JPWO2009107775A1 - 動物細胞を用いて外来遺伝子由来タンパク質を大量に生産するための発現ベクター、およびその利用 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
〔1〕下記(a)および(b)を含む、哺乳動物宿主細胞において外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産を可能にするための発現ベクター。
(a)コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変し発現を微弱化させた翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセット
(b)高転写活性プロモーターと高安定性ポリアデニレーションシグナルの間に外来遺伝子組み込み用クローニングサイトを含む遺伝子カセット
〔2〕〔1〕(a)に記載の翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセットのコドンが、ヒトにおいて使用頻度が最も低いコドンに改変されたものであることを特徴とする〔1〕に記載の発現ベクター。
〔3〕〔1〕(a)に記載の翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセットのコドンが、アラニンはGCA、アルギニンはCGA、アスパラギンはAAU、アスパラギン酸はGAU、システインはUGU、グルタミンはCAA、グルタミン酸はGAA、グリシンはGGU、ヒスチジンはCAU、ロイシンはUUA、リシンはAAA、プロリンはCCA、フェニルアラニンはUUU、セリンはUCA、トレオニンはACU、チロシンはUAU、および/又はバリンはGUAに改変されたものであることを特徴とする〔1〕に記載の発現ベクター。
〔4〕〔1〕(a)に記載の翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセットが、プロモーターとして発現誘導性の低いプロモーターを使用していることを特徴とする〔1〕に記載の発現ベクター。
〔5〕前記活性の低いプロモーターとして、哺乳動物細胞ではほとんど発現しない遺伝子を由来とするプロモーター、又はエンハンサー部分を除去したプロモーターを使用することを特徴とする〔4〕に記載の発現ベクター。
〔6〕〔1〕(a)に記載の薬剤耐性遺伝子カセットにおいてコドンの改変領域が、遺伝子カセットの全長の30%以上であることを特徴とする、〔1〕に記載の発現ベクター。
〔7〕〔1〕(a)に記載の薬剤耐性遺伝子が、ネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼ遺伝子(NTP遺伝子)であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の発現ベクター。
〔8〕〔7〕に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程、および該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能およびネオマイシン耐性能を有する形質転換体の製造方法。
〔9〕以下(a)〜(d)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の生産方法。
(a)〔7〕に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をネオマイシンが添加された培地で培養する工程
(d)培養された形質転換体から外来遺伝子由来タンパク質を回収する工程
〔10〕〔9〕(c)の工程において、Chemically Defined medium(CD培地)あるいはCD培地に非動物性の添加物を加えた培地で培養することを特徴とする、〔9〕に記載の生産方法。
〔11〕以下(a)〜(c)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能を有する形質転換体のスクリーニング方法。
(a)〔7〕に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をネオマイシンが添加された培地で培養する工程
〔12〕〔1〕(a)に記載の薬剤耐性遺伝子が、ゼオシン耐性遺伝子(Zeosinr遺伝子)であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の発現ベクター。
〔13〕〔12〕に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程、および該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能およびゼオシン耐性能を有する形質転換体の製造方法。
〔14〕以下(a)〜(d)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の生産方法。
(a)請求項12に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をゼオシンが添加された培地で培養する工程
(d)培養された形質転換体から外来遺伝子由来タンパク質を回収する工程
〔15〕〔14〕(c)の工程において、Chemically Defined medium(CD培地)あるいはCD培地に非動物性の添加物を加えた培地で培養することを特徴とする、〔14〕に記載の生産方法。
〔16〕以下(a)〜(c)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能を有する形質転換体のスクリーニング方法。
