JPWO2010007711A1 - 単4形の円筒形アルカリ乾電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一方の端面より突出するプラス端子、および他方の端面より突出するマイナス端子を有し、外装ラベルで被覆された、単4形の円筒形アルカリ乾電池に関する。プラス端子の径Dp(mm)および突出高さHp(mm)、ならびにマイナス端子の径Dn(mm)および突出高さHn(mm)は、関係式(1):2.5≦Dn−Dp≦4.1 (1)および、関係式(2):0.8≦Hp−Hn≦1.1 (2)を満たす。これにより、端子の極性を容易かつ確実に視認することができ、逆装填を起こし難い単4形の円筒形アルカリ乾電池を提供することができる。

Description

本発明は、JIS規格で定められた単4形(IEC規格ではLR03、ANSI規格ではAAA)の円筒形アルカリ乾電池に関する。
従来から、アルカリ乾電池は、日用品から玩具、ホビー用品、ゲーム機器、携帯用音楽再生装置等の電子機器の電源として幅広く用いられている。現在、単1〜5形および角形(9V)のアルカリ乾電池が製造・販売されている。しかし、電子機器に電池を装填する際に、プラス極とマイナス極とを誤って逆に装填する(以下、単に逆装填とする。)場合がある。
この逆装填を防止する方法として、電池の構造を改良することが検討されている。例えば、円筒形電池におけるマイナス端子が配される端面において、マイナス端子の周りを突出部で囲む構造とすることが提案されている(特許文献1)。また、マイナス端子の表面に絶縁性樹脂の突起を設けることが提案されている(特許文献2)。特許文献1および2記載の方法により、複数個の電池を直列接続する際に、誤って電池のマイナス端子同士を接続するのを防止することができる。
また、電池を逆装填しても、電池の端子が機器の端子と接触しないように、機器の構造を改良することが提案されている(非特許文献1)。
特開平9−147831号公報 特開平9−161762号公報 社団法人 電池工業会編集・発行「電池使用機器の電池室・端子安全設計ガイドブック(第2版)」、P.7−12
単1および単2形のような大きなサイズのアルカリ乾電池では、電池および機器の両方において逆装填を防止する取組みが可能である(非特許文献1)。しかし、単3、単4、および単5形のような小さなサイズのアルカリ乾電池では、機器側の端子との接触不具合を生じる可能性があるため、特許文献1および2記載の方法を採用することは困難である。
その中でも、特に、単4形アルカリ乾電池は、サイズおよび形状の観点から最も逆装填を起こし易い。単4形アルカリ乾電池は、最も細長い形状を有するため、外装部における極性の表示が相対的に小さくなる。端子の形状も小さく、端子の極性を直感的に視認することは難しい。
また、単4形アルカリ乾電池は、AV機器、エアコン、照明器具等のリモコンの主電源として広く用いられている。各家庭に10台前後またはそれ以上の台数のリモコンが用いられ、単4形アルカリ乾電池を交換する機会は非常に多い。したがって、単4形アルカリ乾電池の逆装填を防止することは非常に重要である。
そこで、本発明は上記従来の問題を解決するため、プラス端子およびマイナス端子の形状を改良して、端子の極性を容易かつ確実に視認可能な、逆装填を起こし難い単4形の円筒形アルカリ乾電池を提供することを目的とする。
本発明は、一方の端面より突出するプラス端子、および他方の端面より突出するマイナス端子を有し、外装ラベルで被覆された、単4形の円筒形アルカリ乾電池であって、
前記プラス端子の径Dp(mm)および突出高さHp(mm)、ならびに前記マイナス端子の径Dn(mm)および突出高さHn(mm)は、
関係式(1):
2.5≦Dn−Dp≦4.1 (1)
および、
関係式(2):
0.8≦Hp−Hn≦1.1 (2)
を満たすことを特徴とする。
前記外装ラベルはCMYK色により彩色され、前記外装ラベルのマイナス端子側の端部は、前記外装ラベルのプラス端子側の端部よりも、前記CMYK色におけるKの網点面積率が30%以上高いのが好ましい。
前記外装ラベルのマイナス端子側の端部は、黒色調であるのが好ましい。
前記外装ラベルのプラス端子側の端部は、金、銀、または銅色調であるのが好ましい。
前記外装ラベルにおける、プラス端子側の端部と、前記外装ラベルのマイナス端子側の端部との間には、グラデーションが形成されているのが好ましい。
本発明によれば、プラス端子およびマイナス端子の形状の違いが顕著となるため、端子の極性を容易かつ確実に視認することができ、逆装填を起こし難い単4形の円筒形アルカリ乾電池を提供することができる。
本発明の一実施形態の単4形の円筒形アルカリ乾電池の一部を断面とする正面図である。 図1の外装ラベル8の一例を示す概略縦断面図である。 プラス端子の高さとマイナス端子の高さとの差が大きく、プラス端子の径とマイナス端子の径との差が大きい単4形の円筒形アルカリ乾電池の概略正面図である。 プラス端子の高さとマイナス端子の高さとの差が小さく、プラス端子の径とマイナス端子の径との差が小さい単4形の円筒形アルカリ乾電池の概略正面図である。 本発明の実施例1〜4の電池および比較例1の電池における(Dn−Dp)および(Hp−Hn)をプロットした図である。
本発明は、一方の端面より突出するプラス端子、および他方の端面より突出するマイナス端子を有し、外装ラベルで被覆された単4形の円筒形アルカリ乾電池に関する。そして、本発明は、前記プラス端子の径Dp(mm)および突出高さHp(mm)、ならびに前記マイナス端子の径Dn(mm)および突出高さHn(mm)が、関係式(1):
2.5≦Dn−Dp≦4.1 (1)
および、関係式(2):
0.8≦Hp−Hn≦1.1 (2)
を満たす点に特徴を有する。
(Dn−Dp)を2.5mm以上および(Hp−Hn)を0.8mm以上とすることにより、プラス端子およびマイナス端子の形状の違いが顕著となるため、端子の極性を容易かつ確実に視認することができ、単4形アルカリ乾電池の逆装填の発生を抑制することができる。
より具体的には、プラス端子は、有底円筒形の電池ケースの底面に設けられた略円柱状の凸部からなる。マイナス端子は、電池ケースの開口を覆う封口板に設けられた略円柱状の凸部からなる。
プラス端子の突出高さHpとは、円筒形電池のプラス極側の端面(電池ケースおよび外装ラベルのうち端面における高さが高いほう)から突出するプラス端子における電池の軸方向の長さである。マイナス端子の突出高さHnとは、円筒形電池のマイナス極側の端面(マイナス端子を囲む周縁部のかしめ部であり、電池ケースおよび外装ラベルのうち端面における高さが高いほう)から突出するマイナス端子における電池の軸方向の長さである。
すなわち、電池を側面方向から見た場合に円筒形電池の端面から突出する部分における電池の軸方向の長さである。
プラス端子の径Dpとは、プラス端子の側面部における電池の軸方向に垂直な断面の直径(以下、単に側面部の直径とする。)である。電池ケース作製時の絞り加工により形成されたプラス端子において、端面部と側面部との境界部が丸みを帯びている場合、プラス端子の端面部(円形状平面部)の直径は、側面部の直径よりも小さくなる。この場合、プラス端子の側面部の直径をプラス端子の径Dpとする。
