JPWO2009087772A1 - スピーカラインの検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 音声信号源2からの音声信号を増幅器4で増幅し、スピーカライン6を介して互いに並列に接続されている複数のスピーカ8に供給する。DSP10から人の可聴周波数帯域のうち最低周波数付近の周波数又は最高周波数付近の周波数のいずれか若しくは両方を含むテスト信号を合成器13で音声信号と合成して、スピーカライン6に伝送する。増幅器4の出力側に設けた電流検出回路14及び電圧検出回路16の出力信号をDSP10に供給して、テスト信号の周波数成分を分析し、これに基づいて各スピーカ8及びスピーカライン6の合成インピーダンスを算出する。DSP10は、この合成インピーダンスを閾値と比較して、スピーカラインの断線又はインピーダンス低下を検出する。

Description

本発明は、ビル等に構築されているパブリックアドレスシステムにおいて、スピーカラインに断線または短絡といった不具合が生じているか否かを検査するためのスピーカライン検査装置に関する。
従来、上記検査装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。特許文献1によれば、パブリックアドレスシステムでは、スピーカラインに複数のスピーカが互いに並列に接続されており、このスピーカラインに電力増幅器が接続されている。この電力増幅器の前段で、音声信号とテスト信号とを合成し、電力増幅器はこの合成信号を増幅し、スピーカラインに供給している。テスト信号は電圧が一定のものである。電力増幅器の出力側には、検知回路が設けられている。検知回路は、スピーカラインを介して各スピーカに流れるテスト信号の電流を抽出するフィルタを備えている。このフィルタからの出力信号は、テスト信号の電圧が一定であるので、スピーカライン及び各スピーカの合成インピーダンスを表している。上記文献に開示されているスピーカラインの検査装置は、このフィルタからの出力信号の値を、断線検出用閾値及び短絡検出用閾値と比較して、スピーカラインに断線または短絡が生じているか判定する。また、上記検査装置は、スピーカラインが正常な状態におけるフィルタの出力信号値を基準値として、これに予め定めた第1の値を加算した値を断線検出用閾値とし、この基準値から、予め定めた第2の値を減算した値を短絡検出用閾値としている。
特開2007−37024号公報
上述したように従来の検査装置では、スピーカラインが正常な状態でのフィルタからの出力信号値を基準値として2つの閾値を決定している。断線及び短絡を高精度に検出しようとする場合、これらの閾値を厳密に設定する必要がある。しかし、上記検査装置が、これらの閾値を決定するために測定して得た出力信号値と、その後、スピーカラインに断線や短絡が生じていない正常な状態で測定して得た出力信号値とでは、値が大きく異なることがある。例えば、テスト信号だけがスピーカラインに供給された状態で測定して得た出力信号値と、パブリックシステム運用時における様々な周波数を持つ音声信号とテスト信号とがスピーカラインに供給された状態で測定して得た出力信号値とでは、値が異なる可能性がある。特に、音声信号のレベルがテスト信号のレベルよりも大きい場合には、その値の差異が顕著である。従って、従来の検査装置では、第1及び第2の値を厳密に設定することによって、正常であるにも関わらず、断線若しくは短絡していると誤判定をする可能性がある。
本発明は、このような誤判定をできるだけ少なくし、精度よくスピーカラインの断線若しくはインピーダンス低下を検出できるようにした検査装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様による検査装置は、パブリックアドレスシステムに設けられている。このパブリックアドレスシステムは、音声信号の信号源を備えている。この音声信号が増幅器によって増幅され、スピーカラインに供給されている。このスピーカラインに互いに並列に複数のスピーカが接続されている。検査装置は、人の可聴周波数帯域(一般的に20Hz〜20KHz)のうち最低周波数付近の周波数及び最高周波数付近の周波数のいずれか一方、若しくは両方を、含むテスト信号の信号源を備えている。テスト信号としては、アナログ信号を使用することもできるし、デジタル信号をD/A変換器によってアナログ信号に変換したものを使用することができる。テスト信号は、前記音声信号と合成器によって合成されて、前記増幅器に供給される。従って、それぞれ増幅された音声信号とテスト信号とがスピーカラインを介して各スピーカに供給される。インピーダンス特定手段は、前記増幅器の出力信号に含まれる前記テスト信号の成分を抽出し、抽出されたテスト信号の成分に基づいて前記増幅器の出力側から前記各スピーカ側を見たインピーダンスを特定する。例えばインピーダンス特定手段は、増幅器の出力信号に含まれるテスト信号の電圧及び電流を抽出することによって1又は複数のインピーダンスを特定することができる。或いは、インピーダンス特定手段は、後述するように増幅器の出力信号の周波数分析を行い、テスト信号の周波数成分を抽出することで、テスト信号の周波数に対応した1又は複数のインピーダンスを特定することができる。