JPWO2009084346A1 - 磁気式エンコーダ装置 - Google Patents
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Abstract
磁界検出素子から信号処理回路へのリード線数を減少させ、回路構成も簡単な高精度の磁気式エンコーダ装置を提供する。永久磁石(2)の周囲に空隙を介して機械角で90°おきに順にA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサを順に配置し、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で60°位置にC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサを配置し、互いに機械角で60°位置にあるホールセンサを組として正出力端子同士及び負出力端子同士を接続する。さらに、180°対向位置にあるホールセンサの出力端子同士をそれぞれ逆並列に接続する。
Description
本発明は、ロボットや工作機などに使用するサーボモータの回転位置を検出する磁気式エンコーダ装置に関する。
従来、円形の磁石の外周上に着磁し、この磁石と空隙を隔てて対向し、互いに90°離れた位置にホール素子を配置した位置検出器が開示されている(例えば特許文献1参照)。
図8は、第1の従来技術を示す磁気式エンコーダの構成図である。
図において、シャフト11に取付けられた円板状の永久磁石2の外円には同心状に円筒形の磁性体3がある。つまり、磁石2と磁性体3は空隙を隔てて対向している。この空隙にホールセンサ47、48が90°離れて取付けられ、永久磁石2の回転に伴う空隙の磁束密度の変化を検出し、回転位置を検出している。
しかしながら、第1の従来技術に開示された磁気式エンコーダは、円形の磁石の外周上に着磁し、空隙を隔てホール素子を配置しているが、磁束密度分布が歪みを持つ場合、ホール素子の検出信号に高調波成分を含むため検出角度精度が悪くなるという問題があった。
図8は、第1の従来技術を示す磁気式エンコーダの構成図である。
図において、シャフト11に取付けられた円板状の永久磁石2の外円には同心状に円筒形の磁性体3がある。つまり、磁石2と磁性体3は空隙を隔てて対向している。この空隙にホールセンサ47、48が90°離れて取付けられ、永久磁石2の回転に伴う空隙の磁束密度の変化を検出し、回転位置を検出している。
しかしながら、第1の従来技術に開示された磁気式エンコーダは、円形の磁石の外周上に着磁し、空隙を隔てホール素子を配置しているが、磁束密度分布が歪みを持つ場合、ホール素子の検出信号に高調波成分を含むため検出角度精度が悪くなるという問題があった。
そこで、この改良技術として、回転軸と垂直な一方向に着磁された円板状の永久磁石に空隙を介して互いに周方向に機械角で60°位相をずらした位置に6個の磁界検出素子を配置し、偶数次と3次の高調波成分を除去する磁気式エンコーダ装置が開示されている(例えば特許文献2参照)。
図9は、この第2の従来技術を示す磁気式エンコーダの構成図である。
図において、41〜46は固定体30の内側に互いに機械角で60°位相をずらした位置に配置された6個の磁界検出素子である。
磁界検出素子41〜46は機械角で180°位相がずれた位置に設けた2個1対の磁界検出素子41と42、磁界検出素子43と44、及び磁界検出素子45と46の計3対のもので構成されている。
図9は、この第2の従来技術を示す磁気式エンコーダの構成図である。
図において、41〜46は固定体30の内側に互いに機械角で60°位相をずらした位置に配置された6個の磁界検出素子である。
磁界検出素子41〜46は機械角で180°位相がずれた位置に設けた2個1対の磁界検出素子41と42、磁界検出素子43と44、及び磁界検出素子45と46の計3対のもので構成されている。
図10は、第2の従来技術の信号処理回路のブロック図である。
図において、51〜53は第1差動増幅器で、第1差動増幅器51は磁界検出素子41の出力信号V41と磁界検出素子42の出力信号V42の差動信号を演算し、第1差動増幅器52は磁界検出素子43の出力信号V43と磁界検出素子44の出力信号V44の差動信号を演算し、第1差動増幅器53は磁界検出素子45の出力信号V45と磁界検出素子46の出力信号V46の差動信号を演算する。前記第1差動増幅器51〜53は、180°対向位置にある1対の磁界検出素子同士の出力信号の差を取ることにより、偶数次高調波成分を除去する。
54、55は第2差動増幅器で、それぞれ第1差動増幅器51と52、第1差動増幅器52と53の差動信号を演算している。第2差動増幅器54,55は偶数時の高調波成分を除去した後の差動出力信号を2つずつ組み合わせて和を取ることにより、差動出力信号に含まれる残りの3次の高調波成分を除去する。第2差動増幅器54、55の出力信号Va、Vbは正弦波、余弦波の関係になっており、角度演算回路56によって両信号のtan−1(Va/Vb)演算を行い、回転角度θを算出している。
図において、51〜53は第1差動増幅器で、第1差動増幅器51は磁界検出素子41の出力信号V41と磁界検出素子42の出力信号V42の差動信号を演算し、第1差動増幅器52は磁界検出素子43の出力信号V43と磁界検出素子44の出力信号V44の差動信号を演算し、第1差動増幅器53は磁界検出素子45の出力信号V45と磁界検出素子46の出力信号V46の差動信号を演算する。前記第1差動増幅器51〜53は、180°対向位置にある1対の磁界検出素子同士の出力信号の差を取ることにより、偶数次高調波成分を除去する。
54、55は第2差動増幅器で、それぞれ第1差動増幅器51と52、第1差動増幅器52と53の差動信号を演算している。第2差動増幅器54,55は偶数時の高調波成分を除去した後の差動出力信号を2つずつ組み合わせて和を取ることにより、差動出力信号に含まれる残りの3次の高調波成分を除去する。第2差動増幅器54、55の出力信号Va、Vbは正弦波、余弦波の関係になっており、角度演算回路56によって両信号のtan−1(Va/Vb)演算を行い、回転角度θを算出している。
しかしながら、上記従来技術では磁界検出素子数が4個から6個に増え、磁界検出素子から信号処理回路へ接続するリード本数も増えるため、信頼性が悪くなり作業性も悪くなるという問題があった。また、3次を超える奇数次の高調波成分を除去することができないため、高精度化に対して限界があった。そこで、別の従来技術として、回転軸と垂直な一方向に着磁された円板状の永久磁石に空隙を介して互いに周方向に機械角で60°位相をずらした位置に6個の磁界検出素子を配置し、偶数次と3次の高調波成分を除去する代わりに、90°おきに順に配置した4個のホール素子に対してそれぞれ360/N又は180/N(但し、Nは3以上の奇数)に配置した複数のホール素子を配置し、それぞれのホール素子を並列に接続することにより、偶数次とN次の高調波成分を抑制でき、出力信号のリード本数の増加を抑えた磁気式エンコーダ装置が開示されている(例えば特許文献3参照)。
