JPWO2009144977A1 - 経口育毛用組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、優れた育毛効果を有し、かつ、投与又は摂取により消化器官への激しい刺激を伴わない、経口育毛用組成物を提供することを課題とする。本発明によれば、シアル酸、及び薬学的に許容される又は摂食可能な担体を含有する経口育毛用組成物を提供することができる。

Description

本発明は、経口育毛用組成物に関する。詳細には、本発明は、シアル酸を有効成分として含有し、育毛効果を奏する経口育毛用組成物に関する。
様々なストレスや高齢化等の問題を抱える現代社会においては、脱毛や薄毛に悩む人々の数が増加しており、これを予防または治療し、さらに毛髪の伸長を促進しうるような育毛剤が、性別や年齢に関わりなく求められている。
これまでにも、様々な育毛剤が開発されてきたが、その大半は、頭皮に擦り込み、頭皮からの浸透によってその効能を得るものである。このような使用方式では手軽に利用しづらく、継続使用することを困難としている。また、高額な値段で取引されるものが多く、コスト面でも治療者に負担を強いている。
経口的に投与又は摂取する育毛剤、いわゆる経口育毛剤も開発がなされている。例えば、ウーロン茶抽出物を含む抗脱毛症状飲食物および経口抗脱毛症状剤(特許文献1)、プロアントシアニジンを含む育毛食品(特許文献2)等が知られている。
また、近年、カプサイシン感受性知覚神経におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の産生および放出により、育毛効果が得られるとの報告がなされている(非特許文献1)。そこで、カプサイシンを経口摂取することで、育毛効果を得ようとする試みもなされている(特許文献3)。しかし、カプサイシンは、胃や食道をはじめとする消化器官に対し一時的に激しい刺激を与える物質であるため、人によっては、摂取により胃等の消化器官が不調をきたす場合があった。また、その刺激のために、多量の水とともに摂取しないと摂取しづらい場合がある等の問題もあった。
特開平9−309840号公報 特開2000−201650号公報 特開2005−068129号公報 Naoaki Harada et al., Growth Hormone & IGF Research 17 (2007) 408-415
本発明は、優れた育毛効果を有し、かつ、投与又は摂取により消化器官への激しい刺激を伴わない、経口育毛用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、驚くべき事に、シアル酸を経口投与又は摂取することで、優れた育毛効果を得られること、また、シアル酸を経口投与又は摂取しても消化器官への刺激を伴わないこと、を見出し、上記課題を解決できる本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の項1〜19の経口育毛用組成物、育毛方法、経口育毛剤等を包含する。
項1.シアル酸、及び薬学的に許容される又は摂食可能な担体を含有する経口育毛用組成物。
項2.シアル酸がN−アセチルノイラミン酸である、項1に記載の経口育毛用組成物。
項3.シアル酸を0.1〜95重量%含有する、項1又は2に記載の経口育毛用組成物。
項4.成人一日当たり0.01〜1000mg/kg(体重)の量にて投与又は摂取される、項1〜3のいずれかに記載の経口育毛用組成物。
項5.医薬組成物である、項1〜4のいずれかに記載の経口育毛用組成物。
項6.食品組成物である、項1〜4のいずれかに記載の経口育毛用組成物。
項7.育毛に有効な量のシアル酸を、育毛を望む人に経口投与又は摂取させる工程を含む、育毛方法。
項8.シアル酸がN−アセチルノイラミン酸である、項7に記載の育毛方法。
項9.シアル酸を、一日当たり0.01〜1000mg/kg(体重)の量投与又は摂取させる、項7又は8に記載の育毛方法。
項10.シアル酸の、経口育毛用組成物の製造のための使用。
項11.シアル酸がN−アセチルノイラミン酸である、項10に記載の使用。
項12.経口投与又は摂取により育毛するためのシアル酸。
項13.経口投与又は摂取により育毛するためのN−アセチルノイラミン酸。
項14.育毛用の食品添加剤である、項1〜4のいずれかに記載の経口育毛用組成物。
項15.シアル酸を有効成分として含有する経口育毛剤。
項16.シアル酸がN−アセチルノイラミン酸である、項15に記載の経口育毛剤。
項17.育毛用の食品添加剤である、項15又は16に記載の経口育毛剤。
項18.シアル酸を含有する食品組成物を含んでなる経口育毛剤。
項19.シアル酸を含有する食品組成物からなる経口育毛剤。
