JPWO2009133883A1 - 太陽光集熱装置 - Google Patents

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Abstract

太陽光のエネルギーを効率的に収集できる太陽光集熱装置を提供することを目的とする。熱を蓄えると共に開放した容器部22と、容器部22を閉鎖すると共に集光された太陽光を入射させるための開口部26を有する閉鎖部25と、開口部26を通過して広がった太陽光を吸収して熱に変換する光吸収部30と、を備える。

Description

本発明は、太陽光のエネルギーを収集する太陽光集熱装置に関する。
地球温暖化が問題となっている現在、電気を使用しない再生可能なエネルギーを模索する研究が多く行われている。特に太陽の無尽蔵なエネルギーを如何に使用するかは今後ますます重要となる問題である。その中で、太陽光を利用した集熱装置や淡水化装置等は最も実現の急がれる課題である。これらの実現化のためには、効率的に太陽光から熱を吸収して流体等を昇温させる必要がある。例えば、特許文献1には、太陽光を受けて熱に変換し、流体を昇温させるべく、内部に前記流体の通路を有する管状の集熱体と、前記集熱体に太陽光を反射させるべくこれを部分的に囲繞する反射板とを具備する集熱ユニットが1つまたは複数設けられた集熱装置において、前記反射板が前記管状集熱体を中心に回転可能に支持されている集熱装置が開示されている。
特開2002−22283号公報
上述の従来例のように一般に、太陽から温水を得る方法としては、ケーシングの前面を覆う透明なガラスまたはプラスチックを通して太陽光を導入し、これを吸収体に当て加熱することにより、高温の媒体を製造することが行われている。しかし、高温部からの輻射や対流による熱損失は、温度が高くなるにつれ非常に大きくなる。このために、太陽光で効率よく到達できる温度に制限が出てきていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明は、太陽光のエネルギーを効率的に収集できる太陽光集熱装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、熱を蓄えると共に開放した容器部と、前記容器部を閉鎖すると共に集光された太陽光を入射させるための開口部を有する閉鎖部と、前記開口部を通過して広がった太陽光を吸収して熱に変換する光吸収部と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の太陽光集熱装置において、前記開口部がスリットを有することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の太陽光集熱装置において、前記開口部の幅が、前記集光された太陽光の焦点の径の5倍であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、前記開口部に配置され、太陽光を反射して前記容器部の内に導く反射面を有する光ガイドを更に備えたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の太陽光集熱装置において、前記光ガイドは、前記太陽光の入射口部と前記太陽光を前記容器部の内へ出射させる出射口部とを有し、前記光ガイドは、前記入射口部から前記出射口部に向けて延びるにつれて広がることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の太陽光集熱装置において、前記光ガイドは、前記出射口部から前記入射口部に向けて延びるにつれて広がることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の太陽光集熱装置において、前記光ガイドの前記入射口部に球面の入射窓を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、前記閉鎖部が凹部を有し、前記開口部が、前記凹部の底に前記太陽光を通過させる透明の部材により形成されたことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、前記太陽光を集光させる集光手段を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の太陽光集熱装置において、前記集光手段が、前記開口部に向かって凹に湾曲したフレネルレンズであることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、太陽の動きに応じて、前記太陽を追尾する追尾手段を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の太陽光集熱装置において、前記追尾手段が、前記集光手段を前記容器部に対して動かすことを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項10または請求項11に記載の太陽光集熱装置において、前記追尾手段が、前記開口部の外側に設けられ、かつ、前記集光手段を回転させる回転軸を有し、前記光ガイドの入射口部が、前記回転軸上に位置決めされることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、前記追尾手段が、前記容器部を動かすことを特徴とする。
本発明によれば、熱を蓄えると共に開放した容器部と、容器部を閉鎖すると共に集光された太陽光を入射させるための開口部を有する閉鎖部と、開口部を通過して広がった太陽光を吸収して熱に変換する光吸収部と、を備えたことにより、閉鎖部に開口された開口部から容器部の内に集光された太陽光を入射させるため、太陽光が容器部の内に入り易くなり、かつ、焦点から広がった太陽光を吸収した光吸収部から発生した熱が容器部の内から逃げにくくなり、熱損失が少なく太陽光のエネルギーを効率的に収集できる太陽光集熱装置を提供できる。
本発明に係る第1実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。 図1の太陽光集熱装置における太陽光集熱の原理を示す概略図である。 従来の太陽光集熱装置の概要構成例を示す模式図である。 温度に対する輻射熱損失および加熱水量を示す線図である。 本発明に係る第2実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。 図5の太陽光集熱装置の第1変形例の概要構成例を示す概略図である。 図5の太陽光集熱装置の第2変形例の概要構成例を示す概略図である。 図5の太陽光集熱装置の第3変形例の概要構成例を示す概略図である。 図5の太陽光集熱装置の第4変形例の概要構成例を示す概略図である。 本発明に係る第3実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。 図10の太陽光集熱装置の追尾手段の一例を示す概略図である。 図11の追尾手段の他の一例を示す概略図である。 図10の太陽光集熱装置の変形例の概要構成例を示す概略図である。 図10の太陽光集熱装置等を用いて水に太陽光を集熱したときの時間に対する温度特性の一例を示す線図である。 本発明に係る第4実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。 