図11は、この第3の従来技術の位置信号検出部の構成図である。
図において、2は図示しない回転体に取付けられた永久磁石であり、図中矢印Mで示すような回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化されている。矢印Rは回転方向を示す。4は永久磁石2の磁界を検出し電圧に変換するホールセンサである。
ホールセンサ4は、永久磁石2の周囲に空隙を介して90°おきに順に配置されたA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサと、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で60°(α=180/N、N=3の場合に相当)位置に配置されたC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサの合計8個のホールセンサから構成されている。
図12は、この第3の従来技術における磁気式エンコーダ装置のホールセンサの接続図である。
図において70は8個のホールセンサからなる位置信号検出部である。また、aはホールセンサ4の正入力端子、bは負入力端子、cは正出力端子、dは負出力端子を示す。8個ホールセンサの入力側は直列に接続され、信号処理回路80に配置された電源9で駆動されている。
出力側は、互いに機械角で60°位置にあるホールセンサを組として正出力端子同士及び負出力端子同士を接続した並列接続となっている。すなわち、A1相ホールセンサとC1相ホールセンサについては、A1相ホールセンサ正出力端子cとC1相ホールセンサ正出力端子cを接続し、A1相ホールセンサ負出力端子dとC1相ホールセンサ負出力端子dを接続している。B1相ホールセンサとD1相ホールセンサ、A2相ホールセンサとC2相ホールセンサ、B2相ホールセンサとD2相ホールセンサについても同様に接続されている。
図において、2は図示しない回転体に取付けられた永久磁石であり、図中矢印Mで示すような回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化されている。矢印Rは回転方向を示す。4は永久磁石2の磁界を検出し電圧に変換するホールセンサである。
ホールセンサ4は、永久磁石2の周囲に空隙を介して90°おきに順に配置されたA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサと、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で60°(α=180/N、N=3の場合に相当)位置に配置されたC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサの合計8個のホールセンサから構成されている。
図12は、この第3の従来技術における磁気式エンコーダ装置のホールセンサの接続図である。
図において70は8個のホールセンサからなる位置信号検出部である。また、aはホールセンサ4の正入力端子、bは負入力端子、cは正出力端子、dは負出力端子を示す。8個ホールセンサの入力側は直列に接続され、信号処理回路80に配置された電源9で駆動されている。
出力側は、互いに機械角で60°位置にあるホールセンサを組として正出力端子同士及び負出力端子同士を接続した並列接続となっている。すなわち、A1相ホールセンサとC1相ホールセンサについては、A1相ホールセンサ正出力端子cとC1相ホールセンサ正出力端子cを接続し、A1相ホールセンサ負出力端子dとC1相ホールセンサ負出力端子dを接続している。B1相ホールセンサとD1相ホールセンサ、A2相ホールセンサとC2相ホールセンサ、B2相ホールセンサとD2相ホールセンサについても同様に接続されている。
この第3の従来技術の特徴は、90°おきに順に配置されたA1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で60°位置にC1、D1、C2及びD2相ホールセンサを配置し、A1、B1、A2及びB2相ホールセンサとC1、D1、C2及びD2相ホールセンサの出力をそれぞれ並列に接続している点である。
なお、この接続は、図12に示す位置信号検出部70で行なうものであり、位置信号検出部から信号処理回路80へのリード線の本数は、通常は信号線としてセンサ数×2と電源線2本が必要であり、第2従来技術のように6個のホールセンサを用いる場合、6×2+2=14本必要であるがこの実施例では10本にまで削減できる。
なお、この接続は、図12に示す位置信号検出部70で行なうものであり、位置信号検出部から信号処理回路80へのリード線の本数は、通常は信号線としてセンサ数×2と電源線2本が必要であり、第2従来技術のように6個のホールセンサを用いる場合、6×2+2=14本必要であるがこの実施例では10本にまで削減できる。
次に、動作について説明する。
永久磁石2が回転すると各ホールセンサ4は磁界の変化を検出し、1回転に1周期の正弦波状の信号を出力する。実際には、各ホールセンサからの出力信号は1回転に1周期の基本波信号のほかに偶数次及び奇数次の高調波成分を含んでいる。この実施例おいて3次及び偶数次の高調波成分を抑制できることを説明する。
永久磁石2が回転すると各ホールセンサ4は磁界の変化を検出し、1回転に1周期の正弦波状の信号を出力する。実際には、各ホールセンサからの出力信号は1回転に1周期の基本波信号のほかに偶数次及び奇数次の高調波成分を含んでいる。この実施例おいて3次及び偶数次の高調波成分を抑制できることを説明する。
図13はこの従来技術における検出原理を示すグラフである。
図においてVa1はA1相ホールセンサから得られる基本波の出力信号、Vc1はC1相ホールセンサから得られる基本波の出力信号、Va3はA1相ホールセンサの出力信号がもつ3次高調波信号、Vc3はC1相ホールセンサの出力信号がもつ3次高調波信号である。Vac1はA1相ホールセンサとC1相ホールセンサの出力を並列接続したときの出力信号である。
この第3の従来技術では位置信号検出部70において、A1相とC1相ホールセンサは互いに機械角で60°位置に配置し、両ホールセンサを並列に接続しているので、A1相とC1相ホールセンサの出力信号に含まれる3次高調波成分はお互いに電気角で180°の位相差を持つことになり、3次高調波成分はキャンセルされる。すなわち、並列接続したホール素子の出力端子間(端子cd間)からは3次高調波成分がキャンセルされた信号が得られる。
