本発明は、情報記録媒体の所定の位置に情報を正しく記録再生するために用いるアドレス情報のフォーマット、および該アドレス情報フォーマットに従った情報の記録再生の技術に関する。
近年、高密度の光ディスクの研究開発が盛んに行われている。現在、たとえば、Blu−ray Disc(BD)が提案、実用化され、デジタル放送の録画等に使用されるようになり、光ディスクは重要な情報媒体としての地位を築きつつある。また更なる高密度化の流れとして、BDよりも記録密度を高めて記録容量を拡大する研究開発も行われている。
図13は、従来の光ディスクにおいて、トラックに予め記録されているトラックアドレスのフォーマットの例を示している。なお、この図は、上述したBDのトラックアドレスのフォーマットを示すものではない。
トラックは、データの記録単位64kB(キロバイト)毎にブロックに分けられて、順にブロックアドレス値が割り振られている。ブロックは、所定の長さのサブブロックに分割され、6個のサブブロックで1ブロックを構成している。サブブロックは、前から順に0から5までのサブブロック番号が割り振られている。
ブロックアドレスを表す18ビットのデジタル情報と、サブブロック番号を表す3ビットのデジタル情報をあわせた合計21ビットのデジタル情報が、サブブロック毎にトラックに予め記録されている。当該従来の光ディスクの記録再生を行う光ディスク装置は、サブブロック毎に前記21ビットのデジタル情報を再生することにより、ブロックアドレスとサブブロック番号を追従しながらターゲットブロックを検索し、ターゲットブロックに対してデータの記録あるいは再生を行うことができる。
図14は、従来の光ディスクのアドレスフォーマットにより表現できるアドレス範囲とデータの記録容量の関係を示している。
従来の光ディスクでは、図13に示すとおりブロックアドレスとして18ビットのデジタル情報が割り振られている。例えば記録容量が15ギガバイト(GB)の場合、ブロックアドレスの値は00000から39387(16進数)の数で表されている。
図15は、従来の光ディスクにおいて、データ記録時にデータに付加されるデータアドレスのアドレスフォーマットを示した図である。
記録されるデータは、64キロバイト(kB)毎にブロックに分割されて記録される。データのブロックのサイズは、トラックが分割されたときのブロックと同じサイズを得る。各ブロックはさらに2kB毎のセクタに分割される。その結果、1ブロックには32個のセクタが含まれる。
連続する2つのセクタは、1つのデータユニットとして管理される。各データユニットの先頭には4バイト(32ビット)のデータアドレス情報が挿入されてトラックに記録される。図15に示すとおり、従来のデータアドレス情報は、下位ビット側から、5ビットのセクタ番号、18ビットのブロックアドレス値、および9ビットの制御情報を含んでおり、合計32ビットで構成されている。なお、制御情報は、たとえば記録層が複数存在する場合の層情報を記述するために用いられる。
データアドレスは各データユニットの先頭に付加される。よって、割り振られる下位5ビットのセクタ番号は常に偶数になる。これは、最下位ビットの値が常に0となることを意味する。
18ビットのブロックアドレス値は、トラックにあらかじめ記録されたブロックアドレスと同じ値であり、データを記録する対象となるブロックのブロックアドレス値が割り振られる(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−352521号公報
従来の光ディスクのアドレスフォーマットによれば、ブロックアドレスとして割り振られるデジタル情報は18ビットであり、図14に示されように最大3FFFFまでの値しか表現できない。これは、拡張可能な記憶領域が16.7GBまでにしかならないことを意味する。これでは、大幅な記録容量の拡大の要望に対し、16.7GB以上の容量を有する光ディスクにまで拡張することができない。
記録容量を拡大するために、トラックに記録するブロックアドレスを表すデジタル情報を19ビット以上に増やすと、アドレスフォーマットが従来の光ディスクと全く異なり互換性がなくなってしまうため、新たなアドレスフォーマットに対応したハードウェア(光ディスク装置、光ディスク製造装置)を実装する必要があり、大幅なコスト増加となってしまう。
また、同様に、データアドレスにおいてもブロックアドレスを表すデジタル情報は18ビットであるため、00000から3FFFFまでの範囲のブロックアドレスを表現できるにとどまり、容量を拡張することができない。
本発明の目的は、従来の光ディスクのアドレスフォーマットと互換性を保ちつつ、従来の光ディスクよりも大きい容量を管理可能なアドレスフォーマットを提供し、さらに、そのようなアドレスフォーマットにしたがって情報の記録・再生を行うことが可能な装置および方法を提供することである。
本発明による光ディスクは、データが記録されるトラックが複数のブロックに分割され、各ブロックがL個のサブブロックから構成されている光ディスクであって、各サブブロックには、前記各サブブロックによって構成されるブロックのブロックアドレスを特定するMビットの第1のデジタル情報と、L以上の数値を表現可能なNビットの第2のデジタル情報とが記録されており、前記ブロックアドレスの値が閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値以外の値を示している、あるいは、前記ブロックアドレスの値が閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値以外の値を示している。
前記光ディスクは複数のデータが記録される層を有しており、偶数あるいは奇数の一方の層では、前記ブロックアドレスの値が閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値以外の値を示しており、他方の層では、前記ブロックアドレスの値が閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値以外の値を示していてもよい。
前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
前記閾値は、前記Mビットのデジタル値で表される最大値である、あるいは前記Mビットのデジタル値で表される最小値であってもよい。
前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第1のデジタル情報は前記ブロックアドレスを特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第1のデジタル情報は、前記各サブブロックに割り振られるサブブロック番号を特定する値と、前記各サブブロックによって構成されるブロックのブロックアドレスの一部を特定する値とを示している、あるいは、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第1のデジタル情報は前記ブロックアドレスを特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第1のデジタル情報は、前記各サブブロックに割り振られるサブブロック番号を特定する値と、前記各サブブロックによって構成されるブロックのブロックアドレスの一部を特定する値とを示していてもよい。
前記Mビットの前記第1のデジタル情報のうち、下位Nビットは前記サブブロック番号を特定する値を示しており、上位M−Nビットは前記ブロックアドレスの下位M−Nビットを示していてもよい。
前記トラックに記録されたデータは、各々が前記複数のブロックの各々と同じデータサイズの複数のブロックに分割され、各ブロックは複数のセクタから構成されており、前記データには、各ブロックのブロックアドレスを特定する第3のデジタル情報、および、前記各ブロック内のセクタの番号を特定する第4のデジタル情報を少なくとも含む、第5のデジタル情報が付加されていてもよい。
前記第3のデジタル情報は(M+1)ビットのデジタル情報であり、前記閾値以上のブロックアドレスの値を表すことが可能である、あるいは前記閾値未満のブロックアドレスの値を表すことが可能であってもよい。
前記第5のデジタル情報は、前記セクタに分割された前記データに対して2セクタ毎に付加されており、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じMビットのデジタル情報であり、前記第3のデジタル情報には、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られており、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、偶数および奇数の一方の値を示しており、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、偶数および奇数の他方の値を示している、あるいは、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、偶数および奇数の一方の値を示しており、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、偶数および奇数の他方の値を示していてもよい。
記録されるデータ容量が25ギガバイト以上であってもよい。
前記第1のデジタル情報は19ビットであり(M=19)、前記第2のデジタル情報は2ビットであり(N=2)、下位ビットから順に前記第2のデジタル情報および前記第1のデジタル情報が配置されていてもよい。
前記ブロックアドレスの値が閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を、0x0から0x2(16進数表記)のいずれかで示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を、0x3で示している、あるいは、前記ブロックアドレスの値が閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を、0x0から0x2(16進数表記)のいずれかで示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を、0x3で示していてもよい。
トラックに照射するレーザの波長がλ、レーザをトラックに集光する対物レンズの開口数がNA、トラック上に記録される最短マーク長がTmおよび最短スペース長がTsであり、(Tm+Ts)<λ/(2NA)となっていてもよい。
前記レーザの波長λが400nmから410nmであってもよい。
前記対物レンズの開口数NAが0.84から0.86であってもよい。
前記最短マーク長Tmと最短スペース長Tsを加算した長さTm+Tsが、238.2nm未満であってもよい。
前記光ディスクに記録されるデータは1−7変調則を用いて変調され、最短マーク長は2T、最短スペース長は2Tであってもよい。
本発明による光ディスク装置は、上述の光ディスクに対し、データの記録および再生の少なくとも一方を行うことが可能な光ディスク装置であって、前記光ディスクに対して光ビームを放射し、反射光の光量に応じた再生信号を出力する光ヘッドと、前記再生信号に基づいて、前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報を再生するトラックアドレス再生回路と、再生された前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報から、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定して、前記光ヘッドが前記光ビームを放射するトラック位置を制御するプロセッサと、前記再生信号に基づくデータの再生、および、前記再生信号に基づく前記トラックへの前記データの記録の少なくとも一方を行うために、前記光ヘッドから照射される前記光ビームのパワーを制御する、データ記録・再生回路とを備えており、前記プロセッサは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、あるいは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、判定結果に基づいて、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定する。
本発明によるチップ回路は、上述の光ディスクに対し、データの記録および再生の少なくとも一方を行うことが可能な光ディスク装置に組み込まれるチップ回路であって、前記光ディスク装置は、前記光ディスクに対して光ビームを放射し、反射光の光量に応じた再生信号を出力する光ヘッドを備えており、前記チップ回路は、前記再生信号に基づいて、前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報を再生するトラックアドレス再生回路と、再生された前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報から、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定して、前記光ヘッドが前記光ビームを放射するトラック位置を制御するプロセッサと、前記再生信号に基づくデータの再生、および、前記再生信号に基づく前記トラックへの前記データの記録の少なくとも一方を行うために、前記光ヘッドから照射される前記光ビームのパワーを制御する、データ記録・再生回路とを備えており、前記プロセッサは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、あるいは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、判定結果に基づいて、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定する。
本発明によるアドレス再生方法は、上述の光ディスクに対し、データの記録および再生の少なくとも一方を行うことが可能な光ディスク装置で実行されるアドレス再生方法であって、前記光ディスクに対して光ビームを放射し、反射光の光量に応じた再生信号を出力するステップと、前記再生信号に基づいて、前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報を再生するステップと、再生された前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報から、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定して、前記光ヘッドが前記光ビームを放射するトラック位置を制御するステップと、前記再生信号に基づくデータの再生、および、前記再生信号に基づく前記トラックへの前記データの記録の少なくとも一方を行うために、前記光ヘッドから照射される前記光ビームのパワーを制御するステップとを包含し、前記制御するステップは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、あるいは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、判定結果に基づいて、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定する。
また、前記課題を解決するため、本発明の光ディスクは、データを記録するトラックが所定のデータ量に相当するブロック単位に分割され、前記ブロックはさらにL個のサブブロックに分割され、前記トラックには、前記ブロック単位に割り振られるブロックアドレスとしてMビットの第1のデジタル情報と、前記サブブロック単位に割り振られるサブブロック番号としてNビットの第2のデジタル情報の両方のデジタル情報が前記サブブロック毎に記録されている光ディスクであって、前記ブロックアドレスの値が所定の第1の閾値未満の場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報にL個の前記サブブロック番号に相当する値を割り振り、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報の値に、前記ブロックアドレスの値が2のM乗未満の場合に割り振ったL個の値以外の値を割り振ることを特徴とする。
また、前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
また、前記所定の第1の閾値は、Mビットのデジタル値で表される最大値であってもよい。
また、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報に前記ブロックアドレスの値と同じ値を割り振り、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の下位Nビットに、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合に割り振ったL個の前記サブブロック番号に相当する値を同様に割り振り、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットに前記ブロックアドレスの下位M−Nビットの値を割り振ってもよい。
また、前記トラックに記録されるデータは、前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割され、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報が追加された後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録されてもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記第5のデジタル情報は、前記セクタに分割された前記データに対して2セクタ毎に追加され、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じくMビットのデジタル情報で、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られ、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は偶数あるいは奇数のどちらか一方の値とし、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合とは異なるように、奇数あるいは偶数としてもよい。
本発明の光ディスク装置は、データを記録するトラックが所定のデータ量に相当するブロック単位に分割され、前記ブロックはさらにL個のサブブロックに分割され、前記トラックには、前記ブロック単位に割り振られるブロックアドレスとしてMビットの第1のデジタル情報と、前記サブブロック単位に割り振られるサブブロック番号としてNビットの第2のデジタル情報の両方のデジタル情報が前記サブブロック毎に記録されている光ディスクに対して、前記データの記録再生を行う光ディスク装置であって、前記データの記録再生のために前記トラックに対するレーザ照射と反射光の検出を行うレーザ記録再生手段と、前記反射光を検出した再生信号から前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報を再生するアドレス再生手段と、再生された前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報とから前記ブロックアドレスと前記サブブロック番号を判定して、前記レーザ記録再生手段がレーザ照射するトラック位置を制御する記録再生位置制御手段と、前記反射光を検出した再生信号からの前記データの再生、あるいは前記トラックに前記データを記録するための前記レーザ記録再生手段のレーザ照射パワーを制御するデータ記録再生手段とから構成され、前記記録再生位置制御手段は、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが所定の第1の閾値未満の値であると判断し、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値以外の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが前記所定の第1の閾値以上の値であると判断してトラック位置の制御を行うことを特徴とする。
また、前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
また、前記所定の第1の閾値は、Mビットのデジタル値で表される最大値であってもよい。
また、前記記録再生位置制御手段は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報を前記サブブロック番号の値とし、前記Mビットの第1のデジタル情報を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の下位Nビットを前記サブブロック番号とし、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットを前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
また、前記記録再生位置制御手段は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットと、さらに上位にN+1ビットの値を前記ブロックアドレスの値が連続した値となるように付加した値を前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
また、前記データの記録時において、前記データ記録再生手段は、前記トラックに記録するデータを前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割し、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報を追加した後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録する制御を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記データの記録時において、前記データ記録再生手段は、前記セクタに分割した前記データに対して、2セクタ毎に前記第5のデジタル情報を追加し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じくMビットのデジタル情報で、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られ、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は偶数あるいは奇数のどちらか一方の値とし、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合とは異なるように、奇数あるいは偶数としてもよい。