図15の太陽光集熱装置の光ガイドにおける光路の一例を示す模式図である。 比較例の光ガイドにおける光路の一例を示す模式図である。 本発明に係る第5実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。 本発明に係る第6実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。 図19の太陽光集熱装置の追尾手段の一例を示す概略図である。 本発明に係る第7実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る第1実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成および機能について、図を用いて説明する。なお、上述した課題を解決する本発明について図を用いて説明するが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る第1実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。
図1に示すように、太陽光集熱装置1は、太陽光Sを集光するフレネルレンズ10と、フレネルレンズ10により集光された太陽光Sfを受け入れ、太陽光の熱を蓄えると共に開放された上部20aを有する断熱貯水槽20と、断熱貯水槽20の上部20aを閉鎖すると共に集光された太陽光Sfを入射させるための開口部26を有する閉鎖部の一例の遮光板25と、断熱貯水槽20の内に設けられ、開口部26を通過して広がった太陽光を吸収して熱に変換する光吸収体30と、を備える。
フレネルレンズ10は、プラスチック製であり、片面に同心円状の溝を有している。そして、フレネルレンズ10は、焦点が断熱貯水槽20の表面に付近にくるように、断熱貯水槽20に設置された4本の支持部材15によりに支えられている。箱(断熱貯水槽20)の上部に支柱(支持部材15)によって支えられたフレネルレンズ10が配置されている。このように、フレネルレンズ10は、太陽光を集光させる集光手段の一例であり、太陽光を集光する装置としての機能を有する。このフレネルレンズ10は、箱(断熱貯水槽20)の上面の開口部26を焦点としており、ここで太陽光を小さく絞っている。太陽光集熱装置1は、焦点を通過した後は、光は再び広がって箱の内部を加熱する構成である。
次に、断熱貯水槽20は、直方体の形状を有し、太陽光Sが入射する側の面が、開放された上部20aを形成する。断熱貯水槽20の側部および下部は、断熱性を有し、断熱貯水槽20内に蓄えられた熱の放散を防止している。そして、断熱貯水槽20は、内部の底に、被加熱物としての媒質または液体の一例である水Wを有する。水Wは、太陽光を吸収した光吸収体30により、高温媒体となる。なお、断熱貯水槽20は、熱を蓄えると共に開放した容器部の一例である。なお、容器部と閉鎖部とにより、閉鎖された容器が形成される。また、媒質または液体として、水Wの代わりに、溶融塩でもよい。
次に、遮光板25は、断熱貯水槽20の内からの放射熱を反射し、断熱の機能を有し、断熱貯水槽20の上部20aを閉鎖している。そして、遮光板25の中心部分に開口部26が形成されている。このように、遮光板25は、容器部を閉鎖すると共に集光された太陽光を入射させるための開口部を有する閉鎖部の一例である。なお、遮光板25のような閉鎖部は、断熱貯水槽20のような容器の上部20aとして一体に形成されてもよい。この場合、容器部は、例えば、容器の上部20a以外の部分、すなわち、容器の側部および下部である。
開口部26は、フレネルレンズ10の焦点付近で、集光した太陽光が入射する断熱貯水槽20の上部20aの中心部分、すなわち、遮光板25の中心部分に形成されている。そして、開口部26は、集光した太陽光が通過できる大きさで円形状に形成され、フレネルレンズ10により集光された太陽光を、断熱貯水槽20の内に通過させる。また開口部26は、遮光板25等の断熱材に覆われていないが、遮光板25の表面の一部に形成されているため、断熱貯水槽20内部の熱の放散を極力防止する機能を有する。このように、開口部26は、高熱を作るために太陽光のエネルギーを効率よく閉空間に導入することができる一方、内部の加熱された媒質からの輻射や対流損失を抑えることができる小さな開口を有する。
ここで、フレネルレンズ10が50cmで焦点の径が1cmぐらいの場合、開口部26の大きさは、直径5cmほどである。実際、集光された太陽光は、焦点という点ではなく、光の強度が径方向にガウス分布状の分布となる。できるだけ多くの太陽エネルギーを取り込むには、開口部26の大きさは、大きい方がよいが、熱損失の関係では小さい方がよい。焦点の径をガウス分布の標準偏差σとすると、ガウス分布の累積関数Φ(3σ)=0.49865、累積関数Φ(4.8σ)=0.50000であるので、開口部26の大きさを5σとすると、ほとんどの太陽エネルギーが取り込める。また、フレネルレンズ10の大きさからすると、開口部26の大きさは、レンズの大きさの1/10である。このように、開口部26の幅が、集光された太陽光の焦点の径の5倍である。
次に、光吸収体30は、太陽光を吸収して熱に変換し易いように表面が加工してあり、例えば、表面が凹凸であり、黒色である。そして、光吸収体30は、断熱貯水槽20に蓄えられた水Wに浸っている。また、光吸収体30は、開口部26を通過して広がった太陽光を吸収して熱に変換する光吸収部の一例である。光吸収体30は、集光した太陽光を再び広げてこれを吸収し高温媒体を作る加熱部の機能を有する。なお、図1に示したように、開口部26を通過してきた太陽光が広がり照射される断熱貯水槽20の底に、複数個の光吸収体30を並べ、光吸収体30間においても光を吸収して熱に変換するようにしてもよいが、光吸収体30の代わりに、光吸収部として、断熱貯水槽20の内面を、黒色にしたり、凹凸にしたりしてもよい。さらに、光吸収体30と断熱貯水槽20の内面とにより、光吸収部を構成してもよい。
次に、太陽光集熱の原理および動作を説明する。
図2は、太陽光集熱装置1における太陽光集熱の原理を示す概略図で、従来の問題点を解決する手段の原理図である。図3は、従来の太陽光集熱装置の概要構成例を示す模式図である。
図2に示すように、太陽光Sを、レンズや鏡で集光し、断熱貯水槽(箱)20の上部の小さな開口部26を通して、断熱貯水槽20の中に導入する。開口部26を通過した太陽光Sfは断熱貯水槽20の内部で再び広がり、内部の吸収体(光吸収体)30を加熱する。断熱貯水槽20の内部は高温になるが、輻射損失は開口面積に比例するため、開口部が小さければ小さいほど輻射損失は少なくなる。
一方、図3に示すように、従来の太陽光集熱装置100は、断熱貯水槽(箱)120の上部から透明板121を通して太陽光Sfが入射する。太陽光Sは内部の吸収体130に吸収され、これを高温にする。しかし、温度が上昇するにつれて輻射や対流による熱損失が大きくなるが、その損失は上部の透明板121からがほとんどである。例えば、輻射損失は温度の4乗に比例するので、この損失の増加率は非常に大きい。従って、ある温度以上になると入射した熱はそのまま損失となり、温度を上昇させることができなくなってくる。
なお、図1に示された太陽光集熱装置1は、上記の原理を利用した、集熱装置の一つの形態である。
