及び増幅)することができる。オリゴヌクレオチドプローブ・プライマーとしては、例えば、配列番号2に示す塩基配列に相補的なDNA又はその連続した一部が用いられる。オリゴヌクレオチドプローブ・プライマーは市販の自動化DNA合成装置などを用いて容易に合成することができる。尚、MK遺伝子を調製するために用いるライブラリーの作製方法については、例えばMolecular Cloning, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkが参考になる。
ヒトcDNAライブラリーに代えてヒト以外の哺乳動物細胞(例えば、サル、マウス、ラット、ブタ、ウシ)由来のcDNAライブラリーを用いれば等価DNAを調製可能である。
本発明の医薬の製剤化は常法に従って行うことができる。製剤化する場合には、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)を含有させることができる。賦形剤としては乳糖、デンプン、ソルビトール、D-マンニトール、白糖等を用いることができる。崩壊剤としてはデンプン、カルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム等を用いることができる。緩衝剤としてはリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等を用いることができる。乳化剤としてはアラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、トラガント等を用いることができる。懸濁剤としてはモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム等を用いることができる。無痛化剤としてはベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビトール等を用いることができる。安定剤としてはプロピレングリコール、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等を用いることができる。防腐剤としては塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等と用いることができる。
MK遺伝子を保持するベクターを有効成分とした場合、薬学的に許容可能な媒体を組み合わせて製剤化するとよい。「薬学的に許容可能な媒体」とは、ベクターの薬効(即ち非虚血性心筋障害に対する有効性)に実質的な影響を与えることなくベクターの投与や保存等に関して利点ないし恩恵をもたらす物質をいう。「薬学的に許容可能な媒体」として、脱イオン水、超純水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、5%デキストロース水溶液等を例示できる。本発明の組成物に、懸濁剤、無痛化剤、安定剤(アルブミンやPrionex(登録商標、ペンタファームジャパン)等)、保存剤、防腐剤など、その他の成分を含有させてもよい。
MK遺伝子を保持するベクターがウイルスベクターの形態の場合、生体適合性のポリオル(例えばpoloxamer407など)を併用することが好ましい。ポリオルの使用によってウイルスベクターの形質導入率を10〜100倍に上昇させ得る(March et al., Human Gene Therapy 6:41-53, 1995)。従って、ポリオルを併用することにすればウイルスベクターの投与量を低く抑えることができる。尚、本発明の医薬の一成分としてポリオルを使用することにしても、本発明の医薬とは別にポリオル(又はそれを含む組成物)を調製することにしてもよい。後者の場合、本発明の医薬を投与するときにポリオル(又はそれを含む組成物)を併せて投与することになる。
製剤化する場合の剤形は特に限定されない。剤形の例は錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤、外用剤、及び座剤である。
本発明の医薬には、期待される治療効果(又は予防効果)を得るために必要な量(即ち治療上有効量)の有効成分が含有される。本発明の医薬中の有効成分量は一般に剤形によって異なるが、所望の投与量を達成できるように有効成分量を例えば約0.1重量%〜約95重量%の範囲内で設定する。
本発明の医薬はその剤形に応じて経口投与又は非経口投与(静脈内、動脈内、皮下、皮内、筋肉内、又は腹腔内注射、経皮、経鼻、経粘膜など)によって対象に適用される。これらの投与経路は互いに排他的なものではなく、任意に選択される二つ以上を併用することもできる(例えば、経口投与と同時に又は所定時間経過後に静脈注射等を行う等)。
ここでの「対象」は特に限定されず、ヒト及びヒト以外の哺乳動物(ペット動物、家畜、実験動物を含む。具体的には例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、サル、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ニワトリ、ウズラ等である)を含む。好ましい一態様では本発明の医薬はヒトに対して適用される。