同様にしてB1相とD1相ホールセンサ、A2相とC2相ホールセンサ、B2相とD2相ホールセンサにおいて、それぞれの並列接続した出力端子間は3次高調波成分がキャンセルされた信号となる。
図においてVa1はA1相ホールセンサから得られる基本波の出力信号、Vc1はC1相ホールセンサから得られる基本波の出力信号、Va3はA1相ホールセンサの出力信号がもつ3次高調波信号、Vc3はC1相ホールセンサの出力信号がもつ3次高調波信号である。Vac1はA1相ホールセンサとC1相ホールセンサの出力を並列接続したときの出力信号である。
この第3の従来技術では位置信号検出部70において、A1相とC1相ホールセンサは互いに機械角で60°位置に配置し、両ホールセンサを並列に接続しているので、A1相とC1相ホールセンサの出力信号に含まれる3次高調波成分はお互いに電気角で180°の位相差を持つことになり、3次高調波成分はキャンセルされる。すなわち、並列接続したホール素子の出力端子間(端子cd間)からは3次高調波成分がキャンセルされた信号が得られる。
同様にしてB1相とD1相ホールセンサ、A2相とC2相ホールセンサ、B2相とD2相ホールセンサにおいて、それぞれの並列接続した出力端子間は3次高調波成分がキャンセルされた信号となる。
これらの並列接続された4組のホールセンサからの出力信号は、図12に示す信号処理回路80において、それぞれ差動増幅器81乃至84で増幅された後、差動増幅器81と83からの出力信号は差動増幅器85で差動増幅され、差動増幅器82と84からの出力信号は差動増幅器86で差動増幅される。差動増幅器81と83からの出力信号及び差動増幅器82と84からの出力信号は、お互いに180°対向位置にあるホールセンサ組からの出力信号であり、差動増幅することによって偶数次の高調波成分が除去される。
差動増幅器85からの出力信号Va及び差動増幅器86からの出力信号Vbは角度変換回路87に入力される。Va及びVbは互いに90°位相の異なる正弦波状の信号であり、tan−1(Va/Vb)の演算によって角度信号θに変換される。
差動増幅器85からの出力信号Va及び差動増幅器86からの出力信号Vbは角度変換回路87に入力される。Va及びVbは互いに90°位相の異なる正弦波状の信号であり、tan−1(Va/Vb)の演算によって角度信号θに変換される。
このように、この第3の従来技術では、位置信号検出部において互いに機械角で60°位置にあるホールセンサの出力端子を並列接続し、信号処理回路において180°対向位置にあるホールセンサ組からの出力信号を差動増幅しているので、3次及び偶数次の高調波成分が抑制され、少ないリード線数で、精度の良い角度信号が得られる。
特開昭58−162813号公報
特開2001-33277号公報
PCT/JP2007/57677号公報
上記のように、第1の従来技術に開示された磁気式エンコーダは、円形の磁石の外周上に着磁し、空隙を隔てホール素子を配置しているが、磁束密度分布が歪みを持つ場合、ホール素子の検出信号に高調波成分を含むため検出角度精度が悪くなるという問題があった。
この問題を解決するため、第2の従来技術に開示された磁気式エンコーダは、互いに周方向に機械角で60°位相がずれている磁界検出素子を6個配置し、180°対向する位置にある磁界検出素子同士の差動信号を検出することによって偶数次の高調波成分をキャンセルすると共に、この差動出力信号を組み合わせて3次の高調波成分を除去している。
しかしながら、磁界検出素子数が4個から6個に増え、磁界検出素子から信号処理回路へ接続するリード本数が増えるため、信頼性が悪くなり作業性も悪くなるという問題があった。また、3次を超える奇数次の高調波成分を除去することができないため、高精度化に対して限界があった。
この問題を解決するため、第3の従来技術に開示された磁気式エンコーダ゛は、
90°おきに順に配置した4個のホール素子に対してそれぞれ360/N又は180/Nに配置したホール素子を配置し、それぞれ並列に接続しているので、N次の高調波成分を抑制できる。また、ホール素子の出力を並列に接続しているので、出力信号のリード本数を増やすこと無く、高精度の磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
しかしながら、出力信号のリード本数が最低でも8本必要であり、信頼性および作業性の点で、さらなる省配線化が必要であった。また、並列に接続したホール素子からの8本の出力信号を4本にするための差動増幅器が必要であり、回路構成が複雑で信号処理部の小型化を阻害するという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、磁界検出素子から信号処理回路へのリード線数を減少させ、回路構成も簡単な高精度の磁気式エンコーダ装置を提供することを目的とする。
この問題を解決するため、第2の従来技術に開示された磁気式エンコーダは、互いに周方向に機械角で60°位相がずれている磁界検出素子を6個配置し、180°対向する位置にある磁界検出素子同士の差動信号を検出することによって偶数次の高調波成分をキャンセルすると共に、この差動出力信号を組み合わせて3次の高調波成分を除去している。
しかしながら、磁界検出素子数が4個から6個に増え、磁界検出素子から信号処理回路へ接続するリード本数が増えるため、信頼性が悪くなり作業性も悪くなるという問題があった。また、3次を超える奇数次の高調波成分を除去することができないため、高精度化に対して限界があった。
この問題を解決するため、第3の従来技術に開示された磁気式エンコーダ゛は、
90°おきに順に配置した4個のホール素子に対してそれぞれ360/N又は180/Nに配置したホール素子を配置し、それぞれ並列に接続しているので、N次の高調波成分を抑制できる。また、ホール素子の出力を並列に接続しているので、出力信号のリード本数を増やすこと無く、高精度の磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