このように本実施形態によれば、熱を蓄えると共に開放した断熱貯水槽20と、断熱貯水槽20の上部20aを閉鎖すると共に集光された太陽光Sfを入射させるための開口部26を有する遮光板25と、開口部26を通過して広がった太陽光を吸収して熱に変換する光吸収体30と、を備えたことにより、遮光板25に開口された開口部26から断熱貯水槽20の内に集光された太陽光を入射させるため、太陽光が断熱貯水槽20の内に入り易くなり、かつ、焦点から広がった太陽光を吸収した光吸収体30から発生した熱が断熱貯水槽20の内から逃げにくくなり、熱損失が少なく太陽光のエネルギーを効率的に収集できる太陽光集熱装置1を提供できる。
また、フレネルレンズ10のように、太陽光Sを集光させる集光手段を更に備えた場合、この集光手段により、遮光板25(閉鎖部)に開口された開口部26に太陽光Sfを集中させることができ、太陽光Sfが容器部の内に入り易く、光吸収体30(光吸収部)から発生した熱が断熱貯水槽20(容器部)の内から逃げにくいため、熱損失が少なく太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。
また、開口部26の幅が、集光された太陽光の焦点の径の5倍である場合、集光された太陽光の焦点における径方向分布が、ガウス分布とみなせるので、焦点の径をガウス分布の標準偏差σとすると、開口部26の大きさを5σであり、ほとんどの太陽エネルギーを、容器部の内に取り込むことができる。また、開口部26の幅が、このように十分広いので、風による太陽光の揺らぎや、水蒸気による焦点のぼやけた場合でも、十分、太陽エネルギーを容器部の内に取り込むことができる。
また、開口部26を通過して広がった太陽光を、断熱貯水槽20の底付近の光吸収体30で、吸収して熱に変換していて、太陽光が集光した開口部26付近で加熱されないので、熱損失が少ない。特に、開口部26を孔のみすると、太陽光が集光した開口部26付近を、通過しやすく、熱損失が少なくなる。
また、太陽光集熱装置1は、入射する太陽光はできるだけ多く、損失をできるだけ少なくすることによって、太陽光を用いて媒質または液体を効率よく高温とすることができる。また、入射する太陽光はできるだけ多く、損失をできるだけ少なくすることによって、蒸発法による淡水化の際に、高効率に蒸発させるために必要な高温を、安価に熱損失を大幅に低減して達成できる。さらに、太陽光集熱装置1は、太陽光を効率よく吸収し、輻射や対流などの損失を抑えることによって高熱の媒体を生成することができ、家庭や農業、産業用の温水、高温媒体を製造できる装置を提供できる。
なお、一般に、太陽から温水を得る方法としては、透明なガラスまたはプラスチックを通して太陽光を導入し、これを吸収体に当て加熱することにより、高温の媒体を製造することが行われている。しかし、高温部からの輻射や対流による損失は、温度が高くなるにつれ非常に大きくなる。このために、太陽光で効率よく到達できる温度に制限が出てきていた。
また、太陽加熱淡水化装置の場合、高温が実現すればそれにつれて効率が上昇する。しかし、温度の上昇によって損失も増大するため、最適な温度が比較的低温となる。そのため、蒸発を促進するために、真空装置が必要となり、装置も高価になっている。
さらに、家庭用や業務用の温水器も、このような損失を防ぐために、吸熱部に色々な処置を施したり、配管中に水を通しつつ加熱したりなどの技術が必要であり、装置が高価となっていた。
さらにまた、2025年までには30億人分の水が不足するといわれているが、このために逆浸透膜による淡水化を行うとすると、9兆キロワット時の電力を必要とする。これは、2002年の世界全体の電力使用量16兆キロワット時の50%以上である。そのため、太陽光を使用した淡水化装置が待たれているが、効率と価格の面で、実用化が困難であった。
次に、計算例について説明する。
図4は、温度に対する輻射熱損失および加熱水量を示す線図であり、温度に対する輻射、対流損失の増加の計算結果を示している。
我が国の太陽光は最高1キロワット/mであるが、晴天時でもこの半分となることが多い。従って、輻射損失は90度C付近で太陽光と同程度になる。輻射損失は、放射面積に比例しているので、開口部の面積を太陽光入射面積よりも小さくすることによって、この損失を減らすことができる。図には、1キロワットの太陽光が入射したときに、輻射損失を差し引いた入力で、10度昇温できる水量を示す。開口部が入射面と同じ面積の場合には、90度を超す水は全く作れないことが分かる。一方、10分の一の開口面積にすれば、どの温度領域でも同様の温水量を確保できることが示された。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る太陽光集熱装置について説明する。
まず、第2実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成について、図に基づき説明する。なお、前記第1実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を用いて異なる構成および作用のみを説明する。その他の実施形態および変形例も同様とする。
図5は、本発明に係る第2実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図で、太陽の日周運動に備えた太陽光集熱装置の概略図である。さらに、図5は、太陽の日周運動を考慮した配置を示している。
図5に示すように、太陽光集熱装置2は、遮光板25Bと、開口部の一例であるスリット26Bが、第1実施形態と異なる。
遮光板25Bは、第1実施形態と遮光板25と同じように、断熱貯水槽20の上部20aを閉鎖するが、細長いスリット26Bが形成されている。
スリット26Bは、集光された太陽光Sfの焦点の径とほぼ同じか少し大きい幅を有し、太陽の日周運動の影響を十分に吸収できる長さを有する。スリット26Bの幅は、風による太陽光の揺らぎや水蒸気や塵による太陽光の散乱等を考慮して、フレネルレンズ10により集光された太陽光の焦点距離における太陽光の大きさより、大きくする。また、スリット26Bの長さは、太陽の日周運動により太陽光の入射角が傾いて、太陽光の強度があまり弱まらない程度の角度からの太陽光を受け入れられる長さにする。さらに、スリット26Bの幅および長さは、熱損失も考慮して決定される。
ここで、フレネルレンズ10が50cmで焦点の径が1cmぐらいの場合、スリット26Bの幅は、直径5cmほどである。焦点の径をガウス分布の標準偏差σとすると、スリット26Bの幅は、5σである。また、スリット26Bの長さは、遮光板25Bの長手方向の幅程度で、日周運動により入射角が大きく傾いた太陽光も取り込めるようにするためには、できるだけ長くする。
太陽光集熱装置2は、スリット26Bの長手方向が東西になるように設置する。なお、日が傾き、太陽光がスリット26Bに斜め方向から入射すると、フレネルレンズ10を通過した太陽光は、遮光板25の上方で最も集光するので、フレネルレンズ10を日周運動に合わせて上下させてもよい。すなわち、フレネルレンズ10を太陽の日周運動に合わせて、スリット26Bに近づけたり遠ざけたりするフレネルレンズ10の遠近手段を設ける。具体的には、太陽光が傾くほど、遠近手段が、フレネルレンズ10をスリット26Bに近づける。
このように、開口部がスリット26Bを有する。また、集光には、フレネルレンズ10のようなレンズや鏡を用い、太陽の日周運動に伴って変化する集光部の動きに対応することができる開口部の一例としてスリット26Bを備える。