このインピーダンス特定手段によって特定されたインピーダンスを、予め定めた閾値と比較して、前記各スピーカラインの断線及びインピーダンス低下のうち少なくとも一方を判定手段が判定する。例えば断線用の閾値を用いる場合、測定されたインピーダンスが断線用の閾値よりも大きければ、スピーカラインの断線またはいずれかのスピーカの接続不良と判定される。或いはインピーダンス低下用の閾値が使用されている場合、特定されたインピーダンスがインピーダンス低下用の閾値よりも小さいとき、スピーカラインにインピーダンス低下が生じていると判定される。断線検知用の閾値とインピーダンス低下用の閾値とを準備し、両方を判定することもできる。前記テスト信号に対する前記合成信号の比率が予め定めた値よりも大きく、合成信号が増加しているとき、前記閾値を、前記判定手段での判定精度を下げる方向に閾値修正手段が変化させる。閾値は、例えばテスト信号のみを増幅器からスピーカラインに供給した状態で測定したインピーダンスに基づいて設定されている。
テスト信号に対する合成信号の比率が大きい場合、合成信号に占める音声信号の割合が大きいことになり、スピーカライン及びスピーカのインピーダンスは、音声信号の影響を受けている。従って、現在の閾値をそのまま使用すると、誤判定を行う可能性があるので、閾値を変更している。
前記閾値修正手段は、前記合成信号が増加しているとき下げた前記判定精度を、前記合成信号が増加状態から減少状態に変化したとき、上昇させることができる。この場合、前記判定精度を下げる方向の変化率が大きく、前記判定精度を上げる方向の変化率が小さい。
例えば音声信号のレベルが大きくなったことにより、スピーカライン及びスピーカのインピーダンスが変化した場合、その後に音声信号のレベルが小さくなったとしても、このインピーダンスが変化した状態から元の状態に戻るまでには時間がかかることがある。このような場合に対処するために、判定精度を上げる方向への変化率を小さくしてある。
本発明の他の態様のスピーカライン検査装置も、上述した態様と同じパブリックアドレッシングシステムに設けられている。また、テスト信号の信号源も備えているが、このテスト信号は、人の可聴周波数帯域のうち最低周波数付近の周波数及び最高周波数付近の周波数の両方を含むものである。テスト信号は、前記音声信号と合成器によって合成されて、前記増幅器に供給される。インピーダンス特定手段が、前記増幅器からの出力信号に含まれる前記テスト信号の2つの周波数成分を抽出し、抽出された各周波数成分に基づいて前記増幅器の出力側から前記各スピーカ側を見たインピーダンスを特定する。このインピーダンス特性手段も、上述した態様のインピーダンス特性手段と同様のものである。この特定されたインピーダンスを、判定手段が予め定めた閾値と比較して、前記各スピーカライン及びスピーカの開放並びにインピーダンス低下のうち、少なくとも一方を判定する
テスト信号は、異なる周波数成分を含むものであり、これら2つの周波数成分においてインピーダンスを特定し、これらインピーダンスを閾値と比較しているので、各スピーカライン及びスピーカの開放並びにインピーダンス低下のうち、少なくとも一方を、より高精度に判定することができる。
上述した2つの態様において、前記音声信号の信号源が停止している時間帯に、インピーダンス特定手段が前記インピーダンスを特定することができる。この場合、この特定されたインピーダンスを基に閾値設定手段が前記閾値を設定する。前記特定されたインピーダンスが予め定めた許容範囲内にあるか第2の判定手段が判定する。
スピーカライン及びスピーカのインピーダンスは、経年劣化によって変化する。従って、或るときに特定したスピーカライン及びスピーカのインピーダンスを基に設定した閾値をそのまま使用していると、実際のスピーカライン及びスピーカのインピーダンスと閾値用に特定したスピーカライン及びスピーカのインピーダンスとの間に乖離が生じる。そこで、音声信号が供給されていない時間帯にスピーカライン及びスピーカのインピーダンスを特定し、そのインピーダンスを基に閾値を設定することによって誤判定が生じることを防止している。また、このようにして特定されたインピーダンスZが許容範囲内に存在するか否か第2の判定手段によって判定することで、スピーカの交換時期を知ることができる。
上述した2つの態様において、前記インピーダンス特定手段は、前記スピーカラインに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記スピーカラインにかかる電圧を検出する電圧検出手段とを含むとしてもよい。この場合、前記電流検出手段で検出された電流と、前記電圧検出手段で検出された電圧とに、それぞれ含まれる前記テスト信号の周波数成分が周波数成分検出手段によって検出される。この周波数成分の検出は、例えば検出された電流及び電圧をクロススペクトラム解析することによって求めることができる。これら検出されたテスト信号の周波数成分から演算手段が前記インピーダンスを演算する。
このようにテスト信号成分に基づいてスピーカライン及びスピーカのインピーダンスを測定しているので、音声信号の影響を受けることなく、スピーカライン及びスピーカのインピーダンスを測定することができる。
