JPWO2009113560A1 - 縮合複素環化合物 - Google Patents

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Abstract

チロシンキナーゼ阻害作用を有する縮合複素環化合物を提供する。本発明化合物は、式〔式中、環Aは、置換されていてもよいベンゼン環;環Bは、置換されていてもよいベンゾイソチアゾール環;R1は、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基;R2は、水素原子、または炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基;R3は、水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基;を表すか、あるいは、R1とR2、またはR2とR3はそれぞれ結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよく;あるいは、R3は環Aの炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい;を表す。〕で表される化合物またはその塩である。

Description

本発明は、増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害活性を有し、癌の予防・治療に有用な縮合ピリミジン化合物、その製造法および用途に関する。
(発明の背景)
細胞増殖因子および増殖因子受容体の遺伝子はプロトオンコジーンと呼ばれ、ヒト腫瘍の病態に重要な役割を果たしている。上皮細胞増殖因子受容体ファミリー(erbB)はEGFR、HER2、HER3、HER4を含み、I型の受容体型チロシンリン酸化酵素である。これらerbBファミリーは多様な細胞群で発現しており、細胞の増殖、分化、細胞死抑制(アポトーシス抑制)の制御に深く関与している。例えばEGFR、HER2の高発現、受容体の恒常的活性化は実験的に細胞を形質転換させることが知られている。
また、両受容体各々の高発現、同時発現は様々な癌患者において予後不良因子であることも明らかとなっている。
これら受容体にはEGF、TGFαなど多くのペプチド性リガンドが結合し、リガンド結合は受容体のホモもしくはヘテロ2量体化を促す。これは受容体の自己リン酸化もしくは相互リン酸化からリン酸化酵素活性の上昇を誘導し、特定リン酸化チロシン残基への結合タンパクを介して下流情報伝達系(MAPK、Akt)の活性化を起こす。これが、上記の、細胞増殖、分化、細胞死抑制などの受容体活性の本体であり、癌における受容体高発現、また局所的なリガンド濃度の上昇による癌悪性化の正体と考えられている。
数多くの癌において、EGFR、HER2の高発現が知られている。例えば乳癌(20−30%)、卵巣癌(20−40%)、非小細胞肺癌(30−60%)、大腸癌(40−80%)、前立腺癌(10−60%)、膀胱癌(30−60%)、腎癌(20−40%)などである。また受容体発現と予後には相関があり、乳癌、非小細胞肺癌などでは受容体発現が予後不良因子である。
近年、ヒト化抗HER2抗体(Trastuzumab)のHER2高発現乳癌に対する臨床使用、抗EGFR抗体の臨床試験、また幾つかの低分子受容体酵素阻害薬の臨床試験は、これらHER2、EGFRに対する薬物の癌治療薬としての可能性を表した。これら薬物は臨床、非臨床試験において腫瘍増殖阻害作用を表すが、この時、受容体酵素活性の阻害と下流情報伝達系の抑制を誘導する事が知られている。従って、EGFRまたはHER2キナーゼを阻害、またはEGFRまたはHER2キナーゼの活性化を阻害する化合物は癌治療薬として有効である。
HER2/EGFRキナーゼをはじめとする受容体型チロシンキナーゼを阻害する化合物としては、縮合複素環化合物(例えば、特許文献1(WO97/13771)、特許文献2(WO98/02437)、特許文献3(WO00/44728)参照)、キナゾリン誘導体(例えば、特許文献4(WO02/02552)、特許文献5(WO01/98277)、特許文献6(WO03/049740)、特許文献7(WO03/050108)参照)、チエノピリミジン誘導体(例えば、特許文献8(WO03/053446)参照)、芳香族アゾール誘導体(例えば、特許文献9(WO98/03648)、特許文献10(WO01/77107)、特許文献11(WO03/031442)参照)、縮合ピリミジン誘導体(例えば、特許文献12(WO2005/118588)参照)等が知られている。
また、ピロロ[3,2−d]ピリミジン誘導体については、細胞増殖阻害活性を有する化合物として、次の化合物が知られている(非特許文献1(Khim.−Farm. Zh., 1982, 16, 1338−1343);非特許文献2(Collect. Czech. Chem. Commun., 2003, 68, 779−791)参照)。
Figure 2009113560
受容体型チロシンキナーゼ阻害活性を有する化合物として、次のピロロ[3,2−d]ピリミジン誘導体が知られている(特許文献13(WO96/40142)、特許文献14(WO98/23613)参照)。
Figure 2009113560

国際公開第97/13771号パンフレット 国際公開第98/02437号パンフレット 国際公開第00/44728号パンフレット 国際公開第02/02552号パンフレット 国際公開第01/98277号パンフレット 国際公開第03/049740号パンフレット 国際公開第03/050108号パンフレット 国際公開第03/053446号パンフレット 国際公開第98/03648号パンフレット 国際公開第01/77107号パンフレット 国際公開第03/031442号パンフレット 国際公開第2005/118588号パンフレット 国際公開第96/40142号パンフレット 国際公開第98/23613号パンフレット Khim. −Farm. Zh., 1982, 16, 1338−1343 Collect. Czech. Chem. Commun., 2003, 68, 779−791
本発明は、優れたチロシンキナーゼ阻害作用を有し、安全性が高く、かつ医薬品として十分満足できる化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記の式(I)で表される化合物およびその塩(以下、化合物(I)と略記することがある。)が、優れたチロシンキナーゼ阻害作用を有することを見出し、さらなる研究により本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に関する:
〔1〕式
Figure 2009113560