次に、太陽光集熱装置2の動作例について説明する。
太陽が西から東へ動く際にはフレネルレンズに光が斜めに照射され、その焦点位置は太陽と反対側に動く。一日の中でこのような動きは直線状であるので、箱の上部には図5のようなスリット26Bを置き、日周運動につれて動く焦点がこのスリット26B内を動くように設計する。
このように本実施形態によれば、スリット26Bの長手方向が、太陽の日周運動方向になるように、太陽光集熱装置2を配置することにより、太陽の日周運動を追尾する追尾手段がなくても、集光された太陽光Sfを断熱貯水槽(容器部)20の内に取り入れることができるため、太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。また、太陽受光面(上部20a)とスリット26Bの開口面の面積比を10倍以上にすることは容易であり、これにより熱損失を10分の1以下にすることができる。
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。
図6は、太陽光集熱装置2の第1変形例の概要構成例を示す概略図であり、焦点固定用魚眼型のフレネルレンズを用いた太陽光集熱装置の概略図である。
図6に示すように、太陽光集熱装置2Bの焦点固定用魚眼型のフレネルレンズ10Bは、開口部を出来る限り小さくするために、湾曲したレンズや鏡等を備えることが可能な構造を有する。
図6では、焦点位置が動かないように、フレネルレンズ自身を湾曲させ、いつも焦点が同じ位置に来るように設計した例である。例えば、平らな薄いフレネルレンズを左右に曲げ湾曲させて作成する。この方式では、フレネルレンズ10Bは、魚眼レンズと類似しており、広い角度から太陽光を集光するように、フレネルレンズを魚眼レンズ仕様に設計することが可能である。また、フレネルレンズ10Bとして、水を用いたレンズも使用することができる。
このように、集光手段が、開口部26に向かって凹に湾曲したフレネルレンズ10Bであるので、広い角度から太陽光を集光できる。
次に、本実施形態の第2変形例について説明する。
図7は、太陽光集熱装置2の第2変形例の概要構成例を示す概略図で、アレイ状のフレネルレンズ配置型太陽光集熱装置の概略図である。
図7に示すように、太陽光集熱装置2Cは、小型のフレネルレンズが縦3×横3で格子状に配置されたフレネルレンズ10Cと、複数の開口部を有する遮光板25Cと、開口部として複数のスリット26C等を有する。例えば、フレネルレンズ10Cは、装置の高さを最小限に留めるために、多数の小さいレンズや鏡などの集光器から形成され、それぞれの小さな集光器について、同様の太陽光に追随する開口部としてスリット26Cを有する。
図7に示すように、装置の高さを制限するためと、装置を安価に製作するため、小さな集光装置を並列に置き、それぞれの装置に太陽光の運動を予測したスリット状の開口部を設けている。
ここで、太陽光の運動を予測したスリット状の開口部は、太陽の日周運動や年周運動に応じて、太陽の集光点が動いてゆく経路をスリットとした開口部である。また、各スリット26Cの幅は5cmで、スリット26Cの長さは、遮光板25Cの長手方向の幅程度にする。フレネルレンズ10Cにおける小型のフレネルレンズの隣の領域まで、スリット26Cの長さは、長くなっている。
次に、本実施形態の第3変形例について説明する。
図8は、太陽光集熱装置2の第3変形例の概要構成例を示す概略図で、反射型の太陽光集熱装置の概略図である。
図8に示すように、太陽光集熱装置2Dは、フレネルレンズ10Dに集光された太陽光Sfaを反射する反射板(例えば、凹面鏡)11と、光吸収体30や水Wを有する容器21と、容器21の側面部21aを閉鎖する閉鎖部25Dと、閉鎖部25Dに形成され、反射板11からの太陽光Sfbを受け入れるスリット(窓型ピンホール)26Dとを備える。スリット型の開口部に対しては、図8のように反射板を設けて光を曲げることもできるが、こうした種々の変形も考えることができる。
次に、本実施形態の第4変形例について説明する。
図9は、太陽光集熱装置2の第4変形例の概要構成例を示す概略図である。また、図9は、開口部は、高温となった液面からの蒸発によって曇る可能性のある透明板が液体に水没した構造となっており、蒸気に触れない構造を持つ太陽光集熱装置の概略図である。
図9に示すように、太陽光集熱装置2Eは、容器22の上部22aを閉鎖するように、閉鎖部の一例の遮光板25Eを備える。そして、遮光板25Eが凹部27を有し、開口部26Eが、凹部27の底に太陽光を通過させる透明の部材の一例の窓ガラス28により形成されている。
液体を加熱する際には、蒸気が発生し、これが開口部26Eの透明板(窓ガラス28)に付着し、入射太陽光を散乱させる。図9はこれを防ぐ装置の一例である。開口部26Eを図のように水没させることにより、蒸気付着を防ぐことができる。従来技術では、窓を水没させるとこれに塩分や汚物が付着して、光の入射を困難とするが、本技術のように光を集光して強度を上げれば付着物を溶かして取り除くことが可能となる。例えば、塩分の場合、800度C以上で融解するので、窓ガラス28を軟化点が1650度Cの石英ガラスを使用すれば、窓ガラス28を溶かすことなく塩分を除去できる。なお、この融解は、例えば、水が容器の一部にしかなく、満たされていない場合で、水Wが窓ガラス28に接していない場合に行う。集光手段により、太陽光が絞られた焦点が、窓ガラス28付近になり、窓ガラス28が高温になり、塩分等を融解させる。また、窓ガラス28付近で最大に集光されて太陽光の強度が上がるが、焦点を通過した後は、また広がり、光吸収体30に達するため、光吸収体30を損なわない。
このように、太陽光集熱装置2Eは、水没した開口部26Eに、水中の汚物や塩分が付着し太陽入射を遮るとき、太陽光を収束させ、この付着物を融解させることができる程度の高い光強度を実現する集光部(フレネルレンズ10等)とこれに適合した大きさを持った開口部26Eを備える。
以上、閉鎖部が凹部27を有し、開口部26Eが、凹部27の底に太陽光を通過させる透明の部材により形成された場合、容器22内部に水等の媒体を満たし、開口部26Eを水没させることにより、蒸気の付着を防ぐことができ、太陽光が容器22内部に入り易くなり、より太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。
また、従来、太陽光で直接水を加熱すると、水蒸気が発生して窓ガラスが曇り、これによる光の散乱により太陽光が媒体に入射できず加熱が妨げられるので、水は鋼製の管の中に封入され、太陽熱はこの管の外から間接的に水を加熱せざるを得なかった。また、蒸気を防ぐために容器内部を水で満たすと、高温時に高圧が発生し容器が破損したり、汚物や塩分が窓ガラスに付着し光を遮ったりすることが問題であった。これらの問題も、太陽光集熱装置2Eは、解決できる。
なお、太陽光集熱装置2Eは、開口部26Eを水没させない場合には、窓材(窓ガラス28)を使用せず、単なる空孔にすぎない開口部が損失を十分に防げる大きさを有してもよい。この場合、窓ガラス28がないので、窓ガラス28が曇って太陽光の入射を妨げることがない。