マイナス端子の径Dnとは、マイナス端子の側面部における電池の軸方向に垂直な断面の直径(以下、単に側面部の直径とする。)である。マイナス端子において、端面部と側面部との境界部が丸みを帯びている場合、マイナス端子の端面部(円形状平面)の直径は、側面部の直径よりも小さくなる。この場合、マイナス端子の側面部の直径をマイナス端子の径Dnとする。
プラス端子の径Dpおよび突出高さHp、ならびにマイナス端子の径Dnおよび突出高さHnは、たとえば、精密X−Yステージを備えた投影機(例えば、(株)ニコン製の万能投影機V−12B)を用いて測定することができる。
本発明における円筒形電池本体の径および高さは、JIS規格で定められた単4形電池の寸法であればよい。
以下、プラス端子およびマイナス端子の径および突出高さの異なる図3の電池20および図4の電池30を比較しながら説明する。図3の電池20は、両端子間における突出高さの差および径の差が大きいプラス端子21およびマイナス端子22を有する。図4の電池30は、両端子間の突出高さの差および径の差が小さいプラス端31およびマイナス端子32を有する。
図3の電池20は、図4の電池30に比べて、プラス端子およびマイナス端子の突出高さおよび径の差が大きく、両端子の形状の違いが顕著である。このように、プラス端子とマイナス端子との間における径および突出高さの差を顕著に設けることにより、プラス端子およびマイナス端子を視覚的に容易に識別することができる。
機器側の端子との接触抵抗を低く抑え、電流を安定して流し続けるためには、プラス端子の径Dpを2.4mm以上とする必要がある。一方、マイナス端子を設ける封口板には、マイナス端子の周縁に鍔部(かしめ部)を設ける必要がある。かしめによる封口に対する信頼性を十分に確保するためには、マイナス端子の径Dnは6.5mm以下とする必要がある。したがって、(Dn−Dp)は、4.1(=6.5−2.4)mm以下である。
プレス成形時の加工のし易さの観点から、プラス端子の径Dpは大きいほうが好ましいが、プラス端子の視認性向上の観点から、プラス端子の径Dpは3.5mm以下であるのが好ましい。機器側の端子との安定した接触状態の確保、およびマイナス端子の視認性向上の観点から、マイナス端子の径Dnは4.9mm以上であるのが好ましい。
プラス端子の視認性向上の観点から、プラス端子の突出高さHpは、高い方が好ましい。ただし、発電要素を収納するための電池ケースの内容積を十分確保するためには、プラス端子の突出高さHpは1.2mm以下とする必要がある。外装ラベルの電池ケースへの装着性に対する製造ばらつきを低減し、電池の信頼性を確保するためには、マイナス端子の突出高さHnは0.1mm以上とする必要がある。したがって、(Hp−Hn)は、1.1(=1.2−0.1)mm以下である。
機器側の端子との接触不良を確実に防ぎ、電池の信頼性を確保するためには、プラス端子の突出高さHpは0.9mm以上であるのが好ましい。マイナス端子の視認性向上の観点から、マイナス端子の突出高さHnは0.3mm以下であるのが好ましい。
以下、本発明の単4形の円筒形アルカリ乾電池の一実施の形態を、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態である単4形アルカリ乾電池10の一部を断面とした正面図である。
円筒形アルカリ乾電池10(単4形)は、上端面の中央部にプラス端子1aおよび下端面の中央部にマイナス端子7aを有する。電池の外表面(両端子以外の部分)は、外装ラベル8で覆われている。より具体的には、電池の外装ラベル8は、電池の側面全体および上下端面の周縁部を覆う。プラス端子1aは、正極集電体を兼ねる有底円筒形の電池ケース1の底面に設けられた略円柱状の凸部からなる。マイナス端子7aは、電池ケース1の開口を覆う、略帽子状の封口板7の中央に設けられた略円柱状の凸部からなる。
電池ケース1の内面には、中空円筒形の正極2が密着し、正極2の中空部には有底円筒形のセパレータ4を介して負極3が配置されている。正極2は、例えば、正極活物質、黒鉛粉末等の導電材、およびアルカリ電解液の混合物からなる。正極活物質には、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、またはそれらの混合物が用いられる。負極3は、例えば、負極活物質、ポリアクリル酸ナトリウム等のゲル化剤、およびアルカリ電解液の混合物からなる。負極活物質には、例えば、亜鉛粉末または亜鉛合金粉末が用いられる。セパレータには、例えば、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布が用いられる。アルカリ電解液には、水酸化カリウム水溶液が用いられる。
電池ケース1の開口部には、釘型の負極集電体6、封口板7、および樹脂製ガスケット5が一体化した組立封口体9が配される。負極集電体6の頭部は封口板7と電気的に接続されている。負極集電体6の胴部は負極3内に挿入されている。ガスケット5は、中央筒部、外周筒部、および中央筒部と外周筒部とを結ぶ連結部からなる。ガスケット5の中央筒部の穴部に負極集電体6が挿入されている。ガスケット5の連結部には、電池内圧上昇時に安全弁として作動する肉薄部が設けられている。封口板7には、電池内圧上昇時に電池内のガスを外部に放出するための孔(図示しない)が設けられている。電池ケース1の開口端部を、ガスケット5の外周筒部を介して、封口板7の周縁部(鍔部)7bにかしめつけることにより、電池は密閉されている。
本発明では、上記電池において、プラス端子1aの径Dp(mm)および突出高さHp(mm)、ならびにマイナス端子7aの径Dn(mm)および突出高さHn(mm)が、以下の関係式(1)および(2)を満たす。
2.5≦Dn−Dp≦4.1 (1)
0.8≦Hp−Hn≦1.1 (2)
これにより、プラス端子およびマイナス端子の形状の違いが顕著となるため、端子の極性を容易かつ確実に視認することができ、逆装填の発生を抑制することができる。
プラス端子1aの突出高さHpは、電池のプラス極側の端面(上端面)の周縁部に配された外装ラベル8の上端面から突出するプラス端子1aにおける電池の軸方向の長さである。
マイナス端子7aの突出高さHnは、電池のマイナス極側の端面(下端面)の周縁部(かしめ部)に配された外装ラベル8の下端面から突出するマイナス端子7aにおける電池の軸方向の長さである。
なお、上記の外装ラベル8の上端面および下端面とは、外装ラベル8を電池ケースに捲きつける際に、外装ラベル8の電池の軸方向に沿う両端が重なり合う場合、外装ラベル8が重なり合わない部分における外装ラベル8の上端面および下端面を意味する。
プラス端子1aの径Dpとは、プラス端子1aの側面部の直径である。電池ケース1の作製時における絞り加工により、プラス端子1aの端面部(円形状平面部)と側面部との間には、電池の軸方向に沿ったプラス端子1aの断面において円弧状である、丸みを帯びた境界部が形成されている。プラス端子1aの径Dpとは、電池をプラス極の端面(上端面)側から見た場合のプラス端子1aの側面部の直径である。
マイナス端子7aの径Dnとは、マイナス端子7aの側面部の直径である。封口板7の作製時におけるプレス加工により、マイナス端子7aの端面部(円形状平面部)と側面部との間には、電池の軸方向に沿ったマイナス端子7aの断面において円弧状である、丸みを帯びた境界部が形成されている。マイナス端子7aの径Dnとは、電池をマイナス極の端面(下端面)側から見た場合のマイナス端子7aの側面部の直径である。