図1は、本発明の1実施形態のスピーカの検査装置を実施したパブリックアドレスシステムのブロックダイアグラムである。 図2は、図1の検査装置のDSPが行う周波数分析処理のフローチャートである。 図3は、図1の検査装置のDSPが行う実効値測定処理のフローチャートである。 図4は、図1の検査装置のDSPが行う短絡、断線、インピーダンス増加判定処理のフローチャートである。 図5は、図1の検査装置のDSPが行う閾値修正処理のフローチャートである。 図6は、図5の閾値修正処理におけるZopen、Zinc修正処理の詳細なフローチャートである。 図7は、図6の処理によって修正された測定確度Raの変化状態を示す図である。 図8は、図6のZopen、Zinc修正処理におけるZ1open、Z1incの算出処理の詳細なフローチャートである。 図9は、図1の検査装置のDSPが行う経年劣化判定処理のフローチャートである。
本発明の1実施形態の検査装置は、図1に示すようなパブリックアドレスシステムに実施されている。パブリックアドレスシステムは、例えば大規模店舗の様々な場所に音声を拡声するものである。このパブリックアドレスシステムは、音声信号の信号源2を有している。この信号源2としては、例えば店舗内にバックグランドミュージックを流すための音源であったり、店舗案内や緊急放送を行うためのマイクロホンであったりする。この信号源2からの音声信号は、ノッチフィルタ3を介して、増幅器、例えば電力増幅器4によって増幅され、電力増幅器4の出力側に接続されたスピーカライン6を介して複数のスピーカ8に供給されている。ノッチフィルタ3は、音声信号の周波数成分のうち、後述するテスト信号と同じ周波数成分を減衰させることで、テスト信号への干渉を防ぐことを目的としている。よって、音声信号は、テスト信号が出力されているときのみノッチフィルタ3を介して増幅器に入力されるようにし、テスト信号が出力されていないときは、ノッチフィルタ3を介さないで増幅器に入力されるような回路構成としてもよい。また、ノッチフィルタ3の代わりに、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、或いはその両方を用いてもよい。各スピーカは、店舗の様々な位置に配置されている。図1では、スピーカライン6は1本だけ示してあるが、実際には1対のラインである。また、各スピーカ8も、実際には、この1対のスピーカライン間に、互いに並列に接続されている。
検査装置は、非可聴周波数のテスト信号の信号源として機能するDSP(デジタル信号処理装置)10を有している。DSP10は、テスト信号としてデジタルテスト信号を出力する。このデジタルテスト信号は、D/A変換器12によってアナログテスト信号に変換される。このアナログテスト信号と信号源2からの音声信号とが、合成器13によって合成される。合成器13からの合成信号が、電力増幅器4に供給されている。このアナログテスト信号は、例えば40Hzと20KHzの2つの周波数成分を含む信号であり、電圧が一定値のものである。人間の可聴周波数帯域は一般的に20Hzから20KHzである。各スピーカ8は、この人間の可聴周波数帯域で最適な音が出力されるように設計されている。テスト信号は、スピーカライン及びこれに並列接続される各スピーカ8の合成インピーダンスを測ることを目的としているため、テスト信号の周波数は、可聴周波数帯域内の周波数であることが望ましいが、音声信号と合成して出力されることで、テスト信号成分が雑音として人間の耳に届いてしまうことは好ましくない。そこで、人間の可聴周波数帯域のうち、人間には聞取り難い、可聴周波数帯域の最低周波数付近の周波数若しくは最高周波数付近の周波数、或いは、その両方の周波数をテスト信号の周波数として用いることが望ましい。各スピーカ8には、音声信号とテスト信号とが電力増幅器4で増幅されて、供給されている。テスト信号は、D/A変換器12から継続して合成器13に供給されている。音声信号は、不要なときには、合成器13には供給されていない。或いは、信号源2の音声信号は、A/D変換された後、デジタルテスト信号と合成してもよい。この場合、合成信号がD/A変換器12に供給される。
電力増幅器4の出力側に直列に電流検出回路14が設けられている。この電流検出回路14によって、電力増幅器4からスピーカライン6に供給されている出力電流が検出されている。同様に、電力増幅器4の出力側に並列に電圧検出回路16が設けられている。この電圧検出回路16によって、電力増幅器4からスピーカライン6に供給されている出力電圧が検出されている。
電流検出回路14の出力信号及び電圧検出回路16の出力信号は、A/D変換器18、20によってデジタル化されて、DSP10に供給されている。デジタル化された電流検出回路14の出力信号をデジタル電流検出信号と称し、デジタル化された電圧検出回路16の出力信号をデジタル電圧検出信号と称する。
DSP10は、これらデジタル電流検出信号、デジタル電圧検出信号及びデジタルテスト信号を処理して、各スピーカ8、スピーカライン6が断線していないか、短絡していないか、或いは各スピーカ8及びスピーカライン6のインピーダンスが大きく低下していないかを判定する。判定結果は、DSP10に付属する報知装置28によって報知される。報知装置としては、例えば表示装置を使用することができ、判定結果が表示される。
