JPWO2009153943A1 - バインディングキャッシュ生成方法、バインディングキャッシュ生成システム、ホームエージェント及びモバイルノード - Google Patents

バインディングキャッシュ生成方法、バインディングキャッシュ生成システム、ホームエージェント及びモバイルノード Download PDF

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Abstract

複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおいてクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して管理する場合のシグナリングを減少する技術が開示され、その技術によればMN10は、インタフェースIf1を介してホームMIPv6プリフィックスP1を参照してホームMIPv6ドメインであることを知得すると、MN10の他のWLANインタフェースIf2が更にこの同じホームMIPv6ドメイン100及びLMA/HA40に接続する可能性が高いことを予測し、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308をLMA/HA40に送信する。LMA/HA40は要求メッセージ308を受信して、WLANインタフェースIf2のPMIPv6キャッシュに関連するCMIPv6キャッシュを生成してMN10によりリフレッシュされることなく維持管理する。

Description

本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法及びバインディングキャッシュ生成システムに関する。
本発明はまた、前記バインディングキャッシュ生成システムにおけるホームエージェント及びモバイルノードに関する。
現在、多くの通信装置がIPv6(Internet Protocol version 6)を用いて通信を行っている。また、モバイル装置に対してモビリティサポートを提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)は、下記の非特許文献1に示すようなMIPv6(Mobility Support in IPv6)を開発している。非特許文献1におけるモビリティサポートは、ホームエージェント(HA)と呼ばれるエンティティをモバイルノード(MN)のホームネットワークに導入することにより実現している。MNはHAに対し、外部リンクで取得した気付アドレス(CoA)を、バインディング・アップデート(BU)メッセージと呼ばれるメッセージを用いて登録する。HAはBUメッセージにより、ホームリンクから取得したアドレスであるホームアドレス(HoA)とMNのCoAの間にバインディング(位置情報)を生成することができる。HAはバインディングにより、MNのHoAあてのメッセージをインタセプトし、MNのCoAあてのパケットにカプセル化して転送する。なお、このパケットカプセル化は、受信したパケットを新しいパケットのペイロードにセットする処理であり、パケットトンネル化として知られている。
MIPv6における問題の1つは、ネットワーク接続(attachment)が変更するときごとや、バインディングの有効期間が満了するときに、MNが1つ又は複数のHAと通信相手(Correspondent Node:CN)を更新する必要があることにある。この更新により、高速で移動するMNが無線ネットワークに放出するシグナリングの負荷が増大する。さらに、ネットワーク接続(attachment)の変更ごとにCNとの間で行うハンドオフ確立時間(経路最適化が使用されているとする)は、ネットワーク接続(attachment)の変更ごとにRR(Return Routability)メッセージとBUメッセージの送受信が必要となるため、多くの時間を要する。このため、フロー又はコネクションに関連するセッションの間、ハンドオフ確立にかなりの時間を要するので、ジッタやパケットロスが発生する。このようなジッタは、VoIP(Voice over IP)や、マルチメディア及びビデオストリーミングのようにリアルタイムなアプリケーションにとっては好ましくない。さらに、パケットロスは、重要なテキストやデータの情報を伝送するフローにとっては好ましくない。パケットロスはさらに、TCP(Transmission Control Protocol)が重要なデータ、アプリケーションの転送に使用される場合、TCPのスループットを減少させる。
MIPv6の問題に注目すると、焦点は現在、ネットワークベースのローカル・モビリティ管理(Network-based Local Mobility-Management:NetLMM)プロトコルにシフトされる。IETFのNetLMMワーキンググループは、このプロトコルの作業を行っている。ネットワークベースのローカル・モビリティ管理は、地理的にローカルなネットワーク・セグメントに位置するMNのモビリティを、MNそれ自体よりもネットワーク・エンティティにより管理することに言及している。
MNにとって透過的なネットワークベースのローカル・モビリティ管理の目的を達成するために、MNはローカルドメイン内のどこでも同じプリフィックスを参照することを必要とする。上記のプリフィックスは、ルーティング階層の上位に位置するルータから取得されなければならない。そのルータは望ましくは、ローカル・モビリティ管理の利点が取得可能なようにローカルドメイン内のすべてのMNのデフォルト・ルーティングパスに位置する。上記のルータは、上記のプリフィックスのルートであって、上記のプリフィックスに対する到達性の情報すなわちルーティング情報(プリフィックスベースのルート)を有しなければならない。結果的に、このプリフィックスベースのルートは、ネットワーク・エンティティにより生成されなければならない。
NetLMMワーキンググループにより検討されている特別なネットワークベースのローカル・モビリティ管理プロトコルは、下記の非特許文献2に開示されているPMIPv6(Proxy Mobile Internet Protocol version 6)である。PMIPv6のプロトコルは主に、CMIPv6(Client Mobile IPv6)スタックを有しない通常のIPv6ホストに対して、ネットワークのローカルな部分におけるモビリティ管理サービスを提供するために設計されている。にもかかわらず、PMIPv6はCMIPv6スタックを有するノードにも有用である。その理由について説明すると、CMIPv6スタックを有するMNが外部のPMIPv6ドメインに位置していて、そのローカルドメイン内のあるインタフェースを介して同じプリフィックス(外部のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)/HAにおいてルーティングされる外部のPMIPv6ローカルプリフィックス)を参照する場合、そのMNは如何なるグローバルな登録も実行する必要がない。さらに、上記のCMIPv6スタックを有するMNは、ホームドメイン内にローミングしたとき、地理的な位置を変更しているにもかかわらず、自身のホームネットワーク・プリフィックスを継続して参照して位置登録に参加する必要がない。
以下に、非特許文献2に開示されているPMIPv6の概略を説明する。あるMNがあるPMIPv6に接続(attach)したとき、そのMNは、モバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)とアソシエート中に、自身のネットワーク・アクセス識別子(NAI)を提供する。MAGとは、MNが直接に接続(attach)しているルータであり、MNが制御下にあるローカル・モビリティ・アンカー(LMA)に対して、MNのプロキシとしてローカルな登録を実行するルータ(プロキシノード)である。NAIは接続認証(Authentication)の目的のために、AAA(Authentication, Authorization and Accounting)サーバに転送される。AAAサーバは、MNのネットワーク接続(attachment)を資格認証(Authorize)すると、接続認証(Authentication)が成功したことをMAGに通知するためにレスポンスを送り返す。上記のレスポンスでは、AAAサーバはさらに、LMAアドレスと、MNがローカルドメイン内をローミング中に備える必要があるアドレス構成モード又は特別なポリシーのような幾つかのMNプロファイルを提供する。
MAGは上記のMNのパラメータを取得すると、プロキシBU(PBU)メッセージをLMAに送信する。MAGはPBUメッセージの応答であるプロキシ・バインディング確認(PBA)メッセージから、MNの接続(attach)しているインタフェースに関連するプリフィックスを取得した後、ホームリンク及びローカルホームリンクをエミュレートする。上記のようにMAGが実行するPBUメッセージすなわちローカルな登録は、このメッセージがPBUメッセージであることを示すフラグのみを除いてMIPv6のBUメッセージと同一である。PBUメッセージを実行することにより、MNの到達性のステートがLMAにおいて生成される。基本的には、LMAは、PMIPv6ドメインで取得されたMNプリフィックスに対する到達性のステートを有し、このMNプリフィックスに対して到達可能なアドレスはMAGのアドレスである。
MNはステート有り(stateful)又はステート無し(stateless)のアドレス構成モードを用いて、PMIPv6ドメインで受信したプリフィックスを用いてアドレスを構成する。各MNはユニークなプリフィックスを取得するので、LMAにおけるプリフィックスベースのキャッシュは、MNに十分に到達する。LMAに到着した各データパケットは、MNに接続(connect)しているMAGにトンネル化され、また、MNからMAGに到着した各データパケットはLMAにトンネル化される。MAGの近隣(neighbor)キャッシュテーブルは、MNのPMIPv6ローカルアドレスと、MNにパケットを伝送するのに使用されるリンク層アドレスをバインディングする。
次に、MNが複数の通信インタフェースを有していて各インタフェースが異なるアクセス技術に属する場合、又はMNが1つのインタフェースを有していてその1つのインタフェースが複数の異なるプリフィックスを処理可能であって同じインタフェースに対して複数の異なるアドレスを構成可能な場合の広い意味のマルチホーミングについて説明する。非特許文献2に開示されているPMIPv6のプロトコルは、複数のインタフェースを有していてすべてのインタフェースが同時に接続(attach)するMNをサポートできるように設計されている。基本的には、各インタフェースには1つのユニークなプリフィックスが割り当てられ、PMIPv6のプロトコルは、PMIPv6ドメイン内をローミング中、各インタフェースが同じプリフィックスを参照することを保証している。したがって、複数のインタフェースを有するMNにとって、PMIPv6の複数のバインディングがLMAにおいて維持され、また、各バインディングはユニークなプリフィックスにより識別される個々のモビリティ・セッションとして維持される。
下記の非特許文献4には、MIPv6機能を備えたMNが外部ドメイン内をローミングしたときにマルチホーミング・サポート機能をいかにHAにおいて提供するかが記述されている。非特許文献4におけるマルチホーミング・サポート機能は、マルチホーミングの利点が取得可能なように、MNの1以上のインタフェースに関連する個々の気付アドレス(CoA)を介してパケットを到達させるメカニズムである。MNが外部ドメイン内をローミングすると、マルチホーミング・サポートを行うためには、MNのホームプリフィックス用の地理的なアンカーポイントとなるHAは、MNのCoA用のバインディング情報を有する必要がある。このバインディング情報は、ホームアドレス(HoA)とMNの1以上のインタフェースに関連する個々のCoAのマッピングである。非特許文献4には、複数のバインディングを個々に同時に維持するために、バインディング識別子(BID)を使用することが記述されている。このBIDは各インタフェース、すなわち各インタフェースのCoAをユニークに識別する。BIDはローミングするMNにより生成されて、バインディング登録の際にHAに転送される。HAはBIDを使用して、1つのHoAあてのパケットを個々のCoAに到達可能にする登録を維持することができる。
3GPP(Third Generation Partnership Project)は、例えばワイヤレス・ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)と、セルラネットワーク又は第3世代(3G)セルラネットワークや第3.9世代、第4世代などと、WiMAX形式のワイヤレスのワイドエリア・ネットワーク(WAN)のような種々の形式の無線アクセスネットワークを有するグローバルな異種ネットワーク結合構造について作業を行っている。グローバルな異種ネットワーク結合構造は、シームレスなモビリティを実現して、リアルタイムなビデオ、VoIP(Voice over IP)、情報、重要なデータなどの異種のアプリケーションサービスを高いサービス品質(Quality of Service)でサポートするのに有用である。下記の非特許文献3には、PMIPv6が3GPPローカルドメインにおけるローカル・モビリティ管理(LMM)プロトコルとして採用されるであろうことが開示されている。3GPPローカルドメインは、3Gセルラネットワークと、信頼性のある(Trusted)又は信頼性のない(Untrusted)WLANアクセスネットワークやWiMAXアクセスネットワークにより構成されるかもしれない。さらに、複数の異種のインタフェースを有するMNが3GPPローカルドメインをローミングして、種々の形式のインタフェースを介して同時接続(attach)してマルチホーミングを実現する必要がありそうである。また、他の従来技術としては、下記の非特許文献5、6、7及び特許文献1〜10に開示されているものがある。
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次に、MNが同じホームLMA/HAからホームプリフィックスと外部プリフィックスを参照して、外部プリフィックスを参照するインタフェースの到達性を実現したい場合の問題点について説明する。図14に示す例では、MN200の複数のインタフェースとCN214の間の通信は、まず、3GPPネットワークであるホームPMIPv6ネットワーク204のLMA/HA/ホームPDN(Packet Data Network)ゲートウェイ203とMAG/3Gサービングゲートウェイ(S-GW)201(及びインタネット205)を介して行われている。次いでMN200の複数のインタフェースのうちの1つがネットワーク206のアクセスルータ(AR)207に接続(connect)すると、MN200の複数のインタフェースとCN214の間の通信は、ホームPMIPv6ネットワーク204のLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203とMAG/ePDG(evolved Packet Data Gateway)202(及びインタネット205)を介して行われる。MN200が新たに接続(connect)するネットワークは、信頼性のないアクセスネットワーク(Untrusted Access Network)であり、例えばWLAN206である。
図14に示すシステム例では、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203では、MN200のPMIPv6登録とCMIPv6登録が発生する。LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203において想定される基本的な動作に着目すると、まず、MN200の複数のインタフェースにそれぞれ異なるプレフィックスを割り当てることで、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、MN200の各インタフェースにそれぞれ関連する異なるプリフィックスによる個々のPMIPv6キャッシュ(バインディングキャッシュ213の第1のエントリE1及び第2のエントリE2)を維持するものとする。
次に、CMIPv6キャッシュについては、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、MN200の各インタフェースに異なるHoAが割り当てられたときは、それぞれのHoAに関するCMIPv6キャッシュとして別々に管理するか、又は非特許文献4に開示されているようにすべてのインタフェースに対して同じHoAが割り当てられたときには、BIDを用いることで、1つのCMIPv6キャッシュに対して関連付けられたそれぞれのインタフェースを区別する。図14に示されているバインディングキャッシュ213の第3のエントリE3は、P1から生成されたアドレスをHoAとし、P2から生成されたアドレスをCoAとしてCMIPv6キャッシュを構成している。また、このとき、PMIPv6のプロトコルが複数のプリフィックスを用いているので、あるPMIPv6キャッシュ(第1のエントリE1)は、同じプリフィックスから生成されたHoAを有し、BID又はインタフェース識別子を有さないCMIPv6バインディングで置換できるのみであるものとする。基本的には、PMIPv6キャッシュをCMIPv6キャッシュで更新する場合、又はその逆の場合、BID/インタフェース識別子は、主要なパラメータでないものとする。例えば、もしPMIPv6キャッシュがCMIPv6登録要求と同じBID/インタフェース識別子を有するが、PMIPv6登録とCMIPv6登録のプリフィックスが異なる場合には、PMIPv6登録とCMIPv6登録はお互いに上書きされず、並列に存在する。
この動作は以下の具体例により明らかである。図14において、MN200の3GセルラインタフェースIf1がMAG/3G・S−GW(サービングゲートウェイ)201に接続(attach)し、また、MN200のWLANインタフェースIf2がMAG/ePDG202に接続(attach)するものとする。さらに、MN200のWLANインタフェースIf2は、AR207に直接接続しており、MAG/ePDG202に対してIPsec トンネルインタフェースを介して接続(attach)するものとする。基本的には、MAG/ePDG202は、3GPPネットワークであるホームPMIPv6ネットワーク204(以下、ホームPMIPv6ドメイン)に対しては信頼性のあるゲートウェイである。さらに、WLAN206はインタネット205に接続(connect)され、また、ホームPMIPドメイン204もインタネット205に接続(connect)される。
MN200はLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203からプリフィックスを取得しアドレスを生成する。しかし、MN200はWLANインタフェースIf2用として、もう1つのアドレスを構成する。そのアドレスは、プリフィックスがAR207のプリフィックスに直接に関連する不変でないアドレスである。この不変でないアドレスは、パケットをMAG/ePDG202にトンネル化するためだけに使用される。
MN200の3GセルラインタフェースIf1が最初にホームPMIPドメイン204に接続(attach)してレイヤ2のアクセス認証が成功すると、MAG(MAG/3G・S−GW)201がLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203との間でPBU/PBA動作(図のシグナリング208)を実行し、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203がPBAメッセージ(208)でホームプリフィックスP1を割り当てる。このときのMN200に関するLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203におけるPMIPv6登録は、バインディングキャッシュ(BC)213の最初のエントリE1である。この最初のエントリE1は、ホームプリフィックスP1と、MAGアドレスとしてMAG/3Gサービングゲートウェイ201のアドレスMAG1と、MN−IDであるNAIと、If−IDとしてIf1−IDが対応している。この内容は非特許文献2で説明されているので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、MN200のWLANインタフェースIf2がWLANドメイン206に接続(attach)すると、MN200は、まず不変でないアドレスを取得、すなわちAR207のプリフィックスから不変でないアドレスを構成し、次いでドメイン・ネームサーバ(DNS)クエリを実行してePDGアドレスを取得する。MN200はePDGアドレスを取得すると、インタネットキー交換(IKEv2)手続をMAG/ePDG202と開始してセキュアなトンネルを確立する。トンネルの確立手続中は、レイヤ3の認証パラメータが転送され、認証が成功すると、MAG/ePDG202は、PBU/PBAメッセージ(図のシグナリング209)をLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203とやり取りし、ホームプリフィックスP1に対してローカルプリフィックス(外部プリフィックス)として使用するプリフィックスP2が取得されてMN202に転送される(図のシグナリング211)。シグナリング211は、IPsecトンネル確立確認メッセージを示す。PBU/PBAメッセージ(図のシグナリング209)によりBC213に生成される登録が第2のエントリE2である。第2のエントリE2は、外部プリフィックスP2と、MAGアドレスとしてMAG/ePDG202のアドレスMAG2と、MN−IDであるNAIと、If−IDとしてIf2−IDが対応している。なお、プリフィックスP1をホームプリフィックス、プリフィックスP2を外部プリフィックスと称しているが、これはエントリE3におけるHoAとCoAの関係を基にしている。よって、プリフィックスP2を用いてCNと通信を行う場合には、プリフィックスP2がホームプリフィックス、プリフィックスP1が外部プリフィックスとみなされる。
ここで、MN200は外部プリフィックスP2をWLANインタフェースIf2経由で参照した場合、到達性を実現するために、非特許文献4で説明されている、ホームネットワークと外部ネットワークから同時に接続する際に送信するCMIPv6登録をWLANインタフェースIf2経由で送信してマルチホーミング機能の取得を希望する場合を考える。なお、このCMIPv6登録メッセージには、エントリE3を生成するための情報(HoA(P1)及びCoA(P2))が含まれているが、同じプリフィックスP1に関する既存のエントリE1を無効化しないために、E1と独立にE3を生成することを示す情報(フラグHをセット、またはE1のBIDと異なるE3用のBID)が含まれている。このようにMN202のすべてのインタフェースを使用すると、帯域が広くなってMN202の幾つかのフローのQoSを増大することができる。また、MN200はこれらのフローがWLANインタフェースIf2のみの経由で到達することを希望するかもしれない。この場合、フラグH付きのCMIPv6登録212を送信して、CN214からのあるフローについてはWLANインタフェースIf2のみの経由で到達するようにフィルタ・ルールを適切化するかもしれない。なお、フラグHについては非特許文献4で説明されているので、詳細な説明を省略する。
MN200がフラグH付きのCMIPv6登録212を実行した場合にバインディングキャッシュ213に生成される登録が第3のエントリE3である。第3のエントリE3は、ホームプリフィックスP1から生成したHoAと、CoAとして外部プリフィックスP2から生成したCoA(P2)と、MN−IDであるNAIと、If−IDとしてフラグHが対応している。ここで重要な点は、第3のエントリE3がどのように維持されるかである。なお、フラグHはホームエージェントにおいてホームとアウェイの両方に接続したことを示すエントリを生成するために用いられる。LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、フラグHが存在するCMIPv6登録212をアクセプトして第3のエントリE3としてCMIPv6エントリを生成する。第3のエントリE3は第1のエントリE1を上書きしない。
もし、MN200がインタフェース識別子If1−IDが付加されたCMIPv6BU(すなわちBID=If1−ID)を送信すると、このCMIPv6BUは第1のPMIPv6エントリE1を上書きしてしまい、マルチホーミング機能が喪失する。したがって、MN200がBID付き又はフラグH付きのCMIPv6登録212を送信することができ、また、このBIDは、第1のPMIPv6エントリE1がCMIPv6登録212により上書きされないようにインタフェース識別子If1−IDと異なるべきである。ここで、もしMN200がインタフェース識別子If2−IDと等しいCMIPv6登録を送信すると、第2のPMIPv6エントリE2は、このCMIPv6登録により上書きされない点が重要である。この理由は、PMIPv6のプロトコルがインタフェースごとにユニークなプリフィックスを採用しており、このため、PMIPv6キャッシュがCMIPv6キャッシュにより置換されるのは、PMIPv6キャッシュのプリフィックスが新しいCMIPv6BUメッセージのホームアドレスのプリフィックスと一致するときのみであるからである。
ここで、BC213内のエントリE1、E2、E3を参照すると、CMIPv6登録が直接に第2のエントリE2に関連することは明らかである。さらに、当業者であれば、エントリE3を使用した場合に生成されるCoA(P2)宛のパケットをルーティングするためには、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、BC213内においてプリフィックスP2がPMIPv6登録を有するか否かをチェックしなければならないことは明らかである。WLANインタフェースIf2にパケットを正確にルーティングするためには、このような回帰的なトレーシングが必要となる。LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、MAG202のアドレスMAG2を発見したときのみ、CoA(P2)にパケットを正確にルーティングすることができる。
重要なことは、MN200あてのすべてのパケットが、プリフィックスP1から生成した1つのHoAに到着することである。LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は基本的に、第1のエントリE1(PMIPv6エントリ)又は第3のエントリE3(CMIPv6エントリ)を使用して、HoAあてのパケットをルーティングする。上記の説明から、CMIPv6バインディングキャッシュの内容が変化しない想定では、CMIPv6バインディング・キャッシュ(第3のエントリE3)は非常に静的であることが分かる。そこで、本発明では、CMIPv6エントリE3を生成するためのシグナリングを最適化するメカニズムを提供することにある。
ここで、特許文献1に開示されている方法は、動的なローミングサービス契約を生成する際の問題を追求している。この方法では、外部ネットワークに接続(attach)したマルチモード端末(MMT)が、MMTが提供するパラメータを用いてホームネットワークにより発見される。このパラメータは、外部に接続(connect)したMMTのインタフェースを介して取得される。ホームネットワークは、MMTにより与えられる外部ネットワーク識別子を使用して動的なローミング契約を生成する。このMMTによるシグナリングは継続的である必要はない。MMTは、例えばネットワークタイプ、オペレータコード、WLANのSSID(Service Set IDdentifier)のようなセルロケーションデータ又は基地局のSSIDの情報を提供してもよい。ホームネットワークは、基本的にはこれらのデータから、外部ネットワークのパラメータを識別し、フライ契約を生成する。
特許文献1に記載されている方法は、図14で説明したシグナリング最適化を取り扱っていないが、ホームネットワークに対して、外部ネットワークに接続(connect)したインタフェースを使用する外部ネットワークについての情報を提供する。この情報は一回だけ提供されるが、ホームネットワークにおいてバインディング・エントリを生成することと関係がない。
特許文献2には、ホームネットワーク内の複数のHA間でシグナリングを同期させる際の問題を解決する方法が開示されている。ロードバランシングとしてはホームネットワーク内の複数のHAを用いることが有用である。エラー発生に備えて、また、システムが動的なロードバランシングに適合するために、1つのHAのバインディングキャッシュ・エントリ(BCE)が他のHAにもストアされる。ただし、MNがアイドルステートのときには、すべてのHAにBCEをストアする必要はない。特許文献2に開示されている方法では、MNはHAに対してBUメッセージを送信する際、MNがアクティブステートか又はアイドルステートかを示す情報を共に送信する。この情報が複数のHA間でシグナリングを同期させるために使用される。MNがアクティブステートに移行すると、この情報を含むBUメッセージがすべてのHAに送信されるが、アクティブステートに移行しなければ、この情報はすべてのHAに送信されない。この方法は、図14で説明したシグナリング・ストームの問題を解決しているが、本発明とは異なる。すなわち、特許文献2では、MNがアクティブステートか又はアイドルステートかを示す情報を提供しているが、HAにおけるBCEを生成するためのインタフェース・バインディングに関する情報を提供していない。
特許文献3には、MNが複数のインタフェースを有し、すべてのインタフェースが外部ネットワークに接続(connect)したときに、HAとCNにバインディング・アップデートを行うシステムが開示されている。MNが複数のインタフェースを有する場合、すべてのピア・エンティティに位置登録を送信すると、シグナリング負荷が増大する。特許文献3ではシグナリング負荷を減少させるために、MNがあるCoAをHAに対してアップデートし、他のCoAをCNに対してアップデートする。この方法によれば、シグナリング効率を実現することができる。しかしながら、MNは、MNに起因するシグナリング負荷を減少させる賢い決定をするが、MNは、BUメッセージを継続して送信する必要がある。図14における課題は、ホームPMIPv6をローミングする際のMNのシグナリングを完全に除去することにある。
特許文献4には、非特許文献2のPMIPv6と同様な方法が開示されている。特許文献4におけるネットワークは、ローカル・モビリティ・ドメインのアクセスルータと、このアクセスルータに接続(connect)しているワイヤレス・アクセスポイントを含み、ワイヤレス・アクセスポイントがMNのプロキシとなる。ローカル・モビリティ・ドメインのアクセスルータは、MNのプロキシCoAを保持し、MNあてのパケットが到来すると、プロキシCoAをワイヤレス・アクセスポイントのローカルアドレスに置換する。ワイヤレス・アクセスポイントのローカルアドレスは、MNには見えない。この方法は、MNに関連するシグナリング負荷を減少させることができるが、複数のインタフェースを有するMNがPMIPv6ドメイン内をローミングするときのシグナリングを減少させることはできない。
以上説明したように、従来技術では、複数のインタフェースを有するMNが、1つのホームLMA/HAを有するPMIPv6ドメイン内をローミングする際に、あるインタフェースに対するパケットの到達性を確保するためには、そのインタフェースに割り当てられているプリフィックスから生成されるアドレスをCNとの通信に使用しているアドレスに対して関連付けるためにCMIPv6登録のシグナリングを送信する必要がある。しかしながら、通常のCMIPv6登録によって生成されたキャッシュを維持するためには、MNがHAに対して定期的にシグナリングを送信してキャッシュを更新する必要がある。また、移動して別のアドレスを得た場合には、登録済みのキャッシュを削除・更新する必要がある。これらによって、MNが送信するシグナリングによるトラフィックの増加が発生してしまう。
次に着目する問題は、複数のインタフェースを有するMNが、この複数のインタフェースを経由した同時接続(connectivity)を実現するために複数のバインディングをコアネットワークに登録する場合である。この同時接続を実現するための複数のバインディング登録の問題は、解決する必要がある。その理由は、不必要なシグナリングは、MNのバッテリ電源を無駄に消費し、ワイヤレス・アクセスネットワークに対するシグナリング負荷を増大するからである。ワイヤレス・アクセスネットワーク及びバッテリの資源は、限りがあり、不必要なシグナリングを避けることにより保護する必要がある。
この問題は、複数のインタフェースを有するMNがコアネットワークに接続(attach)していて、1つのインタフェースがホームリンクに接続(attach)し、かつ他のインタフェースが外部リンクに接続(attach)しているという想定の場合に顕著である。ホームリンクとは、MNが非特許文献1に記載されているホームプリフィックスを参照しているリンクであり、ホームプリフィックスも非特許文献1に定義されている。ホームプリフィックスとは、ホームエージェントによって管理されているプリフィックスであって、MNのMIPv6ホームアドレスを構成するのに使用されるプリフィックスである。
複数のバインディング登録の問題の主要な理由は、ホームパスのセットアップの遅延に依る。ホームパスのセットアップの遅延が発生するときとは、ホームプリフィックスのモビリティが3GPPのようなPMIPv6メカニズムにより管理されるときである。ローカルドメインにおけるPMIPv6メカニズムの動作は、非特許文献5に説明されている。ホームリンクが3GPPリンクでない場合、すなわちホームリンクが3GPPアーキテクチャにより管理されていない場合や、ホームプリフィックスのモビリティがPMIPv6によって管理されていない場合、MNはホームリンクを速やかに検知できるかもしれないが、ホームパスのセットアップの遅延の問題は、実際のホームリンク検出動作に依存する。したがって、ここでの問題は、ホームプリフィックスのモビリティがPMIPv6メカニズムにより管理され、かつホームリンクのセットアップが遅延する全てのネットワークに適用することができることは明らかである。この問題については、図15を参照して説明する。また、当業者であれば、ここでの問題は、ホームプリフィックスのモビリティがGTP(Generic Tunnelling Protocol)メカニズムにより管理される場合にも適用することができることは明らかである。
非特許文献7には、複数のインタフェースを有するMNが、これらの複数のインタフェースを介してホームリンクと外部リンクに同時に位置することができ、かつ全てのインタフェースがコアネットワークに接続(connect)するメカニズムが記載されている。このメカニズムでは、MNは、1つのインタフェース経由でホームリンクを検知し、かつ他のインタフェース経由で外部リンクを検知すると、自身がホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)していることを示すHフラグを有するBIDオプションを含むMIPv6のBUメッセージを外部リンク経由で送信する。このHフラグは、HAに対して、MNあてのパケットがホーム側と外部側の両方のインタフェースに到着可能であることを示す情報を提供する。HAは、この情報を受信すると、MNのホームアドレスあてに到着するパケットをキャプチャするメカニズムをトリガする。非特許文献7に記載されている主要な想定とは、複数のインタフェースを有するMNが外部ドメインにおいて複数のインタフェース経由でネットワークに接続(connect)し、そのうちの1つのインタフェースがホームドメインに戻る想定である。
しかし、ホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)する場合として、非特許文献7には全くカバーされていない3つのケースを考える。第1のケースとして、MNが同時に両方のインタフェースをブートアップしたときに、1つのインタフェースがホームリンクに接続(connect)される場合がある。第2のケースとして、MNが外部リンクに接続(connect)されていてハンドオフ中の1つのインタフェースを有し、かつホームリンクに接続(connect)可能な別のインタフェースをMNがブートアップする場合がある。第3のケースとして、両方のインタフェースで同時にハンドオフが発生し、1つのインタフェースでホームプリフィックスを参照し、かつ別のインタフェースで外部プリフィックスを参照する場合である。これを図15に示す。
図15では、MN903は複数の異なるタイプのインタフェースとして、例えばWLAN、WiMAXなどのNon−3GPPインタフェース、さらには、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)、GPRS(General Packet Radio Service)、CDMA(Code Division Multiple Access)2000及びE−UTRAN(evolved-UTRAN)などの3GPPインタフェースを有することが考えられる。ここでは、MN903は、3GインタフェースとNon3GPPインタフェースの2つを有しているとする。MN903がWiMAXアクセスネットワーク901に接続(attach)した場合は、そのネットワークのMAG機能が、ワイヤレス・アクセスネットワークに位置するアクセスゲートウェイと共存していることが考えられる。また、MN903が、Non3GPPインタフェースとしてWLANインタフェースを有しており、信頼できないWLANアクセスネットワークに接続(attach)した場合には、そのネットワークのMAG機能がePDG(evolved Packet Data network Gateway)と共存していることが考えられる。さらに、MN903が、例えばE−UTRAN、UTRAN、GERANのような3Gアクセスネットワークに接続(attach)した場合に、そのネットワークのMAG機能がS−GW(Serving GateWay)と共存していることが考えられる。さらに、MN903が、3GPPアーキテクチャでは、LMA/HA機能がP−GW(Packet data network GateWay)と共存していることが考えられる。
図15における想定として、MN903は2つのインタフェースIf1、If2のみを使用するものとする。2つのインタフェースIf1、If2の同時接続(attachment)を実現するために、WiMAXインタフェース(ここでは、Non3Gインタフェースと称す)If2とLTE(Long-Term Evolution)タイプのインタフェース(ここでは、3Gインタフェースと称す)If1を使用する。ただし、MN903が同時に接続(attach)するために他のタイプのインタフェースを使用できることは明らかであり、また、3GPP規格で使用が想定されるインタフェースにも適用できる。さらに、本発明は、同様なアーキテクチャやモビリティ・プロトコルを使用するネットワークにも適用できる。
以下の第1の想定では、MN903は、まずWiMAXインタフェースIf2の電源のみをオンにし、幾らかの時間が経過した後、負荷バランシング及び負荷分担の利点のために3GインタフェースIf1の電源をオンにするものとする。ここでは、MN903は、外部ネットワーク(例えばVPLMN:Visited Public Land Mobile Network)においてWiMAXインタフェースIf2の電源のみをオンにするものとする。また、MN903は、WiMAXインタフェースIf2のモビリティを管理するためにMIPv6メカニズムを使用しているとする。その後、MN903は、WiMAXインタフェースIf2の電源をオンにしたまま、ホームドメインであるEPC900に戻るものとする。ここで、MN903がEPC900として例えばHPLMN(Home Public Land Mobile Network)に移動したときに、LTEインタフェースIf1の電源をオンにすることが考えられる。LTEインタフェースIf1の電源をオンにする理由は多く存在し、例えばHPLMN900においてLTEセルが識別されて、そのフローのパーフォーマンスを改善するために負荷バランシング及び負荷分担の利点を実現するよう決定することが考えられる。
MN903は、HPLMN900すなわちEPC(evolved packet core)900に移動して、WiMAXインタフェースIf2をMAG911に接続(connect)することによりEPC900に接続(attach)するものとする。WiMAXインタフェースIf2のモビリティは、ホームドメイン900ではMIPv6メカニズムにより管理されるとする。さらに、WiMAXインタフェースIf2は、VPLMNからHPLMN900へのハンドオフ処理中であるとする。さらに、MN903がWiMAXアクセスネットワーク901を介してMAG911に接続(attach)した場合、MN903がLTEインタフェースIf1経由でLTE(又はE−UTRAN)アクセスネットワーク902に対して接続(attachment)処理を開始する。さらに、LTEインタフェースIf1のモビリティがPMIPv6メカニズムにより管理されて、非特許文献6に示すようにMIPv6−BUメッセージの使用が非常に制限されることが考えられる。
WiMAXインタフェースIf2経由のMN903のアクセス認証がいったん完了すると、MN903は、MAG911によって通知されるプリフィックスP2を参照する。このプリフィックスP2は、WiMAXインタフェースIf2のCoAを構成するのに使用される。また、MAG911によって通知されるプリフィックスP2は、ルータ広告(RA)メカニズム又はWiMAX固有のシグナリングメカニズムを使用してMAG911により広告される(図のプリフィックス広告シグナリング・メッセージ905)。MN903は、メッセージ905を参照すると、WiMAXインタフェースIf2のCoAを構成し、また、MIPv6−BUメッセージ906をLMA/HA904に送信する(BU1)。この場合、LMA/HA904は、MN903のホームエージェントとなる。さらに、MIPv6−BUメッセージ906は、BIDオプション及びHフラグなしの通常のメッセージとなる。この動作は、MIPv6で動作するMNにとって通常の動作である。
MIPv6−BUメッセージ906が、Hフラグのようなマルチホーミングを意味するパラメータを有しない理由は、MN903がLTEアクセスネットワーク902に対する接続(attachment)処理を開始するが、未だホームプリフィックスP1を参照していないからである。この場合、LTEアクセスにおいて、PMIPv6ベアラ又はGTP(Generic Tunnelling Protocol)ベアラのセットアップが完了するまでに遅延が生じてしまう。この遅延の理由として考えられる1つの理由は、過剰な輻輳であり、別の理由は、地理的な配置によるホームリンクを経由するパスの転送遅延であり、また、別の理由は、E−UTRAN内の多くのエンティティ(例えば基地局、evolved node B、S−GWなど)をパケットが通過することで生じる遅延である。このため、MN903は、LTEアクセス経由で参照するプリフィックスP1のタイプ(すなわちMIPv6ホームプリフィックスか又は別のホームネットワーク・プリフィックスか)を知得しない。その結果、MN903は、WiMAX経由で接続(attach)し、MIPv6ホームプリフィックスに関連するフローを送受信するために、マルチホーミングを意味するパラメータを有しないBUメッセージ906を送信する。
重要なことは、MN903が何故、LTEインタフェースIf1経由で広告されるプリフィックスP1のタイプを知得しないかということである。MN903が知得するのは、非特許文献6で説明されているように、LTEインタフェースIf1経由で取得するサービスタイプのみである。プリフィックス管理はLMA/HA904が行い、LMA/HA904は、WiMAXインタフェースIf2経由でMIPv6プリフィックスを既に通知しているので、PMIPv6ベアラに対して、どんなプリフィックスでも割り当てることができる。
次の仮定として、MN903がLTEアクセスネットワーク902に接続(attach)した後に、MAG910をトリガして、PMIPv6ベアラをセットアップするものとする。データトラフィック用のこのPMIPv6ベアラは、PMIPv6−PBUメッセージ907によりセットアップされる。PMIPv6−PBUメッセージ907及びそのPBAメッセージ(不図示)の交換が完了すると、MN903は、LMA/HA904によって管理されているプリフィックスP1をMAG910からのメッセージ908で参照する。メッセージ908で参照されるプリフィックスP1は、PMIPv6メカニズムにより管理される。しかし、メッセージ908で参照されるプリフィックスP1は、MN903のMIPv6のホームプリフィックスであるかもしれないし、LMA/HA904により管理される何らかのホームネットワーク・プリフィックスであるかもしれない。また、LMA/HA904がMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュの両方を管理するので、PMIPv6−PBUメッセージ907により生成されるバインディングキャッシュは使用停止となる(アクティブでない)。その理由は、LMA/HA904により生成されたMIPv6キャッシュが既にアクティブであるからである。ここでは、MIPv6キャッシュの優先度がPMIPv6キャッシュより高いものとする。
次に、MN903がLTEインタフェースIf1経由で接続(attach)したときに、LMA/HA904がMIPv6ホームプリフィックスP1を付与する場合を考える。MN903は、MIPv6ホームプリフィックスP1をメッセージ908で参照すると、ホームリンクに接続(connect)しているものと了解する。さらに、MN903は、メッセージ905でプレフィックスP2を参照した後に、メッセージ908でホームプリフィックスP1を遅れて参照した場合、ホームのリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているものと了解する。つまり、MN903は、ホームプリフィックスP1を参照すると、別のBUメッセージ909をLMA/HA904に送信して(BU2)、ホームのリンクと外部リンクの同時バインディング(以下、ホームアンドアウェイ・バインディング)をLMA/HA904に生成しなければならない。これは重要であり、その理由は、フローの負荷シェアリング及び負荷バランシングを実現するためにMN903がホームのリンクと外部のリンクに同時に接続(connect)しているという情報をLMA/HA904が必要とするからである。このため、ここでの重要な問題とは、PMIPv6のセットアップが遅れるので、MN903がMIPv6のホームプリフィックスP1に対する同時接続を実現するためにMIPv6のBUメッセージの送信を二重に実行することである(図のBU1、BU2)。
以上の説明では、特定の想定例に対する問題について記載したが、当業者であれば、MN903の両方のインタフェースIf1、If2の電源が同時にオンになったときと、両方のインタフェースIf1、If2が同時に移動したときにも、上記の問題が発生すると考えることは明らかである。また、上記の問題は、HPLMNにおける同時接続(attachment)について記載されているが、MN903の両方のインタフェースIf1、If2がVPLMNに同時に接続(connect)して、3Gインタフェース又はLTEインタフェースIf1の移動がPMIPv6メカニズムにより管理されるときにも発生する。さらに、上記の問題は、同時にLTEインタフェースIf1がVPLMNに接続(connect)してWiMAXインタフェースIf2がHPLMNに接続(connect)するときにも発生する。
特許文献5には、外部ドメインに位置するMNが第2のHAを構成して新しいホームアドレスを取得する方法について記載されている。さらにMNは、外部ドメインを通過するBUシグナリングを減少するために、このホームアドレスを使用してホームドメインにおける前のHAをバインドする。特許文献5に記載されている方法の目的は、外部ドメインを通過する位置管理シグナリングを減少することにある。しかし、この方法は、図15に記載されているシグナリングの問題に関するものではない。図15におけるMN903は、同時接続(connection)のセットアップを実現するため、また、両方のインタフェースIf1、If2が同時に移動するときにおける同時接続(connection)のモビリティを管理するために二重のシグナリング(図のBU1、BU2)を行っている。
特許文献6には、複数の同時接続(connection)を確立し、また、MNのオペレーティング・システム・ソフトウエアを使用してフローベースのルーティングを確立する方法が開示されている。しかし、特許文献6には、図15に記載されている問題を解決するような方法は開示されていない。
特許文献7には、ハンドオフ中にコンテキスト情報を転送するのではなく、ハンドオフ前にMNのコンテキスト情報を隣接する基地局から取得することにより、高速ハンドオフを確立する方法が開示され、MNのコンテキスト情報をハンドオフ前に早く取得することにより、高速ハンドオフを実現できる。しかし、この方法は、ネットワーク・セグメントに放出されるシグナリング負荷が増大する。その理由は、ターゲットのネットワーク・エンティティが、MNのコンテキスト情報を取得して高速ハンドオフを実現するために、複数の基地局に問い合わせるからである。図15で着目する問題とは、不要なシグナリングを防止してWiMAXインタフェースIf2と3GインタフェースIf1の高速接続(connection)を実現することであり、特許文献7に記載されている方法は、1つのインタフェースのみの高速接続(connection)が確立することを取り扱っており、図15で着目する問題を解決しない。
特許文献8には、バッファリング技術を用いてハンドオフ中のパケットロスを減少する方法が開示されている。しかし、特許文献8は、高速接続(connection)の確立についても、また、複数のインタフェースを有する端末のハンドオフ遅延を少ないシグナリングで減少することについても着目していない。
特許文献9には、MNが、ホームに接続(connect)したインタフェースのCoAを使用して、ホームアンドアウェイ登録を同時に実現する方法が開示されている。しかし、特許文献9は、ホームアンドアウェイを示すHフラグを直接には取り扱っておらず、また、PMIPv6のセットアップが遅れることに対して、高速接続(connection)のセットアップを実現するメカニズムについては何ら提供していない。
特許文献10には、1つのインタフェースのためのPMIPv6−BUとCMIPv6−BUの間の競合を解決する方法が開示されている。しかし、図15に記載されている問題は、同じインタフェースの位置登録信号の競合により起こるのではなく、MIPv6のBU確立よりPMIPv6のBU確立が遅れるから起こるのであり、このため、複数のインタフェースIf1、If2の接続(attachment)中に二重登録(図のBU1、BU2)を引き起こす。したがって、特許文献10に提供されている解決策は、図15に記載されている問題を解決しない。
本発明は上記の問題点に鑑み、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおいてクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して管理する場合のシグナリングを減少させることができるバインディングキャッシュ生成方法、バインディングキャッシュ生成システム、ホームエージェント及びモバイルノードを提供することを第1の目的とする。
本発明はまた、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているときのバインディング登録のシグナリングを減少することができるバインディングキャッシュ生成方法、バインディングキャッシュ生成システム、ホームエージェント及びモバイルノードを提供することを第2の目的とする。
本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
前記ホームエージェントが、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持するステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムであって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録する手段と、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録する手段と、
前記ホームエージェントが、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持する手段とを、
有する構成とした。