〔式中、
環Aは、置換されていてもよいベンゼン環;
環Bは、置換されていてもよいベンゾイソチアゾール環;
は、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基;
は、水素原子、または炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基;
は、水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基;を表すか、
あるいは、RとR、またはRとRはそれぞれ結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよく;
あるいは、Rは環Aの炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい;を表す。〕
で表される化合物またはその塩;
〔2〕Rが、水素原子またはハロゲン原子である上記〔1〕記載の化合物。
〔3〕Rが、水素原子または置換されていてもよいアルキル基である上記〔1〕記載の化合物。
〔4〕Rが、水素原子である上記〔1〕記載の化合物。
〔5〕環Aが、(1)ハロゲン原子、(2)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよいC1−4アルキルおよび(3)C1−4アルコキシからなる群より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環である上記〔1〕記載の化合物。
〔6〕環Bが、C1−6アルキルを1個有していてもよいベンゾイソチアゾール環である上記〔1〕記載の化合物。
〔7〕Rが、水素原子または塩素原子;
が、
(1)ヒドロキシ、
(2)(1’)ハロゲン原子、(2’)アミノ、(3’)C1−6アルキルアミノ、(4’)ヒドロキシおよび(5’)C1−6アルキルスルホニルから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ、
(3)(1’)シアノ、(2’)アミノおよび(3’)ヒドロキシから選ばれる置換基を1個有していてもよいC3−6シクロアルキル−カルボニルアミノ、
(4)C2−6アルキニル−カルボニルアミノ、
(5)複素環−カルボニルアミノ、
(6)C1−6アルキル−アミノカルボニル−アミノ、
(7)カルボキシを1個有していてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ、および
(8)C1−6アルキルスルホニル、
から選ばれる置換基を1個有していてもよいC1−6アルキル基;
が、水素原子;
環Aが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル、トリフルオロメチルおよびメトキシからなる群より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環;
環Bが、メチルを1個有していてもよい、4位または6位で酸素原子と結合するベンゾイソチアゾール環である上記〔1〕記載の化合物。
〔8〕2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールまたはその塩;
〔9〕N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドまたはその塩;
〔10〕N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ピロリジン−3−カルボキサミドまたはその塩;
〔11〕N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミドまたはその塩;
〔12〕N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドまたはその塩;
〔13〕1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−エチル尿素またはその塩;
〔14〕1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−メチル尿素またはその塩;
〔15〕N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミドまたはその塩;
〔16〕N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−N−tert−ブチルグリシンアミドまたはその塩;
〔17〕上記〔1〕記載の化合物のプロドラッグ;
〔18〕上記〔1〕記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなる医薬;
〔19〕チロシンキナーゼ阻害剤である、上記〔18〕記載の医薬;
〔20〕癌の予防・治療剤である、上記〔18〕記載の医薬;
〔21〕乳癌、卵巣癌、大腸癌、小腸癌、胃癌、食道癌、前立腺癌、肺癌、膵癌または腎臓癌の予防・治療剤である上記〔18〕記載の医薬;
〔22〕哺乳動物に対して、上記〔1〕記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、当該哺乳動物における癌の予防・治療方法;
〔23〕癌の予防・治療剤を製造するための、上記〔1〕記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使用;
等に関する。
本発明によれば、優れたチロシンキナーゼ阻害作用を有し、低毒性であり、かつ医薬品として十分に満足できる縮合ピリミジン化合物、その製造法および用途が提供される。
(発明の詳細な説明)
は、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
で表される「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
で表される「炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」のうち、「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」とは、シアノ、置換されていてもよいC1−8アルキル、置換されていてもよいC2−8アルケニル、置換されていてもよいC2−8アルキニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいC1−8アルキル−カルボニル、置換されていてもよいC3−8シクロアルキル、置換されていてもよいC6−18アリール、置換されていてもよいC6−18アリール−C1−4アルキル、置換されていてもよいC6−18アリール−カルボニル、置換されていてもよいC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい複素環−C1−4アルキル、置換されていてもよい複素環−カルボニルまたは置換されていてもよい複素環−C1−4アルキル−カルボニルを表す。
上記の「置換されていてもよいC1−8アルキル」における「C1−8アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC1−8アルキル」における「C1−8アルキル」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、
(a)ハロゲン原子、
(b)オキソ、
(c)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、
(d)C3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等)、
(e)−(CH−Q基、
(f)−(CH−Z−(ヒドロキシ、ハロゲン原子、シアノ、C1−4アルコキシ、アミノおよびジC1−4アルキルアミノから選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル))、
(g)−(CH−Z−(ヒドロキシおよびシアノから選ばれる置換基で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等))、
(h)−(CH−Z−(ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキルで置換されていてもよいC6−10アリール(例、フェニル等))、
(i)−(CH−Z−(CH−Q基、
(j)−(CH−Z−(CH−Z−C1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、
(k)−(CH−Z−(CH−Z−C3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等)、
(l)−(CH−Z−(C1−4アルキル、ヒドロキシおよびアミノから選ばれる置換基で置換されていてもよい複素環基(好ましくは、窒素原子、酸素原子、および酸化されていてもよい硫黄原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を有する、5ないし8員の複素環基))、
(m)−(CH−Z−(CH−(C1−4アルキルで置換されていてもよい複素環基(好ましくは、窒素原子、酸素原子、および酸化されていてもよい硫黄原子から選ばれる1ないし3個のヘテロ原子を有する、5ないし8員の複素環基))、
(n)−(CH−Z−C1−4アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ)、
(o)−(CH−Z−(CH−Z−(CH−Z−C1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、および
(p)C1−4アルキルおよびオキソから選ばれる置換基で置換されていてもよい3ないし6員環状アミノ
からなる群(以下、置換基群Xと称する場合がある。)より選ばれる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記式において、
mは、0から4の整数;
nは、1から4の整数;
Qは、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、−NR1112、−CONR1112または−SONR1112
は、−O−、−CO−、−C(OH)R13−、−C(=N−OR13)−、−S−、−SO−、−SO−、−N(COR13)−、−N(CO14)−、−N(SO14)−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NR13−、−NR13−CO−、−NR13−CO−、−NR13−CO−NH−、−NR13−SO−または−NR13−C(=NH)−NH−;
は、−O−、−CO−、−C(OH)R13−、−C(=N−OR13)−、−S−、−SO−、−SO−、−NR13−、−N(COR13)−、−N(CO14)−、−N(SO14)−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NR13−、−NR13−CO−、−NR13−CO−、−NR13−CO−NH−、−NR13−C(=NH)−NH−、−NR13−SO−または−SO−NR13−を表す。
また、上記式中の−(CH−および−(CH−は、例えば、ハロゲン、ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキルおよびヒドロキシから選択される1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基で置換されていてもよく、mまたはnが2以上のとき、−(CH−および−(CH−の一部の−CHCH−が、−CH=CH−または−C≡C−と置き換わっていてもよい。
上記の式中、R11およびR12は、同一または異なって、それぞれ水素原子またはC1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)を表すか、あるいはR11とR12が結合して、窒素原子とともに環を形成してもよい。
また、上記式中、R13は、水素原子またはC1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)を表し、R14は、C1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)を表す。
11とR12が結合して、窒素原子とともに環を形成する場合、該含窒素複素環基としては、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ヘプタメチレンイミン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン等の3ないし8員(好ましくは5または6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の脂肪族複素環が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC2−8アルケニル」における「C2−8アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC2−8アルケニル」における「C2−8アルケニル」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、置換基群Xから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよいC2−8アルキニル」における「C2−8アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC2−8アルキニル」における「C2−8アルキニル」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、置換基群Xから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよいカルバモイル」における「カルバモイル」は、置換可能な位置に1または2個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、置換基群Xから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよいC1−8アルキル−カルボニル」における「C1−8アルキル−カルボニル」としては、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、1−エチルプロピルカルボニル、ヘキシルカルボニル、イソヘキシルカルボニル、1,1−ジメチルブチルカルボニル、2,2−ジメチルブチルカルボニル、3,3−ジメチルブチルカルボニル、2−エチルブチルカルボニル、ヘプチルカルボニル、オクチルカルボニル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC1−8アルキル−カルボニル」における「C1−8アルキル−カルボニル」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、置換基群Xから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよいC3−8シクロアルキル」における「C3−8シクロアルキル」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC3−8シクロアルキル」における「C3−8シクロアルキル」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、後述する置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよいC6−18アリール」における「C6−18アリール」としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC6−18アリール」における「C6−18アリール」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、後述する置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよいC6−18アリール−C1−4アルキル」における「C6−18アリール−C1−4アルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ビフェニリルメチル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC6−18アリール−C1−4アルキル」における「C6−18アリール−C1−4アルキル」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、後述する置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよいC6−18アリール−カルボニル」における「C6−18アリール−カルボニル」としては、例えば、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、アントリルカルボニル、フェナントリルカルボニル、アセナフチレニルカルボニル、ビフェニリルカルボニル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC6−18アリール−カルボニル」における「C6−18アリール−カルボニル」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、後述する置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよいC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル」における「C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル」としては、例えば、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル、フェニルプロピルカルボニル、ナフチルメチルカルボニル、ビフェニリルメチルカルボニル等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよいC6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル」における「C6−18アリール−C1−4アルキル−カルボニル」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、後述する置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、芳香族複素環基および非芳香族複素環基が挙げられる。
ここで、芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4〜7員(好ましくは5または6員)の単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基が挙げられる。該縮合芳香族複素環基としては、例えば、これら4〜7員の単環式芳香族複素環基に対応する環と、1ないし2個の窒素原子を含む5または6員芳香族複素環、1個の硫黄原子を含む5員芳香族複素環、ベンゼン環等とが1ないし2個縮合した環から誘導される基等が挙げられる。
芳香族複素環基の好適な例としては、
フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)、トリアジニル(例、1,2,4−トリアジン−1−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル)等の単環式芳香族複素環基;
キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、6−キノリル)、イソキノリル(例、3−イソキノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル、6−キノキサリル)、ベンゾフリル(例、2−ベンゾフリル、3−ベンゾフリル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンゾオキサゾリル(例、2−ベンゾオキサゾリル)、ベンズイソオキサゾリル(例、7−ベンズイソオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−5−イル)、ベンゾトリアゾリル(例、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−5−イル)、インダゾリル(例、1H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)、ピロロピリミジニル(例、1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル)、イミダゾピリジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル、2H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−2−イル)、ピラゾロピリジニル(例、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−3−イル)、ピラゾロチエニル(例、2H−ピラゾロ[3,4−b]チオフェン−2−イル)、ピラゾロトリアジニル(例、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)等の縮合芳香族複素環基;
等が挙げられる。
非芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4〜7員(好ましくは5または6員)の単環式非芳香族複素環基および縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えば、これら4〜7員の単環式非芳香族複素環基に対応する環と、1ないし2個の窒素原子を含む5または6員複素環、1個の硫黄原子を含む5員複素環またはベンゼン環等とが1ないし2個縮合した環から誘導される基等が挙げられる。
非芳香族複素環基の好適な例としては、
オキセタニル(例、2−オキセタニル、3−オキセタニル)、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、ピペリジノ、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、モルホリニル(例、モルホリノ)、チオモルホリニル(例、チオモルホリノ)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、3−ピペラジニル)、ヘキサメチレンイミニル(例、ヘキサメチレンイミン−1−イル)、オキサゾリジニル(例、オキサゾリジン−2−イル)、チアゾリジニル(例、チアゾリジン−2−イル)、イミダゾリジニル(例、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−3−イル)、オキサゾリニル(例、オキサゾリン−2−イル)、チアゾリニル(例、チアゾリン−2−イル)、イミダゾリニル(例、イミダゾリン−2−イル、イミダゾリン−3−イル)、ジオキソリル(例、1,3−ジオキソール−4−イル)、ジオキソラニル(例、1,3−ジオキソラン−4−イル)、ジヒドロオキサジアゾリル(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、2−チオキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル、ピラニル(例、4−ピラニル)、テトラヒドロピラニル(例、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル)、チオピラニル(例、4−チオピラニル)、テトラヒドロチオピラニル(例、2−テトラヒドロチオピラニル、3−テトラヒドロチオピラニル、4−テトラヒドロチオピラニル)、1−オキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1−オキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、テトラヒドロフリル(例、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル)、ピラゾリジニル(例、ピラゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−3−イル)、ピラゾリニル(例、ピラゾリン−1−イル)、テトラヒドロピリミジニル(例、テトラヒドロピリミジン−1−イル)、ジヒドロトリアゾリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、テトラヒドロトリアゾリル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)等の単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロインドリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)、ジヒドロイソインドリル(例、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)、ジヒドロベンゾフラニル(例、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)、ジヒドロベンゾジオキシニル(例、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)、ジヒドロベンゾジオキセピニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピニル)、テトラヒドロベンゾフラニル(例、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾフラン−3−イル)、クロメニル(例、4H−クロメン−2−イル、2H−クロメン−3−イル)、ジヒドロキノリニル(例、1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)、テトラヒドロキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)、ジヒドロイソキノリニル(例、1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)、テトラヒドロイソキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)、ジヒドロフタラジニル(例、1,4−ジヒドロフタラジン−4−イル)等の縮合非芳香族複素環基;
等が挙げられる。
上記の「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、後述する置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記の「置換されていてもよい複素環−C1−4アルキル」としては、C1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)に上記の「置換されていてもよい複素環基」が置換してなる基が挙げられる。
上記の「置換されていてもよい複素環−カルボニル」としては、カルボニルに上記の「置換されていてもよい複素環基」が結合してなる基が挙げられる。
上記の「置換されていてもよい複素環−C1−4アルキル−カルボニル」としては、カルボニルに上記の「置換されていてもよい複素環−C1−4アルキル」が結合してなる基が挙げられる。
で表される「炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」のうち、「窒素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」としては、
(i)アミノ、
(ii)上記の「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」でモノ置換されたアミノ、および
(iii)上記の「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」およびC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、プロピル等)でジ置換されたアミノ
が挙げられる。
で表される「炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」のうち、「酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」としては、上記の「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」で置換されていてもよいヒドロキシが挙げられる。
としては、水素原子またはハロゲン原子が好ましく、とりわけ、水素原子または塩素原子が好ましい。
は、水素原子、または炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基を表す。
で表される「炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基」のうち、「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」としては、Rで表される「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」と同様のものが挙げられる。
で表される「炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基」のうち、「硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基」としては、上記の「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」で置換されていてもよいメルカプトが挙げられ、該硫黄原子は酸化されていてもよい。
としては、水素原子または置換されていてもよいアルキルが好ましい。なかでも、
(1)ヒドロキシ、
(2)(1’)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、(2’)アミノ、(3’)C1−6アルキルアミノ(例、tert−ブチルアミノ)、(4’)ヒドロキシおよび(5’)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ(例、アセチルアミノ、1−メチルエチルカルボニルアミノ、1,1−ジメチルエチルカルボニルアミノ、2−メチルプロピルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ)、
(3)(1’)シアノ、(2’)アミノおよび(3’)ヒドロキシから選ばれる置換基を1個有していてもよいC3−6シクロアルキル−カルボニルアミノ(例、シクロプロピルカルボニルアミノ)、
(4)C2−6アルキニル−カルボニルアミノ(例、1−プロピニルカルボニルアミノ)
(5)複素環−カルボニルアミノ(例、2−ピロリジニルカルボニルアミノ、3−ピロリジニルカルボニルアミノ)
(6)C1−6アルキル−アミノカルボニル−アミノ(例、メチルアミノカルボニルアミノ、エチルアミノカルボニルアミノ、イソプロピルアミノカルボニルアミノ)
(7)カルボキシを1個有していてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ)、および
(8)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)、
から選ばれる置換基を1個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル)が好ましい。
は、水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を表す。
で表される「置換されていてもよい脂肪族炭化水素基」における「脂肪族炭化水素基」としては、Rにおける「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」として例示した「置換されていてもよいC1−8アルキル」、「置換されていてもよいC2−8アルケニル」、「置換されていてもよいC2−8アルキニル」および「置換されていてもよいC3−8シクロアルキル」と同様のものが挙げられる。
としては、水素原子が好ましい。
環Aは、置換されていてもよいベンゼン環を表す。
環Aで表される「置換されていてもよいベンゼン環」における「ベンゼン環」は、
(1)(a)ハロゲン;
(b)ヒドロキシ;
(c)カルボキシル;
(d)スルホ;
(e)シアノ;
(f)アジド;
(g)ニトロ;
(h)ニトロソ;
(i)ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル);
(j)ハロゲン化されていてもよいC2−4アルケニル(例、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル);
(k)ハロゲン化されていてもよいC2−4アルキニル(例、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル);
(l)C3−7シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル);
(m)C6−14アリール(例、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリル);
(n)C7−16アラルキル(例、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ビフェニリルメチル);
(o)ホルミル;
(p)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル);
(q)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル);
(r)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル);
(s)カルバモイル;
(t)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)でモノまたはジ置換されたカルバモイル;
(u)モノまたはジ−C6−14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイル、アントリルカルバモイル、フェナントリルカルバモイル、アセナフチレニルカルバモイル、ビフェニリルカルバモイル);
(v)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいチオカルバモイル;
(w)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいウレイド;
(x)モノ又はジ−C6−14アリール−ウレイド(例、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、アントリルウレイド、フェナントリルウレイド、アセナフチレニルウレイド、ビフェニリルウレイド);
(y)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいスルファモイル;
(z)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ);
(aa)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニルオキシ(例、エテニルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−プロペニルオキシ、2−メチル−1−プロペニルオキシ、1−ブテニルオキシ、2−ブテニルオキシ、3−ブテニルオキシ);
(bb)C3−10シクロアルキルオキシ(例、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ);
(cc)C7−13アラルキルオキシ(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシ、ナフチルメチルオキシ、ビフェニリルメチルオキシ);
(dd)C6−14アリールオキシ(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、アントリルオキシ、フェナントリルオキシ、アセナフチレニルオキシ、ビフェニリルオキシ);
(ee)C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec−ブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ);
(ff)C3−10シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル)−C1−6アルキルオキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ);
(gg)C1−6アルキルスルホニルオキシ(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、ブチルスルホニルオキシ、イソブチルスルホニルオキシ、sec−ブチルスルホニルオキシ、tert−ブチルスルホニルオキシ);
(hh)メルカプト;
(ii)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ);
(jj)C7−13アラルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ、フェニルプロピルチオ、ナフチルメチルチオ、ビフェニリルメチルチオ);
(kk)C6−14アリールチオ(例、フェニルチオ、ナフチルチオ、アントリルチオ、フェナントリルチオ、アセナフチレニルチオ、ビフェニリルチオ);
(ll)C1−6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル);
(mm)オキソ;
(nn)C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ);および
(oo)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)で置換されていてもよいヒドロキシイミノ;
からなる群(以下、置換基群Aと称する場合がある。)より選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロヘキシル);
(2)置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール(例、フェニル、ナフチル);
(3)置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環基(該複素環基は、Rにおける「炭素原子を介して結合し、置換されていてもよい基」として例示した「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」と同様のものが挙げられる);
(4)(a)ハロゲン、ヒドロキシ、C3−7シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル)、C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル)およびC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル);
(b)ハロゲン化されていてもよいC2−4アルケニル(例、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル);
(c)ハロゲン化されていてもよいC2−4アルキニル(例、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル);
(d)C3−7シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル);
(e)C6−14アリール(例、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル、ビフェニリル);
(f)C7−16アラルキル(例、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ビフェニリルメチル);
(g)環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4〜7員(好ましくは5または6員)の複素環基(例、モルホリニルなどの非芳香族複素環基);
(h)ホルミル;
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、C3−7シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル)、C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル)およびC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)からなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル);
(j)C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル);
(k)C6−14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル);
(l)C7−13アラルキル−カルボニル(例、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル);
(m)C3−7シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル);
(n)C1−6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル);
(o)C6−14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル);
(p)C7−13アラルキル−カルバモイル(例、ベンジルカルバモイル);
(q)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル);
(r)C6−14アリールスルホニル(例、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル、1−ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスルホニル);および
(s)C7−13アラルキルスルホニル(例、ベンジルスルホニル);
からなる群(以下、置換基群Bと称する場合がある。)より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいアミノ;
(5)アミジノ;
(6)ホルミル化またはハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル(例、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec−ブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル);
(7)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル);
(8)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル);
(9)置換基群Bから選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいカルバモイル;
(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)でモノあるいはジ置換されていてもよいチオカルバモイル;
(11)置換基群Bから選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいウレイド;
(12)置換基群Bから選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいスルファモイル;
(13)カルボキシル;
(14)ヒドロキシ;
(15)ハロゲン、カルボキシル、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)およびC1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル)からなる群より選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ);
(16)ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニルオキシ(例、エテニルオキシ);
(17)C3−10シクロアルキルオキシ(例、シクロヘキシルオキシ);
(18)C7−13アラルキルオキシ(例、ベンジルオキシ);
(19)C6−14アリールオキシ(例、フェニルオキシ、ナフチルオキシ);
(20)C1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセチルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ);
(21)メルカプト;
(22)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ);
(23)C7−13アラルキルチオ(例、ベンジルチオ);
(24)C6−14アリールチオ(例、フェニルチオ、ナフチルチオ);
(25)スルホ;
(26)シアノ;
(27)アジド;
(28)ニトロ;
(29)ニトロソ;
(30)ハロゲン原子;
(31)C1−6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル);
(32)オキソ;
(33)C3−10シクロアルキル−C1−6アルキルオキシ(例、シクロプロピルメチルオキシ);
(34)C1−3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ);
(35)C1−6アルキルで置換されていてもよいヒドロキシイミノ;
(36)上記(1)〜(35)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−10アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル);
(37)上記(1)〜(35)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC2−10アルケニル(例、エテニル、1−プロペニル)、および
(38)上記(1)〜(35)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC7−13アラルキル(例、ベンジル);
からなる群(以下、置換基群Vと称する場合がある。)より選ばれる1ないし5個の置換基で置換されていてもよい。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
環Aとしては、(1)ハロゲン原子、(2)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよいC1−4アルキルおよび(3)C1−4アルコキシからなる群より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環が好ましく、なかでもフッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル、トリフルオロメチルおよびメトキシからなる群より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環が好ましい。
環Bは、置換されていてもよいベンゾイソチアゾール環を表す。
環Bで表される「置換されていてもよいベンゾイソチアゾール環」における「ベンゾイソチアゾール環」は、置換可能な位置に1個以上(好ましくは1ないし4個、より好ましくは1ないし3個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。
環Bとしては、C1−6アルキル(例、メチル)を1個有していてもよいベンゾイソチアゾール環、なかでも、C1−6アルキル(例、メチル)を1個有していてもよい、4位または6位で酸素原子と結合するベンゾイソチアゾール環が好ましい。特に、4位で酸素原子と結合するベンゾイソチアゾール環が好ましい。
とRは、互いに結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。当該「環構造」としては、飽和または不飽和(好ましくは飽和)の4ないし8員(好ましくは5ないし7員)複素環が挙げられる。
とRが互いに結合して構築する「置換されていてもよい環構造」における「環構造」としては、例えば、
Figure 2009113560

[式中、各記号は前記と同意義を表す。]
等が挙げられる。
とRは、互いに結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい。当該「環構造」としては、飽和または不飽和(好ましくは飽和)の4ないし8員(好ましくは5ないし7員)複素環が挙げられる。
とRが互いに結合して構築する「置換されていてもよい環構造」における「環構造」としては、例えば、
Figure 2009113560
[式中、各記号は前記と同意義を表す。]
等が挙げられる。
とR、またはRとRがそれぞれ結合して構築する「置換されていてもよい環構造」における「環構造」は、1ないし5個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは1または2個)の、同一または異なった置換基を、置換しうる任意の位置に有していてもよい。当該置換基としては、例えば、置換基群Vから選ばれる置換基(例、C1−6アルキル(例、メチル))が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
が、隣接するベンゼン環(環A)上の炭素原子と結合して構築する「置換されていてもよい環構造」における「環構造」としては、飽和または不飽和(好ましくは飽和)の4ないし8員(好ましくは5または6員)含窒素複素環が挙げられる。
具体的には、例えば、
Figure 2009113560

[式中、各記号は前記と同意義を表す。]
の部分が、
Figure 2009113560

等である。
当該「環構造」は、1ないし5個(好ましくは1ないし3個、より好ましくは1または2個)の、同一または異なった置換基を、置換しうる任意の位置に有していてもよい。当該置換基としては、例えば、置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
化合物(I)における好適な化合物は、以下の通りである。
[化合物A]
が、水素原子またはハロゲン原子;
が、水素原子または置換されていてもよいアルキル;
が、水素原子;
環Aが、(1)ハロゲン原子、(2)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよいC1−4アルキルおよび(3)C1−4アルコキシからなる群より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環;
環Bが、C1−6アルキルを1個有していてもよいベンゾイソチアゾール環;
である化合物(I)。
[化合物B]
が、水素原子または塩素原子;
が、
(1)ヒドロキシ、
(2)(1’)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、(2’)アミノ、(3’)C1−6アルキルアミノ(例、tert−ブチルアミノ)、(4’)ヒドロキシおよび(5’)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ(例、アセチルアミノ、1−メチルエチルカルボニルアミノ、1,1−ジメチルエチルカルボニルアミノ、2−メチルプロピルカルボニルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ)、
(3)(1’)シアノ、(2’)アミノおよび(3’)ヒドロキシから選ばれる置換基を1個有していてもよいC3−6シクロアルキル−カルボニルアミノ(例、シクロプロピルカルボニルアミノ)、
(4)C2−6アルキニル−カルボニルアミノ(例、1−プロピニルカルボニルアミノ)、
(5)複素環−カルボニルアミノ(例、2−ピロリジニルカルボニルアミノ、3−ピロリジニルカルボニルアミノ)、
(6)C1−6アルキル−アミノカルボニル−アミノ(例、メチルアミノカルボニルアミノ、エチルアミノカルボニルアミノ、イソプロピルアミノカルボニルアミノ、t−ブチルアミノカルボニルアミノ)、
(7)カルボキシを1個有していてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ)、および
(8)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル)、
から選ばれる置換基を1個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル);
が、水素原子;
環Aが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル、トリフルオロメチルおよびメトキシからなる群より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環;
環Bが、メチルを1個有していてもよい、4位または6位で酸素原子と結合するベンゾイソチアゾール環;
である化合物(I)。
[化合物C]
2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール(実施例3);
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミド(実施例4);
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ピロリジン−3−カルボキサミド(実施例33);
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(実施例38);
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミド(実施例41);
1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−エチル尿素(実施例51);
1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−メチル尿素(実施例56);
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミド(実施例60);
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−N−tert−ブチルグリシンアミド(実施例61);
またはそれらの塩。
化合物(I)の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。
金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
以下に、化合物(I)の製造法について記載する。
なお、製造中間体は塩を形成している場合も含み、このような塩としては、例えば、化合物(I)における塩と同様のものなどが用いられる。
また、各工程で得られた化合物は反応液のままか、または粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製することができる。
以下にその反応式の略図を表すが、略図中の化合物の各記号は前記と同意義を表す。
化合物(I)は、例えば、式:
Figure 2009113560

[式中、Lは脱離基を表し、その他の各記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物(以下、化合物(II)と略記することがある。)またはその塩と、式:
Figure 2009113560

