JPWO2010018778A1 - アーク溶接用トーチ - Google Patents

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定 伊香賀
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Abstract

アーク溶接用トーチ(10)は、トーチボディ(16)と、前記トーチボディの軸中心部に設けられる電極(18)と、前記電極を把持するコレット(20)と、前記コレット(20)を囲繞するコレットボディ(22)と、前記トーチボディ(16)の先端部に設けられ、前記電極を挿通するトーチノズル(24)とを有し、前記トーチノズル(24)の内周面(32)に、導電性部材(34)が装着される。導電性部材(34)は、金属製メッシュ又は金属製板で構成される。

Description

本発明は、アーク溶接開始時に失火を可及的に防止することを可能とするアーク溶接用トーチに関し、特に好適には、TIG溶接に用いられるアーク溶接用トーチに関する。
従来からアーク溶接時に、溶融している金属に空気が接すると、大気中の窒素が該金属中に溶け込み、該溶融金属が凝固する際、溶け込んだ窒素が一気に析出し、泡となったまま該溶融金属が凝固し、ブローホール状態となることが知られている。そこで、アーク溶接開始時には、シールドガス、一般的にはアルゴンガスを用いて、電極とワークとの周囲にアルゴン雰囲気を形成した後、このアルゴンガス雰囲気内でアーク溶接を行っている。このアーク溶接の一種としてTIG溶接を挙げることができる。TIG溶接は、被溶接物とタングステンからなる電極の間にアークを発生させてその熱で溶接を行う方法である。この場合、アルゴンからなるシールドガスを溶接時に噴射し、大気を遮断して被溶接物の変色酸化を防ぐ。このTIG溶接によれば非接触状態でアークを飛ばすために、被溶接物と電極の位置が多少ずれても溶接が可能であり、特に端子形状の溶接に有効である。
ところで、実開昭58−76388号公報には、アーク溶接時にトーチノズルの先端部にスパッタが堆積するのを防止するために、トーチノズルの先端内周面にセラミック層を形成する技術的思想が開示されている。また、特開2003−290930号公報には、ブローホール等により溶接の品質が低下することを回避するために、シールドガス噴出口の周囲に絶縁性と耐熱性とを備えた繊維質材料で形成されたフィルタを設ける技術的思想が開示されている。特開2005−224849号公報には、プラズマ溶接時に導電性のノズルと被溶接部材とが接触すると該プラズマノズルと電極との間でアークが発生することに鑑み、プラズマノズルの先端にガイド部材を取り付け、プラズマノズルと被溶接部材との接触を回避する技術的思想が開示されている。
しかしながら、連続的にアーク溶接作業を続行したり、また、場合によってはワーク形状に基因してアルゴンガス内に空気を巻き込むことがしばしば惹起する。この結果、アークが失火し、溶接作業が中断されるという不具合がみられる。また、アークが失火した場合、溶接電極側で印加電圧を大きくし、再度、初期アークを発生させようとの試みがなされる。そして、この場合、初期アークの発生に失敗すると徐々に印加電圧を高めていく。そこで、電圧をさらに大きくしリスタートを繰り返すと、アーク溶接装置に内蔵されている高電圧発生回路に過大な負荷がかかり、最終的には前記高電圧発生回路に故障を来たすという懸念がある。しかも、前記の如き高電圧発生回路を設けること自体、装置全体としての製造コストを上昇させる不都合がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、アーク溶接時に可及的に失火を防止し、簡単な構造で、連続的にアークを発生させることができると共に、溶接装置全体としての製造コストを低廉化することが可能なアーク溶接用トーチを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係るアーク溶接用トーチは、トーチボディと、前記トーチボディの軸中心部に設けられる電極と、前記電極を把持するコレットと、前記コレットを囲繞するコレットボディと、前記トーチボディの先端部に設けられ、前記電極を挿通するトーチノズルと、を有し、前記トーチノズルの内周面に、導電性部材が装着されていることを特徴とする。
この場合、前記導電性部材が前記電極を囲繞してもよい。
また、トーチノズルをトーチボディ側から前記電極先端に指向して断面を徐々に縮径し、前記導電性部材を該縮径する該トーチノズルの内周面に装着すると、該導電性部材の安定した取付効果が得られる。