上記構成により、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおけるクライアントベースのバインディングキャッシュをリフレッシュする要求メッセージをモバイルノードが頻繁に送信しないので、シグナリングを減少することができる。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持する手段とを、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムにおける前記モバイルノードであって、
前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームドメインのホームエージェントに登録される際に、前記ホームエージェントに対して、前記第1及び第2のインタフェース用の第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持するよう要求するメッセージを送信する手段を、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合、前記モバイルノードが、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームエージェントに登録される際に、前記ホームドメインのホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持するよう要求するメッセージを送信するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
前記要求メッセージを受信した後、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録した場合に、前記第1及び前記登録した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するとともに、前記モバイルノードに対して前記要求メッセージを再度送信しないように通知する手段を、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記ホームエージェントが前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを通常時より長い存続期間の間、前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持するよう要求するステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記ホームエージェントが前記登録した第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するよう要求するステップと、
前記ホームエージェントが、前記要求されたクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して通常時より長い存続期間を設定するとともに、前記モバイルノードに対して、前記存続期間の間、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュをリフレッシュしないよう通知するステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
前記ホームエージェントが、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されたときに、前記モバイルノードに対して前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を送信しないよう通知するとともに、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連するクライアントベースのルーティングを実行するステップとを、
有する構成とした。
さらに、本発明は上記の第2の目的を達成するために、ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求するステップと、
前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードの代理ノードが前記ホームエージェントに対し、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するステップと、
前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記フラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするステップとを、
有する構成とした。
また、本発明は上記の第2の目的を達成するために、ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムであって、
前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求する手段と、
前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードの代理ノードが前記ホームエージェントに対し、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記ホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする手段とを、
有する構成とした。
また、本発明は上記の第2の目的を達成するために、ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記モバイルノードであって、
前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求する手段を、
有する構成とした。
また、本発明は上記の第2の目的を達成するために、ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする要求を受信する手段と、
前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記ホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする手段とを、
有する構成とした。
上記構成により、ホームとアウェイの同時接続を示すフラグを含む第2の登録メッセージをモバイルノードがホームエージェントに送信しないので、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているときのバインディング登録のシグナリングを減少することができる。
本発明によれば、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおいてクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して管理する場合のシグナリングを減少することができる。
また、本発明によれば、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているときのバインディング登録のシグナリングを減少することができる。
第1の実施の形態が想定する通信システムを示す構成図 第1の実施の形態が想定する他の通信システムを示す構成図 第1の実施の形態の通信方法及び通信システムの通信シーケンスを示す説明図 第1の実施の形態のホームエージェントにおけるバインディングキャッシュの構成を示す説明図 図3におけるCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージの他の形態を示す説明図 図3におけるCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ(L2メッセージの場合)のフォーマットを示す説明図 図3におけるCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ(新しいモビリティ拡張ヘッダを有するシグナリング・パケットの場合)のフォーマットを示す説明図 図3におけるCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ(BUメッセージのパケットの場合)のフォーマットを示す説明図 第1の実施の形態のモバイルノードの動作を説明するためのフローチャート 第1の実施の形態のホームエージェントの動作を説明するためのフローチャート 第1の実施の形態のモバイルノードの構成を機能的に示すブロック図 第1の実施の形態のホームエージェントの構成を機能的に示すブロック図 第2の実施の形態の通信システム及び通信シーケンスを示す説明図 第5の実施の形態の通信システム及び通信シーケンスを示す説明図 第8の実施の形態の通信システム及び通信シーケンスを示す説明図 本発明が解決しようとする課題を示す説明図 第9の実施の形態の課題を説明するための想定システムを示す説明図 第9の実施の形態を説明するための想定システムを示す説明図 第9の実施の形態におけるバインディング・キャッシュ・エントリを示す説明図 第9の実施の形態におけるHフラグ生成要求メッセージのパケット構造の第1の例を示す説明図 第9の実施の形態におけるHフラグ生成要求メッセージのパケット構造の第2の例を示す説明図 第9の実施の形態におけるHフラグ生成要求メッセージのパケット構造の第3の例を示す説明図 第9の実施の形態におけるHフラグ生成要求メッセージのパケット構造の第4の例を示す説明図 第9の実施の形態におけるモバイルノードの構成を機能的に示すブロック図 第9の実施の形態におけるモバイルノードの処理を説明するためのフローチャート 第9の実施の形態におけるホームエージェントの処理を説明するためのフローチャート 第9の実施の形態を説明するための他の想定システムを示す説明図 第9の実施の形態を説明するためのさらに他の想定システムを示す説明図
<第1の実施の形態の概要>
第1の実施の形態の概要について説明すると、複数のインタフェースを有するMNは、ある1つのインタフェースを介してホームプリフィックスを参照すると、MNのHAであるLMA(以下、ホームLMA/HA)が位置するホームPMIPv6ドメインに接続(connection)中であると判断し、また、他のインタフェースがこれから同じホームPMIPv6ドメインに接続(connect)するものと予測する。MNは、このように予測した後に、他のインタフェースが同じホームPMIPv6ドメインに接続(connect)した場合、外部プリフィックスを参照した他のインタフェースのためのCMIPv6バインディングを生成して維持管理するようにホームLMA/HAに要求する。本発明の主要な目的は、MNがホームPMIPv6ドメイン内で外部プリフィックスを参照したすべてのインタフェースに対して、ホームの利点とアウェイの利点をMNが同時に取得することであり、MNがクライアントベースのBU登録をホームLMA/HAに継続して行わないことにある。
<想定システム>
図1は第1の実施の形態が想定する通信システムを示す構成図である。ここで、図1に示すMN10A、10Bは同じMN10が移動したことを示す。MN10は複数のインタフェースとして3GセルラインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2を有し、図1では、MN10AはWLAN30に位置していてWLANインタフェースIf2がMAG/ePDG20に接続されている状態を示し、MN10BはWLAN31に位置していてWLANインタフェースIf2がMAG/ePDG21に接続されている状態を示す。なお、MN10の複数のインタフェースは、セルラインタフェース(3G、3.9G、4G以降などの3GPP等の携帯電話に関する標準化団体で規定されるセルラインタフェース)やIEEE802やWiFiなどで規定されるWLANインタフェースに限らず、WiMAXインタフェースやBluetoothインタフェースなどでもよい。なお以下では、セルラインタフェースを3Gセルラインタフェース、サービングゲートウェイを3Gサービングゲートウェイと記述しているが、これらは3Gに限らない。
一方、3GセルラインタフェースIf1はホームPMIPv6ネットワーク(ドメイン)100の1つのMAG/3Gサービングゲートウェイ(S−GW)22に接続(attach)し、ホームPMIPv6ネットワーク100の範囲は、MN10がWLAN30に位置していてもWLAN31に位置していても、3GセルラインタフェースIf1が1つのMAG22に接続できるほど大きい。ホームPMIPv6ネットワーク100は、例えば、ネットワーク100内でモビリティ管理サービスを提供するためにPMIPv6のプロトコルを採用した3GPP−HPLMN(Home Public Land Mobile Network)であって、MN10のホームネットワーク・ドメインである。また、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ40は、MN10のホームエージェント(以下、LMA/HA)である。
ホームPMIPv6ネットワーク100の意味は、LMA/HA40がMN10のMIPv6のHAであって、更にMN10がネットワーク100をローミングするときにネットワーク100のプリフィックスP1をMIPv6ホームプリフィックスとして参照するということである。基本的に、LMA/HA40は、MN10のPMIPv6バインディングとMIPv6/CMIPv6バインディングを受け付ける。
次に、ホームPMIPv6ネットワーク100のネットワークレイアウトを考察する。ホームPMIPv6ネットワーク100内には、図1では1つのネットワークのみが記載されているが、多くのセルラ・アクセスネットワークが存在するものとする。セルラ・アクセスネットワークではMAG機能を有するルータがMAG/3G・S−GW22に存在し、このルータは3Gアクセスネットワーク内の最初のホップルータであるものとする。さらに、3Gアクセスネットワークの受信エリア内に2つのWLAN30、31が存在するものとする。さらにWLAN30、31は、3GPPアーキテクチャを経由してトラフィックを転送するために3GPPコアネットワークにアクセスするためのゲートウェイ・ルータ及びトラスティッド・ルータであるMAG/ePDG20、21を有するものとする。さらに、WLAN30、31は連続(すなわち一方が他方に近接)し、かつMAG/3G・S−GW(以下では単にMAG)22におけるルータ機能を有する大きな領域の3Gセル(すなわちネットワーク100)配下に存在するものとする。
ここで、最初にMN10がMN10Aで示すようにWLAN30及び3Gのネットワーク100に接続(attach)し、次いでMN10Bで示すようにWLAN31及び3Gのネットワーク100に接続(attach)した場合、MN10は移動中でも常にMAG/3Gゲートウェイ22に接続(connect)しているものとする。ネットワーク100がMN10のホームPMIPv6ドメインであるので、MN10はネットワーク100に接続(attach)したときにネットワーク100のホームMIPv6プリフィックスP1を確実に参照するものとする。また、LMA/HA40がMIPv6機能を有するので、MN10のNAIがPBUメッセージでLMA/HA40に到達したときに、ホームMIPv6プリフィックスP1がMN10に与えられるものとする。なお、ホームMIPv6プリフィックスP1は、MN10においてあらかじめ静的に構成されていてもよく、また、ブートストラッピング・メカニズムのような動的なメカニズムにより取得されていてもよい。
最初にMN10が3GセルラインタフェースIf1経由でネットワーク100のルータであるMAG22に接続(attach)すると、MN10はMAG22からのルータ広告(RA)メッセージ26で、ネットワーク100のプリフィックスであるホームMIPv6プリフィックスP1を参照する。次にMN10がWLANインタフェースIf2経由でWLAN30のルータであるMAG20に接続(connect)すると、MN10はMAG20からのRAメッセージ25で、WLAN30のプリフィックスである外部プリフィックスP2を参照する。ここで、その理由を理解することが重要である。その理由は、非特許文献2に開示されているPMIPプロトコルでは、インタフェースごとにユニークなプリフィックスを与えるので、LMA/HA40が外部プリフィックスP2をWLANインタフェースIf2に与えるからである。なお、MN10が複数のプリフィックスをLMA/HA40から取得している場合、CNとの通信に使用しているプリフィックスをホームプリフィックスと呼び、それ以外を外部プリフィックスと呼ぶようにしてもよい。
このため、MN10は3GセルラインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2に対して1つのみのホームプリフィックスP1とホームアドレス(HoA)を有する。この場合、MN10は外部プリフィックスP2を第2のWLANインタフェースIf2経由で参照すると、WLANインタフェースIf2への到達性を得るために、従来では、LMA/HA40に対してCMIPv6登録50を実行する。CMIPv6登録50とは、MN10が外部プリフィックスP2から生成した気付アドレス(CoA)を、ホームMIPv6プリフィックスP1から生成したHoAにバインディングするということである。
さらに、MN10は非特許文献4に記載されているマルチホーミング機能を有している場合、HフラグがセットされたCMIPv6登録50により、ホームの登録とアウェイの登録が同時に行われるものとする。さらに、LMA/HA40は非特許文献4に記載されているマルチホーミング機能を有するものとする。加えて、MN10は他のパケットデータネットワーク(PDN)に位置する複数のCN60、61と通信しており、PMIPv6ドメインのローカルアドレスを選択してCN60、61との通信を選択したいものとする。
この後、MN10がWLAN31にローミングして(図のMN11B)、MN10がWLANインタフェースIf2経由で、MAG21からのRAメッセージ28内の同じ外部プリフィックスP2を参照するものとする。ここでは、インタフェース間のハンドオフである水平ハンドオフが発生するものとする。もし、MN10がWLAN31に到達したときにCMIPv6の存続期間が満了し、また、WLANインタフェースIf2への到達性を再び確保するため、又はインタフェースIf1、If2の両方の同時使用を取得するため、又はWLANインタフェースIf2あてのみの転送を希望する場合、従来では、MN10は、フラグH付きまたはフラグHなしのCMIPv6BUメッセージ51をLMA/HA40へ送信する必要がある。
ここで、WLANインタフェースIf2に対するCMIPv6バインディングは、MN10がLMA/HA40に対して、WLANインタフェースIf2が外部プリフィックスP2から生成したCoAを使用して到達できることを通知するためであることを理解することが重要である。しかし、この外部プリフィックスP2から生成したCoAの実際の到達性は、MAG20又は21から通知されるPMIPv6バインディング(図14参照)により得ることができる。したがって、WLANインタフェースIf2に対するCMIPv6バインディングの内容は、静的であって、WLANインタフェースIf2に対するPMIPv6バインディングに関係しているものであると結論することができる。この理由は、外部プリフィックスP2から生成したCoAは、外部プリフィックスP2のPMIPv6バインディングにより与えられる情報を使用することで、到達性を得ることができるからである。
このため、従来のように、外部プリフィックスP2から生成したCoAをMN10がホームプリフィックスP1から生成したHoAにバインディングするためにシグナリングすると(図1のCMIPv6登録50、51)、MN10に関連するシグナリング負荷が増大する。よって、LMA/HA40において、外部プリフィックスP2のPMIPv6バインディングに基づいてCMIPv6バインディングを生成、再生成することができるようにすることで、このシグナリング(50、51)を最適化することができる。ここで、CoAがPMIPv6ローカルプリフィックスでない他のプリフィックスから構成されている場合には、そのCoAは完全に独立しており、独立してルーティング可能なアドレスである。しかし、外部プリフィックスP2のCMIPv6バインディングは、独立してルーティング可能なアドレスではないため、明らかに、外部プリフィックスP2のCMIPv6バインディングは、到達性を確保するためにPMIPv6バインディングを必要とする。
したがって、WLANインタフェースIf2のPMIPv6バインディングとCMIPv6バインディングは最適化することができ、MN10に関するシグナリング負荷を軽減することができ、消費電力を軽減するといった効果を得ることができる。さらに、CMIPv6バインディングにおけるHoA情報は不要である。その理由は、ホームプリフィックスP1のPMIPv6バインディングがLMA/HA40のキャッシュ213(図14の第1のエントリE1)内に存在し、HoA情報が取得できるからである。また、もしホームプリフィックスP1がLMA/HA40Aのキャッシュ213内に存在しなくても、LMA/HA40はAAAサーバ(不図示)に問い合わせることによりプリフィックスP1を取得できる。したがって、このシステムでMN10が通知する必要がある内容は、ホームMIPv6ネットワーク100内で外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2の使用を希望することだけである。LMA/HA40に存在するPMIPv6バインディングの内容は、CMIPv6バインディングの内容を正確に生成することができる内容である。
<他の想定システム>
図2は第1の実施の形態が想定する他のシステムとして、WLAN30、31が連続して配置されていない場合を示す。この意味は、WLAN30、31の各セルがお互いに隣接していないということであり、MN10がこのネットワーク100を移動したときにWLANインタフェースIf2がアクティブモードとアイドルモードの間で切り替えが起きる状態になるということである。他の想定は図1と同じであるので、詳細な説明を省略する。ここで、MN10A、10B、10C、10Dは同じMN10であって、MN10が10A→10B→10C→10Dの順番で以下の位置に移動することを示す。また、以下の第1〜第4の位置では、MN10の3GセルラインタフェースIf1は安定しており、3GセルラインタフェースIf1のハンドオフはないものとする。
・MN10A:WLAN30に入るとき(第1の位置)
・MN10B:WLAN30から出るとき(第2の位置)
・MN10C:WLAN31に入るとき(第3の位置)
・MN10D:WLAN31から出るとき(第4の位置)
図2において、MN10は第1の位置(MN10A)において3GセルラインタフェースIf1及びWLANインタフェースIf2を介してそれぞれMAG22及びMAG20に接続(attach)すると、それぞれMAG22及びMAG20からのRAメッセージ26及び25内のプリフィックスP1、P2を参照する。MN10は外部プリフィックスP2を参照すると、従来ではLMA/HA40に対してCMIPv6登録50を実行する。また、MN10が移動してWLAN30と接続性(connectivity)のない第2の位置(MN10B)に来たとき、従来ではMN10はCMIPv6登録削除51を送信するかもしれない。次に、MN10が別のWLAN31と接続性のある第3の位置(図のMN10C)に移動したときに、従来ではMN10はWLANインタフェースIf2への到達性を取得するためのCMIPv6登録52を送信する。次にMN10がWLAN31と接続性のない第4の位置(図のMN10D)に移動すると、従来ではMN10はCMIPv6登録削除53を送信するかもしれない。
従来のCMIPv6登録50〜52及びCMIPv6登録削除53のBUメッセージは、すべてWLANインタフェースIf2のPMIPv6接続のためのBU(PBU:Proxy Binding Update)登録及びPBU登録削除に関連している。したがって、本発明の第1の実施の形態で説明した手法を用いることで、このようなCMIPv6のシグナリング(50〜53)を削減して最適化することができる。これは、WLANインタフェースIf2がホームPMIPv6ドメインであるネットワーク100に接続(attach)していて、WLANインタフェースIf2のCMIPv6のキャッシュの内容がLMA/HA40で生成可能とする手法を用いることで実現されている。以上の説明から、本発明の第1の実施の形態では、MN10がホームPMIPv6ドメイン100をローミングしてすべてのインタフェースIf1、If2がホームPMIPv6ドメイン100に接続(attach)していることを判断、予測又は推定し、外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2のCMIPv6シグナリングを最適化するメカニズムを提供する。
そこで、第1の実施の形態では、MN10は、すべてのインタフェースIf1、If2がホームPMIPv6ドメイン100に接続(connect)するかもしれないことを予測すると、LMA/HA40に対して、CN60、61からMN10の1つのHoAあてに到着する1つのフローに対してすべてのインタフェースIf1、If2を同時に使用できるようにするために、外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2のCMIPv6バインディングキャッシュを生成して、MN10がリフレッシュしなくても維持管理するように要求する。なお、MN10は、割り当てられたプリフィックスが異なる場合に、各インタフェースが同一のホームドメインに接続しているか否かを判断した上で、LMA/HA40に対して上記の要求を行ってもよい。この場合、以下にも記述するように、MN10がネットワークに接続した際に、接続しているドメインを示すドメインIDやドメイン番号、オペレータ(PLMN:Public Land Mobile Network)IDやオペレータ番号などの識別子を取得・比較することで、同一のドメインに接続しているか否かを判断してもよい。また、あらかじめ割り当てられているプリフィックスの情報と、ネットワークに接続した際に割り当てられたプリフィックスを比較することで、ホームドメインに接続しているか否かを判断してもよい。
<メッセージシーケンス及びBC>
図3は第1の実施の形態に係るメッセージシーケンス(1)〜(11)を示し、図4はLMA/HA40におけるバインディングキャッシュ(BC)213aを示す。MN10は3GセルラインタフェースIf1及びWLANインタフェースIf2の2つのインタフェースを有する。まず、MN10は3GセルラインタフェースIf1を介して、1つのLMA/HA40を有するホームMIPv6ドメイン(ネットワーク100)に接続(connect)する。LMA/HA40はまた、ホームPDNゲートウェイとも呼ばれる。MN10は別のデータパケット・ネットワークに接続(connect)しているCN60と通信している。MN10はインタフェースIf1、If2の両方に対して、1つのホームプリフィックスP1と1つのHoAを有し、CN60はデータパケットをMN10のHoAあてに送信する。MN10はそのデータパケットをインタフェースIf1、If2の両方を使用して受け取りたい。
(1)MN10は3GセルラインタフェースIf1経由でMAG(MAG/3G)22からの広告ビーコン(不図示)を検知すると、L2アソシエート信号(L2 associate signal)305をMAG22に送信する。このビーコンはあるパラメータ、例えばネットワークタイプ(PMIPを採用しているか否か)を特徴付けるドメインID及びドメイン番号を含む。MN10は自身のホームMIPv6ネットワーク100のドメインIDに関する何かの静的な情報を自身のメモリ内にストアしていてもよい。したがって、MN10はビーコンから入手したドメインIDと上記の自身の静的な情報を比較することにより、このドメインがMN10のホームMIPv6ドメイン100であってMAG22がホームのLMA/HA(LMA/HA/PDN40 Gateway)40でないものと推論してもよい。
(2)ここで、MN10は、MN10をユニークに識別するL2セキュリティ証明書(credential)をL2アソシエート信号305で送信するものとする。MAG22はこの証明書を不図示のAAAサーバに転送して、AAAサーバから資格認証(authorization)を受け取る。MN10が資格認証されると、PBU/PBAシグナリング306で示すようにMAG22はPBUメッセージをLMA/HA40に送信し、LMA/HA40からその応答としてPBAck(PBA)メッセージを受信する。このとき、LMA/HA40は、図4に示すBC213の第1のエントリE1においてインタフェースIf1のPMIPv6キャッシュを作成する。
(3)次いで、MAG22はRAメッセージ307を送信し、MN10は、RAメッセージ307内のMN10のホームMIPv6プリフィックスP1を参照する。
(4)CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ
MN10は、ホームMIPv6プリフィックスP1を参照してこのドメインがホームMIPv6ドメインであることを知得すると、MN10の他のインタフェース(WLANインタフェースIf2)が更にこの同じホームMIPv6ドメイン100及びLMA/HA40に接続(connect)する可能性が高いことを予測する。MN10はこのように予測すると、本発明に係るCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を、MAG22(及びインタフェースIf1)を介してLMA/HA40に送信する。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の送信元アドレスは、ホームMIPv6プリフィックスP1から構成したMN10のHoAである。CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の目的は、LMA/HA40に対し、LMA/HA40に接続(attach)して外部プリフィックスP2を参照したMN10のすべてのインタフェースのCMIPv6バインディングキャッシュ(図4の第3のエントリE3参照)を生成して維持管理するよう要求することにある。CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は多くの内容を有し、ホームMIPv6プリフィックスP1を参照した3GセルラインタフェースIf1を除くMN10のすべてのインタフェース(If2)の識別子(If2−ID)を含む。このインタフェース識別子(If2−ID)は、ホームMIPv6ドメイン内で外部プリフィックスP2を参照したMN10のインタフェースIf2のCoAをLMA/HA40が生成するのに使用される。なお、MN10は、すべてのインタフェースに関するCoAそのものを通知してもよい。
さらに、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308内のMN10のインタフェースIf2がホームMIPv6ドメイン100に接続(attach)したか否かは、LMA/HA40により、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308内のインタフェース識別子(If2−ID)と、他のMAG20からPBUメッセージ(シグナリング310)内のインタフェース識別子(If2−ID)で示されるMN10のPMIPv6接続(attachment)の情報を用いてトレースされる。上記のCoAは、そのインタフェースIf2に関連するPMIPv6プリフィックスP2とインタフェース識別子If2−IDをLMA/HA40が連結することにより生成される。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は更に、すべてのインタフェース(インタフェース識別子)に関連するバインディング識別子(BID)を含む。ただし、MN10が2つのインタフェースIf1、If2のみを有する場合には、単にフラグHの情報だけを用いてもよい。しかし、MN10の2つ以上のインタフェースが同じホームMIPv6ドメインに接続(connect)していて、個々のCMIPv6キャッシュ及びPMIPv6キャッシュを区別する場合には、それぞれのキャッシュに対してBIDを必要とする。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は望ましくは、新しいモビリティ拡張ヘッダを有する新しいモビリティ・メッセージで構成することができる。この種のモビリティ・メッセージは、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)によりメッセージの識別番号が割り当てられることを必要とする。インタフェース識別子とBIDは、その新しいモビリティ・メッセージのオプションとして伝送される。又は、そのモビリティ・メッセージは、インタフェース識別子とBIDを新しいオプションとして含むBUメッセージでもよい。又は、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は、3Gネットワークへ接続する際の接続手続き(Attach Procedure)の中で送信するメッセージであってもよいし、MAG22あてのセキュリティ・トークン付きのL2メッセージでもよい。ただし、LMA/HA40はこのセキュリティ・トークンをユニークに解読できるものとする。MAG22はL2メッセージで受信したキャッシュ生成・維持管理要求の内容をPBUメッセージ(306)でLMA/HA40に転送することもできる。LMA/HA40は、セキュリティ・トークンを用いて転送されたメッセージの有効性をベリファイしてそのメッセージを処理してもよい。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308をLMA/HA40に送信する方法は多くある。なお、インタフェース識別子を用いてキャッシュを識別できる場合は、BIDを送信する必要はない。また、BIDを用いてキャッシュを識別できる場合は、インタフェース識別子を送信する必要はない。しかし、MN10が1つのインタフェースに対して1つのプリフィックスから複数のアドレスを生成する場合、BIDを送信することが適切である。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308はインタフェースIf1からMAG22に転送されてLMA/HA40あてにトンネル化される。LMA/HA40はCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信すると、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308内の情報をストアし、ネットワーク100内の他のMAG20を介したMN10の他のインタフェース接続(attachment)をモニタする。なお、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は、インタフェースIf2を介して送信されてもよい。つまり、MN10のWLANインタフェースIf2がホームPMIPv6ドメイン100に接続(attach)したと判断できる場合に、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308をIf2から送信してもよい。この場合、If2がMAG20に接続する際に行う接続手続き(Attach Procedure)の中のメッセージを用いて、MAG20に対して接続することを要求すると同時に、CMIPv6キャッシュの生成・維持管理を要求する。この場合、If2の接続するネットワークがNon3GPPネットワークのUntrustedネットワークである場合は、ePDG機能を持つMAG20との間で行うSA(Security Association)確立手続き(IKEv2)の中でCMIPv6キャッシュの生成・維持管理を要求する。一方、If2の接続するネットワークがNon3GPPネットワークのTrustedネットワークである場合は、AGW(Access Gateway)に対して行うアクセス認証、又はL3接続手続きの中で、CMIPv6キャッシュの生成・維持管理を要求する。これにより、MN10は、CMIPv6キャッシュを生成・更新するためのBUメッセージを送信する必要がなくなる。なお、CMIPv6キャッシュの生成・維持管理を要求する情報として、3GPP/Non3GPPネットワークに接続し、使用するモビリティ・プロトコル(PMIPv6、CMIPv6、MIPv4のいずれか1つ)を指定する際に、単なるPMIPv6を指定するのではなく、CMIPv6キャッシュを生成することも同時に意味する値(例えば、PMIPv6接続し、さらに複数IFの同時に使用することを示すIndicator(PMIPv6+CMIPv6))を指定してもよい。
さらに、MN10のWLANインタフェースIf2がMAG20及びLMA/HA40との接続が完了した後に、別途CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求を、BUメッセージ等を用いてIf2から送信してもよい。これにより、最初に1回だけBUメッセージを送信すれば、以後CMIPv6キャッシュを更新するためのBUメッセージを送信する必要がなくなる。さらには、上記BUメッセージを送信する前にLMA/HA40との間で行うSA確立手続き(IKEv2)の中でCMIPv6キャッシュ生成・維持管理を要求してもよい。なお、使用するIKEv2メッセージとしては、IKE_AUTHリクエストメッセージや、IKE_SA_INITメッセージなどが望ましい。
このように、MN10の他のインタフェースIf2がネットワーク100に接続(attach)しており、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理の要求がIf2経由で通知される場合、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信したLMA/HA40は、既存のインタフェースIf2に関するPMIPv6バインディングに基づいてIf2のCMIPv6キャッシュを生成し、更にMN10がリフレッシュすることなく維持管理する。LMA/HA40によって生成されるCMIPv6キャッシュとは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308から得られたHoAと、PMIPv6プリフィックスP2から生成されたCoAと、MN10から送信されたインタフェース識別子を含む。ここで、インタフェース識別子は64ビットである。
LMA/HA40はまた、このCMIPv6バインディングに対して、MN10によりCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308で与えられるBIDを関連付ける。LMA/HA40は更に、このCMIPv6バインディングに存続期間を割り当てる。この存続期間は第1のPMIPv6バインディングの存続期間と同じである。ここで、第2のPMIPv6バインディングとは、インタフェースIf2のCoAを生成するのに使用された外部PMIPv6プリフィックスP2に関連するバインディングである。基本的に、このCMIPv6バインディングキャッシュの構造は、図4の第3のエントリE3に示すように
・HoA(ホームプリフィックスP1)と、
・CoA(外部プリフィックスP2+インタフェース識別子If2−ID)と、
・BIDと、
・存続期間3(=第1のPMIPv6バインディングの存続期間1)より成る。
(5)次に、図3では示されていないが、MN10はメッセージ308の送信後に、WLANインタフェースIf2経由でWLANビーコンを受信するものとする。MN10はWLAN30の不図示のアクセスルータ(AR)から広告されたプリフィックスP2からWLANインタフェースIf2のアドレスを構成し、次いでePDGであるMAG(MAG/WLAN)20を発見すると、MAG20とのIPSecトンネル・セットアップ手続を開始する。この手続では、まず、MN10は接続認証(authentication)パラメータ付きのIKEv2メッセージ(IKEV2 authentication and setup)309をMAG20に送信する。なお、IKEv2メッセージ309の中に、MAG20経由で接続するNon3GPPネットワークへPMIPを用いて接続することを示す情報が含まれていてもよい。また、前述したように、メッセージ308の代わりに、(5)のIKEv2メッセージ309を用いて、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求を通知してもよい。この場合、(9)のIKEv2完了メッセージで、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求が受け入れられたか否かがMN10へ通知される。
(6)MAG20は不図示のAAAサーバに問い合わせてMN10が資格認証(authorize)されると、LMA/HA40とのPBU/PBAckシグナリング310を実行して、インタフェースIf2及び外部プリフィックスP2のPMIPv6ルーティングステートを生成する。
(7)LMA/HA40は、第2のエントリE2であるPMIPv6バインディングキャッシュを生成し、次いで、NAIでユニークに識別されるMN10が、LMA/HA40に接続(connect)されるインタフェースIf2を有することを知得すると、前述したCMIPv6キャッシュの生成・維持管理の要求に従い、第2のエントリE2であるPMIPv6バインディングキャッシュに関連するインタフェースIf2のCMIPv6バインディング・キャッシュ(第3のエントリE3)を生成する。このキャッシュの詳しいパラメータは既に詳細に説明した。
この時点で、LMA/HA40は、要求メッセージ308に対する応答メッセージ311をMN10に送信して、インタフェースIf2が同じホームMIPv6ドメイン100(LMA/HA40)に接続(connect)しており、インタフェースIF2用のCMIPv6キャッシュがLMA/HA40によって自動的に生成されたこと、さらには、インタフェースIf2用のBID付き又はフラグH付きのCMIPv6のBUメッセージ(図14の212)を送信する必要がないことを通知してもよい。応答メッセージ311は、最初のメッセージ308に対するLMA/HA40からの応答を通知する方法の1つであり、メッセージ308に対する応答であること示すタイプを含むCMIPv6登録削除メッセージ(BAメッセージ)を用いることができるが、他の応答方法として、LMA/HA40は、トンネル・セットアップ完了メッセージ312内の新しいオプションをMAG20に送信して、MN10にCMIPv6のBUメッセージ212を送信しないよう通知してもよく、また、LMA/HA40がMAG20又はMAG22に対して通知し、それをMAG20,22がMN10に対してRAメッセージやその他の任意のL3メッセージ(モビリティヘッダメッセージを含む)、あるいはL2メッセージなどでMN10に通知してもよい。他にも多くの方法が考えられる。
(8)次いで、トンネル・セットアップ完了メッセージ(IPSec tunnel Setup Completion)312がMAG20からMN10に送信される。
(9)次いでIKEv2手順が完了してIKEv2完了メッセージ(IKEv2 IP address/Prefix assignment)313がMAG20からMN10に送信されて外部プリフィックスP2がMN10に通知される。MN10はIKEv2完了メッセージ313を受信すると、WLANインタフェースIf2あてのパケットを取得するためのCMIPv6のBUメッセージ212を送信する必要はなく、LMA/HA40がWLANインタフェースIf2用のCMIPv6バインディングを生成し、パケットがWLANインタフェースIf2に到着する。
(10)CN60はMN10あてのデータパケット314を、プリフィックスP1から構成されたMN10のHoAあてに送信する。CN60から送信された上記のパケットがLMA/HA40に到着すると、LMA/HA40はBC213aにおける第1のエントリE1(PMIPv6エントリ)を使用したプリフィックスベースのルーティングを実行し、また、BCE213aにおける第3のエントリのCMIPv6キャッシュを使用したHoAマッチングのルーティングを実行する。
(11)(12)図3では、第1のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)を使用してMN10にルーティングされるデータパケット314a、314bと、第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュ)を使用してMN10にルーティングされるデータパケット315a、315bを示す。第1のエントリE1を使用してルーティングされるデータパケット314a、314bは、MAG22経由でトンネル化される。また、もし、LMA/HA40が第3のエントリE3であるCMIPv6キャッシュを使用してMN10にルーティングすることを決定すると、そのデータパケット314はLMA/HA40により複数回(ここでは2回)のカプセル化が行われてトンネル化される(図のパケット315a)。データパケット315aの場合、最初のカプセル化は、MN10のWLANインタフェースIf2のCoAあてにトンネル化される。そして、更に1回のカプセル化が必要となり、2回目のカプセル化では、そのデータパケット315はMAG20のアドレスあてにトンネル化される。LMA/HA40により2回のカプセル化が行われたパケット315aはMAG20によりデ・カプセル化され、元の1回のカプセル化が行われたパケット315bがMN10に転送されてMN10により完全にデ・カプセル化される。ここで、当業者であれば、LMA/HA40が図4に示すBC213aを用いてデータパケット314をどのように適切にカプセル化するかは明らかである。
また、WLANインタフェースIf2あてのパケットはMN10あてに直接にトンネル化することができる。この場合には、あて先アドレス(トンネル化パケットのあて先アドレス)はMAG20のアドレスであって、トンネル化パケットのルーティング・ヘッダタイプ0に、外部プリフィックスP2から構成したCoAとMN10のHoAを挿入する。このトンネル化方法によれば、MAG20における余分なトンネル化によるオーバヘッドが増加することを防止することができる。
<CMIPv6キャッシュの存続期間>
図4に示すように、第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュの存続期間3)は、第2のエントリE2の存続期間2に関係なく、第1のエントリE1の存続期間1を用いて維持されて存続期間1が満了すると削除される。MN10のWLANインタフェースIf2が、WLAN30、31の連続していない小さなセルに接続(connect)する場合、WLANインタフェースIf2がハンドオフしてWLAN30、31の配下にないことが多く発生する。この場合、WLANインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュが3GセルラインタフェースIf1のPMIPv6キャッシュの存続期間1に基づいて維持されることが有益である。その理由は、LMA/HA40がWLANインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュを頻繁に生成する必要がないからである。ここで重要な点は、3Gセル(ホームPMIPvドメイン100)がWLAN30、31よりかなり大きく、3GセルラインタフェースIf1が頻繁にハンドオフしないことにある。
以下に動作を説明する。まず、MN10のWLANインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュ(存続期間3)が3GセルラインタフェースIf1のPMIPv6キャッシュの存続期間1に基づいて維持されており、WLANインタフェースIf2のPMIPv6キャッシュ(第2のエントリE2)がハンドオフ前に有効な場合、パケットは第2のエントリE2を用いてMAG302を経由してWLANインタフェースIf2に到達する。これに対し、WLANインタフェースIf2のPMIPv6キャッシュがハンドオフにより有効でなくなると、WLANインタフェースIf2に関連するCoAあてのパケットは、第1のエントリE1を用いて3GセルラインタフェースIf1に送信される。この場合、MAG301はLMA/HA40により、外部プリフィックスP2についての何らかの有効性の情報をトンネル化パケットヘッダ内で与えられるものとする。
<第1の実施の形態による利点>
以下に、第1の実施の形態による利点について考察する。第1の利点として、LMA/HA40がCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308に応答してCMIPv6バインディングキャッシュを生成して、MN10によりリフレッシュされることなく維持管理するので、MN10は、CMIPv6登録メッセージを送信する必要がなくなり、さらにLMA/HA40は、CMIPv6バインディングを用いてデータパケットをルーティングするためには、PMIPv6バインディングキャッシュをサーチすることが必要であると知得することができる。LMA/HA40がCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信してCMIPv6バインディングキャッシュを生成するとき、LMA/HA40は、パケットをどのようにルーティングするかを示す別のパラメータをBC213aに挿入することもできる。これにより、LMA/HA40がCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信しないで、CMIPv6バインディングキャッシュを使用してパケットをどのようにルーティングするかを識別する必要がある場合と比較して、LMA/HA40の処理の負荷を減少させることができる。
例えば、もしMN10がWLANインタフェースIf2経由で別の外部ドメインに接続(attach)すると、LMA/HA40はCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の応答として、CMIPv6バインディングキャッシュを生成しないで、WLANインタフェースIf2のCMIPv6バインディングキャッシュには、回帰的なトレーシングを実行しなければならないエントリとしてマークしない。したがって、LMA/HA40は、外部ドメインから取得したCoAあてにルーティングするためには、デフォルト・ルータに送信することで十分であることを知得する。
別の顕著な利点とは、LMA/HA40がルーティングするホームMIPv6ドメインに接続(connect)するとともに、外部プリフィックスP2を参照したインタフェースあてにトンネル化されたパケットを取得できるインタフェースについては、MN10はBUを実行する必要がないことにある。本発明は、MN10がフラグHベースのBUを実行してすべてのフローがWLANインタフェースIf2のみに到着するよう要求する場合に有用である。MN10は非常に秘密性のあるフローを有し、そのフローがLMA/HA40からMN10に直接にトンネル化されることを希望するかもしれない。
<CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の別の形態>
図5は別の3つの形態のCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ306A、(307A1、307A2)、(308A1、308A2)を示す。MN10はまず、3GインタフェースIf1経由でホームMIPv6ドメイン100に接続(attach)してホームプリフィックスP1を参照した場合、前述したようにMN10が、LMA/HA40からの外部プリフィックスP2を参照したWLANインタフェースIf2のCMIPv6バインディング・キャッシュを生成・維持管理するようLMA/HA40に要求するには種々の形式のシグナリングを実行できる。
(1)最初の望ましい方法では、MN10はCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ306Aを直接にLMA/HA40に送信する。この場合、メッセージ306Aの送信元アドレスは、ホームプリフィックスP1を使用して構成したMN10のHoAであり、あて先アドレスはLMA/HA40のアドレスである。メッセージ306Aは拡張ヘッダの新しいヘッダタイプを用いて構成することができる。もし、この拡張ヘッダの新しいヘッダタイプをメッセージ306Aに使用すると、LMA/HA40におけるメッセージ306Aの処理はやや簡単になる。LMA/HA40はメッセージ306Aから新しいヘッダタイプが何かを知得してメッセージ306Aをどのように処理するかを知得する。