また、前記データは、前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割され、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報が追加された後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録されており、前記データの再生時において、前記データ記録再生手段は、再生したデータから前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を抽出し、前記記録再生位置制御手段は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報が未だ再生できていない間に、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報が先に得られた場合は、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を用いて再生するトラック位置の制御を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記第5のデジタル情報は2セクタ毎に前記データに追加されてトラックに記録されており、前記記録再生位置制御手段は、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が偶数(あるいは奇数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満であると判断し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が逆に奇数(あるいは偶数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上と判断してもよい。
また、前記記録再生位置制御手段は、再生した前記データから抽出した前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの1を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
本発明の光ディスク記録再生方法は、データを記録するトラックが所定のデータ量に相当するブロック単位に分割され、前記ブロックはさらにL個のサブブロックに分割され、前記トラックには、前記ブロック単位に割り振られるブロックアドレスとしてMビットの第1のデジタル情報と、前記サブブロック単位に割り振られるサブブロック番号としてNビットの第2のデジタル情報の両方のデジタル情報が前記サブブロック毎に記録されている光ディスクに対して、前記データの記録再生を行う光ディスク記録再生方法であって、前記データの記録再生のために前記トラックに対するレーザ照射と反射光の検出を行うレーザ記録再生ステップと、前記反射光を検出した再生信号から前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報を再生するアドレス再生ステップと、再生された前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報とから前記ブロックアドレスと前記サブブロック番号を判定して、前記レーザ記録再生ステップがレーザ照射するトラック位置を制御する記録再生位置制御ステップと、前記反射光を検出した再生信号からの前記データの再生、あるいは前記トラックに前記データを記録するための前記レーザ記録再生ステップのレーザ照射パワーを制御するデータ記録再生ステップとから構成され、前記記録再生位置制御ステップは、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが所定の第1の閾値未満の値であると判断し、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値以外の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが前記所定の第1の閾値以上の値であると判断してトラック位置の制御を行うことを特徴とする。
また、前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
また、前記所定の第1の閾値は、Mビットのデジタル値で表される最大値であってもよい。
また、前記記録再生位置制御ステップは、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報を前記サブブロック番号の値とし、前記Mビットの第1のデジタル情報を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の下位Nビットを前記サブブロック番号とし、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットを前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
また、前記記録再生位置制御ステップは、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットと、さらに上位にN+1ビットの値を前記ブロックアドレスの値が連続した値となるように付加した値を前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
また、前記データの記録時において、前記データ記録再生ステップは、前記トラックに記録するデータを前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割し、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報を追加した後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録する制御を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記データの記録時において、前記データ記録再生ステップは、前記セクタに分割した前記データに対して、2セクタ毎に前記第5のデジタル情報を追加し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じくMビットのデジタル情報で、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られ、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は偶数あるいは奇数のどちらか一方の値とし、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合とは異なるように、奇数あるいは偶数としてもよい。
また、前記データは、前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割され、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報が追加された後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録されており、前記データの再生時において、前記データ記録再生ステップは、再生したデータから前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を抽出し、前記記録再生位置制御ステップは、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報が未だ再生できていない間に、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報が先に得られた場合は、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を用いて再生するトラック位置の制御を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記第5のデジタル情報は2セクタ毎に前記データに追加されてトラックに記録されており、前記記録再生位置制御ステップは、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が偶数(あるいは奇数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満であると判断し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が逆に奇数(あるいは偶数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上と判断してもよい。
また、前記記録再生位置制御ステップは、再生した前記データから抽出した前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの1を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
本発明の集積回路は、データを記録するトラックが所定のデータ量に相当するブロック単位に分割され、前記ブロックはさらにL個のサブブロックに分割され、前記トラックには、前記ブロック単位に割り振られるブロックアドレスとしてMビットの第1のデジタル情報と、前記サブブロック単位に割り振られるサブブロック番号としてNビットの第2のデジタル情報の両方のデジタル情報が前記サブブロック毎に記録されている光ディスクを再生した再生信号から、前記ブロックアドレスと前記サブブロック番号を検出する集積回路であって、前記再生信号から前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報を復調する復調手段と、復調された前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報とから前記ブロックアドレスと前記サブブロック番号を判定するアドレス判定手段とから構成され、前記アドレス判定手段は、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが所定の第1の閾値未満の値であると判定し、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値以外の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが所定の第1の閾値以上の値であると判定することを特徴とする。
また、前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
また、前記所定の第1の閾値は、Mビットのデジタル値で表される最大値であってもよい。
また、前記アドレス判定手段は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判定した場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報を前記サブブロック番号の値とし、前記Mビットの第1のデジタル情報を前記ブロックアドレスの値として判定し、前記ブロックアドレスの値が所定の第1の閾値以上の値であると判定した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の下位Nビットを前記サブブロック番号とし、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットを前記ブロックアドレスの値として判定してもよい。
また、前記アドレス判定手段は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判定した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として判定し、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判定した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットと、さらに上位にN+1ビットの値を前記ブロックアドレスの値が連続した値となるように付加した値を前記ブロックアドレスの値として判定してもよい。
また、前記データの記録を行うための記録信号を生成するデータ記録手段をさらに設け、前記データ記録手段は、前記トラックに記録するデータを前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割し、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報を追加した後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録する記録信号を出力してもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記データ記録手段は、前記セクタに分割した前記データに対して、2セクタ毎に前記第5のデジタル情報を追加し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じくMビットのデジタル情報で、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られ、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は偶数あるいは奇数のどちらか一方の値とし、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合とは異なるように、奇数あるいは偶数としてもよい。
また、前記データは、前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割され、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報が追加された後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録されており、前記再生信号から前記データの再生を行うデータ再生手段をさらに設け、前記データ再生手段は、再生したデータから前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を抽出し、前記アドレス判定手段は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報が未だ再生できていない間に、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報が先に得られた場合は、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を用いてアドレスの判定を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記第5のデジタル情報は2セクタ毎に前記データに追加されてトラックに記録されており、前記アドレス判定手段は、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が偶数(あるいは奇数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満であると判定し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が逆に奇数(あるいは偶数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上と判定してもよい。
また、前記アドレス判定手段は、再生した前記データから抽出した前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判定した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として判定し、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判定した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの1を付加した値を前記ブロックアドレスの値として判定してもよい。
本発明によれば、ブロックアドレスの値が2のM乗未満の場合はNビットの第2のデジタル情報にL個のサブブロック番号に相当する値を割り振り、ブロックアドレスの値が2のM乗以上の場合はNビットの第2のデジタル情報の値にブロックアドレスの値が2のM乗未満の場合に割り振ったL個の値以外の値を割り振ることにより、合計のビット数はそのままに、Mビットの第1のデジタル情報により表されるブロックアドレスの値が2のM乗未満かどうかが示され、2のM乗以上の値であっても表現することが可能となる。
また、サブブロック毎に記録するデジタル情報量は従来と変わらず、記録する値を変えれば対応できるため、記録容量を拡大した光ディスクを製造する装置を大きく変更することなくそのまま利用し製造コストの増大を防ぐことができる。
また、同様に光ディスクにデータを記録再生する光ディスク装置においても、サブブロック毎に記録されたデジタル情報を再生する処理は従来と変わらず、再生したデジタル情報の値の処理方法を変えるだけで対応できるため、デジタル情報を再生するハードウェアの変更は必要なく、システムの複雑化やハードウェア規模増大によるコスト増を防ぐことができる。また、従来のアドレスフォーマットで表現できるアドレス領域内は従来と変わりはないため、容易に互換性を保つことができる。
また、記録するデータに追加するデータアドレスも同様に2のM乗以上のブロックアドレスを表すことができる。
光ディスク1の物理的構成を示す図である。
(A)および(B)は、本実施形態における光ディスク1のトラック2に予め記録されているアドレスのフォーマットを示す図である。
光ディスクのデータ記録容量とブロックアドレスおよびアドレスフラグに記録される値の関係を示した図である。
(A)および(B)は、それぞれ、本実施形態における光ディスクに記録されるデータに対して付加されるデータアドレスのアドレスフォーマットを示した図である。
実施形態2による光ディスク装置310の構成を示すブロック図である。
光ディスク装置310の判定処理の手順を示すフローチャートである。
(A)および(B)は、媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるアドレス(ドライブ算出アドレス)との対応関係を示す図である。
(A)は従来の記録密度のBDの例を示す図であり、(B)は、BDよりも高い記録密度の高密度ディスクの例を示す図である。
BDのデータアドレスフォーマット90を示す図である。
高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるドライブ算出アドレスとの対応関係を示す図である。
高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるドライブ算出アドレスとの対応関係を示す図である。
高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるドライブ算出アドレスとの対応関係を示す図である。
高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるドライブ算出アドレスとの対応関係を示す図である。
実施形態3にかかる拡張フォーマットによって記述可能なアドレス値と最大記録可能領域との関係を示す図である。
従来の記録密度のBDにおけるOTFカットオフと最短記録マークとの関係を示す。
従来の光ディスクにおいて、トラックに予め記録されているトラックアドレスのフォーマットの例を示す図である。
従来の光ディスクのアドレスフォーマットにより表現できるアドレス範囲とデータの記録容量の関係を示す図である。
従来の光ディスクにおいて、データ記録時にデータに付加されるデータアドレスのアドレスフォーマットを示す図である。
符号の説明
1、300 光ディスク
301 光ヘッド
302 モータ
303 サーボ回路
304 トラックアドレス再生回路
305 CPU
306 データ記録再生回路
307 データアドレス再生回路
308 光ディスクコントローラ
310 光ディスク装置
以下、本発明に係る光ディスクあるいは光ディスク装置の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、光ディスク1の物理的構成を示す。円盤状の光ディスク1には、たとえばスパイラル状に多数のトラック2が形成されており、各トラック2には細かく分けられた多数のセクタが形成されている。なお、後述するように、各トラック2には予め定められたサイズのブロック3を単位としてデータが記録される。
本実施形態による光ディスク1は、従来の光ディスクよりも情報記録層1層あたりの記録容量が拡張されている。記録容量の拡張は、たとえば光ディスクに記録される記録マークのマーク長をより短くすることによって実現される。
記録容量の拡張に対応して、本実施形態ではアドレスの記述方法も拡張している。たとえば、従来の光ディスクの情報記録層1層あたりの記録容量が16.7GBであるとする(図14)。このとき、トラックアドレスおよびデータアドレスを表すためのブロックアドレスは18ビットで表されている(図13および図15)。なお、アドレス値は合計21ビットで記述されており、その内訳は上位18ビットのブロックアドレスと下位3ビットのアドレスフラグである。
これに対し、本実施形態による光ディスク1の情報記録層1層あたりの記録容量は21GBに拡張されている。トラックアドレスおよびデータアドレスを表すためのブロックアドレスの記述方法は以下のとおりである。
まず、0から16.7GBまでの記録領域に対応するアドレスの記述方法は、従来と同様である。従来の光ディスクとの互換性が確保されているため、既存の機器は本実施形態による光ディスクからデータを読み出し、またデータを書き込むことができる。
一方、16.7GBを超える記録領域(以下「拡張領域」と呼ぶ。)に対するアドレスの記述方法は、(1)下位3ビットのアドレスフラグとして従来の光ディスクでは記述され得ない値を記述することにより、拡張領域のアドレスが記述されていることを表し、(2)上位18ビットで、拡張領域を特定するアドレスの一部を表す。「アドレスの一部」である理由は、18ビットというビット数では拡張領域のアドレス全体を記述できないためである。そのため、拡張領域の読み出し時には、完全なアドレスを特定する特別な処理を行う必要がある。この処理は「仮想ビットの付加」として後に詳細に説明する。
