JPWO2009122592A1 - 常温保存可能な試薬を備えたウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット、並びにウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法 - Google Patents

常温保存可能な試薬を備えたウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット、並びにウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】常温での性能保持が可能であるとともに、高い精度でウイルス抗原及びウイルス抗体を検出可能である常温保存可能な試薬を備えたウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット、並びにウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法を提供することにある。
【解決手段】ヒト検体中に含まれるウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キットであって、
ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗体、及びウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗原と、標識物質で標識化されウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗体、及び標識物質で標識化されウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗原と、捕獲抗体及び捕獲抗原を固定化するための担体とを少なくとも備え、捕獲抗体及び捕獲抗原は、希釈液に溶解された状態で提供される。

Description

本発明はウイルス抗原及び抗体の検出キット及びウイルス抗原及び抗体の検出方法に関し、特に、ヒトの検体中に含まれるウイルス抗原及びウイルス抗体を免疫測定法により検出する常温保存可能な試薬を備えたウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット、並びにウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法に関する。
ヒトに感染するウイルスによって様々な感染症が引き起こされることが知られている。
例えば、後天性免疫不全症候群(エイズ;AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によってヘルパーT細胞が破壊された結果、免疫能力が極端に低下することにより他の病原体に日和見感染することが原因で罹患する疾病である。なお、HIVには、ウイルスの起源によりHIV−1とHIV−2の2つのタイプが存在する。
従来、ヒト血清等の検体中に含まれるHIV−1を検出する方法やこれに用いられるキットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この方法やキットでは、HIV−1ウイルスのキャプシドタンパクであるp24を抗原として認識して結合するマウス抗体(捕獲抗体)と、同じくHIV−1 p24抗原を認識して結合する標識されたマウス抗体(検出抗体)とを用いて、HIV−1ウイルスの検出や定量を行っている。
この従来のHIV−1検出方法は以下のとおりである。
まず、HIV−1検出用のマイクロプレートに捕獲抗体を含む溶液を塗布し、マイクロプレート表面を担体として捕獲抗体を固定化する。続いて、このマイクロプレート上でヒト検体に検出抗体を加えてサンドイッチ法による反応を行い、検体中に含まれるHIV−1 p24抗原と捕獲抗体及び検出抗体との結合反応を行う。次に、反応後のマイクロプレートを洗浄して未反応の血清タンパクや検出抗体を除去し、洗浄後のマイクロプレートに基質と発色液を加えて酵素免疫測定法(ELISA法)により標識された検出抗体を定量する。これにより、検出抗体が結合したHIV−1 p24抗原(すなわち、ウイルス抗原)を間接的に検出・定量している。
市販されているHIV−1検出キットには、p24の検出抗体や捕獲抗体の両方あるいは一方にヒト由来の抗p24抗体を用いているものがある。しかしながら、ヒト由来のp24捕獲抗体や検出抗体は、HIV−1感染者の血清から分離精製する必要があるため、一度に大量に抗体を取得することが困難であり、キット製造のコスト上昇を招くという不都合があった。
また、ヤギ由来の検出抗体及び捕獲抗体を使用するものもあるが、これもヒト由来の検出抗体及び捕獲抗体と同様に、一度に大量に抗体を取得することが困難であり、キット製造のコスト上昇を招くという不都合があった。
また、同一の感染者から入手できる血清の量は少量で限られているため、複数の感染者から抗体を入手する必要がある。しかしながら、抗体の特性は感染者ごとにばらつきがあるため、検出キットのロットごとに検出精度のばらつきが生じ、正確な検出や定量が困難になるという不都合があった。
そこで、特許文献1では、検出抗体や捕獲抗体として、非ヒト由来の生物から産生される抗体を用いている。具体的には、マウス由来のハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体を用いている。このように、非ヒト由来のハイブリドーマを樹立して抗体を産生させることで、ヒトの血清中から捕獲抗体や検出抗体を入手する場合と比較して、均一なロットの抗体を大量に入手することが可能となる。これにより、検出感度の安定性向上と検出キット製造のコスト低減を図ることができる。
国際公開第WO2006/126287号パンフレット
ところで、感染症の撲滅は世界平和を実現するための世界共通課題の一つである。
特に、発展途上国での感染症の勃発・蔓延は、交通手段と人的交流の国際化により、先進国での再興感染症の引きがねともなりかねない。
昨今報道されているように、特に発展途上国においては、HIVや肝炎ウイルスを代表とするウイルス感染の拡大が深刻な問題となっている。
このような感染症を阻止する手段として先進国では血液検査が普及しているが、後進国では検査体制さえできていない例が多い。