インタフェース識別子とBIDのようにMN10の他のインタフェース(WLANインタフェースIf2)を識別するための情報は、メッセージ306A内のオプションとして又はデータフィールドに埋め込むことができる。メッセージ306AはMAG22からLMA/HA40まではトンネル化される。もし、メッセージ306AがMIPv6に記述されているBUメッセージの場合、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDは、BUメッセージ内にモビリティ・オプションとして埋め込まれる。このモビリティ・オプションは新しいタイプのオプションである。
(2)また代わりに、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求は、MAG22に送信されるL2メッセージ307A1で送信することもできる。このL2メッセージ307A1は、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDを伝送する。ここで、L2メッセージ307A1の送信元アドレスはMN10のインタフェースIf1のL2アドレスであり、あて先アドレスはMAG22のイングレス・インタフェースのL2アドレスである。MAG22はメッセージ307A1で上記のパラメータ(インタフェース識別子とBID)を受信すると、メッセージ307A1の内容を、LMA/HA40あてのメッセージ307A2で送信する。また、上記のL2メッセージと同等の内容を含む、RSメッセージやNSメッセージ、認証メッセージ(IKEv2メッセージ)など、他の任意のL3メッセージ(モビリティヘッダメッセージを含む)を用いてもよい。さらに、3GPPネットワーク(MAG22)へ接続する際に行う接続手続き(Attach Requestメッセージ)の中で通知してもよい。
メッセージ307A2はPBUメッセージでもよく、また、新しいモビリティ拡張ヘッダを有する別のシグナリング・メッセージでもよい。ここで、メッセージ307A2がPBUメッセージの場合、LMA/HA40がそのPBUメッセージをどのように処理してCMIPv6キャッシュの生成・維持管理の要求を知得できるように、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDがそのPBUメッセージの新しいモビリティ・オプションとして挿入される必要がある。また、メッセージ307A2が新しいモビリティ拡張ヘッダを有する別のシグナリング・メッセージの場合、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDはメッセージ内の通常のフィールドに挿入することができる。ただし、この場合、LMA/HA40の構成は、この新しいメッセージを理解するために変形する必要がある。この構成が変形されたLMA/HA40は、この新しいメッセージを受信するとどのように処理するかを知得する。
(3)また、MN10が3GインタフェースIf1経由で参照したホームプリフィックスP1を選択する場合、MN10はまず、メッセージ308A1で示すようにその選択した旨をDNSサーバ304A(図のDNS/SIP server/AAA)に通知して、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDをメッセージ308A1で提供することもできる。DNSサーバ304Aはこの新しいプリフィックスP1をアクセプトして、LMA/HA40に対してメッセージ308A2で、選択されたプリフィックスP1と、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の内容を転送する。
ここで、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ306A、(307A1、307A2)、(308A1、308A2)による各方法が特有の利点を有することを理解するべきである。メッセージ(308A1、308A2)の場合、2つの実現を達成することができる。1つ目は、ホームプリフィックスP1を選択すると、LMA/HA40にCMIPv6キャッシュ生成・維持管理を要求することにある。2つ目は、MN10がメッセージ308A1を送信することによりWLANアクセスポイントを識別した場合、MN10はePDGアドレスを取得できることにある。
<CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308のフォーマット>
メッセージ308の詳細な3つの構成例を図6A、図6B、図6Cを参照して説明する。
(a)図6Aに示すフレーム307Bは、メッセージ308がL2メッセージ307Aである場合のフレーム構造を示し、先頭から順次、開始フラグ(Flag)300Bと、アドレス(Address)301Bと、制御(Control)302Bと、プロトコルID(Protocol ID)303Bと、情報(Information)304Bと、FCS(Frame Check Sequence)305Bと終了フラグ(Flag)306Bの各フィールドにより構成されている。
開始フラグ300Bはフレーム307Bの先頭を示すフラグであり、2番目のフィールドのアドレス301Bは、MAC(Media Access Control)アドレスであって、L2パケットの送信元アドレスとあて先アドレスを含む。例えば送信元アドレスはMN10のインタフェースIf1のMACアドレスであり、あて先アドレスはMAG22のイングレス・インタフェース(不図示)のMACアドレスである。3番目のフィールドの制御302Bは、使用されているフレームのタイプを識別するための情報であって、受信側がこのL2のフレーム307Bを正しく処理するために重要である。基本的に、制御302Bは、フレーム307BのタイプすなわちCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308(307A)のタイプを識別するために使用される。
4番目のフィールドのプロトコルID303Bは、上位の層で発生するパケットのみに対する値であって、メッセージ308(307A)がL2で発生する場合にはオール0である。ただし、メッセージ308がL2で発生することができても、メッセージ308を送信する決定と、メッセージ308内に埋め込まれている関連パラメータは、L3から来なければならない。次のフィールドの情報304Bは、インタフェース識別子とBIDを含む。情報304Bの後にFCS305Bのフィールドが続き、FCS305Bは、フレーム307Bが誤りなく伝送(誤りが識別及び訂正)されるように送信側と受信側により計算される。最後のフィールドの終了フラグ306Bは、フレーム307Bのデ・リミタとして、基本的にはフレーム307Bの終了を識別するために使用される。
ここで、フレーム307Bの構造は、本発明を逸脱しない範囲で図6Aに示す構造と同じである必要はない。前述したように、MN10はCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信するためのパケットをL3で送信することもできる。L3のシグナリングが使用される場合には、MN10は新しいモビリティ拡張ヘッダか又は新しいオプション付きのBUメッセージを使用することができる。
(b)図6Bは、新しいモビリティ拡張ヘッダ(New Mobility extension Header)310Bを有するシグナリング・パケット315Bを示す。パケット315Bについて以下に詳しく説明する。パケット315Bの最初のヘッダは、標準のIPv6ヘッダ(IPv6 Header)308Bであり、IPv6ヘッダ308Bは、MN10のHoAがセットされる送信元アドレスと、LMA/HA40のアドレスがセットされるあて先アドレスを含む。パケット315Bの次のヘッダは接続認証ヘッダ(Authentication Header)309Bであり、MN10とLMA/HA40の間で交換されたセキュリティ・キーにより署名された接続認証データを有する。ヘッダ309Bは望ましいフィールドであるが、必須ではない。
第3のヘッダが新しいモビリティ拡張ヘッダ310Bであり、ヘッダ310Bは最初に標準のモビリティ拡張ヘッダ(Standard fields of mobility extension Header)311Bを有し、標準のモビリティ拡張ヘッダ311Bは、プロトコル番号、モビリティ・ヘッダタイプ、チェックサムなどを含む。新しいモビリティ拡張ヘッダ310Bは更に3つの標準のフィールド312B、313B、314Bを有する。第1のフィールド(Number of interfaces)312Bは、ホームプリフィックスP1を参照したインタフェースIf1からMN10が除外したインタフェースIf2の数を示す。次のフィールド(interface identifier)313Bは、第1のフィールド312BのインタフェースIf2のインタフェース識別子If2−IDを示す。3番目のフィールド(Binding identifier)314Bは、第2のフィールド313Bのインタフェース識別子If2−IDに関連する1以上のBIDを示す。ここで、新しいモビリティ拡張ヘッダ310Bのフィールドを構成する方法は多く存在することを強調したい。ただし、ここでは、望ましい1つの方法であるパケット315Bを示す。
(c)図6Cは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信するための第3の例としてBUメッセージのパケット323Bの構造を示す。図6Bと同様に、パケット323Bの最初のヘッダはIPv6ヘッダ(IPv6 Header)316Bであり、次のヘッダは望ましくは接続認証ヘッダ(Authentication Header)317Bである。接続認証ヘッダ317Bの後にBUモビリティ拡張ヘッダ(Binding Update mobility extension Header)318Bが続く。ヘッダ318Bの最初のフィールドは標準のBU拡張ヘッダ(Standard fields of binding update extension Header)319Bであり、例えば存続期間、シーケンス番号などのBU内の標準のすべてのフィールドを含む。
標準のBU拡張ヘッダ319Bの後に新しいオプション・フィールド(Mobility new option 1,2,3)320B、321B、322Bが設けられている。図6Bと同様に、最初のオプション・フィールド(Mobility new option 1)320Bはインタフェース数(Number of interfaces)である。また、2番目のオプション・フィールド(Mobility new option 2)321Bは、MN10が最適化したいインタフェース識別子(Interface Identifier)であり、3番目のオプション・フィールド(Mobility new option 3)は、あるインタフェースに関連するBIDが、1つ、または複数含まれる。
<MNの動作>
次に、図7を参照してMN10の動作を更に詳しく説明する。複数のインタフェースIfを有するMN10は、まず、あるインタフェースIf経由であるネットワーク・エンティティに接続(attach)すると、PMIPv6ドメインに接続(attach)しているか否かをチェックする(ステップ400)。もしNOであれば、通常のCMIPv6動作を実行する(ステップ402)。ステップ400でYESの場合には、PMIPv6ドメインからそのインタフェースIfに対して与えられたプリフィックスがホームプリフィックスP1か否かをチェックし、更にこのホームプリフィックスP1を知得しているか否かをチェックする(ステップ401)。もしYESの場合には、すべてのインタフェース識別子付きのCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308をLMA/HA40に送信する(ステップ403)。
ステップ401でNOであれば、すなわちホームプリフィックスP1を有しない場合には、PMIPv6プリフィックスをホームプリフィックスP1として選択し、HAのアドレスをDNSサーバに要求して取得する(ステップ404)。ここで、DNSサーバは、MN10が選択したホームプリフィックスP1でホームのLMA/HA40を更新するものとする。ステップ404の処理後、ステップ403の処理を実行する。ここで、ステップ401でNOであってホームプリフィックスP1を有しないということは、MN10が外部PMIPv6ドメインに接続(attach)していることを黙示しているので、MN10は通常のCMIPv6動作を実行する。
ステップ403の処理後、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308に対する確認(Ack)を受信したか否か、又はその応答(フラグ)がRAメッセージ又はIPsecトンネル確立確認メッセージ内に記述されているか否かをチェックする(ステップ405)。もしYESであれば、CMIPv6のBUメッセージを送信しないでRAメッセージ内のフラグを処理する(ステップ406)。その理由は、ホームのLMA/HA40により与えられる外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュは、ホームLMA/HA40が生成して維持管理するからである。ステップ405でNOの場合は、MN10のインタフェースIf2が、PMIPv6バインディングを使用する同じLMA/HA40に接続(connect)していないことを意味するので、そのインタフェースIf2に対する到達性を取得するためにCMIPv6のBUメッセージを送信する(ステップ407)。
<LMA/HAの動作>
次に図8を参照してLMA/HA40の動作を更に詳しく説明する。LMA/HA40は、まず、パケットを受信すると、その受信パケットがMN10からのシグナリング・パケットか否かをチェックする(ステップ500)。もしYESであれば、その受信パケットがCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308か否かをチェックする(ステップ501)。もしNOであれば、標準のCMIPv6の動作で受信パケットを処理する(ステップ503)。ステップ501でYESの場合には、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308に対してAckメッセージを送信し、また、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308内のインタフェース識別子If−IDとBIDを一時的に保持する(ステップ502)。
ステップ500で受信パケットがMN10からのシグナリング・パケットでない場合には、その受信パケットが、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信したMN10あてのデータパケットか否かをチェックする(ステップ504)。もしYESであれば、BC213aをチェックして、受信パケットをMN10のすべてのインタフェースIfを経由するか、又はMN10によりセットされたプリファレンスに従って特定のインタフェースIfを経由してルーティングする(ステップ507)。ステップ504でNOであれば、受信パケットが、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信したMN10からのデータパケットか否かをチェックする(ステップ506)。もしYESであれば、受信データパケットをデ・カプセル化してイーグレス・インタフェースを介してルーティングする(ステップ505)。LMA/HA40はデ・カプセル化の際、トンネル・エントリポイントがBC213a内で有効に登録された送信元アドレスかをチェックする。
ステップ506でNOであれば、LMA/HA40は、受信パケットが、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信したMN10のPMIPv6接続(attachment)を示すMAGからのシグナリング・パケットか否かをチェックする(ステップ508)。もしYESであれば、LMA/HA40はAckメッセージを送信することにより、MN10の他のインタフェースIf2が同じLMA/HA40に接続(attach)していることと、Ackメッセージが以前に送信されていない場合にはMN10はCMIPv6−BUを実行する必要がないことを通知する。又はRAメッセージでCMIPv6−BUを実行する必要がないことを通知する(ステップ509)。ここで、Ackメッセージは、最初に接続(attach)して外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2には送信する必要はない。ステップ509ではまた、LMA/HA40は、外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュを生成する。
ステップ508でNOであれば、LMA/HA40は、受信パケットがMAGからの、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信したMN10のPMIPv6登録解除を示すシグナリング・パケットか否かをチェックする(ステップ510)。もしYESであれば、LMA/HA40はBC213aから、そのCMIPv6バインディング(第3のエントリE3)と、そのCMIPv6バインディングに関連するPMIPv6バインディング(第2のエントリE2)を削除する(ステップ511)。ここで、そのCMIPv6バインディングとは、ステップ509においてPMIPv6バインディングのパラメータを用いて生成したバインディングのことである。ステップ510でNOであれば、LMA/HA40は、受信したシグナリング・パケットを通常のPMIPv6動作で処理する(ステップ512)。
<MNの構成>
次に図9を参照してMN10の構成について詳しく説明する。図9はMN10のハードウエア、ソフトウエア及びファームウエアを機能的に示すブロック図である。MN10の機能は、概略的にはレイヤ3プロトコル・モジュール402Aと、レイヤ3より上位のレイヤ(層)のプロトコルを実行する上位層プロトコル・モジュール401Aと、レイヤ3より下位の層のプロトコルを実行する下位層プロトコル・モジュール408Aにより構成される。下位層プロトコル・モジュール408Aは、MN10の各インタフェースIfに関連する複数の層のプロトコル・モジュールにより構成され、下位層プロトコル・モジュール408Aの機能は、主にデータリンク層の制御及び伝送のメカニズムに関連している。
レイヤ3プロトコル・モジュール402Aは、詳しくは5つのサブ・モジュール(ユニット)、すなわちIPv6ルーティング・ユニット403Aと、MIPv6モビリティ管理ユニット404Aと、ホームPMIPドメイン用決定ユニット405Aと、マルチホーミング・サポートユニット406Aと、シグナリング最適化ユニット407Aにより構成される。ここで、図示されていないが、レイヤ3プロトコル・モジュール402Aは、各ユニット403A〜407A間のメッセージを伝達するためのインタフェースを有するものとする。また、各ユニット403A〜407Aはまた、関連するバインディングを有するものとする。
IPv6ルーティング・ユニット403Aは、近隣探索(neighbor discovery)、アドレス構成、及びIPv6の基本的なルーティングのメカニズムを担当する。MIPv6モビリティ管理ユニット404Aは、BUの実行及び登録解除のようなMIPv6モビリティ管理のメカニズムを担当する。マルチホーミング・サポートユニット406Aは、BIDの生成及びBUメッセージへのフラグHの添付のようなMONAMI6(非特許文献4:複数CoA登録)の機能を担当する。シグナリング最適化ユニット407Aは、MN10が本発明に係るCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を構成した場合の機能を担当する。ホームPMIPドメイン用決定ユニット405Aは、MN10がPMIPv6ドメインに接続(attach)しようとしているか否かを決定する場合の機能を担当する。ここで、当業者であれば、各ユニット403A〜407Aが適切なソフトウエア・インタフェースを必要とすることは明らかである。
最後に、上位層プロトコル・モジュール401Aは、MN10に備えられているトランスポート層やアプリケーション層のような上位の層のプロトコルを担当する。ここで、当業者であれば、上位層プロトコル・モジュール401Aが1つのブロックで示されているが、本発明を逸脱しない範囲で複数のブロックで構成されることは明らかである。
<LMA/HAの構成>
次に図10を参照してLMA/HA40の構成について詳しく説明する。図10はLMA/HA40を機能的に示すブロック図である。LMA/HA40は概略的には、ルーティング層すなわちレイヤ3プロトコル・モジュール501Aと、レイヤ3より下位の層のプロトコルを実行する下位層プロトコル・モジュール511Aの2つの機能エンティティにより構成される。なお、図示されていないが、モジュール501A、502Aの間には適切なインタフェースが存在する。レイヤ3プロトコル・モジュール501Aは4つのサブ・モジュールとして、IPv6ルーティング・モジュール502Aと、Monami6ルーティング・モジュール503Aと、PMIPv6ルーティング・モジュール504Aと、シグナリング最適化サポート・モジュール505Aを有する。
IPv6ルーティング・モジュール502Aは、1ホップ内の基本的なルーティングのメカニズムと、LMA/HA40の不図示のイングレス・インタフェース及びイーグレス・インタフェースのアドレス構成と、通常のパケットルーティング及び近隣探索のメカニズムを担当する。Monami6ルーティング・モジュール503Aは、マルチホーミング・シグナリングも処理可能なHAの機能を備えたマルチホーミング・モジュールである。ここで、モジュール503Aは特に、フラグHとBIDを処理することができ、また、個々にBIDを使用して1つのHoAに対する複数のCMIPv6バインディング・エントリを維持できるものとする。IPv6ルーティング・モジュール502AとMonami6ルーティング・モジュール503Aはシグナリング・インタフェース510Aを有し、シグナリング・インタフェース510Aは、CMIPv6タイプのシグナリング及びデータパケットを処理してそのデータパケットをルーティングするために重要である。
PMIPv6ルーティング・モジュール504Aは、純粋にLMAタイプの機能のすべてを担当する。LMAタイプの機能として、例えば複数のインタフェースIfを有するMN10のPMIPv6キャッシュを維持したり、MAG経由でMN10あてにパケットをトンネル化したり、受信したPBUメッセージを処理したり、送信すべきPBAメッセージを生成する。モジュール504Aはさらに、IPv6ルーティング・モジュール502Aとのシグナリング・インタフェース509Aを有し、シグナリング・インタフェース509Aは、PMIPv6キャッシュを用いてシグナリング及びデータパケットを処理してそのデータパケットをルーティングするために使用される。ここで、Monami6ルーティング・モジュール503AとPMIPv6ルーティング・モジュール504Aはそれぞれ、自身のBCEを有するものとする。また、PMIPv6ルーティング・モジュール504AとMonami6ルーティング・モジュール503Aは、非常に強く結合されているものとする。
ここで、CMIPv6キャッシュはPMIPv6キャッシュから別個に維持されるので、PMIPv6ルーティング・モジュール504AとMonami6ルーティング・モジュール503Aは別個に示されているが、CMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュを分離するシグナリング・メッセージ内にBIDとフラグHがないときにCMIPv6キャッシュがPMIPv6キャッシュを上書きできる場合には、PMIPv6ルーティング・モジュール504AとMonami6ルーティング・モジュール503A、及びCMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュは相互に動作する必要がある。前述したように、CMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュは、別個に設けられているにもかかわらず、相互に密接して動作する必要がある。ここで、当業者であれば、CMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュを別個に設けるのは、実際に用いられる形態に依存する。代わりとして、PMIPv6ルーティング・モジュール504AとMonami6ルーティング・モジュール503Aを図10に示すように別個に設けるが、CMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュは一緒に設けてもよい。
最後に、重要なシグナリング最適化サポート・モジュール505Aについて説明する。シグナリング最適化サポート・モジュール505Aは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を処理してCMIPv6キャッシュをMonami6ルーティング・モジュール503Aに生成するために設けられている。モジュール505Aは、モジュール503Aとの間でシグナリング・インタフェース507Aを介して通信するものとする。シグナリング・インタフェース507Aは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求などのメッセージや、CMIPv6キャッシュを生成・維持管理するのに必要なパラメータを転送するために使用される。
シグナリング最適化サポート・モジュール505Aはまた、MN10の他のインタフェースIf2がPMIPv6ドメインに接続(attach)しているか否かをモニタする。このモニタに関して、シグナリング最適化サポート・モジュール505Aは、PMIPv6ルーティング・モジュール504Aとの間にシグナリング・インタフェース506を必要とする。シグナリング最適化サポート・モジュール505Aは、PMIPv6ルーティング・モジュール504Aからシグナリング・インタフェース506を経由して、MN10の他のインタフェースIf2がPMIPv6ドメインに接続(attach)していることを知得すると、MN10がCMIPv6のBUメッセージを送信しないようMAGに通知することを決定する。この通知情報は、シグナリング最適化サポート・モジュール505Aで構成されてPMIPv6ルーティング・モジュール504Aに転送される。以上、LMA/HA40の望ましい構成について説明したが、本発明を逸脱しない範囲でLMA/HA40を構成することができる。
<第2の実施の形態>
次に、図11を参照して第2の実施の形態について説明する。図11に示すネットワークでは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の代わりに、CMIPv6のBUメッセージ送信停止要求シグナル615が追加されていることを除いて同じである。以下、図11に示した構成部材及びシグナルを簡単に繰り返して説明する。図11に示すネットワークでは、複数のインタフェース(3GセルラインタフェースIf1及びWLANインタフェースIf2)を有するMN200がインタフェースIf1、If2の両方を介してホームPMIPv6ネットワーク(ドメイン)204に接続(connect)されている。このとき、3GセルラインタフェースIf1は、ホームPMIPv6ネットワーク204のMAG201を介してLMA/HA203に接続(connect)され、また、WLANインタフェースIf2は、WLAN206のAR207と、ホームPMIPv6ネットワーク204のMAG202を介してLMA/HA203に接続(connect)されている。さらに、WLAN206はインタネット205に接続(connect)され、また、MN200は、インタネット205に接続(connect)されているCN214との間で通信している。
上記構成において、MN200が最初に3GセルラインタフェースIf1を介してMAG201に接続(attach)すると、MAG201がPBUメッセージ(シグナリング208)をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBC213に第1のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)が生成され、また、MN10がMIPv6のホームプリフィックスP1を参照する。同様に、MN200がMAG202に対するトンネル確立をトリガすると、MAG202がPBUメッセージ(シグナリング209)をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBC213に第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)が生成される。この結果、MN20はLMA/HA203により与えられる外部プリフィックスP2をIPSec完了メッセージ211で参照する。
ここで、MN200はCN214から、ホームプリフィックスP1から構成されたHoAあてのフローがWLANインタフェースIf2経由で来ることを希望するものとする。また、前述したように、MN10はインタフェースIf1、If2に対して1つのホームプリフィックスP1と1つのHoAのみを有するものとする。MN10はCN214から1つのHoAあてのフローがWLANインタフェースIf2経由で来ることを希望する場合、ホームとアウェイで接続(attach)することを示すフラグH付きのCMIPv6のBUメッセージ212をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBCE213に第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュ)を生成する。ここで重要なことは、フラグH付きのCMIPv6のBUメッセージ212は、第1のエントリE1であるPMIPv6キャッシュを上書きしない点である。したがって、3つのエントリE1、E2、E3がすべて共存し、LMA/HA203が異種のバインディング(PMIPv6キャッシュとCMIPv6キャッシュ)を維持することができる。
第2の実施の形態におけるLMA/HA203は、CMIPv6のBUメッセージ212をチェックして、CMIPv6登録(第3のエントリE3)を使用するのに第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)を必要とすることを検出する機能を有する。さらに、LMA/HA203は、CMIPv6のBUメッセージ212が継続する必要がないこと、及びLMA/HA203が第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)を用いてCMIPv6バインディングを生成及び維持管理できることものと推論する。LMA/HA203は、いったんこのように決定すると、その旨をCMIPv6のBUメッセージ送信停止要求シグナル615でMN200に直接に通知する。MN200はシグナル615を受信すると、CMIPv6のBUメッセージ212をこれ以上送信しない。ただし、MN200が外部プリフィックスP2でない新しいプリフィックスをドメイン204内で参照した場合と、LMA/HA203がこの最適化サービスを取り消す旨をMN200に通知した場合を除く。
WLAN206のセルがタイル状に連続している場合と連続していない場合の両方において、ホームのLMA/HA203から来る外部プリフィックスP2に対してMN200がCMIPv6のBUメッセージ212を継続して送信する場合の問題を解決する種々の変形例が考えられるが、これらは問題を最も効率的に解決する方法ではない。以下に、不具合な点を考察する。第1に、ホームのLMA/HA203がこの最適化のサービス又は可能性に関する決定を行う場合にある程度の複雑さがある。第2に、ホームのLMA/HA203が、ホームのLMA/HA203に属しない外部プリフィックスP2から構成されたCoAを無駄にサーチする(CoAのバインディングがPMIPv6バインディングを有するか否かをサーチする)。LMA/HA203がMN200から、第1の実施の形態のようなCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信しないので、LMA/HA203はMN200のWLANインタフェースIf2がどこに接続(attach)しているかを知得していないので、上記のCoAのサーチが無駄な努力となる。
第3に、LMA/HA203は、可能な最適化を識別するためにMN200のWLANインタフェースIf2からのBUメッセージを必要とする。ここで、第1の実施の形態では、MN200のWLANインタフェースIf2からのCMIPv6のBUメッセージ212は不要であり、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308で十分である。ただし、第2の実施の形態の利点は、MN200がホームPMIPv6ドメイン204に接続(connect)しているかを予測する必要がないが、MN200がWLANインタフェースIf2のインタフェース識別子とBIDをLMA/HA203に送信する必要があることにある。第2の実施の形態では、シグナリング負荷を減少させるために必要なすべての処理をLMA/HA203が実行する。多くのLMA/HAが存在する場合、これらのLMA/HA203に多くの処理負荷を負わせても実現可能である。
<第3の実施の形態>
次に、前述した図11を参照して第3の実施の形態について説明する。ここで、図11において、MN200がWLANインタフェースIf2を経由してホームPMIPv6ドメイン204に接続(connect)していることを知得しているものとする。その情報は、MN200がWLAN206のビーコンを参照して、MAG202がLMA/HA203とのトンネルを確立していることをMAG202から取得することができる。MN200は上記の情報から、CMIPv6のBUのシグナリング最適化を実行できるものと知得し、CMIPv6のBUメッセージ212をLMA/HA203に送信する。ここで、このBUメッセージ212は、LMA/HA203に接続(attach)した各インタフェースIf1、If2のBIDを含み、また、それらに非常に長い存続期間を記述する。第3の実施の形態のポイントは、MN200が非常に長い存続期間、接続(attach)した場合、MN200がBUをリフレッシュする必要がないことである。
この場合、MN200は、BUメッセージ212内に記述した存続期間より長くホームPMIPv6ドメイン204内をローミングした場合には、第3のエントリE3をリフレッシュする必要がある。また、LMA/HA203が非常に長い存続期間をアクセプトしない(長い存続期間のモビリティ・サービスを保証できない)場合には、LMA/HA203が受け入れる存続期間の最大の値をMN200が知得し、BUメッセージ212で通知してもよい。また、LMA/HA203は自身の負荷の状態に応じて、MN200からのBUをアクセプトしたり、リジェクトしたりするかもしれない。したがって、非常に長い存続期間のバインディングや、静的又はハードコードのバインディングは、LMA/HA203がアクセプトできないかもしれない。この場合、LMA/HA203からMN200に対して、長い存続期間のバインディングをアクセプトできるか否かを通知し、それに応じてMN200が長い存続期間を含むBUメッセージ212を送るべきか否かを判断してもよい。
また、WLAN206が図2に示したWLAN30、31のように連続していない場合、もし、WLANインタフェースIf2がオン、オフしたときに新しい外部プリフィックスP2がWLANインタフェースIf2に与えられると、外部プリフィックスP2に対して長い存続期間のBUメッセージ212を送信しないと判断してもよい。これにより、比較的短期間利用する外部プリフィックスに対しては通常のバインディングキャッシュとして扱わせることができる。また、MN200は複数のインタフェースIf1、If2を有するので、各インタフェースIf1、If2に対して長い存続期間のBUメッセージ212を送信する。第3の実施の形態の主な利点は、MN200の構成の変更が最小であることにある。拡張MIPv6タスク(Monami6の機能)を備えたMN200は、ソフトウエアを変更することなくシグナリング・ストームの問題を解決できる。
<第4の実施の形態>
さらに、同じ図11を参照して第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、LMA/HA203は、CMIPv6のBUメッセージ212をMN200から受信した場合に第2の実施の形態のシグナリング最適化を実行できるものと推論すると、BUメッセージ212の応答として、CMIPv6のBUメッセージ送信停止要求シグナル615の代わりに、非常に長い存続期間を記述したバインディング確認(BA)メッセージ(不図示)をMN200に送り返す。MN200は、このBAメッセージ内の存続期間が満了するまで新しいBUメッセージ212をLMA/HA203に送信しない。
ただし、第4の実施の形態においても、MN200は、BAメッセージ内の存続期間が満了するとCMIPv6キャッシュをリフレッシュする必要がある。第4の実施の形態の主要な利点は、より多くの処理負荷をMN側ではなくネットワーク側にシフトできることにある。さらに、第2の実施の形態と比べて、LMA/HA203の動作を簡略化できる。
<第5の実施の形態>
次に図12を参照して第5の実施の形態について説明する。図12において、MN200、MAG201、202、LMA/HA203、ホームPMIPv6ドメイン204、インタネット205、WLAN206及びCN214は図11と同じであるが、図11で示したCMIPv6のBUメッセージ212とBC713内の第3のエントリE3がない。
上記構成において、まず、図11と同様に、MN200が最初に3GセルラインタフェースIf1を介してMAG201に接続(attach)すると、MAG201がPBUメッセージ(シグナリング208)をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBCE713に第1のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)が生成され、また、MN10がMIPv6のホームプリフィックスP1を参照する。同様に、MN200がMAG202に対するトンネル確立をトリガすると、MAG202がPBUメッセージ709をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBCE713に第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)が生成される。
第5の実施の形態では、LMA/HA203がBCE713に第2のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)を生成するとき、両方のPMIPv6キャッシュが同じMN200に属することを、NAIを使用して推論できる。したがって、LMA/HA203は、PBUメッセージ209の応答であるPBAメッセージ711でMAG202に指示して、MN200が外部プリフィックスP2を参照したときに、図11で示したCMIPv6のBUメッセージ212を送信しないよう、MAG202がRA/IKEv2完了メッセージ712でMN200に通知する。さらに、LMA/HA203は、PBAメッセージ711でMAG202に指示して、MN200がホームプリフィックスP1に対するフローを複数のインタフェースIf1、If2にロードバランスするようにMAG202に通知させる。
第5の実施の形態の動作について詳しく考察する。LMA/HA203の構成は、LMA/HA203が同じMN200に属するBCE713の第1、第2のエントリE1、E2を識別し、更にホームプリフィックスP1あてのパケットを外部プリフィックスP2のPMIPv6キャッシュ(第2のエントリE2)を経由してルーティング可能であることを識別するように変更されている。そして、LMA/HA203はMAG202に対し、外部プリフィックスP2用に送信されるPBAメッセージ711でホームプリフィックスP1を通知し、MAG202がRAメッセージ712で特別なオプションを送信する。この特別なオプションは、MN200が外部プリフィックスP2を参照したときに、図11で示したCMIPv6のBUメッセージ212を送信しないようにMN200に通知するフラグである。ここで重要な点は、MAG202がPBAメッセージ711でホームプリフィックスP1を通知されているので、ホームプリフィックスP1用のパケットがMAG202にルーティングされたときに、MAG202はそのパケットを、外部プリフィックスP2から構成したアドレスのWLANインタフェースIf2に転送できることにある。
次に、第1の実施の形態と比較して第5の実施の形態の不具合について考察する。第1に、ホームPMIPv6ドメイン204内のMAG201、202の構成が変更されている。第2に、MN200は、ホームプリフィックスP1用のパケット(例えばQoSが高いVoIPの場合)が、安定している3GセルラインタフェースIf1のみに来るよう希望するかもしれない。すなわち、インタフェースIf1、If2の両方に来ることを希望しないかもしれない。MN200がこのような希望を有する場合、LMA/HA203がホームプリフィックスP1をMAG202に通知することは無駄となる。
第3に、MN200がホームPMIPv6ドメイン204内で2つのHoA(ホームプリフィックスP1から構成したHoA1と外部プリフィックスP2から構成したHoA2)を有する場合、MN200がこのシグナリング最適化サービスを希望しないかもしれない。なお、SHIM6(Site Multi-homing by IPv6 Intermediation)をMN200とCN214に備えてもよい。この場合にはマルチホーミングは既に実現できるので、LMA/HA203の動作は無駄となる。ここで、当業者であれば、LMA/HA203が理想的には、MN200から何かのトリガを取得した後にのみ、このシグナリング最適化をすべきであることは明らかである。その理由は、MN200のステート(備えられているプロトコル)と、希望する内容は通常、MN200のみが知得しているからである。第5の実施の形態の不具合について説明したが、第5の実施の形態の利点は、MN200がマルチホーミングを実現するためにホームPMIPv6ドメイン204内では如何なるシグナリングも実行する必要がないことにある。第5の実施の形態によれば、MN200はホームプリフィックスP1あてのパケットをすべてのインタフェースIf1、If2で受信できる。
<第6の実施の形態>
同じ図12を参照して第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態では、MN200がホームプリフィックスP1のパケットがインタフェースIf1、If2の両方(又はIf2)に届くことを希望するものとする。ただし、MN200はインタフェースIf1、If2に対して1つのホームプリフィックスP1と1つのHoAを有するものとする。MN200はホームプリフィックスP1をLMA/HA203に通知し、また、LMA/HA203に対して、ホームプリフィックスP1についての外部プリフィックスP2に関連するMAG202を通知するよう要求する。基本的に、そのMN200からの通知シグナリングは1回のみ必要である。
以下に詳しく説明する。MN200がホームプリフィックスP1をLMA/HA203に通知し、また、LMA/HA203に対してMNの他のインタフェースIf2に接続(connect)しているMAG202に対して、ホームプリフィックスP1について通知するよう要求する。この通知メッセージは、新しい種類の明示的なモビリティ・シグナリングメッセージである。LMA/HA203はこの通知メッセージを受信すると、ホームプリフィックスP1が有効なプリフィックスであることをMAG202に通知する。LMA/HA203は、MN200のインタフェースIf2がMAG202に接続(attach)したときにプリフィックスP1、P2をMAG202に通知することができる。ここで重要な点は、MAG202がホームプリフィックスP1についての情報をいったん取得すると、MAG202がこの情報を、MN200のインタフェースIf2が接続(attach)した他のMAGにCT(context transfer)で転送できることにある。このCTの動作は、古いMAGから新しいMAGの間でCTインタフェースが利用可能な場合にのみ可能である。
第6の実施の形態では、LMA/HA203においてホームプリフィックスP1のHoAあてに到着したパケットは、MAG202経由でトンネル化される。また、MN200のインタフェースIf2が移動したときにはいつでも、LMA/HA203が上記のホームプリフィックスP1についての通知メッセージを送信する。さらに、秘密性の高いデータフローにとって、MAG202経由のトンネル化は望ましくないが、MN200経由のトンネル化が可能である。第6の実施の形態の主要な利点は、MN200が、他のインタフェースIf2がホームPMIPvドメイン204に接続(attach)したことを予測する必要がなく、また、第1の実施の形態のようにインタフェースIf2のインタフェース識別子を送信する必要がないことにある。第1の実施の形態と比較して、第6の実施の形態では、MN200から来るシグナリングの負荷をやや減少できる。
<第7の実施の形態>
同じ図12を参照して第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態では、MN200がホームプリフィックスP1のパケットがインタフェースIf1、If2の両方(又はIf2)に届くことを希望するものとし、このため、MN200がホームプリフィックスP1をMAG202に通知する。MAG202はLMA/HA203からホームプリフィックスP1の証明(verification)を取得する。
以下に詳しく説明する。ここで、MN200は既に、インタフェースIf1がMAG201に接続(attach)しており、また、ホームプリフィックスP1をRAメッセージ210で参照しているものとする。次に、MN200は、WLANインタフェースIf2とMAG202との初期接続(initial attachment)の間のトンネル・セットアップメッセージでホームプリフィックスP1についてMAG202に通知する。MAG202はホームプリフィックスP1の情報を取得すると、その情報をPBUメッセージ709でLMA/HA203に送信する。LMA/HA203はPBUメッセージ709をMAG202から受信すると、MAG202に対して外部プリフィックスP2とホームプリフィックスP1が有効なプリフィックスであることを通知する。
基本的に、MN200は、WLANインタフェースIf2経由でホームPMIPvドメイン204内の各MAGに接続(attach)すると、ホームプリフィックスP1の証明(verification)のために上記のトンネル・セットアップメッセージを各MAGに送信する必要がある。なお、代わりに、MAG202がいったん、LMA/HA203からホームプリフィックスP1の確認を取得すると、この情報は他のMAGにCTで転送することができる。基本的に、各MAGはCTでホームプリフィックスP1と外部プリフィックスP2を転送することができ、MN200のWLANインタフェースIf2に接続(attach)したすべてのMAGは、有効なホームプリフィックスP1と外部プリフィックスP2を有する。このため、ホームプリフィックスP1のフローあてのデータパケットは、WLANインタフェースIf2に接続(attach)した各MAGにトンネル化できる。
第7の実施の形態では、ホームプリフィックスP1のパケットをインタフェースIf1、If2の両方で取得するために、シグナリングがコアネットワーク内で発生する。例えばホームプリフィックスP1の有効性をLMA/HA203に問い合わせるシグナリングと、WLANインタフェースIf2がホームPMIPvドメイン204接続(attach)したときに必ずMN200がホームプリフィックスP1を転送するシグナリングは、追加されたシグナリングである。第7の実施の形態の主要な利点は、MN200がホームプリフィックスP1をMAGに通知することのみを必要とすることにある。この通知はL2シグナルで可能である。したがって、シグナリング最適化を実現するために、MN200から発生するシグナリング負荷を第1の実施の形態より少なくすることができる。
<第8の実施の形態>
次に図13を参照して第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態では、MN200が外部PMIPv6ドメイン810をローミングしているときのHoAあてのパケットロスを防止する方法について説明する。ここでの想定では基本的に、LMA/HA203は、ホームプリフィックスP1のフローを、外部プリフィックスP2が与えられたMAG経由で送信できるものとする。また、基本的に、MN200のインタフェースIf2に接続(connect)したMAGは、MN200のホームプリフィックスP1に関してある機能を有するものとする。この機能は、LMA/HA203によりそのMAGに直接に提供してもよく、又は、最初にあるMAGに与えられて他のMAGにはCTで転送してもよい。
図13において、複数のインタフェースIf1、If2を有するMN200は、最初にインタフェースIf1、If2の両方を介してホームPMIPvドメイン202に接続(connect)するものとする。ここで、MN200は、最初にインタフェースIf1経由でMAG201に接続(connect)し、次いでインタフェースIf2経由でMAG202に接続(connect)するものとする。さらに、MN200が最初に接続(connect)するWLAN206がインタネット205に接続(connect)されているものとする。さらに、ホームPMIPvドメイン202が同様にインタネット205に接続(connect)されているものとする。
MN200が最初にインタフェースIf1経由でMAG201に接続(attach)すると、MAG201がPBUメッセージ(不図示)をLMA/HA203に送信してLMA/HA203のBC813に第1のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)が生成され、また、MN200がRAメッセージ(不図示)からホームプリフィックスP1を参照する。次いでMN200がインタフェースIf2経由でMAG202に対するトンネル確立をトリガすると、MAG202はPBUメッセージ(不図示)をLMA/HA203に送信してLMA/HA203のBC813に第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)が生成される。
ここで、LMA/HA203は第1、第2のエントリE1、E2を用いて、ホームプリフィックスP1から構成されたHoAあてに来るパケットをMAG202あてにトンネル化でき、また、MAG202はホームプリフィックスP1を通知されるものとする。また、MN200は、MAG201に未だ接続(attach)しているときに、WLANインタフェースIf2がMAG202から切断(disconnect)して、別の外部PMIPv6ドメイン810のMAG803に接続(attach)するものとする。このとき、基本的に、MN200はWLANインタフェースIf2経由で、外部PMIPv6ドメイン810のLMA/HA808から外部プリフィックスすなわちローカル・ブレークアウト・プリフィックスを参照する。そこで、MN200はCMIPv6のBUメッセージ812を外部PMIPv6ドメイン810経由でホームLMA/HA203に送信してLMA/HA203のBC813に第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュ)が生成される。
ここで、重要な点は、MN200がCMIPv6のBUメッセージ812をフラグH付きで送信して、LMA/HA203に対してHoAあてのパケットをWLANインタフェースIf2経由の送信を希望することにある。非常に可能性が低いケースとして、WLANインタフェースIf2が外部PMIPv6ドメイン810のLMA/HA808に接続(attach)してLMA/HA203のBC813に第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュ)が生成された後に、MAG202による第2のエントリE2の登録が解除されずに残っている場合があり、この場合にはパケットロスが発生する。その理由は、LMA/HA203は第2のエントリE2を使用してパケットをルーティングしてもよいからである。したがって、MN200がCMIPv6のBUメッセージ812を送信するときに、MN200が新しいオプションをBUメッセージ812に添付して第2のエントリE2はもう有効でないことを通知することが望ましい。この目的のため、BUメッセージ812内のオプション内に外部プリフィックスP2を送信することができる。
なお、MN202がWiMAXアクセスネットワークに接続(attach)した場合、MAG機能は、ワイヤレス・アクセスネットワークに位置するアクセスゲートウェイ(AGW)に共存している。さらに、信頼できないWLANアクセスネットワークにMNが接続(attach)した場合、MAG機能はそのePDGに共存している。さらにMNがE−UTRAN、UTRAN、GERANのような3Gアクセス経由で接続(attach)した場合、MAG機能はそのS−GW(Serving GateWay)に共存している。さらに、3GPPアーキテクチャでは、LMA/HA機能はP−GW(Packet data network GateWay)に共存している。