しかしながら、出力信号のリード本数が最低でも8本必要であり、信頼性および作業性の点で、さらなる省配線化が必要であった。また、並列に接続したホール素子からの8本の出力信号を4本にするための差動増幅器が必要であり、回路構成が複雑で信号処理部の小型化を阻害するという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、磁界検出素子から信号処理回路へのリード線数を減少させ、回路構成も簡単な高精度の磁気式エンコーダ装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、回転体に取付けられ、前記回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化された円板状またはリング状の永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して対向するように固定体に取付けられた磁界検出素子と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダにおいて、前記磁界検出素子は、機械角で90°おきに順に配置されたA1、B1、A2及びB2相ホールセンサと、前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対して、それぞれ機械角で角度α=360/N又はα=180/N(但し、Nは3以上の奇数)の位置に配置されたC1、D1、C2及びD2相ホールセンサとを備え、角度αで隣接する2つのホール素子の正出力端子同士、および負出力端子同士をそれぞれ接続するとともに、それぞれ機械角で180°対向する2つのホール素子の正出力端子と負出力端子を接続したことを特徴とする磁気式エンコーダ装置である。
また、請求項2に記載の発明は、前記Nが3であることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、前記Nが5であることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、回転体に取付けられ、前記回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化された円板状またはリング状の永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して対向するように固定体に取付けられた磁界検出素子と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダにおいて、前記磁界検出素子は、機械角で90°おきに順に配置されたA1、B1、A2及びB2相ホールセンサと、前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で角度α1=360/N1又はα1=180/N1(但し、N1は3以上の奇数)の位置に配置されたC1、D1、C2及びD2相ホールセンサと前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で角度α2=360/N2又はα2=180/N2(但し、N2は前記N1と異なる3以上の奇数)の位置に配置されたE1、F1、E2及びF2相ホールセンサとを備え、機械角で角度α1と機械角で角度α2で隣接する3つのホール素子の正出力端子同士、および負出力端子同士をそれぞれ接続するとともに、それぞれ機械角で180°対向する2つのホール素子の正出力端子と負出力端子を接続したことを特徴とする磁気式エンコーダ装置。
また、請求項5に記載の発明は、前記N1が3、前記N2が5であることを特徴としている。
請求項1に記載の発明は、回転体に取付けられ、前記回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化された円板状またはリング状の永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して対向するように固定体に取付けられた磁界検出素子と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダにおいて、前記磁界検出素子は、機械角で90°おきに順に配置されたA1、B1、A2及びB2相ホールセンサと、前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対して、それぞれ機械角で角度α=360/N又はα=180/N(但し、Nは3以上の奇数)の位置に配置されたC1、D1、C2及びD2相ホールセンサとを備え、角度αで隣接する2つのホール素子の正出力端子同士、および負出力端子同士をそれぞれ接続するとともに、それぞれ機械角で180°対向する2つのホール素子の正出力端子と負出力端子を接続したことを特徴とする磁気式エンコーダ装置である。
また、請求項2に記載の発明は、前記Nが3であることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、前記Nが5であることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、回転体に取付けられ、前記回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化された円板状またはリング状の永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して対向するように固定体に取付けられた磁界検出素子と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダにおいて、前記磁界検出素子は、機械角で90°おきに順に配置されたA1、B1、A2及びB2相ホールセンサと、前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で角度α1=360/N1又はα1=180/N1(但し、N1は3以上の奇数)の位置に配置されたC1、D1、C2及びD2相ホールセンサと前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で角度α2=360/N2又はα2=180/N2(但し、N2は前記N1と異なる3以上の奇数)の位置に配置されたE1、F1、E2及びF2相ホールセンサとを備え、機械角で角度α1と機械角で角度α2で隣接する3つのホール素子の正出力端子同士、および負出力端子同士をそれぞれ接続するとともに、それぞれ機械角で180°対向する2つのホール素子の正出力端子と負出力端子を接続したことを特徴とする磁気式エンコーダ装置。
また、請求項5に記載の発明は、前記N1が3、前記N2が5であることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によると、機械角で90°おきに順に配置した4個のホールセンサに対してそれぞれ機械角で360/N又は180/Nに配置したホールセンサを配置し、それぞれ並列に接続しているので、N次の高調波成分を抑制できる。