つまり様々な社会的、政治的、経済的あるいは地域環境的な理由により、検査の普及率は非常に低いのが現状である。
現在、ウイルス感染症の血液検査方法としては、抗原検査、抗体検査、遺伝子検査の3通りが普及している。
どの検査法も先進国においては、経済的及び技術的に容易に行える検査であるが、この中で、上記においても説明した酵素抗体法(ELISA)を用いた抗原検査と抗体検査は、簡素な施設においても多検体を同時にスクリーニングでき、さらに経済性と簡便性に優れているため、この方法は後進国においても実施が可能と考えられる検査手段の一つである。
ところが、特許文献1に示すような技術において作成され、現在市販されている抗原抗体検査ELISAキットの全ては、精度管理の理由から、搬送と保管においては冷蔵が必須条件とされている。
キットを長期間、常温にさらすことは禁忌とされているのである。
したがって、電力供給や冷蔵施設のない世界の地域ではその保管や使用さえ不可能なのである。
このような背景から、ELISAキットを世界規模で実施できるようにするには、ELISAキットの常温保管化が要求される。
どの位の期間の常温保管が必要であるかは、次のように計算される。
つまり、冷蔵施設のある中継基地(例えば成田国際空港や関西国際空港)から世界の様々な発展途上国の主要玄関空港まで搬送に要する期間、そこから各地方へ運搬する期間、そして検査を実施する期間の総合であり、おおよそ3週間乃至4週間の期間である。
この期間、検査キットの性能を常温(約10℃乃至40℃程度)で保持させることが必要である。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、常温での性能保持が可能であるとともに、高い精度でウイルス抗原及び抗体を検出可能であるウイルス抗原及び抗体の検出キット及びウイルス抗原及び抗体の検出方法を提供することにある。
上記課題は、本発明に係る常温保存可能な試薬を備えたウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キットによれば、ヒト検体中に含まれるウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キットであって、前記ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗体、及び前記ウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗原と、標識物質で標識化され前記ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗体、及び前記標識物質で標識化され前記ウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗原と、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原を固定化するための担体と、を少なくとも備え、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原は、希釈液に溶解された状態で提供されることにより解決される。
更に、上記課題は、本発明に係るウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法によれば、ヒト検体中に含まれるウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法であって、前記ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗体及び前記ウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗原を希釈液に溶解する工程と、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原が溶解された液を担体に固定化する工程と、前記ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗体及び前記ウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗原に標識物質を標識化する工程とを任意の順序で行い、前記ヒト検体を前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原と反応させて、前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原を結合させる工程と、前記検出抗体及び前記検出抗原を、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原に結合した前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合させる工程と、前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合した前記検出抗体及び前記検出抗原の前記標識物質を検出する工程と、を行うことにより解決される。
このように、捕獲抗体及び捕獲抗原を、希釈液に溶解した状態で提供し、使用時調整とすることにより、ウイルス抗原検出能及びウイルス抗体検出能を維持した状態で、常温保存を行うことができる。
つまり、捕獲抗体及び捕獲抗原を液体状態で保存することにより、長期間常温で保存することが可能となる
ウイルス感染症の血液検査方法として使用されるこのようなキット及び方法は、簡素な施設においても多検体を同時にスクリーニングでき、さらに経済性と簡便性に優れているため、非常に有益であるが、公知の抗原抗体検査キット及び方法のすべては、精度管理の理由から、搬送と保管においては冷蔵が必須条件とされている。
つまり、キットを長期間、常温にさらすことは禁忌とされているのである。
このため、電力供給や冷蔵施設のない世界の地域ではその保管や使用さえ困難であったが、本発明に示すように、捕獲抗体及び捕獲抗原が固定化された担体を液体状態に維持することにより、長期間常温で保存することが可能となる。
よって、使用地域が限定されることがなく、全世界的において有効に使用可能である。
