JPWO2009110225A1 - 移動端末及びネットワークノード - Google Patents

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Abstract

移動端末が各サービスに使用するためのアドレスの取り扱い方法を把握できるようにし、より効率の良い通信を実現できるようにする技術が開示され、その技術によれば移動端末(UE)15は、ホームドメインであるホームPMIPv6ドメイン10に接続している状態で、移動管理プロトコルであるMIPv6を起動させる前に、移動端末が現在保持している各アドレスに関する取り扱い方法(例えば、どのアドレスをMIPv6のホームアドレス(HoA)とすべきかなど)をホームPMIPv6ドメインに問い合わせ、その問い合わせ結果をあらかじめ取得及び格納しておく。そして、例えば外部ネットワーク20に移動してMIPv6を起動した際に、格納されている問い合わせ結果を参照し、HoAとして適切なアドレスを選択して、HA(ホームエージェント)の探索処理やBU(バインディングアップデート)の送信処理を行う。

Description

本発明は、パケット交換型データ通信ネットワークにおける通信技術に関し、特に、移動端末がMIP(Mobile Internet Protocol)などの移動管理プロトコルを用いて通信を行う際の通信技術に関する。
現在、基地局1台あたりが中長距離のサービスエリアを包含するセルラ通信などの無線通信機能や、サービスエリアが比較的短距離な無線LAN(Local Area Network:ローカルエリアネットワーク)機能などを有し、複数の異種ネットワークで構成されるネットワークを用いて通信サービスを行うシステムや、これらのネットワークに接続可能な無線通信端末が存在している。
このような複数の異種ネットワークから構成されるネットワークとして、3GPP(Third Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)では、セルラネットワーク(3Gネットワーク)、無線LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)タイプの無線ワイドエリアネットワーク(WWAN:Wireless Wide Area Network)などの様々な異種ネットワークとの通信機能を有する無線通信端末及び関連する通信技術に関する議論が行われている。
特に、このような異種ネットワークにおいて、シームレスなモビリティの実現や、リアルタイムビデオ、VoIP(Voice over Internet Protocol)、重要データなどの高いQoS(Quality of Service:サービス品質)が求められている複数のアプリケーションサービスのサポートなどを目指した議論が行われている。
例えば、下記の非特許文献1には、非3Gネットワークへ端末が移動して接続した際のアドレス割り当てに関する技術が記載されている。このような3G/非3Gネットワークにおける移動管理には、下記の非特許文献2に記載のPMIPv6(Proxy Mobile IPv6)が使われることが検討されている。
また、PMIPv6はローカルモビリティをネットワーク側の機能でサポートするものであり、ネットワーク側がPMIPv6をサポートしていない場合や、通信相手端末との接続において何らかの必要が生じた場合など、何らかの理由で移動端末自身が移動管理を行う状況が発生することも考えられる。この場合、移動端末は例えば下記の非特許文献3に記載のMIPv6(Mobility Support in IPv6)を使用して、自身の移動管理を行うことが可能である。
PMIPv6の場合、PMIPv6による移動管理をサポートしているネットワーク(PMIPv6ドメイン)に接続されている端末は、移動管理を行うLMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)若しくはネットワーク内のその他のノードからアドレス若しくはプレフィックス(Prefix)が割り振られる。端末は、このアドレス(若しくは、このプレフィックスから構成されたアドレス)をPMIPv6ドメインでの自身のアドレスとして使用する。端末がPMIPv6ドメイン内を移動しても、PMIPv6ドメインへの接続ポイントであるMAG(Mobile Access Gateway:モバイルアクセスゲートウェイ)によって、LMAで管理されている端末の位置情報が更新されるので、LMAとMAGとの間の転送により、LMAから転送されるパケットは適切なMAG(端末が接続されているMAG)を経由して端末に到達可能となる。
なお、このような状況においては、端末のインタフェースの数によらず、サービスや接続先、ローミングネットワークへの接続状況など様々な要因により、複数のアドレスが端末に割り当てられる場合がある。また、ローミングなどの状況によっては、端末にとってLMAが複数となる場合もあるが、そのような場合の多くにおいて、端末はそれらのLMAの違いを認識することはない。
一方、MIPv6ではグローバルなネットワークから到達可能なアドレス(グローバルに到達可能なアドレス)を端末のHoA(Home Address:ホームアドレス)としてHA(Home Agent:ホームエージェント)から取得し、端末が移動した場合にはその移動先で取得したCoA(Care-of Address:気付アドレス)をHoAと関連付けてHAに登録することで、どのネットワークに接続していてもHAの転送によりパケットが端末に到達可能となる。この場合においても、端末は複数のアドレス(複数のHoA及び/又は複数のCoA)を保持する場合がある。さらに、HAが複数となることもあり、この場合には、端末が移動を登録する登録先(すなわち、HA)が異なることがあり、各HAによって管理されるHoAが異なることもある。この場合、第1のHAが管理するHoAは第2のHAから見ると自身の管理しているものではなく、端末は、そのHoA(第1のHAが管理するHoA)を第2のHAの管理するHoAとして登録することはできないが、第2のHAの管理するCoAとして登録することができるかもしれない。
また、図5は、従来の技術におけるネットワークシステムの一例を示す図である。なお、図5に図示されているネットワーク構成は、後述の図1に図示されているネットワーク構成と同一であり、各構成要素の詳細な説明は図1の説明(後述)によって補完する。初期状態において、移動端末(UE(User Equipment)15)は、ホームのオペレータネットワークの非3Gネットワークに接続している。このネットワークはローカルモビリティ管理にPMIPv6が採用されており、ここでは、ホームPMIPv6ドメイン10と表記する。UE15は、このホームPMIPv6ドメイン10から離れて、外部ネットワーク20に接続ポイントを変更する。このとき、UE15はホームPMIPv6ドメイン10外に接続して、引き続き接続性を必要とするため、MIPv6を用いた移動管理を開始する。
図5において、UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10に接続していた際にはMIPv6による移動管理を行っておらず、外部ネットワーク20に接続ポイントを変更した後、MIPv6の初期設定から行うとする。この場合、UE15は、例えば移動前にホームオペレータから割り当てられていたアドレス(PMIPv6のアドレス)をHoAとするために適切なHAを探索する処理を行い、探索によって発見されたHAに対して、HoAに移動先のネットワークで付与されたアドレスをCoAとして関連付けるBU(Binding Update:バインディングアップデート)の送信処理を行う。
また、IETF(Internet Engineering Task Force)では、個々のホスト用のモビリティサポートの概念(上記のMIPv6)を、移動ノードのネットワーク(モバイルルータのモバイルネットワーク)用のモビリティサポートに拡張したネットワークモビリティサポート(NEMO:Network Mobility)の技術が、例えば下記の非特許文献4で規定されている。この非特許文献4によれば、モバイルネットワークを有するモバイルルータ(MR:Mobile Router)がインターネットに対してどの接続ポイントで接続している場合であっても、モバイルネットワーク内のノードが到達可能となるメカニズムが提供される。
さらに非特許文献4には、モバイルルータがホームエージェントにBUメッセージを送信する際に、モバイルネットワーク内のノードが使用しているネットワークプレフィックスを示す旨が記載されている。例えば、BUメッセージ内にネットワークプレフィックスオプションと呼ばれる特別なオプションを挿入することによって、モバイルルータは、ネットワークプレフィックスを示すことが可能となる。これにより、ホームエージェントは、プレフィックスに基づくルーティングテーブルを構築し、このネットワークプレフィックスを有するあて先アドレスに送信されるパケットをモバイルルータの気付アドレスに転送することが可能となる。
また、ネットワークシステムをすべてIP化するオールIP化の流れが主流であるが、現状では、パケット交換ネットワーク上でIPパケットの伝送を行うPS(Packet Switched:パケット交換)ドメインと、従来のセルラシステムで利用されている回線交換ネットワークによる伝送を行うCS(Circuit Switched:回線交換)ドメインとが混在する状況にある。PSドメインとCSドメインとは互いに独立しており、CSドメインとPSドメインとの間で相互に通信を行う場合には、例えば、CSサービスからPSサービス、あるいは、PSサービスからCSサービスへの変換(例えば、情報フォーマットの変換)をネットワーク側で行う必要がある。
特開2000−183972号公報 3GPP TS 23.402 V8.0.0,2007年12月 IETF (Internet Engineering Task Force) Draft:draft-ietf-netlmm-proxymip6-00,2007年4月 IETF RFC (Request for Comments):rfc3775,2004年6月 IETF RFC (Request for Comments):rfc3963,2005年1月
しかしながら、移動端末のホームドメインがPMIPv6ドメインであったとしても、そのPMIPv6ドメインから付与されているアドレスがMIPv6のHoAの要件を満たすとは限らない。すなわち、PMIPv6ドメインから付与されているアドレスがMIPv6のHoAとして使用可能ではない場合もあり、仮に使用可能であったとしてもHoAとしての使用があまり適切ではない場合もある。また、MIPv6のHoAの要件を満たすアドレスが移動端末にたくさん割り当てられている場合も起こり得る。
例えば図5において、複数のアドレスを保持している移動端末は、MIPv6ドメインから外部ネットワークに接続ポイントを変更してMIPv6を始動した後、これらすべてのアドレスをHoA候補として、各アドレスのHAの探索処理を開始する。このHAの探索処理の結果、HAが見つからないアドレスが存在する場合がある。また、HAが見つかったアドレスであっても、多くの場合は同一のHA(LMA)が通知されることになる。さらに、HAが見つかりHoAとして使用可能であると思われるすべてのアドレスに関して、移動端末はBUを送信する処理を行う。なお、移動端末は、このBUによる登録が完了するまではMIPv6の通信を開始することができない。
このように、ネットワーク接続の変更前にPMIPv6ドメインで移動端末がもらっていたすべてのアドレスが、その移動端末のホームドメインでもらったアドレスなので、HoAとして使用できる可能性がある。例えば、サービスごとにアドレスをもらっている場合などのように移動端末が複数のアドレスをもらっている場合には、すべてのアドレスに関して、HAの探索処理を行うためのHA探索メッセージを送信する必要がある。なお、これらのアドレスの中には同一のHAによって管理されているアドレスも存在し得るが、移動端末はこのことを事前に把握できないので、移動端末は、HAの探索処理の際にはそれぞれのアドレスに関するHA探索メッセージを送信する必要があり、同一のHAによって管理されているアドレスであることは結果的に把握可能となる。
また、HAの探索処理の結果、HoAとしてHAがサポート可能なアドレスが複数存在し、HAが、これらすべてのアドレスに関してHA探索メッセージに対する応答を行った場合には、単純には、これらすべてのアドレスをHoAとし、移動先でもらったアドレスをCoAとして関連付けを行うため、各HoAとCoAとを関連付けるBUを送信する必要がある。この場合、基本的には、HoAの数だけBUを送信する必要がある。すなわち、従来の技術では、図5の矢印(メッセージの流れ70)に示されているように、短時間に大量のHA探索メッセージ及びその応答メッセージや、BUメッセージ及びその応答メッセージ(BA(Binding Acknowledgement)メッセージ)が流れることになる。
また、PMIPv6ドメイン(ホームドメイン)でもらっていたアドレスがどれもHoAの要件(例えば、このアドレスがグローバルに到達可能か否かの要件や、このアドレスが外部ネットワークで使用可能か否かのポリシなどによる)を満たしていなければ、HAの探索処理はすべて失敗し、HoAとなるべきアドレスをホームドメインに改めて問い合わせなければならない可能性もある。
このように、複数の移動端末が移動を行った場合、移動管理に係るシグナリングがたくさん送信され、通信帯域の逼迫や通信の遅延が生ずることになる。これにより、移動端末は、アドレスの登録の完了に時間を要し、実際の通信の開始が遅れたり、パケットロス、QoS要件の未達成、スループット低下などが起こったりする可能性がある。さらに、こうした移動管理に係るシグナリングは、ネットワークノードの処理負荷の増大や、ネットワークトラフィックの増大をもたらし、他の移動端末の通信に影響を及ぼしてしまう可能性もある。
また、PSサービスとCSサービスの間で切り換えが行われる場合も同様に、例えばユーザ端末(UE:User Equipment)がPSサービスに使用しているアドレスが、CSサービスで使用可能な要件を満たしているか(あるいは、使用に適しているか、CSアドレスを生成できるか)を、UEは事前に把握できない。例えば、UEがPSサービスを利用している状態でCSからの着信を受けた場合に、アドレスの切り換えを行うことも可能であるが、この場合には何らかのシグナリングや登録などが必要となり、シグナリングによるネットワークトラフィックの増大、通信の遅延、パケットロス、QoSやスループットの低下、処理負荷の増大などの問題が生じ、通信に悪影響を及ぼす可能性がある。
上記の課題を解決するため、本発明は、移動端末が各サービスに使用するためのアドレスの取り扱い方法を把握できるようにし、より効率の良い通信を実現する移動端末及びネットワークノードを提供することを目的とする。本発明は、特に、移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコルを使用する際に、その移動管理プロトコルの始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようにする移動端末及びネットワークノードを提供することを目的とする。また、本発明は、特に、PSドメインとCSドメインとが混在するネットワークシステムを利用して通信を行う際に、その通信設定を手短に完了できるようにする移動端末及びネットワークノードを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の移動端末は、ネットワークに接続して通信を行う移動端末であって、
前記ネットワークに接続して通信を行うために使用する1つ又は複数のアドレスを管理するアドレス管理手段と、
移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコル実行手段と、
前記移動管理プロトコルを使用して通信を行う際に前記アドレス管理手段で管理されている前記アドレスを前記移動管理プロトコルでどのように取り扱えばよいかを示すアドレス取り扱い方法を、前記移動管理プロトコル実行手段が前記移動管理プロトコルを動作させる前に前記ネットワーク側に問い合わせる問い合わせ手段と、
前記問い合わせ手段による問い合わせによって、前記アドレス管理手段で管理されている前記アドレスに関するアドレス取り扱い方法に関する情報を取得し、前記移動管理プロトコル実行手段が前記移動管理プロトコルを動作させる際に参照可能なように格納するアドレス取り扱い方法格納手段とを、
有する。
この構成により、移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコルを使用する際に、その移動管理プロトコルの始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレスを管理するホームエージェントが複数存在する場合には、前記問い合わせ手段が、複数のホームエージェントのそれぞれに対して問い合わせを行い、前記アドレス取り扱い方法格納手段が、前記ホームエージェントごとにそれぞれの問い合わせ結果を格納するよう構成されている。
この構成により、移動端末は、アドレスを管理しているホームエージェントごとにアドレス管理を行うことが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに関してホームエージェントの探索及びバインディングアップデートを行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを動作させる場合に、ホームアドレスとして使用するアドレスを即座に把握し、そのアドレスに関してホームエージェントの探索及びバインディングアップデートを行えるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに対応するホームエージェントの識別情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに関してホームエージェントの探索処理を行って、対応するホームエージェントを把握することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに関してバインディングアップデートを行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを動作させる場合に、ホームアドレスとして使用するアドレスと、そのアドレスに対応するホームエージェントを即座に把握し、そのアドレスに関してバインディングアップデートを行えるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記問い合わせ手段は、前記移動端末が前記移動管理プロトコルを動作させる前のドメインに接続している際に問い合わせを行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを動作させる前のドメイン(例えば自身のホームドメイン)に接続している時点で、移動管理プロトコルの動作時に必要となる情報を取得できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記問い合わせ手段は、前記移動端末が新規のアドレスを取得した際に、前記新規のアドレスに関するアドレス取り扱い方法の問い合わせを行うように構成されている。
この構成により、移動端末はアドレスを新たに取得した時点で、そのアドレスの移動管理プロトコルにおける取り扱い方法を把握することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記アドレス取り扱い方法格納手段に格納されている前記アドレス取り扱い方法に関する情報を参照するように構成されている。
この構成により、移動端末は、接続ドメインを切り換えて移動管理プロトコルを動作させる際に、移動管理プロトコルによる通信を迅速に開始することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記アドレスに関して、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用すべきアドレス、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用すべきアドレス、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが使用不可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが使用可能か否か不明のうちのどの分類に属するかを示す情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、アドレスが属する各分類に適した処理方法によって、アドレスを取り扱うことができるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記問い合わせ手段による問い合わせの結果、前記アドレス管理手段で管理されているアドレスの中でホームアドレスとして使用可能なアドレスが存在しないことが分かった場合に、ホームアドレスとして使用すべきアドレス、又は、ホームアドレスとして使用可能なアドレスの割り当てを要求するホームアドレス要求手段を有している。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを、移動管理プロトコルの動作前に取得することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、あるアドレスに関してホームアドレスとして使用すべきなのか、あるいは、ホームアドレスとして使用することが可能なのかを示す情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、ホームアドレスとして使用すべき『HoA指定』アドレスと、ホームアドレスとして使用可能な『HoA可能』アドレスとを区別できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、ホームアドレスとして使用することが可能なアドレスと共に、ホームアドレス以外に使用可能な用途を示す情報を含むように構成されている。