DSP10における処理では、順次供給されるデジタル電流検出信号及びデジタル電圧検出信号がDSP10に入力されるごとに、図2に示す周波数分析処理を行う。
周波数分析処理では、まず、バンドパスフィルタによってデジタル電流検出信号及びデジタル電圧検出信号から雑音周波数成分が除去される(ステップS2)。雑音周波数成分が除去されたデジタル電流検出信号及びデジタル電圧検出信号のアベレージングが行われる(ステップS4)。即ち、テスト信号の1周期分のデジタル電流検出信号及びデジタル電圧検出信号と同数のメモリがDSP10内に準備されており、デジタル電流検出信号及びデジタル電圧検出信号がバンドパスフィルタから供給されるごとに、対応するメモリに記憶することが複数周期にわたって行われ、各メモリの記憶値が、この複数周期数で除算される。このようにアベレージングが行われたデジタル電流検出信号及びデジタル電圧検出信号のクロススペクトラム解析が行われ、デジタル電流検出信号及びデジタル電圧検出信号に含まれるテスト信号の相関関係を求め、テスト信号に含まれる20KHzの周波数におけるインピーダンスZ1、40Hzの周波数におけるインピーダンスZ2と、デジタル電流検出信号及びデジタル電圧検出信号のコヒーレントとが算出される(ステップS6)。なお、DSP10の処理能力が高い場合は、ステップS2、ステップS4の処理を行わず、ステップS6のクロススペクトラム解析処理のみを行うだけでもよい。
もし、コヒーレントから、このテスト信号の周波数成分以外の周波数成分が多いという結果が生じた場合には、例えば電圧が一定値であるテスト信号の電圧をDSP10が増加させる。
図2の処理に続いて、図3に示すようにデジタル電圧検出信号及びデジタル電流検出信号の実効値Vrms、Irmsが算出される(ステップS8)。
次に、図4に示すように、上述したようにクロススペクトラム解析で得たインピーダンスZ1、Z2と、デジタル電流検出信号の実効値Irmsとを使用して、スピーカライン6及びスピーカ8に、短絡、インピーダンスの低下(電力増幅器4の出力電流の増加)及び開放のいずれかが、生じているか判定される。
まず、デジタル電流検出信号の実効値Irmsが、予め定めた閾値、例えばスピーカラインの短絡電流値Islよりも大きいか、或いは測定されたインピーダンスZ1が予め定めた閾値、例えばスピーカライン6及びスピーカ8の20KHzにおける短絡インピーダンスZ1slよりも小さく、かつ測定されたインピーダンスZ2が予め定めた閾値、例えばスピーカライン6及びスピーカ8の40Hzにおける短絡インピーダンスZ2slよりも小さいか判断される(ステップS14)。短絡電流Islや短絡インピーダンスZ1sl、Z2slは、スピーカライン6及びスピーカ8の保護の観点から予め定められている。ステップS14の判断の答えがイエスの場合、スピーカライン8等が短絡状態にあると判断できるので、短絡表示を行い(ステップS16)、この判断処理を終了する。
ステップS14の判断の答えがノーの場合、測定されたインピーダンスZ1が、20KHz用の下限値Z1incよりも小さいか、またはインピーダンスZ2が40Hz用の下限値Z2incよりも小さいか判断される(ステップS18)。下限値Z1inc、Z2incについては後述する。この判断の答えがイエスの場合、スピーカラインの電流が短絡状態までは増加していないが、或る程度電力増幅器4からの出力電流が増加していて要注意状態であるので、増加表示を行い(ステップS20)、この判定処理を終了する。
ステップS18の判断の答えがノーの場合、測定されたインピーダンスZ1が、20KHz用の上限値Z1openよりも大きいか、またはインピーダンスZ2が40Hz用の上限値Z2openよりも大きいか判断される(ステップS22)。上限値Z1open、Z2openについては後述する。この判断の答えがイエスの場合、スピーカライン6及びスピーカ8において開放が生じていると判断できるので、開放表示を行い(ステップS24)、この判断の処理が終了する。
上記の判断を行うために、上限値Z1open、Z2openと下限値Z1inc、Z2incとを使用している。これらは、スピーカライン6及びスピーカ8の20KHzにおける基準インピーダンスZ1aveと40Hzにおける基準インピーダンスZ2aveとを基に、それぞれ決定されている。基準インピーダンスZ1ave、Z2aveは、このパブリックアドレスシステムが設置されて初めて使用される初期化時に、作業員によって設定される。或いは、何らかの理由によって、このパブリックアドレスシステムを再初期化する際に、作業員によって設定される。しかし、この基準インピーダンスZ1ave、Z2aveと、その後、スピーカライン6及びスピーカ8に断線や短絡が生じていない正常な状態で測定したインピーダンスZ1、Z2とでは、値が大きく異なることがある。例えば、パブリックアドレスシステム運用時における様々な周波数を持つ音声信号と、テスト信号とがスピーカライン6に供給された状態で、インピーダンスZ1、Z2が測定されると、そのインピーダンスZ1は、基準インピーダンスZ1aveと異なり、インピーダンスZ2は基準インピーダンスZ2aveと異なる可能性がある。特に、音声信号のレベルがテスト信号のレベルよりも大きい場合には、その値の差異が顕著である。そこで、図5に示すように、基準インピーダンスZ1ave、Z2aveに基づいている上限値Z1open、Z2openと下限値Z1inc、Z2incとに対して、上述した判定を行った後に、修正処理が行われる。
