JPWO2009113166A1 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

高温環境下でも集電体の腐食を抑制し長寿命化を図ることができる鉛蓄電池を提供する。鉛電池20は電槽5に極板群4が収容されている。極板群4は負極板1と正極板2とがセパレータ3を介して積層されている。負極板1、正極板2は、それぞれ、活物質が保持された集電体を有している。負極板1の集電体は、鉛系合金が鋳造後圧延された鋳造圧延シートを有している。正極板2の集電体は、鉛系合金の溶湯を乾燥空気中に噴霧することで急冷凝固されたアトマイズ粒子が圧延されて固化一体化された粉末圧延シートを有している。アトマイズ粒子の表面には鉛系酸化物が皮膜状に形成されている。鉛系酸化物は、圧延時にナノオーダーの粒子状ないし薄膜状に破壊分散され、アトマイズ粒子同士の境界に固定化される。微細な鉛系酸化物が結晶成長を抑制する。

Description

本発明は鉛蓄電池に係り、特に、集電体に活物質を保持した極板を備えた鉛蓄電池に関する。
リチウム二次電池、ニッケル水素電池等の二次電池のなかでも鉛蓄電池は、低コストで信頼性が高いという特徴を有するため、自動車用や通信・電力機器等のバックアップ電源として広く使用されている。近年では、電気自動車用の主力電源としてだけでなく、ハイブリッド電気自動車や簡易ハイブリッド自動車等の起動電源や回生電流の回収用としても新たな機能が見直されている。
従来鉛蓄電池の集電体としては、鉛−アンチモン(Pb−Sb)系や鉛−錫−カルシウム(Pb−Sn−Ca)系の合金が用いられている。特に、Pb−Sn−Ca系合金では、強度の向上、自己放電の低減、保存特性の向上等を図ることができることから、メンテナンスフリータイプの鉛蓄電池用集電体として多用されている。例えば、日本国特開平5−343070号公報には、正極集電体をPb−Sn−Ca系合金組成とする技術が開示されている。
一方、鉛蓄電池では、リチウム二次電池等と比較して比重の大きい鉛電極を使用するため、エネルギー密度の点で遜色する。鉛電極を極力薄くして単位重量あたりの電極面積を広くすれば、鉛電池の軽量化、高エネルギー密度化を図ることが期待できる。すなわち、鉛蓄電池を軽量化、高エネルギー密度化するためには、集電体を薄膜化し、大面積の集電体を作製し電池を構成する必要がある。また、鉛蓄電池の更なる高出力化や高利用率化も要求されており、活物質との接触面積を増やすために集電体の薄膜化が指向されている。
ところが、鉛蓄電池においては、集電体が電池使用環境下で腐食するという不可避的な劣化モード要因をかかえている。集電体が腐食すると、集電体の断面積が減少して内部抵抗が増大する、集電体の腐食伸び(体積膨張)により活物質が剥離する、正負極間の短絡が生じて電池寿命に至る、等の現象が引き起こされる。集電体を薄膜化するほど腐食伸びが早期に生じるため、寿命低下を早め信頼性を低下させることとなる。また、上述した自動車用電源では、エンジンルーム内の機器の高密度搭載化が進められており、エンジンルーム内がこれまで以上に高温化する傾向がある。このため、鉛蓄電池を取巻く環境はさらに厳しくなり、これに伴い高温環境下での集電体の更なる耐食性及び機械的強度の向上が求められるようになっている。
このような背景から、集電体の耐食性を改善するために種々の組成のPb−Sn−Ca−X系合金(Xは、Pb、Sn、Ca以外の元素)を用い、材料強度を高めることで腐食伸びを抑制する技術が開示されている。例えば、X元素として、日本国特開2006−16678号公報にはAl(アルミニウム)を用いる技術が、日本国特開2004−349197号公報にはBa(バリウム)を用いる技術が、また、日本国特開2000−77076号公報には少なくともLi(リチウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の1種または2種以上を用いる技術がそれぞれ開示されている。
しかしながら、上述した各文献の技術では、X元素を配合することで耐食性の改善効果がみられるものの、高温環境下における長寿命化の要求に対して、充分な耐食性を得ることが難しい。換言すれば、材料強度を高めることは、腐食伸びを抑制するために有力な手段ではあるが、鉛蓄電池が高温環境下でかつ長時間使用されるような過酷な使用環境を考慮すれば、耐食性に対する対策が充分とはいえないのが現状である。
また、従来集電体に用いられる鋳造圧延されたPb−Sn−Ca系合金では、いわゆる時効硬化型合金であり、時効処理を施すことにより結晶組織の粒界にPbおよびCa、SnおよびCaの金属間化合物が生成して硬化する。このため、圧延シートの強度が向上するが、一方では組織的変化を誘起するため、結晶組織中で結晶粒の粗大化を招くこととなる。すなわち、Pb−Ca−Sn系合金では、圧延等の塑性加工で結晶粒を細かくしたとしても、従来から知られているように再結晶温度が室温付近であるため、室温以上の加熱で再結晶化して圧延組織が消失し、時間経過とともに結晶粒の粗大化が起こる。その結果、粒界に生成した金属間化合物の固溶、凝集肥大による硬度低下(過時効)と相俟って、結晶粒の粗大化による機械的強度、耐食性の低下(耐粒界腐食性)を招くこととなる。
本発明者等は、鋭意検討の結果、Pb−Sn−Ca系合金が60〜130℃の高温下に250時間以上さらされるような使用環境下では、例えば、上述したAlやSr等のX元素の添加により結晶組織の微細化や機械的強度の向上を図ったとしても、過時効、再結晶成長現象を抑制することが難しいことを見いだした。そして、高温環境下での鉛蓄電池の長寿命化を実現するためには、過時効・再結晶成長領域における結晶粒の粗大化を抑制することが根本的な解決策であるとの知見に至った。
本発明は上記事案に鑑み、高温環境下でも集電体の腐食を抑制し長寿命化を図ることができる鉛蓄電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、集電体に活物質を保持した極板を備えた鉛蓄電池において、前記集電体は鉛系合金の溶融体を噴霧することで急冷凝固させたアトマイズ粒子が加圧されて固化一体化された集合体を有しており、前記集合体は前記アトマイズ粒子の境界にナノオーダーの鉛系酸化物が粒子状ないし膜状に存在していることを特徴とする。