この構成により、ホームアドレスとして使用可能な『HoA可能』アドレスのホームアドレス以外の用途を把握することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、ホームアドレスとして使用すべきアドレス、及び、ホームアドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合には、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレスに係るバインディングアップデートを前記ホームエージェントに送信することで、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスに係るバインディングアップデートの処理が前記ホームエージェントで行われ、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスをホームアドレスとして使用することが可能となる。
この構成により、ホームアドレスとして使用すべきアドレスと共にホームアドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合に、ホームアドレスとして使用すべきアドレスに関連した登録内容を複製して、ホームアドレスとして使用可能なアドレスに援用できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスに関して、ホームアドレスと関連付けてバインディングアップデートを行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルの動作開始前に気付アドレスとしての使用が特定されたアドレスを用いて、バインディングアップデートを行うことが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートの前記気付アドレスが、前記気付アドレスとして使用するアドレスとして通知されたものであることを示す識別子を前記バインディングアップデートに挿入するよう構成されている。
この構成により、移動管理プロトコルの動作開始前に気付アドレスとしての使用が特定されたアドレスを気付アドレスとして使用した場合、その旨が明示されるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えた移動先で取得した通常の気付アドレスを転送先として使用する通信において、前記バインディングアップデートで登録した前記気付アドレスを用いた通信を継続して行うように構成されている。
この構成により、例えば、通常の気付アドレスを用いた通信の内部(トンネル/ルーティング)で引き続き、バインディングアップデートで登録した気付アドレスによる通信を継続して行うことが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、通信相手に対して前記バインディングアップデートで登録した前記気付アドレスを通知することで、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えた移動先で取得した通常の気付アドレスを前記通信相手に伝えずに通信を行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動を行って接続ドメインを切り換えた場合であっても、その移動を通信相手に隠蔽することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定する情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルが使用不可能であるが、廃棄せずにそのまま保持することが望ましいアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス管理手段は、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記保持可能なアドレスを保持しておくように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルが使用不可能であるが、廃棄せずにそのまま保持することが望ましいアドレスを保持しておくことが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて、保持されている前記保持可能なアドレスを使用していたドメインに再度接続した場合に、前記保持可能なアドレスを再利用するよう構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持しておいたアドレスを再利用することで、アドレスの認証や割り当て、登録などの処理を省略して、通信を開始するまでの時間を短縮することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて、保持されている前記保持可能なアドレスを使用していたドメインに再度接続した場合に、前記保持可能なアドレスの使用が可能か否かを改めて確認し、その確認結果に従って、前記保持可能なアドレスを再利用するか、あるいは、前記保持可能なアドレスを廃棄するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持しておいたアドレスを再利用することが可能か否かを確認できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、PSシステムにおいて使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、PSシステムにおいて使用するアドレスを特定することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のネットワークノードは、ネットワーク上に位置するネットワークノードであって、
移動管理を行うための移動管理プロトコルを実装している移動端末から前記移動端末が前記移動管理プロトコルを動作させる前に、前記移動管理プロトコルを使用して通信を行う際に保持しているアドレスを前記移動管理プロトコルでどのように取り扱えばよいかを示すアドレス取り扱い方法の問い合わせを受信する問い合わせ受信手段と、
前記移動端末からの前記問い合わせに対する応答として、前記アドレス取り扱い方法に関する情報を前記移動端末に通知する問い合わせ応答手段とを有する。
この構成により、移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコルを使用する際に、その移動管理プロトコルの始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようになる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末がホームアドレスとして使用するアドレスを特定し、前記ホームアドレスとして使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末のアドレスに関し、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレス及び前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスを特定し、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレスあてのパケット転送先を登録する際、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスに関しても同一のパケット転送先の登録を行うように構成されている。
この構成により、ホームアドレスとして使用すべきアドレスと共にホームアドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合に、ホームアドレスとして使用すべきアドレスに関連した登録内容を複製して、ホームアドレスとして使用可能なアドレスに援用できるようになる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末が気付アドレスとして使用するアドレスを特定し、前記気付アドレスとして使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末のアドレスに関し、前記気付アドレスとして使用すべきアドレス及び前記気付アドレスとして使用可能なアドレスを特定し、特定のホームアドレスと関連付けて前記気付アドレスを転送先として登録する際、前記気付アドレスとして使用可能なアドレスに関しても同一の前記特定のホームアドレスと関連付けた転送先として登録を行うように構成されている。
この構成により、気付アドレスとして使用すべきアドレスと共に気付アドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合に、気付アドレスとして使用すべきアドレスに関連した登録内容を複製して、気付アドレスとして使用可能なアドレスに援用できるようになる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末の前記移動管理プロトコルがホームアドレス又は気付アドレスとして使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定し、前記使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末の前記移動管理プロトコルがホームアドレス又は気付アドレスとして使用不可能であり廃棄すべきアドレスを特定し、前記使用不可能であり廃棄すべきアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルが使用不可能であり保持不可能なアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末がCSシステムにおいて使用するアドレス、又は、前記移動端末がPSシステムにおいて使用するアドレスを特定し、前記CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、前記PSシステムにおいて使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、PSシステムにおいて使用するアドレスを特定することが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、移動端末が各サービスに使用するためのアドレスの取り扱い方法を把握できるようにし、より効率の良い通信を実現するという効果を有する。本発明は、特に、移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコルを使用する際に、その移動管理プロトコルの始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようにするという効果を有する。また、本発明は、特に、PSドメインとCSドメインとが混在するネットワークシステムを利用して通信を行う際に、その通信設定を手短に完了できるようにするという効果を有する。
本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態における移動端末が移動する際に行う動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態における移動端末の機能を模式的に表したブロック図 本発明の実施の形態において、移動端末がホームPMIPv6ドメインに接続している状態で保持していた複数のアドレスに関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの一例を示す図 従来の技術におけるネットワークシステムの一例を示す図 本発明の実施の形態におけるLMA/HAの機能を模式的に表したブロック図 本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの別の構成の一例を示す図 本発明の実施の形態において、CSシステム用のアドレスに関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの一例を示す図 本発明の実施の形態において、CSシステム用のアドレスに関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの別の一例を示す図
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
図1に図示されているネットワークシステムでは、ある移動端末(UE)15のホームドメインであるPMIPv6ドメイン(以下、ホームPMIPv6ドメインと記載する)10と、外部ネットワーク(ホームPMIPv6ドメインとは異なるネットワーク)20とが、任意のネットワーク(例えば、インターネット30)を介して接続されている。
PMIPv6ドメイン10は、UE15の接続ポイントとして機能するMAG11や、PMIPv6ドメイン10に接続されているUE15やMAG11の位置情報を管理するとともに、MIPv6を動作させているUE15のHAとして機能するLMA/HA12を有している。また、外部ネットワーク20は、UE15の接続ポイントとして機能するAR21を有している。
ここでは、UE15が、ホームPMIPv6ドメイン10のMAG11に接続されている状態(移動前の状態)から、ホームPMIPv6ドメイン10から外部ネットワーク20に接続を切り換えて、外部ネットワーク20のAR21に接続されている状態(移動後の状態)に遷移する場合を考える。なお、移動前の状態において、UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10を介して様々なネットワーク20からサービスを受けており、各サービスを受けるためのアドレスを取得しているものとする。なお、ネットワーク20の一例としては、例えば、VoIPサービスを提供するVoIPネットワークや、携帯電話を用いたデータ通信サービスを提供するセルラネットワークなどが挙げられる。
本発明では、UE15が、ホームPMIPv6ドメイン10に接続されている状態において、MIPv6を動作させた際にHoAとして使用するアドレスを事前に把握しておき(図1の矢印(メッセージの流れ50))、実際にMIPv6を動作させた場合に上述のように把握しておいた情報を用いて、更なる設定(例えば、HAの探索処理やBU送信処理)を行うことで(図1の矢印(メッセージの流れ60))、迅速にMIPv6による通信を開始することができるように構成されている。
ここで、UE15が保持し得る各種のアドレスについて説明する。
UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10に接続されている状態においてホームPMIPv6ドメイン10から割り当てられるアドレスを取得する。このアドレスは、UE15が外部ネットワーク20に移動した後もHoAとして使用可能であることが多いが、必ずしもHoAとして使えるとは限らない。例えば、このホームPMIPv6ドメイン10から割り当てられるアドレスはたとえグローバルに到達可能であっても、オペレータとしてはこのアドレスを外部で使ってほしくない場合もある。このような場合には、一般の(オペレータが管理しているネットワーク外の)ノードとの通信に、このアドレスの使用が禁じられていたり、外部ネットワーク20へつながるゲートウェイ装置などでパケットの出入りをブロックされていたりする可能性がある。
また、UE15は、様々なネットワーク20(例えば、図1のサービスネットワークAやサービスネットワークB)からサービスを受けており、サービスネットワーク内で有効なアドレスや、サービスを受けるために使用するアドレスを取得する。サービスネットワーク内で有効なアドレスは、ホームPMIPv6ドメイン10を構成する様々なネットワーク(サブネットワーク、オーバレイネットワークなど)に独自のアドレス体系によるアドレスで、それぞれのネットワーク(及びその中のノード)にアクセスするため(あるいはアクセスされるため)に使用するアドレスである。また、サービスを受けるために使用するアドレスは、ホームPMIPv6ドメイン10で使用できる様々なサービス(ローカルwebサービス、VoIP、ビデオストリーミング、テレビ会議、ショートメッセージなど)に独自のアドレス体系によるアドレスで、それぞれのサービス(及びそのサービスを使用する他のノード)にアクセスする(あるいはアクセスされる)ために使用するアドレスである。
一方、UE15は、MIPv6を動作させた場合には、グローバルに有効なアドレス(一般の通信相手に提示可能なアドレス)であるHoA(他のプロトコルでは、アイデンティファイアと呼ばれることもある)と、移動先のネットワークで割り当てられたアドレスであるCoA(他のプロトコルでは、ロケータと呼ばれることもある)を関連付けるBUをHAに対して行う。なお、HAが複数存在する場合、一方のHAにとってはHoAであっても、他方のHAにとってはCoAである場合も起こり得る。
なお、たとえホームPMIPv6ドメインから割り当てられたアドレス(ホームオペレータによって割り当てられたアドレス)アドレスであっても、必ずしもMIPv6のHoAとしての要件を満たしているとは限らない。ネットワーク側の動作として、UE15がMIPv6の使用を開始する際は、それまで割り当てていたホームPMIPv6ドメイン10のアドレスとは異なるアドレスを別途割り当てる場合も考えられる。
また、上述のホームPMIPv6ドメイン10から割り当てられるアドレス、サービスネットワーク内で有効なアドレス、サービスを受けるために使用するアドレスがHoA及びCoAのどちらに(あるいは両方に)対応するか、あるいは、どちらにも対応しないかなどの設定は、MIPv6の使用に起因する条件やネットワーク側の設定条件(ポリシ)などによって様々である。
以下、図1のネットワーク構成及びメッセージの流れに加えて、図2に図示されているフローチャートを参照しながら、UE15が移動して、ホームPMIPv6ドメイン10から外部ネットワーク20に接続を切り換えた場合に行う動作について説明する。図2には、本発明の実施の形態におけるUE15が移動する際に行う動作の一例を示すフローチャートが図示されている。
UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10に接続されている状態の任意のタイミングにおいて、MIPv6を用いた通信を行うための準備を開始する(ステップS101)。なお、MIPv6を用いた通信を行うための準備を開始するタイミングは、ホームPMIPv6ドメイン10に接続された状態であればいつでもよい。例えば、UE15が別のネットワーク(外部ネットワーク20)へハンドオーバを行ってMIPv6を用いた通信を行う場合や、別ドメインのアドレスを用いてローカルブレイクアウトによる通信を行うためにMIPv6を始動しようとしている場合など、MIPv6を使用する直前のタイミングであってもよく、あるいは、通信トラフィックや処理負荷の少ないとき(アイドル時)であってもよい。
ステップS101で外部ネットワーク20への移動準備を開始することを決定したUE15は、現在保持しているアドレスの取り扱い方法をホームPMIPv6ドメイン10に問い合わせる(ステップS102)。なお、この問い合わせ先は任意の通信ノードでよく、例えば、UE15はMAG11に対して問い合わせを行い、MAG11がアドレスの取り扱い方法を把握している場合にはMAG11がUE15へ応答を行い、MAG15がアドレスの取り扱い方法を把握していない場合には、MAG11はさらにLMA/HA12や不図示の認証サーバ(AAA(Authentication, Authorization and Accounting)サーバ)に問い合わせるようにしてもよい。
また、UE15が、LMA/HA12やAAAサーバのアドレスを把握している場合には、アドレスの取り扱い方法をこれらのノードに直接問い合わせてもよい。さらに、現在保持している各アドレスを管理している通信ノードをそれぞれ把握しているのであれば、UE15は、各アドレスを管理している各通信ノードに対して、アドレスの取り扱い方法を問い合わせてもよい。また、ホームPMIPv6ドメインに複数のLMA/HA12が存在しており、UE15が有する複数のアドレスが異なるLMA/HA12によって管理されている場合には、UE15は、それぞれのアドレスの取り扱い方法について、対応するLMA/HA12(各アドレスを管理しているLMA/HA12)に問い合わせ、その問い合わせ結果をLMA/HA12ごとにまとめて管理、格納してもよい。また、移動端末が新規にアドレスを取得した際に、そのアドレスの取り扱い方法について問い合わせを行ってもよい。
そして、UE15は、現在保持しているアドレスの取り扱い方法の問い合わせに対する応答(問い合わせ結果)をホームPMIPv6ドメイン10から受信し、この問い合わせ結果を格納する(ステップS103)。この問い合わせ結果によって、例えば現在UE15が保持しているアドレスの中でHoAとして使用可能なアドレスを特定することが可能となる。なお、この問い合わせ結果から、現在UE15が保持しているアドレスの中でHoAとして使用可能なアドレスが存在しないことが分かった場合、UE15はHoAとして使用可能なアドレス(又はHoAとして使用すべきアドレス)をホームPMIPv6ドメイン10へ要求してもよく、MIPv6起動後(ステップS104の処理)に即座にHoAとして使用可能なアドレス(又はHoAとして使用すべきアドレス)を要求するようにしてもよい。また、ネットワーク接続サービスの契約時にMIPv6を使用する予定であることを伝え、これにより、UE15はHoAとして使用可能なアドレス(又はHoAとして使用すべきアドレス)が必ずもらえるようにしてもよい。
上述のステップS101〜S103の処理によって、UE15は、自身の保持しているアドレスの取り扱い方法を把握し、特に、HoAとして使用可能なアドレス(又はHoAとして使用すべきアドレス)を把握できるようになる。なお、ここでは、UE15は、取得済みの複数のアドレスに関する取り扱い方法を問い合わせているが、各アドレスを取得する際に各アドレスの取り扱い方法も同時に通知してもらうようにしてもよい。
ステップS103で格納された問い合わせ結果(各アドレスの取り扱い方法)は、MIPv6機能が参照可能な状態で保持されており、MIPv6機能は、このアドレスの取り扱い方法を参照してアドレスを選択し、HoAやCoAとして適切に使用することが可能となる。
すなわち、例えば何らかのイベント(例えば、ホームPMIPv6ドメイン10から外部ネットワーク20へのハンドオーバ)が発生してMIPv6を使用する場合には(ステップS104)、UE15は、MIPv6機能を起動する。UE15のMIPv6機能は、ステップS103で格納された問い合わせ結果を参照して、HoAとして使用可能なアドレスに関するHAの探索処理やBU送信を行う(ステップS105)。