またさらに、本発明者らは、シアル酸を経口投与又は摂取することで、体内(特に皮膚)の細胞中のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)およびインスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度が上昇することも見出した。従って、本発明は、シアル酸を有効成分として含有することを特徴とする経口のCGRP及び/又はIGF-I濃度上昇用組成物も提供する。
本発明によれば、優れた育毛効果を有し、かつ、経口投与又は摂取により消化器官への刺激を伴わない経口育毛用組成物、経口育毛剤、及び育毛方法を提供することができる。
なお、本発明において育毛効果とは、毛を生えさせる効果、及び毛を太くする、長くする、強くする、抜けにくくする、成長させる(伸ばす)等、毛を育む効果全般をいう。なかでも、本発明は毛を成長させる効果が特に優れている。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明に係る経口育毛用組成物は、シアル酸を有効成分として含有することを特徴とするものである。
シアル酸とは、ノイラミン酸(neuraminic acid) のアミノ基やヒドロキシ基が置換された物質を総称するファミリー名である。
本発明に係る経口育毛用組成物に用いるシアル酸は、天然由来のものでも、化学的に合成したものでもよい。天然由来のものを利用する場合、精製物のみならず、粗精製物であっても、本発明の効果を得られるものであれば利用することができる。シアル酸を多く含む天然由来のものとしては、燕窩、牛乳、卵黄等が例示でき、特に燕窩はシアル酸含有量が多く、好ましい。また、入手のし易さからは牛乳や卵黄が好ましい。
また、シアル酸は、例えば、グルコサミンを原料とした酵素合成法や大腸菌等を用いた遺伝子工学的手法等により生産することもでき、これらも本発明に用いることができる。
本発明に係る経口育毛用組成物に用いることのできるシアル酸の種類としては、特に限定されないが、例えば、N−アセチルノイラミン酸 (Neu5Ac) 、N−グライコリルノイラミン酸 (Neu5Gc)、デアミノノイラミン酸、2,3−デヒドロノイラミン酸、N−アセチル−2,7−アンヒドロノイラミン酸、これらのO-アセチル化体等が挙げられ、なかでもN−アセチルノイラミン酸、N−グライコリルノイラミン酸、デアミノノイラミン酸が好ましく、特にN−アセチルノイラミン酸が好ましい。本発明に係る経口育毛用組成物において、シアル酸は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明に係る経口育毛用組成物は、シアル酸の他に、薬学的に許容される担体、又は摂食可能な担体(ingestible carrier)を含む。シアル酸の配合量は、1日あたりの投与又は摂取量等に応じて適宜設定することができるが、該組成物全体に対して0.01〜99重量%が好ましく、0.1〜95重量%がより好ましく、1〜90重量%がさらに好ましい。
また、本発明に係る経口育毛用組成物には、本発明の効果を失わない範囲において、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の放出を誘導し、そしてIGF−Iの産生を促進させる効果を有する成分を、シアル酸と併せて配合してもよい。このようなIGF−I産生促進成分としては、例えば、カプサイシン、イソフラボン、ラズベリーケトン、カプシエイト、蜂蜜、ローヤルゼリー等を挙げることができ、なかでもイソフラボンが好ましい。IGF−I産生促進成分の配合量は、本願に係る経口育毛用組成物の形態や1日当たりの投与又は摂取量等に応じて適宜設定できる。IGF−I産生促進成分を配合することにより、シアル酸との相乗育毛効果が期待できる。特に、シアル酸1重量部に対し、イソフラボン0.25〜0.75重量部の比率で配合したものが好ましく、0.5重量部配合したものが特に好ましい。なお、該IGF−I産生促進成分は、シアル酸に併せて、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明に係る経口育毛用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、薬学的に許容される、又は摂食可能な担体を配合できる。
薬学的に許容される担体としては、例えば、賦形剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、安定化剤、吸収促進剤、保湿剤、吸着剤、滑沢剤等が例示できる。また、摂食可能な担体としても、例えばこれらの剤を例示できる。当該担体は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