(a)〔12〕に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をゼオシンが添加された培地で培養する工程
〔17〕〔1〕(a)に記載の薬剤耐性遺伝子が、ブラストシジン耐性遺伝子(Blasticidin遺伝子)であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の発現ベクター。
〔18〕〔17〕に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程、および該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能およびブラストシジン耐性能を有する形質転換体の製造方法。
〔19〕以下(a)〜(d)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の生産方法。
(a)〔17〕に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をブラストシジンが添加された培地で培養する工程
(d)培養された形質転換体から外来遺伝子由来タンパク質を回収する工程
〔20〕〔19〕(c)の工程において、Chemically Defined medium(CD培地)あるいはCD培地に非動物性の添加物を加えた培地で培養することを特徴とする、〔19〕に記載の生産方法。
〔21〕以下(a)〜(c)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能を有する形質転換体のスクリーニング方法。
(a)〔17〕に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をブラストシジンが添加された培地で培養する工程
本発明の発現ベクターは、バックボーンベクター上に、下記(a)および(b)を含むことによって構築される。
(a)コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変し発現を微弱化させた翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセット
(b)高転写活性プロモーターと高安定性ポリアデニレーションシグナルの間に外来遺伝子組み込み用クローニングサイトを含む遺伝子カセット
該「翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセット」において、コドンが改変される領域は特に制限されるものではないが、遺伝子カセットの全長の30%以上(例えば、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、又は100%)の領域におけるコドンが改変されることが好ましい。コドンの改変領域の範囲は、ベクターの他の条件を考慮して任意に決定することができる。
また、本発明は、上記発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程、および該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能および薬剤耐性能を有する形質転換体の製造方法を提供する。
具体的には、発現させたいタンパク質をコードする外来遺伝子を本発明の発現ベクターのマルチクローニングサイト(以下、MCSと記載)に組み込んだ後、トランスフェクション法(ここで言うトランスフェクション法とはリポフェクチン法、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、マイクロインジェクション法など当業者が周知の方法を挙げることができる)を利用して該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、薬剤(ネオマシン、ゼオシン、又はブラストシジン)に対する耐性でセレクションを行い、タンパク質の高生産性形質転換体を得る方法が挙げられる。
薬剤セレクションで生存した形質転換細胞の多くは既に相対的にタンパク質の高い発現レベルを達成しているが、その中からさらに高レベル生産能をもつ形質転換細胞を選択するために、タンパク質の発現レベルの測定をしてもよい。
(a)本発明の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体を薬剤(ネオマイシン、ゼオシン、又はブラストシジン)が添加された培地で培養する工程
(d)培養された形質転換体から外来遺伝子由来タンパク質を回収する工程
本発明において、上記(c)の工程においては、薬剤(ネオマイシン、ゼオシン、又はブラストシジン)が添加された培地で培養を行うことにより、高効率のタンパク質発現を示す形質転換体(コロニー)を選択することが出来る。選択された形質転換体は、引き続き同じ培地において培養を続けてもよいし、他の培地、例えば大量発現用の培地に移して培養を行ってもよい。
本発明において、形質転換体を培養又は馴化させる培地は特に制限されないが、好ましくは無血清培地、より好ましくはCD培地あるいはCD培地に非動物性の添加物を加えた培地を例示することができる。
本発明において培養された形質転換体から外来遺伝子由来タンパク質を回収する際には、当業者に公知の方法(フィルトレーション(濾過)、遠心分離、およびカラム精製等)でタンパク質を精製してもよい。外来遺伝子由来タンパク質は、精製を容易にするなどの目的で、他のタンパク質との融合タンパク質として発現させることも可能である。