以上のステップS101〜S105の処理によって、UE15は、PMIPv6ドメインから外部ネットワークに移動した場合などを始めとする任意のイベント発生時にMIPv6を使用する際に、HoAとして使用可能なアドレスに関してのみHAの探索処理を行ったり、HoAとして使用可能なアドレスに関してのみBU送信を行ったりすることで、MIPv6の始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようになり、また、ネットワークのトラフィックや処理負荷を抑えることができるようになる。
ここでは、UE15が、主にHoAとして使用可能なアドレスを把握する目的で上述の処理を行うように説明したが、HoAとして使用可能なアドレスやCoAとして使用可能なアドレス、使用不可のアドレスなどのようにアドレスをいくつかの種類に分け、各アドレスがそれぞれどの種類に属しているかをUE15が把握できるようにすることが可能である。アドレスの分類とそれぞれの取り扱い方法の詳細な例に関しては、後で図4を参照しながら説明する。
また、ここでは、UE15は、現在保持している各アドレスの取り扱い方法をMIPv6の使用(MIPv6の起動)前に把握することが可能であるが、さらに問い合わせの結果からHoAとして使用可能なアドレスを抽出し、このHoAとして使用可能なアドレスに関するHAの探索処理を行うことで、HoAとして使用可能なアドレスを管理しているHAを特定してもよい。この場合、UE15は、このHAの特定結果を上述の問い合わせ結果と共に格納しておき、MIPv6の使用時に適切なHoA及び対応するHAを即座に把握することが可能となる。また、UE15は、アドレスの取り扱い方法を把握した結果、実行可能となるその他の任意の処理を行うことも可能となる。
次に、本発明の実施の形態におけるUE15の機能について説明する。図3には、本発明の実施の形態におけるUE15の構成の一例を示す機能ブロック図が図示されている。
図3に図示されているUE15は、ネットワークインタフェース151、問い合わせ/応答処理部152、IPv6機能部153、MIPv6機能部154、問い合わせ結果格納部155を有している。なお、図3は、図1におけるUE15の機能を模式的に表したものであり、図3に図示されているUE15は、図2に図示されているフローチャートに従った処理を行う。
ネットワークインタフェース151は、MAG11やAR12、その他のネットワークへの接続ポイントに接続して通信を行うためのインタフェースである。UE15は移動可能であり、ネットワークインタフェース151は無線通信インタフェースである。なお、ネットワークインタフェース151は1つであってもよく、複数存在していてもよい。
また、問い合わせ/応答処理部152は、例えばUE15がMIPv6の始動を決定した際に、UE15が現在保持しているアドレスの取り扱い方法に関してホームPMIPv6ドメイン10に問い合わせを行う機能を有している。この際、例えばIPv6機能部153によって管理されているアドレス(UE15がホームPMIPv6ドメイン10に接続された状態で使用しているアドレス)を取得し、これらのアドレスに関する取り扱い方法について問い合わせを行う。なお、UE15がMIPv6を始動する旨は任意の機能(任意のエンティティ)において決定可能であり、その決定を通知するトリガが問い合わせ/応答処理部152に供給されればよい。
また、問い合わせ/応答処理部152は、問い合わせの応答として問い合わせ結果(各アドレスの取り扱い方法)をホームPMIPv6ドメイン10から受信すると、この問い合わせ結果を問い合わせ結果格納部155に格納させる機能を有している。
また、IPv6機能部153はIPv6の機能を表しており、MIPv6機能部154はMIPv6の機能を表している。なお、IPv6及びMIPv6は一部重複した機能を有しているが、ここでは、それぞれの機能を独立したブロックで模式的に表すことにする。また、IPv6機能部153はUE15がホームPMIPv6ドメイン10に接続された状態で使用しているアドレスを管理し、MIPv6機能部154はバインディングアップデートリストなどによってMIPv6で使用するアドレスを管理している。
また、MIPv6機能部154は、問い合わせ結果格納部155に格納されている問い合わせ結果(UE15が現在保持しているアドレスの取り扱い方法)を参照し、その情報に従って適切にHAの探索処理やBU送信処理を行う機能を有している。具体的には、MIPv6機能部154は、例えばHoAとして使用可能なアドレスに関してのみ、HAの探索処理やBU送信処理を行うことで、無駄なアドレスに対する無駄なHAの探索処理及びBU送信処理をなくし、HAの探索処理及びBU送信処理の効率化を実現することが可能となる。
また、問い合わせ結果格納部155は、問い合わせ/応答処理部152が受信した問い合わせ結果を格納する機能を有している。問い合わせ結果格納部155に格納された問い合わせ結果は、MIPv6機能部154が参照することが可能である。
UE15は、各アドレスに関する取り扱い方法を問い合わせることで、各アドレスをどのように取り扱えばよいかを示す情報(問い合わせ結果)を取得して、問い合わせ結果格納部155に格納することが可能である。このとき、取得した問い合わせ結果は、例えば、図4に図示されているようなテーブルとして問い合わせ結果格納部155に格納することが可能である。なお、各アドレスをどのように取り扱えばよいかの判断は、ホームPMIPv6ドメイン10側で行われ、UE15はその判断結果を問い合わせ結果として受信、格納する。
図4には、本発明の実施の形態において、UE15がホームPMIPv6ドメイン10に接続している状態で保持していた複数のアドレス(アドレスA〜H)に関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの一例が図示されている。なお、図4に図示されているテーブルは、UE15が外部ネットワーク20に接続ポイントを切り換えた後の状態のものであり、アドレスI及びアドレスJは外部ネットワーク20から取得したアドレスである。したがって、外部ネットワーク20に接続ポイントを切り換える前のホームPMIPv6ドメイン10に接続している段階では、UE15の問い合わせ結果格納部155には、アドレスA〜Hに関する取り扱い方法が格納されている。
図4に図示されているように、問い合わせ結果格納部155に格納されているテーブルには、UE15が保持しているアドレス(アドレスA〜H)に対して、各アドレスの由来(どのネットワークから取得したアドレスかを示す情報)と、MIPv6がHoA又はCoAとして使用可能か否かを示す情報とが記載されている。
ここで、図4に図示されているMIPv6が各アドレスをHoA又はCoAとして使用可能か否かを示す情報について説明する。図4では、MIPv6が各アドレスをHoA又はCoAとして使用可能か否かに関して、いくつかの段階に分けて表している。すなわち、図4では、MIPv6が各アドレスをHoA又はCoAとして使用可能か否かを、『HoA指定』、『HoA可能』、『CoA指定』、『CoA可能』、『不明』、『使用不可・保持可能』、『使用不可・削除』の各段階に分類して表している。
以下、本発明の実施の形態において用いられている各分類について説明する。
『HoA指定』は、そのアドレスがグローバルに到達可能であり、MIPv6においてHoAとして使用されることが好ましいこと、あるいは、HoAとして使用するよう指定されていることを表している。また、ホームPMIPv6ドメイン10側からHoAとしての使用を指定されたアドレスに関して、『HoA指定』と表されてもよい。
UE15は、この『HoA指定』アドレスを用いて一般のCN(Correspondent Node:コレスポンデントノード)と通信を行うことが可能であり、外部ネットワーク20に移動後に、このアドレスに対応するHAを探索し、このアドレスにCoAを関連付けてHAへBUを行うことが可能である。
この『HoA指定』アドレスをHoAとすることで、その他のアドレスを初めからHoAとして取り扱わないようにすることが可能となり、すべてのアドレスに関してHAの探索処理及びBU送信処理を行う場合と比べて、HAの探索処理及びBU送信処理に要する処理負荷やメッセージ数(ネットワークトラフィック)を減らすことが可能となる。
なお、図4のテーブルにおいては、ホームPMIPv6ドメインのアドレス(1)であるアドレスAが、『HoA指定』アドレスであることが分かる。
また、『HoA可能』は、『HoA指定』よりも優先度が劣るが、HoAとして使用可能なグローバルに到達可能なアドレスであることを表している。『HoA可能』アドレスは、このアドレスを外部のCNに開示したとしても特に問題ないとホームPMIPv6ドメイン10側において判断されたアドレスであり、UE15は、例えば外部ネットワーク20に接続した際にサービスごとにアドレスを使い分けたい場合などに、『HoA可能』アドレスから使用するアドレスを選択することが可能である。
さらに、『HoA可能』アドレスをHoAとして使用しない場合の取り扱い方法を、ホームPMIPv6ドメイン10から取得して問い合わせ結果格納部155に格納してもよい。すなわち、UE15は、このアドレスをHoAとして使用しない場合に、例えばCoAとして使用可能か否か、あるいは、そのまま保持可能か又は廃棄すべきかなどに関する情報を取得し、問い合わせ結果格納部155に格納してもよい。また、『HoA可能又はCoA可能』という分類を設け、『HoA可能』をHoAとして使用可だがCoAとしては使用不可であるアドレスを表す際に使用してもよい。
特に、『HoA指定』アドレスのHAと同一のHAによって管理されている『HoA可能』アドレスに関しては、ネットワーク側でそれらのバインドの面倒を見ることができるため、UE15は『HoA可能』アドレスのBU送信を行う必要がないようにすることも可能である。例えば、LMA/HA12は、この『HoA可能』アドレスに関するBUを特に受信しなくても、『HoA指定』アドレスに対して送信されたBUの登録内容を適切に処理(多重登録の排除、ループ登録の排除等)したうえで『HoA可能』アドレスのアドレスエントリにコピー(若しくは別名で定義)することで、『HoA可能』アドレスの登録エントリを作成することが可能となる。そして、この『HoA可能』アドレスあてに送信されたパケットをHAが受信したとき、若しくは『HoA可能』アドレスを送信元アドレスとして端末がパケットを送信したときに、HAは『HoA可能』アドレスの登録エントリに従って処理を行う。これにより、UE15は、『HoA指定』アドレスに係るBUの送信を削減でき、かつ、外部のノードに対してこの『HoA指定』アドレスを使用して通信を行うことができる。
なお、図4のテーブルにおいては、ホームPMIPv6ドメインのアドレス(2)であるアドレスEが、『HoA可能』アドレスであることが分かる。
また、『CoA可能』は、わざわざHoAにするメリットは無く、CoAとして使用すればよいことを表している。この『CoA可能』アドレスは、CoAとして使用可能である一方、HoAとしての使用を暗に禁じられている。したがって、ホームPMIPv6ドメイン10は、『CoA可能』アドレスとして分類することでこのアドレスをHoAとしてUE15に使用させないようにし、同一HAによる効率的な登録処理をしている場合などに不要な登録(多重登録やループを発生させる登録)を明示的に抑制することが可能となる。
また、HoAとしての要件(例えば、グローバルに到達可能、管理するHAが存在など)を満たしてはいないが(若しくはそのようなサービスを許可してはいないが)、特定のドメインに移動した場合や移動後も特定のサービスを引き続き使用する場合に使用可能なアドレスを『CoA可能』アドレスとしておいてもよい。
また、移動先の外部ネットワーク20においてオンリンク(接続ポイントでの直接使用)では有効ではないが、適切なトンネルインタフェースを介した場合には使用可能となるかもしれないアドレスを『CoA可能』アドレスとしてもよい。この場合、『CoA可能』アドレスには、トンネルを介して有効なネットワークに接続可能なアドレスも含まれることになる。
なお、この場合のCoAとしての登録は、通常のバインディングアップデートのような移動先で与えられたアドレスをCoAとして登録するものとは区別することが望ましい。つまり、BU送信の際に『CoA可能』アドレスを記載する場合、任意の識別子(例えば追加のフラグ)などを用いて、移動先で与えられたアドレスではなく、移動前に与えられたアドレスで『CoA可能』として通知されたアドレスである旨を通知する。これにより、移動先で与えられたアドレスとは異なった使用方法が可能となる。例えば、上述のように移動前のネットワークで使用していた特定のサービスを引き続き使用する場合に、移動先で与えられたアドレス(通常のCoA)を外側に用いたトンネル/ルーティングを介して内部に『CoA可能』アドレスを用いた特定のサービスのデータパケットを送受信することで、サービスを継続して使用できるようになる。このとき、HoAと『CoA可能』とのトンネルが存在するか自体も含めたトンネリングの上下関係は、移動前の状態をそのまま継続可能であるし、新たなトンネル構成に変更してもよい。
また、特に、『CoA可能』アドレスのHAと同一のHAによって『HoA指定』アドレスや『HoA可能』アドレスが管理されている場合には、『HoA指定』アドレスや『HoA可能』アドレスに係る登録内容を『CoA可能』アドレスのアドレスエントリにコピーすることによって、『CoA可能』アドレスを送信元アドレス又はあて先アドレスとして使用したパケット通信が可能となる。したがって、このようなアドレスエントリのコピーがHAで行われる場合には、いかなる接続を介しても現状のUE15の接続ポイントからは有効ではないアドレスであっても、このアドレスを用いた通信が可能となり、こうしたアドレスを『CoA可能』アドレスとして表すことが可能である。アドレスのこのような用法はUE15の現状の接続ポイントのアドレスとしてのCoA(ないしはロケータ)とは異なる用法(通常のCoAと異なる用法)として扱われることが考えられる。この場合は、『CoA可能』とは異なる用語、カテゴリ分けを用いて区別することができる。また、アドレスエントリのコピーを行った場合は、HA若しくはネットワーク内のその他のノードはUE15に対してどのようなコピーを行ったかを通知することが望ましい。なお、UE15は、いかなる接続を介しても現状のUE15の接続ポイントからは有効ではないアドレスに関して、アドレスエントリのコピーを行って有効に可能な状態とするようHAに依頼することも可能である。この依頼はBUによって行われてもよく、その他のメッセージやBUメッセージ内の特別なオプションによって行われてもよい。
また、『HoA可能』アドレスの場合と同様に、『CoA可能』アドレスをCoAとして使用しない場合の取り扱い方法を、ホームPMIPv6ドメイン10から取得して問い合わせ結果格納部155に格納してもよい。すなわち、UE15は、このアドレスをCoAとして使用しない場合に、例えばそのまま保持可能か又は廃棄すべきかなどに関する情報を取得し、問い合わせ結果格納部155に格納してもよい。
なお、このように、例えばトンネルを介してホームPMIPv6ドメイン10に接続可能な『CoA可能』アドレスは、元のホームPMIPv6ドメイン10に属するアドレスなので、UE15が移動先(外部ネットワーク20)に接続していた場合であっても通信相手にはUE15が移動したことが伝わらない。したがって、このアドレスを用いることでUE15の位置を秘匿することが可能となる。
また、『CoA指定』は、MIPv6においてCoAとして使用されることが好ましいこと、あるいは、CoAとして使用するよう指定されていることを表している。基本的には、上述の『CoA可能』とほぼ同じであるが、『CoA可能』アドレスと違って、『CoA指定』アドレスはCoA以外の用途に使用することは許されていないなどの差異を設けて管理することができる。
また、『使用不可・保持可能』は、例えばローカルなアドレスであるという理由や、MIPv6においては使用不可能などの理由で、外部ネットワーク20では使用できないが、再びホームPMIPv6ドメインに戻ってきた場合には再使用することが可能なアドレスであることを表している。UE15は、再度ホームPMIPv6ドメインに戻ってきた際に、この保持されたアドレスを使用することで、例えば、ホームPMIPv6ドメインに再接続する際のアドレス要求やアドレス割り当てなどの処理を簡略化することが可能となる。なお、UE15は、再度ホームPMIPv6ドメインに戻ってきた際に、保持可能なアドレスに関して、改めて使用可能か否かを確認してもよい。
なお、上述のように、『CoA可能』アドレスのHAと同一のHAによって『HoA指定』アドレスや『HoA可能』アドレスが管理されている場合には、『HoA指定』、『CoA可能』、『CoA指定』と同様に、同一のHAによって管理されているアドレスに関して、HAにおいてアドレスエントリのコピーが効率的に行われる場合に、UE15による登録(BU送信)が不要であることを表すために『使用不可・保持可能』の分類が使用されてもよい。
また、『使用不可・削除』は、外部ネットワーク20では使用不可能なアドレスであり、かつ、ホームPMIPv6ドメイン10をいったん離れてから再度ホームPMIPv6ドメイン10に戻ってきても使用することができないアドレスを表している。なお、UE15がホームPMIPv6ドメイン10を離れない場合(例えば、ローミング、ローカルブレイクアウト、同時接続などの場合)でも、MIPv6が起動したときに捨てる必要があるアドレスは、この『使用不可・削除』アドレスにあてはまる。
また、『不明』は、ホームPMIPv6ドメイン10は関知していないアドレスであり、どのように取り扱ってよいか不明なアドレスであることを表している。なお、『不明』アドレスは、ホームPMIPv6ドメイン10がそのアドレスの取り扱い方法や由来などを知らないことから、別の誰か(別のネットワーク)が提供したアドレスである可能性があり、例えば、外部ネットワーク20においてはHoAとして機能するアドレスである可能性もある。
また、『不明』アドレスの取り扱い方法は、UE15の判断に委ねられることになり、UE15が別のネットワークにその取り扱い方法を問い合わせたり、自身で取り扱い方法(例えば、CoAとして使用)を決定したりすることが可能である。
また、UE15が、PSサービスを使用しているときであってもCSサービスからの着信があったときは、ネットワーク側でPSサービスからCSサービスへの切り換えを行っているが、本発明の実施の形態においては、この切り換えも一種の別のネットワークへのハンドオーバととらえることによって、UE15もこの切り換えを把握できるようにする。
この場合、PMIPv6ドメインでのアドレスの割り当ての際(あるいは、既に割り当てられているアドレスに対して)若しくはCSサービスへの切り換えのタイミングで、CSサービスへつながることを示すアドレスをネットワーク側で別途用意し、そのアドレスの使用方法についての情報をネットワーク側からUE15へ通知する。なお、UE15からの要求に応じてネットワーク側が応答することで、このアドレスの使用方法の通知が行われてもよく、あるいは、UE15からの要求無しに、ネットワーク側から通知が行われてもよい。
例えば、特定のアドレスに対して、そのアドレスが『CSシステム用』若しくは『PSシステム用』であることを示す識別情報がアドレスの使用方法として付加される。UE15は、このアドレスの使用方法を、アドレスに関する取り扱い方法を示す情報として、そのアドレスと関連付けて格納する。なお、ホームドメインにおける『保持可能』アドレスとして使用方法が設定されており、さらに、『CSシステム用』若しくは『PSシステム用』であることを示す識別情報が付加されることで、この『保持可能』なアドレスが、PSシステム使用時/CSシステム使用時に予約されているような状態であってもよい。
この場合、UE15が接続されているネットワークは、ホームドメインからの変更がない場合がほとんどであるので、ホームドメインは、CSサービスのアドレスに対するPSサービスのアドレスの関連付け(あるいはその逆)を行うほかに、どのデータがどのアドレスあてに届くかを示すフロー情報に相当するものの変更をUE15で把握できるような情報を単に通知するだけで、CS/PS間の切り換えがUE15にも把握できる形で実施できるようになる。
これにより、UE15は、CSシステムへの接続を開始した場合においても、そのCSシステムへの接続で使用するアドレスを容易に把握できるようになるとともに、PSシステムにおけるアドレスを保持できるようになり、CSシステムへの切り換え時やPSシステムへの復帰時の処理遅延が低減されるだけでなく、異なるアドレスを並行して使い分けることによってCSシステムとPSシステムとの同時使用のための要件が提供されるようになる。
また、このように、UE15がCSシステム用アドレスとPSシステム用アドレスとを使い分けることにより、一方のシステムを使用できないような状況になった場合には、使用できなくなったシステムのアドレスを『使用不可・保持可能』、若しくは『使用不可・削除(ネットワーク側に返却)』とすることにより、UE15は、簡単に使用するシステム及び使用するアドレスを選択できるようになる。これは、ネットワーク側からの指示だけでなく、端末側からの選択動作を可能とするうえでも有用である。
次に、具体的なネットワークシステムの一例を参照しながら、ユーザ端末において、『CSシステム用』若しくは『PSシステム用』であることを示す識別情報が格納される場合について説明する。
図7に図示されているネットワークシステムでは、ある移動端末(UE)15のホームドメインであるPSドメイン(例えば、3GPPドメイン)210と、CSドメイン(例えば、2Gドメイン)220とが、サービスネットワークX240を介して接続されている。なお、サービスネットワークX240は、PSサービス/CSサービスの翻訳機能(変換機能)を提供するネットワークである。
PSドメイン210は、UE15の接続ポイントとして機能するMAG211や、PSドメイン210に接続されているUE15やMAG211の位置情報を管理するとともに、MIPv6を動作させているUE15のHAとして機能するLMA/HA212を有している。また、CSドメイン220は、音声通話のために通話端末同士を接続するMSC(Mobile Switching Center:移動通信交換局)230や、UE221が接続するための基地局(不図示)を有している。なお、UE15は、PSドメイン210のMAG211の1つに接続してパケット通信を行っており、UE221は、CSドメイン220に接続して、UE15との通話を開始しようとしているとする。