本発明では、アトマイズ粒子の表面に鉛系酸化物の皮膜が形成されることから、集電体を構成しアトマイズ粒子が加圧されて固化一体化された集合体では皮膜が破壊分散されることでアトマイズ粒子の境界にナノオーダーの鉛系酸化物が粒子状ないし膜状に存在している。このため、再結晶成長領域における結晶粒の粗大化が抑制され、集合体の微細な結晶組織および機械的性質が熱的に安定化し、高温環境下でも集電体の耐食性が向上し鉛蓄電池の長寿命化を図ることができる。
この場合において、鉛系酸化物が少なくとも鉛−錫複合酸化物、鉛−錫−カルシウム複合酸化物および鉛−錫−カルシウム化合物(PbSnCa)の1種でもよい。また、鉛系酸化物が、直径10nm〜200nmの粒子状ないし厚さ10nm〜200nmの膜状であり、かつ、酸素含有量を0.02重量%〜0.2重量%とすることが好ましい。アトマイズ粒子の集合体では、60℃〜130℃の雰囲気下に250時間〜2000時間保持した過時効・再結晶成長状態における引張り強さを時効最大引張り強さの85%以上とすることができる。また、アトマイズ粒子が、錫の0.8重量%〜2.0重量%、カルシウムの0.02重量%〜0.10重量%が含まれており、表面に鉛系酸化物による酸化層が形成されていてもよい。アトマイズ粒子の平均粒径を10μm〜50μmとすることができる。集合体では、アトマイズ粒子がアスペクト比3〜13の特定方向に配向した結晶粒子を構成していてもよい。このとき、集合体は、過時効・再結晶成長状態における結晶組織がアスペクト比3〜13の特定方向に配向した結晶粒子で形成されていてもよい。このような集電体を、少なくとも正極板および負極板の一方に用いることができる。また、集電体が穴あけ加工またはエキスパンド加工を施されていてもよい。
本発明によれば、アトマイズ粒子の表面に鉛系酸化物の皮膜が形成されることから、集電体を構成しアトマイズ粒子が加圧されて固化一体化された集合体では皮膜が破壊分散されることでアトマイズ粒子の境界にナノオーダーの鉛系酸化物が粒子状ないし膜状に存在しているため、再結晶成長領域における結晶粒の粗大化が抑制され、集合体の微細な結晶組織および機械的性質が熱的に安定化し、高温環境下でも集電体の耐食性が向上し鉛蓄電池の長寿命化を図ることができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した第1の実施形態の鉛電池を一部破断して示す斜視図である。 鉛電池の正極板を構成する集電体に用いられる粉末圧延シートの作製に用いる粉末圧延装置の概略を示すブロック図である。 本発明を適用した第2の実施形態の鉛電池を構成する単電池の断面図である。 集電体に用いた粉末圧延シートの光学顕微鏡写真であり、(A)はアトマイズ粒子を粉末圧延したままの状態、(B)は粉末圧延後に80℃で1700時間の時効処理を施した状態をそれぞれ示す。 従来の鋳造圧延シートの光学顕微鏡写真であり、(A)は鉛系合金を鋳造圧延したままの状態、(B)は鋳造圧延後に80℃で1700時間の時効処理を施した状態をそれぞれ示す。 実施形態の粉末圧延シートおよび従来の鋳造圧延シートの時効処理時間と引張り強さとの関係を示すグラフである。 実施形態の粉末圧延シートおよび従来の鋳造圧延シートを80℃での時効処理後に腐食試験を行った後の試験片外観を示す写真であり、(a)は時効処理560時間の粉末圧延シート、(b)は時効処理560時間の鋳造圧延シート、(c)は時効処理1210時間の粉末圧延シート、(d)は時効処理1210時間の鋳造圧延シート、(e)は時効処理1710時間の粉末圧延シート、(f)は時効処理1710時間の鋳造圧延シートをそれぞれ示す。 実施形態の粉末圧延シートおよび従来の鋳造圧延シートの時効処理時間と腐食伸び率との関係を示すグラフである。 実施形態の粉末圧延シートおよび従来の鋳造圧延シートの腐食層断面の光学顕微鏡写真であり、(A)は鋳造圧延シート、(B)は粉末圧延シートをそれぞれ示す。 実施形態の粉末圧延シートおよび従来の鋳造圧延シートを80℃で1700時間の時効処理を施した後の腐食層断面の光学顕微鏡写真であり、(A)は鋳造圧延シート、(B)は粉末圧延シートをそれぞれ示す。 実施形態の粉末圧延シートを80℃で1700時間の時効処理を施した後の結晶粒界析出物のSTEM像を示す写真およびナノプローブEDX分析結果を示すグラフである。 実施形態の粉末圧延シートを80℃で1700時間の時効処理を施した後の結晶粒界近傍のSTEM像および元素マッピング分析結果を示す写真であり、(A)はSTEM像、(B)は酸素のマッピング像、(C)は鉛のマッピング像、(D)は錫のマッピング像、(E)はカルシウムのマッピング像をそれぞれ示す。 実施例1および比較例1の鉛電池の高温環境下でのサイクル数に対する電圧変化を示すグラフである。 実施例2および比較例2の鉛電池の高温環境下でのサイクル数に対する電圧変化を示すグラフである。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明を適用した鉛電池の第1の実施の形態について説明する。本実施形態の鉛電池は、正極板および負極板が積層配置された積層型の鉛電池である。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の鉛電池(鉛蓄電池)20は、電池容器となる直方体状の電槽5を有している。電槽5には、6個の極板群4が直列接続となるように収容されている。電槽5の材質には、成形性、絶縁性および耐久性等の点で優れる、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の高分子樹脂を選択することができる。電槽5の上部は、ポリエチレン等の高分子樹脂製の上蓋9に接着ないし溶着されている。上蓋9の上面には、外部へ電力を供給するための正極端子7および負極端子8がそれぞれ立設されている。