さらに、導電性部材は、金属製メッシュ又は金属製板であってもよい。なお、本発明において、前記金属製板は板厚が0.1mm未満のものを含む。前記金属製メッシュ及び前記金属製板は、SUS、銅、銅合金、アルミニウム、及びアルミニウム合金のうちのいずれか1の金属で構成されていてもよい。
また、本発明のアーク溶接用トーチをTIG溶接に用いると、アークの失火が抑制され、一層好適である。
これにより、アーク溶接時における失火を防止することが可能となる。またアーク発生時の失火を可及的に回避するため、初期アークを発生させるべく所定電圧の印加を繰り返す必要がなくなり、溶接の生産効率を向上させることができる。さらに、初期アーク電圧を低く抑えることができるため、高電圧発生回路を不要とし、あるいは、備えていたとしても該高電圧発生回路への負荷が小さくなり、溶接装置全体としての寿命を延ばすことが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るアーク溶接用トーチの要部断面説明図である。 図1に示すアーク溶接用トーチを用いてアーク溶接を行っている状態の説明図である。 アーク溶接用トーチにおいて金属製メッシュの有無に対する初期アーク電圧波形図である。 本発明の第2実施形態に係るアーク溶接用トーチの要部断面説明図である。 実施例1においてアーク溶接用トーチを用いてアーク溶接を行っている状態のアルゴンガスとアーク電流の関係を示すグラフである。 実施例2に係る実験装置の要部ブロック図である。 実施例2においてアーク電流の時間に対する変化を示すグラフである。 導電性部材を備えたアーク溶接用トーチを用いてアーク放電を繰り返し行った場合の放電回数及び失火の有無を示す実験結果と導電性部材を備えていないアーク溶接用トーチを用いてアーク放電を繰り返し行った場合の放電回数及び失火の有無を示す実験結果である。
以下、本発明に係るアーク溶接用トーチについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接用トーチについて図1〜図3を示しながら説明する。図1に示すように、溶接トーチ10は、トーチボディ16を有し、前記トーチボディ16は、軸中心部に設けられた電極18と、コレット20を有する。前記コレット20はコレットボディ22によって囲繞され、前記コレットボディ22はトーチノズル24と螺合する。
前記電極18は、コレット20により把持され、その先端部は後述するようにトーチノズル24より若干外部に露呈する。
前記コレットボディ22には、シールドガス(本実施形態では、アルゴンガス)を電極18とトーチノズル24との間に形成された空間部26に導出させる複数のガス導出孔28が形成される。トーチノズル24は、好ましくは、アルミナ製である。
前記トーチノズル24はトーチボディ16側が大径な基部側として、前記電極18の先端側に指向してなだらかな肩部を経て先端部分が狭径の円筒状に形成され、すなわち、先端部分の外径を細くして絞り込む形状である。該トーチノズル24の先端中央部は同径で所定距離延在する開口部30として形成され、前記開口部30に電極18が挿通され、且つその先端部が該開口部30より突出している。このトーチノズル24の内周面32には、丁度トーチノズル24が徐々に絞られる前記肩部内部に適合するように導電性部材34が前記電極18の基端部側を囲繞するように周回して装着される。
なお、導電性部材34は、トーチノズル24の内周面32のうち肩部以外の位置に装着してもよい。例えば、肩部より電極18の後端側(すなわち、トーチノズルの基部側)における内周面32の径が略一定の位置に装着してもよい。こうすれば、トーチノズル24の径が徐々に絞られる肩部に装着する場合に比べて、導電性部材34を容易に装着することができる。
また、導電性部材34は、メッシュ状に形成されるとともに、例えば、ステンレス鋼(SUS)、銅、銅合金、アルミニウム、及びアルミニウム合金のうちのいずれか1の金属で構成されている。銅合金としては、例えば、真鍮を利用することができる。
また、導電性部材34のトーチノズル24の内周面32への装着は、導電性部材34及びトーチノズル24の間に生じる摩擦力だけでなく接着剤等を利用してもよい。なお、シールドガスとして、アルゴンガスでなく、二酸化炭素やヘリウム等を用いてもよい。
本発明の第1実施形態に係る溶接トーチ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
図2に示すように、正面L字状のワークW1とW2とを互いに背中合わせにして所定の位置に配設し、該ワークW1とW2とが接する溶接部位42に、溶接トーチ10の電極18を所定距離接近させる。好ましくはこの距離は5mmである。
