JPWO2009110470A1 - 角膜経上皮電気抵抗値の測定方法 - Google Patents

角膜経上皮電気抵抗値の測定方法 Download PDF

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Abstract

角膜の障害を定量的に測定可能であって、かつ生体眼に適用可能な角膜障害の評価方法を提供すること。電極を、角膜上および結膜上に配置することを特徴とする、角膜経上皮電気抵抗の測定方法。(1)第一の電極を角膜上に配置し、第二の電極を結膜上に配置する工程;および(2)第一の電極と第二の電極との間に電流を流し、電気抵抗を測定する工程を含む、角膜経上皮電気抵抗を測定する方法。ならびに角膜経上皮電気抵抗を測定するための装置。

Description

本発明は、角膜上皮を含む眼の各組織に対する侵襲が少ない、角膜経上皮電気抵抗値の測定方法に関する。
角膜は、厚さ約0.5mmの透明な膜であり、体表側から順に、角膜上皮細胞、ボーマン膜、角膜実質、デスメ層、角膜内皮細胞からなる5層構造を持つ。このうち角膜上皮細胞は再生能力が高いが、上皮細胞の障害が大きいと、重症な角膜潰瘍をきたしたり、不可逆的な角膜混濁を残してしまうことがある。よって、角膜上皮の障害度を定量的に測定し、早期の治療につなげることが望まれる。
これまでに行われてきた角膜の障害度を測定するための方法は目視による検査法が主であったため、角膜上皮の障害の定量は困難であり、角膜の障害度を数値化して定量する方法が求められていた。
近年、角膜のバリア機能を表す角膜経上皮電気抵抗(corneal ransepithelial lectric esistance(TER))を測定することで、角膜の障害度を定量的に測定可能であることが知られている(非特許文献1〜3参照)。TERは角膜電気抵抗値(Rc)と測定する部分の面積(a)の積で表され、TER=Rc×aとなる。角膜上皮に障害が生じると角膜のバリア機能が低下し、低い角膜TER値となる。本発明者らは当初、面積(a)の値を一定にして短絡電流法で精確なTERを求めることのできるUssing chamberに切り取った角膜を固定して実験を行っていたが、切り取った角膜では生体内と状態が異なる為、真の生体反応を反映する実験とはいえなかった。そこで本発明者らは、電極針を生体眼の角膜上皮上と前房中とに配置し、その間に電流を流して電気抵抗を測定する方法を見出した(非特許文献4参照)。この測定はUssing chamberを生体角膜で再現したものであり、測定面積(a)の値を一定にして正確なTERを求めることができた。
しかし、この方法は前房穿刺を伴う侵襲性の方法である為、ヒトへの適用は考えられず、臨床における角膜障害の診断・治療には適さないものであった。
非特許文献5には、電極を備えた角膜コンタクトレンズ(CL)を用いて生体眼で角膜抵抗値を測定する方法が記載されている。この方法は眼の各部位に対して侵襲しないため、ヒトへの適用可能性を有する。
しかしこの方法では、適切な絶縁体が設けられていないため、眼表面の涙液に起因して電流を角膜上皮に確実に通過させることができず、得られた測定値は角膜上皮の状態ではなく主に涙液の状態を反映していると考えられる。また、吸引によってCLを角膜に固定しているので、測定装置自体が角膜障害を起こす可能性がある。さらに、2007年日本眼科薬理学会において、小さい角膜びらんの存在を検出できなかったことが報告されている。これは、測定する電流が角膜上皮を完全に通過しておらず、電極が角膜障害を十分検知できていないためであると考えられる。その上この方法では電流の流れる面積(a)を考慮していないため、角膜障害を正確に評価するTERを求めることができない。このように、非特許文献5の方法の検出感度には問題がある。
また、特許文献1には角膜上皮の損傷等を検出する装置が開示されているが、これは角膜と強膜(鞏膜)との電位差の低下を損傷の指標として測定するものである。特許文献1のパラメーターである角膜電位(Vc)は角膜電気抵抗値(Rc)と角膜内皮によるイオン輸送機能(電流)(Ic)によって規定されるものであり、Vc=Rc×Icが成り立つ。さらに角膜電位(Vc)を強膜電位(Vs)と比較しており、Vc=k Vsにおけるkが角膜障害を表す指標となる。よってk=Rc×Ic/Vsで角膜障害を表現している。この測定でRcをkに反映させるためにはIcとVsの精度が高いことが求められるが、実際には角膜内皮から生じる電流Icは非常に微弱であり一定しない。強膜電位Vsも測定条件や個体によりばらつきがあるため、これと比較しても正確な角膜障害は求められない。さらに前述のように角膜障害を直接反映するTERはTER=Rc×aで表され、TERを求めるには電流の通る面積(a)が必要であるが、この測定では正確に決められていない。よってこの測定では正確な角膜障害は測定できない。
特許文献1は角膜障害が起こると電気抵抗値が下がるという電気生理学的現象をおおまかにみているとも言えるが、その測定原理と正確性は本願の技術には全く及ばない。