また、機械角で360/N又は180/N異なる位置にあるホールセンサの出力を並列に接続するとともに、機械角で180°対向する位置にあるホールセンサの出力を逆並列に接続しているので、出力信号のリード本数を減少させることができる。従って、信号処理回路へのリード本数を減少させるととともに、ホールセンサからの8本の出力信号を4本にするための差動増幅器が不要となり、回路構成の簡単な高精度の磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
また、請求項4に記載の発明によると、機械角で90°おきに順に配置した4個のホールセンサに対してそれぞれ機械角で360/N1又は180/N1の配置と、360/N2又は180/N2にホールセンサを配置し、それぞれ並列に接続しているので、N1次とN2次の複数の次数の高調波成分を除去することができる。また、360/N1又は180/N1の配置、および360/N2又は180/N2の異なる位置にあるホールセンサの出力を並列に接続するとともに、180°対向する位置にあるホールセンサの出力を逆並列に接続しているので、出力信号のリード本数を減少させることができる。従って、信号処理回路へのリード本数を減少させるととともに、ホールセンサからの16本の出力信号を8本にするための差動増幅器が不要になり、回路構成が簡単な高精度の磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
また、機械角で360/N又は180/N異なる位置にあるホールセンサの出力を並列に接続するとともに、機械角で180°対向する位置にあるホールセンサの出力を逆並列に接続しているので、出力信号のリード本数を減少させることができる。従って、信号処理回路へのリード本数を減少させるととともに、ホールセンサからの8本の出力信号を4本にするための差動増幅器が不要となり、回路構成の簡単な高精度の磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
また、請求項4に記載の発明によると、機械角で90°おきに順に配置した4個のホールセンサに対してそれぞれ機械角で360/N1又は180/N1の配置と、360/N2又は180/N2にホールセンサを配置し、それぞれ並列に接続しているので、N1次とN2次の複数の次数の高調波成分を除去することができる。また、360/N1又は180/N1の配置、および360/N2又は180/N2の異なる位置にあるホールセンサの出力を並列に接続するとともに、180°対向する位置にあるホールセンサの出力を逆並列に接続しているので、出力信号のリード本数を減少させることができる。従って、信号処理回路へのリード本数を減少させるととともに、ホールセンサからの16本の出力信号を8本にするための差動増幅器が不要になり、回路構成が簡単な高精度の磁気式エンコーダ装置を提供することができる。
1 回転体
11 シャフト(回転軸)
2 永久磁石
21 リング型永久磁石
3 磁性体
30 固定体
4、47、48 ホールセンサ
40 位置信号検出部
41〜46 磁界検出素子
50、80 信号処理回路
51〜53 第1差動増幅器
54、55 第2差動増幅器
56、87 角度演算回路
70 位置信号検出部
81〜86 差動増幅器
9 電源
11 シャフト(回転軸)
2 永久磁石
21 リング型永久磁石
3 磁性体
30 固定体
4、47、48 ホールセンサ
40 位置信号検出部
41〜46 磁界検出素子
50、80 信号処理回路
51〜53 第1差動増幅器
54、55 第2差動増幅器
56、87 角度演算回路
70 位置信号検出部
81〜86 差動増幅器
9 電源
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す磁気式エンコーダ装置の位置信号検出部の構成図である。
図において、2は図示しない回転体に取付けられた永久磁石であり、図中矢印Mで示すような回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化されている。矢印Rは回転方向を示す。4は永久磁石2の磁界を検出し電圧に変換するホールセンサである。
ホールセンサ4は、永久磁石2の周囲に空隙を介して90°おきに順に配置されたA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサと、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で60°(α=180/N、N=3の場合に相当)位置に配置されたC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサの合計8個のホールセンサから構成されている。
図2は、本実施例における磁気式エンコーダ装置のホールセンサの接続図である。
図において70は8個のホールセンサからなる位置信号検出部である。また、aはホールセンサ4の正入力端子、bは負入力端子、cは正出力端子、dは負出力端子を示す。8個ホールセンサの入力側は直列に接続され、信号処理回路80に配置された電源9で駆動されている。ここで、前記ホール素子の正入力端子aに負入力端子bよりも高い電圧を印加した状態で永久磁石2のN極が接近したときに、前記ホール素子の正出力端子cとは相対的に正の電圧を出力する端子を、負出力端子dとは相対的に負の電圧を出力する端子である。
出力側は、互いに機械角で60°位置にあるホールセンサを組として正出力端子同士及び負出力端子同士を接続した並列接続となっている。すなわち、A1相ホールセンサとC1相ホールセンサについては、A1相ホールセンサ正出力端子cとC1相ホールセンサ正出力端子cを接続し、A1相ホールセンサ負出力端子dとC1相ホールセンサ負出力端子dを接続している。B1相ホールセンサとD1相ホールセンサ、A2相ホールセンサとC2相ホールセンサ、B2相ホールセンサとD2相ホールセンサについても同様に接続されている。
さらに、互いに180°対向位置にあるホールセンサ同士の正出力端子と負出力端子をたすきがけに接続した逆並列接続となっている。すなわち、A1相ホールセンサとA2相ホールセンサについては、A1相ホールセンサ正出力端子cとA2相ホールセンサ負出力端子dを接続し、A1相ホールセンサ負出力端子dとA2相ホールセンサ負出力端子cを接続している。B1相ホールセンサとB2相ホールセンサ、C1相ホールセンサとC2相ホールセンサ、D1相ホールセンサとD2相ホールセンサについても同様に接続されている。
本発明が従来技術と異なる部分は、互いに180°対向位置にあるホールセンサ同士の出力端子をそれぞれ逆並列に接続している点である。
