JPWO2010032486A1 - 携帯電子機器 - Google Patents

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智彦 横山
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和也 岩本
泰右 山本
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Abstract

二次電池を電源とし、筐体と、前記筐体内に収納された電子機器本体と、前記筐体内に収納された電池収納部とを備え、極めて高い衝撃が付与されて、その内容物が溶融した場合でも溶融液の流出が抑制され、安全性の高い携帯電子機器を提供する。この携帯用電子機器では、前記電池収納部が、前記二次電池を嵌合するための電池嵌合部を有する成形体であり、前記電池嵌合部の表面に、温度抑制層とブロック層とを備える被覆層が設けられている。

Description

本発明は、携帯電子機器に関する。さらに詳しくは、本発明は、電源である二次電池を収納する筐体構造の改良に関する。
携帯電話、携帯情報端末、ノートブック型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機等の携帯電子機器は、高機能化すればするほど、基板上に実装される発熱部品の数が増える。携帯電子機器の使用時に、発熱部品の放熱により筐体表面が局所的に高温になることがある。
特許文献1は、携帯電子機器の筐体内部に収納される発熱部品の周囲に放熱性に優れた熱伝導部材を配置することにより、発熱部品からの熱を有利に放散する構造を開示している。熱伝導部材としては、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ステンレス鋼、普通鋼等の金属材料が挙げられている。
特許文献2は、芳香族ポリカーボネートにリン系難燃剤を添加した難燃性樹脂組成物を、電子機器の筐体や部品の材料に用いることを開示している。
特許文献3は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の吸熱材を含有する樹脂組成物を開示している。水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムは、吸熱反応を起こして燃焼熱を低減させる。この吸熱反応は水を放出する反応である。この吸熱反応は、難燃効果を発揮する。
特許文献4は、外装ケースと、外装ケースの内部に収納される電池と、外装ケース内面と電池との間に形成される断熱層とを含む電池パックを開示している。また、特許文献4は、このような断熱層が、環境温度の低下による電池性能の低下を防止すると開示している。
国際公開第2008/062879号パンフレット 特許第3682148号明細書 特許第3408676号明細書 特開平5−234573号公報
現在では、携帯電子機器の電源として汎用されている二次電池の中でも、コバルト酸リチウムを含有する正極と、黒鉛を含有する負極とを備えるリチウムイオン二次電池が主流になっている。このようなリチウムイオン二次電池に、極めて高い衝撃が付与された場合に、電池からガスや火炎が噴出することが想定される。
一方、リチウムイオン二次電池のさらなる高容量化及び高エネルギー密度化を図るために、負極活物質として、珪素系活物質または錫系活物質を用いることが試みられている。特に、珪素系活物質は、黒鉛に比べて非常に大きい容量を有している。珪素系活物質を用いたリチウムイオン二次電池に極めて高い衝撃が付与された場合に、オルト珪酸リチウムのようなアルカリ塩が熔融することにより生成する高温の熔融液が、電池の外部に流出することも想定される。
本発明の目的は、容量及びエネルギー密度の高い二次電池を電源とする携帯電子機器であって、安全性及び信頼性の高い携帯電子機器を提供することである。
本発明の携帯電子機器は、二次電池を電源とする携帯電子機器であって、筐体と、電子機器本体と、電池収納部と、被覆層とを備える。
電子機器本体は、筐体内に収納される。電池収納部は、筐体内に収納され、所定の外形を有する二次電池を嵌合するための電池嵌合部を有する成形体である。
被覆層は、電池収納部の二次電池を嵌合する側の表面に設けられ、携帯電子機器の表面温度が上昇するのを抑制する温度抑制層と過熱状態の二次電池から内容物が流出するのを抑制するブロック層とを備える。
本発明の携帯電子機器によれば、二次電池に極めて高い衝撃が付与されて、その内容物が熔融した場合でも、高温の熔融液が携帯電子機器の外部に流出するのを防止しながら、携帯電子機器の表面温度の上昇を抑制することができる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成及び内容の両方に関し、本願の他の目的及び特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
第1実施形態の携帯電子機器である、携帯電話機の外観を模式的に示した上面図である。 図1に示した携帯電話機のII−II線の断面図である。 二次電池を収納した電池収納部の断面形状を模式的に示した縦断面図である。 電子機器本体を模式的に示した斜視図である。 電池収納部を模式的に示した斜視図である。 第2実施形態の携帯電話機の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。 第2実施形態の携帯電話機の他の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。 第3実施形態の携帯電話機の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の携帯電子機器である、携帯電話機1の外観を模式的に示した上面図である。図2は、図1に示した携帯電話機1のII−II線の断面図である。図3は、二次電池13を収納した電池収納部12の断面形状を模式的に示した縦断面図である。図4は、電子機器本体11及び電池収納部12の斜視図である。図5は、二次電池13を収納する様子を示す電池収納部12の斜視図である。
はじめに、携帯電話機1の構成について説明する。
携帯電話機1は、図1及び図2に示すように、筐体10と、筐体10内に収納された電子機器本体11と、電池収納部12と、電池収納部12に収納された二次電池13とを備える。電子機器本体11は、スピーカー18と、マイクロフォン19と、画像表示部20と、入力操作部21と、回路部22と、回路基板23とを備える。
スピーカー18、マイクロフォン19、画像表示部20、入力操作部21、及び回路部22は所定の回路が形成された回路基板23上に実装されている。電池収納部12は、正極端子及び負極端子を備え、回路基板上の回路の所定の位置にそれぞれ実装されている。
図2に示すように、スピーカー18は、筐体10の所定の位置に設けられた受話孔118に対向するように配設されている。また、マイクロフォン19は、筐体10の所定の位置に設けられた送話孔119に対向するように配設されている。画像表示部20は、外部から表示を認識できるように、筐体10に設けられた表示孔120に嵌合されて配設されている。
入力操作部21は、操作者が情報入力できるように、筐体10に設けられた複数の入力ボタンを組み合わせた文字盤からなる入力部121に嵌合されて配設されている。なお、回路基板23の表面には、さらに、必要に応じて、カードコネクターや、小型カメラ装置が実装されていてもよい。
スピーカー18は、着信通知音を報知し、また受話音声を出力する。マイクロフォン19から通話音声が入力される。画像表示部20は、画像、文字、図形または動画を表示する。画像表示部20には、液晶モニター等を使用できる。入力操作部21は、入力部121を用いて入力される操作を受け付ける。画像表示部20がタッチパネルである場合には、画像表示部20が入力操作部21を兼ねる。
回路部22は、回路制御部22a及び記憶部22bを備えている。回路制御部22aは操作者が入力操作部21から入力した、入力情報に応じて各種の動作制御を実行する。記憶部22bは操作者が入力した入力情報等を記憶する。回路制御部22aとしては、複数のICチップや中央集積装置(CPU)が用いられる。記憶部22bとしては、RAMやROM等のメモリが用いられる。