この修正処理では、まずデジタル電圧検出信号の実効値Vrmsが、デジタルテスト信号の実効電圧値Vtestよりも所定率、例えば1.2倍よりも大きくなっているか判断される(ステップS26)。この判断の答えがイエスの場合、テスト信号以外の同じ周波数成分が音声信号に多く含まれていると判断されるので、上限値Z1open、Z2open、下限値Z1inc、Z2incの修正演算処理が行われる(ステップS28)。なお、上記所定率は、1.2に限ったものではない。
ステップS28の修正演算処理では、測定されたインピーダンスZ1、Z2の測定確度Raが使用されている。測定確度Raは、単位がパーセントであり、値が小さいほど測定インピーダンスZ1、Z2の測定精度が高いことを表しており、値が大きいほど測定インピーダンスZ1、Z2の測定精度が低いことを表している。この測定確度RaはVrmsがVtestに等しいとき、最も小さい値、例えば5%に設定されている。図6に示すように、ステップS28の修正演算処理では、デジタル電圧検出信号Vrmsが前回に修正演算処理を行ったときのデジタル電圧検出信号ΔVrmsよりも大きいか判断される(ステップS30)。この判断の答えがイエスであると、前回修正を行ったときよりもテスト信号以外の同じ周波数成分の音声信号が増加しているので、測定確度Raの値を大きく修正する必要がある。そのため、
Ra=βRa+αf(Vrms/Vtest)
の演算が行わる。ここで、αとβとは予め定めた係数であり、α+β=1、α>βの関係がある。f(Vrms/Vtest)は、Vrms/Vtestを引数とする関数で、その値はVrms/Vtestの値が増加している場合には大きくなり、Vrms/Vtestの値が減少している場合には小さくなる。従って、Vrms/Vtestの値が大きく変化している上に、α>βであるので、修正された測定確度Raに占めるαf(Vrms/Vtest)の割合が大きく、修正された測定確度Raは、Vrms/Vtestの値が増加している場合には図7の前半部分に示すように素早く大きくなる。
ステップS30の判断の答えがノーの場合には、前回修正を行ったときよりもテスト信号以外の同じ周波数の成分の音声信号が減少しているので、測定確度Raは、値が小さくなるように修正される。但し、小さくする方向の変化率は小さくされている。そのため、
Ra=αRa+βf(Vrms/Vtest)
の演算を行っている。Vrms/Vtestの値が小さくなっているので、f(Vrms/Vtest)の値は小さくなっているが、αよりも小さいβがf(Vrms/Vtest)に乗算されているので、修正されたRaに占めるβf(Vrms/Vtest)の割合は小さく、修正されたRaの値は、Vrms/Vtestの値が減少している場合には、図7の後半部分に示すようにゆっくりと小さくなる。
このように修正された測定確度Raを使用して、Z1open、Z2open、Z1inc、Z2incの算出が行われる(ステップS36)。次回にステップS30を実行する際に使用するために、VrmsがΔVrmsとして記憶される(ステップS38)。
ステップS36でのZ1open、Z1incの算出は、図8に示すように行われる。まず、測定確度Raがインピーダンス開放割合初期値Rulよりも大きいか判断される(ステップS40)。インピーダンス開放割合初期値R1ulは、単位をパーセントとして表されたもので、測定確度Raが最高確度、即ち最も値が小さい場合に、スピーカライン6等が開放されていると見なすインピーダンスである上限値の基準インピーダンス(Zave1、Zave2)に対する増分である。このインピーダンス開放割合初期値Rulは、初期化時または再初期化時に作業員によって設定され、Z1open、Z2openに共通に使用される。ステップS40の判断の答えがノーの場合には、測定確度Raをインピーダンス開放割合初期値Rulより大きくする必要がないので、Z1openは、
Z1open=Z1ave(1+Rul/100)
で演算される(ステップS42)。
ステップS40の判断の答えがイエスの場合、測定確度Raに従ってZ1openを修正する必要があるので、Z1openは、
Z1open=Z1ave(1+Ra/100)
で演算される(ステップS44)。
ステップS42またはS44に続いて、Z1openが20KHzにおけるインピーダンスの上限値Z1ulよりも大きいか判断される(ステップS46)。インピーダンスの上限値Z1ulは、スピーカライン6等が開放された際に20KHzにおいて実際に生じると予測されるインピーダンスの上限値である。上限値Z1ulは、初期化時または再初期化時に作業員によって手動で設定される。或いは、DSP10が初期化時または再初期化時に測定したZ1aveに1よりも大きい係数を乗算して、その乗算値が上限値Z1ulとして設定される。測定確度Raに基づいて修正したZ1openの値が実際に生じることがないインピーダンスの値になることがあるので、ステップS46の判断が行われている。ステップS46の判断の答えがイエスの場合には、Z1openがZ1ulよりも大きくなることはあり得ないので、Z1openがZ1ulとされる(ステップS48)。
