JPWO2009072267A1 - Abcg2阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は乳がん耐性蛋白(BCRP/ABCG2)阻害剤に関する。一般式(1)[式中、Aは置換基を有してもよい3−8員の複素環を示す。]で表されるアクリロニトリル誘導体又はその塩。

Description

本発明は乳がん耐性蛋白(BCRP/ABCG2)阻害剤に関する。
がん化学療法において、治療開始時から抗がん剤に無効である自然耐性や抗がん剤を長期に連用するとその効果が低下する獲得耐性の出現は大きな問題となっている。この抗がん剤に対する耐性の克服は、がん化学療法の治療成績向上につながることが期待され、これまでに様々な耐性機構の存在が明らかにされてきた。その中でも抗がん剤を細胞外へ能動輸送し、その細胞内蓄積量を減少させる薬剤輸送蛋白質の発現は、耐性機構の中心的な役割を果たしていると考えられている。
1970年代に発見されたMDR1遺伝子にコードされる薬剤輸送蛋白質P−糖蛋白質は、化学構造や作用機序が異なる複数の抗がん剤に対して交叉耐性を生じることから、多剤耐性克服剤の有力な標的分子とされてきた。しかし、P−糖蛋白質だけでは抗がん剤耐性機構を説明しきれないことも次第に明らかとなり、さらに新しい薬剤輸送蛋白質を標的分子とした耐性克服剤の開発が望まれている。
その様な中、1998年に、P−糖蛋白質と同じくATP結合カセット(ABC)トランスポータースーパーファミリーと呼ばれる一群に属する薬剤輸送蛋白質として、乳がん耐性蛋白質(BCRPの他、ABCG2、MXR又はABCPとも呼ばれる)が発見された(非特許文献1参照)。BCRPの構造にはATP結合カセットが一つしか存在せず、二つのATP結合カセットを有するP−糖蛋白質や他のABCトランスポーターとは構造的に異なっている。BCRPは塩酸イリノテカン(CPT−11)やトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤、ミトキサントロン等のトポイソメラーゼII阻害剤、ゲフィチニブやイマチニブ等の分子標的治療薬に対する耐性機構に関与する。一方、BCRPはP−糖蛋白質により排出されるパクリタキセルやビンクリスチン等に対しては作用しないこと、またP−糖蛋白質ではほとんど細胞外へ排出されないCPT−11や7−エチル−10−ヒドロキシカンプトテシン(SN−38:CPT−11の活性体)等のカンプトテシン誘導体の排出に関わることから(非特許文献2参照)、P−糖蛋白質とは異なる基質特異性を有することが明らかにされている。さらに、BCRPは経口投与された抗がん剤のバイオアベイラリビティの限界にも関与していることが示唆されている(非特許文献3参照)。これらの事実から、BCRPを阻害する薬剤は、従来の耐性克服剤では克服され得なかった抗がん剤の耐性に対して克服効果を発揮し、さらには抗がん剤のバイオアベイラビリティをも向上させることが期待され、その開発が望まれる。
これまでに、抗がん剤に対する耐性克服を目的として数多くのP−糖蛋白質阻害剤が開発されてきた。それに比べ、BCRP阻害剤に関する報告は少なく、またその阻害作用も十分とは言えないことから、より有効なBCRP阻害剤を発見するための絶え間ない努力がなされている。なお、これまでに報告されているBCRP阻害作用を有する化合物としては、FTC(Fumitremorgin C)誘導体(非特許文献4参照)、エストロゲンや抗エストロゲン(非特許文献5参照)、ノボビオシン(非特許文献6参照)等がある。また、我々は、フラボノイド(特許文献1参照)、ジフェニルアクリロニトリル誘導体(特許文献2参照)および複素環を有するアクリロニトリル誘導体(特許文献3参照)にBCRP阻害作用を見出しているが、これらのいずれについても未だ十分な効果は得られておらず、さらには、溶解性、毒性など、医薬品として有用とされるにはクリアしなければならない課題を抱えている。
国際公開第2004/069233号パンフレット 国際公開第2004/069243号パンフレット 国際公開第2006/106778号パンフレット Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1998,95:15665-15670 Cancer Res.,1999,59:5938-5946 J.Clin.Oncol.,2002,20:2943-2950 Mol.Cancer Ther.,2002,1:417-425 Mol.Cancer Ther.,2003,2:105-112 Int.J.Cancer,2004,108:146-151
本発明は、優れた乳がん耐性蛋白質(BCRP)阻害作用を有し且つ溶解性の改善された新規な薬剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく、BCRPにより耐性を獲得した抗がん剤耐性がん細胞を用いて様々な化合物についてスクリーニングを行った結果、下記式(1)で表される新規なアクリロニトリル誘導体に強力なBCRP阻害作用があることを見出した。
すなわち、本発明は、一般式(1)
Figure 2009072267
〔式中、Aは置換基を有してもよい3−8員の複素環を示す。]
で表されるアクリロニトリル誘導体又はその塩を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とする医薬を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とするBCRP阻害剤を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とする抗がん剤耐性克服剤又は抗がん剤効果増強剤を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩、及びBCRPの基質となり得る抗がん剤を含有する抗がん剤組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩の、抗がん剤耐性克服剤又は抗がん剤効果増強剤の製造のための使用を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩の、BCRPの基質となり得る抗がん剤を含有する抗がん剤組成物の製造のための使用を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、BCRPの関与により薬剤耐性を獲得したがんの処置方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、BCRPの阻害方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、抗がん剤の耐性を克服する方法又は抗がん剤の効果を増強する方法を提供するものである。
また、本発明は、上記のアクリロニトリル誘導体又はその塩及びBCRPの基質となり得る抗がん剤を投与する、がんの治療方法を提供するものである。
本発明のアクリロニトリル誘導体又はその塩の優れたBCRP阻害作用により、BCRPが関与する抗がん剤耐性を克服することが可能である。また、もとからBCRPを発現するがんに対し、抗がん剤の効果を増強することが可能である。また、抗がん剤のバイオアベイラビリティを向上させることも期待され、がん化学療法における治療成績の向上につながることが期待される。
さらには、本発明のアクリロニトリル誘導体又はその塩は溶解性に優れており、医薬品原薬として極めて有用である。