電子機器本体11は、二次電池13から供給される電力により駆動される。
操作者は、入力操作部21からの入力操作により、回路制御部22aに対して命令信号を送る。そして、送られた命令信号により、所定の動作を起こす。また、必要に応じて、入力情報を記憶部22bに記憶させる。
また、操作者は、マイクロフォン19に向けて発話する。発話された音声は回路部22内の回路により無線信号に変換されて、無線信号として他の受信機に向けて送信される。また、他の受信機から発せられた無線信号は、アンテナ回路により受信される。受信された無線信号は回路部22内の回路により音声信号に変換され、音声信号としてスピーカー18から出力される。
次に、携帯電話機1を構成する筐体10について説明する。筐体10は、その内部に電子機器本体11及び電池収納部12を収納する。筐体10は、たとえば、金属材料または樹脂材料から作製される。
次に、携帯電話機1を構成する電池収納部12について詳しく説明する。
電池収納部12は、図2に示すように、二次電池13を嵌合するための電池嵌合部14と、電池嵌合部14に嵌合された二次電池13を覆う蓋部15とを備える。
電池嵌合部14は、二次電池13の形状に対応する内部空間を有する凹部状の部材である。凹部の開口は、電池交換を可能にするために、筐体10の外方に面するように配設されている。電池嵌合部14には、嵌合される二次電池13の正極端子(不図示)に当接する正極端子部(不図示)及び、二次電池13の負極端子(不図示)に当接する負極端子部(不図示)が設けられている。
蓋部15は、筐体10の電池嵌合部14に対して脱着可能に設けられる部材である。蓋部15は、凹部に嵌合された二次電池13を覆い、凹部の開口を塞ぐように装着される。凹部に二次電池13を嵌合することにより、二次電池13が支持される。
電池収納部12に収納される二次電池13としては、従来から携帯電子機器に用いられている、高容量及び高エネルギー密度を有し、小型化が可能なリチウムイオン二次電池を好ましく使用できる。
リチウムイオン二次電池の中でも、負極活物質として珪素系活物質または錫系活物質を含むリチウムイオン二次電池が好ましく、正極活物質としてリチウム含有複合金属酸化物を含み、負極活物質として珪素系活物質または錫系活物質を含むリチウムイオン二次電池が特に好ましい。珪素系活物質及び錫系活物質は、リチウムイオン二次電池のさらなる高容量化及び高エネルギー密度化を達成できる。
珪素系活物質としては、珪素を含有する活物質であれば特に限定されないが、珪素、珪素酸化物、珪素合金等が好ましい。錫系活物質としては、錫を含有する活物質であれば特に限定されないが、錫、錫酸化物、錫合金等が好ましい。これらの中でも、珪素系活物質が好ましい。
なお、二次電池13は、単電池であっても、複数の単電池を直列または並列に組み合わせてなる電池パックの形態であってもよい。
電池嵌合部14及び蓋部15は、好ましくは、樹脂材料または金属材料により作製される。樹脂材料には、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のマトリックス樹脂に難燃剤を添加した難燃性樹脂組成物を用いることが好ましい。難燃性樹脂組成物は、UL−94規格の燃焼試験でV−0以上の難燃性を有するものが好ましい。金属材料は特に制限されないが、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム合金等が好ましく用いられる。
そして、図2及び図3に示すように、電池嵌合部14の二次電池13と対向する側の表面(以下、「電池嵌合側表面」とも呼ぶ)及び、蓋部15の二次電池13と対向する側の表面(以下「対向側表面」とも呼ぶ)には、携帯電子機器1の表面温度が上昇するのを抑制する温度抑制層16が設けられ、温度抑制層16の表面には、過熱状態の二次電池13から内容物が流出するのを抑制するブロック層17が設けられている。このようにして、電池収納部12の二次電池13が収納される側の表面に温度抑制層16及びブロック層17が順次形成されている。
このような構成によれば、電池収納部12に収納された二次電池13は、その周囲がブロック層17により覆われ、ブロック層17は、その周囲が温度抑制層16により覆われる。このように、温度抑制層16の内側にブロック層17を形成することにより、温度抑制層16が、大きな衝撃等を受けて過熱状態になった二次電池13から流出するアルカリ塩の高温の熔融液と直接接触することがない。このため、アルカリ塩の熔融液との接触による温度抑制層16の機能喪失を抑制することができる。
その結果、二次電池13から漏出するアルカリ塩の熔融液が、携帯電話機1の外部に流出するのを確実に防止できる。また、二次電池13から発生した熱が筐体10の表面に局所的に伝わることを抑制できる。これにより、筐体10の表面が局所的に高温になることが抑制される。そして、熱により生じる筐体10の損傷が抑制される。
したがって、温度抑制層16の効果を十分に発揮させるためには、温度抑制層16の内側にブロック層17を形成することが好ましい。
温度抑制層16の厚みは、好ましくは500〜3000μmであり、より好ましくは800〜1500μmである。温度抑制層16の厚みが小さすぎる場合には、温度抑制層16の断熱性が不十分になる。それにより、携帯電話機1の表面が局所的に高温になったり、電池嵌合部14や蓋部15が変形したりするおそれがある。また、温度抑制層16の厚みが大きすぎる場合には、電池収納部12の厚みが厚くなりすぎて、携帯電話機1の小型化のための設計の自由度が低下する。
温度抑制層16の熱伝導率は、好ましくは0.2W/m・K以下であり、より好ましくは0.05W/m・K以下である。温度抑制層16の熱伝導率が大きすぎる場合には、温度抑制層16の断熱性が不十分になり、二次電池13が発熱した場合に筐体10の表面が局所的に高温になるおそれがある。それにより、電池嵌合部14や蓋部15が変形するおそれがある。
このような温度抑制層16は、以下のようにして形成される。
温度抑制層16は、例えば、温度抑制層16を形成しようとする表面に、断熱性を有する無機化合物粒子と、結着剤とを含有する温度抑制層形成用組成物を塗布して塗膜を形成することにより得られる。
断熱性を有する無機化合物粒子としては、吸熱反応を起こす無機化合物粒子(以下「吸熱性無機化合物粒子」とする)が挙げられる。吸熱性無機化合物粒子としては、80℃以上の温度に吸熱ピークを有するような無機化合物粒子が好ましい。このような吸熱性無機化合物粒子を含有する断熱層によれば、二次電池が発熱した場合に、吸熱性無機化合物粒子が吸熱反応により熱を吸収する。その結果、二次電池が発熱した場合に、筐体10の表面が局所的に高温になることを抑制することができる。
吸熱性無機化合物粒子としては、80℃以上の温度に吸熱量が大きいピーク、好ましくは80℃以上の温度に吸熱ピークを有するような無機水和物、金属水酸化物及び炭酸塩等が挙げられる。具体例としては、例えば、硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)が吸熱性に特に優れる点から好ましい。
硫酸カルシウム二分の一水和物(CaSO・0.5HO、焼石膏)は、水と混練することにより結着性を示し、塗布して乾燥することにより硫酸カルシウム二水和物になって硬化する。硫酸カルシウム二分の一水和物は、吸熱性無機化合物粒子としても、後述する結着剤としても用いうる点から特に好ましい。
上記吸熱性無機化合物粒子の吸熱反応を起こす温度は、硫酸カルシウム二水和物が80〜150℃、炭酸水素ナトリウムが100〜230℃、水酸化アルミニウムが230〜350℃、水酸化マグネシウムが350〜450℃、炭酸カルシウムが690〜850℃である。従って、これらを適宜組み合わせることにより、吸熱反応を連続的に持続させることもできる。
吸熱性無機化合物粒子の粒径は特に制限されないが、好ましくは500〜3000μmである。吸熱性無機化合物粒子の粒径が前記範囲内であれば、温度抑制層16において、結着剤による吸熱性無機化合物粒子の結着性が向上する。その結果、温度抑制層16の局所的な剥落、温度抑制層16での亀裂の発生等が抑制され、温度抑制層16の効果が長期にわたって発揮される。