実公昭48−10716 Rojanasakul Y. et al.,Int.J.Pharm.,(66)131−142(1990) Rojanasakul Y. et al.,Int.J.Pharm.,(63)1−16(1990) Chetoni P. et al.,Toxicol In Vitro,(17)497−504(2003) Uematsu M. et al.,Ophthalmic Research,39,308−314,2007 福田正道ら、あたらしい眼科 24(4):521−525、2007
本発明の課題は、角膜の障害を定量的に測定可能であって、かつ生体眼に適用可能な角膜障害の評価方法を提供することである。具体的には、良好な感度で角膜TERを測定することが可能であって、かつ生体眼に適用可能な角膜経上皮電気抵抗値の測定方法を提供することである。
本発明者らは、一方の電極を角膜上に配置し、他方の電極を結膜上に配置することによって、前房中に片方の電極を挿入するこれまでの方法よりも眼に対する侵襲性が低く、しかもそれに匹敵する測定結果が得られることを見出した。本発明の技術はUssing Chamberと同様、角膜の決まった面積(a)に対して測定器(volt-ohm meter)から一定の電流(Im)を流し、角膜電位の変化(ΔVc)を測定し電気抵抗値Rcを求めるものであり、TER=Rc×a=(ΔVc/Im)×aの関係が成り立つ。ここではImとaは確実に一定であり、ΔVcは正確に測れるため、角膜障害をTERで正確に評価することができる。
さらに、本発明者らは、当該方法の実施に適した新規測定装置を作製することに成功し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
[1]電極を、角膜上および結膜上に配置することを特徴とする、角膜経上皮電気抵抗の測定方法;
[2]角膜経上皮電気抵抗を測定する方法であって、
(1)第一の電極を角膜上に配置し、第二の電極を結膜上に配置する工程、および
(2)第一の電極と第二の電極との間に電流を流し、電気抵抗を測定する工程
を含む、方法;
[3]角膜上に配置した電極の周囲が絶縁されている、上記[1]または[2]記載の方法;
[4]生体眼で実施する、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の方法;
[5]生体眼の角膜経上皮電気抵抗を測定するための装置であって、
(1)角膜上に配置するのに適した第一の電極、
(2)結膜上に配置するのに適した第二の電極、および
(3)第一の電極を絶縁する絶縁体、
を備え、かつ第一の電極と絶縁体とが一体化されている、装置;
[6]第一の電極と絶縁体とが、電導体を介して一体化されている、上記[5]記載の装置;
[7]さらに第二の電極が一体化されている、上記[5]または[6]に記載の装置、
[8]絶縁体がシリコンゴムで形成され、且つ絶縁体の角膜との接触面が角膜と同じ曲率を有している、上記[5]〜[7]のいずれか1項記載の装置、
[9]第二の電極がシート状の形態である、上記[5]〜[8]のいずれか1項記載の装置、
[10]電導体がヒアルロン酸又はアテロコラーゲンのゲルである、上記[5]〜[9]のいずれか1項記載の装置、
等を提供する。
本発明の角膜経上皮電気抵抗値の測定方法は、前房穿刺の必要がないので、ヒト角膜上皮細胞の電気抵抗値を生体眼であっても測定することができる。また、本発明の方法は、前房穿刺を用いる方法に匹敵する測定結果を得ることができる、より簡便な方法である。
本発明の角膜経上皮電気抵抗値の測定方法を利用することで、前房穿刺することなく、生体眼の角膜障害を定量的に検出することができる。これによって得られた検出データを用いて角膜障害の診断をし、早期治療に利用することができる。
本発明の角膜経上皮電気抵抗値の測定方法は、短時間で経時的な測定が可能である。また、薬物をスクリーニングするための研究(例えば、前臨床研究など)、薬物の薬効を評価するための研究、薬物の角膜毒性を評価するための研究等に有益である。
本発明の角膜経上皮電気抵抗値の測定方法は、従来不可能であった、生体角膜のバリア機能の測定を可能とする。これにより、様々な角膜疾患における角膜バリア機能について新たな有用なる知見を得ることができ、眼科学、眼科医療の発展に寄与するものである。
図1は、本発明の一実施形態を示す模式図である。角膜電極は、絶縁体の内側を満たす電導体(緩衝液)中に配置されている。結膜電極は結膜嚢に貯留した涙液に接触している。 図2は、本発明の別の実施形態を示す模式図である。圧平式眼圧測定器タイプの角膜電極(絶縁体の内側に電導体(ゲル))を用い、結膜電極を電導体(ゲル)で覆っている。 図3は、本発明のさらに別の実施形態を示す模式図である。角膜電極、電導体(ゲル)、絶縁体及び結膜電極を備えたコンタクトレンズタイプの電極を用いている。 図4は、0.02%BAC投与後のTERの測定値を示すグラフである。図中、縦軸はΩ・cmを、横軸はBAC投与後の秒を示す。 図5は、投与前のTER測定値を100%としたときの、図4と同じ結果を示す。図中、縦軸は%を、横軸はBAC投与後の秒を示す。 図6は、本発明の特に好ましいTER測定装置を示す模式図である。絶縁体の角膜接触面は角膜と同じ曲率を有し、結膜電極部はシート状の形状を有している。 図7は、図6の測定装置で測定した、正常角膜の0.02%BAC投与前後の角膜のTERの記録図を示す。TER値は、この測定装置を角膜に接触させて1秒以内に、安定した値となった。 図8は、図6の測定装置を用いて測定した、0.02%BAC投与前及び投与1分後のTER測定値を示す(n=3)。