(a)本発明の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体を薬剤(ネオマイシン、ゼオシン、又はブラストシジン)が添加された培地で培養する工程
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
当業者に周知の方法を用いて本発明のベクターであるpNC1, pNC2, pNC5, pNC6, pNC7を構築した。バックボーンベクターpNC1の全塩基配列を配列番号:1に記載する。pNC1は塩基配列No1784-No2578の間に野生型のNPTのcDNAを有する(図1)。
pNC2は、pNC1の塩基配列No1784-No2578の配列を、配列番号:2に記載の配列に置換したものである。pNC2の置換領域にはNPTの全塩基配列のコドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに全塩基配列を改変した翻訳障害性NPT遺伝子が導入されている(図2)。
pNC5は、pNC1の塩基配列No1784-No2578の配列を、配列番号:3に記載の配列に置換したものである。pNC5の置換領域にはNPTの塩基配列を5‘末端から90塩基(コドン改変率11.3%)の範囲で、コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変した翻訳障害性NPT遺伝子が導入されている(図3)。
pNC6は、pNC1の塩基配列No1784-No2578の配列を、配列番号:4に記載の配列に置換したものである。pNC6の置換領域にはNPTの塩基配列を5‘末端から180塩基(コドン改変率22.6%)の範囲で、コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変した翻訳障害性NPT遺伝子が導入されている(図4)。
pNC7は、pNC1の塩基配列No1784-No2578の配列を、配列番号:5に記載の配列に置換したものである。pNC7の置換領域にはNPTの塩基配列を5‘末端から270塩基(コドン改変率34.0%)の範囲で、コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変した翻訳障害性NPT遺伝子が導入されている(図5)。
当業者に周知の方法を用いて本発明のベクターであるpNC1, pNC2, pNC5, pNC6, pNC7の塩基配列No1267-No1275を配列番号:6に記載のヒトマンナン結合レクチン(MBL)をコードするcDNA(以下hMBLと記載する)に置換し、pNC1/hMBL(図6)、pNC2/hMBL(図7)、pNC5/hMBL(図8)、pNC6/hMBL(図9)、pNC7/hMBL(図10)を構築した。
10μgのpNC1/hMBL, pNC2/hMBL, pNC5/hMBL, pNC6/hMBL, pNC7/hMBLをリポフェクチン法(LipofectamineTM LTX, Invitrogenを使用)を用いて25cm2のカルチャーフラスコ中の5.0 x 105個のCHO細胞(CHO DG44 cell)に遺伝子導入した。導入方法は製造業者の使用説明書に従った。遺伝子導入48時間後、細胞数を計測した後、細胞を4mM Gluta MAXTM-I (Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)にて希釈した。96ウェルマイクロタイタープレート中に1000 cells/well, 100 cells/wellの濃度で5枚ずつ計10枚(960ウェル)播き、5%炭酸ガス存在下で37℃、約3週間培養したところ、生存した細胞が見られた(G418耐性クローン)。生存細胞から任意にG418耐性クローンを選択し、4mM Gluta MAXTM-I (Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)ともに24ウェルプレートに移し、細胞が各ウェルの1/3以上を占めるまで培養した。各株に0.4mLを滅菌チューブに取り、200g、2分間遠心した。上清を捨て、細胞を0.1mLの新しい培地(4 mM Gluta MAXTM-I ((Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan))に懸濁し、細胞数を計測した後、細胞数を5.0 x 105cells/mLになるように培地で希釈後、0.2mLを新しい24ウェルプレートに移し、5%炭酸ガス存在下で37℃、72時間培養し、9300g、2分間の遠心後に上清を回収した。続いて培養上清中のMBLの生産量を測定した。
生産量の検定はELISAにて実施した。コーティングバッフアー(15 mM, Na2CO3, 35 mM NaHCO3, 0.05 % NaN3, pH 9.6)で希釈した1μg/mL抗ヒトMBL抗体(日本・旭川医大・大谷博士より譲渡)で96ウェルプレート(F96 MAXI SORP Nunc-Immuno plate,Cat no. 442404, Nunc)に4℃、16時間でコートした。4% Block Ace(大日本住友製薬株式会社)でブロッキングした後、72時間培養上清(1/1000-1/100000希釈)、精製したヒトMBL(旭川医大・大谷博士より譲渡)のCHO細胞用無血清培地IS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)による2倍希釈系列(20〜0.3125 ng/mL)およびIS CHO with Hydrolysate培地(IS Japan)をそれぞれ100μLずつアプライし、37℃で1時間インキュベートした。