結着剤は、吸熱性無機化合物粒子を充分に結着できる樹脂材料や無機化合物であれば、特に限定なく使用できる。その具体例としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。また、無機化合物としては、水との混合物を硬化させることにより硫酸カルシウム二水和物になる、硫酸カルシウム二分の一水和物が結着剤の作用と吸熱性無機化合物粒子の作用とを兼ね備える点から特に好ましい。
吸熱性無機化合物粒子と結着剤とを併用した場合には、吸熱性無機化合物粒子が吸熱することより、結着剤の溶融を抑制することができる。このため、二次電池13が極めて高い衝撃の付与等により発熱しても、二次電池13が携帯電話機1の外部に露出するのを防止することができる。
これに対し、吸熱性無機化合物粒子を含まない場合は、結着剤の溶融潜熱等を利用して吸熱を行うことになるが、これでは、結着剤の溶融を抑制することができない。その結果、結着剤が溶融して流動性が発現すると同時に、結着剤の体積収縮が起り、発熱した二次電池13が携帯電話機1の外部に露出する。
吸熱性無機化合物粒子の含有割合としては、温度抑制層16中、30〜95質量%、さらには50〜90質量%であることが好ましい。吸熱性無機化合物粒子の含有割合が低すぎる場合には温度抑制層16の断熱性が不十分になる傾向があり、高すぎる場合には、温度抑制層16が剥落しやすくなったり、強度が低下したりする傾向がある。
また、結着剤の含有割合は、温度抑制層16中、5〜70質量%、さらには5〜50質量%であることが好ましい。
温度抑制層形成用組成物は、断熱性を有する無機化合物粒子及び結着剤を、有機溶媒または水に溶解または分散させることにより調製することができる。そして、温度抑制層16は、このように調製された温度抑制層形成用組成物を電池嵌合部14の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に塗布して塗膜を形成することにより得られる。
温度抑制層形成用組成物の塗布には、浸漬塗布法、ローラ塗布法、スプレー塗布法、ドクターブレード塗布法等の、従来から公知の塗布方法がとくに限定なく利用できる。そして、塗布した後、乾燥により溶媒を除去する等により温度抑制層16となる塗膜が形成される。
ブロック層17は、アルカリ塩の熔融液に対して耐性を有する金属材料からなる。この金属材料は、アルカリ塩の熔融液の中でもオルト珪酸リチウムの液温1450℃の熔融液に対して耐性を有することが好ましい。ここでの耐性とは、金属材料からなる厚み50μmの金属箔が、オルト珪酸リチウムの液温1450℃の熔融液との接触により熔融しないことである。より好ましくは、ここでの耐性とは、金属材料からなる厚み50μmの金属箔が、オルト珪酸リチウムの液温1450℃の熔融液との接触により熔融せず、孔が開かないことである。
このような金属材料の具体例としては、鉄、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、窒化チタン及びステンレス鋼よりなる群から選ばれる少なくとも1つの金属または金属窒化物である。
ブロック層17を構成する金属材料は、以下の試験方法で選定した。
オルト珪酸リチウム(LiSiO、CERAC社製)5gを白金坩堝に入れ、大気雰囲気中、電気炉で1450℃に加熱し、オルト珪酸リチウムを熔融した。得られた熔融液に、下記表1に示す材料のタブレットを投入して1分間加熱した。その後、熔融液とタブレットとの混合物をステンレス鋼製バットの上に流し出し、冷却し、固化させた。得られた固形物を慎重に割りながら、タブレットを取り出し、タブレットの直径、厚み及び重量を測定し、熔融の度合いを調べた。結果を表1に示す。
Figure 2010032486
TiOのタブレットは、固形物中には見当たらず、完全に熔融したものと考えられる。TiCのタブレットは、1450℃に設定された電気炉に投入すると同時に破砕し、その形状を維持できなかった。SiOのタブレットは、直径、厚み及び重量が明らかに減少し、オルト珪酸リチウムと反応したことがわかった。
TiO、TiC及びSiO以外の材料からなるタブレットは、直径及び厚みが試験前よりも大きくなっている。この変化は、タブレット内の空気の膨張によるものと考えられる。併せて、試験後に重量が著しく減少しているものがないことから、Fe、Ti、Zr、V、Nb、Mo、ZrO、MgO、Ta、W及びTiNを、アルカリ塩の熔融液に対する耐性が高いものとして、一次選定した。
一次選定された材料の中から、金属箔に加工することが可能なFe、Ti、Zr、V、Nb、Mo、Ta、W及びTiNの金属箔(厚み50μm)を用いて、次の試験を実施した。さらに、ステンレス鋼の金属箔(厚み50μm)についても、同じ試験を実施した。
金属箔を溶接し、一辺が20mmの立方体状の容器(以下「カップ」とする)を作製した。白金坩堝にオルト珪酸リチウムを7g入れ、大気雰囲気中、電気炉で1450℃に加熱し、オルト珪酸リチウムを熔融した。得られた熔融液を大気雰囲気中でカップに投入した。冷却後、カップの外観を観察し、孔の発生の有無及び熔融物の流出箇所がないかを調べた。結果を表2に示す。
Figure 2010032486
Tiからなるカップ及びZrからなるカップは、底部が熔解して大きな孔が開き、その孔からオルト珪酸リチウムの熔融液が流出していることが観察された。他のカップは、孔及び熔融物の流出が観察されなかった。
以上の結果から、Ti及びZrを除く、Fe、V、Nb、Mo、Ta、W、TiN及びステンレス鋼が、アルカリ塩の溶融液に対する耐性が高い金属材料であることが判る。
ブロック層17の厚みは特に限定されないが、20μm以上であることが好ましく、30μm〜100μmであることがさらに好ましい。ブロック層17の厚みが小さすぎると、アルカリ塩の熔融液との接触により、ブロック層17に孔が開くおそれがある。また、ブロック層17の厚みが大きすぎると、携帯電話機1の小型化のための設計の自由度が低下するおそれがある。
ブロック層17は、アルカリ塩の熔融液に対して耐性を有する金属材料からなる成形物を、温度抑制層16の表面に敷設することにより形成することができる。また、単に敷設するだけでなく、前記成形物を温度抑制層16の表面に接着することにより、ブロック層17が形成できる。また、接着する代わりに、電池嵌合部14の電池嵌合側表面に、予め、前記成形物を固定するための係合部を設けておき、その係合部により、前記成形物を固定してもよい。このような係合部は、温度抑制層16の表面から突出するように設けられる。
前記成形物としては、アルカリ塩の熔融液に対して耐性を有する金属材料からなる箔、板、アルカリ塩の熔融液に対して耐性を有する金属材料に絞り加工または溶接加工を施した成形物等が挙げられる。
なお、本実施形態では、電池嵌合部14の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面の両方に温度抑制層16及びブロック層17を設けているが、いずれか一方のみに温度抑制層16及びブロック層17を設けてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の携帯電話機について説明する。第2実施形態の携帯電話機は、温度抑制層の構成が異なる以外は、第1実施形態の携帯電話機1と同じ構成である。説明の重複を避けるために、温度抑制層の構成を詳しく説明し、それ以外の部分の説明は省略する。
図6は、第2実施形態の携帯電話機の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。第2実施形態の携帯電話機の電池収納部には、第1実施形態の携帯電話機1の電池収納部12に形成された温度抑制層16の代わりに、以下に説明するような温度抑制層16aが形成されている。
温度抑制層16aの厚みは、温度抑制層16と同様に、好ましくは500〜3000μmであり、より好ましくは800〜1500μmである。温度抑制層16aの熱伝導率は、好ましくは0.2W/m・K以下であり、より好ましくは0.05W/m・K以下である。
温度抑制層16aは、電池嵌合部14の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に無機繊維シートを積層することにより形成される。