符号の説明
1 角膜
2 結膜
3 結膜嚢にたまった涙液
4 角膜電極
5 結膜電極
6 絶縁体
7 電導体
8 電気抵抗値測定器
9 結膜電極部
本発明は、電極を角膜上および結膜上に配置することを特徴とする、角膜経上皮電気抵抗の測定方法(本発明の方法と呼ぶ)を提供する。
より具体的には、本発明の方法は、
(1)第一の電極(角膜電極ともいう)を角膜上に配置し、第二の電極(結膜電極ともいう)を結膜上に配置する工程;および
(2)第一の電極と第二の電極との間に電流を流し、電気抵抗を測定する工程
を含む。
本明細書中、「角膜経上皮電気抵抗」とは、「角膜」の「経上皮電気抵抗(ransepithelial lectric esistance:TER)」のことをいう。
TERは、上皮のバリア機能を反映していると考えられている。測定されたTERが低いほど上皮細胞の障害度が高いことが公知である。すなわち、角膜経上皮電気抵抗を測定することによって、角膜上皮のバリア機能を評価することができ、角膜上皮細胞の障害度をも評価することができる。「バリア機能」とは、上皮細胞同士が密着結合(タイトジャンクション)、固定結合(接着結合、デスモソーム等)等の上皮細胞に特有な結合を形成することで、種々の物質が上皮を透過して体の内外に移動することを制御する機能をいう。
障害のない正常な角膜では、角膜経上皮電気抵抗の値は、従来の遊離角膜片(切り取った角膜片)を用いた方法で測定すると、例えばウサギの場合、100〜700Ω・cm程度である。本発明の方法を用いると、角膜片切除に伴う角膜上皮障害が少ないため、これよりやや高いTER値が得られる。具体的には、本発明の方法で測定した場合、ウサギの角膜経上皮電気抵抗の正常値は、500〜1500Ω・cm程度である。
角膜の障害度の指標である角膜経上皮電気抵抗(corneal TER)値の低下は、角膜上皮細胞の障害(傷害ともいう)によって角膜の物質透過性が上昇したこと、即ちバリア機能が低下したことに起因すると考えられている。
角膜上皮は角膜の最も外側にあり外界に接触するため、障害を受けやすい部分である。本明細書中で、角膜の障害、角膜上皮の障害および角膜上皮細胞の障害は、互換可能に使用される用語である。角膜上皮細胞の障害とは、角膜上皮細胞間の密着結合(タイトジャンクション)、固定結合(接着結合、デスモソーム等)等の損傷を伴う各種障害のことをいい、例えば、角膜びらん、角膜潰瘍、角膜穿孔、角膜浮腫(上皮浮腫)、角膜感染症(細菌性角膜潰瘍、角膜真菌症、ウイルス性の角膜炎等)などが挙げられる。これらの角膜上皮細胞の障害は、外傷、炎症反応、紫外線、酸素不足、ドライアイ、不適切なコンタクトレンズ装用、ごみなどの異物、化学物質や薬品(例えば、点眼薬に含まれる防腐剤が挙げられる)などによって引き起こされ得る。角膜上皮細胞の障害は、眼内への微生物感染、潰瘍、視力低下などを導き得る。
角膜上皮細胞は再生が可能であるが、角膜上皮細胞の障害が大きいとその内側の細胞群(本明細書中、これらを角膜内皮細胞と総称する)にも悪影響が及ぶ。角膜内皮細胞は角膜上皮細胞に比して再生能力が低いため、角膜上皮細胞の障害は早期に治療することが好ましい。そのためには、角膜上皮細胞の障害を早期に検出することが好ましい。
なお下記の実施例では、点眼薬等において防腐剤として一般に用いられる塩化ベンザルコニウム(BAC)を使用して角膜障害を誘導しているが、本発明の方法が上記原因のいずれによって引き起こされた角膜障害の検出にも適用可能であることは明らかである。
本明細書中で使用する場合、「角膜の障害度」とは、角膜上皮の障害の程度をいい、角膜障害後のTER値の、角膜障害なしの正常値に対する%として、定量的に表現される。
本発明の角膜経上皮電気抵抗の測定方法において、測定に用いる電極は、角膜上および結膜上に配置する。
結膜は、球結膜、円蓋部結膜および瞼結膜から構成される。本発明における「結膜」とは、結膜を構成するいずれの膜をも包含する。また本明細書中、これらの結膜によって形成された空間(円蓋部結膜を中心とした結膜の袋状の構造)を、「結膜嚢」と称する。
本明細書中において、「角膜上に電極を配置する」とは、角膜上皮の外表面と直接的もしくは電導体を介して間接的に接するような位置に電極を配置することを意味する。また、「結膜上に電極を配置する」とは、球結膜、円蓋部結膜もしくは瞼結膜の外表面に接する位置か、あるいは電導体を介して前記いずれかの膜に接するように、結膜嚢内に電極を配置することをも包含する。
角膜上および結膜上に配置される電極は、少なくとも一つの正極および少なくとも一つの負極から構成されるが、いずれが正極でも負極でもよい。使用する電極の数も特に限定されず、その数は当業者であれば適宜決定することができる。
使用する電極の種類としては、本発明の目的効果を達成し得る限り特に限定されず、経上皮電気抵抗を測定する際の電極として自体公知のものなどを適宜使用することが可能である。
例えば、電極の素材としては、金、白金、銀、塩化銀、銅、ステンレス、鉄、カーボンなどが挙げられる。生体に損傷を与えにくいという観点から、好ましくは金、白金、銀、塩化銀の電極が用いられる。