極板群4は、矩形状の未化成負極板1の5枚と矩形状の未化成正極板2の4枚とがポリプロピレン製等のセパレータ3を介して積層されている。極板群4では、同極性の極板同士がストラップでそれぞれ連結されている。6個の極板群4は、図示しない接続部材で直列接続されている。6個の極板群4のうち、最上位側の極板群4を構成する正極板2を連結したストラップが正極端子7に接続されており、最下位側の極板群4を構成する負極板1を連結したストラップが負極端子8に接続されている。
負極板1、正極板2は、それぞれ、活物質が保持された集電体を有している。負極板1の集電体は、鉛系合金をスラブ状に鋳造後、シート状に圧延された鋳造圧延シートを有している。一方、正極板2の集電体は、鉛系合金の急冷凝固粉末(以下、アトマイズ粒子という。)を粉末圧延することでシート状に固化一体化された集合体としての粉末圧延シートを有している。負極板1、正極板2の集電体は、穴あけ(穿孔)加工またはエキスパンド加工が施されることで格子状に形成されている。このような格子状の集電体では、両面と格子骨格の間に形成された空隙とに、それぞれ正極活物質、負極活物質が保持されている。本例では、鋳造圧延シートがそのまま負極板1の集電体として用いられており、粉末圧延シートがそのまま正極板2の集電体として用いられている。
正極板2の集電体を構成する粉末圧延シートは、Sn(錫)を0.8〜2.0重量%、Ca(カルシウム)を0.02〜0.10重量%含み、残部がPb(鉛)と不可避的不純物(アトマイズ粒子の形成時に混入する不純物)で形成されており、アトマイズ粒子同士の金属結合境界で粒界が形成されている。Snを配合することで粉末圧延シートの機械的強度および耐食性を向上させる効果があるが、配合量が0.8重量%未満では強度向上が不十分となり、2.0重量%を超えると活物質との密着性が損なわれ、耐食性の低下を招く傾向がある。従って、Snの配合量を0.8〜2.0重量%の範囲とすることが好ましい。また、Caを配合することで粉末圧延シートの機械的強度を向上させることができるが、配合量が0.02重量%未満では機械的強度が不十分となり、0.10重量%を超えると硬度が高くなるために粉末圧延が難しくなる。従って、Caの配合量を0.02〜0.10重量%の範囲とすることが好ましい。
粉末圧延シートは、粉末圧延装置により次のようにして作製されたものである。図2に示すように、粉末圧延装置30は、アトマイズ粒子21を供給するための第1ホッパ23を有している。第1ホッパ23の下方にはアトマイズ粒子21を搬送するためのベルトコンベア22が配置されている。ベルトコンベア22の下流側の下方には上部に開口が形成され下部にスリット状の排出口を有する第2ホッパ24が配置されている。第2ホッパ24の下側には、水平方向に配置され互いに押圧しあう一対の圧延ローラ25が第2ホッパ24の排出口と近接して配置されている。圧延ローラ25の下流側には形成された粉末圧延シートを巻き取るための巻取機27が配置されている。
ここで、アトマイズ粒子21について説明する。アトマイズ粒子21はSnを0.8〜2.0重量%、Caを0.02〜0.10重量%含み、残部がPbおよび不可避的不純物の鉛系合金溶湯を、酸素を含む窒素等の不活性ガス雰囲気中や乾燥空気中に噴霧することにより、または、高速回転する円盤上に滴下することにより形成される。アトマイズ粒子21の形成時には、アトマイズ粒子21の表面に酸化層が皮膜状に形成されるように雰囲気ガスの酸素分圧が調整される。酸化層は、少なくともPb−Sn複合酸化物、Pb−Sn−Ca複合酸化物およびPb−Sn−Ca化合物(PbSnCa)の1種の鉛系酸化物で形成されている。この酸化層を形成する鉛系酸化物は、粉末圧延後に結晶粒界(アトマイズ粒子21の境界)に存在(介在)し、再結晶温度域における粒界移動、すなわち、再結晶成長(粗大化)を抑制するピンニング効果を発揮する。
アトマイズ粒子21の表面に生成される鉛系酸化物の酸素(O)含有量は、Sn量およびCa量により決定されるが、0.02重量%未満ではピンニング効果が小さく、0.20重量%を超えると粉末圧延性を損なうので、0.02〜0.2重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.10重量%の範囲である。また、アトマイズ粒子21の平均粒径は、10μm未満では粒子の酸化度が高くなり粉末圧延性が損なわれ、50μmを超えると結晶粒が大きくなり粒界腐食が助長されるため、10〜50μmの範囲とすることが好ましい。
図2に示すように、粉末圧延装置30では、第1ホッパ23に投入されたアトマイズ粒子21がベルトコンベア22上に排出されベルトコンベア22により下流側(矢印A方向)に搬送されることで第2ホッパ24に供給される。第2ホッパ24に供給されたアトマイズ粒子21が、下部の排出口から排出され、圧延ローラ25間に連続的に供給される。アトマイズ粒子21が圧延ローラ25間で略均等に押圧され下方に引き出されることで圧延され、帯状の粉末圧延シート(集電体)26が形成される。粉末圧延シート26の厚さは、本例では、0.8mmに設定されている。この厚さは、圧延ローラ25の押圧力を調整することで設定することができる。得られた粉末圧延シート26は、巻取機27にコイル巻きされる。正極板2の作製時には、帯状の粉末圧延シート26が引き出され所望の大きさに裁断される。
