本発明の一実施形態について図1〜図7、図30、および図31に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本発明が適用される通信システムの基本的な構成例を示すブロック図である。図示のように、通信システム1は、サーバ2、第1のネットワーク3、ネットワーク中継装置4、ネットワーク管理装置5、第2のネットワーク6、および通信装置7を備える構成である。サーバ2は第1のネットワーク3を介してネットワーク中継装置4と接続されており、通信装置7は第2のネットワーク6を介してネットワーク中継装置4と接続されている。さらに、第2のネットワーク6にはネットワーク管理装置5が接続されている。
このような接続によって、サーバ2と通信装置7とは、ネットワーク中継装置4を介して接続された複数のネットワーク(ネットワーク群)3・6を経由してデータの送受信を行う。また、ネットワーク管理装置5は、例えば第2のネットワーク6における機器間の通信帯域を設定するなど、第2のネットワーク6における通信の管理を行う。
なお、本実施形態においては、サーバ2と通信装置7とは、第1のネットワーク3と第2のネットワーク6との2つのネットワークを経由して通信を行うものとしているが、サーバ2と通信装置7とが1つ以上の任意の数のネットワークを経由して通信するものであってもよい。
〔実施の形態1〕
次に、図1に示した通信システム1のより具体的な構成について図2を用いて説明する。図2は、本発明が適用されるコンテンツ配信システム11の構成を示す概略図である。なお、図2を参照すると、図1の簡略化した基本構成が実際にどのように構成されているかが容易に理解できる。但し、図2のシステムの構成は一例であり、他にも種々の構成が考えられる。
図2において、サーバ2はVoDサーバ12に対応し、第1のネットワーク3はNGN網13に対応し、ネットワーク中継装置4はホームゲートウェイ14に対応し、通信装置7はセットトップボックス17に対応し、ネットワーク管理装置5はPLC親機15に対応し、第2のネットワーク6は電力線搬送通信であるPLCネットワーク16に対応する。
なお、以下では、ホームゲートウェイを「HGW」と表記する。また、NGN網13の代わりに、その他のアクセスネットワークを用いてもよい。例えば、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber to the Home)等を用いてもよい。
さらに、PLCネットワーク16と各種機器との間には、PLCアダプタ18が設けられている。PLCアダプタ18は、イーサネット(登録商標)の信号とPLCの信号とを相互変換する機器である。HGW14、STB17、およびその他の機器19は、イーサネット(登録商標)用の端子を備えており、PLCアダプタ18とイーサネット(登録商標)ケーブルで接続されることにより、PLCアダプタ18およびPLCネットワーク16を介して相互に通信することが可能となる。
なお、以下では、図2に示すように、HGW14およびSTB17に接続されたPLCアダプタ18のそれぞれを特に示す場合、符号として18a・18cをそれぞれ使用することにする。また、PLC親機15に接続されたPLCアダプタ18を特に示す場合、符号として18bを使用することにする。
さらに、STB17には、映像コンテンツなどの各種データを表示する表示装置の一例として、TV20が接続されている。なお、TV20は、STB17の機能を内蔵して、PLCアダプタ18とイーサネット(登録商標)で接続してもよい。同様に、図2の例では、HGW14、STB17、および機器19は、それぞれ外付けのPLCアダプタ18を介してPLCネットワーク16に接続されているが、それぞれにPLCアダプタ18が内蔵されていても良い。
なお、図2においては、PLCアダプタ18bにPLC親機15が外部接続されているように示されているが、実際にはPLCアダプタ18bがPLC親機15の機能を含んでいる。また、PLC親機15の機能はPLCアダプタ18bだけでなく、他の全てのPLCアダプタ18にも含まれており、PLCネットワーク16の通信の状況に応じて複数のPLCアダプタ18の中の1台がPLC親機15として機能することができる。しかしながら、以下の実施形態では、本発明の理解を容易にするため、PLCアダプタ18から独立したPLC親機15が、特定のPLCアダプタ18bに接続されているとする。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の詳細について説明する。まず、VoDサーバ12は、使用者からの要求に基づいて、保存している映像コンテンツを配信するものである。VoDサーバ12は、使用者に提供する映像コンテンツのデータと、当該映像コンテンツに付随した、ビットレート、伝送所要時間、提供価格などの関連情報のデータとを記憶部(図示せず)に記憶している。