使用する電極の構造としては、本発明の目的効果を達成し得、眼の組織に障害を与えない限り特に限定されず、生体に使用される自体公知の電極を適宜使用することが可能である。たとえば、上記の電極素材からなる棒状、板状、円盤状、環状などの各種形状を有する電極が挙げられるが、それらに限定されない。電極は、電導体を用いずに角膜または結膜に直接接触させてもよいが、電導体と共に用いてもよい。
電導体は電極と角膜または結膜との間隙部分に配置される。その素材としては、本発明の目的効果を達成し得、眼に対して悪影響を与えない限り特に限定されず、電導物質として自体公知のものを適宜使用することが可能である。電導体は、固体、液体、ゲルなどであり得るが、電極をよりフレキシブルに角膜および/または結膜に密着させる観点から、液体、ゲルが好ましい。この場合の電導体としては、生理食塩水、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、Hanks' Balanced Salt Solutionなど)やハイドロゲル(例えば、ヒアルロン酸、アテロコラーゲンのゲルなど)などが挙げられるがこれらに限定されない。結膜電極の場合、電導体は結膜嚢にたまった涙液で代用してもよい。また、電導体として固体状のものを用いる場合、角膜もしくは結膜にできるだけ密着するように、角膜もしくは結膜との接触面は、角膜もしくは結膜の外表面の形状に適合した形状とする(例えば、角膜電極で用いる場合、角膜との接触面を角膜と同じ曲率にする)ことが望ましい。
本発明の測定方法では、角膜上皮に電流を流すことによって角膜経上皮電気抵抗を測定するので、角膜上皮に確実に電流を流す必要がある。角膜上には通常涙液が存在するため、通常、電極を角膜上に配置するだけでは角膜上皮だけでなく涙液にも電流が分散され、正確な角膜経上皮電気抵抗値が得られない可能性がある。
従って、電極間の電流を角膜上皮に確実に通し、涙液等を介する電流の短絡を防ぐために、角膜電極(電極と角膜との間に電導体が介在する場合は該電導体)の外周に絶縁体を配置することが好ましい。絶縁体の素材としては、本発明の目的効果を達成し得、眼に悪影響を与えない限り特に限定されず、絶縁物質として自体公知のものを適宜使用することが可能であり、ニトリルゴム、ポリジメチルシロキサン(PDMS)をはじめとしたシリコンゴムなどが挙げられるが、これらに限定されない。必要に応じて複数の絶縁体を組み合わせて使用してもよい。
好ましい一実施形態においては、絶縁体は、角膜電極と一体化された形態で提供される。絶縁体と角膜電極とが「一体化」しているとは、絶縁体と角膜電極とが、絶縁体の配置と角膜電極の配置とを別々に行なうことを要しない構成を予めとっていることをいい、そのような構成としては、例えば、絶縁体と角膜電極とが直接接触して一体化した形状を有している構成、絶縁体と角膜電極との間に電導体などの他の物質が介在して全体として一体化した形状を有している構成等をいうが、これらに限定されない。
絶縁体の形状は、使用する電極や電導体などの形状に依存して異なり得るが、電極もしくは電導体から涙液等への電流の短絡を防ぐように電極もしくは電導体の外周を囲み、かつ角膜に密着する形状である限り特に限定されない。例えば、絶縁体の形状としては、リング状、筒状などが挙げられる。さらに、角膜に密着させるため、絶縁体の角膜接触面を角膜と同じ曲率にすることなども考えられる。
例えば、絶縁体としてニトリルゴムのリングを使用する場合、リングの寸法は、その直径(少なくとも内径)が角膜径を超えない範囲で適宜選択することができる。例えば、ヒトの場合、リングの内径は3〜9mm(例えば、6mm程度)が好ましい。ウサギの場合、例えば、リングの内径は3〜11mm(例えば、7mm程度)である。
角膜電極を結膜電極から絶縁するため、角膜に接触させる際、絶縁体を角膜上に密着させることが望ましい。絶縁体の密着方法としては、軽度の圧迫、陰圧による吸着、絶縁体のゲル、接着剤、眼軟膏などを用いる方法が挙げられるが、角膜及び他の眼組織に損傷または障害を与えないものが好ましい。具体的には、例えば、軽度の圧迫、絶縁体のゲル、眼軟膏が好ましく、絶縁体のゲル、眼軟膏が特に好ましい。絶縁体のゲルとしては、ワセリンなどが挙げられるがこれらに限定されない。接着剤としては、シアノアクリレート系接着剤、アクリル樹脂系接着剤などが挙げられるがこれらに限定されない。眼軟膏としては、タリビッド眼軟膏(登録商標)、フラビタン眼軟膏(登録商標)などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において電極間に流す電流は、TER値の測定が可能であってかつ上皮細胞が損傷を受けない限りにおいて特に限定されないが、好ましくは10μA〜10mAであり、より好ましくは20μA〜100μAである。電流は、直流であっても交流であってもよい。
TER値は、電流に対する電圧の変化を測定し、オームの法則(電圧=電流×抵抗)により算出した抵抗値から得ることができる。電気抵抗を測定するための測定機器としては、短絡電流装置、電圧・電気抵抗値測定器(例えば、World Precision Instruments, Inc.製のEVOM(登録商標))などが挙げられるが、これらに限定されない。
TER値はΩ・cmで表され、得られた電気抵抗の値に電流が流れる面積(a)を乗算して得た値である。この面積(a)は、角膜電極を囲む絶縁体の内側の角膜の面積である。この値を正常値と比較等することで、角膜上皮細胞の障害度を定量的に評価することができる。