プラス端子1aを有する電池ケース1は、例えば、厚さ0.2〜0.5mmのニッケルめっき鋼板を用いて、特開昭60−180058号公報および特開平11−144690号公報に記載されているような公知の方法(Drawing and Ironing工法)により得られる。
マイナス端子7aを有する封口板7は、例えば、厚さ0.2〜0.5mmのニッケルめっき鋼板またはスズめっき鋼板を、所定の寸法および形状にプレス成形して得られる。また、絞り加工により、マイナス端子7aの端面部と側面部との間に、電池の軸方向に沿ったマイナス端子7aの断面において、曲率半径が0.2〜0.5mmの境界部を形成してもよい。曲率半径が小さくなるように絞り加工する(境界部をシャープにする)ことにより、端面部の平面性を際立たせることができるため、端子の極性をより確実に視認することができる。
ここで、図2は、外装ラベル8の一例を示す概略縦断面図である。図2に示すように、外装ラベル8は、熱収縮性樹脂フィルムからなる基材層11、基材層11の一方の面に形成された金属蒸着層12、金属蒸着層12を覆う接着剤層13、基材層11の他方の面に形成された印刷層14、および印刷層14を覆う保護層15からなる。なお、本発明のアルカリ乾電池に用いられる外装ラベルは、これに限定されない。
熱収縮性樹脂フィルムには、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートのフィルム(例えば、厚さ0.01〜0.2mm)が用いられる。
外装ラベル8は、外装ラベル8の接着剤層13を電池ケース1の外表面に接着して、電池ケース1に固定される。接着剤層13は、基材層11に接着剤を塗布することにより形成される。接着剤には、例えば、感熱接着剤が用いられる。
金属蒸着層12は、例えば、特開平9−237614号公報に記載されているような公知の方法により、基材層11上にアルミニウム等の金属を蒸着して形成される。これにより、外装ラベル8の外観に金属光沢を付与することができる。金属蒸着層12を形成する場合、金属蒸着層12と接着剤層13との間にさらに電気絶縁層を形成するのが好ましい。電気絶縁層の材料には、例えば、樹脂が用いられる。接着剤に感熱接着剤を用いる場合、感熱接着剤よりも軟化点の高い樹脂を用いるのが好ましい。
印刷層14は、基材層上に、色彩、図案、および文字等を印刷して形成される。保護層15は、印刷層14上に、ニスおよび透明ラッカーを塗布して形成される。印刷層14に用いられる材料としては、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの4色(CMYK色)で構成されるプロセスインキ、または紫外線硬化型インキが用いられる。
外装ラベル8の印刷層14はCMYK色により彩色され、外装ラベル8のマイナス端子7a側の端部は、外装ラベル8のプラス端子1a側の端部よりも、CMYK色におけるKの網点面積率(K値)が30%以上高いことが好ましく、より好ましくは50%以上である。電池側面に配される外装ラベルに電池の軸方向に沿って色調の濃淡差を設け、電池の極性の相違を喚起することができる。色調の濃い側がマイナス側であることを想起させることができる。これにより、端子の極性をより確実に把握することができる。
外装ラベル8のマイナス端子7a側の端部は、黒色調であるのが好ましい。外装ラベル8のプラス端子1a側の端部は、金、銀、または銅色調であるのが好ましい。金、銀、または銅のメタリック色調を施した側がプラス側であり、黒色調を施した側がマイナス側であることを想起させることができ、端子の極性をより確実に把握することができる。
ここでいう、外装ラベル8のプラス端子1a側の端部とは、外装ラベル8において、電池10の上端面の周縁部、および電池10の側面におけるプラス端子1a側の端部から所定幅(図1中の幅X)の領域に位置する部分を指す。外装ラベル8のマイナス端子7a側の端部とは、外装ラベル8において、電池10の下端面の周縁部、および電池10の側面におけるマイナス端子7a側の端部から所定幅(図1中の幅Y)の領域に位置する部分を指す。視認性の観点から、図1中のXおよびYの寸法は、約5mm以上であるのが好ましく、より好ましくは、約10mm以上である。
外装ラベル8における、プラス端子1a側の端部と、マイナス端子7a側の端部との間の領域(図1中の幅Zの領域)に、電池10の軸方向に沿ってグラデーションを形成するのが好ましい。これにより、使用者に電気の流れを想起させて電池の極性の相違を喚起させることができ、端子の極性をより確実に把握することができる。また、製品に高級感を与えることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
《実施例1》
上記の図1と同様の単4形アルカリ乾電池を作製した。
内面に黒鉛塗装膜が形成された、ニッケルめっき鋼板からなる有底円筒形の電池ケース1内に、ペレット状の正極2を複数個挿入した後、電池ケース1内にて加圧成形し、電池ケース1の内面に密着させた。電池ケース1には、厚さ0.4mmのニッケルめっき鋼板を用いて、DI工法により、所定の形状および寸法に製缶加工したものを用いた。正極2には、二酸化マンガン粉末、黒鉛粉末、およびアルカリ電解液の混合物(重量比92.5:6.0:1.5)を用いた。正極2の内側に、セパレータ4を配置した。セパレータ4には、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布を用いた。その後、電池ケース1内に、アルカリ電解液を注入した。アルカリ電解液には、濃度が35重量%の水酸化カリウム水溶液を注入した。
セパレータ4の内側に負極3を充填した。負極3には、亜鉛粉末、ポリアクリル酸ナトリウム、およびアルカリ電解液の混合物(重量比66:1:33)を用いた。
ガスケット5の中央部に設けられた貫通孔に負極集電体6の胴部を挿入し、負極集電体6の頭部を封口板7に溶接し、組立封口体9を得た。封口板7には、ニッケルめっき鋼板(厚さ0.3mm)を、所定の形状および寸法にプレス成形したものを用いた。電池ケース1の開口部を組立封口体9で封口した。このとき、負極集電体6を負極3に差し込み、電池ケース1の開口端部を、ガスケット5の外周部を介して封口板7の周縁部7bにかしめつけた。次いで、電池ケース1の外表面に外装ラベル8(厚さ約80μm)を被覆した。
外装ラベル8には、ポリエチレンテレフタレートのフィルムからなる基材層(厚さ50μm)、基材層の一方の面に形成されたアルミニウム蒸着層(厚さ約0.05μm)、およびアルミニウム蒸着層上に形成された接着剤層(ブチルアクリレート−アクリル酸の共重合体を主成分とした接着剤、厚さ約25μm)からなる積層シートを用いた。外装ラベル8の他方の面には印刷を施さず白色無地とした。このようにして、アルカリ乾電池を作製した。
上記電池作製時において、プラス端子1aの径Dpを3.40mm、突出高さHpを1.10mmとした。マイナス端子7aの径Dnを5.90mm、突出高さHnを0.30mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=2.50mm、および(Hp−Hn)=0.80mmとした。