また、STB17は、使用者が或る映像コンテンツの視聴を所望する旨を、リモートコントローラ、操作ボタン(図示せず)などを介して使用者から取得すると、当該映像コンテンツの伝送を要求する伝送要求を、PLCネットワーク16およびNGN網13を介してVoDサーバ12に送信する。VoDサーバ12は、受信した伝送要求に対応する映像コンテンツをパケット形態で要求元のSTB17に伝送する。そして、STB17は、VoDサーバ12から受信した映像コンテンツのパケットを映像コンテンツとして再構築し、TV20において映像として使用者に提供する。
このように、本実施形態および後述の実施形態では、使用者が利用する通信装置が受信するデータの具体例として、映像コンテンツを採用している。以下では、映像コンテンツを単に「コンテンツ」と表記する。なお、上記データの例としては、上記コンテンツの他に、静止画像データ、音声データ、テキストデータ、Webコンテンツのデータ等、種々のデータが挙げられる。
ところで、VoDサーバ12がコンテンツをSTB17に伝送するとき、伝送径路上のネットワーク13・16の伝送帯域がコンテンツの送信に必要な分だけ確保されている必要がある。もし確保されていなければ、伝送径路上のネットワーク13・16において、パケットの消失やパケットの送信遅延が発生し、例えば最終的に提供される映像が乱れてしまうといった弊害が生じる。
図2のような形態では、VoDサーバ12は、自身が直接接続しているNGN網13については、そのネットワーク13における伝送帯域を管理することができる。しかしながら、VoDサーバ12は、自身が直接接続していないネットワーク、すなわち、ネットワーク中継装置4であるHGW14以遠のネットワーク(本実施形態ではPLCネットワーク16)において、コンテンツの伝送を滞りなく行うために十分な伝送帯域が確保されているかどうかは一般的には関知し得ない。
そこで、PLCネットワーク16に関しては、使用者側の装置であるSTB17の要求により、PLC親機15がPLCネットワーク16上で上記コンテンツを伝送するのに必要な伝送帯域(以下「必要帯域」と称する。)を確保している。
図3は、コンテンツ配信システム11におけるSTB17の要部構成を示している。図示のように、STB17は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、および出力部35を備える構成である。なお、図3では、本発明に関係する構成のみを示しているが、実際のSTB17にはその他の構成も含んでいる。
制御部31は、STB17内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部31の機能は、例えばRAM(random access memory)やフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムをCPU(central processing unit)が実行することによって実現される。なお、制御部31の詳細については後述する。
記憶部32は、例えばRAMやハードディスクドライブ(HDD)などの記憶装置を備えて、各種データおよびプログラムを記憶するものである。なお、本実施形態において記憶部32が記憶するデータの詳細については後述する。
通信部33は、PLCネットワーク16などを介して、VoDサーバ12、PLC親機15などの各種外部機器とデータ通信を行うためのものである。
入力部34は、使用者が各種情報を入力するためのものである。入力部34の例としては、操作ボタン、キーボードなどの操作入力デバイス、カメラなどの画像入力デバイス、リモートコントローラからの信号を受信する受信デバイスなどが挙げられる。入力部34は、入力された情報を所定のデータ形式に変換して制御部31に送信する。
出力部35は、制御部31から受信した各種情報を外部に出力するためのものである。本実施形態では、出力部35は、制御部31から受信したデータを、TV20への送信に適した形式に変換して、TV20に送信する送信デバイスを含むものである。なお、出力部35は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイス、紙などの印刷媒体に印刷を行う印刷デバイスなどを含んでもよい。