粉末圧延シート26は、アトマイズ粒子21が粉末圧延により真密度で固化一体化されている。粉末圧延シート26は、アトマイズ粒子21がアスペクト比3〜13の特定方向(圧延方向)に配向した結晶粒(結晶粒子)で形成されており、結晶組織がアトマイズ粒子21の集合体で形成される。アトマイズ粒子21の形成時にアトマイズ粒子21の表面に形成された酸化層は、圧延ロール25での粉末圧延時にナノオーダーサイズの粒子状ないし薄膜状に破壊分散され、アトマイズ粒子21同士の金属結合境界(結晶粒界)に固定化される。換言すれば、ナノオーダーサイズの粒子状ないし薄膜状の鉛系酸化物がアトマイズ粒子21の境界に存在している。この固定化された粒子状ないし薄膜状の微細な鉛系酸化物は、熱的安定性が高く、過時効(overageing)・再結晶成長領域のいわゆる高温環境下においても固溶拡散、肥大化する等の組成的、形状的な変化をせず、ナノオーダーサイズが保持されるので、結晶成長抑制のピンニング効果を向上させることができる。また、粉末圧延シート26は、60〜130℃の雰囲気下に250〜2000時間保持した過時効・再結晶成長状態における引張り強さが時効最大引張り強さ(時効処理における引張り強さを時系で測定したときの最大値)の85%以上を示す。なお、高温下で保持し続けることを時効処理と称し、時効処理の時間が250〜2000時間のときに粉末圧延シート26(鋳造圧延シートも同じ。)が過時効状態、すなわち、再結晶成長状態となる。
粉末圧延シート26には、矩形状に裁断後、穴あけ加工またはエキスパンド加工が施される。穴あけ加工では、穿孔用工具を使用し、粉末圧延シート26に穿孔を形成する。また、エキスパンド加工では、カッタ等の刃物を使用し、粉末圧延シート26に切開部を形成した後、両端を略均等に引っ張る。穴あけ加工またはエキスパンド加工が施されることで、粉末圧延シート26は、格子状を呈し打ち抜き(パンチング)格子またはエキスパンド格子を形成する。なお、負極板1の集電体に用いる鋳造圧延シートについても、同様にして穴あけ加工またはエキスパンド加工が施される。
粉末圧延シート26、鋳造圧延シートには、正極活物質ペースト、負極活物質ペーストがそれぞれ塗布され正極板2、負極板1が形成される。正極活物質ペーストとして、本例では、次のように作製したものが使用されている。すなわち、鉛粉と、鉛粉に対して12重量%の水と、鉛粉に対して13重量%の希硫酸(比重1.26、20℃)とを混練することで作製される。粉末圧延シート26の両面に正極活物質ペーストを塗布すると共に、格子骨格間に形成された空隙に充填してから、温度50℃、湿度95%中に18時間放置して熟成した後に、温度110℃で2時間放置して乾燥させ未化成の正極板2が作製される。なお、本例では、正極活物質ペーストの充填(塗布)量が60gに設定されている。
一方、負極活物質ペーストとしては、本例では、次のように作製されたものが使用されている。すなわち、鉛粉に対して、0.3重量%のリグニンと0.2重量%の硫酸バリウムまたは硫酸ストロンチウム、および、カーボン粉末を0.1重量%加えて混練機で約10分間混練した混合物を準備する。この混合物に、鉛粉に対して12重量%の水を鉛粉に加えて混合し、さらに鉛粉に対して13重量%の希硫酸(比重1.26、20℃)を加えて混練することで作製される。鋳造圧延シートの両面に負極活物質ペーストを塗布すると共に、格子骨格間に形成された空隙に充填してから、温度50℃、湿度95%中に18時間放置して熟成した後に、温度110℃で2時間放置して乾燥させ未化成の負極板1が作製される。なお、本例では、負極活物質ペーストの充填(塗布)量が50gに設定されている。
(電池組立)
極板群4を電槽5に収容した後、化成することで鉛電池20を完成させる。未化成の負極板1の5枚と正極板2の4枚とをセパレータ3を介して積層し、同極性の極板同士をストラップでそれぞれ連結して極板群4を作製する。極板群4の6個を電槽5内に収容し6直列に接続してから、電槽5内に比重1.05(20℃)の希硫酸電解液を注液して未化成電池を作製する。この未化成電池を9Aで20時間化成した後に希硫酸電解液を排出し、再び比重1.28(20℃)の希硫酸電解液6を注液する。正極端子7および負極端子8をそれぞれ溶接し、電槽5を上蓋9で密閉して鉛電池20を完成させた。各極板群4の電圧(セル電圧)は2.0Vに設定されており、極板群4を6直列に接続した鉛電池20では平均放電電圧が12V、容量が28Ahである。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した鉛電池の第2の実施の形態について説明する。本実施形態の鉛電池は、正極板および負極板が捲回配置された捲回型の鉛電池である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同じ部材、同じ物質については同じ符号を付して説明を省略し、異なる箇所のみ説明する。
(構成)
本実施形態の鉛電池は、6個の単電池40を有している。単電池40は、図3に示すように、電池容器となる電槽35を有している。電槽35の上部には、隣り合う単電池40同士を接続するために開口が形成されている。電槽35には、帯状の負極板31と帯状の正極板32とがセパレータ33を介して断面渦巻き状に捲回された捲回群34が収容されている。セパレータ33には、ガラス繊維製の帯状シートが用いられている。負極板31、正極板32の長手方向一側の側縁には集電用の集電タブがそれぞれ形成されている。負極板31および正極板32の集電タブは、COS(cast on strap)法により正極ストラップ12aおよび負極ストラップ12bにそれぞれ溶接されている。
正極板32は、集電体として、粉末圧延シート26を有している。一方、負極板31は、集電体として、鋳造圧延シートを有している。粉末圧延シート26、鋳造圧延シートでは、両面と格子骨格の間に形成された空隙とに、それぞれ正極活物質、負極活物質が保持されている。粉末圧延シート26は、粉末圧延装置30により作製されたものであり、本例では、厚さが0.2mmに設定されている。なお、鋳造圧延シートの厚さも0.2mmに設定されている。
鉛電池では、単電池40が、例えば、2×3列に配置されている。隣り合う単電池40同士が正極ストラップ12a、負極ストラップ12bで直列接続されている。最上位側の単電池40の正極ストラップ12aが正極外部端子に接続されており、最下位側の単電池40の負極ストラップ12bが負極外部端子に接続されている。6個の単電池40は、全体を覆う上蓋で密閉されている。
(電池組立)