[式中、Gは水素原子または金属原子を表し、その他の各記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物(以下、化合物(III)と略記することがある。)またはその塩とを反応させることにより製造することができる。
Gは主に水素原子が用いられるが、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属、あるいはマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属でもよい。
化合物(II)に対して化合物(III)またはその塩は、1〜5当量、好ましくは1〜2当量使用し、反応は溶媒中で行うのが好ましい。また、塩基あるいはアンモニウム塩を約0.01〜10当量、好ましくは0.1〜2当量使用してもよい。
前記式中、Lで表される脱離基としては、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、式−S(O)[式中、kは0、1または2の整数を表し、Rはメチル、エチル、プロピルなどの低級(例、C1−4)アルキル;フェニル、トリルなどのC6−10アリール;ベンジルなどのC7−13アラルキルなどを表す。]で表される基、または式−OR[式中、Rは前記と同意義を表す。]で表される基が用いられる。
前記反応における溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
前記反応における塩基としては、無機塩基または有機塩基などが用いられるが、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ジアザビシクロウンデセン(DBU)などが用いられる。
前記反応におけるアンモニウム塩としては、ピリジン塩酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、ピリジンp−トルエンスルホン酸塩、キノリン塩酸塩、イソキノリン塩酸塩、ピリミジン塩酸塩、ピラジン塩酸塩、トリアジン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、N−エチルジイソプロピルアミン塩酸塩などが用いられる。
前記反応は、冷却下、室温下または加熱下(約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができ、反応時間は通常約1〜30時間、好ましくは約1〜20時間、さらに好ましくは約1〜10時間である。
得られた化合物(I)に、自体公知の手段を適用してさらに置換基の導入や官能基変換を行い、本発明の範囲に含まれる化合物を製造することもできる。置換基変換は公知の一般的方法が用いられるが、例えば、エステルの加水分解によるカルボキシへの変換、カルボキシのアミド化によるカルバモイルへの変換、カルボキシの還元によるヒドロキシメチルへの変換、カルボニルの還元やアルキル化によるアルコール体への変換、カルボニルの還元的アミノ化、カルボニルのオキシム化、アミノのアシル化、アミノのアルキル化、アミンによる活性ハロゲンの置換・アミノ化、ヒドロキシのアルキル化、ヒドロキシの置換・アミノ化などが挙げられる。この置換基の導入や官能基変換を行うに際し、目的以外の反応が起こる反応性置換基が存在する場合は、必要に応じて自体公知の手段によりその反応性置換基に事前に保護基を導入し、目的の反応を行った後にその保護基をやはり自体公知の手段により除去して、本発明の範囲に含まれる化合物を製造することもできる。
本反応における生成物である化合物(I)は単一の化合物として、または混合物として製造されてもよい。
このようにして得られる化合物(I)は、反応混合物から自体公知の手段、例えば、溶媒抽出、濃縮、中和、濾過、結晶化、再結晶、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどによって目的物を高純度で反応溶液から単離・精製できる。
本製造法の原料化合物(III)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
本製造法の原料化合物(II)は、例えば、次式に表す方法により製造することができる。ここで、化合物(IIa)、(IIb)、(IIc)および(IId)は、化合物(II)に包含される。
Figure 2009113560

[式中、LおよびLはハロゲン原子を、tは1または2の整数を、その他の各記号は前記と同意義を表す。]
即ち、A法として、化合物(IIa)は化合物(IV)にハロゲン化剤を反応させて製造することができる。B法として、化合物(IV)をイオウ化剤と反応させて化合物(V)とし、次いで塩基存在下、Rで示される化合物と反応させて化合物(IIb)を得、さらに酸化反応に付して化合物(IIc)を製造することができる。また、C法として、化合物(IIa)を塩基存在下、ROHで示される化合物と反応させて化合物(IId)を製造することができる。
A法におけるハロゲン化剤としては、例えば、約1〜100当量のオキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、三臭化リンなどが用いられる。このときジエチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジンなどの塩基存在下に反応を行ってもよい。無溶媒でもよいが、反応溶媒として、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリル、酢酸エチルなどを用いてもよい。該反応は、冷却下、室温下または加熱下に行い、反応時間は通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
B法の化合物(IV)から化合物(V)を製造する工程におけるイオウ化剤としては、例えば、約1〜5当量のローソン試薬、五硫化二リンなどが用いられる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類などが用いられる。該反応は、室温下または加熱下に行い、反応時間は通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
B法の化合物(V)から化合物(IIb)を製造する工程におけるRとしては、例えば、約1〜5当量のヨウ化メチル、塩化ベンジル、臭化ベンジルなどが、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ジアザビシクロウンデセン(DBU)などが用いられる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。該反応は、冷却下、室温下または加熱下に行い、反応時間は通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
B法の化合物(IIb)から化合物(IIc)を製造する工程における酸化剤としては、例えば、メタクロロ過安息香酸、過酸化水素、過酢酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、ペルオキシ硫酸カリウム、過マンガン酸カリウム、過ホウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、ハロゲン原子などが用いられる。化合物(IIc)においてt=1である化合物を製造するときは酸化剤を化合物(IIb)に対して約1〜1.5当量使用し、t=2である化合物を製造するときは約2〜3当量使用する。反応溶媒としては、酸化剤と反応しなければ特に制限はなく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;酢酸、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸類;アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。該反応は、冷却下、室温下または加熱下に行い、反応時間は通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
C法の化合物(IIa)から化合物(IId)を製造する工程におけるROHとしては、例えば、約1〜10当量のメタノール、エタノール、フェノールなどが、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ジアザビシクロウンデセン(DBU)などが用いられる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。該反応は、冷却下、室温下または加熱下に行い、反応時間は、通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
また、化合物(IV)は、例えば、次式に表す方法により製造することができる。
Figure 2009113560

[式中、R10はC1−4アルキルを表し、その他は前記と同意義を表す。]
即ち、化合物(VI)を約1〜4当量のホルムアミジンまたはその塩と反応させて化合物(IV)を製造することができる。反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。該反応は、冷却下、室温下または加熱下に行い、反応時間は通常約1〜20時間、好ましくは約1〜10時間である。
また、化合物(II)は、例えば、次式に表す方法によっても製造することができる。
Figure 2009113560

[式中、Lはハロゲン原子を表し、その他は前記と同意義を表す。]
本法の化合物(VII)から化合物(VIII)を製造する工程では、一般に薗頭反応として知られる反応またはそれに類似した反応を用いることができ、通常、塩基、約0.01〜1当量のパラジウム触媒、およびヨウ化銅存在下、化合物(VII)を約1〜3当量の式:
Figure 2009113560

で表される化合物と反応させて化合物(VIII)を製造することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが用いられる。パラジウム触媒としては、例えば、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウムカーボン、パラジウム(II)ジアセテート、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)などが用いられる。この反応はトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンなど3級ホスフィン化合物を配位子として共存下に行っても良い。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。該反応は、室温下または加熱下に行い、反応時間は通常約1〜50時間、好ましくは約1〜20時間である。
本法の化合物(VIII)から化合物(II)を製造する工程では、通常、約1〜3当量の塩基あるいは約0.01〜1当量のヨウ化銅の存在下、環化反応を行って化合物(II)を製造することができる。塩基としては、例えば、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、セシウムt−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)などが用いられる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。該反応は、低温下、室温下または加熱下に行い、反応時間は通常約1〜50時間、好ましくは約1〜20時間である。
なお、原料化合物(II)の置換基の種類によっては、上記製造法によって製造された化合物を原料として、その置換基変換によって置換基が異なる原料化合物(II)を製造することができる。置換基変換は公知の一般的方法が用いられるが、例えば、エステルの加水分解・アミド化によるカルバモイルへの変換、カルボキシの還元によるヒドロキシメチルへの変換、カルボニルの還元やアルキル化によるアルコール体への変換、カルボニルの還元的アミノ化、カルボニルのオキシム化、アミノのアシル化、アミノのアルキル化、アミンによる活性ハロゲンの置換・アミノ化、ヒドロキシのアルキル化、ヒドロキシの置換・アミノ化などが挙げられる。この置換基の導入や官能基変換を行うに際し、目的以外の反応が起こる反応性置換基が存在する場合は、必要に応じて自体公知の手段によりその反応性置換基に事前に保護基を導入し、目的の反応を行った後にその保護基をやはり自体公知の手段により除去して原料化合物(II)を製造することもできる。
また、原料化合物(II)は、例えば、次式に表す化合物(II’)を用いる方法によっても製造することができる。
Figure 2009113560

[式中、各記号は前記と同意義を表す。]
本法の化合物(II’)から化合物(II)を製造する工程は、通常、塩基を用いて、プロトンを引き抜き、陰イオンを発生させた後に、Rを有する陽イオンと反応させることによって、完結する。塩基としては、例えば、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、リチウム−t−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミドなどが用いられる。陽イオンを発生する試薬としては、例えば、p−トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルブロミド、p−トルエンスルホニルシアニド、S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム トリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジメチルホルムアミドなどを用いることができる。反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類またはこれらの混合溶媒などが用いられる。該反応は、冷却下、好ましくは−20℃以下で行い、反応時間は通常約15分〜50時間、好ましくは約30分〜4時間である。
かくして得られた化合物(I)は、自体公知の分離手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により単離、精製することができる。
化合物(I)が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または、目的とする他の塩に変換することができる。
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も、化合物(I)に包含される。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶など)によりそれぞれを単品として得ることができる。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
化合物(I)は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物化合物(I)に包含される。
同位元素(例、H,H,14C,35S,125Iなど)などで標識された化合物も、化合物(I)に包含される。
化合物(I)またはその塩(以下、その塩も含めて、化合物(I)という)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノがアシル化、アルキル化またはりん酸化された化合物(例、化合物(I)のアミノがエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化またはtert−ブチル化された化合物);化合物(I)のヒドロキシがアシル化、アルキル化、りん酸化またはほう酸化された化合物(例、化合物(I)のヒドロキシがアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化またはジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物);化合物(I)のカルボキシルがエステル化またはアミド化された化合物(例、化合物(I)のカルボキシルがエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化またはメチルアミド化された化合物)等が用いられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
本発明の化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッグ(以下、本発明の化合物と略記する場合がある)は、チロシンキナーゼ阻害作用を有し、哺乳動物におけるチロシンキナーゼ依存性疾患の予防または治療に用いることができる。チロシンキナーゼ依存性疾患には、異常なチロシンキナーゼ酵素活性による細胞増殖亢進性の疾患が含まれる。
特に、本発明の化合物は、HER2キナーゼおよび/またはEGFRキナーゼを阻害するため、HER2および/またはEGFRキナーゼを発現している癌の増殖を抑制する治療剤として有用である。本発明の化合物はまた、ホルモン依存性癌およびホルモン依存性癌のホルモン非依存性癌への移行を防ぐ予防剤としても有用である。本発明の化合物は、また、HER4キナーゼを阻害するため、HER4に起因する疾患の予防・治療剤として有用である。本発明の化合物はさらに、毒性(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性など)が低く、さらに、水溶性が高く、安定性、体内動態(吸収性、分布、代謝、排泄など)、薬効発現の面でも優れているので、医薬として有用である。
従って、本発明の化合物は、種々の癌(なかでも、乳癌(例えば、浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌、炎症性乳癌など)、前立腺癌(例えば、ホルモン依存性前立腺癌、ホルモン非依存性前立腺癌など)、膵癌(例えば、膵管癌など)、胃癌(例えば、乳頭腺癌、粘液性腺癌、腺扁平上皮癌など)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、悪性中皮腫など)、大腸癌(例えば、家族性大腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、消化管間質腫瘍など)、小腸癌、結腸癌(例えば、消化管間質腫瘍など)、直腸癌(例えば、消化管間質腫瘍など)、食道癌、十二指腸癌、舌癌、咽頭癌(例えば、上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌など)、唾液腺癌、脳腫瘍(例えば、松果体星細胞腫瘍、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫など)、神経鞘腫、非小細胞肺癌、肺小細胞癌、肝臓癌(例えば、原発性肝癌、肝外胆管癌など)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌、腎盂と尿管の移行上皮癌など)、胆管癌、子宮体癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、卵巣癌(例えば、上皮性卵巣癌、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣性胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍など)、膀胱癌、尿道癌、皮膚癌(例えば、眼内(眼)黒色腫、メルケル細胞癌など)、血管腫、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、甲状腺癌(例えば、甲状腺髄様癌など)、副甲状腺癌、鼻腔癌、副鼻腔癌、骨腫瘍(例えば、骨肉腫、ユーイング腫瘍、子宮肉腫、軟部組織肉腫など)、血管線維腫、網膜肉腫、陰茎癌、小児固形癌、カポジ肉腫、AIDSに起因するカポジ肉腫、上顎洞腫瘍、線維性組織球腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、白血病(例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病など)等)、アテローム性動脈硬化症、血管新生(例、固形癌および肉腫の成長にともなう血管新生、腫瘍の転移にともなう血管新生、および糖尿病性網膜症にともなう血管新生等)、ウイルス性疾患(HIV感染等)等の異常な細胞増殖による疾患に対する安全な予防または治療剤として用いることができる。
チロシンキナーゼ依存性疾患にはさらに、異常なチロシンキナーゼ酵素活性に関連する心臓血管疾患が含まれる。従って本発明の化合物は、再狭窄のような心臓血管疾患に対する予防または治療剤として用いることもできる。
本発明の化合物は、癌、特に乳癌、卵巣癌、大腸癌、胃癌、食道癌、前立腺癌、肺癌、膵癌等の予防・治療のための抗癌剤として有用である。
本発明の化合物は、毒性が低く、そのまま医薬として、または自体公知の薬学的に許容しうる担体等と混合して哺乳動物(例、ヒト、ウマ、ウシ、犬、猫、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、サル等)に対して医薬組成物として用いることができる。
医薬組成物の中に本発明の化合物とともに他の活性成分、例えば下記のホルモン療法剤、抗癌剤(例えば、化学療法剤、免疫療法剤、または細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤等)等を含有させてもよい。
本発明の化合物を医薬として、ヒト等の哺乳動物に投与するにあたって、投与方法は、通常、例えば、錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、散剤、顆粒剤等として経口的にか、あるいは注射剤、坐剤、ペレット等として非経口的に投与できる。「非経口」には、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内および腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位等への投与、あるいは病巣への直接投与を含む。
本発明の化合物の投与量は、投与ルート、症状等によって異なるが、例えば、乳癌または前立腺癌を持つ患者(体重40〜80kg)に抗癌剤として経口投与する場合、例えば1日0.5〜100mg/kg体重、好ましくは1日1〜50mg/kg体重、さらに好ましくは1日1〜25mg/kg体重である。この量を1日1回または2〜3回に分けて投与することができる。
本発明の化合物は、単独で、または常法(例えば、日本薬局方記載の方法等)に従って、薬理学的に許容される担体を混合した医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、坐剤、徐放剤、貼布剤などとして、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。
(1)本発明の化合物の有効量を投与することと、(2)(i)他の抗癌剤の有効量を投与すること、(ii)ホルモン療法剤の有効量を投与すること、および(iii)非薬剤療法から成る群から選ばれる1〜3種とを組み合わせることにより、より効果的に癌を予防・治療することができる。非薬剤療法としては、例えば、手術、放射線療法、遺伝子療法、温熱療法、凍結療法、レーザー灼熱療法等が用いられ、これらを2種以上組み合わせることもできる。
例えば、本発明の化合物は、他のホルモン療法剤、抗癌剤(例えば、化学療法剤、免疫療法剤(ワクチンを含む)、抗体、遺伝子治療薬、細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤または血管新生を阻害する薬剤)等(以下、併用薬物と略記する)とを併用して使用することができる。
本発明の化合物は単剤として使用しても優れた抗癌作用を表すが、さらに前記併用薬物の一つまたは幾つかと併用(多剤併用)することによって、その効果をより一層増強させることができる。
該「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、ジエノゲスト、アソプリスニル、アリルエストレノール、ゲストリノン、ノメゲストロール、タデナン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン剤(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン等)、ERダウンレギュレーター(例、フルベストラント等)、ヒト閉経ゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH−RH誘導体(LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)、LH−RHアンタゴニスト)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン等)、抗アンドロゲン剤(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド等)、5α−レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、デュタステリド、エプリステリド等)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン等)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン等)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール等)等が用いられ、なかでも、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)が好ましい。
該「化学療法剤」としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤、その他の化学療法剤が用いられる。
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシン等が用いられる。
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール等)、アミノプテリン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ペメトレキセドナトリウム水和物(アリムタ(商標))等が用いられる。
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシン等が用いられる。
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル(タキソール(商標))、ドセタキセル、ビノレルビン、イリノテカン、トポテカン等が用いられる。
「その他の化学療法剤」としては、ソブゾキサン等が用いられる。
該「免疫療法剤(BRM)」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール等が用いられる。またワクチンとしてはBCGワクチン、PROVENGE、Onyvax−P、 PROSTVAC−VF、 GVAX、 DCVax−Prostate、SAPOIMMUNE、 VPM−4−001などが用いられる。
該「抗体」としてはEpiCAMに対する抗体、PSCAに対する抗体、PSMAに対する抗体が用いられる。
該「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」における「細胞増殖因子」としては、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなものでもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチドで、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因子が用いられ、具体的には、(1)EGF(epidermal growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、EGF、ハレグリン、TGF−α、HB−EGF等〕、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、インシュリン、IGF(insulin−like growth factor)−1、IGF−2等〕、(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、酸性FGF、塩基性FGF、KGF(keratinocyte growth factor)、FGF−10等〕、(4)その他の細胞増殖因子〔例、CSF(colony stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、IL−2(interleukin−2)、NGF(nerve growth factor)、PDGF(platelet−derived growth factor)、TGFβ(transforming growth factor β)、HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)等〕等が挙げられる。
該「細胞増殖因子の受容体」としては、前記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいかなるものであってもよく、具体的には、EGF受容体およびそれと同じファミリーに属する受容体であるHER2、HER3およびHER4、インシュリン受容体、IGF受容体、FGF受容体−1またはFGF受容体−2等が挙げられる。
該「細胞増殖因子の作用を阻害する薬剤」としては、トラスツズマブ(ハーセプチン(商標)HER2抗体)、メシル酸イマチニブ、ZD1839またはEGFR抗体(セツキシマブ(エルビタックス(Erbitux)(商標))等)、VEGFに対する抗体(例、ベバシツマブ(アバスチン(Avastin)(商標)))、VEGFR抗体、VEGFR阻害剤、EGFR阻害剤(ゲフィチニブ(イレッサ(商標))、エルロチニブ(タルセバ(Tarceva)(商標))等)が挙げられる。
前記の薬剤の他に、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コバルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、トポイソメラーゼI阻害薬(例、イリノテカン、トポテカン等)、トポイソメラーゼII阻害薬(例えば、ソブゾキサン等)、分化誘導剤(例、レチノイド、ビタミンD類等)、血管新生阻害薬(例、サリドマイド、SU11248等)、α−ブロッカー(例、塩酸タムスロシン、ナフトピジル、ウラピジル、アルフゾシン、テラゾシン、プラゾシン、シロドシン等)、セリン・スレオニンキナーゼ阻害薬、エンドセリン受容体拮抗薬(例、アトラセンタン等)、プロテアゾーム阻害薬(例、ボルテゾミブ等)、Hsp90阻害薬(例、17−AAG等)、スピロノラクトン、ミノキシジル、11α−ヒドロキシプロゲステロン、骨吸収阻害・転移抑制薬(例、ゾレドロン酸、アレンドロン酸、パミドロン酸、エチドロン酸、イバンドロン酸、クロドロン酸)等も用いることができる。
前記した中でも、併用薬物としては、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)、HER2抗体(トラスツズマブ(ハーセプチン(商標)))、EGFR抗体(セツキシマブ(エルビタックス(Erbitux)(商標)等)、EGFR阻害剤(エルロチニブ(タルセバ(Tarceva)(商標)、ゲフィチニブ(イレッサ(商標))等)、VEGFR阻害剤または化学療法剤(パクリタキセル(タキソール(商標)等)が好ましい。
特に、トラスツズマブ(ハーセプチン(商標))、セツキシマブ(エルビタックス(Erbitux)(商標))、エルロチニブ(タルセバ(Tarceva)(商標))、ゲフィチニブ(イレッサ(商標))、パクリタキセル(タキソール(商標))等が好ましい。
本発明の化合物と併用薬物との併用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物と併用薬物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の化合物と併用薬物の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物→併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が用いられる。
以下に実施例、製剤例および試験例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
Figure 2009113560

