JPWO2009110391A1 - シャッター - Google Patents

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光哉 高橋
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信房 甘露寺
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    • E06B7/02Special arrangements or measures in connection with doors or windows for providing ventilation, e.g. through double windows; Arrangement of ventilation roses
    • E06B7/08Louvre doors, windows or grilles
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

互いに平行に配される複数の長尺板状の木製ルーバー4の端部を一対のスタイル1で傾動自在に支持し、ピニオンギヤ33とラック部材24により複数の木製ルーバー4の傾動を同期させ、ピニオンギヤ33に対応した間隔で複数組のラックギヤ25をラック部材24に設け、各組のラックギヤ25をピニオンギヤ33にそれぞれ噛み合わせ、歯車のピッチによらない間隔でピニオンギヤ33を配置できるようにして複数の木製ルーバー4を所定の間隔で配設する。

Description

本発明は、光、影、風、視野、音等の調節を行なうための矩形状のルーバーが傾動自在に備えられたシャッターに関する。
建物の外部から内部、そして、内部から外部への環境の影響を最も受けやすい開口である窓等において、太陽光、影、風、温度、音、視野を調節するための手段として、複数の長尺板状(矩形状)のルーバーが傾動自在に備えられた建具としてルーバーシャッター(シャッター)が知られている。この種のシャッターには、複数のルーバーの傾動機構が備えられ、傾動機構により複数のルーバーの角度を同期させて調節することで、太陽光、影、風、温度、音、視野の調節を簡単に行うことができる。
近年、天然木を利用してインテリアとしての見栄えを高めた木製のシャッターが注目されてきている。木製のシャッターは、室内の戸や間仕切り等の枠体に複数の矩形状のルーバーを設けることで建具として容易に使用することが可能であり、戸や間仕切りを構成する枠体に複数のルーバーの傾動機構が収容されている。木製の建具はアルミ製の建具に比べて剛性が劣るため、充分な強度を保った状態でルーバーの傾動機構を木製の枠体に収容する必要がある。
このため、複数のルーバーにピニオンギヤをそれぞれ設け、ラックギヤを操作することで複数のピニオンギヤを一斉に回動させる機構を用いた木製可動ルーバーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された従来の木製可動ルーバーでは、操作用のピニオンギヤを回転させることによりラックギヤを軸方向に往復移動させ、複数のルーバーに設けられたピニオンギヤを一斉に回動させて複数のルーバーの傾きを同期して調節するようになっている。
ラックギヤとピニオンギヤとの組み合わせにより傾動機構を構成することで、強度を保った状態で木製の建具として適用することが可能になる。
しかし、従来から提案されている木製可動ルーバーは、ラックギヤを往復移動させることで複数のルーバーの傾きを同期して調節しているため、ラックギヤの歯の形状や大きさによりピニオンギヤの間隔が決まってしまう。即ち、ラックギヤの歯の形状や大きさにより複数のルーバーの間隔に影響を及ぼしてしまう。つまり、ラックギヤは、平歯車を展開して直線状にしたものであるため、歯のピッチによりピニオンギヤの間隔が依存され、ラックギヤにより決まるピニオンギヤの間隔により、複数のルーバーの間隔が決定されることになる。
このため、高い精度で等間隔にピニオンギヤを配置することが困難であり、複数のルーバーを高精度に均等に配置するためには(見栄えよく配置するためには)、ルーバーとピニオンギヤとの関係の調整を行う等が必要になってしまう。また、累積制度を求め難いことから、例えば、吹き抜け窓に対応する丈のシャッターのように、長尺の木製シャッターとして適用することを考慮すると、見栄えを低下させずに適用することは非常に困難であった。つまり、遮蔽性を確保し難い問題があった。
即ち、窓等の開口部の大きさも多様で建具であるシャッターの大きさも多様になってきており、使用目的から種々の間隔のルーバーを備えたシャッターが求められている。任意の間隔のルーバーにラックギヤとピニオンギヤからなる傾動機構を適用しようとするためには、ラックギヤの歯の形状や大きさを任意に調整する等が必要で、簡単には種々の間隔のルーバーを備えたシャッターに適用できないものであった。
上述した問題は、木製に限らず、金属製やガラス製のルーバーの傾動機構として適用した場合にも同様に存在している。
特開2007−23760号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ラックギヤとピニオンギヤとの組み合わせにより複数のルーバーを同期して傾動させる機構を用いてもルーバーを所定の間隔で配置することができるシャッターを提供し、もって、ルーバーの配置数に拘わらず、即ち、シャッターの丈の長さやルーバーの幅寸法に拘わらず、高い機能性を維持した状態で見栄えの向上を図ることができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明のシャッターは、互いに平行に配される複数の長尺板状のルーバーと、前記ルーバーの端部をそれぞれ傾動自在に支持する一対の枠体と、前記ルーバーの一端側にそれぞれ取り付けられ傾動軸周りに回動中心を有し前記枠体に収容され前記ルーバーの配置に対応してそれぞれ設けられるピニオンギヤと、前記ピニオンギヤが設けられた前記枠体に分割されて収容され、前記ピニオンギヤに噛み合うラックギヤを有すると共に前記ルーバーの配設方向に移動自在なラック部材とを備えたことを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、いずれかのルーバーを傾動させることによりピニオンギヤが回転し、ラックギヤを介してラック部材が軸方向に移動し、他のラックギヤを介してピニオンギヤが回動することにより複数のルーバーが同期して一斉に傾動する。分割されて収容されたラック部材にはピニオンギヤに対応した間隔でラックギヤがそれぞれ設けられているので、歯車のピッチによらない間隔でピニオンギヤを配置することが容易になり、所定の間隔で配設した複数のルーバーに合わせてピニオンギヤを配置することができる。また、分割されたラック部材の連結状態を変更することで使用するラックギヤを調整することができ、複数のルーバーの幅に対応することができる。
この結果、ラックギヤとピニオンギヤとの組み合わせにより複数のルーバーを同期して傾動させる機構を用いてもルーバーを任意の間隔で配置することができ、ルーバーの配置数に拘わらず、即ち、シャッターの丈の長さやルーバーの幅寸法に拘わらず、高い機能性を維持した状態で見栄えの向上を図ることが可能になる。
そして、請求項2に係る本発明のシャッターは、請求項1に記載のシャッターにおいて、前記ラック部材は、前記ピニオンギヤの両側に備えられていることを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、ピニオンギヤが2つのラックギヤにより挟まれることになるため、いずれかのルーバーを操作した時に操作部位で角度を維持する抵抗力が得られ、任意の角度に傾けることが容易になる。そして、いずれかのルーバーだけに過大な負荷が働いても、ピニオンギヤとラックギヤとの噛み合いが確実に維持され、過大な負荷が働いたルーバーだけが異なる角度になることがない。このため、ルーバーの操作性が向上すると共に、見栄えの低下を確実に抑制することが可能になる。