さらに0.1μg/mLのビオチン化ヒトMBLモノクローナル抗体(旭川医大・大谷博士より譲渡)と37℃、1時間インキュベートした。37℃で30分間インキュベートしたVECTASTAION Elite ABC kit STANDARD(Reagent A 2 drops,Regent B 2 drops / 5 mL, Vector)を100μL/wellずつアプライし、37℃で45分間反応させた。さらに室温で30分間インキュベートしたPEROXIDASE SUBSTRATE KIT TMB(2 drops of Buffer, 3 drops of TMB, 2 drops of HYDROGEN PEROXIDE / 5 mL, Vector)を100μL/wellずつアプライし、室温で15分間反応させた後、1Mリン酸を100μL/wellずつ入れて反応を停止させた。タンパク質濃度の測定はマイクロプレートリーダー(Model680, BioRad社製)を用いて行なった。表1にELISA法にて得られた結果、ヒトMBL生産量の高い上位3サンプルを示す。最も生産レベルの高かったクローンは、コドン未改変のベクターと比較して優位に高い生産性が得られた。
本発明の発現ベクターpNC1, pNC2, pNC5, pNC6, pNC7により発現されたhMBLの各クローンの発現量の分布を表2に示す。
pNC1では50株のG418耐性株のうち、72.0%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また50株のうち14株(28.0%)は5μg/mL以上であった。また50株のうち7株(14.0%)は10μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは15.0μg/mL/3dayであった。
pNC2では50株のG418耐性株のうち、40.0%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また50株のうち30株(60.0%)は5μg/mL以上であった。また50株のうち14株(28.0%)は10μg/mL以上であった。さらに50株のうち2株(4.0%)は15μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは23.3μg/mL/3dayであった。
pNC5では50株のG418耐性株のうち70%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また50株のうち15株(30.0%)は5μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは9.9μg/mL/3dayであった。
pNC6では50株のG418耐性株のうち、60.0%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また50株のうち20株(40.0%)は5μg/mL以上であった。また50株のうち4株(8.0%)は10μg/mL以上であった。さらに50株のうち1株(2.0%)は15μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは16.0μg/mL/3dayであった。
pNC7では50株のG418耐性株のうち、56.0%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また50株のうち22株(44.0%)は5μg/mL以上であった。さらに50株のうち16株(32.0%)は10μg/mL以上であった。驚くべきことに50株のうち13株(26.0%)は15μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは46.1μg/mL/3dayであった。
これは文献等で報告されている代表的な発現ベクターによる遺伝子増幅前の初期クローンのデータと比較して最も高い水準であった(DNA,7,651頁,1988年;Biotechnology,10.1455頁,1992年;Biotechnology,8,662頁,1990年;Gene,76,19頁,1989年;Biotechnology,9,64頁,1991年)。
遺伝子増幅による組換細胞のスクリーニングには通常6ヶ月から1年を要し、かつ培養条件や増幅刺激剤濃度による差異が大きいため、発現ベクターのプライマリーな性能比較は増幅前の初期クローンの発現レベルで行うのが適当と考えられる。これにより本発明の発現ベクターの性能は極めて高いことが判明した。この結果、本発明のベクターは、得られるG418耐性株の数が極めて低い一方、非常に高い効率で目的物質タンパク質の高生産性細胞株の確立を可能にすることが確かめられた。これにより、本発明の発現ベクターは非常に高いタンパク質発現レベルを可能にすることが証明された。
当業者に周知の方法を用いて本発明のベクターであるpZC1, pZC2, pZC5, pZC7を構築した。pZC1はバックボーンベクターpNC1の塩基配列No1784-No2578の間に、配列番号:7 に記載の野生型のゼオシン耐性遺伝子(Sh ble 遺伝子)のcDNAを有する(図11)。pZC2は、pNC1の塩基配列No1784-No2578の配列を、配列番号:8 に記載の配列に置換したものである。pZC2の置換領域にはゼオシン耐性遺伝子の全塩基配列のコドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに全塩基配列を改変した翻訳障害性ゼオシン耐性遺伝子が導入されている(図12)。