さらに、本発明に係る蛍光育毛用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、任意成分を配合できる。このような成分としては、例えば、抗酸化剤、着色剤、糖衣剤、コーティング剤、pH調節剤、乳化剤、防腐剤、甘味剤、保存剤、咀嚼剤、清涼化剤、摂食促進剤、増粘剤、香料、分散剤、嬌味嬌臭剤、などが例示できる。これらの任意成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明に係る経口育毛用組成物は、例えば医薬組成物又は食品組成物であることが好ましい。また、医薬組成物である場合は、配合される担体は薬学的に許容されるものであることが好ましく、食品組成物である場合は薬学的に許容されるもの、又は摂食可能なものであることが好ましい。
本発明に係る経口育毛用組成物は、経口投与又は摂取できる形状であれば、その形状は特に限定されない。例えば、液状の液剤等として、あるいは固形状の錠剤、粉剤、顆粒剤、散剤等として利用することができる。上述のように、このような経口育毛用組成物は、育毛用の医薬組成物又は食品組成物として利用できる。また、食品に添加して使用する、育毛用の食品添加剤としても利用できる。
食品添加剤として用いる場合は、該経口育毛用組成物の形態、1日当たりの摂取量等に応じて、食品への添加量を適宜設定し、該食品添加剤が添加された食品を食べることにより摂取する。なお、当該添加は食品調理中又は製造中に行ってもよいし、調理済みの食品を食べるときに行ってもよい。このような食品添加剤の形態としては、例えば液状、粉末状、フレーク状、顆粒状、ペースト状のものが挙げられるがこれらに限定されない。
また、本発明に係る経口育毛用組成物が食品組成物である場合は、上述した任意成分の他にも、本願発明の効果を損なわない範囲で、食品として利用される成分を配合することができる。当該食品組成物として例えば燕窩、牛乳、卵黄等のシアル酸含有食品、シアル酸を人工的に含有させた種々の食品、あるいはこれらを用いて製造した食品組成物等を例示できる。なお、本発明の食品組成物の種類は特に限定されないが、例えば、飲料、菓子類(例えばガム、チョコレート、キャンディー、ビスケット、クッキー、おかき、煎餅等)、パン類、スープ類(粉末スープ等を含む)等の各種飲食品を例示できる。
育毛を目的とする健康食品(栄養機能食品、特定保健用食品等)、サプリメント、病者用食品等として本発明の食品組成物を調製することもできる。このような食品として本発明の食品組成物を調製する場合は、継続的な摂取が行いやすいように、例えば顆粒、カプセル、錠剤(チュアブル剤等を含む)、飲料(ドリンク剤)等の形態で調製することが望ましく、なかでもカプセル、タブレット、錠剤の形態が摂取の簡便さの点からは好ましいが、特にこれに限定されるものではない。カプセル、錠剤形態の本発明の飲食品組成物は、前記薬学的に許容される担体を用いて、常法に従って適宜調製することができる。また、他の形態に調製する場合であっても、従来の方法に従えばよい。
本発明に係る経口育毛用組成物は、育毛を目的として投与又は摂取することができる。特に育毛を望むヒトは好適に利用できる。育毛を望むヒトとしては、例えば脱毛や薄毛に悩む人、脱毛症等の毛に関する病気に罹患している人、薬の副作用により脱毛している人などが挙げられる。また、特にこういった症状に悩んでいなくとも、さらなる発毛、育毛を望むヒトも利用できる。また、ヒト用としてのみならず、育毛が望まれるペットや家畜等に適用することもできる。この場合には、ペット及び家畜用医薬品、あるいは固形及び粉末飼料等への育毛用添加剤等として利用できる。
本発明に係る経口育毛用組成物の育毛に有効な投与又は摂取量としては、成人が使用する場合、シアル酸量に換算して0.01〜1000mg/kg(体重)/dayが好ましく、0.1〜100mg/kg(体重)/dayがより好ましい。該経口育毛用組成物は、1日1回又は2回以上に分けて投与又は摂取することができ、1日1〜3回の投与又は摂取が好ましい。また、育毛を望む子供やペット等の投与又は摂取量も、該剤の形状や効果の強弱等に応じて適宜設定することができる。
なお、本発明は、シアル酸を有効成分として含有する経口育毛剤も提供する。当該経口育毛剤は、例えば、前述の経口育毛用組成物の形態と同様の形態をとることができる。また、当該経口育毛剤は、シアル酸のみからなるものであってもよい。