例えば、シャッターを引き戸に適用した場合、異なる角度のルーバーが存在したとすると、ルーバーを全閉にした場合に過大な負荷が働いたルーバーだけが開いた状態になり、引き違い操作の際にルーバーが枠部材等に干渉することが考えられる。本発明では、異なる角度になるルーバーが存在することがないため、引き戸として用いた場合であっても、引き戸の操作機能を損なうことがない。
また、請求項3に係る本発明のシャッターは、請求項1もしくは請求項2に記載のシャッターにおいて、前記ラック部材は連結部材により互いに所定の間隔で連結されていることを特徴とする。
請求項3にかかる本発明では、連結部材によるラック部材の連結状態を調整することで、任意の所定間隔にラック部材を配することができる。
また、請求項4に係る本発明のシャッターは、請求項3に記載のシャッターにおいて、前記ラック部材は前記ピニオンギヤに対応した間隔で分割されていることを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、ピニオンギヤに対応した間隔でラック部材を分割することで、複数のルーバーの間隔に合わせてラック部材を配置することができる。
また、請求項5に係る本発明のシャッターは、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシャッターにおいて、前記ルーバーの他端側の前記枠体には、ばねにより突出付勢される支持ピンが備えられ、前記ルーバーの他端は支持ピンにより前記枠体に傾動自在に支持されていることを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、支持ピンを切断する等して所望のルーバーの他端側の支持を解除することで、必要なルーバーだけを枠体から外すことができ、ルーバーの交換やメンテナンスを容易に行うことができる。この時、支持ピンを樹脂性とすることで、容易に切断することができる。また、初期の組立の際にも付勢力に抗して支持ピンを没動させた状態でルーバーの他端側を配置することで、付勢力により支持ピンがルーバーに嵌合し、組立て工数を削減することが可能になると共に、組立に熟練した技術を必要としない。
また、請求項6に係る本発明のシャッターは、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシャッターにおいて、前記ピニオンギヤ及び前記ラックギヤが型による成形品であることを特徴とする。
請求項6に係る本発明では、ピニオンギヤ及びラックギヤを型により、例えば、射出成形により作製することができるので、均一な精度を持ったピニオンギヤ及びラックギヤを得ることができ、組み立て品の精度を高く維持でき、精度が高い製品を安価に得ることが可能になる。型を用いてピニオンギヤ及びラックギヤを作製する場合、鋳型を用いた鋳造により金属製のピニオンギヤ及びラックギヤを作製することも可能である。
また、請求項7に係る本発明のシャッターは、請求項6に記載のシャッターにおいて、前記ピニオンギヤ及び前記ラックギヤが樹脂製であることを特徴とする。
請求項7に係る本発明では、ピニオンギヤ及びラックギヤを樹脂製としたので、軽量で、自己潤滑性に優れているため、特別な潤滑剤が不要でクリーンな機構とすることができる。更に、ラックギヤを含むラック部材の全体を樹脂製とすることで、定尺の成形品を長さに拘わらず精度良く安価に作製することが可能になる。
また、請求項8に係る本発明のシャッターは、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシャッターにおいて、前記ルーバーが木製であることを特徴とする。
請求項8に係る本発明では、ラックギヤとピニオンギヤとの組み合わせにより複数の木製ルーバーを同期して傾動させる機構を用いても木製ルーバーを任意の間隔で配置することができ、木製ルーバーの配置数に拘わらず、即ち、丈の長さや幅の長さに拘わらず、高い機能性を維持した状態で見栄えの向上を図ることができる木製ルーバーを備えたシャッターとすることが可能になる。枠体も含めて木製とすることで、木製のシャッターとすることができ、木製の建具として適用することが可能になる。
また、請求項9に係る本発明のシャッターは、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシャッターにおいて、前記ルーバーが樹脂製であることを特徴とする。
請求項9に係る本発明では、加工性がよく大量生産が可能な樹脂製(例えば、塩化ビニル製やプラスチック製)のルーバーとすることができる。また、ルーバーを金属製とすることも可能であり、例えば、アルミを用いることで、軽量で剛性が高く錆び難いルーバーとすることが可能である。
本発明のシャッターは、ラックギヤとピニオンギヤとの組み合わせにより複数のルーバーを同期して傾動させる機構を用いてもルーバーを所定の間隔で配置することができる。この結果、ルーバーの配置数に拘わらず、即ち、シャッターの丈の長さやルーバーの幅寸法に拘わらず、高い機能性を維持した状態で見栄えの向上を図ることが可能になる。
本発明の一実施形態例に係るシャッターの外観図である。 本発明の一実施形態例に係るシャッターの分解斜視図である。 傾動機構部の外観図である。 本発明の一実施形態例に係るシャッターの要部正面図である。 図4中のV−V線矢視図である。 図4中のVI−VI線矢視図である。 ピニオンギヤとラックギヤとの関係を表す斜視図である。 ルーバーの開閉位置とラック部材との関係を表す概念図である。 ラックギヤの配設状況を説明するラック部材の外観図である。 ルーバーの取り外し状況を説明するシャッターの要部外観図である。 本発明の他の実施形態例に係るシャッターの分解斜視図である。 図11中の回転支持部の分解斜視図である。 図11中の連動機構部の分解斜視図である。
符号の説明
1 スタイル
2 レール
3 フレーム
4 木製ルーバー
5 縦溝
6 回動支持部
7 矩形溝
8 連動機構部
11 シャッター
15 ブッシュホルダー
16 保持穴
17 ブッシュ
18 圧縮コイルばね
19 ピン
20 ピン穴
21 ボトムレール
22 コネクタ
23 トップカバー
24 ラック部材
25 ラックギヤ
31 ピニオン部材
32 支持穴
33 ピニオンギヤ
34 ピン筒
35 回動穴
36 傾動ピン
図1には本発明の一実施形態例に係るシャッターの外観、図2には本発明の一実施形態例に係るシャッターの分解斜視状況、図3には傾動機構部の外観、図4には本発明の一実施形態例に係るシャッターの要部正面視状況、図5には図4中のV−V線矢視状況、図6には図4中のVI−VI線矢視状況、図7にはピニオンギヤとラックギヤとの関係を表す斜視状況、図8にはルーバーの開閉位置とラック部材との関係を表す概念状況、図9にはラックギヤの配設状況を説明するラック部材の外観、図10にはルーバーの取り外し状況を説明するシャッターの要部外観を示してある。
本実施形態例のシャッターは、ルーバーとして天然木製の長尺板状の木製ルーバーを備え、木製ルーバーの端部が枠体である木製の縦枠(スタイル)にそれぞれ回動自在(傾動自在)に支持されている。そして、木製ルーバーは上下方向に複数配され、互いに平行な状態を維持して(同期して)傾動されるようになっている。木製ルーバーの傾動操作は、いずれかの木製ルーバーの上部もしくは下部を手で押し引きすることで行なわれる。一対のスタイルの上部同士及び下部同士は木製のレールにより連結され、木製の四角の枠型に木製ルーバーが備えられた木製のシャッターとされている。
木製のシャッターは、例えば、建具として建物の開口から室内に差し込む太陽光や室内に流入する風の調節、室内への視野の調節を行なうためのインテリアとして利用される。また、部屋の出入口の引き戸や開閉扉、折り戸、部屋同士の間仕切り等のインテリアとしても利用される。
図1に基づいてシャッターの概要を説明する。図1(a)はルーバーが閉じられた状態、図1(b)はルーバーの上部が内側に傾けられた状態、図1(c)はルーバーの上部が下側に傾けられた状態である。