また、前記検出抗体及び前記検出抗原は、希釈液に溶解された状態で提供されると更に好適である。
更に、前記検出抗体及び前記検出抗原は、希釈液に溶解された状態で提供されており、前記検出抗体及び前記検出抗原を、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原に結合した前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合させる工程では、前記希釈液に溶解された検出抗体及び前記検出抗原を反応させるよう構成されると好適である。
検出抗体及び検出抗原は、標識物質が標識化されているため、非常に保存安定性が低い。
公知の方法では、凍結乾燥状態で提供されており、低温保存が鉄則である。
しかし、本発明によれば、液体状態で検出抗体及び検出抗原を提供することにより、常温で長期間保存することが可能となる。
このため、使用地域が限定されることがなく、全世界的において有効に使用可能である。
更に、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原は、使用時の濃度と比して高濃度状態に溶解されていると好ましい。
また、前記検出抗体及び前記検出抗原は、使用時の濃度と比して高濃度状態に溶解されていると好ましい。
更に、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原は、使用時の濃度と比して高濃度状態に溶解されており、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原が溶解された液を前記担体に固定化する工程では、所定濃度に希釈して固定化を行うと好ましい。
また、前記検出抗体及び前記検出抗原は、使用時の濃度と比して高濃度状態に溶解されており、前記検出抗体及び前記検出抗原を、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原に結合した前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合させる工程では、所定濃度に希釈して反応を行うと好ましい。
このように、捕獲抗体及び捕獲抗原、検出抗体及び検出抗原を、単に液体状態で提供するだけではなく、高濃度状態で提供することにより、単に液体状態で提供したものに比して、常温長期保存性が更に向上する。
更に、前記ウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キットは、前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合した前記検出抗体及び前記検出抗原の前記標識物質を検出するための検査試薬を更に備え、前記検査試薬は、液体状態で提供されると好ましい。
このように、全ての試薬を液体状態で提供することにより、常温長期保存性がまた更に向上する。
また、本発明においては、前記ウイルス抗原は、ヒト免疫不全ウイルス タイプ1(HIV−1)であり、前記捕獲抗体及び前記検出抗体は、いずれもHIV−1 p24を抗原とする抗体であるとともに、前記ウイルス抗体は、ヒト免疫不全ウイルス タイプ1(HIV−1)及びヒト免疫不全ウイルス タイプ2(HIV−2)の抗体であり、前記捕獲抗原及び前記検出抗原は、いずれもHIV−1抗原及びHIV−2抗原であると好ましい。
本発明に係るウイルス抗原の検出方法及びウイルス抗原の検出キットは、常温状態においてもその性能を維持することができる。
従って、搬送と保管においては冷蔵が必須条件とされない。
このため、電力供給や冷蔵施設のない世界の地域、特に発展途上国においても有効に使用することができる。
つまり、本発明においては、冷蔵施設のある中継基地から世界の様々な発展途上国の主要玄関空港まで搬送に要する期間、そこから各地方へ運搬する期間、そして検査を実施する期間の総合である、おおよそ3週間乃至4週間の期間、検査キットの性能を常温(約10℃乃至40℃程度)で保持させることができる。
よって、本発明を利用することにより、世界規模でウイルス抗原の検出を実施することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
また、本明細書中において「常温」とは、本発明に係るキットが通常の流通ルート及び保存環境において、自然にさらされる可能性の高い温度、つまり、約10℃乃至約40℃程度の温度を想定している。
ただし、この温度は厳密にこの範囲に限れられるものではなく、流通及び保存時において常識的及び良識的に想定される温度という意味であり、範囲とした数字は、この常識的及び良識的に想定される温度を例示したに過ぎない。
もちろん、これより極めて低い温度及びこれより極めて高い温度も地球上に自然に存在するが、これより極めて低い温度の場合は、冷蔵・冷凍状態と同じ条件となり、これより極めて高い温度の場合は、実際の使用・流通上可能性の低い条件である。
以下に、ウイルス抗原及び抗体の一例として、ヒト免疫不全ウイルス タイプ1(HIV−1)のp24を用いた場合のウイルス抗原の検出キット及び検出方法、ヒト免疫不全ウイルス タイプ1(HIV−1)、タイプ2(HIV−2)を用いた場合のウイルス抗体の検出キットと検出方法について説明する。
なお、本発明におけるウイルスは、ヒトに感染し、検体中に含まれるものであればHIV−1、HIV−2に限定されない。
例えば、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、パルボウイルスといった他の感染性ウイルスでもよい。
また、ヒト検体としては、血清を例にして説明をしている。
しかしながら、ヒト検体としては、上記ウイルス抗原や抗異種イムノグロブリン抗体(以下、抗異種Ig抗体という)が含まれるものであればよく、例えば、リンパ液、組織液、骨髄液、関節液、尿、唾液、膣分泌液、精液などの他の体液や、これらの体液に所定の処理を施したものが挙げられる。
本発明のウイルス抗原の検出キットは、担体に固定化された非ヒト由来の捕獲抗体及び捕獲抗原と、標識物質で標識化された非ヒト由来の検出抗体及び検出抗原と、ヒト検体中に含まれる抗異種Ig抗体の認識するエピトープを有する阻止抗体と、を少なくとも含んでいる。