次いで、溶接トーチ10へ所定の電流及びアルゴンガスの供給を開始し、溶接部位42と電極18との間に、アーク放電が発生しているアーク形成空間44を形成する。前記アーク形成空間44の形成後、TIG溶接作業を実施し、前記ワークWの溶接部位42を形成する。
この場合、溶接トーチ10はTIG溶接作業を連続して実施したとしても、失火することはなく、確実にアーク形成空間44を形成し、大気と良好な遮断状態を得てTIG溶接作業を連続実施することができる。その理由として、以下のことが考えられる。すなわち、従来技術では、溶接開始時には電極の先端部からアークが発生するが、溶接回数を重ねるごとにアークの発生位置が電極の先端から這い上がっていく現象が見られる。これは、電極の酸化等の影響によるものと考えられる。そして、アーク発生位置が電極先端部から這い上がっていくことは、アーク発生位置がワークから遠ざかって行くことを意味する。換言すれば、ワークからアーク発生位置までの距離が長くなると、初期アーク電圧が徐々に高電圧になり、失火が頻発するに至る。
アークの位置が這い上がる、つまり、電極の先端部でアークが発生しなくなる理由として、酸化等の影響で「電離電圧」が上がることが考えられる。ここで「電離」とは、原子に励起状態よりもっと大きなエネルギーを外部から加えると、電子が原子から飛び出すことをいい、この電離に必要な最低電圧を「電離電圧」という。プラズマを発生させるには電離電圧以上のエネルギーを加えないとならないので、アーク溶接を連続して行う場合において、初期アークの失火を回避すべく、徐々に電極に印加される電圧を上昇させる、すなわち、電離電圧を上昇させることは、プラズマを発生させることが困難な状況があることを前提とし、失火の頻度が高いことを意味する。
ところで、従来技術のようにトーチノズル24の内周面32に導電性部材34を装着していない溶接トーチを用いて連続してTIG溶接作業を実施すると、電極が酸化して、徐々に失火が発生しやすくなる。失火した場合、初期アーク電圧を徐々に大きくし、アーク形成空間44の形成を再度実施する。そして、失火を繰り返すと、いずれ初期アーク電圧が高電圧発生回路が許容する最大電圧を印加しても失火するようになり、最終的にはTIG溶接作業を中断し、電極先端の研磨等の作業が必要となる。
一方、本実施形態のようにトーチノズル24の内周面32に導電性部材34を装着することにより、連続してTIG溶接作業を実施したとしても、失火することがほとんどないことが実験により確認された。
このように、初期アーク電圧を小さくすることができるため、溶接トーチ10やそれを組み込むTIG溶接機への負荷を低減することができる。従って、高電圧発生回路の故障が発生しにくくなり、TIG溶接作業が中断することが少なくなるために、アーク溶接の生産効率が向上する。また、場合によって、前記高電圧発生回路をTIG溶接機に組み込まなくてもよい。
図3は、導電性部材34の有無に対する初期アーク電圧波形図である。図3中に示される実線Aは、本実施形態に係るトーチノズル24の内周面32に金属製メッシュで構成された導電性部材34を組み込んだ溶接トーチ10の初期アーク電圧波形を示し、破線aは、該導電性部材34を装着していないTIG溶接装置の初期アーク電圧波形を示している。ここで、初期アーク電圧とは、前記アーク形成空間44を形成するために必要な電圧の最小値である。なお、図3中の縦軸に示す電圧はマイナス方向へ大となる。図3から容易に諒解されるように、本実施形態によれば、導電性部材34を組み込んだ溶接トーチ10は約6200V前後で初期アーク電圧が得られるが、導電性部材34を備えていない従来技術の溶接トーチでは約11500Vが初期アーク電圧である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るアーク溶接用トーチについて図4を参照しながら説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と共通する構成には同一の参照符号を付して説明を省略する。
第2実施形態は、導電性部材134の構成が第1実施形態と異なっている。具体的には、導電性部材134は、板状(薄板状)又は箔状に形成されており、例えば、SUS、銅、銅合金、アルミニウム、及びアルミニウム合金等のうちのいずれか1の金属から構成されている。銅合金としては、例えば、真鍮を利用することができる。導電性部材134の厚みは、シールドガスがトーチノズル24内を充分に流通できる程度の大きさに設定されている。また、導電性部材134の厚みは、0.1mm未満に設定することもできる。