N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンの製造
(i)2−(ベンジルスルファニル)−6−メトキシベンズアルデヒドの製造
ナトリウムtert−ブトキシド(3.47g)とテトラヒドロフラン(50mL)の懸濁液に、0℃でベンジルメルカプタン(4.24mL)を加え、30分間攪拌した。反応溶液に2−フルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(4.64g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水(150mL)を加え、析出した結晶を濾取し、水およびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥することで表題化合物(7.08g)を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.91 (3H, s), 4.15 (2H, s), 6.72 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.95 (1H, J = 8.3 Hz), 7.25 - 7.43 (6H, m), 10.59 (1H, s).
(ii)4−メトキシ−1,2−ベンゾイソチアゾールの製造
2−(ベンジルスルファニル)−6−メトキシベンズアルデヒド(18.8g)、チオアニソール(18g)をアセトニトリル(175mL)および水(175mL)の混合溶媒に溶解し、室温で30分間攪拌した。ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(12.4g)を加え、室温で2時間攪拌した。反応溶液に飽和重曹水(400mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出した。有機層を水(250mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン/酢酸エチル=100:0→30/70)により精製し、得られた分画を減圧下で濃縮し、析出した結晶を濾取して、表題化合物(10.2g)を白色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.00 (3H, s), 6.75 (1H, dd, J = 7.4 Hz, 0.9 Hz), 7.35 - 7.62 (2H, m), 9.02 (1H, d, J = 0.8 Hz).
(iii)1,2−ベンゾイソチアゾール−4−オールの製造
4−メトキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール(22.0g)、ピリジン塩酸塩(140g)を固体で混ぜ、195℃で2時間攪拌した。室温まで冷却し、水(1L)、1N塩酸(12mL)および酢酸エチル(1L)を加えて攪拌した。有機層を水(500mL)および飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン/酢酸エチル=100:0→0:100)により精製し、得られた分画を減圧下で濃縮し、析出した結晶を濾取して、表題化合物(15.7g)を白色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 6.08 (1H, s), 6.74 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 0.6 Hz), 7.38 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.51 (1H, dt, J = 8.0 Hz, 0.9 Hz), 9.06 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(iv)4−(2−クロロ−4−ニトロフェノキシ)−1,2−ベンゾイソチアゾールの製造
2−クロロ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(4.7g)と1,2−ベンゾイソチアゾール−4−オール(5.4g)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液に、炭酸カリウム(9.4g)を加え、室温で24時間撹拌した。反応液に水(100mL)を加え、酢酸エチル(150mL)で抽出し、有機層を水(250mL)および飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。へキサン、ジエチルエーテルにより結晶化し、表題化合物(9.6g)を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 6.89 (1H, dd, J = 8.0, 0.6 Hz), 7.04 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.53 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.83 (1H, dd, J = 8.0, 0.8 Hz), 8.11 (1H, dd, J = 9.1, 2.6 Hz), 8.46 (1H, d, J = 2.6 Hz), 8.95 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(v)4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリンの製造
4−(2−クロロ−4−ニトロフェノキシ)−1,2−ベンゾイソチアゾール(9.6g)をエタノール(150mL)に懸濁し、還元鉄(20g)を加えて、80℃で加熱した。1N塩酸(5mL)を加え、加熱還流下、5時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加え、反応液をセライト濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(400mL)で希釈し、水(200mL)、飽和重曹水(200mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(100mL)および飽和食塩水(100mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をへキサン/ジイソプロピルエーテルで結晶化し、表題化合物(8.5g)を薄紫色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.74 (2H, br s), 6.49 (1H, dd, J = 8.0, 0.6 Hz), 6.62 (1H, dd, J = 8.6, 2.6 Hz), 6.83 (1H, d, J = 2.6 Hz), 7.01 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.35 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.57 (1H, dt, J = 8.0, 0.8 Hz), 9.15 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(vi)N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンの製造
4−クロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(60mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(100mg)およびイソプロピルアルコール(5mL)の混合物を80℃で終夜攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(72mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 4.21 (3H, s), 6.53 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.62 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.41 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.55 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.69-7.76 (2H, m), 7.94 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.01 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.46 (1H, s), 9.04 (1H, br s), 9.24 (1H, d, J = 0.9 Hz).
融点:229−231℃
実施例2
Figure 2009113560

N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−6−クロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 塩酸塩の製造
4,6−ジクロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(68mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(93mg)およびイソプロピルアルコール(5mL)を用いて、実施例1(vi)と同様の方法を行い、4N塩酸/酢酸エチル(1mL)で処理し、表題化合物(41mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 4.17 (3H, s), 6.66 (1H, d, J = 7.3 Hz), 6.90 (1H, s), 7.45 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.57 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.68 (1H, dd, J = 2.5, 8.8 Hz), 7.90-8.01 (2H, m), 8.69 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz), 9.90 (1H, br s).
実施例3
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(100mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(92mg)およびイソプロピルアルコール(7mL)の混合物を80℃で終夜攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、酢酸エチル:ヘキサン=50:50→100:0→メタノール:酢酸エチル=15:85)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物にメタノール(5mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)を加えて室温で終夜攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(97mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.89 (2H, br s), 4.56 (2H, t, J = 4.5 Hz), 6.34 (1H, br s), 6.48-6.63 (2H, m), 7.42 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.53 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.60-7.76 (2H, m), 7.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.05 (1H, d, J = 2.4 Hz), 8.38 (1H, s), 9.25 (1H, s), 9.99 (1H, s).
融点:218−220℃
実施例4
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドの製造
(i)5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩の製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(2.9g)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(2.7g)およびイソプロピルアルコール(50mL)の混合物を80℃で終夜攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物に4N塩酸/酢酸エチル(15mL)およびエタノール(15mL)を加えて、80℃で4時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて析出物を濾取して、表題化合物(4.0g)を褐色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.27-3.37 (2H, m), 4.97-5.10 (2H, m), 6.67 (1H, d, J = 7.7 Hz), 6.75 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.44 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.58 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.63-7.74 (1H, m), 7.88-8.03 (2H, m), 8.06 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.29 (3H, br s), 8.74 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.8 Hz), 10.10 (1H, br s).
(ii)N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(560mg)、酢酸(94mg)、トリエチルアミン(1.5mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(200mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(1.0g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)の混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(450mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.80 (3H, s), 3.35-3.43 (2H, m), 4.52 (2H, br s), 6.52 (1H, d, J = 2.3 Hz), 6.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.66 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.82 (1H, dd, J = 2.3, 8.7 Hz), 7.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.10 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.27 (1H, br s), 8.36 (1H, s), 8.84 (1H, s), 9.25 (1H, s).
融点:222−224℃
実施例5
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジフルオロアセトアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(200mg)、ジフルオロ酢酸(240mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)、トリエチルアミン(2.0mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(450mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(143mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.44-3.56 (2H, m), 4.56-4.73 (2H, m), 6.12 (1H, t, J = 53.6 Hz), 6.52 (1H, d, J = 2.7 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.47-7.64 (2H, m), 7.67-7.77 (1H, m), 7.86-8.06 (2H, m), 8.38 (1H, s), 8.68 (1H, s), 8.91 (1H, br s), 9.25 (1H, s).
実施例6
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジフルオロアセトアミド メタンスルホン酸塩の製造
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジフルオロアセトアミド(150mg)を酢酸エチル(10mL)に溶解し、メタンスルホン酸(29mg)を加えた。ジエチルエーテル(1mL)を加え、析出した粉末を濾取し、表題化合物(155mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.32 (3H, s), 3.53-3.60 (2H, m), 4.77 (2H, br s), 6.14 (1H, t, J = 54.0 Hz), 6.63-6.71 (2H, m), 7.47 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.50-7.75 (2H, m), 7.91-8.03 (3H, m), 8.83-8.99 (1H, m), 9.15-9.26 (1H, m), 9.77 (1H, br s).
実施例7
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミド メタンスルホン酸塩の製造
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミド(50mg)を酢酸エチル(5mL)に溶解し、メタンスルホン酸(10mg)を加えた。ジエチルエーテル(1mL)を加え、析出した粉末を濾取し、表題化合物(52mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.81 (3H, s), 2.29 (3H, s), 3.40-3.48 (2H, m), 4.47-4.70 (2H, m), 6.60-6.72 (2H, m), 7.44 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.58 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.67-7.75 (1H, m), 7.88-8.06 (3H, m), 8.37 (1H, s), 8.68 (1H, s), 9.23 (1H, d, J = 0.9 Hz), 9.89 (1H, br s).
実施例8
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−1−ヒドロキシシクロプロパンカルボキサミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、1−ヒドロキシシクロプロパンカルボン酸(50mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(0.8mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(300mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(61mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.78-0.90 (2H, m), 0.95-1.04 (2H, m), 3.45-3.60 (2H, m), 4.56 (2H, br s), 6.28 (1H, br s), 6.51 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.38 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.63 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.85 (1H, dd, J = 2.5, 8.9 Hz), 7.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.06 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.35 (2H, br s), 8.85 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 0.8 Hz).
実施例9
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(50mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(0.5mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(300mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行った。次いで、実施例7と同様にして、メタンスルホン酸(20mg)で処理し、表題化合物(55mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.12 (6H, s), 2.31 (3H, s), 3.47-3.58 (2H, m), 4.59-4.77 (2H, m), 6.61-6.77 (2H, m), 7.47 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.59 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.71 (1H, dd, J = 2.5, 8.9 Hz), 7.89-8.14 (4H, m), 8.76 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz), 10.00 (1H, s).
実施例10
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(50mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(0.8mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(200mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(55mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.98 (6H, s), 3.33 (2H, s), 3.39-3.53 (2H, m), 4.53 (2H, br s), 4.85 (1H, br s), 6.50 (1H, br s), 6.61 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.44-7.70 (2H, m), 7.81-8.02 (3H, m), 8.16 (1H, br s), 8.36 (1H, s), 8.96 (1H, br s), 9.25 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例11
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
(i)4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロアニリンの製造
1,2−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(1.5g)と1,2−ベンゾイソチアゾール−4−オール(1.5g)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液に炭酸カリウム(1.5g)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→4:1)により分離精製し、得られた残渣をエタノール(70mL)に溶解し、還元鉄(4.0g)および1N塩酸(5.0mL)を加えて80℃で加熱還流下、1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム水溶液(8mL)を加え、反応液をセライト濾過し、得られた濾液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=49:1→1:1)により分離精製し、表題化合物(2.1g)を淡紫色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 5.45 (2H, s), 6.37-6.60 (3H, m), 6.99-7.16 (1H, m), 7.48 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.1 Hz), 9.21 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(ii)5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩の製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(300mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロアニリン(265mg)、イソプロピルアルコール(20mL)、エタノール(40mL)および4N塩酸/酢酸エチル(10mL)を用い、実施例4(i)と同様の反応を行い、表題化合物(380mg)を黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.23-3.35 (2H, m), 5.02 (2H, t, J = 6.3 Hz), 6.69-6.80 (2H, m), 7.47 (1H, t, J = 8.9 Hz), 7.52-7.60 (1H, m), 7.58 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.82 (1H, dd, J = 1.9 Hz, 12.3 Hz), 7.98 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.06 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.27 (3H, br s), 8.75 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 0.8 Hz), 10.12 (1H, br s).
(iii)N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(50mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)、トリエチルアミン(0.8mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(250mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(70mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.97 (6H, s), 3.32 (2H, s), 3.41 (2H, q, J = 6.6 Hz), 4.52 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.84 (1H, t, J = 5.4 Hz), 6.50 (1H, d, J = 3.2 Hz), 6.70 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.40 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.54 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.62 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.66-7.79 (1H, m), 7.81-8.06 (3H, m), 8.37 (1H, s), 8.95 (1H, s), 9.27 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例12
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(2,1−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドの製造
(i)4−(2,1−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリンの製造
2−クロロ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(500mg)と2,1−ベンゾイソチアゾール−4−オール(300mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液に炭酸カリウム(420mg)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→4:1)により分離精製し、得られた残渣をエタノール(25mL)に溶解し、還元鉄(1.5g)および1N塩酸(2.0mL)を加えて80℃で加熱還流下、1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を加え、反応液をセライト濾過し、得られた濾液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=49:1→1:1)により分離精製し、表題化合物(260mg)を淡紫色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.70 (2H, br s), 6.19 (1H, d, J = 7.2 Hz), 6.62 (1H, dd, J = 2.7 Hz, 8.7 Hz), 6.83 (1H, d, J = 2.7 Hz), 7.01 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.26-7.31 (1H, m), 7.50 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.48 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(ii)N−[2−(4−{[4−(2,1−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドの製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(100mg)、4−(2,1−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(90mg)、イソプロピルアルコール(7mL)、エタノール(5mL)、4N塩酸(3mL)を用いて、実施例4(i)と同様の反応を行い、得られた淡黄色粉末と酢酸(34mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)、トリエチルアミン(0.5mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(100mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(16mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.81 (3H, s), 3.32-3.45 (2H, m), 4.51 (2H, br s), 6.51 (1H, d, J = 2.7 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.51 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.58-7.67 (1H, m), 7.80-8.29 (4H, m), 8.34 (1H, br s), 8.85 (1H, s), 9.23 (1H, br s).
実施例13
Figure 2009113560

4−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[3,2,1−de]プテリジンの製造
4−クロロ−5−(2−クロロエチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(50mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(70mg)およびイソプロピルアルコール(5mL)の混合物を80℃で2時間攪拌した。反応混合物に1−メチル−2−ピロリドン(5mL)および炭酸カリウム(50mg)を加えて、100℃で2時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=50:50→0:100)に付し、目的画分を減圧濃縮し、表題化合物(37mg)を黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 4.25-4.35 (2H, m), 4.36-4.53 (2H, m), 6.42-6.54 (1H, m), 6.65 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.40-7.71 (4H, m), 7.87-7.98 (2H, m), 8.31 (1H, s), 9.24 (1H, s).
実施例14
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(100mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロアニリン(86mg)、イソプロピルアルコール(10mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液(5.0mL)を用い、実施例3と同様の反応を行い、表題化合物(100mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.89 (2H, t, J = 4.3 Hz), 4.46-4.64 (2H, m), 6.52 (1H, d, J = 3.2 Hz), 6.67 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.38-7.46 (2H, m), 7.53 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.67 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.82-8.03 (2H, m), 8.36 (1H, s), 9.27 (1H, s), 9.97 (1H, br s).
実施例15
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、酢酸(0.4mL)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(0.5mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(200mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(71mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.81 (3H, s), 3.36-3.43 (2H, m), 4.52 (2H, t, J = 6.9 Hz), 6.52 (1H, d, J = 2.6 Hz), 6.69 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.40 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.55 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.66 (2H, br s), 7.88-8.03 (2H, m), 8.22-8.45 (2H, m), 8.86 (1H, br s), 9.27 (1H, s).
実施例16
Figure 2009113560

