JPH05302759A - 太陽熱利用の調理方法および調理器 - Google Patents

太陽熱利用の調理方法および調理器

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JPH05302759A
JPH05302759A JP4275272A JP27527292A JPH05302759A JP H05302759 A JPH05302759 A JP H05302759A JP 4275272 A JP4275272 A JP 4275272A JP 27527292 A JP27527292 A JP 27527292A JP H05302759 A JPH05302759 A JP H05302759A
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JP
Japan
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heat
cooking
cooked
conducting member
cooking container
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Application number
JP4275272A
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English (en)
Inventor
Hiroko Kondo
浩子 近藤
Shusuke Kotake
秀典 小竹
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KUNISHIRO KANAGATA KOGYO KK
Original Assignee
KUNISHIRO KANAGATA KOGYO KK
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Publication date
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    • F24S23/30Arrangements for concentrating solar-rays for solar heat collectors with lenses
    • F24S23/31Arrangements for concentrating solar-rays for solar heat collectors with lenses having discontinuous faces, e.g. Fresnel lenses
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24SSOLAR HEAT COLLECTORS; SOLAR HEAT SYSTEMS
    • F24S20/00Solar heat collectors specially adapted for particular uses or environments
    • F24S20/30Solar heat collectors for heating objects, e.g. solar cookers or solar furnaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24SSOLAR HEAT COLLECTORS; SOLAR HEAT SYSTEMS
    • F24S50/00Arrangements for controlling solar heat collectors
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 被調理物が米等薄色のものであっても調理し
得、かつ、調理容器の下方の被調理物を加熱し得る直接
加熱法による太陽熱利用の調理器を得る。 【構成】 フレネルレンズ12によって太陽光線Sを集
光し、それによって得られる熱を利用して被調理物を加
熱する調理器において、太陽光線Sの焦点を熱伝導部材
22の頂部24に位置するようにレンズ12の角度,調
理台14の高さ等を調節すれば、熱伝導部材22の頂部
24が熱せられ、その熱は円板部に伝達され、円板部周
辺の被調理物が加熱される。なお、熱伝導体22は円板
部と、その円板部より小径で、その中央部の片側から突
出させられた柱状突部とを備えており、材質は銅であ
る。このように、被調理物を熱伝導部材22を介して加
熱すれば、被調理物は米等薄色のものであってもよく、