第2実施形態によれば、溶接トーチ100の導電性部材134に、金属製板又は金属製箔を用いているので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
本発明に係るアーク溶接用トーチは、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、導電性部材は、コイルばね状に形成してもよい。
また、本発明は、トーチノズルの内周面にアルミニウム等の金属を蒸着したり、被覆したりすることにより、前記トーチノズルへの導電性部材の装着を実現してもよい。これにより、該導電性部材が該トーチノズルから外れる懸念を排除することができる。この場合、前記トーチノズルを前記導電性部材の装着し易い形状にしなくてもよくなる。そのため、前記トーチノズルの設計自由度が増加する。
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
先ず、実施例1について説明する。本実施例では、上述した第1実施形態のように構成されるアーク溶接用トーチを用いてTIG溶接を行った。つまり、本実施例では、導電性部材に金属製メッシュを用いている。
被溶接物として銅板を選択し、電極はランタン1.5重量%を含有するタングステン電極(φ2.5mm)を用いた。図5に示すように、アルゴンガスをシールドガスとして1分間あたり6リットル流した。このアルゴンガスのプレパージ時間は2秒であった。アルゴンガスを流してから2秒後に電極に溶接電流100Aを流した。溶接電流を電極に流し始め、終了するまでの時間は100ミリ秒であった。その後のアルゴンガスのポストパージ時間は2秒であった。因みに溶接タクト時間は5秒に1回であった。
溶接結果は以下の通りである。すなわち、約2時間(1440回)の溶接において失火は0回であった。また溶接電源に設定されているリトライスタート動作(失火発生時に溶接電源から再スタートする機能)は一度も動作しなかった。このことより本アーク溶接用トーチは失火に対して極めて効果的であることが判明した。
従来の方法では、すなわち、金属製メッシュを組み込まない構造のものでは、200回を過ぎたあたりから失火がたまに発生し、300回を過ぎると顕著に失火していた。その際は電極の先端部を研磨する方法がとられていた。本実施例のように、トーチノズルに金属製メッシュを装着することにより、電極の研磨回数は200回に1回から1500回に1回となり電極の寿命も延ばすことができる。
また、前記のように金属製メッシュを装着することにより、初期アーク電圧も低く抑えられるため、高電圧発生回路の負担が小さくなり溶接電源の寿命も増える特有の効果が得られた。
(実験装置の構成)
次に、実施例2について説明する。図6に示すように、本実施例の実験装置200は、溶接電源(PULSETIG電源 MAW−300A DC 高電圧スタート式:ミヤチテクノス製)202と、溶接電源202の一方の端子204に接続された溶接トーチ(TA−23SSP:ミヤチテクノス製)206と、溶接トーチ206にシールドガス(アルゴンガス)を供給するガス供給部208と、溶接電源202の他方の端子210に接続されてタフピッチ銅からなるワーク212を備えている。
溶接トーチ206は、基本的には上述した第1実施形態の溶接トーチ10と同じ構成であり、トーチボディ214、トリウムを1.5重量%含有するタングステンからなる電極(φ1.6mm)216、トーチノズル218、及び導電性部材220等を有している。
電極216は、先端研磨角度が40°に設定されるとともにトーチノズル218からの突出長さ(L1)が2mmになるようにトーチボディ214に取り付けられている。また、溶接トーチ206は、ワーク212表面と電極216先端との間の距離(L2)が1mmになるように不図示の支持部材にて固定されている。
なお、溶接トーチ206及びワーク212は、電極216が陰極、ワーク212が陽極となるように溶接電源202の各端子204、210にそれぞれ接続されている。
(実験条件)
次に、本実施例に係る実験条件について説明する。本実施例では、導電性部材220として、SUSメッシュ(厚み0.14mm)、銅メッシュ(厚み0.3mm)、真鍮メッシュ(厚み0.3mm)、銅板(厚み0.14mm)、真鍮板(厚み0.1mm)、及びアルミニウム箔(アルミ箔)(厚み0.01mm)の6種類を選択した。なお、本実施例では、JIS規格(JIS H 0500)に従って、導電性部材220の厚みが0.1mm以上のものを板と称し、0.1mm未満のものを箔と称している。
