JPWO2010032322A1 - 抗炎症性ペプチド - Google Patents

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Abstract

効果が高く、副作用の心配がなく、摂取が容易であり、且つ価格的にも安全性の面からも長期間服用ができる抗炎症組成物を提供する。本発明は、pyroGlu−(X)n−A(Xは同一または異なって、Gln、AsnまたはProであり、AはGln、Asn、Leu、Ile、Met、ValまたはPheであり、nは0〜2の整数である)で表されるアミノ酸配列からなるペプチドまたはその塩、ならびにこれを含む抗炎症組成物に関する。

Description

本発明は、抗炎症活性を有するペプチド、ならびに該ペプチドを有効成分とする抗炎症組成物に関する。
腫瘍壊死因子(TNF)、特にTNF−αは、炎症性細胞から放出され、多彩な細胞傷害反応、免疫反応および炎症反応を起こすことで知られている。TNF−αは、多くの炎症疾患および自己免疫疾患の発症や遷延化に関与し、さらに血液中に放出されて全身に作用すると、重篤な敗血症および敗血症性ショックを起こすことが知られている。このようにTNF−αは生体の免疫系に広範に関連する因子であるため、TNF−αを抑制する薬剤の開発が盛んに行われている。TNF−αは不活性型で生合成され、プロテアーゼによって切断されて活性型となるが、この活性化に関与する酵素は腫瘍壊死因子変換酵素(TACE)と呼ばれている。したがってこのTACEを阻害する物質は、TNF−αに起因する疾患、病態、異常な状態、不具合、不都合な自覚症状などを治療、改善、予防することができる。
インターロイキン−1(IL−1)は、プロスタグランジン、コラゲナーゼおよびホスホリパーゼの産生、好塩基球および好酸球の脱顆粒ならびに好中球の活性化を刺激する主要な炎症性サイトカインである。IL−1の生理作用は極めて多岐に渡り、免疫細胞の活性化や分化・増殖促進を通じて、局所性または全身性に炎症反応を惹起し、発熱、急性期蛋白の誘導、破骨細胞の活性化等に関与する。このようにIL−1は生体の免疫系に広範に関連する因子であるため、IL−1を抑制する薬剤の開発が盛んに行われている。IL−1は、IL−1α、IL−1βのサブタイプが存在するが、いずれも不活性型で生合成され、プロテアーゼによって切断されて活性型となる。IL−1βの活性化に関与する酵素はカスパーゼ1(別名、インターロイキン1β変換酵素(ICE))と呼ばれている。したがってこのICEを阻害する物質は、IL−1に起因する疾患、病態、異常な状態、不具合、不都合な自覚症状などを治療、改善、予防することができる。
従来からTACE阻害剤として、樹木であるモリンダ・シトリフォリアL由来の成分がある(特許文献1)。また、ICE阻害剤として、Cbz−Val−Ala−(OMe)−フルオロメチルケトンが知られている(特許文献2)。しかしながら、これらの成分は簡便に入手できるものではなく、入手できたとしても摂取のしやすさや安全性などに問題があった。
特開2007−016015号公報 特開平11−302192号公報
本発明の課題は、効果が高く、副作用の心配がなく、摂取が容易であり、且つ価格的にも安全性の面からも長期間服用ができる、抗炎症組成物を提供することである。
本発明者等は、腫瘍壊死因子変換酵素(TACE)阻害作用を有する物質およびカスパーゼ1(ICE)阻害作用を有する物質の検索を鋭意行った結果、特定の配列を有するペプチドがTACE阻害活性およびICE阻害活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)次式:
pyroGlu−(X)n−A
(Xは同一または異なって、Gln、AsnまたはProであり、AはGln、Asn、Leu、Ile、Met、ValまたはPheであり、nは0〜2の整数である)
で表されるアミノ酸配列からなるペプチドまたはその塩。
(2)XがGlnまたはProであり、AがGln、Leu、Met、ValまたはPheであり、nが0または1である、(1)記載のペプチドまたはその塩。
(3)pyroGlu−Leu、pyroGlu−Val、pyroGlu−Met、pyroGlu−Phe、pyroGlu−Gln−GlnおよびpyroGlu−Pro−Glnからなる群から選択される、(2)記載のペプチドまたはその塩。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のペプチドまたはその塩の少なくとも1種を有効成分として含有する、抗炎症組成物。
(5)腫瘍壊死因子変換酵素および/またはカスパーゼ1を阻害することにより炎症を抑制するための、(4)記載の組成物。
(6)腫瘍壊死因子および/またはインターロイキンが関与する炎症性の疾患または状態を予防、改善または治療するための(4)または(5)記載の組成物。
(7)食品の形態である(4)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
本発明により、従来の医薬品による治療よりも安全性が高く簡単な方法で摂取することが可能な、抗炎症組成物が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について具体的に説明する。
本発明者らは、pyroGlu−(X)n−Aで表されるアミノ酸配列からなるペプチドまたはその塩(以下、該ペプチドを本発明のペプチドと呼称することがある)が、腫瘍壊死因子変換酵素および/またはカスパーゼ1を阻害する活性を有し、抗炎症作用を有することを見出した。ここでpyroGluは、ピログルタミン酸を示し、Xは同一または異なって、Gln(グルタミン)、Asn(アスパラギン)またはPro(プロリン)、好ましくはGlnまたはProであり、AはGln、Asn、Leu(ロイシン)、Ile(イソロイシン)、Met(メチオニン)、Val(バリン)またはPhe(フェニルアラニン)、好ましくはGln、Leu、Met、ValまたはPheであり、nは0、1または2、好ましくは0または1である。この式で表されるペプチドとしては、例えば、pyroGlu−Leu、pyroGlu−Val、pyroGlu−Met、pyroGlu−Phe、pyroGlu−Gln−GlnおよびpyroGlu−Pro−Glnなどが挙げられる。