粉末圧延シート26、鋳造圧延シートに正極活物質ペースト、負極活物質ペーストをそれぞれ塗布、充填して未化成の正極板32、負極板31を作製する。未化成の正極板32、負極板31をセパレータ33を介して捲回して捲回群34を作製する。正極板32、負極板31の集電タブをそれぞれ正極ストラップ12a、負極ストラップ12bに接続し、捲回群34を電槽35内に収容する。電槽35内に比重1.26の希硫酸を注液し、電槽化成を行い、単電池40を得た。単電池40を正極ストラップ12a、負極ストラップ12bで6直列に接続し、上蓋で密閉して鉛電池を完成させた。各単電池40の電圧は2.0Vに設定されており、単電池40を6直列に接続した鉛電池では平均放電電圧が12V、設計容量が15Ahである。
(集電体の特性評価)
次に、正極板2、正極板32を構成する集電体の粉末圧延シート26の特性を評価した。粉末圧延シート26は、Snを0.8〜2.0重量%、Caを0.02〜0.10重量%含み、残部がPbおよび不可避的不純物のアトマイズ粒子21の集合体である。アトマイズ粒子21は、酸素を0.02〜0.2重量%含む鉛系酸化物の酸化層が表面に形成さており、平均粒径が20〜25μmに設定されている。このPb−Sn−Ca系合金のアトマイズ粒子21が粉末圧延装置30で厚さ0.9mmに冷間圧延され、更に、厚さ0.2mmに仕上げ圧延されている。また、比較用として、負極板1、負極板31に用いた鋳造圧延シートを用いた。鋳造圧延シートは、粉末圧延シート26と同じ組成範囲のPb−Sn−Ca系合金を溶製、6mm厚金型鋳造後、厚さ0.2mmに仕上げ圧延されたものである。粉末圧延シート26および鋳造圧延シートについて、時効処理、組織解析、引張り試験および腐食試験を実施し、比較検討を行った。
[時効組織解析]
粉末圧延シート26および鋳造圧延シートに60〜130℃の高温下で250時間以上保持する時効処理を施し、結晶組織を解析した。図4は、代表例として、Pb−1.6重量%Sn−0.04重量%Caのアトマイズ粒子21で形成した粉末圧延シート26の断面の光学顕微鏡写真を示しており、図4(A)は圧延したままの状態、図4(B)は80℃で1700時間の時効処理後の状態を示している。また、図5は、比較として、Pb−1.5重量%Sn−0.06重量%Caの鉛系合金で形成した従来の鋳造圧延シートの断面の光学顕微鏡写真を示しており、図5(A)は粉末圧延したままの状態、図5(B)は80℃で1700時間の時効処理後の状態を示している。図4(A)に示すように、粉末圧延シート26では、原料のアトマイズ粒子21が粉末圧延によって固化一体化され、アスペクト比3〜13の結晶粒が圧延方向に配向した微細な結晶組織(圧延組織)を呈しており、結晶粒の大きさがアトマイズ粒子21の粒径に対応している。また、図4(B)に示すように、粉末圧延シート26に80℃で1700時間保持する時効処理を施しても、粉末圧延したままの状態と同様に、結晶粒が圧延方向に配向した微細な結晶組織が維持されている。すなわち、粉末圧延シート26では、再結晶温度が室温以下のPb−Sn−Ca系合金を再結晶成長温度以上の高温に長時間、換言すれば60〜130℃の雰囲気下に250時間〜2000時間保時した過時効・再結晶成長状態にさらされても再結晶による結晶組織の消失や結晶粒の成長粗大化が抑制され、結晶組織の熱的安定性を向上させることができることが判る。これに対して、比較用の鋳造圧延シートでは、図5(B)から明らかなように、80℃で1700時間保持する時効処理により、再結晶粗大化が生じ、圧延時の結晶組織が消失して等方的な結晶組織となる。なお、組成、温度および加熱時間を種々変えた時効処理条件においても、同様の現象となることを確認している。
[強度評価]
図6は、時効処理の処理時間に対する引張り強さの変化の一例を示すグラフである。粉末圧延シート26、鋳造圧延シートともに、圧延方向に平行に試験片を採取して、80℃で250時間〜2000時間保時する時効処理(過時効・再結晶成長状態)を施し、引張り試験(室温)に供した。粉末圧延シート26の組成をPb−1.6重量%Sn−0.04重量%Caとし、鋳造圧延シートの組成をPb−1.5重量%Sn−0.06重量%Caとした。鋳造圧延シートでは、過時効により保持時間経過と共に引張り強さが低下しており、1700時間では圧延したままの状態での引張り強さの約60%まで低下している。これに対して、粉末圧延シート26では、1700時間の時効処理でも引張り強さが約3%の低下に過ぎず、鋳造圧延シートより高強度を保持している。このことから、粉末圧延シート26は、強度に対する熱的安定性に非常に優れており、実際の鉛電池の集電体に使用した場合において、集電体の活物質保持や腐食変形抑制に対して有効であると考えられる。
このように、粉末圧延シート26が従来の鋳造圧延シートより高い熱的安定性を発現する理由は、図4および図5に示した結晶組織の熱的安定性から説明することができる。すなわち、従来の鋳造圧延シートでは圧延後の再結晶による結晶組織の消失や結晶粒粗大化による粒界すべりの助長が強度低下を招く。これに対して、粉末圧延シート26では、過時効・再結晶成長状態にさらされても微細な結晶粒で構成される結晶組織が維持され、粒界強化が損なわれないためであると考えられる。
下表1は、鉛系合金の組成を変えて作製した粉末圧延シート26および比較用の鋳造圧延シートの過時効強度保持率を示す。ここで、過時効強度保持率は、各時効処理温度における時効最大引張り強さに対する250時間〜2000時間保時の過時効・再結晶成長状態で得られる引張り強さの比率(%)を表すが、表1では5段階の記号で示している。すなわち、過時効強度保持率が95%以上を◎、90〜95%を○、85〜90%を△、80〜85%を×、そして、80%以下を××で示している。過時効強度保持率が小さいほど過時効・再結晶成長により引張り強さが低下することを意味し、再結晶粗大化が進行したことを意味する。表1に示すように、鋳造圧延シートでは過時効強度保持率が85%以下(×または××)を示したのに対して、粉末圧延シート26では評価した組成範囲において、過時効・再結晶成長領域である高温に長時間さらされても、85%以上(△、○、◎)の強度が保持されており、熱的安定性が著しく高まることが明らかとなった。