なお、上述の実施形態において、トラックに対するアドレス値の記録方法は、トラックの蛇行(ウォブリング)、トラック間のピット、トラック上のビットによって実現され得る。
図2(A)および(B)は、本実施形態における光ディスク1のトラック2に予め記録されているアドレスのフォーマットを示す図である。
データは64kBのデータ量毎にエラー訂正符号化処理が行われたブロック3を単位としてトラック2に記録される。トラック2にはブロック単位でブロックアドレスが割り振られている。
各ブロックは、6個のサブブロックに分割され、各サブブロックには前から順に0から5のサブブロック番号が割り振られている。トラック2には、サブブロック毎にブロックアドレス値とサブブロック番号とをあわせた21ビットのアドレス値が予め記録されている。なお、図示されている「仮想ビット」は後述する実施形態2にかかる光ディスク装置がアドレスを特定する処理を行う際に付加するものであり、光ディスク1に記述されているものではない。
図2(A)は、本実施形態による、ブロックアドレスの値が00000から3FFFFまでの領域のためのアドレスフォーマットを示している。
サブブロック毎に記録されている21ビットのアドレス値は、ブロックアドレス(上位18ビット)とアドレスフラグ(下位3ビット)を表している。18ビットのブロックアドレスには、各ブロックに対応した00000から3FFFFまでのブロックアドレスの値がそのまま記録されている。アドレスフラグ3ビットには、各サブブロックの0から5のサブブロック番号の値がそのまま記録されている。
上述のように、1つのブロックに含まれるサブブロックの数は6つであるため、サブブロック番号は0から5までの範囲内の整数になる。本実施形態においては、3ビットのアドレスフラグによって表された数が0から5までの範囲内の整数である場合には、上位18ビットは00000から3FFFFまでのブロックアドレスを示している。
なお、アドレスフラグの「3ビット」は、サブブロック数6(数値としては0から5)を表現可能なビット数として定められている。一般化すると、アドレスフラグがNビットとして規定されるとき、サブブロック数Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数である。
以上のように、ブロックアドレスの値が18ビットで表現できる00000から3FFFFまでの範囲内であれば、本実施形態による光ディスク1に記録されている21ビットのアドレス値の内容は、従来の光ディスクのアドレスフォーマットと同じである。これにより、本実施形態による光ディスク1は、容易に従来の光ディスクとの互換性を保つことが可能となっている。
図2(B)は、本実施形態による、ブロックアドレスの値が40000から4FFFFまでの拡張領域用のアドレスフォーマットを示している。
トラック2がブロック3から構成され、各ブロック3が6つのサブブロック0〜5から構成される点は、図2(A)と同じである。また、サブブロック毎に記録されている21ビットのアドレス値が、ブロックアドレス18ビットとアドレスフラグ3ビットから構成されることは、ブロックアドレスの値が00000から3FFFFまでの領域と同様である。
ただし、図2(B)においては、アドレスフラグ3ビットに「6」または「7」が記録されている。図2(A)に関連して説明したように、「6」または「7」はサブブロック番号として取り得ない値である。そこで、アドレスフラグ3ビットが「6」または「7」を示しているときは、ブロックアドレスの値が00000から3FFFFではないこと、すなわちブロックアドレスの値が40000以上であることを示すことができる。換言すれば、アドレスフラグ3ビットに0から5までの数値以外の数値が記述されているときは、アドレスフラグを拡張領域が存在することを示すフラグとして規定できる。なお、ブロックアドレスの値が40000から47FFFまでの領域に対してはアドレスフラグとして"6"が記録され、ブロックアドレスの値が48000から4FFFFまでの領域に対してはアドレスフラグとして"7"が記録される。
3ビットのアドレスフラグよりも上位に配された18ビットは、サブブロック番号を記録する下位側3ビットとブロックアドレスの値を記録する上位側15ビットとに分けられ、それぞれ新たな意味を示すものとして利用される。下位側3ビットには、各サブブロックの0から5までのサブブロック番号の値がそのまま記録されている。上位側15ビットには、ブロックアドレスの値の下位15ビット分の値がそのまま記録されている。ブロックアドレスの値が40000から47FFFまでに対応して0000から7FFF、同様に48000から4FFFFに対応して0000から7FFFの値となる。
以上のように、ブロックアドレスの値が18ビットでそのまま表現できる40000未満か、表現できない40000以上かによって、アドレスフラグ3ビットを使い分けることにより、サブブロック毎に記録するアドレス値の総ビット数21ビットを変えることなく、ブロックアドレスの空間を拡大することが可能となる。
図3は、光ディスクのデータ記録容量とブロックアドレスおよびアドレスフラグに記録される値の関係を示した図である。従来では、21ビットのアドレス値によりデータ記録容量は16.7GBまでしか対応できなかったが、本実施形態によれば、21GBまで拡大できることがわかる。
また、サブブロック毎に記録するアドレス値の総ビット数21ビットはそのままであるため、光ディスク製造装置において、従来に比較し、記録するアドレス値の値を変えるだけで容易に対応することができる。同様に、本発明の光ディスクに対し記録再生を行う光ディスク装置においても、アドレス値を再生信号から復調する回路は従来と変わらず、ブロックアドレスの値が40000以上の場合における復調された値に対する判定処理を変更するのみで容易に対応することができる。
光ディスク1のトラック2に予め記録されているアドレスの記述方法が拡張されたことに対応して、データに付加されるアドレスの記述方法も変更する必要がある。そこで次に、データに付加されるアドレスのフォーマットを説明する。
図4(A)および(B)は、それぞれ、本実施形態における光ディスクに記録されるデータに対して付加されるデータアドレスのアドレスフォーマットを示した図である。
データは、64kB毎にブロックに分割され、ブロックはさらに2kB毎に32個のセクタに分割されて記録される。2セクタはまとめてデータユニットとして取り扱われ、各データユニットの先頭に4バイト(32ビット)のデータアドレス情報が挿入されてトラックに記録される。既に説明したように、従来のデータアドレス情報は、5ビットのセクタ番号、18ビットのブロックアドレス値、記録層が複数ある場合の層情報などに用いる9ビットの制御情報の合計32ビットで構成されており、18ビットのブロックアドレス値は、トラックにあらかじめ記録されたブロックアドレスと同じ値であり、データを記録する対象となるブロックのブロックアドレス値が割り振られる。ブロックアドレスを表すデジタル情報は18ビットであるため、00000から3FFFFまでのブロックアドレスにしか対応できない。
図4(A)は、ブロックアドレスの値が00000から4FFFFまで必要となる、本実施形態に対応したデータアドレスフォーマットを示している。層情報などを記述するための制御情報として9ビットを利用することが可能であるが、本実施形態においては9ビットのうちの1ビットをブロックアドレスの最上位の追加ビットとして扱っている。そのように扱うことが可能な理由は、9ビット全てが制御情報として利用される必要はないためである。これにより、合計19ビットのブロックアドレスの値として、00000から4FFFFまでの値を表すことができる。
図4(B)は、図4(A)とは異なる方法で00000から4FFFFまでのブロックアドレスの値を表現する、本実施形態による他のデータアドレスフォーマットを示している。データアドレスはデータユニット毎に先頭に付加されるため、割り振られるセクタ番号は常に偶数である。よって、従来の光ディスクでは最下位ビットの値は常に0であった。そこで、従来セクタ番号を表していた5ビットを分割し、最下位1ビットをデータアドレスフラグとし、上位4ビットをデータユニット番号とする。データアドレスフラグは、記録すべきブロックアドレスの値が00000から3FFFFまでのときは0とし、40000から4FFFFまでのときは1とする。
以上のように、トラック2にあらかじめ記録されたブロックアドレスに対応して、データアドレスのブロックアドレスも空間を拡大することができる。
また、従来の光ディスクと比較しても合計ビット数は変わらない。よって、本実施形態の光ディスクに対しデータの記録・再生を行うことが可能な光ディスク装置においても、データアドレス値を再生信号から復調する回路として従来と同じ回路を採用することができるため、コストが大幅に増加することもない。本実施形態による光ディスクは従来の光ディスクと親和性が高く、容易に導入することが可能である。
なお、上述の実施形態において、アドレスフォーマットのビット数など具体的な例を示したが、これに限定されるものではない。後に実施形態3として、他のビット数のアドレスフォーマットを説明する。
なお、上述の実施形態において、ブロックアドレスが40000から47FFFの領域ではアドレスフラグの値を6とし、ブロックアドレスが48000から4FFFFの領域ではアドレスフラグの値を7としたが、これに限定されるものではない。
なお、上述の実施形態において、データを記録可能な光ディスクの例を示したが、データがあらかじめ記録されている再生のみ可能な光ディスクであってもよい。
なお、上述の実施形態において、データアドレスフラグが1であればブロックアドレスが40000以上であるとしたが、これに限定されるものではない。データアドレスフラグが0のとき、ブロックアドレスが40000以上であるとしてもよい。ただし、0または1(より一般的には奇数または偶数)のいずれにおいて「ブロックアドレスが40000以上」を示しているかを予め定めておくことが好ましい。
(実施形態2)
図5は、本実施形態による光ディスク装置310の構成を示すブロック図である。光ディスク装置310は、光ディスク300からデータを再生し、光ディスク300にデータを記録することが可能である。なお、データの記を記録する機能は必須ではなく、光ディスク装置310は、再生専用の光ディスクプレーヤーであってもよい。このときは、後述する光ディスク装置310のデータ記録再生回路の機能のうち、記録データの受け取りおよび光ディスク300への書き込み処理を行う機能は不要である。
光ディスク300の構成は図1に示す光ディスク1と同じである。よって、光ディスク300のトラックにも、予め図2に示すとおりのフォーマットでアドレスが記録されている。トラックは蛇行して形成されており、蛇行の周波数あるいは位相の変調によりアドレス値が記録されている。
光ディスク装置310は、光ヘッド301、モータ302、サーボ回路303、トラックアドレス再生回路304、CPU305、データ記録再生回路306、データアドレス再生回路307を備えている。
サーボ回路303、トラックアドレス再生回路304、CPU305、データ記録再生回路306、データアドレス再生回路307は、1つのチップ回路(光ディスクコントローラ)308として実装されている。なお、これらの全てが1チップ化されていなくてもよい。たとえば、サーボ回路303は含まれなくてもよい。または、トラックアドレス再生回路304を光ヘッド301内に組み込んでもよい。さらに、これらを1チップ化せずに個々の回路として別々に設けてもよい。上述の光ディスク300は光ディスク装置310から取り外し可能であるため、光ディスク装置310の必須の構成要素ではないことに留意されたい。
光ヘッド301は、光ディスク300に光ビームを照射し、トラックを走査しながら光ディスク300からの反射光量を検出して反射光量に応じた電気信号(再生信号)を出力する。いずれも図示されないが、光ヘッド301には、光ビームを放射する光源と、光ビームを集束させるレンズと、光ディスク300の情報記録層で反射した光ビームを受けて、再生信号を出力する受光部が設けられている。
モータ302は、光ディスク300を指定された回転数で回転させる。
サーボ回路303は、光ヘッド301からの再生信号から光ビームのトラックへの集光状態に応じたサーボエラー信号を生成し、サーボエラー信号を用いて、トラックにおける光ヘッド301からの光ビームの集光状態、トラックの走査状態が最適になるように制御を行う。また、光ビームを照射する光ディスク300上の半径位置(たとえばトラック位置)およびモータ302の回転数を最適に制御する。
トラックアドレス再生回路304は、光ヘッド301からの再生信号から光ディスク300のトラックの蛇行に応じたウォブル信号を抽出し、ウォブル信号からトラックに予め記録された21ビットのアドレス値を復調する。また、トラック上のブロック単位およびサブブロック単位の同期位置の検出も行う。
CPU305は、トラックアドレス再生回路304で復調されたアドレス値を得て、サーボ回路303に指示してデータの記録および再生を行うブロックを検索し、検索したブロック位置においてデータ記録再生回路306に対し記録動作、再生動作の指示を出す。これにより、データ記録再生回路306は、行おうとしている記録動作または再生動作に適合した照射パワーで、光ヘッド301がレーザを照射するよう制御する。
なお、後に図6を参照しながら説明するように、本実施形態においては、トラックアドレス再生回路304から得られるアドレス値の算出処理をCPU305が行うとしている。しかしながら、この判定処理は、トラックアドレス再生回路304によっておこなわれてもよい。
データ記録再生回路306は、CPU305からデータ記録の指示を受けたとき、記録データに対しエラー訂正符号の付加、所定のフォーマットに従ったデータアドレスの付加、および、データ変調処理を施して記録信号を生成する。そしてデータ記録再生回路306は、トラックアドレス再生回路304で検出された同期位置のタイミングに従って、指定されたブロックに対して記録信号に応じたマークがトラック上に記録されるよう光ヘッド301の光ビームの強度を制御する。これにより、データが光ディスク300の情報記録層に記録される。
またデータ記録再生回路306は、CPU305からデータ再生の指示を受けたとき、トラックアドレス再生回路304で検出した同期位置のタイミングに従って、指定されたブロックにおいて、光ヘッド301から出力された再生信号から光ディスク300のトラック上に記録されたマークに応じたデータ信号を抽出する。そしてデータ記録再生回路306は、データ信号から前述の記録動作のデータ変調に従ったデータ復調を行い、さらにエラー訂正処理を行って再生データを出力する。
データアドレス再生回路307は、データ記録再生回路306における再生動作時に、データ記録時に付加されたデータアドレスをデータ復調結果から抽出する。そしてデータアドレス再生回路307は、トラック上の傷などによりデータ信号に異常が発生したときのデータ復調のタイミングずれの検出や、タイミングの補正を行う。
次に図6を参照しながら、CPU305におけるトラックアドレス再生回路304から得られるアドレス値の判定処理(算出処理)を説明する。図6は、光ディスク装置310の判定処理の手順を示すフローチャートである。
光ディスク300のトラックに予め記録されているアドレス(「媒体付与アドレス」とも称する。)についてのアドレスフォーマットは、既に説明したように図2(A)または図2(B)のとおりである。
まずステップS1において、CPU305は、トラックアドレス再生回路304から得られたアドレス値を参照して、復調された21ビットのアドレス値の下位3ビットのアドレスフラグの値を特定する。アドレスフラグの値は、下記(1)から(3)のいずれかの値、すなわち(1)0から5の範囲内の整数、(2)6、または(3)7、のいずれかの値を取り得る。
アドレスフラグの値が0から5の範囲内である場合、アドレスフォーマットは、図2(A)に示すとおりである。ステップS11において、CPU305はアドレスフラグの値をサブブロック番号であると判定する。さらにCPU305は、ブロックアドレスの値は00000から3FFFFまでの範囲内であると判定し、残りの上位18ビットの値をブロックアドレスの値の下位18ビットの値とする。ステップS12において、CPU305は、18ビットの値のさらに上位に1ビット分の0を仮想ビットとして追加し、合計19ビットの値をブロックアドレス値とする。
アドレスフラグの値が6の場合、アドレスフォーマットは、図2(B)に示すとおりである。ステップS21において、CPU305は、アドレスフラグのさらに上位の3ビットをサブブロック番号と判定し、ブロックアドレスの値は40000から47FFFの範囲内であると判定し、残りの上位15ビットの値をブロックアドレスの下位15ビットの0000から7FFFの値とする。そしてステップS22において、CPU305は、15ビットの値のさらに上位に4ビットの仮想ビットを追加し、アドレスフラグの値が6の場合はその値を8(16進数)とすることにより、合計19ビットのブロックアドレスの値とする。例えば図2(B)においては、アドレスフラグが"6"のとき、記録されているアドレス値21ビットは、000056(16進数)となる。しかしながら、上記判定処理により、ブロックアドレスは40001、サブブロック番号は2と解釈される。
一方、アドレスフラグの値が7の場合においても、アドレスフォーマットは、図2(B)に示すとおりとなる。ステップS31において、CPU305は、アドレスフラグのさらに上位の3ビットをサブブロック番号と判定する。そして、CPU305は、ブロックアドレスの値は48000から4FFFFの範囲内であると判定し、残りの上位15ビットの値をブロックアドレスの下位15ビットの0000から7FFFの値とする。ステップS32において、CPU305は、15ビットの値のさらに上位に4ビットの仮想ビットを追加し、アドレスフラグの値が7の場合はその値を9(16進数)とすることにより、合計19ビットのブロックアドレスの値とする。例えば、記録されているアドレス値21ビットが000057(16進数)の場合、上記判定処理により、ブロックアドレスが48001、サブブロック番号が2と解釈される。
図7(A)および(B)は、媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるアドレス(以下「ドライブ算出アドレス」と記述する。)との対応関係を示す。
図7(A)は、ブロックアドレス0x20005の場合の、媒体付与アドレスと対応関係を示す。
媒体付与アドレスの下位3ビットで示されるアドレスフラグの値は2であるため(図6の処理(1))、CPU305は、下位3ビットで示される値をサブブロック番号であると判定する(ステップS11)。また、CPU305は、媒体付与アドレスの上位18ビット(下位4ビットから最上位ビットまで)については、最上位ビットよりもさらに上位に値が0の1ビット("0")を仮想的に加え、19ビットを使ってブロックアドレスが0x20005として採用する(ステップS12)。
図7(B)は、ブロックアドレス0x40001の場合の、媒体付与アドレスと対応関係を示す。
媒体付与アドレスの下位3ビットで示されるアドレスフラグの値は6であるため、CPU305は、このアドレスは、40000から47FFFまでの拡張領域のブロックアドレスであることがわかる(図6の処理(2))。
まず、CPU305は、下位3ビットのアドレスフラグのさらに上位3ビット(下位3ビットから下位5ビットまで)で示される値をサブブロック番号として判定する(ステップS21)。この例ではサブブロック番号は「2」である。また、CPU305は、媒体付与アドレスの上位15ビット(下位6ビットから最上位ビットまで)については、最上位ビットよりもさらに上位に値が8の4ビット("1000")を仮想的に加え、計19ビットを使ってブロックアドレスが0x40001を示すものとして採用する(ステップS22)。
なお、図7(B)では、ブロックアドレスの値が40000から47FFFまでの範囲内に入る例を説明した。媒体付与アドレスの下位3ビットで示されるアドレスフラグの値が7であり、アドレスが48000から4FFFFまでの範囲内に入ることを示している場合には、CPU305は、値が9の4ビット("1001")を仮想的に加えてアドレスを算出すればよい。
CPU305が以上のアドレス値の判定処理を行うことにより、トラックアドレス再生回路304におけるアドレス値の復調処理として従来の光ディスクに対するアドレス値の復調処理と同じ処理を行えばよい。新たな回路や処理を追加する必要はないため、データの記録あるいは再生を行うターゲットとなるブロックの検索を容易に行うことができる。
アドレス値の判定処理の後、当該アドレスに記録されたデータの読み出し、または、当該アドレスに対するデータの記録が行われる。以下では、データの記録に関する処理を説明する。
データ記録再生回路306は、記録されるデータに対し、図4(A)または図4(B)に示すアドレスフォーマットにしたがったアドレスを付加する。
データがブロック毎に分割され、さらにセクタ毎にも分割される点は、実施形態1において図4を参照しながら説明したとおりである。
図4(A)に示すデータアドレスフォーマットを採用する場合には、データ記録再生回路306は、制御情報のビット数を9ビットではなく8ビットとし、1ビットをブロックアドレスの最上位の追加ビットとして利用する。これにより、合計19ビットのブロックアドレスの値として、00000から4FFFFまでの値を表すことができる。なお、制御情報のビット数を9ビットにしない理由は、先に説明したとおり、9ビット全てが制御情報として利用される必要はないためである。
図4(B)に示すデータアドレスフォーマットを採用する場合には、データ記録再生回路306は、従来セクタ番号を表していた5ビットを分割し、最下位1ビットをデータアドレスフラグとし、上位4ビットをデータユニット番号として利用する。データ記録再生回路306は、記録すべきブロックアドレスの値が00000から3FFFFまでのときはデータアドレスフラグを0とし、40000から4FFFFまでのときはデータアドレスフラグを1とする。従来の光ディスクでは、データアドレスがデータユニット毎に先頭に付加されるため、割り振られるセクタ番号は常に偶数であった。すなわち、最下位ビットは常に0であった。通常は0であるはずの最下位ビットを1として、その他のビットの解釈を実施形態1に説明したように変更することにより、従来のアドレスフォーマットと同じビット数で、アドレス40000から4FFFFまでをカバーするよう拡張することができる。