図1に示すように、本実施形態例のシャッター11は、枠材としての互いに平行な一対の木製縦枠(スタイル)1及びスタイルの上部同士、下部同士をそれぞれ連結する木製のレール2により、木製のフレーム3が形成されている。一対のスタイル1の間にはルーバーとして天然木製の長尺板状の木製ルーバー4が上下方向に等間隔で複数備えられ、複数の木製ルーバー4は互いに平行に配され、長手方向の端部がそれぞれスタイル1に回動自在に支持されている。
一方側(図1中左側:木製ルーバー4の他端側)のスタイル1には回動支持部6(詳細は後述する)が備えられ、複数の木製ルーバー4の一端部は回動支持部6を介して回動自在に軸支されている。他方側(図1中右側:木製ルーバー4の一端側)のスタイル1には連動機構部8(詳細は後述する)が備えられ、複数の木製ルーバー4の他方側の端部は連動機構部8の連動機構により連動して回動される状態に支持されている。また、連動機構部8は複数の木製ルーバー4の回動位置(傾動状態)を保持する機能を備えている。
図1に示したシャッター11で木製ルーバー4の傾動操作を行なう場合、いずれかの木製ルーバー4の上部もしくは下部を手で押し引きすることで行なわれる。
即ち、図1(a)に示すように、木製ルーバー4が閉じられた状態から木製ルーバー4の上部を引き操作、もしくは、下部を押し操作することで、図1(b)に示すように、木製ルーバー4の上部が内側に傾けられて傾動位置が保持された状態になる。この状態で、例えば、外部からの視野を遮断した状態で外部の光が採り込まれる。
また、図1(a)に示すように、木製ルーバー4が閉じられた状態から木製ルーバー4の上部を大きく引き操作、もしくは、下部を押し操作することで、木製ルーバー4が水平状に傾けられて水平状態が保持された状態になる。この状態で、例えば、外部への視野を確保した状態で外部の光が採り込まれる。
また、図1(a)に示すように、木製ルーバー4が閉じられた状態から木製ルーバー4の上部を更に大きく引き操作することで、図1(c)に示すように、木製ルーバー4の上部が下側に傾けられて傾動位置が保持された状態になる。この状態で、例えば、外部からの視野を遮断した状態で外部の光が充分に採り込まれる。
図2〜図7に基づいて前述した連動機構部及び回動支持部を含めたシャッター11の構成を詳細に説明する。
図2、図4に示すように、一方側のスタイル1の内側縁には上下方向に縦溝5が形成され、縦溝5には上下方向に延びる回動支持部6が収容されている。また、他方側のスタイル1の内側縁には上下方向に矩形溝7が収容され、矩形溝7には上下方向に延びる連動機構部8が収容されている。
回動支持部6を説明する。
図2、図4、図5に示すように、一方側のスタイル1(木製ルーバー4の他端側)の縦溝5には断面コ字形で長尺のブッシュホルダー15が嵌合し、ブッシュホルダー15には保持穴16が上下方向に複数個形成されている。ブッシュホルダー15は複数(図示例では2本)のブッシュホルダー片15aがコネクタ(図示省略)で連結されることにより形成されている。
木製ルーバー4の支持間隔に応じた位置の保持穴16には筒状のブッシュ17がそれぞれ嵌合し、ブッシュ17には圧縮コイルばね18により突出側に付勢される支持ピンとしてのピン19がそれぞれ設けられている。木製ルーバー4の端部(他端側)にはピン穴20が形成され、ピン穴20にはピン19が付勢状態で嵌合して木製ルーバー4の端部が回動自在に支持される。
ブッシュホルダー15、ブッシュ17及びピン19は樹脂製(プラスチック製)とされ、例えば、射出成型により作製された成型品とされている。
ブッシュホルダー15を用いて木製ルーバー4の端部を支持するピン19をスタイル1に設けるようにしたので、後述する連動機構部との間隔を高い精度に維持することが可能になる。つまり、スタイル1に直接ピン19を設ける場合に比べ、穴あけ加工の工数及び時間が不要になり、製造時間を短くすることが可能になり、位置の誤差をなくして製造精度を向上させることができる。
連動機構部8を説明する。
図2、図3、図4、図6、図7に示すように、他方側(木製ルーバー4の一端側)のスタイル1の矩形溝7の底部には長尺板状のボトムレール21が取り付けられ、ボトムレール21は複数(図示例では2本)のボトムレール片21aがコネクタ22で連結されることにより形成されている。長尺のボトムレール21が矩形溝7の長手方向に亘って配されている。
ボトムレール21には断面コ字形で長尺のトップカバー23が被せられ、トップカバー23の底面が矩形溝7の開口を覆う状態にされている。トップカバー23もボトムレール21と同様に複数(図示例では2本)のトップカバー片23aがコネクタ(図示省略)で連結されることにより形成されている。
ボトムレール21の幅方向の両端部にはレール溝が形成され、トップカバー23の底部内側の幅方向両端部にはレール溝が形成されている。ボトムレール21のレール溝及びトップカバー23のレール溝に亘り長尺板状のラック部材24が長手方向に往復移動自在にそれぞれ支持されている。ラック部材24は、複数(図示例では2本)のラック部材片24aがコネクタ22で連結されることにより形成されている。つまり、複数のラック部材片24aが分割されたラック部材となっている。
ラック部材片24aがコネクタ22で連結されることにより長尺のラック部材24がボトムレール21及びトップカバー23の長手方向に亘って配される。ラック部材24は対向して移動自在に配され、ラック部材24(ラック部材片24a)の対向面には長手方向に複数組(ルーバー4の枚数と同ピッチ組を含む複数組)のラックギヤ25がそれぞれ形成されている。
複数のボトムレール片21aがコネクタ22で連結されてボトムレール21長尺状のボトムレール21を構成しているので、個々の精度を高めた一つのボトムレール片21aを連結して、全体として精度が高い長尺状のボトムレール21が構成されている。
同様に、複数のラック部材片24aがコネクタ22で連結されることにより長尺のラック部材24を構成しているので、個々のラックギヤ25の歯車ピッチ等の精度を維持した一つのラック部材片24aを連結して、全体として歯車ピッチやラックギヤ25同士の位置関係の精度が高い長尺状のラック部材24が構成されている。同様に、複数のラック部材24がコネクタ22で連結されることにより長尺の部品を構成しているので、個々のラックギヤ25の歯車ピッチ等の精度を維持した一つのラック部材24を連結して、全体として歯車ピッチやラックギヤ25同士の位置関係の精度が高い長尺状の部品が構成されている。
木製ルーバー4の上下の配置間隔に応じてピニオン部材31が等間隔に配され、ピニオン部材31は木製ルーバー4の端部(一端側)の支持穴32に嵌合するようになっている。ピニオン部材31は、ピニオンギヤ33とピン筒34とが一体に設けられ、木製ルーバー4の傾動軸周りに回動中心を有しスタイル1に収容されるようになっている。
即ち、図7に示すように、一組のラックギヤ25は木製ルーバー4の傾動に必要な歯数(例えば7歯)で構成され、一対のラック部材24の各組のラックギヤ25の間にピニオンギヤ33がそれぞれ噛み合った状態で配置されている。
一組のラックギヤ25は木製ルーバー4の傾動に必要な歯数で構成されているので、ラックギヤの歯形状のピッチに拘わらず、所定の間隔(ピッチ)で木製ルーバー4の配置間隔(ピニオンギヤ33の配置間隔)を設定することができる。
即ち、連続した歯が形成されたラックギヤの場合では、歯の形状や大きさにより木製ルーバー4の配置間隔(ピニオンギヤ33の配置間隔)が決まってしまい、累積精度を求めることが困難であるが、ピニオンギヤ33毎に一組のラックギヤ25を噛み合せる構成にして、隣接する組のラックギヤ25の間隔を所定の間隔に設定することで、木製ルーバー4の配置間隔(ピニオンギヤ33の配置間隔)を任意の所定の間隔に設定することが可能になる。
特に、個々のラックギヤ25の歯車ピッチ等の精度を維持した一つのラック部材片24aを連結して、全体として歯車ピッチやラックギヤ25同士の位置関係の精度が高い長尺状のラック部材24としているので、樹脂の成型品であっても、ピニオンギヤ33の配置間隔の精度を極めて高い精度で維持して木製ルーバー4の配置間隔を精度よく設定して見栄えを高くすることが可能になる。