また、フレネルレンズ10により太陽光を集光することで、殺菌および生物の卵の孵化を防ぐために十分な高温を発生させ、海水の淡水化の場合には、貝などの卵が海水と共に装置内に取り込まれ、装置内で成貝に成長し大きくなり、装置を覆ってしまうことを防止できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る太陽光集熱装置について説明する。
図10は、本発明に係る第3実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。なお、図10は、太陽光が地平線の方向へ傾くにつれて、レンズ内に入る太陽光の量が少なくなってくるような問題等を解決する手段の原理図でもある。
図10に示すように、太陽光集熱装置3は、図1の太陽光集熱装置1に対して、太陽の動きに応じて、太陽を追尾する追尾手段40を更に備える。
追尾手段40は、回転軸(例えば、日周運動調整軸)41と、回転軸41に回転可能に設置されたアーム42とを有する。
回転軸41は、断熱貯水槽20の上部の側部に位置決めされている。
アーム42は、棒状であり、アーム42の基端部が、回転軸41に回転可能に連結され、アーム42の先端部にフレネルレンズ10が固定されている。
フレネルレンズ10は、両側のアーム42に固定される。フレネルレンズ10が固定されたアーム42の先端部は、集光点を軸とする円周を描く。この円周上を動くことによって、フレネルレンズは、焦点と太陽とを結ぶ線に垂直に運動する。このアーム42は、小さなモータ(図示せず)によって動くベルトや棒等によって回転される構成である。
このように、太陽光を追尾する装置(追尾手段)と、集光した太陽光を開口部を通して過させ、高温媒体を作る加熱部(光吸収部)を有する太陽光集熱装置3を構成する。また、フレネルレンズ10で集光された太陽光を通過させる小さな開口部26を持ち、それ以外の部分は、熱が逃げないように断熱壁20b(一部は遮光板25を形成)となっており、内部に封入された媒質(水W)を効率よく高温にし、かつ長時間貯蔵することを可能とする高効率な太陽光集熱装置3を構成する。
次に、駆動部を含めた追尾手段40について図に基づき説明する。
図11は、太陽光集熱装置の追尾手段の一例を示す概略図である。なお、図11は、追尾には、太陽の日周運動および年周運動にあわせてレンズを移動させることができる駆動部を備える高効率な太陽光集熱装置の実施態様の一例を示す太陽光集熱装置の概略図でもあり、図10に示した原理を利用した、太陽光追尾集熱装置の一つの形態を示している。
まず、太陽光集熱装置3Bは、図10の太陽光集熱装置3と多少構成が異なるので、太陽光集熱装置3Bの構成例を説明しておく。
図11に示すように、太陽光集熱装置3Bは、複数のフレネルレンズ10や、円筒形の断熱貯水槽22や、追尾手段40等を備える。
各フレネルレンズ10は、各々2本のアーム42により支えられ、回転軸(日周運動調整軸や年周運動調整軸)41を中心に回転する。
断熱貯水槽22は、上部22aが、遮光板25Eの機能を有する。上部22a(遮光板25E)に各フレネルレンズ10に対応して、複数個の開口部26Eが形成される。すなわち、太陽光集熱装置3Bは、断熱壁を持つ容器(断熱貯水槽22)からなっており、これに、太陽光通過用の小さな開口部26Eが設けられ、開口部26Eの穴を通して入射した太陽光は、断熱貯水槽(箱)22の内部の水を高温に加熱する。
次に、追尾手段40は、追尾には、太陽の日周運動および年周運動にあわせてレンズ(フレネルレンズ10)を移動させることができるモータ(駆動部)45を備える。そして、追尾手段40は、日周運動の追尾には、円形の回転部分(車輪43)を備え、これにフレネルレンズ10を固定し、ベルト44等によって回転を与えることによってレンズを回転させ、回転によって焦点が移動しないように設定される。さらに、図11に示すように、多数の車輪43が、一本のベルト44によって回転されている。
なお、追尾手段40は、断熱貯水槽22の上方に設けられ、かつ、フレネルレンズ10を回転させる回転軸を有し、開口部26Eが、回転軸上に位置決めされている。
このように本実施形態により、追尾手段40により、太陽の日周運動や年周運動による太陽光の傾きの変化を吸収して、太陽光が容器部(断熱貯水槽22)の内に入り易くなり、太陽光集熱装置3は、太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。
また、開口部26Eが、回転軸41上に位置決めされている場合、追尾手段40により、フレネルレンズ10が回転しても、フレネルレンズ10の焦点を開口部26E付近に位置決めできるため、太陽の日周運動や年周運動に対して追尾しても太陽光が開口部26Eから外れにくく、太陽光が容器部(断熱貯水槽22)の内に入り易くなり、太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。
また、追尾手段40が、集光手段を容器部に対して動かす場合、特に集光手段がプラスチック製のフレネルレンズのとき、追尾手段を動かすためのパワーが少なくて済む。
ところで、太陽光を、フレネルレンズ10のようなレンズや鏡で集光し、箱(断熱貯水槽)20の上部の小さな開口部26等を通して、箱の中に導入する。開口部を通過した太陽光は箱の内部で再び広がり、内部の吸収体(光吸収体)30を加熱する。内部は高温になるが輻射損失は開口面積に比例するため、開口部が小さければ小さいほど少なくなる。しかし、このようにレンズも開口部も固定された系の場合、太陽光が地平線の方向へ傾くにつれて、レンズ内に入る太陽光の量が少なくなってくる。さらに、太陽の入射が大きく傾いているときは、レンズに斜め方向から太陽光が入射するため、単位面積あたりに入射する太陽光の量が小さくなると同時に、焦点距離が異なるため、開口部を集光手段の焦点にすることが難しくなる。本実施形態の場合は、斜めから入射する太陽光をも効率よく集光できる。
また、本実施形態は、太陽光を効率よく吸収し、輻射や対流などの損失を抑えることによって高熱の媒体を生成することができ、家庭や農業、産業用の温水、高温媒体を製造し、発電や純水製造を行うことを可能とする装置を提供できる。すなわち、太陽光集熱装置3を用いて生成した高温温水を、加熱源として淡水化装置および冷房装置、発電装置を駆動する複合太陽熱利用装置が可能となる。
また、本実施形態は、高温の温水を長時間貯蔵することができれば、現在、太陽電池のみに頼っている太陽光利用発電に代わって、温水利用の温度差発電を可能とし、安価で、高効率の発電が可能となる。
次に、太陽光集熱装置の追尾手段の他の一例について説明する。
図12は、図11の追尾手段の他の一例を示す概略図である。なお、図12は、日周運動の追尾には、円周方向への回転部分を備え、これにフレネルレンズを固定し、ベルト等によって回転を与えることによってレンズを回転させ、回転によって焦点が移動しないように設定された追尾装置の実施態様の一例を示す太陽光集熱装置の概略図でもある。
図12に示すように、多数のアーム42が、一本の棒(図示せず)によって結合され、棒の水平方向運動によって、日周運動調整軸等の回転軸41を中心とした回転を与えられるようになっている。
なお、円筒形の断熱貯水槽22の内部に水Wが蓄えられ、断熱貯水槽22の底に光吸収体30が配置してある。追尾手段40の回転軸41は、断熱貯水槽22の上方に設けら、開口部26Eの高さに位置決めされている。
次に、太陽光集熱装置3の変形例について図に基づき説明する。