ピログルタミン酸は、グルタミン酸のγ位のアミド基とα位のアミノ基が閉環したものである。本発明のペプチドは、天然もしくは組換え蛋白質の部分的加水分解物、化学合成法によりもしくは遺伝子工学的に作製したペプチド、またはこれらの組合せであってもよい。
本発明のペプチドを構成するアミノ酸としては、D体、L体、DL体(ラセミ体)のいずれも用いることができるが、特にL体を用いるのが好ましい。本発明のペプチドを天然蛋白質の部分加水分解によって調製する場合、構成アミノ酸は全てL体になる。本発明のペプチドを化学合成法により調製する場合、構成アミノ酸の全部がL−アミノ酸またはD−アミノ酸からなるペプチドでも、アミノ酸のうちいずれかがL−アミノ酸であって残りがD−アミノ酸であるペプチドでも調製することができ、いずれも本発明のペプチドに包含される。
本発明のペプチドの組成は、アミノ酸分析法によって確認することができる。その際、一般的に行われている酸加水分解法では、ピログルタミン酸もグルタミンもグルタミン酸となってしまうため、グルタミンおよびピログルタミン酸はそれぞれに特異的な酵素を用いて分解後定量する方法が好ましく用いられる。また、ペプチドが合成物である場合、合成時における各アミノ酸の使用量や割合などから組成を求めることができる。
本発明のペプチドの塩は、薬学的または食品として許容できる塩であれば特に制限されないが、たとえば、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等の無機酸との塩、酢酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸およびクエン酸等の有機酸との塩が挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウムおよびカリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウムおよびマグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニウムおよびトリエチルアミン等のアミン類との塩が挙げられる。
本発明のペプチドを天然の蛋白質の部分加水分解によって調製する場合、蛋白質の加水分解方法としては、公知の方法を適宜採用できる。具体的には、酸を用いて加水分解する方法や、プロテアーゼを用いて加水分解する方法などが挙げられる。
加水分解に用いる天然の蛋白質は、入手可能なものであればどのような蛋白質でもよいが、安全性が確認されている蛋白質を用いるのが好ましい。そのような蛋白質として、たとえば、動物の肉、皮、乳、血液などに由来する動物性蛋白質、ならびに米や小麦などの穀類、および柿や桃などの果実類などに由来する植物性蛋白質が挙げられる。これらの中でも、小麦の種子に含まれるグルテンなどの蛋白質は、グルタミンが豊富に含まれていることが知られており、本発明のペプチドを調製するための原料として好ましい。
酸を用いて蛋白質を加水分解する方法としては、慣用の方法を採用できる。酸としては、鉱酸である硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、亜硫酸など、有機酸であるシュウ酸、クエン酸、酢酸、ギ酸などを使用できる。
酸を用いて加水分解する場合、水性媒体中における蛋白質の濃度は、酸の種類や規定度により適宜調節する必要があるが、通常1.0〜80質量%に調整して処理するのがよい。
プロテアーゼを用いて蛋白質を加水分解する場合、水性媒体中、1種または複数種のプロテアーゼを作用させて加水分解物を生成させることができる。酸性プロテアーゼを単独で用いる方法、および酸性プロテアーゼと中性プロテアーゼもしくはアルカリ性プロテアーゼとを用いる方法が、効率よく加水分解することができる点で好ましい。また、蛋白質として植物性蛋白質を用いる場合、植物に含まれる澱粉や繊維質がプロテアーゼ作用や精製時の障害となる場合がある。そのような場合、前述のプロテアーゼを作用させる前後、あるいはプロテアーゼとともに、アミラーゼやセルラーゼなどの糖分解酵素を作用させるのが好ましい。
このようにして得られた蛋白質加水分解物を精製する方法としては、不溶物を濾過する方法や、含水アルコール等により分画(抽出)する方法、ゲル濾過クロマトグラフィー高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やオートフォーカシングで精製する方法等が挙げられる。
本発明のペプチドを化学合成法により調製する場合、液相合成法および固相合成法のいずれを使用してもよい。好ましくは、固相担体にアミノ酸またはペプチドのC末端を、リンカーを介して固定化し、順次N末端側へアミノ酸を伸張していく固相合成法が好ましい。固相合成法を採用する場合、ペプチド合成装置(たとえば、島津社製のPSSM8、ABI社製のModel 433A等)を使用して合成することもできる。
固相合成において用いられる固相担体は、本発明のペプチドのC末端アミノ酸であるGln、Asn、Leu、Ile、Met、ValまたはPheのカルボキシル基との結合性を有するものであればいずれのものでも使用することができ、たとえば、ベンズヒドリルアミン樹脂(BHA樹脂)、クロルメチル樹脂、オキシメチル樹脂、アミノメチル樹脂、メチルベンズヒドリル樹脂(MBHA樹脂)、アセトアミドメチル樹脂(PAM樹脂)、p−アルコキシベンジルアルコール樹脂(Wang樹脂)、4−アミノメチルフェノキシメチル樹脂、4−ヒドロキシメチルフェノキシメチル樹脂等が挙げられる。
具体的な合成法の一例として、本発明のペプチドであるpyroGlu−Gln−Glnを調製する場合の手順を以下に示す。