[耐食性評価]
次に、腐食試験を行い耐食性を評価した。粉末圧延シート26および鋳造圧延シートから10mm×145mm×0.2mm(厚さ)の試験片を採取して、75℃、比重1.28(20℃)の硫酸電解液中において10mA/cmで6時間充電、6時間放置のサイクル試験を連続7〜10日間行った。各試験片に、上述した強度評価と同様の時効処理を施して腐食試験に供した。腐食試験後、試験片の長さ方向(圧延方向)の腐食伸び量を測定した。また、試験片を切断研磨後に、光学顕微鏡による腐食層断面観察を行った。
図7は、80℃で560時間、1210時間および1710時間の時効処理後に連続して7日間の腐食試験を行った後の試験片外観の一例を示す写真である。各試験片の鉛系合金の組成は、粉末圧延シート26がPb−1.6重量%Sn−0.04重量%Ca、鋳造圧延シートがPb−1.5重量%Sn−0.06重量%Caである。図7(a)、(c)および(e)が粉末圧延シート26を示し、図7(b)、(d)および(f)が鋳造圧延シートを示している。図7に示すように、鋳造圧延シートでは、いずれの時間で時効処理を施しても、粉末圧延シート26と比べて腐食伸びが大きくなり、変形(うねり)も発生することが明らかとなった。
図8は、腐食試験を行った後の試験片の腐食伸び率を示すグラフである。腐食伸び率は、腐食試験前後の長さの差を試験前の長さで除した値を百分率で求めた数値である。図8に示すように、粉末圧延シート26では、鋳造圧延シートと比べて腐食伸びが小さく、とりわけ長時間の高温保持に対して腐食の抑制効果が顕著に表れることが判った。詳細な説明は省略するが、条件を変えて行った腐食試験でも同様の結果を確認しており、粉末圧延シートでは、処理温度が高くなるほど、鋳造圧延シートと比べて腐食伸びに対する抑制効果が顕著に表れることが判明した。
図9は、圧延したままの状態で連続して10日間の腐食試験を行った後の腐食層断面の光学顕微鏡写真である。図9(A)はPb−1.5重量%Sn−0.06重量%Caの鋳造圧延シートを示し、図9(B)は代表例として鉛系合金の組成がPb−1.6重量%Sn−0.04重量%Caの粉末圧延シート26を示す。また、図10は、80℃で1700時間の時効処理後に、連続して7日間の腐食試験を行った後の腐食層断面の光学顕微鏡写真である。図10(A)はPb−1.5重量%Sn−0.06重量%Caの鋳造圧延シートを示し、図10(B)は代表例として組成がPb−1.6重量%Sn−0.04重量%Caの粉末圧延シート26を示す。図中で白く見える部分が腐食されずに残存した鉛系合金であり、両側の灰色部分が腐食層である。図9、図10に示すように、鋳造圧延シートでは、時効処理の有無に関らず、粒界腐食(例えば、写真上で示す矢印部分)が生じたために不均一な腐食界面を示している。これに対して、粉末圧延シート26では、粒界腐食がほとんど認められず、略均一な全面腐食の形態を示しており、優れた耐食性を有することが明らかとなった。
鉛電池における集電体の腐食伸びでは、腐食反応および充電反応で生じる硫酸鉛、二酸化鉛生成物が集電体表面で成長することにより腐食界面に発生する応力が駆動力となり、粒界腐食形態が支配的要因となる。このため、腐食伸び現象を抑制するためには、粒界腐食対策が本質である。すなわち、粒界腐食を抑制することができれば、腐食伸びの原因となる内部応力を大きく低下させることができるためである。このことに加えて、発生応力に対する抵抗力を高める観点から、集電体自身の高強度化を図ることも非常に大きな対策手段となる。上記実施形態で示した粉末圧延シート26では、過時効・再結晶成長領域における強度保持、再結晶粗大化抑制により微細結晶圧延組織が確保されるため、腐食伸び抑制の根本的な抑制対策であるということができる。
[透過電子顕微鏡観察]
最後に、高角度散乱暗視野(HAADF)STEM(走査型透過電子顕微鏡)法を用いた結晶組織解析により、粉末圧延シート26の優れた結晶組織および機械的強度の熱的安定性の発現メカニズムを検討した結果について説明する。
図11は、80℃で1700時間の時効処理を行ったPb−1.6重量%Sn−0.04重量%Caの粉末圧延シート26のSTEM像(左上の画像)とナノプローブEDX(エネルギー分散型X線)分析結果(下側のグラフ)を示す。STEM像では、結晶粒界に沿って数10nmの粒状の析出物が観察されている。EDX分析結果では、O、Pb、Sn、Caのピークが検出されており、Pb−Ca−Sn複合酸化物であることが同定された。また、図12は、粒界近傍を元素マッピングした結果を示しており、(A)がSTEM像、(B)〜(E)がそれぞれO、Pb、Sn、Caのマッピング像を示している。図12に示すように、STEM像で同様に数10nmのO、Pb、Sn、Caを含む析出物が薄膜状に観察されている。このことから、粉末圧延シート26の優れた結晶組織および機械的強度の熱的安定性は、この微細な鉛系酸化物が微細結晶粒界に分散して存在するために発現したものであることが判った。すなわち、アトマイズ粒子21の表面に形成された酸化層の鉛系酸化物が粉末圧延により微細粉砕されて粒子状ないし膜状に結晶粒界に残存しため、そのピンニング作用により過時効・再結晶成長領域においても微細な圧延(結晶)組織が維持され、機械的強度の低下が抑制されたものと考えられる。これにより、粒界腐食が抑制されるため、腐食伸びが著しく抑制されたといえる。
(鉛電池の寿命評価)
次に、上記実施形態に従い、正極板2、正極板32の集電体に粉末圧延シート26を用いて作製した鉛電池の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の鉛電池についても併記する。
(実施例1)