本発明の方法は、侵襲が少ないため、生体眼に対して実施することが可能である。本明細書において「生体眼」とは、本発明の適用対象として下記に例示した生体動物の、取り出されていない眼をいう。生体眼は、摘出、切開等の侵襲性の操作を受けていない眼である。
本発明の方法の適用対象としては、ヒトならびに実験動物、愛玩動物、家畜などの哺乳動物(例、ウサギ、ラット、マウス、ハムスター、ネコ、イヌ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、サルなど)が挙げられる。なかでも、目薬の前臨床試験等に用いられる実験動物、角膜障害の治療が望まれる動物などへの適用が意図され得る。哺乳動物は、好ましくはヒトである。
本発明はまた、生体眼の角膜経上皮電気抵抗を測定するための装置(本発明の装置と呼ぶ)を提供し、この装置は、(1)角膜上に配置するのに適した第一の電極、(2)結膜上に配置するのに適した第二の電極、および(3)第一の電極と一体化された絶縁体を備える。この装置における各要素は上記の通りである。
第一の電極としては、上記本発明の方法において詳述した角膜電極が好ましく用いられる。また、第二の電極としては、上記本発明の方法において詳述した結膜電極が好ましく用いられる。さらに、絶縁体としては、上記本発明の方法において詳述した絶縁体が好ましく用いられる。本発明の装置は、角膜電極と絶縁体とが一体化されていることを特徴とする。ここで「一体化」とは前記と同義である。当該絶縁体と一体化した角膜電極を、以下「角膜電極部」という。角膜電極部は、電極が角膜に直接的に接するように設計されている場合には、電極と絶縁体のみからなっていてもよいし、あるいは電極と角膜を連結するための部材をさらに含んでもよい。一方、電極が角膜に直接的に接しない場合、角膜電極部は、電極を角膜に間接的に接触させるための電導体をさらに構成として含み得る。即ち、好ましい態様において、角膜電極部は、電極が電導体を介して絶縁体と一体化されている。この場合、電導体としては、角膜電極部の一体性を保持するために、固体もしくはゲル状の素材が選択され得る。使用前の形状安定性と使用時の角膜との密着性を考慮すると、ハイドロゲル(ヒアルロン酸、アテロコラーゲンのゲルなど)などの素材が特に好ましい。
角膜電極自体の形状は、角膜電極を囲む絶縁体の内側に収まるものであれば特に限定されず、経上皮電気抵抗を測定する際の電極として自体公知のものなどを適宜使用することが可能である。例えば、棒状、板状、線状などが挙げられるが、これらに限定されない。角膜電極部の形状は、角膜に密着できる形状であればよく、具体的には角膜接触面が凹である円柱、角柱等が挙げられるが、これらに限定されず、角膜電極部の形状として、例えば圧平式眼圧測定器様の形状やコンタクトレンズ様の形状も挙げられる。
角膜電極部の大きさは、絶縁体の内径が角膜径を超えない大きさであればよく、ヒトの場合、好ましくは絶縁体の内径は最大で角膜径(約12mm)までであり、好ましくは1−12mmである。
結膜電極は単独で構成されてもよいし、固体もしくはゲル状の電導体と一体化させて用いてもよい(包括的に「結膜電極部」という)。結膜電極部の大きさは、結膜電極部全体が結膜嚢に収まる大きさであってもよいが、結膜電極部の少なくとも一部が結膜や結膜嚢に貯留した涙液に接触すれば足りる。結膜電極部の全体を結膜嚢に収まる大きさとする場合、ヒトの場合、好ましくは、全体として1−10mmの範囲に収まる大きさである。形状は結膜や結膜嚢に貯留した涙液に接することの出来る形状であればよく、眼の組織に障害を与えない形状が好ましい。具体的には結膜接触面が凹である扁平体、板状、線状、シート状などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、好ましい一実施形態においては、角膜電極部と結膜電極部とが、その間で直接電流が流れないような形態で一体化される。
図1〜3は、本発明の可能な実施形態を例示する模式図(矢状断面)である。図示した実施形態は例に過ぎない。図1は、リング状の絶縁体と緩衝液を用いた角膜電極の例を示す。図2は圧平式眼圧測定器タイプの角膜電極の例を示し、図3はコンタクトレンズタイプの電極の例を示している。図3では、結膜電極がコンタクトレンズの縁部に取り付けられている。
電極をコンタクトレンズの形状にする場合、絶縁体の外側の部分を構成する素材は、コンタクトレンズに一般に用いられる任意の素材であり得、例えば、プラスティック(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネートなど)、ゴムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
図6は、本発明の特に好ましい実施形態の1例を示す模式図である。この実施形態では、角膜電極、絶縁体、電導体及び結膜電極が一体化しているため、生体眼にそのまま接触させるだけで即座にTERを測定することができ、セッティングの手間を排除できるため、被験体の負担を軽減することが可能である。