調理容器10の下方の被調理物も加熱することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレネルレンズ等集光
手段で太陽光線を集光することによって得られた熱エネ
ルギを利用する調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、太陽熱を利用した調理器が、
キャンプ等野外において調理を行う場合や、東南アジア
や中近東等の地域において日常の調理を行う場合等に利
用されていた。この太陽熱を利用した調理装置の原理図
を図11,12に示す。図11に示す装置は直接加熱法
によるものであり、図12に示す装置は反射式加熱法に
よるものである。250は集光手段としてのフレネルレ
ンズである。フレネルレンズ250は直径1.5mのア
クリル樹脂製であり、太陽光線Sを集光するものであ
る。また、252,254は被調理物が入れられた調理
容器であり、これら調理容器252,254は調理台2
58,260上に載せられている。図示はしないが、レ
ンズ250を支持する支持部はレンズ250の傾きを調
節し得る調節機能を備えており、調理台258,260
は高さ調節機能を備えている。また、図12において
は、調理台260の近傍に反射鏡262が配設されてお
り、反射鏡262は高さ調節台264上に設置されてい
る。
【0003】図11においては、調理容器252の内部
(被調理物)に焦点Pが位置するようにレンズ250の
傾き、調理台258の高さ等を調節し、図12において
は、反射鏡262による反射光の焦点Qが調理容器25
4の外側底面に位置するように反射鏡262の高さ,調
理台260の高さ,レンズ250の傾き等を調節し、そ
れぞれ被調理物を加熱するのである。直接加熱法は被調
理物に直接太陽光線が当てられるため、濃色の被調理物
を調理する場合、肉等を焼く場合等に適しており、反射
加熱法は調理容器の外側底面に太陽の反射光が当てられ
るため、米等薄色の被調理物を調理する場合、調理容器
内の下方の被調理物を加熱する必要がある場合(煮物)
等に適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、反射加熱法に
おいては、反射鏡262による反射光の焦点Qが調理容
器254の底部に位置するように、レンズ252の傾
き,反射鏡262の高さ,調理台260の高さ等を調節
することが困難であるという問題があった。しかも、焦
点Qが反射鏡262上に位置すると、反射鏡262が傷
められてしまい、反射板262に歪みが生じて光が散乱
したり、変色して光を反射しなくなったりするため、反
射鏡262の上には焦点Qが位置しないように注意しつ
つ調節しなければならないのである。また、太陽の移動
に手動で追尾して、反射光による焦点を調理容器の適正
位置に保つことは一層困難なことであった。
【0005】一方、米等薄色の被調理物を直接加熱法に
よって加熱する場合には、被調理物が太陽熱を吸収し難
いため、調理時間が非常に長くかかる等の問題があり、
実際には調理を行うことができなかった。また、直接加
熱法においては、調理容器内の下方の被調理物を加熱す
ることが困難であるため、煮たり、炊いたりする場合等
には良好に調理を行うことができないという問題があっ
た。
【0006】以上の事情を背景として、本発明は、被調
理物が米等薄色のものであっても加熱でき、かつ、調理
容器の下方の被調理物を加熱し得る直接加熱法による太
陽熱利用の調理方法および調理器を得るためになされた
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によって請求項1
記載の調理方法が得られる。この調理方法は、調理容器
内に被調理物を入れるとともに金属製の熱伝導部材を、
その熱伝導部材の下部が被調理物内に埋没し、上部がそ
の被調理物の上方へ突出した状態で配設し、その熱伝導
部材の上部に集光手段によって集光した太陽光線を当て
て被調理物を加熱調理するものである。本発明によって
請求項2記載の調理用熱伝導部材が得られる。この熱伝
導部材は、金属によって形成され、平板部と、その平板
部の中央部から片側へ延び出した柱状突部とを含むこと
を特徴とする。この熱伝導部材は、その熱伝導部材を被
調理物と共に収容する調理容器と共に太陽熱利用の調理
器を構成する。調理容器はそれの底部が熱伝導部材の平
板部と一体に形成されてもよく、別体に形成されて平板
部を下方から支持するようにされてもよい。本発明に係
る調理器は、さらに、中央部に前記柱状突部より大径の
中央穴が形成された穴あき蓋を含み、前記調理容器がそ