実施例1では、第1実施形態で示した積層型の鉛電池20を作製した。正極板2の作製では、上述したように、組成がPb−1.6重量%Sn−0.05重量%Caのアトマイズ粉末21で形成した厚さ0.8mmの粉末圧延シートにエキスパンド加工を施した集電体26を用いた。一方、負極板1の作製では、鉛系合金で形成した厚さ0.8mmの鋳造圧延シートにエキスパンド加工を施した集電体を用いた。作製した正極板2、負極板1を用いて鉛電池20を作製した(図1参照)。
(比較例1)
比較例1では、正極板および負極板の集電体として、鉛系合金で形成した厚さ0.8mmの鋳造圧延シートにエキスパンド加工を施した集電体を用いる以外は実施例1と同様にして鉛電池を作製した。すなわち、比較例1の鉛電池は従来の鉛電池である。
(高温サイクル寿命試験)
実施例1および比較例1の鉛電池について、高温サイクル寿命試験を行い、寿命性能を評価した。高温サイクル寿命試験では、鉛電池を75℃の環境下にて、25Aで1分間放電した後、充電電圧14.8V、充電電流25Aで10分間充電するサイクルを繰り返した。480サイクル毎に272Aで30秒間放電し、30秒目の電圧が7.2Vを下回った時点で寿命と判断した。図13は、比較例1の鉛電池の寿命サイクル数を100とした相対的なサイクル数(%)に対する、30秒目の電圧の変化を示すグラフである。図13に示すように、実施例1の鉛電池では比較例1の鉛電池と比べて約2倍の高温サイクル寿命を示した。高温サイクル寿命試験後、各鉛電池の解体調査を行ったところ、比較例1の鉛電池では正極板が腐食により変形し、セパレータからはみ出したため、負極板と接触して短絡を起こしていた。一方、実施例1の鉛電池20では、正極板2の腐食による変形はわずかであり、短絡等は全く見られなかった。
(実施例2)
実施例2では、第2実施形態で示した捲回型の鉛電池を作製した。正極板32の作製では、上述したように、組成がPb−1.6重量%Sn−0.05重量%Caのアトマイズ粉末21で形成した厚さ0.2mmの粉末圧延シートにエキスパンド加工を施した集電体26を用いた。一方、負極板31の作製では、鉛系合金で形成した厚さ0.2mmの鋳造圧延シートにエキスパンド加工を施した集電体を用いた。作製した正極板32、負極板31を用いて鉛電池を作製した(図3参照)。
(比較例2)
比較例2では、正極板および負極板の集電体として、鉛系合金で形成した厚さ0.2mmの鋳造圧延シートにエキスパンド加工を施した集電体を用いる以外は実施例2と同様にして鉛電池を作製した。すなわち、比較例1の鉛電池は従来の鉛電池である。
(高温サイクル寿命試験)
実施例2および比較例2の鉛電池について、実施例1の鉛電池の評価と同様にして高温サイクル寿命試験を行い、寿命性能を評価した。図14は、比較例2の鉛電池の寿命サイクル数を100とした相対的なサイクル数(%)に対する、30秒目の電圧の変化を示すグラフである。図14に示すように、実施例2の鉛電池では比較例2の鉛電池と比べて約2倍の高温サイクル寿命を示した。高温サイクル寿命試験後、各鉛電池の解体調査を行ったところ、比較例2の鉛電池では正極板が腐食により変形し、セパレータからはみ出したため、負極板と接触して短絡を起こしていた。一方、実施例2の鉛電池では、正極板32の腐食による変形はわずかであり、短絡等は全く見られなかった。
以上説明したように、上記実施形態の鉛電池を構成する正極板2、正極板32の集電体では、アトマイズ粒子21が粉末圧延されて固化一体化された粉末圧延シート26が用いられている。アトマイズ粒子21が鉛系合金の溶湯(溶融体)を空気中に噴霧して急冷凝固させることで形成されるため、得られるアトマイズ粒子21の表面に鉛系酸化物が生成し酸化層が形成される。このアトマイズ粒子21の粉末圧延時には、表面の酸化層が破砕されることから、得られる粉末圧延シート26ではアトマイズ粒子21の境界にナノオーダーサイズの鉛系酸化物が粒子状ないし薄膜状に存在する。このため、粉末圧延シート26では、再結晶成長領域における結晶粒子の粗大化が抑制されるので、微細な結晶組織および機械的性質の熱的安定性を向上させることができる。これにより、集電体に粉末圧延シート26を用いた正極板2、正極板32を備えた鉛電池では、高温環境下でも集電体の腐食による変形が抑制される(耐食性が向上する)ので、鉛電池の寿命を向上させることができる。また、集電体が機械的性質に優れるため、活物質保持性を確保することができ、高出力化を図ることができる。
また、粉末圧延シート26では、原料となるアトマイズ粒子21が、Snを0.8〜2.0重量%、Caを0.02〜0.10重量%含み、残部がPbおよび不可避的不純物で構成される鉛系合金で形成されている。Sn量が0.8重量%未満では強度向上が不十分となり、2.0重量%を超えると活物質との密着性が損なわれ、耐食性の低下を招く傾向がある。また、Ca量が0.02重量%未満では機械的強度が不十分となり、0.10重量%を超えると硬度が高くなるために粉末圧延が難しくなる。このため、Sn量を0.8〜2.0重量%の範囲、Ca量を0.02〜0.10重量%の範囲とすることが好ましい。また、アトマイズ粒子21の表面に生成する鉛系酸化物としては、少なくともPb−Sn複合酸化物、Pb−Sn−Ca複合酸化物およびPb−Sn−Ca化合物(PbSnCa)の1種が含まれることとなる。このような鉛系酸化物がアトマイズ粒子21の境界でピンニング効果を発揮するため、上述したように、粉末圧延シート26の熱的安定性を向上させることができる。
更に、粉末圧延シート26を形成するアトマイズ粒子21では、平均粒径が10μm未満では粒子の酸化度が高くなり粉末圧延性が損なわれ、反対に50μmを超えると結晶粒が大きくなり粒界腐食が助長される。上記実施形態では、アトマイズ粒子21の平均粒径を10μm〜50μmの範囲としたので、粉末圧延性を確保し耐食性を向上させることができる。