《実施例2》
プラス端子1aの径Dpを3.40mm、突出高さHpを1.20mmとした。マイナス端子7aの径Dnを5.90mm、突出高さHnを0.15mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=2.50mm、および(Hp−Hn)=1.05mmとした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、電池を作製した。
《実施例3》
プラス端子1aの径Dpを3.30mm、突出高さHpを1.10mmとした。マイナス端子7aの径Dnを6.35mm、突出高さHnを0.30mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=3.05mm、および(Hp−Hn)=0.80mmとした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、電池を作製した。
《実施例4》
プラス端子1aの径Dpを3.40mm、突出高さHpを1.15mmとした。マイナス端子7aの径Dnを6.20mm、突出高さHnを0.20mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=2.80mm、および(Hp−Hn)=0.95mmとした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、電池を作製した。
《比較例1》
プラス端子1aの径Dpを3.70mm、突出高さHpを1.20mmとした。マイナス端子7aの径Dnを5.90mm、突出高さHnを0.50mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=2.20mm、および(Hp−Hn)=0.70mmとした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、電池を作製した。
《比較例2〜5》
4銘柄の単4形アルカリ乾電池の市販品(A〜D)を各10個ずつ入手した。そして、プラス端子の外径Dpおよび高さHp、ならびにマイナス端子の外径Dnおよび高さHnを、投影機を用いて測定し、各市販品の(Dn−Dp)および(Hp−Hn)の値を算出した。なお、(Dn−Dp)および(Hp−Hn)の値は、各10個の電池の平均値として求めた。
ここで、図5は、実施例1〜4および比較例1〜5の(Dn−Dp)値および(Hp−Hn)値をプロットした図である。図5から、実施例1〜4の電池では、(Dn−Dp)=2.5〜4.1かつ(Hp−Hn)=0.8〜1.1の条件を満たすのに対し、比較例1では、上記条件を満たさないことがわかった。また、比較例2〜5の市販品A〜Dについても、上記条件を満たさないことがわかった。
[評価1]
実施例1〜4および比較例1の単4形アルカリ乾電池について以下の評価(電池装填試験)を実施した。電池を装填する機器には、単4形アルカリ乾電池を2本使用するエアコン用のリモコンと、単4形アルカリ乾電池を2本使用する電子辞書とを用いた。9〜71歳で構成した試験者97名に対して、実施例1〜4および比較例1の各電池を上記機器に装填するモニターリング試験を実施した。機器への装填を実施した回数に対して逆装填した回数の割合(以下、逆装填の発生率)を求めた。具体的には、下記式により、逆装填の発生率を求めた。
逆装填の発生率(%)=(リモコンに電池を逆装填した人数+電子辞書に電池を逆装填した人数)/(97×2)×100
その結果、比較例1の電池では、逆装填の発生率が3.6%であったのに対して、実施例1〜4の電池では、いずれも逆装填の発生率は0%であった。次に、外装ラベルの色調による端子の視認性評価について説明する。
《実施例5》
実施例1と同じ外装ラベルにおいて、電池のマイナス極側の端面の周縁部および電池側面におけるマイナス端子側の端部から幅10mmの領域(図1中の幅Y=10mmの領域)に配される部分の基材層上に黒色塗料を塗布した。黒色塗料には、(東洋インキ製造(株)製、TKハイユニティーネオSoy)を用いた。この塗料のCMYK値は、C値=0%、M値=0%、Y値=0%、およびK値=100%であった。このようにして、基材層上に印刷層(厚さ約2μm)を形成した。
印刷層上にニスを塗布して保護層(厚さ約2μm)を形成した。
上記以外、実施例4と同様の方法により、電池を作製した。
《実施例6》
実施例1と同じ外装ラベルにおいて、電池のマイナス極側の端面の周縁部および電池側面におけるマイナス端子側の端部から幅10mmの領域(図1中の幅Y=10mmの領域)に配される部分の基材層上に青色塗料を塗布した。外装ラベルにおける青色塗料の塗布箇所以外には、金色塗料を塗布した。
青色塗料には、黒色、黄色、および藍色の混合塗料を用いた。黒色、黄色、および藍色の塗料には、東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティーネオSoyを用いた。青色塗料のCMYK値は、C値=100%、M値=80%、Y値=0%、およびK値=30%であった。
金色塗料には、黄色塗料に透明メジュームを混ぜて用いた。黄色塗料には、東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティーネオSoyを用いた。金色塗料のCMYK値は、C値=86%、M値=0%、Y値=0%、およびK値=0%であった。すなわち、外装ラベルにおいて、プラス端子側の端部と、マイナス端子側の端部とのKの網点面積率の差を30%とした。このようにして、基材層上に印刷層(厚さ約2μm)を形成した。
印刷層上にニスを塗布して保護層(厚さ約2μm)を形成した。
上記以外、実施例4と同様の方法により、電池を作製した。
[評価2]
実施例4〜6の電池について以下の評価を実施した。
単4形アルカリ乾電池を2本使用する、エアコン用のリモコン、電子辞書、ポータブルゲーム機器、およびペン型ライトの4機種を用いて、7〜84歳で構成した試験者267名に対してモニターリング試験を実施した。そして、下記式により、逆装填の発生率を求めた。
逆装填の発生率(%)=(リモコンに電池を逆装填した人数+電子辞書に電池を逆装填した人数+ゲーム機器に電池を逆装填した人数+ペン型ライトに電池を逆装填した人数)/(267×4)×100
実施例5の電池では、逆装填の発生率は0.19%であり、実施例4の電池の発生率(0.84%)の約4分の1であった。実施例6の電池では、逆装填の発生率は0.28%であり、実施例4の電池の逆装填の発生率(0.84%)の3分の1であった。すなわち、外装ラベルに色調を施した実施例5および6の電池では、外装ラベルに色調を施さない実施例4の電池と比べて、端子の極性をより確実に把握することができ、逆装填をより効果的に防ぐことができることが確かめられた。
本発明の単4形の円筒形アルカリ乾電池は、端子の極性に対する視認性が向上し、逆装填を起こし難いため、当該電池を装填する各種機器に好適に用いられる。
本発明は、JIS規格で定められた単4形(IEC規格ではLR03、ANSI規格ではAAA)の円筒形アルカリ乾電池に関する。