本実施形態では、絶縁体としてシリコンゴム、ニトリルゴムなどを使用することができる。シリコンゴムの例としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ビニルメチルシリコンゴムなどが挙げられるがこれらに限定されない。シリコンゴムは生体適合性が高く、柔らかいため角膜表面に傷がつきにくいので安全性が高い材料であり、また加工も容易であるため、シリコンゴムを使用することが特に好ましい。シリコンゴムを絶縁体として用いることにより、測定装置によって角膜に擦過創ができるのを防ぐことができる。
この絶縁体は、好ましくはリング状〜筒状の形状(例、内径1〜13mm(例えば3〜11mm)、厚さ0.1〜5mm(例えば1〜3mm)、高さ0.1mm〜20mm(例えば1〜10mm))であり、角膜との接触面には角膜と同じ曲率をつける。「角膜と同じ曲率」とは、絶縁体と角膜との密着が確保される限り、角膜とほぼ同じ曲率も含むことを意図しており、完全に同じ曲率でなくてもよい。また、接触面は上記厚さより厚くなっていてもよい。
角膜の曲率は、オフタルモメーター、ケラトメーター、フォトケラトスコープなどを用いて通常の方法で測定でき、絶縁体に付す曲率は、被験体の種類等に応じて適宜変更できる。例えば、ヒトの場合、曲率半径は650〜850mm(例えば790mm)である。また、ウサギの場合、曲率半径は600〜800mm(例えば750mm)である。
正確にTERを測定するには電極間の確実な絶縁が必要である。特に眼表面は涙液で覆われており、絶縁が不十分であると電流が涙液を通るため正確なTERを測定することができない。絶縁体は、絶縁体と眼表面との間に涙液層を残さないよう、軽い圧迫等により全周が確実に角膜上に触れることが好ましい。また絶縁体にはある程度(好ましくは1〜3mm)の厚みを持たせ、涙液層が残存したとしても電流が涙液層をほとんど流れないこと、即ち、涙液層を通る電気抵抗値が上皮を通る電気抵抗値を無視できるほど高くなることが望ましい。絶縁が確実に行なわれる限り、絶縁はいずれの方法によってもよい。
この絶縁体の内側に電導体ゲルを配置する(例えば、図2及び図6を参照のこと)。電導体ゲルとしては、緩衝液を含むポリエチレングリコールなどの合成高分子、ヒアルロン酸、アテロコラーゲン、ゼラチン、セルロース、アガロースなどの生物由来高分子のゲルなどが使用できる。生体適合性が高く、安全性の高い材料であり、加工が容易で、電導性の得られるヒアルロン酸又はアテロコラーゲンのゲルを使用することが好ましいが、これらの条件を充たす素材であれば上記ゲルに限定されない。角膜に密着させるため、絶縁体同様、この電導体ゲルの角膜接触面にも角膜と同じ曲率をつけることが好ましい。
角膜電極は、好ましくはこの電導体ゲルに接触するように配置されるか或いは電導体ゲルに埋め込まれ、角膜電極と絶縁体とが一体化される(角膜電極部)。その結果、角膜電極は電導体ゲルを介して角膜と間接的に接触する。用いる角膜電極は、この実施形態に適合するよう小型化されたものである。角膜電極の寸法/形状/材質等は上述の通りである。
角膜電極部を含む部分の全体としての外形は特に限定されず、使用の態様に応じて適宜変更してよく、例えば、取り扱いのしやすさ、通常の眼科診療機器(細隙灯や眼圧測定装置)への搭載等を考慮して適宜決定することができ、図6に示したようなものを例として挙げることができる。例えば、角膜電極部を含む部分の全体としての外形は、手で持って操作できるような形状(例えばペン型)などとすることができるが、これに限定されない。
上記絶縁体がそのまま全体を覆って外形を構成していてもよく、あるいは角膜電極部(この場合、電導体も合わせた部分をいう)が、上述の外形を構成する他の部材と一体化していてもよい。
また、本実施形態では、結膜電極部をシート状の形態にする。シート状とは、例えば厚さ0.001cm〜0.1cm、長さ(図6中b方向)0.5cm〜5cm、幅0.1cm〜2cm(図6中a方向)のものをいい、好ましい例は、厚さ0.01cm、長さ1cm、幅0.5cmのシートである。また、方形、円形、楕円形など任意の形状のシートが使用できるが、略長方形のシートを用いることが好ましい。結膜接触時の擦傷を防ぐため、角をとった形状としてもよい。結膜電極をシート状にすることにより、結膜嚢への挿入が容易になる。
このシートは、例えば、PET、ポリイミド、シリコンゴム、アクリルなどの材料から形成され得るが、強度があり、柔軟性が高く、成形が容易である点からPET、ポリイミドが好ましい。
結膜電極は、このシート状結膜電極部の遠位端(角膜電極部への取り付け部位の反対側)に配置することが好ましいが、結膜や結膜嚢に貯留した涙液との直接的接触又は電導体を介した間接的接触が保証される限りいずれの場所に配置してもよく、例えば、結膜電極部の遠位端から5mmまでの位置に配置することができる。結膜電極部は電導体で覆った形態としてもよく、電導体としては上述したハイドロゲルが用いられ得るが、電導性のあるゲルであればそれらに限定されない。結膜電極はシートの結膜接触側に配置することが好ましいが、電導体を用いる場合にはシートの外側(結膜接触面の反対側)に配置してもよく、電導体の内部に埋め込む事もできる。
結膜電極は測定時には結膜上、結膜嚢内または涙液内に留置されるが、その位置は角膜輪部から0.1〜15mmであり、3mmが望ましい。
結膜電極部は、本装置を結膜に接触させた際に適切に配置されるよう、眼球の形状に沿う角度をつけて、角膜電極部に取りつける。