の蓋を、前記熱伝導部材の柱状突起の上部がその蓋の上
方に突出する状態で支持するように構成されることが望
ましい。そして、本発明の一態様においては、この穴あ
き蓋が、その蓋の下面から下方に突出した複数本の脚部
と、その蓋の上面から上方へ突出した少なくとも一本の
ハンドルとを含むものとされる。本発明に係る調理器は
また、断熱材から成り、少なくとも前記調理容器の底部
と側面との大半を覆う保温カバーを含むことが望まし
い。本発明によれば、太陽熱利用の炊飯装置が得られ
る。この炊飯装置は、上記調理器に加えて、さらに調理
容器を収容可能な内部空間を真空層により外部と遮断す
るとともに、前記調理容器の収納,取り出しを許容する
開閉手段を備えた保温容器を含んで構成される。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明の調理方法においては、フ
レネルレンズ等集光手段によって集光された太陽光線
が、熱伝導部材の上部に当たれば、上部が熱せられ、そ
の熱が下部に伝達され、下部の周辺の被調理物が加熱さ
れる。被調理物は熱伝導によって加熱されるため、被調
理物の色は薄くてもよい。また、熱伝導部材は金属製で
あるため、熱は良好に伝導される。
【0009】請求項3記載の発明の太陽熱利用の調理器
においては、平板部が被調理物の下部に埋没した状態と
される。熱伝導部材は金属製であるため柱状突部が熱せ
られるとその熱は平板部に良好に伝達され、平板部周辺
の被調理物の下部が均等に加熱される。そして、被調理
物の対流や伝導により、被調理物全体が良好に加熱され
る。被調理物は熱伝導部材を介して加熱されるため、米
等薄色のものであってもよい。熱伝導部材が調理容器と
別体の態様においては、既に太陽熱利用の調理器を保有
している人は、熱伝導部材のみを購入すれば、従来の調
理器を組み合わせて使用することができる。
【0010】調理器が穴あき蓋を含む場合には、調理容
器の上部が、熱伝導部材の柱状突部が穴あき蓋の上方に
突出した状態で覆われる。したがって、柱状突部の太陽
光線の照射を妨げることなく被調理物からの水の蒸発を
抑制することができる。穴あき蓋が、複数本の脚部と少
なくとも一本のハンドルとを備えている。したがって、
ハンドルを利用して穴あき蓋を回転させれば、それに伴
って脚部も回転し、調理容器の上部を覆われたまま攪拌
することができる。脚部は、その下端を調理容器の底に
当接させれば、穴あき蓋を被調理物から離れた位置に保
つ作用をなす。
【0011】調理器が断熱材から成る保温カバーを含む
場合には、調理容器の少なくとも底部と側面との大半が
保温カバーによって覆われ、放熱が抑制される。加熱後
に使用してもよいが、加熱中から使用すれば一層効果的
である。
【0012】本発明の炊飯装置においては、米および水
を加熱した後の調理容器を、開閉手段を開いた保温容器
の内部空間に収納し、開閉手段を閉じれば、容器内の米
の温度低下が抑制され、炊飯が可能となる。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の発明の調理方法によれ
ば、被調理物がシチュー等薄色のものであっても、反射
加熱法によらないで直接加熱法で加熱でき、さらに、調
理容器内の下方の被調理物を加熱することができる。そ
のため、良好にシチューや煮物を作ることができる。ま
た、従来の直接加熱法と本発明の調理方法とを合わせれ
ば、およその被調理物を太陽熱によって調理することが
可能となるため、薪を燃料とする発展途上国では森林伐
採防止、その他の地域では省資源,省エネルギに貢献で
きる。また、燃料を使用しないので地球環境を汚さない
という利点もある。
【0014】請求項3記載の発明の太陽熱利用の調理器
によれば、請求項1記載の調理方法を実施することがで
き、請求項2記載の熱伝導部材を用いれば、従来の太陽
熱利用の調理器の利用範囲を広げることができ、熱効率
を向上させることができる。
【0015】本発明の調理器を、穴あき蓋や保温カバー
を備えたものとすれば、蒸発、放射等による熱の放散を
抑制し、調理に要する時間を短縮することができる。ま
た、これらを加熱後に使用すれば、加熱された調理容器
内の被調理物の温度低下を抑制することができる。
【0016】穴あき蓋が脚部とハンドルとを備えた調理
器によれば、熱の放散を抑制しつつ被調理物の攪拌を行
うことができ、特に、実施例において詳述する「湯こぼ
し法」によって米を炊くことが可能となる。
【0017】本発明の炊飯装置によれば、調理容器の下
方の米も熱伝導部材によって加熱され、米を良好に加熱
することができる。また、加熱後の調理容器を保温容器
に入れることによって、米を良好に蒸らすことができ、