従来から、アルカリ乾電池は、日用品から玩具、ホビー用品、ゲーム機器、携帯用音楽再生装置等の電子機器の電源として幅広く用いられている。現在、単1〜5形および角形(9V)のアルカリ乾電池が製造・販売されている。しかし、電子機器に電池を装填する際に、プラス端子とマイナス端子とを誤って逆に装填する(以下、単に逆装填とする。)場合がある。
この逆装填を防止する方法として、電池の構造を改良することが検討されている。例えば、円筒形電池におけるマイナス端子が配される端面において、マイナス端子の周りを突出部で囲む構造とすることが提案されている(特許文献1)。また、マイナス端子の表面に絶縁性樹脂の突起を設けることが提案されている(特許文献2)。特許文献1および2記載の方法により、複数個の電池を直列接続する際に、誤って電池のマイナス端子同士を接続するのを防止することができる。
また、電池を逆装填しても、電池の端子が機器の端子と接触しないように、機器の構造を改良することが提案されている(非特許文献1)。
特開平9−147831号公報 特開平9−161762号公報
社団法人 電池工業会編集・発行「電池使用機器の電池室・端子安全設計ガイドブック(第2版)」、P.7−12
単1および単2形のような大きなサイズのアルカリ乾電池では、電池および機器の両方において逆装填を防止する取組みが可能である(非特許文献1)。しかし、単3、単4、および単5形のような小さなサイズのアルカリ乾電池では、機器側の端子との接触不具合を生じる可能性があるため、特許文献1および2記載の方法を採用することは困難である。
その中でも、特に、単4形アルカリ乾電池は、サイズおよび形状の観点から最も逆装填を起こし易い。単4形アルカリ乾電池は、最も細長い形状を有するため、外装部における極性の表示が相対的に小さくなる。端子の形状も小さく、端子の極性を直感的に視認することは難しい。
また、単4形アルカリ乾電池は、AV機器、エアコン、照明器具等のリモコンの主電源として広く用いられている。各家庭に10台前後またはそれ以上の台数のリモコンが用いられ、単4形アルカリ乾電池を交換する機会は非常に多い。したがって、単4形アルカリ乾電池の逆装填を防止することは非常に重要である。
そこで、本発明は上記従来の問題を解決するため、プラス端子およびマイナス端子の形状を改良して、端子の極性を容易かつ確実に視認可能な、逆装填を起こし難い単4形の円筒形アルカリ乾電池を提供することを目的とする。
本発明は、一方の端面より突出するプラス端子、および他方の端面より突出するマイナス端子を有し、外装ラベルで被覆された、単4形の円筒形アルカリ乾電池であって、
前記プラス端子の径Dp(mm)および突出高さHp(mm)、ならびに前記マイナス端子の径Dn(mm)および突出高さHn(mm)は、
関係式(1):
2.5≦Dn−Dp≦4.1 (1)
および、
関係式(2):
0.8≦Hp−Hn≦1.1 (2)
を満たすことを特徴とする。
前記外装ラベルはCMYK色により彩色され、前記外装ラベルのマイナス端子側の端部は、前記外装ラベルのプラス端子側の端部よりも、前記CMYK色におけるKの網点面積率が30%以上高いのが好ましい。
前記外装ラベルのマイナス端子側の端部は、黒色調であるのが好ましい。
前記外装ラベルのプラス端子側の端部は、金、銀、または銅色調であるのが好ましい。
前記外装ラベルにおける、プラス端子側の端部と、前記外装ラベルのマイナス端子側の端部との間には、グラデーションが形成されているのが好ましい。
本発明によれば、プラス端子およびマイナス端子の形状の違いが顕著となるため、端子の極性を容易かつ確実に視認することができ、逆装填を起こし難い単4形の円筒形アルカリ乾電池を提供することができる。
本発明の一実施形態の単4形の円筒形アルカリ乾電池の一部を断面とする正面図である。 図1の外装ラベル8の一例を示す概略縦断面図である。 プラス端子の高さとマイナス端子の高さとの差が大きく、プラス端子の径とマイナス端子の径との差が大きい単4形の円筒形アルカリ乾電池の概略正面図である。 プラス端子の高さとマイナス端子の高さとの差が小さく、プラス端子の径とマイナス端子の径との差が小さい単4形の円筒形アルカリ乾電池の概略正面図である。 本発明の実施例1〜4の電池および比較例1の電池における(Dn−Dp)および(Hp−Hn)をプロットした図である。
本発明は、一方の端面より突出するプラス端子、および他方の端面より突出するマイナス端子を有し、外装ラベルで被覆された単4形の円筒形アルカリ乾電池に関する。そして、本発明は、前記プラス端子の径Dp(mm)および突出高さHp(mm)、ならびに前記マイナス端子の径Dn(mm)および突出高さHn(mm)が、関係式(1):
2.5≦Dn−Dp≦4.1 (1)
および、関係式(2):
0.8≦Hp−Hn≦1.1 (2)
を満たす点に特徴を有する。
(Dn−Dp)を2.5mm以上および(Hp−Hn)を0.8mm以上とすることにより、プラス端子およびマイナス端子の形状の違いが顕著となるため、端子の極性を容易かつ確実に視認することができ、単4形アルカリ乾電池の逆装填の発生を抑制することができる。
より具体的には、プラス端子は、有底円筒形の電池ケースの底面に設けられた略円柱状の凸部からなる。マイナス端子は、電池ケースの開口を覆う封口板に設けられた略円柱状の凸部からなる。
プラス端子の突出高さHpとは、円筒形電池のプラス極側の端面(電池ケースおよび外装ラベルのうち端面における高さが高いほう)から突出するプラス端子における電池の軸方向の長さである。マイナス端子の突出高さHnとは、円筒形電池のマイナス極側の端面(マイナス端子を囲む周縁部のかしめ部であり、電池ケースおよび外装ラベルのうち端面における高さが高いほう)から突出するマイナス端子における電池の軸方向の長さである。
すなわち、電池を側面方向から見た場合に円筒形電池の端面から突出する部分における電池の軸方向の長さである。
プラス端子の径Dpとは、プラス端子の側面部における電池の軸方向に垂直な断面の直径(以下、単に側面部の直径とする。)である。電池ケース作製時の絞り加工により形成されたプラス端子において、端面部と側面部との境界部が丸みを帯びている場合、プラス端子の端面部(円形状平面部)の直径は、側面部の直径よりも小さくなる。この場合、プラス端子の側面部の直径をプラス端子の径Dpとする。
マイナス端子の径Dnとは、マイナス端子の側面部における電池の軸方向に垂直な断面の直径(以下、単に側面部の直径とする。)である。マイナス端子において、端面部と側面部との境界部が丸みを帯びている場合、マイナス端子の端面部(円形状平面)の直径は、側面部の直径よりも小さくなる。この場合、マイナス端子の側面部の直径をマイナス端子の径Dnとする。
プラス端子の径Dpおよび突出高さHp、ならびにマイナス端子の径Dnおよび突出高さHnは、たとえば、精密X−Yステージを備えた投影機(例えば、(株)ニコン製の万能投影機V−12B)を用いて測定することができる。
本発明における円筒形電池本体の径および高さは、JIS規格で定められた単4形電池の寸法であればよい。
以下、プラス端子およびマイナス端子の径および突出高さの異なる図3の電池20および図4の電池30を比較しながら説明する。図3の電池20は、両端子間における突出高さの差および径の差が大きいプラス端子21およびマイナス端子22を有する。図4の電池30は、両端子間の突出高さの差および径の差が小さいプラス端31およびマイナス端子32を有する。