このエピトープは、抗異種Ig抗体が認識する捕獲抗体と検出抗体に共通のエピトープと同一である。
そして、抗原・抗体測定系としては、目的抗原及び目的抗体を、捕獲抗体及び捕獲抗原と、検出抗体及び検出抗原の両方と反応させてサンドイッチELISA法により検出する。
なお、阻止抗体を使用することより、抗異種Ig抗体が捕獲抗体・阻止抗体に結合することによる偽陽性反応を防止し、高い精度でウイルス抗原を検出可能となる。
(捕獲抗体)
捕獲抗体は、非ヒト由来のモノクローナル抗体(抗HIV−1 p24)であり、ヒト検体中に含まれるウイルスを抗原として認識し、特異的に結合する。
本実施形態の捕獲抗体は、種々の感染者のHIV−1に共通する抗原部位としてのコアタンパク質p24を抗原とし、その一部の領域をエピトープとして特異的に認識し、結合するHIV−1 p24抗体である。
(捕獲抗原)
捕獲抗原は、組み換えHIV−1抗原及び組み換えHIV−2抗原であり、ヒト検体中に含まれるウイルス抗体を認識し、特異的に結合する。
本実施形態の捕獲抗原は、種々の感染者のHIV−1抗体及びHIV−2抗体と結合する。
捕獲抗体及び捕獲抗原は、プラスチックプレートなどの担体に固定化されて使用され、ウイルス抗原及びウイルス抗体と結合することでこれを担体に固定する。
プラスチックプレートの材料としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンなどであって、捕獲抗体に対する結合性を示すものが挙げられる。
本実施形態では、プラスチックプレートと捕獲抗体の抗体分子との間の吸着、及びプラスチックプレートと捕獲抗原の抗原分子との間の吸着により捕獲抗体及び捕獲抗原が固定化される。
なお、捕獲抗体及び捕獲抗原と担体との固定化は、上述した吸着に限定されず、例えば共有結合性や静電的相互作用により固定化してもよい。
また、捕獲抗体及び捕獲抗原を固定化する担体としては、プラスチックプレートに限定されず、プラスチックチューブ、スライドガラス、樹脂ビーズなどであって捕獲抗体及び捕獲抗原に対して結合性を示す材料でもよい。
(検出抗体)
検出抗体は、捕獲抗体と同様に非ヒト由来の抗体であり、ヒト検体中に含まれるウイルスを抗原として認識し、結合する一次抗体である。
本実施形態の検出抗体は、上述した捕獲抗体と同様に、HIV−1 p24抗原と特異的に結合するHIV−1 p24抗体であるが、捕獲抗体の認識するエピトープとは異なるエピトープを認識して結合する。
すなわち、捕獲抗体と検出抗体は、同じ抗原(この場合はp24)の互いに異なる領域を抗原として認識するものである。
捕獲抗体と検出抗体は、ヒト以外の生物(非ヒト生物)由来の抗体であり、かつ同一のクラス/サブクラスを有している。
本実施形態で使用される捕獲抗体と検出抗体は、いずれもマウス由来のモノクローナル抗体であり、いずれもクラス/サブクラスはIgG1である。
なお、これらの抗体は、非ヒト由来の抗体であれば由来となる生物種はマウスに限定されず、例えばハムスター、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ、ウマ、ウシなどであってもよい。また、そのサブクラスもIgG1に限定されず、IgG2a、IgG2b、IgG3などの他のサブクラスであってもよい。
また、本実施形態における捕獲抗体と検出抗体は、いずれもHIV−1のp24を抗原とする抗体であるが、HIV−1の他の領域を抗原として認識する抗体であってもよい。
例えば、HIV−1のエンベロープ糖タンパク質gp120やトランスメンブレムタンパク質gp41を認識する抗体であってもよい。
本発明における捕獲抗体と検出抗体は、例えば非ヒト由来のハイブリドーマから取得することができる。非ヒト由来のハイブリドーマとして、例えばマウス由来のハイブリドーマを用いる場合以下の手順で取得することができる。
まず精製したHIV−1 p24をBALB/cマウスに接種して免疫し、抗HIV−1 p24抗体を産生する組織、例えば脾臓細胞を採取する。次に、得られた脾臓細胞とマウスミエローマ細胞(例えば、SP−2/0)を、ポリエチレングリコールを利用した公知の細胞融合法を用いて細胞融合し、複数種のハイブリドーマを樹立する。
続いて、得られたハイブリドーマから産生される抗体のうち、HIV−1 p24と反応する抗体を、精製HIV−1 p24を抗原とする酵素免疫反応法(ELISA法)により選別する。
さらに、選別されたハイブリドーマをBALB/cマウスに移植した後、得られた腹水を取得して硫安塩析法とゲルろ過法で処理する。これにより、p24抗原に特異的な抗体を得ることができる。
なお、脾臓細胞とミエローマ細胞の融合は、上述のようにポリエチレングリコールを用いた方法に限定されず、センダイウイルスを用いる方法や電気処理による方法であってもよい。
本実施形態の検出抗体には、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)が標識物質として標識化されている。標識化された検出抗体は、抗体分子(マウスIgG分子)にHRPが共有結合している。検出抗体の標識化は、公知の方法、例えば過ヨウ素酸法、マレイミド法、グルタルアルデヒド法などにより行うことができる。
なお、本実施形態では、標識分子としてペルオキシダーゼを用いているが、検出抗体に結合する標識分子は、上述したペルオキシダーゼに限定されず、検出系に応じて他の分子を用いてもよい。例えば、アルカリホスファターゼなどの他の酵素、FITC、ビオチン、金コロイドなどを標識化してもよい。
捕獲抗体は、上述した実施形態のようにp24と直接結合して固定化するものであってもよく、他の分子(例えば担体に固定化された抗体)を介して間接的に結合して固定化するものでもよい。
同様に、検出抗体についても、p24と直接結合して標識化するものであってもよく、他の分子(例えば、標識化された二次抗体)を介して間接的に結合して標識化するものでもよい。
(検出抗原)
また、検出抗原としては、組み換えHIV−1抗原及び組み換えHIV−2抗原が使用されており、これらの抗原には、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)が標識物質として標識化されている。
標識化された検出抗原は、抗原分子にHRPが共有結合している。