良好に炊き上げることができる。また、蒸らし終了後、
継続して保温容器内に収容しておけば、米を温かい状態
で長時間保つことができる。
【0018】
【実施例】炊飯方法は大きく分けて、日本で一般的に行
われているように米を1.2倍の水で炊き上げる方法
と、東南アジアで行われているように米を3倍の水で炊
く「湯こぼし法」の2種類がある。まず、本発明を日本
式の炊飯に適用した場合の実施例を説明する。
【0019】図4は、直接加熱法による太陽熱利用の調
理装置の全体図を示す。10は調理容器であり、12は
集光手段としてのフレネルレンズである。調理容器10
は調理台14上に載せられ、レンズ12は支持脚16に
よって支持されている。調理台14,支持脚16は高さ
調節機能を備えており、これらの高さを調節することに
よって太陽光束Sの焦点が調理容器10内の熱伝導部材
22の頂部24に位置するようにし、調理容器10内の
米および水を加熱する。
【0020】調理容器10は、図1に示す熱伝導体22
を含んでいる。熱伝導体22は円板部26と、その円板
部26より小径で、円板部26の中央部の片側から突出
させられた柱状突部28とを備えており、材質は銅であ
る。柱状突部28の頂部24および上部外周部32は黒
色に塗られて、太陽熱を吸収し易くされている。調理容
器10は、図2および図3に示すように、その底部36
と円板部26とが当接した状態で熱伝導体22を収容す
る。調理容器10の外周面の上部には把手38が取り付
けられて、調理容器10の移動が容易とされている。ま
た,上部にはふた40を備えているがこれは後述する穴
あき蓋とは異なるもので、調理後の保温等のために使用
されるものである。
【0021】調理台14は、図4および図5に示すよう
に、パンタグラフ式ジャッキを備えており、1対のパン
タグラフが互いに平行に配設されている。一方のパンタ
グラフにおいて、複数のリンク42がその一端部および
中間部においてピン43によって互いに相対回動可能に
連結されている。また、リンク42の他端部は天板4
6,ベース48にピン50によってそれぞれ連結され、
天板46およびベース48の連結部の一方には長穴52
が形成され、ピン50が長穴52に沿って摺動可能とさ
れている。他方のパンタグラフも同様に構成されてい
る。
【0022】両パンタグラフのリンク42の一端部にお
ける連結部同士が連結ロッド53,54によって連結さ
れており、その連結ロッド53,54を跨いで高さ調節
装置55が設けられている。高さ調節装置55はねじ機
構とされており、調節ボルト56とナット部58とを備
えている。調節ボルト56の一端部には、図5に示すよ
うに溝59,60が形成され、その溝には止め輪62,
64が嵌合されて一端部が連結ロッド54に対して回転
可能であるが軸方向には移動不能に連結されている。ま
た、ねじ部が連結ロッド53のナット部58に螺合され
るとともにその先端にはハンドル68が取り付けられて
いる。
【0023】調節ボルト56を螺進させると、止め輪6
2が連結ロッド54を外方に押し、連結ロッド53,5
4間は広げられ、長穴52に嵌合しているピン50が摺
動し、調理台14が低くなる。また、調節ボルト56を
螺退させると、止め輪64が連結ロッド54を内方に引
き付け、連結ロッド53,54間が狭められ、調理台1
4が高くなる。また、使用しない場合には止め輪64を
外し、調節ねじ56の連結ロッド54への連結を解け
ば、調理台14を簡単に折り畳むことができる。
【0024】図2に示す保温容器70は、加熱終了後の
調理容器10を収容するものである。保温容器70の本
体はその側面と底面とがステンレスの二重構造による真
空層72となっている。また、上部は開口73となって
おり、その開口73は、断熱材で形成されたふた74を
備えている。そのため、真空層72およびふた74によ
って囲まれる内部空間76は外部から熱的に遮断されて
おり、この内部空間76に調理容器10を収容すれば、
調理容器10からの熱の放散が抑制される。本実施例に
おいては、ふた74が開閉手段を構成しているのであ
る。保温容器70は保温性がよく、被調理物を蒸らすこ
とができるとともに加熱調理後の被調理物を長時間温か
い状態に保つことができる。
【0025】レンズ12は枠80に嵌め込まれ、枠80
が支持脚16に支持されている。支持脚16は3本の支
柱82,84,86,3角形の底枠88を備えている。
支柱82〜86の上端部はそれぞれ枠80にヒンジ部8
9を介して連結されており、支柱82の下端部は底枠8
8に相対移動不能に固定されているが、支柱84,86
の下端部はヒンジ部90,91により回動可能に連結さ