図3の電池20は、図4の電池30に比べて、プラス端子およびマイナス端子の突出高さおよび径の差が大きく、両端子の形状の違いが顕著である。このように、プラス端子とマイナス端子との間における径および突出高さの差を顕著に設けることにより、プラス端子およびマイナス端子を視覚的に容易に識別することができる。
機器側の端子との接触抵抗を低く抑え、電流を安定して流し続けるためには、プラス端子の径Dpを2.4mm以上とする必要がある。一方、マイナス端子を設ける封口板には、マイナス端子の周縁に鍔部(かしめ部)を設ける必要がある。かしめによる封口に対する信頼性を十分に確保するためには、マイナス端子の径Dnは6.5mm以下とする必要がある。したがって、(Dn−Dp)は、4.1(=6.5−2.4)mm以下である。
プレス成形時の加工のし易さの観点から、プラス端子の径Dpは大きいほうが好ましいが、プラス端子の視認性向上の観点から、プラス端子の径Dpは3.5mm以下であるのが好ましい。機器側の端子との安定した接触状態の確保、およびマイナス端子の視認性向上の観点から、マイナス端子の径Dnは4.9mm以上であるのが好ましい。
プラス端子の視認性向上の観点から、プラス端子の突出高さHpは、高い方が好ましい。ただし、発電要素を収納するための電池ケースの内容積を十分確保するためには、プラス端子の突出高さHpは1.2mm以下とする必要がある。外装ラベルの電池ケースへの装着性に対する製造ばらつきを低減し、電池の信頼性を確保するためには、マイナス端子の突出高さHnは0.1mm以上とする必要がある。したがって、(Hp−Hn)は、1.1(=1.2−0.1)mm以下である。
機器側の端子との接触不良を確実に防ぎ、電池の信頼性を確保するためには、プラス端子の突出高さHpは0.9mm以上であるのが好ましい。マイナス端子の視認性向上の観点から、マイナス端子の突出高さHnは0.3mm以下であるのが好ましい。
以下、本発明の単4形の円筒形アルカリ乾電池の一実施の形態を、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態である単4形アルカリ乾電池10の一部を断面とした正面図である。
円筒形アルカリ乾電池10(単4形)は、上端面の中央部にプラス端子1aおよび下端面の中央部にマイナス端子7aを有する。電池の外表面(両端子以外の部分)は、外装ラベル8で覆われている。より具体的には、電池の外装ラベル8は、電池の側面全体および上下端面の周縁部を覆う。プラス端子1aは、正極集電体を兼ねる有底円筒形の電池ケース1の底面に設けられた略円柱状の凸部からなる。マイナス端子7aは、電池ケース1の開口を覆う、略帽子状の封口板7の中央に設けられた略円柱状の凸部からなる。
電池ケース1の内面には、中空円筒形の正極2が密着し、正極2の中空部には有底円筒形のセパレータ4を介して負極3が配置されている。正極2は、例えば、正極活物質、黒鉛粉末等の導電材、およびアルカリ電解液の混合物からなる。正極活物質には、二酸化マンガン、オキシ水酸化ニッケル、またはそれらの混合物が用いられる。負極3は、例えば、負極活物質、ポリアクリル酸ナトリウム等のゲル化剤、およびアルカリ電解液の混合物からなる。負極活物質には、例えば、亜鉛粉末または亜鉛合金粉末が用いられる。セパレータには、例えば、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布が用いられる。アルカリ電解液には、水酸化カリウム水溶液が用いられる。
電池ケース1の開口部には、釘型の負極集電体6、封口板7、および樹脂製ガスケット5が一体化した組立封口体9が配される。負極集電体6の頭部は封口板7と電気的に接続されている。負極集電体6の胴部は負極3内に挿入されている。ガスケット5は、中央筒部、外周筒部、および中央筒部と外周筒部とを結ぶ連結部からなる。ガスケット5の中央筒部の穴部に負極集電体6が挿入されている。ガスケット5の連結部には、電池内圧上昇時に安全弁として作動する肉薄部が設けられている。封口板7には、電池内圧上昇時に電池内のガスを外部に放出するための孔(図示しない)が設けられている。電池ケース1の開口端部を、ガスケット5の外周筒部を介して、封口板7の周縁部(鍔部)7bにかしめつけることにより、電池は密閉されている。
本発明では、上記電池において、プラス端子1aの径Dp(mm)および突出高さHp(mm)、ならびにマイナス端子7aの径Dn(mm)および突出高さHn(mm)が、以下の関係式(1)および(2)を満たす。
2.5≦Dn−Dp≦4.1 (1)
0.8≦Hp−Hn≦1.1 (2)
これにより、プラス端子およびマイナス端子の形状の違いが顕著となるため、端子の極性を容易かつ確実に視認することができ、逆装填の発生を抑制することができる。
プラス端子1aの突出高さHpは、電池のプラス極側の端面(上端面)の周縁部に配された外装ラベル8の上端面から突出するプラス端子1aにおける電池の軸方向の長さである。
マイナス端子7aの突出高さHnは、電池のマイナス極側の端面(下端面)の周縁部(かしめ部)に配された外装ラベル8の下端面から突出するマイナス端子7aにおける電池の軸方向の長さである。
なお、上記の外装ラベル8の上端面および下端面とは、外装ラベル8を電池ケースに捲きつける際に、外装ラベル8の電池の軸方向に沿う両端が重なり合う場合、外装ラベル8が重なり合わない部分における外装ラベル8の上端面および下端面を意味する。
プラス端子1aの径Dpとは、プラス端子1aの側面部の直径である。電池ケース1の作製時における絞り加工により、プラス端子1aの端面部(円形状平面部)と側面部との間には、電池の軸方向に沿ったプラス端子1aの断面において円弧状である、丸みを帯びた境界部が形成されている。プラス端子1aの径Dpとは、電池をプラス極の端面(上端面)側から見た場合のプラス端子1aの側面部の直径である。
マイナス端子7aの径Dnとは、マイナス端子7aの側面部の直径である。封口板7の作製時におけるプレス加工により、マイナス端子7aの端面部(円形状平面部)と側面部との間には、電池の軸方向に沿ったマイナス端子7aの断面において円弧状である、丸みを帯びた境界部が形成されている。マイナス端子7aの径Dnとは、電池をマイナス極の端面(下端面)側から見た場合のマイナス端子7aの側面部の直径である。
プラス端子1aを有する電池ケース1は、例えば、厚さ0.2〜0.5mmのニッケルめっき鋼板を用いて、特開昭60−180058号公報および特開平11−144690号公報に記載されているような公知の方法(Drawing and Ironing工法)により得られる。
マイナス端子7aを有する封口板7は、例えば、厚さ0.2〜0.5mmのニッケルめっき鋼板またはスズめっき鋼板を、所定の寸法および形状にプレス成形して得られる。また、絞り加工により、マイナス端子7aの端面部と側面部との間に、電池の軸方向に沿ったマイナス端子7aの断面において、曲率半径が0.2〜0.5mmの境界部を形成してもよい。曲率半径が小さくなるように絞り加工する(境界部をシャープにする)ことにより、端面部の平面性を際立たせることができるため、端子の極性をより確実に視認することができる。