なお、この接続は、図2に示す位置信号検出部70で行なうものであり、位置信号検出部から信号処理回路へのリード線の本数は、第3の従来技術で8個のホールセンサを用いる場合、10本必要であるが本実施例では6本にまで削減できる。
図において、2は図示しない回転体に取付けられた永久磁石であり、図中矢印Mで示すような回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化されている。矢印Rは回転方向を示す。4は永久磁石2の磁界を検出し電圧に変換するホールセンサである。
ホールセンサ4は、永久磁石2の周囲に空隙を介して90°おきに順に配置されたA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサと、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で60°(α=180/N、N=3の場合に相当)位置に配置されたC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサの合計8個のホールセンサから構成されている。
図2は、本実施例における磁気式エンコーダ装置のホールセンサの接続図である。
図において70は8個のホールセンサからなる位置信号検出部である。また、aはホールセンサ4の正入力端子、bは負入力端子、cは正出力端子、dは負出力端子を示す。8個ホールセンサの入力側は直列に接続され、信号処理回路80に配置された電源9で駆動されている。ここで、前記ホール素子の正入力端子aに負入力端子bよりも高い電圧を印加した状態で永久磁石2のN極が接近したときに、前記ホール素子の正出力端子cとは相対的に正の電圧を出力する端子を、負出力端子dとは相対的に負の電圧を出力する端子である。
出力側は、互いに機械角で60°位置にあるホールセンサを組として正出力端子同士及び負出力端子同士を接続した並列接続となっている。すなわち、A1相ホールセンサとC1相ホールセンサについては、A1相ホールセンサ正出力端子cとC1相ホールセンサ正出力端子cを接続し、A1相ホールセンサ負出力端子dとC1相ホールセンサ負出力端子dを接続している。B1相ホールセンサとD1相ホールセンサ、A2相ホールセンサとC2相ホールセンサ、B2相ホールセンサとD2相ホールセンサについても同様に接続されている。
さらに、互いに180°対向位置にあるホールセンサ同士の正出力端子と負出力端子をたすきがけに接続した逆並列接続となっている。すなわち、A1相ホールセンサとA2相ホールセンサについては、A1相ホールセンサ正出力端子cとA2相ホールセンサ負出力端子dを接続し、A1相ホールセンサ負出力端子dとA2相ホールセンサ負出力端子cを接続している。B1相ホールセンサとB2相ホールセンサ、C1相ホールセンサとC2相ホールセンサ、D1相ホールセンサとD2相ホールセンサについても同様に接続されている。
本発明が従来技術と異なる部分は、互いに180°対向位置にあるホールセンサ同士の出力端子をそれぞれ逆並列に接続している点である。
なお、この接続は、図2に示す位置信号検出部70で行なうものであり、位置信号検出部から信号処理回路へのリード線の本数は、第3の従来技術で8個のホールセンサを用いる場合、10本必要であるが本実施例では6本にまで削減できる。
次に、動作について説明する。
永久磁石2が回転すると各ホールセンサ4は磁界の変化を検出し、1回転に1周期の正弦波状の信号を出力する。実際には、各ホールセンサ4からの出力信号は1回転に1周期の基本波信号のほかに偶数次及び奇数次の高調波成分を含んでいる。
本実施例おいて、機械角で60°位置に配置したホールセンサ4の出力信号を並列に接続することにより、3次及び偶数次の高調波成分を抑制できることは第3の従来技術と同じである。さらに、お互いに180°対向位置にあるホールセンサの正出力端子と負出力端子をたすきがけに接続した逆並列接続することにより、お互いに180°対向位置にあるホールセンサ組からの出力信号を差動信号として得ることができる。
したがって、処理回路80において、A1、C1、A2、C2相ホールセンサから得られた差動信号と、B1、D1、B2、D2相ホールセンサから得られた差動信号をそれぞれ差動増幅器85と86で差動増幅される。
差動増幅器85からの出力信号Va及び差動増幅器86からの出力信号Vbは角度変換回路87に入力される。Va及びVbは互いに90°位相の異なる正弦波状の信号であり、tan−1(Va/Vb)の演算によって角度信号θに変換される。
永久磁石2が回転すると各ホールセンサ4は磁界の変化を検出し、1回転に1周期の正弦波状の信号を出力する。実際には、各ホールセンサ4からの出力信号は1回転に1周期の基本波信号のほかに偶数次及び奇数次の高調波成分を含んでいる。
本実施例おいて、機械角で60°位置に配置したホールセンサ4の出力信号を並列に接続することにより、3次及び偶数次の高調波成分を抑制できることは第3の従来技術と同じである。さらに、お互いに180°対向位置にあるホールセンサの正出力端子と負出力端子をたすきがけに接続した逆並列接続することにより、お互いに180°対向位置にあるホールセンサ組からの出力信号を差動信号として得ることができる。
したがって、処理回路80において、A1、C1、A2、C2相ホールセンサから得られた差動信号と、B1、D1、B2、D2相ホールセンサから得られた差動信号をそれぞれ差動増幅器85と86で差動増幅される。
差動増幅器85からの出力信号Va及び差動増幅器86からの出力信号Vbは角度変換回路87に入力される。Va及びVbは互いに90°位相の異なる正弦波状の信号であり、tan−1(Va/Vb)の演算によって角度信号θに変換される。
このように、本実施例では、位置信号検出部において互いに機械角で60°位置にあるホールセンサの出力端子を並列接続し、信号処理回路において180°対向位置にあるホールセンサ組からの出力信号を差動増幅しているので、3次及び偶数次の高調波成分が抑制され、少ないリード線数で、精度の良い角度信号が得られる。また、ホールセンサからの8本の出力信号を4本にするための差動増幅器が不要になり、回路構成を簡単にでき、信号処理部の小型化が図れる。
なお、図3のように、ホールセンサの駆動電源は、定電圧電源とすることも可能である。
なお、図3のように、ホールセンサの駆動電源は、定電圧電源とすることも可能である。
図4は、本発明の第2実施例を示す磁気式エンコーダ装置の位置信号検出部の構成図である。
図において、2は回転体(図示せず)に取付けられた永久磁石であり、図中矢印Mで示すような回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化されている。4は永久磁石2の磁界を検出し電圧に変換するホールセンサである。