次に、制御部31および記憶部32の詳細について説明する。図3に示すように、制御部31は、関連情報取得部(関連情報取得手段)41、帯域決定部(帯域決定手段、設定手段)42、選択指示取得部43、帯域通知部(帯域設定要求手段)44、およびコンテンツ取得部45を備える構成である。また、記憶部32は、コンテンツの関連情報を記憶する関連情報記憶部46と、帯域決定部42が決定した帯域情報を記憶する決定帯域記憶部47とを含んでいる。
関連情報取得部41は、VoDサーバ12が提供可能なコンテンツの関連情報を取得するものである。具体的には、関連情報取得部41は、使用者から入力部34を介して取得した指示に基づき、コンテンツ自体を取得することに先立ち、当該コンテンツの関連情報の提供を通信部33などを介してVoDサーバ12に要求する。これにより、VoDサーバ12が提供しているコンテンツの内で、現在STB17において再生可能なコンテンツの関連情報を一括して、VoDサーバ12から通信部33などを介して取得する。
関連情報取得部41は、取得した関連情報を関連情報記憶部46に記憶する。また、関連情報取得部41は、VoDサーバ12または関連情報記憶部46から取得した関連情報の一部または全部を、出力部35を介してTV20に送信している。これにより、TV20に表示される関連情報を使用者が参照することができる。
図4は、関連情報記憶部46に記憶された、コンテンツの関連情報の一例を示している。図示の例では、上記関連情報は、コンテンツを識別する情報であるタイトル名と、コンテンツの伝送帯域の情報であるビットレートとが、コンテンツごとに対応付けられている。図示の例では、タイトル名がそれぞれABC、DEF、GHI、PQR、およびXYZであるコンテンツの関連情報が含まれ、タイトル名が「ABC」であるコンテンツ(以下、このようなコンテンツを「コンテンツABC」と表記する。)は、伝送に必要なビットレートが10Mbpsであることを示している。
なお、VoDサーバ12からコンテンツの関連情報として提供される情報は、本発明の実施のためには、少なくともビットレートを含む必要があるが、使用者がコンテンツを選択する際の利便性を増すために、タイトル名その他の情報を含んでいても良い。例えば、コンテンツのジャンル、出演している俳優の名前、内容の解説文などが考えられる。
また、使用者が視聴可能なコンテンツの数が多い場合には、VoDサーバ12は、一度に全てのコンテンツの関連情報を提供せずに、一部のコンテンツの関連情報を提供することが考えられる。この場合、VoDサーバ12は、STB17からコンテンツの関連情報の要求を再度受信したときに、残りのコンテンツの関連情報の全部または一部を提供すればよい。例えば、VoDサーバ12は、使用者が視聴可能なコンテンツが100個存在するとして、その内の10個のコンテンツの関連情報を最初に提供し、使用者の操作によりSTB17からコンテンツの関連情報の要求を再度受信したときに、次の10個のコンテンツの関連情報を提供する場合が挙げられる。
なお、図4に示すビットレートの数値は、説明の便宜ための例であって現実の数値に直接基づくものではない。また、図4の例では、コンテンツを識別する情報としてタイトル名を利用しているが、チャンネル番号、ID番号など、コンテンツを識別できるものであれば、任意の情報を利用できる。
例えば、タイトル名でコンテンツを識別する場合は、同じタイトル名のコンテンツが存在する可能性もあるので、VoDサーバ12側でコンテンツを一意に識別可能なID番号を各コンテンツに割り当てることが望ましい。しかしながら、説明の簡単化のため、以下では、タイトル名だけでコンテンツを一意に識別できるものとする。また、上述のような、使用者がコンテンツを選択する際の利便性を増すための更なる情報をタイトル名に対応付けて関連情報記憶部46に記憶してもよい。
また、関連情報取得部41は、上記関連情報を要求して取得する処理を、使用者からの指示ごとに行う代わりに、STB17の電源がオンになった際に行ったり、所定期間ごとまたは所定時刻ごとに行ったりしてもよい。また、VoDサーバ12がIP放送を行うものであれば、VoDサーバ12が提供する電子番組表(EPG)を、図4とは形式が異なるが、コンテンツの関連情報として利用することができる。なお、電子番組表を利用した実施形態については後述する。
また、関連情報取得部41は、使用者がコンテンツを選択する際に、上記関連情報のうち、少なくともタイトル名をTV20に送信して表示させることが望ましい。この場合、使用者は、TV20に表示されるタイトル名から、コンテンツを容易に特定することができる。また、コンテンツ自体を提供するサーバと上記関連情報を提供するサーバとが異なるサーバである場合、関連情報取得部41は、上記関連情報を提供するサーバに上記関連情報を要求して取得すればよい。