このステップS48に続いて、またはステップS46の判断の答えがノーの場合、測定確度Raがインピーダンス増加割合初期値Rllよりも大きいか判断される(ステップS50)。インピーダンス増加割合初期値Rllは、測定確度Raが最高確度の場合において、スピーカライン6及びスピーカ8のインピーダンスが低下していると見なすことができるインピーダンスに対する基準インピーダンス(Zave1またはZave2)の割合の逆数から1を減算した値をパーセントで表したものである。インピーダンス開放割合初期値Rllは、初期化時または再初期化時に作業員によって設定され、Z1inc、Z2incに対して共通に使用される。ステップS50の判断の答えがノーの場合には、測定確度RaをRllより小さくする必要がないので、Z1incは
Z1inc=Z1ave(1+Rll/100)
で演算される(ステップS52)。
ステップS50の判断の答えがイエスの場合、測定確度Raに従ってZ1incを修正する必要があるので、Z1incは
Z1inc=Z1ave/(1+Ra/100)
で演算される(ステップS54)。
ステップS52またはS54に続いて、Z1incがインピーダンスZ1の20KHzにおける下限値Z1llよりも小さいか判断される(ステップS56)。インピーダンスの下限値Z1llは、スピーカライン6またはスピーカ8が短絡ではないが、実際にインピーダンス低下として生じると予測される20KHzにおけるインピーダンスの下限値である。下限値Z1llは、初期化時または再初期化時に作業員によって手動で設定される。またはDSP10が初期化時または再初期化時に測定したZ1aveに1よりも小さい係数を乗算して、その乗算値が下限値Z1llとして設定される。ステップS54によって修正されたZ1incが実際に生じることがないインピーダンスとなる場合があるので、ステップS56が実行される。ステップS56の判断の答えがイエスの場合には、Z1incがZ1llよりも小さくなることはあり得ないので、Z1incがZ1llとされる(ステップS58)。ステップS58が終了するか、ステップS56の判断の答えがノーの場合、このZ1open、Z2incの算出処理が終了する。
上述したのと同様な処理によって、Z2open、Z2incが、インピーダンス開放割合初期値Rul、インピーダンス増加割合初期値Rll、40HzにおけるインピーダンスZ2の上限値Z2ul、40HzにおけるインピーダンスZ2の下限値Z2ll、40HzにおけるインピーダンスZ2の基準インピーダンスZ2aveを用いて演算される。この処理についての説明は省略する。
例えばZ2aveが1000Ω、Z2ulが2000Ω、Z2llが500Ω、Z2slが20Ω、Z1aveが1500Ω、Z1ulが3000Ω、Z1llが750Ω、Z1slが30Ω、Islが5A、Rulが10%、Rllが10%、Raが5%、Vtestが5Vであるとする。なお、Raが5%であるのは最高確度とする。この状態で、Vrmsが5Vである状態が継続していると、Ra<Rulであるので、Z1open、Z2openは、
Z2open=1000Ω*(1+5/100)=1050Ω
Z1open=1500Ω*(1+5/100)=1575Ω
となる。また、Ra>Rllであるので、Z2inc、Z1incは、
Z2inc=1000Ω/(1+5/100)=952Ω
Z1inc=1500Ω/(1+5/100)=1428Ω
となる。
この状態で、測定インピーダンスZ2が1000Ω、Z1が1500Ωであれば、図4に示す処理によって正常であると判定される。同様に、測定インピーダンスZ2が1100Ω、Z1が1500Ωのとき、図4に示す処理によって開放と判定される。測定インピーダンスZ2が1100Ω、Z1が1600Ωであれば、図4に示す処理によって開放と判定される。測定インピーダンスZ2が1000Ωで、測定インピーダンスZ1が1400Ωであれば、図4に示す処理によって増加と判定される。測定インピーダンスZ2が15Ωで、測定インピーダンスZ1が10Ωであれば、図4に示す処理によって短絡と判定される。
また、テスト信号以外の同じ周波数成分を音声信号が幾分含んでおり、VrmsがVtestよりも大きく、例えばVrmsが10Vである状態が少し続いた結果、図6の処理によってRaが素早く増加し、例えばRaが50%になったとする。この場合、Ra>Rulであるので、Z2openは、
Z2open=1000Ω*(1+50/100)=1500Ω
Z1open=1500Ω*(1+50/100)=2250Ω
となる。また、Ra>Rllであるので、Z2incは、
Z2inc=1000Ω/(1+50/100)=667Ω
Z1inc=1500Ω/(1+50/100)=1000Ω
となる。
この状態で、測定インピーダンスZ2が1100Ω、測定インピーダンスZ1が1600Ωであれば、図4に示す処理によって正常であると判定される。測定インピーダンスZ2が2300Ωで、測定インピーダンスZ1が1000Ωであれば、図4に示す処理によって開放であると判定される。測定インピーダンスZ2が1400Ωで、測定インピーダンスZ1が600Ωであれば、図4に示す処理によって増加と判定される。測定インピーダンスZ2が15Ωで、測定インピーダンスZ1が10Ωであれば、図4に示す処理によって短絡と判定される。