<第9の実施の形態>
第9の実施の形態では、図15に示す二重登録(BU1、BU2)の問題を解決するために、MNがLMA/HAに対し、PMIPv6ベアラがセットアップされるときにホームアンドアウェイ・バインディングを生成するよう要求する。図16〜図23を参照して第9の実施の形態について詳しく説明する。図16に示す想定では、MN1003は最初に、WiMAXインタフェースIf2(及びWiMAXアクセスネットワーク1001、MAG1006)経由で、ホームドメインであるEPC(evolved packet core)1000に接続(attach)し、次いでLTE(long-term evolution)インタフェースIf1すなわち3GインタフェースIf1(及びUTRAN、LTE、E−UTRANなどのアクセスネットワーク1002、MAG1005)経由でEPC1000に接続(attach)するものとする。
MN1003は、最初にWiMAXインタフェースIf2がWiMAXアクセスネットワーク1001に接続(attach)すると、MAG1006による認証が成功した後、MAG1006が管理するプリフィックスP2をシグナリング・メッセージ1007経由で参照する。図15と同様に、WiMAXインタフェースIf2のモビリティは、MIPv6メカニズムにより管理される。また、MN1003は、WiMAXインタフェースIf2経由で接続(attach)する処理を開始するときに、LTE/3GインタフェースIf1で接続(attach)する処理を開始する。MN1003は、最初にプリフィックスP2をWiMAXインタフェースIf2経由で参照すると、内部的にこれからLTE/3GインタフェースIf1経由で参照するであろうプリフィックス・タイプを予測して決定する。なお、LTE/3GインタフェースIf1経由で参照するプリフィックスP1のモビリティは、PMIPv6メカニズムにより管理されるものとする。
MN1003は、多くのファクタに基づいて、E−UTRANアクセスネットワーク1002に接続(connect)されるLTE/3GインタフェースIf1経由で参照するMIPv6ホームプリフィックスP1を予測することができる。第1のファクタとしては、非特許文献6に示すようにMIPv6−BUがLTE/3GインタフェースIf1経由で実行できない、つまりネットワークベースのローカル・モビリティ管理プロトコルが使われるので、MN1003は、WiMAXインタフェースIf2の電源をオフにした場合でもセッションが継続できるように、LMA/HA1004が常にホームプリフィックスP1を継続して付与するであろうと予測してもよい。
上記の予測に貢献する第2のファクタとしては、MN1003が1つのAPN(Access Point Name)によって示される1つのサービスタイプのみに加入していて、かつWiMAXバインディングがLMA/HA1004にセットアップされる場合、MN1003は、LMA/HA1004はUE1003に対してマルチホーミングを実現するために、MIPv6ホームプリフィックスP1を3G/LTEインタフェースIf1経由で付与すると予測する。APNは、3GPPではあるサービスタイプを特徴付ける。APNの詳しい説明は、非特許文献6に記載されている。MN1003が1つのPDNのみに加入している場合は、1つのAPNのみを保持しているため、LTEインタフェースIf1経由で接続(connect)したときにLMA/HA1004が同じMIPv6プリフィックスを割り当てるかもしれないと予測することは合理的である。
MN1003が複数のPDNに加入している場合は、複数のAPNを保持しているため、LMA/HA1004は、別のPDNにアクセスするために別のプリフィックスをLTEインタフェースIf1経由で割り当てるかもしれない。基本的に、複数のAPNの想定では、同時接続(connection)中は、P−GWは、異なるインタフェースに対して異なるPDNからのプリフィックスを割り当てるかもしれない。すなわち、マルチホーミングを実現するためにPDN1からのプリフィックスをWiMAXインタフェースIf2経由で、PDN2からのプリフィックスを3GインタフェースIf1経由で割り当てる。
上記の予測に貢献する第3のファクタとしては、MN1003がリアルタイムに関するフローをWiMAXインタフェースIf2経由で使用していて、次に3GインタフェースIf1経由に切り換える場合、ネットワークポリシーとして、3GインタフェースIf1の方がリアルタイムフローには理想的であるため、WiMAXインタフェースIf2からのフローを3GインタフェースIf1側に通過させたいという場合がある。ネットワークは、このフローを3GインタフェースIf1側に通過させたい場合、MIPv6プリフィックスをPMIPv6プリフィックスとして3GインタフェースIf1経由で送信する必要がある。MN1003は、上記のネットワークポリシーを知得している場合、MIPv6ホームプリフィックスP1を3GインタフェースIf1経由で参照するであろうと簡単に予測できる。
上記の予測に貢献する第4のファクタは、MN1003において静的に構成されたポリシーである。MN1003は、例えば「LTEリンクをMIPv6ホームリンクとしたい」というポリシーをHSS(Home Subscription Server)においてあらかじめ構成してもよい。MN1003は、「リアルタイムなフローを同時使用したい」という理由などによりこの静的なポリシーを構成していて、リアルタイムなサービスを提供するPDNにMN1003が加入している場合にこのポリシーをHSSに構成する。リアルタイムなサービスを提供するPDNとは、IMS(IP Multimedia Service)タイプである。別の理由として、LTEアクセスがリアルタイムなサービスに対してより良いQoSを提供し、リアルタイムなフローが3GインタフェースIf1に来ることをMN1003が望む場合がある。
上記の説明から、「MIPv6ホームプリフィックスP1を3GインタフェースIf1経由で参照するであろう」ということを予測する決定基準をMN1003が使用できることがわかる。MN1003は、この決定プロセスを完了すると、BUメッセージ1008をLMA/HA1004に送信する。BUメッセージ1008には、例えばMIPV6ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにホームアンドアウェイのバインディングを生成するようLMA/HA1004に要求する新しい情報を埋め込むことができる。以下、BUメッセージ1008に埋め込まれる情報を「ホームバインディング生成要求」又は「Hフラグ生成要求」と称す。ここで、当業者であれば、MN1003は、MIPv6ホームプリフィックスP1をLTEアクセス経由で参照するであろうということを予測できるので、ホームアンドアウェイのバインディングを生成するためにLMA/HA1004に送信するBUメッセージとして、図15に示す複数のBUメッセージ(BU1、BU2)ではなく、ホームバインディング生成要求を含む1つのBUメッセージ1008のみを送信すればよいことは明らかである。
LMA/HA1004は、BUメッセージ1008内の上記の「ホームバインディング生成要求」を処理して、応答メッセージ又はBAメッセージ1010をMN1003に送信する。BAメッセージ1010はMN1003に対し、「MIPV6ホームプリフィックスP1に対するPMIPv6ベアラがセットアップされるときに、Hフラグを生成することを要求するリクエストをサポートするか否か」を通知する。BUメッセージ1008はまた、このPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグを生成するトリガに加えて、PMIPv6ベアラを識別する何らかの情報を含んでもよい。この識別情報は、インタフェース識別子やAPN(Access Point Name)のようなパラメータでよい。
シグナリング・メッセージ1008は、種々の異なるタイプで送信することができ、後述する実施の形態に開示している。シグナリング・メッセージ1008内に埋め込まれる重要な情報は、MIPV6ホームプリフィックスP1に対するPMIPv6ベアラがセットアップされるときに、図17に示すCMIPv6キャッシュ1608のHフラグ・フィールドにHフラグを生成するようLMA/HA1004に要求する「ホームバインディング生成要求」である。加えて、メッセージ1008は、MIPv6ホームプリフィックスP1をPMIPv6プリフィックスとしてLTEインタフェースIf1経由で送信することを要求する情報を、LMA/HA1004がそのメカニズムを有しないときに含むことができる。このPMIPv6プリフィックスとしてMIPv6ホームプリフィックスP1を要求するのはオプションである。この要求は、ホームプリフィックスP1のフローに対して同時バインディングを実現するか否かのMN1003のポリシー次第である。
さらに、メッセージ1008は、LMA/HA1004におけるホームアンドアウェイのバインディングを実現するための他の情報を含むことができる。例えばメッセージ1008は、ホームに接続(connect)したインタフェースIf1のBID値をLMA/HA1004が生成することを要求するためのトリガを含むことができる。このBID生成トリガがメッセージ1008で送信されると、LMA/HA1004は、ホームに接続(connect)したPMIPv6ベアラのキャッシュに対してBID値を生成する。さらに、LMA/HA1004は、このBID値が、CMIPv6メカニズムにより取り扱われているインタフェースのBID値と異なることを保証する。このホームに接続(connect)したインタフェースIf1に対して生成されたBID値を有することにより、現在のメカニズムを使用してホームに接続(connect)されているインタフェースIf1に対してフィルタリングルールをセットすることが容易となる。代わりに、MN1003は、BIDオプションをメッセージ1008内に記述することができる。このBIDオプションは、ホームバインディングのBID値を示すために使用される。BIDオプションを用いて、MN1003は、LMA/HA1004にBID値を生成させる代わりに、自身でホームバインディングのBID値を記述することができる。
LMA/HA1004は、メッセージ1008を受信するとメッセージ1008を処理して、インタフェースIf1用のPBUメッセージ1009がLMA/HA1004に到着するのを待つ。ここで、LMA/HA1004は、CMIPv6バインディングを図17に示すエントリ1608に生成しているが、生成したCMIPv6バインディングには未だHフラグを挿入しない。LMA/HA1004は、MAG1005からインタフェースIf1用のPBUメッセージ1009が到着すると、PMIPv6バインディングを図17に示すエントリ1607に生成するとともに、CMIPv6バインディングにHフラグを挿入する。HフラグがCMIPv6バインディングに挿入されると、MN1003は、ホームに接続(connect)したインタフェースIf1と、外部ドメインに接続(connect)したインタフェースIf2経由で到着することができる。
ここで、重要なことは、メッセージ1008経由で送信された「ホームバインディング生成要求」すなわち「Hフラグ生成要求」は、PMIPv6ベアラがセットアップされるまでアクティブではないということである。HフラグがLMA/HA1004によりいったん挿入されると、MN1003は、MIPv6ホームプリフィックスP1あてのフローを全てのインタフェースIf1、If2経由で到着させることができ、マルチホーミングを実現することができる。
PMIPv6ベアラがいったんセットアップされると、LTEアクセスネットワーク1002側のMAG1005により、ホームプリフィックスP1がメッセージ1010で広告される。アクセスネットワーク1002がE−UTRANの場合、このホームプリフィックスP1は、接続(attach)が成功したMN1003に対し、MME(Mobility Management Entity)により広告される。当業者であれば、この実施の形態の解決策は、LTE/3GインタフェースIf1がブートアップされている一方で、WiMAXインタフェースIf2がハンドオフを実行中である場合や、両方のインタフェースIf1、If2が同時のモビリティを実行している場合にも適用することができることは明らかである。メッセージ1008がホームバインディングに関する情報(例えばBIDオプション(HoAをCoAフィールドに含む))を含む場合には、LMA/HA1004は、その情報を、生成したホームバインディングに適用する。
<LMA/HAにおけるBCE>
次に、図17を参照して、MN1003が「Hフラグ挿入要求」をLMA/HA1004に送信する場合に、LMA/HA1004において生成されるバインディングキャッシュの構造について説明する。図17は、特定のMN1003のみに関連するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)1600の構造を示す。LMA/HA1004は、ホームエージェント機能とローカル・モビリティ・アンカー機能を有するので、MN1003のために生成されるBCE1600は、PMIPv6キャッシュとCMIPv6キャッシュの両方を有することが考えられる。なお、当業者であれば、BCE1600は、LMA/HA1004がサービスする多数のMNのバインディング・キャッシュ・エントリを有することは明らかである。このバインディングキャッシュの構造は、非常に特有である。
マルチホーミング・パラメータがBUメッセージ1008でLMA/HA1004に通知されない場合には、CMIPv6エントリがPMIPv6エントリより優先することが一般的に考えられる。しかし、図17に示すようにバインディングキャッシュが例えばHフラグ及び/又はBIDオプションのような適切なマルチホーミング・パラメータを用いて生成される場合には、CMIPv6とPMIPv6の各バインディング・キャッシュ・エントリ1608、1607は同じ優先度を有し、MN1003あてのフローは、どちらか一方のエントリ1608、1607を使用してルーティングできる。
図17に示すBCE1600における第1のフィールド1601は、MN1003に関連するホームネットワーク・プリフィックス(ホームプリフィックス)P1又はホームアドレス(HoA)を示す。ホームネットワーク・プリフィックスP1は一般的にPMIPv6バインディング(図17の1607)に関連し、ホームアドレス(HoA)は一般的にCMIPv6バインディング(図17の1608)に関連する。なお、CMIPv6バインディングもホームネットワーク・プリフィックスP1に関連していてもよい。第2のフィールド1602は、フィールド1602がPMIPv6エントリ1607により生成される場合には、MAG1005のイーグレス・アドレス(MAG CoA)を示す。また、CMIPv6エントリ1608により生成されるフィールド1602は、MN1003のインタフェースに関連するCoA(MN CoA)を示す。第3のフィールド1603は、MN1003のインタフェースの識別子(IF−ID)を示す。ただし、フィールド1603は、MACアドレス、又は特定のインタフェースに付与されるインタフェース識別子を示すことができる。IF−IDのフィールド1603は、PMIPv6バインディングの場合には必須であるが、CPMIPv6バインディングの場合には使用されない。
次のフィールド1604は、MN1003のネットワーク・アクセス識別子(NAI)を示し、このNAIは、MN1003の一時的な識別子であっても永久的な識別子でもよい。NAIのフィールド1604は、PMIPv6バインディングの場合には必須であるが、CPMIPv6バインディングの場合には必須ではない。次のフィールド1605は、特定のバインディングのバインディング識別子(BID)を示し、特定のホームアドレスに関連する特定のバインディングを識別するために使用される。最後のフィールド1606は、CMIPv6エントリ1608に関連するHフラグを示す。
「ホームバインディング生成要求」がLMA/HA1004に到着したときにPMIPv6ベアラが未だ確立されていない場合、LMA/HA1004は、HフラグをCMIPv6エントリ1608のHフラグ・フィールド1606に挿入しない。LMA/HA1004は、PMIPv6キャッシュが生成されるまで待機し、PMIPv6キャッシュが生成されると、HフラグをCMIPv6エントリ1608のHフラグ・フィールド1606に挿入する。PMIPv6キャッシュが既に生成されている場合に、Hフラグを生成するCMIPv6要求が到着すると、LMA/HA1004は、Hフラグ付きのCMIPv6エントリ1608を生成する。
当業者であれば、MN1003がホームアンドアウェイの同時登録をLMA/HA1004に生成する方法が多くあることは明らかである。例えばHフラグはPMIPv6に関連付けすることができる。代わりに、フィールド1605におけるBIDオプション値がホームアンドアウェイの同時登録を示すことができる。
<Hフラグ生成要求メッセージのパケット構造>
本実施の形態で説明した「ホームバインディング生成要求」を送信する方法としては、種々の方法がある。前述した実施の形態では、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグをCMIPv6キャッシュに挿入することをLMA/HA1004に指示するための「ホームバインディング生成要求」は、BUメッセージ1008内の新しいオプションで行うことを記載したが、多くの変形例が考えられる。以下、詳細に説明する。
図18A、図18B、図18C、図18Dを参照して、「ホームバインディング生成要求」すなわち「Hフラグ挿入要求」を含む他の信号の構造について説明する。図18A、図18Bでは、「Hフラグ挿入要求」は、新しいモビリティ・ヘッダタイプで送信される。図18Aに示すパケット1410は、IPv6ヘッダ1411と、認証ヘッダ1412と新モビリティ拡張ヘッダ1413の各フィールドを含み、新モビリティ拡張ヘッダ1413のフィールドは、標準フィールド1414と、「Hフラグ挿入要求」を示す新フィールド1415を含む。図18Bに示すパケット1430は、IPv6ヘッダ1431と、認証ヘッダ1432と新モビリティ拡張ヘッダ1433の各フィールドを含み、新モビリティ拡張ヘッダ1433のフィールドは、標準フィールド1434と、BIDオプション1435のフィールドと、「Hフラグ挿入要求」を示す新フィールド1436を含む。なお、信号としてはMN1003がネットワークに接続した際に行うIKEv2メッセージを用いてもよい。
図18C、図18Dでは、「Hフラグ挿入要求」は、通常のBUヘッダタイプで送信される。図18Cに示すパケット1420は、IPv6ヘッダ1421と、認証ヘッダ1422とBUヘッダ1423の各フィールドを含み、BUヘッダ1423のフィールドは、標準フィールド1424と新モビリティ・オプション1425の各フィールドを含む。新モビリティ・オプション1425のフィールドは、「Hフラグ挿入要求」と、PMIPv6ベアラを識別するためのインタフェース識別子を含む。図18Dに示すパケット1440は、IPv6ヘッダ1441と、認証ヘッダ1442とBUヘッダ1443の各フィールドを含み、BUヘッダ1443のフィールドは、標準フィールド1444と、BIDオプション1445のフィールドと、「Hフラグ挿入要求」を示す新モビリティ・オプション1445の各フィールドを含む。IPv6ヘッダ1411、1421、1431、1441における送信元アドレスはMN1003のCoAであり、あて先アドレスはMN1003のホームエージェントであるLMA/HA1004のアドレスである。
以上、「Hフラグ挿入要求」を送信する種々のパケット構造について説明したが、他にも多くの方法がある。新しいオプションや新しいフィールドで送信する代わりに、例えば新しいフラグで「Hフラグ挿入要求」を送信することができる。さらに、「Hフラグ挿入要求」を、保留されている新しいBID値でも送信することができる。新しいBID値は、他の複数CoAバインディングには使用されないように保留されていることをグローバルに告知される。
また、他の方法として、「Hフラグ挿入要求」を第1の実施の形態において図6Aに示したL2フレーム307Bの信号でMN1003から、MN1003の代理ノードであるMAG1005に通知してもよい。この場合、MN1003は、PCO(Protocol Configuration Option)を用いることができる。MAG1005は、この「Hフラグ挿入要求」をLMA/HA1004に対し、PBUメッセージ1009内のPCO、又は新しいオプション又は新しいフラグで通知する。LMA/HA1004は、このPCO、又は新しいオプション又は新しいフラグを参照すると、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグをCMIPv6キャッシュに挿入する。なお、信号としては、アクセスネットワークに特有のメッセージを用いてもよい。
図6Aに示すL2フレーム307BにおけるプロトコルID303Bのフィールドは、L2より上位の層で発生するパケットのときにのみ値を有する。プロトコルID303Bの値は、「Hフラグ挿入要求」がL2で発生したときにはオール0である。しかし、「Hフラグ挿入要求」がL2で発生しても、「Hフラグ挿入要求」を送信する決定と、L2フレーム307B内に埋め込む関連パラメータはL3から来なければならない。「Hフラグ挿入要求」は、情報304Bのフィールドにより伝送される。オプションとして、情報304Bのフィールドは、CMIPv6バインディングのBIDを伝送してもよい。「Hフラグ挿入要求」は、図6Aに示すL2フレーム307B以外の他のフレーム構造でも送信することができる。
また、MN1003は、図6Aに示したL2フレーム307Bを用いて、MN1003の代理ノードであるMAG1005に対して、BIDをCMIPv6キャッシュに挿入する要求(BID挿入要求)を通知してもよい。このBIDは、MN1003が付与するか、又はMAG1005が生成することができる。代わりに、MAG1005は、CMIPv6キャッシュのBIDとしてインタフェース識別子を使用するようLMA/HA1004に要求するために、PBUメッセージ1009内の特別なフラグを関連付けしてもよい。ここで重要な点は、L2メッセージを使用するときには、WiMAXインタフェースIf2のために送信されるCMIPv6−BUメッセージ1008が、PMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグを挿入するためのトリガを含まないということである。
<MNの構成>
図19は、第9の実施の形態におけるMN1003の構成を説明するための機能的アーキテクチャ1300を示すブロック図である。機能的アーキテクチャ1300は、MN1003に備えるのに必要な全てのソフトウエア、ハードウエア及びファームウエアを示す。機能的アーキテクチャ1300は、3つのサブ・モジュールにより構成され、具体的には下位層プロトコル・モジュール1301と、レイヤ3プロトコル・モジュール1302と上位層プロトコル・モジュール1303により構成される。
下位層プロトコル・モジュール1301は、MN1003の各インタフェースIf1、If2に関連する複数の下位層プロトコル・モジュールにより構成され、この複数の下位層プロトコル・モジュールは、主にリンク層の制御及び伝送のメカニズムに関連している。レイヤ3(L3)プロトコル・モジュール1302は、5つのサブ・モジュール、すなわちマルチホーミング・サポートユニット1304と、IPv6ルーティング・ユニット1305と、MIPv6モビリティ管理ユニット1306と、Hフラグ生成要求ユニット1307と、ホームプリフィックス参照予測ユニット1308を含む。L3プロトコル・モジュール1302はまた、各ユニット1304〜1308間でメッセージを交換するための不図示のインタフェースを有する。また、各ユニット1304〜1308は、関連するバインディングリストを必要な場合に有する。
IPv6ルーティング・ユニット1305は、近隣探索と、アドレス構成と基本的なIPv6ルーティング・メカニズムを実行し、MIPv6モビリティ管理ユニット1306は、バインディングのアップデート及び登録削除のメカニズムのようなMIPv6モビリティ管理機能を実行する。マルチホーミング・サポートユニット1304は、BUメッセージ内のBIDを生成したり、Hフラグを添付したりする複数登録機能を実行する。Hフラグ生成要求ユニット1307は、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグを生成するようにLMA/HA1004に要求する「ホームバインディング生成要求」を構成する機能を有する。ホームプリフィックス参照予測ユニット1308は、種々の多くのファクタに基づいてホームプリフィックス参照を予測する機能を有する。ホームプリフィックス参照の予測については、既に詳しく説明した。当業者であれば、各ユニット1304〜1308は、実施するときには適当なソフトウエア・インタフェースを必要とすることは明らかである。
最後に上位層プロトコル・モジュール1303は、MN1003に備えるトランスポート層とアプリケーション層のような上位層プロトコルの機能を有する。当業者であれば、図19に示した機能的モジュールは、一例であって、本発明の範囲及び精神を逸脱しない限り、種々の実施方法があることは明らかである。
<MNの動作>
次に、図20に示すフローチャートを参照して、MN1003(3GPPではUE(User Equipment)と呼ばれる)の動作を説明する。MN1003はまず、ステップ1100を実行して、ホームプリフィックスP1を3GインタフェースIf1経由で参照するかもしれないか否かを予測する。この予測処理については、既に詳しく説明したので、ここでは繰り返して説明しない。ステップ1100における判断がNOの場合、すなわちMN1003は、ホームプリフィックスP1を3GインタフェースIf1経由で参照することを高い確率で予測できない場合には、ステップ1101に進み、通常の動作、すなわちHフラグなしのBUメッセージを送信する。ステップ1101では、マルチホーミングに関するパラメータも添付せず、また、新しいオプションも埋め込まないWiMAXインタフェースIf2用の通常のBUメッセージを送信する。
他方、ステップ1100における判断がYESの場合にはステップ1102に進み、MN1003は、「ホームバインディング生成要求」を追加した新しいBUメッセージ1008をホームエージェント(LMA/HA)1004に送信して、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグをCMIPv6エントリ1608に挿入するようにLMA/HA1004に要求する。MN1003は、ステップ1102においてこの新しい(すなわち、新しいオプションを含む)BUメッセージ1008を送信した後、HAからの応答であるACK信号(BAメッセージ1010)を待つ。
MN1003は、ACK信号を受信すると、ACK信号をチェックして、「ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにLMA/HA1004がHフラグをセットするという応答」が有るか否かをチェックする(ステップ1103)。HAがHフラグをセットする場合には(ステップ1103でYES)、MN1003は、ホームプリフィックスP1をLTEインタフェースIf1経由で参照しても、Hフラグ付きのBUメッセージ(図15に示す909)をLMA/HA1004に送信しないことを決定する(ステップ1104)。ステップ1103でNOの場合とは、MN1003がステップ1102で送信したBUメッセージ1008をLMA/HA1004が了解していない場合か、又はLMA/HA1004がMIPv6ホームプリフィックスP1をLTEインタフェースIf1経由で付与したくない場合かである。この場合には、MN1003は、通常の動作に戻って、ホームプリフィックスP1を参照するまで待機し、参照すると、BIDオプションにHフラグをセットしたBUメッセージ(図15に示す909)をHAに送信する(ステップ1105)。
<LMA/HAの処理>
次に、図21を参照してLMA/HA1004の処理について説明する。なお、第9の実施の形態のLMA/HA1004の構成については示されていないが、その機能的な構成は、第1の実施の形態における図10とほぼ同じであるので、図示を省略する。図21において、LMA/HA1004は第1ステップ1500では、受信したメッセージが、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6バインディングが生成されるときにHフラグを挿入するよう要求する新しいタイプのメッセージ(BUメッセージ1008、以下では「Hフラグ挿入要求メッセージ」)か否かをチェックする。ステップ1500においてNOの場合には、LMA/HA1004はステップ1501において、通常の動作としてPBU又はBUのメッセージのような他の標準のシグナリング・メッセージの処理を実行する。
他方、ステップ1500においてYESの場合には、LMA/HA1004はステップ1502において、Hフラグ挿入要求メッセージが到着した時点でPMIPv6バインディング(エントリ1607)がセットアップされているか否かをチェックする。ステップ1502においてNOの場合にはステップ1503に進む。この場合、CMIPv6バインディング(エントリ1608)が最初に生成されたが、LMA/HA1004のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグが挿入されると考えられる。このため、LMA/HA1004はステップ1503において、エントリ1608のCMIPv6バインディングを用いてパケットをルーティングする。他方、ステップ1502においてYESの場合には、LMA/HA1004のPMIPv6ベアラが既にセットアップされているので、LMA/HA1004はステップ1504において、エントリ1608においてHフラグ付きのCMIPv6キャッシュを生成する。
<第9の実施の形態の他の想定例>
図22は、3GGPネットワーク間でチェーン(Chained Scenario)が形成されているとなっている場合のシステムを想定している。この3GGPチェーンのシステムでは、外部ドメインであるEPC(VPLMN)1201におけるS−GW(Serving GateWay)1206がMN(UE1200)に対して、経路途中のモビリティ管理アンカーとして動作する。この想定では、UE1200に接続(attach)するMAGであるePDG1207が、P−GW(Packet data network GateWay)1205のアドレスと関連するバインディング・パラメータを、経路途中のモビリティ管理アンカーであるS−GW1206に送信する。さらに、S−GW1206は、受信したバインディング・パラメータをP−GW1205に送信して、PMIPv6バインディングをP−GW1205に生成する。
3GGPは、特に、UE1200がVPLMN1202に位置していて、プリフィックスを管理するノードが、HPLMN1201に位置するP−GW1205である場合に、上記のチェーンのアーキテクチャを使用してモビリティ管理を実現する。上記の経路途中のモビリティ管理アンカーが存在しない場合、UEがMAGに接続するたびに、新しいPMIPv6−BUメッセージがVPLMN1202からHPLMN1201に転送されなければならず、このため、ハンドオフ遅延を招く。UE1200がVPLMN1202に位置し、かつUE1200がMAGを変更しているときにS−GW1206が変化しない場合、そのS−GW1206は、バインディング・パラメータをP−GW1205に送信する必要がなく、VPLMN1201に位置するUE1200にとっては高速モビリティ管理が実現する。3GGPチェーンの想定の詳細は、非特許文献6に記載されている。
3GGPチェーンのシステムについて詳しく説明する。この想定例における主要な目的は、3GGPの非常に現実的なネットワーク・アーキテクチャではホームプリフィックスP1が遅延することを示すことにある。図22において、UE1200は、3GPPコアネットワークであってUE1200のHPLMN(Home Public Land Mobile Network)でもあるEPC(Evolved Packet Core)1201に対し、WiMAXインタフェースIとWLANインタフェースの2つを介して接続(connect)している。さらに、UE1200は、EPC1201のP−GW1205をホームエージェントとして構成していることが考えられる。さらに、UE1200は、WiMAXインタフェースがWiMAXアクセスネットワーク1204経由で接続(attach)し、かつWLANインタフェースがWLANアクセスネットワーク1203、及びVPLMN(visited public land mobile network)であるEPC1202経由で接続(attach)しているものとする。図22から明らかなように、WLANインタフェースは3GPPチェーンのアーキテクチャに接続(connect)されている。さらに、WiMAXインタフェースのモビリティがMIPv6メカニズムにより管理され、かつWLANインタフェースのモビリティがPMIPv6メカニズムにより管理されることが考えられる。このような想定例において、UE1200は、同時接続によりマルチホーミングを実現したい。
UE1200は、WiMAXインタフェースがWiMAXアクセスネットワーク1204に接続(attach)すると、アクセス認証(authentication)の完了後に、CoAを構成するために、アクセスゲートウェイ(AGW)1208にルーティングされるプリフィックスP2をプリフィックス広告メッセージ1209で取得する。さらに、UE1200は、WLANインタフェース経由の接続(attachment)処理を開始するものとする。しかし、WLANアクセスの接続認証(authentication)と資格認証(authorization)の成功後に、VPLMN1202側のePDG1207は、バインディング・パラメータをS−GW1206に送信し(シグナリング・メッセージ1211)、さらにS−GW1206は、PMIPv6バインディングをHPLMN1201側のP−GW1205に送信する(PBUメッセージ1212)。
上記の3GPPチェーンの想定において全てのPMIPv6ベアラをセットアップするのには、チェーニングプロセスためにある程度時間がかかる。図22において、UE1200は、AGW1208からのプリフィックス(P2とする)を参照したときには、未だPMIPv6プリフィックス(ホームプリフィックスP1とする)をWLANインタフェース経由で参照していない。
図22において、UE1200は、ホームプリフィックスP1をWLANインタフェース経由で参照するかもしれないと予測すると、「ホームバインディング生成要求」を含むBUメッセージ1210をP−GW1205に送信する。ここで、P−GW1205は、最初にBUメッセージ1210を参照してHフラグなしのCMIPv6キャッシュを生成し、S−GW1212からのPBUメッセージ1212を受信したときに、HフラグをCMIPv6キャッシュに挿入するものとする。ここで、当業者であれば、P−GW1205は、S−GW1212からのPBUメッセージ1212の前にUE1200からのBUメッセージ1210を最初に受信したときには、UE1200のホームアンドアウェイのバインディングを生成できることは明らかである。
<第9の実施の形態のさらに他の想定例:ホームに接続(connect)しているインタフェースがハンドオフする場合>
上記のホームアンドアウェイの同時登録の想定では、CMIPv6バインディングとPMIPv6バインディングが同時に行われなければならない。次に、変形例として、「ホームバインディング生成要求」が、ホームに接続(connect)しているインタフェースのハンドオフを取り扱う場合について説明する。ここで、外部に接続(connect)しているインタフェースは、未だ同じアクセスルータに接続(connect)している。図23を参照して詳しく説明する。MN1703は2つのインタフェースを有し、例えばWiMAXインタフェースは、WiMAXアクセスネットワーク1701経由でMAG1706に接続(connect)していることが考えられる。ここで、LTEインタフェースは、LTEアクセスネットワーク1702経由で最初はMAG1705に接続(connect)し、次にMN1703の移動により別のMAG1707に接続(connect)するものとする。さらにMN1703は、3GのLTEアクセスネットワーク1702により、MAG1705とMAG1707に接続(connect)するものとする。
上記の場合、MN1703は、ハンドオフ前のMAG1705からのメッセージ1711でホームプリフィックスP1を参照する前に、WiMAX側のMAG1706からのルータ広告メッセージ1708で付与されるプリフィックスP2を使用してCoAを生成して、「ホームバインディング生成要求」をBUメッセージ1709でLMA/HA1704に送信する。次にハンドオフ前のMAG1705からのPMIPv6−PBUメッセージ1710(PBU1)がLMA/HA1704に到着すると、LMA/HA1704におけるCMIPv6バインディングキャッシュにHフラグが挿入される。
ここで、「ホームバインディング生成要求」を含むBUメッセージ1709は、ハンドオフのPMIPv6−PBUメッセージ1712(PBU2)がBIDやHフラグのようなマルチホーミング・パラメータを含まなくても、ホームアンドアウェイ登録を削除しないようLMA/HA1704に通知するための新しい情報を含む。非特許文献5によれば、水平ハンドオフの場合は、PBUメッセージ1710、1712内にハンドオフ指示オプション(オプション値=3)を含む。このため、MN1703のホームに接続(connect)しているLTEインタフェースIf1が別のMAG1707に移動すると、MAG1707からLMA/HA1704に送信されるPMIPv6−PBUメッセージ1712(PBU2)は、水平ハンドオフ指示を含み、マルチホーミング・パラメータを含まないであろう。この場合、「ホームバインディング生成要求」を含むBUメッセージ1709が上記の新しい情報を含むので、PMIPv6−PBUメッセージ1712(PBU2)は、LMA/HA1704におけるホームアンドアウェイのステートを上書きせず、ホームアンドアウェイ登録を削除しない。ホームアンドアウェイのステートを削除できるのは、MN1703がLMA/HA1704に対し、ホーム又は外部に接続(connect)しているインタフェースの登録を解除するよう明示したときのみである。ホームに接続(connect)しているインタフェースの登録解除は、PMIPv6メカニズムにより行われ、外部に接続(connect)しているインタフェースの登録解除は、CMIPv6メカニズムにより行われる。
ホームアンドアウェイ同時接続の情報は、新しいトリガとして、ハンドオフ後の新しいMAG1707に送信することもできる。この新しいトリガとしては、L2特有のメッセージや、近隣探索に関するメッセージのようなL3特有のメッセージを使用することができる。ホームアンドアウェイに関する新しいトリガがMAG1707に送信されると、MAG1707は、この情報をハンドオフのPBUメッセージ1712(PBU2)でLMA/HA1704に送信する。このハンドオフのPBUメッセージ1712(PBU2)内のホームアンドアウェイの情報により、上記のハンドオフの想定例においてもLMA/HA1704におけるホームアンドアウェイのバインディングが維持される。
以上、最も実際的かつ望ましい実施の形態について説明したが、当業者であれば、本発明の範囲及び精神を逸脱しない範囲で構成及びパラメータについて種々の変形が可能であることは明らかである。例えば3GとWiMAXのインタフェースを例にして説明したが、本発明は、他の異なるアクセス技術タイプを有し、そのアクセス技術タイプのインタフェースをネットワークに接続(attach)する場合にも適用することができる。さらに、前述した想定例は3GPPに関するが、本明細書に記載した問題及び解決策は、異種のアクセスネットワークにより構成されていて、あるアクセス技術タイプ経由のあるモビリティ管理メカニズムの使用を制限する他の全てのSDOに適用することができる。
以上、本発明について実施の形態を参照して説明したが、当業者であれば、本発明を逸脱しない種々の変形が可能であることは明らかである。例えば上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
本発明によれば、特許請求の範囲に記載したように、以下のような発明が提供される。
(1)請求項1に記載のバインディングキャッシュ生成方法、又は請求項5に記載のバインディングキャッシュ生成システムにおいて、前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュの存続期間が満了した場合に前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを削除することを特徴とする。
(2)請求項1又は2に記載のバインディングキャッシュ生成方法、又は請求項5又は6に記載のバインディングキャッシュ生成システムにおいて、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームエージェントに登録された後に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持する要求メッセージを送信し、
前記ホームエージェントが、前記要求メッセージを受信した後、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記第1及び登録された第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するとともに、前記モバイルノードに対して前記要求メッセージを再度送信しないように通知することを特徴とする。
(3)請求項1又は2に記載のバインディングキャッシュ生成方法、又は請求項5又は6に記載のバインディングキャッシュ生成システムにおいて、前記ホームエージェントが、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するプロキシ・バインディング・アップデートメッセージを受信した場合に前記第2のプロキシ・バインディングキャッシュを生成するとともに、前記第1及び前記生成した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記モバイルノードに対して前記クライアントベースのバインディングキャッシュを登録する要求メッセージを送信しないように通知することを特徴とする。
(4)請求項16に記載のバインディングキャッシュ生成方法において、前記ホームドメインの各プロキシノードの間で、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するための情報を転送することを特徴とする。
(5)請求項1から4、及び14から17までのいずれか1つに記載のバインディングキャッシ生成方法において、前記モバイルノードが、前記ホームドメインから外部ドメインにローミングした場合に、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を前記外部ドメインを経由して前記ホームエージェントに通知することを特徴とする。
本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおいてクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して管理する場合のシグナリングを減少することができるという効果を有し、ホームドメインが3GのPMIPv6ドメインなどの場合に利用することができる。
また本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているときのバインディング登録のシグナリングを減少することができるという効果を有し、ホームドメインが3GのPMIPv6ドメインなどの場合に利用することができる。
本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法及びバインディングキャッシュ生成システムに関する。
本発明はまた、前記バインディングキャッシュ生成システムにおけるホームエージェント及びモバイルノードに関する。
現在、多くの通信装置がIPv6(Internet Protocol version 6)を用いて通信を行っている。また、モバイル装置に対してモビリティサポートを提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)は、下記の非特許文献1に示すようなMIPv6(Mobility Support in IPv6)を開発している。非特許文献1におけるモビリティサポートは、ホームエージェント(HA)と呼ばれるエンティティをモバイルノード(MN)のホームネットワークに導入することにより実現している。MNはHAに対し、外部リンクで取得した気付アドレス(CoA)を、バインディング・アップデート(BU)メッセージと呼ばれるメッセージを用いて登録する。HAはBUメッセージにより、ホームリンクから取得したアドレスであるホームアドレス(HoA)とMNのCoAの間にバインディング(位置情報)を生成することができる。HAはバインディングにより、MNのHoAあてのメッセージをインタセプトし、MNのCoAあてのパケットにカプセル化して転送する。なお、このパケットカプセル化は、受信したパケットを新しいパケットのペイロードにセットする処理であり、パケットトンネル化として知られている。
MIPv6における問題の1つは、ネットワーク接続(attachment)が変更するときごとや、バインディングの有効期間が満了するときに、MNが1つ又は複数のHAと通信相手(Correspondent Node:CN)を更新する必要があることにある。この更新により、高速で移動するMNが無線ネットワークに放出するシグナリングの負荷が増大する。さらに、ネットワーク接続(attachment)の変更ごとにCNとの間で行うハンドオフ確立時間(経路最適化が使用されているとする)は、ネットワーク接続(attachment)の変更ごとにRR(Return Routability)メッセージとBUメッセージの送受信が必要となるため、多くの時間を要する。このため、フロー又はコネクションに関連するセッションの間、ハンドオフ確立にかなりの時間を要するので、ジッタやパケットロスが発生する。このようなジッタは、VoIP(Voice over IP)や、マルチメディア及びビデオストリーミングのようにリアルタイムなアプリケーションにとっては好ましくない。さらに、パケットロスは、重要なテキストやデータの情報を伝送するフローにとっては好ましくない。パケットロスはさらに、TCP(Transmission Control Protocol)が重要なデータ、アプリケーションの転送に使用される場合、TCPのスループットを減少させる。
MIPv6の問題に注目すると、焦点は現在、ネットワークベースのローカル・モビリティ管理(Network-based Local Mobility-Management:NetLMM)プロトコルにシフトされる。IETFのNetLMMワーキンググループは、このプロトコルの作業を行っている。ネットワークベースのローカル・モビリティ管理は、地理的にローカルなネットワーク・セグメントに位置するMNのモビリティを、MNそれ自体よりもネットワーク・エンティティにより管理することに言及している。
MNにとって透過的なネットワークベースのローカル・モビリティ管理の目的を達成するために、MNはローカルドメイン内のどこでも同じプリフィックスを参照することを必要とする。上記のプリフィックスは、ルーティング階層の上位に位置するルータから取得されなければならない。そのルータは望ましくは、ローカル・モビリティ管理の利点が取得可能なようにローカルドメイン内のすべてのMNのデフォルト・ルーティングパスに位置する。上記のルータは、上記のプリフィックスのルートであって、上記のプリフィックスに対する到達性の情報すなわちルーティング情報(プリフィックスベースのルート)を有しなければならない。結果的に、このプリフィックスベースのルートは、ネットワーク・エンティティにより生成されなければならない。
NetLMMワーキンググループにより検討されている特別なネットワークベースのローカル・モビリティ管理プロトコルは、下記の非特許文献2に開示されているPMIPv6(Proxy Mobile Internet Protocol version 6)である。PMIPv6のプロトコルは主に、CMIPv6(Client Mobile IPv6)スタックを有しない通常のIPv6ホストに対して、ネットワークのローカルな部分におけるモビリティ管理サービスを提供するために設計されている。にもかかわらず、PMIPv6はCMIPv6スタックを有するノードにも有用である。その理由について説明すると、CMIPv6スタックを有するMNが外部のPMIPv6ドメインに位置していて、そのローカルドメイン内のあるインタフェースを介して同じプリフィックス(外部のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)/HAにおいてルーティングされる外部のPMIPv6ローカルプリフィックス)を参照する場合、そのMNは如何なるグローバルな登録も実行する必要がない。さらに、上記のCMIPv6スタックを有するMNは、ホームドメイン内にローミングしたとき、地理的な位置を変更しているにもかかわらず、自身のホームネットワーク・プリフィックスを継続して参照して位置登録に参加する必要がない。
以下に、非特許文献2に開示されているPMIPv6の概略を説明する。あるMNがあるPMIPv6に接続(attach)したとき、そのMNは、モバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)とアソシエート中に、自身のネットワーク・アクセス識別子(NAI)を提供する。MAGとは、MNが直接に接続(attach)しているルータであり、MNが制御下にあるローカル・モビリティ・アンカー(LMA)に対して、MNのプロキシとしてローカルな登録を実行するルータ(プロキシノード)である。NAIは接続認証(Authentication)の目的のために、AAA(Authentication, Authorization and Accounting)サーバに転送される。AAAサーバは、MNのネットワーク接続(attachment)を資格認証(Authorize)すると、接続認証(Authentication)が成功したことをMAGに通知するためにレスポンスを送り返す。上記のレスポンスでは、AAAサーバはさらに、LMAアドレスと、MNがローカルドメイン内をローミング中に備える必要があるアドレス構成モード又は特別なポリシーのような幾つかのMNプロファイルを提供する。
MAGは上記のMNのパラメータを取得すると、プロキシBU(PBU)メッセージをLMAに送信する。MAGはPBUメッセージの応答であるプロキシ・バインディング確認(PBA)メッセージから、MNの接続(attach)しているインタフェースに関連するプリフィックスを取得した後、ホームリンク及びローカルホームリンクをエミュレートする。上記のようにMAGが実行するPBUメッセージすなわちローカルな登録は、このメッセージがPBUメッセージであることを示すフラグのみを除いてMIPv6のBUメッセージと同一である。PBUメッセージを実行することにより、MNの到達性のステートがLMAにおいて生成される。基本的には、LMAは、PMIPv6ドメインで取得されたMNプリフィックスに対する到達性のステートを有し、このMNプリフィックスに対して到達可能なアドレスはMAGのアドレスである。
MNはステート有り(stateful)又はステート無し(stateless)のアドレス構成モードを用いて、PMIPv6ドメインで受信したプリフィックスを用いてアドレスを構成する。各MNはユニークなプリフィックスを取得するので、LMAにおけるプリフィックスベースのキャッシュは、MNに十分に到達する。LMAに到着した各データパケットは、MNに接続(connect)しているMAGにトンネル化され、また、MNからMAGに到着した各データパケットはLMAにトンネル化される。MAGの近隣(neighbor)キャッシュテーブルは、MNのPMIPv6ローカルアドレスと、MNにパケットを伝送するのに使用されるリンク層アドレスをバインディングする。