ここで、図2は、外装ラベル8の一例を示す概略縦断面図である。図2に示すように、外装ラベル8は、熱収縮性樹脂フィルムからなる基材層11、基材層11の一方の面に形成された金属蒸着層12、金属蒸着層12を覆う接着剤層13、基材層11の他方の面に形成された印刷層14、および印刷層14を覆う保護層15からなる。なお、本発明のアルカリ乾電池に用いられる外装ラベルは、これに限定されない。
熱収縮性樹脂フィルムには、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートのフィルム(例えば、厚さ0.01〜0.2mm)が用いられる。
外装ラベル8は、外装ラベル8の接着剤層13を電池ケース1の外表面に接着して、電池ケース1に固定される。接着剤層13は、基材層11に接着剤を塗布することにより形成される。接着剤には、例えば、感熱接着剤が用いられる。
金属蒸着層12は、例えば、特開平9−237614号公報に記載されているような公知の方法により、基材層11上にアルミニウム等の金属を蒸着して形成される。これにより、外装ラベル8の外観に金属光沢を付与することができる。金属蒸着層12を形成する場合、金属蒸着層12と接着剤層13との間にさらに電気絶縁層を形成するのが好ましい。電気絶縁層の材料には、例えば、樹脂が用いられる。接着剤に感熱接着剤を用いる場合、感熱接着剤よりも軟化点の高い樹脂を用いるのが好ましい。
印刷層14は、基材層上に、色彩、図案、および文字等を印刷して形成される。保護層15は、印刷層14上に、ニスおよび透明ラッカーを塗布して形成される。印刷層14に用いられる材料としては、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの4色(CMYK色)で構成されるプロセスインキ、または紫外線硬化型インキが用いられる。
外装ラベル8の印刷層14はCMYK色により彩色され、外装ラベル8のマイナス端子7a側の端部は、外装ラベル8のプラス端子1a側の端部よりも、CMYK色におけるKの網点面積率(K値)が30%以上高いことが好ましく、より好ましくは50%以上である。電池側面に配される外装ラベルに電池の軸方向に沿って色調の濃淡差を設け、電池の極性の相違を喚起することができる。色調の濃い側がマイナス側であることを想起させることができる。これにより、端子の極性をより確実に把握することができる。
外装ラベル8のマイナス端子7a側の端部は、黒色調であるのが好ましい。外装ラベル8のプラス端子1a側の端部は、金、銀、または銅色調であるのが好ましい。金、銀、または銅のメタリック色調を施した側がプラス側であり、黒色調を施した側がマイナス側であることを想起させることができ、端子の極性をより確実に把握することができる。
ここでいう、外装ラベル8のプラス端子1a側の端部とは、外装ラベル8において、電池10の上端面の周縁部、および電池10の側面におけるプラス端子1a側の端部から所定幅(図1中の幅X)の領域に位置する部分を指す。外装ラベル8のマイナス端子7a側の端部とは、外装ラベル8において、電池10の下端面の周縁部、および電池10の側面におけるマイナス端子7a側の端部から所定幅(図1中の幅Y)の領域に位置する部分を指す。視認性の観点から、図1中のXおよびYの寸法は、約5mm以上であるのが好ましく、より好ましくは、約10mm以上である。
外装ラベル8における、プラス端子1a側の端部と、マイナス端子7a側の端部との間の領域(図1中の幅Zの領域)に、電池10の軸方向に沿ってグラデーションを形成するのが好ましい。これにより、使用者に電気の流れを想起させて電池の極性の相違を喚起させることができ、端子の極性をより確実に把握することができる。また、製品に高級感を与えることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
《実施例1》
上記の図1と同様の単4形アルカリ乾電池を作製した。
内面に黒鉛塗装膜が形成された、ニッケルめっき鋼板からなる有底円筒形の電池ケース1内に、ペレット状の正極2を複数個挿入した後、電池ケース1内にて加圧成形し、電池ケース1の内面に密着させた。電池ケース1には、厚さ0.4mmのニッケルめっき鋼板を用いて、DI工法により、所定の形状および寸法に製缶加工したものを用いた。正極2には、二酸化マンガン粉末、黒鉛粉末、およびアルカリ電解液の混合物(重量比92.5:6.0:1.5)を用いた。正極2の内側に、セパレータ4を配置した。セパレータ4には、ポリビニルアルコール繊維およびレーヨン繊維を主体として混抄した不織布を用いた。その後、電池ケース1内に、アルカリ電解液を注入した。アルカリ電解液には、濃度が35重量%の水酸化カリウム水溶液を注入した。
セパレータ4の内側に負極3を充填した。負極3には、亜鉛粉末、ポリアクリル酸ナトリウム、およびアルカリ電解液の混合物(重量比66:1:33)を用いた。
ガスケット5の中央部に設けられた貫通孔に負極集電体6の胴部を挿入し、負極集電体6の頭部を封口板7に溶接し、組立封口体9を得た。封口板7には、ニッケルめっき鋼板(厚さ0.3mm)を、所定の形状および寸法にプレス成形したものを用いた。電池ケース1の開口部を組立封口体9で封口した。このとき、負極集電体6を負極3に差し込み、電池ケース1の開口端部を、ガスケット5の外周部を介して封口板7の周縁部7bにかしめつけた。次いで、電池ケース1の外表面に外装ラベル8(厚さ約80μm)を被覆した。
外装ラベル8には、ポリエチレンテレフタレートのフィルムからなる基材層(厚さ50μm)、基材層の一方の面に形成されたアルミニウム蒸着層(厚さ約0.05μm)、およびアルミニウム蒸着層上に形成された接着剤層(ブチルアクリレート−アクリル酸の共重合体を主成分とした接着剤、厚さ約25μm)からなる積層シートを用いた。外装ラベル8の他方の面には印刷を施さず白色無地とした。このようにして、アルカリ乾電池を作製した。
上記電池作製時において、プラス端子1aの径Dpを3.40mm、突出高さHpを1.10mmとした。マイナス端子7aの径Dnを5.90mm、突出高さHnを0.30mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=2.50mm、および(Hp−Hn)=0.80mmとした。
《実施例2》
プラス端子1aの径Dpを3.40mm、突出高さHpを1.20mmとした。マイナス端子7aの径Dnを5.90mm、突出高さHnを0.15mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=2.50mm、および(Hp−Hn)=1.05mmとした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、電池を作製した。
《実施例3》
プラス端子1aの径Dpを3.30mm、突出高さHpを1.10mmとした。マイナス端子7aの径Dnを6.35mm、突出高さHnを0.30mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=3.05mm、および(Hp−Hn)=0.80mmとした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、電池を作製した。
《実施例4》