また、ラック部材片24aは樹脂の成形品であるので、均一な精度を持ったラックギヤ25を得ることができ、組み立て品の精度を高く維持できるラック部材24を安価に得ることが可能になる。つまり、例えば、射出成形により同じ精度を有するラック部材片24aを形成することができるので、誤差のばらつきがなく一定の精度が常に維持されたラック部材24を得ることができる。
尚、一対のラック部材24の間にピニオン部材31を配置した構成としたが、ラック部材24は一方側にのみ設けることも可能である。ラック部材24が一方側にのみ設けられた場合でも、一組のラックギヤ25は木製ルーバー4の傾動に必要な歯数(例えば7歯)で構成されるので、ラックギヤの歯形状のピッチに拘わらず、任意の間隔(ピッチ)で木製ルーバー4の配置間隔(ピニオンギヤ33の配置間隔)を設定することができる。
トップカバー23の底面にはピニオン部材31のピン筒34の端面が臨む回動穴35が形成され、ピン筒34の端面には2つの傾動ピン36が設けられている。ピン穴20に対応する位置の木製ルーバー4の端部(一端側)には2つの支持穴32が形成され、支持穴32にはピン筒34の2つの傾動ピン36が嵌合している。そして、図2、図7に示すように、一対のラック部材24の複数組のラックギヤ25は、ピニオン部材31に対応した間隔で、即ち、木製ルーバー4の配置間隔でそれぞれ設けられ、各組のラックギヤ25がピニオン部材31のピニオンギヤ33にそれぞれ噛み合っている。
ラック部材24がピニオンギヤ33の両側に備えられ、ピニオンギヤ33は一対のラックギヤ25に挟まれた状態になっている。このため、ピニオンギヤ33の回動位置が維持される、即ち、木製ルーバー4の傾動位置が維持される(傾動させて手を離した位置が維持される)抵抗力を有した機構となる。
また、ピニオンギヤ33が両側からラックギヤ25に挟まれているので、いずれかのピニオンギヤ33に過大な回転力が加わっても、即ち、いずれかの木製ルーバー4に過大な傾動力が加わっても、ピニオンギヤ33とラックギヤ25との噛み合いが確実に維持される。このため、1枚の木製ルーバー4だけが異なる角度になることがない。
ボトムレール21、トップカバー23はそれぞれ樹脂製とされ、ラック部材24のラック部材片24a、複数組のラックギヤ25は一体の樹脂製とされ、ピニオン部材31のピニオンギヤ33、ピン筒34、傾動ピン36は一体の樹脂製とされ、例えば、射出成型により作製された成型品とされている。
ラック部材24のラック部材片24a、ラックギヤ25、ピニオン部材31は樹脂(プラスチック)の成型品とされているので、精度の高い定尺のプラスチック構成部品を射出成型により作製することで、長さに対する制限がなく、木製のシャッター11に必要とされる高精度な均一性や同期性が可能になる。つまり、同じ精度を有するラック部材片24a、ラックギヤ25、ピニオン部材31を形成することができるので、誤差のばらつきがなく一定の精度が常に維持された組み立て品を得ることができる。
ラック部材24のラック部材片24aの複数組のラックギヤ25における一組のラックギヤ25は、例えば、図9(a)に示すように、7歯で構成され、隣接する一組のラックギヤ25の中心の歯同士の間隔が、ピニオン部材31の上下の配置間隔(木製ルーバー4の上下の配置間隔)と等しい寸法(例えば、26mm)に設定されている。一組のラックギヤ25同士には適宜の間隔が存在しているため、歯車のピッチによらない間隔で、木製ルーバー4の上下の配置間隔と等しい寸法の間隔で複数組のラックギヤ25を作製することが可能になる。
また、隣接する一組のラックギヤ25の中心の歯同士の間隔を任意に設定することにより、任意の種類の幅の木製ルーバー4に対応することができる。また、使用するラックギヤ25の組を適宜選択することで、一つのラック部材24で複数の幅の木製ルーバー4に対応することができる。
例えば、図9(a)に示した例では、隣接する一組のラックギヤ25の中心の歯同士の間隔が、例えば、26mmに設定され、26mm間隔の幅、52mm間隔の幅、78mm間隔の幅の木製ルーバー4に対応することができる。因みに、同じ歯幅のラックギヤ51を連続した歯で形成した場合、図9(b)に示すように、歯車のピッチによりピニオン部材31の上下の配置間隔(木製ルーバー4の上下の配置間隔)が決定されることになる。この場合、26mm間隔で歯の中心を配置することができず、26mm間隔に近似させて100分の1単位での精度を必要とすると共に、累積精度を求めるのが非常に困難である。
ラック部材24のラック部材片24aの複数組のラックギヤ25は、隣接する一組のラックギヤ25の中心の歯同士の間隔が、ピニオン部材31の上下の配置間隔(木製ルーバー4の上下の配置間隔)と等しい寸法に設定されているので、木製ルーバー4を等間隔で配置することができると共に、任意の間隔で配置することが容易となる。これにより、見栄えを低下させずに複数の木製ルーバー4を等間隔で配置することができる。
上述したシャッター11の組立ての手順を説明する。
回動支持部6は、ブッシュホルダー15がスタイル1の縦溝5に嵌め込まれ、保持穴16にブッシュ17、圧縮コイルばね18、ピン19がセットされる。ブッシュホルダー15を用いたことにより、木製のスタイル1にブッシュ17等を挿入するための穴を加工する必要がない。スタイル1の縦溝5の上端及び下端は、図示しない止材により止められる。
連動機構部8は、ボトムレール21とトップカバー23が嵌め合わされた後、複数組のラックギヤ25が対向する状態に一対のラック部材24が挿入される。ラック部材24の位置を所定の位置に調整し、回動穴35からピニオン部材31を挿入して対向する複数組のラックギヤ25にピニオンギヤ33をそれぞれ噛み合せる(図3の状態)。
この時、ピニオン部材31の傾動ピン36は全て同じ状態の向きにされている。連動機構部8がスタイル1の矩形溝7に嵌め込まれ、矩形溝7の上端及び下端は、図示しない止材により止められる。この状態で、ピニオン部材31の回転によりラック部材24が互いに逆向きに往復移動し、移動端が止材に規制される。
回動支持部6が嵌め込まれたスタイル1及び連動機構部8が嵌め込まれたスタイル1の上端部同士及び下端部同士がレール2で連結されてフレーム3が形成される。フレーム3が形成された後、木製ルーバー4を1枚ずつピニオン部材31の傾動ピン36とピン19の間に挿入し、支持穴32に傾動ピン36を嵌合すると共にピン穴20にピン19を嵌合する。
即ち、木製ルーバー4の一端側の支持穴32に傾動ピン36を嵌合した後、ピン19を圧縮コイルばね18の付勢力に抗して没動させた状態で木製ルーバー4の他端側を移動させ、ピン19の位置にピン穴20を合致させて圧縮コイルばね18の付勢力によりピン穴20にピン19を嵌合する。全ての木製ルーバー4を装着することでシャッター11とされる。
これにより、圧縮コイルばね18の付勢力に抗してピン19を没動させた状態で木製ルーバー4の他端側を配置することで、組立てを容易に行うことができ、組立て工数を削減することが可能になると共に、組立に熟練した技術を必要としない。
上述したシャッター11では、木製ルーバー4の他端側が樹脂製のブッシュ17、圧縮コイルばね18、樹脂製のピン19により支持されているので、木製ルーバー4を単品で交換する必要が生じた場合でも容易に交換することが可能である。
木製ルーバー4の交換について図10に基づいて説明する。図10(a)は回動支持部側の状況であり、図10(b)は連動機構部側の状況である。
図10(a)に示すように、交換する木製ルーバー4の他端側を支持している樹脂製のピン19を切断することで、木製ルーバー4の他端側の支持が解除される。木製ルーバー4の他端側をフレーム3の外側に移動させ、木製ルーバー4の一端側を抜き外すことで木製ルーバー4をフレーム3から取り外す。この時、図10(b)に示すように、ピニオン部材31の傾動ピン36がフレーム3の内側に臨んだ状態とされている。
切断したピン19を取り除くと共に、新たなピン19をブッシュ17に装着し、新しい木製ルーバー4をピニオン部材31の傾動ピン36とピン19の間に挿入し、支持穴32(図6参照)に傾動ピン36を嵌合すると共にピン穴20(図5参照)にピン19を嵌合する。