4−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5−メチル−4H−ピロロ[3,2,1−de]プテリジンの製造
1−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)アセトン(200mg)および4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(264mg)の混合物をイソプロピルアルコール(10mL)に溶解し、80℃にて8時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50→0:100)で分離精製し、表題化合物(41mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.66 (3H, s), 6.28 (1H, d, J = 2.8 Hz), 6.74-6.85 (2H, m), 7.36-7.65 (4H, m), 7.79-7.91 (2H, m), 8.02 (1H, d, J = 7.7 Hz), 9.20 (1H, s).
実施例17
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチルアセタート 塩酸塩の製造
2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール(100mg)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に無水酢酸(0.2mL)およびトリエチルアミン(1.6mL)を加え、1時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をトリエチルアミン(1mL)に溶解し、1時間攪拌した。トリエチルアミンを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50→0:100)で分離精製し、残渣を4N塩酸/酢酸エチル(1mL)で処理し、表題化合物(81mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.88 (3H, s), 4.30-4.39 (2H, m), 4.91-5.03 (2H, m), 6.61-6.77 (2H, m), 7.41-7.73 (3H, m), 7.92-8.13 (3H, m), 8.67-8.81 (1H, m), 9.22 (1H, s), 9.85 (1H, br s).
実施例18
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール p−トルエンスルホン酸塩の製造
2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール(700mg)をエタノール(10mL)に溶解し、p−トルエンスルホン酸 一水和物(310mg)を加えた。酢酸エチル(5mL)を加え、析出した結晶を濾取し、表題化合物(892mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.28 (3H, s), 3.92 (2H, t, J = 4.4 Hz), 4.61-4.82 (2H, m), 6.65 (1H, d, J = 7.7 Hz), 6.72 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.11 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.38-7.73 (5H, m), 7.92-8.07 (3H, m), 8.81 (1H, s), 9.23 (1H, d, J = 0.8 Hz), 10.88 (1H, s).
実施例19
Figure 2009113560

4−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エトキシ]−4−オキソブタン酸の製造
2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール(100mg)の1−メチル−2−ピロリドン(5mL)溶液にジヒドロフラン−2,5−ジオン(25mg)およびトリエチルアミン(0.6mL)を加え、60℃で1時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0→90:10)で分離精製し、表題化合物(40mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.32 (4H, br s), 4.31 (2H, br s), 4.79 (2H, br s), 6.53 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.60 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.38 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.53 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.70 (2H, br s), 7.92 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.99 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.37 (1H, s), 8.69 (1H, br s), 9.25 (1H, d, J = 0.8 Hz).
実施例20
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
(i)6−メトキシ−1,2−ベンゾイソチアゾールの製造
2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド(5.0g)、硫黄(1.04g)、28%アンモニア水溶液(25mL)と2−メトキシエタノール(25mL)の混合物を封管中160℃に加温し、4時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=97:3→80:20)で分離精製し、表題化合物(1.0g)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.92 (3H, s), 7.05 (1H, dd, J= 2.1 Hz, 8.7 Hz), 7.34 (1H, m), 7.92 (1H, d, J= 8.7 Hz), 8.77 (1H, m).
(ii)1,2−ベンゾイソチアゾール−6−オールの製造
6−メトキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール(990mg)と47%臭化水素酸(10g)の混合物を100℃に加温し4時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水に注ぎ込み酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=97:3→80:20)で分離精製し、表題化合物(204mg)を無色固形物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 5.41 (1H, br s), 6.99 (1H, dd, J= 2.4 Hz, 8.7 Hz), 7.33 (1H, m), 7.93 (1H, d, J= 8.7 Hz), 8.77 (1H, m).
(iii)4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イルオキシ)−3−クロロアニリンの製造
1,2−ベンゾイソチアゾール−6−オール(203mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)、炭酸カリウム(185mg)および2−クロロ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(236mg)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。抽出液を重曹水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮した。残渣に還元鉄(420mg)、1N塩酸(1.2mL)とエタノール(15mL)を加え、80℃に加温し、2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、セライトを用いて濾過し、セライトをエタノールで洗浄した。ろ液を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチル、水と少量のメタノールを加え、分液操作を行った。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→0:100)で分離精製し、表題化合物(294mg)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 3.74 (2H, br s), 6.62 (1H, dd, J= 2.4 Hz, 8.4 Hz), 6.82 (1H, d, J= 2.4 Hz), 6.98 (1H, d, J= 8.4 Hz), 7.12-7.20 (2H, m), 7.97 (1H, d, J= 8.4 Hz), 8.79 (1H, d, J= 0.9 Hz).
(iv)2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(151mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イルオキシ)−3−クロロアニリン(139mg)、イソプロピルアルコール(5mL)およびピリジン 塩酸塩(5mg)の混合物を80℃に加温し、終夜撹拌した。反応混合物を重曹水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5→0:100)で分離精製し、カップリング体を得た。得られたカップリング体にテトラヒドロフラン(1mL)、メタノール(1mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液(1mL)を加え30分間攪拌した。反応混合物を重曹水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、酢酸エチルから結晶化し、表題化合物(130mg)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.86-3.90 (2H, m), 4.53-4.56 (2H, m), 6.33 (1H, br s), 6.52 (1H, d, J= 3.3 Hz), 7.23 (1H, dd, J= 2.1 Hz, 8.4 Hz), 7.35 (1H, d, J= 9.0 Hz), 7.63-7.68 (3H, m), 8.02 (1H, d, J= 2.4 Hz), 8.20 (1H, d, J= 8.7 Hz), 8.35 (1H, s), 9.03 (1H, s), 9.94 (1H, br s).
実施例21
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミド メタンスルホン酸塩の製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(168mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−6−イルオキシ)−3−クロロアニリン(156mg)、イソプロピルアルコール(5mL)およびピリジン 塩酸塩(5mg)の混合物を80℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣にメタノール(2mL)と4N塩酸/酢酸エチル溶液(2mL)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮後、エタノール/酢酸エチルを加え、析出物(156mg)を濾取した。濾取物、トリエチルアミン(95μL)とN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)の混合物を室温で5分間撹拌した。3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(43mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(50mg)と1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(70mg)を順に追加し、室温で5時間撹拌した。反応混合物を重曹水に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0→80:20)で分離精製し、精製物(113mg)を得た。得られた精製物をエタノール(3mL)に溶解し、メタンスルホン酸(14μL)を加えた。減圧濃縮後、エタノール/酢酸エチルから結晶化して表題化合物(118mg)を白色固形物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.96 (6H, s), 2.30 (3H, s), 3.30 (2H, m), 3.45-3.51 (2H, m), 4.61-4.67 (2H, m), 6.67 (1H, d, J= 3.0 Hz), 7.26 (1H, dd, J= 2.1 Hz, 8.4 Hz), 7.39 (1H, d, J= 8.7 Hz), 7.74-8.03 (5H, m), 8.24 (1H, d, J= 9.0 Hz), 8.75 (1H, s), 9.06 (1H, d, J= 1.2 Hz), 10.11 (1H, br s).
実施例22
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド メタンスルホン酸塩の製造
(i)tert−ブチル [2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマートの製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(634mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(626mg)およびイソプロピルアルコール(8mL)の混合物を80℃で14時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル/テトラヒドロフラン=1/1の混合液で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=2:1→酢酸エチル)で分離精製し、表題化合物(956mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.50 (9H, s), 3.43-3.58 (2H, m), 4.42-4.56 (2H, m), 5.09 (1H, t, J = 5.8 Hz), 6.58-6.70 (2H, m), 7.12-7.23 (2H, m), 7.39 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.62 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.96 (1H, dd, J = 2.6 Hz, 9.0 Hz), 8.08 (1H, d, J = 2.6 Hz), 8.53 (1H, s), 8.65 (1H, s), 9.17 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(ii)5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩の製造
tert−ブチル [2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(952mg)をエタノール(10mL)およびテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、6N塩酸(1.5mL)を加え、50℃で14時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をエタノールに溶解した。この溶液を減圧下で濃縮した後、析出物を濾取し、表題化合物(869mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.23-3.39 (2H, m), 5.07 (2H, t, J = 6.2 Hz), 6.67 (1H, dd, J = 0.4 Hz, 7.7 Hz), 6.76 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.44 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.58 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.71 (1H, dd, J = 2.5 Hz, 8.9 Hz), 7.92-8.04 (2H, m), 8.09 (1H, d, J = 3.2 Hz), 8.37 (3H, br s), 8.75 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz), 10.24 (1H, br s).
(iii)N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミド メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(88.4mg)、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(31.2mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(41.5mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(51.4mg)、トリエチルアミン(0.25mL)、テトラヒドロフラン(0.5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)の混合物を室温で14時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=1:4→酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=9:1)で分離精製し、N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−3−メチルブタンアミドを得た。得られた化合物をエタノール(2mL)に溶解し、メタンスルホン酸(15μL)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、酢酸エチル/エタノールから結晶化し、表題化合物(56.8mg)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.13 (6H, s), 2.21 (2H, s), 2.30 (3H, s), 3.43-3.56 (2H, m), 4.64 (2H, t, J = 7.2 Hz), 6.61-6.71 (2H, m), 7.45 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.57 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.75 (1H, dd, J = 2.5 Hz, 8.9 Hz), 7.92-8.06 (3H, m), 8.36 (1H, t, J = 5.5 Hz), 8.74 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.8 Hz), 10.18 (1H, br s).
実施例23
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチル−2−(メチルスルホニル)プロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(90.6mg)、2−メチル−2−(メチルスルホニル)プロパン酸(44.5mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(35.0mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(49.9mg)、トリエチルアミン(0.25mL)、テトラヒドロフラン(0.5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)の混合物を室温で14時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=1:4→酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=9:1)で分離精製した後、ジイソプロピルエーテル/酢酸エチルで結晶化し、表題化合物(70.8mg)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.41 (6H, s), 2.96 (3H, s), 3.41-3.56 (2H, m), 4.59 (2H, t, J = 6.6 Hz), 6.50 (1H, d, J = 2.6 Hz), 6.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.58 (1H, d, J = 2.6 Hz), 7.81 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 9.0 Hz), 7.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.06 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.22 (1H, t, J = 5.9 Hz), 8.36 (1H, s), 8.74 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 0.8 Hz).
実施例24
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−(メチルスルホニル)アセトアミド メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(89.9mg)、メタンスルホニル酢酸(38.5mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(36.1mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(51.5mg)、トリエチルアミン(0.25mL)、テトラヒドロフラン(0.5mL)、N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)、メタンスルホン酸(5.6μL)、酢酸エチル(1mL)およびエタノール(0.5mL)を用いて、実施例22(iii)と同様の反応を行い、表題化合物(36.0mg)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.30 (3H, s), 3.07 (3H, s), 3.51-3.62 (2H, m), 4.06 (2H, s), 4.69 (2H, t, J = 6.5 Hz), 6.62-6.72 (2H, m), 7.46 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.58 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.71 (1H, dd, J = 2.6 Hz, 8.8 Hz), 7.89-8.05 (3H, m), 8.71 (1H, t, J = 6.0 Hz), 8.75 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz), 9.85 (1H, br s).
実施例25
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−1−シアノシクロプロパンカルボキサミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(90.2mg)、1−シアノシクロプロパンカルボン酸(31.1mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(36.7mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(60.5mg)、トリエチルアミン(0.25mL)、テトラヒドロフラン(0.5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)を用いて、実施例23と同様の反応を行い、表題化合物(60.1mg)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.24-1.34 (2H, m), 1.41-1.51 (2H, m), 3.44 (2H, q, J = 5.5 Hz), 4.60 (2H, t, J = 5.5 Hz), 6.52 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.53 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.59 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.77 (1H, dd, J = 2.2 Hz, 8.9 Hz), 7.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.03 (1H, d, J = 2.2 Hz), 8.28 (1H, t, J = 5.5 Hz), 8.36 (1H, s), 8.63 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例26
Figure 2009113560