プラス端子1aの径Dpを3.40mm、突出高さHpを1.15mmとした。マイナス端子7aの径Dnを6.20mm、突出高さHnを0.20mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=2.80mm、および(Hp−Hn)=0.95mmとした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、電池を作製した。
《比較例1》
プラス端子1aの径Dpを3.70mm、突出高さHpを1.20mmとした。マイナス端子7aの径Dnを5.90mm、突出高さHnを0.50mmとした。すなわち、(Dn−Dp)=2.20mm、および(Hp−Hn)=0.70mmとした。
上記以外、実施例1と同様の方法により、電池を作製した。
《比較例2〜5》
4銘柄の単4形アルカリ乾電池の市販品(A〜D)を各10個ずつ入手した。そして、プラス端子の外径Dpおよび高さHp、ならびにマイナス端子の外径Dnおよび高さHnを、投影機を用いて測定し、各市販品の(Dn−Dp)および(Hp−Hn)の値を算出した。なお、(Dn−Dp)および(Hp−Hn)の値は、各10個の電池の平均値として求めた。
ここで、図5は、実施例1〜4および比較例1〜5の(Dn−Dp)値および(Hp−Hn)値をプロットした図である。図5から、実施例1〜4の電池では、(Dn−Dp)=2.5〜4.1かつ(Hp−Hn)=0.8〜1.1の条件を満たすのに対し、比較例1では、上記条件を満たさないことがわかった。また、比較例2〜5の市販品A〜Dについても、上記条件を満たさないことがわかった。
[評価1]
実施例1〜4および比較例1の単4形アルカリ乾電池について以下の評価(電池装填試験)を実施した。電池を装填する機器には、単4形アルカリ乾電池を2本使用するエアコン用のリモコンと、単4形アルカリ乾電池を2本使用する電子辞書とを用いた。9〜71歳で構成した試験者97名に対して、実施例1〜4および比較例1の各電池を上記機器に装填するモニターリング試験を実施した。機器への装填を実施した回数に対して逆装填した回数の割合(以下、逆装填の発生率)を求めた。具体的には、下記式により、逆装填の発生率を求めた。
逆装填の発生率(%)=(リモコンに電池を逆装填した人数+電子辞書に電池を逆装填した人数)/(97×2)×100
その結果、比較例1の電池では、逆装填の発生率が3.6%であったのに対して、実施例1〜4の電池では、いずれも逆装填の発生率は0%であった。次に、外装ラベルの色調による端子の視認性評価について説明する。
《実施例5》
実施例1と同じ外装ラベルにおいて、電池のマイナス極側の端面の周縁部および電池側面におけるマイナス端子側の端部から幅10mmの領域(図1中の幅Y=10mmの領域)に配される部分の基材層上に黒色塗料を塗布した。黒色塗料には、(東洋インキ製造(株)製、TKハイユニティーネオSoy)を用いた。この塗料のCMYK値は、C値=0%、M値=0%、Y値=0%、およびK値=100%であった。このようにして、基材層上に印刷層(厚さ約2μm)を形成した。
印刷層上にニスを塗布して保護層(厚さ約2μm)を形成した。
上記以外、実施例4と同様の方法により、電池を作製した。
《実施例6》
実施例1と同じ外装ラベルにおいて、電池のマイナス極側の端面の周縁部および電池側面におけるマイナス端子側の端部から幅10mmの領域(図1中の幅Y=10mmの領域)に配される部分の基材層上に青色塗料を塗布した。外装ラベルにおける青色塗料の塗布箇所以外には、金色塗料を塗布した。
青色塗料には、黒色、黄色、および藍色の混合塗料を用いた。黒色、黄色、および藍色の塗料には、東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティーネオSoyを用いた。青色塗料のCMYK値は、C値=100%、M値=80%、Y値=0%、およびK値=30%であった。
金色塗料には、黄色塗料に透明メジュームを混ぜて用いた。黄色塗料には、東洋インキ製造(株)製のTKハイユニティーネオSoyを用いた。金色塗料のCMYK値は、C値=86%、M値=0%、Y値=0%、およびK値=0%であった。すなわち、外装ラベルにおいて、プラス端子側の端部と、マイナス端子側の端部とのKの網点面積率の差を30%とした。このようにして、基材層上に印刷層(厚さ約2μm)を形成した。
印刷層上にニスを塗布して保護層(厚さ約2μm)を形成した。
上記以外、実施例4と同様の方法により、電池を作製した。
[評価2]
実施例4〜6の電池について以下の評価を実施した。
単4形アルカリ乾電池を2本使用する、エアコン用のリモコン、電子辞書、ポータブルゲーム機器、およびペン型ライトの4機種を用いて、7〜84歳で構成した試験者267名に対してモニターリング試験を実施した。そして、下記式により、逆装填の発生率を求めた。
逆装填の発生率(%)=(リモコンに電池を逆装填した人数+電子辞書に電池を逆装填した人数+ゲーム機器に電池を逆装填した人数+ペン型ライトに電池を逆装填した人数)/(267×4)×100
実施例5の電池では、逆装填の発生率は0.19%であり、実施例4の電池の発生率(0.84%)の約4分の1であった。実施例6の電池では、逆装填の発生率は0.28%であり、実施例4の電池の逆装填の発生率(0.84%)の3分の1であった。すなわち、外装ラベルに色調を施した実施例5および6の電池では、外装ラベルに色調を施さない実施例4の電池と比べて、端子の極性をより確実に把握することができ、逆装填をより効果的に防ぐことができることが確かめられた。
本発明の単4形の円筒形アルカリ乾電池は、端子の極性に対する視認性が向上し、逆装填を起こし難いため、当該電池を装填する各種機器に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 一方の端面より突出するプラス端子、および他方の端面より突出するマイナス端子を有し、外装ラベルで被覆された、単4形の円筒形アルカリ乾電池であって、
    前記プラス端子の径Dp(mm)および突出高さHp(mm)、ならびに前記マイナス端子の径Dn(mm)および突出高さHn(mm)は、
    関係式(1):
    2.5≦Dn−Dp≦4.1 (1)
    および、
    関係式(2):
    0.8≦Hp−Hn≦1.1 (2)
    を満たすことを特徴とする単4形の円筒形アルカリ乾電池。
  2. 前記外装ラベルはCMYK色により彩色され、
    前記外装ラベルのマイナス端子側の端部は、前記外装ラベルのプラス端子側の端部よりも、前記CMYK色におけるKの網点面積率が30%以上高い請求項1記載の単4形の円筒形アルカリ乾電池。
  3. 前記外装ラベルのマイナス端子側の端部は、黒色調である請求項2記載の単4形の円筒形アルカリ乾電池。
  4. 前記外装ラベルのプラス端子側の端部は、金、銀、または銅色調である請求項2記載の単4形の円筒形アルカリ乾電池。
  5. 前記外装ラベルにおける、プラス端子側の端部と、マイナス端子側の端部との間には、グラデーションが形成されている請求項2〜4のいずれかに記載の単4形の円筒形アルカリ乾電池。
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