本発明の医薬の投与量は、期待される治療効果が得られるように設定される。治療上有効な投与量の設定においては一般に患者の症状、年齢、性別、及び体重などが考慮される。尚、当業者であればこれらの事項を考慮して適当な投与量を設定することが可能である。例えば、ミッドカインタンパク質を有効成分とした場合、例えば、成人(体重約60kg)を対象として一日当たりの有効成分量が約0.1mg〜約500mg、好ましくは約10mg〜約50mgとなるよう投与量を設定することができる。投与スケジュールとしては例えば1日1回〜数回、2日に1回、或いは3日に1回などを採用できる。投与スケジュールの作成においては、患者の症状や有効成分の効果持続時間などを考慮することができる。
本発明の医薬は非虚血性心筋障害の予防又は治療に用いられる。前述の通り、「非虚血性心筋障害」は拡張型心筋症、肥大型心筋症及び弁膜症を含む疾患概念である。ここで「拡張型心筋症」とは、左室あるいは左右の両心室の心筋収縮の低下とその内腔の拡大を特徴とする心筋症である。ウイルス感染、遺伝的素因、免疫異常、全身性疾患、代謝性疾患、高血圧、アルコール、薬剤などが病因と考えられている。アントラサイクリン系の抗腫瘍性抗生物質の副作用としてしばしば拡張型心筋症の発症が認められる。
一方、「肥大型心筋症」とは、心筋肥大による左心室の拡張障害を主徴とする心筋症である。心筋の肥大は一様ではなく、局所的に強い肥大が生じる場合が多い。肥大型心筋症は、大動脈弁付近の壁肥厚による閉塞性肥大型心筋症と、心尖部の壁肥厚による非閉塞性肥大型心筋症に大別される。
また、「弁膜症」とは、心臓の弁(大動脈弁、肺動脈弁、三尖弁、僧帽弁)に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態である。弁膜症は大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、肺動脈弁狭窄症、肺動脈弁閉鎖不全症、三尖弁狭窄症、三尖弁閉鎖症、三尖弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症及び僧帽弁閉鎖不全症に大別される。また、先天性と後天性(リウマチ熱、動脈硬化、心筋梗塞、変性など)がある。
後述の実施例に示した実験結果を考慮すると、本発明の医薬は特に拡張型心筋症に対してその有効性を発揮するといえる。そこで、好ましい一態様において、本発明の医薬は拡張型心筋症に対する医薬として提供される。
また、薬剤誘発性の拡張型心筋症の動物モデル(実施例1)においてMKが治療効果を示した。この事実を考慮すると、本発明の医薬の好適な適応症の一つは薬剤誘発性の拡張型心筋症である。一方、不整脈に起因する拡張型心筋症の動物モデル(実施例2)に対してMKが治療効果を示した。この事実を考慮すると、不整脈に起因する拡張型心筋症も本発明の医薬の好適な適応症である。そこで、好ましい一態様において本発明の医薬は薬剤誘発性の拡張型心筋症及び/又は不整脈に起因する拡張型心筋症に対する医薬として提供される。ここでの薬剤(即ち、拡張型心筋症を誘発する薬剤)は、典型的には、実施例に示した実験で使用したドキソルビシン又は薬学的に許容可能なその塩(例えば塩酸塩)である。但し、同様の薬効を示す薬剤、即ちドキソルビシン誘導体(但し、抗腫瘍作用を有するものに限る)又は薬学的に許容可能なその塩もここでの「薬剤」に該当する。
ここで「ドキソルビシン」とはアントラサイクリン系の抗腫瘍性抗生物質であり、アドリアマイシン(慣用名)とも呼ばれる。また、アドリアシン(商品名、協和発酵工業株式会社)の名称で塩酸ドキソルビシン製剤が市販されている。塩酸ドキソルビシン製剤は悪性リンパ腫(細網肉腫、リンパ肉腫、ホジキン病)、肺癌、消化器癌(胃癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌、肝癌、結腸・直腸癌等)、乳癌、膀胱腫瘍、骨肉腫の治療に用いられる。また、他の抗悪性腫瘍剤と併用され、乳癌、子宮体癌、悪性骨腫瘍、多発性骨髄腫、小児悪性固形腫瘍にも適用される。
ドキソルビシン誘導体の例はエピルビシン、ピラルビシン、ダウノルビシンである。これらの化合物はいずれも、ドキソルビシンと同様、アントラサイクリンとよばれる分子構造を有する。尚、塩酸エピルビシン製剤としてファルモルビシン(登録商標、ファイザー株式会社)、塩酸エピルビシン(マイラン製薬株式会社)等が知られている。同様に、塩酸ピラルビシン製剤としてピノルビン(商品名、メルシャン株式会社、日本化薬株式会社)及びテラルビシン(明治製菓株式会社)が、塩酸ダウノマイシン製剤としてダウノマイシン(商品名、明治製菓株式会社)がそれぞれ知られている。