本発明は、特に脱毛や薄毛に悩むヒト、育毛を望むヒトに、シアル酸を経口投与又は摂取することを特徴とする育毛方法も提供する。当該方法は、具体的には、前述の経口育毛用組成物を投与又は摂取することで実施される。なお、当該方法における、シアル酸の種類、経口投与又は摂取量等の各条件は前述の通りである。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
試験例1:マウス後根神経節細胞(DRG)の調製
6-8週齢のC57BL/6雄性マウス(日本SLC社)に対し、ケタラール 100 mg/kg、キシラジン 10 mg/kgとなるよう調製した混合液を腹腔内投与し、麻酔した。頸椎から腰椎までを取り出し、正中で分離して、両側のDRGを採取した。取り出したDRGは、1.6ml collagenase II(GIBCO社製)、100 U/ml dispase I(合同酒精社製)、5% fetal bovine serum(FBS)含有のMinimum Essential Medium(GIBCO社製)に入れて、37℃、5% CO2で一晩放置した。終了後、3000rpm、25℃で5分間遠心し、上清を廃棄した。下記組成の栄養液を細胞に加え、均一に攪拌後、コラーゲンIでコーティングした35 mmディッシュ(日本BD社製)を用いて7日間、37℃、5% CO2で培養した。
<栄養液>
以下のものを含有するDMEM/F-12培地(Dulbecco’s Modified Eagle Medium: Nutrient Mixture F-12 を1:1 で混合したもの)を栄養液として使用した。
100 ng/ml nerve growth factor(mouse ’s; Sigma社製)
100 U/ml penicillin G
100 mg/ml streptomycin
0.25 mg/ml amphotericin B
10% FBS
試験例2:マウス後根神経節細胞(DRG)からのCGRP放出におけるシアル酸の効果
試験例1に記載のようにしてDRGを7日間培養した後、培養7日目に栄養液を廃棄し、1% FBS含有DMEM/F-12に置き換えた。そこに最終濃度が1、10および100 mMになるように調製したN−アセチルノイラミン酸(ジャパン・フード&リカー・アライアンス社製)を加え、30分間37℃、5% CO2で放置した。終了後に培養上清を集め、-20℃で保存した。培養上清中のCGRP濃度は、ELISAキット(SPI bio社製)を用いて測定した。
結果を図1に示す。
当該結果から、1〜100μMのN−アセチルノイラミン酸が、知覚神経を刺激し、CGRPを放出させる作用を有することがわかった。また、N−アセチルノイラミン酸の濃度が高いほど、放出されるCGRP量も有意に増加することがわかった(p<0.01)。
限定的な解釈を望むものではないが、以上のことから、本願に係る経口育毛用組成物の効果は、CGRPの産生および放出により得られる可能性が考えられる。
試験例3:シアル酸の育毛作用
6-8週齢のC57BL/6雄性マウス(日本SLC社)に対し、ケタラール 100 mg/kg、キシラジン 10 mg/kgとなるよう調製した混合液を腹腔内投与し、麻酔後、背部を2×4cmの大きさで剃毛した。次に、N−アセチルノイラミン酸を0.25 mg/mlおよび0.5 mg/mlになるように生理食塩水に溶解した。そして、これを体重10gあたり0.1 mlとなるよう胃ゾンデを用いて前述の剃毛マウスの胃内に1日1回強制投与した(すなわち、最終投与量は2.5 mg/kg/dayおよび5 mg/kg/dayである)。コントロールの剃毛マウスには、体重10gあたり0.1 mlとなるよう生理食塩水を投与した。なお、これらのN−アセチルノイラミン酸を強制投与したマウス及び生理食塩水のみ強制投与したコントロールのマウスは、当該強制投与以外は下記条件で飼育した。

明暗サイクル:照明12時間
温度:23度(+3 度,-3 度)
湿度:50%(+5%,-5%)
換気回数:約8回/時
飼料:MEQ固形飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)
1ケージあたりの飼育匹数:最大7匹
水:滅菌水を自動給水

一週間後の各マウスの発毛状態を図2に示す。
図2に示すように、コントロールのマウスはほとんど剃毛部分に毛は生えていないのに対し、N−アセチルノイラミン酸2.5 mg/kg/day投与群は幾分毛が生えて剃毛部分が小さくなっており、さらに、5 mg/kg/day投与群では、剃毛部分がほとんど見えなくなるほどにまで毛が生えていた。
以上のことから、投与したN−アセチルノイラミン酸量に比例して、育毛効果が高まることがわかった。