無機繊維シートは、従来から知られた、無機繊維の織布、不織布、抄造物等からなる断熱性の繊維シートが特に限定なく用いられる。このような無機繊維シートの具体例としては、例えば、グラスウール、ロックウール等からなる無機繊維シートが挙げられる。このような無機繊維シートは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機繊維シートの熱伝導率は、0.1W/m・K以下、さらには0.05W/m・K以下であることが好ましい。無機繊維シートの熱伝導率が高すぎる場合には、断熱性が不十分になる傾向がある。例えば、グラスウールの熱伝導率は、0.045W/m・K程度である。
無機繊維シートの厚みは特に限定されない。具体的には、例えば、500〜3000μmの範囲であることが好ましい。また、無機繊維シートの単位面積当たりの重量は、30〜1000mg/cmであることが好ましい。
温度抑制層16aは、電池嵌合部14の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に無機繊維シートを接着することにより形成することができる。また、接着する代わりに、電池嵌合部14の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面に、予め、無機繊維シートを固定するための係合部を設けておき、その係合部により、無機繊維シートを固定してもよい。
次に、第2実施形態の他の携帯電話機について説明する。本実施形態の携帯電話機は、温度抑制層の構成が異なる以外は、第1実施形態の携帯電話機1と同じ構成である。説明の重複を避けるために、温度抑制層の構成を詳しく説明し、それ以外の部分の説明は省略する。
図7は、第2実施形態の携帯電話機の他の電池収納部の要部の構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態の携帯電話機の電池収納部12には、第1実施形態の携帯電話機1の電池収納部12に形成された温度抑制層16の代わりに、以下に説明するような温度抑制層16bが形成されている。温度抑制層16bは、温度抑制層16及び温度抑制層16aと同様の、厚み及び熱伝導率を有していることが好ましい。
温度抑制層16bは、電池嵌合部14の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に多孔質樹脂シートを積層することにより形成される。
多孔質樹脂シートの具体例としては、従来から知られた、ウレタンフォーム、スチレンフォーム等の発泡シート;真空断熱材;膨張断熱材;等が挙げられる。
真空断熱材とは、多孔質構造の芯材をラミネートフィルムで被覆した後、内部を減圧にして封止した断熱材である。芯材には、ウレタンフォーム、グラスウール、シリカ粉末等を使用できる。
膨張断熱材とは、高温に晒されると、瞬時に膨張して多孔体を形成するための材料を含有する樹脂製断熱材である。膨張断熱材の具体例としては、例えば、フィブロック(商標名、積水化学工業(株)製)等が挙げられる。
多孔質樹脂シートの熱伝導率は、0.1W/m・K以下、さらには0.05W/m・K以下であることが好ましい。多孔質樹脂シートの熱伝導率が高すぎる場合には、断熱性が不十分になる傾向がある。
多孔質樹脂シートの厚みは特に限定されない。具体的には、例えば、500〜3000μmの範囲であることが好ましい。また、多孔質樹脂シートの単位面積当たりの重量は、好ましくは10〜500mg/cmであることが好ましい。
温度抑制層16bは、電池収納部12の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に多孔質樹脂シートを接着することにより形成することができる。また、接着する代わりに、電池収納部12の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面に、予め、多孔質樹脂シートを固定するための係合部を設けておき、その係合部により、多孔質樹脂シートを固定してもよい。
なお、本実施形態では、電池嵌合部14の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面の両方に温度抑制層16aまたは温度抑制層16b及びブロック層17を設けているが、いずれか一方のみに温度抑制層16aまたは温度抑制層16b及びブロック層17を設けてもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の携帯電話機について説明する。第3実施形態の携帯電話機は、温度抑制層の構成が異なる以外は、第1実施形態の携帯電話機1と同じ構成である。説明の重複を避けるために、温度抑制層の構成を詳しく説明し、それ以外の部分の説明は省略する。
図8は、第3実施形態の携帯電話機の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。第3実施形態の携帯電話機の電池収納部には、第1実施形態の携帯電話機1の電池収納部12に形成された温度抑制層16の代わりに、以下に説明するように、温度抑制層16と温度抑制層16aとが形成されている。
本実施形態では、電池嵌合部14の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面の両方に、温度抑制層16を設け、温度抑制層16の表面に温度抑制層16aを設け、温度抑制層16aの表面にブロック層17を設けている。温度抑制層16は、吸熱性無機化合物粒子を含む吸熱層であり、温度抑制層16aは、無機繊維シートからなる断熱層である。このような構成により、断熱効果が一層高くなり、携帯電話機表面の温度の上昇が一層抑制される。
第1実施形態〜第3実施形態では、電池嵌合部と蓋部とを備える電池収納部を有する携帯電話機について説明したが、それに限定されない。例えば、携帯電話機の筐体に対して、電池収納部が着脱可能に設けられる携帯電話機、二次電池内蔵式の携帯電話機等にも、本発明の構成を適用できる。
本発明の携帯電子機器を、第1〜第3実施形態の携帯電話機を例にして詳しく説明したが、本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器にも当然適用できる。具体的には、例えば、PDA、ゲーム機、デジタルスチルカメラ(DSC)、ポータブル音楽機器、複数の二次電池を組み合わせた電池パックを電源とするノートブック型パーソナルコンピュータ、ポータブルビデオカメラ等の携帯電子機器に適用できる。また、本発明の技術的特徴は、電気自動車等の電源として用いられる大型二次電池の外装材にも利用できる。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形及び改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、すべての変形及び改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明の携帯電子機器は、二次電池が万が一発熱し、内容物が溶融しても、表面温度の急激な上昇が抑制されかつ溶融液の携帯電子機器外部への流出が抑制されるという利点を有し、従来の携帯電子機器と同じ用途に使用できる。
また、本発明の携帯電子機器における、温度抑制層及びブロック層を備える被覆層は、電気自動車等の駆動源として用いられる大型二次電池の安全性を高めるための外装材にも適用できる。
本発明は、携帯電子機器に関する。さらに詳しくは、本発明は、電源である二次電池を収納する筐体構造の改良に関する。
携帯電話、携帯情報端末、ノートブック型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機等の携帯電子機器は、高機能化すればするほど、基板上に実装される発熱部品の数が増える。携帯電子機器の使用時に、発熱部品の放熱により筐体表面が局所的に高温になることがある。
特許文献1は、携帯電子機器の筐体内部に収納される発熱部品の周囲に放熱性に優れた熱伝導部材を配置することにより、発熱部品からの熱を有利に放散する構造を開示している。熱伝導部材としては、アルミニウム合金、マグネシウム合金、ステンレス鋼、普通鋼等の金属材料が挙げられている。
特許文献2は、芳香族ポリカーボネートにリン系難燃剤を添加した難燃性樹脂組成物を、電子機器の筐体や部品の材料に用いることを開示している。