以上により、木製ルーバー4を容易にしかも短時間で交換することが可能になる。つまり、例えば、全てのルーバーに一つの連動用の操作アーム等が設けられたシャッターでは、1枚のルーバーを交換する際には、全てのルーバーに関係する操作アームと、交換が必要なルーバーとの分離・装着が必要であり、大掛かりな作業になり多大な労力を必要としていた。これに対し、本願発明のシャッター11では、連動機構部8が木製ルーバー4同士の間で直接関係していないので、1枚の木製ルーバー4を短時間で容易に交換することができる。
上述したシャッター11における木製ルーバー4の開閉状態を図1及び図8に基づいて説明する。
図1(a)に示した状態は木製ルーバー4が閉じられた状態であり、図8(a)に示すように、一方(図中左側)のラック部材24が最上段に位置すると共に他方(図中右側)のラック部材24が最下段に位置する。この時、一方(図中左側)のラックギヤ25の下側に位置する歯と他方(図中右側)のラックギヤ25の上側に位置する歯がピニオンギヤ33に噛み合っている。
図1(b)に示した状態は木製ルーバー4の上部が内側に傾けられた状態であり、いずれかの木製ルーバー4の上部を引き操作、もしくは、下部を押し操作することで、木製ルーバー4の上部が内側に傾けられて傾動位置が保持された状態になる。つまり、図8(b)に示すように、いずれかの木製ルーバー4を傾けることで、ピニオンギヤ33を介して一方(図中左側)のラック部材24が最上段から下側に移動すると同時に他方(図中右側)のラック部材24が最下段から上側に移動し、全てのピニオンギヤ33が反時計回り方向に回動して全ての木製ルーバー4が同一角度で傾動して傾動位置が保持される。
木製ルーバー4が水平状に傾けられた状態は、いずれかの木製ルーバー4の上部を大きく引き操作、もしくは、下部を押し操作することで、木製ルーバー4が水平状に傾けられて水平状態が保持された状態になる。つまり、図8(c)に示すように、いずれかの木製ルーバー4を傾けることで、ピニオンギヤ33を介して一方(図中左側)のラック部材24が下側に移動すると同時に他方(図中右側)のラック部材24が上側に移動し、全てのピニオンギヤ33が反時計回り方向に回動して一方(図中左側)のラックギヤ25の中央に位置する歯と他方(図中右側)のラックギヤ25の中央に位置する歯がピニオンギヤ33に噛み合う。これにより、全ての木製ルーバー4が同一角度で傾動して水平位置が保持される。
図1(c)に示した状態は木製ルーバー4の上部が下側に傾けられた状態であり、いずれかの木製ルーバー4の上部を大きく引き操作することで、木製ルーバー4の上部が下側に傾けられて傾動位置が保持された状態になる。つまり、図8(d)に示すように、いずれかの木製ルーバー4を傾けることで、ピニオンギヤ33を介して一方(図中左側)のラック部材24が更に下側に移動すると同時に他方(図中右側)のラック部材24が更に上側に移動し、全てのピニオンギヤ33が反時計回り方向に回動して全ての木製ルーバー4が同一角度で傾動して傾動位置が保持される。
上述したシャッター11では、いずれかの木製ルーバー4を傾動させることによりピニオンギヤ33が回転し、ラックギヤ25を介してラック部材24が軸方向に移動し、他のラックギヤ25を介してピニオンギヤ33が回動することにより複数の木製ルーバー4が同期して一斉に傾動する。
ラック部材24のラック片24aにはピニオンギヤ33に対応した間隔で一組のラックギヤ25がそれぞれ設けられているので、歯車のピッチによらない間隔でピニオンギヤ33を配置することができ、複数の木製ルーバー4を所定の間隔で配設することができる。また、使用するラックギヤ25を変更することにより、一つのラック部材24で複数の木製ルーバー4の幅に対応することができる。
また、ラック部材24はラック片24aが分割されて構成されているので、ラック片24aの連結状態を変更することで、使用するラックギヤ25を調整することができ、種々の幅のルーバー4を備えたシャッター11に対応して用いることができる。
この結果、ラックギヤ25とピニオンギヤ33との組み合わせにより複数の木製ルーバー4を同期して傾動させる機構を用いても木製ルーバー4を所定の間隔で配置することができ、木製ルーバー4の配置数に拘わらず、即ち、シャッター11の丈の長さや木製ルーバー4の幅寸法に拘わらず、高い機能性を維持した状態で見栄えの向上を図ることが可能になる。
例えば、2階吹き抜け窓に対応する6m程度の丈に適用した場合でも、木製ルーバー4が均一に配置され、木製ルーバー4が確実に同期傾動するシャッター11となる。フレーム3も含めて木製とすることで、木製のシャッターとすることができ、木製の建具として適用することが可能になる。
また、ピニオンギヤ33が一対のラックギヤ25により挟まれているので、いずれかの木製ルーバー4を操作した時に傾動の角度を維持する抵抗力が得られ、任意の角度に傾けることが容易になる。そして、いずれかの木製ルーバー4だけに過大な負荷が働いても、ピニオンギヤ33とラックギヤ25との噛み合いが確実に維持され、過大な負荷が働いた木製ルーバー4だけが異なる角度になることがない。このため、木製ルーバー4の操作性が向上すると共に、見栄えの低下を確実に抑制することが可能になる。
つまり、木製ルーバー4の傾動動作を同期させるための操作棒等が必要なく、複数の木製ルーバー4がフレーム3に支持されただけの外観となり、木製の建具としての意匠性を高く保った状態で高い操作性を持ったシャッター11とすることが可能になり、見栄えの要望と高い機能性の要望のように、相反する要望に対して充分に対応することができる。
また、いずれかの木製ルーバー4が異なる角度になることがないため、同期のための操作棒等が存在しない構成と相俟って、例えば、シャッター11を引き戸に適用した場合でも、引き違い操作の際に木製ルーバー4が相手側のフレーム3に干渉することがなく、操作機能を損なうことがない。
また、樹脂製のピン19を切断する等して所望の木製ルーバー4の他端側の支持を解除することで、必要な木製ルーバー4だけをフレーム3から外すことができ、木製ルーバー4の交換やメンテナンスを容易に行うことができる。初期の組立の際にも付勢力に抗してピン19を没動させた状態で木製ルーバー4の他端側を配置することで、付勢力によりピン19が木製ルーバー4に嵌合し、組立て工数を削減することが可能になると共に、組立に熟練した技術を必要としない。
また、ピニオンギヤ33及びラックギヤ25を備えたラック部材24等を樹脂製としたので、部品を射出成型により作製することができ、精度の高い部品を安価に得ることが可能になる。つまり、均一な精度を持ったピニオンギヤ33及びラックギヤ25を得ることができ、組み立て品の精度を高く維持でき、精度が高い製品を安価に得ることが可能になる。
また、樹脂性であるため、軽量で、自己潤滑性に優れているため、特別な潤滑剤が不要でクリーンな機構とすることができる。更に、ラックギヤ25を含むラック部材24の全体を樹脂製とすることで、定尺の成型品を長さに拘わらず精度良く安価に作製することが可能になる。ピニオンギヤ33及びラックギヤ25の歯幅を広くすることにより、耐摩耗性及び機械強度が向上し、長寿命化が図れる。
従って、上述したシャッター11では、ラックギヤ25とピニオンギヤ33との組み合わせにより複数の木製ルーバー4を同期して傾動させる機構を用いても木製ルーバー4を所定の間隔で配置することができ、木製ルーバー4の配置数に拘わらず、即ち、シャッター11の丈の長さや木製ルーバー4の幅寸法に拘わらず、高い機能性を維持した状態で見栄えの向上を図ることが可能になる。
上記構成のシャッター11では、木製ルーバー4の幅方向の両端部には、主に図8に示すように、表裏逆側の段差部が形成されている。木製ルーバー4に段差部が形成されていることで、図1(a)、図2、図8(a)に示すように、木製ルーバー4が閉じられた状態で段差部同士が嵌りあった状態になり、多数の木製ルーバー4が面一状態にされる。このため、木製ルーバー4が閉じられた時に光のもれが無くなると同時に、見栄えが格段に向上する。