図3に戻ると、帯域決定部42は、関連情報記憶部46に記憶された関連情報におけるビットレート(帯域情報)から、PLCネットワーク16にて確保すべき伝送帯域を決定するものである。帯域決定部42は、決定した伝送帯域を決定帯域記憶部47に格納する。
具体的には、帯域決定部42は、関連情報記憶部46に記憶された全ての関連情報におけるビットレートのうち、最大のものをPLCネットワーク16にて確保すべき伝送帯域としている。言い換えると、VoDサーバ12が提供しているコンテンツであって、現在STB17において再生可能な全てのコンテンツの中で、ビットレートの最も高いコンテンツを受信するのに十分な帯域を、上記確保するべき伝送帯域としている。なお、帯域決定部42の動作は、関連情報記憶部46が関連情報取得部41によって更新される度に行ってもよいし、定期的に行ってもよい。
選択指示取得部43は、使用者が視聴を所望するコンテンツの選択指示を、使用者から入力部34を介して取得するものである。選択指示取得部43は、上記選択指示を取得した旨を帯域通知部44に通知する。また、選択指示取得部43は、取得した選択指示に対応するコンテンツの関連情報を、関連情報記憶部46から読み出してコンテンツ取得部45に送信する。なお、選択指示取得部43は、上記関連情報のタイトル名のみをコンテンツ取得部45に送信してもよい。
また、選択指示取得部43は、受信中のコンテンツから別のコンテンツへの切替指示を、使用者から入力部34を介して取得する。選択指示取得部43は、取得した切替指示に対応するコンテンツの関連情報を、関連情報記憶部46から読み出してコンテンツ取得部45に送信する。なお、本実施形態では、選択指示取得部43は、上記切替指示を取得しても、帯域通知部44に通知する必要はない。
帯域通知部44は、選択指示取得部43からの通知を受け取ると、決定帯域記憶部47から読み出したビットレートに対応する伝送帯域を、通信部33などを介してPLC親機15に通知するものである。帯域通知部44は、PLC親機15が上記伝送帯域の設定を完了した旨を示す設定完了通知を、PLC親機15から通信部33などを介して受信すると、受信した設定完了通知をコンテンツ取得部45に送信する。
コンテンツ取得部45は、選択指示取得部43から受信した関連情報のタイトル名に対応するコンテンツを、VoDサーバ12から通信部33などを介して取得するものである。コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツを出力部35を介して外部に出力する。
具体的には、コンテンツ取得部45は、帯域通知部44から上記設定完了通知を受信すると、上記タイトル名に対応するコンテンツを伝送するように要求するコンテンツ伝送要求を、通信部33などを介してVoDサーバ12に送信する。これにより、VoDサーバ12は、要求されたコンテンツのパケットの送信を開始する。コンテンツ取得部45は、通信部33などを介して受信した上記パケットをTV出力可能な映像信号に変換し、変換した映像信号を、出力部35を介してTV20に送信することにより、TV20にコンテンツが表示される。
また、コンテンツ取得部45は、コンテンツの受信中に、選択指示取得部43から関連情報を新たに受信した場合、コンテンツを切り替えると判断して、新たに受信した関連情報のタイトル名に対応するコンテンツを伝送するように要求するコンテンツ伝送要求を、通信部33などを介してVoDサーバ12に送信する。これにより、VoDサーバ12は新たに要求されたコンテンツのパケットの送信を開始する。コンテンツ取得部45は、VoDサーバ12から受信したコンテンツのパケットを上記映像信号に変換し、変換した映像信号を、出力部35を介してTV20に送信することにより、TV20に新たなコンテンツが表示される。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図2〜図7を参照して説明する。図5は、本実施形態のコンテンツ配信システム11において伝送されるデータの流れを示すシーケンス図である。また、図6は、コンテンツ配信システム11のVoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図2から明らかなように、VoDサーバ12とSTB17との間の通信は、NGN網13、HGW14、PLCアダプタ18a・18c、およびPLCネットワーク16を介して行われる。一方、PLC親機15とSTB17との間の通信は、PLCアダプタ18b・18cおよびPLCネットワーク16を介して行われる。以下では、説明を簡略化するために、データを中継する機器の説明は省略する。