pZC5は、pNC1の塩基配列No1784-No2578の配列を、配列番号:9 に記載の配列に置換したものである。pZC5の置換領域にはゼオシン耐性遺伝子の塩基配列を5'末端から90塩基(コドン改変率24.0%)の範囲で、コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変した翻訳障害性ゼオシン耐性遺伝子が導入されている(図13)。
pZC7は、pNC1の塩基配列No1784-No2578の配列を、配列番号:10 に記載の配列に置換したものである。pZC7の置換領域にはゼオシン耐性遺伝子の塩基配列を5'末端から180塩基(コドン改変率48.0%)の範囲で、コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変した翻訳障害性ゼオシン耐性遺伝子が導入されている(図14)。
当業者に周知の方法を用いて本発明のベクターであるpZC1, pZC2, pZC5, pZC7の塩基配列No1267-No1275を配列番号:6に記載のヒトマンナン結合レクチン(MBL)をコードするcDNA(以下hMBLと記載する)に置換し、pZC1/hMBL(図15)、pZC2/hMBL(図16)、pZC5/hMBL(図17)、pZC7/hMBL(図18)を構築した。
10μgのpZC1/hMBL, pZC2/hMBL, pZC5/hMBL, pZC7/hMBLをリポフェクチン法(LipofectamineTM LTX, Invitrogenを使用)を用いて25cm2のカルチャーフラスコ中の5.0 x 105個のCHO細胞(CHO DG44 cell)に遺伝子導入した。導入方法は製造業者の使用説明書に従った。遺伝子導入48時間後、細胞数を計測した後、細胞を4mM Gluta MAXTM-I (Invitrogen)と200μg/mL Zeocin( Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)にて希釈した。96ウェルマイクロタイタープレート中に4000 cells/well, 濃度で5枚ずつ(480ウェル)播き、5%炭酸ガス存在下で37℃、約3週間培養したところ、生存した細胞が見られた(ゼオシン耐性クローン)。生存細胞から任意にゼオシン耐性クローンを選択し、4mM Gluta MAXTM-I (Invitrogen) と200μg/mL Zeocin( Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)ともに24ウェルプレートに移し、細胞が各ウェルの1/3以上を占めるまで培養した。各株に0.4mLを滅菌チューブに取り、200g、2分間遠心した。上清を捨て、細胞を0.1mLの新しい培地(4 mM Gluta MAXTM-I ((Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan))に懸濁し、細胞数を計測した後、細胞数を5.0 x 105 cells/mLになるように培地で希釈後、0.2mLを新しい24ウェルプレートに移し、5%炭酸ガス存在下で37℃、72時間培養し、9300g、2分間の遠心後に上清を回収した。続いて培養上清中のMBLの生産量を測定した。
生産量の検定はELISAにて実施した。コーティングバッフアー(15 mM, Na2CO3, 35 mM NaHCO3, 0.05 % NaN3, pH 9.6)で希釈した1μg/mL抗ヒトMBL抗体(日本・旭川医大・大谷博士より譲渡)で96ウェルプレート(F96 MAXI SORP Nunc-Immuno plate,Cat no. 442404, Nunc)に4℃、16時間でコートした。4% Block Ace(大日本住友製薬株式会社)でブロッキングした後、72時間培養上清(1/1000-1/100000希釈)、精製したヒトMBL(旭川医大・大谷博士より譲渡)のCHO細胞用無血清培地IS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)による2倍希釈系列(20〜0.3125 ng/mL)およびIS CHO with Hydrolysate培地(IS Japan)をそれぞれ100μLずつアプライし、37℃で1時間インキュベートした。さらに0.1μg/mLのビオチン化ヒトMBLモノクローナル抗体(旭川医大・大谷博士より譲渡)と37℃、1時間インキュベートした。37℃で30分間インキュベートしたVECTASTAION Elite ABC kit STANDARD(Reagent A 2 drops,Regent B 2 drops / 5 mL, Vector)を100μL/wellずつアプライし、37℃で45分間反応させた。さらに室温で30分間インキュベートしたPEROXIDASE SUBSTRATE KIT TMB(2 drops of Buffer, 3 drops of TMB, 2 drops of HYDROGEN PEROXIDE / 5 mL, Vector)を100μL/wellずつアプライし、室温で15分間反応させた後、1Mリン酸を100μL/wellずつ入れて反応を停止させた。タンパク質濃度の測定はマイクロプレートリーダー(Model680, BioRad社製)を用いて行なった。表3にELISA法にて得られた結果、ヒトMBL生産量の高い上位5サンプルを示す。最も生産レベルの高かったコドン改変のベクターのクローンは、コドン未改変のベクターと比較して同等の生産性を示していた。
本発明の発現ベクターpZC1、pZC5、及びpZC7により発現されたhMBLの各クローンの発現量の分布を表4に示す。