また、テスト信号以外の同じ周波数成分を音声信号が多量に含んでおり、VrmsがVtestよりもかなり大きく、例えばVrmsが30Vである状態が少し続いた結果、図6の処理によってRaが素早く増加し、例えば300%になったとする。この場合、Ra>Rulであるので、Zopenは、
Z2open=1000Ω*(1+300/100)=4000Ω
Z1open=1500Ω*(1+300/100)=6000Ω
となるが、Z2open>Z2ulで、Z1open>Z1ulあるので、Z2open、Z1openは、
Z2open=Z2ul=2000Ω
Z1open=Z1ul=3000Ω
となる。また、Ra>Rllなので、Z2inc、Z1incは、
Z2inc=1000Ω/(1+300/100)=250Ω
Z1inc=1500Ω/(1+300/100)=375Ω
となる。Z2inc<Z2llで、Z1inc<Z1llあるので、Z1inc、Z2incは、
Z2inc=Z2ll=500Ω
Z1inc=Z1ll=750Ω
となる。
この状態で測定インピーダンスZ2が1000Ωで、Z1が1600Ωのとき、図4に示す処理によって正常であると判定される。測定インピーダンスZ2が2500Ωで、Z1が2800Ωであれば、図4に示す処理によって開放であると判定される。測定インピーダンスZ2が400Ωで、インピーダンスZ1が1000Ωであれば、図4に示す処理によって増加と判定される。測定インピーダンスZ2が15Ωで、測定インピーダンスZ1が10Ωであれば、図4に示す処理によって短絡と判定される。
このVrmsが30Vである状態から、例えばVrmsが10Vである状態に戻ったとしても、図6のステップS34の処理が行われるので、Raは50%にはならず、わずかに低下するだけである。従って、Z2openは4000Ωからわずかに低下し、Z1openは6000Ωから僅かに低下し、Z2incは500Ωからわずかに増加、Z1openは750Ωから僅かに増加する。このようにしてあるので、例えばVrmsが大きい値であったことによりスピーカ8が発熱し、スピーカ8の温度が発熱を開始する前の温度に戻るまで長時間かかるような場合でも、Z1open、Z2open、Z1inc、Z2incの値も長時間をかけて発熱前の値に戻るので、誤判定を生じることを防止できる。
この検査装置では、また音声信号が供給されていない状態において、スピーカライン6及び各スピーカ8の20KHz及び40Hzにおける基準インピーダンスZ1ave、Z2aveを測定し、基準インピーダンスZ1aveが予め定めた20KHz用の経年劣化許容上限値Z1ULと経年劣化許容下限値Z1LLとの間にあるか、または基準インピーダンスZ2aveが40Hz用の経年劣化許容上限値Z2ULと、40Hz用の経年劣化許容下限値Z2LLとの間にあるか否かを判定している。即ち、パブリックアドレスシステムを長年にわたって使用していると経年劣化によって各スピーカ8のインピーダンスは変化する。この変化に従って基準インピーダンスZ1ave、Z2aveも変化する。基準インピーダンスZ1aveが、各スピーカの交換を必要とする限界となる20KHzの許容上限値Z1ULと許容下限値Z1LLとによって規定される許容範囲内にあるか、または基準インピーダンスZ2aveが、各スピーカの交換を必要とする限界となる40Hzの許容上限値Z2ULと許容下限値Z2LLとによって規定される許容範囲内にあるか判定し、基準インピーダンスZ1aveが許容上限値Z1ULと許容下限値Z1LLとによって規定される許容範囲から外れるか、または基準インピーダンスZ2aveが許容上限値Z2ULと許容下限値Z2LLとによって規定される許容範囲から外れると、スピーカの交換を促す表示を報知装置28に行う。この判定は、パブリックアドレスシステムが使用されていない時間、例えば店舗に設置されているものでは店舗の閉店時刻後開店時刻までの時間帯内の或る時刻になるごとに毎日行われる。
図9に示すように検査時刻であるか否かの判断が行われる(ステップS60)。この判断の答えがノーの場合、この処理は終了する。ステップS60の判断の答えがイエスの場合、DSP10がテスト信号を発生する(ステップS62)。そして、図2に関連して説明したようにして基準インピーダンスZ1ave、Z2aveを測定する(ステップS64)。Z1aveが上述したZ1ULとZ1LLで規定された許容範囲内にあり、かつZ2aveが上述したZ2ULとZ2LLで規定された許容範囲内にあるか判断する(ステップS66)。この判断の答えがノーの場合、報知装置28にエラー表示を行い(ステップS68)、スピーカの交換を促す。ステップS66の判断の答えがイエスの場合、測定されたZ1ave、Z2aveを記憶する(ステップS70)。ステップS70の処理を実行することによって、以後、図8に示す処理においてZ1open、Z2open、Z1inc、Z2incを算出する際のZ1ave、Z2aveが更新される。その結果、経年劣化によるインピーダンスの変化の影響による誤判定を防止することができる。