C末端アミノ酸であるグルタミン(Gln)のカルボキシル基を保護したものを用意し、続いてアミノ基がBoc(tert−ブチルオキシカルボニル)基またはFmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)基等の保護基によって保護され、カルボキシル基が活性化された2番目のアミノ酸であるグルタミン(Gln)を縮合させる。次いで、生成したGln−GlnジペプチドのN末端側グルタミンのアミノ基の保護基を除去した後、アミノ基がBoc(tert−ブチルオキシカルボニル)基またはFmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)基等の保護基によって保護され、カルボキシル基が活性化された3番目のアミノ酸であるグルタミン(Gln)を縮合させる。固相合成法を用いる場合は、C末端アミノ酸のグルタミンのカルボキシル基を保護する代わりに、固相担体に結合させればよい。
カルボキシル基の活性化は、該カルボキシル基と種々の試薬とを反応させ、対応する酸クロライド、酸無水物もしくは混合酸無水物、アジド、または−ONpや−OBtなどの活性エステル等を形成させることにより行うことができる。また、上記ペプチド縮合反応は、縮合剤やラセミ化抑制剤、たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、水溶性カルボジイミド(WSCD)、カルボジイミダゾール等のカルボジイミド試薬、テトラエチルピロホスフェイト、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等の存在下に行うこともできる。
合成反応終了後、固相合成法の場合にはペプチドを固相担体から解離し、全ての保護基を除去した後、洗浄することにより、Gln−Gln−Glnトリペプチドを粗ペプチドの状態で得ることができる。次いで、N末端のグルタミンを環化してピログルタミン酸にすることで、本発明のペプチドが得られる。環化は、水溶液中でも徐々に進行するが、温度を上昇することで早めることができる。また、N末端アミノ酸としてピログルタミン酸を縮合反応に供して調製することもできる。
液相合成法を用いる場合、C末端のアミノ酸が固相担体に結合していないだけで、固相合成法と同様の手段により合成することができる。このようにして得られた本発明のペプチドを含有する粗ペプチドは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの公知の方法によって適宜精製し、純度の高いペプチドとして得ることができる。
上記のようにペプチド化学合成法においては、C末端側からN末端側へ順次アミノ酸を縮合-伸張させていくことにより、目的のアミノ酸配列を有する本発明のペプチドを合成することができる。この際、各アミノ酸のL体またはD体を用いることにより、いずれかのアミノ酸がL−アミノ酸であって残りがD−アミノ酸からなるペプチドを合成することもできる。
このようにして得られた、本発明のペプチドは、腫瘍壊死因子変換酵素(TACE)および/またはカスパーゼ1(ICE)を阻害する活性を有する。
TACE阻害活性は、TACEと不活性型TNF−αを反応させ、生成したTNF−αの生成量や活性を測定する方法、またはTACEに特異的な基質と反応させた生成物量を測定する方法などにより測定することができる。また、市販の測定キット(Merck)を用いることもできる。
ICE阻害活性は、ICEと不活性型IL−1βを反応させ、生成したIL−1βの生成量や活性を測定する方法、またはICEに特異的な基質と反応させた生成物量を測定する方法などにより測定することができる。また、市販の測定キット(R&D Systems)を用いることもできる。
TACEは、炎症性細胞から放出され、多彩な細胞傷害反応、免疫反応および炎症反応を起こすことで知られている腫瘍壊死因子(TNF)、特にTNF−αの活性化に関与することから、このTACEを阻害する活性を有する本発明のペプチドは、炎症、特に腫瘍壊死因子(好ましくはTNF−α)に起因する炎症を抑制する活性を有する。ICEは、プロスタグランジン、コラゲナーゼおよびホスホリパーゼの産生、好塩基球および好酸球の脱顆粒ならびに好中球の活性化を刺激する主要な炎症性サイトカインであって局所性または全身性に炎症反応を惹起するインターロイキン、特にIL−1βの活性化に関与することから、このICEを阻害する活性を有する本発明のペプチドは、炎症、特にインターロイキン(好ましくはIL−1、さらに好ましくはIL−1β)に起因する炎症を抑制する活性を有する。
本発明において炎症とは、物理的、化学的、又は生物学的な要因による損傷や刺激に対する生体の免疫反応の結果生ずる現象であり、多くの場合、炎症組織における痛み、熱感、発赤、腫脹を引き起こし、さらに炎症組織の機能抑制又は機能喪失を生ずることもある。
従って、本発明はまた、上記本発明のペプチドを有効成分として含む、抗炎症組成物、特に、TACEおよび/またはICEを阻害することにより炎症を抑制するための抗炎症組成物に関する(以下、本発明の組成物と呼称することがある)。本発明の組成物は、腫瘍壊死因子(特にTNF−α)および/またはインターロイキン(特にIL−1β)が関与する炎症性の疾患または状態を予防、改善または治療するための組成物として使用することもできる。本発明の組成物は、本発明のペプチドを1種類のみ含んでいてもよいし、複数種含んでいてもよい。本発明はまた、本発明のペプチドまたは組成物を哺乳動物に投与することを含む、炎症を抑制する方法、特にTACEおよび/またはICEを阻害することにより炎症を抑制する方法に関する。本発明はまた、本発明のペプチドまたは組成物を哺乳動物に投与することを含む、腫瘍壊死因子(特にTNF−α)および/またはインターロイキン(特にIL−1β)が関与する炎症性の疾患または状態を予防、改善または治療する方法に関する。
腫瘍壊死因子および/またはインターロイキンが関与する炎症性の疾患または状態としては、具体的には、関節炎、炎症、リウマチ、炎症性腸疾患、クローン病、逆流性食道炎、気腫、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、シェ−グレン症候群、悪液質、花粉症、アレルギー反応、食物アレルギー、アレルギー性接触過敏症、接触性皮膚炎、癌、組織潰瘍形成、再狭窄、歯周病、表皮水疱症、骨粗鬆症、移植拒絶反応、インプラントの痛み等不具合、人工関節の痛み等不具合、動脈硬化症、大動脈動脈瘤、うっ血性心不全、心筋梗塞、大脳虚血、虚血再環流症状、子宮内膜症、全身アレルギー、神経変性障害、自己免疫障害、ハンチントン病、パーキンソン病、片頭痛、うつ病、骨破壊性疾患、髄膜炎、神経障害性疼痛、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、強皮症、乾癬、眼新脈管形成、結膜障害、角膜障害、角膜瘢痕、強膜炎、黄斑変性、異常創傷癒合、熱傷、糖尿病、腫瘍浸潤、腫瘍増殖、腫瘍転移、AIDS、敗血症および敗血症性ショックが挙げられ、本発明の組成物は、特にリウマチの予防、改善または治療に特に有効である。