次に、MNが複数の通信インタフェースを有していて各インタフェースが異なるアクセス技術に属する場合、又はMNが1つのインタフェースを有していてその1つのインタフェースが複数の異なるプリフィックスを処理可能であって同じインタフェースに対して複数の異なるアドレスを構成可能な場合の広い意味のマルチホーミングについて説明する。非特許文献2に開示されているPMIPv6のプロトコルは、複数のインタフェースを有していてすべてのインタフェースが同時に接続(attach)するMNをサポートできるように設計されている。基本的には、各インタフェースには1つのユニークなプリフィックスが割り当てられ、PMIPv6のプロトコルは、PMIPv6ドメイン内をローミング中、各インタフェースが同じプリフィックスを参照することを保証している。したがって、複数のインタフェースを有するMNにとって、PMIPv6の複数のバインディングがLMAにおいて維持され、また、各バインディングはユニークなプリフィックスにより識別される個々のモビリティ・セッションとして維持される。
下記の非特許文献4には、MIPv6機能を備えたMNが外部ドメイン内をローミングしたときにマルチホーミング・サポート機能をいかにHAにおいて提供するかが記述されている。非特許文献4におけるマルチホーミング・サポート機能は、マルチホーミングの利点が取得可能なように、MNの1以上のインタフェースに関連する個々の気付アドレス(CoA)を介してパケットを到達させるメカニズムである。MNが外部ドメイン内をローミングすると、マルチホーミング・サポートを行うためには、MNのホームプリフィックス用の地理的なアンカーポイントとなるHAは、MNのCoA用のバインディング情報を有する必要がある。このバインディング情報は、ホームアドレス(HoA)とMNの1以上のインタフェースに関連する個々のCoAのマッピングである。非特許文献4には、複数のバインディングを個々に同時に維持するために、バインディング識別子(BID)を使用することが記述されている。このBIDは各インタフェース、すなわち各インタフェースのCoAをユニークに識別する。BIDはローミングするMNにより生成されて、バインディング登録の際にHAに転送される。HAはBIDを使用して、1つのHoAあてのパケットを個々のCoAに到達可能にする登録を維持することができる。
3GPP(Third Generation Partnership Project)は、例えばワイヤレス・ローカルエリア・ネットワーク(WLAN)と、セルラネットワーク又は第3世代(3G)セルラネットワークや第3.9世代、第4世代などと、WiMAX形式のワイヤレスのワイドエリア・ネットワーク(WAN)のような種々の形式の無線アクセスネットワークを有するグローバルな異種ネットワーク結合構造について作業を行っている。グローバルな異種ネットワーク結合構造は、シームレスなモビリティを実現して、リアルタイムなビデオ、VoIP(Voice over IP)、情報、重要なデータなどの異種のアプリケーションサービスを高いサービス品質(Quality of Service)でサポートするのに有用である。下記の非特許文献3には、PMIPv6が3GPPローカルドメインにおけるローカル・モビリティ管理(LMM)プロトコルとして採用されるであろうことが開示されている。3GPPローカルドメインは、3Gセルラネットワークと、信頼性のある(Trusted)又は信頼性のない(Untrusted)WLANアクセスネットワークやWiMAXアクセスネットワークにより構成されるかもしれない。さらに、複数の異種のインタフェースを有するMNが3GPPローカルドメインをローミングして、種々の形式のインタフェースを介して同時接続(attach)してマルチホーミングを実現する必要がありそうである。また、他の従来技術としては、下記の非特許文献5、6、7及び特許文献1〜10に開示されているものがある。
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次に、MNが同じホームLMA/HAからホームプリフィックスと外部プリフィックスを参照して、外部プリフィックスを参照するインタフェースの到達性を実現したい場合の問題点について説明する。図14に示す例では、MN200の複数のインタフェースとCN214の間の通信は、まず、3GPPネットワークであるホームPMIPv6ネットワーク204のLMA/HA/ホームPDN(Packet Data Network)ゲートウェイ203とMAG/3Gサービングゲートウェイ(S-GW)201(及びインタネット205)を介して行われている。次いでMN200の複数のインタフェースのうちの1つがネットワーク206のアクセスルータ(AR)207に接続(connect)すると、MN200の複数のインタフェースとCN214の間の通信は、ホームPMIPv6ネットワーク204のLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203とMAG/ePDG(evolved Packet Data Gateway)202(及びインタネット205)を介して行われる。MN200が新たに接続(connect)するネットワークは、信頼性のないアクセスネットワーク(Untrusted Access Network)であり、例えばWLAN206である。
図14に示すシステム例では、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203では、MN200のPMIPv6登録とCMIPv6登録が発生する。LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203において想定される基本的な動作に着目すると、まず、MN200の複数のインタフェースにそれぞれ異なるプレフィックスを割り当てることで、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、MN200の各インタフェースにそれぞれ関連する異なるプリフィックスによる個々のPMIPv6キャッシュ(バインディングキャッシュ213の第1のエントリE1及び第2のエントリE2)を維持するものとする。
次に、CMIPv6キャッシュについては、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、MN200の各インタフェースに異なるHoAが割り当てられたときは、それぞれのHoAに関するCMIPv6キャッシュとして別々に管理するか、又は非特許文献4に開示されているようにすべてのインタフェースに対して同じHoAが割り当てられたときには、BIDを用いることで、1つのCMIPv6キャッシュに対して関連付けられたそれぞれのインタフェースを区別する。図14に示されているバインディングキャッシュ213の第3のエントリE3は、P1から生成されたアドレスをHoAとし、P2から生成されたアドレスをCoAとしてCMIPv6キャッシュを構成している。また、このとき、PMIPv6のプロトコルが複数のプリフィックスを用いているので、あるPMIPv6キャッシュ(第1のエントリE1)は、同じプリフィックスから生成されたHoAを有し、BID又はインタフェース識別子を有さないCMIPv6バインディングで置換できるのみであるものとする。基本的には、PMIPv6キャッシュをCMIPv6キャッシュで更新する場合、又はその逆の場合、BID/インタフェース識別子は、主要なパラメータでないものとする。例えば、もしPMIPv6キャッシュがCMIPv6登録要求と同じBID/インタフェース識別子を有するが、PMIPv6登録とCMIPv6登録のプリフィックスが異なる場合には、PMIPv6登録とCMIPv6登録はお互いに上書きされず、並列に存在する。
この動作は以下の具体例により明らかである。図14において、MN200の3GセルラインタフェースIf1がMAG/3G・S−GW(サービングゲートウェイ)201に接続(attach)し、また、MN200のWLANインタフェースIf2がMAG/ePDG202に接続(attach)するものとする。さらに、MN200のWLANインタフェースIf2は、AR207に直接接続しており、MAG/ePDG202に対してIPsec トンネルインタフェースを介して接続(attach)するものとする。基本的には、MAG/ePDG202は、3GPPネットワークであるホームPMIPv6ネットワーク204(以下、ホームPMIPv6ドメイン)に対しては信頼性のあるゲートウェイである。さらに、WLAN206はインタネット205に接続(connect)され、また、ホームPMIPドメイン204もインタネット205に接続(connect)される。
MN200はLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203からプリフィックスを取得しアドレスを生成する。しかし、MN200はWLANインタフェースIf2用として、もう1つのアドレスを構成する。そのアドレスは、プリフィックスがAR207のプリフィックスに直接に関連する不変でないアドレスである。この不変でないアドレスは、パケットをMAG/ePDG202にトンネル化するためだけに使用される。
MN200の3GセルラインタフェースIf1が最初にホームPMIPドメイン204に接続(attach)してレイヤ2のアクセス認証が成功すると、MAG(MAG/3G・S−GW)201がLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203との間でPBU/PBA動作(図のシグナリング208)を実行し、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203がPBAメッセージ(208)でホームプリフィックスP1を割り当てる。このときのMN200に関するLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203におけるPMIPv6登録は、バインディングキャッシュ(BC)213の最初のエントリE1である。この最初のエントリE1は、ホームプリフィックスP1と、MAGアドレスとしてMAG/3Gサービングゲートウェイ201のアドレスMAG1と、MN−IDであるNAIと、If−IDとしてIf1−IDが対応している。この内容は非特許文献2で説明されているので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、MN200のWLANインタフェースIf2がWLANドメイン206に接続(attach)すると、MN200は、まず不変でないアドレスを取得、すなわちAR207のプリフィックスから不変でないアドレスを構成し、次いでドメイン・ネームサーバ(DNS)クエリを実行してePDGアドレスを取得する。MN200はePDGアドレスを取得すると、インタネットキー交換(IKEv2)手続をMAG/ePDG202と開始してセキュアなトンネルを確立する。トンネルの確立手続中は、レイヤ3の認証パラメータが転送され、認証が成功すると、MAG/ePDG202は、PBU/PBAメッセージ(図のシグナリング209)をLMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203とやり取りし、ホームプリフィックスP1に対してローカルプリフィックス(外部プリフィックス)として使用するプリフィックスP2が取得されてMN202に転送される(図のシグナリング211)。シグナリング211は、IPsecトンネル確立確認メッセージを示す。PBU/PBAメッセージ(図のシグナリング209)によりBC213に生成される登録が第2のエントリE2である。第2のエントリE2は、外部プリフィックスP2と、MAGアドレスとしてMAG/ePDG202のアドレスMAG2と、MN−IDであるNAIと、If−IDとしてIf2−IDが対応している。なお、プリフィックスP1をホームプリフィックス、プリフィックスP2を外部プリフィックスと称しているが、これはエントリE3におけるHoAとCoAの関係を基にしている。よって、プリフィックスP2を用いてCNと通信を行う場合には、プリフィックスP2がホームプリフィックス、プリフィックスP1が外部プリフィックスとみなされる。
ここで、MN200は外部プリフィックスP2をWLANインタフェースIf2経由で参照した場合、到達性を実現するために、非特許文献4で説明されている、ホームネットワークと外部ネットワークから同時に接続する際に送信するCMIPv6登録をWLANインタフェースIf2経由で送信してマルチホーミング機能の取得を希望する場合を考える。なお、このCMIPv6登録メッセージには、エントリE3を生成するための情報(HoA(P1)及びCoA(P2))が含まれているが、同じプリフィックスP1に関する既存のエントリE1を無効化しないために、E1と独立にE3を生成することを示す情報(フラグHをセット、またはE1のBIDと異なるE3用のBID)が含まれている。このようにMN202のすべてのインタフェースを使用すると、帯域が広くなってMN202の幾つかのフローのQoSを増大することができる。また、MN200はこれらのフローがWLANインタフェースIf2のみの経由で到達することを希望するかもしれない。この場合、フラグH付きのCMIPv6登録212を送信して、CN214からのあるフローについてはWLANインタフェースIf2のみの経由で到達するようにフィルタ・ルールを適切化するかもしれない。なお、フラグHについては非特許文献4で説明されているので、詳細な説明を省略する。
MN200がフラグH付きのCMIPv6登録212を実行した場合にバインディングキャッシュ213に生成される登録が第3のエントリE3である。第3のエントリE3は、ホームプリフィックスP1から生成したHoAと、CoAとして外部プリフィックスP2から生成したCoA(P2)と、MN−IDであるNAIと、If−IDとしてフラグHが対応している。ここで重要な点は、第3のエントリE3がどのように維持されるかである。なお、フラグHはホームエージェントにおいてホームとアウェイの両方に接続したことを示すエントリを生成するために用いられる。LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、フラグHが存在するCMIPv6登録212をアクセプトして第3のエントリE3としてCMIPv6エントリを生成する。第3のエントリE3は第1のエントリE1を上書きしない。
もし、MN200がインタフェース識別子If1−IDが付加されたCMIPv6BU(すなわちBID=If1−ID)を送信すると、このCMIPv6BUは第1のPMIPv6エントリE1を上書きしてしまい、マルチホーミング機能が喪失する。したがって、MN200がBID付き又はフラグH付きのCMIPv6登録212を送信することができ、また、このBIDは、第1のPMIPv6エントリE1がCMIPv6登録212により上書きされないようにインタフェース識別子If1−IDと異なるべきである。ここで、もしMN200がインタフェース識別子If2−IDと等しいCMIPv6登録を送信すると、第2のPMIPv6エントリE2は、このCMIPv6登録により上書きされない点が重要である。この理由は、PMIPv6のプロトコルがインタフェースごとにユニークなプリフィックスを採用しており、このため、PMIPv6キャッシュがCMIPv6キャッシュにより置換されるのは、PMIPv6キャッシュのプリフィックスが新しいCMIPv6BUメッセージのホームアドレスのプリフィックスと一致するときのみであるからである。
ここで、BC213内のエントリE1、E2、E3を参照すると、CMIPv6登録が直接に第2のエントリE2に関連することは明らかである。さらに、当業者であれば、エントリE3を使用した場合に生成されるCoA(P2)宛のパケットをルーティングするためには、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、BC213内においてプリフィックスP2がPMIPv6登録を有するか否かをチェックしなければならないことは明らかである。WLANインタフェースIf2にパケットを正確にルーティングするためには、このような回帰的なトレーシングが必要となる。LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は、MAG202のアドレスMAG2を発見したときのみ、CoA(P2)にパケットを正確にルーティングすることができる。
重要なことは、MN200あてのすべてのパケットが、プリフィックスP1から生成した1つのHoAに到着することである。LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ203は基本的に、第1のエントリE1(PMIPv6エントリ)又は第3のエントリE3(CMIPv6エントリ)を使用して、HoAあてのパケットをルーティングする。上記の説明から、CMIPv6バインディングキャッシュの内容が変化しない想定では、CMIPv6バインディング・キャッシュ(第3のエントリE3)は非常に静的であることが分かる。そこで、本発明では、CMIPv6エントリE3を生成するためのシグナリングを最適化するメカニズムを提供することにある。
ここで、特許文献1に開示されている方法は、動的なローミングサービス契約を生成する際の問題を追求している。この方法では、外部ネットワークに接続(attach)したマルチモード端末(MMT)が、MMTが提供するパラメータを用いてホームネットワークにより発見される。このパラメータは、外部に接続(connect)したMMTのインタフェースを介して取得される。ホームネットワークは、MMTにより与えられる外部ネットワーク識別子を使用して動的なローミング契約を生成する。このMMTによるシグナリングは継続的である必要はない。MMTは、例えばネットワークタイプ、オペレータコード、WLANのSSID(Service Set IDdentifier)のようなセルロケーションデータ又は基地局のSSIDの情報を提供してもよい。ホームネットワークは、基本的にはこれらのデータから、外部ネットワークのパラメータを識別し、フライ契約を生成する。
特許文献1に記載されている方法は、図14で説明したシグナリング最適化を取り扱っていないが、ホームネットワークに対して、外部ネットワークに接続(connect)したインタフェースを使用する外部ネットワークについての情報を提供する。この情報は一回だけ提供されるが、ホームネットワークにおいてバインディング・エントリを生成することと関係がない。
特許文献2には、ホームネットワーク内の複数のHA間でシグナリングを同期させる際の問題を解決する方法が開示されている。ロードバランシングとしてはホームネットワーク内の複数のHAを用いることが有用である。エラー発生に備えて、また、システムが動的なロードバランシングに適合するために、1つのHAのバインディングキャッシュ・エントリ(BCE)が他のHAにもストアされる。ただし、MNがアイドルステートのときには、すべてのHAにBCEをストアする必要はない。特許文献2に開示されている方法では、MNはHAに対してBUメッセージを送信する際、MNがアクティブステートか又はアイドルステートかを示す情報を共に送信する。この情報が複数のHA間でシグナリングを同期させるために使用される。MNがアクティブステートに移行すると、この情報を含むBUメッセージがすべてのHAに送信されるが、アクティブステートに移行しなければ、この情報はすべてのHAに送信されない。この方法は、図14で説明したシグナリング・ストームの問題を解決しているが、本発明とは異なる。すなわち、特許文献2では、MNがアクティブステートか又はアイドルステートかを示す情報を提供しているが、HAにおけるBCEを生成するためのインタフェース・バインディングに関する情報を提供していない。
特許文献3には、MNが複数のインタフェースを有し、すべてのインタフェースが外部ネットワークに接続(connect)したときに、HAとCNにバインディング・アップデートを行うシステムが開示されている。MNが複数のインタフェースを有する場合、すべてのピア・エンティティに位置登録を送信すると、シグナリング負荷が増大する。特許文献3ではシグナリング負荷を減少させるために、MNがあるCoAをHAに対してアップデートし、他のCoAをCNに対してアップデートする。この方法によれば、シグナリング効率を実現することができる。しかしながら、MNは、MNに起因するシグナリング負荷を減少させる賢い決定をするが、MNは、BUメッセージを継続して送信する必要がある。図14における課題は、ホームPMIPv6をローミングする際のMNのシグナリングを完全に除去することにある。
特許文献4には、非特許文献2のPMIPv6と同様な方法が開示されている。特許文献4におけるネットワークは、ローカル・モビリティ・ドメインのアクセスルータと、このアクセスルータに接続(connect)しているワイヤレス・アクセスポイントを含み、ワイヤレス・アクセスポイントがMNのプロキシとなる。ローカル・モビリティ・ドメインのアクセスルータは、MNのプロキシCoAを保持し、MNあてのパケットが到来すると、プロキシCoAをワイヤレス・アクセスポイントのローカルアドレスに置換する。ワイヤレス・アクセスポイントのローカルアドレスは、MNには見えない。この方法は、MNに関連するシグナリング負荷を減少させることができるが、複数のインタフェースを有するMNがPMIPv6ドメイン内をローミングするときのシグナリングを減少させることはできない。
以上説明したように、従来技術では、複数のインタフェースを有するMNが、1つのホームLMA/HAを有するPMIPv6ドメイン内をローミングする際に、あるインタフェースに対するパケットの到達性を確保するためには、そのインタフェースに割り当てられているプリフィックスから生成されるアドレスをCNとの通信に使用しているアドレスに対して関連付けるためにCMIPv6登録のシグナリングを送信する必要がある。しかしながら、通常のCMIPv6登録によって生成されたキャッシュを維持するためには、MNがHAに対して定期的にシグナリングを送信してキャッシュを更新する必要がある。また、移動して別のアドレスを得た場合には、登録済みのキャッシュを削除・更新する必要がある。これらによって、MNが送信するシグナリングによるトラフィックの増加が発生してしまう。
次に着目する問題は、複数のインタフェースを有するMNが、この複数のインタフェースを経由した同時接続(connectivity)を実現するために複数のバインディングをコアネットワークに登録する場合である。この同時接続を実現するための複数のバインディング登録の問題は、解決する必要がある。その理由は、不必要なシグナリングは、MNのバッテリ電源を無駄に消費し、ワイヤレス・アクセスネットワークに対するシグナリング負荷を増大するからである。ワイヤレス・アクセスネットワーク及びバッテリの資源は、限りがあり、不必要なシグナリングを避けることにより保護する必要がある。
この問題は、複数のインタフェースを有するMNがコアネットワークに接続(attach)していて、1つのインタフェースがホームリンクに接続(attach)し、かつ他のインタフェースが外部リンクに接続(attach)しているという想定の場合に顕著である。ホームリンクとは、MNが非特許文献1に記載されているホームプリフィックスを参照しているリンクであり、ホームプリフィックスも非特許文献1に定義されている。ホームプリフィックスとは、ホームエージェントによって管理されているプリフィックスであって、MNのMIPv6ホームアドレスを構成するのに使用されるプリフィックスである。
複数のバインディング登録の問題の主要な理由は、ホームパスのセットアップの遅延に依る。ホームパスのセットアップの遅延が発生するときとは、ホームプリフィックスのモビリティが3GPPのようなPMIPv6メカニズムにより管理されるときである。ローカルドメインにおけるPMIPv6メカニズムの動作は、非特許文献5に説明されている。ホームリンクが3GPPリンクでない場合、すなわちホームリンクが3GPPアーキテクチャにより管理されていない場合や、ホームプリフィックスのモビリティがPMIPv6によって管理されていない場合、MNはホームリンクを速やかに検知できるかもしれないが、ホームパスのセットアップの遅延の問題は、実際のホームリンク検出動作に依存する。したがって、ここでの問題は、ホームプリフィックスのモビリティがPMIPv6メカニズムにより管理され、かつホームリンクのセットアップが遅延する全てのネットワークに適用することができることは明らかである。この問題については、図15を参照して説明する。また、当業者であれば、ここでの問題は、ホームプリフィックスのモビリティがGTP(Generic Tunnelling Protocol)メカニズムにより管理される場合にも適用することができることは明らかである。
非特許文献7には、複数のインタフェースを有するMNが、これらの複数のインタフェースを介してホームリンクと外部リンクに同時に位置することができ、かつ全てのインタフェースがコアネットワークに接続(connect)するメカニズムが記載されている。このメカニズムでは、MNは、1つのインタフェース経由でホームリンクを検知し、かつ他のインタフェース経由で外部リンクを検知すると、自身がホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)していることを示すHフラグを有するBIDオプションを含むMIPv6のBUメッセージを外部リンク経由で送信する。このHフラグは、HAに対して、MNあてのパケットがホーム側と外部側の両方のインタフェースに到着可能であることを示す情報を提供する。HAは、この情報を受信すると、MNのホームアドレスあてに到着するパケットをキャプチャするメカニズムをトリガする。非特許文献7に記載されている主要な想定とは、複数のインタフェースを有するMNが外部ドメインにおいて複数のインタフェース経由でネットワークに接続(connect)し、そのうちの1つのインタフェースがホームドメインに戻る想定である。
しかし、ホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)する場合として、非特許文献7には全くカバーされていない3つのケースを考える。第1のケースとして、MNが同時に両方のインタフェースをブートアップしたときに、1つのインタフェースがホームリンクに接続(connect)される場合がある。第2のケースとして、MNが外部リンクに接続(connect)されていてハンドオフ中の1つのインタフェースを有し、かつホームリンクに接続(connect)可能な別のインタフェースをMNがブートアップする場合がある。第3のケースとして、両方のインタフェースで同時にハンドオフが発生し、1つのインタフェースでホームプリフィックスを参照し、かつ別のインタフェースで外部プリフィックスを参照する場合である。これを図15に示す。
図15では、MN903は複数の異なるタイプのインタフェースとして、例えばWLAN、WiMAXなどのNon−3GPPインタフェース、さらには、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)、GPRS(General Packet Radio Service)、CDMA(Code Division Multiple Access)2000及びE−UTRAN(evolved-UTRAN)などの3GPPインタフェースを有することが考えられる。ここでは、MN903は、3GインタフェースとNon3GPPインタフェースの2つを有しているとする。MN903がWiMAXアクセスネットワーク901に接続(attach)した場合は、そのネットワークのMAG機能が、ワイヤレス・アクセスネットワークに位置するアクセスゲートウェイと共存していることが考えられる。また、MN903が、Non3GPPインタフェースとしてWLANインタフェースを有しており、信頼できないWLANアクセスネットワークに接続(attach)した場合には、そのネットワークのMAG機能がePDG(evolved Packet Data network Gateway)と共存していることが考えられる。さらに、MN903が、例えばE−UTRAN、UTRAN、GERANのような3Gアクセスネットワークに接続(attach)した場合に、そのネットワークのMAG機能がS−GW(Serving GateWay)と共存していることが考えられる。さらに、MN903が、3GPPアーキテクチャでは、LMA/HA機能がP−GW(Packet data network GateWay)と共存していることが考えられる。
図15における想定として、MN903は2つのインタフェースIf1、If2のみを使用するものとする。2つのインタフェースIf1、If2の同時接続(attachment)を実現するために、WiMAXインタフェース(ここでは、Non3Gインタフェースと称す)If2とLTE(Long-Term Evolution)タイプのインタフェース(ここでは、3Gインタフェースと称す)If1を使用する。ただし、MN903が同時に接続(attach)するために他のタイプのインタフェースを使用できることは明らかであり、また、3GPP規格で使用が想定されるインタフェースにも適用できる。さらに、本発明は、同様なアーキテクチャやモビリティ・プロトコルを使用するネットワークにも適用できる。
以下の第1の想定では、MN903は、まずWiMAXインタフェースIf2の電源のみをオンにし、幾らかの時間が経過した後、負荷バランシング及び負荷分担の利点のために3GインタフェースIf1の電源をオンにするものとする。ここでは、MN903は、外部ネットワーク(例えばVPLMN:Visited Public Land Mobile Network)においてWiMAXインタフェースIf2の電源のみをオンにするものとする。また、MN903は、WiMAXインタフェースIf2のモビリティを管理するためにMIPv6メカニズムを使用しているとする。その後、MN903は、WiMAXインタフェースIf2の電源をオンにしたまま、ホームドメインであるEPC900に戻るものとする。ここで、MN903がEPC900として例えばHPLMN(Home Public Land Mobile Network)に移動したときに、LTEインタフェースIf1の電源をオンにすることが考えられる。LTEインタフェースIf1の電源をオンにする理由は多く存在し、例えばHPLMN900においてLTEセルが識別されて、そのフローのパーフォーマンスを改善するために負荷バランシング及び負荷分担の利点を実現するよう決定することが考えられる。
MN903は、HPLMN900すなわちEPC(evolved packet core)900に移動して、WiMAXインタフェースIf2をMAG911に接続(connect)することによりEPC900に接続(attach)するものとする。WiMAXインタフェースIf2のモビリティは、ホームドメイン900ではMIPv6メカニズムにより管理されるとする。さらに、WiMAXインタフェースIf2は、VPLMNからHPLMN900へのハンドオフ処理中であるとする。さらに、MN903がWiMAXアクセスネットワーク901を介してMAG911に接続(attach)した場合、MN903がLTEインタフェースIf1経由でLTE(又はE−UTRAN)アクセスネットワーク902に対して接続(attachment)処理を開始する。さらに、LTEインタフェースIf1のモビリティがPMIPv6メカニズムにより管理されて、非特許文献6に示すようにMIPv6−BUメッセージの使用が非常に制限されることが考えられる。
WiMAXインタフェースIf2経由のMN903のアクセス認証がいったん完了すると、MN903は、MAG911によって通知されるプリフィックスP2を参照する。このプリフィックスP2は、WiMAXインタフェースIf2のCoAを構成するのに使用される。また、MAG911によって通知されるプリフィックスP2は、ルータ広告(RA)メカニズム又はWiMAX固有のシグナリングメカニズムを使用してMAG911により広告される(図のプリフィックス広告シグナリング・メッセージ905)。MN903は、メッセージ905を参照すると、WiMAXインタフェースIf2のCoAを構成し、また、MIPv6−BUメッセージ906をLMA/HA904に送信する(BU1)。この場合、LMA/HA904は、MN903のホームエージェントとなる。さらに、MIPv6−BUメッセージ906は、BIDオプション及びHフラグなしの通常のメッセージとなる。この動作は、MIPv6で動作するMNにとって通常の動作である。
MIPv6−BUメッセージ906が、Hフラグのようなマルチホーミングを意味するパラメータを有しない理由は、MN903がLTEアクセスネットワーク902に対する接続(attachment)処理を開始するが、未だホームプリフィックスP1を参照していないからである。この場合、LTEアクセスにおいて、PMIPv6ベアラ又はGTP(Generic Tunnelling Protocol)ベアラのセットアップが完了するまでに遅延が生じてしまう。この遅延の理由として考えられる1つの理由は、過剰な輻輳であり、別の理由は、地理的な配置によるホームリンクを経由するパスの転送遅延であり、また、別の理由は、E−UTRAN内の多くのエンティティ(例えば基地局、evolved node B、S−GWなど)をパケットが通過することで生じる遅延である。このため、MN903は、LTEアクセス経由で参照するプリフィックスP1のタイプ(すなわちMIPv6ホームプリフィックスか又は別のホームネットワーク・プリフィックスか)を知得しない。その結果、MN903は、WiMAX経由で接続(attach)し、MIPv6ホームプリフィックスに関連するフローを送受信するために、マルチホーミングを意味するパラメータを有しないBUメッセージ906を送信する。
重要なことは、MN903が何故、LTEインタフェースIf1経由で広告されるプリフィックスP1のタイプを知得しないかということである。MN903が知得するのは、非特許文献6で説明されているように、LTEインタフェースIf1経由で取得するサービスタイプのみである。プリフィックス管理はLMA/HA904が行い、LMA/HA904は、WiMAXインタフェースIf2経由でMIPv6プリフィックスを既に通知しているので、PMIPv6ベアラに対して、どんなプリフィックスでも割り当てることができる。
次の仮定として、MN903がLTEアクセスネットワーク902に接続(attach)した後に、MAG910をトリガして、PMIPv6ベアラをセットアップするものとする。データトラフィック用のこのPMIPv6ベアラは、PMIPv6−PBUメッセージ907によりセットアップされる。PMIPv6−PBUメッセージ907及びそのPBAメッセージ(不図示)の交換が完了すると、MN903は、LMA/HA904によって管理されているプリフィックスP1をMAG910からのメッセージ908で参照する。メッセージ908で参照されるプリフィックスP1は、PMIPv6メカニズムにより管理される。しかし、メッセージ908で参照されるプリフィックスP1は、MN903のMIPv6のホームプリフィックスであるかもしれないし、LMA/HA904により管理される何らかのホームネットワーク・プリフィックスであるかもしれない。また、LMA/HA904がMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュの両方を管理するので、PMIPv6−PBUメッセージ907により生成されるバインディングキャッシュは使用停止となる(アクティブでない)。その理由は、LMA/HA904により生成されたMIPv6キャッシュが既にアクティブであるからである。ここでは、MIPv6キャッシュの優先度がPMIPv6キャッシュより高いものとする。
次に、MN903がLTEインタフェースIf1経由で接続(attach)したときに、LMA/HA904がMIPv6ホームプリフィックスP1を付与する場合を考える。MN903は、MIPv6ホームプリフィックスP1をメッセージ908で参照すると、ホームリンクに接続(connect)しているものと了解する。さらに、MN903は、メッセージ905でプレフィックスP2を参照した後に、メッセージ908でホームプリフィックスP1を遅れて参照した場合、ホームのリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているものと了解する。つまり、MN903は、ホームプリフィックスP1を参照すると、別のBUメッセージ909をLMA/HA904に送信して(BU2)、ホームのリンクと外部リンクの同時バインディング(以下、ホームアンドアウェイ・バインディング)をLMA/HA904に生成しなければならない。これは重要であり、その理由は、フローの負荷シェアリング及び負荷バランシングを実現するためにMN903がホームのリンクと外部のリンクに同時に接続(connect)しているという情報をLMA/HA904が必要とするからである。このため、ここでの重要な問題とは、PMIPv6のセットアップが遅れるので、MN903がMIPv6のホームプリフィックスP1に対する同時接続を実現するためにMIPv6のBUメッセージの送信を二重に実行することである(図のBU1、BU2)。
以上の説明では、特定の想定例に対する問題について記載したが、当業者であれば、MN903の両方のインタフェースIf1、If2の電源が同時にオンになったときと、両方のインタフェースIf1、If2が同時に移動したときにも、上記の問題が発生すると考えることは明らかである。また、上記の問題は、HPLMNにおける同時接続(attachment)について記載されているが、MN903の両方のインタフェースIf1、If2がVPLMNに同時に接続(connect)して、3Gインタフェース又はLTEインタフェースIf1の移動がPMIPv6メカニズムにより管理されるときにも発生する。さらに、上記の問題は、同時にLTEインタフェースIf1がVPLMNに接続(connect)してWiMAXインタフェースIf2がHPLMNに接続(connect)するときにも発生する。
特許文献5には、外部ドメインに位置するMNが第2のHAを構成して新しいホームアドレスを取得する方法について記載されている。さらにMNは、外部ドメインを通過するBUシグナリングを減少するために、このホームアドレスを使用してホームドメインにおける前のHAをバインドする。特許文献5に記載されている方法の目的は、外部ドメインを通過する位置管理シグナリングを減少することにある。しかし、この方法は、図15に記載されているシグナリングの問題に関するものではない。図15におけるMN903は、同時接続(connection)のセットアップを実現するため、また、両方のインタフェースIf1、If2が同時に移動するときにおける同時接続(connection)のモビリティを管理するために二重のシグナリング(図のBU1、BU2)を行っている。
特許文献6には、複数の同時接続(connection)を確立し、また、MNのオペレーティング・システム・ソフトウエアを使用してフローベースのルーティングを確立する方法が開示されている。しかし、特許文献6には、図15に記載されている問題を解決するような方法は開示されていない。
特許文献7には、ハンドオフ中にコンテキスト情報を転送するのではなく、ハンドオフ前にMNのコンテキスト情報を隣接する基地局から取得することにより、高速ハンドオフを確立する方法が開示され、MNのコンテキスト情報をハンドオフ前に早く取得することにより、高速ハンドオフを実現できる。しかし、この方法は、ネットワーク・セグメントに放出されるシグナリング負荷が増大する。その理由は、ターゲットのネットワーク・エンティティが、MNのコンテキスト情報を取得して高速ハンドオフを実現するために、複数の基地局に問い合わせるからである。図15で着目する問題とは、不要なシグナリングを防止してWiMAXインタフェースIf2と3GインタフェースIf1の高速接続(connection)を実現することであり、特許文献7に記載されている方法は、1つのインタフェースのみの高速接続(connection)が確立することを取り扱っており、図15で着目する問題を解決しない。
特許文献8には、バッファリング技術を用いてハンドオフ中のパケットロスを減少する方法が開示されている。しかし、特許文献8は、高速接続(connection)の確立についても、また、複数のインタフェースを有する端末のハンドオフ遅延を少ないシグナリングで減少することについても着目していない。
特許文献9には、MNが、ホームに接続(connect)したインタフェースのCoAを使用して、ホームアンドアウェイ登録を同時に実現する方法が開示されている。しかし、特許文献9は、ホームアンドアウェイを示すHフラグを直接には取り扱っておらず、また、PMIPv6のセットアップが遅れることに対して、高速接続(connection)のセットアップを実現するメカニズムについては何ら提供していない。
特許文献10には、1つのインタフェースのためのPMIPv6−BUとCMIPv6−BUの間の競合を解決する方法が開示されている。しかし、図15に記載されている問題は、同じインタフェースの位置登録信号の競合により起こるのではなく、MIPv6のBU確立よりPMIPv6のBU確立が遅れるから起こるのであり、このため、複数のインタフェースIf1、If2の接続(attachment)中に二重登録(図のBU1、BU2)を引き起こす。したがって、特許文献10に提供されている解決策は、図15に記載されている問題を解決しない。
本発明は上記の問題点に鑑み、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおいてクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して管理する場合のシグナリングを減少させることができるバインディングキャッシュ生成方法、バインディングキャッシュ生成システム、ホームエージェント及びモバイルノードを提供することを第1の目的とする。
本発明はまた、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているときのバインディング登録のシグナリングを減少することができるバインディングキャッシュ生成方法、バインディングキャッシュ生成システム、ホームエージェント及びモバイルノードを提供することを第2の目的とする。
本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
前記ホームエージェントが、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持するステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムであって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録する手段と、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録する手段と、
前記ホームエージェントが、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持する手段とを、
有する構成とした。
上記構成により、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおけるクライアントベースのバインディングキャッシュをリフレッシュする要求メッセージをモバイルノードが頻繁に送信しないので、シグナリングを減少することができる。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持する手段とを、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムにおける前記モバイルノードであって、
前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームドメインのホームエージェントに登録される際に、前記ホームエージェントに対して、前記第1及び第2のインタフェース用の第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持するよう要求するメッセージを送信する手段を、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合、前記モバイルノードが、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームエージェントに登録される際に、前記ホームドメインのホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持するよう要求するメッセージを送信するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
前記要求メッセージを受信した後、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録した場合に、前記第1及び前記登録した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するとともに、前記モバイルノードに対して前記要求メッセージを再度送信しないように通知する手段を、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記ホームエージェントが前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを通常時より長い存続期間の間、前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持するよう要求するステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記ホームエージェントが前記登録した第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するよう要求するステップと、
前記ホームエージェントが、前記要求されたクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して通常時より長い存続期間を設定するとともに、前記モバイルノードに対して、前記存続期間の間、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュをリフレッシュしないよう通知するステップとを、
有する構成とした。
また本発明は上記第1の目的を達成するために、
ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
前記ホームエージェントが、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されたときに、前記モバイルノードに対して前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を送信しないよう通知するとともに、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連するクライアントベースのルーティングを実行するステップとを、
有する構成とした。
さらに、本発明は上記の第2の目的を達成するために、ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成方法であって、
前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求するステップと、
前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードの代理ノードが前記ホームエージェントに対し、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するステップと、
前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記フラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするステップとを、
有する構成とした。
また、本発明は上記の第2の目的を達成するために、ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムであって、
前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求する手段と、
前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードの代理ノードが前記ホームエージェントに対し、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記ホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする手段とを、
有する構成とした。
また、本発明は上記の第2の目的を達成するために、ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記モバイルノードであって、
前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求する手段を、
有する構成とした。
また、本発明は上記の第2の目的を達成するために、ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする要求を受信する手段と、
前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記ホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする手段とを、
有する構成とした。
上記構成により、ホームとアウェイの同時接続を示すフラグを含む第2の登録メッセージをモバイルノードがホームエージェントに送信しないので、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているときのバインディング登録のシグナリングを減少することができる。
本発明によれば、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおいてクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して管理する場合のシグナリングを減少することができる。
また、本発明によれば、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているときのバインディング登録のシグナリングを減少することができる。
第1の実施の形態が想定する通信システムを示す構成図 第1の実施の形態が想定する他の通信システムを示す構成図 第1の実施の形態の通信方法及び通信システムの通信シーケンスを示す説明図 第1の実施の形態のホームエージェントにおけるバインディングキャッシュの構成を示す説明図 図3におけるCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージの他の形態を示す説明図 図3におけるCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ(L2メッセージの場合)のフォーマットを示す説明図 図3におけるCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ(新しいモビリティ拡張ヘッダを有するシグナリング・パケットの場合)のフォーマットを示す説明図 図3におけるCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ(BUメッセージのパケットの場合)のフォーマットを示す説明図 第1の実施の形態のモバイルノードの動作を説明するためのフローチャート 第1の実施の形態のホームエージェントの動作を説明するためのフローチャート 第1の実施の形態のモバイルノードの構成を機能的に示すブロック図 第1の実施の形態のホームエージェントの構成を機能的に示すブロック図 第2の実施の形態の通信システム及び通信シーケンスを示す説明図 第5の実施の形態の通信システム及び通信シーケンスを示す説明図 第8の実施の形態の通信システム及び通信シーケンスを示す説明図 本発明が解決しようとする課題を示す説明図 第9の実施の形態の課題を説明するための想定システムを示す説明図 第9の実施の形態を説明するための想定システムを示す説明図 第9の実施の形態におけるバインディング・キャッシュ・エントリを示す説明図 第9の実施の形態におけるHフラグ生成要求メッセージのパケット構造の第1の例を示す説明図 第9の実施の形態におけるHフラグ生成要求メッセージのパケット構造の第2の例を示す説明図 第9の実施の形態におけるHフラグ生成要求メッセージのパケット構造の第3の例を示す説明図 第9の実施の形態におけるHフラグ生成要求メッセージのパケット構造の第4の例を示す説明図 第9の実施の形態におけるモバイルノードの構成を機能的に示すブロック図 第9の実施の形態におけるモバイルノードの処理を説明するためのフローチャート 第9の実施の形態におけるホームエージェントの処理を説明するためのフローチャート 第9の実施の形態を説明するための他の想定システムを示す説明図 第9の実施の形態を説明するためのさらに他の想定システムを示す説明図
<第1の実施の形態の概要>