図13は、図10の太陽光集熱装置の変形例の概要構成例を示す概略図である。なお、年周運動の追尾に際して、集熱装置底辺を円筒にすることによって円筒軸周りの回転を容易にし、この回転によって追尾を行うことを特徴とする追尾装置の実施態様の一例を示す太陽光集熱装置の概略図でもある。
図13に示すように、太陽光集熱装置3Eは、フレネルレンズ10と、上部22aに開口部が形成されて水Wを有する断熱貯水槽22と、追尾手段40と、を備える。
追尾手段40は、回転軸(日周運動調整軸)41や回転軸(年周運動調整軸)46や車輪に連結されたモータ45B等を有する。円筒形の断熱貯水槽22は、複数の車輪により支持され、これら車輪上を回転する。この回転軸46が年周運動調整軸である。そして、モータ45Bが、断熱貯水槽22を、回転軸46を中心として太陽の年周運動に対応させて回転させる。このように、追尾手段40は、年周運動に対しては、装置全体の傾きによって追尾する機能を備える。
また、図13に示すように、集熱器本体(断熱貯水槽22)が円筒形をしており、この円筒形容器の軸方向に年周を調整する軸(回転軸46)がついており、この年周運動調整軸の回転軸46を中心とした回転によって太陽高度を追尾することができる。円筒容器(断熱貯水槽22)の側壁には、フレネルレンズを回転させるアーム42がついており、このアーム42に固定されたフレネルレンズ10が日周運動を追尾する。円筒容器の軸(日周運動調整軸の回転軸41)を中心とした回転とともに、アーム42と焦点位置を含めた部分が、一体となって動き、常に、太陽に対して焦点、フレネルレンズ10の法線とが一直線となるように、モータ45Bの速度が調整される。
このように本実施形態の変形例により、断熱貯水槽22のような容器を動かす追尾手段40の手段を、動きの遅い太陽の年周運動の動きに対して適用することにより、太陽の日周の追尾手段と分離できるため、追尾手段40の機構が簡便になる。
次に、集光手段の一例であるフレネルレンズを使用した場合と、使用しない場合との比較例について、実験結果と共に説明する。
図14は、図10の太陽光集熱装置等を用いて水に太陽光を集熱したときの時間に対する温度特性の一例を示す線図である。なお、図14は、太陽光を追尾しながら、小さな穴の開いた断熱容器(断熱貯水槽)に太陽光を入射させた結果でもある。
容器の大きさは、300×450×190mmであり、内部には2リットルの水を入れた。フレネルレンズは、縦横50cmのアクリル製のものを用いた。図14に示すように、フレネルレンズがある場合、約5時間で100℃の温水が得られている。
一方、フレネルレンズを用いず、上面がガラス張りで、レンズ集光をしない通常の方法では、60℃付近で、加熱が止まっている。このことより、本発明の有効性が示せた。
なお、図14に示した実験結果では、通常の断熱材を用いたが、現在、断熱性能の最も高い松下電器製の真空断熱材は0.002W/mKの熱伝導特性があり、これを用いて計算すると、50cm直径の円筒菅の半分に水が入っている場合に、100℃の温水が24時間後には97℃にしか低下しないという結果を得た。これは、開口部が全体の装置に比べて無視できるほど小さいので、装置全体が断熱容器となっていると同じであるからである。このことから、本装置を用いれば24時間、100度近い温水が提供できることになり、この温水を用いた発電も可能であり、淡水化装置も太陽のない夜間でもこの温水で稼動できることを示している。
さらに、図14における実験で用いたフレネルレンズを最適化し、断熱性能の高い容器を用いれば、太陽光の80%を温水として使用できる。この100℃の温水を熱源として、アンモニアなどの低温で蒸発する作動流体を用いるランキン・サイクルによる発電装置を用いて、太陽光を利用した発電が可能となる。試算によれば、100℃近傍で、ランキン・サイクル発電での発電効率が10%程度となる。太陽光からの温水利用効率を総合しても8%は可能となることが分かった。また、温水を蓄えることによって昼夜とも発電が可能であり、太陽電池をはるかに凌ぐ太陽発電機が実現できることが分かった。
このように、高温となった温水を、断熱壁によって貯蔵し、太陽光を24時間貯蔵することを可能とする高効率太陽光集熱装置を実現できる。また、高温温水を、加熱源として淡水化装置および冷房装置、発電装置を駆動する複合太陽熱利用装置も実現できる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る太陽光集熱装置について説明する。
図15は、本発明に係る第4実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。図16は、図15の太陽光集熱装置の光ガイドにおける光路の一例を示す模式図である。
図15に示すように、太陽光集熱装置4は、図1の太陽光集熱装置1に対して、更に、開口部に配置された光ガイド50を備えている。
光ガイド50は、フレネルレンズ10により集光された太陽光を入射する入射口部51と、太陽光を反射して断熱貯水槽20の内に導く反射面52と、太陽光を断熱貯水槽20の内へ出射させる出射口部53と、を有する。光ガイド50は、樽に似た形状を有し、上部50aおよび下部50bから構成される。光ガイド50の幅は、上部50aで一旦広がるが、下部50bでは開口部付近まで狭くなる。
このように、光ガイド50は、上部50aでは、入射口部51から出射口部53に向けて延びるにつれて広がる。また、光ガイド50は、下部50bでは、出射口部53から入射口部51に向けて延びるにつれて広がる。
入射口部51は、上部50aの上端に形成され、円形状である。
反射面52は、図16に示すように、入射口部51から軸A1の外側に延びる反射面52aと、出射口部53から軸A1の外側に延びる反射面52bを有する。
反射面52aは、光ガイド50の上部50aの内面に形成され、光ガイド50に対して入射角が大きい太陽光を、反射面52におけて少ない反射回数で、断熱貯水槽20の内に導く機能を有する。反射面52bは、光ガイド50の下部50bの内面に形成される。
出射口部53は、下部50bの下端に形成され、円形状の開口部26に連結できる大きさを有する。なお、入射口部51や出射口部53の形状は、円形状に限らず、楕円形や、四角形、三角形等の多角形でもよい。
開口部26から垂直に延びる線(軸A1)に対する反射面52bの傾斜が、反射面52aの軸A1に対する傾斜に比較して小さい。反射面52aを下向きにして、反射面52aの傾斜を大きくすることにより、入射角が大きい太陽光を、断熱貯水槽20内部に導き易くなる。一方、反射面52bの傾斜は、面が上向きなので、太陽光を断熱貯水槽20内部に導き易いように小さい方がよい。反射面52bの傾斜は、開口部26の大きさや、フレネルレンズ10の配置をどのようにするか等の太陽光集熱装置4全体の大きさをどのように設計するかにも依存する。以上の要件を満たすように、上部50aは、下部50bに比較して短くなる。
なお、光ガイド50の形状は、軸A1を中心軸とした左右対称形に限らず、非対象形でも、光ガイド50は、上部50aでは、入射口部51から出射口部53に向けて延びるにつれて広がる。また、光ガイド50は、下部50bでは、出射口部53から入射口部51に向けて延びるにつれて広がる形状であればよい。
また、フレネルレンズ10は、太陽光集熱装置1の場合に比べ、4本の支持部材16により、断熱貯水槽20の上方に光ガイド50の高さ分、上に設置されている。そのため、フレネルレンズ10の焦点位置が、入射口部51の付近に位置決めされる。