N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5−[2−(メチルスルホニル)エチル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン メタンスルホン酸塩の製造
(i)4−クロロ−5−[2−(メチルスルホニル)エチル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジンの製造
4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(497mg)、メチルビニルスルホン(0.43mL)、炭酸セシウム(1.63g)およびN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を室温で2日間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:4)で分離精製し、表題化合物(185mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.79 (3H, s), 3.60 (2H, t, J = 6.5 Hz), 5.02 (2H, t, J = 6.5 Hz), 6.79 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.64 (1H, d, J = 3.2 Hz), 8.75 (1H, s).
(ii)N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5−[2−(メチルスルホニル)エチル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン メタンスルホン酸塩の製造
4−クロロ−5−[2−(メチルスルホニル)エチル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(58.9mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロアニリン(68.8mg)およびイソプロピルアルコール(1.5mL)の混合物を80℃で17時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル)で分離精製し、N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5−[2−(メチルスルホニル)エチル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンを得た。得られた化合物を酢酸エチル(3mL)に溶解し、メタンスルホン酸(15μL)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した後、酢酸エチル/エタノールから結晶化し、表題化合物(53.3mg)を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.30 (3H, s), 2.97 (3H, s), 3.75 (2H, t, J = 6.5 Hz), 5.14 (2H, t, J = 6.5 Hz), 6.67 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.70 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.46 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.58 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.65 (1H, dd, J = 2.3 Hz, 8.7 Hz), 7.93-8.07 (3H, m), 8.75 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.8 Hz), 9.74 (1H, br s).
実施例27
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−(メチルスルホニル)アセトアミドの製造
(i)tert−ブチル [2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマートの製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(115mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロアニリン(105mg)およびイソプロピルアルコール(2.5mL)を用いて、実施例22(i)と同様の反応を行い、表題化合物(85.5mg)を白色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.49 (9H, s), 3.44-3.57 (2H, m), 4.44-4.56 (2H, m), 5.08 (1H, t, J = 5.8 Hz), 6.62 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.71 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.14-7.24 (2H, m), 7.39 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.58-7.64 (1H, m), 7.75 (1H, ddd, J = 1.4 Hz, 2.5 Hz, 9.0 Hz), 7.93 (1H, dd, J = 2.5 Hz, 12.9 Hz), 8.54 (1H, s), 8.60 (1H, br s), 9.17 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(ii)5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩の製造
tert−ブチル [2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(85.0mg)、6N塩酸(0.1mL)、エタノール(1mL)およびテトラヒドロフラン(1mL)を用いて、実施例22(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(64.6mg)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.23-3.35 (2H, m), 5.02 (2H, t, J = 6.3 Hz), 6.69-6.80 (2H, m), 7.47 (1H, t, J = 8.9 Hz), 7.52-7.60 (1H, m), 7.58 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.82 (1H, dd, J = 1.9 Hz, 12.3 Hz), 7.98 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.06 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.27 (3H, br s), 8.75 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 0.8 Hz), 10.12 (1H, br s).
(iii)N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−(メチルスルホニル)アセトアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(61.3mg)、メチルスルホニル酢酸(26.7mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(33.4mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(46.7mg)、トリエチルアミン(175μL)、テトラヒドロフラン(0.3mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(0.3mL)を用いて、実施例23と同様の反応を行い、表題化合物(32.9mg)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.10 (3H, s), 3.41-3.54 (2H, m), 4.04 (2H, s), 4.58 (2H, t, J = 6.4 Hz), 6.52 (1H, d, J = 2.8 Hz), 6.69 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.40 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.58-7.68 (2H, m), 7.84-7.96 (2H, m), 8.38 (1H, s), 8.68 (1H, t, J = 5.7 Hz), 8.76 (1H, s), 9.27 (1H, d, J = 0.8 Hz).
実施例28
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−フルオロ−2−メチルプロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、2−フルオロ−2−メチルプロパン酸(42mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(0.4mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(75mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(63mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.27 (3H, s), 1.34 (3H, s), 3.73-3.81 (2H, m), 4.49-4.68 (2H, m), 6.48 (1H, d, J = 2.5 Hz), 6.60 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.37 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.46-7.60 (2H, m), 7.72 (1H, dd, J = 2.5, 8.7 Hz), 7.90 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.98 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.19 (1H, br s), 8.32 (1H, s), 8.71 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例29
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、2,2−ジメチルプロパン酸無水物(55mg)、トリエチルアミン(0.3mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(87mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.01 (9H, s), 3.64-3.74 (2H, m), 4.51 (2H, t, J = 7.6 Hz), 6.49 (1H, d, J = 3.2 Hz), 6.60 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.37 (1H, d, J=8.9 Hz), 7.46-7.63 (2H, m), 7.75-7.94 (3H, m), 8.10 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.33 (1H, s), 8.90 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例30
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ブタ−2−インアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、ブタ−2−イン酸(50mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)、トリエチルアミン(1.2mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(320mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(60mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.90 (3H, s), 3.36-3.45 (2H, m), 4.55 (2H, t, J = 6.4 Hz), 6.51 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.60 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.37 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.45-7.63 (2H, m), 7.70 (1H, dd, J = 2.3, 8.9 Hz), 7.90 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.98 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.33 (1H, s), 8.59-8.80 (2H, m), 9.23 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例31
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
(i)4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルアニリンの製造
1−フルオロ−2−メチル−4−ニトロベンゼン(1.5g)と1,2−ベンゾイソチアゾール−4−オール(1.5g)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液に炭酸カリウム(3.1g)を加え、60℃で3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→0:100)により分離精製し、得られた残渣(1.4g)をエタノール(20mL)に溶解し、還元鉄(10.0g)および1N塩酸(3mL)を加えて加熱還流下、4時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加え、反応液をセライト濾過し、得られた濾液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=49:1→1:1)により分離精製し、表題化合物(470mg)を淡紫色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.99 (3H, s), 5.06 (2H, s), 6.38-6.60 (3H, m), 6.84 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.45 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.78 (1H, d, J = 8.0 Hz), 9.20 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(ii)2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(120mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルアニリン(130mg)、イソプロピルアルコール(10mL)、エタノール(15mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液(5.0mL)を用いて、実施例3と同様の反応を行い、表題化合物(122mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.15 (3H, s), 3.88 (2H, t, J = 4.5 Hz), 4.52 (2H, t, J = 4.5 Hz), 6.40-6.62 (2H, m), 7.06-7.18 (1H, m), 7.39-7.68 (4H, m), 7.84 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.28 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.8 Hz), 9.73 (1H, s).
融点:229−231℃
実施例32
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]プロリンアミド 二塩酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(150mg)、1−(tert−ブトキシカルボニル)プロリン(72mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)、トリエチルアミン(1.2mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(320mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた化合物をエタノール(5mL)に溶解し、4N塩酸/酢酸エチル(5mL)を加え、80℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、析出した固体を濾取し、表題化合物(72mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.54-1.93 (3H, m), 2.06-2.25 (1H, m), 2.68-3.74 (4H, m), 3.96-4.10 (1H, m), 4.58-4.90 (2H, m), 6.57-6.74 (2H, m), 7.43 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.51-7.75 (2H, m), 7.84-8.01 (3H, m), 8.43 (1H, br s), 8.69 (1H, s), 8.80 (1H, t, J = 5.8 Hz), 9.19 (1H, d, J = 0.8 Hz), 9.54 (1H, br s), 9.95 (1H, br s).
実施例33
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ピロリジン−3−カルボキサミド 二塩酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(150mg)、1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸(40mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)、トリエチルアミン(1.2mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(16mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(220mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた化合物をエタノール(5mL)に溶解し、4N塩酸/酢酸エチル(5mL)を加え、80℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、析出した固体を濾取し、表題化合物(51mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.63-2.15 (2H, m), 2.74 (1H, d, J = 4.7 Hz), 2.89-3.73 (6H, m), 4.68 (2H, br s), 6.55-6.75 (2H, m), 7.43 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.50-7.75 (2H, m), 7.82-8.02 (3H, m), 8.49 (1H, s), 8.67 (1H, s), 8.89 (2H, br s), 9.19 (1H, d, J = 0.9 Hz), 9.87 (1H, br s).
融点:147−149℃
実施例34
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
(i)4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)アニリンの製造
1−フルオロ−4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.0g)と1,2−ベンゾイソチアゾール−4−オール(3.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(60mL)溶液に炭酸カリウム(6.2g)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→0:100)により分離精製し、得られた残渣をエタノール(50mL)に溶解し、還元鉄(20.0g)、1N塩酸(5mL)を加えて加熱還流下、4時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加え、反応液をセライト濾過し、得られた濾液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=49:1→1:1)により分離精製し、表題化合物(3.7g)を淡緑色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 5.60 (2H, s), 6.59 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 2.5, 8.7 Hz), 6.99 (1H, d, J = 2.5 Hz), 7.09 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.50 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.87 (1H, d, J = 8.0 Hz), 9.10 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(ii)2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(100mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−(トリフルオロメチル)アニリン(120mg)、イソプロピルアルコール(10mL)、エタノール(15mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)を用いて、実施例3と同様の反応を行い、表題化合物(70mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.84-3.92 (2H, m), 4.45-4.61 (2H, m), 6.35 (1H, br s), 6.52 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.78 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.34 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.57 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.64-7.79 (1H, m), 7.87-8.00 (2H, m), 8.13 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.32 (1H, s), 9.10 (1H, d, J = 0.8 Hz), 9.98 (1H, s).
融点:212−214℃
実施例35
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミド メタンスルホン酸塩の製造
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(1.5g)を酢酸エチル(100mL)に溶解し、メタンスルホン酸(300mg)を加えた。ジエチルエーテル(5mL)を加え、析出した粉末を濾取し、表題化合物(1.3g)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.02 (9H, s), 2.32 (3H, s), 3.43-3.52 (2H, m), 4.62-4.69 (2H, m), 6.68 (2H, dd, J = 2.2, 5.4 Hz), 7.47 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.58 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.73-8.10 (5H, m), 8.77 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.8 Hz), 10.13 (1H, br s).
実施例36
Figure 2009113560

2−[4−({3−クロロ−4−[(3−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル)オキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エタノール p−トルエンスルホン酸塩の製造
(i)1−[2−(ベンジルスルファニル)−6−メトキシフェニル]エタノンの製造
ベンジルメルカプタン(1.7g)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、リチウムヘキサメチルジシラジド(12mL)を加え、30分間攪拌した。1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エタノン(2.0g)を加え、5時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→50:50)により分離精製し、表題化合物(2.6g)を淡緑色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.39 (3H, s), 3.81 (3H, s), 4.04 (2H, s), 6.80 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.93 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.17-7.32 (6H, m).
(ii)4−メトキシ−3−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾールの製造
1−[2−(ベンジルスルファニル)−6−メトキシフェニル]エタノン(2.5g)およびチオアニソール(2.5g)をアセトニトリル(15mL)/水(15mL)に溶解し、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸(1.8g)を加え、2時間攪拌した。反応混合物に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→50:50)により分離精製し、表題化合物(220mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.78 (3H, s), 3.96 (3H, s), 6.94 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.50 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.63 (1H, d, J = 8.1 Hz).
(iii)3−クロロ−4−[(3−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル)オキシ]アニリンの製造
4−メトキシ−3−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾールとピリジン 塩酸塩の混合物を200℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、水、酢酸エチルを加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50→0:100)により分離精製し、得られた残渣(64mg)と2−クロロ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(70mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)、炭酸カリウム(80mg)、エタノール(5mL)、還元鉄(200mg)および1N塩酸(0.5mL)を用いて、実施例31(i)と同様の反応を行い、表題化合物(65mg)を淡紫色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.79 (3H, s), 3.73 (2H, br s), 6.44 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.63 (1H, dd, J = 2.7, 8.7 Hz), 6.83 (1H, d, J = 2.7 Hz), 6.99 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.27-7.33 (1H, m), 7.49 (1H, d, J = 7.9 Hz).
(iv)2−[4−({3−クロロ−4−[(3−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル)オキシ]フェニル}アミノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エタノール p−トルエンスルホン酸塩の製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(52mg)、3−クロロ−4−[(3−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イル)オキシ]アニリン(50mg)、イソプロピルアルコール(5mL)、エタノール(2mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(2.0mL)を用いて、実施例3と同様の反応を行い、得られた残渣をメタノール(5mL)に溶解し、p−トルエンスルホン酸 一水和物(15mg)で処理し、析出した粉末を濾取して、表題化合物(46mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.28 (3H, s), 2.87 (3H, s), 3.91 (2H, t, J = 4.4 Hz), 4.64 (2H, br s), 6.37 (1H, br s), 6.52-6.73 (2H, m), 7.10 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.32-7.55 (3H, m), 7.64 (1H, dd, J = 2.5, 8.8 Hz), 7.78-7.94 (2H, m), 8.00 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.63 (1H, d, J = 5.3 Hz), 10.51 (1H, br s).
実施例37
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドの製造
(i)5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩の製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(1.1g)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルアニリン(1.0g)およびイソプロピルアルコール(25mL)の混合物を80℃で3時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物に4N塩酸/酢酸エチル(10mL)およびエタノール(15mL)を加えて、80℃で4時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて析出物を濾取して、表題化合物(1.2g)を褐色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.24 (3H, s), 3.25-3.34 (2H, m), 5.04 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.63 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.74 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.19 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.41-7.64 (3H, m), 7.93 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.08 (1H, d, J = 3.2 Hz), 8.37 (3H, br s), 8.71 (1H, s), 9.21 (1H, d, J = 0.9 Hz), 10.04 (1H, s).
(ii)N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(250mg)、酢酸(0.7mL)、トリエチルアミン(1.5mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(400mg)およびN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)の混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(197mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.81 (3H, s), 2.18 (3H, s), 3.39 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.52 (2H, t, J = 6.8 Hz), 6.48 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.52-6.62 (1H, m), 7.12 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.42-7.65 (3H, m), 7.70 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.87 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.23 (1H, t, J = 6.8 Hz), 8.29 (1H, s), 8.63 (1H, s), 9.24 (1H, d, J = 0.8 Hz).
実施例38
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(350mg)、2,2−ジメチルプロパン酸 無水物(0.75mL)、トリエチルアミン(1.5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(250mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.04 (9H, s), 2.18 (3H, s), 3.37-3.48 (2H, m), 4.53 (2H, t, J = 6.5 Hz), 6.47 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.57 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.00-7.18 (1H, m), 7.43-7.60 (2H, m), 7.66-7.93 (4H, m), 8.30 (1H, s), 8.66 (1H, s), 9.24 (1H, d, J = 0.8 Hz).
融点:189−191℃
実施例39
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(150mg)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(70mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(15mL)、トリエチルアミン(0.9mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(300mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(105mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.99 (6H, s), 2.18 (3H, s), 3.32 (2H, s), 3.38-3.48 (2H, m), 4.52 (2H, t, J = 6.7 Hz), 4.83 (1H, s), 6.46 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.54-6.61 (1H, m), 7.12 (1H, d, J = 9.4 Hz), 7.42-7.61 (2H, m), 7.67-7.93 (4H, m), 8.30 (1H, s), 8.71 (1H, s), 9.24 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例40
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(300mg)、2,2−ジメチルプロパン酸 無水物(0.6mL)、トリエチルアミン(0.9mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(230mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.03 (9H, s), 3.34-3.47 (2H, m), 4.49-4.60 (2H, m), 6.50 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.69 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.40 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.49-7.64 (2H, m), 7.71 (1H, s), 7.84 (1H, br s), 7.92 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.99 (1H, dd, J = 2.4, 13.5 Hz), 8.37 (1H, s), 8.89 (1H, s), 9.26 (1H, d, J = 0.8 Hz).
実施例41
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミド メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(150mg)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(70mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)、トリエチルアミン(0.9mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(320mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた化合物をメタンスルホン酸(45mg)で処理し、実施例7と同様の操作を行い、表題化合物(75mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.97 (6H, s), 2.30 (3H, s), 3.30 (2H, s), 3.41-3.52 (2H, m), 4.56-4.69 (2H, m), 6.59-6.73 (2H, m), 7.46 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.58 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.73-8.00 (3H, m), 7.74-7.82 (1H, m), 8.05 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.74 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.8 Hz), 10.08 (1H, br s).
融点:219−221℃
実施例42
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミド メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(200mg)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(70mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)、トリエチルアミン(1.0mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(360mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた化合物をメタンスルホン酸(47mg)で処理し、実施例7と同様の操作を行い、表題化合物(95mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.96 (6H, s), 2.30 (3H, s), 3.30 (2H, s), 3.43-3.54 (2H, m), 4.55-4.73 (2H, m), 6.67 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.76 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.42-7.68 (3H, m), 7.80-8.04 (4H, m), 8.76 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 0.9 Hz), 10.14 (1H, br s).
実施例43
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール メタンスルホン酸塩の製造
2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール(200mg)を酢酸エチル(5mL)/エタノール(5mL)に溶解し、メタンスルホン酸(50mg)を加えた。析出した結晶を濾取し、表題化合物(220mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.22 (3H, s), 2.35 (3H, s), 3.89-3.95 (2H, m), 4.66 (2H, t, J = 4.3 Hz), 6.59 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.68 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.19 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.47-7.61 (3H, m), 7.89 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.96 (1H, d, J = 3.2 Hz), 8.69 (1H, s), 9.19 (1H, d, J = 0.9 Hz), 10.78 (1H, br s).
実施例44
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メトキシフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
(i)4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メトキシアニリンの製造
1−ブロモ−2−メトキシ−4−ニトロベンゼン(2.2g)と1,2−ベンゾイソチアゾール−4−オール(1.5g)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液に炭酸カリウム(1.5g)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→0:100)により分離精製し、粗結晶(720mg)を得た。得られた粗結晶(300mg)をエタノール(20mL)に溶解し、還元鉄(1.5g)および1N塩酸(1.0mL)を加えて80℃で加熱還流下、1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加え、反応液をセライト濾過し、得られた濾液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=49:1→1:1)により分離精製し、表題化合物(270mg)を淡紫色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.62 (3H, s), 5.17 (2H, s), 6.20 (1H, dd, J = 2.5, 8.3 Hz), 6.38-6.46 (2H, m), 6.88 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.43 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.75 (1H, d, J = 8.3 Hz), 9.17 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(ii)2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メトキシフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールの製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(110mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メトキシアニリン(100mg)およびイソプロピルアルコール(7mL)の混合物を80℃で終夜攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、酢酸エチル:ヘキサン=50:50→100:0→メタノール:酢酸エチル=15:85)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物にメタノール(5mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)を加えて室温で終夜攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(56mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.74 (3H, s), 3.90 (2H, t, J = 4.6 Hz), 4.54 (2H, t, J = 4.6 Hz), 6.32 (1H, br s), 6.47-6.54 (2H, m), 7.16-7.34 (2H, m), 7.47 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.60 (1H, d, J = 2.3 Hz), 7.65 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.82 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.32 (1H, s), 9.23 (1H, d, J = 0.8 Hz), 9.80 (1H, br s).
実施例45
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール p−トルエンスルホン酸塩の製造
(i)4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモアニリンの製造
2−ブロモ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(1.8g)と1,2−ベンゾイソチアゾール−4−オール(1.4g)のN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)溶液に炭酸カリウム(1.7g)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→0:100)により分離精製し、粗結晶(880mg)を得た。得られた粗結晶(500mg)をエタノール(30mL)に溶解し、還元鉄(2.0g)および1N塩酸(2.0mL)を加えて80℃で加熱還流下、1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム水溶液(8mL)を加え、反応液をセライト濾過し、得られた濾液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→50:50)により分離精製し、表題化合物(320mg)を淡紫色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 5.43 (2H, s), 6.44 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.65 (1H, dd, J = 2.6, 8.7 Hz), 6.93 (1H, d, J = 2.6 Hz), 7.07 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.47 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.83 (1H, d, J = 8.0 Hz), 9.20 (1H, d, J = 0.9 Hz).
(ii)2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール p−トルエンスルホン酸塩の製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(94mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモアニリン(100mg)およびイソプロピルアルコール(10mL)の混合物を80℃で4時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、酢酸エチル:ヘキサン=50:50→100:0→メタノール:酢酸エチル=15:85)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物にエタノール(5mL)および8N水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)を加えて室温で3時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、p−トルエンスルホン酸 一水和物(8mg)を加え、析出した結晶を濾取し、表題化合物(20mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.28 (3H, s), 3.86-4.00 (2H, m), 4.55-4.70 (2H, m), 6.37 (1H, s), 6.49-6.65 (3H, m), 7.04-7.14 (2H, m), 7.38-7.60 (4H, m), 7.66-7.77 (1H, m), 7.84-7.99 (2H, m), 8.13 (1H, s), 8.61 (1H, br s), 9.23 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例46
Figure 2009113560