pZC1では50株のZeocin耐性株のうち、70.0%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また50株のうち15株(30.0%)は5μg/mL以上であった。また50株のうち4株(8.0%)は10μg/mL以上であった。さらに50株のうち1株(2.0%)は15μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは15.1μg/mL/3dayであった。
pZC5では50株のZeocin耐性株のうち84.0%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また50株のうち8株(16.0%)は5μg/mL以上であった。さらに50株のうち1株(2.0%)は10μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは12.2μg/mL/3dayであった。
pZC7では49株のZeocin耐性株のうち、75.5%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また49株のうち12株(24.5%)は5μg/mL以上であった。また49株のうち1株(2.0%)は10μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは10.1μg/mL/3dayであった。
pZCにおいて外来タンパク質の産生量が最も高いクローンの生産量は15.1μg/mL/3dayであり、pNCにおいて外来タンパク質の産生量が最も高いクローンの生産量は46.1μg/ml/3dayであった。このことからpNCは、構成部位として含む薬剤耐性遺伝子のコドンを使用頻度の最も低いものに改変することにより、外来タンパク質の生産性を顕著に高めることが明らかとなった。またpZCについては、薬剤耐性遺伝子のコドン改変領域をC末端側からにすること、あるいは配列の中心部からにすること、または、改変するコドンとしないコドンを交互に配置させる等が考えられ、いずれにしても改変されるコドンを調整することでpNCの場合と同様に薬剤セレクション効率が上がり、当該ベクターが形質転換受容性細胞の染色体上の極めて高い発現性をもつ位置に挿入されるものと考えられる。
当業者に周知の方法を用いて本発明のベクターであるpBC1, pBC6を構築した。pBC1はバックボーンベクターpNC1の塩基配列No1784-No2578の間に、配列番号:11に記載の野生型のブラストシジン耐性遺伝子(bsd 遺伝子)のcDNAを有する(図19)。
pBC6は、pNC1の塩基配列No1784-No2578の配列を、配列番号:12に記載の配列に置換したものである。pBC6の置換領域にはブラストシジン耐性遺伝子の塩基配列を5'末端から120塩基(コドン改変率30.1%)の範囲で、コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変した翻訳障害性ブラストシジン耐性遺伝子が導入されている(図20)。
当業者に周知の方法を用いて本発明のベクターであるpBC1, pBC6の塩基配列No1267-No1275を配列番号:6に記載のヒトマンナン結合レクチン(MBL)をコードするcDNA(以下hMBLと記載する)に置換し、pBC1/hMBL(図21)、pBC6/hMBL(図22)を構築した。
10μgのpBC1/hMBL, pBC6/hMBLをリポフェクチン法(LipofectamineTM LTX, Invitrogenを使用)を用いて25cm2のカルチャーフラスコ中の5.0 x 105個のCHO細胞(CHO DG44 cell)に遺伝子導入した。導入方法は製造業者の使用説明書に従った。遺伝子導入48時間後、細胞数を計測した後、細胞を4mM Gluta MAXTM-I (Invitrogen)と200μg/mL Zeocin( Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)にて希釈した。96ウェルマイクロタイタープレート中に4000 cells/well, 濃度で5枚ずつ(480ウェル)播き、5%炭酸ガス存在下で37℃、約3週間培養したところ、生存した細胞が見られた(ブラストシジン耐性クローン)。生存細胞から任意にブラストシジン耐性クローンを選択し、4mM Gluta MAXTM-I (Invitrogen) と10μg/mL Blasticidin (Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)ともに24ウェルプレートに移し、細胞が各ウェルの1/3以上を占めるまで培養した。各株に0.4mLを滅菌チューブに取り、200g、2分間遠心した。上清を捨て、細胞を0.1mLの新しい培地(4 mM Gluta MAXTM-I ((Invitrogen)を含むIS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan))に懸濁し、細胞数を計測した後、細胞数を5.0 x 105 cells/mLになるように培地で希釈後、0.2mLを新しい24ウェルプレートに移し、5%炭酸ガス存在下で37℃、72時間培養し、9300g、2分間の遠心後に上清を回収した。続いて培養上清中のMBLの生産量を測定した。