一般式(1)中、Aで示される複素環としては、3〜8員の複素環が挙げられ、このうち、4〜8員の複素環が好ましい。前記Aで示される複素環としては、具体的にはアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、チオモルホリン、モルホリン、アゼパン、アゾカンなどが挙げられる。このうち下記式(2)〜(9)で示される複素環が好ましく、下記式(5)で示されるピペリジンが特に好ましい。
Figure 2009072267
一般式(1)中、前記Aで示される複素環は、一若しくは複数の置換基を有してもよく、当該置換基としては、水酸基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アシルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、低級ヒドロキシアルキル基、低級アルコキシカルボニル基などが挙げられ、置換基が複数の場合それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい。このうち、水酸基を有する複素環が特に好ましい。
前記低級アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記低級アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
前記低級アシルオキシ基としては、炭素数1〜6のアシルオキシ基が挙げられ、具体的にはホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基等が挙げられる。
前記低級ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基が挙げられ、具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
前記低級アルコキシカルボニル基としては、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基が挙げられ、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等が挙げられる。
本発明のアクリロニトリル誘導体は、薬理学的に許容される塩を形成することができ、斯かる塩もまた本発明に含まれる。塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩;p−トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、乳酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、本発明の化合物は、溶媒水和物の形態で存在することもあり、かかる水和物も本発明に含まれる。更に、本発明のアクリロニトリル誘導体には、異性体が存在し得るが、これら異性体及びその混合物もまた、本発明に含まれる。
これらの中で特に好ましい化合物は、下記の化合物又はその塩である。
ピペリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
アゼチジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
ピロリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
アゼパン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
アゾカン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル;
モルホリン−4−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
本発明のアクリロニトリル誘導体又はその塩は、例えば次の反応式(A)に従って製造することができる。
反応式(A)
Figure 2009072267
すなわち、5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−カルボキシアルデヒド(X)と3,4−ジメトキシベンジルシアニド(Y)を縮合させることにより(Z)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−[5−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−イル]−アクリロニトリル(Z)が得られる。
さらに(Z)にブロモアセチルブロミド(XX)を反応させることによりブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(XY)が得られる。ブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(XY)に所望の第2級アミン類(XZ:式中、Aは上記定義と同じ。)を反応させることにより、本発明の一般式(1)で表わされるアクリロニトリル誘導体(式中、Aは上記定義と同じ。)が得られる。
前記第2級アミン類(XZ:式中、Aは上記定義と同じ。)は、特に限定されるものではないが、具体的にはピペリジン、4−ヒドロキシピペリジン、アジリジン−2−カルボキシリック アシッド メチル エステル、アゼチジン、ピロリジン、2−メチル−ピペリジン、3−ヒドロキシメチル−ピペリジン、アゼパン(ヘキサメチレンイミン)、アゾカン(ヘプタメチレンイミン)、4−メチル−ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン等が挙げられ、前記反応式(A)において、これらの第2級アミン類により得られるアクリロニトリル誘導体としては、
ピペリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
1−(1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イルオキシカルボニルメチル)−アジリジン−2−カルボキシリック アシッド メチル エステル、
アゼチジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
ピロリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
アゼパン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
アゾカン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
モルホリン−4−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル、
チオモルホリン−4−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル等が挙げられる。
縮合反応は、ナトリウムアルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下にて行うのが好ましい。ナトリウムアルコキシドの存在下での縮合反応は、例えばメタノール、エタノール等のアルコール溶媒中、氷冷から還流温度で行われる。また、水酸化ナトリウムの存在下での縮合反応は、塩化メチレン、クロロホルム等の不活性溶媒と水との混合溶媒中、第四級アンモニウム等を添加して行われる。