データアドレスにおいても、合計32ビットは変えていないため、データアドレス再生回路307の大きな変更は必要なく、CPU305におけるデータアドレスの確認処理のみ変更すればよく、容易にデータ記録容量の拡大に対応することができる。
データ記録再生回路306は、データの記録時は上述の図4(A)または図4(B)のいずれかのデータフォーマット従ってデータアドレスをデータに付加し、データ変調処理を施して記録信号を生成する。
また、データの再生時においては、データ記録再生回路306は、データ信号から前述の記録動作のデータ変調に従ったデータ復調を行った復調結果から、データアドレス情報32ビットを抽出してCPU305に通知する。CPU305は、図4(A)あるいは(B)のデータアドレスフォーマットに従ってブロックアドレスとセクタ番号あるいはデータユニット番号を確認する。CPU305は、トラックアドレス再生回路304によるトラックにあらかじめ記録されているブロックアドレスの再生が未だできていない間に、先にデータアドレスによるブロックアドレスが再生された場合、データアドレスのブロックアドレスを用いて再生を行うブロックの検索動作を行う。
以上のように、データが未記録の領域ではトラックにあらかじめ記録されているブロックアドレスを用い、データが既に記録されている領域では、トラックにあらかじめ記録されているブロックアドレスあるいはデータアドレスのどちらか先に再生されたアドレスを用いることにより、データの記録再生における検索動作の時間を短縮することが可能となる。
なお、上述の実施形態において、データアドレスの最上位追加ビットとして従来の制御情報の4ビットの最上位ビットを使用することとしたが、他のビットであってもよい。
(実施形態3)
上述の実施形態においては、予め記録されたアドレスおよび記録されるデータアドレスのアドレスフォーマットの一例を示した。
本実施形態においては、予め記録されたアドレスおよび記録されるデータアドレスのアドレスフォーマットの例を説明する。
図8(A)は従来の記録密度のBDの例を示す。本実施形態において「従来の記録密度」とは、情報記録層1層当たり25GBを想定している。
BDでは、レーザ波長は405nm、対物レンズの開口数(Numerical Aperture;NA)は0.85、トラックに記録される最短記録マーク2Tの長さは149nmである。
一方、図8(B)は、BDよりも高い記録密度の光ディスク(以下「高密度ディスク」と記述する。)の例を示す。高密度ディスクでは、情報記録層1層当たり33.4GB、すなわち従来の記録密度の1.336倍を想定している。
BDと同様、高密度ディスクで用いられるレーザ波長は405nm、対物レンズのNAは0.85である。ただし、トラックに記録される最短記録マーク2Tの長さは111.5nmとなり、BDよりも短い。これにより、BDより高記録密度を実現している。
光ビームで記録マークを再生した際の再生信号振幅は、記録マークが短くなるにしたがって低下し、光学的な分解能の限界でゼロとなる。この記録マークの周期の逆数を空間周波数といい、空間周波数と再生信号振幅の関係をOTF(Optical Transfer Function)という。再生信号振幅は、空間周波数が高くなるにしたがってほぼ直線的に低下し、ゼロになる。再生信号振幅がゼロになる限界(周波数)を「OTFカットオフ」という。
OTFカットオフは、レーザ波長λ、対物レンズの開口数NA、記録最短マーク長Tmおよび最短スペース長Tsから決まる。Tm+Tsがλ/(2NA)と等しい条件が光学的分解能の限界であり、Tm+Tsがこれより小さくなるとOTFカットオフを超えることになる。
図12は、従来の記録密度のBDにおけるOTFカットオフと最短記録マークとの関係を示す。従来の記録密度のBDの最短記録マークは、OTFカットオフに対して80%程度であり、再生信号振幅は約10%となっていることが分かる。最短記録マークの空間周波数がOTFカットオフを超える記録密度は、BDでは約31GBまたは約32GB相当になる。図8(B)で想定した記録密度はこれを超える。
本実施形態による高密度ディスクのアドレスフォーマットは、0から25GBまでの記録領域については、BDのアドレスフォーマットと互換性を持たせるように策定されている。すなわち、高密度ディスクのアドレスフォーマットで利用されるビット数は、BDのアドレスフォーマットで利用されるビット数と同じである。25GB以上の領域についても、ディスク上はBDのアドレスフォーマットと同じビット数であるが、拡張されたアドレスフォーマットでアドレスを記述している。
以下、BDのトラックに対するアドレスフォーマットおよび記録データに付加されるアドレスフォーマットを説明する。まず記録データに付加されるアドレスフォーマットを説明し、その後、トラックに対するアドレスフォーマットとともに、再生装置によるアドレスの算出方法を説明する。
図9は、BDのデータアドレスフォーマット90を示している。記録データに付加されるデータアドレスは、データユニット毎に挿入される。1データユニットは2セクタである。
BDでは、データアドレスは32ビットで表される。内訳は以下のとおりである。上位から順に、ビット番号31〜28はフラグビットが割り当てられている。フラグビットとは、BDのファイル管理領域(図示せず)に設けられている欠陥管理リストに、欠陥データアドレスを登録する際に付加される。ビット番号27は未使用のリザーブビットである。
ビット番号26〜24は情報記録層の層番号を表す。ビット番号23〜5はブロックアドレス番号を表す。ビット番号4〜1は当該ブロック内におけるデータユニット番号を表す。ビット番号4〜1にさらにビット番号0を加えた5ビットは、当該ブロック内におけるセクタ番号を表す。
ビット番号0のビット値は、"0"に固定されている。これは、図4(A)に示される最下位ビットの値が"0"に固定されていることと共通する。
本実施形態においては、上述のBDのアドレスフォーマットを拡張して、高密度ディスクのアドレスフォーマットを構築している。そこで、図5に示す光ディスク装置310が、高密度ディスクに記録されたアドレスから、拡張されたアドレスを算出する処理を説明する。
図10A〜図10Dは、高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるアドレス(以下「ドライブ算出アドレス」と記述する。)との対応関係を示す。
以下、図7(A)および(B)に記載された媒体付与アドレスと、図10Aおよび図10Bに記載された媒体付与アドレスとの相違点を説明する。相違点は2つである。
第1の相違点は、たとえば図10Aに示すように、BDおよび高密度ディスクにおいては最上位のビットから3ビット分(ビット番号23〜21)が層番号情報を示していることである。第0層のとき"000"となり、第1層のとき"001"となる。この相違に起因して、仮想的に付加されるビットの位置も相違する。
図10Aは、層番号0、ブロックアドレス0x2000A、サブブロック番号0x2のときの、媒体付与アドレスとドライブ算出アドレスとの関係を示している。
図10Aに示す例では、CPU305は、ビット番号21の位置にビット"0"を仮想的に付加し、ビット番号21から2までの20ビットをブロックアドレスとして採用する。そして、媒体付与アドレス23から21までのビットを、それぞれ1ずつビット番号を繰上げ、ビット番号24から22までを層番号を示す情報として採用する。
図10Bは、層番号0、ブロックアドレス0x80001、サブブロック番号2のときの、媒体付与アドレスとドライブ算出アドレスとの関係を示している。
図10Bに示す例では、CPU305は、媒体付与アドレスのビット番号4から20までのビットのさらに上位にビット数3のビット"100"を仮想的に付加し、ビット番号21から2までの20ビットをブロックアドレスとして採用する。そして、媒体付与アドレス23から21までのビットを、それぞれ1ずつビット番号を繰上げ、ビット番号24から22までを層番号を示す情報として採用する。
図10Aおよび図10Bは、いずれも層番号0の例を示している。次は、2層目の情報記録層の例を説明する。
高密度ディスクでは、物理アドレスはたとえば半径24mmでの値が決められている。層番号0のL0層の場合は内周から外周へ向かってデータが記録されていくので外周側のアドレス値が大きい側でアドレス拡張が必要となる。
しかし、層番号1のL1層の場合は、データは外周から内周へ向かって記録され、内周側の半径24mmでのアドレス値がL0層の同位置のビット反転として決められるため、アドレス拡張は外周側のアドレス値が小さい側で必要となる。
これを考慮すると、仮想追加ビットは、アドレスフラグが0〜2のときは層番号の最下位ビット(LSB)の1ビットとなる。また、アドレスフラグが3のときであって、層番号のLSBが"0"のときは、仮想追加ビットは"100"となり、層番号のLSBが"1"のときは、仮想追加ビットは"011"となる。
図10Cは、層番号1、ブロックアドレス0xE200A、サブブロック番号0x2のときの、媒体付与アドレスとドライブ算出アドレスとの関係を示している。
図10Cに示す例では、CPU305は、ビット番号21の位置にビット"1"を仮想的に付加し、ビット番号21から2までの20ビットをブロックアドレスとして採用する。そして、媒体付与アドレス23から21までのビットを、それぞれ1ずつビット番号を繰上げ、ビット番号24から22までを層番号を示す情報として採用する。
図10Dは、層番号1、ブロックアドレス0x70001、サブブロック番号2のときの、媒体付与アドレスとドライブ算出アドレスとの関係を示している。
図10Dに示す例では、CPU305は、媒体付与アドレスのビット番号4から20までのビットのさらに上位にビット数3のビット"011"を仮想的に付加し、ビット番号21から2までの20ビットをブロックアドレスとして採用する。そして、媒体付与アドレス23から21までのビットを、それぞれ1ずつビット番号を繰上げ、ビット番号24から22までを層番号を示す情報として採用する。
図7(A)および(B)の例では、光ディスク装置310のCPU305は、最上位ビットのさらに上位に1ビットまたは4ビットを仮想的に付加してブロックアドレスが算出したが、本実施形態では、仮想的に付加されるビットの位置が最上位ビットのさらに上位ではないことに留意されたい。
第2の相違点は、たとえば図10Aおよび図10Bに示すように、BDおよび高密度ディスクにおいては、アドレスフラグには2ビットが割り当てられている。これは、BDでは1ブロックに3つのサブブロックが含まれることに起因している。よって、アドレスフラグによって示されるサブブロック番号が0(0x0)から2(0x2)のときBD互換のアドレスフォーマットとなり、0x3のときが拡張領域を示すアドレスフォーマットになる。前者の場合には図10Aの算出処理が行われ、後者の場合には図10Bの算出処理が行われる。
上述のようにBDのアドレスフォーマットを拡張することにより、記述可能なアドレスを増加させることができる。
図11は、第0層における本実施形態の拡張フォーマットによって記述可能なアドレス値と最大記録可能領域との関係を示す。
なお、情報記録層において、ブロックアドレス0x08000よりも小さいブロックアドレスが付与された記録領域は、ファイル管理領域や記録学習領域として割り当てられている。一方、ブロックアドレス0x08000以降のブロックアドレスが付与された記録領域にはユーザデータが記録される。
BDでは、とり得るブロックアドレスの最大値が0x7FFFFであり、1ブロックあたり65536Bのユーザデータが記録されるので、最大記録可能容量は約32.2GBとなる。一方、拡張領域を有する高密度ディスクでは、ブロックアドレスの最大値が0x9FFFFまで拡大される。本実施形態による高密度ディスクでは、情報記録層1層当たり33.4GBであるとしたが、上述の拡張フォーマットによれば、40.8GBの記録容量までアドレスを指定できる。
なお、本実施形態においては、高密度ディスクの記録可能容量は、情報記録層1層当たり33.4GBであるとした。しかしこれは例である。たとえば30GB、33GB、33.3GBであってもよいし、34GB以上であってもよい。
以上、実施形態1から3を説明した。
なお、上述の実施形態において、トラックに対するアドレス値の記録はトラックの蛇行(ウォブリング)によるものとしたが、これに限定されるものではなく、トラック間のピット、トラック上のビットによっても実現されうるものである。
また、上述の実施形態において、データアドレスフラグが1であればブロックアドレスが40000以上であるとしたが、これに限定されるものではない。
なお、上述の実施形態において、データを記録可能な光ディスクに対する光ディスク装置の例を示したが、データがあらかじめ記録されている再生のみ可能な光ディスクに対する光ディスク装置であってもよい。
なお、本発明の光ディスク装置の構成要素は集積回路であるLSIとして実現され得る。光ディスク装置が備える構成要素は個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
ここでは、集積回路をLSIと呼んだが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、本発明の集積回路はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
なお最後に、本発明の光ディスクの一例として、BD(ブルーレイディスク)について、簡単に補足説明をする。ブルーレイディスクの主な光学定数と物理フォーマットについては、「ブルーレイディスク読本」(オーム社出版)やブルーレイアソシエーションのホームページ(http://www.blu-raydisc.com/)に掲載されているホワイトペーパに開示されている。
BDでは、波長405nm(誤差範囲の許容値を±5nmとすれば、400〜410nm)のレーザ光およびNA=0.85(誤差範囲の許容値を±0.01とすれば、0.84〜0.86)の対物レンズを用いる。トラックピッチは0.32μmであり、チャネルクロック周波数はBD標準転送レート(1X)において66MHz(66.000Mbit/s)であり、BD4Xの転送レートでは264MHz(264.000Mbit/s)、BD6Xの転送レートでは396MHz(396.000Mbit/s)、BD8Xの転送レートでは528MHz(528.000Mbit/s)である。標準線速度(基準線速度、1X)は4.917m/secである。
保護層(カバー層)の厚みに関しては、開口数を上げ焦点距離が短くなるのに伴い、またチルトによるスポット歪みの影響を抑えられるよう、DVDの0.6mmに対して、より薄い保護層、例えば媒体の総厚み1.2mm程度のうち、保護層の厚みを10〜200μm(より具体的には、1.1mm程度の基板に、単層ディスクならば0.1mm程度の透明保護層、二層ディスクならば0.075mm程度の保護層に0.025mm程度の中間層(SpacerLayer)としてもよい。三層以上のディスクならば保護層及び/又は中間層の厚みはさらに薄くなる。
また、このように薄い保護層への傷つき防止のため、保持領域(Clamp Area)の外側または内側に突起部を設けてもよい。特に保持領域の内側に設けた場合、保護層の傷つき防止に加え、ディスクの中心穴に近い部分に突起部があるため、突起部の重量バランスによる回転スピンドル(モータ)への負荷を軽減することや、光ヘッドは保持領域の外側にある情報記録領域にアクセスするため保持領域の内側に突起部を設けることで突起部と光ヘッドとの衝突を回避することができる。
そして、保持領域の内側に設けた場合、例えば外径120mmのディスクにおける具体的な位置は次のようにしてもよい。仮に中心穴の直径が15mm、保持領域が直径23mmから33mmの範囲内とした時、中心穴と保持領域の間、つまり直径15mmから23mmの範囲内に突起部を設けることになる。その際、中心穴からある程度の距離を設けてもよく(例えば中心穴の縁端から0.1mm以上(又は/及び0.125mm以下)離してもよい)。また、保持領域からある程度の距離を設けてもよい(例えば保持領域の内端から0.1mm以上(又は/及び0.2mm以下)離してもよい)。また、中心穴の縁端と保持領域の内端の両方からある程度の距離を隔てて設けてもよい(具体的な位置として、例えば、直径17.5mmから21.0mmの範囲内に突起部を設けてもよい)。なお、突起部の高さとしては、保護層の傷つきにくさや持ち上げ易さのバランスを考慮して決めればよいが、高くすぎても別の問題が発生するかも知れないので、例えば、保持領域から0.12mm以下の高さとしてもよい。
また、多層の積層の構成に関しては、例えば、レーザ光を保護層の側から入射して情報が再生及び/又は記録される片面ディスクとすると、記録層を二層以上にする場合、基板と保護層の間には複数の記録層が設けられることになるが、その場合における多層構造を次のようにしてもよい。つまり、光入射面から所定の距離を隔てた最も奥側の位置に基準層(L0)を設け、基準層から光入射面側に層を増やすように積層(L1,L2,・・・,Ln)し、また光入射面から基準層までの距離を単層ディスクにおける光入射面から記録層までの距離と同じ(例えば0.1mm程度)にする等である。このように層の数に関わらず最奥層までの距離を一定にすることで、基準層へのアクセスに関する互換性を保つことができ、また最奥層が最もチルトの影響を受けるが層数の増加に伴い最奥層までの距離が増加することがなくなるため、層数の増加に伴うチルト影響の増加を抑えることが可能となる。
また、スポットの進行方向/再生方向に関しては、例えば、全ての層において同じ、つまり全層にて内周方向から外周方向、又は全層にて外周方向から内周方向、というパラレル・パスであっても、オポジット・パス(基準層(L0)を内周側から外周側の方向とした場合、L1では外周側から内周側の方向、L2では内周側から外周側の方向、つまり、Lm(mは0及び偶数)では内周側から外周側の方向、Lm+1では外周側から内周側の方向(又は、Lm(mは0及び偶数)では外周側から内周側の方向、Lm+1では内周側から外周側の方向)というように層が切り替わる毎に再生方向が逆になる)であってもよい。
次に、記録信号の変調方式について簡単に述べる。データ(オリジナルのソースデータ/変調前のバイナリデータ)を記録媒体に記録する場合、所定のサイズに分割され、さらに所定のサイズに分割されたデータは所定の長さのフレームに分割され、フレーム毎に所定のシンクコード/同期符号系列が挿入される(フレームシンク領域)。フレームに分割されたデータは、記録媒体の記録再生信号特性に合致した所定の変調則に従って変調されたデータ符号系列として記録される(フレームデータ領域)。
ここで変調則としては、マーク長が制限されるRLL(RunLengthLimited)符号化方式などでもよく、RLL(d,k)と表記した場合、1と1の間に出現する0が最小d個,最大k個であることを意味する(dおよびkは、d<kを満たす自然数である)。例えばd=1,k=7の場合、Tを変調の基準周期とすると、最短が2T、最長が8Tの記録マーク及びスペースとなる。またRLL(1,7)変調に更に次の[1][2]の特徴を加味した1−7PP変調としてもよい。1−7PPの“PP”とは、Parity preserve/Prohibit Repeated Minimum Transition Lengthの略で、[1]最初のPであるParity preserveは、変調前のソースデータビットの“1”の個数の奇偶(すなわちParity)と、それに対応する変調後ビットパターンの“1”の個数の奇偶が一致していることを意味し、[2]後ろの方のPであるProhibit Repeated Minimum Transition Lengthは、変調後の記録波形の上での最短マーク及びスペースの繰り返し回数を制限(具体的には、2Tの繰り返し回数を最大6回までに制限)する仕組みを意味する。
一方、フレーム間に挿入されるシンクコード/同期符号系列には前述の所定の変調則は適用されないので、その変調則によって拘束される符号長以外のパターンを含ませることが可能となる。このシンクコード/同期符号系列は、記録されたデータを再生するときの再生処理タイミングを決定するもののため、次のようなパターンが含まれてもよい。
データ符号系列との識別を容易にするという観点からは、データ符号系列には出現しないパターンを含ませてもよい。例えば、データ符号系列に含まれる最長マーク/スペースよりも長いマーク又はスペースやそのマークとスペースの繰り返しである。変調方式が1−7変調の場合、マークやスペースの長さは2T〜8Tに制限されるので、8Tよりも長い9T以上のマーク又はスペースや、9Tマーク/スペースの繰り返し等である。
同期引き込み等の処理を容易にするという観点からは、マーク/スペースの遷移を多く発生させるパターンを含ませてもよい。例えば、データ符号系列に含まれるマーク/スペースの内、比較的短いマーク又はスペースやそのマークとスペースの繰り返しである。変調方式が1−7変調方式の場合、最短である2Tのマーク又はスペースや、2Tマーク/スペースの繰り返しや、次最短である3Tのマーク又はスペースや、3Tマーク/スペースの繰り返し等である。
前述の同期符号系列とデータ符号系列を含む領域を仮にフレーム領域と呼び、そのフレーム領域を複数(例えば31個)含む単位を仮にアドレスユニット(Address Unit)と呼ぶことにすると、あるアドレスユニットにおいて、そのアドレスユニットの任意のフレーム領域に含まれる同期符号系列と、その任意のフレーム領域以外のフレーム領域に含まれる同期符号系列との符号間距離を2以上にしてもよい。ここで符号間距離とは、2つの符号系列を比較した場合、符号系列中の異なるビットの個数を意味する。この様に符号間距離を2以上にすることで、再生時のノイズの影響などにより一方の読み出し系列が1ビットシフト誤りを起こしても、もう一方と誤識別することがない。また、そのアドレスユニットの先頭に位置するフレーム領域に含まれる同期符号系列と、先頭以外に位置するフレーム領域に含まれる同期符号系列との符号間距離を2以上にしてもよく、この様にすることで、先頭箇所か否か、アドレスユニットの区切り箇所か否かの識別を容易にすることができる。
なお符号間距離は、NRZ記録のときは符号系列をNRZ表記した場合、NRZI記録の時は符号系列をNRZI表記した場合における符号間距離の意味を含んでいる。そのため、もしRLL変調を採用した記録の場合、このRLLとはNRZIの記録波形の上で高レベル又は低レベルの信号が続く個数を制限することを意味するものであるため、NRZI表記における符号間距離が2以上ということを意味する。
本発明は、光ディスクの記録密度の高密度化において有用であり、大容量な光ディスク、光ディスク装置、光ディスク記録再生方法、集積回路に利用できる。
本発明は、情報記録媒体の所定の位置に情報を正しく記録再生するために用いるアドレス情報のフォーマット、および該アドレス情報フォーマットに従った情報の記録再生の技術に関する。