特許文献3は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の吸熱材を含有する樹脂組成物を開示している。水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムは、吸熱反応を起こして燃焼熱を低減させる。この吸熱反応は水を放出する反応である。この吸熱反応は、難燃効果を発揮する。
特許文献4は、外装ケースと、外装ケースの内部に収納される電池と、外装ケース内面と電池との間に形成される断熱層とを含む電池パックを開示している。また、特許文献4は、このような断熱層が、環境温度の低下による電池性能の低下を防止すると開示している。
国際公開第2008/062879号パンフレット 特許第3682148号明細書 特許第3408676号明細書 特開平5−234573号公報
現在では、携帯電子機器の電源として汎用されている二次電池の中でも、コバルト酸リチウムを含有する正極と、黒鉛を含有する負極とを備えるリチウムイオン二次電池が主流になっている。このようなリチウムイオン二次電池に、極めて高い衝撃が付与された場合に、電池からガスや火炎が噴出することが想定される。
一方、リチウムイオン二次電池のさらなる高容量化及び高エネルギー密度化を図るために、負極活物質として、珪素系活物質または錫系活物質を用いることが試みられている。特に、珪素系活物質は、黒鉛に比べて非常に大きい容量を有している。珪素系活物質を用いたリチウムイオン二次電池に極めて高い衝撃が付与された場合に、オルト珪酸リチウムのようなアルカリ塩が熔融することにより生成する高温の熔融液が、電池の外部に流出することも想定される。
本発明の目的は、容量及びエネルギー密度の高い二次電池を電源とする携帯電子機器であって、安全性及び信頼性の高い携帯電子機器を提供することである。
本発明の携帯電子機器は、二次電池を電源とする携帯電子機器であって、筐体と、電子機器本体と、電池収納部と、被覆層とを備える。
電子機器本体は、筐体内に収納される。電池収納部は、筐体内に収納され、所定の外形を有する二次電池を嵌合するための電池嵌合部を有する成形体である。
被覆層は、電池収納部の二次電池を嵌合する側の表面に設けられ、携帯電子機器の表面温度が上昇するのを抑制する温度抑制層と過熱状態の二次電池から内容物が流出するのを抑制するブロック層とを備える。
本発明の携帯電子機器によれば、二次電池に極めて高い衝撃が付与されて、その内容物が熔融した場合でも、高温の熔融液が携帯電子機器の外部に流出するのを防止しながら、携帯電子機器の表面温度の上昇を抑制することができる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成及び内容の両方に関し、本発明の他の目的及び特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
第1実施形態の携帯電子機器である、携帯電話機の外観を模式的に示した上面図である。 図1に示した携帯電話機のII−II線の断面図である。 二次電池を収納した電池収納部の断面形状を模式的に示した縦断面図である。 電子機器本体を模式的に示した斜視図である。 電池収納部を模式的に示した斜視図である。 第2実施形態の携帯電話機の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。 第2実施形態の携帯電話機の他の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。 第3実施形態の携帯電話機の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の携帯電子機器である、携帯電話機1の外観を模式的に示した上面図である。図2は、図1に示した携帯電話機1のII−II線の断面図である。図3は、二次電池13を収納した電池収納部12の断面形状を模式的に示した縦断面図である。図4は、電子機器本体11及び電池収納部12の斜視図である。図5は、二次電池13を収納する様子を示す電池収納部12の斜視図である。
はじめに、携帯電話機1の構成について説明する。
携帯電話機1は、図1及び図2に示すように、筐体10と、筐体10内に収納された電子機器本体11と、電池収納部12と、電池収納部12に収納された二次電池13とを備える。電子機器本体11は、スピーカー18と、マイクロフォン19と、画像表示部20と、入力操作部21と、回路部22と、回路基板23とを備える。
スピーカー18、マイクロフォン19、画像表示部20、入力操作部21、及び回路部22は所定の回路が形成された回路基板23上に実装されている。電池収納部12は、正極端子及び負極端子を備え、回路基板上の回路の所定の位置にそれぞれ実装されている。
図2に示すように、スピーカー18は、筐体10の所定の位置に設けられた受話孔118に対向するように配設されている。また、マイクロフォン19は、筐体10の所定の位置に設けられた送話孔119に対向するように配設されている。画像表示部20は、外部から表示を認識できるように、筐体10に設けられた表示孔120に嵌合されて配設されている。
入力操作部21は、操作者が情報入力できるように、筐体10に設けられた複数の入力ボタンを組み合わせた文字盤からなる入力部121に嵌合されて配設されている。なお、回路基板23の表面には、さらに、必要に応じて、カードコネクターや、小型カメラ装置が実装されていてもよい。
スピーカー18は、着信通知音を報知し、また受話音声を出力する。マイクロフォン19から通話音声が入力される。画像表示部20は、画像、文字、図形または動画を表示する。画像表示部20には、液晶モニター等を使用できる。入力操作部21は、入力部121を用いて入力される操作を受け付ける。画像表示部20がタッチパネルである場合には、画像表示部20が入力操作部21を兼ねる。
回路部22は、回路制御部22a及び記憶部22bを備えている。回路制御部22aは操作者が入力操作部21から入力した、入力情報に応じて各種の動作制御を実行する。記憶部22bは操作者が入力した入力情報等を記憶する。回路制御部22aとしては、複数のICチップや中央集積装置(CPU)が用いられる。記憶部22bとしては、RAMやROM等のメモリが用いられる。
電子機器本体11は、二次電池13から供給される電力により駆動される。
操作者は、入力操作部21からの入力操作により、回路制御部22aに対して命令信号を送る。そして、送られた命令信号により、所定の動作を起こす。また、必要に応じて、入力情報を記憶部22bに記憶させる。
また、操作者は、マイクロフォン19に向けて発話する。発話された音声は回路部22内の回路により無線信号に変換されて、無線信号として他の受信機に向けて送信される。また、他の受信機から発せられた無線信号は、アンテナ回路により受信される。受信された無線信号は回路部22内の回路により音声信号に変換され、音声信号としてスピーカー18から出力される。
次に、携帯電話機1を構成する筐体10について説明する。筐体10は、その内部に電子機器本体11及び電池収納部12を収納する。筐体10は、たとえば、金属材料または樹脂材料から作製される。
次に、携帯電話機1を構成する電池収納部12について詳しく説明する。
電池収納部12は、図2に示すように、二次電池13を嵌合するための電池嵌合部14と、電池嵌合部14に嵌合された二次電池13を覆う蓋部15とを備える。
電池嵌合部14は、二次電池13の形状に対応する内部空間を有する凹部状の部材である。凹部の開口は、電池交換を可能にするために、筐体10の外方に面するように配設されている。電池嵌合部14には、嵌合される二次電池13の正極端子(不図示)に当接する正極端子部(不図示)及び、二次電池13の負極端子(不図示)に当接する負極端子部(不図示)が設けられている。
蓋部15は、筐体10の電池嵌合部14に対して脱着可能に設けられる部材である。蓋部15は、凹部に嵌合された二次電池13を覆い、凹部の開口を塞ぐように装着される。凹部に二次電池13を嵌合することにより、二次電池13が支持される。
電池収納部12に収納される二次電池13としては、従来から携帯電子機器に用いられている、高容量及び高エネルギー密度を有し、小型化が可能なリチウムイオン二次電池を好ましく使用できる。