本発明の複素環を有するアクリロニトリル誘導体又はその塩は、そのままでも投与することができるが、他の薬学的に許容される分散補助剤、賦形剤等の担体と混合し、粉剤、液剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、顆粒剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、リモネーデ剤等の経口剤又は注射剤等の剤形で使用することができる。これらの製剤は、公知の方法で製造することができる。
担体としては、例えば、マンニトール、乳糖、デキストラン等の水溶性の単糖類ないしオリゴ糖類もしくは多糖類;例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等のゲル形成性又は水溶性のセルロース類;例えば結晶性セルロース、α−セルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの誘導体等の水吸収性でかつ水難溶性のセルロース類;例えばヒドロキシプロピル澱粉、カルボキシメチル澱粉、架橋澱粉、アミロース、アミロペクチン、ペクチン及びそれらの誘導体等の水吸収性でかつ水難溶性の多糖類;例えばアラビアガム、トラガントガム、グリコマンナン及びそれらの誘導体等の水吸収性でかつ水難溶性のガム類;例えばポリビニルピロリドン、架橋ポリアクリル酸及びその塩、架橋ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート及びそれらの誘導体等の架橋ビニル重合体類;リン脂質、コレステロール等のリポソーム等分子集合体を形成する脂質類等を挙げることができる。
本発明の化合物の溶解性が低い場合には、可溶化処理を施すことができる。可溶化処理としては通常医薬に適用できる方法、例えば、ポリオキシエチレンアルコールエーテル類、ポリオキシエチレンアシルエステル類、ソルビタンアシルエステル類やポリオキシエチレンソルビタンアシルエステル類等の界面活性剤を添加する方法、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子を使用する方法等が挙げられる。また、必要により、可溶性の塩にする方法、シクロデキストリン等を用いて包接化合物を形成させる方法等も使用できる。可溶化処理の方法は、目的とするアクリロニトリル誘導体又はその塩に応じて適宜変更できる。
本発明の化合物は、BCRPを強力に阻害するので、BCRP阻害剤、抗がん剤耐性克服剤又は抗がん剤効果増強剤として使用することが出来、さらにBCRPの基質となり得る抗がん剤と組み合わせて抗がん剤組成物として使用することが出来る。抗がん剤の投与によってBCRP関与の耐性を獲得したがんに対し、抗がん剤耐性克服剤として使用することが出来、また、もとからBCRPを発現し、抗がん剤に対して低感受性のがんに対しては抗がん剤効果増強剤として使用することが出来る。本発明のBCRP阻害剤を有効成分とする抗がん剤耐性克服剤および抗がん剤効果増強剤の対象となる抗がん剤としては、BCRP又はその類縁体の基質となり得る抗がん剤であれば特に制限はないが、例えば塩酸イリノテカン/CPT−11(活性本体:SN−38)やトポテカン等のトポイソメラーゼI阻害剤、ミトキサントロン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ビスアントレンやエトポシド等のトポイソメラーゼII阻害剤、メトトレキサート等の葉酸代謝拮抗薬、ゲフィチニブやイマチニブ等の分子標的治療薬等が挙げられる。なお、ここでBCRPの類縁体は、BCRPと同様にがんの耐性や抗がん剤の感受性に関わるものであれば特に制限されない。
本発明のBCRP阻害剤の投与量は、投与法や患者の症状等に合わせて適宜調整すればよいが、成人1日あたり1mg〜10g、更に100mg〜10g、特に500mg〜10g投与するのが好ましい。また、抗がん剤とBCRP阻害剤との比率は、特に限定されず、その好適な範囲は用いる抗がん剤、阻害剤の種類等により異なるが、例えば抗がん剤として塩酸イリノテカンを用いる場合には、重量換算で抗がん剤:BCRP阻害剤が1:1〜1:500、特に1:1〜1:100、更に1:1〜1:10の比率とすることが好ましい。
次に本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明するが、これは単に例示であって本発明を限定するものではない。
実施例1:複素環を有するアクリロニトリル誘導体の製造
(製造工程1) 5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−カルボキシアルデヒドの製造工程(5−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒド への4−ヒドロキシピペリジンの導入工程)
反応容器に5−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒドを入れ、水を加えた。3当量の4−ヒドロキシピペリジンを入れ、還流下で数十分から終夜撹拌した。反応終了直後ろ紙にてろ過し、ろ液を流水で数十分間、次いで氷で数時間冷却した。析出した結晶を吸引ろ取し、冷水で洗浄、水分を除いた後、クロロホルムに溶解した。クロロホルム溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルパッドでろ過し、ろ液の色が薄くなるまでクロロホルムで洗浄した。ろ液を減圧下濃縮し、結晶が析出し始めるところで濃縮をやめ、n−ヘキサンを加えて、室温で終夜撹拌した。結晶をろ取し、n−ヘキサン洗浄、減圧下乾燥し5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−カルボキシアルデヒドを得た。
(製造工程2) (Z)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−[5−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−イル]−アクリロニトリルの製造工程(5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−カルボキシアルデヒドと3,4−ジメトキシベンジルシアニドの縮合工程)
反応容器に5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−カルボキシアルデヒド及び3,4−ジメトキシベンジルシアニドを入れ、エタノールに溶解した。ナトリウムエトキシドを加え、還流下にて撹拌した。反応終了後、反応液を流水で数十分間冷却し、水を加え、数十分間撹拌した。析出した結晶を吸引ろ取し、水、エタノール、ヘキサンで順次洗浄した後、減圧下乾燥し(Z)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−[5−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−イル]−アクリロニトリルを得た。
(製造工程3:A法) ブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステルの製造工程