角膜電極部及び結膜電極部は被験体の角膜や眼球の大きさによって適宜変更することができる。例えば、ヒト乳児、ヒト小児、マウス、ラット、サルなどではサイズは小さくでき、ブタ、ウシなど大型動物ではサイズを大きくすることができる。
本発明はまた、上記した本発明の方法を用いることを特徴とする、あるいは本発明の装置を構成として含む、薬物のスクリーニング系を提供する。本発明の方法および本発明の装置を用いれば、生体眼における角膜障害を定量的に測定することができるので、例えば、角膜障害を誘導したモデル動物を用いて、角膜の障害を伴う疾患(例えば、角膜びらん、角膜潰瘍、角膜穿孔、角膜浮腫(上皮浮腫)、角膜感染症(細菌性角膜潰瘍、角膜真菌症、ウイルス性の角膜炎等)など)の治療薬の候補化合物をスクリーニングすることができる。即ち、該モデル動物において、試験化合物投与の前後で生体角膜TER測定を行い、投与によりTER値が有意に改善された試験化合物を、角膜の障害を伴う疾患の治療薬の候補化合物として選択することができる。
本発明はまた、上記した本発明の方法を用いることを特徴とする、あるいは本発明の装置を構成として含む、薬物の薬効及び/又は毒性評価系を提供する。本発明の方法および本発明の装置を用いれば、生体眼における角膜障害を定量的に測定することができるので、例えば、角膜が障害された実験動物もしくは角膜の障害を伴う疾患に罹患したヒトを被験体として、角膜の障害を伴う疾患(例えば、角膜びらん、角膜潰瘍、角膜穿孔、角膜浮腫(上皮浮腫)、角膜感染症(細菌性角膜潰瘍、角膜真菌症、ウイルス性の角膜炎等)など)の治療薬の薬効を評価することができる。即ち、該被験体において、評価対象薬物の投与の前後で生体角膜TER測定を行い、該薬物の投与によりTER値が有意に改善された場合に、該薬物は角膜の障害を伴う疾患の治療に有効であると判定することができる。一方、例えば、角膜障害以外の眼の疾患に罹患している実験動物もしくはヒトを被験体として、該疾患の治療薬の角膜毒性を評価することができる。即ち、該被験体において、評価対象薬物の投与の前後で生体角膜TER測定を行い、該薬物の投与によりTER値が有意に悪化した場合に、該薬物は角膜毒性を有すると判定することができる。
本発明はまた、本発明の方法において、電導体として、あるいは絶縁体を角膜に密着させるために使用され得る、医薬上許容される物質を含有してなる、角膜の障害を伴う疾患(例えば、角膜びらん、角膜潰瘍、角膜穿孔、角膜浮腫(上皮浮腫)、角膜感染症(細菌性角膜潰瘍、角膜真菌症、ウイルス性の角膜炎等)など)の診断剤を提供する。電導体として使用され得る、医薬上許容される物質としては、例えば、生理食塩水、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、Hanks' Balanced Salt Solutionなど)やハイドロゲルなどが挙げられる。また、絶縁体を角膜に密着させるために使用され得る、医薬上許容される物質としては、例えば、絶縁体のゲル、接着剤、眼軟膏などを用いる方法が挙げられる。具体的には、絶縁体のゲルとしては、ワセリンなどが、接着剤としては、シアノアクリレート系接着剤、アクリル樹脂系接着剤などが、眼軟膏としては、タリビッド眼軟膏(登録商標)、フラビタン眼軟膏(登録商標)などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の診断剤は、防腐剤、等張化剤、pH調整剤、安定化剤等の他の医薬上許容される添加剤をさらに含有してもよい。
本発明の診断剤による角膜の障害を伴う疾患の診断は、それを電導体もしくは絶縁体を角膜に密着させるための手段として用いて、上記した本発明の方法を実施することにより、被験体における生体角膜TER測定を行い、該測定値を正常値と比較することにより実施することができる。
以下の実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら特定の実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
前房穿刺を用いた生体角膜TER測定による、BACの角膜障害の評価(前房穿刺法と呼ぶ)
上記非特許文献4に記載された方法に従って、ウサギの角膜上および前房中に電極を配置し、0.02%BACを投与した後の角膜TERを測定した。
(実施例1)
前房穿刺を必要としない生体角膜TER測定(図1)による、BACの角膜障害の評価(結膜嚢法と呼ぶ)
生体ウサギの角膜上と結膜嚢内に棒状の銀・塩化銀電極を配置し、0.02%BACを投与した。BACへの曝露による角膜TERの変化を、電圧・電気抵抗値測定器で測定した。角膜上の電極の周囲は、ゴムリング(内径6mm)を生体接着剤(三共社製、アロンアルファA)で固定することによって絶縁し、電流が必ず角膜上皮を通過するようにした。±20μAの交流電流を流し、TERの変化曲線、0.02%BAC曝露の60秒後のTERの減少およびTERの値を従来の前房穿刺を行なう測定法(比較例1)と比較した。TERの値は、測定値から予備実験で測定した前房−結膜嚢間の電気抵抗値を減じることで算出した。