上記のドキソルビシン等、心筋障害を誘発するおそれのある薬剤を投与する際に本発明の医薬を併用投与し、心筋障害の発生を防止したり、或いは心筋障害の症状を軽減したりすることにしてもよい。このように、特定の薬剤の副作用への対処として本発明の医薬を用いることもできる。当該態様の具体例として以下の予防又は治療法が挙げられる。即ち、ドキソルビシン、薬学的に許容可能なドキソルビシンの塩、ドキソルビシン誘導体(但し、抗腫瘍作用を有するものに限る)及び薬学的に許容可能なドキソルビシン誘導体の塩からなる群より選択される薬剤を有効成分とした医薬によるがん治療を受ける患者に対して本発明の医薬(即ち、(1)ミッドカインタンパク質又は(2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクターを有効成分として含む医薬)を投与するステップを含む、非虚血性心筋障害の予防又は治療法である。尚、ドキソルビシン誘導体の中でエピルビシン及びピラルビシンの心毒性は比較的低い。しかしながら依然として心毒性(心筋障害の惹起)は重大な副作用の一つである。従って、これらの化合物を有効成分とした医薬(ファルモルビシンやピノルビンなど)を使用する際においても本発明の医薬が有効といえる。
<薬剤誘発性拡張型心筋症モデルに対するMKの効果>
図1に示すプロトコールに従い、非虚血性心筋障害に対するMKの治療効果を調べた。まず、7〜8週齢マウス(C57BL/6)にドキソルビシン(Sigma社)3mg/kgを一日おきに計6回(総投与量18mg/kg)腹腔内投与することによってドキソルビシン誘発性拡張型心筋症モデルマウスを作製した。このモデルマウスに対して、ドキソルビシン投与終了の1週間後、MKタンパク質を充填した浸透圧ポンプを腹腔内に補填し、MKの投与を開始した(MK治療群、n=4)。2週間で0.1mg(1mg/mLのMKタンパク質を100μL)のMKタンパク質を投与した。コントロール群(n=4)には同様に浸透圧ポンプによって生理食塩水を投与した。
治療開始の2週間後にポンプを交換し、MKタンパク質の投与を継続した(2週間で0.1mgのMKタンパク質を投与)。治療開始から4週間、心エコーで経過を観察した。治療開始から4週後のMモード所見、EF(左室駆出率)及びFS(機能的短縮率)を図2に示す。EF及びFSは左室収縮能の指標として用いられる。Mモード所見(上段)より、MK治療群では顕著な機能改善が認められる。また、MK治療群ではEF及びFSも改善している(下段)。
拡張時の左室径(LVEDd)及び収縮時の左室径(LVESd)を測定した結果、コントロール群では経時的な増加を示したのに対し、MK治療群では明らかな増加抑制を認めた(図3)。
次に、MK治療群及びコントロール群を屠殺後、心筋組織を採取し、各種分子・因子の発現状態を検討した。
(1)MKファミリーとレセプター
内在性MKファミリータンパク質プレイオトロフィン(Pleiotrophin)及びMKのレセプターであるシンデカン(Syndecan)1、3、4の発現状態を以下の方法で調べた。治療4週間後に摘出した心臓からmRNAを抽出し、定量PCR法にてRNA発現の測定を行ったところ、MK治療群ではプレイオトロフィン及びシンデカン1、3、4の明らかな発現増強を認めた(図4)。
(2)アポトーシス関連因子
アポトーシスに関与する因子Akt1の発現状態を以下の方法で調べた。治療4週間後に摘出した心臓からmRNAを抽出し、上記と同様に定量PCR法にてRNA発現の測定を行ったところ、MK治療群ではAkt1の明らかな発現増強を認めた(図5)。
(3)心筋線維化関連因子
心筋線維化に関与する因子TIMP-1,2の発現状態を以下の方法で調べた。治療4週間後に摘出した心臓からmRNAを抽出し、上記と同様に定量PCR法にてRNA発現の測定を行ったところ、MK治療群ではTIMP-1,2の明らかな発現増強を認めた(図6)。
(4)まとめ
(1)〜(3)の結果は、MK投与によりMK受容体の発現が励起され下流シグナルAkt1の発現が増加、その結果心筋細胞のアポトーシスおよび線維化が抑制され、心筋障害後の病的リモデリングが軽減したことを示唆する。MKファミリーであるプレイオトロフィンの発現増加も相乗的な効果を示すと思われるが、その詳細なメカニズムは不明である。
<高頻拍モデルに対するMKの効果>
(1)ウサギ高頻拍モデルの作成
以下の方法でウサギ高頻拍モデルを作成した(図7)。まず、家兎を麻酔・挿管し開胸後に心臓を露出させ、ペースメーカーリード先端を右室心外膜に縫着する。ペースメーカー本体は家兎背部の皮下に植え込む。10日間、手術後の回復・安定を待ち、プログラマーにて心拍数350回/分(生理的心拍数:平均185回/分)の高頻拍刺激を開始する。28日間高頻拍刺激を持続させることにより心筋障害を作成する。
(2)MK投与による治療効果