生産量の検定はELISAにて実施した。コーティングバッフアー(15 mM, Na2CO3, 35 mM NaHCO3, 0.05 % NaN3, pH 9.6)で希釈した1μg/mL抗ヒトMBL抗体(日本・旭川医大・大谷博士より譲渡)で96ウェルプレート(F96 MAXI SORP Nunc-Immuno plate,Cat no. 442404, Nunc)に4℃、16時間でコートした。4% Block Ace(大日本住友製薬株式会社)でブロッキングした後、72時間培養上清(1/1000-1/100000希釈)、精製したヒトMBL(旭川医大・大谷博士より譲渡)のCHO細胞用無血清培地IS CHO-CD w/ Hydrolysate培地(IS Japan)による2倍希釈系列(20〜0.3125 ng/mL)およびIS CHO with Hydrolysate培地(IS Japan)をそれぞれ100μLずつアプライし、37℃で1時間インキュベートした。さらに0.1μg/mLのビオチン化ヒトMBLモノクローナル抗体(旭川医大・大谷博士より譲渡)と37℃、1時間インキュベートした。37℃で30分間インキュベートしたVECTASTAION Elite ABC kit STANDARD(Reagent A 2 drops,Regent B 2 drops / 5 mL, Vector)を100μL/wellずつアプライし、37℃で45分間反応させた。さらに室温で30分間インキュベートしたPEROXIDASE SUBSTRATE KIT TMB(2 drops of Buffer, 3 drops of TMB, 2 drops of HYDROGEN PEROXIDE / 5 mL, Vector)を100μL/wellずつアプライし、室温で15分間反応させた後、1Mリン酸を100μL/wellずつ入れて反応を停止させた。タンパク質濃度の測定はマイクロプレートリーダー(Model680, BioRad社製)を用いて行なった。表5にELISA法にて得られた結果、ヒトMBL生産量の高い上位5サンプルを示す。最も生産レベルの高かったコドン改変のベクターのクローンは、コドン未改変のベクターと比較して同等の生産性を示していた。
本発明の発現ベクターpZC1及びpZCにより発現されたhMBLの各クローンの発現量の分布を表6に示す。
pBC1では56株のBlasticidin耐性株のうち、83.9%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また56株のうち9株(26.1%)は5μg/mL以上であった。また56株のうち1株(1.8%)は10μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは11.2μg/mL/3dayであった。
pBC6では59株のBlasticidin耐性株のうち66.1%はhMBLを0μg/mL以上5μg/mL未満で生産していた。また59株のうち20株(33.9%)は5μg/mL以上であった。さらに59株のうち3株(5.1%)は10μg/mL以上であった。最も高い生産レベルを示したものは12.5μg/mL/3dayであった。
pBCにおいて外来タンパク質の産生量が最も高いクローンの生産量は12.5μg/mL/3dayであり、pNCにおいて外来タンパク質の産生量が最も高いクローンの生産量は46.1μg/mL/3dayであった。このことからpNCは、構成部位として含む薬剤耐性遺伝子のコドンを使用頻度の最も低いものに改変することにより、外来タンパク質の生産性を顕著に高めることが明らかとなった。またpBCについては、薬剤耐性遺伝子のコドン改変領域をC末端側からにすること、あるいは配列の中心部からにすること、または、改変するコドンとしないコドンを交互に配置させる等が考えられ、いずれにしても改変されるコドンを調整することでpNCの場合と同様に薬剤セレクション効率が上がり、当該ベクターが形質転換受容性細胞の染色体上の極めて高い発現性をもつ位置に挿入されるものと考えられる。
さらに、本発明によるタンパク質の生産方法は、ウイルスや微生物を使用しないため、安全性の高いタンパク質生産が可能である。
Claims (21)
- 下記(a)および(b)を含む、哺乳動物宿主細胞において外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産を可能にするための発現ベクター。
(a)コドンを哺乳動物において使用頻度の最も低いものに改変し発現を微弱化させた翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセット
(b)高転写活性プロモーターと高安定性ポリアデニレーションシグナルの間に外来遺伝子組み込み用クローニングサイトを含む遺伝子カセット - 請求項1(a)に記載の翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセットのコドンが、ヒトにおいて使用頻度が最も低いコドンに改変されたものであることを特徴とする請求項1に記載の発現ベクター。
- 請求項1(a)に記載の翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセットのコドンが、アラニンはGCA、アルギニンはCGA、アスパラギンはAAU、アスパラギン酸はGAU、システインはUGU、グルタミンはCAA、グルタミン酸はGAA、グリシンはGGU、ヒスチジンはCAU、ロイシンはUUA、リシンはAAA、プロリンはCCA、フェニルアラニンはUUU、セリンはUCA、トレオニンはACU、チロシンはUAU、および/又はバリンはGUAに改変されたものであることを特徴とする請求項1に記載の発現ベクター。
- 請求項1(a)に記載の翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセットが、プロモーターとして発現誘導性の低いプロモーターを使用していることを特徴とする請求項1に記載の発現ベクター。