検出抗原の標識化は、公知の方法、例えば過ヨウ素酸法、マレイミド法、グルタルアルデヒド法などにより行うことができる。
なお、本実施形態では、標識分子としてペルオキシダーゼを用いているが、検出抗原に結合する標識分子は、上述したペルオキシダーゼに限定されず、検出系に応じて他の分子を用いてもよいことは、上記検出抗体の場合と同様である。
(阻止抗体)
次に、本発明の阻止抗体とこれに結合する抗異種Ig抗体について説明する。阻止抗体は、ヒト検体中に含まれる抗異種Ig抗体と結合し、吸収するための抗体である。
抗異種Ig抗体は、上述した捕獲抗体と検出抗体の両方に共通のエピトープを認識し、結合する抗体である。この抗異種Ig抗体は、捕獲抗体と検出抗体の両方に結合してHIV−1偽陽性反応を示す。
阻止抗体は、この共通のエピトープと同一のエピトープを分子内に有する抗体であり、抗異種Ig抗体により認識・結合される。このため、ヒト検体中に阻止抗体を加えることで、抗異種Ig抗体が阻止抗体に特異的に結合し、この結果、抗異種Ig抗体が吸収される。すなわち、抗異種Ig抗体は、阻止抗体と結合することで捕獲抗体や検出抗体と結合できなくなる。このため、抗異種Ig抗体による捕獲抗体と検出抗体との間のブリッジ形成を阻止することができる。
阻止抗体は、捕獲抗体と検出抗体の由来となる生物種と同一の生物種から得ることができる。阻止抗体のクラス及びサブクラスは、捕獲抗体及び検出抗体と同一である。例えば、捕獲抗体と検出抗体がマウスIgG1であれば、阻止抗体もマウスIgG1となる。
なお、阻止抗体は、検出対象となるウイルス抗原と全く結合しないものが好ましい。阻止抗体がウイルス抗原を認識して結合すると、捕獲抗体や検出抗体のウイルス抗原への結合を阻害することがあり、この場合はウイルス抗原の正確な検出や定量が困難となるためである。
阻止抗体は、ハイブリドーマ法により取得する方法や、マウス血漿中から直接取得する方法により得ることができる。
ハイブリドーマ法により取得する方法では、阻止抗体を産生するハイブリドーマを樹立して阻止抗体を産生させる。
例えば、阻止抗体としてマウスIgG1抗体を用いる場合、検出対象であるウイルス抗原と無関係な適当な抗原をマウスに免疫し、得られたマウス脾臓細胞とマウスミエローマ細胞とを細胞融合することで、マウスIgG1を産生するハイブリドーマを作製する。
また、マウス血漿中から直接取得する方法では、検出対象であるウイルス抗原とは無関係な抗原を適宜選択してマウスを免疫し、この免疫マウスの腹水や血清からクロマトグラフィー法などを用いてマウスIgG1抗体を精製する。クロマトグラフィー法としては、イオン交換クロマトグラフィー、分子吸着クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどの公知のクロマトグラフィーを1又は2以上組み合わせて行う方法が挙げられる。
阻止抗体の量としては、抗異種Ig抗体(抗マウスIgG抗体)の量に対して過剰量となるように添加されることが好ましい。阻止抗体の量が抗マウスIgG抗体に対して過剰量となることで、抗マウスIgG抗体のほとんどが阻止抗体と結合して吸収されるためである。
阻止抗体の量としては、具体的には、抗異種Ig抗体1分子に対して5倍量以上、好ましくは10倍量以上、より好ましくは50倍量以上となるように添加されることが好ましい。一方、阻止抗体の量の上限としては、特には限定されないが、あまりに多すぎるとコスト面で負担が大きくなる。したがって、好ましくは10000倍量以下、より好ましくは1000倍量以下、特に好ましくは100倍量以下とするとよい。
(ウイルス抗原及び抗体の検出キット)
以下に、本発明のウイルス抗原及び抗体の検出キットの1つの実施形態を示す。
本実施形態のウイルス抗原及び抗体の検出キットは、以下の材料から構成されている。
・マイクロプレート
・抗原・抗体希釈液
・洗浄液
・HIV−1 p24捕獲抗体(捕獲抗体)
・HIV−1 抗原(捕獲抗原)
・HIV−2 抗原(捕獲抗原)
・HRP標識化p24検出抗体(検出抗体)
・HRP標識化HIV−1検出抗原(検出抗原)
・HRP標準化HIV−2検出抗原(検出抗原)
・マウスIgG(阻止抗体)
・過酸化水素水
・発色剤(例えばテトラメチルベンチジン)
・停止液(硫酸)
(ウイルス抗原の検出方法)
次に、上記のウイルス抗原の検出キットを用いたウイルス抗原及び抗体の検出方法について説明する。
まず、マイクロプレートのウエルに捕獲抗体及び捕獲抗原混合溶液を載せ、マイクロプレート表面に捕獲抗体及び捕獲抗原を吸着させて固定化する。
マイクロプレート表面のうち捕獲抗体が吸着していない領域には、スキムミルクなどのブロッキング液でブロッキングしてもよい。
また、HRPで標識化された検出抗体及び検出抗原を準備する。
HRPの標識化は、上述した過ヨウ素酸法などの公知の手法で行うことができる。
なお、捕獲抗体及び捕獲抗原の固定化と検出抗体及び検出抗原のHRP標識化は、任意の順序で行うことができる。
一方、ヒト検体(例えば血清)中にはHIV−1 p24の他に抗マウスIgG抗体(抗異種Ig抗体)が含まれている。
このヒト検体に過剰量の阻止抗体を混合し、反応させると、抗マウスIgG抗体が阻止抗体に結合し、吸収される。
阻止抗体を抗マウスIgG抗体に対して過剰量含まれるように添加すると、ヒト検体中に含まれる抗マウスIgG抗体のほとんどが阻止抗体と反応して吸収されるため好ましい。
なお、吸収された抗マウスIgG抗体は、ヒト検体中に含まれていても捕獲抗体や検出抗体と反応しないため、反応後のヒト検体をウイルス抗原の検出反応にそのまま用いることができる。
次に、阻止抗体反応後のヒト検体をマイクロプレートのウエルに載せ、抗原抗体反応によりマイクロプレートの表面に固定された捕獲抗体とp24とを結合させるとともに、捕獲抗原とHIV−1抗体及びHIV−2抗体とを結合させる。
これと同時にあるいはこれに続けて、HRP標識化p24検出抗体及びHRP標識化HIV−1抗原、HRP標識化HIV−2抗原をウエルに載せ、抗原抗体反応によりp24と検出抗体とを反応させるとともに、HIV−1抗体及びHIV−2抗体と検出抗原とを反応させる。
反応後のマイクロプレートを洗浄し、血清タンパクや未反応の物質と検出抗体を除去する。
洗浄後、発色剤(TMB)を添加し、ペルオキシダーゼと反応させて青色に発色させる。
最後に、停止剤(硫酸)を混合し、発色反応を停止させる。