れている。各支柱82〜86はそれぞれ外筒92,9
3,94と内筒95,97(1本は図示しない)とを備
えており、外筒92〜94にはそれぞれ2個のナット1
00が固着され、蝶ねじ102が螺合されている。
【0026】各支柱82〜86の高さは、蝶ねじ102
を緩め、内筒95,97を摺動させ、所定の位置で蝶ね
じ102を締め付けることによってぞれぞれ調節し得
る。すなわち、各支柱82〜86の高さを独立に調節す
ることによって、レンズ12の高さおよび傾斜角度が調
節されるのである。その場合、支柱84の上端部および
下端部はヒンジ部89,90を介して枠80,底枠88
に連結され、同様に、支柱86はヒンジ部89,91を
介して枠80,底枠88に連結されているため、支柱8
4,86は枠80,底枠88に対して多少傾くことが許
容されている。底枠88のコーナにはキャスタ104が
それぞれ取り付けられており、レンズ12の移動を容易
にしている。また、図示しない砂袋を底枠88上に載
せ、レンズ12が風等によって倒れないようにしてもよ
い。
【0027】以上のように構成されたフレネルレンズ式
太陽熱調理装置によって米を炊飯する場合を説明する。
調理容器10内に熱伝導部材22を設置し、その黒色に
塗られた部分が突出するように、米と水との混合物であ
る被調理物110を入れる。これを調理台14上に設置
し、レンズ12によって集光された太陽光線Sの焦点が
熱伝導部材22の頂部24に位置するように、調理台1
4の高さおよび支柱82〜86の高さを調節する。
【0028】太陽光束Sによって頂部24が熱せられる
と、熱が速やかに図3に矢印で示すように伝わり、被調
理物110が加熱される。加熱中、太陽の高度,位置の
変化により焦点がずれれば、調理台14,支柱82〜8
6の高さを調節して頂部24に焦点が位置するようにす
る。加熱終了後、調理容器10を保温容器70に入れ
て、30分蒸らす。以上の方法によって、うるち米3合
を炊飯した場合の水温変化及び被調理物110の状態変
化を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、熱伝導部材22
周部A,Bの温度は良好に上昇させられ、被調理物11
0の加熱が良好に行われる。また、米はふっくらと良好
に炊き上げることができた。
【0031】なお、上記実験例においては、調理容器1
0を覆わないで加熱を行ったが、図6および図7に示す
ように、調理容器10の上部を穴あき蓋で覆い、周辺を
保温カバーで覆って加熱を行うことが望ましい。120
は穴あき蓋であり、122は保温カバーである。穴あき
蓋120の中心部には熱伝導部材22の柱状突部28の
外径より僅かに内径が大きい穴124が形成されてお
り、穴あき蓋120の外周部には引っかけ金具126が
取り付けられている。柱状突部28の黒色に塗られた部
分が穴124から上方に突出した状態で、引っかけ金具
126が調理容器22の上端縁に引っかけられることに
よって穴あき蓋120が調理容器10に支持される。こ
の穴あき蓋120によって、熱伝導部材22の頂部24
を覆わないで、調理容器10の上部開口を覆うことがで
きる。
【0032】保温カバー122は不織布等の耐熱性およ
び断熱性の優れた繊維材料で作られており、概して有底
円筒状を成し、筒部の上部には切欠130が形成されて
いる。保温カバー122は、この切欠130が太陽移動
に伴う焦点の移動軌跡上に位置する向きで使用され、保
温カバー122が焦げることが回避される。このよう
に、保温カバー122および穴あき蓋120を備えた調
理器においては、穴あき蓋120,保温カバー122等
によって加熱中の調理容器10からの熱の放散を良好に
回避することができるためより短時間で炊飯を行うこと
ができる。外気の温度が低い場合には特に有効である。
なお、穴あき蓋120と保温カバー122とのいずれか
一方のみを使用してもよい。
【0033】次に、本発明を東南アジア地域で行われて
いる「湯こぼし法」による炊飯に適用した場合の実施例
を説明する。前述のように、「湯こぼし法」は、日本式
の炊飯方法とは異なり、米を約3倍の水で煮込んだ後、
鍋の蓋をして、少し隙間をあけて湯をすべてこぼしてか
らむらす方法である。また、加熱中に米を攪拌する。こ
のようにして炊き上げた米は、デンプン質のより少な
い、パサパサした感じとなる。また、細長い形状の「イ
ンディカ米」を用いる。
【0034】図8において、調理容器10には、熱伝導
部材152,穴あき蓋154が収容されている。熱伝導
部材152は、熱伝導部材22と同様に、柱状突部15
6と円板部158とを備えており、柱状突部156の頂
部160および上部外周面162は黒色に塗られてい