- 前記活性の低いプロモーターとして、哺乳動物細胞ではほとんど発現しない遺伝子を由来とするプロモーター、又はエンハンサー部分を除去したプロモーターを使用することを特徴とする請求項4に記載の発現ベクター。
- 請求項1(a)に記載の翻訳障害性薬剤耐性遺伝子カセットにおいてコドンの改変領域が、遺伝子カセットの全長の30%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の発現ベクター。
- 請求項1(a)に記載の薬剤耐性遺伝子が、ネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼ遺伝子(NTP遺伝子)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発現ベクター。
- 請求項7に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程、および該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能およびネオマイシン耐性能を有する形質転換体の製造方法。
- 以下(a)〜(d)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の生産方法。
(a)請求項7に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をネオマイシンが添加された培地で培養する工程
(d)培養された形質転換体から外来遺伝子由来タンパク質を回収する工程 - 請求項9(c)の工程において、Chemically Defined medium(CD培地)あるいはCD培地に非動物性の添加物を加えた培地で培養することを特徴とする、請求項9に記載の生産方法。
- 以下(a)〜(c)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能を有する形質転換体のスクリーニング方法。
(a)請求項7に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をネオマイシンが添加された培地で培養する工程 - 請求項1(a)に記載の薬剤耐性遺伝子が、ゼオシン耐性遺伝子(Zeosinr遺伝子)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発現ベクター。
- 請求項12に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程、および該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能およびゼオシン耐性能を有する形質転換体の製造方法。
- 以下(a)〜(d)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の生産方法。
(a)請求項12に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をゼオシンが添加された培地で培養する工程
(d)培養された形質転換体から外来遺伝子由来タンパク質を回収する工程 - 請求項14(c)の工程において、Chemically Defined medium(CD培地)あるいはCD培地に非動物性の添加物を加えた培地で培養することを特徴とする、請求項14に記載の生産方法。
- 以下(a)〜(c)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能を有する形質転換体のスクリーニング方法。
(a)請求項12に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をゼオシンが添加された培地で培養する工程 - 請求項1(a)に記載の薬剤耐性遺伝子が、ブラストシジン耐性遺伝子(Blasticidin遺伝子)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発現ベクター。
- 請求項17に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程、および該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能およびブラストシジン耐性能を有する形質転換体の製造方法。
- 以下(a)〜(d)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の生産方法。
(a)請求項17に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をブラストシジンが添加された培地で培養する工程
(d)培養された形質転換体から外来遺伝子由来タンパク質を回収する工程 - 請求項19(c)の工程において、Chemically Defined medium(CD培地)あるいはCD培地に非動物性の添加物を加えた培地で培養することを特徴とする、請求項19に記載の生産方法。
- 以下(a)〜(c)の工程を含む、外来遺伝子由来タンパク質の高レベル生産能を有する形質転換体のスクリーニング方法。
(a)請求項17に記載の発現ベクターに外来遺伝子を組み込む工程
(b)該発現ベクターにより宿主細胞を形質転換させる工程
(c)該形質転換体をブラストシジンが添加された培地で培養する工程
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