比較例1および実施例1で得られた結果の比較を図4および5に示す。0.02%BACを投与したとき、結膜嚢法で得たTER減少曲線は、従来の前房穿刺法で得たTER減少曲線と類似していた。BAC投与前のTERを100%とすると、投与10秒後のTERは35.1±6.8%となり、60秒後には13.5±2.1%と有意に減少した(p<0.01)。前房穿刺法での投与60秒後のTERは19.7±5.9%であった。60秒後のTERの値は、結膜嚢法では175±14Ωcmであり、前房穿刺法では138±10Ωcmであった。
以上より、本発明の方法(結膜嚢法)により、前房穿刺法と匹敵する検出結果が得られることが明らかである。
(実施例2)
生体角膜TER測定装置の作製(図6)
角膜電極部
直径12mmの円形のカバーグラス上に直径1mmの銀電極と銀・塩化銀電極をおいた。直径10mm、内径6mmの円柱状のPDMSで角膜接触面の曲率半径を7.9mmに形成したものをカバーグラス上に接着剤で固定した。細隙灯に搭載するため、エッペンドルフチューブを後部(角膜接触面の反対側(カバーグラス側))に取り付けた。PDMSの内腔にアテロコラーゲンゲルを充満させ、その曲率半径を7.9mmに整えた。
結膜電極部
0.005×0.5×1cmのPETシート上に直径1mmの銀電極と塩化銀電極をシートの遠位端から1mmの眼球側においた。コラーゲンゲルでPETシートと銀電極と塩化銀電極を薄くコーティングした。この結膜電極部を、眼球の形状に沿う角度をつけて、角膜電極部のエッペンドルフチューブに接着剤で固定した。
TER測定
こうして作製したTER測定装置を用いて、生体ウサギの角膜TERの変化を測定した。日本白色ウサギに全身麻酔をかけ、接着テープで開瞼した。上述の装置を細隙灯の先端に設置し、細隙灯を操作することで正確に角膜中央部に角膜電極部を接着させるとともに、結膜電極部を結膜嚢及びそこに貯留する涙液に接着させる。
ウサギに0.02% BACを点眼し、投与前のTER値と比較した。結果を図7及び図8に示す。図7から、TER測定装置を角膜に接触させると直ぐにTERが測定できることがわかる。BAC投与前(図7中、「正常角膜」と示す)及び投与後共に、装置を角膜に接触させてから1秒以内に、安定したTER値を測定することができた。図8が示すとおり、BAC投与の1分後にTERは有意に減少した。これは、図4に示す結果と整合性のある値であった。
また、TER測定の前後に角膜染色試験を行なって上皮障害の有無を確認したところ、本装置を用いたTER測定では角膜障害はほとんど生じなかった(図示せず)。
本発明を好ましい態様を強調して説明してきたが、好ましい態様が変更され得ることは当業者にとって自明であろう。本発明者は、本発明が本明細書に詳細に記載された以外の方法で実施され得ることを意図する。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲の精神および範囲に包含されるすべての変更・修飾を含むものである。
本発明は、侵襲性の低い生体眼の角膜障害検出方法を提供する。本発明による検出方法は前房穿刺の必要がないので、ヒトへの適用も可能であり、角膜障害の診断やその早期治療に利用することができる。また、本発明の方法では、角膜障害後短時間での測定及び角膜障害の経時的な測定が可能であり、薬物をスクリーニングするための研究、薬物の薬効を評価するための研究、眼に対する薬物の影響を評価するための研究等に有益である。また、様々な角膜疾患における角膜バリア機能について新たな有用なる知見を得ることができ、眼科学、眼科医療の発展に寄与するものである。
本出願は、日本で出願された特願2008−052567(出願日:平成20年3月3日)を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (10)

  1. 電極を、角膜上および結膜上に配置することを特徴とする、角膜経上皮電気抵抗の測定方法。
  2. 角膜経上皮電気抵抗を測定する方法であって、
    (1)第一の電極を角膜上に配置し、第二の電極を結膜上に配置する工程;および
    (2)第一の電極と第二の電極との間に電流を流し、電気抵抗を測定する工程
    を含む、方法。
  3. 角膜上に配置した電極の周囲が絶縁されている、請求項1または2記載の方法。
  4. 生体眼で実施する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 生体眼の角膜経上皮電気抵抗を測定するための装置であって、
    (1)角膜上に配置するのに適した第一の電極、
    (2)結膜上に配置するのに適した第二の電極、および
    (3)第一の電極を絶縁する絶縁体、
    を備え、かつ第一の電極と絶縁体とが一体化されている、装置。
  6. 第一の電極と絶縁体とが、電導体を介して一体化されている、請求項5記載の装置。
  7. さらに第二の電極が一体化されている、請求項5または6に記載の装置。
  8. 絶縁体がシリコンゴムで形成され、且つ絶縁体の角膜との接触面が角膜と同じ曲率を有している、請求項5〜7のいずれか1項記載の装置。
  9. 第二の電極がシート状の形態である、請求項5〜8のいずれか1項記載の装置。
  10. 電導体がヒアルロン酸又はアテロコラーゲンのゲルである、請求項5〜9のいずれか1項記載の装置。
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