る。また、頂部160には雌ねじ穴164が2個隔たっ
て形成されており、取出棒166が2本着脱可能に取り
付けられている。取出棒166の一端部にはねじ山16
8が形成され、他端部にはリング170が形成されてい
る。ねじ山168を雌ねじ穴164に螺合することによ
って取出棒166を熱伝導部材152に固定することが
できる。被調理物の加熱中には取出棒166を熱伝導部
材152から外しておくのであるが、被調理物の加熱終
了後、調理容器10内の水を捨てる場合には、この取出
棒166を取り付け、熱伝導部材152を調理容器10
から取り出すのである。
【0035】穴あき蓋154は、円板部174,2本の
ハンドル176,適数本の攪拌棒178を備えている。
円板部174の中心部には柱状突部156の貫通用の穴
180が形成され、前述と同様に、穴あき蓋154が調
理容器10内に、熱伝導部材152の頂部160および
上部162が円板部174の上面175から上方に突出
する状態で配置される。円板部174には複数個の貫通
穴182が形成されており、ここに、ハンドル176お
よび攪拌棒178が挿入され、ナット184によって固
定されている。ハンドル176は上面175より上方に
突出させられ、攪拌棒178は下面186より下方に突
出させられている。
【0036】また、攪拌棒178はナット184との螺
合位置を調節することによって下面186からの突出量
を調節することができる。穴あき蓋154は適数本の攪
拌棒178の他端部が熱伝導部材152に当接すること
によって支持されるようになっているため、攪拌棒17
8の下面186からの突出量はそれぞれ同じになってお
り、円板部174を調理容器10の底面36と水平の状
態に保っている。また、攪拌棒178の内の1本はそれ
の先端部が曲げられており、攪拌をより良好にしてい
る。ハンドル176を下面186からも突出させて攪拌
機能と円板部174の支持機能とを果たすようにしても
よい。
【0037】ハンドル176を利用して、穴あき蓋15
4を回転すれば、適数本の攪拌棒178が被調理物内を
移動し、被調理物を攪拌することができる。また、穴あ
き蓋154自身に攪拌棒178が取り付けられているた
め、蓋を外すことなく被調理物を攪拌できる。被調理物
からの熱の放散を抑制しつつ攪拌を行うことができるの
である。また中心部に形成された穴180も柱状突部1
56より大径であるため、穴あき蓋154は柱状突部1
56の周りを容易に回転することができる。また、当
然、熱伝導部材152を取り出す必要もない。
【0038】また、調理容器10の側面および底面は保
温カバー190によって覆われている。保温カバー19
0は保温カバー70とほぼ同様のものであるが、切欠が
形成されていない。
【0039】このように保温カバー190で覆われた調
理容器10を調理台14上に設置し、前述と同様に、太
陽光線Sの焦点が熱伝導部材152の頂部160に位置
するように、調理台14およびレンズ12の角度を調節
する。加熱中適時ハンドル176を回転することによっ
て米,水等被調理物を攪拌する。加熱終了後、穴あき蓋
154を取り出し、取出棒166を利用して熱伝導部材
152を調理容器10から取り出す。その後、保温カバ
ー190を外し、調理容器10内の水を蓋40(図2参
照)を利用して捨て、調理容器10を保温容器70内に
収容し、米を蒸らす。このようにすることによって、イ
ンディカ米を良好に炊飯することができた。
【0040】以上のように、本実施例の調理器によれ
ば、直接加熱法によって米を良好に炊き上げることがで
きる。また、加熱時間を短縮できるという利点もある。
また、従来の直接加熱法と本発明の調理方法とを合わせ
れば、およその被調理物を太陽エネルギのみで調理する
ことができるため、薪を燃料とする発展途上国では森林
伐採防止、その他の地域では省資源,省エネルギに貢献
できる。さらに、燃料を使用しないので地球環境を汚さ
ない等の利点もある。
【0041】なお、熱伝導部材22,152は上記実施
例のものに限らず様々な態様のものが考えられる。図1
0にその一例を示す。これは、柱状突部200を中空と
し、その突部200の外周面に断熱層202を設け、頂
部204の面積を柱部の断面積より大きくしたものであ
る。また、円板部206の厚さが外周部になるほど薄く
なっている。柱状突部200を中空にすることによって
使用する金属の量を減らすことができ、その分軽くする
ことができる。しかし、肉厚を薄くしすぎると伝熱抵抗
が大きくなるため、適度の厚さとする。また、断熱層2
02を設けることによって熱せられた頂部204の熱が
柱状突部206の途中で被調理物に奪われることを回避