近年、高密度の光ディスクの研究開発が盛んに行われている。現在、たとえば、Blu−ray Disc(BD)が提案、実用化され、デジタル放送の録画等に使用されるようになり、光ディスクは重要な情報媒体としての地位を築きつつある。また更なる高密度化の流れとして、BDよりも記録密度を高めて記録容量を拡大する研究開発も行われている。
図13は、従来の光ディスクにおいて、トラックに予め記録されているトラックアドレスのフォーマットの例を示している。なお、この図は、上述したBDのトラックアドレスのフォーマットを示すものではない。
トラックは、データの記録単位64kB(キロバイト)毎にブロックに分けられて、順にブロックアドレス値が割り振られている。ブロックは、所定の長さのサブブロックに分割され、6個のサブブロックで1ブロックを構成している。サブブロックは、前から順に0から5までのサブブロック番号が割り振られている。
ブロックアドレスを表す18ビットのデジタル情報と、サブブロック番号を表す3ビットのデジタル情報をあわせた合計21ビットのデジタル情報が、サブブロック毎にトラックに予め記録されている。当該従来の光ディスクの記録再生を行う光ディスク装置は、サブブロック毎に前記21ビットのデジタル情報を再生することにより、ブロックアドレスとサブブロック番号を追従しながらターゲットブロックを検索し、ターゲットブロックに対してデータの記録あるいは再生を行うことができる。
図14は、従来の光ディスクのアドレスフォーマットにより表現できるアドレス範囲とデータの記録容量の関係を示している。
従来の光ディスクでは、図13に示すとおりブロックアドレスとして18ビットのデジタル情報が割り振られている。例えば記録容量が15ギガバイト(GB)の場合、ブロックアドレスの値は00000から39387(16進数)の数で表されている。
図15は、従来の光ディスクにおいて、データ記録時にデータに付加されるデータアドレスのアドレスフォーマットを示した図である。
記録されるデータは、64キロバイト(kB)毎にブロックに分割されて記録される。データのブロックのサイズは、トラックが分割されたときのブロックと同じサイズを得る。各ブロックはさらに2kB毎のセクタに分割される。その結果、1ブロックには32個のセクタが含まれる。
連続する2つのセクタは、1つのデータユニットとして管理される。各データユニットの先頭には4バイト(32ビット)のデータアドレス情報が挿入されてトラックに記録される。図15に示すとおり、従来のデータアドレス情報は、下位ビット側から、5ビットのセクタ番号、18ビットのブロックアドレス値、および9ビットの制御情報を含んでおり、合計32ビットで構成されている。なお、制御情報は、たとえば記録層が複数存在する場合の層情報を記述するために用いられる。
データアドレスは各データユニットの先頭に付加される。よって、割り振られる下位5ビットのセクタ番号は常に偶数になる。これは、最下位ビットの値が常に0となることを意味する。
18ビットのブロックアドレス値は、トラックにあらかじめ記録されたブロックアドレスと同じ値であり、データを記録する対象となるブロックのブロックアドレス値が割り振られる(例えば、特許文献1参照)。
従来の光ディスクのアドレスフォーマットによれば、ブロックアドレスとして割り振られるデジタル情報は18ビットであり、図14に示されように最大3FFFFまでの値しか表現できない。これは、拡張可能な記憶領域が16.7GBまでにしかならないことを意味する。これでは、大幅な記録容量の拡大の要望に対し、16.7GB以上の容量を有する光ディスクにまで拡張することができない。
記録容量を拡大するために、トラックに記録するブロックアドレスを表すデジタル情報を19ビット以上に増やすと、アドレスフォーマットが従来の光ディスクと全く異なり互換性がなくなってしまうため、新たなアドレスフォーマットに対応したハードウェア(光ディスク装置、光ディスク製造装置)を実装する必要があり、大幅なコスト増加となってしまう。
また、同様に、データアドレスにおいてもブロックアドレスを表すデジタル情報は18ビットであるため、00000から3FFFFまでの範囲のブロックアドレスを表現できるにとどまり、容量を拡張することができない。
本発明の目的は、従来の光ディスクのアドレスフォーマットと互換性を保ちつつ、従来の光ディスクよりも大きい容量を管理可能なアドレスフォーマットを提供し、さらに、そのようなアドレスフォーマットにしたがって情報の記録・再生を行うことが可能な装置および方法を提供することである。
本発明による光ディスクは、データが記録されるトラックが複数のブロックに分割され、各ブロックがL個のサブブロックから構成されている光ディスクであって、各サブブロックには、前記各サブブロックによって構成されるブロックのブロックアドレスを特定するMビットの第1のデジタル情報と、L以上の数値を表現可能なNビットの第2のデジタル情報とが記録されており、前記ブロックアドレスの値が閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値以外の値を示している、あるいは、前記ブロックアドレスの値が閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値以外の値を示している。
前記光ディスクは複数のデータが記録される層を有しており、偶数あるいは奇数の一方の層では、前記ブロックアドレスの値が閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値以外の値を示しており、他方の層では、前記ブロックアドレスの値が閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値以外の値を示していてもよい。
前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
前記閾値は、前記Mビットのデジタル値で表される最大値である、あるいは前記Mビットのデジタル値で表される最小値であってもよい。
前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第1のデジタル情報は前記ブロックアドレスを特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第1のデジタル情報は、前記各サブブロックに割り振られるサブブロック番号を特定する値と、前記各サブブロックによって構成されるブロックのブロックアドレスの一部を特定する値とを示している、あるいは、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第1のデジタル情報は前記ブロックアドレスを特定する値を示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第1のデジタル情報は、前記各サブブロックに割り振られるサブブロック番号を特定する値と、前記各サブブロックによって構成されるブロックのブロックアドレスの一部を特定する値とを示していてもよい。
前記Mビットの前記第1のデジタル情報のうち、下位Nビットは前記サブブロック番号を特定する値を示しており、上位M−Nビットは前記ブロックアドレスの下位M−Nビットを示していてもよい。
前記トラックに記録されたデータは、各々が前記複数のブロックの各々と同じデータサイズの複数のブロックに分割され、各ブロックは複数のセクタから構成されており、前記データには、各ブロックのブロックアドレスを特定する第3のデジタル情報、および、前記各ブロック内のセクタの番号を特定する第4のデジタル情報を少なくとも含む、第5のデジタル情報が付加されていてもよい。
前記第3のデジタル情報は(M+1)ビットのデジタル情報であり、前記閾値以上のブロックアドレスの値を表すことが可能である、あるいは前記閾値未満のブロックアドレスの値を表すことが可能であってもよい。
前記第5のデジタル情報は、前記セクタに分割された前記データに対して2セクタ毎に付加されており、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じMビットのデジタル情報であり、前記第3のデジタル情報には、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られており、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、偶数および奇数の一方の値を示しており、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、偶数および奇数の他方の値を示している、あるいは、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、偶数および奇数の一方の値を示しており、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、偶数および奇数の他方の値を示していてもよい。
記録されるデータ容量が25ギガバイト以上であってもよい。
前記第1のデジタル情報は19ビットであり(M=19)、前記第2のデジタル情報は2ビットであり(N=2)、下位ビットから順に前記第2のデジタル情報および前記第1のデジタル情報が配置されていてもよい。
前記ブロックアドレスの値が閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を、0x0から0x2(16進数表記)のいずれかで示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を、0x3で示している、あるいは、前記ブロックアドレスの値が閾値以上の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を、0x0から0x2(16進数表記)のいずれかで示しており、前記ブロックアドレスの値が前記閾値未満の場合には、前記第2のデジタル情報は、前記各サブブロックに予め割り振られた番号を特定する値を、0x3で示していてもよい。
トラックに照射するレーザの波長がλ、レーザをトラックに集光する対物レンズの開口数がNA、トラック上に記録される最短マーク長がTmおよび最短スペース長がTsであり、(Tm+Ts)<λ/(2NA)となっていてもよい。
前記レーザの波長λが400nmから410nmであってもよい。
前記対物レンズの開口数NAが0.84から0.86であってもよい。
前記最短マーク長Tmと最短スペース長Tsを加算した長さTm+Tsが、238.2nm未満であってもよい。
前記光ディスクに記録されるデータは1−7変調則を用いて変調され、最短マーク長は2T、最短スペース長は2Tであってもよい。
本発明による光ディスク装置は、上述の光ディスクに対し、データの記録および再生の少なくとも一方を行うことが可能な光ディスク装置であって、前記光ディスクに対して光ビームを放射し、反射光の光量に応じた再生信号を出力する光ヘッドと、前記再生信号に基づいて、前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報を再生するトラックアドレス再生回路と、再生された前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報から、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定して、前記光ヘッドが前記光ビームを放射するトラック位置を制御するプロセッサと、前記再生信号に基づくデータの再生、および、前記再生信号に基づく前記トラックへの前記データの記録の少なくとも一方を行うために、前記光ヘッドから照射される前記光ビームのパワーを制御する、データ記録・再生回路とを備えており、前記プロセッサは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、あるいは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、判定結果に基づいて、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定する。
本発明によるチップ回路は、上述の光ディスクに対し、データの記録および再生の少なくとも一方を行うことが可能な光ディスク装置に組み込まれるチップ回路であって、前記光ディスク装置は、前記光ディスクに対して光ビームを放射し、反射光の光量に応じた再生信号を出力する光ヘッドを備えており、前記チップ回路は、前記再生信号に基づいて、前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報を再生するトラックアドレス再生回路と、再生された前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報から、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定して、前記光ヘッドが前記光ビームを放射するトラック位置を制御するプロセッサと、前記再生信号に基づくデータの再生、および、前記再生信号に基づく前記トラックへの前記データの記録の少なくとも一方を行うために、前記光ヘッドから照射される前記光ビームのパワーを制御する、データ記録・再生回路とを備えており、前記プロセッサは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、あるいは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、判定結果に基づいて、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定する。
本発明によるアドレス再生方法は、上述の光ディスクに対し、データの記録および再生の少なくとも一方を行うことが可能な光ディスク装置で実行されるアドレス再生方法であって、前記光ディスクに対して光ビームを放射し、反射光の光量に応じた再生信号を出力するステップと、前記再生信号に基づいて、前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報を再生するステップと、再生された前記第1のデジタル情報および前記第2のデジタル情報から、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定して、前記光ヘッドが前記光ビームを放射するトラック位置を制御するステップと、前記再生信号に基づくデータの再生、および、前記再生信号に基づく前記トラックへの前記データの記録の少なくとも一方を行うために、前記光ヘッドから照射される前記光ビームのパワーを制御するステップとを包含し、前記制御するステップは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、あるいは、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値以上の値であると判定し、前記第2のデジタル情報が、前記各サブブロックに予め割り振られた番号のいずれかを特定する値以外の値を示しているときには、前記第1のデジタル情報によって示される前記ブロックアドレスが前記閾値未満の値であると判定し、判定結果に基づいて、前記ブロックアドレスおよび前記サブブロックの番号を特定する。
また、前記課題を解決するため、本発明の光ディスクは、データを記録するトラックが所定のデータ量に相当するブロック単位に分割され、前記ブロックはさらにL個のサブブロックに分割され、前記トラックには、前記ブロック単位に割り振られるブロックアドレスとしてMビットの第1のデジタル情報と、前記サブブロック単位に割り振られるサブブロック番号としてNビットの第2のデジタル情報の両方のデジタル情報が前記サブブロック毎に記録されている光ディスクであって、前記ブロックアドレスの値が所定の第1の閾値未満の場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報にL個の前記サブブロック番号に相当する値を割り振り、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報の値に、前記ブロックアドレスの値が2のM乗未満の場合に割り振ったL個の値以外の値を割り振ることを特徴とする。
また、前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
また、前記所定の第1の閾値は、Mビットのデジタル値で表される最大値であってもよい。
また、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報に前記ブロックアドレスの値と同じ値を割り振り、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の下位Nビットに、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合に割り振ったL個の前記サブブロック番号に相当する値を同様に割り振り、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットに前記ブロックアドレスの下位M−Nビットの値を割り振ってもよい。
また、前記トラックに記録されるデータは、前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割され、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報が追加された後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録されてもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記第5のデジタル情報は、前記セクタに分割された前記データに対して2セクタ毎に追加され、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じくMビットのデジタル情報で、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られ、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は偶数あるいは奇数のどちらか一方の値とし、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合とは異なるように、奇数あるいは偶数としてもよい。
本発明の光ディスク装置は、データを記録するトラックが所定のデータ量に相当するブロック単位に分割され、前記ブロックはさらにL個のサブブロックに分割され、前記トラックには、前記ブロック単位に割り振られるブロックアドレスとしてMビットの第1のデジタル情報と、前記サブブロック単位に割り振られるサブブロック番号としてNビットの第2のデジタル情報の両方のデジタル情報が前記サブブロック毎に記録されている光ディスクに対して、前記データの記録再生を行う光ディスク装置であって、前記データの記録再生のために前記トラックに対するレーザ照射と反射光の検出を行うレーザ記録再生手段と、前記反射光を検出した再生信号から前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報を再生するアドレス再生手段と、再生された前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報とから前記ブロックアドレスと前記サブブロック番号を判定して、前記レーザ記録再生手段がレーザ照射するトラック位置を制御する記録再生位置制御手段と、前記反射光を検出した再生信号からの前記データの再生、あるいは前記トラックに前記データを記録するための前記レーザ記録再生手段のレーザ照射パワーを制御するデータ記録再生手段とから構成され、前記記録再生位置制御手段は、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが所定の第1の閾値未満の値であると判断し、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値以外の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが前記所定の第1の閾値以上の値であると判断してトラック位置の制御を行うことを特徴とする。
また、前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
また、前記所定の第1の閾値は、Mビットのデジタル値で表される最大値であってもよい。
また、前記記録再生位置制御手段は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報を前記サブブロック番号の値とし、前記Mビットの第1のデジタル情報を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の下位Nビットを前記サブブロック番号とし、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットを前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
また、前記記録再生位置制御手段は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットと、さらに上位にN+1ビットの値を前記ブロックアドレスの値が連続した値となるように付加した値を前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
また、前記データの記録時において、前記データ記録再生手段は、前記トラックに記録するデータを前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割し、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報を追加した後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録する制御を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記データの記録時において、前記データ記録再生手段は、前記セクタに分割した前記データに対して、2セクタ毎に前記第5のデジタル情報を追加し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じくMビットのデジタル情報で、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られ、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は偶数あるいは奇数のどちらか一方の値とし、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合とは異なるように、奇数あるいは偶数としてもよい。