発色剤による発色を波長450nmの吸光度で測定する。この吸光度は、HIV−1 p24、HIV−1抗体、HIV−2抗体の濃度に比例する。
同時に各標準液の濃度と吸光度に基づいて検量線を作成しておき、この検量線とヒト検体の吸光度からヒト検体中に含まれる抗体及び抗原の濃度を定量することができる。
以上の一連の工程で、ウイルス抗原及びウイルス抗体を検出することができる。なお、ヒト検体への阻止抗体の添加は、マイクロプレートにヒト検体を載せる前に行っても載せるのと同時に行ってもよい。阻止抗体をヒト検体に添加するタイミングを載置前とすることで、マイクロプレートに載せる前にヒト検体中の抗異種Ig抗体を予め阻止抗体で吸収することができる。一方、マイクロプレートにヒト検体を載せるのと同時に阻止抗体を添加することで、事前に阻止抗体を添加する作業が不要となり、操作が簡便になる。
なお、阻止抗体はヒト検体中に過剰に含まれても検出系にほとんど影響を及ぼさないため、本発明の検出キットは、抗異種Ig抗体を含むヒト検体のみならず、抗異種Ig抗体を含まないヒト検体であってもウイルス抗原を検出できることは言うまでもない。
以下に、本発明のウイルス抗原の検出方法とウイルス抗原の検出キットについて、具体的な実験例を示して詳細に説明する。
1.捕獲抗体及び抗原・検出抗体及び抗原の作製
捕獲抗体及び捕獲抗原(HIV−1 p24捕獲抗体、HIV−1抗原、HIV−2抗原)、検出抗体及び検出抗原(HRP標識化p24検出抗体、HRP標識化HIV−1検出抗原、HRP標準化HIV−2検出抗原)は、公知の方法で作成される。
2.ウイルス抗原及び抗体の検出キットの調製
上記捕獲抗体及び捕獲抗原(HIV−1 p24捕獲抗体、HIV−1抗原、HIV−2抗原)、検出抗体及び検出抗原(HRP標識化p24検出抗体、HRP標識化HIV−1検出抗原、HRP標準化HIV−2検出抗原)を使用してウイルス抗原の検出キットを作製した。
なお、HIV−1 p24捕獲抗体及び検出抗体の作成方法は、本願出願人が出願した特許出願(国際出願番号JP2007/067419号)を参照されたい。
ウイルス抗原及び抗体の検出キットは以下の試薬等からなる。
(1)96ウエルマイクロプレート(カセット方式)
(2)HIV−1 p24捕獲抗体は公知の方法で作成した。また、HIV−1抗原及びHIV−2抗原は、中国ワンタイ社製の組み換えHIV−1抗原及びHIV−2抗原を使用した。
これらの抗体及び抗原を、実際に用いる濃度の100倍濃度になるように混合し、防腐剤として0.001%チメロサールを添加して、密閉容器(バイアル)に入れて提供する。使用する緩衝液は、PBSである。
酸化防止のために、容器の空気を窒素ガスに置換する。
希釈用の2%トレハロース添加PBS(0.001%チメロサールを含む)別添する。
(3)抗原・抗体希釈液
0.5%Triton X−100を含むPBS、0.1%ウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と記す)、0.02%Tween20を含む。
また、HIV−1 p24検出の際に防止すべき非特異反応を阻止する阻止抗体(マウスIgG1を適量(最終濃度2.5〜5.0 ug/ml)含む。
(4)検出試薬
HRP標識化p24検出抗体、中国ワンタイ社製の組み換えHRP標識化HIV−1検出抗原、組み換えHRP標準化HIV−2検出抗原。
溶液としては、PBSに1%BSA(あるいは、1%ゼラチン)及び防腐剤として0.001%チメロサールを含む。
なお、酸化防止のために、容器の空気を窒素ガスに置換する。
(5)0.01%過酸化水素水
(6)プレート洗浄剤
0.02%Tween20を含むPBSであり、20倍濃度で提供し、使用時に希釈して使用する。
(7)発色剤(1mg/ml TMBを含むジメチルホルムアミド)
(8)停止液(2N 硫酸)
(9)プレートシール(ポリエチレン製粘着シール)
(10)次亜塩素酸ナトリウム溶液
使用後の血液内のHIV不活性化に使用する。
なお、必ずしも添付される必要はない。
3.ウイルス抗原及び抗体の検出キットの比較実験
A.プレートの作製
(1)プレートに塗抹するのは、組み換えHIV−1及びHIV−2抗原、そしてHIV−1 p24捕獲抗体である。
これらの混合溶液を適当な濃度に希釈する。このとき、塗抹用緩衝液としては2%トレハロースを含むPBSを使用する。
次いで、この溶液を96ウエルプレートに1ウエルあたり50ul添加する。
また、プレートは蒸発を防ぐために専用のプレートシールで覆う。
室温で1時間インキュベートする。
トレハロースは、本溶液をウエル内に均等に拡散させるために必要である。
(2)インキュベートした後、各ウエルに150ulの5%スキムミルク(PBSに溶解)を加えさらに室温で30分インキュベートする。
(3)プレートを洗浄液で3〜5回洗浄する。
(4)この後、すぐに使用しない場合には、保湿のため、チメロサールを保存剤として含ませた純水を染み込ませた濾紙を入れて、ポリエチレンバックにシーラーで密封する。
なお、保湿プレートはプレート内への水滴の付着を防ぐために専用のプレートシールで覆った。
B.性能比較試験
(1)各ウエルに検体となる血清あるいは血漿、及び陰性、陽性コントロール溶液を50ul入れる。
(2)さらに各ウエルに適当な濃度に希釈した検出試薬(HRP標識化HIV−1検出抗原、HRP標識化HIV−2検出抗原及びHRP標識化p24検出抗体)を50ulを入れる。
この混合検出液の希釈は、抗原抗体希釈液で行う。
(3)1時間のインキュベーションの後、プレート洗浄液で3〜5回洗浄する。
(4)過酸化水素水を基質、TMBを発色色素とする発色液を各ウエルに100ul加え、15分反応させた後、2N硫酸を50ul/wellに加え反応を停止させる。
(5)プレート吸光度計(大日本製薬社製プレートリーダ)でOD450を測定する。
C.サンプル
(1)400pg/mlのP24標準液
(2)HIV−1感染患者血清(日本人3名分をプール)最終濃度1/5
(3)HIV−2感染患者血清(外国人4名分をプール)最終濃度1/10
D.結果
(1)試薬安定性試験結果
また、性能の低下阻止が重要である各試薬についての安定性試験を実施した。
検出試薬は、HRPで標識されているので、特に高温での酵素の失活が懸念される。