ここで、UE221が、UE15との通話を開始するための発呼を行ったとする。この場合、例えば、サービスネットワークX240は、UE221による通話をCSサービスからUEサービスに切り換える翻訳処理を行って、PSドメイン210に接続されているUE15へUE221からの発呼を送るとともに(図7では、矢印250によって示されている)、CSドメイン220内のUE221との通話を行うためのアドレス割り当てをUE15に対して行う(図7では、矢印260によって示されている)。また、このアドレス割り当ての際に、割り当てられるアドレスがCSシステムとの通信に使用されることを通知する。なお、アドレス割り当てやアドレスの使用方法の通知は、CSドメイン220からの着呼前に事前に行われてもよい。
この場合、図4に図示されているような、UE15が保持する複数のアドレス(アドレスA〜H)に関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの項目の1つとして、図8Aに図示されているように、サービスネットワークX240から割り当てられたアドレス(アドレスX)が、CSドメイン220との通信に使用される『CSシステム用』であることを示す情報が格納される。なお、図8Bに図示されているように、例えば、このPSドメイン210に接続されている場合のみ使用可能であり、かつ保持可能であることを示す『使用不可・保持可能』に加えて、CSドメイン220との通信に使用されることを示す『CSシステム用』であることを示す情報が格納されてもよい。
これにより、UE15は、CSドメイン220に接続されている通話相手との通信に関して、その通信に適したアドレスを容易に把握及び切り換えることが可能となり、また、ネットワーク側でアドレス切り換えが行われた場合であっても、その切り換え(CSシステムからPSシステムへのハンドオーバがネットワーク側で行われていること)を容易に把握することが可能となる。また、UE15は、CSシステムとの通信に使用するアドレスが変わるだけなので、シグナリングを用いたアドレス取得処理などを行わずに、通信の切り換え検知を自動で行うことが可能となる。
また、サービスネットワークX240が詳細な翻訳機能を提供しない場合、例えば、アクセスネットワークや接続ドメインのルータにおける経路切り換えのみでUE15自身が(少なくとも通話相手とのデータフローに関して)CSシステムに接続するような場合は、データフローのためにフォーマット変換などのデータに対する処理をUEが行う必要があるうえに、CSシステムとPSシステムではアドレス構成そのもの(ビット長など)が異なることが考えられる。このとき、UE15に割り当てられる(通知される)べきアドレスはCSシステムのアドレスである。しかしながら、この場合のCSシステムのアドレスは、通知の仕組み、アドレス管理、保持の仕組みなどの関係でPSシステムのアドレス構成と同等になっているか、あるいは容易に拡張できることが望ましい。このため、CSシステム用として割り当てられるアドレスはPSシステム用のアドレス構成と同様、あるいは拡張可能なアドレス構成をしており、そのアドレスを構成しているビット列を用いて、あらかじめ定められる(若しくは、その都度通知される)方法で生成できるようにしておくことが望ましい。例えば、PSシステム用のアドレスと同様の構成をしたアドレスが割り当てられ、CSシステム用として通知された場合、UE15は、実際のCSシステム用のアドレスは、割り当てられたアドレスの特定の位置のビット列を取り出してUE15の端末IDと演算した結果の値となることを把握し、実際にCSシステムへの接続が行われた場合は、送受信するデータフローのフォーマット変換を行う(若しくはCSシステムでの通信モードで通信を行う)とともに、割り当てられた(PSシステム用のアドレス構成の)アドレスから生成したCSシステム用のアドレスを自身のPSシステム用のアドレスとして使用する。また、割り当てられたCSシステム用のアドレスに文字列(例えばドメイン名など)を付加したホスト名に基づいてPSシステム用のアドレスを導出したり、あるいは割り当てられたCSシステム用のアドレスに数字列(PSシステムを特定するためのネットワークプレフィックス値など)を付加した結果をPSシステム用のアドレスとして使用したりしてもよい。具体的にはENUM(Telephone Number Mapping)などの技術を適用してCSシステム用のアドレスからPSシステム用のアドレスを導出したり、PSシステムが割り当てるネットワークプレフィックス値を電話番号に付加した結果をPSシステム用のアドレスとして使用したりすることができる。
なお、上述の説明では、PSシステムからCSシステムへの切り換えについて本発明を適用した例について述べたが、CSシステムからPSシステムに切り換える際にも同様に適用できる。さらに、PSシステム、CSシステム、PSシステムのように連続的な切り換えを行う場合においても適用可能であり、このような場合においては、アドレスを保持し、状況によって使い分けることが可能であることをUE15が把握できるという本発明の効果がより顕著に現れる。また、上述の説明ではCSシステムとPSシステムとの切り換えについて説明したが、本発明の仕組みは、異なるアドレス構成、異なるアドレス付与ポリシ、異なるコネクション生成を行うネットワーク間の切り換えなどにも適用できる。例えば、第2世代携帯電話ネットワーク(2Gネットワーク)、WiMAXシステム、LTEシステムなどを含む通信システムにおいても本発明を適用することが可能である。
さらに、上述の実施の形態ではCSドメインからの発呼をPSドメインで受ける例を挙げて説明したが、PSドメインからCSドメインに向けて発呼する場合にも有効である。例えば、PSドメインに接続されているUE15が発呼する際に、通話相手が必ずしもPSドメインにはいない可能性があると判断したとすると、UE15は、あらかじめ(若しくは発呼時点で)CSシステム用のアドレスを使用して発呼する。CSシステムは通常UEとの間で常時接続している状態にあるので、より確実に(より早く)通話相手に呼び出しがかかることになる。
なお、上述の各アドレスに関する取り扱い方法を規定した分類は一例であり、本発明では実際のネットワークオペレーションに適した様々な分類を行うことが可能である。また、上述の各アドレスに関する取り扱い方法は、例えば、それぞれの分類を示す所定のビット配列によって表すことが可能である。ホームPMIPv6ドメイン10からUE15に各アドレスに関する取り扱い方法を通知する場合や、UE15の問い合わせ結果格納部155のテーブル内に各アドレスに関する取り扱い方法を記憶する場合には、これらのビット配列を用いることが可能である。
また、各アドレスにおいて、ドメイン別に異なる取り扱い方法が指示されてもよい。例えば、ホームPMIPv6ドメイン10(若しくは、UE15に対して取り扱い方法の指示を行ったドメイン)のHAに登録するのであれば『HoA指定』アドレスとして扱うことができるが、その他のドメインのHAに登録する場合には『CoA可能』アドレスとして取り扱うように指示されたり、特定のドメインのHAに登録するつもりであれば『使用不可・保持可能』アドレスとして取り扱うように指示されたりしてもよい。
なお、UE15は同一のHAに対して複数のBUを行う場合には、複数のBUをまとめて1つのBU(例えば、複数のHoAに1つ又は複数のCoAを関連付けるBU)として送信することも可能である。また、UE15は、アドレスに関する取り扱い方法と共に、HoAとして取り扱うことのできるアドレスのHAのアドレスを取得するか、あるいは、アドレスに関する取り扱い方法を把握した直後にHoAとして取り扱うことのできるアドレスのHAを探索する処理を即座に行うことで、例えば外部ネットワーク20に移動してMIPv6を起動する前の状態で、HoA及び対応するHAを把握しておき、MIPv6を起動した後はBU送信処理を行うことで、迅速にMIPv6による通信を介してできるようにしてもよい。
また、上述の本発明の実施の形態では、アドレス(若しくは、複数のアドレス)をBUによって登録する場合について説明したが、プレフィックス(若しくは、複数のプレフィックス)を登録する場合にも適用することが可能である。
例えば、UE15は、PMIPv6の動作において与えられたプレフィックスを登録の対象とすることが可能である。この場合、HoAの代わりにプレフィックス(HoP:ホームプレフィックス)を用いて関連付け及び登録が行われる。これにより、PMIPv6で割り当てられたプレフィックスをHoPとしてそのまま登録でき、また、複数のアドレスをそのHoPから生成している場合には、HoPの登録によって、そのHoPを含む複数のアドレスを一括して登録できるという利点がある。
また、CoAの代わりにプレフィックス(CoP:気付プレフィックス)を用いて関連付け及び登録が行われてもよい。この場合、HoAに関連付けすることを決定したホームドメインでのプレフィックスをそのままCoPとして登録することができる。また、外部ネットワークドメインでプレフィックスを取得した場合も同様に、そのプレフィックスをCoPとしてそのまま登録することもできる。また、複数のアドレスをCoPから生成している場合には、CoPの登録によって、そのCoPを含む複数のアドレスを一括して登録できるという利点がある。また、同様に、HoPに対してCoPを登録することも可能である。
さらに、PMIPv6で与えられるプレフィックスだけではなく,NEMOで使用されるHAから得られるプレフィックスも同様に登録可能である。また、NEMOにおいても、MRに対して複数のHoPを使い分けることができ、また、そのプレフィックスを更に小さなサブネットに分割して用いることもできる。また、これらのプレフィックスを扱う際に、用途によってはCoPとして登録することもできる。この使い分けの通知自体は、上述の例と同様にMRがホームネットワークから離れる際(若しくはプレフィックスを委譲される際)に、どのような登録関係にするべきかについての情報をMRとHAとの間でやり取りすればよい。
また、本明細書ではIPv6のアドレスに関して詳細に説明しているが、実際のネットワークオペレーションでは、IPv4アドレス体系が用いられる(あるいはIPv4とIPv6が混在する)ことも考えられるが、このような環境においても本発明を適用することが可能である。なお、IPv4ではアドレス空間の大きさがIPv6に比べて小さいので、ローカルドメインでのみ有効なアドレス(ローカルアドレス)が使用される可能性が比較的高い。また、同様にMIPv6の代わりにMIPv4が用いられる(あるいは、MIPv4とMIPv6が混在する)ことも考えられるが、このような環境においても本発明を適用することが可能である。
また、UE15は、外部ネットワーク20に移動した後に取得したアドレスでブートストラップ(MIPv6の設定の初期化)を行う場合もある。例えば、移動前にUE15は外部PMIPv6ドメインに接続されており、ホームPMIPv6ドメインに戻ってきた場合に、ブートストラップを行う状況が発生しやすい。このような場合も、UE15は、その移動前に、外部PMIPv6ドメイン内のネットワークノードに対して本発明に係る問い合わせを行うことが可能である。このとき、特に、CoAとして使用する場合にどのように取り扱うべきかを問い合わせておくことが望ましい。
また、UE15がMIPv6で使用する前に各アドレスの取り扱い方法(更には、HoAに対応するHAのアドレス)を問い合わせる際(若しくはネットワーク側から通知される際)に、例えば、AAAで使用されるメッセージやハンドオーバ(あるいは、ファストハンドオーバ)で使用されるメッセージを利用したり、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)に係るメッセージやRA(Router Advertisement)メッセージを利用したりしてもよい。
また、UE15は、MIPv6を使用することを初めから(MIPv6を使用する前から)宣言しておくことで、移動のタイミングを自ら検知しなくても、アドレスをもらう際にそのアドレスに関する取り扱い方法を同時に把握できるようにしてもよい。
また、UE15は、MIPv6を起動してからHoAに相当するアドレスの問い合わせを行い、HoAに対応するアドレスに関してのみHAの探索処理を行うことで、HAの探索処理及びBU送信処理に要する処理負荷を軽減することが可能となる。
また、上述の実施の形態では、UE15が移動前に接続しているドメインは、ホームPMIPv6ドメイン10であるが、例えば、ホームオペレータが管理していない外部PMIPv6ドメイン、別の3GPPドメインであってもよく、MIPv6を使用せずに接続しているアクセスネットワークなどであってもよい。また、UE15が移動前に接続しているドメインは、WiMAXやWLANなどの異なるアクセスネットワークであってもよく、FMC(Fixed Mobile Convergence)などによって無線系と固定系が統合されたネットワークや、NGN(Next Generation Network)などの高度に管理されるネットワーク構成に関わるネットワークでもよく、それらネットワークとの信頼関係が高くても低くてもよい。また、同様に、上述の実施の形態では、UE15が移動後に接続するドメインは、外部ネットワーク20であるが、この外部ネットワーク20は、例えば、外部PMIPv6ドメイン、非3GPPアクセスネットワークなど、UE15がMIPv6を起動させるドメイン(UE15がMIPv6を使用するドメインであればアクセス技術には限定されない)である。また、UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10に接続したまま移動しないで、ローカルブレイクアウトなどを目的としてMIPv6を起動する場合においても、本発明は適用可能である。
また、ローカルネットワークドメインの構成は、複数オペレータ間のローミング関係も含めて多岐にわたることが考えられる。例えば、MAGはモバイルノードのアクセスルータであるとして説明しているが、他にも、MAGが異なるアクセスネットワーク(ローミングを含む)との境界ルータであり、モバイルノードはその異なるアクセスネットワークにいったん接続した後、そのアクセスネットワークを介して境界ルータであるMAGに接続するという構成も考えられる。この場合も、様々なパラメータやMAGへの到達手順、通信手順などの設計部分が異なるが、本発明の動作に関しては同様に適用できることは明白である。
次に、本発明の実施の形態におけるLMA/HA12の機能について説明する。図6には、本発明の実施の形態におけるUE15の構成の一例を示す機能ブロック図が図示されている。
図6に図示されているLMA/HA12は、ネットワークインタフェース121、HA機能部122、LMA機能部123、問い合わせ処理/応答部124、バインディング情報登録制御部125を有している。なお、図6は、図1におけるLMA/HA12の機能を模式的に表したものである。
ネットワークインタフェース121は、ネットワークに接続して通信を行うためのインタフェースである。また、HA機能部122は、端末ベースで動作する移動管理プロトコル(例えば、MIPv6)のアドレス管理装置(すなわち、HA)として動作するために必要な機能をLMA/HA12が有していることを表しており、LMA機能部123は、ネットワークベースで動作する移動管理プロトコル(例えば、PMIPv6)のアドレス管理装置(すなわち、LMA)として動作するために必要な機能をLMA/HA12が有していることを表している。
また、問い合わせ処理/応答部124は、UE15が現在保持しているアドレスの取り扱い方法に関して、MAG11経由で受信したUE15からの問い合わせを処理し、UE15のアドレス(UE15から問い合わせを受けたアドレスのみ、又は、UE15が保持していることが把握できるすべてのアドレスに関して)の取り扱い方法を調査し、その調査結果をUE15からの問い合わせに対する応答として、UE15が受信可能なように通知する機能を有している。
また、バインディング情報登録制御部125は、例えばHA機能部122で『HoA指定』アドレスに関するバインディングアップデートをUE15から受信した場合、その『HoA指定』アドレスの登録内容を『HoA可能』アドレスの登録内容として援用し、『HoA可能』アドレスに対しても『HoA指定』アドレスの登録内容をコピーして登録する機能を有している。また、同様に、バインディング情報登録制御部125は、例えばHA機能部122で『CoA指定』アドレスに関するバインディングアップデートをUE15から受信した場合、その『CoA指定』アドレスの登録内容を『CoA可能』アドレスの登録内容として援用し、『CoA可能』アドレスに対しても『CoA指定』アドレスの登録内容をコピーして登録する機能を有している。
また、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、移動端末が各サービスに使用するためのアドレスの取り扱い方法を把握できるようにし、より効率の良い通信を実現することが可能であり、パケット交換型データ通信ネットワークにおける通信技術に適用可能であり、特に、移動端末がMIP(Mobile Internet Protocol)などの移動管理プロトコルを用いて通信を行う際の通信技術に適用可能である。
本発明は、パケット交換型データ通信ネットワークにおける通信技術に関し、特に、移動端末がMIP(Mobile Internet Protocol)などの移動管理プロトコルを用いて通信を行う際の通信技術に関する。
現在、基地局1台あたりが中長距離のサービスエリアを包含するセルラ通信などの無線通信機能や、サービスエリアが比較的短距離な無線LAN(Local Area Network:ローカルエリアネットワーク)機能などを有し、複数の異種ネットワークで構成されるネットワークを用いて通信サービスを行うシステムや、これらのネットワークに接続可能な無線通信端末が存在している。
このような複数の異種ネットワークから構成されるネットワークとして、3GPP(Third Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)では、セルラネットワーク(3Gネットワーク)、無線LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)タイプの無線ワイドエリアネットワーク(WWAN:Wireless Wide Area Network)などの様々な異種ネットワークとの通信機能を有する無線通信端末及び関連する通信技術に関する議論が行われている。
特に、このような異種ネットワークにおいて、シームレスなモビリティの実現や、リアルタイムビデオ、VoIP(Voice over Internet Protocol)、重要データなどの高いQoS(Quality of Service:サービス品質)が求められている複数のアプリケーションサービスのサポートなどを目指した議論が行われている。
例えば、下記の非特許文献1には、非3Gネットワークへ端末が移動して接続した際のアドレス割り当てに関する技術が記載されている。このような3G/非3Gネットワークにおける移動管理には、下記の非特許文献2に記載のPMIPv6(Proxy Mobile IPv6)が使われることが検討されている。
また、PMIPv6はローカルモビリティをネットワーク側の機能でサポートするものであり、ネットワーク側がPMIPv6をサポートしていない場合や、通信相手端末との接続において何らかの必要が生じた場合など、何らかの理由で移動端末自身が移動管理を行う状況が発生することも考えられる。この場合、移動端末は例えば下記の非特許文献3に記載のMIPv6(Mobility Support in IPv6)を使用して、自身の移動管理を行うことが可能である。
PMIPv6の場合、PMIPv6による移動管理をサポートしているネットワーク(PMIPv6ドメイン)に接続されている端末は、移動管理を行うLMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)若しくはネットワーク内のその他のノードからアドレス若しくはプレフィックス(Prefix)が割り振られる。端末は、このアドレス(若しくは、このプレフィックスから構成されたアドレス)をPMIPv6ドメインでの自身のアドレスとして使用する。端末がPMIPv6ドメイン内を移動しても、PMIPv6ドメインへの接続ポイントであるMAG(Mobile Access Gateway:モバイルアクセスゲートウェイ)によって、LMAで管理されている端末の位置情報が更新されるので、LMAとMAGとの間の転送により、LMAから転送されるパケットは適切なMAG(端末が接続されているMAG)を経由して端末に到達可能となる。
なお、このような状況においては、端末のインタフェースの数によらず、サービスや接続先、ローミングネットワークへの接続状況など様々な要因により、複数のアドレスが端末に割り当てられる場合がある。また、ローミングなどの状況によっては、端末にとってLMAが複数となる場合もあるが、そのような場合の多くにおいて、端末はそれらのLMAの違いを認識することはない。
一方、MIPv6ではグローバルなネットワークから到達可能なアドレス(グローバルに到達可能なアドレス)を端末のHoA(Home Address:ホームアドレス)としてHA(Home Agent:ホームエージェント)から取得し、端末が移動した場合にはその移動先で取得したCoA(Care-of Address:気付アドレス)をHoAと関連付けてHAに登録することで、どのネットワークに接続していてもHAの転送によりパケットが端末に到達可能となる。この場合においても、端末は複数のアドレス(複数のHoA及び/又は複数のCoA)を保持する場合がある。さらに、HAが複数となることもあり、この場合には、端末が移動を登録する登録先(すなわち、HA)が異なることがあり、各HAによって管理されるHoAが異なることもある。この場合、第1のHAが管理するHoAは第2のHAから見ると自身の管理しているものではなく、端末は、そのHoA(第1のHAが管理するHoA)を第2のHAの管理するHoAとして登録することはできないが、第2のHAの管理するCoAとして登録することができるかもしれない。
また、図5は、従来の技術におけるネットワークシステムの一例を示す図である。なお、図5に図示されているネットワーク構成は、後述の図1に図示されているネットワーク構成と同一であり、各構成要素の詳細な説明は図1の説明(後述)によって補完する。初期状態において、移動端末(UE(User Equipment)15)は、ホームのオペレータネットワークの非3Gネットワークに接続している。このネットワークはローカルモビリティ管理にPMIPv6が採用されており、ここでは、ホームPMIPv6ドメイン10と表記する。UE15は、このホームPMIPv6ドメイン10から離れて、外部ネットワーク20に接続ポイントを変更する。このとき、UE15はホームPMIPv6ドメイン10外に接続して、引き続き接続性を必要とするため、MIPv6を用いた移動管理を開始する。