ホールセンサ4は、永久磁石2の周囲に空隙を介して90°おきに順に配置されたA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサと、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ36°(α=180/N、N=5の場合に相当)位置に配置されたC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサの合計8個のホールセンサから構成されている。
本実施例が第1実施例と異なる点は、C1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサをA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ36°の位置に配置した点である。
なお、位置信号検出部におけるホールセンサの接続及び信号処理回路との接続は図2と同じである。
本実施例では、組となるホールセンサを互いに機械角で36°位置に配置し、両ホールセンサの出力を並列に接続している。組となるホールセンサの出力信号に含まれる5次高調波成分はお互いに電気角で180°の位相差を持つことになり、5次高調波成分はキャンセルされる。すなわち、並列接続したホール素子の出力端子間(端子cd間)からは5次高調波成分がキャンセルされた信号が得られる。
また、7次以上の高調波を除去したい場合は、4つのホールセンサをそれぞれ90°おきにA1相、B1相、A2相、B2相としてホールセンサを配置し、α1=360/N又はα2=180/N、Nは7以上の整数とし、A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれα1又はα2度の位置にそれぞれC1、D1、C2及びD2相ホールセンサを配置する。高調波成分がお互いに電気角で180°の位相差をもつように組となるホールセンサの出力を接続すれば良い。
図において、2は回転体(図示せず)に取付けられた永久磁石であり、図中矢印Mで示すような回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化されている。4は永久磁石2の磁界を検出し電圧に変換するホールセンサである。
ホールセンサ4は、永久磁石2の周囲に空隙を介して90°おきに順に配置されたA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサと、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ36°(α=180/N、N=5の場合に相当)位置に配置されたC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサの合計8個のホールセンサから構成されている。
本実施例が第1実施例と異なる点は、C1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサをA1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ36°の位置に配置した点である。
なお、位置信号検出部におけるホールセンサの接続及び信号処理回路との接続は図2と同じである。
本実施例では、組となるホールセンサを互いに機械角で36°位置に配置し、両ホールセンサの出力を並列に接続している。組となるホールセンサの出力信号に含まれる5次高調波成分はお互いに電気角で180°の位相差を持つことになり、5次高調波成分はキャンセルされる。すなわち、並列接続したホール素子の出力端子間(端子cd間)からは5次高調波成分がキャンセルされた信号が得られる。
また、7次以上の高調波を除去したい場合は、4つのホールセンサをそれぞれ90°おきにA1相、B1相、A2相、B2相としてホールセンサを配置し、α1=360/N又はα2=180/N、Nは7以上の整数とし、A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれα1又はα2度の位置にそれぞれC1、D1、C2及びD2相ホールセンサを配置する。高調波成分がお互いに電気角で180°の位相差をもつように組となるホールセンサの出力を接続すれば良い。
図5は、本発明の第3実施例を示す磁気式エンコーダ装置の位置信号検出部の構成図である。
図において、4つのホールセンサをそれぞれ90°おきに順にA1相、B1相、A2相、B2相として配置し、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で60°位置(α=180/N、N=3の場合に相当)にC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサを配置し、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ36°(α=180/N、N=5の場合に相当)位置にE1相、F1相、E2相、F2相ホールセンサを配置している。
図において、4つのホールセンサをそれぞれ90°おきに順にA1相、B1相、A2相、B2相として配置し、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で60°位置(α=180/N、N=3の場合に相当)にC1相、D1相、C2相、D2相ホールセンサを配置し、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対してそれぞれ36°(α=180/N、N=5の場合に相当)位置にE1相、F1相、E2相、F2相ホールセンサを配置している。
図6は、本実施例における磁気式エンコーダ装置のホールセンサの接続図である。
図において、A1相、C1相及びE1相ホールセンサの3個のホールセンサを組としてそれぞれの正出力同士及び負出力同士を接続する形で3個のホールセンサの出力を並列接続している。B1相、D1相、F1相ホールセンサの組、A2相、C2相、E2相ホールセンサの組、B2相、D2相、F2相ホールセンサの組についても同様に接続されている。
さらに、互いに180°対向位置にあるホールセンサは正出力端子と負出力端子をたすきがけに接続した逆並列接続となっている。すなわち、A1相ホールセンサとA2相ホールセンサについては、A1相ホールセンサ正出力端子cとA2相ホールセンサ負出力端子dを接続し、A1相ホールセンサ負出力端子dとA2相ホールセンサ正出力端子cを接続している。B1相ホールセンサとB2相ホールセンサ、C1相ホールセンサとC2相ホールセンサ、D1相ホールセンサとD2相ホールセンサ、E1相ホールセンサとE2相ホールセンサ、F1相ホールセンサとF2相ホールセンサについても同様に接続されている。