その他、腫瘍壊死因子および/またはインターロイキンが関与する疾患や病態として、疲労、慢性疲労症候群、筋肉痛などが知られており、本発明はまた、これらに対しても特に有効である。
本発明において疾患または状態の予防には、疾患または状態の発症を抑えることおよび遅延させることが含まれ、疾患または状態になる前の予防だけではなく、治療後の疾患または状態の再発に対する予防も含まれる。本発明において疾患または状態の治療には、疾患または状態を治癒すること、症状を改善することおよび症状の進行を抑えることが包含される。抗炎症活性とは炎症を抑制する活性をさし、炎症の抑制には、炎症の予防および治療が包含され、炎症を抑えること、炎症の進行を抑えること、炎症を治癒すること、および炎症を改善することが含まれる。
本発明において哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、たとえば、ヒトおよびサルなどの霊長類、マウス、ラットおよびウサギなどの齧歯類、イヌおよびネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブタなどの家畜が挙げられる。本発明の組成物は、霊長類、特にヒトへの投与に好適である。炎症を有するヒト、炎症を有すると診断されているヒト、炎症を発症する可能性があるヒト、炎症を予防する必要があるヒトに、本発明の組成物を投与することが特に好ましい。
本発明の組成物は、通常の場合、ペプチドの質量として成人1日当たり0.01〜20g、好ましくは0.1〜10gの範囲で投与される。本発明で用いられるペプチドを天然の蛋白質を部分加水分解して調製する場合、天然物に由来する安全性の高いものであるので、その投与量をさらに増やすこともできる。投与量は効果などを見ながら適宜増減するのが望ましい。1日当たりの投与量を1回に投与または摂取することもできるが、数回に分けて投与するのが望ましい。
本発明の抗炎症組成物の形態は特に制限されず、たとえば、医薬組成物および食品(飼料を含む)として調製することができる。
本発明の組成物を医薬組成物として調製する場合は、通常、本発明のペプチドと薬学的に許容される担体とを含む製剤として調製する。薬学的に許容される担体とは、一般的に、有効成分である本発明のペプチドとは反応しない、不活性の、無毒の、固体または液体の、増量剤、希釈剤またはカプセル化材料等をいい、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、適切なそれらの混合物、植物性油などの溶媒または分散媒体などが挙げられる。
医薬組成物の剤形は、特に制限されず、錠剤、丸剤、顆粒剤、粉剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、ドリンク剤、液剤、坐剤、流動食等の経口投与形態、舌下錠、点鼻スプレ─剤、注射剤等の非経口投与形態など任意の剤形とすることができる。
本発明の医薬組成物の投与方法としては、経口投与の他、医薬の投与に一般に使用されている投与方法、たとえば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与等が挙げられる。また、直腸、舌下、鼻内など消化管以外の粘膜から吸収せしめる投与方法を採用することも可能であり、この場合、たとえば、坐剤、舌下錠、点鼻スプレ─剤等の形で投与することができる。
医薬組成物における本発明のペプチドの含有量は、その形態により異なるが、乾燥質量を基準として、通常0.001〜99質量%、好ましくは0.01〜90質量%、より好ましくは1〜85質量%、さらに好ましくは5〜80質量%の範囲であり、上述した成人1日当たりの摂取量を達成できるように、1日当たりの投与量が管理できる形にするのが望ましい。
本発明の組成物を食品として調製する場合、その形態は特に制限されない。食品には飲料も包含され、健康食品および機能性食品も包含される。健康食品および機能性食品は、具体的には、錠剤、丸剤、顆粒剤、粉剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、ドリンク剤、液剤、流動食等の各種製剤形態とすることができる。製剤形態の食品は、上記医薬組成物と同様に製造することができ、たとえば、適当な賦形剤(たとえば、でん粉、加工でん粉、乳糖、ブドウ糖、水等)を加えた後、慣用の手段を用いて製造することができる。食品の具体例として、さらに、コーヒー飲料、茶飲料、果汁入り飲料、清涼飲料、乳飲料、バター、マヨネーズ、ショートニング、マーガリン、種々のサラダドレッシング、パン類、麺類、米飯類、パスタ、ソース類、菓子、クッキー類、チョコレート、キャンディ、チューインガム、各種調味料、各種ダイエット製品などが挙げられる。これらの食品に本発明のペプチドを配合することにより、本発明の食品形態の組成物を調製してもよい。
本発明の食品において、本発明のペプチドの含有量は、食品の形態により異なるが、乾燥質量を基準として、通常0.01〜80質量%、好ましくは0.1〜75質量%、より好ましくは1〜70質量%、さらに好ましくは5〜70質量%の範囲である。本発明のペプチドは安全性の高いものであるため、その含有量をさらに増やすこともできる。1日当たりの摂取量は、1回で摂取してもよいが、数回に分けて摂取してもよい。上述した、成人1日当たりの摂取量を達成できるよう、管理できる形にするのが好ましい。
抗炎症作用を有する本発明のペプチドもしくはその塩、またはこれを含む本発明の組成物を摂取することにより、炎症を抑制し、特に腫瘍壊死因子および/またはインターロイキンが関与する炎症性の疾患または状態の予防、改善または治療の効果を期待することができる。