第1の実施の形態の概要について説明すると、複数のインタフェースを有するMNは、ある1つのインタフェースを介してホームプリフィックスを参照すると、MNのHAであるLMA(以下、ホームLMA/HA)が位置するホームPMIPv6ドメインに接続(connection)中であると判断し、また、他のインタフェースがこれから同じホームPMIPv6ドメインに接続(connect)するものと予測する。MNは、このように予測した後に、他のインタフェースが同じホームPMIPv6ドメインに接続(connect)した場合、外部プリフィックスを参照した他のインタフェースのためのCMIPv6バインディングを生成して維持管理するようにホームLMA/HAに要求する。本発明の主要な目的は、MNがホームPMIPv6ドメイン内で外部プリフィックスを参照したすべてのインタフェースに対して、ホームの利点とアウェイの利点をMNが同時に取得することであり、MNがクライアントベースのBU登録をホームLMA/HAに継続して行わないことにある。
<想定システム>
図1は第1の実施の形態が想定する通信システムを示す構成図である。ここで、図1に示すMN10A、10Bは同じMN10が移動したことを示す。MN10は複数のインタフェースとして3GセルラインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2を有し、図1では、MN10AはWLAN30に位置していてWLANインタフェースIf2がMAG/ePDG20に接続されている状態を示し、MN10BはWLAN31に位置していてWLANインタフェースIf2がMAG/ePDG21に接続されている状態を示す。なお、MN10の複数のインタフェースは、セルラインタフェース(3G、3.9G、4G以降などの3GPP等の携帯電話に関する標準化団体で規定されるセルラインタフェース)やIEEE802やWiFiなどで規定されるWLANインタフェースに限らず、WiMAXインタフェースやBluetoothインタフェースなどでもよい。なお以下では、セルラインタフェースを3Gセルラインタフェース、サービングゲートウェイを3Gサービングゲートウェイと記述しているが、これらは3Gに限らない。
一方、3GセルラインタフェースIf1はホームPMIPv6ネットワーク(ドメイン)100の1つのMAG/3Gサービングゲートウェイ(S−GW)22に接続(attach)し、ホームPMIPv6ネットワーク100の範囲は、MN10がWLAN30に位置していてもWLAN31に位置していても、3GセルラインタフェースIf1が1つのMAG22に接続できるほど大きい。ホームPMIPv6ネットワーク100は、例えば、ネットワーク100内でモビリティ管理サービスを提供するためにPMIPv6のプロトコルを採用した3GPP−HPLMN(Home Public Land Mobile Network)であって、MN10のホームネットワーク・ドメインである。また、LMA/HA/ホームPDNゲートウェイ40は、MN10のホームエージェント(以下、LMA/HA)である。
ホームPMIPv6ネットワーク100の意味は、LMA/HA40がMN10のMIPv6のHAであって、更にMN10がネットワーク100をローミングするときにネットワーク100のプリフィックスP1をMIPv6ホームプリフィックスとして参照するということである。基本的に、LMA/HA40は、MN10のPMIPv6バインディングとMIPv6/CMIPv6バインディングを受け付ける。
次に、ホームPMIPv6ネットワーク100のネットワークレイアウトを考察する。ホームPMIPv6ネットワーク100内には、図1では1つのネットワークのみが記載されているが、多くのセルラ・アクセスネットワークが存在するものとする。セルラ・アクセスネットワークではMAG機能を有するルータがMAG/3G・S−GW22に存在し、このルータは3Gアクセスネットワーク内の最初のホップルータであるものとする。さらに、3Gアクセスネットワークの受信エリア内に2つのWLAN30、31が存在するものとする。さらにWLAN30、31は、3GPPアーキテクチャを経由してトラフィックを転送するために3GPPコアネットワークにアクセスするためのゲートウェイ・ルータ及びトラスティッド・ルータであるMAG/ePDG20、21を有するものとする。さらに、WLAN30、31は連続(すなわち一方が他方に近接)し、かつMAG/3G・S−GW(以下では単にMAG)22におけるルータ機能を有する大きな領域の3Gセル(すなわちネットワーク100)配下に存在するものとする。
ここで、最初にMN10がMN10Aで示すようにWLAN30及び3Gのネットワーク100に接続(attach)し、次いでMN10Bで示すようにWLAN31及び3Gのネットワーク100に接続(attach)した場合、MN10は移動中でも常にMAG/3Gゲートウェイ22に接続(connect)しているものとする。ネットワーク100がMN10のホームPMIPv6ドメインであるので、MN10はネットワーク100に接続(attach)したときにネットワーク100のホームMIPv6プリフィックスP1を確実に参照するものとする。また、LMA/HA40がMIPv6機能を有するので、MN10のNAIがPBUメッセージでLMA/HA40に到達したときに、ホームMIPv6プリフィックスP1がMN10に与えられるものとする。なお、ホームMIPv6プリフィックスP1は、MN10においてあらかじめ静的に構成されていてもよく、また、ブートストラッピング・メカニズムのような動的なメカニズムにより取得されていてもよい。
最初にMN10が3GセルラインタフェースIf1経由でネットワーク100のルータであるMAG22に接続(attach)すると、MN10はMAG22からのルータ広告(RA)メッセージ26で、ネットワーク100のプリフィックスであるホームMIPv6プリフィックスP1を参照する。次にMN10がWLANインタフェースIf2経由でWLAN30のルータであるMAG20に接続(connect)すると、MN10はMAG20からのRAメッセージ25で、WLAN30のプリフィックスである外部プリフィックスP2を参照する。ここで、その理由を理解することが重要である。その理由は、非特許文献2に開示されているPMIPプロトコルでは、インタフェースごとにユニークなプリフィックスを与えるので、LMA/HA40が外部プリフィックスP2をWLANインタフェースIf2に与えるからである。なお、MN10が複数のプリフィックスをLMA/HA40から取得している場合、CNとの通信に使用しているプリフィックスをホームプリフィックスと呼び、それ以外を外部プリフィックスと呼ぶようにしてもよい。
このため、MN10は3GセルラインタフェースIf1とWLANインタフェースIf2に対して1つのみのホームプリフィックスP1とホームアドレス(HoA)を有する。この場合、MN10は外部プリフィックスP2を第2のWLANインタフェースIf2経由で参照すると、WLANインタフェースIf2への到達性を得るために、従来では、LMA/HA40に対してCMIPv6登録50を実行する。CMIPv6登録50とは、MN10が外部プリフィックスP2から生成した気付アドレス(CoA)を、ホームMIPv6プリフィックスP1から生成したHoAにバインディングするということである。
さらに、MN10は非特許文献4に記載されているマルチホーミング機能を有している場合、HフラグがセットされたCMIPv6登録50により、ホームの登録とアウェイの登録が同時に行われるものとする。さらに、LMA/HA40は非特許文献4に記載されているマルチホーミング機能を有するものとする。加えて、MN10は他のパケットデータネットワーク(PDN)に位置する複数のCN60、61と通信しており、PMIPv6ドメインのローカルアドレスを選択してCN60、61との通信を選択したいものとする。
この後、MN10がWLAN31にローミングして(図のMN11B)、MN10がWLANインタフェースIf2経由で、MAG21からのRAメッセージ28内の同じ外部プリフィックスP2を参照するものとする。ここでは、インタフェース間のハンドオフである水平ハンドオフが発生するものとする。もし、MN10がWLAN31に到達したときにCMIPv6の存続期間が満了し、また、WLANインタフェースIf2への到達性を再び確保するため、又はインタフェースIf1、If2の両方の同時使用を取得するため、又はWLANインタフェースIf2あてのみの転送を希望する場合、従来では、MN10は、フラグH付きまたはフラグHなしのCMIPv6BUメッセージ51をLMA/HA40へ送信する必要がある。
ここで、WLANインタフェースIf2に対するCMIPv6バインディングは、MN10がLMA/HA40に対して、WLANインタフェースIf2が外部プリフィックスP2から生成したCoAを使用して到達できることを通知するためであることを理解することが重要である。しかし、この外部プリフィックスP2から生成したCoAの実際の到達性は、MAG20又は21から通知されるPMIPv6バインディング(図14参照)により得ることができる。したがって、WLANインタフェースIf2に対するCMIPv6バインディングの内容は、静的であって、WLANインタフェースIf2に対するPMIPv6バインディングに関係しているものであると結論することができる。この理由は、外部プリフィックスP2から生成したCoAは、外部プリフィックスP2のPMIPv6バインディングにより与えられる情報を使用することで、到達性を得ることができるからである。
このため、従来のように、外部プリフィックスP2から生成したCoAをMN10がホームプリフィックスP1から生成したHoAにバインディングするためにシグナリングすると(図1のCMIPv6登録50、51)、MN10に関連するシグナリング負荷が増大する。よって、LMA/HA40において、外部プリフィックスP2のPMIPv6バインディングに基づいてCMIPv6バインディングを生成、再生成することができるようにすることで、このシグナリング(50、51)を最適化することができる。ここで、CoAがPMIPv6ローカルプリフィックスでない他のプリフィックスから構成されている場合には、そのCoAは完全に独立しており、独立してルーティング可能なアドレスである。しかし、外部プリフィックスP2のCMIPv6バインディングは、独立してルーティング可能なアドレスではないため、明らかに、外部プリフィックスP2のCMIPv6バインディングは、到達性を確保するためにPMIPv6バインディングを必要とする。
したがって、WLANインタフェースIf2のPMIPv6バインディングとCMIPv6バインディングは最適化することができ、MN10に関するシグナリング負荷を軽減することができ、消費電力を軽減するといった効果を得ることができる。さらに、CMIPv6バインディングにおけるHoA情報は不要である。その理由は、ホームプリフィックスP1のPMIPv6バインディングがLMA/HA40のキャッシュ213(図14の第1のエントリE1)内に存在し、HoA情報が取得できるからである。また、もしホームプリフィックスP1がLMA/HA40Aのキャッシュ213内に存在しなくても、LMA/HA40はAAAサーバ(不図示)に問い合わせることによりプリフィックスP1を取得できる。したがって、このシステムでMN10が通知する必要がある内容は、ホームMIPv6ネットワーク100内で外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2の使用を希望することだけである。LMA/HA40に存在するPMIPv6バインディングの内容は、CMIPv6バインディングの内容を正確に生成することができる内容である。
<他の想定システム>
図2は第1の実施の形態が想定する他のシステムとして、WLAN30、31が連続して配置されていない場合を示す。この意味は、WLAN30、31の各セルがお互いに隣接していないということであり、MN10がこのネットワーク100を移動したときにWLANインタフェースIf2がアクティブモードとアイドルモードの間で切り替えが起きる状態になるということである。他の想定は図1と同じであるので、詳細な説明を省略する。ここで、MN10A、10B、10C、10Dは同じMN10であって、MN10が10A→10B→10C→10Dの順番で以下の位置に移動することを示す。また、以下の第1〜第4の位置では、MN10の3GセルラインタフェースIf1は安定しており、3GセルラインタフェースIf1のハンドオフはないものとする。
・MN10A:WLAN30に入るとき(第1の位置)
・MN10B:WLAN30から出るとき(第2の位置)
・MN10C:WLAN31に入るとき(第3の位置)
・MN10D:WLAN31から出るとき(第4の位置)
図2において、MN10は第1の位置(MN10A)において3GセルラインタフェースIf1及びWLANインタフェースIf2を介してそれぞれMAG22及びMAG20に接続(attach)すると、それぞれMAG22及びMAG20からのRAメッセージ26及び25内のプリフィックスP1、P2を参照する。MN10は外部プリフィックスP2を参照すると、従来ではLMA/HA40に対してCMIPv6登録50を実行する。また、MN10が移動してWLAN30と接続性(connectivity)のない第2の位置(MN10B)に来たとき、従来ではMN10はCMIPv6登録削除51を送信するかもしれない。次に、MN10が別のWLAN31と接続性のある第3の位置(図のMN10C)に移動したときに、従来ではMN10はWLANインタフェースIf2への到達性を取得するためのCMIPv6登録52を送信する。次にMN10がWLAN31と接続性のない第4の位置(図のMN10D)に移動すると、従来ではMN10はCMIPv6登録削除53を送信するかもしれない。
従来のCMIPv6登録50〜52及びCMIPv6登録削除53のBUメッセージは、すべてWLANインタフェースIf2のPMIPv6接続のためのBU(PBU:Proxy Binding Update)登録及びPBU登録削除に関連している。したがって、本発明の第1の実施の形態で説明した手法を用いることで、このようなCMIPv6のシグナリング(50〜53)を削減して最適化することができる。これは、WLANインタフェースIf2がホームPMIPv6ドメインであるネットワーク100に接続(attach)していて、WLANインタフェースIf2のCMIPv6のキャッシュの内容がLMA/HA40で生成可能とする手法を用いることで実現されている。以上の説明から、本発明の第1の実施の形態では、MN10がホームPMIPv6ドメイン100をローミングしてすべてのインタフェースIf1、If2がホームPMIPv6ドメイン100に接続(attach)していることを判断、予測又は推定し、外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2のCMIPv6シグナリングを最適化するメカニズムを提供する。
そこで、第1の実施の形態では、MN10は、すべてのインタフェースIf1、If2がホームPMIPv6ドメイン100に接続(connect)するかもしれないことを予測すると、LMA/HA40に対して、CN60、61からMN10の1つのHoAあてに到着する1つのフローに対してすべてのインタフェースIf1、If2を同時に使用できるようにするために、外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2のCMIPv6バインディングキャッシュを生成して、MN10がリフレッシュしなくても維持管理するように要求する。なお、MN10は、割り当てられたプリフィックスが異なる場合に、各インタフェースが同一のホームドメインに接続しているか否かを判断した上で、LMA/HA40に対して上記の要求を行ってもよい。この場合、以下にも記述するように、MN10がネットワークに接続した際に、接続しているドメインを示すドメインIDやドメイン番号、オペレータ(PLMN:Public Land Mobile Network)IDやオペレータ番号などの識別子を取得・比較することで、同一のドメインに接続しているか否かを判断してもよい。また、あらかじめ割り当てられているプリフィックスの情報と、ネットワークに接続した際に割り当てられたプリフィックスを比較することで、ホームドメインに接続しているか否かを判断してもよい。
<メッセージシーケンス及びBC>
図3は第1の実施の形態に係るメッセージシーケンス(1)〜(11)を示し、図4はLMA/HA40におけるバインディングキャッシュ(BC)213aを示す。MN10は3GセルラインタフェースIf1及びWLANインタフェースIf2の2つのインタフェースを有する。まず、MN10は3GセルラインタフェースIf1を介して、1つのLMA/HA40を有するホームMIPv6ドメイン(ネットワーク100)に接続(connect)する。LMA/HA40はまた、ホームPDNゲートウェイとも呼ばれる。MN10は別のデータパケット・ネットワークに接続(connect)しているCN60と通信している。MN10はインタフェースIf1、If2の両方に対して、1つのホームプリフィックスP1と1つのHoAを有し、CN60はデータパケットをMN10のHoAあてに送信する。MN10はそのデータパケットをインタフェースIf1、If2の両方を使用して受け取りたい。
(1)MN10は3GセルラインタフェースIf1経由でMAG(MAG/3G)22からの広告ビーコン(不図示)を検知すると、L2アソシエート信号(L2 associate signal)305をMAG22に送信する。このビーコンはあるパラメータ、例えばネットワークタイプ(PMIPを採用しているか否か)を特徴付けるドメインID及びドメイン番号を含む。MN10は自身のホームMIPv6ネットワーク100のドメインIDに関する何かの静的な情報を自身のメモリ内にストアしていてもよい。したがって、MN10はビーコンから入手したドメインIDと上記の自身の静的な情報を比較することにより、このドメインがMN10のホームMIPv6ドメイン100であってMAG22がホームのLMA/HA(LMA/HA/PDN40 Gateway)40でないものと推論してもよい。
(2)ここで、MN10は、MN10をユニークに識別するL2セキュリティ証明書(credential)をL2アソシエート信号305で送信するものとする。MAG22はこの証明書を不図示のAAAサーバに転送して、AAAサーバから資格認証(authorization)を受け取る。MN10が資格認証されると、PBU/PBAシグナリング306で示すようにMAG22はPBUメッセージをLMA/HA40に送信し、LMA/HA40からその応答としてPBAck(PBA)メッセージを受信する。このとき、LMA/HA40は、図4に示すBC213の第1のエントリE1においてインタフェースIf1のPMIPv6キャッシュを作成する。
(3)次いで、MAG22はRAメッセージ307を送信し、MN10は、RAメッセージ307内のMN10のホームMIPv6プリフィックスP1を参照する。
(4)CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ
MN10は、ホームMIPv6プリフィックスP1を参照してこのドメインがホームMIPv6ドメインであることを知得すると、MN10の他のインタフェース(WLANインタフェースIf2)が更にこの同じホームMIPv6ドメイン100及びLMA/HA40に接続(connect)する可能性が高いことを予測する。MN10はこのように予測すると、本発明に係るCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を、MAG22(及びインタフェースIf1)を介してLMA/HA40に送信する。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の送信元アドレスは、ホームMIPv6プリフィックスP1から構成したMN10のHoAである。CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の目的は、LMA/HA40に対し、LMA/HA40に接続(attach)して外部プリフィックスP2を参照したMN10のすべてのインタフェースのCMIPv6バインディングキャッシュ(図4の第3のエントリE3参照)を生成して維持管理するよう要求することにある。CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は多くの内容を有し、ホームMIPv6プリフィックスP1を参照した3GセルラインタフェースIf1を除くMN10のすべてのインタフェース(If2)の識別子(If2−ID)を含む。このインタフェース識別子(If2−ID)は、ホームMIPv6ドメイン内で外部プリフィックスP2を参照したMN10のインタフェースIf2のCoAをLMA/HA40が生成するのに使用される。なお、MN10は、すべてのインタフェースに関するCoAそのものを通知してもよい。
さらに、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308内のMN10のインタフェースIf2がホームMIPv6ドメイン100に接続(attach)したか否かは、LMA/HA40により、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308内のインタフェース識別子(If2−ID)と、他のMAG20からPBUメッセージ(シグナリング310)内のインタフェース識別子(If2−ID)で示されるMN10のPMIPv6接続(attachment)の情報を用いてトレースされる。上記のCoAは、そのインタフェースIf2に関連するPMIPv6プリフィックスP2とインタフェース識別子If2−IDをLMA/HA40が連結することにより生成される。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は更に、すべてのインタフェース(インタフェース識別子)に関連するバインディング識別子(BID)を含む。ただし、MN10が2つのインタフェースIf1、If2のみを有する場合には、単にフラグHの情報だけを用いてもよい。しかし、MN10の2つ以上のインタフェースが同じホームMIPv6ドメインに接続(connect)していて、個々のCMIPv6キャッシュ及びPMIPv6キャッシュを区別する場合には、それぞれのキャッシュに対してBIDを必要とする。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は望ましくは、新しいモビリティ拡張ヘッダを有する新しいモビリティ・メッセージで構成することができる。この種のモビリティ・メッセージは、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)によりメッセージの識別番号が割り当てられることを必要とする。インタフェース識別子とBIDは、その新しいモビリティ・メッセージのオプションとして伝送される。又は、そのモビリティ・メッセージは、インタフェース識別子とBIDを新しいオプションとして含むBUメッセージでもよい。又は、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は、3Gネットワークへ接続する際の接続手続き(Attach Procedure)の中で送信するメッセージであってもよいし、MAG22あてのセキュリティ・トークン付きのL2メッセージでもよい。ただし、LMA/HA40はこのセキュリティ・トークンをユニークに解読できるものとする。MAG22はL2メッセージで受信したキャッシュ生成・維持管理要求の内容をPBUメッセージ(306)でLMA/HA40に転送することもできる。LMA/HA40は、セキュリティ・トークンを用いて転送されたメッセージの有効性をベリファイしてそのメッセージを処理してもよい。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308をLMA/HA40に送信する方法は多くある。なお、インタフェース識別子を用いてキャッシュを識別できる場合は、BIDを送信する必要はない。また、BIDを用いてキャッシュを識別できる場合は、インタフェース識別子を送信する必要はない。しかし、MN10が1つのインタフェースに対して1つのプリフィックスから複数のアドレスを生成する場合、BIDを送信することが適切である。
CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308はインタフェースIf1からMAG22に転送されてLMA/HA40あてにトンネル化される。LMA/HA40はCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信すると、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308内の情報をストアし、ネットワーク100内の他のMAG20を介したMN10の他のインタフェース接続(attachment)をモニタする。なお、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308は、インタフェースIf2を介して送信されてもよい。つまり、MN10のWLANインタフェースIf2がホームPMIPv6ドメイン100に接続(attach)したと判断できる場合に、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308をIf2から送信してもよい。この場合、If2がMAG20に接続する際に行う接続手続き(Attach Procedure)の中のメッセージを用いて、MAG20に対して接続することを要求すると同時に、CMIPv6キャッシュの生成・維持管理を要求する。この場合、If2の接続するネットワークがNon3GPPネットワークのUntrustedネットワークである場合は、ePDG機能を持つMAG20との間で行うSA(Security Association)確立手続き(IKEv2)の中でCMIPv6キャッシュの生成・維持管理を要求する。一方、If2の接続するネットワークがNon3GPPネットワークのTrustedネットワークである場合は、AGW(Access Gateway)に対して行うアクセス認証、又はL3接続手続きの中で、CMIPv6キャッシュの生成・維持管理を要求する。これにより、MN10は、CMIPv6キャッシュを生成・更新するためのBUメッセージを送信する必要がなくなる。なお、CMIPv6キャッシュの生成・維持管理を要求する情報として、3GPP/Non3GPPネットワークに接続し、使用するモビリティ・プロトコル(PMIPv6、CMIPv6、MIPv4のいずれか1つ)を指定する際に、単なるPMIPv6を指定するのではなく、CMIPv6キャッシュを生成することも同時に意味する値(例えば、PMIPv6接続し、さらに複数IFの同時に使用することを示すIndicator(PMIPv6+CMIPv6))を指定してもよい。
さらに、MN10のWLANインタフェースIf2がMAG20及びLMA/HA40との接続が完了した後に、別途CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求を、BUメッセージ等を用いてIf2から送信してもよい。これにより、最初に1回だけBUメッセージを送信すれば、以後CMIPv6キャッシュを更新するためのBUメッセージを送信する必要がなくなる。さらには、上記BUメッセージを送信する前にLMA/HA40との間で行うSA確立手続き(IKEv2)の中でCMIPv6キャッシュ生成・維持管理を要求してもよい。なお、使用するIKEv2メッセージとしては、IKE_AUTHリクエストメッセージや、IKE_SA_INITメッセージなどが望ましい。
このように、MN10の他のインタフェースIf2がネットワーク100に接続(attach)しており、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理の要求がIf2経由で通知される場合、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信したLMA/HA40は、既存のインタフェースIf2に関するPMIPv6バインディングに基づいてIf2のCMIPv6キャッシュを生成し、更にMN10がリフレッシュすることなく維持管理する。LMA/HA40によって生成されるCMIPv6キャッシュとは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308から得られたHoAと、PMIPv6プリフィックスP2から生成されたCoAと、MN10から送信されたインタフェース識別子を含む。ここで、インタフェース識別子は64ビットである。
LMA/HA40はまた、このCMIPv6バインディングに対して、MN10によりCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308で与えられるBIDを関連付ける。LMA/HA40は更に、このCMIPv6バインディングに存続期間を割り当てる。この存続期間は第1のPMIPv6バインディングの存続期間と同じである。ここで、第2のPMIPv6バインディングとは、インタフェースIf2のCoAを生成するのに使用された外部PMIPv6プリフィックスP2に関連するバインディングである。基本的に、このCMIPv6バインディングキャッシュの構造は、図4の第3のエントリE3に示すように
・HoA(ホームプリフィックスP1)と、
・CoA(外部プリフィックスP2+インタフェース識別子If2−ID)と、
・BIDと、
・存続期間3(=第1のPMIPv6バインディングの存続期間1)より成る。
(5)次に、図3では示されていないが、MN10はメッセージ308の送信後に、WLANインタフェースIf2経由でWLANビーコンを受信するものとする。MN10はWLAN30の不図示のアクセスルータ(AR)から広告されたプリフィックスP2からWLANインタフェースIf2のアドレスを構成し、次いでePDGであるMAG(MAG/WLAN)20を発見すると、MAG20とのIPSecトンネル・セットアップ手続を開始する。この手続では、まず、MN10は接続認証(authentication)パラメータ付きのIKEv2メッセージ(IKEV2 authentication and setup)309をMAG20に送信する。なお、IKEv2メッセージ309の中に、MAG20経由で接続するNon3GPPネットワークへPMIPを用いて接続することを示す情報が含まれていてもよい。また、前述したように、メッセージ308の代わりに、(5)のIKEv2メッセージ309を用いて、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求を通知してもよい。この場合、(9)のIKEv2完了メッセージで、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求が受け入れられたか否かがMN10へ通知される。
(6)MAG20は不図示のAAAサーバに問い合わせてMN10が資格認証(authorize)されると、LMA/HA40とのPBU/PBAckシグナリング310を実行して、インタフェースIf2及び外部プリフィックスP2のPMIPv6ルーティングステートを生成する。
(7)LMA/HA40は、第2のエントリE2であるPMIPv6バインディングキャッシュを生成し、次いで、NAIでユニークに識別されるMN10が、LMA/HA40に接続(connect)されるインタフェースIf2を有することを知得すると、前述したCMIPv6キャッシュの生成・維持管理の要求に従い、第2のエントリE2であるPMIPv6バインディングキャッシュに関連するインタフェースIf2のCMIPv6バインディング・キャッシュ(第3のエントリE3)を生成する。このキャッシュの詳しいパラメータは既に詳細に説明した。
この時点で、LMA/HA40は、要求メッセージ308に対する応答メッセージ311をMN10に送信して、インタフェースIf2が同じホームMIPv6ドメイン100(LMA/HA40)に接続(connect)しており、インタフェースIF2用のCMIPv6キャッシュがLMA/HA40によって自動的に生成されたこと、さらには、インタフェースIf2用のBID付き又はフラグH付きのCMIPv6のBUメッセージ(図14の212)を送信する必要がないことを通知してもよい。応答メッセージ311は、最初のメッセージ308に対するLMA/HA40からの応答を通知する方法の1つであり、メッセージ308に対する応答であること示すタイプを含むCMIPv6登録削除メッセージ(BAメッセージ)を用いることができるが、他の応答方法として、LMA/HA40は、トンネル・セットアップ完了メッセージ312内の新しいオプションをMAG20に送信して、MN10にCMIPv6のBUメッセージ212を送信しないよう通知してもよく、また、LMA/HA40がMAG20又はMAG22に対して通知し、それをMAG20,22がMN10に対してRAメッセージやその他の任意のL3メッセージ(モビリティヘッダメッセージを含む)、あるいはL2メッセージなどでMN10に通知してもよい。他にも多くの方法が考えられる。
(8)次いで、トンネル・セットアップ完了メッセージ(IPSec tunnel Setup Completion)312がMAG20からMN10に送信される。
(9)次いでIKEv2手順が完了してIKEv2完了メッセージ(IKEv2 IP address/Prefix assignment)313がMAG20からMN10に送信されて外部プリフィックスP2がMN10に通知される。MN10はIKEv2完了メッセージ313を受信すると、WLANインタフェースIf2あてのパケットを取得するためのCMIPv6のBUメッセージ212を送信する必要はなく、LMA/HA40がWLANインタフェースIf2用のCMIPv6バインディングを生成し、パケットがWLANインタフェースIf2に到着する。
(10)CN60はMN10あてのデータパケット314を、プリフィックスP1から構成されたMN10のHoAあてに送信する。CN60から送信された上記のパケットがLMA/HA40に到着すると、LMA/HA40はBC213aにおける第1のエントリE1(PMIPv6エントリ)を使用したプリフィックスベースのルーティングを実行し、また、BCE213aにおける第3のエントリのCMIPv6キャッシュを使用したHoAマッチングのルーティングを実行する。
(11)(12)図3では、第1のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)を使用してMN10にルーティングされるデータパケット314a、314bと、第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュ)を使用してMN10にルーティングされるデータパケット315a、315bを示す。第1のエントリE1を使用してルーティングされるデータパケット314a、314bは、MAG22経由でトンネル化される。また、もし、LMA/HA40が第3のエントリE3であるCMIPv6キャッシュを使用してMN10にルーティングすることを決定すると、そのデータパケット314はLMA/HA40により複数回(ここでは2回)のカプセル化が行われてトンネル化される(図のパケット315a)。データパケット315aの場合、最初のカプセル化は、MN10のWLANインタフェースIf2のCoAあてにトンネル化される。そして、更に1回のカプセル化が必要となり、2回目のカプセル化では、そのデータパケット315はMAG20のアドレスあてにトンネル化される。LMA/HA40により2回のカプセル化が行われたパケット315aはMAG20によりデ・カプセル化され、元の1回のカプセル化が行われたパケット315bがMN10に転送されてMN10により完全にデ・カプセル化される。ここで、当業者であれば、LMA/HA40が図4に示すBC213aを用いてデータパケット314をどのように適切にカプセル化するかは明らかである。
また、WLANインタフェースIf2あてのパケットはMN10あてに直接にトンネル化することができる。この場合には、あて先アドレス(トンネル化パケットのあて先アドレス)はMAG20のアドレスであって、トンネル化パケットのルーティング・ヘッダタイプ0に、外部プリフィックスP2から構成したCoAとMN10のHoAを挿入する。このトンネル化方法によれば、MAG20における余分なトンネル化によるオーバヘッドが増加することを防止することができる。
<CMIPv6キャッシュの存続期間>
図4に示すように、第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュの存続期間3)は、第2のエントリE2の存続期間2に関係なく、第1のエントリE1の存続期間1を用いて維持されて存続期間1が満了すると削除される。MN10のWLANインタフェースIf2が、WLAN30、31の連続していない小さなセルに接続(connect)する場合、WLANインタフェースIf2がハンドオフしてWLAN30、31の配下にないことが多く発生する。この場合、WLANインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュが3GセルラインタフェースIf1のPMIPv6キャッシュの存続期間1に基づいて維持されることが有益である。その理由は、LMA/HA40がWLANインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュを頻繁に生成する必要がないからである。ここで重要な点は、3Gセル(ホームPMIPvドメイン100)がWLAN30、31よりかなり大きく、3GセルラインタフェースIf1が頻繁にハンドオフしないことにある。
以下に動作を説明する。まず、MN10のWLANインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュ(存続期間3)が3GセルラインタフェースIf1のPMIPv6キャッシュの存続期間1に基づいて維持されており、WLANインタフェースIf2のPMIPv6キャッシュ(第2のエントリE2)がハンドオフ前に有効な場合、パケットは第2のエントリE2を用いてMAG302を経由してWLANインタフェースIf2に到達する。これに対し、WLANインタフェースIf2のPMIPv6キャッシュがハンドオフにより有効でなくなると、WLANインタフェースIf2に関連するCoAあてのパケットは、第1のエントリE1を用いて3GセルラインタフェースIf1に送信される。この場合、MAG301はLMA/HA40により、外部プリフィックスP2についての何らかの有効性の情報をトンネル化パケットヘッダ内で与えられるものとする。
<第1の実施の形態による利点>
以下に、第1の実施の形態による利点について考察する。第1の利点として、LMA/HA40がCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308に応答してCMIPv6バインディングキャッシュを生成して、MN10によりリフレッシュされることなく維持管理するので、MN10は、CMIPv6登録メッセージを送信する必要がなくなり、さらにLMA/HA40は、CMIPv6バインディングを用いてデータパケットをルーティングするためには、PMIPv6バインディングキャッシュをサーチすることが必要であると知得することができる。LMA/HA40がCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信してCMIPv6バインディングキャッシュを生成するとき、LMA/HA40は、パケットをどのようにルーティングするかを示す別のパラメータをBC213aに挿入することもできる。これにより、LMA/HA40がCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信しないで、CMIPv6バインディングキャッシュを使用してパケットをどのようにルーティングするかを識別する必要がある場合と比較して、LMA/HA40の処理の負荷を減少させることができる。
例えば、もしMN10がWLANインタフェースIf2経由で別の外部ドメインに接続(attach)すると、LMA/HA40はCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の応答として、CMIPv6バインディングキャッシュを生成しないで、WLANインタフェースIf2のCMIPv6バインディングキャッシュには、回帰的なトレーシングを実行しなければならないエントリとしてマークしない。したがって、LMA/HA40は、外部ドメインから取得したCoAあてにルーティングするためには、デフォルト・ルータに送信することで十分であることを知得する。
別の顕著な利点とは、LMA/HA40がルーティングするホームMIPv6ドメインに接続(connect)するとともに、外部プリフィックスP2を参照したインタフェースあてにトンネル化されたパケットを取得できるインタフェースについては、MN10はBUを実行する必要がないことにある。本発明は、MN10がフラグHベースのBUを実行してすべてのフローがWLANインタフェースIf2のみに到着するよう要求する場合に有用である。MN10は非常に秘密性のあるフローを有し、そのフローがLMA/HA40からMN10に直接にトンネル化されることを希望するかもしれない。
<CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の別の形態>
図5は別の3つの形態のCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ306A、(307A1、307A2)、(308A1、308A2)を示す。MN10はまず、3GインタフェースIf1経由でホームMIPv6ドメイン100に接続(attach)してホームプリフィックスP1を参照した場合、前述したようにMN10が、LMA/HA40からの外部プリフィックスP2を参照したWLANインタフェースIf2のCMIPv6バインディング・キャッシュを生成・維持管理するようLMA/HA40に要求するには種々の形式のシグナリングを実行できる。
(1)最初の望ましい方法では、MN10はCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ306Aを直接にLMA/HA40に送信する。この場合、メッセージ306Aの送信元アドレスは、ホームプリフィックスP1を使用して構成したMN10のHoAであり、あて先アドレスはLMA/HA40のアドレスである。メッセージ306Aは拡張ヘッダの新しいヘッダタイプを用いて構成することができる。もし、この拡張ヘッダの新しいヘッダタイプをメッセージ306Aに使用すると、LMA/HA40におけるメッセージ306Aの処理はやや簡単になる。LMA/HA40はメッセージ306Aから新しいヘッダタイプが何かを知得してメッセージ306Aをどのように処理するかを知得する。
インタフェース識別子とBIDのようにMN10の他のインタフェース(WLANインタフェースIf2)を識別するための情報は、メッセージ306A内のオプションとして又はデータフィールドに埋め込むことができる。メッセージ306AはMAG22からLMA/HA40まではトンネル化される。もし、メッセージ306AがMIPv6に記述されているBUメッセージの場合、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDは、BUメッセージ内にモビリティ・オプションとして埋め込まれる。このモビリティ・オプションは新しいタイプのオプションである。
(2)また代わりに、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求は、MAG22に送信されるL2メッセージ307A1で送信することもできる。このL2メッセージ307A1は、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDを伝送する。ここで、L2メッセージ307A1の送信元アドレスはMN10のインタフェースIf1のL2アドレスであり、あて先アドレスはMAG22のイングレス・インタフェースのL2アドレスである。MAG22はメッセージ307A1で上記のパラメータ(インタフェース識別子とBID)を受信すると、メッセージ307A1の内容を、LMA/HA40あてのメッセージ307A2で送信する。また、上記のL2メッセージと同等の内容を含む、RSメッセージやNSメッセージ、認証メッセージ(IKEv2メッセージ)など、他の任意のL3メッセージ(モビリティヘッダメッセージを含む)を用いてもよい。さらに、3GPPネットワーク(MAG22)へ接続する際に行う接続手続き(Attach Requestメッセージ)の中で通知してもよい。
メッセージ307A2はPBUメッセージでもよく、また、新しいモビリティ拡張ヘッダを有する別のシグナリング・メッセージでもよい。ここで、メッセージ307A2がPBUメッセージの場合、LMA/HA40がそのPBUメッセージをどのように処理してCMIPv6キャッシュの生成・維持管理の要求を知得できるように、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDがそのPBUメッセージの新しいモビリティ・オプションとして挿入される必要がある。また、メッセージ307A2が新しいモビリティ拡張ヘッダを有する別のシグナリング・メッセージの場合、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDはメッセージ内の通常のフィールドに挿入することができる。ただし、この場合、LMA/HA40の構成は、この新しいメッセージを理解するために変形する必要がある。この構成が変形されたLMA/HA40は、この新しいメッセージを受信するとどのように処理するかを知得する。
(3)また、MN10が3GインタフェースIf1経由で参照したホームプリフィックスP1を選択する場合、MN10はまず、メッセージ308A1で示すようにその選択した旨をDNSサーバ304A(図のDNS/SIP server/AAA)に通知して、上記の他のインタフェースのインタフェース識別子とBIDをメッセージ308A1で提供することもできる。DNSサーバ304Aはこの新しいプリフィックスP1をアクセプトして、LMA/HA40に対してメッセージ308A2で、選択されたプリフィックスP1と、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の内容を転送する。
ここで、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ306A、(307A1、307A2)、(308A1、308A2)による各方法が特有の利点を有することを理解するべきである。メッセージ(308A1、308A2)の場合、2つの実現を達成することができる。1つ目は、ホームプリフィックスP1を選択すると、LMA/HA40にCMIPv6キャッシュ生成・維持管理を要求することにある。2つ目は、MN10がメッセージ308A1を送信することによりWLANアクセスポイントを識別した場合、MN10はePDGアドレスを取得できることにある。
<CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308のフォーマット>
メッセージ308の詳細な3つの構成例を図6A、図6B、図6Cを参照して説明する。
(a)図6Aに示すフレーム307Bは、メッセージ308がL2メッセージ307Aである場合のフレーム構造を示し、先頭から順次、開始フラグ(Flag)300Bと、アドレス(Address)301Bと、制御(Control)302Bと、プロトコルID(Protocol ID)303Bと、情報(Information)304Bと、FCS(Frame Check Sequence)305Bと終了フラグ(Flag)306Bの各フィールドにより構成されている。
開始フラグ300Bはフレーム307Bの先頭を示すフラグであり、2番目のフィールドのアドレス301Bは、MAC(Media Access Control)アドレスであって、L2パケットの送信元アドレスとあて先アドレスを含む。例えば送信元アドレスはMN10のインタフェースIf1のMACアドレスであり、あて先アドレスはMAG22のイングレス・インタフェース(不図示)のMACアドレスである。3番目のフィールドの制御302Bは、使用されているフレームのタイプを識別するための情報であって、受信側がこのL2のフレーム307Bを正しく処理するために重要である。基本的に、制御302Bは、フレーム307BのタイプすなわちCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308(307A)のタイプを識別するために使用される。
4番目のフィールドのプロトコルID303Bは、上位の層で発生するパケットのみに対する値であって、メッセージ308(307A)がL2で発生する場合にはオール0である。ただし、メッセージ308がL2で発生することができても、メッセージ308を送信する決定と、メッセージ308内に埋め込まれている関連パラメータは、L3から来なければならない。次のフィールドの情報304Bは、インタフェース識別子とBIDを含む。情報304Bの後にFCS305Bのフィールドが続き、FCS305Bは、フレーム307Bが誤りなく伝送(誤りが識別及び訂正)されるように送信側と受信側により計算される。最後のフィールドの終了フラグ306Bは、フレーム307Bのデ・リミタとして、基本的にはフレーム307Bの終了を識別するために使用される。
ここで、フレーム307Bの構造は、本発明を逸脱しない範囲で図6Aに示す構造と同じである必要はない。前述したように、MN10はCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信するためのパケットをL3で送信することもできる。L3のシグナリングが使用される場合には、MN10は新しいモビリティ拡張ヘッダか又は新しいオプション付きのBUメッセージを使用することができる。
(b)図6Bは、新しいモビリティ拡張ヘッダ(New Mobility extension Header)310Bを有するシグナリング・パケット315Bを示す。パケット315Bについて以下に詳しく説明する。パケット315Bの最初のヘッダは、標準のIPv6ヘッダ(IPv6 Header)308Bであり、IPv6ヘッダ308Bは、MN10のHoAがセットされる送信元アドレスと、LMA/HA40のアドレスがセットされるあて先アドレスを含む。パケット315Bの次のヘッダは接続認証ヘッダ(Authentication Header)309Bであり、MN10とLMA/HA40の間で交換されたセキュリティ・キーにより署名された接続認証データを有する。ヘッダ309Bは望ましいフィールドであるが、必須ではない。
第3のヘッダが新しいモビリティ拡張ヘッダ310Bであり、ヘッダ310Bは最初に標準のモビリティ拡張ヘッダ(Standard fields of mobility extension Header)311Bを有し、標準のモビリティ拡張ヘッダ311Bは、プロトコル番号、モビリティ・ヘッダタイプ、チェックサムなどを含む。新しいモビリティ拡張ヘッダ310Bは更に3つの標準のフィールド312B、313B、314Bを有する。第1のフィールド(Number of interfaces)312Bは、ホームプリフィックスP1を参照したインタフェースIf1からMN10が除外したインタフェースIf2の数を示す。次のフィールド(interface identifier)313Bは、第1のフィールド312BのインタフェースIf2のインタフェース識別子If2−IDを示す。3番目のフィールド(Binding identifier)314Bは、第2のフィールド313Bのインタフェース識別子If2−IDに関連する1以上のBIDを示す。ここで、新しいモビリティ拡張ヘッダ310Bのフィールドを構成する方法は多く存在することを強調したい。ただし、ここでは、望ましい1つの方法であるパケット315Bを示す。
(c)図6Cは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信するための第3の例としてBUメッセージのパケット323Bの構造を示す。図6Bと同様に、パケット323Bの最初のヘッダはIPv6ヘッダ(IPv6 Header)316Bであり、次のヘッダは望ましくは接続認証ヘッダ(Authentication Header)317Bである。接続認証ヘッダ317Bの後にBUモビリティ拡張ヘッダ(Binding Update mobility extension Header)318Bが続く。ヘッダ318Bの最初のフィールドは標準のBU拡張ヘッダ(Standard fields of binding update extension Header)319Bであり、例えば存続期間、シーケンス番号などのBU内の標準のすべてのフィールドを含む。
標準のBU拡張ヘッダ319Bの後に新しいオプション・フィールド(Mobility new option 1,2,3)320B、321B、322Bが設けられている。図6Bと同様に、最初のオプション・フィールド(Mobility new option 1)320Bはインタフェース数(Number of interfaces)である。また、2番目のオプション・フィールド(Mobility new option 2)321Bは、MN10が最適化したいインタフェース識別子(Interface Identifier)であり、3番目のオプション・フィールド(Mobility new option 3)は、あるインタフェースに関連するBIDが、1つ、または複数含まれる。