そのため一般にはHRP標識抗体や抗原は、凍結乾燥されて4℃あるいは−20℃に保存されてキットで供給される。
このため、常温で検出試薬の活性を維持する方法を検討した。
a.常温保存試験
捕獲抗体及び捕獲抗原を担持したプレート及び検出試薬を常温で保存した場合の、HIV−1 p24抗原検出性能、HIV−1抗体検出性能、HIV−2抗体検出性能を調べた。
保存は、乾燥状態で4℃、30℃、40℃で、30日間実施する。
この結果を表1に示す。
なお、4℃保存を100%とした。
(表1)
Figure 2009122592
この結果から、30日間の30〜40℃下乾燥状態の保管により、抗原・抗体を塗布したプレートでは、まずHIV−1 p24検出能は完全に失活し、HIV−1抗体検出能も10〜20%に低下することが明らかである。
また、HIV−2抗体検出能は50〜60%の低下であった。これでは、正確で鋭敏な結果を期待できない。
b.液状保存試験
次いで、捕獲抗体及び捕獲抗原の希釈液(以下、「コーティング試薬」と記す)を100倍濃度として液状状態で保存し、用事調整による検出を行った。
つまり、保存は、凍結乾燥状態ではなく、高濃度液状状態で行い、実際に使用する際に希釈してプレート上のウエルに添加する。
保存は、4℃、30℃、40℃で、30日間実施する。
検出試薬は4℃保存のものを使用した。
この結果を表2に示す。
なお、4℃保存を100%とした。
(表2)
Figure 2009122592
この結果から、30日間の30〜40℃下の保管でも、コーティング試薬の性能がよく保たれていることが示された。HIV−1 p24検出能は約50〜70%、HIV−1抗体検出能も約75〜85%に保たれ、HIV−2抗体検出能は95%以上の性能が保たれることが示された。
c.捕獲抗体及び捕獲抗原の希釈液、検出試薬液状保存試験
次いで、捕獲抗体及び捕獲抗原の希釈液(以下、「コーティング試薬」と記す)を100倍濃度として液状状態で保存し、用事調整による検出を行った。
つまり、保存は、凍結乾燥状態ではなく、高濃度液状状態で行い、実際に使用する際に希釈してプレート上のウエルに添加する。
保存は、4℃、30℃、40℃で、30日間実施する。
検出試薬もまた、4℃、30℃、40℃で、30日間保存したものを使用した。
この結果を表3に示す。
なお、4℃保存を100%とした。
(表3)
Figure 2009122592
検出試薬は、HRPで標識されているので、特に高温での酵素の失活が懸念された。
そのため一般にはHRP標識抗体や抗原は、凍結乾燥されて4℃あるいは−20℃に保存されてキットで供給される。
ところが予想に反して、上記結果によると、100倍濃い濃度液体状態で保管したHRP標識化合物は30〜40℃での30日の保管でも最大でもその性能は約50%程度の失活にとどまった。
d.前試薬液状保存試験
次いで、全ての試薬を液状保存した場合の検出性能を比較した。
保存は、4℃、30℃、40℃で、30日間実施する。
その他試薬もまた全て、4℃、30℃、40℃で、30日間保存したものを使用した。
この結果を表5に示す。
なお、4℃保存を100%とした。
(表4)
Figure 2009122592
コーティング試薬、検出試薬とも30日間の常温保管で、性能は4℃保管のそれと比較して40℃でもその性能はHIV−1 p24検出で30%、HIV−1抗体検出で76%、HIV−2抗体検出で40%程度までの失活にとどまった。
特にHIV−1抗体の検出能は高度に維持されていることから、特にHIV−1感染の血液抗体診断には、ほとんど問題ないといえる。
e.乾燥状態失活試験
HIV−1 p24検出試薬を凍結乾燥させた場合の試薬の失活状態を調べるために、保存後の検出能を調査した。
保存は、4℃、40℃で、1日間実施する。
結果を表6に示す。
なお、4℃液体状態保存を100%とした。
(表5)
Figure 2009122592
凍結乾燥することで、この試薬の性能は40℃1日の保管で失活した。
しかし、液体保存すると、70%以上の活性が維持される。
また、同様に、市販品のHRP標識抗体検出試薬は、凍結乾燥品だと40℃7日間の保管で、4℃で保存したものと比較して性能が20%まで低下した(データは示さず)。
つまり、HRP標識タンパクは、特に凍結乾燥状態においては、常温保管には不向きであることが分かっている。
以上より、本実施形態においては、従来の「タンパク溶液、特に酵素関係の試薬は常に冷蔵あるいは冷凍保存が原則」という極めて基本的な一般常識を覆し、タンパク溶液は高濃度の状態では常温でも一定期間は安定であることが実証されている。
これらの結果より、冷蔵保存あるいは冷凍保存が第一条件となっている市販の検査キットがこれまで成しえなかった発展途上国への検査キットの普及が可能となる。
また、ある程度価格を抑えることにより、汎用キットとして利用できる可能性も示唆される。

Claims (11)

  1. ヒト検体中に含まれるウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キットであって、
    前記ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗体、及び前記ウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗原と、
    標識物質で標識化され前記ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗体、及び前記標識物質で標識化され前記ウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗原と、
    前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原を固定化するための担体と、
    を少なくとも備え、
    前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原は、希釈液に溶解された状態で提供されることを特徴とする常温保存可能な試薬を備えたウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット。
  2. 前記検出抗体及び前記検出抗原は、希釈液に溶解された状態で提供されることを特徴とする請求項1に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット。