本発明の組成物には、医薬、食品、飼料の製造に用いられる種々の添加剤を配合することができ、さらに種々の活性物質と共存させてもよい。このような添加剤および活性物質としては、各種油脂、生薬、アミノ酸、多価アルコール、天然高分子、ビタミン、ミネラル、食物繊維、界面活性剤、精製水、賦形剤、安定剤、pH調製剤、酸化防止剤、甘味料、呈味成分、酸味料、着色料および香料などが挙げられる。また、本発明のペプチドは、抗炎症活性を有するその他の有効成分の1種または複数種と混合または組み合わせて投与することができる。従って、本発明の抗炎症組成物は、本発明のペプチドに加えて、抗炎症活性を有するその他の有効成分を含んでいてもよい。
前記各種油脂としては、たとえば、大豆油、サフラワー油、オリーブ油等の植物油脂、牛脂、イワシ油等の動物油脂が挙げられる。
前記生薬としては、たとえば、牛黄、地黄、枸杞子、ロイヤルゼリー、人参、鹿茸等が挙げられる。
前記アミノ酸としては、たとえば、システイン、ロイシン、アルギニン等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、糖アルコール等が挙げられる。糖アルコールとして、たとえば、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール等が挙げられる。
前記天然高分子としては、たとえば、アラビアガム、寒天、水溶性コーンファイバー、ゼラチン、キサンタンガム、カゼイン、グルテンまたはグルテン加水分解物、レシチン、デキストリン等が挙げられる。
前記各種ビタミンとしては、たとえば、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンB群、ビタミンE(トコフェロール)の他に、ビタミンA、D、K、酪酸リボフラビンなどが含まれる。また、ビタミンB群には、ビタミンB1、ビタミンB1誘導体、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、さらにビオチン、パントテン酸、ニコチン酸、葉酸などの各種ビタミンB複合体が包含される。ビタミンB1およびその誘導体には、チアミンまたはその塩、チアミンジスルフィド、フルスルチアミンまたはその塩、ジセチアミン、ビスブチチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、チアミンモノフォスフェートジスルフィド、シコチアミン、オクトチアミン、プロスルチアミンなどのビタミンB1の生理活性を有する全ての化合物が包含される。
前記ミネラルとしては、たとえば、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等が挙げられる。
前記食物繊維としては、ガム類、マンナン、ペクチン、ヘミセルロース、リグニン、β−グルカン、キシラン、アラビノキシランなどが挙げられる。
前記界面活性剤としては、たとえば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
前記賦形剤としては、たとえば、白糖、ブドウ糖、コーンスターチ、リン酸カルシウム、乳糖、デキストリン、澱粉、結晶セルロース、サイクロデキストリン等が挙げられる。
抗炎症活性を有するその他の有効成分としては、例えば、モリンダ・シトリフォリアL由来の成分、Cbz−Val−Ala−(OMe)−フルオロメチルケトン、甘草(カンゾウ)、グリチルリチン酸、ベツリン、ウルソール酸、プロポリス、アロエ、アセロラ、ユーカリエキス、カミツレエキス、オウバク、カンフル、ベラドンナ、インドメタシン、イブプロフェン、ピロキシカム、サリチル酸、ジクロフェナク、ケトプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム等が挙げられる。
上記以外に、たとえば、タウリン、グルタチオン、カルニチン、クレアチン、コエンザイムQ、α-リポ酸、グルクロン酸、グルクロノラクトン、テアニン、γ−アミノ酪酸、カプサイシン、各種有機酸、フラボノイド類、ポリフェノール類、カテキン類、キサンチン誘導体、フラクトオリゴ糖などの難消化性オリゴ糖、ポリビニルピロリドン等を添加剤として配合してもよい。これら添加剤の配合量は、添加剤の種類と所望すべき摂取量に応じて適宜決められるが、一般的には0.01〜30質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲である。
下記の実施例により本発明のペプチドおよび組成物の製造例および試験例を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されない。
(製造例1)pyroGlu−Gln−Glnの合成
ABI社製のModel 433Aペプチド合成装置を使用し、固相法で合成した。
Boc−Gln−Pam樹脂 2gを出発原料とし、Boc−Gln、Boc−Glu(OBzl)の各保護アミノ酸を使用し、以下の手順で自動合成を行った。
(1)Boc−Gln−Pam樹脂のBoc基の除去反応
(2)洗浄
(3)Boc−Glnの活性化
(4)Gln−Pam樹脂に活性化Boc−Glnを加えて縮合反応
(5)洗浄
(6)未反応N端アミノ基のアセチル化反応
(7)洗浄
(8)Boc−Gln−Gln−Pam樹脂のBoc基の除去反応
(9)洗浄
(10)Boc−Glu(OBzl)の活性化
(11)Gln−Gln−Pam樹脂に活性化Boc−Glu(OBzl)を加えて縮合反応
(12)洗浄
(13)未反応N端アミノ基のアセチル化反応
(14)洗浄
(15)Boc−Glu(OBzl)−Gln−Gln−Pam樹脂。
なお、Boc基の除去反応はトリフルオロ酢酸−ジクロロメタン(50:50)で20分間処理することにより行った。洗浄工程は全てジクロロメタンを用い、3回行った。縮合反応は、Boc保護アミノ酸を、DCC、HOBtの存在下、樹脂結合アミノ基の5倍等量を加え、60分間反応させることにより実施した。