<MNの動作>
次に、図7を参照してMN10の動作を更に詳しく説明する。複数のインタフェースIfを有するMN10は、まず、あるインタフェースIf経由であるネットワーク・エンティティに接続(attach)すると、PMIPv6ドメインに接続(attach)しているか否かをチェックする(ステップ400)。もしNOであれば、通常のCMIPv6動作を実行する(ステップ402)。ステップ400でYESの場合には、PMIPv6ドメインからそのインタフェースIfに対して与えられたプリフィックスがホームプリフィックスP1か否かをチェックし、更にこのホームプリフィックスP1を知得しているか否かをチェックする(ステップ401)。もしYESの場合には、すべてのインタフェース識別子付きのCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308をLMA/HA40に送信する(ステップ403)。
ステップ401でNOであれば、すなわちホームプリフィックスP1を有しない場合には、PMIPv6プリフィックスをホームプリフィックスP1として選択し、HAのアドレスをDNSサーバに要求して取得する(ステップ404)。ここで、DNSサーバは、MN10が選択したホームプリフィックスP1でホームのLMA/HA40を更新するものとする。ステップ404の処理後、ステップ403の処理を実行する。ここで、ステップ401でNOであってホームプリフィックスP1を有しないということは、MN10が外部PMIPv6ドメインに接続(attach)していることを黙示しているので、MN10は通常のCMIPv6動作を実行する。
ステップ403の処理後、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308に対する確認(Ack)を受信したか否か、又はその応答(フラグ)がRAメッセージ又はIPsecトンネル確立確認メッセージ内に記述されているか否かをチェックする(ステップ405)。もしYESであれば、CMIPv6のBUメッセージを送信しないでRAメッセージ内のフラグを処理する(ステップ406)。その理由は、ホームのLMA/HA40により与えられる外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュは、ホームLMA/HA40が生成して維持管理するからである。ステップ405でNOの場合は、MN10のインタフェースIf2が、PMIPv6バインディングを使用する同じLMA/HA40に接続(connect)していないことを意味するので、そのインタフェースIf2に対する到達性を取得するためにCMIPv6のBUメッセージを送信する(ステップ407)。
<LMA/HAの動作>
次に図8を参照してLMA/HA40の動作を更に詳しく説明する。LMA/HA40は、まず、パケットを受信すると、その受信パケットがMN10からのシグナリング・パケットか否かをチェックする(ステップ500)。もしYESであれば、その受信パケットがCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308か否かをチェックする(ステップ501)。もしNOであれば、標準のCMIPv6の動作で受信パケットを処理する(ステップ503)。ステップ501でYESの場合には、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308に対してAckメッセージを送信し、また、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308内のインタフェース識別子If−IDとBIDを一時的に保持する(ステップ502)。
ステップ500で受信パケットがMN10からのシグナリング・パケットでない場合には、その受信パケットが、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信したMN10あてのデータパケットか否かをチェックする(ステップ504)。もしYESであれば、BC213aをチェックして、受信パケットをMN10のすべてのインタフェースIfを経由するか、又はMN10によりセットされたプリファレンスに従って特定のインタフェースIfを経由してルーティングする(ステップ507)。ステップ504でNOであれば、受信パケットが、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信したMN10からのデータパケットか否かをチェックする(ステップ506)。もしYESであれば、受信データパケットをデ・カプセル化してイーグレス・インタフェースを介してルーティングする(ステップ505)。LMA/HA40はデ・カプセル化の際、トンネル・エントリポイントがBC213a内で有効に登録された送信元アドレスかをチェックする。
ステップ506でNOであれば、LMA/HA40は、受信パケットが、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信したMN10のPMIPv6接続(attachment)を示すMAGからのシグナリング・パケットか否かをチェックする(ステップ508)。もしYESであれば、LMA/HA40はAckメッセージを送信することにより、MN10の他のインタフェースIf2が同じLMA/HA40に接続(attach)していることと、Ackメッセージが以前に送信されていない場合にはMN10はCMIPv6−BUを実行する必要がないことを通知する。又はRAメッセージでCMIPv6−BUを実行する必要がないことを通知する(ステップ509)。ここで、Ackメッセージは、最初に接続(attach)して外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2には送信する必要はない。ステップ509ではまた、LMA/HA40は、外部プリフィックスP2を参照したインタフェースIf2のCMIPv6キャッシュを生成する。
ステップ508でNOであれば、LMA/HA40は、受信パケットがMAGからの、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を送信したMN10のPMIPv6登録解除を示すシグナリング・パケットか否かをチェックする(ステップ510)。もしYESであれば、LMA/HA40はBC213aから、そのCMIPv6バインディング(第3のエントリE3)と、そのCMIPv6バインディングに関連するPMIPv6バインディング(第2のエントリE2)を削除する(ステップ511)。ここで、そのCMIPv6バインディングとは、ステップ509においてPMIPv6バインディングのパラメータを用いて生成したバインディングのことである。ステップ510でNOであれば、LMA/HA40は、受信したシグナリング・パケットを通常のPMIPv6動作で処理する(ステップ512)。
<MNの構成>
次に図9を参照してMN10の構成について詳しく説明する。図9はMN10のハードウエア、ソフトウエア及びファームウエアを機能的に示すブロック図である。MN10の機能は、概略的にはレイヤ3プロトコル・モジュール402Aと、レイヤ3より上位のレイヤ(層)のプロトコルを実行する上位層プロトコル・モジュール401Aと、レイヤ3より下位の層のプロトコルを実行する下位層プロトコル・モジュール408Aにより構成される。下位層プロトコル・モジュール408Aは、MN10の各インタフェースIfに関連する複数の層のプロトコル・モジュールにより構成され、下位層プロトコル・モジュール408Aの機能は、主にデータリンク層の制御及び伝送のメカニズムに関連している。
レイヤ3プロトコル・モジュール402Aは、詳しくは5つのサブ・モジュール(ユニット)、すなわちIPv6ルーティング・ユニット403Aと、MIPv6モビリティ管理ユニット404Aと、ホームPMIPドメイン用決定ユニット405Aと、マルチホーミング・サポートユニット406Aと、シグナリング最適化ユニット407Aにより構成される。ここで、図示されていないが、レイヤ3プロトコル・モジュール402Aは、各ユニット403A〜407A間のメッセージを伝達するためのインタフェースを有するものとする。また、各ユニット403A〜407Aはまた、関連するバインディングを有するものとする。
IPv6ルーティング・ユニット403Aは、近隣探索(neighbor discovery)、アドレス構成、及びIPv6の基本的なルーティングのメカニズムを担当する。MIPv6モビリティ管理ユニット404Aは、BUの実行及び登録解除のようなMIPv6モビリティ管理のメカニズムを担当する。マルチホーミング・サポートユニット406Aは、BIDの生成及びBUメッセージへのフラグHの添付のようなMONAMI6(非特許文献4:複数CoA登録)の機能を担当する。シグナリング最適化ユニット407Aは、MN10が本発明に係るCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を構成した場合の機能を担当する。ホームPMIPドメイン用決定ユニット405Aは、MN10がPMIPv6ドメインに接続(attach)しようとしているか否かを決定する場合の機能を担当する。ここで、当業者であれば、各ユニット403A〜407Aが適切なソフトウエア・インタフェースを必要とすることは明らかである。
最後に、上位層プロトコル・モジュール401Aは、MN10に備えられているトランスポート層やアプリケーション層のような上位の層のプロトコルを担当する。ここで、当業者であれば、上位層プロトコル・モジュール401Aが1つのブロックで示されているが、本発明を逸脱しない範囲で複数のブロックで構成されることは明らかである。
<LMA/HAの構成>
次に図10を参照してLMA/HA40の構成について詳しく説明する。図10はLMA/HA40を機能的に示すブロック図である。LMA/HA40は概略的には、ルーティング層すなわちレイヤ3プロトコル・モジュール501Aと、レイヤ3より下位の層のプロトコルを実行する下位層プロトコル・モジュール511Aの2つの機能エンティティにより構成される。なお、図示されていないが、モジュール501A、502Aの間には適切なインタフェースが存在する。レイヤ3プロトコル・モジュール501Aは4つのサブ・モジュールとして、IPv6ルーティング・モジュール502Aと、Monami6ルーティング・モジュール503Aと、PMIPv6ルーティング・モジュール504Aと、シグナリング最適化サポート・モジュール505Aを有する。
IPv6ルーティング・モジュール502Aは、1ホップ内の基本的なルーティングのメカニズムと、LMA/HA40の不図示のイングレス・インタフェース及びイーグレス・インタフェースのアドレス構成と、通常のパケットルーティング及び近隣探索のメカニズムを担当する。Monami6ルーティング・モジュール503Aは、マルチホーミング・シグナリングも処理可能なHAの機能を備えたマルチホーミング・モジュールである。ここで、モジュール503Aは特に、フラグHとBIDを処理することができ、また、個々にBIDを使用して1つのHoAに対する複数のCMIPv6バインディング・エントリを維持できるものとする。IPv6ルーティング・モジュール502AとMonami6ルーティング・モジュール503Aはシグナリング・インタフェース510Aを有し、シグナリング・インタフェース510Aは、CMIPv6タイプのシグナリング及びデータパケットを処理してそのデータパケットをルーティングするために重要である。
PMIPv6ルーティング・モジュール504Aは、純粋にLMAタイプの機能のすべてを担当する。LMAタイプの機能として、例えば複数のインタフェースIfを有するMN10のPMIPv6キャッシュを維持したり、MAG経由でMN10あてにパケットをトンネル化したり、受信したPBUメッセージを処理したり、送信すべきPBAメッセージを生成する。モジュール504Aはさらに、IPv6ルーティング・モジュール502Aとのシグナリング・インタフェース509Aを有し、シグナリング・インタフェース509Aは、PMIPv6キャッシュを用いてシグナリング及びデータパケットを処理してそのデータパケットをルーティングするために使用される。ここで、Monami6ルーティング・モジュール503AとPMIPv6ルーティング・モジュール504Aはそれぞれ、自身のBCEを有するものとする。また、PMIPv6ルーティング・モジュール504AとMonami6ルーティング・モジュール503Aは、非常に強く結合されているものとする。
ここで、CMIPv6キャッシュはPMIPv6キャッシュから別個に維持されるので、PMIPv6ルーティング・モジュール504AとMonami6ルーティング・モジュール503Aは別個に示されているが、CMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュを分離するシグナリング・メッセージ内にBIDとフラグHがないときにCMIPv6キャッシュがPMIPv6キャッシュを上書きできる場合には、PMIPv6ルーティング・モジュール504AとMonami6ルーティング・モジュール503A、及びCMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュは相互に動作する必要がある。前述したように、CMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュは、別個に設けられているにもかかわらず、相互に密接して動作する必要がある。ここで、当業者であれば、CMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュを別個に設けるのは、実際に用いられる形態に依存する。代わりとして、PMIPv6ルーティング・モジュール504AとMonami6ルーティング・モジュール503Aを図10に示すように別個に設けるが、CMIPv6キャッシュとPMIPv6キャッシュは一緒に設けてもよい。
最後に、重要なシグナリング最適化サポート・モジュール505Aについて説明する。シグナリング最適化サポート・モジュール505Aは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を処理してCMIPv6キャッシュをMonami6ルーティング・モジュール503Aに生成するために設けられている。モジュール505Aは、モジュール503Aとの間でシグナリング・インタフェース507Aを介して通信するものとする。シグナリング・インタフェース507Aは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求などのメッセージや、CMIPv6キャッシュを生成・維持管理するのに必要なパラメータを転送するために使用される。
シグナリング最適化サポート・モジュール505Aはまた、MN10の他のインタフェースIf2がPMIPv6ドメインに接続(attach)しているか否かをモニタする。このモニタに関して、シグナリング最適化サポート・モジュール505Aは、PMIPv6ルーティング・モジュール504Aとの間にシグナリング・インタフェース506を必要とする。シグナリング最適化サポート・モジュール505Aは、PMIPv6ルーティング・モジュール504Aからシグナリング・インタフェース506を経由して、MN10の他のインタフェースIf2がPMIPv6ドメインに接続(attach)していることを知得すると、MN10がCMIPv6のBUメッセージを送信しないようMAGに通知することを決定する。この通知情報は、シグナリング最適化サポート・モジュール505Aで構成されてPMIPv6ルーティング・モジュール504Aに転送される。以上、LMA/HA40の望ましい構成について説明したが、本発明を逸脱しない範囲でLMA/HA40を構成することができる。
<第2の実施の形態>
次に、図11を参照して第2の実施の形態について説明する。図11に示すネットワークでは、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308の代わりに、CMIPv6のBUメッセージ送信停止要求シグナル615が追加されていることを除いて同じである。以下、図11に示した構成部材及びシグナルを簡単に繰り返して説明する。図11に示すネットワークでは、複数のインタフェース(3GセルラインタフェースIf1及びWLANインタフェースIf2)を有するMN200がインタフェースIf1、If2の両方を介してホームPMIPv6ネットワーク(ドメイン)204に接続(connect)されている。このとき、3GセルラインタフェースIf1は、ホームPMIPv6ネットワーク204のMAG201を介してLMA/HA203に接続(connect)され、また、WLANインタフェースIf2は、WLAN206のAR207と、ホームPMIPv6ネットワーク204のMAG202を介してLMA/HA203に接続(connect)されている。さらに、WLAN206はインタネット205に接続(connect)され、また、MN200は、インタネット205に接続(connect)されているCN214との間で通信している。
上記構成において、MN200が最初に3GセルラインタフェースIf1を介してMAG201に接続(attach)すると、MAG201がPBUメッセージ(シグナリング208)をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBC213に第1のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)が生成され、また、MN10がMIPv6のホームプリフィックスP1を参照する。同様に、MN200がMAG202に対するトンネル確立をトリガすると、MAG202がPBUメッセージ(シグナリング209)をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBC213に第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)が生成される。この結果、MN20はLMA/HA203により与えられる外部プリフィックスP2をIPSec完了メッセージ211で参照する。
ここで、MN200はCN214から、ホームプリフィックスP1から構成されたHoAあてのフローがWLANインタフェースIf2経由で来ることを希望するものとする。また、前述したように、MN10はインタフェースIf1、If2に対して1つのホームプリフィックスP1と1つのHoAのみを有するものとする。MN10はCN214から1つのHoAあてのフローがWLANインタフェースIf2経由で来ることを希望する場合、ホームとアウェイで接続(attach)することを示すフラグH付きのCMIPv6のBUメッセージ212をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBCE213に第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュ)を生成する。ここで重要なことは、フラグH付きのCMIPv6のBUメッセージ212は、第1のエントリE1であるPMIPv6キャッシュを上書きしない点である。したがって、3つのエントリE1、E2、E3がすべて共存し、LMA/HA203が異種のバインディング(PMIPv6キャッシュとCMIPv6キャッシュ)を維持することができる。
第2の実施の形態におけるLMA/HA203は、CMIPv6のBUメッセージ212をチェックして、CMIPv6登録(第3のエントリE3)を使用するのに第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)を必要とすることを検出する機能を有する。さらに、LMA/HA203は、CMIPv6のBUメッセージ212が継続する必要がないこと、及びLMA/HA203が第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)を用いてCMIPv6バインディングを生成及び維持管理できることものと推論する。LMA/HA203は、いったんこのように決定すると、その旨をCMIPv6のBUメッセージ送信停止要求シグナル615でMN200に直接に通知する。MN200はシグナル615を受信すると、CMIPv6のBUメッセージ212をこれ以上送信しない。ただし、MN200が外部プリフィックスP2でない新しいプリフィックスをドメイン204内で参照した場合と、LMA/HA203がこの最適化サービスを取り消す旨をMN200に通知した場合を除く。
WLAN206のセルがタイル状に連続している場合と連続していない場合の両方において、ホームのLMA/HA203から来る外部プリフィックスP2に対してMN200がCMIPv6のBUメッセージ212を継続して送信する場合の問題を解決する種々の変形例が考えられるが、これらは問題を最も効率的に解決する方法ではない。以下に、不具合な点を考察する。第1に、ホームのLMA/HA203がこの最適化のサービス又は可能性に関する決定を行う場合にある程度の複雑さがある。第2に、ホームのLMA/HA203が、ホームのLMA/HA203に属しない外部プリフィックスP2から構成されたCoAを無駄にサーチする(CoAのバインディングがPMIPv6バインディングを有するか否かをサーチする)。LMA/HA203がMN200から、第1の実施の形態のようなCMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308を受信しないので、LMA/HA203はMN200のWLANインタフェースIf2がどこに接続(attach)しているかを知得していないので、上記のCoAのサーチが無駄な努力となる。
第3に、LMA/HA203は、可能な最適化を識別するためにMN200のWLANインタフェースIf2からのBUメッセージを必要とする。ここで、第1の実施の形態では、MN200のWLANインタフェースIf2からのCMIPv6のBUメッセージ212は不要であり、CMIPv6キャッシュ生成・維持管理要求メッセージ308で十分である。ただし、第2の実施の形態の利点は、MN200がホームPMIPv6ドメイン204に接続(connect)しているかを予測する必要がないが、MN200がWLANインタフェースIf2のインタフェース識別子とBIDをLMA/HA203に送信する必要があることにある。第2の実施の形態では、シグナリング負荷を減少させるために必要なすべての処理をLMA/HA203が実行する。多くのLMA/HAが存在する場合、これらのLMA/HA203に多くの処理負荷を負わせても実現可能である。
<第3の実施の形態>
次に、前述した図11を参照して第3の実施の形態について説明する。ここで、図11において、MN200がWLANインタフェースIf2を経由してホームPMIPv6ドメイン204に接続(connect)していることを知得しているものとする。その情報は、MN200がWLAN206のビーコンを参照して、MAG202がLMA/HA203とのトンネルを確立していることをMAG202から取得することができる。MN200は上記の情報から、CMIPv6のBUのシグナリング最適化を実行できるものと知得し、CMIPv6のBUメッセージ212をLMA/HA203に送信する。ここで、このBUメッセージ212は、LMA/HA203に接続(attach)した各インタフェースIf1、If2のBIDを含み、また、それらに非常に長い存続期間を記述する。第3の実施の形態のポイントは、MN200が非常に長い存続期間、接続(attach)した場合、MN200がBUをリフレッシュする必要がないことである。
この場合、MN200は、BUメッセージ212内に記述した存続期間より長くホームPMIPv6ドメイン204内をローミングした場合には、第3のエントリE3をリフレッシュする必要がある。また、LMA/HA203が非常に長い存続期間をアクセプトしない(長い存続期間のモビリティ・サービスを保証できない)場合には、LMA/HA203が受け入れる存続期間の最大の値をMN200が知得し、BUメッセージ212で通知してもよい。また、LMA/HA203は自身の負荷の状態に応じて、MN200からのBUをアクセプトしたり、リジェクトしたりするかもしれない。したがって、非常に長い存続期間のバインディングや、静的又はハードコードのバインディングは、LMA/HA203がアクセプトできないかもしれない。この場合、LMA/HA203からMN200に対して、長い存続期間のバインディングをアクセプトできるか否かを通知し、それに応じてMN200が長い存続期間を含むBUメッセージ212を送るべきか否かを判断してもよい。
また、WLAN206が図2に示したWLAN30、31のように連続していない場合、もし、WLANインタフェースIf2がオン、オフしたときに新しい外部プリフィックスP2がWLANインタフェースIf2に与えられると、外部プリフィックスP2に対して長い存続期間のBUメッセージ212を送信しないと判断してもよい。これにより、比較的短期間利用する外部プリフィックスに対しては通常のバインディングキャッシュとして扱わせることができる。また、MN200は複数のインタフェースIf1、If2を有するので、各インタフェースIf1、If2に対して長い存続期間のBUメッセージ212を送信する。第3の実施の形態の主な利点は、MN200の構成の変更が最小であることにある。拡張MIPv6タスク(Monami6の機能)を備えたMN200は、ソフトウエアを変更することなくシグナリング・ストームの問題を解決できる。
<第4の実施の形態>
さらに、同じ図11を参照して第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、LMA/HA203は、CMIPv6のBUメッセージ212をMN200から受信した場合に第2の実施の形態のシグナリング最適化を実行できるものと推論すると、BUメッセージ212の応答として、CMIPv6のBUメッセージ送信停止要求シグナル615の代わりに、非常に長い存続期間を記述したバインディング確認(BA)メッセージ(不図示)をMN200に送り返す。MN200は、このBAメッセージ内の存続期間が満了するまで新しいBUメッセージ212をLMA/HA203に送信しない。
ただし、第4の実施の形態においても、MN200は、BAメッセージ内の存続期間が満了するとCMIPv6キャッシュをリフレッシュする必要がある。第4の実施の形態の主要な利点は、より多くの処理負荷をMN側ではなくネットワーク側にシフトできることにある。さらに、第2の実施の形態と比べて、LMA/HA203の動作を簡略化できる。
<第5の実施の形態>
次に図12を参照して第5の実施の形態について説明する。図12において、MN200、MAG201、202、LMA/HA203、ホームPMIPv6ドメイン204、インタネット205、WLAN206及びCN214は図11と同じであるが、図11で示したCMIPv6のBUメッセージ212とBC713内の第3のエントリE3がない。
上記構成において、まず、図11と同様に、MN200が最初に3GセルラインタフェースIf1を介してMAG201に接続(attach)すると、MAG201がPBUメッセージ(シグナリング208)をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBCE713に第1のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)が生成され、また、MN10がMIPv6のホームプリフィックスP1を参照する。同様に、MN200がMAG202に対するトンネル確立をトリガすると、MAG202がPBUメッセージ709をLMA/HA203に送信して、LMA/HA203のBCE713に第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)が生成される。
第5の実施の形態では、LMA/HA203がBCE713に第2のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)を生成するとき、両方のPMIPv6キャッシュが同じMN200に属することを、NAIを使用して推論できる。したがって、LMA/HA203は、PBUメッセージ209の応答であるPBAメッセージ711でMAG202に指示して、MN200が外部プリフィックスP2を参照したときに、図11で示したCMIPv6のBUメッセージ212を送信しないよう、MAG202がRA/IKEv2完了メッセージ712でMN200に通知する。さらに、LMA/HA203は、PBAメッセージ711でMAG202に指示して、MN200がホームプリフィックスP1に対するフローを複数のインタフェースIf1、If2にロードバランスするようにMAG202に通知させる。
第5の実施の形態の動作について詳しく考察する。LMA/HA203の構成は、LMA/HA203が同じMN200に属するBCE713の第1、第2のエントリE1、E2を識別し、更にホームプリフィックスP1あてのパケットを外部プリフィックスP2のPMIPv6キャッシュ(第2のエントリE2)を経由してルーティング可能であることを識別するように変更されている。そして、LMA/HA203はMAG202に対し、外部プリフィックスP2用に送信されるPBAメッセージ711でホームプリフィックスP1を通知し、MAG202がRAメッセージ712で特別なオプションを送信する。この特別なオプションは、MN200が外部プリフィックスP2を参照したときに、図11で示したCMIPv6のBUメッセージ212を送信しないようにMN200に通知するフラグである。ここで重要な点は、MAG202がPBAメッセージ711でホームプリフィックスP1を通知されているので、ホームプリフィックスP1用のパケットがMAG202にルーティングされたときに、MAG202はそのパケットを、外部プリフィックスP2から構成したアドレスのWLANインタフェースIf2に転送できることにある。
次に、第1の実施の形態と比較して第5の実施の形態の不具合について考察する。第1に、ホームPMIPv6ドメイン204内のMAG201、202の構成が変更されている。第2に、MN200は、ホームプリフィックスP1用のパケット(例えばQoSが高いVoIPの場合)が、安定している3GセルラインタフェースIf1のみに来るよう希望するかもしれない。すなわち、インタフェースIf1、If2の両方に来ることを希望しないかもしれない。MN200がこのような希望を有する場合、LMA/HA203がホームプリフィックスP1をMAG202に通知することは無駄となる。
第3に、MN200がホームPMIPv6ドメイン204内で2つのHoA(ホームプリフィックスP1から構成したHoA1と外部プリフィックスP2から構成したHoA2)を有する場合、MN200がこのシグナリング最適化サービスを希望しないかもしれない。なお、SHIM6(Site Multi-homing by IPv6 Intermediation)をMN200とCN214に備えてもよい。この場合にはマルチホーミングは既に実現できるので、LMA/HA203の動作は無駄となる。ここで、当業者であれば、LMA/HA203が理想的には、MN200から何かのトリガを取得した後にのみ、このシグナリング最適化をすべきであることは明らかである。その理由は、MN200のステート(備えられているプロトコル)と、希望する内容は通常、MN200のみが知得しているからである。第5の実施の形態の不具合について説明したが、第5の実施の形態の利点は、MN200がマルチホーミングを実現するためにホームPMIPv6ドメイン204内では如何なるシグナリングも実行する必要がないことにある。第5の実施の形態によれば、MN200はホームプリフィックスP1あてのパケットをすべてのインタフェースIf1、If2で受信できる。
<第6の実施の形態>
同じ図12を参照して第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態では、MN200がホームプリフィックスP1のパケットがインタフェースIf1、If2の両方(又はIf2)に届くことを希望するものとする。ただし、MN200はインタフェースIf1、If2に対して1つのホームプリフィックスP1と1つのHoAを有するものとする。MN200はホームプリフィックスP1をLMA/HA203に通知し、また、LMA/HA203に対して、ホームプリフィックスP1についての外部プリフィックスP2に関連するMAG202を通知するよう要求する。基本的に、そのMN200からの通知シグナリングは1回のみ必要である。
以下に詳しく説明する。MN200がホームプリフィックスP1をLMA/HA203に通知し、また、LMA/HA203に対してMNの他のインタフェースIf2に接続(connect)しているMAG202に対して、ホームプリフィックスP1について通知するよう要求する。この通知メッセージは、新しい種類の明示的なモビリティ・シグナリングメッセージである。LMA/HA203はこの通知メッセージを受信すると、ホームプリフィックスP1が有効なプリフィックスであることをMAG202に通知する。LMA/HA203は、MN200のインタフェースIf2がMAG202に接続(attach)したときにプリフィックスP1、P2をMAG202に通知することができる。ここで重要な点は、MAG202がホームプリフィックスP1についての情報をいったん取得すると、MAG202がこの情報を、MN200のインタフェースIf2が接続(attach)した他のMAGにCT(context transfer)で転送できることにある。このCTの動作は、古いMAGから新しいMAGの間でCTインタフェースが利用可能な場合にのみ可能である。
第6の実施の形態では、LMA/HA203においてホームプリフィックスP1のHoAあてに到着したパケットは、MAG202経由でトンネル化される。また、MN200のインタフェースIf2が移動したときにはいつでも、LMA/HA203が上記のホームプリフィックスP1についての通知メッセージを送信する。さらに、秘密性の高いデータフローにとって、MAG202経由のトンネル化は望ましくないが、MN200経由のトンネル化が可能である。第6の実施の形態の主要な利点は、MN200が、他のインタフェースIf2がホームPMIPvドメイン204に接続(attach)したことを予測する必要がなく、また、第1の実施の形態のようにインタフェースIf2のインタフェース識別子を送信する必要がないことにある。第1の実施の形態と比較して、第6の実施の形態では、MN200から来るシグナリングの負荷をやや減少できる。
<第7の実施の形態>
同じ図12を参照して第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態では、MN200がホームプリフィックスP1のパケットがインタフェースIf1、If2の両方(又はIf2)に届くことを希望するものとし、このため、MN200がホームプリフィックスP1をMAG202に通知する。MAG202はLMA/HA203からホームプリフィックスP1の証明(verification)を取得する。
以下に詳しく説明する。ここで、MN200は既に、インタフェースIf1がMAG201に接続(attach)しており、また、ホームプリフィックスP1をRAメッセージ210で参照しているものとする。次に、MN200は、WLANインタフェースIf2とMAG202との初期接続(initial attachment)の間のトンネル・セットアップメッセージでホームプリフィックスP1についてMAG202に通知する。MAG202はホームプリフィックスP1の情報を取得すると、その情報をPBUメッセージ709でLMA/HA203に送信する。LMA/HA203はPBUメッセージ709をMAG202から受信すると、MAG202に対して外部プリフィックスP2とホームプリフィックスP1が有効なプリフィックスであることを通知する。
基本的に、MN200は、WLANインタフェースIf2経由でホームPMIPvドメイン204内の各MAGに接続(attach)すると、ホームプリフィックスP1の証明(verification)のために上記のトンネル・セットアップメッセージを各MAGに送信する必要がある。なお、代わりに、MAG202がいったん、LMA/HA203からホームプリフィックスP1の確認を取得すると、この情報は他のMAGにCTで転送することができる。基本的に、各MAGはCTでホームプリフィックスP1と外部プリフィックスP2を転送することができ、MN200のWLANインタフェースIf2に接続(attach)したすべてのMAGは、有効なホームプリフィックスP1と外部プリフィックスP2を有する。このため、ホームプリフィックスP1のフローあてのデータパケットは、WLANインタフェースIf2に接続(attach)した各MAGにトンネル化できる。
第7の実施の形態では、ホームプリフィックスP1のパケットをインタフェースIf1、If2の両方で取得するために、シグナリングがコアネットワーク内で発生する。例えばホームプリフィックスP1の有効性をLMA/HA203に問い合わせるシグナリングと、WLANインタフェースIf2がホームPMIPvドメイン204接続(attach)したときに必ずMN200がホームプリフィックスP1を転送するシグナリングは、追加されたシグナリングである。第7の実施の形態の主要な利点は、MN200がホームプリフィックスP1をMAGに通知することのみを必要とすることにある。この通知はL2シグナルで可能である。したがって、シグナリング最適化を実現するために、MN200から発生するシグナリング負荷を第1の実施の形態より少なくすることができる。
<第8の実施の形態>
次に図13を参照して第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態では、MN200が外部PMIPv6ドメイン810をローミングしているときのHoAあてのパケットロスを防止する方法について説明する。ここでの想定では基本的に、LMA/HA203は、ホームプリフィックスP1のフローを、外部プリフィックスP2が与えられたMAG経由で送信できるものとする。また、基本的に、MN200のインタフェースIf2に接続(connect)したMAGは、MN200のホームプリフィックスP1に関してある機能を有するものとする。この機能は、LMA/HA203によりそのMAGに直接に提供してもよく、又は、最初にあるMAGに与えられて他のMAGにはCTで転送してもよい。
図13において、複数のインタフェースIf1、If2を有するMN200は、最初にインタフェースIf1、If2の両方を介してホームPMIPvドメイン202に接続(connect)するものとする。ここで、MN200は、最初にインタフェースIf1経由でMAG201に接続(connect)し、次いでインタフェースIf2経由でMAG202に接続(connect)するものとする。さらに、MN200が最初に接続(connect)するWLAN206がインタネット205に接続(connect)されているものとする。さらに、ホームPMIPvドメイン202が同様にインタネット205に接続(connect)されているものとする。
MN200が最初にインタフェースIf1経由でMAG201に接続(attach)すると、MAG201がPBUメッセージ(不図示)をLMA/HA203に送信してLMA/HA203のBC813に第1のエントリE1(PMIPv6キャッシュ)が生成され、また、MN200がRAメッセージ(不図示)からホームプリフィックスP1を参照する。次いでMN200がインタフェースIf2経由でMAG202に対するトンネル確立をトリガすると、MAG202はPBUメッセージ(不図示)をLMA/HA203に送信してLMA/HA203のBC813に第2のエントリE2(PMIPv6キャッシュ)が生成される。
ここで、LMA/HA203は第1、第2のエントリE1、E2を用いて、ホームプリフィックスP1から構成されたHoAあてに来るパケットをMAG202あてにトンネル化でき、また、MAG202はホームプリフィックスP1を通知されるものとする。また、MN200は、MAG201に未だ接続(attach)しているときに、WLANインタフェースIf2がMAG202から切断(disconnect)して、別の外部PMIPv6ドメイン810のMAG803に接続(attach)するものとする。このとき、基本的に、MN200はWLANインタフェースIf2経由で、外部PMIPv6ドメイン810のLMA/HA808から外部プリフィックスすなわちローカル・ブレークアウト・プリフィックスを参照する。そこで、MN200はCMIPv6のBUメッセージ812を外部PMIPv6ドメイン810経由でホームLMA/HA203に送信してLMA/HA203のBC813に第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュ)が生成される。
ここで、重要な点は、MN200がCMIPv6のBUメッセージ812をフラグH付きで送信して、LMA/HA203に対してHoAあてのパケットをWLANインタフェースIf2経由の送信を希望することにある。非常に可能性が低いケースとして、WLANインタフェースIf2が外部PMIPv6ドメイン810のLMA/HA808に接続(attach)してLMA/HA203のBC813に第3のエントリE3(CMIPv6キャッシュ)が生成された後に、MAG202による第2のエントリE2の登録が解除されずに残っている場合があり、この場合にはパケットロスが発生する。その理由は、LMA/HA203は第2のエントリE2を使用してパケットをルーティングしてもよいからである。したがって、MN200がCMIPv6のBUメッセージ812を送信するときに、MN200が新しいオプションをBUメッセージ812に添付して第2のエントリE2はもう有効でないことを通知することが望ましい。この目的のため、BUメッセージ812内のオプション内に外部プリフィックスP2を送信することができる。
なお、MN202がWiMAXアクセスネットワークに接続(attach)した場合、MAG機能は、ワイヤレス・アクセスネットワークに位置するアクセスゲートウェイ(AGW)に共存している。さらに、信頼できないWLANアクセスネットワークにMNが接続(attach)した場合、MAG機能はそのePDGに共存している。さらにMNがE−UTRAN、UTRAN、GERANのような3Gアクセス経由で接続(attach)した場合、MAG機能はそのS−GW(Serving GateWay)に共存している。さらに、3GPPアーキテクチャでは、LMA/HA機能はP−GW(Packet data network GateWay)に共存している。
<第9の実施の形態>
第9の実施の形態では、図15に示す二重登録(BU1、BU2)の問題を解決するために、MNがLMA/HAに対し、PMIPv6ベアラがセットアップされるときにホームアンドアウェイ・バインディングを生成するよう要求する。図16〜図23を参照して第9の実施の形態について詳しく説明する。図16に示す想定では、MN1003は最初に、WiMAXインタフェースIf2(及びWiMAXアクセスネットワーク1001、MAG1006)経由で、ホームドメインであるEPC(evolved packet core)1000に接続(attach)し、次いでLTE(long-term evolution)インタフェースIf1すなわち3GインタフェースIf1(及びUTRAN、LTE、E−UTRANなどのアクセスネットワーク1002、MAG1005)経由でEPC1000に接続(attach)するものとする。
MN1003は、最初にWiMAXインタフェースIf2がWiMAXアクセスネットワーク1001に接続(attach)すると、MAG1006による認証が成功した後、MAG1006が管理するプリフィックスP2をシグナリング・メッセージ1007経由で参照する。図15と同様に、WiMAXインタフェースIf2のモビリティは、MIPv6メカニズムにより管理される。また、MN1003は、WiMAXインタフェースIf2経由で接続(attach)する処理を開始するときに、LTE/3GインタフェースIf1で接続(attach)する処理を開始する。MN1003は、最初にプリフィックスP2をWiMAXインタフェースIf2経由で参照すると、内部的にこれからLTE/3GインタフェースIf1経由で参照するであろうプリフィックス・タイプを予測して決定する。なお、LTE/3GインタフェースIf1経由で参照するプリフィックスP1のモビリティは、PMIPv6メカニズムにより管理されるものとする。
MN1003は、多くのファクタに基づいて、E−UTRANアクセスネットワーク1002に接続(connect)されるLTE/3GインタフェースIf1経由で参照するMIPv6ホームプリフィックスP1を予測することができる。第1のファクタとしては、非特許文献6に示すようにMIPv6−BUがLTE/3GインタフェースIf1経由で実行できない、つまりネットワークベースのローカル・モビリティ管理プロトコルが使われるので、MN1003は、WiMAXインタフェースIf2の電源をオフにした場合でもセッションが継続できるように、LMA/HA1004が常にホームプリフィックスP1を継続して付与するであろうと予測してもよい。
上記の予測に貢献する第2のファクタとしては、MN1003が1つのAPN(Access Point Name)によって示される1つのサービスタイプのみに加入していて、かつWiMAXバインディングがLMA/HA1004にセットアップされる場合、MN1003は、LMA/HA1004はUE1003に対してマルチホーミングを実現するために、MIPv6ホームプリフィックスP1を3G/LTEインタフェースIf1経由で付与すると予測する。APNは、3GPPではあるサービスタイプを特徴付ける。APNの詳しい説明は、非特許文献6に記載されている。MN1003が1つのPDNのみに加入している場合は、1つのAPNのみを保持しているため、LTEインタフェースIf1経由で接続(connect)したときにLMA/HA1004が同じMIPv6プリフィックスを割り当てるかもしれないと予測することは合理的である。
MN1003が複数のPDNに加入している場合は、複数のAPNを保持しているため、LMA/HA1004は、別のPDNにアクセスするために別のプリフィックスをLTEインタフェースIf1経由で割り当てるかもしれない。基本的に、複数のAPNの想定では、同時接続(connection)中は、P−GWは、異なるインタフェースに対して異なるPDNからのプリフィックスを割り当てるかもしれない。すなわち、マルチホーミングを実現するためにPDN1からのプリフィックスをWiMAXインタフェースIf2経由で、PDN2からのプリフィックスを3GインタフェースIf1経由で割り当てる。
上記の予測に貢献する第3のファクタとしては、MN1003がリアルタイムに関するフローをWiMAXインタフェースIf2経由で使用していて、次に3GインタフェースIf1経由に切り換える場合、ネットワークポリシーとして、3GインタフェースIf1の方がリアルタイムフローには理想的であるため、WiMAXインタフェースIf2からのフローを3GインタフェースIf1側に通過させたいという場合がある。ネットワークは、このフローを3GインタフェースIf1側に通過させたい場合、MIPv6プリフィックスをPMIPv6プリフィックスとして3GインタフェースIf1経由で送信する必要がある。MN1003は、上記のネットワークポリシーを知得している場合、MIPv6ホームプリフィックスP1を3GインタフェースIf1経由で参照するであろうと簡単に予測できる。
上記の予測に貢献する第4のファクタは、MN1003において静的に構成されたポリシーである。MN1003は、例えば「LTEリンクをMIPv6ホームリンクとしたい」というポリシーをHSS(Home Subscription Server)においてあらかじめ構成してもよい。MN1003は、「リアルタイムなフローを同時使用したい」という理由などによりこの静的なポリシーを構成していて、リアルタイムなサービスを提供するPDNにMN1003が加入している場合にこのポリシーをHSSに構成する。リアルタイムなサービスを提供するPDNとは、IMS(IP Multimedia Service)タイプである。別の理由として、LTEアクセスがリアルタイムなサービスに対してより良いQoSを提供し、リアルタイムなフローが3GインタフェースIf1に来ることをMN1003が望む場合がある。
上記の説明から、「MIPv6ホームプリフィックスP1を3GインタフェースIf1経由で参照するであろう」ということを予測する決定基準をMN1003が使用できることがわかる。MN1003は、この決定プロセスを完了すると、BUメッセージ1008をLMA/HA1004に送信する。BUメッセージ1008には、例えばMIPV6ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにホームアンドアウェイのバインディングを生成するようLMA/HA1004に要求する新しい情報を埋め込むことができる。以下、BUメッセージ1008に埋め込まれる情報を「ホームバインディング生成要求」又は「Hフラグ生成要求」と称す。ここで、当業者であれば、MN1003は、MIPv6ホームプリフィックスP1をLTEアクセス経由で参照するであろうということを予測できるので、ホームアンドアウェイのバインディングを生成するためにLMA/HA1004に送信するBUメッセージとして、図15に示す複数のBUメッセージ(BU1、BU2)ではなく、ホームバインディング生成要求を含む1つのBUメッセージ1008のみを送信すればよいことは明らかである。
LMA/HA1004は、BUメッセージ1008内の上記の「ホームバインディング生成要求」を処理して、応答メッセージ又はBAメッセージ1010をMN1003に送信する。BAメッセージ1010はMN1003に対し、「MIPV6ホームプリフィックスP1に対するPMIPv6ベアラがセットアップされるときに、Hフラグを生成することを要求するリクエストをサポートするか否か」を通知する。BUメッセージ1008はまた、このPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグを生成するトリガに加えて、PMIPv6ベアラを識別する何らかの情報を含んでもよい。この識別情報は、インタフェース識別子やAPN(Access Point Name)のようなパラメータでよい。
シグナリング・メッセージ1008は、種々の異なるタイプで送信することができ、後述する実施の形態に開示している。シグナリング・メッセージ1008内に埋め込まれる重要な情報は、MIPV6ホームプリフィックスP1に対するPMIPv6ベアラがセットアップされるときに、図17に示すCMIPv6キャッシュ1608のHフラグ・フィールドにHフラグを生成するようLMA/HA1004に要求する「ホームバインディング生成要求」である。加えて、メッセージ1008は、MIPv6ホームプリフィックスP1をPMIPv6プリフィックスとしてLTEインタフェースIf1経由で送信することを要求する情報を、LMA/HA1004がそのメカニズムを有しないときに含むことができる。このPMIPv6プリフィックスとしてMIPv6ホームプリフィックスP1を要求するのはオプションである。この要求は、ホームプリフィックスP1のフローに対して同時バインディングを実現するか否かのMN1003のポリシー次第である。
さらに、メッセージ1008は、LMA/HA1004におけるホームアンドアウェイのバインディングを実現するための他の情報を含むことができる。例えばメッセージ1008は、ホームに接続(connect)したインタフェースIf1のBID値をLMA/HA1004が生成することを要求するためのトリガを含むことができる。このBID生成トリガがメッセージ1008で送信されると、LMA/HA1004は、ホームに接続(connect)したPMIPv6ベアラのキャッシュに対してBID値を生成する。さらに、LMA/HA1004は、このBID値が、CMIPv6メカニズムにより取り扱われているインタフェースのBID値と異なることを保証する。このホームに接続(connect)したインタフェースIf1に対して生成されたBID値を有することにより、現在のメカニズムを使用してホームに接続(connect)されているインタフェースIf1に対してフィルタリングルールをセットすることが容易となる。代わりに、MN1003は、BIDオプションをメッセージ1008内に記述することができる。このBIDオプションは、ホームバインディングのBID値を示すために使用される。BIDオプションを用いて、MN1003は、LMA/HA1004にBID値を生成させる代わりに、自身でホームバインディングのBID値を記述することができる。
LMA/HA1004は、メッセージ1008を受信するとメッセージ1008を処理して、インタフェースIf1用のPBUメッセージ1009がLMA/HA1004に到着するのを待つ。ここで、LMA/HA1004は、CMIPv6バインディングを図17に示すエントリ1608に生成しているが、生成したCMIPv6バインディングには未だHフラグを挿入しない。LMA/HA1004は、MAG1005からインタフェースIf1用のPBUメッセージ1009が到着すると、PMIPv6バインディングを図17に示すエントリ1607に生成するとともに、CMIPv6バインディングにHフラグを挿入する。HフラグがCMIPv6バインディングに挿入されると、MN1003は、ホームに接続(connect)したインタフェースIf1と、外部ドメインに接続(connect)したインタフェースIf2経由で到着することができる。