このように、本実施例では、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対して3次高調波成分をキャンセルする機械角で60°の位置と5次高調波成分をキャンセルする機械角で36°の位置にホールセンサをそれぞれ配置し、並列接続した信号を取り出しているので3次高調波成分及び5次高調波成分を除去することができる。
また、位置信号検出部70から信号処理回路80へのリード線の本数は、第1実施例、第2実施例と同様に6本で良く、ホールセンサの増加による信頼性、作業性の低下が防止できる。また、ホールセンサからの8本の出力信号を4本にするための差動増幅器が不要であり、回路構成を簡単にでき、信号処理部の小型化が図れる。
図において、A1相、C1相及びE1相ホールセンサの3個のホールセンサを組としてそれぞれの正出力同士及び負出力同士を接続する形で3個のホールセンサの出力を並列接続している。B1相、D1相、F1相ホールセンサの組、A2相、C2相、E2相ホールセンサの組、B2相、D2相、F2相ホールセンサの組についても同様に接続されている。
さらに、互いに180°対向位置にあるホールセンサは正出力端子と負出力端子をたすきがけに接続した逆並列接続となっている。すなわち、A1相ホールセンサとA2相ホールセンサについては、A1相ホールセンサ正出力端子cとA2相ホールセンサ負出力端子dを接続し、A1相ホールセンサ負出力端子dとA2相ホールセンサ正出力端子cを接続している。B1相ホールセンサとB2相ホールセンサ、C1相ホールセンサとC2相ホールセンサ、D1相ホールセンサとD2相ホールセンサ、E1相ホールセンサとE2相ホールセンサ、F1相ホールセンサとF2相ホールセンサについても同様に接続されている。
このように、本実施例では、A1相、B1相、A2相、B2相ホールセンサに対して3次高調波成分をキャンセルする機械角で60°の位置と5次高調波成分をキャンセルする機械角で36°の位置にホールセンサをそれぞれ配置し、並列接続した信号を取り出しているので3次高調波成分及び5次高調波成分を除去することができる。
また、位置信号検出部70から信号処理回路80へのリード線の本数は、第1実施例、第2実施例と同様に6本で良く、ホールセンサの増加による信頼性、作業性の低下が防止できる。また、ホールセンサからの8本の出力信号を4本にするための差動増幅器が不要であり、回路構成を簡単にでき、信号処理部の小型化が図れる。
図7は、本発明の第4実施例を示す磁気式エンコーダ装置の位置信号検出部の構成図である。
図において、21は図示しない回転体に取付けられたリング型永久磁石であり、図中矢印Mで示すような回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化されている。4はリング型永久磁石21の内側に空隙を介して配置されたホールセンサである。
本実施例が第3実施例と異なる点は、永久磁石2をリング形状永久磁石21としている点である。これにより、回転しない中空形状のシャフトを有したアウタロータタイプのモータに適用することができる。
図において、21は図示しない回転体に取付けられたリング型永久磁石であり、図中矢印Mで示すような回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化されている。4はリング型永久磁石21の内側に空隙を介して配置されたホールセンサである。
本実施例が第3実施例と異なる点は、永久磁石2をリング形状永久磁石21としている点である。これにより、回転しない中空形状のシャフトを有したアウタロータタイプのモータに適用することができる。
本発明は、ロボットや工作機などに使用するサーボモータの回転位置を検出する磁気式エンコーダ装置として利用できる。
Claims (5)
- 回転体に取付けられ、前記回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化された円板状またはリング状の永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して対向するように固定体に取付けられた磁界検出素子と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダにおいて、
前記磁界検出素子は、機械角で90°おきに順に配置されたA1、B1、A2及びB2相ホールセンサと、前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対して、それぞれ機械角で角度α=360/N又はα=180/N(但し、Nは3以上の奇数)の位置に配置されたC1、D1、C2及びD2相ホールセンサとを備え、
前記角度αで隣接する2つのホール素子の正出力端子同士、および負出力端子同士をそれぞれ接続するとともに、それぞれ機械角で180°対向する2つのホール素子の正出力端子と負出力端子を接続したことを特徴とする磁気式エンコーダ装置。 - 前記Nが3であることを特徴とする請求項1記載の磁気式エンコーダ装置。
- 前記Nが5であることを特徴とする請求項1記載の磁気式エンコーダ装置。
- 回転体に取付けられ、前記回転体の軸方向と垂直な一方向に磁化された円板状またはリング状の永久磁石と、前記永久磁石に空隙を介して対向するように固定体に取付けられた磁界検出素子と、前記磁界検出素子からの信号を処理する信号処理回路とを備えた磁気式エンコーダにおいて、
前記磁界検出素子は、機械角で90°おきに順に配置されたA1、B1、A2及びB2相ホールセンサと、前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で角度α1=360/N1又はα1=180/N1(但し、N1は3以上の奇数)の位置に配置されたC1、D1、C2及びD2相ホールセンサと前記A1、B1、A2及びB2相ホールセンサに対してそれぞれ機械角で角度α2=360/N2又はα2=180/N2(但し、N2は前記N1と異なる3以上の奇数)の位置に配置されたE1、F1、E2及びF2相ホールセンサとを備え、
機械角で角度α1と機械角で角度α2で隣接する3つのホール素子の正出力端子同士、および負出力端子同士をそれぞれ接続するとともに、それぞれ機械角で角度180°対向する2つのホール素子の正出力端子と負出力端子を接続したことを特徴とする磁気式エンコーダ装置。 - 前記N1が3、N2が5であることを特徴とする請求項4記載の磁気式エンコーダ装置。
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