リチウムイオン二次電池の中でも、負極活物質として珪素系活物質または錫系活物質を含むリチウムイオン二次電池が好ましく、正極活物質としてリチウム含有複合金属酸化物を含み、負極活物質として珪素系活物質または錫系活物質を含むリチウムイオン二次電池が特に好ましい。珪素系活物質及び錫系活物質は、リチウムイオン二次電池のさらなる高容量化及び高エネルギー密度化を達成できる。
珪素系活物質としては、珪素を含有する活物質であれば特に限定されないが、珪素、珪素酸化物、珪素合金等が好ましい。錫系活物質としては、錫を含有する活物質であれば特に限定されないが、錫、錫酸化物、錫合金等が好ましい。これらの中でも、珪素系活物質が好ましい。
なお、二次電池13は、単電池であっても、複数の単電池を直列または並列に組み合わせてなる電池パックの形態であってもよい。
電池嵌合部14及び蓋部15は、好ましくは、樹脂材料または金属材料により作製される。樹脂材料には、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のマトリックス樹脂に難燃剤を添加した難燃性樹脂組成物を用いることが好ましい。難燃性樹脂組成物は、UL−94規格の燃焼試験でV−0以上の難燃性を有するものが好ましい。金属材料は特に制限されないが、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム合金等が好ましく用いられる。
そして、図2及び図3に示すように、電池嵌合部14の二次電池13と対向する側の表面(以下、「電池嵌合側表面」とも呼ぶ)及び、蓋部15の二次電池13と対向する側の表面(以下「対向側表面」とも呼ぶ)には、携帯電子機器1の表面温度が上昇するのを抑制する温度抑制層16が設けられ、温度抑制層16の表面には、過熱状態の二次電池13から内容物が流出するのを抑制するブロック層17が設けられている。このようにして、電池収納部12の二次電池13が収納される側の表面に温度抑制層16及びブロック層17が順次形成されている。
このような構成によれば、電池収納部12に収納された二次電池13は、その周囲がブロック層17により覆われ、ブロック層17は、その周囲が温度抑制層16により覆われる。このように、温度抑制層16の内側にブロック層17を形成することにより、温度抑制層16が、大きな衝撃等を受けて過熱状態になった二次電池13から流出するアルカリ塩の高温の熔融液と直接接触することがない。このため、アルカリ塩の熔融液との接触による温度抑制層16の機能喪失を抑制することができる。
その結果、二次電池13から漏出するアルカリ塩の熔融液が、携帯電話機1の外部に流出するのを確実に防止できる。また、二次電池13から発生した熱が筐体10の表面に局所的に伝わることを抑制できる。これにより、筐体10の表面が局所的に高温になることが抑制される。そして、熱により生じる筐体10の損傷が抑制される。
したがって、温度抑制層16の効果を十分に発揮させるためには、温度抑制層16の内側にブロック層17を形成することが好ましい。
温度抑制層16の厚みは、好ましくは500〜3000μmであり、より好ましくは800〜1500μmである。温度抑制層16の厚みが小さすぎる場合には、温度抑制層16の断熱性が不十分になる。それにより、携帯電話機1の表面が局所的に高温になったり、電池嵌合部14や蓋部15が変形したりするおそれがある。また、温度抑制層16の厚みが大きすぎる場合には、電池収納部12の厚みが厚くなりすぎて、携帯電話機1の小型化のための設計の自由度が低下する。
温度抑制層16の熱伝導率は、好ましくは0.2W/m・K以下であり、より好ましくは0.05W/m・K以下である。温度抑制層16の熱伝導率が大きすぎる場合には、温度抑制層16の断熱性が不十分になり、二次電池13が発熱した場合に筐体10の表面が局所的に高温になるおそれがある。それにより、電池嵌合部14や蓋部15が変形するおそれがある。
このような温度抑制層16は、以下のようにして形成される。
温度抑制層16は、例えば、温度抑制層16を形成しようとする表面に、断熱性を有する無機化合物粒子と、結着剤とを含有する温度抑制層形成用組成物を塗布して塗膜を形成することにより得られる。
断熱性を有する無機化合物粒子としては、吸熱反応を起こす無機化合物粒子(以下「吸熱性無機化合物粒子」とする)が挙げられる。吸熱性無機化合物粒子としては、80℃以上の温度に吸熱ピークを有するような無機化合物粒子が好ましい。このような吸熱性無機化合物粒子を含有する断熱層によれば、二次電池が発熱した場合に、吸熱性無機化合物粒子が吸熱反応により熱を吸収する。その結果、二次電池が発熱した場合に、筐体10の表面が局所的に高温になることを抑制することができる。
吸熱性無機化合物粒子としては、80℃以上の温度に吸熱量が大きいピーク、好ましくは80℃以上の温度に吸熱ピークを有するような無機水和物、金属水酸化物及び炭酸塩等が挙げられる。具体例としては、例えば、硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)が吸熱性に特に優れる点から好ましい。
硫酸カルシウム二分の一水和物(CaSO・0.5HO、焼石膏)は、水と混練することにより結着性を示し、塗布して乾燥することにより硫酸カルシウム二水和物になって硬化する。硫酸カルシウム二分の一水和物は、吸熱性無機化合物粒子としても、後述する結着剤としても用いうる点から特に好ましい。
上記吸熱性無機化合物粒子の吸熱反応を起こす温度は、硫酸カルシウム二水和物が80〜150℃、炭酸水素ナトリウムが100〜230℃、水酸化アルミニウムが230〜350℃、水酸化マグネシウムが350〜450℃、炭酸カルシウムが690〜850℃である。従って、これらを適宜組み合わせることにより、吸熱反応を連続的に持続させることもできる。
吸熱性無機化合物粒子の粒径は特に制限されないが、好ましくは500〜3000μmである。吸熱性無機化合物粒子の粒径が前記範囲内であれば、温度抑制層16において、結着剤による吸熱性無機化合物粒子の結着性が向上する。その結果、温度抑制層16の局所的な剥落、温度抑制層16での亀裂の発生等が抑制され、温度抑制層16の効果が長期にわたって発揮される。
結着剤は、吸熱性無機化合物粒子を充分に結着できる樹脂材料や無機化合物であれば、特に限定なく使用できる。その具体例としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。また、無機化合物としては、水との混合物を硬化させることにより硫酸カルシウム二水和物になる、硫酸カルシウム二分の一水和物が結着剤の作用と吸熱性無機化合物粒子の作用とを兼ね備える点から特に好ましい。
吸熱性無機化合物粒子と結着剤とを併用した場合には、吸熱性無機化合物粒子が吸熱することより、結着剤の溶融を抑制することができる。このため、二次電池13が極めて高い衝撃の付与等により発熱しても、二次電池13が携帯電話機1の外部に露出するのを防止することができる。
これに対し、吸熱性無機化合物粒子を含まない場合は、結着剤の溶融潜熱等を利用して吸熱を行うことになるが、これでは、結着剤の溶融を抑制することができない。その結果、結着剤が溶融して流動性が発現すると同時に、結着剤の体積収縮が起り、発熱した二次電池13が携帯電話機1の外部に露出する。
吸熱性無機化合物粒子の含有割合としては、温度抑制層16中、30〜95質量%、さらには50〜90質量%であることが好ましい。吸熱性無機化合物粒子の含有割合が低すぎる場合には温度抑制層16の断熱性が不十分になる傾向があり、高すぎる場合には、温度抑制層16が剥落しやすくなったり、強度が低下したりする傾向がある。
また、結着剤の含有割合は、温度抑制層16中、5〜70質量%、さらには5〜50質量%であることが好ましい。
温度抑制層形成用組成物は、断熱性を有する無機化合物粒子及び結着剤を、有機溶媒または水に溶解または分散させることにより調製することができる。そして、温度抑制層16は、このように調製された温度抑制層形成用組成物を電池嵌合部14の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に塗布して塗膜を形成することにより得られる。
温度抑制層形成用組成物の塗布には、浸漬塗布法、ローラ塗布法、スプレー塗布法、ドクターブレード塗布法等の、従来から公知の塗布方法がとくに限定なく利用できる。そして、塗布した後、乾燥により溶媒を除去する等により温度抑制層16となる塗膜が形成される。