試験例4:マウスの皮膚カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)およびインスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度へのシアル酸の効果
<皮膚サンプルの採取>
N−アセチルノイラミン酸を0.5 mg/mlになるように生理食塩水に溶解した。そして胃ゾンデを用いて、これを体重10gあたり0.1 mlとなるよう 6-8週齢のC57BL/6雄性マウス(5匹)の胃内に1日1回強制投与した(すなわち、最終投与量は5 mg/kg/dayである)。コントロール群には同様にして体重10gあたり0.1 mlとなるよう生理食塩水を投与した(5匹)。
なお、これらのN−アセチルノイラミン酸を強制投与したマウス及び生理食塩水のみ強制投与したコントロールのマウスは、当該強制投与以外は試験例3に示した条件で飼育した。
4週間後、ケタラール 100 mg/kg、キシラジン 10 mg/kgとなるよう調製した混合液を腹腔内投与して麻酔を行い、背部を剃毛し、皮膚を200mg(100mg×2)採取した。当該皮膚サンプルは直ちに液体窒素中で凍結し、−80℃で保存した。
<皮膚CGRP濃度の測定>
2N酢酸2ml中に採取した皮膚サンプル100mgをいれ、ホモジネートした。ホモジネートしたサンプルは90℃の恒温槽に20分間つけて、10000 rpm、4°Cで10分間遠心分離し、上清を採取した。当該上清中のCGRP濃度を、enzyme immunoassay(EIA) kit(SPI-BIO, Massay Cedex, France)を用いて測定した。
<皮膚IGF-I濃度の測定>
1N酢酸2ml中に採取した皮膚サンプル100mgをいれ、ホモジネートした。
ホモジネートしたサンプルは10000 rpm、4°Cで10分間遠心分離し、上清を採取した。当該上清中のIGF-I濃度を、EIA kit(Diagnostic Systems Laboratories Inc., Webster, TX)を用いて測定した。
<統計解析>
上述のようにして得た皮膚CGRP濃度及び皮膚IGF-I濃度のデータについて、平均値±標準偏差を求めた。さらに、Student’s t-testで解析してN−アセチルノイラミン酸投与群とコントロール群との比較を行った。結果を図3に示す。
図3に示すように、N−アセチルノイラミン酸投与群では皮膚CGRP濃度がコントロール群のそれの約2.5倍にもなり、また、皮膚IGF-I濃度はコントロール群の約3倍にもなった。また、皮膚CGRP濃度及び皮膚IGF-I濃度のいずれにおいても、N−アセチルノイラミン酸投与群の方が有意に値が高かった(p<0.01)。
このことから、シアル酸を経口投与することで、体内(特に皮膚)のCGRP濃度及びIGF-I濃度を大幅に上昇させられることが確認できた。
各濃度のシアル酸存在下でマウス後根神経節細胞(DRG)を培養したときの、培養上清中に放出されるCGRPの濃度を示した図である。 背部を剃毛したマウスにシアル酸を経口投与して、育毛効果を検討した結果を示す図である。上図はコントロール群を、中図はシアル酸(N−アセチルノイラミン酸)2.5 mg/kg/day投与群を、下図はシアル酸(N−アセチルノイラミン酸)5.0 mg/kg/day投与群を、それぞれ示す。 シアル酸を経口投与したマウスの背部皮膚中のCGRP濃度及びIGF-I濃度を示すグラフである。

Claims (13)

  1. シアル酸、及び薬学的に許容される又は摂食可能な担体を含有する経口育毛用組成物。
  2. シアル酸がN−アセチルノイラミン酸である、請求項1に記載の経口育毛用組成物。
  3. シアル酸を0.1〜95重量%含有する、請求項1に記載の経口育毛用組成物。
  4. 成人一日当たり0.01〜1000mg/kgの量にて投与又は摂取される、請求項1に記載の経口育毛用組成物。
  5. 医薬組成物である、請求項1に記載の経口育毛用組成物。
  6. 食品組成物である、請求項1に記載の経口育毛用組成物。
  7. 育毛に有効な量のシアル酸を、育毛を望む人に経口投与又は摂取させる工程を含む、育毛方法。
  8. シアル酸がN−アセチルノイラミン酸である、請求項7に記載の育毛方法。
  9. シアル酸を、一日当たり0.01〜1000mg/kgの量投与又は摂取させる、請求項7に記載の育毛方法。
  10. シアル酸の、経口育毛用組成物の製造のための使用。
  11. シアル酸がN−アセチルノイラミン酸である、請求項10に記載の使用。
  12. 経口投与又は摂取により育毛するためのシアル酸。
  13. 経口投与又は摂取により育毛するためのN−アセチルノイラミン酸。
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