図11から図13に基づいて本発明の他の実施形態例に係るシャッターを説明する。図11には本発明の他の実施形態例に係るシャッターの分解斜視状況、図12には図11中の回転支持部(図2の回転支持部6に相当)の分解斜視状況、図13には図11中の連動機構部(図2の連動機構部8に相当)の分解斜視状況を示してある。
図11から図13に示した実施形態例は、ラック部材やレール部材、ホルダ部材等をルーバーの枚数(配置)に応じて個別に分解してルーバーの配置に合わせて連結した構成の例である。このため、図1から図10に示した第1の実施形態例で示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
図11に示すように、本実施形態例のシャッター51は、枠材としての互いに平行な一対の木製縦枠(スタイル)1及びスタイルの上部同士、下部同士をそれぞれ連結する木製のレール2により、木製のフレーム3が形成されている。一対のスタイル1の間にはルーバーとして天然木製の長尺板状の木製ルーバー4が上下方向に等間隔で複数備えられ、複数の木製ルーバー4は互いに平行に配され、長手方向の端部がそれぞれスタイル1に回動自在に支持されている。
一方側(図11中左側:木製ルーバー4の他端側)のスタイル1には回動支持部52が備えられ、複数の木製ルーバー4の一端部は回動支持部52を介して回動自在に軸支されている。他方側(図11中右側:木製ルーバー4の一端側)のスタイル1には連動機構部53が備えられ、複数の木製ルーバー4の他方側の端部は連動機構部53の連動機構により連動して回動される状態に支持されている。また、連動機構部53は複数の木製ルーバー4の回動位置(傾動状態)を保持する機能を備えている。
一方側のスタイル1の内側縁には上下方向に縦溝5が形成され、縦溝5には上下方向に延びる回動支持部52が収容される。また、他方側のスタイル1の内側縁には上下方向に矩形溝7が収容され、矩形溝7には上下方向に延びる連動機構部53が収容される。
回動支持部52を説明する。
図11、図12に示すように、一方側のスタイル1(木製ルーバー4の他端側)の縦溝5には断面コ字形の長尺のブッシュホルダー54が嵌合し、ブッシュホルダー54は、多数(図中5個)のブッシュホルダー片54aとコネクタ54bが交互に連結されることにより形成されている。ブッシュホルダー片54aには保持穴16がそれぞれ形成され、長尺のブッシュホルダー54の全体において保持穴16の位置は、コネクタ54bの長さで調整され、複数の木製ルーバー4の上下の配置位置に応じた間隔になっている。
木製ルーバー4の支持間隔に応じて設けられた保持穴16には、第1の実施形態例と同様に、筒状のブッシュ17、圧縮コイルばね18、ピン19がそれぞれ設けられている。木製ルーバー4の端部(他端側)にはピン穴20が形成され、ピン穴20にはピン19が付勢状態で嵌合して木製ルーバー4の端部が回動自在に支持される。
連動機構部53を説明する。
図11、図13に示すように、他方側(木製ルーバー4の一端側)のスタイル1の矩形溝7の底部には、ボトムレール55が取り付けられている。ボトムレール55は、木製ルーバー4の数に応じたボトムレール片55aがコネクタ56で連結されて構成されている。コネクタ56によるボトムレール片55aの連結状況を調整することにより、即ち、長さの異なるコネクタ56を用いることにより、木製ルーバー4の上下の任意の配置位置に応じた間隔でボトムレール片55aを配置することができる。
ボトムレール55には断面コ字形で長尺のトップカバー57が被せられ、トップカバー57の底面が矩形溝7の開口を覆う状態にされている。トップカバー57は、多数(図中5個)のトップカバー片57aとコネクタ57bが交互に連結されることによりブッシュホルダー54に対応して形成されている。長さの異なるコネクタ57bを用いることで、長尺のブッシュホルダー54の保持穴16の位置が変更になった場合でも、後述する回動穴35の位置を保持穴16の位置に対応させることができる。
ボトムレール55(ボトムレール片55a)の幅方向の両端部及びトップカバー57(トップカバー片57a)の底部内側の幅方向両端部にはレール溝がそれぞれ形成され、ボトムレール55とトップカバー57のレール溝に亘り長尺板状のラック部材58が長手方向に往復移動自在にそれぞれ支持されている。ラック部材58は、ボトムレール片55aに対応したラック部材片58aがコネクタ59で連結されて構成されている。
コネクタ59によるラック部材片58aの連結状況を調整することにより、即ち、長さの異なるコネクタ59を用いることにより、ボトムレール片55aに対応させて木製ルーバー4の上下の任意の配置位置に応じた間隔でラック部材片58aを配置することができる。
即ち、ラック部材片58aの間隔をコネクタ59により任意の間隔(所定の間隔)で調整することができる。つまり、木製ルーバー4の間隔に応じて多数のラック部材片58aが、分割されたラック部材となっている。ラック部材58は対向して移動自在に配され、それぞれのラック部材片58aの対向面にはラックギヤ25が形成されている。
木製ルーバー4の間隔に応じて多数のラック部材片58aがコネクタ59で連結されることにより長尺のラック部材58を構成しているので、木製ルーバー4毎にラックギヤ25の歯車ピッチ等の精度を維持したラックギヤ25が備えられた状態になり、ラック部材片58aを連結して、全体として歯車ピッチやラックギヤ25同士の位置関係の精度が高い長尺状のラック部材58が構成されている。
木製ルーバー4の上下の配置間隔に応じて、即ち、ラック部材片58aの配置間隔に応じて、ピニオン部材31が等間隔に配され、ピニオン部材31は木製ルーバー4の端部(一端側)の支持穴に嵌合するようになっている。ピニオン部材31は、ピニオンギヤ33とピン筒34とが一体に設けられ、木製ルーバー4の傾動軸周りに回動中心を有しスタイル1に収容されるようになっている。
トップカバー57のピニオン部材31が配される位置のトップカバー片57aの底面にはピニオン部材31のピン筒34の端面が臨む回動穴35が形成され、ピン筒34の端面には2つの傾動ピン36が設けられている。ピン穴20に対応する位置の木製ルーバー4の端部(一端側)には2つの支持穴が形成され、支持穴にはピン筒34の2つの傾動ピン36が嵌合している。
そして、一対のラック部材58のラック部材片58a(ラックギヤ25)は、ピニオン部材31に対応した間隔で、即ち、木製ルーバー4の配置間隔でそれぞれ設けられ、各ラック部材片58aのラックギヤ25がピニオン部材31のピニオンギヤ33にそれぞれ噛み合っている。
上述したシャッター51では、木製ルーバー4の配置間隔に応じてコネクタ56、59を調整することにより、一つの木製ルーバー4のピニオン部材31に対してそれぞれラック部材片58aの対を対応させることができる。同様に、トップカバー片57a、ブッシュホルダー片54aをコネクタ57b、54bで連結を調整することで長尺のトップカバー57及び長尺のブッシュホルダー54とすることができる。
このため、意匠の異なるシャッター11であっても、即ち、木製ルーバー4の幅等が異なって配置間隔が異なっている場合であっても、共通のラック部材片58aやボトムレール片55a、トップカバー片57a、ブッシュホルダー片54aを用いることができる。この場合、オリジナルのコネクタ56、59や、コネクタ57b、54bを用いるだけで、コストをかけることなく任意の幅の木製ルーバー4を備えたシャッターを得ることが可能である。
また、第1の実施形態例と同様に、部品を樹脂製とすることで射出成型により作製することができ、均一な精度を持った多数のラック部材片58a(ラックギヤ25)を得ることができる。このため、組み立て品の精度を容易に高く維持することができ、精度が高い製品を安価に得ることが容易になる。
第1の実施形態例のシャッター1では、一つのラック部材片に対して複数のラックギヤが設けられているが、スペーサでラック部材片連結状態を調整することで、異なる幅の木製ルーバー4に対応させることができる。第1の実施形態例では、複数のラックをラック部材片にグループ状態で設け、ラック部材は2つのラック部材片が連結されているので、製造の手間を省くことができる。