ブロック層17は、アルカリ塩の熔融液に対して耐性を有する金属材料からなる。この金属材料は、アルカリ塩の熔融液の中でもオルト珪酸リチウムの液温1450℃の熔融液に対して耐性を有することが好ましい。ここでの耐性とは、金属材料からなる厚み50μmの金属箔が、オルト珪酸リチウムの液温1450℃の熔融液との接触により熔融しないことである。より好ましくは、ここでの耐性とは、金属材料からなる厚み50μmの金属箔が、オルト珪酸リチウムの液温1450℃の熔融液との接触により熔融せず、孔が開かないことである。
このような金属材料の具体例としては、鉄、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、窒化チタン及びステンレス鋼よりなる群から選ばれる少なくとも1つの金属または金属窒化物である。
ブロック層17を構成する金属材料は、以下の試験方法で選定した。
オルト珪酸リチウム(LiSiO、CERAC社製)5gを白金坩堝に入れ、大気雰囲気中、電気炉で1450℃に加熱し、オルト珪酸リチウムを熔融した。得られた熔融液に、下記表1に示す材料のタブレットを投入して1分間加熱した。その後、熔融液とタブレットとの混合物をステンレス鋼製バットの上に流し出し、冷却し、固化させた。得られた固形物を慎重に割りながら、タブレットを取り出し、タブレットの直径、厚み及び重量を測定し、熔融の度合いを調べた。結果を表1に示す。
Figure 2010032486
TiOのタブレットは、固形物中には見当たらず、完全に熔融したものと考えられる。TiCのタブレットは、1450℃に設定された電気炉に投入すると同時に破砕し、その形状を維持できなかった。SiOのタブレットは、直径、厚み及び重量が明らかに減少し、オルト珪酸リチウムと反応したことがわかった。
TiO、TiC及びSiO以外の材料からなるタブレットは、直径及び厚みが試験前よりも大きくなっている。この変化は、タブレット内の空気の膨張によるものと考えられる。併せて、試験後に重量が著しく減少しているものがないことから、Fe、Ti、Zr、V、Nb、Mo、ZrO、MgO、Ta、W及びTiNを、アルカリ塩の熔融液に対する耐性が高いものとして、一次選定した。
一次選定された材料の中から、金属箔に加工することが可能なFe、Ti、Zr、V、Nb、Mo、Ta、W及びTiNの金属箔(厚み50μm)を用いて、次の試験を実施した。さらに、ステンレス鋼の金属箔(厚み50μm)についても、同じ試験を実施した。
金属箔を溶接し、一辺が20mmの立方体状の容器(以下「カップ」とする)を作製した。白金坩堝にオルト珪酸リチウムを7g入れ、大気雰囲気中、電気炉で1450℃に加熱し、オルト珪酸リチウムを熔融した。得られた熔融液を大気雰囲気中でカップに投入した。冷却後、カップの外観を観察し、孔の発生の有無及び熔融物の流出箇所がないかを調べた。結果を表2に示す。
Figure 2010032486
Tiからなるカップ及びZrからなるカップは、底部が熔解して大きな孔が開き、その孔からオルト珪酸リチウムの熔融液が流出していることが観察された。他のカップは、孔及び熔融物の流出が観察されなかった。
以上の結果から、Ti及びZrを除く、Fe、V、Nb、Mo、Ta、W、TiN及びステンレス鋼が、アルカリ塩の溶融液に対する耐性が高い金属材料であることが判る。
ブロック層17の厚みは特に限定されないが、20μm以上であることが好ましく、30μm〜100μmであることがさらに好ましい。ブロック層17の厚みが小さすぎると、アルカリ塩の熔融液との接触により、ブロック層17に孔が開くおそれがある。また、ブロック層17の厚みが大きすぎると、携帯電話機1の小型化のための設計の自由度が低下するおそれがある。
ブロック層17は、アルカリ塩の熔融液に対して耐性を有する金属材料からなる成形物を、温度抑制層16の表面に敷設することにより形成することができる。また、単に敷設するだけでなく、前記成形物を温度抑制層16の表面に接着することにより、ブロック層17が形成できる。また、接着する代わりに、電池嵌合部14の電池嵌合側表面に、予め、前記成形物を固定するための係合部を設けておき、その係合部により、前記成形物を固定してもよい。このような係合部は、温度抑制層16の表面から突出するように設けられる。
前記成形物としては、アルカリ塩の熔融液に対して耐性を有する金属材料からなる箔、板、アルカリ塩の熔融液に対して耐性を有する金属材料に絞り加工または溶接加工を施した成形物等が挙げられる。
なお、本実施形態では、電池嵌合部14の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面の両方に温度抑制層16及びブロック層17を設けているが、いずれか一方のみに温度抑制層16及びブロック層17を設けてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の携帯電話機について説明する。第2実施形態の携帯電話機は、温度抑制層の構成が異なる以外は、第1実施形態の携帯電話機1と同じ構成である。説明の重複を避けるために、温度抑制層の構成を詳しく説明し、それ以外の部分の説明は省略する。
図6は、第2実施形態の携帯電話機の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。第2実施形態の携帯電話機の電池収納部には、第1実施形態の携帯電話機1の電池収納部12に形成された温度抑制層16の代わりに、以下に説明するような温度抑制層16aが形成されている。
温度抑制層16aの厚みは、温度抑制層16と同様に、好ましくは500〜3000μmであり、より好ましくは800〜1500μmである。温度抑制層16aの熱伝導率は、好ましくは0.2W/m・K以下であり、より好ましくは0.05W/m・K以下である。
温度抑制層16aは、電池嵌合部14の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に無機繊維シートを積層することにより形成される。
無機繊維シートは、従来から知られた、無機繊維の織布、不織布、抄造物等からなる断熱性の繊維シートが特に限定なく用いられる。このような無機繊維シートの具体例としては、例えば、グラスウール、ロックウール等からなる無機繊維シートが挙げられる。このような無機繊維シートは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機繊維シートの熱伝導率は、0.1W/m・K以下、さらには0.05W/m・K以下であることが好ましい。無機繊維シートの熱伝導率が高すぎる場合には、断熱性が不十分になる傾向がある。例えば、グラスウールの熱伝導率は、0.045W/m・K程度である。
無機繊維シートの厚みは特に限定されない。具体的には、例えば、500〜3000μmの範囲であることが好ましい。また、無機繊維シートの単位面積当たりの重量は、30〜1000mg/cmであることが好ましい。
温度抑制層16aは、電池嵌合部14の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に無機繊維シートを接着することにより形成することができる。また、接着する代わりに、電池嵌合部14の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面に、予め、無機繊維シートを固定するための係合部を設けておき、その係合部により、無機繊維シートを固定してもよい。
次に、第2実施形態の他の携帯電話機について説明する。本実施形態の携帯電話機は、温度抑制層の構成が異なる以外は、第1実施形態の携帯電話機1と同じ構成である。説明の重複を避けるために、温度抑制層の構成を詳しく説明し、それ以外の部分の説明は省略する。
図7は、第2実施形態の携帯電話機の他の電池収納部の要部の構成を模式的に示す縦断面図である。本実施形態の携帯電話機の電池収納部12には、第1実施形態の携帯電話機1の電池収納部12に形成された温度抑制層16の代わりに、以下に説明するような温度抑制層16bが形成されている。温度抑制層16bは、温度抑制層16及び温度抑制層16aと同様の、厚み及び熱伝導率を有していることが好ましい。