また、前記データは、前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割され、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報が追加された後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録されており、前記データの再生時において、前記データ記録再生手段は、再生したデータから前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を抽出し、前記記録再生位置制御手段は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報が未だ再生できていない間に、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報が先に得られた場合は、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を用いて再生するトラック位置の制御を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記第5のデジタル情報は2セクタ毎に前記データに追加されてトラックに記録されており、前記記録再生位置制御手段は、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が偶数(あるいは奇数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満であると判断し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が逆に奇数(あるいは偶数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上と判断してもよい。
また、前記記録再生位置制御手段は、再生した前記データから抽出した前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの1を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
本発明の光ディスク記録再生方法は、データを記録するトラックが所定のデータ量に相当するブロック単位に分割され、前記ブロックはさらにL個のサブブロックに分割され、前記トラックには、前記ブロック単位に割り振られるブロックアドレスとしてMビットの第1のデジタル情報と、前記サブブロック単位に割り振られるサブブロック番号としてNビットの第2のデジタル情報の両方のデジタル情報が前記サブブロック毎に記録されている光ディスクに対して、前記データの記録再生を行う光ディスク記録再生方法であって、前記データの記録再生のために前記トラックに対するレーザ照射と反射光の検出を行うレーザ記録再生ステップと、前記反射光を検出した再生信号から前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報を再生するアドレス再生ステップと、再生された前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報とから前記ブロックアドレスと前記サブブロック番号を判定して、前記レーザ記録再生ステップがレーザ照射するトラック位置を制御する記録再生位置制御ステップと、前記反射光を検出した再生信号からの前記データの再生、あるいは前記トラックに前記データを記録するための前記レーザ記録再生ステップのレーザ照射パワーを制御するデータ記録再生ステップとから構成され、前記記録再生位置制御ステップは、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが所定の第1の閾値未満の値であると判断し、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値以外の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが前記所定の第1の閾値以上の値であると判断してトラック位置の制御を行うことを特徴とする。
また、前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
また、前記所定の第1の閾値は、Mビットのデジタル値で表される最大値であってもよい。
また、前記記録再生位置制御ステップは、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報を前記サブブロック番号の値とし、前記Mビットの第1のデジタル情報を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の下位Nビットを前記サブブロック番号とし、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットを前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
また、前記記録再生位置制御ステップは、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットと、さらに上位にN+1ビットの値を前記ブロックアドレスの値が連続した値となるように付加した値を前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
また、前記データの記録時において、前記データ記録再生ステップは、前記トラックに記録するデータを前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割し、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報を追加した後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録する制御を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記データの記録時において、前記データ記録再生ステップは、前記セクタに分割した前記データに対して、2セクタ毎に前記第5のデジタル情報を追加し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じくMビットのデジタル情報で、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られ、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は偶数あるいは奇数のどちらか一方の値とし、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合とは異なるように、奇数あるいは偶数としてもよい。
また、前記データは、前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割され、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報が追加された後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録されており、前記データの再生時において、前記データ記録再生ステップは、再生したデータから前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を抽出し、前記記録再生位置制御ステップは、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報が未だ再生できていない間に、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報が先に得られた場合は、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を用いて再生するトラック位置の制御を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記第5のデジタル情報は2セクタ毎に前記データに追加されてトラックに記録されており、前記記録再生位置制御ステップは、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が偶数(あるいは奇数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満であると判断し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が逆に奇数(あるいは偶数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上と判断してもよい。
また、前記記録再生位置制御ステップは、再生した前記データから抽出した前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判断した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用い、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判断した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの1を付加した値を前記ブロックアドレスの値として用いてもよい。
本発明の集積回路は、データを記録するトラックが所定のデータ量に相当するブロック単位に分割され、前記ブロックはさらにL個のサブブロックに分割され、前記トラックには、前記ブロック単位に割り振られるブロックアドレスとしてMビットの第1のデジタル情報と、前記サブブロック単位に割り振られるサブブロック番号としてNビットの第2のデジタル情報の両方のデジタル情報が前記サブブロック毎に記録されている光ディスクを再生した再生信号から、前記ブロックアドレスと前記サブブロック番号を検出する集積回路であって、前記再生信号から前記トラックに記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報を復調する復調手段と、復調された前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報とから前記ブロックアドレスと前記サブブロック番号を判定するアドレス判定手段とから構成され、前記アドレス判定手段は、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが所定の第1の閾値未満の値であると判定し、前記第2のデジタル情報の値がL個の前記サブブロック番号に相当する値以外の場合は前記第1のデジタル情報により表される前記ブロックアドレスが所定の第1の閾値以上の値であると判定することを特徴とする。
また、前記Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数であってもよい。
また、前記所定の第1の閾値は、Mビットのデジタル値で表される最大値であってもよい。
また、前記アドレス判定手段は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判定した場合は、前記Nビットの第2のデジタル情報を前記サブブロック番号の値とし、前記Mビットの第1のデジタル情報を前記ブロックアドレスの値として判定し、前記ブロックアドレスの値が所定の第1の閾値以上の値であると判定した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の下位Nビットを前記サブブロック番号とし、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットを前記ブロックアドレスの値として判定してもよい。
また、前記アドレス判定手段は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判定した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として判定し、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判定した場合は、前記Mビットの第1のデジタル情報の上位M−Nビットと、さらに上位にN+1ビットの値を前記ブロックアドレスの値が連続した値となるように付加した値を前記ブロックアドレスの値として判定してもよい。
また、前記データの記録を行うための記録信号を生成するデータ記録手段をさらに設け、前記データ記録手段は、前記トラックに記録するデータを前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割し、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報を追加した後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録する記録信号を出力してもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記データ記録手段は、前記セクタに分割した前記データに対して、2セクタ毎に前記第5のデジタル情報を追加し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第3のデジタル情報は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と同じくMビットのデジタル情報で、記録対象となる前記ブロックアドレスの下位Mビットの値が割り振られ、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報は、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合は偶数あるいは奇数のどちらか一方の値とし、記録対象となる前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の場合は、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の場合とは異なるように、奇数あるいは偶数としてもよい。
また、前記データは、前記ブロックからさらに所定数のセクタに分割され、前記トラックの記録対象となるブロックのブロックアドレスを表す第3のデジタル情報と、前記ブロック内の前記セクタの番号を表す第4のデジタル情報との両方を少なくとも含む第5のデジタル情報が追加された後、前記トラックの記録対象となるブロックに記録されており、前記再生信号から前記データの再生を行うデータ再生手段をさらに設け、前記データ再生手段は、再生したデータから前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を抽出し、前記アドレス判定手段は、前記トラックにあらかじめ記録されている前記第1のデジタル情報と前記第2のデジタル情報が未だ再生できていない間に、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報が先に得られた場合は、前記データから抽出した前記第3のデジタル情報と前記第4のデジタル情報を用いてアドレスの判定を行ってもよい。
また、前記第3のデジタル情報はM+1ビットのデジタル情報で前記所定の第1の閾値以上の前記ブロックアドレスの値を表してもよい。
また、前記第5のデジタル情報は2セクタ毎に前記データに追加されてトラックに記録されており、前記アドレス判定手段は、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が偶数(あるいは奇数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満であると判定し、前記第5のデジタル情報に含まれる前記第4のデジタル情報が逆に奇数(あるいは偶数)の場合は前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上と判定してもよい。
また、前記アドレス判定手段は、再生した前記データから抽出した前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値未満の値であると判定した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの0を付加した値を前記ブロックアドレスの値として判定し、前記ブロックアドレスの値が前記所定の第1の閾値以上の値であると判定した場合は、前記第3のデジタル情報と、さらに上位に1ビットの1を付加した値を前記ブロックアドレスの値として判定してもよい。
本発明によれば、ブロックアドレスの値が2のM乗未満の場合はNビットの第2のデジタル情報にL個のサブブロック番号に相当する値を割り振り、ブロックアドレスの値が2のM乗以上の場合はNビットの第2のデジタル情報の値にブロックアドレスの値が2のM乗未満の場合に割り振ったL個の値以外の値を割り振ることにより、合計のビット数はそのままに、Mビットの第1のデジタル情報により表されるブロックアドレスの値が2のM乗未満かどうかが示され、2のM乗以上の値であっても表現することが可能となる。
また、サブブロック毎に記録するデジタル情報量は従来と変わらず、記録する値を変えれば対応できるため、記録容量を拡大した光ディスクを製造する装置を大きく変更することなくそのまま利用し製造コストの増大を防ぐことができる。
また、同様に光ディスクにデータを記録再生する光ディスク装置においても、サブブロック毎に記録されたデジタル情報を再生する処理は従来と変わらず、再生したデジタル情報の値の処理方法を変えるだけで対応できるため、デジタル情報を再生するハードウェアの変更は必要なく、システムの複雑化やハードウェア規模増大によるコスト増を防ぐことができる。また、従来のアドレスフォーマットで表現できるアドレス領域内は従来と変わりはないため、容易に互換性を保つことができる。
また、記録するデータに追加するデータアドレスも同様に2のM乗以上のブロックアドレスを表すことができる。
光ディスク1の物理的構成を示す図である。
(A)および(B)は、本実施形態における光ディスク1のトラック2に予め記録されているアドレスのフォーマットを示す図である。
光ディスクのデータ記録容量とブロックアドレスおよびアドレスフラグに記録される値の関係を示した図である。
(A)および(B)は、それぞれ、本実施形態における光ディスクに記録されるデータに対して付加されるデータアドレスのアドレスフォーマットを示した図である。
実施形態2による光ディスク装置310の構成を示すブロック図である。
光ディスク装置310の判定処理の手順を示すフローチャートである。
(A)および(B)は、媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるアドレス(ドライブ算出アドレス)との対応関係を示す図である。
(A)は従来の記録密度のBDの例を示す図であり、(B)は、BDよりも高い記録密度の高密度ディスクの例を示す図である。
BDのデータアドレスフォーマット90を示す図である。
高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるドライブ算出アドレスとの対応関係を示す図である。
高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるドライブ算出アドレスとの対応関係を示す図である。
高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるドライブ算出アドレスとの対応関係を示す図である。
高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるドライブ算出アドレスとの対応関係を示す図である。
実施形態3にかかる拡張フォーマットによって記述可能なアドレス値と最大記録可能領域との関係を示す図である。
従来の記録密度のBDにおけるOTFカットオフと最短記録マークとの関係を示す。
従来の光ディスクにおいて、トラックに予め記録されているトラックアドレスのフォーマットの例を示す図である。
従来の光ディスクのアドレスフォーマットにより表現できるアドレス範囲とデータの記録容量の関係を示す図である。
従来の光ディスクにおいて、データ記録時にデータに付加されるデータアドレスのアドレスフォーマットを示す図である。
以下、本発明に係る光ディスクあるいは光ディスク装置の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、光ディスク1の物理的構成を示す。円盤状の光ディスク1には、たとえばスパイラル状に多数のトラック2が形成されており、各トラック2には細かく分けられた多数のセクタが形成されている。なお、後述するように、各トラック2には予め定められたサイズのブロック3を単位としてデータが記録される。
本実施形態による光ディスク1は、従来の光ディスクよりも情報記録層1層あたりの記録容量が拡張されている。記録容量の拡張は、たとえば光ディスクに記録される記録マークのマーク長をより短くすることによって実現される。
記録容量の拡張に対応して、本実施形態ではアドレスの記述方法も拡張している。たとえば、従来の光ディスクの情報記録層1層あたりの記録容量が16.7GBであるとする(図14)。このとき、トラックアドレスおよびデータアドレスを表すためのブロックアドレスは18ビットで表されている(図13および図15)。なお、アドレス値は合計21ビットで記述されており、その内訳は上位18ビットのブロックアドレスと下位3ビットのアドレスフラグである。
これに対し、本実施形態による光ディスク1の情報記録層1層あたりの記録容量は21GBに拡張されている。トラックアドレスおよびデータアドレスを表すためのブロックアドレスの記述方法は以下のとおりである。
まず、0から16.7GBまでの記録領域に対応するアドレスの記述方法は、従来と同様である。従来の光ディスクとの互換性が確保されているため、既存の機器は本実施形態による光ディスクからデータを読み出し、またデータを書き込むことができる。
一方、16.7GBを超える記録領域(以下「拡張領域」と呼ぶ。)に対するアドレスの記述方法は、(1)下位3ビットのアドレスフラグとして従来の光ディスクでは記述され得ない値を記述することにより、拡張領域のアドレスが記述されていることを表し、(2)上位18ビットで、拡張領域を特定するアドレスの一部を表す。「アドレスの一部」である理由は、18ビットというビット数では拡張領域のアドレス全体を記述できないためである。そのため、拡張領域の読み出し時には、完全なアドレスを特定する特別な処理を行う必要がある。この処理は「仮想ビットの付加」として後に詳細に説明する。