次に、光ガイド50における光路について図に基づき説明する。
図16に示すように、光ガイド50に対して入射角θ1(入射角が小さい)の太陽光Sf1は、反射面52bで反射して、断熱貯水槽20内部に導かれる。日が傾いたときのように、入射角θ2(入射角が大きい)の太陽光Sf2は、反射面52aで、一旦、より下向きに反射され、次に反射面52bで反射して、断熱貯水槽20内部に導かれる。より下向きに反射される、すなわち、反射面52aに対する入射角が大きくなるので、反射面52aに対する反射角も大きくなるので、出射口部53に達するまでの反射回数が減少して太陽光が導かれる。
比較例の光ガイドにおける光路の一例を示した図17の場合と比較すると、図17に示すように、太陽光Sf2は、反射面55で反射を繰り返し、強度が減衰する。一方、図16に示したように、太陽光Sf2は、反射面55の場合に比べ、反射面52aの作用により、反射回数が少なくなる。さらに入射角がより大きい太陽光Sf3の場合も、3回の反射回数で断熱貯水槽20内部に導かれる。
ここで、反射面52における、一回の反射での反射率が90%である場合、3回反射すると、太陽光の強度は73%に減少するので、反射回数はできるだけ少ない方よい。
このように本実施形態によれば、開口部26に配置され、太陽光を反射して断熱貯水槽20(容器部)の内に導く反射面52を有する光ガイド50を更に備えたことにより、集光された太陽光が斜めから開口部26等に入射する場合や、集光された太陽光の焦点位置がずれる場合でも、光ガイド50の反射面52に反射して、容器部の内に導き易くなるので、太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。また、開口部26が直接、外気に暴露されないので、内部の熱が逃げにくく、より熱損失が少なくなる。
また、光ガイド50が、太陽光の入射口部51を有し、反射面52aが入射口部51から外側に延びることにより、集光された太陽光が斜めから開口部26に入射する場合、反射面52aが入射口部51から外側に延びるため、反射面52aで反射した太陽光が、開口部26の方に向くため、容器部の内に導き易くなるので、太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。
また、光ガイド50が、太陽光を断熱貯水槽20の内へ出射させる出射口部53を有し、反射面52bが出射口部53から外側に延びることにより、反射面52(52a)が入射口部から外側に延びるため、光ガイド50の幅は一旦広がるが、途中から反射面52(52b)が出射口部から外側に延びることにより、光ガイド50の幅は開口部26付近では狭くなる。このため、太陽光が入射し易いように、かつ、熱が断熱貯水槽20内部から逃げないように開口部26をより小さくできるため、熱損失が少なく太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る太陽光集熱装置について説明する。
図18は、本発明に係る第5実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。
図18に示すように、太陽光集熱装置5は、図5の太陽光集熱装置2に対して、更に、スリット26Bに配置された光ガイド60を設けた構成である。
光ガイド60は、光ガイド50のように、入射口部61と、断熱貯水槽20の内に導く反射面(図示せず)と、出射口部63と、を有し、上部60aおよび下部60bから構成される。入射口部61は、太陽光の日周運動等の動きを吸収できる細長い長方形をしている。出射口部63はスリット26Bに連結できる大きさを有する。光ガイド60の断面形状は、図16に示した形状と同じであり、光ガイド60の幅は、上部60aで一旦広がるが、下部60bでは開口部付近まで狭くなる。なお、図16の軸A1の代わりに、対称面を想定する。
このように、光ガイド60は、上部60aでは、入射口部61から出射口部63に向けて延びるにつれて広がる。また、光ガイド60は、下部60bでは、出射口部63から入射口部61に向けて延びるにつれて広がる。
開口部がスリット26Bにより、日周運動の動きを吸収させる場合、光ガイド60は、年周運動を吸収することができる。また、太陽光集熱装置5を小型化するために、フレネルレンズ10の焦点距離を短くした場合、光ガイド60は、フレネルレンズ10の周辺部分から入射した太陽光Sを断熱貯水槽20内に導き易くする。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る太陽光集熱装置について説明する。
図19は、本発明に係る第6実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。図20は、図19の太陽光集熱装置の追尾手段の一例を示す概略図である。
図19に示すように、太陽光集熱装置6は、図10の太陽光集熱装置3に対して、更に、開口部26に配置された光ガイド50を備えている。
太陽光集熱装置3との違いは、図19に示すように、フレネルレンズ10の焦点が、光ガイド50の入射口部51に位置決めできるように、追尾手段40Bが、回転軸支持部材47を有し、追尾手段40Bの回転軸41が、開口部26の外側に設けられている。このように、追尾手段40Bが、開口部26の外側に設けら、かつ、フレネルレンズ10(集光手段)を回転させる回転軸41を有し、光ガイド50の入射口部51が、回転軸41上に位置決めされる。
また、太陽光集熱装置6においては、光ガイド50の入射口部51が、透明の半球面の入射窓57により覆われている。
さらに、図12の太陽光集熱装置3Cのようにフレネルレンズ10が複数ある追尾手段40Bの場合、図20に示すように、各回転軸41が、各回転軸支持部材47により、入射口部51の高さに位置決めされている。
なお、各アーム42は、棒48により、リンク機構が形成され、棒48をスライドさせることにより、各フレネルレンズ10が同時に動く。
このように本実施形態によれば、追尾手段40Bが、開口部26の外側に設けら、かつ、フレネルレンズ10を回転させる回転軸41を有し、光ガイドの入射口部51が、回転軸41上に位置決めされることにより、追尾手段40Bにより、フレネルレンズ10が回転軸41を中心に回転しても、フレネルレンズ10の焦点を光ガイドの入射口部51付近に位置決めできるため、太陽の日周運動や年周運動に対して追尾しても太陽光が光ガイドから外れにくく、太陽光が断熱貯水槽20内部に入り易くなり、太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。
また開口部26の外側に回転軸41があるため、フレネルレンズ10を大きく傾けても、フレネルレンズ10が断熱貯水槽20の上部25に接触しにくくなる。特に、図20のように、集光手段を複数並べる場合、有効である。
また、光ガイド50の入射口部51にドーム形状の入射窓57を更に備えた場合、太陽光が傾いても、入射窓57に対してできるだけ垂直に太陽光が入射するため、入射窓57の表面での反射を防止する。また、入射窓57は、水蒸気の発散を防ぎ、熱の放散を防止できる。このように、熱損失が少なく太陽光のエネルギーを効率的に収集できる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係る太陽光集熱装置について説明する。