アルゴンガス雰囲気下、反応容器に(Z)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−[5−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−イル]−アクリロニトリルを入れ、クロロホルムに溶解し、ピリジンを加え、氷浴中で数十分間撹拌した。反応液にブロモアセチルブロミドを加えた後、氷浴中で数時間、室温で終夜撹拌した。反応終了後クロロホルム、水を加え分液した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ法で精製しブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステルを得た。
(製造工程3:B法) ブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステルの製造工程
反応容器に(Z)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−[5−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−イル]−アクリロニトリルを入れ、テトラヒドロフランに溶解し氷冷した。水素化ナトリウムを加え氷浴中で数十分間撹拌した。反応液にブロモアセチルクロリドを加えた後、還流下で数時間撹拌した。放冷後、反応液にクロロホルム、水を加えて分液した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ法で精製しブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステルを得た。
(製造工程4) ブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステルへのアミンの導入工程
アルゴンガス雰囲気下、反応容器にブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステルを入れ、クロロホルムに溶解し、氷浴中で数十分間撹拌した。所望の第二級アミン及びトリエチルアミンなどの第三級アミンを加え、氷浴中で数時間、室温で終夜撹拌した。反応終了後、反応液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマト法で精製し、所望のアクリロニトリル誘導体を得た。
以下に誘導体の製造と分析結果の具体例を示す。
ピペリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物1)の製造
5−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒド(42.30g)および4−ヒドロキシピペリジン(67.30g)を用いて、(製造工程1)に従ってアミンを導入し(収量33.00g:収率71%)、得られた5−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−カルボキシアルデヒド(10.56g)および3,4−ジメトキシベンジルシアニド(8.86g)を(製造工程2)に従って縮合し、(Z)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−[5−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−イル]−アクリロニトリル(収量13.50g:収率73%)を得た。得られた(Z)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−[5−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−チオフェン−2−イル]−アクリロニトリル(20.00g)をクロロホルム(650ml)に溶解し、さらにピリジン(6.41g)およびブロモアセチルブロミド(14.13g)を(製造工程3)A法に従って反応させ(収量23.00g:収率87%)、得られたブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(2.30g)をクロロホルム(100ml)に溶解し、さらにピペリジン(533mg)およびトリエチルアミン(658mg)を(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収量1.40g:収率60%)を得た。
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イルエステル(化合物2)の製造
上記化合物1の製造中に得られたブロモ−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(910mg)をクロロホルム(50ml)に溶解し、さらに4−ヒドロキシピペリジン(233mg)およびトリエチルアミン(233mg)を(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収量622mg:収率64%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.4),5.08−5.02(1H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.77−3.70(1H,m),3.58−3.52(2H,m),3.31−3.27(2H,m),3.25(2H,s),2.87−2.82(2H,m),2.42−2.36(2H,m),2.43−2.35(2H,m),1.95−1.82(4H,m),1.70−1.60(2H,m)
ピペリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル 塩酸塩(化合物3)の製造
化合物1(950mg)に6mol/l塩酸(352μl)、2−プロパノール(25ml)、エタノール(10ml)を加え、約80℃にて加温溶解した。放冷後、減圧下溶媒を留去し、残留物を2−プロパノール−メタノール系で再結晶することにより、目的物(収量869mg:収率85%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:10.01(1H,br s),7.94(1H,s),7.42(1H,d,J=4.4),7.17(1H,d,J=2.2),7.09(1H,dd,J=8.8,2.2),7.01(1H,d,J=8.8),6.32(1H,d,J=4.4),5.13−5.09(1H,m),4.23(2H,br s),3.83(3H,s),3.78(3H,s),3.56−3.42(4H,m),3.40−3.30(4H,m),3.05−2.95(2H,m),2.08−2.02(2H,m),1.85−1.65(6H,m)
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イルエステル 塩酸塩(化合物4)の製造
化合物2(956mg)に6mol/l塩酸(342μl)、2−プロパノール(30ml)、メタノール(30ml)を加え、約80℃にて加温溶解した。放冷後、減圧下溶媒を留去し、残留物を2−プロパノールで再結晶することにより、目的物(収量947mg:収率93%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:10.14(1H,br s),7.94(1H,s),7.42(1H,d,J=4.4),7.17(1H,d,J=2.0),7.09(1H,dd,J=8.4,2.0),7.01(1H,d,J=8.4),6.32(1H,d,J=4.4),5.13−5.07(1H,m),4.29−4.23(2H,m),3.83(3H,s),3.78(3H,s),3.58−3.46(3H,m),3.40−3.26(6H,m),2.07−1.90(4H,m),1.85−1.65(4H,m)
ピペリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物5)の製造
化合物1(951mg)にメタンスルホン酸(137μl)、2−プロパノール(20ml)、メタノール(5ml)を加え、約80℃にて加温溶解した。放冷後、減圧下溶媒を留去し、残留物を2−プロパノール−メタノール系にて再結晶することにより、目的物(収量1078mg:収率95%)を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:9.78(1H,br s),7.93(1H,s),7.42(1H,d,J=4.4),7.17(1H,d,J=2.2),7.09(1H,dd,J=8.8,2.2),7.01(1H,d,J=8.8),6.32(1H,d,J=4.4),5.13−5.09(1H,m),4.24(2H,br s),3.83(3H,s),3.78(3H,s),3.55−3.40(4H,m),3.38−3.30(4H,m),3.06−2.94(2H,m),2.29(3H,s),2.08−2.02(2H,m),1.85−1.65(6H,m)
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イルエステル メタンスルホン酸塩(化合物6)の製造
化合物2(1029mg)にメタンスルホン酸(144μl)、2−プロパノール(20ml)、メタノール(10ml)を加え、約80℃にて加温溶解した。放冷後、減圧下溶媒を留去し、残留物を2−プロパノール−メタノール系にて再結晶することにより、目的物(収量696mg:収率57%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:11.32(1H,br s),7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.88(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4.4),5.18−5.12(1H,m),4.29(1H,br s),3.95(3H,s),3.93(2H,br s),3.91(3H,s),3.65−3.52(4H,m),3.50−3.38(2H,m),3.33−3.25(2H,m),2.78(3H,s),2.48−2.30(2H,m),2.15−2.05(2H,m),2.00−1.87(4H,m),1.65−1.55(2H,m)
アゼチジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物7)の製造
化合物2と同様にして、アゼチジンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率74%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.3,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.3),6.05(1H,d,J=4.1),5.07−4.98(1H,m),3.95(3H,s),3.91(3H,s),3.59−3.50(2H,m),3.35(4H,t−like,J=7.1),3.31−3.22(2H,m),3.26(2H,s),2.14(2H,quint−like,J=7.1),2.08−1.97(2H,m),1.92−1.79(2H,m)
アゼチジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物8)の製造
化合物7(300mg)をメタノール(2mL)に懸濁し、1mol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(630μl)を加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留物にエーテルを加え粉末化することにより、目的物(収量345mg:収率95%)を得た。
MS(FAB)m/z:468[M+H]
H−NMR(CDCl)δ:11.80(1H,br s),7.37(1H,s),7.21(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.03(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4.1),5.17−5.08(1H,m),4.63−4.52(2H,m),4.15−4.02(4H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.60−3.50(2H,m),3.34−3.24(2H,m),2.87−2.75(1H,m),2.81(3H,s),2.56−2.41(1H,m),2.12−2.02(2H,m),1.97−1.85(2H,m)
ピロリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物9)の製造
化合物2と同様にして、ピロリジンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率74%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.3,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.3),6.05(1H,d,J=4.4),5.10−5.02(1H,m),3.95(3H,s),3.91(3H,s),3.62−3.50(2H,m),3.37(2H,s),3.32−3.22(2H,m),2.72−2.58(4H,m),2.10−1.99(2H,m),1.94−1.78(6H,m)
ピロリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物10)の製造
化合物9(300mg)をメタノール(3ml)に懸濁し、1mol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(620μl)を加え溶解した。この溶解液を氷冷下攪拌しながらエーテル(50ml)−2−プロパノ−ル(10ml)の混液に加えることにより、目的物(収量342mg:収率95%)を得た。
MS(FAB)m/z:482[M+H]
H−NMR(CDCl)δ:11.58(1H,br s),7.37(1H,s),7.21(1H,d,J=4.4),7.12(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4.4),5.18−5.08(1H,m),4.11(2H,s),4.05−3.91(2H,br m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.61−3.49(2H,m),3.35−3.22(2H,m),3.18−3.01(2H,br),2.77(3H,s),2.27−1.85(8H,m)