図5において、UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10に接続していた際にはMIPv6による移動管理を行っておらず、外部ネットワーク20に接続ポイントを変更した後、MIPv6の初期設定から行うとする。この場合、UE15は、例えば移動前にホームオペレータから割り当てられていたアドレス(PMIPv6のアドレス)をHoAとするために適切なHAを探索する処理を行い、探索によって発見されたHAに対して、HoAに移動先のネットワークで付与されたアドレスをCoAとして関連付けるBU(Binding Update:バインディングアップデート)の送信処理を行う。
また、IETF(Internet Engineering Task Force)では、個々のホスト用のモビリティサポートの概念(上記のMIPv6)を、移動ノードのネットワーク(モバイルルータのモバイルネットワーク)用のモビリティサポートに拡張したネットワークモビリティサポート(NEMO:Network Mobility)の技術が、例えば下記の非特許文献4で規定されている。この非特許文献4によれば、モバイルネットワークを有するモバイルルータ(MR:Mobile Router)がインターネットに対してどの接続ポイントで接続している場合であっても、モバイルネットワーク内のノードが到達可能となるメカニズムが提供される。
さらに非特許文献4には、モバイルルータがホームエージェントにBUメッセージを送信する際に、モバイルネットワーク内のノードが使用しているネットワークプレフィックスを示す旨が記載されている。例えば、BUメッセージ内にネットワークプレフィックスオプションと呼ばれる特別なオプションを挿入することによって、モバイルルータは、ネットワークプレフィックスを示すことが可能となる。これにより、ホームエージェントは、プレフィックスに基づくルーティングテーブルを構築し、このネットワークプレフィックスを有するあて先アドレスに送信されるパケットをモバイルルータの気付アドレスに転送することが可能となる。
また、ネットワークシステムをすべてIP化するオールIP化の流れが主流であるが、現状では、パケット交換ネットワーク上でIPパケットの伝送を行うPS(Packet Switched:パケット交換)ドメインと、従来のセルラシステムで利用されている回線交換ネットワークによる伝送を行うCS(Circuit Switched:回線交換)ドメインとが混在する状況にある。PSドメインとCSドメインとは互いに独立しており、CSドメインとPSドメインとの間で相互に通信を行う場合には、例えば、CSサービスからPSサービス、あるいは、PSサービスからCSサービスへの変換(例えば、情報フォーマットの変換)をネットワーク側で行う必要がある。
特開2000−183972号公報 3GPP TS 23.402 V8.0.0,2007年12月 IETF (Internet Engineering Task Force) Draft:draft-ietf-netlmm-proxymip6-00,2007年4月 IETF RFC (Request for Comments):rfc3775,2004年6月 IETF RFC (Request for Comments):rfc3963,2005年1月
しかしながら、移動端末のホームドメインがPMIPv6ドメインであったとしても、そのPMIPv6ドメインから付与されているアドレスがMIPv6のHoAの要件を満たすとは限らない。すなわち、PMIPv6ドメインから付与されているアドレスがMIPv6のHoAとして使用可能ではない場合もあり、仮に使用可能であったとしてもHoAとしての使用があまり適切ではない場合もある。また、MIPv6のHoAの要件を満たすアドレスが移動端末にたくさん割り当てられている場合も起こり得る。
例えば図5において、複数のアドレスを保持している移動端末は、MIPv6ドメインから外部ネットワークに接続ポイントを変更してMIPv6を始動した後、これらすべてのアドレスをHoA候補として、各アドレスのHAの探索処理を開始する。このHAの探索処理の結果、HAが見つからないアドレスが存在する場合がある。また、HAが見つかったアドレスであっても、多くの場合は同一のHA(LMA)が通知されることになる。さらに、HAが見つかりHoAとして使用可能であると思われるすべてのアドレスに関して、移動端末はBUを送信する処理を行う。なお、移動端末は、このBUによる登録が完了するまではMIPv6の通信を開始することができない。
このように、ネットワーク接続の変更前にPMIPv6ドメインで移動端末がもらっていたすべてのアドレスが、その移動端末のホームドメインでもらったアドレスなので、HoAとして使用できる可能性がある。例えば、サービスごとにアドレスをもらっている場合などのように移動端末が複数のアドレスをもらっている場合には、すべてのアドレスに関して、HAの探索処理を行うためのHA探索メッセージを送信する必要がある。なお、これらのアドレスの中には同一のHAによって管理されているアドレスも存在し得るが、移動端末はこのことを事前に把握できないので、移動端末は、HAの探索処理の際にはそれぞれのアドレスに関するHA探索メッセージを送信する必要があり、同一のHAによって管理されているアドレスであることは結果的に把握可能となる。
また、HAの探索処理の結果、HoAとしてHAがサポート可能なアドレスが複数存在し、HAが、これらすべてのアドレスに関してHA探索メッセージに対する応答を行った場合には、単純には、これらすべてのアドレスをHoAとし、移動先でもらったアドレスをCoAとして関連付けを行うため、各HoAとCoAとを関連付けるBUを送信する必要がある。この場合、基本的には、HoAの数だけBUを送信する必要がある。すなわち、従来の技術では、図5の矢印(メッセージの流れ70)に示されているように、短時間に大量のHA探索メッセージ及びその応答メッセージや、BUメッセージ及びその応答メッセージ(BA(Binding Acknowledgement)メッセージ)が流れることになる。
また、PMIPv6ドメイン(ホームドメイン)でもらっていたアドレスがどれもHoAの要件(例えば、このアドレスがグローバルに到達可能か否かの要件や、このアドレスが外部ネットワークで使用可能か否かのポリシなどによる)を満たしていなければ、HAの探索処理はすべて失敗し、HoAとなるべきアドレスをホームドメインに改めて問い合わせなければならない可能性もある。
このように、複数の移動端末が移動を行った場合、移動管理に係るシグナリングがたくさん送信され、通信帯域の逼迫や通信の遅延が生ずることになる。これにより、移動端末は、アドレスの登録の完了に時間を要し、実際の通信の開始が遅れたり、パケットロス、QoS要件の未達成、スループット低下などが起こったりする可能性がある。さらに、こうした移動管理に係るシグナリングは、ネットワークノードの処理負荷の増大や、ネットワークトラフィックの増大をもたらし、他の移動端末の通信に影響を及ぼしてしまう可能性もある。
また、PSサービスとCSサービスの間で切り換えが行われる場合も同様に、例えばユーザ端末(UE:User Equipment)がPSサービスに使用しているアドレスが、CSサービスで使用可能な要件を満たしているか(あるいは、使用に適しているか、CSアドレスを生成できるか)を、UEは事前に把握できない。例えば、UEがPSサービスを利用している状態でCSからの着信を受けた場合に、アドレスの切り換えを行うことも可能であるが、この場合には何らかのシグナリングや登録などが必要となり、シグナリングによるネットワークトラフィックの増大、通信の遅延、パケットロス、QoSやスループットの低下、処理負荷の増大などの問題が生じ、通信に悪影響を及ぼす可能性がある。
上記の課題を解決するため、本発明は、移動端末が各サービスに使用するためのアドレスの取り扱い方法を把握できるようにし、より効率の良い通信を実現する移動端末及びネットワークノードを提供することを目的とする。本発明は、特に、移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコルを使用する際に、その移動管理プロトコルの始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようにする移動端末及びネットワークノードを提供することを目的とする。また、本発明は、特に、PSドメインとCSドメインとが混在するネットワークシステムを利用して通信を行う際に、その通信設定を手短に完了できるようにする移動端末及びネットワークノードを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の移動端末は、ネットワークに接続して通信を行う移動端末であって、
前記ネットワークに接続して通信を行うために使用する1つ又は複数のアドレスを管理するアドレス管理手段と、
移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコル実行手段と、
前記移動管理プロトコルを使用して通信を行う際に前記アドレス管理手段で管理されている前記アドレスを前記移動管理プロトコルでどのように取り扱えばよいかを示すアドレス取り扱い方法を、前記移動管理プロトコル実行手段が前記移動管理プロトコルを動作させる前に前記ネットワーク側に問い合わせる問い合わせ手段と、
前記問い合わせ手段による問い合わせによって、前記アドレス管理手段で管理されている前記アドレスに関するアドレス取り扱い方法に関する情報を取得し、前記移動管理プロトコル実行手段が前記移動管理プロトコルを動作させる際に参照可能なように格納するアドレス取り扱い方法格納手段とを、
有する。
この構成により、移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコルを使用する際に、その移動管理プロトコルの始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレスを管理するホームエージェントが複数存在する場合には、前記問い合わせ手段が、複数のホームエージェントのそれぞれに対して問い合わせを行い、前記アドレス取り扱い方法格納手段が、前記ホームエージェントごとにそれぞれの問い合わせ結果を格納するよう構成されている。
この構成により、移動端末は、アドレスを管理しているホームエージェントごとにアドレス管理を行うことが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに関してホームエージェントの探索及びバインディングアップデートを行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを動作させる場合に、ホームアドレスとして使用するアドレスを即座に把握し、そのアドレスに関してホームエージェントの探索及びバインディングアップデートを行えるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに対応するホームエージェントの識別情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに関してホームエージェントの探索処理を行って、対応するホームエージェントを把握することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに関してバインディングアップデートを行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを動作させる場合に、ホームアドレスとして使用するアドレスと、そのアドレスに対応するホームエージェントを即座に把握し、そのアドレスに関してバインディングアップデートを行えるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記問い合わせ手段は、前記移動端末が前記移動管理プロトコルを動作させる前のドメインに接続している際に問い合わせを行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを動作させる前のドメイン(例えば自身のホームドメイン)に接続している時点で、移動管理プロトコルの動作時に必要となる情報を取得できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記問い合わせ手段は、前記移動端末が新規のアドレスを取得した際に、前記新規のアドレスに関するアドレス取り扱い方法の問い合わせを行うように構成されている。
この構成により、移動端末はアドレスを新たに取得した時点で、そのアドレスの移動管理プロトコルにおける取り扱い方法を把握することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記アドレス取り扱い方法格納手段に格納されている前記アドレス取り扱い方法に関する情報を参照するように構成されている。
この構成により、移動端末は、接続ドメインを切り換えて移動管理プロトコルを動作させる際に、移動管理プロトコルによる通信を迅速に開始することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記アドレスに関して、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用すべきアドレス、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用すべきアドレス、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが使用不可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが使用可能か否か不明のうちのどの分類に属するかを示す情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、アドレスが属する各分類に適した処理方法によって、アドレスを取り扱うことができるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記問い合わせ手段による問い合わせの結果、前記アドレス管理手段で管理されているアドレスの中でホームアドレスとして使用可能なアドレスが存在しないことが分かった場合に、ホームアドレスとして使用すべきアドレス、又は、ホームアドレスとして使用可能なアドレスの割り当てを要求するホームアドレス要求手段を有している。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを、移動管理プロトコルの動作前に取得することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、あるアドレスに関してホームアドレスとして使用すべきなのか、あるいは、ホームアドレスとして使用することが可能なのかを示す情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、ホームアドレスとして使用すべき『HoA指定』アドレスと、ホームアドレスとして使用可能な『HoA可能』アドレスとを区別できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、ホームアドレスとして使用することが可能なアドレスと共に、ホームアドレス以外に使用可能な用途を示す情報を含むように構成されている。
この構成により、ホームアドレスとして使用可能な『HoA可能』アドレスのホームアドレス以外の用途を把握することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、ホームアドレスとして使用すべきアドレス、及び、ホームアドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合には、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレスに係るバインディングアップデートを前記ホームエージェントに送信することで、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスに係るバインディングアップデートの処理が前記ホームエージェントで行われ、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスをホームアドレスとして使用することが可能となる。
この構成により、ホームアドレスとして使用すべきアドレスと共にホームアドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合に、ホームアドレスとして使用すべきアドレスに関連した登録内容を複製して、ホームアドレスとして使用可能なアドレスに援用できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスに関して、ホームアドレスと関連付けてバインディングアップデートを行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルの動作開始前に気付アドレスとしての使用が特定されたアドレスを用いて、バインディングアップデートを行うことが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートの前記気付アドレスが、前記気付アドレスとして使用するアドレスとして通知されたものであることを示す識別子を前記バインディングアップデートに挿入するよう構成されている。
この構成により、移動管理プロトコルの動作開始前に気付アドレスとしての使用が特定されたアドレスを気付アドレスとして使用した場合、その旨が明示されるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えた移動先で取得した通常の気付アドレスを転送先として使用する通信において、前記バインディングアップデートで登録した前記気付アドレスを用いた通信を継続して行うように構成されている。
この構成により、例えば、通常の気付アドレスを用いた通信の内部(トンネル/ルーティング)で引き続き、バインディングアップデートで登録した気付アドレスによる通信を継続して行うことが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、通信相手に対して前記バインディングアップデートで登録した前記気付アドレスを通知することで、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えた移動先で取得した通常の気付アドレスを前記通信相手に伝えずに通信を行うように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動を行って接続ドメインを切り換えた場合であっても、その移動を通信相手に隠蔽することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定する情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルが使用不可能であるが、廃棄せずにそのまま保持することが望ましいアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス管理手段は、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記保持可能なアドレスを保持しておくように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルが使用不可能であるが、廃棄せずにそのまま保持することが望ましいアドレスを保持しておくことが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて、保持されている前記保持可能なアドレスを使用していたドメインに再度接続した場合に、前記保持可能なアドレスを再利用するよう構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持しておいたアドレスを再利用することで、アドレスの認証や割り当て、登録などの処理を省略して、通信を開始するまでの時間を短縮することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて、保持されている前記保持可能なアドレスを使用していたドメインに再度接続した場合に、前記保持可能なアドレスの使用が可能か否かを改めて確認し、その確認結果に従って、前記保持可能なアドレスを再利用するか、あるいは、前記保持可能なアドレスを廃棄するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持しておいたアドレスを再利用することが可能か否かを確認できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は、上記の構成に加えて、前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、PSシステムにおいて使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている。
この構成により、移動端末は、CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、PSシステムにおいて使用するアドレスを特定することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のネットワークノードは、ネットワーク上に位置するネットワークノードであって、
移動管理を行うための移動管理プロトコルを実装している移動端末から前記移動端末が前記移動管理プロトコルを動作させる前に、前記移動管理プロトコルを使用して通信を行う際に保持しているアドレスを前記移動管理プロトコルでどのように取り扱えばよいかを示すアドレス取り扱い方法の問い合わせを受信する問い合わせ受信手段と、
前記移動端末からの前記問い合わせに対する応答として、前記アドレス取り扱い方法に関する情報を前記移動端末に通知する問い合わせ応答手段とを有する。
この構成により、移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコルを使用する際に、その移動管理プロトコルの始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようになる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末がホームアドレスとして使用するアドレスを特定し、前記ホームアドレスとして使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末のアドレスに関し、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレス及び前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスを特定し、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレスあてのパケット転送先を登録する際、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスに関しても同一のパケット転送先の登録を行うように構成されている。