図21は、本発明に係る第7実施形態に係る太陽光集熱装置の概要構成例を示す概略図である。
図21に示すように、太陽光集熱装置8は、図5の太陽光集熱装置2に対して、更に、スリット26Bに配置された光ガイド70を設けた構成である。光ガイド70は、図18の光ガイド60の変形である。
光ガイド70は、光ガイド60のように、入射口部71と、断熱貯水槽20の内に導く反射面(図示せず)と、出射口部73と、を有し、上部70aおよび下部70bから構成される。光ガイド70は、図21に示すように、中心軸A2を中心として、左右に別れ、中心軸A2では、高さが低くなり、端に行くに従い高さが高くなる。この光ガイド70の高さは、日が傾き、太陽光Sがフレネルレンズ10に斜め方向から入射した場合の焦点位置に応じて決定される。
入射口部71は、太陽光の日周運動等の動きを吸収できる細長い長方形をしている。しかし、図21に示すように、太陽光Sがフレネルレンズ10に斜め方向から入射すると、焦点位置が中心軸A2方向に開口部26Bから離れるので、入射口部71の面は、中心軸A2の方に多少向いて、傾いている。そして、入射口部71は、ガラス窓77により塞がれている。なお、入射口部71は、太陽光Sがフレネルレンズ10に斜め方向から入射する場合の焦点位置に合わせて、湾曲していてもよい。
出射口部73はスリット26Bに連結できる大きさを有する。
光ガイド70の断面形状は、図16に示した形状と同じであり、光ガイド70の幅は、上部70aで一旦広がるが、下部70bでは開口部付近まで狭くなる。しかし、中心軸A2に近づくにつれて、図21に示すように、光ガイド70の幅の広がりは小さくなり、中心軸A2付近では、広がりが無くなる。
このように、本実施形態の場合、フレネルレンズ10を太陽の日周運動に合わせて、スリット26Bに近づけたり遠ざけたりするフレネルレンズ10の遠近手段が不要となる。
なお、集光手段としてのフレネルレンズ10等は、同心円のパターンでも、シリンドリカルレンズのように集光させるため線状のパターンでもよい。集光手段の機能は、開口部や光ガイドの入射口部等の形状や大きさに合わせて、開口部から太陽光が容器部の内に導入できればよい。
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
特願2008−120538号公報および特願2008−203940号公報の全ての内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
本発明によれば、従来の方法では、40度の温水でも太陽光の50%の効率しか利用できず、高温では効率が大きく減少していたところを、100度近い高温でも効率が100%に近い集熱器を提供できるため、太陽光利用温水器に利用される他、太陽熱利用蒸気発電、太陽熱利用淡水化装置など、非常に幅広い応用が期待される。また、効率よく高熱の温水を作ることができるので、淡水化装置への高温の温水入力が可能となると同時に、100度近い温水の24時間利用により、カリーナサイクルなどのアンモニア蒸発によるタービン発電機にも応用でき、太陽電池を凌ぐ発電効率も可能となるであろう。
1、2、2B、2C、2D、2E、3、3B、3C、3D、4、5、6、7、8:太陽光集熱装置
10、10B、10C、10D:フレネルレンズ(集光手段)
11:反射鏡(集光手段)
20、21、22、20D、20E:断熱貯水槽(容器部)
25、25B、25C、25D、25E:遮光板(閉鎖部)
26、26E:開口部
26B、26C、26D:スリット(開口部)
27:凹部
30:光吸収体(光吸収部)
40、40B:追尾手段
41、46:回転軸
50、60、70:光ガイド
51、61、71:入射口部
53、63、73:出射口部
57:入射窓
S:太陽光
Sf:集光太陽光

Claims (14)

  1. 熱を蓄えると共に開放した容器部と、
    前記容器部を閉鎖すると共に集光された太陽光を入射させるための開口部を有する閉鎖部と、
    前記開口部を通過して広がった太陽光を吸収して熱に変換する光吸収部と、
    を備えたことを特徴とする太陽光集熱装置。
  2. 請求項1に記載の太陽光集熱装置において、
    前記開口部がスリットを有することを特徴とする太陽光集熱装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の太陽光集熱装置において、
    前記開口部の幅が、前記集光された太陽光の焦点の径の5倍であることを特徴とする太陽光集熱装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、
    前記開口部に配置され、太陽光を反射して前記容器部の内に導く反射面を有する光ガイドを更に備えたことを特徴とする太陽光集熱装置。
  5. 請求項4に記載の太陽光集熱装置において、
    前記光ガイドは、前記太陽光の入射口部と前記太陽光を前記容器部の内へ出射させる出射口部とを有し、
    前記光ガイドは、前記入射口部から前記出射口部に向けて延びるにつれて広がることを特徴とする太陽光集熱装置。
  6. 請求項5に記載の太陽光集熱装置において、
    前記光ガイドは、前記出射口部から前記入射口部に向けて延びるにつれて広がることを特徴とする太陽光集熱装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の太陽光集熱装置において、
    前記光ガイドの前記入射口部に球面の入射窓を更に備えたことを特徴とする太陽光集熱装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、
    前記閉鎖部が凹部を有し、
    前記開口部が、前記凹部の底に前記太陽光を通過させる透明の部材により形成されたことを特徴とする太陽光集熱装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、
    前記太陽光を集光させる集光手段を更に備えたことを特徴とする太陽光集熱装置。
  10. 請求項9に記載の太陽光集熱装置において、
    前記集光手段が、前記開口部に向かって凹に湾曲したフレネルレンズであることを特徴とする太陽光集熱装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、
    太陽の動きに応じて、前記太陽を追尾する追尾手段を更に備えたことを特徴とする太陽光集熱装置。
  12. 請求項11に記載の太陽光集熱装置において、
    前記追尾手段が、前記集光手段を前記容器部に対して動かすことを特徴とする太陽光集熱装置。
  13. 請求項10または請求項11に記載の太陽光集熱装置において、
    前記追尾手段が、前記開口部の外側に設けられ、かつ、前記集光手段を回転させる回転軸を有し、
    前記光ガイドの入射口部が、前記回転軸上に位置決めされることを特徴とする太陽光集熱装置。
  14. 請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の太陽光集熱装置において、
    前記追尾手段が、前記容器部を動かすことを特徴とする太陽光集熱装置。
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