(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物11)の製造
化合物2と同様にして、2−メチル−ピペリジンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率73%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.36(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.3,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.3),6.05(1H,d,J=4.4),5.09−5.00(1H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.60−3.48(2H,m),3.41(2H,d,J=4.1),3.34−3.22(2H,m),2.91−2.82(1H,m),2.62−2.47(2H,m),2.09−1.98(2H,m),1.81−1.80(2H,m),1.77−1.50(4H,m),1.38−1.21(2H,m),1.08(3H,d,J=6.3)
(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物12)の製造
化合物11(312mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1mol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(610μl)を加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留物にエーテルを加え粉末化することにより、目的物(収量320mg:収率86%)を得た。
MS(FAB)m/z:510[M+H]
H−NMR(CDCl)δ:10.84(1H,br s),7.38(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.14(1H,dd,J=8.3,2.0),7.05(1H,d,J=2.0),6.88(1H,d,J=8.3),6.08(1H,d,J=4.1),5.15−5.06(1H,m),4.24(1H,d,J=18.3),4.09(1H,d,J=18.3),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.75−3.64(1H,m),3.63−3.43(4H,m),3.35−3.24(2H,m),2.83(3H,s),2.15−2.03(3H,m),1.98−1.79(6H,m),1.62−1.48(1H,m),1.43(3H,d,J=6.3)
(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物13)の製造
化合物2と同様にして、3−ヒドロキシメチル−ピペリジンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率90%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.36(1H,d,J=0.5),7.22(1H,dd,J=4.4,0.5),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.4),5.09−5.00(1H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.67−3.49(4H,m),3.33−3.22(2H,m),3.23(2H,d,J=5.1),2.90−2.80(1H,m),2.78−2.67(1H,m),2.39−2.17(2H,m),2.10−1.97(2H,m),1.93−1.55(7H,m),1.22−1.08(1H,m)
(3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物14)の製造
化合物13(330mg)をメタノール(3ml)に懸濁し、1mol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(630μl)を加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留物にエーテルを加え粉末化することにより、目的物(収量349mg:収率89%)を得た。
MS(FAB)m/z:526[M+H]
H−NMR(CDCl)δ:10.42(1H,br s),7.37(1H,s),7.21(1H,d,J=4.1),7.12(1H,dd,J=8.5,2.0),7.04(1H,d,J=2.0),6.87(1H,d,J=8.5),6.10(1H,d,J=4.1),5.19−5.10(1H,m),4.12(1H,d,J=16.8),4.01(1H,d,J=16.8),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.81−3.65(2H,m),3.61−3.50(2H,m),3.47−3.38(1H,m),3.35−3.25(2H,m),3.20−3.05(4H,m),3.02−2.89(2H,m),2.80(3H,s),2.14−1.78(7H,m)
アゼパン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物15)の製造
化合物2と同様にして、ヘキサメチレンイミンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率75%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.36(1H,s),7.22(1H,d,J=4.4),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.4),5.08−5.00(1H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.60−3.50(2H,m),3.41(2H,s),3.23−3.22(2H,m),2.82−2.71(4H,m),2.09−1.98(2H,m),1.92−1.80(2H,m),1.72−1.55(8H,m)
アゼパン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物16)の製造
化合物15(300mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1mol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(590μl)を加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留物にエーテルを加え粉末化することにより、目的物(収量327mg:収率92%)を得た。
MS(FAB)m/z:510[M+H]