得られたBoc−Glu(OBzl)−Gln−Gln−Pam樹脂をペプチド合成装置より取り出して別容器に移し、樹脂1g当たりチオアニソール1mL、エタンジチオール0.5mLを加え室温で10分間攪拌した。つぎに氷冷下で、フッ化水素10mLをゆっくり加え、30分間攪拌した後、フッ化水素を減圧留去した。冷ジエチルエーテル100mLで容器を満たし、1分間攪拌してペプチドおよび樹脂を析出させた。これをポリフロンフィルターPF060(アドバンテック製)で濾取し、冷ジエチルエーテル(−40℃)で洗浄した。予め用意した冷ジエチルエーテル300mLにペプチドをトリフルオロ酢酸約30mLで溶解させて滴下し、再び析出させた。これを3μm孔PTFE膜(アドバンテック製)で濾取し冷ジエチルエーテル(−40℃)で洗浄し、ペプチドを2規定酢酸に溶解後、凍結乾燥した。保護ペプチド−Pam−樹脂2.35gより粗ペプチド1.21gを得た。粗ペプチドを水に溶解し、60℃で6時間ピログルタミン酸への環化反応を行い、凍結乾燥した。
得られた粗ペプチドを下記条件のHPLCで精製した。
カラム: Inertsil ODS-3 φ20×250 mm(GL サイエンス製)
移動相:0.1%トリフルオロ酢酸→0.1%トリフルオロ酢酸中35%アセトニトリルの濃度勾配
流速: 10mL/分
検出器:紫外分光光度計 210nm
温度: 40℃
HPLCクロマトグラムのメインピークを分取し、ペプチドシークエンサーを用いて分取物のアミノ酸配列を解析した。1gの粗ペプチドから0.88gのpyroGlu−Gln−Gln精製ペプチドを得た。
(製造例2)pyroGlu−Leuの合成
Bocメソッドを用いて液相法により合成した。
(1)Boc−pyroGluとHCl Leu−OBuとの縮合反応
ナス型フラスコにHCl Leu−OBu(390mg)を入れDMF5mLに溶解後、氷冷してトリエチルアミン0.124mLを加えた。ついでBoc−pyroGlu−OH(400mg)、HOBt(470mg)、WSCD HCl(367mg)を加えて、氷冷下12時間撹拌して縮合反応させた。反応終了後、減圧してDMFを留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液、水、飽和食塩水の順に酢酸エチルを洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別して、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣にエーテル−ヘキサンを加えてBoc−pyroGlu−Leu−OBuを固化し、採取した。収量は609mg、収率88%であった。
(2)脱保護
上記で得られたBoc−pyroGlu−Leu−OBu(600mg)をナス型フラスコにとり、トリフルオロ酢酸5mLを加えて溶解させ、1時間、氷冷下にて脱保護反応させた。トリフルオロ酢酸はNガスで除去し、脱保護ペプチドをエーテルを加えて固化させた後、ろ取した。得られた固体を4N HCl/ジオキサンに溶解し、エーテルを加えて再度固化させてろ取した。収量220mg、収率53%であった。
(製造例3)pyroGlu−Valの合成
製造例2と同様の方法でHCl H−Val−OBu 209.7mgを出発原料として合成した。縮合反応の収量は326.6mg、収率85%であり、脱保護ペプチドは収量205.0mg、収率91%であった。
(製造例4)pyroGlu−Metの合成
製造例2と同様の方法でHCl H−Met−OBu 241.8mgを出発原料として合成した。縮合反応の収量は208.3mg、収率50%であり、脱保護ペプチドは収量90.3mg、収率60%であった。
(製造例5)pyroGlu−Pheの合成
製造例2と同様の方法でHCl H−Phe−OBu 257.8mgを出発原料として合成した。縮合反応の収量は242.9mg、収率56%であり、脱保護ペプチドは収量103.1mg、収率59%であった。
(製造例6)pyroGlu−Gln−Glnの合成
Fmocメソッドを用いて液相法により合成した。
(1)Fmoc−Gln(Trt)−Gln−OBuの合成
ナス型フラスコにHCl H−Gln−OBu(1.15g)を入れDMF5mLに溶解後、氷冷してトリエチルアミン0.74mLを加えた。ついでFmoc−Gln(Trt)−OH(2.94g)、HOBt (1.3g)、WSCD HCl(1.01g)を加えて、氷冷下12時間撹拌して縮合反応させた。反応終了後、減圧してDMFを留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液、水、飽和食塩水の順に酢酸エチルを洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別して、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣に、エーテル−ヘキサンを加えてFmoc−Gln(Trt)−Gln−OBu固化し、採取した。収量3.51g、収率92%であった。
(2)Fmoc−Gln(Trt)−Gln−OBuの脱Fmoc基
ナス型フラスコにFmoc−Gln(Trt)−Gln−OBu(1.12 g)をとり、1M NaOH水溶液の7mLを氷冷下加えた。白濁が生じたのでメタノールを加えて溶解し、0℃で2時間反応させた。クエン酸を加えて中和後、減圧濃縮して得られた白色固体に水を加えて攪拌し、ガム状の固形物を得た。これを、クロロホルムを溶媒としてシリカゲルカラムにかけ、目的成分を分取して、エーテルで固化させた。収量は 590mg、収率 73%であった。
(3)Boc−pyroGlu−Gln(Trt)−Gln−OBuの合成
ナス型フラスコにH−Gln(Trt)−Gln−OBu(580mg)を入れDMF5mLに溶解後、氷冷してトリエチルアミン156μLを加えた。ついでBoc−pyroGlu−OH(232mg)、HOBt(273mg)、WSCD HCl(213mg)を加えて、氷冷下12時間撹拌して縮合反応させた。減圧してDMFを留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、10%クエン酸水溶液、水、飽和食塩水の順に酢酸エチルを洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。硫酸ナトリウムをろ別して、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣を、さらに真空ポンプで減圧して溶媒を除去した。収量509.3mg、収率64%であった。