し得る。そのため、熱は良好に円板部206に伝達さ
れ、被調理物の下部を良好に加熱することができる。さ
らに、平板部206の厚みを内周部ほど厚くすることに
よって、重量軽減を図りつつ伝達性能を確保し得る。
【0042】また、上記両実施例においては、調理容器
10と熱伝導部材22,152とがそれぞれ別体とされ
ていたが、調理容器10の底部36と熱伝導部材22の
円板部26とが一体とされるように製作してもよい。
【0043】さらに、穴あき蓋の形状,保温カバーの形
状等も上記実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱
することなく当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である日本式炊飯装置の部品
である熱伝導部材の斜視図である。
【図2】上記実施例の調理器の断面図である。
【図3】上記実施例の調理器における熱の伝達の様子を
示す略図である。
【図4】上記実施例の調理器を使用して、太陽熱利用の
調理を行う状態を示す斜視図である。
【図5】上記実施例の調理器を設置する調理台の要部の
断面図である。
【図6】本発明の一実施例である日本式炊飯装置の別の
態様の調理器の斜視図である。
【図7】上記実施例の部品である穴あき蓋の平面図であ
る。
【図8】本発明の別の実施例であるインディカ米用調理
器の断面図である。
【図9】上記実施例の調理器の部品である穴あき蓋の斜
視図である。
【図10】上記両実施例の調理器の部品である熱伝導部
材の別の態様の断面図である。
【図11】従来の直接加熱法による調理を示す図であ
る。
【図12】従来の反射加熱法による調理を示す図であ
る。
【符号の説明】 10 調理容器 12 フレネルレンズ 22,152 熱伝導部材 24,160,204 頂部 26,158,206 円板部 28,156,200 柱状突部 70 保温容器 72 真空層 73 開口 74 蓋 120,154 穴あき蓋 122,190 保温カバー 176 ハンドル 178 攪拌棒

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調理容器内に被調理物を入れるとともに
    金属製の熱伝導部材を、その熱伝導部材の下部が前記被
    調理物内に埋没し、上部がその被調理物の上方へ突出し
    た状態で配設し、その熱伝導部材の上部に集光手段によ
    って集光した太陽光線を当てて被調理物を加熱調理する
    ことを特徴とする太陽熱利用の調理方法。
  2. 【請求項2】 太陽光を利用して調理を行う調理器用の
    部品であって、 金属によって形成され、平板部と、その平板部の中央部
    から片側へ延び出した柱状突部とを含む熱伝導部材。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の熱伝導部材と、 その熱伝導部材および被調理物を収容する調理容器と を含むことを特徴とする太陽熱利用の調理器。
  4. 【請求項4】 さらに、中央部に前記柱状突部より大径
    の中央穴が形成された穴あき蓋を含み、前記調理容器が
    その蓋を、前記熱伝導部材の柱状突起の上部がその蓋の
    上方に突出する状態で支持することを特徴とする請求項
    3記載の調理器。
  5. 【請求項5】 さらに、断熱材から成り、少なくとも前
    記調理容器の底部と側面との大半を覆う保温カバーを含
    むことを特徴とする請求項3または4記載の調理器。
  6. 【請求項6】 前記穴あき蓋が、その蓋の下面から下方
    に突出した複数本の脚部と、その蓋の上面から上方へ突
    出した少なくとも一本のハンドルとを含むことを特徴と
    する請求項4または5記載の調理器。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし6のいずれかに記載の調
    理器に加えて、前記調理容器を収容可能な内部空間を真
    空層により外部と遮断するとともに、前記調理容器の収
    納,取り出しを許容する開閉手段を備えた保温容器を含
    むことを特徴とする炊飯装置。
JP4275272A 1992-02-28 1992-09-18 太陽熱利用の調理方法および調理器 Pending JPH05302759A (ja)

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JP4-79138 1992-02-28

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