H−NMR(CDCl)δ:11.10(1H,br s),7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.88(1H,d,J=8.5),6.07(1H,d,J=4.1),5.17−5.09(1H,m),4.11(2H,d,J=3.2),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.67−3.50(4H,m),3.42−3.24(4H,m),2.82(3H,s),2.20−2.03(4H,m),1.98−1.82(6H,m),1.74−1.61(2H,m)
アゾカン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物17)の製造
化合物2と同様にして、ヘプタメチレンイミンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率71%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.1),5.08−5.00(1H,m),3.95(3H,s),3.91(3H,s),3.60−3.50(2H,m),3.39(2H,s),3.34−3.24(2H,m),2.77−2.65(4H,br),2.09−1.99(2H,m),1.92−1.80(2H,m),1.68−1.50(10H,m)
アゾカン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物18)の製造
化合物17(300mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1mol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(570μl)を加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留物にエーテルを加え粉末化することにより、目的物(収量327mg:収率92%)を得た。
MS(FAB)m/z:524[M+H]
H−NMR(CDCl)δ:10.60(1H,br s),7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.07(1H,d,J=4.1),5.18−5.09(1H,m),4.12(2H,d,J=2.9),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.69−3.50(4H,m),3.44−3.22(4H,m),2.80(3H,s),2.18−1.82(10H,m),1.78−1.53(4H,m)
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物19)の製造
化合物2と同様にして、4−メチル−ピペラジンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率69%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.88(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.1),5.08−5.00(1H,m),3.95(3H,s),3.91(3H,s),3.60−3.50(2H,m),3.33−3.21(2H,m),3.24(2H,s),2.75−2.36(8H,br m),2.30(3H,s),2.09−1.99(2H,m),1.92−1.81(2H,m)
(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物20)の製造
化合物19(270mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1mol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(530μl)を加え溶解した。減圧下溶媒を留去し、残留物にエーテルを加え粉末化することにより、目的物(収量285mg:収率89%)を得た。
MS(FAB)m/z:511[M+H]
H−NMR(CDCl)δ:11.60−10.80(1H,br),7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.88(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4.1),5.10−5.00(1H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.62−3.49(4H,m),3.41(2H,s),3.34−3.21(2H,m),3.18−3.00(6H,m),2.90(3H,s),2.82(3H,s),2.10−1.99(2H,m),1.93−1.81(2H,m)
モルホリン−4−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル(化合物21)の製造
化合物2と同様にして、モルホリンおよびトリエチルアミンを用いて(製造工程4)に従って反応させ、目的物(収率73%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.37(1H,s),7.22(1H,d,J=4.1),7.13(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.05(1H,d,J=4.1),5.10−5.00(1H,m),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.80−3.70(4H,m),3.60−3.50(2H,m),3.34−3.20(2H,m),3.24(2H,s),2.65−2.54(4H,m),2.10−1.98(2H,m),1.93−1.80(2H,m)
モルホリン−4−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル メタンスルホン酸塩(化合物22)の製造
化合物21(300mg)をメタノール(2ml)に懸濁し、1mol/lメタンスルホン酸(メタノール溶液)(600μl)を加え溶解した。この溶解液を氷冷下攪拌しながらエーテル(50ml)に加えることにより、目的物(収量340mg:収率95%)を得た。
MS(FAB)m/z:498[M+H]
H−NMR(CDCl)δ:13.00−11.00(1H,br),7.37(1H,s),7.21(1H,d,J=4.1),7.12(1H,dd,J=8.5,2.2),7.04(1H,d,J=2.2),6.87(1H,d,J=8.5),6.06(1H,d,J=4.1),5.19−5.10(1H,m),4.19−3.97(4H,m),4.04(2H,s),3.94(3H,s),3.90(3H,s),3.80−3.62(2H,br),3.58−3.49(2H,m),3.38−3.17(4H,m),2.78(3H,s),2.13−2.03(2H,m),1.98−1.86(2H,m)
実施例2:In vivoにおける抗がん剤耐性克服効果(経口投与)