温度抑制層16bは、電池嵌合部14の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に多孔質樹脂シートを積層することにより形成される。
多孔質樹脂シートの具体例としては、従来から知られた、ウレタンフォーム、スチレンフォーム等の発泡シート;真空断熱材;膨張断熱材;等が挙げられる。
真空断熱材とは、多孔質構造の芯材をラミネートフィルムで被覆した後、内部を減圧にして封止した断熱材である。芯材には、ウレタンフォーム、グラスウール、シリカ粉末等を使用できる。
膨張断熱材とは、高温に晒されると、瞬時に膨張して多孔体を形成するための材料を含有する樹脂製断熱材である。膨張断熱材の具体例としては、例えば、フィブロック(商標名、積水化学工業(株)製)等が挙げられる。
多孔質樹脂シートの熱伝導率は、0.1W/m・K以下、さらには0.05W/m・K以下であることが好ましい。多孔質樹脂シートの熱伝導率が高すぎる場合には、断熱性が不十分になる傾向がある。
多孔質樹脂シートの厚みは特に限定されない。具体的には、例えば、500〜3000μmの範囲であることが好ましい。また、多孔質樹脂シートの単位面積当たりの重量は、好ましくは10〜500mg/cmであることが好ましい。
温度抑制層16bは、電池収納部12の電池嵌合側表面、及び蓋部15の対向側表面に多孔質樹脂シートを接着することにより形成することができる。また、接着する代わりに、電池収納部12の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面に、予め、多孔質樹脂シートを固定するための係合部を設けておき、その係合部により、多孔質樹脂シートを固定してもよい。
なお、本実施形態では、電池嵌合部14の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面の両方に温度抑制層16aまたは温度抑制層16b及びブロック層17を設けているが、いずれか一方のみに温度抑制層16aまたは温度抑制層16b及びブロック層17を設けてもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の携帯電話機について説明する。第3実施形態の携帯電話機は、温度抑制層の構成が異なる以外は、第1実施形態の携帯電話機1と同じ構成である。説明の重複を避けるために、温度抑制層の構成を詳しく説明し、それ以外の部分の説明は省略する。
図8は、第3実施形態の携帯電話機の電池収納部の要部の構成を模式的に示した縦断面図である。第3実施形態の携帯電話機の電池収納部には、第1実施形態の携帯電話機1の電池収納部12に形成された温度抑制層16の代わりに、以下に説明するように、温度抑制層16と温度抑制層16aとが形成されている。
本実施形態では、電池嵌合部14の電池嵌合側表面及び蓋部15の対向側表面の両方に、温度抑制層16を設け、温度抑制層16の表面に温度抑制層16aを設け、温度抑制層16aの表面にブロック層17を設けている。温度抑制層16は、吸熱性無機化合物粒子を含む吸熱層であり、温度抑制層16aは、無機繊維シートからなる断熱層である。このような構成により、断熱効果が一層高くなり、携帯電話機表面の温度の上昇が一層抑制される。
第1実施形態〜第3実施形態では、電池嵌合部と蓋部とを備える電池収納部を有する携帯電話機について説明したが、それに限定されない。例えば、携帯電話機の筐体に対して、電池収納部が着脱可能に設けられる携帯電話機、二次電池内蔵式の携帯電話機等にも、本発明の構成を適用できる。
本発明の携帯電子機器を、第1〜第3実施形態の携帯電話機を例にして詳しく説明したが、本発明は、携帯電話機以外の携帯電子機器にも当然適用できる。具体的には、例えば、PDA、ゲーム機、デジタルスチルカメラ(DSC)、ポータブル音楽機器、複数の二次電池を組み合わせた電池パックを電源とするノートブック型パーソナルコンピュータ、ポータブルビデオカメラ等の携帯電子機器に適用できる。また、本発明の技術的特徴は、電気自動車等の電源として用いられる大型二次電池の外装材にも利用できる。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形及び改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、すべての変形及び改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明の携帯電子機器は、二次電池が万が一発熱し、内容物が溶融しても、表面温度の急激な上昇が抑制されかつ溶融液の携帯電子機器外部への流出が抑制されるという利点を有し、従来の携帯電子機器と同じ用途に使用できる。
また、本発明の携帯電子機器における、温度抑制層及びブロック層を備える被覆層は、電気自動車等の駆動源として用いられる大型二次電池の安全性を高めるための外装材にも適用できる。

Claims (14)

  1. 二次電池を電源とする携帯電子機器であって、
    筐体と、前記筐体内に収納される電子機器本体と、前記筐体内に収納され、所定の外形を有する前記二次電池を嵌合するための電池嵌合部を有する成形体である電池収納部と、前記電池収納部の二次電池を嵌合する側の表面に設けられる被覆層と、を備え、
    前記被覆層が、前記携帯電子機器の表面温度が上昇するのを抑制する温度抑制層と過熱状態の前記二次電池から内容物が流出するのを抑制するブロック層とを備える携帯電子機器。
  2. 前記被覆層は、前記電池収納部の前記二次電池を嵌合する側の前記表面に設けられる前記温度抑制層と、前記温度抑制層の表面に設けられる前記ブロック層とを含む請求項1に記載の携帯電子機器。
  3. 前記二次電池は、負極活物質として、珪素系活物質及び錫系活物質よりなる群から選ばれる少なくとも1つを含有するリチウムイオン二次電池である請求項1または2に記載の携帯電子機器。
  4. 前記ブロック層が、珪素を含有するアルカリ塩の溶融液に対して耐性を有する金属材料からなる請求項3に記載の携帯電子機器。
  5. 前記金属材料は、厚み50μmの金属箔の状態で、オルト珪酸リチウムの液温1450℃の熔融液との接触により熔融しない耐性を有する請求項4に記載の携帯電子機器。
  6. 前記金属材料が、Fe、V、Nb、Mo、Ta、W、TiN及びステンレス鋼よりなる群から選ばれる少なくとも1つの金属または金属窒化物を含有する請求項5に記載の携帯電子機器。
  7. 前記温度抑制層は、厚み500〜3000μmであり、熱伝導率0.2W/m・K以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯用電子機器。
  8. 前記温度抑制層が、熱伝導率0.1W/m・K以下の無機繊維シートからなる請求項7に記載の携帯電子機器。
  9. 前記無機繊維シートが、グラスウール及びロックウールから選ばれる少なくとも1つの無機繊維を含むシートである請求項8に記載の携帯電子機器。
  10. 前記温度抑制層が、熱伝導率0.1W/m・K以下の多孔質樹脂シートを含む請求項7に記載の携帯電子機器。
  11. 前記温度抑制層が、80℃以上の温度に吸熱ピークを有する吸熱性無機化合物粒子を30〜95質量%及び結着剤5〜70質量%含有する層である請求項7に記載の携帯電子機器。
  12. 前記吸熱性無機化合物粒子が、無機水和物、金属水酸化物及び炭酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物の粒子を含有する請求項11に記載の携帯電子機器。
  13. 前記吸熱性無機化合物粒子が、硫酸カルシウム二水和物、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び炭酸カルシウムよりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物の粒子を含有する請求項11に記載の携帯電子機器。
  14. 前記二次電池が複数の単電池を組み合わせた電池パックの形態である請求項1〜13のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
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