  3. 前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原は、使用時の濃度と比して高濃度状態に溶解されていることを特徴とする請求項1に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット。
  4. 前記検出抗体及び前記検出抗原は、使用時の濃度と比して高濃度状態に溶解されていることを特徴とする請求項2に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット。
  5. 前記ウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キットは、
    前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合した前記検出抗体及び前記検出抗原の前記標識物質を検出するための検査試薬を更に備え、
    前記検査試薬は、液体状態で提供されることを特徴とする請求項1に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット。
  6. 前記ウイルス抗原は、ヒト免疫不全ウイルス タイプ1(HIV−1)であり、
    前記捕獲抗体及び前記検出抗体は、いずれもHIV−1 p24を抗原とする抗体であるとともに、
    前記ウイルス抗体は、ヒト免疫不全ウイルス タイプ1(HIV−1)及びヒト免疫不全ウイルス タイプ2(HIV−2)の抗体であり、
    前記捕獲抗原及び前記検出抗原は、いずれもHIV−1抗原及びHIV−2抗原であることを特徴とする請求項1乃至請求項7いずれか一項に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出キット。
  7. ヒト検体中に含まれるウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法であって、
    前記ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗体及び前記ウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の捕獲抗原を希釈液に溶解する工程と、
    前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原が溶解された液を担体に固定化する工程と、
    前記ウイルス抗原と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗体及び前記ウイルス抗体と特異的に結合する非ヒト由来の検出抗原に標識物質を標識化する工程とを任意の順序で行い、
    前記ヒト検体を前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原と反応させて、前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原を結合させる工程と、
    前記検出抗体及び前記検出抗原を、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原に結合した前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合させる工程と、
    前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合した前記検出抗体及び前記検出抗原の前記標識物質を検出する工程と、を行うことを特徴とするウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法。
  8. 前記検出抗体及び前記検出抗原は、希釈液に溶解された状態で提供されており、
    前記検出抗体及び前記検出抗原を、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原に結合した前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合させる工程では、前記希釈液に溶解された前記検出抗体及び前記検出抗原を反応させることを特徴とする請求項7に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法。
  9. 前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原は、使用時の濃度と比して高濃度状態に溶解されており、
    前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原が溶解された液を前記担体に固定化する工程では、所定濃度に希釈して固定化を行うことを特徴とする請求項7に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法。
  10. 前記検出抗体及び前記検出抗原は、使用時の濃度と比して高濃度状態に溶解されており、
    前記検出抗体及び前記検出抗原を、前記捕獲抗体及び前記捕獲抗原に結合した前記ウイルス抗原及び前記ウイルス抗体に結合させる工程では、所定濃度に希釈して反応を行うことを特徴とする請求項8に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法。
  11. 前記ウイルス抗原は、ヒト免疫不全ウイルス タイプ1(HIV−1)であり、
    前記捕獲抗体及び前記検出抗体は、いずれもHIV−1 p24を抗原とする抗体であるとともに、
    前記ウイルス抗体は、ヒト免疫不全ウイルス タイプ1(HIV−1)及びヒト免疫不全ウイルス タイプ2(HIV−2)の抗体であり、
    前記捕獲抗原及び前記検出抗原は、いずれもHIV−1抗原及びHIV−2抗原であることを特徴とする請求項7乃至請求項10いずれか一項に記載のウイルス抗原及びウイルス抗体の検出方法。
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