溶接電流は、図7に示すグラフのように制御した。具体的には、スタート電流を20Aに、アップスロープ時間を20ミリ秒に、溶接電流を30Aに、溶接時間を50ミリ秒に、それぞれ設定した。なお、本実施例では、ダウンスロープ制御は行わず、溶接タクト時間は3秒に1回であった。また、シールドガスの流量は、1分間あたり3リットル流した。
(測定方法)
本実施例では、上述した6種類の導電性部材220のそれぞれに対して、上記溶接条件に従ってアークを発生させた際の放電回数及び失火の有無を3セット測定した。なお、本実施例では、実験開始後、最初のアークの失火時点を本実施例のアークの失火とした。つまり、アークのリスタートは行わなかった。また、各セットの実験開始前に、不図示の電極研磨機にてその先端研磨角度が40°となるように電極216を研磨した。
アーク放電回数の上限は、基本的に1セットあたり1500回とした。但し、SUSメッシュについては、3セット目だけ2100回をアーク放電回数の上限とした(図8参照)。
(比較例)
次に、比較例について説明する。比較例は、本実施例の実験装置200において、導電性部材220を省略したものを使用した。また、実験条件及び測定方法は、本実施例と同じとした。
(実験結果)
本実施例及び比較例の実験結果について図8を参照しながら説明する。図8に示すように、比較例では、44回、36回、61回でそれぞれ失火しているのに対して、実施例2では、アルミ箔の1セット目及び2セット目以外において、1500回の連続放電ができ、その間の失火はなかった。また、SUSメッシュの3セット目については、2100回の連続放電ができ、その間の失火はなかった。アルミ箔については、902回、1302回でそれぞれ失火することがあったが、比較例と比べて、少なくとも20倍以上の回数の連続放電ができた。
このように、トーチノズル218に導電性部材220を装着することにより、失火の発生度合いが著しく減少することが証明された。特に、SUSメッシュ、銅メッシュ、真鍮メッシュ、銅板、及び真鍮板においては、失火防止効果が大きいことがわかった。また、アルミ箔においても、比較例と比べて失火防止の顕著な効果を有することがわかった。

Claims (8)

  1. トーチボディ(16)と、
    前記トーチボディ(16)の軸中心部に設けられる電極(18)と、
    前記電極(18)を把持するコレット(20)と、
    前記コレット(20)を囲繞するコレットボディ(22)と、
    前記トーチボディ(22)の先端部に設けられ、前記電極(18)を挿通するトーチノズル(24)と、
    を有し、
    前記トーチノズル(24)の内周面(32)に、導電性部材(34)が装着されていることを特徴とするアーク溶接用トーチ。
  2. 請求項1記載のアーク溶接用トーチにおいて、
    前記導電性部材(34)が、前記電極(18)を囲繞することを特徴とするアーク溶接用トーチ。
  3. 請求項1又は2記載のアーク溶接用トーチにおいて、
    前記トーチノズル(24)は前記トーチボディ(22)側から前記電極(18)先端に指向して断面が徐々に縮径し、
    前記導電性部材(34)は該徐々に縮径する該トーチノズル(24)の内周面(32)に設けられていることを特徴とするアーク溶接用トーチ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアーク溶接用トーチにおいて、
    前記導電性部材(34)が金属製メッシュであることを特徴とするアーク溶接用トーチ。
  5. 請求項4記載のアーク溶接用トーチにおいて、
    前記金属製メッシュがSUS、銅、銅合金、アルミニウム、及びアルミニウム合金のうちのいずれか1の金属で構成されていることを特徴とするアーク溶接用トーチ。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアーク溶接用トーチにおいて、
    前記導電性部材(34)が金属製板であることを特徴とするアーク溶接用トーチ。
  7. 請求項6記載のアーク溶接用トーチにおいて、
    前記金属製板がSUS、銅、銅合金、アルミニウム、及びアルミニウム合金のうちのいずれか1の金属で構成されていることを特徴とするアーク溶接用トーチ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のアーク溶接用トーチにおいて、該アーク溶接用トーチはTIG溶接に用いられることを特徴とするアーク溶接用トーチ。
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