浸透圧ポンプを高頻拍刺激開始時に皮下に植え込んだ。MK投与群(MK(+);n=14)には28日間で2mgのMKを投与した(図7)。MK非投与群(MK(-);n=17)には生理的食塩水を投与した。コントロール群(CTL;n=5)には処置を施さなかった。28日後の生存率はMK投与群:12/14、MK非投与群:12/17であり、MK投与群にて改善を認めた(図8)。摘出心ではMK非投与群にて著明な心拡大を認めたが、MK投与群では拡大は軽度であった(図9上段左)。また、MK非投与群に比較し、MK投与群では拡張型心筋症の症状も軽度であった(図9)。心エコーはMK非投与群と比較し、MK投与群にて左室収縮率が著明に改善しており(図10上段)、また左室拡張末期径(LVDd)の明らかな縮小を認めた(図10下段)。その他の左室機能の指標についてもMK投与群において有意な改善を認めた(図10下段)。組織染色の結果、MK非投与群と比較し、MK投与群では線維化の有意な抑制(図11)を認めた。また、TUNNEL陽性核の比率についてもMK投与群は有意に低い(図12)。ウエスタンブロットの結果では、MK非投与群と比較し、MK投与群にてBax/Bcl-2率の著明な減少を認めた(図13左)。また、MK投与群ではリン酸化Akt(p-Akt)及びP13キナーゼの発現亢進も認めた(図13右)。以上の結果から想定される、MKの作用機序を図14に示す。
上記二つの実験の結果より、以下の知見が導き出される。
(1)非虚血性心筋障害の動物モデル(実施例1、2)においてMKが治療効果を示したことから、非虚血性心筋障害に対してMKが有効である。
(2)治療効果が確認された二つの動物モデル(実施例1、2)はいずれも拡張型心筋症を再現するものであることから、拡張型心筋症に対してMKが有効である。
(3)薬剤誘発性の拡張型心筋症の動物モデル(実施例1)においてMKが治療効果を示したことから、薬剤誘発性の拡張型心筋症に対してMKが有効である。現在、悪性リンパ腫、肺癌、消化器癌、乳癌、膀胱腫瘍、骨肉腫などの治療として、動物モデルの作製に使用したドキソルビシン又はその誘導体等が頻用されているが、重大な副作用の一つとして「心毒性(心筋障害の惹起)」が問題とされる。上記知見は、MKの併用によって当該副作用に対処できることを意味し、患者への大きな福音となる。
(4)不整脈に起因する拡張型心筋症の動物モデル(実施例2)に対してMKが治療効果を示したことから、不整脈に起因する拡張型心筋症に対してMKが有効である。
本発明の医薬は非虚血性心筋障害の治療又は予防に有効である。特に、薬剤誘発性の拡張型心筋症又は不整脈に起因する拡張型心筋症に対する適用が期待される。また、抗がん剤が誘発する拡張型心筋症を予防又は治療する目的の下、本発明の医薬を抗がん剤と併用することが想定される。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。

Claims (11)

  1. 以下の(1)又は(2)を有効成分として含む、非虚血性心筋障害に対する医薬:
    (1)ミッドカインタンパク質;
    (2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクター。
  2. ミッドカインタンパク質が、配列番号1に示すアミノ酸配列又は該アミノ酸配列に等価なアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の医薬。
  3. ミッドカイン遺伝子が、配列番号2、配列番号3、若しくは配列番号4に示す塩基配列又は該塩基配列に等価な塩基配列を含む、請求項1に記載の医薬。
  4. 非虚血性心筋障害が、拡張型心筋症、肥大型心筋症又は弁膜症である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
  5. 非虚血性心筋障害が拡張型心筋症である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬。
  6. 拡張型心筋症が薬剤誘発性である、請求項5に記載の医薬。
  7. 拡張型心筋症を誘発する薬剤が、ドキソルビシン、薬学的に許容可能なドキソルビシンの塩、ドキソルビシン誘導体(但し、抗腫瘍作用を有するものに限る)、薬学的に許容可能なドキソルビシン誘導体の塩からなる群より選択される薬剤である、請求項6に記載の医薬。
  8. ドキソルビシン、薬学的に許容可能なドキソルビシンの塩、ドキソルビシン誘導体(但し、抗腫瘍作用を有するものに限る)、薬学的に許容可能なドキソルビシン誘導体の塩からなる群より選択される薬剤を有効成分とした医薬と併用される、請求項7に記載の医薬。
  9. 拡張型心筋症が不整脈に起因するものである、請求項5に記載の医薬。
  10. 非虚血性心筋障害の患者に対して、以下の(1)又は(2)を有効成分として含む医薬を投与するステップを含む、非虚血性心筋障害の治療法:
    (1)ミッドカインタンパク質;
    (2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクター。
  11. ドキソルビシン、薬学的に許容可能なドキソルビシンの塩、ドキソルビシン誘導体(但し、抗腫瘍作用を有するものに限る)、薬学的に許容可能なドキソルビシン誘導体の塩からなる群より選択される薬剤を有効成分とした医薬によるがん治療を受ける患者に対して、以下の(1)又は(2)を有効成分として含む医薬を投与するステップを含む、非虚血性心筋障害の予防又は治療法:
    (1)ミッドカインタンパク質;
    (2)ミッドカイン遺伝子を保持するベクター。
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