6週齢のBALB/c系、雄ヌードマウス(5匹/群)の鼠径部皮下に、BCRP遺伝子導入ヒト大腸がんHCT116細胞(HCT116/BCRP細胞)(財団法人癌研究会癌化学療法センター 杉本芳一氏より入手)を移植し(2x10cells/0.1ml/mouse)、1/2ab(aは腫瘍の長径、bは短径)より求めた推定腫瘍体積が約100〜150mmに達した時点より表1乃至表4に示す本発明化合物及び陽性対照化合物として特許文献3(国際公開第2006/106778号公報)に開示されている化合物14((Z)−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−3−{5−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−チオフェン−2−イル}−アクリロニトリル塩酸塩:以下、先願化合物14という)を1日1回、9日間(計9回)にわたり経口投与し、CPT−11(45mg/kg/day)を1、5、9日目にそれぞれ1日1回(計3回)静脈内投与した。本発明化合物の投与量は0.20または0.40mmol/kg/day、陽性対照化合物の投与量は0.23または0.46mmol/kg/dayとした。なお、本発明の化合物3および化合物5は5%グルコース溶液に溶解し、化合物4および化合物6はブリトンロビンソン緩衝液に溶解し、先願化合物14は0.1%Tween 80溶液に溶解し、CPT−11は生理食塩水に溶解して投与した。対照群には溶媒のみを投与した。投与開始より21日目に腫瘍を摘出し重量を測定した後、次式により腫瘍増殖阻止率IR(%)を求めた。
腫瘍増殖阻止率IR(%)=
(1−投与群の平均腫瘍重量/対照群の平均腫瘍重量)×100
その結果を表1乃至表4に示した。
表1乃至3に示すとおり、本発明のアクリロニトリル誘導体はin vivoにおいてもBCRPを強力に阻害し、極めて優れた抗がん剤耐性克服効果を発揮することが確認された。
また、表4に示した先願化合物14(In vivoにおいて優れた抗がん剤耐性克服効果が確認されている)の結果と比較しても、本発明化合物はさらに顕著な抗がん剤耐性克服効果を奏することが確認された。
Figure 2009072267
Figure 2009072267
Figure 2009072267
Figure 2009072267
実施例3:溶解性
表5に示す本発明化合物又は先願化合物14(10mg)を密封容器に秤量し、水又は5%グルコース液を、終濃度100mg/mLになるように添加した。室温で約30分間撹拌した後、遠心分離にて得た上清中の化合物濃度を高速液体クロマトグラフィーにて定量した。その結果を表5に示した。また、本発明化合物(化合物5、12、14、20)及び先願化合物14については、生理食塩水に対する溶解性も確認した(溶媒として生理食塩水を添加した以外は、上記と同様にして上清中の化合物濃度を定量した)。
本発明化合物(化合物5、8、10、12、14、16、18、20、22)は、先願化合物14と比較し、水又は5%グルコース液を溶媒として用いた場合において極めて高い溶解性を示した。また、先願化合物14は生理食塩水に対して低溶解性(1mg/mL未満)を示した一方で、本発明化合物(化合物5、12、14、20)は溶媒組成に依存することなく高い溶解性(100mg/mL以上)を示した。
従って、本発明化合物は、極めて高い溶解性を持ち、特に患者に投与する際に輸液組成の制限を受けないという有用な特性を持つことが示唆された。
Figure 2009072267
実施例4:
以下に示す成分を混和して、その混和物を打錠した。
Figure 2009072267

Claims (14)

  1. 一般式(1)
    Figure 2009072267
    [式中、Aは置換基を有してもよい3−8員の複素環を示す。]
    で表されるアクリロニトリル誘導体又はその塩。
  2. 前記Aが、置換基を有してもよい下記(3)〜(9)から選択される1種である請求項1記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩。
    Figure 2009072267
  3. 下記から選択されるアクリロニトリル誘導体又はその塩。
    ピペリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    (4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    アゼチジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    ピロリジン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    (2−メチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    (3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    アゼパン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    アゾカン−1−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    (4−メチル−ピペラジン−1−イル)−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
    モルホリン−4−イル−アセティック アシッド 1−[5−[(Z)−2−シアノ−2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ビニル]−チオフェン−2−イル]−ピペリジン−4−イル エステル
  4. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とする医薬。
  5. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とするBCRP阻害剤。
  6. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を有効成分とする抗がん剤耐性克服剤又は抗がん剤効果増強剤。
  7. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
  8. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩、及びBCRPの基質となり得る抗がん剤を含有する抗がん剤組成物。
  9. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩の、抗がん剤耐性克服剤又は抗がん剤効果増強剤の製造のための使用。
  10. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩の、BCRPの基質となり得る抗がん剤を含有する抗がん剤組成物の製造のための使用。
  11. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、BCRPの関与により薬剤耐性を獲得したがんの処置方法。
  12. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、BCRPの阻害方法。
  13. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩を投与する、抗がん剤の耐性を克服する方法又は抗がん剤の効果を増強する方法。
  14. 請求項1〜3の何れか1項記載のアクリロニトリル誘導体又はその塩及びBCRPの基質となり得る抗がん剤を投与する、がんの治療方法。
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