(4)脱保護
Boc−pyroGlu−Gln(Trt)−Gln−OBu(760mg)をナス型フラスコにとり、トリフルオロ酢酸10mLを加えて溶解させ、4時間、氷冷下にて反応させた。トリフルオロ酢酸はNガスで除去し、エーテルを加えて脱保護ペプチドを固化させた。遠心分離によって固体を採取し、再度エーテルを加えて懸濁させて遠心分離で固体を採取した。この操作を3回繰り返して粗ペプチドを得た。収量445mg、収率100%であった。
(5)pyroGlu−Gln−Glnの精製
上記で得られた粗ペプチドには水に不溶性の不純物が含まれていたので、粗ペプチドを水に懸濁させ、フィルターを通してろ液を集めた。ろ液に1M塩酸2mLを入れ、凍結乾燥した。凍結乾燥物にエーテルを加えて本発明のペプチドを固化し、固体を採取して乾燥させた。最終収量256mg、収率63%であった。
(製造例7)pyroGlu−Pro−Glnの合成
製造例6と同様にFmocメソッドを用いて液相法により合成した。最終収量174mg、収率49%であった。
(製造例8)天然蛋白質からのpyroGlu−Gln−Gln、pyroGlu−Gln、pyroGlu−Leu、pyroGlu−Ileの抽出
(1)反応釜に、イオン交換水9,700kg、無水クエン酸38kgおよび小麦グルテン(活性グルテン,Weston Foods Limited製)1,500kgを仕込み、45℃に加温した後、プロテアーゼ(天野製薬株式会社製「プロテアーゼMアマノ」)2.2kgおよびアミラーゼ(阪急バイオインダストリー株式会社製「液化酵素T」)1.1kgを加えて、45℃で5時間加水分解反応を行い、次いで25%水酸化ナトリウム水溶液を用いて液のpHを4.4〜4.5に調整して7時間保って酵素処理を行った。
(2)次いで、液を80℃に20分間保ってプロテアーゼを失活させた後、65℃に冷却し、そこにアミラーゼ(阪急バイオインダストリー株式会社製「液化酵素T」)0.5kgを加えて小麦グルテン中に含まれていた澱粉質および繊維質を加水分解させた後、液を90℃に20分間保ってアミラーゼを失活させた。
(3)次に、液を10℃以下に冷却した後、再度55℃に加熱し、そこに活性炭(武田薬品工業株式会社製「タケコール」)100kgを加えて55℃で30分間攪拌した。
(4)液温を45℃にし、濃過助剤(昭和化学工業株式会社製「ラヂオライト」)を加えて、加圧濾過装置を使用して濾過を行い、濾液7,000リットル(7m)を回収した。
(5)上記(4)で回収した濾液を減圧下で濃縮した後、プレートヒーターを使用して110℃で20秒間加熱して殺菌し、次いで55℃まで冷却した。
(6)上記(5)で得られた液を、噴霧乾燥装置を使用して送風温度160℃、排風温度80℃の条件下に噴霧乾燥して、小麦グルテンの加水分解物の粉末約1,000kgを得た。
(7)上記(6)で得られた粉未からゲル濾過法を用いて分子量1000以下の画分を分取し、さらにHPLCを用いて精製を行った。HPLCでは製造例1と同様の方法で得られたpyroGlu−Gln−Gln、pyroGlu−Gln、pyroGlu−Leu、pyroGlu−Ile合成品を基準に、同じ条件で同じリテンションタイムの部分を採取した。その結果、800kgの小麦グルテンの加水分解物粉末から、それぞれ4.5kg、1.6kg、0.9kg、0.7kgのペプチドが得られた。
(8)ペプチドシークエンサーを用いて精製したペプチドのアミノ酸配列を解析したところ、それぞれpyroGlu−Gln−Gln、pyroGlu−Gln、pyroGlu−Leu、pyroGlu−Ileの配列を有していた。
(実施例1)錠剤の製造
製造例8で得られたpyroGlu−Leuペプチド84g、結晶セルロース(旭化成株式会社製)10gおよびポリビニルピロリドン(BASF社製)5gを混合し、これにエタノール3mlを添加して、湿式法により常法に従って類粒を製造した。それにより得られた類粒を乾燥した後、ステアリン酸マグネシウム1.1gを加えて打錠用顆粒末とし、打錠機を用いて打錠し、1錠が1gの錠剤100個を製造した(錠剤1錠当たりのpyroGlu−Gln含有量0.84g)。
(実施例2)シロップ剤の製造
精製水400gを煮沸し、これに白糖750gおよび製造例8で得られたpyroGlu−Leuペプチド100gをかき混ぜながら加えて溶解し、熱時に布ごしし、これに精製水を加えて全量を1000mlとしてシロップ剤を製造した(シロップ剤100ml当たりのpyroGlu−Leu含有量10g)。
(実施例3)顆粒剤の製造
製造例8で得られたpyroGlu−Leuペプチド76g、乳糖(DMV社製)13.3g、結晶セルロース(旭化成株式会社製)6.7gおよびポリビニルピロリドン(BASF社製)4gを混合し、これにエタノール30mlを添加して、湿式法により常法に従って顆粒を製造し、乾燥後、整粒して顆粒剤を得た(顆粒剤10g当たりのpyroGlu−Ile含有量7.6g)。
(実施例4)流動食の製造
約65℃の純水750mlにカゼインナトリウム(DMV社製)40g、マルトデキストリン(三和デンプン社製)160gおよび製造例8で得られたpyroGlu−Leuペプチド25gを添加して溶解させ、次いでビタミンミックス5g、ならびにナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素、鉄、リン、銅、亜鉛、マンガンおよびイオウのミネラル混合液5gを添加した。混合液をホモミキサー(特殊機化工業製)に投入し、約8000rpmにて15分間粗乳化した。得られた乳化液を約20℃に冷却し、香料を添加後、1000mLに最終メスアップを行った。この液230gをパウチへ充填後、窒素置換を行いながらパウチを密封し、121℃で15分間殺菌を行って濃厚流動食を得た(流動食230g当たりのpyroGlu−Ile含有量は約5.8g)。
(実施例5)パンの製造