1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−tert−ブチル尿素 メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、2−イソシアナト−2−メチルプロパン(0.4mL)、トリエチルアミン(0.9mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)の混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、メタンスルホン酸(25mg)を加え、析出した粉末を濾取し、表題化合物(76mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.21 (9H, s), 2.30 (3H, s), 3.33-3.45 (2H, m), 4.44-4.62 (2H, m), 6.17 (1H, s), 6.24-6.34 (1H, m), 6.64 (2H, m), 7.44 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.52-7.63 (1H, m), 7.80-7.87 (1H, m), 7.96 (2H, s), 8.06 (1H, s), 8.73 (1H, s), 9.22 (1H, s), 10.69 (1H, br s).
実施例47
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミド メタンスルホン酸塩の製造
N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミド(100mg)を酢酸エチル(5mL)/エタノール(4mL)に溶解し、メタンスルホン酸(45mg)を加えた。析出した粉末を濾取し、表題化合物(41mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.94-1.07 (9H, m), 2.29 (3H, s), 3.47 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.56-4.76 (2H, m), 6.55 (1H, s), 6.62-6.83 (2H, m), 7.11 (2H, d, J = 7.7 Hz), 7.41-7.67 (2H, m), 7.80-8.06 (2H, m), 8.78 (1H, s), 9.25 (1H, s), 10.14 (1H, s).
実施例48
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
(i)5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩の製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(343mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモアニリン(370mg)およびイソプロピルアルコール(10mL)の混合物を80℃で3時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物に4N塩酸/酢酸エチル(4mL)、エタノール(4mL)を加えて、80℃で4時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて析出物を濾取して、表題化合物(410mg)を褐色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.27-3.39 (2H, m), 4.96-5.12 (2H, m), 6.54 (1H, d, J = 7.7 Hz), 6.74-6.79 (1H, m), 7.01 (1H, s), 7.42-8.16 (6H, m), 8.30 (3H, br s), 8.78 (1H, s), 9.18 (1H, d, J = 0.8 Hz).
(ii)N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(49mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(0.9mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(240mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(32mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.99 (6H, s), 2.09 (2H, s), 3.40-3.46 (2H, m), 4.39-4.59 (2H, m), 4.78-4.89 (1H, m), 6.46-6.64 (2H, m), 7.37 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.49-7.66 (2H, m), 7.80-8.07 (3H, m), 8.28 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.35 (1H, s), 8.95 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 0.8 Hz).
実施例49
Figure 2009113560

2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール p−トルエンスルホン酸塩の製造
(i)4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−フルオロアニリンの製造
1−クロロ−2,3−ジフルオロ−5−ニトロベンゼン(1.0g)と1,2−ベンゾイソチアゾール−4−オール(780mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)溶液に炭酸カリウム(1.4g)を加え、室温で12時間撹拌した。反応液に水を加え、析出した固体を濾取し、得られた固体(1.3g)をエタノール(30mL)に溶解し、還元鉄(3.0g)および1N塩酸(3.0mL)を加えて80℃で加熱還流下、1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム水溶液(8mL)を加え、反応液をセライト濾過し、得られた濾液を酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=49:1→1:1)により分離精製し、表題化合物(850mg)を淡紫色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 5.78 (2H, s), 6.48-6.67 (3H, m), 7.49 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.88 (1H, d, J = 8.0 Hz), 9.27 (1H, d, J = 0.8 Hz).
(ii)2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール p−トルエンスルホン酸塩の製造
2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル ベンゾアート(205mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−フルオロアニリン(200mg)、イソプロピルアルコール(5mL)の混合物を80℃で5時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、酢酸エチル:ヘキサン=50:50→100:0→メタノール:酢酸エチル=15:85)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物にメタノール(20mL)、8N水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)を加えて室温で5時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、p−トルエンスルホン酸 一水和物(47mg)を加え、析出した粉末を濾取し、表題化合物(45mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:2.29 (3H, s), 3.85-3.94 (2H, m), 4.50-4.59 (2H, m), 6.54 (1H, d, J=3.0 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.12 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.48-7.51 (2H, m), 7.52 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.64-7.77 (2H, m), 7.85-7.96 (2H, m), 8.39 (1H, s), 9.31 (1H, s), 10.11 (1H, br s).
実施例50
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−ブロモフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(150mg)、酢酸(45mg)、トリエチルアミン(0.9mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(300mg)およびN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(125mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.80 (3H, s), 3.34-3.44 (2H, m), 4.52 (2H, t, J = 6.9 Hz), 6.43-6.65 (2H, m), 7.37 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.54 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.65 (1H, s), 7.79-7.98 (2H, m), 8.17-8.29 (2H, m), 8.35 (1H, s), 8.82 (1H, s), 9.24 (1H, d, J = 0.8 Hz).
融点:132−135℃
実施例51
Figure 2009113560

1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−エチル尿素 メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(200mg)、イソシアナトエタン(0.7mL)、トリエチルアミン(1.5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、メタンスルホン酸(60mg)加え、析出した粉末を濾取し、表題化合物(150mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.97 (3H, t, J = 6.9 Hz), 2.31 (3H, s), 3.00 (2H, dd, J = 5.6, 6.9 Hz), 3.40-3.54 (2H, m), 4.50-4.67 (2H, m), 6.32 (1H, s), 6.46 (1H, br s), 6.60-6.75 (2H, m), 7.44 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.58 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.81 (1H, dd, J = 2.5, 8.7 Hz), 7.98 (2H, dd, J = 2.5, 5.7 Hz), 8.07 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.73 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz), 10.52 (1H, br s).
融点:204−206℃
実施例52
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドの製造
tert−ブチル [2−(4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]カルバマート(340mg)、4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロ−5−フルオロアニリン(360mg)およびイソプロピルアルコール(10mL)の混合物を80℃で3時間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物に4N塩酸/酢酸エチル(4mL)およびエタノール(4mL)を加えて、80℃で4時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて析出物を濾取し、得られた固体(150mg)と3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパン酸(80mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)、トリエチルアミン(1.2mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(320mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(80mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.01 (6H, s), 2.50 (2H, s), 3.22-3.36 (2H, m), 4.48-4.58 (2H, m), 4.89 (1H, s), 6.54 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.63 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.53 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.68 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.88-8.01 (2H, m), 8.05-8.22 (2H, m), 8.44 (1H, s), 9.18 (1H, s), 9.34 (1H, s).
融点:175−177℃
実施例53
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミド ジメタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(150mg)、N−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルアラニン(50mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(0.5mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(300mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた残渣をエタノール(4mL)に溶解し、4N塩酸/酢酸エチル(4mL)を加えて、80℃で1時間攪拌した。反応混合物に8N水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→40:60)に付し、目的画分を減圧濃縮した。得られた残渣を水およびジエチルエーテルで洗浄し、減圧下乾燥した。得られた化合物を酢酸エチルに溶解し、メタンスルホン酸(25mg)を加えて、析出した固体を濾取し、表題化合物(103mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.31 (6H, s), 2.34 (6H, s), 3.56-3.67 (2H, m), 4.71-4.86 (2H, m), 6.61-6.80 (2H, m), 7.47 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.52-7.73 (2H, m), 7.84-8.09 (5H, m), 8.36 (1H, s), 8.78 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz), 9.89 (1H, br s).
実施例54
Figure 2009113560

1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−(1−メチルエチル)尿素 メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(200mg)、2−イソシアナトプロパン(0.9mL)、トリエチルアミン(1.5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、メタンスルホン酸(60mg)を加え、析出した粉末を濾取し、表題化合物(165mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.02 (6H, d, J = 6.4 Hz), 2.31 (3H, s), 3.38-3.43 (2H, m), 3.57-3.74 (1H, m), 4.49-4.65 (2H, m), 6.22 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.28-6.36 (1H, m), 6.61-6.74 (2H, m), 7.44 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.57 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.82 (1H, dd, J = 2.5, 8.9 Hz), 7.90-8.02 (2H, m), 8.07 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.73 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.9 Hz), 10.52 (1H, br s).
融点:189−190℃
実施例55
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミド ジp−トルエンスルホン酸塩の製造
実施例53と同様の方法で調製したN−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミド(100mg)をエタノール(1mL)に溶解し、p−トルエンスルホン酸 一水和物(60mg)を加えた。酢酸エチル(2mL)を加えて、析出した粉末を濾取し、表題化合物(61mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.30 (6H, s), 2.28 (6H, s), 3.54-3.67 (2H, m), 4.65-4.78 (2H, m), 6.57-6.73 (2H, m), 7.11 (4H, d, J = 7.9 Hz), 7.34-7.51 (4H, m), 7.52-7.69 (2H, m), 7.74-8.13 (6H, m), 8.31 (1H, s), 8.74 (1H, s), 9.21 (1H, d, J = 0.9 Hz), 9.74 (1H, br s).
実施例56
Figure 2009113560

1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−メチル尿素の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(110mg)、イソシアナトメタン(200mg)、トリエチルアミン(1.5mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→20:80)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(76mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.58 (3H, d, J = 4.5 Hz), 3.31-3.40 (2H, m), 4.48 (2H, t, J = 7.4 Hz), 6.14 (1H, d, J = 4.5 Hz), 6.44 (1H, br s), 6.52 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.60 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.38 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.53 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.66 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.86-8.02 (2H, m), 8.20 (1H, d, J = 2.6 Hz), 8.35 (1H, s), 9.15 (1H, s), 9.26 (1H, d, J = 0.8 Hz).
融点:241−243℃
実施例57
Figure 2009113560

1−アミノ−N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]シクロプロパンカルボキサミド 二塩酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]シクロプロパンカルボン酸(47mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(0.9mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(220mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた残渣をメタノール(10mL)に溶解し、4N塩酸/酢酸エチル(5mL)を加えて、加熱還流下で2時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、析出した固体を濾取し、表題化合物(75mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.06-1.30 (4H, m), 3.46-3.60 (2H, m), 4.67-4.88 (2H, m), 6.61-6.74 (2H, m), 7.44 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.58 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.65-7.76 (1H, m), 7.88 (1H, s), 7.95-8.01 (2H, m), 8.09 (1H, s), 8.54 (3H, br s), 8.71 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 0.8 Hz), 9.89 (1H, br s).
実施例58
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミド ジメタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(150mg)、N−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルアラニン(100mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)、トリエチルアミン(0.9mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(320mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた残渣をエタノール(5mL)に溶解し、4N塩酸/酢酸エチル(2mL)を加えて、50℃で10時間攪拌した。反応混合物に1N水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をエタノール(2mL)に溶解し、メタンスルホン酸(23mg)の酢酸エチル溶液(5mL)を加えて、析出した固体を濾取し、表題化合物(112mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.31 (6H, s), 2.31 (6H, s), 3.55-3.65 (2H, m), 4.64-4.83 (2H, m), 6.67 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.76 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.41-7.65 (3H, m), 7.74-7.89 (2H, m), 7.94-8.07 (3H, m), 8.35 (1H, s), 8.74 (1H, s), 9.24 (1H, d, J = 0.9 Hz), 9.78 (1H, br s).
実施例59
Figure 2009113560

1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−(1−メチルエチル)尿素 メタンスルホン酸塩の製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(100mg)、2−イソシアナトプロパン(40mg)、トリエチルアミン(0.2mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)の混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、メタンスルホン酸(23mg)を加え、析出した粉末を濾取し、表題化合物(118mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.01 (6H, d, J = 6.4 Hz), 2.30 (3H, s), 3.34-3.48 (2H, m), 3.52-3.70 (1H, m), 4.59 (2H, t, J = 7.5 Hz), 6.22 (1H, d, J = 7.7 Hz), 6.33 (1H, br s), 6.68 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.73 (1H, d, J = 7.7 Hz), 7.41-7.61 (2H, m), 7.63-7.72 (1H, m), 7.90 (1H, dd, J = 2.5, 12.7 Hz), 7.98 (2H, dd, J = 2.5, 5.7 Hz), 8.74 (1H, s), 9.25 (1H, d, J = 0.9 Hz), 10.53 (1H, br s).
実施例60
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(2.0g)、N−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルアラニン(1.0g)、N,N−ジメチルホルムアミド(200mL)、トリエチルアミン(4.5mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(400mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(3.2g)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた残渣をエタノール(100mL)に溶解し、4N塩酸/酢酸エチル(50mL)を加えて、70℃で10時間攪拌した。反応混合物に1N水酸化ナトリウム水溶液(400mL)を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(1.3g)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.12 (6H, s), 1.85 (2H, br s), 3.44 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.55 (2H, t, J = 6.6 Hz), 6.50 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.61 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.61 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.84-7.91 (1H, m), 7.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.12 (1H, br s), 8.22 (1H, br s), 8.35 (1H, s), 8.90 (1H, br s), 9.26 (1H, d, J = 0.8 Hz).
融点:198℃
実施例61
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−N−tert−ブチルグリシンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(200mg)、N−tert−ブチルグリシン(220mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(25mL)、トリエチルアミン(1.2mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(370mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、表題化合物(120mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.95 (9H, s), 1.99 (1H, br s), 3.01 (2H, s), 3.48 (2H, br s), 4.55 (2H, br s), 6.52 (1H, d, J = 8.9 Hz), 6.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.63 (1H, br s), 7.83 (1H, br s), 7.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.11 (2H, br s), 8.35 (1H, s), 8.82 (1H, br s), 9.25 (1H, d, J = 0.8 Hz).
融点:178−180℃
実施例62
Figure 2009113560

3−アミノ−N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−メチルブタンアミドの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(150mg)、3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブタン酸(100mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)、トリエチルアミン(1.7mL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(20mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(260mg)を用いて、実施例4(ii)と同様の反応を行い、得られた残渣をエタノール(10mL)に溶解し、4N塩酸/酢酸エチル(5mL)を加えて、70℃で10時間攪拌した。反応混合物に1N水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られる残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液、メタノール:酢酸エチル=0:100→10:90)に付し、目的画分を減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化させて、表題化合物(70mg)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.04 (6H, s), 1.81 (2H, br s), 2.12 (2H, s), 3.37-3.50 (2H, m), 4.45-4.62 (2H, m), 6.50 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.58-6.63 (1H, m), 7.38 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.53 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.66 (1H, d, J=3.0 Hz), 7.83-7.91 (1H, m), 7.90-7.96 (1H, m), 8.11 (1H, br s), 8.35 (1H, s), 8.59 (1H, br s), 8.96 (1H, br s), 9.25 (1H, d, J = 0.9 Hz).
実施例63
Figure 2009113560