上述したシャッター51の組立ての手順を説明する。以下の手順は、例えば、注文に応じてシャッター51を組み立てる場合を想定して説明してある。
注文サイズに応じて、木製部材であるスタイル1、レール2、フレーム3を切断する。木製ルーバー4の端面にピン穴20をあけ、トップカバー片57aが連結されたトップカバー57に対して、注文のサイズに応じた間隔で冶具を用いて回動穴35をあける。また、ブッシュホルダー片54aが連結されたブッシュホルダー54に対して、注文のサイズに応じた間隔で冶具を用いて保持穴16をあける。
注文サイズにより定まった機構部の寸法により、ボトムレール片55aをコネクタ56で連結すると共に、ラック部材片58aをコネクタ59で連結し、連結部材となったボトムレール55及びラック部材58を所定の長さに切断する。コネクタ56で連結されたボトムレール55にトップカバー57をはめ込み、連結部材となったラック部材58をボトムレール55とトップカバー57からなるケースに端部から所定の位置に差し込む。
木製部材であるスタイル1、レール2、フレーム3及び木製ルーバー4を部材毎に塗装する。図11中右側のスタイル1の矩形溝7に対してボトムレール55とトップカバー57からなるケースをはめ込み、コネクタで連結されたブッシュホルダー片54aからなる長尺のブッシュホルダー54を図11中左側のスタイル1の縦溝5にはめ込む。
両脇に配置されたスタイル1と上下に配置されたレール2(図11には上部のみ示してある)を、ねじ、ダボ、接着剤等を用いて結合する。トップカバー57にあけられた回動穴35からラック部材58(ラック部材片58a)のラックギヤ25が適正な位置にあることを確認し、ピニオン部材31を回動穴35から挿入し、一対のラックギヤ25にピニオン部材31のピニオンギヤ33を噛み合わせる。
ブッシュホルダー54の保持穴16にブッシュ17を挿入し、ブッシュ17に対して圧縮コイルばね18及びピン19を挿入する。塗装が施された木製ルーバー4の端面にあけられた穴を前面から斜めにピニオン部材31の傾動ピン36に差込み、ピン19をブッシュ17に押し込んだ状態で木製ルーバー4を水平にする。ピン19とピン穴20の位置が一致した状態で圧縮コイルばね18のばね力によりピン19が木製ルーバー4のピン穴20に挿入される。
これにより、木製ルーバー4がピニオン部材31とピン19に亘り、即ち、一対のスタイル1に亘り回動自在に支持される。最後に、スタイル1とレール2を連結する際にあけられた穴を木栓により蓋をして完成となる。
上述したシャッター51は、木製のスタイル1に対し、ブッシュホルダー54、ボトムレール55とトップカバー57からなるケースをはめ込んで木製ルーバー4を支持しているので、スタイル1に支持用の穴等を加工する必要がない。また、ブッシュホルダー54やトップカバー57にあける穴の間隔を変更することで、種々の幅の木製ルーバー4に対処することができる。
また、スタイル(縦框)に支持用の穴等を直接加工して木製ルーバーを支持するシャッターでは、完成品に対して塗装を施すことになるため、木製ルーバーと縦框・横桟の隙間に対しては木製ルーバーを傾動させながら塗装を行う必要があり、塗装むらをなくして見栄えを維持するためには、熟練した塗装技術を必要としていた。
これに対し、上述したシャッター51では、スタイル1とレール2を連結した後に木製ルーバー4を挿入して組み立てることができるので、塗装された部品を組み立てることができ、熟練した技術を要することなく見栄えを向上させることができる。
更に、上述したシャッター51では、木製ルーバー4を後からはめ込む構造であるため、例えば、一つの木製ルーバー4に破損が生じたり、支持部に不具合が発生した場合でも、該当部品だけを交換することができる。組み立てや交換が容易になったこと、組み立て後の塗装が不要になったことにより、シャッター51の組み立てや保守点検等に熟練を要する作業員を必要としない。
上述した実施形態例では、木製ルーバー4を水平状態に複数備えたシャッター11、51を例に挙げて説明したが、木製ルーバー4を垂直状態に複数備えたシャッターとすることも可能である。また、シャッターとしてはルーバーや枠体が木製であるシャッター11に限らず、ルーバーや枠体が樹脂製、ガラス製、金属製等、他の材質であるシャッターを用いることが可能である。
ルーバーを樹脂製とすることで、加工性がよく大量生産が可能なルーバーとすることができる。また、ピニオンギヤ33や支持用のピン19と同一の樹脂とすることで、傾動ピン36やブッシュ17等の介在部品を省略することができる。場合によっては、ピニオンギヤ33や支持用のピン19をルーバーと一体に形成することも可能になる。更に、ルーバーを金属製とすることも可能であり、例えば、アルミを用いることで、軽量で剛性が高く錆び難いルーバーとすることが可能である。
尚、上述した上述したシャッター51では、ブッシュホルダー片54aを連結するコネクタ54b、ボトムレール片55aを連結するコネクタ56、トップカバー片57aを連結するコネクタ57b、ラック部材片58aを連結するコネクタ59をそれぞれ設けたが、コネクタ56、59、57b、54bを全て同じ形状のコネクタ(例えば、コネクタ56と同一形状の同一コネクタ)とすることも可能である。同一形状のコネクタ(同一部材)とすることで、木製ルーバー4の間隔が変更になった際に、同一の部品を用いて、保持穴16、ラックギヤ25、回動穴35の間隔を一斉に変更することができる。
また、シャッターを適用するものとしては、木製の内装用の建具に限らず、例えば、ガラス製のルーバーを備えた窓自体として適用したり、換気口の開閉部材、通路の仕切り、乗り物や公共施設、オフィスにおける間仕切りや仕切りとして適用する等、内装、外装問わず他のあらゆるシャッター機能部材として適用することが可能である。
上記構成の本願発明のシャッターは、ラックギヤ25とピニオンギヤ33との組み合わせにより複数の木製ルーバー4を同期して傾動させる機構を用いても、大きさや木製ルーバー4の配置間隔に拘わらず、木製ルーバー4を所定の間隔で配置することができるので、特に、木製ルーバー4を閉じた時に隙間が生じることがなく、遮蔽性を悪化させることがない。これにより、光漏れや直射日光の侵入を確実に防止して内外気の環境の影響を確実に遮断することができ、冷暖房効率を向上させて省エネルギー効果に寄与することが可能になる。
本発明は、本発明は、光、影、風、視野、音等の調節を行なうための矩形状のルーバーが傾動自在に備えられたシャッターの産業分野で利用することができる。
このため、高い精度で等間隔にピニオンギヤを配置することが困難であり、複数のルーバーを高精度に均等に配置するためには(見栄えよく配置するためには)、ルーバーとピニオンギヤとの関係の調整を行う等が必要になってしまう。また、累積精度を求め難いことから、例えば、吹き抜け窓に対応する丈のシャッターのように、長尺の木製シャッターとして適用することを考慮すると、見栄えを低下させずに適用することは非常に困難であった。つまり、遮蔽性を確保し難い問題があった。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明のシャッターは、互いに平行に配される複数の長尺板状のルーバーと、前記ルーバーの端部をそれぞれ傾動自在に支持する一対の枠体と、前記ルーバーの一端側にそれぞれ取り付けられ傾動軸周りに回動中心を有し前記枠体に収容され前記ルーバーの配置に対応してそれぞれ設けられるピニオンギヤと、前記ピニオンギヤが設けられた前記枠体に分割されて収容され、前記ピニオンギヤに噛み合うラックギヤを有すると共に前記ルーバーの配設方向に移動自在なラック部材とを備え、前記ラック部材は複数のラック部材片として分割され、前記ラック部材片は連結部材により互いに所定の間隔で連結されていることを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、いずれかのルーバーを傾動させることによりピニオンギヤが回転し、ラックギヤを介してラック部材が軸方向に移動し、他のラックギヤを介してピニオンギヤが回動することにより複数のルーバーが同期して一斉に傾動する。分割されて収容されたラック部材片にはピニオンギヤに対応した間隔でラックギヤがそれぞれ設けられているので、歯車のピッチによらない間隔でピニオンギヤを配置することが容易になり、所定の間隔で配設した複数のルーバーに合わせてピニオンギヤを配置することができる。また、分割されたラック部材片の連結状態を連結部材により変更することで使用するラックギヤを調整することができ、複数のルーバーの幅に対応することができる。