小麦粉(強力粉)150gとドライイースト2gを混ぜた。他に、製造例8で得られたpyroGlu−Gln−Glnペプチド20g、砂糖20g、食塩3g、脱脂粉乳6gを温湯70gに溶かし、鶏卵1個を添加してよく混ぜた。これを小麦粉に加え、手でよくこねた後、バター約40gを加えてさらにこね、20個のロールパン生地を作った。次いで、発酵させた後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180℃で約15分焼き、ロールパンを製造した(このロールパンは、1個当たりpyroGlu−Gln−Glnを約1g含有していた)。
(実施例6)パスタ用ミートソースの製造
パスタ用のミートソース一人前(150g)を鍋に入れ、同時に製造例8で得られたpyroGlu−Gln−Glnペプチド5gを加えて加温し、パスタ用ミートソースを調製した。このソースをパウチへ充填した後、窒素置換を行いながらパウチを密封し、121℃で15分間殺菌を行ってpyroGlu−Gln−Glnペプチドを含有するパスタ用ミートソースを得た。
(実施例7)うどんの製造
小麦粉(中力粉)300gに対して、水150gに製造例8で得られたpyroGlu−Leuペプチド15gおよび食塩15gを分散させたものを加え、よく混ぜこねて寝かす。この後、生地を延伸し、幅約5mmで切断してうどんを製造した。これを沸騰したお湯で約10分茹でたところ、外観、味、食感ともに良好であった。このうどんは、1食分当たりpyroGlu−Glnペプチドを約5g含有していた。
(試験例1)TACE阻害活性の測定
上記製造例で合成したピログルタミルペプチド(pyroGlu−Leu、pyroGlu−Val、pyroGlu−Met、pyroGlu−Phe、pyroGlu−Gln−Gln、pyroGlu−Pro−Gln)の各1mg/mLサンプルを調製し、以下のとおりTACE阻害活性を評価した。
1μmol/Lの反応基質(TACE Substrate(Mac−PLAQAV−Dpa−RSSSR−NH2);Biomol.International LP)10μL、10ng/10μL酵素液(リコンビナントヒトTACE;R&D Systems)10μL、緩衝液(50mmol/L Tris−HCl,pH9.0,5μM ZnCl,0.01%Brij35)50μL、蒸留水20μLにサンプル10μLを加えて、37℃、20分間反応させた。10%トリフルオロ酢酸を終濃度1%になるよう加えて反応を停止し、逆相高速液体クロマトグラフィーを用いて、下記条件にて基質と生成物を分離した。基質および生成物は、励起波長320nm、測定波長405nmで蛍光測定して定量した。
クロマトグラフィー条件:
A液:10%アセトニトリル(0.1%TFA)/B液:80%アセトニトリル(0.1%TFA)
グラジエント:B液50%から100%
カラム:5C18 AR−II;4.6φ×150
オーブン温度:30℃
測定波長:230nm
結果は、生成物の蛍光強度の、生成物と基質の蛍光強度に対する比として以下の表1に示す。
Figure 2010032322
(試験例2)ICE阻害活性の測定
上記製造例で合成したピログルタミルペプチド(pyroGlu−Leu、pyroGlu−Val、pyroGlu−Met、pyroGlu−Phe、pyroGlu−Gln−Gln、pyroGlu−Pro−Gln)の各1mg/mLサンプルを調製し、以下のとおりICE阻害活性を評価した。
2000μmol/Lの反応基質(Caspase−1 Substrate(Ac−Trp−Glu−His−Asp−AMC);Alexis Biochemicals)10μL、10U/μL酵素液(Caspase−1;Biomol.International LP)5μL、緩衝液(50mmol/L HEPES,pH7.4,100mM NaCl,0.1%CHAPS,1mM EDTA,10%グリセロール,10mM DTT)60μL、蒸留水20μLにサンプル5μLを加えて、37℃、20分間反応させた。10%トリフルオロ酢酸を終濃度1%になるよう加えて反応を停止し、逆相高速液体クロマトグラフィーを用いて、下記条件にて基質と生成物を分離した。基質および生成物は、励起波長380nm、測定波長460nmで蛍光測定して定量した。
クロマトグラフィー条件
A液:10%アセトニトリル(0.1%TFA)/B液:80%アセトニトリル(0.1%TFA)
グラジエント:B液50%から100%
カラム:5C18 AR−II;4.6φ×150
オーブン温度:30℃
測定波長:230nm
結果は、生成物の蛍光強度の、生成物と基質の蛍光強度に対する比として以下の表2に示す。
Figure 2010032322
本明細書で引用したすべての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書中に取り入れるものとする。

Claims (7)

  1. 次式:
    pyroGlu−(X)n−A
    (Xは同一または異なって、Gln、AsnまたはProであり、AはGln、Asn、Leu、Ile、Met、ValまたはPheであり、nは0〜2の整数である)
    で表されるアミノ酸配列からなるペプチドまたはその塩。
  2. XがGlnまたはProであり、AがGln、Leu、Met、ValまたはPheであり、nが0または1である、請求項1記載のペプチドまたはその塩。
  3. pyroGlu−Leu、pyroGlu−Val、pyroGlu−Met、pyroGlu−Phe、pyroGlu−Gln−GlnおよびpyroGlu−Pro−Glnからなる群から選択される、請求項2記載のペプチドまたはその塩。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のペプチドまたはその塩の少なくとも1種を有効成分として含有する、抗炎症組成物。
  5. 腫瘍壊死因子変換酵素および/またはカスパーゼ1を阻害することにより炎症を抑制するための、請求項4記載の組成物。
  6. 腫瘍壊死因子および/またはインターロイキンが関与する炎症性の疾患または状態を予防、改善または治療するための請求項4または5記載の組成物。
  7. 食品の形態である請求項4〜6のいずれか1項記載の組成物。
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