この構成により、ホームアドレスとして使用すべきアドレスと共にホームアドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合に、ホームアドレスとして使用すべきアドレスに関連した登録内容を複製して、ホームアドレスとして使用可能なアドレスに援用できるようになる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末が気付アドレスとして使用するアドレスを特定し、前記気付アドレスとして使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末のアドレスに関し、前記気付アドレスとして使用すべきアドレス及び前記気付アドレスとして使用可能なアドレスを特定し、特定のホームアドレスと関連付けて前記気付アドレスを転送先として登録する際、前記気付アドレスとして使用可能なアドレスに関しても同一の前記特定のホームアドレスと関連付けた転送先として登録を行うように構成されている。
この構成により、気付アドレスとして使用すべきアドレスと共に気付アドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合に、気付アドレスとして使用すべきアドレスに関連した登録内容を複製して、気付アドレスとして使用可能なアドレスに援用できるようになる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末の前記移動管理プロトコルがホームアドレス又は気付アドレスとして使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定し、前記使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末の前記移動管理プロトコルがホームアドレス又は気付アドレスとして使用不可能であり廃棄すべきアドレスを特定し、前記使用不可能であり廃棄すべきアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、移動管理プロトコルを実行する前に、移動管理プロトコルが使用不可能であり保持不可能なアドレスを特定することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは、上記の構成に加えて、前記移動端末がCSシステムにおいて使用するアドレス、又は、前記移動端末がPSシステムにおいて使用するアドレスを特定し、前記CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、前記PSシステムにおいて使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている。
この構成により、移動端末は、CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、PSシステムにおいて使用するアドレスを特定することが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、移動端末が各サービスに使用するためのアドレスの取り扱い方法を把握できるようにし、より効率の良い通信を実現するという効果を有する。本発明は、特に、移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコルを使用する際に、その移動管理プロトコルの始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようにするという効果を有する。また、本発明は、特に、PSドメインとCSドメインとが混在するネットワークシステムを利用して通信を行う際に、その通信設定を手短に完了できるようにするという効果を有する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
図1に図示されているネットワークシステムでは、ある移動端末(UE)15のホームドメインであるPMIPv6ドメイン(以下、ホームPMIPv6ドメインと記載する)10と、外部ネットワーク(ホームPMIPv6ドメインとは異なるネットワーク)20とが、任意のネットワーク(例えば、インターネット30)を介して接続されている。
PMIPv6ドメイン10は、UE15の接続ポイントとして機能するMAG11や、PMIPv6ドメイン10に接続されているUE15やMAG11の位置情報を管理するとともに、MIPv6を動作させているUE15のHAとして機能するLMA/HA12を有している。また、外部ネットワーク20は、UE15の接続ポイントとして機能するAR21を有している。
ここでは、UE15が、ホームPMIPv6ドメイン10のMAG11に接続されている状態(移動前の状態)から、ホームPMIPv6ドメイン10から外部ネットワーク20に接続を切り換えて、外部ネットワーク20のAR21に接続されている状態(移動後の状態)に遷移する場合を考える。なお、移動前の状態において、UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10を介して様々なネットワーク20からサービスを受けており、各サービスを受けるためのアドレスを取得しているものとする。なお、ネットワーク20の一例としては、例えば、VoIPサービスを提供するVoIPネットワークや、携帯電話を用いたデータ通信サービスを提供するセルラネットワークなどが挙げられる。
本発明では、UE15が、ホームPMIPv6ドメイン10に接続されている状態において、MIPv6を動作させた際にHoAとして使用するアドレスを事前に把握しておき(図1の矢印(メッセージの流れ50))、実際にMIPv6を動作させた場合に上述のように把握しておいた情報を用いて、更なる設定(例えば、HAの探索処理やBU送信処理)を行うことで(図1の矢印(メッセージの流れ60))、迅速にMIPv6による通信を開始することができるように構成されている。
ここで、UE15が保持し得る各種のアドレスについて説明する。
UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10に接続されている状態においてホームPMIPv6ドメイン10から割り当てられるアドレスを取得する。このアドレスは、UE15が外部ネットワーク20に移動した後もHoAとして使用可能であることが多いが、必ずしもHoAとして使えるとは限らない。例えば、このホームPMIPv6ドメイン10から割り当てられるアドレスはたとえグローバルに到達可能であっても、オペレータとしてはこのアドレスを外部で使ってほしくない場合もある。このような場合には、一般の(オペレータが管理しているネットワーク外の)ノードとの通信に、このアドレスの使用が禁じられていたり、外部ネットワーク20へつながるゲートウェイ装置などでパケットの出入りをブロックされていたりする可能性がある。
また、UE15は、様々なネットワーク20(例えば、図1のサービスネットワークAやサービスネットワークB)からサービスを受けており、サービスネットワーク内で有効なアドレスや、サービスを受けるために使用するアドレスを取得する。サービスネットワーク内で有効なアドレスは、ホームPMIPv6ドメイン10を構成する様々なネットワーク(サブネットワーク、オーバレイネットワークなど)に独自のアドレス体系によるアドレスで、それぞれのネットワーク(及びその中のノード)にアクセスするため(あるいはアクセスされるため)に使用するアドレスである。また、サービスを受けるために使用するアドレスは、ホームPMIPv6ドメイン10で使用できる様々なサービス(ローカルwebサービス、VoIP、ビデオストリーミング、テレビ会議、ショートメッセージなど)に独自のアドレス体系によるアドレスで、それぞれのサービス(及びそのサービスを使用する他のノード)にアクセスする(あるいはアクセスされる)ために使用するアドレスである。
一方、UE15は、MIPv6を動作させた場合には、グローバルに有効なアドレス(一般の通信相手に提示可能なアドレス)であるHoA(他のプロトコルでは、アイデンティファイアと呼ばれることもある)と、移動先のネットワークで割り当てられたアドレスであるCoA(他のプロトコルでは、ロケータと呼ばれることもある)を関連付けるBUをHAに対して行う。なお、HAが複数存在する場合、一方のHAにとってはHoAであっても、他方のHAにとってはCoAである場合も起こり得る。
なお、たとえホームPMIPv6ドメインから割り当てられたアドレス(ホームオペレータによって割り当てられたアドレス)アドレスであっても、必ずしもMIPv6のHoAとしての要件を満たしているとは限らない。ネットワーク側の動作として、UE15がMIPv6の使用を開始する際は、それまで割り当てていたホームPMIPv6ドメイン10のアドレスとは異なるアドレスを別途割り当てる場合も考えられる。
また、上述のホームPMIPv6ドメイン10から割り当てられるアドレス、サービスネットワーク内で有効なアドレス、サービスを受けるために使用するアドレスがHoA及びCoAのどちらに(あるいは両方に)対応するか、あるいは、どちらにも対応しないかなどの設定は、MIPv6の使用に起因する条件やネットワーク側の設定条件(ポリシ)などによって様々である。
以下、図1のネットワーク構成及びメッセージの流れに加えて、図2に図示されているフローチャートを参照しながら、UE15が移動して、ホームPMIPv6ドメイン10から外部ネットワーク20に接続を切り換えた場合に行う動作について説明する。図2には、本発明の実施の形態におけるUE15が移動する際に行う動作の一例を示すフローチャートが図示されている。
UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10に接続されている状態の任意のタイミングにおいて、MIPv6を用いた通信を行うための準備を開始する(ステップS101)。なお、MIPv6を用いた通信を行うための準備を開始するタイミングは、ホームPMIPv6ドメイン10に接続された状態であればいつでもよい。例えば、UE15が別のネットワーク(外部ネットワーク20)へハンドオーバを行ってMIPv6を用いた通信を行う場合や、別ドメインのアドレスを用いてローカルブレイクアウトによる通信を行うためにMIPv6を始動しようとしている場合など、MIPv6を使用する直前のタイミングであってもよく、あるいは、通信トラフィックや処理負荷の少ないとき(アイドル時)であってもよい。
ステップS101で外部ネットワーク20への移動準備を開始することを決定したUE15は、現在保持しているアドレスの取り扱い方法をホームPMIPv6ドメイン10に問い合わせる(ステップS102)。なお、この問い合わせ先は任意の通信ノードでよく、例えば、UE15はMAG11に対して問い合わせを行い、MAG11がアドレスの取り扱い方法を把握している場合にはMAG11がUE15へ応答を行い、MAG15がアドレスの取り扱い方法を把握していない場合には、MAG11はさらにLMA/HA12や不図示の認証サーバ(AAA(Authentication, Authorization and Accounting)サーバ)に問い合わせるようにしてもよい。
また、UE15が、LMA/HA12やAAAサーバのアドレスを把握している場合には、アドレスの取り扱い方法をこれらのノードに直接問い合わせてもよい。さらに、現在保持している各アドレスを管理している通信ノードをそれぞれ把握しているのであれば、UE15は、各アドレスを管理している各通信ノードに対して、アドレスの取り扱い方法を問い合わせてもよい。また、ホームPMIPv6ドメインに複数のLMA/HA12が存在しており、UE15が有する複数のアドレスが異なるLMA/HA12によって管理されている場合には、UE15は、それぞれのアドレスの取り扱い方法について、対応するLMA/HA12(各アドレスを管理しているLMA/HA12)に問い合わせ、その問い合わせ結果をLMA/HA12ごとにまとめて管理、格納してもよい。また、移動端末が新規にアドレスを取得した際に、そのアドレスの取り扱い方法について問い合わせを行ってもよい。
そして、UE15は、現在保持しているアドレスの取り扱い方法の問い合わせに対する応答(問い合わせ結果)をホームPMIPv6ドメイン10から受信し、この問い合わせ結果を格納する(ステップS103)。この問い合わせ結果によって、例えば現在UE15が保持しているアドレスの中でHoAとして使用可能なアドレスを特定することが可能となる。なお、この問い合わせ結果から、現在UE15が保持しているアドレスの中でHoAとして使用可能なアドレスが存在しないことが分かった場合、UE15はHoAとして使用可能なアドレス(又はHoAとして使用すべきアドレス)をホームPMIPv6ドメイン10へ要求してもよく、MIPv6起動後(ステップS104の処理)に即座にHoAとして使用可能なアドレス(又はHoAとして使用すべきアドレス)を要求するようにしてもよい。また、ネットワーク接続サービスの契約時にMIPv6を使用する予定であることを伝え、これにより、UE15はHoAとして使用可能なアドレス(又はHoAとして使用すべきアドレス)が必ずもらえるようにしてもよい。
上述のステップS101〜S103の処理によって、UE15は、自身の保持しているアドレスの取り扱い方法を把握し、特に、HoAとして使用可能なアドレス(又はHoAとして使用すべきアドレス)を把握できるようになる。なお、ここでは、UE15は、取得済みの複数のアドレスに関する取り扱い方法を問い合わせているが、各アドレスを取得する際に各アドレスの取り扱い方法も同時に通知してもらうようにしてもよい。
ステップS103で格納された問い合わせ結果(各アドレスの取り扱い方法)は、MIPv6機能が参照可能な状態で保持されており、MIPv6機能は、このアドレスの取り扱い方法を参照してアドレスを選択し、HoAやCoAとして適切に使用することが可能となる。
すなわち、例えば何らかのイベント(例えば、ホームPMIPv6ドメイン10から外部ネットワーク20へのハンドオーバ)が発生してMIPv6を使用する場合には(ステップS104)、UE15は、MIPv6機能を起動する。UE15のMIPv6機能は、ステップS103で格納された問い合わせ結果を参照して、HoAとして使用可能なアドレスに関するHAの探索処理やBU送信を行う(ステップS105)。
以上のステップS101〜S105の処理によって、UE15は、PMIPv6ドメインから外部ネットワークに移動した場合などを始めとする任意のイベント発生時にMIPv6を使用する際に、HoAとして使用可能なアドレスに関してのみHAの探索処理を行ったり、HoAとして使用可能なアドレスに関してのみBU送信を行ったりすることで、MIPv6の始動(通信開始までの種々の設定)を手短に完了できるようになり、また、ネットワークのトラフィックや処理負荷を抑えることができるようになる。
ここでは、UE15が、主にHoAとして使用可能なアドレスを把握する目的で上述の処理を行うように説明したが、HoAとして使用可能なアドレスやCoAとして使用可能なアドレス、使用不可のアドレスなどのようにアドレスをいくつかの種類に分け、各アドレスがそれぞれどの種類に属しているかをUE15が把握できるようにすることが可能である。アドレスの分類とそれぞれの取り扱い方法の詳細な例に関しては、後で図4を参照しながら説明する。
また、ここでは、UE15は、現在保持している各アドレスの取り扱い方法をMIPv6の使用(MIPv6の起動)前に把握することが可能であるが、さらに問い合わせの結果からHoAとして使用可能なアドレスを抽出し、このHoAとして使用可能なアドレスに関するHAの探索処理を行うことで、HoAとして使用可能なアドレスを管理しているHAを特定してもよい。この場合、UE15は、このHAの特定結果を上述の問い合わせ結果と共に格納しておき、MIPv6の使用時に適切なHoA及び対応するHAを即座に把握することが可能となる。また、UE15は、アドレスの取り扱い方法を把握した結果、実行可能となるその他の任意の処理を行うことも可能となる。
次に、本発明の実施の形態におけるUE15の機能について説明する。図3には、本発明の実施の形態におけるUE15の構成の一例を示す機能ブロック図が図示されている。
図3に図示されているUE15は、ネットワークインタフェース151、問い合わせ/応答処理部152、IPv6機能部153、MIPv6機能部154、問い合わせ結果格納部155を有している。なお、図3は、図1におけるUE15の機能を模式的に表したものであり、図3に図示されているUE15は、図2に図示されているフローチャートに従った処理を行う。
ネットワークインタフェース151は、MAG11やAR12、その他のネットワークへの接続ポイントに接続して通信を行うためのインタフェースである。UE15は移動可能であり、ネットワークインタフェース151は無線通信インタフェースである。なお、ネットワークインタフェース151は1つであってもよく、複数存在していてもよい。
また、問い合わせ/応答処理部152は、例えばUE15がMIPv6の始動を決定した際に、UE15が現在保持しているアドレスの取り扱い方法に関してホームPMIPv6ドメイン10に問い合わせを行う機能を有している。この際、例えばIPv6機能部153によって管理されているアドレス(UE15がホームPMIPv6ドメイン10に接続された状態で使用しているアドレス)を取得し、これらのアドレスに関する取り扱い方法について問い合わせを行う。なお、UE15がMIPv6を始動する旨は任意の機能(任意のエンティティ)において決定可能であり、その決定を通知するトリガが問い合わせ/応答処理部152に供給されればよい。
また、問い合わせ/応答処理部152は、問い合わせの応答として問い合わせ結果(各アドレスの取り扱い方法)をホームPMIPv6ドメイン10から受信すると、この問い合わせ結果を問い合わせ結果格納部155に格納させる機能を有している。
また、IPv6機能部153はIPv6の機能を表しており、MIPv6機能部154はMIPv6の機能を表している。なお、IPv6及びMIPv6は一部重複した機能を有しているが、ここでは、それぞれの機能を独立したブロックで模式的に表すことにする。また、IPv6機能部153はUE15がホームPMIPv6ドメイン10に接続された状態で使用しているアドレスを管理し、MIPv6機能部154はバインディングアップデートリストなどによってMIPv6で使用するアドレスを管理している。
また、MIPv6機能部154は、問い合わせ結果格納部155に格納されている問い合わせ結果(UE15が現在保持しているアドレスの取り扱い方法)を参照し、その情報に従って適切にHAの探索処理やBU送信処理を行う機能を有している。具体的には、MIPv6機能部154は、例えばHoAとして使用可能なアドレスに関してのみ、HAの探索処理やBU送信処理を行うことで、無駄なアドレスに対する無駄なHAの探索処理及びBU送信処理をなくし、HAの探索処理及びBU送信処理の効率化を実現することが可能となる。
また、問い合わせ結果格納部155は、問い合わせ/応答処理部152が受信した問い合わせ結果を格納する機能を有している。問い合わせ結果格納部155に格納された問い合わせ結果は、MIPv6機能部154が参照することが可能である。
UE15は、各アドレスに関する取り扱い方法を問い合わせることで、各アドレスをどのように取り扱えばよいかを示す情報(問い合わせ結果)を取得して、問い合わせ結果格納部155に格納することが可能である。このとき、取得した問い合わせ結果は、例えば、図4に図示されているようなテーブルとして問い合わせ結果格納部155に格納することが可能である。なお、各アドレスをどのように取り扱えばよいかの判断は、ホームPMIPv6ドメイン10側で行われ、UE15はその判断結果を問い合わせ結果として受信、格納する。
図4には、本発明の実施の形態において、UE15がホームPMIPv6ドメイン10に接続している状態で保持していた複数のアドレス(アドレスA〜H)に関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの一例が図示されている。なお、図4に図示されているテーブルは、UE15が外部ネットワーク20に接続ポイントを切り換えた後の状態のものであり、アドレスI及びアドレスJは外部ネットワーク20から取得したアドレスである。したがって、外部ネットワーク20に接続ポイントを切り換える前のホームPMIPv6ドメイン10に接続している段階では、UE15の問い合わせ結果格納部155には、アドレスA〜Hに関する取り扱い方法が格納されている。
図4に図示されているように、問い合わせ結果格納部155に格納されているテーブルには、UE15が保持しているアドレス(アドレスA〜H)に対して、各アドレスの由来(どのネットワークから取得したアドレスかを示す情報)と、MIPv6がHoA又はCoAとして使用可能か否かを示す情報とが記載されている。
ここで、図4に図示されているMIPv6が各アドレスをHoA又はCoAとして使用可能か否かを示す情報について説明する。図4では、MIPv6が各アドレスをHoA又はCoAとして使用可能か否かに関して、いくつかの段階に分けて表している。すなわち、図4では、MIPv6が各アドレスをHoA又はCoAとして使用可能か否かを、『HoA指定』、『HoA可能』、『CoA指定』、『CoA可能』、『不明』、『使用不可・保持可能』、『使用不可・削除』の各段階に分類して表している。
以下、本発明の実施の形態において用いられている各分類について説明する。
『HoA指定』は、そのアドレスがグローバルに到達可能であり、MIPv6においてHoAとして使用されることが好ましいこと、あるいは、HoAとして使用するよう指定されていることを表している。また、ホームPMIPv6ドメイン10側からHoAとしての使用を指定されたアドレスに関して、『HoA指定』と表されてもよい。
UE15は、この『HoA指定』アドレスを用いて一般のCN(Correspondent Node:コレスポンデントノード)と通信を行うことが可能であり、外部ネットワーク20に移動後に、このアドレスに対応するHAを探索し、このアドレスにCoAを関連付けてHAへBUを行うことが可能である。