なお、上述の実施形態において、トラックに対するアドレス値の記録方法は、トラックの蛇行(ウォブリング)、トラック間のピット、トラック上のビットによって実現され得る。
図2(A)および(B)は、本実施形態における光ディスク1のトラック2に予め記録されているアドレスのフォーマットを示す図である。
データは64kBのデータ量毎にエラー訂正符号化処理が行われたブロック3を単位としてトラック2に記録される。トラック2にはブロック単位でブロックアドレスが割り振られている。
各ブロックは、6個のサブブロックに分割され、各サブブロックには前から順に0から5のサブブロック番号が割り振られている。トラック2には、サブブロック毎にブロックアドレス値とサブブロック番号とをあわせた21ビットのアドレス値が予め記録されている。なお、図示されている「仮想ビット」は後述する実施形態2にかかる光ディスク装置がアドレスを特定する処理を行う際に付加するものであり、光ディスク1に記述されているものではない。
図2(A)は、本実施形態による、ブロックアドレスの値が00000から3FFFFまでの領域のためのアドレスフォーマットを示している。
サブブロック毎に記録されている21ビットのアドレス値は、ブロックアドレス(上位18ビット)とアドレスフラグ(下位3ビット)を表している。18ビットのブロックアドレスには、各ブロックに対応した00000から3FFFFまでのブロックアドレスの値がそのまま記録されている。アドレスフラグ3ビットには、各サブブロックの0から5のサブブロック番号の値がそのまま記録されている。
上述のように、1つのブロックに含まれるサブブロックの数は6つであるため、サブブロック番号は0から5までの範囲内の整数になる。本実施形態においては、3ビットのアドレスフラグによって表された数が0から5までの範囲内の整数である場合には、上位18ビットは00000から3FFFFまでのブロックアドレスを示している。
なお、アドレスフラグの「3ビット」は、サブブロック数6(数値としては0から5)を表現可能なビット数として定められている。一般化すると、アドレスフラグがNビットとして規定されるとき、サブブロック数Lは、N−1ビットのデジタル値で表される最大値より大きく、かつNビットのデジタル値で表される最大値未満の数である。
以上のように、ブロックアドレスの値が18ビットで表現できる00000から3FFFFまでの範囲内であれば、本実施形態による光ディスク1に記録されている21ビットのアドレス値の内容は、従来の光ディスクのアドレスフォーマットと同じである。これにより、本実施形態による光ディスク1は、容易に従来の光ディスクとの互換性を保つことが可能となっている。
図2(B)は、本実施形態による、ブロックアドレスの値が40000から4FFFFまでの拡張領域用のアドレスフォーマットを示している。
トラック2がブロック3から構成され、各ブロック3が6つのサブブロック0〜5から構成される点は、図2(A)と同じである。また、サブブロック毎に記録されている21ビットのアドレス値が、ブロックアドレス18ビットとアドレスフラグ3ビットから構成されることは、ブロックアドレスの値が00000から3FFFFまでの領域と同様である。
ただし、図2(B)においては、アドレスフラグ3ビットに「6」または「7」が記録されている。図2(A)に関連して説明したように、「6」または「7」はサブブロック番号として取り得ない値である。そこで、アドレスフラグ3ビットが「6」または「7」を示しているときは、ブロックアドレスの値が00000から3FFFFではないこと、すなわちブロックアドレスの値が40000以上であることを示すことができる。換言すれば、アドレスフラグ3ビットに0から5までの数値以外の数値が記述されているときは、アドレスフラグを拡張領域が存在することを示すフラグとして規定できる。なお、ブロックアドレスの値が40000から47FFFまでの領域に対してはアドレスフラグとして"6"が記録され、ブロックアドレスの値が48000から4FFFFまでの領域に対してはアドレスフラグとして"7"が記録される。
3ビットのアドレスフラグよりも上位に配された18ビットは、サブブロック番号を記録する下位側3ビットとブロックアドレスの値を記録する上位側15ビットとに分けられ、それぞれ新たな意味を示すものとして利用される。下位側3ビットには、各サブブロックの0から5までのサブブロック番号の値がそのまま記録されている。上位側15ビットには、ブロックアドレスの値の下位15ビット分の値がそのまま記録されている。ブロックアドレスの値が40000から47FFFまでに対応して0000から7FFF、同様に48000から4FFFFに対応して0000から7FFFの値となる。
以上のように、ブロックアドレスの値が18ビットでそのまま表現できる40000未満か、表現できない40000以上かによって、アドレスフラグ3ビットを使い分けることにより、サブブロック毎に記録するアドレス値の総ビット数21ビットを変えることなく、ブロックアドレスの空間を拡大することが可能となる。
図3は、光ディスクのデータ記録容量とブロックアドレスおよびアドレスフラグに記録される値の関係を示した図である。従来では、21ビットのアドレス値によりデータ記録容量は16.7GBまでしか対応できなかったが、本実施形態によれば、21GBまで拡大できることがわかる。
また、サブブロック毎に記録するアドレス値の総ビット数21ビットはそのままであるため、光ディスク製造装置において、従来に比較し、記録するアドレス値の値を変えるだけで容易に対応することができる。同様に、本発明の光ディスクに対し記録再生を行う光ディスク装置においても、アドレス値を再生信号から復調する回路は従来と変わらず、ブロックアドレスの値が40000以上の場合における復調された値に対する判定処理を変更するのみで容易に対応することができる。
光ディスク1のトラック2に予め記録されているアドレスの記述方法が拡張されたことに対応して、データに付加されるアドレスの記述方法も変更する必要がある。そこで次に、データに付加されるアドレスのフォーマットを説明する。
図4(A)および(B)は、それぞれ、本実施形態における光ディスクに記録されるデータに対して付加されるデータアドレスのアドレスフォーマットを示した図である。
データは、64kB毎にブロックに分割され、ブロックはさらに2kB毎に32個のセクタに分割されて記録される。2セクタはまとめてデータユニットとして取り扱われ、各データユニットの先頭に4バイト(32ビット)のデータアドレス情報が挿入されてトラックに記録される。既に説明したように、従来のデータアドレス情報は、5ビットのセクタ番号、18ビットのブロックアドレス値、記録層が複数ある場合の層情報などに用いる9ビットの制御情報の合計32ビットで構成されており、18ビットのブロックアドレス値は、トラックにあらかじめ記録されたブロックアドレスと同じ値であり、データを記録する対象となるブロックのブロックアドレス値が割り振られる。ブロックアドレスを表すデジタル情報は18ビットであるため、00000から3FFFFまでのブロックアドレスにしか対応できない。
図4(A)は、ブロックアドレスの値が00000から4FFFFまで必要となる、本実施形態に対応したデータアドレスフォーマットを示している。層情報などを記述するための制御情報として9ビットを利用することが可能であるが、本実施形態においては9ビットのうちの1ビットをブロックアドレスの最上位の追加ビットとして扱っている。そのように扱うことが可能な理由は、9ビット全てが制御情報として利用される必要はないためである。これにより、合計19ビットのブロックアドレスの値として、00000から4FFFFまでの値を表すことができる。
図4(B)は、図4(A)とは異なる方法で00000から4FFFFまでのブロックアドレスの値を表現する、本実施形態による他のデータアドレスフォーマットを示している。データアドレスはデータユニット毎に先頭に付加されるため、割り振られるセクタ番号は常に偶数である。よって、従来の光ディスクでは最下位ビットの値は常に0であった。そこで、従来セクタ番号を表していた5ビットを分割し、最下位1ビットをデータアドレスフラグとし、上位4ビットをデータユニット番号とする。データアドレスフラグは、記録すべきブロックアドレスの値が00000から3FFFFまでのときは0とし、40000から4FFFFまでのときは1とする。
以上のように、トラック2にあらかじめ記録されたブロックアドレスに対応して、データアドレスのブロックアドレスも空間を拡大することができる。
また、従来の光ディスクと比較しても合計ビット数は変わらない。よって、本実施形態の光ディスクに対しデータの記録・再生を行うことが可能な光ディスク装置においても、データアドレス値を再生信号から復調する回路として従来と同じ回路を採用することができるため、コストが大幅に増加することもない。本実施形態による光ディスクは従来の光ディスクと親和性が高く、容易に導入することが可能である。
なお、上述の実施形態において、アドレスフォーマットのビット数など具体的な例を示したが、これに限定されるものではない。後に実施形態3として、他のビット数のアドレスフォーマットを説明する。
なお、上述の実施形態において、ブロックアドレスが40000から47FFFの領域ではアドレスフラグの値を6とし、ブロックアドレスが48000から4FFFFの領域ではアドレスフラグの値を7としたが、これに限定されるものではない。
なお、上述の実施形態において、データを記録可能な光ディスクの例を示したが、データがあらかじめ記録されている再生のみ可能な光ディスクであってもよい。
なお、上述の実施形態において、データアドレスフラグが1であればブロックアドレスが40000以上であるとしたが、これに限定されるものではない。データアドレスフラグが0のとき、ブロックアドレスが40000以上であるとしてもよい。ただし、0または1(より一般的には奇数または偶数)のいずれにおいて「ブロックアドレスが40000以上」を示しているかを予め定めておくことが好ましい。
(実施形態2)
図5は、本実施形態による光ディスク装置310の構成を示すブロック図である。光ディスク装置310は、光ディスク300からデータを再生し、光ディスク300にデータを記録することが可能である。なお、データの記を記録する機能は必須ではなく、光ディスク装置310は、再生専用の光ディスクプレーヤーであってもよい。このときは、後述する光ディスク装置310のデータ記録再生回路の機能のうち、記録データの受け取りおよび光ディスク300への書き込み処理を行う機能は不要である。
光ディスク300の構成は図1に示す光ディスク1と同じである。よって、光ディスク300のトラックにも、予め図2に示すとおりのフォーマットでアドレスが記録されている。トラックは蛇行して形成されており、蛇行の周波数あるいは位相の変調によりアドレス値が記録されている。
光ディスク装置310は、光ヘッド301、モータ302、サーボ回路303、トラックアドレス再生回路304、CPU305、データ記録再生回路306、データアドレス再生回路307を備えている。
サーボ回路303、トラックアドレス再生回路304、CPU305、データ記録再生回路306、データアドレス再生回路307は、1つのチップ回路(光ディスクコントローラ)308として実装されている。なお、これらの全てが1チップ化されていなくてもよい。たとえば、サーボ回路303は含まれなくてもよい。または、トラックアドレス再生回路304を光ヘッド301内に組み込んでもよい。さらに、これらを1チップ化せずに個々の回路として別々に設けてもよい。上述の光ディスク300は光ディスク装置310から取り外し可能であるため、光ディスク装置310の必須の構成要素ではないことに留意されたい。
光ヘッド301は、光ディスク300に光ビームを照射し、トラックを走査しながら光ディスク300からの反射光量を検出して反射光量に応じた電気信号(再生信号)を出力する。いずれも図示されないが、光ヘッド301には、光ビームを放射する光源と、光ビームを集束させるレンズと、光ディスク300の情報記録層で反射した光ビームを受けて、再生信号を出力する受光部が設けられている。
モータ302は、光ディスク300を指定された回転数で回転させる。
サーボ回路303は、光ヘッド301からの再生信号から光ビームのトラックへの集光状態に応じたサーボエラー信号を生成し、サーボエラー信号を用いて、トラックにおける光ヘッド301からの光ビームの集光状態、トラックの走査状態が最適になるように制御を行う。また、光ビームを照射する光ディスク300上の半径位置(たとえばトラック位置)およびモータ302の回転数を最適に制御する。
トラックアドレス再生回路304は、光ヘッド301からの再生信号から光ディスク300のトラックの蛇行に応じたウォブル信号を抽出し、ウォブル信号からトラックに予め記録された21ビットのアドレス値を復調する。また、トラック上のブロック単位およびサブブロック単位の同期位置の検出も行う。
CPU305は、トラックアドレス再生回路304で復調されたアドレス値を得て、サーボ回路303に指示してデータの記録および再生を行うブロックを検索し、検索したブロック位置においてデータ記録再生回路306に対し記録動作、再生動作の指示を出す。これにより、データ記録再生回路306は、行おうとしている記録動作または再生動作に適合した照射パワーで、光ヘッド301がレーザを照射するよう制御する。
なお、後に図6を参照しながら説明するように、本実施形態においては、トラックアドレス再生回路304から得られるアドレス値の算出処理をCPU305が行うとしている。しかしながら、この判定処理は、トラックアドレス再生回路304によっておこなわれてもよい。
データ記録再生回路306は、CPU305からデータ記録の指示を受けたとき、記録データに対しエラー訂正符号の付加、所定のフォーマットに従ったデータアドレスの付加、および、データ変調処理を施して記録信号を生成する。そしてデータ記録再生回路306は、トラックアドレス再生回路304で検出された同期位置のタイミングに従って、指定されたブロックに対して記録信号に応じたマークがトラック上に記録されるよう光ヘッド301の光ビームの強度を制御する。これにより、データが光ディスク300の情報記録層に記録される。
またデータ記録再生回路306は、CPU305からデータ再生の指示を受けたとき、トラックアドレス再生回路304で検出した同期位置のタイミングに従って、指定されたブロックにおいて、光ヘッド301から出力された再生信号から光ディスク300のトラック上に記録されたマークに応じたデータ信号を抽出する。そしてデータ記録再生回路306は、データ信号から前述の記録動作のデータ変調に従ったデータ復調を行い、さらにエラー訂正処理を行って再生データを出力する。
データアドレス再生回路307は、データ記録再生回路306における再生動作時に、データ記録時に付加されたデータアドレスをデータ復調結果から抽出する。そしてデータアドレス再生回路307は、トラック上の傷などによりデータ信号に異常が発生したときのデータ復調のタイミングずれの検出や、タイミングの補正を行う。
次に図6を参照しながら、CPU305におけるトラックアドレス再生回路304から得られるアドレス値の判定処理(算出処理)を説明する。図6は、光ディスク装置310の判定処理の手順を示すフローチャートである。
光ディスク300のトラックに予め記録されているアドレス(「媒体付与アドレス」とも称する。)についてのアドレスフォーマットは、既に説明したように図2(A)または図2(B)のとおりである。
まずステップS1において、CPU305は、トラックアドレス再生回路304から得られたアドレス値を参照して、復調された21ビットのアドレス値の下位3ビットのアドレスフラグの値を特定する。アドレスフラグの値は、下記(1)から(3)のいずれかの値、すなわち(1)0から5の範囲内の整数、(2)6、または(3)7、のいずれかの値を取り得る。
アドレスフラグの値が0から5の範囲内である場合、アドレスフォーマットは、図2(A)に示すとおりである。ステップS11において、CPU305はアドレスフラグの値をサブブロック番号であると判定する。さらにCPU305は、ブロックアドレスの値は00000から3FFFFまでの範囲内であると判定し、残りの上位18ビットの値をブロックアドレスの値の下位18ビットの値とする。ステップS12において、CPU305は、18ビットの値のさらに上位に1ビット分の0を仮想ビットとして追加し、合計19ビットの値をブロックアドレス値とする。
アドレスフラグの値が6の場合、アドレスフォーマットは、図2(B)に示すとおりである。ステップS21において、CPU305は、アドレスフラグのさらに上位の3ビットをサブブロック番号と判定し、ブロックアドレスの値は40000から47FFFの範囲内であると判定し、残りの上位15ビットの値をブロックアドレスの下位15ビットの0000から7FFFの値とする。そしてステップS22において、CPU305は、15ビットの値のさらに上位に4ビットの仮想ビットを追加し、アドレスフラグの値が6の場合はその値を8(16進数)とすることにより、合計19ビットのブロックアドレスの値とする。例えば図2(B)においては、アドレスフラグが"6"のとき、記録されているアドレス値21ビットは、000056(16進数)となる。しかしながら、上記判定処理により、ブロックアドレスは40001、サブブロック番号は2と解釈される。
一方、アドレスフラグの値が7の場合においても、アドレスフォーマットは、図2(B)に示すとおりとなる。ステップS31において、CPU305は、アドレスフラグのさらに上位の3ビットをサブブロック番号と判定する。そして、CPU305は、ブロックアドレスの値は48000から4FFFFの範囲内であると判定し、残りの上位15ビットの値をブロックアドレスの下位15ビットの0000から7FFFの値とする。ステップS32において、CPU305は、15ビットの値のさらに上位に4ビットの仮想ビットを追加し、アドレスフラグの値が7の場合はその値を9(16進数)とすることにより、合計19ビットのブロックアドレスの値とする。例えば、記録されているアドレス値21ビットが000057(16進数)の場合、上記判定処理により、ブロックアドレスが48001、サブブロック番号が2と解釈される。
図7(A)および(B)は、媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるアドレス(以下「ドライブ算出アドレス」と記述する。)との対応関係を示す。
図7(A)は、ブロックアドレス0x20005の場合の、媒体付与アドレスと対応関係を示す。
媒体付与アドレスの下位3ビットで示されるアドレスフラグの値は2であるため(図6の処理(1))、CPU305は、下位3ビットで示される値をサブブロック番号であると判定する(ステップS11)。また、CPU305は、媒体付与アドレスの上位18ビット(下位4ビットから最上位ビットまで)については、最上位ビットよりもさらに上位に値が0の1ビット("0")を仮想的に加え、19ビットを使ってブロックアドレスが0x20005として採用する(ステップS12)。
図7(B)は、ブロックアドレス0x40001の場合の、媒体付与アドレスと対応関係を示す。
媒体付与アドレスの下位3ビットで示されるアドレスフラグの値は6であるため、CPU305は、このアドレスは、40000から47FFFまでの拡張領域のブロックアドレスであることがわかる(図6の処理(2))。
まず、CPU305は、下位3ビットのアドレスフラグのさらに上位3ビット(下位3ビットから下位5ビットまで)で示される値をサブブロック番号として判定する(ステップS21)。この例ではサブブロック番号は「2」である。また、CPU305は、媒体付与アドレスの上位15ビット(下位6ビットから最上位ビットまで)については、最上位ビットよりもさらに上位に値が8の4ビット("1000")を仮想的に加え、計19ビットを使ってブロックアドレスが0x40001を示すものとして採用する(ステップS22)。
なお、図7(B)では、ブロックアドレスの値が40000から47FFFまでの範囲内に入る例を説明した。媒体付与アドレスの下位3ビットで示されるアドレスフラグの値が7であり、アドレスが48000から4FFFFまでの範囲内に入ることを示している場合には、CPU305は、値が9の4ビット("1001")を仮想的に加えてアドレスを算出すればよい。
CPU305が以上のアドレス値の判定処理を行うことにより、トラックアドレス再生回路304におけるアドレス値の復調処理として従来の光ディスクに対するアドレス値の復調処理と同じ処理を行えばよい。新たな回路や処理を追加する必要はないため、データの記録あるいは再生を行うターゲットとなるブロックの検索を容易に行うことができる。
アドレス値の判定処理の後、当該アドレスに記録されたデータの読み出し、または、当該アドレスに対するデータの記録が行われる。以下では、データの記録に関する処理を説明する。
データ記録再生回路306は、記録されるデータに対し、図4(A)または図4(B)に示すアドレスフォーマットにしたがったアドレスを付加する。
データがブロック毎に分割され、さらにセクタ毎にも分割される点は、実施形態1において図4を参照しながら説明したとおりである。
図4(A)に示すデータアドレスフォーマットを採用する場合には、データ記録再生回路306は、制御情報のビット数を9ビットではなく8ビットとし、1ビットをブロックアドレスの最上位の追加ビットとして利用する。これにより、合計19ビットのブロックアドレスの値として、00000から4FFFFまでの値を表すことができる。なお、制御情報のビット数を9ビットにしない理由は、先に説明したとおり、9ビット全てが制御情報として利用される必要はないためである。
図4(B)に示すデータアドレスフォーマットを採用する場合には、データ記録再生回路306は、従来セクタ番号を表していた5ビットを分割し、最下位1ビットをデータアドレスフラグとし、上位4ビットをデータユニット番号として利用する。データ記録再生回路306は、記録すべきブロックアドレスの値が00000から3FFFFまでのときはデータアドレスフラグを0とし、40000から4FFFFまでのときはデータアドレスフラグを1とする。従来の光ディスクでは、データアドレスがデータユニット毎に先頭に付加されるため、割り振られるセクタ番号は常に偶数であった。すなわち、最下位ビットは常に0であった。通常は0であるはずの最下位ビットを1として、その他のビットの解釈を実施形態1に説明したように変更することにより、従来のアドレスフォーマットと同じビット数で、アドレス40000から4FFFFまでをカバーするよう拡張することができる。