また、請求項3に係る本発明のシャッターは、請求項2に記載のシャッターにおいて、前記ラック部材片は、連結部材により前記ピニオンギヤに対応した間隔で配置されることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、ピニオンギヤに対応した間隔でラック部材片を分割することで、複数のルーバーの間隔に合わせてラック部材片を配置することができる。
また、好ましくは、前記ルーバーの他端側の前記枠体には、ばねにより突出付勢される支持ピンが備えられ、前記ルーバーの他端は支持ピンにより前記枠体に傾動自在に支持されていることを特徴とする。
これにより、支持ピンを切断する等して所望のルーバーの他端側の支持を解除することで、必要なルーバーだけを枠体から外すことができ、ルーバーの交換やメンテナンスを容易に行うことができる。この時、支持ピンを樹脂性とすることで、容易に切断することができる。また、初期の組立の際にも付勢力に抗して支持ピンを没動させた状態でルーバーの他端側を配置することで、付勢力により支持ピンがルーバーに嵌合し、組立て工数を削減することが可能になると共に、組立に熟練した技術を必要としない。
また、好ましくは、前記ピニオンギヤ及び前記ラックギヤが型による成形品であることを特徴とする。
これにより、ピニオンギヤ及びラックギヤを型により、例えば、射出成形により作製することができるので、均一な精度を持ったピニオンギヤ及びラックギヤを得ることができ、組み立て品の精度を高く維持でき、精度が高い製品を安価に得ることが可能になる。型を用いてピニオンギヤ及びラックギヤを作製する場合、鋳型を用いた鋳造により金属製のピニオンギヤ及びラックギヤを作製することも可能である。
また、好ましくは、前記ピニオンギヤ及び前記ラックギヤが樹脂製であることを特徴とする。
これにより、ピニオンギヤ及びラックギヤを樹脂製としたので、軽量で、自己潤滑性に優れているため、特別な潤滑剤が不要でクリーンな機構とすることができる。更に、ラックギヤを含むラック部材の全体を樹脂製とすることで、定尺の成形品を長さに拘わらず精度良く安価に作製することが可能になる。
また、好ましくは、前記ルーバーが木製であることを特徴とする。
これにより、ラックギヤとピニオンギヤとの組み合わせにより複数の木製ルーバーを同期して傾動させる機構を用いても木製ルーバーを任意の間隔で配置することができ、木製ルーバーの配置数に拘わらず、即ち、丈の長さや幅の長さに拘わらず、高い機能性を維持した状態で見栄えの向上を図ることができる木製ルーバーを備えたシャッターとすることが可能になる。枠体も含めて木製とすることで、木製のシャッターとすることができ、木製の建具として適用することが可能になる。
また、好ましくは、前記ルーバーが樹脂製であることを特徴とする。
これにより、加工性がよく大量生産が可能な樹脂製(例えば、塩化ビニル製やプラスチック製)のルーバーとすることができる。また、ルーバーを金属製とすることも可能であり、例えば、アルミを用いることで、軽量で剛性が高く錆び難いルーバーとすることが可能である。
ボトムレール21の幅方向の両端部にはレール溝が形成され、トップカバー23の底部内側の幅方向両端部にはレール溝が形成されている。ボトムレール21のレール溝及びトップカバー23のレール溝に亘り長尺板状のラック部材24が長手方向に往復移動自在にそれぞれ支持されている。ラック部材24は、複数(図示例では2本)のラック部材片24aが連結部材としてのコネクタ22で連結されることにより形成されている。つまり、複数のラック部材片24aが分割されたラック部材となっている。
複数のボトムレール片21aがコネクタ22で連結されて長尺状のボトムレール21を構成しているので、個々の精度を高めた一つのボトムレール片21aを連結して、全体として精度が高い長尺状のボトムレール21が構成されている。
一方側のスタイル1の内側縁には上下方向に縦溝5が形成され、縦溝5には上下方向に延びる回動支持部52が収容される。また、他方側のスタイル1の内側縁には上下方向に矩形溝7が形成され、矩形溝7には上下方向に延びる連動機構部53が収容される。
ボトムレール55(ボトムレール片55a)の幅方向の両端部及びトップカバー57(トップカバー片57a)の底部内側の幅方向両端部にはレール溝がそれぞれ形成され、ボトムレール55とトップカバー57のレール溝に亘り長尺板状のラック部材58が長手方向に往復移動自在にそれぞれ支持されている。ラック部材58は、ボトムレール片55aに対応したラック部材片58aが連結部材としてのコネクタ59で連結されて構成されている。
第1の実施形態例のシャッター11では、一つのラック部材片に対して複数のラックギヤが設けられているが、スペーサでラック部材片連結状態を調整することで、異なる幅の木製ルーバー4に対応させることができる。第1の実施形態例では、複数のラックをラック部材片にグループ状態で設け、ラック部材は2つのラック部材片が連結されているので、製造の手間を省くことができる。

Claims (9)

  1. 互いに平行に配される複数の長尺板状のルーバーと、
    前記ルーバーの端部をそれぞれ傾動自在に支持する一対の枠体と、
    前記ルーバーの一端側にそれぞれ取り付けられ傾動軸周りに回動中心を有し前記枠体に収容され前記ルーバーの配置に対応してそれぞれ設けられるピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤが設けられた前記枠体に分割されて収容され、前記ピニオンギヤに噛み合うラックギヤを有すると共に前記ルーバーの配設方向に移動自在なラック部材とを備えた
    ことを特徴とするシャッター。
  2. 請求項1に記載のシャッターにおいて、
    前記ラック部材は、前記ピニオンギヤの両側に備えられている
    ことを特徴とするシャッター。
  3. 請求項1もしくは請求項2に記載のシャッターにおいて、
    前記ラック部材は連結部材により互いに所定の間隔で連結されている
    ことを特徴とするシャッター。
  4. 請求項3に記載のシャッターにおいて、
    前記ラック部材は前記ピニオンギヤに対応した間隔で分割されている
    ことを特徴とするシャッター。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシャッターにおいて、
    前記ルーバーの他端側の前記枠体には、ばねにより突出付勢される支持ピンが備えられ、前記ルーバーの他端は支持ピンにより前記枠体に傾動自在に支持されている
    ことを特徴とするシャッター。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のシャッターにおいて、
    前記ピニオンギヤ及び前記ラックギヤが型による成形品である
    ことを特徴とするシャッター。
  7. 請求項6に記載のシャッターにおいて、
    前記ピニオンギヤ及び前記ラックギヤが樹脂製である
    ことを特徴とするシャッター。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシャッターにおいて、
    前記ルーバーが木製である
    ことを特徴とするシャッター。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシャッターにおいて、
    前記ルーバーが樹脂製である
    ことを特徴とするシャッター。
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