この『HoA指定』アドレスをHoAとすることで、その他のアドレスを初めからHoAとして取り扱わないようにすることが可能となり、すべてのアドレスに関してHAの探索処理及びBU送信処理を行う場合と比べて、HAの探索処理及びBU送信処理に要する処理負荷やメッセージ数(ネットワークトラフィック)を減らすことが可能となる。
なお、図4のテーブルにおいては、ホームPMIPv6ドメインのアドレス(1)であるアドレスAが、『HoA指定』アドレスであることが分かる。
また、『HoA可能』は、『HoA指定』よりも優先度が劣るが、HoAとして使用可能なグローバルに到達可能なアドレスであることを表している。『HoA可能』アドレスは、このアドレスを外部のCNに開示したとしても特に問題ないとホームPMIPv6ドメイン10側において判断されたアドレスであり、UE15は、例えば外部ネットワーク20に接続した際にサービスごとにアドレスを使い分けたい場合などに、『HoA可能』アドレスから使用するアドレスを選択することが可能である。
さらに、『HoA可能』アドレスをHoAとして使用しない場合の取り扱い方法を、ホームPMIPv6ドメイン10から取得して問い合わせ結果格納部155に格納してもよい。すなわち、UE15は、このアドレスをHoAとして使用しない場合に、例えばCoAとして使用可能か否か、あるいは、そのまま保持可能か又は廃棄すべきかなどに関する情報を取得し、問い合わせ結果格納部155に格納してもよい。また、『HoA可能又はCoA可能』という分類を設け、『HoA可能』をHoAとして使用可だがCoAとしては使用不可であるアドレスを表す際に使用してもよい。
特に、『HoA指定』アドレスのHAと同一のHAによって管理されている『HoA可能』アドレスに関しては、ネットワーク側でそれらのバインドの面倒を見ることができるため、UE15は『HoA可能』アドレスのBU送信を行う必要がないようにすることも可能である。例えば、LMA/HA12は、この『HoA可能』アドレスに関するBUを特に受信しなくても、『HoA指定』アドレスに対して送信されたBUの登録内容を適切に処理(多重登録の排除、ループ登録の排除等)したうえで『HoA可能』アドレスのアドレスエントリにコピー(若しくは別名で定義)することで、『HoA可能』アドレスの登録エントリを作成することが可能となる。そして、この『HoA可能』アドレスあてに送信されたパケットをHAが受信したとき、若しくは『HoA可能』アドレスを送信元アドレスとして端末がパケットを送信したときに、HAは『HoA可能』アドレスの登録エントリに従って処理を行う。これにより、UE15は、『HoA指定』アドレスに係るBUの送信を削減でき、かつ、外部のノードに対してこの『HoA指定』アドレスを使用して通信を行うことができる。
なお、図4のテーブルにおいては、ホームPMIPv6ドメインのアドレス(2)であるアドレスEが、『HoA可能』アドレスであることが分かる。
また、『CoA可能』は、わざわざHoAにするメリットは無く、CoAとして使用すればよいことを表している。この『CoA可能』アドレスは、CoAとして使用可能である一方、HoAとしての使用を暗に禁じられている。したがって、ホームPMIPv6ドメイン10は、『CoA可能』アドレスとして分類することでこのアドレスをHoAとしてUE15に使用させないようにし、同一HAによる効率的な登録処理をしている場合などに不要な登録(多重登録やループを発生させる登録)を明示的に抑制することが可能となる。
また、HoAとしての要件(例えば、グローバルに到達可能、管理するHAが存在など)を満たしてはいないが(若しくはそのようなサービスを許可してはいないが)、特定のドメインに移動した場合や移動後も特定のサービスを引き続き使用する場合に使用可能なアドレスを『CoA可能』アドレスとしておいてもよい。
また、移動先の外部ネットワーク20においてオンリンク(接続ポイントでの直接使用)では有効ではないが、適切なトンネルインタフェースを介した場合には使用可能となるかもしれないアドレスを『CoA可能』アドレスとしてもよい。この場合、『CoA可能』アドレスには、トンネルを介して有効なネットワークに接続可能なアドレスも含まれることになる。
なお、この場合のCoAとしての登録は、通常のバインディングアップデートのような移動先で与えられたアドレスをCoAとして登録するものとは区別することが望ましい。つまり、BU送信の際に『CoA可能』アドレスを記載する場合、任意の識別子(例えば追加のフラグ)などを用いて、移動先で与えられたアドレスではなく、移動前に与えられたアドレスで『CoA可能』として通知されたアドレスである旨を通知する。これにより、移動先で与えられたアドレスとは異なった使用方法が可能となる。例えば、上述のように移動前のネットワークで使用していた特定のサービスを引き続き使用する場合に、移動先で与えられたアドレス(通常のCoA)を外側に用いたトンネル/ルーティングを介して内部に『CoA可能』アドレスを用いた特定のサービスのデータパケットを送受信することで、サービスを継続して使用できるようになる。このとき、HoAと『CoA可能』とのトンネルが存在するか自体も含めたトンネリングの上下関係は、移動前の状態をそのまま継続可能であるし、新たなトンネル構成に変更してもよい。
また、特に、『CoA可能』アドレスのHAと同一のHAによって『HoA指定』アドレスや『HoA可能』アドレスが管理されている場合には、『HoA指定』アドレスや『HoA可能』アドレスに係る登録内容を『CoA可能』アドレスのアドレスエントリにコピーすることによって、『CoA可能』アドレスを送信元アドレス又はあて先アドレスとして使用したパケット通信が可能となる。したがって、このようなアドレスエントリのコピーがHAで行われる場合には、いかなる接続を介しても現状のUE15の接続ポイントからは有効ではないアドレスであっても、このアドレスを用いた通信が可能となり、こうしたアドレスを『CoA可能』アドレスとして表すことが可能である。アドレスのこのような用法はUE15の現状の接続ポイントのアドレスとしてのCoA(ないしはロケータ)とは異なる用法(通常のCoAと異なる用法)として扱われることが考えられる。この場合は、『CoA可能』とは異なる用語、カテゴリ分けを用いて区別することができる。また、アドレスエントリのコピーを行った場合は、HA若しくはネットワーク内のその他のノードはUE15に対してどのようなコピーを行ったかを通知することが望ましい。なお、UE15は、いかなる接続を介しても現状のUE15の接続ポイントからは有効ではないアドレスに関して、アドレスエントリのコピーを行って有効に可能な状態とするようHAに依頼することも可能である。この依頼はBUによって行われてもよく、その他のメッセージやBUメッセージ内の特別なオプションによって行われてもよい。
また、『HoA可能』アドレスの場合と同様に、『CoA可能』アドレスをCoAとして使用しない場合の取り扱い方法を、ホームPMIPv6ドメイン10から取得して問い合わせ結果格納部155に格納してもよい。すなわち、UE15は、このアドレスをCoAとして使用しない場合に、例えばそのまま保持可能か又は廃棄すべきかなどに関する情報を取得し、問い合わせ結果格納部155に格納してもよい。
なお、このように、例えばトンネルを介してホームPMIPv6ドメイン10に接続可能な『CoA可能』アドレスは、元のホームPMIPv6ドメイン10に属するアドレスなので、UE15が移動先(外部ネットワーク20)に接続していた場合であっても通信相手にはUE15が移動したことが伝わらない。したがって、このアドレスを用いることでUE15の位置を秘匿することが可能となる。
また、『CoA指定』は、MIPv6においてCoAとして使用されることが好ましいこと、あるいは、CoAとして使用するよう指定されていることを表している。基本的には、上述の『CoA可能』とほぼ同じであるが、『CoA可能』アドレスと違って、『CoA指定』アドレスはCoA以外の用途に使用することは許されていないなどの差異を設けて管理することができる。
また、『使用不可・保持可能』は、例えばローカルなアドレスであるという理由や、MIPv6においては使用不可能などの理由で、外部ネットワーク20では使用できないが、再びホームPMIPv6ドメインに戻ってきた場合には再使用することが可能なアドレスであることを表している。UE15は、再度ホームPMIPv6ドメインに戻ってきた際に、この保持されたアドレスを使用することで、例えば、ホームPMIPv6ドメインに再接続する際のアドレス要求やアドレス割り当てなどの処理を簡略化することが可能となる。なお、UE15は、再度ホームPMIPv6ドメインに戻ってきた際に、保持可能なアドレスに関して、改めて使用可能か否かを確認してもよい。
なお、上述のように、『CoA可能』アドレスのHAと同一のHAによって『HoA指定』アドレスや『HoA可能』アドレスが管理されている場合には、『HoA指定』、『CoA可能』、『CoA指定』と同様に、同一のHAによって管理されているアドレスに関して、HAにおいてアドレスエントリのコピーが効率的に行われる場合に、UE15による登録(BU送信)が不要であることを表すために『使用不可・保持可能』の分類が使用されてもよい。
また、『使用不可・削除』は、外部ネットワーク20では使用不可能なアドレスであり、かつ、ホームPMIPv6ドメイン10をいったん離れてから再度ホームPMIPv6ドメイン10に戻ってきても使用することができないアドレスを表している。なお、UE15がホームPMIPv6ドメイン10を離れない場合(例えば、ローミング、ローカルブレイクアウト、同時接続などの場合)でも、MIPv6が起動したときに捨てる必要があるアドレスは、この『使用不可・削除』アドレスにあてはまる。
また、『不明』は、ホームPMIPv6ドメイン10は関知していないアドレスであり、どのように取り扱ってよいか不明なアドレスであることを表している。なお、『不明』アドレスは、ホームPMIPv6ドメイン10がそのアドレスの取り扱い方法や由来などを知らないことから、別の誰か(別のネットワーク)が提供したアドレスである可能性があり、例えば、外部ネットワーク20においてはHoAとして機能するアドレスである可能性もある。
また、『不明』アドレスの取り扱い方法は、UE15の判断に委ねられることになり、UE15が別のネットワークにその取り扱い方法を問い合わせたり、自身で取り扱い方法(例えば、CoAとして使用)を決定したりすることが可能である。
また、UE15が、PSサービスを使用しているときであってもCSサービスからの着信があったときは、ネットワーク側でPSサービスからCSサービスへの切り換えを行っているが、本発明の実施の形態においては、この切り換えも一種の別のネットワークへのハンドオーバととらえることによって、UE15もこの切り換えを把握できるようにする。
この場合、PMIPv6ドメインでのアドレスの割り当ての際(あるいは、既に割り当てられているアドレスに対して)若しくはCSサービスへの切り換えのタイミングで、CSサービスへつながることを示すアドレスをネットワーク側で別途用意し、そのアドレスの使用方法についての情報をネットワーク側からUE15へ通知する。なお、UE15からの要求に応じてネットワーク側が応答することで、このアドレスの使用方法の通知が行われてもよく、あるいは、UE15からの要求無しに、ネットワーク側から通知が行われてもよい。
例えば、特定のアドレスに対して、そのアドレスが『CSシステム用』若しくは『PSシステム用』であることを示す識別情報がアドレスの使用方法として付加される。UE15は、このアドレスの使用方法を、アドレスに関する取り扱い方法を示す情報として、そのアドレスと関連付けて格納する。なお、ホームドメインにおける『保持可能』アドレスとして使用方法が設定されており、さらに、『CSシステム用』若しくは『PSシステム用』であることを示す識別情報が付加されることで、この『保持可能』なアドレスが、PSシステム使用時/CSシステム使用時に予約されているような状態であってもよい。
この場合、UE15が接続されているネットワークは、ホームドメインからの変更がない場合がほとんどであるので、ホームドメインは、CSサービスのアドレスに対するPSサービスのアドレスの関連付け(あるいはその逆)を行うほかに、どのデータがどのアドレスあてに届くかを示すフロー情報に相当するものの変更をUE15で把握できるような情報を単に通知するだけで、CS/PS間の切り換えがUE15にも把握できる形で実施できるようになる。
これにより、UE15は、CSシステムへの接続を開始した場合においても、そのCSシステムへの接続で使用するアドレスを容易に把握できるようになるとともに、PSシステムにおけるアドレスを保持できるようになり、CSシステムへの切り換え時やPSシステムへの復帰時の処理遅延が低減されるだけでなく、異なるアドレスを並行して使い分けることによってCSシステムとPSシステムとの同時使用のための要件が提供されるようになる。
また、このように、UE15がCSシステム用アドレスとPSシステム用アドレスとを使い分けることにより、一方のシステムを使用できないような状況になった場合には、使用できなくなったシステムのアドレスを『使用不可・保持可能』、若しくは『使用不可・削除(ネットワーク側に返却)』とすることにより、UE15は、簡単に使用するシステム及び使用するアドレスを選択できるようになる。これは、ネットワーク側からの指示だけでなく、端末側からの選択動作を可能とするうえでも有用である。
次に、具体的なネットワークシステムの一例を参照しながら、ユーザ端末において、『CSシステム用』若しくは『PSシステム用』であることを示す識別情報が格納される場合について説明する。
図7に図示されているネットワークシステムでは、ある移動端末(UE)15のホームドメインであるPSドメイン(例えば、3GPPドメイン)210と、CSドメイン(例えば、2Gドメイン)220とが、サービスネットワークX240を介して接続されている。なお、サービスネットワークX240は、PSサービス/CSサービスの翻訳機能(変換機能)を提供するネットワークである。
PSドメイン210は、UE15の接続ポイントとして機能するMAG211や、PSドメイン210に接続されているUE15やMAG211の位置情報を管理するとともに、MIPv6を動作させているUE15のHAとして機能するLMA/HA212を有している。また、CSドメイン220は、音声通話のために通話端末同士を接続するMSC(Mobile Switching Center:移動通信交換局)230や、UE221が接続するための基地局(不図示)を有している。なお、UE15は、PSドメイン210のMAG211の1つに接続してパケット通信を行っており、UE221は、CSドメイン220に接続して、UE15との通話を開始しようとしているとする。
ここで、UE221が、UE15との通話を開始するための発呼を行ったとする。この場合、例えば、サービスネットワークX240は、UE221による通話をCSサービスからUEサービスに切り換える翻訳処理を行って、PSドメイン210に接続されているUE15へUE221からの発呼を送るとともに(図7では、矢印250によって示されている)、CSドメイン220内のUE221との通話を行うためのアドレス割り当てをUE15に対して行う(図7では、矢印260によって示されている)。また、このアドレス割り当ての際に、割り当てられるアドレスがCSシステムとの通信に使用されることを通知する。なお、アドレス割り当てやアドレスの使用方法の通知は、CSドメイン220からの着呼前に事前に行われてもよい。
この場合、図4に図示されているような、UE15が保持する複数のアドレス(アドレスA〜H)に関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの項目の1つとして、図8Aに図示されているように、サービスネットワークX240から割り当てられたアドレス(アドレスX)が、CSドメイン220との通信に使用される『CSシステム用』であることを示す情報が格納される。なお、図8Bに図示されているように、例えば、このPSドメイン210に接続されている場合のみ使用可能であり、かつ保持可能であることを示す『使用不可・保持可能』に加えて、CSドメイン220との通信に使用されることを示す『CSシステム用』であることを示す情報が格納されてもよい。
これにより、UE15は、CSドメイン220に接続されている通話相手との通信に関して、その通信に適したアドレスを容易に把握及び切り換えることが可能となり、また、ネットワーク側でアドレス切り換えが行われた場合であっても、その切り換え(CSシステムからPSシステムへのハンドオーバがネットワーク側で行われていること)を容易に把握することが可能となる。また、UE15は、CSシステムとの通信に使用するアドレスが変わるだけなので、シグナリングを用いたアドレス取得処理などを行わずに、通信の切り換え検知を自動で行うことが可能となる。
また、サービスネットワークX240が詳細な翻訳機能を提供しない場合、例えば、アクセスネットワークや接続ドメインのルータにおける経路切り換えのみでUE15自身が(少なくとも通話相手とのデータフローに関して)CSシステムに接続するような場合は、データフローのためにフォーマット変換などのデータに対する処理をUEが行う必要があるうえに、CSシステムとPSシステムではアドレス構成そのもの(ビット長など)が異なることが考えられる。このとき、UE15に割り当てられる(通知される)べきアドレスはCSシステムのアドレスである。しかしながら、この場合のCSシステムのアドレスは、通知の仕組み、アドレス管理、保持の仕組みなどの関係でPSシステムのアドレス構成と同等になっているか、あるいは容易に拡張できることが望ましい。このため、CSシステム用として割り当てられるアドレスはPSシステム用のアドレス構成と同様、あるいは拡張可能なアドレス構成をしており、そのアドレスを構成しているビット列を用いて、あらかじめ定められる(若しくは、その都度通知される)方法で生成できるようにしておくことが望ましい。例えば、PSシステム用のアドレスと同様の構成をしたアドレスが割り当てられ、CSシステム用として通知された場合、UE15は、実際のCSシステム用のアドレスは、割り当てられたアドレスの特定の位置のビット列を取り出してUE15の端末IDと演算した結果の値となることを把握し、実際にCSシステムへの接続が行われた場合は、送受信するデータフローのフォーマット変換を行う(若しくはCSシステムでの通信モードで通信を行う)とともに、割り当てられた(PSシステム用のアドレス構成の)アドレスから生成したCSシステム用のアドレスを自身のPSシステム用のアドレスとして使用する。また、割り当てられたCSシステム用のアドレスに文字列(例えばドメイン名など)を付加したホスト名に基づいてPSシステム用のアドレスを導出したり、あるいは割り当てられたCSシステム用のアドレスに数字列(PSシステムを特定するためのネットワークプレフィックス値など)を付加した結果をPSシステム用のアドレスとして使用したりしてもよい。具体的にはENUM(Telephone Number Mapping)などの技術を適用してCSシステム用のアドレスからPSシステム用のアドレスを導出したり、PSシステムが割り当てるネットワークプレフィックス値を電話番号に付加した結果をPSシステム用のアドレスとして使用したりすることができる。
なお、上述の説明では、PSシステムからCSシステムへの切り換えについて本発明を適用した例について述べたが、CSシステムからPSシステムに切り換える際にも同様に適用できる。さらに、PSシステム、CSシステム、PSシステムのように連続的な切り換えを行う場合においても適用可能であり、このような場合においては、アドレスを保持し、状況によって使い分けることが可能であることをUE15が把握できるという本発明の効果がより顕著に現れる。また、上述の説明ではCSシステムとPSシステムとの切り換えについて説明したが、本発明の仕組みは、異なるアドレス構成、異なるアドレス付与ポリシ、異なるコネクション生成を行うネットワーク間の切り換えなどにも適用できる。例えば、第2世代携帯電話ネットワーク(2Gネットワーク)、WiMAXシステム、LTEシステムなどを含む通信システムにおいても本発明を適用することが可能である。
さらに、上述の実施の形態ではCSドメインからの発呼をPSドメインで受ける例を挙げて説明したが、PSドメインからCSドメインに向けて発呼する場合にも有効である。例えば、PSドメインに接続されているUE15が発呼する際に、通話相手が必ずしもPSドメインにはいない可能性があると判断したとすると、UE15は、あらかじめ(若しくは発呼時点で)CSシステム用のアドレスを使用して発呼する。CSシステムは通常UEとの間で常時接続している状態にあるので、より確実に(より早く)通話相手に呼び出しがかかることになる。
なお、上述の各アドレスに関する取り扱い方法を規定した分類は一例であり、本発明では実際のネットワークオペレーションに適した様々な分類を行うことが可能である。また、上述の各アドレスに関する取り扱い方法は、例えば、それぞれの分類を示す所定のビット配列によって表すことが可能である。ホームPMIPv6ドメイン10からUE15に各アドレスに関する取り扱い方法を通知する場合や、UE15の問い合わせ結果格納部155のテーブル内に各アドレスに関する取り扱い方法を記憶する場合には、これらのビット配列を用いることが可能である。
また、各アドレスにおいて、ドメイン別に異なる取り扱い方法が指示されてもよい。例えば、ホームPMIPv6ドメイン10(若しくは、UE15に対して取り扱い方法の指示を行ったドメイン)のHAに登録するのであれば『HoA指定』アドレスとして扱うことができるが、その他のドメインのHAに登録する場合には『CoA可能』アドレスとして取り扱うように指示されたり、特定のドメインのHAに登録するつもりであれば『使用不可・保持可能』アドレスとして取り扱うように指示されたりしてもよい。
なお、UE15は同一のHAに対して複数のBUを行う場合には、複数のBUをまとめて1つのBU(例えば、複数のHoAに1つ又は複数のCoAを関連付けるBU)として送信することも可能である。また、UE15は、アドレスに関する取り扱い方法と共に、HoAとして取り扱うことのできるアドレスのHAのアドレスを取得するか、あるいは、アドレスに関する取り扱い方法を把握した直後にHoAとして取り扱うことのできるアドレスのHAを探索する処理を即座に行うことで、例えば外部ネットワーク20に移動してMIPv6を起動する前の状態で、HoA及び対応するHAを把握しておき、MIPv6を起動した後はBU送信処理を行うことで、迅速にMIPv6による通信を介してできるようにしてもよい。
また、上述の本発明の実施の形態では、アドレス(若しくは、複数のアドレス)をBUによって登録する場合について説明したが、プレフィックス(若しくは、複数のプレフィックス)を登録する場合にも適用することが可能である。