また更に、粉末圧延シート26では、粉末圧延によりアトマイズ粒子21の境界に鉛系酸化物がナノオーダーサイズで形成される。すなわち、鉛系酸化物が、直径10nm〜200nmの粒子状ないし厚さ10nm〜200nmの膜状に形成される。鉛系酸化物の大きさが、10nmに満たないとピンニング効果が十分に発揮されず、反対に200nmを超えると高温環境下で固溶拡散、肥大化等の組成的、形状的変化を起こす可能性がある。鉛系酸化物がナノオーダーサイズで形成されることにより、熱的安定性を向上させることができる。また、鉛系酸化物の酸素含有量は、0.02〜0.2重量%の範囲となるようにSn量やCa量が調整される。酸素含有量が0.02重量%未満ではピンニング効果が小さくなり、反対に0.20重量%を超えると粉末圧延性が損なわれることとなる。
更にまた、粉末圧延シート26では、過時効・再結晶成長状態における引張り強さが時効最大引張り強さの85%以上を有している。このため、高温環境下でも十分な機械的性能が確保されるので、正極板2、正極板32を安定に維持することができ、鉛電池の長寿命化を図ることができる。
そして、粉末圧延シート26を集電体に用いることで、耐食性が大幅に向上するので、高温環境下で使用される鉛電池の長寿命化、信頼性向上が可能となる。このような鉛電池は、自動車、電力貯蔵システム、エレベータ、電動工具、無停電電源、分散型電源等の高入力特性や高出力特性が必要となる産業用電池として広範に適用することができる。
なお、上記実施形態では、粉末圧延シート26を正極板2、正極板32の集電体に用い、負極板1、負極板31では鋳造圧延シートを用いる例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。例えば、負極板1、負極板31の集電体に粉末圧延シート26を用いるようにしてもよい。通常の鉛電池の使用環境では、負極板における集電体の腐食が正極板と比べて小さいことを考慮すれば、正極板に用いることで上述した効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、粉末圧延シート26をそのまま正極板2、正極板32の集電体とする例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、鉛または鉛系合金で形成された金属シートの片面または両面に粉末圧延シート26を配置するようにして活物質を保持させるようにしてもよい。
更に、上記実施形態では、集電体に穴あけ加工またはエキスパンド加工を施す例を示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。粉末圧延シート26をそのままの平板状で集電体に用いることも可能であるが、活物質保持量を増大させることを考慮すれば、集電体を格子状に形成することが好ましい。格子状に形成する方法としては、穴あけ加工やエキスパンド加工以外の方法を用いるようにしてもよい。
また更に、上記実施形態では、極板群4、捲回群34(単電池40)を6個直列に接続することで放電電圧が12V、充電電圧が14Vの鉛電池の例を示したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、極板群4や捲回分34の数を増減することで所望の電圧を得ることができる。例えば、放電電圧が36V、充電電圧が42Vの鉛電池を作製することも可能であり、本発明は鉛電池の電圧域に限定されるものではなく、また、鉛電池の種々の特性も電圧域で変わるものではない。
本発明は高温環境下でも集電体の腐食を抑制し長寿命化を図ることができる鉛蓄電池を提供するため、鉛蓄電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。

Claims (10)

  1. 集電体に活物質を保持した極板を備えた鉛蓄電池において、前記集電体は鉛系合金の溶融体を噴霧することで急冷凝固させたアトマイズ粒子が加圧されて固化一体化された集合体を有しており、前記集合体は前記アトマイズ粒子の境界にナノオーダーの鉛系酸化物が粒子状ないし膜状に存在していることを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記鉛系酸化物は、少なくとも鉛−錫複合酸化物、鉛−錫−カルシウム複合酸化物および鉛−錫−カルシウム化合物(PbSnCa)の1種であることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記鉛系酸化物は、直径が10nm〜200nmの粒子状ないし厚さが10nm〜200nmの膜状であり、かつ、酸素含有量が0.02重量%〜0.2重量%であることを特徴とする請求項2に記載の鉛蓄電池。
  4. 前記集合体は、60℃〜130℃の雰囲気下に250時間〜2000時間保持した過時効・再結晶成長状態における引張り強さが、時効最大引張り強さの85%以上を有していることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  5. 前記アトマイズ粒子は、錫が0.8重量%〜2.0重量%、カルシウムが0.02重量%〜0.10重量%含まれており、表面に前記鉛系酸化物による酸化層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  6. 前記アトマイズ粒子は、平均粒径が10μm〜50μmであることを特徴とする請求項5に記載の鉛蓄電池。
  7. 前記集合体は、前記アトマイズ粒子がアスペクト比3〜13の特定方向に配向した結晶粒子を構成していることを特徴とする請求項4に記載の鉛蓄電池。
  8. 前記集合体は、前記過時効・再結晶成長状態における結晶組織がアスペクト比3〜13の特定方向に配向した結晶粒子で形成されていることを特徴とする請求項7に記載の鉛蓄電池。
  9. 前記集電体は、少なくとも正極板および負極板の一方に用いられていることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
  10. 前記集電体は、穴あけ加工またはエキスパンド加工を施されていることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
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