データアドレスにおいても、合計32ビットは変えていないため、データアドレス再生回路307の大きな変更は必要なく、CPU305におけるデータアドレスの確認処理のみ変更すればよく、容易にデータ記録容量の拡大に対応することができる。
データ記録再生回路306は、データの記録時は上述の図4(A)または図4(B)のいずれかのデータフォーマット従ってデータアドレスをデータに付加し、データ変調処理を施して記録信号を生成する。
また、データの再生時においては、データ記録再生回路306は、データ信号から前述の記録動作のデータ変調に従ったデータ復調を行った復調結果から、データアドレス情報32ビットを抽出してCPU305に通知する。CPU305は、図4(A)あるいは(B)のデータアドレスフォーマットに従ってブロックアドレスとセクタ番号あるいはデータユニット番号を確認する。CPU305は、トラックアドレス再生回路304によるトラックにあらかじめ記録されているブロックアドレスの再生が未だできていない間に、先にデータアドレスによるブロックアドレスが再生された場合、データアドレスのブロックアドレスを用いて再生を行うブロックの検索動作を行う。
以上のように、データが未記録の領域ではトラックにあらかじめ記録されているブロックアドレスを用い、データが既に記録されている領域では、トラックにあらかじめ記録されているブロックアドレスあるいはデータアドレスのどちらか先に再生されたアドレスを用いることにより、データの記録再生における検索動作の時間を短縮することが可能となる。
なお、上述の実施形態において、データアドレスの最上位追加ビットとして従来の制御情報の4ビットの最上位ビットを使用することとしたが、他のビットであってもよい。
(実施形態3)
上述の実施形態においては、予め記録されたアドレスおよび記録されるデータアドレスのアドレスフォーマットの一例を示した。
本実施形態においては、予め記録されたアドレスおよび記録されるデータアドレスのアドレスフォーマットの例を説明する。
図8(A)は従来の記録密度のBDの例を示す。本実施形態において「従来の記録密度」とは、情報記録層1層当たり25GBを想定している。
BDでは、レーザ波長は405nm、対物レンズの開口数(Numerical Aperture;NA)は0.85、トラックに記録される最短記録マーク2Tの長さは149nmである。
一方、図8(B)は、BDよりも高い記録密度の光ディスク(以下「高密度ディスク」と記述する。)の例を示す。高密度ディスクでは、情報記録層1層当たり33.4GB、すなわち従来の記録密度の1.336倍を想定している。
BDと同様、高密度ディスクで用いられるレーザ波長は405nm、対物レンズのNAは0.85である。ただし、トラックに記録される最短記録マーク2Tの長さは111.5nmとなり、BDよりも短い。これにより、BDより高記録密度を実現している。
光ビームで記録マークを再生した際の再生信号振幅は、記録マークが短くなるにしたがって低下し、光学的な分解能の限界でゼロとなる。この記録マークの周期の逆数を空間周波数といい、空間周波数と再生信号振幅の関係をOTF(Optical Transfer Function)という。再生信号振幅は、空間周波数が高くなるにしたがってほぼ直線的に低下し、ゼロになる。再生信号振幅がゼロになる限界(周波数)を「OTFカットオフ」という。
OTFカットオフは、レーザ波長λ、対物レンズの開口数NA、記録最短マーク長Tmおよび最短スペース長Tsから決まる。Tm+Tsがλ/(2NA)と等しい条件が光学的分解能の限界であり、Tm+Tsがこれより小さくなるとOTFカットオフを超えることになる。
図12は、従来の記録密度のBDにおけるOTFカットオフと最短記録マークとの関係を示す。従来の記録密度のBDの最短記録マークは、OTFカットオフに対して80%程度であり、再生信号振幅は約10%となっていることが分かる。最短記録マークの空間周波数がOTFカットオフを超える記録密度は、BDでは約31GBまたは約32GB相当になる。図8(B)で想定した記録密度はこれを超える。
本実施形態による高密度ディスクのアドレスフォーマットは、0から25GBまでの記録領域については、BDのアドレスフォーマットと互換性を持たせるように策定されている。すなわち、高密度ディスクのアドレスフォーマットで利用されるビット数は、BDのアドレスフォーマットで利用されるビット数と同じである。25GB以上の領域についても、ディスク上はBDのアドレスフォーマットと同じビット数であるが、拡張されたアドレスフォーマットでアドレスを記述している。
以下、BDのトラックに対するアドレスフォーマットおよび記録データに付加されるアドレスフォーマットを説明する。まず記録データに付加されるアドレスフォーマットを説明し、その後、トラックに対するアドレスフォーマットとともに、再生装置によるアドレスの算出方法を説明する。
図9は、BDのデータアドレスフォーマット90を示している。記録データに付加されるデータアドレスは、データユニット毎に挿入される。1データユニットは2セクタである。
BDでは、データアドレスは32ビットで表される。内訳は以下のとおりである。上位から順に、ビット番号31〜28はフラグビットが割り当てられている。フラグビットとは、BDのファイル管理領域(図示せず)に設けられている欠陥管理リストに、欠陥データアドレスを登録する際に付加される。ビット番号27は未使用のリザーブビットである。
ビット番号26〜24は情報記録層の層番号を表す。ビット番号23〜5はブロックアドレス番号を表す。ビット番号4〜1は当該ブロック内におけるデータユニット番号を表す。ビット番号4〜1にさらにビット番号0を加えた5ビットは、当該ブロック内におけるセクタ番号を表す。
ビット番号0のビット値は、"0"に固定されている。これは、図4(A)に示される最下位ビットの値が"0"に固定されていることと共通する。
本実施形態においては、上述のBDのアドレスフォーマットを拡張して、高密度ディスクのアドレスフォーマットを構築している。そこで、図5に示す光ディスク装置310が、高密度ディスクに記録されたアドレスから、拡張されたアドレスを算出する処理を説明する。
図10A〜図10Dは、高密度ディスクにおける媒体付与アドレスと、光ディスク装置310によって算出されるアドレス(以下「ドライブ算出アドレス」と記述する。)との対応関係を示す。
以下、図7(A)および(B)に記載された媒体付与アドレスと、図10Aおよび図10Bに記載された媒体付与アドレスとの相違点を説明する。相違点は2つである。
第1の相違点は、たとえば図10Aに示すように、BDおよび高密度ディスクにおいては最上位のビットから3ビット分(ビット番号23〜21)が層番号情報を示していることである。第0層のとき"000"となり、第1層のとき"001"となる。この相違に起因して、仮想的に付加されるビットの位置も相違する。
図10Aは、層番号0、ブロックアドレス0x2000A、サブブロック番号0x2のときの、媒体付与アドレスとドライブ算出アドレスとの関係を示している。
図10Aに示す例では、CPU305は、ビット番号21の位置にビット"0"を仮想的に付加し、ビット番号21から2までの20ビットをブロックアドレスとして採用する。そして、媒体付与アドレス23から21までのビットを、それぞれ1ずつビット番号を繰上げ、ビット番号24から22までを層番号を示す情報として採用する。
図10Bは、層番号0、ブロックアドレス0x80001、サブブロック番号2のときの、媒体付与アドレスとドライブ算出アドレスとの関係を示している。
図10Bに示す例では、CPU305は、媒体付与アドレスのビット番号4から20までのビットのさらに上位にビット数3のビット"100"を仮想的に付加し、ビット番号21から2までの20ビットをブロックアドレスとして採用する。そして、媒体付与アドレス23から21までのビットを、それぞれ1ずつビット番号を繰上げ、ビット番号24から22までを層番号を示す情報として採用する。
図10Aおよび図10Bは、いずれも層番号0の例を示している。次は、2層目の情報記録層の例を説明する。
高密度ディスクでは、物理アドレスはたとえば半径24mmでの値が決められている。層番号0のL0層の場合は内周から外周へ向かってデータが記録されていくので外周側のアドレス値が大きい側でアドレス拡張が必要となる。
しかし、層番号1のL1層の場合は、データは外周から内周へ向かって記録され、内周側の半径24mmでのアドレス値がL0層の同位置のビット反転として決められるため、アドレス拡張は外周側のアドレス値が小さい側で必要となる。
これを考慮すると、仮想追加ビットは、アドレスフラグが0〜2のときは層番号の最下位ビット(LSB)の1ビットとなる。また、アドレスフラグが3のときであって、層番号のLSBが"0"のときは、仮想追加ビットは"100"となり、層番号のLSBが"1"のときは、仮想追加ビットは"011"となる。
図10Cは、層番号1、ブロックアドレス0xE200A、サブブロック番号0x2のときの、媒体付与アドレスとドライブ算出アドレスとの関係を示している。
図10Cに示す例では、CPU305は、ビット番号21の位置にビット"1"を仮想的に付加し、ビット番号21から2までの20ビットをブロックアドレスとして採用する。そして、媒体付与アドレス23から21までのビットを、それぞれ1ずつビット番号を繰上げ、ビット番号24から22までを層番号を示す情報として採用する。
図10Dは、層番号1、ブロックアドレス0x70001、サブブロック番号2のときの、媒体付与アドレスとドライブ算出アドレスとの関係を示している。
図10Dに示す例では、CPU305は、媒体付与アドレスのビット番号4から20までのビットのさらに上位にビット数3のビット"011"を仮想的に付加し、ビット番号21から2までの20ビットをブロックアドレスとして採用する。そして、媒体付与アドレス23から21までのビットを、それぞれ1ずつビット番号を繰上げ、ビット番号24から22までを層番号を示す情報として採用する。
図7(A)および(B)の例では、光ディスク装置310のCPU305は、最上位ビットのさらに上位に1ビットまたは4ビットを仮想的に付加してブロックアドレスが算出したが、本実施形態では、仮想的に付加されるビットの位置が最上位ビットのさらに上位ではないことに留意されたい。
第2の相違点は、たとえば図10Aおよび図10Bに示すように、BDおよび高密度ディスクにおいては、アドレスフラグには2ビットが割り当てられている。これは、BDでは1ブロックに3つのサブブロックが含まれることに起因している。よって、アドレスフラグによって示されるサブブロック番号が0(0x0)から2(0x2)のときBD互換のアドレスフォーマットとなり、0x3のときが拡張領域を示すアドレスフォーマットになる。前者の場合には図10Aの算出処理が行われ、後者の場合には図10Bの算出処理が行われる。
上述のようにBDのアドレスフォーマットを拡張することにより、記述可能なアドレスを増加させることができる。
図11は、第0層における本実施形態の拡張フォーマットによって記述可能なアドレス値と最大記録可能領域との関係を示す。
なお、情報記録層において、ブロックアドレス0x08000よりも小さいブロックアドレスが付与された記録領域は、ファイル管理領域や記録学習領域として割り当てられている。一方、ブロックアドレス0x08000以降のブロックアドレスが付与された記録領域にはユーザデータが記録される。
BDでは、とり得るブロックアドレスの最大値が0x7FFFFであり、1ブロックあたり65536Bのユーザデータが記録されるので、最大記録可能容量は約32.2GBとなる。一方、拡張領域を有する高密度ディスクでは、ブロックアドレスの最大値が0x9FFFFまで拡大される。本実施形態による高密度ディスクでは、情報記録層1層当たり33.4GBであるとしたが、上述の拡張フォーマットによれば、40.8GBの記録容量までアドレスを指定できる。
なお、本実施形態においては、高密度ディスクの記録可能容量は、情報記録層1層当たり33.4GBであるとした。しかしこれは例である。たとえば30GB、33GB、33.3GBであってもよいし、34GB以上であってもよい。
以上、実施形態1から3を説明した。
なお、上述の実施形態において、トラックに対するアドレス値の記録はトラックの蛇行(ウォブリング)によるものとしたが、これに限定されるものではなく、トラック間のピット、トラック上のビットによっても実現されうるものである。
また、上述の実施形態において、データアドレスフラグが1であればブロックアドレスが40000以上であるとしたが、これに限定されるものではない。
なお、上述の実施形態において、データを記録可能な光ディスクに対する光ディスク装置の例を示したが、データがあらかじめ記録されている再生のみ可能な光ディスクに対する光ディスク装置であってもよい。
なお、本発明の光ディスク装置の構成要素は集積回路であるLSIとして実現され得る。光ディスク装置が備える構成要素は個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
ここでは、集積回路をLSIと呼んだが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、本発明の集積回路はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
なお最後に、本発明の光ディスクの一例として、BD(ブルーレイディスク)について、簡単に補足説明をする。ブルーレイディスクの主な光学定数と物理フォーマットについては、「ブルーレイディスク読本」(オーム社出版)やブルーレイアソシエーションのホームページ(http://www.blu-raydisc.com/)に掲載されているホワイトペーパに開示されている。
BDでは、波長405nm(誤差範囲の許容値を±5nmとすれば、400〜410nm)のレーザ光およびNA=0.85(誤差範囲の許容値を±0.01とすれば、0.84〜0.86)の対物レンズを用いる。トラックピッチは0.32μmであり、チャネルクロック周波数はBD標準転送レート(1X)において66MHz(66.000Mbit/s)であり、BD4Xの転送レートでは264MHz(264.000Mbit/s)、BD6Xの転送レートでは396MHz(396.000Mbit/s)、BD8Xの転送レートでは528MHz(528.000Mbit/s)である。標準線速度(基準線速度、1X)は4.917m/secである。
保護層(カバー層)の厚みに関しては、開口数を上げ焦点距離が短くなるのに伴い、またチルトによるスポット歪みの影響を抑えられるよう、DVDの0.6mmに対して、より薄い保護層、例えば媒体の総厚み1.2mm程度のうち、保護層の厚みを10〜200μm(より具体的には、1.1mm程度の基板に、単層ディスクならば0.1mm程度の透明保護層、二層ディスクならば0.075mm程度の保護層に0.025mm程度の中間層(SpacerLayer)としてもよい。三層以上のディスクならば保護層及び/又は中間層の厚みはさらに薄くなる。
また、このように薄い保護層への傷つき防止のため、保持領域(Clamp Area)の外側または内側に突起部を設けてもよい。特に保持領域の内側に設けた場合、保護層の傷つき防止に加え、ディスクの中心穴に近い部分に突起部があるため、突起部の重量バランスによる回転スピンドル(モータ)への負荷を軽減することや、光ヘッドは保持領域の外側にある情報記録領域にアクセスするため保持領域の内側に突起部を設けることで突起部と光ヘッドとの衝突を回避することができる。
そして、保持領域の内側に設けた場合、例えば外径120mmのディスクにおける具体的な位置は次のようにしてもよい。仮に中心穴の直径が15mm、保持領域が直径23mmから33mmの範囲内とした時、中心穴と保持領域の間、つまり直径15mmから23mmの範囲内に突起部を設けることになる。その際、中心穴からある程度の距離を設けてもよく(例えば中心穴の縁端から0.1mm以上(又は/及び0.125mm以下)離してもよい)。また、保持領域からある程度の距離を設けてもよい(例えば保持領域の内端から0.1mm以上(又は/及び0.2mm以下)離してもよい)。また、中心穴の縁端と保持領域の内端の両方からある程度の距離を隔てて設けてもよい(具体的な位置として、例えば、直径17.5mmから21.0mmの範囲内に突起部を設けてもよい)。なお、突起部の高さとしては、保護層の傷つきにくさや持ち上げ易さのバランスを考慮して決めればよいが、高くしすぎても別の問題が発生するかも知れないので、例えば、保持領域から0.12mm以下の高さとしてもよい。
また、多層の積層の構成に関しては、例えば、レーザ光を保護層の側から入射して情報が再生及び/又は記録される片面ディスクとすると、記録層を二層以上にする場合、基板と保護層の間には複数の記録層が設けられることになるが、その場合における多層構造を次のようにしてもよい。つまり、光入射面から所定の距離を隔てた最も奥側の位置に基準層(L0)を設け、基準層から光入射面側に層を増やすように積層(L1,L2,・・・,Ln)し、また光入射面から基準層までの距離を単層ディスクにおける光入射面から記録層までの距離と同じ(例えば0.1mm程度)にする等である。このように層の数に関わらず最奥層までの距離を一定にすることで、基準層へのアクセスに関する互換性を保つことができ、また最奥層が最もチルトの影響を受けるが層数の増加に伴い最奥層までの距離が増加することがなくなるため、層数の増加に伴うチルト影響の増加を抑えることが可能となる。
また、スポットの進行方向/再生方向に関しては、例えば、全ての層において同じ、つまり全層にて内周方向から外周方向、又は全層にて外周方向から内周方向、というパラレル・パスであっても、オポジット・パス(基準層(L0)を内周側から外周側の方向とした場合、L1では外周側から内周側の方向、L2では内周側から外周側の方向、つまり、Lm(mは0及び偶数)では内周側から外周側の方向、Lm+1では外周側から内周側の方向(又は、Lm(mは0及び偶数)では外周側から内周側の方向、Lm+1では内周側から外周側の方向)というように層が切り替わる毎に再生方向が逆になる)であってもよい。
次に、記録信号の変調方式について簡単に述べる。データ(オリジナルのソースデータ/変調前のバイナリデータ)を記録媒体に記録する場合、所定のサイズに分割され、さらに所定のサイズに分割されたデータは所定の長さのフレームに分割され、フレーム毎に所定のシンクコード/同期符号系列が挿入される(フレームシンク領域)。フレームに分割されたデータは、記録媒体の記録再生信号特性に合致した所定の変調則に従って変調されたデータ符号系列として記録される(フレームデータ領域)。
ここで変調則としては、マーク長が制限されるRLL(RunLengthLimited)符号化方式などでもよく、RLL(d,k)と表記した場合、1と1の間に出現する0が最小d個,最大k個であることを意味する(dおよびkは、d<kを満たす自然数である)。例えばd=1,k=7の場合、Tを変調の基準周期とすると、最短が2T、最長が8Tの記録マーク及びスペースとなる。またRLL(1,7)変調に更に次の[1][2]の特徴を加味した1−7PP変調としてもよい。1−7PPの“PP”とは、Parity preserve/Prohibit Repeated Minimum Transition Lengthの略で、[1]最初のPであるParity preserveは、変調前のソースデータビットの“1”の個数の奇偶(すなわちParity)と、それに対応する変調後ビットパターンの“1”の個数の奇偶が一致していることを意味し、[2]後ろの方のPであるProhibit Repeated Minimum Transition Lengthは、変調後の記録波形の上での最短マーク及びスペースの繰り返し回数を制限(具体的には、2Tの繰り返し回数を最大6回までに制限)する仕組みを意味する。
一方、フレーム間に挿入されるシンクコード/同期符号系列には前述の所定の変調則は適用されないので、その変調則によって拘束される符号長以外のパターンを含ませることが可能となる。このシンクコード/同期符号系列は、記録されたデータを再生するときの再生処理タイミングを決定するもののため、次のようなパターンが含まれてもよい。
データ符号系列との識別を容易にするという観点からは、データ符号系列には出現しないパターンを含ませてもよい。例えば、データ符号系列に含まれる最長マーク/スペースよりも長いマーク又はスペースやそのマークとスペースの繰り返しである。変調方式が1−7変調の場合、マークやスペースの長さは2T〜8Tに制限されるので、8Tよりも長い9T以上のマーク又はスペースや、9Tマーク/スペースの繰り返し等である。
同期引き込み等の処理を容易にするという観点からは、マーク/スペースの遷移を多く発生させるパターンを含ませてもよい。例えば、データ符号系列に含まれるマーク/スペースの内、比較的短いマーク又はスペースやそのマークとスペースの繰り返しである。変調方式が1−7変調方式の場合、最短である2Tのマーク又はスペースや、2Tマーク/スペースの繰り返しや、次最短である3Tのマーク又はスペースや、3Tマーク/スペースの繰り返し等である。
前述の同期符号系列とデータ符号系列を含む領域を仮にフレーム領域と呼び、そのフレーム領域を複数(例えば31個)含む単位を仮にアドレスユニット(Address Unit)と呼ぶことにすると、あるアドレスユニットにおいて、そのアドレスユニットの任意のフレーム領域に含まれる同期符号系列と、その任意のフレーム領域以外のフレーム領域に含まれる同期符号系列との符号間距離を2以上にしてもよい。ここで符号間距離とは、2つの符号系列を比較した場合、符号系列中の異なるビットの個数を意味する。この様に符号間距離を2以上にすることで、再生時のノイズの影響などにより一方の読み出し系列が1ビットシフト誤りを起こしても、もう一方と誤識別することがない。また、そのアドレスユニットの先頭に位置するフレーム領域に含まれる同期符号系列と、先頭以外に位置するフレーム領域に含まれる同期符号系列との符号間距離を2以上にしてもよく、この様にすることで、先頭箇所か否か、アドレスユニットの区切り箇所か否かの識別を容易にすることができる。
なお符号間距離は、NRZ記録のときは符号系列をNRZ表記した場合、NRZI記録の時は符号系列をNRZI表記した場合における符号間距離の意味を含んでいる。そのため、もしRLL変調を採用した記録の場合、このRLLとはNRZIの記録波形の上で高レベル又は低レベルの信号が続く個数を制限することを意味するものであるため、NRZI表記における符号間距離が2以上ということを意味する。
本発明は、光ディスクの記録密度の高密度化において有用であり、大容量な光ディスク、光ディスク装置、光ディスク記録再生方法、集積回路に利用できる。
1、300 光ディスク
301 光ヘッド
302 モータ
303 サーボ回路
304 トラックアドレス再生回路
305 CPU
306 データ記録再生回路
307 データアドレス再生回路
308 光ディスクコントローラ
310 光ディスク装置