上記の実施形態では、クロススペクトラム解析によってインピーダンスZ1、Z2やZ1ave、Z2aveを測定したが、例えばテスト信号を抽出することが可能な狭帯域のバンドパスフィルタを用いてテスト信号の電流及び電圧を抽出し、これら抽出値からインピーダンスを測定することもできる。また、上記の実施形態では、周波数が40Hzと20KHzのテスト信号を使用したが、例えば40Hz若しくは20KHzのいずれかだけの周波数のテスト信号を使用することもできる。また、上記の実施形態では、DSP10からのデジタルテスト信号をD/A変換して合成器13に供給したが、これに代えて、別にアナログテスト信号源を設け、このアナログテスト信号源からのテスト信号を合成器13に供給してもよい。この場合、アナログテスト信号をデジタルテスト信号にA/D変換器によって変換して、DSP10に供給する。上記の実施形態では、スピーカライン及びスピーカの開放とこれらのインピーダンスの低下とを判定したが、いずれか一方のみを行うようにすることもできる。
上述した態様において、前記音声信号の信号源が停止している時間帯に、インピーダンス特定手段が前記インピーダンスを特定することができる。この場合、この特定されたインピーダンスを基に閾値設定手段が前記閾値を設定する。前記特定されたインピーダンスが予め定めた許容範囲内にあるか第2の判定手段が判定する。

Claims (5)

  1. 音声信号の信号源と、
    前記音声信号を増幅する増幅器と、
    この増幅器の出力信号を伝送するスピーカラインと、
    このスピーカラインに互いに並列に接続されている複数のスピーカとを、
    備えたパブリックアドレスシステムにおいて、
    人の可聴周波数帯域のうち最低周波数付近の周波数及び最高周波数付近の周波数のいずれか一方、若しくは両方を含むテスト信号の信号源と、
    前記テスト信号を前記音声信号と合成して前記増幅器に供給する合成器と、
    前記増幅器の出力信号に含まれる前記テスト信号の成分を抽出し、抽出されたテスト信号の成分に基づいて前記増幅器の出力側から前記各スピーカ側を見たインピーダンスを特定するインピーダンス特定手段と、
    この特定されたインピーダンスを予め定めた閾値と比較して、前記各スピーカライン及びスピーカの開放及びインピーダンス低下のうち少なくとも一方を判定する判定手段と、
    前記合成信号の前記テスト信号に対する比率が予め定めた値よりも大きく、前記合成信号が増加しているとき、前記閾値を、前記判定手段での判定精度を下げる方向に変化させる閾値修正手段とを、
    具備するスピーカライン検査装置。
  2. 請求項1記載のスピーカライン検査装置において、前記閾値修正手段は、前記合成信号が増加しているとき下げた前記判定精度を、前記合成信号が増加状態から減少状態に変化したとき、上昇させ、前記判定精度を下げる方向の変化率が大きく、前記判定精度を上げる方向の変化率が小さいことを特徴とするスピーカライン検査装置。
  3. 音声信号の信号源と、
    前記音声信号を増幅する増幅器と、
    この増幅器の出力信号を伝送するスピーカラインと、
    このスピーカラインに互いに並列に接続されている複数のスピーカとを、
    備えたパブリックアドレスシステムにおいて、
    人の可聴周波数帯域のうち最低周波数付近の周波数及び最高周波数付近の周波数の両方を含むテスト信号の信号源と、
    前記テスト信号を前記音声信号と合成して前記増幅器に供給する合成器と、
    前記増幅器からの出力信号に含まれる前記テスト信号の2つの周波数成分を抽出し、抽出された各周波数成分に基づいて前記増幅器の出力側から前記各スピーカ側を見たインピーダンスを特定するインピーダンス特定手段と、
    特定されたインピーダンスを、予め定めた閾値と比較して、前記各スピーカライン及びスピーカの開放及びインピーダンス低下のうち少なくとも一方を判定する判定手段と、
    具備するスピーカライン検査装置。
  4. 請求項1又は3に記載のスピーカライン検査装置において、
    前記音声信号の信号源が停止している時間帯に、前記インピーダンス特定手段が前記インピーダンスを特定し、
    この特定されたインピーダンスを基に前記閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記特定されたインピーダンスが予め定めた許容範囲内にあるか判定する第2の判定手段とを、
    具備するスピーカライン検査装置。
  5. 請求項1又は3に記載のスピーカライン検査装置において、前記インピーダンス特定手段は、
    前記スピーカラインに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記スピーカラインにかかる電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段で検出された電流と、前記電圧検出手段で検出された電圧とに、それぞれ含まれる前記テスト信号の周波数成分を検出する周波数成分検出手段と、
    これら検出された電流及び電圧中の前記テスト信号の周波数成分から前記インピーダンスを演算する演算手段とを、
    具備するスピーカライン検査装置。
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