N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミドの製造
(i)tert−ブチル (2−{[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アミノ}−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)カルバマートの製造
5−(2−アミノエチル)−N−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン 二塩酸塩(94g)、N−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルアラニン(56g)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(25g)のアセトニトリル(1.40L)溶液に、氷冷下、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(53g)およびトリエチルアミン(93g)を加え、室温で5時間撹拌した。反応系に水(1.0L)、酢酸エチル(1.0L)を加え、有機層を飽和食塩水(250mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1500g、溶出液、酢酸エチル:メタノール=1:0→92:8)で分離精製した。溶媒を留去後、減圧下乾燥し、表題化合物(115g)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.26 (6H, s), 1.34 (9H, s), 3.33-3.42 (2H, m), 4.49 (2H, br s), 6.48 (1H, d, J = 2.8 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.98 (1H, br s), 7.38 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.62 (1H, d, J = 3.2 Hz), 7.90-8.14 (4H, m), 8.37 (1H, s), 8.90 (1H, s), 9.26 (1H, s).
(ii)N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミドの製造
上記で得られたtert−ブチル (2−{[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アミノ}−1,1−ジメチル−2−オキソエチル)カルバマート(115g)のメタノール(600mL)溶液に、内温0℃で濃塩酸(400mL)をゆっくりと加え、室温で4時間攪拌した。氷冷下、8N NaOH水溶液(600mL)、4N NaOH水溶液(400mL)および酢酸エチル(1.0L)を加えた。有機層を飽和食塩水(250mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩基性シリカゲル800g、溶出液、酢酸エチル:メタノール=1:0→95:5)で分離精製した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチル(300mL)に懸濁し、ジイソプロピルエーテル(500mL)を加え、結晶を濾取した。得られた粗結晶(92.7g)に5%含水エタノール(930mL)を加え、加熱還流下1時間攪拌した。得られた溶液を熱時濾過し、濾液を内温60℃で攪拌した。この溶液にヘプタン(1.12L)を内温60℃に維持しつつ、滴下し、60℃で1時間攪拌、放冷後、室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、ヘプタン/エタノール=1/1の混合溶媒(150mL)で洗浄し、表題化合物(74g)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.12 (6H, s), 1.85 (2H, br s), 3.44 (2H, t, J = 6.6 Hz), 4.55 (2H, t, J = 6.6 Hz), 6.50 (1H, d, J = 3.0 Hz), 6.61 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.61 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.84-7.91 (1H, m), 7.92 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.12 (1H, br s), 8.22 (1H, br s), 8.35 (1H, s), 8.90 (1H, br s), 9.26 (1H, d, J = 0.8 Hz).
融点:198℃
製剤例1(一錠当たりの用量)
(1)実施例7で得られた化合物 10.0mg
(2)乳糖 60.0mg
(3)コーンスターチ 35.0mg
(4)ゼラチン 3.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
実施例7で得られた化合物10.0mgと乳糖60.0mgおよびコーンスターチ35.0mgの混合物を10重量%ゼラチン水溶液0.03mL(ゼラチンとして3.0mg)を用い、1mmメッシュの篩を通して顆粒化したのち、40℃で乾燥し再び濾過する。得られた顆粒をステアリン酸マグネシウム2.0mgと混合し圧縮する。得られる中心錠をしょ糖、二酸化チタン、タルクおよびアラビアゴムの懸濁液による糖衣でコーテイングを施し、ミツロウで艶出して糖衣錠を得る。
製剤例2(一錠当たりの用量)
(1)実施例7で得られた化合物 10.0mg
(2)乳糖 70.0mg
(3)コーンスターチ 50.0mg
(4)可溶化デンプン 7.0mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
実施例7で得られた化合物10.0mgとステアリン酸マグネシウム3.0mgを可溶化デンプンの水溶液0.07mL(可溶化デンプンとして7.0mg)で顆粒化後、乾燥し、乳糖70.0mgおよびコーンスターチ50.0mgを混合する。混合物を圧縮し錠剤を得る。
試験例1A ヒトHER2遺伝子のクローニングと組換えバキュロウイルスの調製
ヒトHER2遺伝子のクローニングは、MCF7細胞から調製したtotal RNAを鋳型としたRT−PCRを行って実施した。RT−PCRに使用したプライマーは、HER2遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. M11730)情報より、HER2細胞内ドメイン部分をコードする塩基配列(塩基としてGenbank Accession No. M11730における2176−3918、タンパクとしてGenbank Accession No.NP_004439の676−1255アミノ酸に相当)に、タンパクのN末にDYKDDDDペプチドタグが付加するように、当該ペプチドをコードする塩基配列および制限酵素認識配列を加えて作製した。プライマー塩基配列を以下に表す。
HER2−U:5’−AATTAAGTCGACATGGACTACAAAGACGATGACGACAAGCGACGGCAGCAGAAGATCCGGAAGTAC−3’(配列番号:1)
および
HER2−L:
5’−AATTAAGCATGCTCACACTGGCACGTCCAGACCCAGGTACTC−3’(配列番号:2)
RT反応はSuperScript First−Strand Synthesis System for RT−PCR(インビトロジェン)を、PCR反応はKOD−plusキット(TOYOBO)を用いて実施した。得られたPCR産物をアガロースゲル(1%)で電気泳動し、PCRによって増幅されたDNA断片をゲルから回収した後、制限酵素Sal IおよびSph Iで消化した。制限酵素処理したDNAをアガロースゲル(1%)で電気泳動し、得られたDNA断片を回収し、制限酵素Sal IおよびSph Iで消化したプラスミドpFASTBAC1(インビトロジェン)へライゲーションし、発現プラスミドpFB−HER2を作製した。挿入断片の塩基配列を確認したところ、HER2細胞内ドメインの塩基配列(Genbank Accession M11730における2176−3918)と一致した。さらに、BAC−TO−BAC Baculovirus Expression System(インビトロジェン)を用いて、組換えバキュロウイルスBAC−HER2を調製した。
試験例1B HER2細胞内ドメインタンパクの調製
SF−21細胞を10%ウシ胎児血清(トレース),50mg/L Gentamicin(インビトロジェン),0.1% Pluronic F−68(インビトロジェン)を含むSf−900IISFM培地(インビトロジェン)1Lに1×10 cells/mLで播種し、2L容エルレンマイヤーフラスコを用いて27℃、100rpmで振盪培養を行った。培養24時間後に組換えバキュロウイルスBAC−HER2を13.4mL添加し、さらに3日間の培養を行った。培養液を2,000rpmで5分間遠心分離し、ウイルス感染細胞を得た。感染細胞をリン酸生理緩衝液(インビトロジェン)で洗浄して同条件で遠心分離を行い、細胞を−80℃で保存した。凍結保存した細胞を氷中で融解し、Complete Protease Inhibitor(べーリンガー)を添加した緩衝液A(20% Glycerol、0.15M NaClを含む50mM トリス緩衝液(pH7.4))30mLに懸濁した後、ポリトロンホモジナイザー(キネマティカ)を用いて20,000rpm,30秒の条件で3回破砕を行った。破砕液を40,000rpm,30分間の遠心分離により清澄化し、さらに0.45μmフィルターを用いた濾過を行った。濾液をAnti−FLAG M2 Affinity Gel(シグマアルドリッチ社)4mLを詰めたカラムに流速約0.5mL/minで通した。カラムを緩衝液Aで洗浄した後、100μg/mLのFLAGペプチドを含む緩衝液Aで溶出した。溶出液を分画分子量30Kのビバスピン20(ビバサイエンス)で濃縮した。この濃縮液を緩衝液Aで平衡化したHi−Load 16/60 Superdex 200 pg(GEヘルスケアバイオサイエンス)によりゲル濾過精製を行った。HER2細胞内ドメインを含むフラクションを集め、−80℃で凍結保存した。
試験例1C HER2キナーゼ阻害活性の測定
HER2キナーゼ反応は96穴プレートを使用して実施した。キナーゼ反応用緩衝液として50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM MnCl、2mMジチオスレイトール(Dithiothreitol)、0.01% Tween−20の組成の緩衝液を使用した。本発明の化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した後、キナーゼ反応時にDMSO濃度が0.1%となるようにキナーゼ反応用緩衝液で希釈した。この化合物溶液10μLに、試験例1Bで得られたHER2細胞内ドメイン0.625μg/mLとポリペプチド基質poly−Glu:Tyr(4:1)(シグマ)12.5μg/mLを含むキナーゼ反応用緩衝液20μLを添加し混合した後、5分間、室温で静置した。次に、125μM ATP、45μCi/mL[γ−32P]ATPを含むキナーゼ反応用緩衝液を20μL添加し、最終反応液量50μLでキナーゼ反応を開始した。室温で10分間のキナーゼ反応を行った後に、20%TCA溶液を50μL添加してキナーゼ反応を停止させた。この反応終了液を室温で30分間放置した後、セルハーベスター(パーキンエルマー)を用いて、96穴のGF/C フィルタープレート(パーキンエルマー)に反応終了液内の酸不溶画分を集め、その後、酸不溶画分を含むフィルターを3%リン酸溶液で洗浄した。洗浄後のフィルタープレートを45℃で60分間乾燥した後、マイクロシンチ0(パーキンエルマー)を25μL添加し、トップカウント(パーキンエルマー)を用いて放射活性を測定した。試験化合物のHER2キナーゼに対する阻害率(%)は以下の式で計算した。
阻害率(%)=(1−(試験化合物のカウント−ブランク)÷(対照−ブランク))×100
ここで、化合物を添加せずに反応させた溶液のカウントを「対照」とし、化合物とHER2細胞内ドメインを添加しなかった溶液のカウントを「ブランク」とした。化合物の阻害率の結果を表1に表す。
これより、本発明の化合物は、HER2キナーゼの活性を強く阻害することが示された。
Figure 2009113560
試験例2A ヒトEGFR遺伝子のクローニングと組換えバキュロウイルスの調製
ヒトEGFR遺伝子のクローニングは、A431細胞から調製したtotal RNAを鋳型としたRT−PCRを行って実施した。RT−PCRに使用したプライマーは、EGFR遺伝子の塩基配列(Genbank Accession No. X00588)情報より、EGFR細胞内ドメイン部分をコードする塩基配列(塩基としてGenbank Accession No. X00588における2191−3819、タンパクとしてGenbank Accession No.NP_005219の669−1210アミノ酸に相当)に、タンパクのN末にDYKDDDDペプチドタグが付加するように、当該ペプチドをコードする塩基配列および制限酵素認識配列を加えて作製した。プライマー塩基配列を以下に表す。
EGFR−U:5’−AATTAAGTCGACATGGACTACAAAGACGATGACGACCGAAGGCGCCACATCGTTCGGAAGCGCACG−3’(配列番号:3)
および
EGFR−L:5’−AATTAAGCATGCTCATGCTCCAATAAATTCACTGCTTTGTGG−3’(配列番号:4)
RT反応はSuperScript First−Strand Synthesis System for RT−PCR(インビトロジェン)を、PCR反応はKOD−plusキット(TOYOBO)を用いて実施した。得られたPCR産物をアガロースゲル(1%)で電気泳動し、PCRによって増幅されたDNA断片をゲルから回収した後、制限酵素Sal IおよびSph Iで消化した。制限酵素処理したDNAをアガロースゲル(1%)で電気泳動し、得られたDNA断片を回収し、制限酵素Sal IおよびSph Iで消化したプラスミドpFASTBAC1(インビトロジェン)へライゲーションし、発現プラスミドpFB−EGFRを作製した。挿入断片の塩基配列を確認したところ、EGFR細胞内ドメインの塩基配列(Genbank Accession X00588における2191−3819)と一致した。さらに、BAC−TO−BAC Baculovirus Expression System(インビトロジェン)を用いて、組換えバキュロウイルスBAC−EGFRを調製した。
試験例2B ヒトEGFR細胞内ドメインタンパクの調製
SF−21細胞を10%ウシ胎児血清(トレース),50mg/L Gentamicin(インビトロジェン),0.1% Pluronic F−68(インビトロジェン)を含むSf−900IISFM培地(インビトロジェン)1Lに1×10 cells/mLで播種し、2L容エルレンマイヤーフラスコを用いて27℃、100rpmで振盪培養を行った。培養24時間後に組換えバキュロウイルスBAC−EGFRを13.4mL添加し、さらに3日間の培養を行った。培養液を2,000rpmで5分間遠心分離し、ウイルス感染細胞を得た。感染細胞をリン酸生理緩衝液(インビトロジェン)で洗浄して同条件で遠心分離を行い、細胞を−80℃で保存した。凍結保存した細胞を氷中で融解し、Complete Protease Inhibitor(べーリンガー)を添加した緩衝液A(20% Glycerol、0.15M NaClを含む50mM トリス緩衝液(pH7.4))30mLに懸濁した後、ポリトロンホモジナイザー(キネマティカ)を用いて20,000rpm,30秒の条件で3回破砕を行った。破砕液を40,000rpm,30分間の遠心分離により清澄化し、さらに0.45μmフィルターを用いた濾過を行った。濾液をAnti−FLAG M2 Affinity Gel(シグマアルドリッチ社)4mLを詰めたカラムに流速約0.5mL/minで通した。カラムを緩衝液Aで洗浄した後、100μg/mLのFLAGペプチドを含む緩衝液Aで溶出した。溶出液を分画分子量30Kのビバスピン20(ビバサイエンス)で濃縮した。この濃縮液を緩衝液Aで平衡化したHi−Load 16/60 Superdex 200 pg(GEヘルスケアバイオサイエンス)によりゲル濾過精製を行った。EGFR細胞内ドメインを含むフラクションを集め、−80℃で凍結保存した。
試験例2C EGFRキナーゼ阻害活性の測定
EGFRキナーゼ反応は96穴プレートを使用して実施した。キナーゼ反応用緩衝液として50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM MnCl、2mMジチオスレイトール(Dithiothreitol)、0.01% Tween−20の組成の緩衝液を使用した。本発明の化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した後、キナーゼ反応時にDMSO濃度が0.1%となるようにキナーゼ反応用緩衝液で希釈した。この化合物溶液10μLに、試験例2Bで得られたEGFR細胞内ドメイン0.625μg/mLとポリペプチド基質poly−Glu:Tyr(4:1)(シグマ)12.5μg/mLを含むキナーゼ反応用緩衝液20μLを添加し混合した後、5分間、室温で静置した。次に、125μM ATP、45μCi/mL[γ−32P]ATPを含むキナーゼ反応用緩衝液を20μL添加し、最終反応液量50μLでキナーゼ反応を開始した。室温で10分間のキナーゼ反応を行った後に、20%TCA溶液を50μL添加してキナーゼ反応を停止させた。この反応終了液を室温で30分間放置した後、セルハーベスター(パーキンエルマー)を用いて、96穴のGF/C フィルタープレート(パーキンエルマー)に反応終了液内の酸不溶画分を集め、その後、酸不溶画分を含むフィルターを3%リン酸溶液で洗浄した。洗浄後のフィルタープレートを45℃で60分間乾燥した後、マイクロシンチ0(パーキンエルマー)を25μL添加し、トップカウント(パーキンエルマー)を用いて放射活性を測定した。試験化合物のEGFRキナーゼに対する阻害率(%)は以下の式で計算した。
阻害率(%)=(1−(試験化合物のカウント−ブランク)÷(対照−ブランク))×100
ここで、化合物を添加せずに反応させた溶液のカウントを「対照」とし、化合物とEGFR細胞内ドメインを添加しなかった溶液のカウントを「ブランク」とした。化合物の阻害率の結果を表2に表す。
これより、本発明の化合物は、EGFRキナーゼの活性を強く阻害することが示された。
Figure 2009113560
試験例3 in vitro での乳癌細胞BT−474増殖抑制作用
ヒト乳癌細胞BT−474の細胞懸濁液100μL(6,000細胞)を96穴マイクロプレートに播き、5%炭酸ガスインキュベーター中37℃で培養した。翌日、2倍段階希釈した各被検化合物溶液100μLを添加し、培養を5日間行った。被検化合物を含む培養液を除き、細胞を洗浄した後、50%トリクロロ酢酸溶液で固定後、色素SRB0.4%(W/V)溶液(1%酢酸に溶解)を加え細胞タンパク質を固定するとともに染色した(スケハンら、ジャーナル オブ ナショナル キャンサー インスティチュート、82巻、1107−1112頁、1990年)。1%酢酸溶液にて洗浄した後、100μLの抽出液(10mM トリス緩衝液)を加えて色素を抽出し、吸収波長550nmの吸光度を測定し、タンパク質量として細胞量を測定した。被検化合物溶液を加えていない対照群のタンパク質量を100%としたときに各処理群の残存タンパク質量の割合を求め、残存細胞量を対照の50%に抑制するのに必要な化合物濃度(IC50)値を算出した。結果を表3に表す。
Figure 2009113560
本発明によれば、ピロロ[3,2−d]ピリミジン化合物、その製造法および用途が提供される。この縮合ピリミジン化合物は、優れたチロシンキナーゼ阻害作用を有し、安全性が高く、かつ医薬品として十分満足できる。
本出願は、日本で出願された特願2008−063363を基礎としており、その内容は本発明書にすべて包含される。

Claims (23)


  1. Figure 2009113560


    〔式中、
    環Aは、置換されていてもよいベンゼン環;
    環Bは、置換されていてもよいベンゾイソチアゾール環;
    は、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子、窒素原子もしくは酸素原子を介して結合し、置換されていてもよい基;
    は、水素原子、または炭素原子もしくは硫黄原子を介して結合し、置換されていてもよい基;
    は、水素原子または置換されていてもよい脂肪族炭化水素基;を表すか、
    あるいは、RとR、またはRとRはそれぞれ結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよく;
    あるいは、Rは環Aの炭素原子と結合して、置換されていてもよい環構造を構築してもよい;を表す。〕
    で表される化合物またはその塩。
  2. が、水素原子またはハロゲン原子である請求項1記載の化合物。
  3. が、水素原子または置換されていてもよいアルキル基である請求項1記載の化合物。
  4. が、水素原子である請求項1記載の化合物。
  5. 環Aが、(1)ハロゲン原子、(2)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよいC1−4アルキルおよび(3)C1−4アルコキシからなる群より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環である請求項1記載の化合物。
  6. 環Bが、C1−6アルキルを1個有していてもよいベンゾイソチアゾール環である請求項1記載の化合物。
  7. が、水素原子または塩素原子;
    が、
    (1)ヒドロキシ、
    (2)(1’)ハロゲン原子、(2’)アミノ、(3’)C1−6アルキルアミノ、(4’)ヒドロキシおよび(5’)C1−6アルキルスルホニルから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ、
    (3)(1’)シアノ、(2’)アミノおよび(3’)ヒドロキシから選ばれる置換基を1個有していてもよいC3−6シクロアルキル−カルボニルアミノ、
    (4)C2−6アルキニル−カルボニルアミノ、
    (5)複素環−カルボニルアミノ、
    (6)C1−6アルキル−アミノカルボニル−アミノ、
    (7)カルボキシを1個有していてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ、および
    (8)C1−6アルキルスルホニル、
    から選ばれる置換基を1個有していてもよいC1−6アルキル基;
    が、水素原子;
    環Aが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル、トリフルオロメチルおよびメトキシからなる群より選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環;
    環Bが、メチルを1個有していてもよい、4位または6位で酸素原子と結合するベンゾイソチアゾール環である請求項1記載の化合物。
  8. 2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールまたはその塩。
  9. N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]アセトアミドまたはその塩。
  10. N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]ピロリジン−3−カルボキサミドまたはその塩。
  11. N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−メチルフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2,2−ジメチルプロパンアミドまたはその塩。
  12. N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミドまたはその塩。
  13. 1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−エチル尿素またはその塩。
  14. 1−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−3−メチル尿素またはその塩。
  15. N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−2−メチルアラニンアミドまたはその塩。
  16. N−[2−(4−{[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−4−イルオキシ)−3−クロロフェニル]アミノ}−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エチル]−N−tert−ブチルグリシンアミドまたはその塩。
  17. 請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  18. 請求項1記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなる医薬。
  19. チロシンキナーゼ阻害剤である、請求項18記載の医薬。
  20. 癌の予防・治療剤である、請求項18記載の医薬。
  21. 乳癌、卵巣癌、大腸癌、小腸癌、胃癌、食道癌、前立腺癌、肺癌、膵癌または腎臓癌の予防・治療剤である請求項18記載の医薬。
  22. 哺乳動物に対して、請求項1記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする、当該哺乳動物における癌の予防・治療方法。
  23. 癌の予防・治療剤を製造するための、請求項1記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使用。
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