ここで、重要なことは、メッセージ1008経由で送信された「ホームバインディング生成要求」すなわち「Hフラグ生成要求」は、PMIPv6ベアラがセットアップされるまでアクティブではないということである。HフラグがLMA/HA1004によりいったん挿入されると、MN1003は、MIPv6ホームプリフィックスP1あてのフローを全てのインタフェースIf1、If2経由で到着させることができ、マルチホーミングを実現することができる。
PMIPv6ベアラがいったんセットアップされると、LTEアクセスネットワーク1002側のMAG1005により、ホームプリフィックスP1がメッセージ1010で広告される。アクセスネットワーク1002がE−UTRANの場合、このホームプリフィックスP1は、接続(attach)が成功したMN1003に対し、MME(Mobility Management Entity)により広告される。当業者であれば、この実施の形態の解決策は、LTE/3GインタフェースIf1がブートアップされている一方で、WiMAXインタフェースIf2がハンドオフを実行中である場合や、両方のインタフェースIf1、If2が同時のモビリティを実行している場合にも適用することができることは明らかである。メッセージ1008がホームバインディングに関する情報(例えばBIDオプション(HoAをCoAフィールドに含む))を含む場合には、LMA/HA1004は、その情報を、生成したホームバインディングに適用する。
<LMA/HAにおけるBCE>
次に、図17を参照して、MN1003が「Hフラグ挿入要求」をLMA/HA1004に送信する場合に、LMA/HA1004において生成されるバインディングキャッシュの構造について説明する。図17は、特定のMN1003のみに関連するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)1600の構造を示す。LMA/HA1004は、ホームエージェント機能とローカル・モビリティ・アンカー機能を有するので、MN1003のために生成されるBCE1600は、PMIPv6キャッシュとCMIPv6キャッシュの両方を有することが考えられる。なお、当業者であれば、BCE1600は、LMA/HA1004がサービスする多数のMNのバインディング・キャッシュ・エントリを有することは明らかである。このバインディングキャッシュの構造は、非常に特有である。
マルチホーミング・パラメータがBUメッセージ1008でLMA/HA1004に通知されない場合には、CMIPv6エントリがPMIPv6エントリより優先することが一般的に考えられる。しかし、図17に示すようにバインディングキャッシュが例えばHフラグ及び/又はBIDオプションのような適切なマルチホーミング・パラメータを用いて生成される場合には、CMIPv6とPMIPv6の各バインディング・キャッシュ・エントリ1608、1607は同じ優先度を有し、MN1003あてのフローは、どちらか一方のエントリ1608、1607を使用してルーティングできる。
図17に示すBCE1600における第1のフィールド1601は、MN1003に関連するホームネットワーク・プリフィックス(ホームプリフィックス)P1又はホームアドレス(HoA)を示す。ホームネットワーク・プリフィックスP1は一般的にPMIPv6バインディング(図17の1607)に関連し、ホームアドレス(HoA)は一般的にCMIPv6バインディング(図17の1608)に関連する。なお、CMIPv6バインディングもホームネットワーク・プリフィックスP1に関連していてもよい。第2のフィールド1602は、フィールド1602がPMIPv6エントリ1607により生成される場合には、MAG1005のイーグレス・アドレス(MAG CoA)を示す。また、CMIPv6エントリ1608により生成されるフィールド1602は、MN1003のインタフェースに関連するCoA(MN CoA)を示す。第3のフィールド1603は、MN1003のインタフェースの識別子(IF−ID)を示す。ただし、フィールド1603は、MACアドレス、又は特定のインタフェースに付与されるインタフェース識別子を示すことができる。IF−IDのフィールド1603は、PMIPv6バインディングの場合には必須であるが、CPMIPv6バインディングの場合には使用されない。
次のフィールド1604は、MN1003のネットワーク・アクセス識別子(NAI)を示し、このNAIは、MN1003の一時的な識別子であっても永久的な識別子でもよい。NAIのフィールド1604は、PMIPv6バインディングの場合には必須であるが、CPMIPv6バインディングの場合には必須ではない。次のフィールド1605は、特定のバインディングのバインディング識別子(BID)を示し、特定のホームアドレスに関連する特定のバインディングを識別するために使用される。最後のフィールド1606は、CMIPv6エントリ1608に関連するHフラグを示す。
「ホームバインディング生成要求」がLMA/HA1004に到着したときにPMIPv6ベアラが未だ確立されていない場合、LMA/HA1004は、HフラグをCMIPv6エントリ1608のHフラグ・フィールド1606に挿入しない。LMA/HA1004は、PMIPv6キャッシュが生成されるまで待機し、PMIPv6キャッシュが生成されると、HフラグをCMIPv6エントリ1608のHフラグ・フィールド1606に挿入する。PMIPv6キャッシュが既に生成されている場合に、Hフラグを生成するCMIPv6要求が到着すると、LMA/HA1004は、Hフラグ付きのCMIPv6エントリ1608を生成する。
当業者であれば、MN1003がホームアンドアウェイの同時登録をLMA/HA1004に生成する方法が多くあることは明らかである。例えばHフラグはPMIPv6に関連付けすることができる。代わりに、フィールド1605におけるBIDオプション値がホームアンドアウェイの同時登録を示すことができる。
<Hフラグ生成要求メッセージのパケット構造>
本実施の形態で説明した「ホームバインディング生成要求」を送信する方法としては、種々の方法がある。前述した実施の形態では、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグをCMIPv6キャッシュに挿入することをLMA/HA1004に指示するための「ホームバインディング生成要求」は、BUメッセージ1008内の新しいオプションで行うことを記載したが、多くの変形例が考えられる。以下、詳細に説明する。
図18A、図18B、図18C、図18Dを参照して、「ホームバインディング生成要求」すなわち「Hフラグ挿入要求」を含む他の信号の構造について説明する。図18A、図18Bでは、「Hフラグ挿入要求」は、新しいモビリティ・ヘッダタイプで送信される。図18Aに示すパケット1410は、IPv6ヘッダ1411と、認証ヘッダ1412と新モビリティ拡張ヘッダ1413の各フィールドを含み、新モビリティ拡張ヘッダ1413のフィールドは、標準フィールド1414と、「Hフラグ挿入要求」を示す新フィールド1415を含む。図18Bに示すパケット1430は、IPv6ヘッダ1431と、認証ヘッダ1432と新モビリティ拡張ヘッダ1433の各フィールドを含み、新モビリティ拡張ヘッダ1433のフィールドは、標準フィールド1434と、BIDオプション1435のフィールドと、「Hフラグ挿入要求」を示す新フィールド1436を含む。なお、信号としてはMN1003がネットワークに接続した際に行うIKEv2メッセージを用いてもよい。
図18C、図18Dでは、「Hフラグ挿入要求」は、通常のBUヘッダタイプで送信される。図18Cに示すパケット1420は、IPv6ヘッダ1421と、認証ヘッダ1422とBUヘッダ1423の各フィールドを含み、BUヘッダ1423のフィールドは、標準フィールド1424と新モビリティ・オプション1425の各フィールドを含む。新モビリティ・オプション1425のフィールドは、「Hフラグ挿入要求」と、PMIPv6ベアラを識別するためのインタフェース識別子を含む。図18Dに示すパケット1440は、IPv6ヘッダ1441と、認証ヘッダ1442とBUヘッダ1443の各フィールドを含み、BUヘッダ1443のフィールドは、標準フィールド1444と、BIDオプション1445のフィールドと、「Hフラグ挿入要求」を示す新モビリティ・オプション1445の各フィールドを含む。IPv6ヘッダ1411、1421、1431、1441における送信元アドレスはMN1003のCoAであり、あて先アドレスはMN1003のホームエージェントであるLMA/HA1004のアドレスである。
以上、「Hフラグ挿入要求」を送信する種々のパケット構造について説明したが、他にも多くの方法がある。新しいオプションや新しいフィールドで送信する代わりに、例えば新しいフラグで「Hフラグ挿入要求」を送信することができる。さらに、「Hフラグ挿入要求」を、保留されている新しいBID値でも送信することができる。新しいBID値は、他の複数CoAバインディングには使用されないように保留されていることをグローバルに告知される。
また、他の方法として、「Hフラグ挿入要求」を第1の実施の形態において図6Aに示したL2フレーム307Bの信号でMN1003から、MN1003の代理ノードであるMAG1005に通知してもよい。この場合、MN1003は、PCO(Protocol Configuration Option)を用いることができる。MAG1005は、この「Hフラグ挿入要求」をLMA/HA1004に対し、PBUメッセージ1009内のPCO、又は新しいオプション又は新しいフラグで通知する。LMA/HA1004は、このPCO、又は新しいオプション又は新しいフラグを参照すると、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグをCMIPv6キャッシュに挿入する。なお、信号としては、アクセスネットワークに特有のメッセージを用いてもよい。
図6Aに示すL2フレーム307BにおけるプロトコルID303Bのフィールドは、L2より上位の層で発生するパケットのときにのみ値を有する。プロトコルID303Bの値は、「Hフラグ挿入要求」がL2で発生したときにはオール0である。しかし、「Hフラグ挿入要求」がL2で発生しても、「Hフラグ挿入要求」を送信する決定と、L2フレーム307B内に埋め込む関連パラメータはL3から来なければならない。「Hフラグ挿入要求」は、情報304Bのフィールドにより伝送される。オプションとして、情報304Bのフィールドは、CMIPv6バインディングのBIDを伝送してもよい。「Hフラグ挿入要求」は、図6Aに示すL2フレーム307B以外の他のフレーム構造でも送信することができる。
また、MN1003は、図6Aに示したL2フレーム307Bを用いて、MN1003の代理ノードであるMAG1005に対して、BIDをCMIPv6キャッシュに挿入する要求(BID挿入要求)を通知してもよい。このBIDは、MN1003が付与するか、又はMAG1005が生成することができる。代わりに、MAG1005は、CMIPv6キャッシュのBIDとしてインタフェース識別子を使用するようLMA/HA1004に要求するために、PBUメッセージ1009内の特別なフラグを関連付けしてもよい。ここで重要な点は、L2メッセージを使用するときには、WiMAXインタフェースIf2のために送信されるCMIPv6−BUメッセージ1008が、PMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグを挿入するためのトリガを含まないということである。
<MNの構成>
図19は、第9の実施の形態におけるMN1003の構成を説明するための機能的アーキテクチャ1300を示すブロック図である。機能的アーキテクチャ1300は、MN1003に備えるのに必要な全てのソフトウエア、ハードウエア及びファームウエアを示す。機能的アーキテクチャ1300は、3つのサブ・モジュールにより構成され、具体的には下位層プロトコル・モジュール1301と、レイヤ3プロトコル・モジュール1302と上位層プロトコル・モジュール1303により構成される。
下位層プロトコル・モジュール1301は、MN1003の各インタフェースIf1、If2に関連する複数の下位層プロトコル・モジュールにより構成され、この複数の下位層プロトコル・モジュールは、主にリンク層の制御及び伝送のメカニズムに関連している。レイヤ3(L3)プロトコル・モジュール1302は、5つのサブ・モジュール、すなわちマルチホーミング・サポートユニット1304と、IPv6ルーティング・ユニット1305と、MIPv6モビリティ管理ユニット1306と、Hフラグ生成要求ユニット1307と、ホームプリフィックス参照予測ユニット1308を含む。L3プロトコル・モジュール1302はまた、各ユニット1304〜1308間でメッセージを交換するための不図示のインタフェースを有する。また、各ユニット1304〜1308は、関連するバインディングリストを必要な場合に有する。
IPv6ルーティング・ユニット1305は、近隣探索と、アドレス構成と基本的なIPv6ルーティング・メカニズムを実行し、MIPv6モビリティ管理ユニット1306は、バインディングのアップデート及び登録削除のメカニズムのようなMIPv6モビリティ管理機能を実行する。マルチホーミング・サポートユニット1304は、BUメッセージ内のBIDを生成したり、Hフラグを添付したりする複数登録機能を実行する。Hフラグ生成要求ユニット1307は、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグを生成するようにLMA/HA1004に要求する「ホームバインディング生成要求」を構成する機能を有する。ホームプリフィックス参照予測ユニット1308は、種々の多くのファクタに基づいてホームプリフィックス参照を予測する機能を有する。ホームプリフィックス参照の予測については、既に詳しく説明した。当業者であれば、各ユニット1304〜1308は、実施するときには適当なソフトウエア・インタフェースを必要とすることは明らかである。
最後に上位層プロトコル・モジュール1303は、MN1003に備えるトランスポート層とアプリケーション層のような上位層プロトコルの機能を有する。当業者であれば、図19に示した機能的モジュールは、一例であって、本発明の範囲及び精神を逸脱しない限り、種々の実施方法があることは明らかである。
<MNの動作>
次に、図20に示すフローチャートを参照して、MN1003(3GPPではUE(User Equipment)と呼ばれる)の動作を説明する。MN1003はまず、ステップ1100を実行して、ホームプリフィックスP1を3GインタフェースIf1経由で参照するかもしれないか否かを予測する。この予測処理については、既に詳しく説明したので、ここでは繰り返して説明しない。ステップ1100における判断がNOの場合、すなわちMN1003は、ホームプリフィックスP1を3GインタフェースIf1経由で参照することを高い確率で予測できない場合には、ステップ1101に進み、通常の動作、すなわちHフラグなしのBUメッセージを送信する。ステップ1101では、マルチホーミングに関するパラメータも添付せず、また、新しいオプションも埋め込まないWiMAXインタフェースIf2用の通常のBUメッセージを送信する。
他方、ステップ1100における判断がYESの場合にはステップ1102に進み、MN1003は、「ホームバインディング生成要求」を追加した新しいBUメッセージ1008をホームエージェント(LMA/HA)1004に送信して、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグをCMIPv6エントリ1608に挿入するようにLMA/HA1004に要求する。MN1003は、ステップ1102においてこの新しい(すなわち、新しいオプションを含む)BUメッセージ1008を送信した後、HAからの応答であるACK信号(BAメッセージ1010)を待つ。
MN1003は、ACK信号を受信すると、ACK信号をチェックして、「ホームプリフィックスP1用のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにLMA/HA1004がHフラグをセットするという応答」が有るか否かをチェックする(ステップ1103)。HAがHフラグをセットする場合には(ステップ1103でYES)、MN1003は、ホームプリフィックスP1をLTEインタフェースIf1経由で参照しても、Hフラグ付きのBUメッセージ(図15に示す909)をLMA/HA1004に送信しないことを決定する(ステップ1104)。ステップ1103でNOの場合とは、MN1003がステップ1102で送信したBUメッセージ1008をLMA/HA1004が了解していない場合か、又はLMA/HA1004がMIPv6ホームプリフィックスP1をLTEインタフェースIf1経由で付与したくない場合かである。この場合には、MN1003は、通常の動作に戻って、ホームプリフィックスP1を参照するまで待機し、参照すると、BIDオプションにHフラグをセットしたBUメッセージ(図15に示す909)をHAに送信する(ステップ1105)。
<LMA/HAの処理>
次に、図21を参照してLMA/HA1004の処理について説明する。なお、第9の実施の形態のLMA/HA1004の構成については示されていないが、その機能的な構成は、第1の実施の形態における図10とほぼ同じであるので、図示を省略する。図21において、LMA/HA1004は第1ステップ1500では、受信したメッセージが、ホームプリフィックスP1用のPMIPv6バインディングが生成されるときにHフラグを挿入するよう要求する新しいタイプのメッセージ(BUメッセージ1008、以下では「Hフラグ挿入要求メッセージ」)か否かをチェックする。ステップ1500においてNOの場合には、LMA/HA1004はステップ1501において、通常の動作としてPBU又はBUのメッセージのような他の標準のシグナリング・メッセージの処理を実行する。
他方、ステップ1500においてYESの場合には、LMA/HA1004はステップ1502において、Hフラグ挿入要求メッセージが到着した時点でPMIPv6バインディング(エントリ1607)がセットアップされているか否かをチェックする。ステップ1502においてNOの場合にはステップ1503に進む。この場合、CMIPv6バインディング(エントリ1608)が最初に生成されたが、LMA/HA1004のPMIPv6ベアラがセットアップされるときにHフラグが挿入されると考えられる。このため、LMA/HA1004はステップ1503において、エントリ1608のCMIPv6バインディングを用いてパケットをルーティングする。他方、ステップ1502においてYESの場合には、LMA/HA1004のPMIPv6ベアラが既にセットアップされているので、LMA/HA1004はステップ1504において、エントリ1608においてHフラグ付きのCMIPv6キャッシュを生成する。
<第9の実施の形態の他の想定例>
図22は、3GGPネットワーク間でチェーン(Chained Scenario)が形成されているとなっている場合のシステムを想定している。この3GGPチェーンのシステムでは、外部ドメインであるEPC(VPLMN)1201におけるS−GW(Serving GateWay)1206がMN(UE1200)に対して、経路途中のモビリティ管理アンカーとして動作する。この想定では、UE1200に接続(attach)するMAGであるePDG1207が、P−GW(Packet data network GateWay)1205のアドレスと関連するバインディング・パラメータを、経路途中のモビリティ管理アンカーであるS−GW1206に送信する。さらに、S−GW1206は、受信したバインディング・パラメータをP−GW1205に送信して、PMIPv6バインディングをP−GW1205に生成する。
3GGPは、特に、UE1200がVPLMN1202に位置していて、プリフィックスを管理するノードが、HPLMN1201に位置するP−GW1205である場合に、上記のチェーンのアーキテクチャを使用してモビリティ管理を実現する。上記の経路途中のモビリティ管理アンカーが存在しない場合、UEがMAGに接続するたびに、新しいPMIPv6−BUメッセージがVPLMN1202からHPLMN1201に転送されなければならず、このため、ハンドオフ遅延を招く。UE1200がVPLMN1202に位置し、かつUE1200がMAGを変更しているときにS−GW1206が変化しない場合、そのS−GW1206は、バインディング・パラメータをP−GW1205に送信する必要がなく、VPLMN1201に位置するUE1200にとっては高速モビリティ管理が実現する。3GGPチェーンの想定の詳細は、非特許文献6に記載されている。
3GGPチェーンのシステムについて詳しく説明する。この想定例における主要な目的は、3GGPの非常に現実的なネットワーク・アーキテクチャではホームプリフィックスP1が遅延することを示すことにある。図22において、UE1200は、3GPPコアネットワークであってUE1200のHPLMN(Home Public Land Mobile Network)でもあるEPC(Evolved Packet Core)1201に対し、WiMAXインタフェースIとWLANインタフェースの2つを介して接続(connect)している。さらに、UE1200は、EPC1201のP−GW1205をホームエージェントとして構成していることが考えられる。さらに、UE1200は、WiMAXインタフェースがWiMAXアクセスネットワーク1204経由で接続(attach)し、かつWLANインタフェースがWLANアクセスネットワーク1203、及びVPLMN(visited public land mobile network)であるEPC1202経由で接続(attach)しているものとする。図22から明らかなように、WLANインタフェースは3GPPチェーンのアーキテクチャに接続(connect)されている。さらに、WiMAXインタフェースのモビリティがMIPv6メカニズムにより管理され、かつWLANインタフェースのモビリティがPMIPv6メカニズムにより管理されることが考えられる。このような想定例において、UE1200は、同時接続によりマルチホーミングを実現したい。
UE1200は、WiMAXインタフェースがWiMAXアクセスネットワーク1204に接続(attach)すると、アクセス認証(authentication)の完了後に、CoAを構成するために、アクセスゲートウェイ(AGW)1208にルーティングされるプリフィックスP2をプリフィックス広告メッセージ1209で取得する。さらに、UE1200は、WLANインタフェース経由の接続(attachment)処理を開始するものとする。しかし、WLANアクセスの接続認証(authentication)と資格認証(authorization)の成功後に、VPLMN1202側のePDG1207は、バインディング・パラメータをS−GW1206に送信し(シグナリング・メッセージ1211)、さらにS−GW1206は、PMIPv6バインディングをHPLMN1201側のP−GW1205に送信する(PBUメッセージ1212)。
上記の3GPPチェーンの想定において全てのPMIPv6ベアラをセットアップするのには、チェーニングプロセスためにある程度時間がかかる。図22において、UE1200は、AGW1208からのプリフィックス(P2とする)を参照したときには、未だPMIPv6プリフィックス(ホームプリフィックスP1とする)をWLANインタフェース経由で参照していない。
図22において、UE1200は、ホームプリフィックスP1をWLANインタフェース経由で参照するかもしれないと予測すると、「ホームバインディング生成要求」を含むBUメッセージ1210をP−GW1205に送信する。ここで、P−GW1205は、最初にBUメッセージ1210を参照してHフラグなしのCMIPv6キャッシュを生成し、S−GW1212からのPBUメッセージ1212を受信したときに、HフラグをCMIPv6キャッシュに挿入するものとする。ここで、当業者であれば、P−GW1205は、S−GW1212からのPBUメッセージ1212の前にUE1200からのBUメッセージ1210を最初に受信したときには、UE1200のホームアンドアウェイのバインディングを生成できることは明らかである。
<第9の実施の形態のさらに他の想定例:ホームに接続(connect)しているインタフェースがハンドオフする場合>
上記のホームアンドアウェイの同時登録の想定では、CMIPv6バインディングとPMIPv6バインディングが同時に行われなければならない。次に、変形例として、「ホームバインディング生成要求」が、ホームに接続(connect)しているインタフェースのハンドオフを取り扱う場合について説明する。ここで、外部に接続(connect)しているインタフェースは、未だ同じアクセスルータに接続(connect)している。図23を参照して詳しく説明する。MN1703は2つのインタフェースを有し、例えばWiMAXインタフェースは、WiMAXアクセスネットワーク1701経由でMAG1706に接続(connect)していることが考えられる。ここで、LTEインタフェースは、LTEアクセスネットワーク1702経由で最初はMAG1705に接続(connect)し、次にMN1703の移動により別のMAG1707に接続(connect)するものとする。さらにMN1703は、3GのLTEアクセスネットワーク1702により、MAG1705とMAG1707に接続(connect)するものとする。
上記の場合、MN1703は、ハンドオフ前のMAG1705からのメッセージ1711でホームプリフィックスP1を参照する前に、WiMAX側のMAG1706からのルータ広告メッセージ1708で付与されるプリフィックスP2を使用してCoAを生成して、「ホームバインディング生成要求」をBUメッセージ1709でLMA/HA1704に送信する。次にハンドオフ前のMAG1705からのPMIPv6−PBUメッセージ1710(PBU1)がLMA/HA1704に到着すると、LMA/HA1704におけるCMIPv6バインディングキャッシュにHフラグが挿入される。
ここで、「ホームバインディング生成要求」を含むBUメッセージ1709は、ハンドオフのPMIPv6−PBUメッセージ1712(PBU2)がBIDやHフラグのようなマルチホーミング・パラメータを含まなくても、ホームアンドアウェイ登録を削除しないようLMA/HA1704に通知するための新しい情報を含む。非特許文献5によれば、水平ハンドオフの場合は、PBUメッセージ1710、1712内にハンドオフ指示オプション(オプション値=3)を含む。このため、MN1703のホームに接続(connect)しているLTEインタフェースIf1が別のMAG1707に移動すると、MAG1707からLMA/HA1704に送信されるPMIPv6−PBUメッセージ1712(PBU2)は、水平ハンドオフ指示を含み、マルチホーミング・パラメータを含まないであろう。この場合、「ホームバインディング生成要求」を含むBUメッセージ1709が上記の新しい情報を含むので、PMIPv6−PBUメッセージ1712(PBU2)は、LMA/HA1704におけるホームアンドアウェイのステートを上書きせず、ホームアンドアウェイ登録を削除しない。ホームアンドアウェイのステートを削除できるのは、MN1703がLMA/HA1704に対し、ホーム又は外部に接続(connect)しているインタフェースの登録を解除するよう明示したときのみである。ホームに接続(connect)しているインタフェースの登録解除は、PMIPv6メカニズムにより行われ、外部に接続(connect)しているインタフェースの登録解除は、CMIPv6メカニズムにより行われる。
ホームアンドアウェイ同時接続の情報は、新しいトリガとして、ハンドオフ後の新しいMAG1707に送信することもできる。この新しいトリガとしては、L2特有のメッセージや、近隣探索に関するメッセージのようなL3特有のメッセージを使用することができる。ホームアンドアウェイに関する新しいトリガがMAG1707に送信されると、MAG1707は、この情報をハンドオフのPBUメッセージ1712(PBU2)でLMA/HA1704に送信する。このハンドオフのPBUメッセージ1712(PBU2)内のホームアンドアウェイの情報により、上記のハンドオフの想定例においてもLMA/HA1704におけるホームアンドアウェイのバインディングが維持される。
以上、最も実際的かつ望ましい実施の形態について説明したが、当業者であれば、本発明の範囲及び精神を逸脱しない範囲で構成及びパラメータについて種々の変形が可能であることは明らかである。例えば3GとWiMAXのインタフェースを例にして説明したが、本発明は、他の異なるアクセス技術タイプを有し、そのアクセス技術タイプのインタフェースをネットワークに接続(attach)する場合にも適用することができる。さらに、前述した想定例は3GPPに関するが、本明細書に記載した問題及び解決策は、異種のアクセスネットワークにより構成されていて、あるアクセス技術タイプ経由のあるモビリティ管理メカニズムの使用を制限する他の全てのSDOに適用することができる。
以上、本発明について実施の形態を参照して説明したが、当業者であれば、本発明を逸脱しない種々の変形が可能であることは明らかである。例えば上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
本発明によれば、特許請求の範囲に記載したように、以下のような発明が提供される。
(1)請求項1に記載のバインディングキャッシュ生成方法、又は請求項5に記載のバインディングキャッシュ生成システムにおいて、前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュの存続期間が満了した場合に前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを削除することを特徴とする。
(2)請求項1又は2に記載のバインディングキャッシュ生成方法、又は請求項5又は6に記載のバインディングキャッシュ生成システムにおいて、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームエージェントに登録された後に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持する要求メッセージを送信し、
前記ホームエージェントが、前記要求メッセージを受信した後、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記第1及び登録された第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するとともに、前記モバイルノードに対して前記要求メッセージを再度送信しないように通知することを特徴とする。
(3)請求項1又は2に記載のバインディングキャッシュ生成方法、又は請求項5又は6に記載のバインディングキャッシュ生成システムにおいて、前記ホームエージェントが、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するプロキシ・バインディング・アップデートメッセージを受信した場合に前記第2のプロキシ・バインディングキャッシュを生成するとともに、前記第1及び前記生成した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記モバイルノードに対して前記クライアントベースのバインディングキャッシュを登録する要求メッセージを送信しないように通知することを特徴とする。
(4)請求項16に記載のバインディングキャッシュ生成方法において、前記ホームドメインの各プロキシノードの間で、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するための情報を転送することを特徴とする。
(5)請求項1から4、及び14から17までのいずれか1つに記載のバインディングキャッシ生成方法において、前記モバイルノードが、前記ホームドメインから外部ドメインにローミングした場合に、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を前記外部ドメインを経由して前記ホームエージェントに通知することを特徴とする。
本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームドメイン内をローミングする場合に、ホームエージェントにおいてクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して管理する場合のシグナリングを減少することができるという効果を有し、ホームドメインが3GのPMIPv6ドメインなどの場合に利用することができる。
また本発明は、複数のインタフェースを有するモバイルノードがホームリンクと外部リンクに同時に接続(connect)しているときのバインディング登録のシグナリングを減少することができるという効果を有し、ホームドメインが3GのPMIPv6ドメインなどの場合に利用することができる。

Claims (29)

  1. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
    前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
    前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
    前記ホームエージェントが、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持するステップとを、
    有するバインディングキャッシュ生成方法。
  2. 前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュの存続期間が満了した場合に前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを削除することを特徴とする請求項1に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
  3. 前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームエージェントに登録された後に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持する要求メッセージを送信し、
    前記ホームエージェントが、前記要求メッセージを受信した後、前記第1及び第2のインタフェース用の第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記登録された第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するとともに、前記モバイルノードに対して前記要求メッセージを再度送信しないように通知することを特徴とする請求項1に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
  4. 前記ホームエージェントが、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するプロキシ・バインディング・アップデートメッセージを受信した場合に前記第2のプロキシ・バインディングキャッシュを生成するとともに、前記第1及び前記生成した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記モバイルノードに対して前記クライアントベースのバインディングキャッシュを登録する要求メッセージを送信しないように通知することを特徴とする請求項1に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
  5. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムであって、
    前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録する手段と、
    前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録する手段と、
    前記ホームエージェントが、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持する手段とを、
    有するバインディングキャッシュ生成システム。
  6. 前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュの存続期間が満了した場合に前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを削除することを特徴とする請求項5に記載のバインディングキャッシュ生成システム。
  7. 前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームエージェントに登録された後に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持する要求メッセージを送信し、
    前記ホームエージェントが、前記要求メッセージを受信した後、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記第1及び前記登録された第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するとともに、前記モバイルノードに対して前記要求メッセージを再度送信しないように通知することを特徴とする請求項5に記載のバインディングキャッシュ生成システム。
  8. 前記ホームエージェントが、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するプロキシ・バインディング・アップデートメッセージを受信した場合に前記第2のプロキシ・バインディングキャッシュを生成するとともに、前記第1及び前記生成した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記モバイルノードに対して前記クライアントベースのバインディングキャッシュを登録する要求メッセージを送信しないように通知することを特徴とする請求項5に記載のバインディングキャッシュ生成システム。
  9. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
    前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
    前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
    前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持する手段とを、
    有するホームエージェント。
  10. 前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュの存続期間が満了した場合に前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを削除することを特徴とする請求項9に記載のホームエージェント。
  11. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成システムにおける前記モバイルノードであって、
    前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームドメインのホームエージェントに登録される際に、前記ホームエージェントに対して、前記第1及び第2のインタフェース用の第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持するよう要求するメッセージを送信する手段を、
    有するモバイルノード。
  12. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合、前記モバイルノードが、前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュが前記ホームエージェントに登録される際に、前記ホームドメインのホームエージェントに対して、前記第1及び第2のインタフェース用の第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して維持するよう要求するメッセージを送信するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
    前記要求メッセージを受信した後、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録した場合に、前記第1及び前記登録した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するとともに、前記モバイルノードに対して前記要求メッセージを再度送信しないように通知する手段を、
    有するホームエージェント。
  13. 前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するプロキシ・バインディング・アップデートメッセージを受信した場合に前記第2のプロキシ・バインディングキャッシュを生成するとともに、前記第1及び前記生成した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記モバイルノードに対して前記クライアントベースのバインディングキャッシュを登録する要求メッセージを送信しないように通知することを特徴とする請求項9に記載のホームエージェント。
  14. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
    前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
    前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
    前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記ホームエージェントが前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュを通常時より長い存続期間の間、前記モバイルノードによりリフレッシュされることなく維持するよう要求するステップとを、
    有するバインディングキャッシュ生成方法。
  15. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
    前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
    前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
    前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記ホームエージェントが前記登録した第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するよう要求するステップと、
    前記ホームエージェントが、前記要求されたクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して通常時より長い存続期間を設定するとともに、前記モバイルノードに対して、前記存続期間の間、前記生成したクライアントベースのバインディングキャッシュをリフレッシュしないよう通知するステップとを、
    有するバインディングキャッシュ生成方法。
  16. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードが前記ホームドメイン内をローミングする場合のバインディングキャッシュ生成方法であって、
    前記モバイルノードの第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に前記第1のインタフェース用の第1のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームドメインのホームエージェントに登録するステップと、
    前記モバイルノードの第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを前記ホームエージェントに登録するステップと、
    前記ホームエージェントが、前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されたときに、前記モバイルノードに対して前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を送信しないよう通知するとともに、前記第1及び第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連するクライアントベースのルーティングを実行するステップとを、
    有するバインディングキャッシュ生成方法。
  17. 前記ホームドメインの各プロキシノードの間で、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成するための情報を転送することを特徴とする請求項16に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
  18. 前記モバイルノードが、前記ホームドメインから外部ドメインにローミングした場合に、前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を前記外部ドメインを経由して通知することを特徴とする請求項1に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
  19. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成方法であって、
    前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求するステップと、
    前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードの代理ノードが前記ホームエージェントに対し、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するステップと、
    前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記フラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするステップとを、
    有するバインディングキャッシュ生成方法。
  20. 前記モバイルノードが、前記ホームドメインのプリフィックスを前記第1のインタフェース経由で参照するであろうことを予測して前記要求を前記ホームエージェントに送信することを特徴とする請求項19に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
  21. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムであって、
    前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードが前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求する手段と、
    前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記モバイルノードの代理ノードが前記ホームエージェントに対し、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
    前記ホームエージェントが、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記ホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする手段とを、
    有するバインディングキャッシュ生成システム。
  22. 前記モバイルノードが、前記ホームドメインのプリフィックスを前記第1のインタフェース経由で参照するであろうことを予測して前記要求を前記ホームエージェントに送信することを特徴とする請求項21に記載のバインディングキャッシュ生成システム。
  23. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記モバイルノードであって、
    前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記ホームエージェントに対し、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットするよう要求する手段を、
    有するモバイルノード。
  24. 前記ホームドメインのプリフィックスを前記第1のインタフェース経由で参照するであろうことを予測して前記要求を前記ホームエージェントに送信することを特徴とする請求項23に記載のモバイルノード。
  25. ホームドメインと通信可能な第1のインタフェースとローカルドメインと通信可能な第2のインタフェースを有するモバイルノードがローミングする場合に、前記第1及び第2のインタフェース用のバインディングキャッシュを前記モバイルノードのホームエージェントに生成するバインディングキャッシュ生成システムにおける前記ホームエージェントであって、
    前記第2のインタフェースが前記ローカルドメインを介して前記ホームドメインに接続した場合に、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを登録するとともに、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録されるときにホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする要求を受信する手段と、
    前記第1のインタフェースが前記ホームドメインに接続した場合に、前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュを登録する手段と、
    前記第1のインタフェース用のプロキシ・バインディングキャッシュが登録された場合に、前記ホームとアウェイの同時接続を示すフラグを前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュにセットする手段とを、
    有するホームエージェント。
  26. 前記第2のインタフェース用の第2のプロキシ・バインディングキャッシュを登録するプロキシ・バインディング・アップデートメッセージを受信した場合に前記第2のプロキシ・バインディングキャッシュを生成するとともに、前記第1及び前記生成した第2のプロキシ・バインディングキャッシュに関連する前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成して、前記モバイルノードに対して前記クライアントベースのバインディングキャッシュを登録する要求メッセージを送信しないように通知することを特徴とする請求項12に記載のホームエージェント。
  27. 前記モバイルノードが、前記ホームドメインから外部ドメインにローミングした場合に、前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を前記外部ドメインを経由して通知することを特徴とする請求項14に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
  28. 前記モバイルノードが、前記ホームドメインから外部ドメインにローミングした場合に、前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を前記外部ドメインを経由して通知することを特徴とする請求項15に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
  29. 前記モバイルノードが、前記ホームドメインから外部ドメインにローミングした場合に、前記ホームエージェントに対して、前記第2のインタフェース用のクライアントベースのバインディングキャッシュを生成する要求を前記外部ドメインを経由して通知することを特徴とする請求項16に記載のバインディングキャッシュ生成方法。
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