例えば、UE15は、PMIPv6の動作において与えられたプレフィックスを登録の対象とすることが可能である。この場合、HoAの代わりにプレフィックス(HoP:ホームプレフィックス)を用いて関連付け及び登録が行われる。これにより、PMIPv6で割り当てられたプレフィックスをHoPとしてそのまま登録でき、また、複数のアドレスをそのHoPから生成している場合には、HoPの登録によって、そのHoPを含む複数のアドレスを一括して登録できるという利点がある。
また、CoAの代わりにプレフィックス(CoP:気付プレフィックス)を用いて関連付け及び登録が行われてもよい。この場合、HoAに関連付けすることを決定したホームドメインでのプレフィックスをそのままCoPとして登録することができる。また、外部ネットワークドメインでプレフィックスを取得した場合も同様に、そのプレフィックスをCoPとしてそのまま登録することもできる。また、複数のアドレスをCoPから生成している場合には、CoPの登録によって、そのCoPを含む複数のアドレスを一括して登録できるという利点がある。また、同様に、HoPに対してCoPを登録することも可能である。
さらに、PMIPv6で与えられるプレフィックスだけではなく,NEMOで使用されるHAから得られるプレフィックスも同様に登録可能である。また、NEMOにおいても、MRに対して複数のHoPを使い分けることができ、また、そのプレフィックスを更に小さなサブネットに分割して用いることもできる。また、これらのプレフィックスを扱う際に、用途によってはCoPとして登録することもできる。この使い分けの通知自体は、上述の例と同様にMRがホームネットワークから離れる際(若しくはプレフィックスを委譲される際)に、どのような登録関係にするべきかについての情報をMRとHAとの間でやり取りすればよい。
また、本明細書ではIPv6のアドレスに関して詳細に説明しているが、実際のネットワークオペレーションでは、IPv4アドレス体系が用いられる(あるいはIPv4とIPv6が混在する)ことも考えられるが、このような環境においても本発明を適用することが可能である。なお、IPv4ではアドレス空間の大きさがIPv6に比べて小さいので、ローカルドメインでのみ有効なアドレス(ローカルアドレス)が使用される可能性が比較的高い。また、同様にMIPv6の代わりにMIPv4が用いられる(あるいは、MIPv4とMIPv6が混在する)ことも考えられるが、このような環境においても本発明を適用することが可能である。
また、UE15は、外部ネットワーク20に移動した後に取得したアドレスでブートストラップ(MIPv6の設定の初期化)を行う場合もある。例えば、移動前にUE15は外部PMIPv6ドメインに接続されており、ホームPMIPv6ドメインに戻ってきた場合に、ブートストラップを行う状況が発生しやすい。このような場合も、UE15は、その移動前に、外部PMIPv6ドメイン内のネットワークノードに対して本発明に係る問い合わせを行うことが可能である。このとき、特に、CoAとして使用する場合にどのように取り扱うべきかを問い合わせておくことが望ましい。
また、UE15がMIPv6で使用する前に各アドレスの取り扱い方法(更には、HoAに対応するHAのアドレス)を問い合わせる際(若しくはネットワーク側から通知される際)に、例えば、AAAで使用されるメッセージやハンドオーバ(あるいは、ファストハンドオーバ)で使用されるメッセージを利用したり、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)に係るメッセージやRA(Router Advertisement)メッセージを利用したりしてもよい。
また、UE15は、MIPv6を使用することを初めから(MIPv6を使用する前から)宣言しておくことで、移動のタイミングを自ら検知しなくても、アドレスをもらう際にそのアドレスに関する取り扱い方法を同時に把握できるようにしてもよい。
また、UE15は、MIPv6を起動してからHoAに相当するアドレスの問い合わせを行い、HoAに対応するアドレスに関してのみHAの探索処理を行うことで、HAの探索処理及びBU送信処理に要する処理負荷を軽減することが可能となる。
また、上述の実施の形態では、UE15が移動前に接続しているドメインは、ホームPMIPv6ドメイン10であるが、例えば、ホームオペレータが管理していない外部PMIPv6ドメイン、別の3GPPドメインであってもよく、MIPv6を使用せずに接続しているアクセスネットワークなどであってもよい。また、UE15が移動前に接続しているドメインは、WiMAXやWLANなどの異なるアクセスネットワークであってもよく、FMC(Fixed Mobile Convergence)などによって無線系と固定系が統合されたネットワークや、NGN(Next Generation Network)などの高度に管理されるネットワーク構成に関わるネットワークでもよく、それらネットワークとの信頼関係が高くても低くてもよい。また、同様に、上述の実施の形態では、UE15が移動後に接続するドメインは、外部ネットワーク20であるが、この外部ネットワーク20は、例えば、外部PMIPv6ドメイン、非3GPPアクセスネットワークなど、UE15がMIPv6を起動させるドメイン(UE15がMIPv6を使用するドメインであればアクセス技術には限定されない)である。また、UE15は、ホームPMIPv6ドメイン10に接続したまま移動しないで、ローカルブレイクアウトなどを目的としてMIPv6を起動する場合においても、本発明は適用可能である。
また、ローカルネットワークドメインの構成は、複数オペレータ間のローミング関係も含めて多岐にわたることが考えられる。例えば、MAGはモバイルノードのアクセスルータであるとして説明しているが、他にも、MAGが異なるアクセスネットワーク(ローミングを含む)との境界ルータであり、モバイルノードはその異なるアクセスネットワークにいったん接続した後、そのアクセスネットワークを介して境界ルータであるMAGに接続するという構成も考えられる。この場合も、様々なパラメータやMAGへの到達手順、通信手順などの設計部分が異なるが、本発明の動作に関しては同様に適用できることは明白である。
次に、本発明の実施の形態におけるLMA/HA12の機能について説明する。図6には、本発明の実施の形態におけるUE15の構成の一例を示す機能ブロック図が図示されている。
図6に図示されているLMA/HA12は、ネットワークインタフェース121、HA機能部122、LMA機能部123、問い合わせ処理/応答部124、バインディング情報登録制御部125を有している。なお、図6は、図1におけるLMA/HA12の機能を模式的に表したものである。
ネットワークインタフェース121は、ネットワークに接続して通信を行うためのインタフェースである。また、HA機能部122は、端末ベースで動作する移動管理プロトコル(例えば、MIPv6)のアドレス管理装置(すなわち、HA)として動作するために必要な機能をLMA/HA12が有していることを表しており、LMA機能部123は、ネットワークベースで動作する移動管理プロトコル(例えば、PMIPv6)のアドレス管理装置(すなわち、LMA)として動作するために必要な機能をLMA/HA12が有していることを表している。
また、問い合わせ処理/応答部124は、UE15が現在保持しているアドレスの取り扱い方法に関して、MAG11経由で受信したUE15からの問い合わせを処理し、UE15のアドレス(UE15から問い合わせを受けたアドレスのみ、又は、UE15が保持していることが把握できるすべてのアドレスに関して)の取り扱い方法を調査し、その調査結果をUE15からの問い合わせに対する応答として、UE15が受信可能なように通知する機能を有している。
また、バインディング情報登録制御部125は、例えばHA機能部122で『HoA指定』アドレスに関するバインディングアップデートをUE15から受信した場合、その『HoA指定』アドレスの登録内容を『HoA可能』アドレスの登録内容として援用し、『HoA可能』アドレスに対しても『HoA指定』アドレスの登録内容をコピーして登録する機能を有している。また、同様に、バインディング情報登録制御部125は、例えばHA機能部122で『CoA指定』アドレスに関するバインディングアップデートをUE15から受信した場合、その『CoA指定』アドレスの登録内容を『CoA可能』アドレスの登録内容として援用し、『CoA可能』アドレスに対しても『CoA指定』アドレスの登録内容をコピーして登録する機能を有している。
また、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、移動端末が各サービスに使用するためのアドレスの取り扱い方法を把握できるようにし、より効率の良い通信を実現することが可能であり、パケット交換型データ通信ネットワークにおける通信技術に適用可能であり、特に、移動端末がMIP(Mobile Internet Protocol)などの移動管理プロトコルを用いて通信を行う際の通信技術に適用可能である。
本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態における移動端末が移動する際に行う動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態における移動端末の機能を模式的に表したブロック図 本発明の実施の形態において、移動端末がホームPMIPv6ドメインに接続している状態で保持していた複数のアドレスに関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの一例を示す図 従来の技術におけるネットワークシステムの一例を示す図 本発明の実施の形態におけるLMA/HAの機能を模式的に表したブロック図 本発明の実施の形態におけるネットワークシステムの別の構成の一例を示す図 本発明の実施の形態において、CSシステム用のアドレスに関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの一例を示す図 本発明の実施の形態において、CSシステム用のアドレスに関する取り扱い方法を示す情報が格納されたテーブルの別の一例を示す図

Claims (32)

  1. ネットワークに接続して通信を行う移動端末であって、
    前記ネットワークに接続して通信を行うために使用する1つ又は複数のアドレスを管理するアドレス管理手段と、
    移動端末自身が移動管理を行うための移動管理プロトコル実行手段と、
    前記移動管理プロトコルを使用して通信を行う際に前記アドレス管理手段で管理されている前記アドレスを前記移動管理プロトコルでどのように取り扱えばよいかを示すアドレス取り扱い方法を、前記移動管理プロトコル実行手段が前記移動管理プロトコルを動作させる前に前記ネットワーク側に問い合わせる問い合わせ手段と、
    前記問い合わせ手段による問い合わせによって、前記アドレス管理手段で管理されている前記アドレスに関するアドレス取り扱い方法に関する情報を取得し、前記移動管理プロトコル実行手段が前記移動管理プロトコルを動作させる際に参照可能なように格納するアドレス取り扱い方法格納手段とを、
    有する移動端末。
  2. 前記アドレスを管理するホームエージェントが複数存在する場合には、前記問い合わせ手段が、複数のホームエージェントのそれぞれに対して問い合わせを行い、前記アドレス取り扱い方法格納手段が、前記ホームエージェントごとにそれぞれの問い合わせ結果を格納するよう構成されている請求項1に記載の移動端末。
  3. 前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  4. 前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに関してホームエージェントの探索及びバインディングアップデートを行うように構成されている請求項3に記載の移動端末。
  5. 前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに対応するホームエージェントの識別情報を含むように構成されている請求項3に記載の移動端末。
  6. 前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用するアドレスに関してバインディングアップデートを行うように構成されている請求項5に記載の移動端末。
  7. 前記問い合わせ手段は、前記移動端末が前記移動管理プロトコルを動作させる前のドメインに接続している際に問い合わせを行うように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  8. 前記問い合わせ手段は、前記移動端末が新規のアドレスを取得した際に、前記新規のアドレスに関するアドレス取り扱い方法の問い合わせを行うように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  9. 前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記アドレス取り扱い方法格納手段に格納されている前記アドレス取り扱い方法に関する情報を参照するように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  10. 前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記アドレスに関して、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用すべきアドレス、前記移動管理プロトコルがホームアドレスとして使用可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用すべきアドレス、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが使用不可能なアドレス、前記移動管理プロトコルが使用可能か否か不明のうちのどの分類に属するかを示す情報を含むように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  11. 前記問い合わせ手段による問い合わせの結果、前記アドレス管理手段で管理されているアドレスの中でホームアドレスとして使用可能なアドレスが存在しないことが分かった場合に、ホームアドレスとして使用すべきアドレス、又は、ホームアドレスとして使用可能なアドレスの割り当てを要求するホームアドレス要求手段を有している請求項1に記載の移動端末。
  12. 前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、あるアドレスに関してホームアドレスとして使用すべきなのか、あるいは、ホームアドレスとして使用することが可能なのかを示す情報を含むように構成されている請求項3に記載の移動端末。
  13. 前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、ホームアドレスとして使用することが可能なアドレスと共に、ホームアドレス以外に使用可能な用途を示す情報を含むように構成されている請求項12に記載の移動端末。
  14. ホームアドレスとして使用すべきアドレス、及び、ホームアドレスとして使用可能なアドレスが同一のホームエージェントによって管理されている場合には、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレスに係るバインディングアップデートを前記ホームエージェントに送信することで、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスに係るバインディングアップデートの処理が前記ホームエージェントで行われ、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスをホームアドレスとして使用することが可能となる請求項12に記載の移動端末。
  15. 前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  16. 前記移動管理プロトコル実行手段は、前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記移動管理プロトコルが気付アドレスとして使用するアドレスに関して、ホームアドレスと関連付けてバインディングアップデートを行うように構成されている請求項15に記載の移動端末。
  17. 前記バインディングアップデートの前記気付アドレスが、前記気付アドレスとして使用するアドレスとして通知されたものであることを示す識別子を前記バインディングアップデートに挿入するよう構成されている請求項16に記載の移動端末。
  18. 前記移動端末が接続しているドメインを切り換えた移動先で取得した通常の気付アドレスを転送先として使用する通信において、前記バインディングアップデートで登録した前記気付アドレスを用いた通信を継続して行うように構成されている請求項16に記載の移動端末。
  19. 通信相手に対して前記バインディングアップデートで登録した前記気付アドレスを通知することで、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えた移動先で取得した通常の気付アドレスを前記通信相手に伝えずに通信を行うように構成されている請求項16に記載の移動端末。
  20. 前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、前記移動管理プロトコルが使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定する情報を含むように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  21. 前記アドレス管理手段は、前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて前記移動管理プロトコルを動作させる際に、前記保持可能なアドレスを保持しておくように構成されている請求項20に記載の移動端末。
  22. 前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて、保持されている前記保持可能なアドレスを使用していたドメインに再度接続した場合に、前記保持可能なアドレスを再利用するよう構成されている請求項21に記載の移動端末。
  23. 前記移動端末が接続しているドメインを切り換えて、保持されている前記保持可能なアドレスを使用していたドメインに再度接続した場合に、前記保持可能なアドレスの使用が可能か否かを改めて確認し、その確認結果に従って、前記保持可能なアドレスを再利用するか、あるいは、前記保持可能なアドレスを廃棄するように構成されている請求項21に記載の移動端末。
  24. 前記アドレス取り扱い方法に関する情報が、CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、PSシステムにおいて使用するアドレスを特定する情報を含むように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  25. ネットワーク上に位置するネットワークノードであって、
    移動管理を行うための移動管理プロトコルを実装している移動端末から前記移動端末が前記移動管理プロトコルを動作させる前に、前記移動管理プロトコルを使用して通信を行う際に保持しているアドレスを前記移動管理プロトコルでどのように取り扱えばよいかを示すアドレス取り扱い方法の問い合わせを受信する問い合わせ受信手段と、
    前記移動端末からの前記問い合わせに対する応答として、前記アドレス取り扱い方法に関する情報を前記移動端末に通知する問い合わせ応答手段とを有するネットワークノード。
  26. 前記移動端末がホームアドレスとして使用するアドレスを特定し、前記ホームアドレスとして使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている請求項25に記載のネットワークノード。
  27. 前記移動端末のアドレスに関し、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレス及び前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスを特定し、前記ホームアドレスとして使用すべきアドレスあてのパケット転送先を登録する際、前記ホームアドレスとして使用可能なアドレスに関しても同一のパケット転送先の登録を行うように構成されている請求項26に記載のネットワークノード。
  28. 前記移動端末が気付アドレスとして使用するアドレスを特定し、前記気付アドレスとして使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている請求項25に記載のネットワークノード。
  29. 前記移動端末のアドレスに関し、前記気付アドレスとして使用すべきアドレス及び前記気付アドレスとして使用可能なアドレスを特定し、特定のホームアドレスと関連付けて前記気付アドレスを転送先として登録する際、前記気付アドレスとして使用可能なアドレスに関しても同一の前記特定のホームアドレスと関連付けた転送先として登録を行うように構成されている請求項28に記載のネットワークノード。
  30. 前記移動端末の前記移動管理プロトコルがホームアドレス又は気付アドレスとして使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定し、前記使用不可能であるが保持可能なアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている請求項25に記載のネットワークノード。
  31. 前記移動端末の前記移動管理プロトコルがホームアドレス又は気付アドレスとして使用不可能であり廃棄すべきアドレスを特定し、前記使用不可能であり廃棄すべきアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている請求項25に記載のネットワークノード。
  32. 前記移動端末がCSシステムにおいて使用するアドレス、又は、前記移動端末がPSシステムにおいて使用するアドレスを特定し、前記CSシステムにおいて使用するアドレス、又は、前記PSシステムにおいて使用するアドレスを特定する情報を、前記アドレス取り扱い方法に関する情報として前記移動端末に通知するように構成されている請求項25に記載のネットワークノード。
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