図5および図6に示すように、まず、STB17では、VoDサーバ12が提供可能なコンテンツの関連情報を、関連情報取得部41が通信部33を介してVoDサーバ12に要求する(ステップS10)。なお、上記要求は、STB17の電源がオンになったとき、所定の時刻に達したとき、視聴するコンテンツが切り替わったとき(使用者がコンテンツを切り替えたとき、または、或るコンテンツが終了して次のコンテンツへ移行したとき)など、所定のタイミングで自動的に行っても良いし、使用者が入力部34を介して指示するタイミングで行っても良い。
一方、VoDサーバ12は、STB17からコンテンツの関連情報の要求を受け取ると、提供可能なコンテンツの関連情報を要求元のSTB17に送信する(ステップS20)。このとき、提供可能なコンテンツが複数存在する場合、これら複数のコンテンツの関連情報は、1つのリストに並べられて、一括して送信されることになる。なお、提供可能なコンテンツが多数存在する場合、これら多数のコンテンツの関連情報は、幾つかのリストに分割され並べられて、上記リストが逐次送信されるようにすればよい。
一方、STB17では、VoDサーバ12から送信されたコンテンツの関連情報を、関連情報取得部41が通信部33を介して取得して関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS11)。
なお、VoDサーバ12は、保有するコンテンツの全てが提供可能である場合もあるし、保有するコンテンツの中から、所定の条件に合致するコンテンツを選別して提供する場合もある。上記所定の条件としては、コンテンツを提供するサービス事業者とコンテンツの提供を受ける使用者との契約に基づき設定されるものが考えられ、例えば、コンテンツの提供料金で視聴の可否が設定されたり、コンテンツの著作権を有する自然人または法人ごとに視聴の可否が設定されたり、コンテンツのジャンル(映画、スポーツ、ドラマ、アニメなど)ごとに視聴の可否が設定されたりすることが挙げられる。
また、先に述べたように、VoDサーバ12が、提供可能なコンテンツの関連情報を所定のタイミングで自発的に送信してもよい。この場合、STB17の関連情報取得部41は、コンテンツの関連情報の要求(ステップS10)を省略する代わりに、常時データ受信可能状態になっており、VoDサーバ12からコンテンツの関連情報を受信すると、関連情報記憶部46に格納することが考えられる。
また、STB17は、使用者からコンテンツの関連情報の再取得が指示されるまで、関連情報記憶部46に格納した関連情報を保持し続けてもよい。この場合、使用者は、コンテンツの視聴を所望する度に上記関連情報をVoDサーバ12に要求して取得する必要がないので、上記関連情報を迅速に提供することができる。
次に、STB17の帯域決定部42は、関連情報記憶部46に記憶されたコンテンツの関連情報を参照して、PLCネットワーク16にて確保すべき帯域を決定する(ステップS12)。帯域決定部42は、決定した帯域を決定帯域記憶部47に格納する。
図7は、帯域決定部42が上記帯域を決定する処理(ステップS12)の詳細を示すフローチャートである。図示のように、まず、PLCネットワーク16で確保すべき帯域Bを0Mbpsに、カウンタiを1に初期化する(ステップS40)。次に、上記帯域Bに比べて、コンテンツ(i)の必要帯域が大きいか否かを判断し(ステップS41)、大きい場合には、帯域Bにコンテンツ(i)の必要帯域が設定される(ステップS42)。
ここで、コンテンツ(i)は、関連情報記憶部46に記憶される関連情報に対応するコンテンツのうち、i番目のコンテンツを表している。なお、何れのコンテンツが何番目のコンテンツに対応するかは、特に関係しない。図4の例では、コンテンツ(1)はコンテンツABCに、コンテンツ(2)はコンテンツDEFに、コンテンツ(3)はコンテンツGHIに、という様に対応する。
次に、コンテンツ(i+1)が存在するか、すなわちコンテンツ(i+1)に対応する関連情報が関連情報記憶部46に記憶されているか否かを判断する(ステップS43)。記憶されている場合(ステップS43にてYES)、カウンタiが1だけ増分された後(ステップS44)、ステップS41に戻って上記動作を繰り返す。一方、記憶されていない場合(ステップS43にてNO)、現在の帯域Bを、PLCネットワーク16で確保すべき伝送帯域として決定し、決定帯域記憶部47に記憶する(ステップS45)。その後、帯域決定処理を終了して元のルーチンに戻る。
すなわち、図7に示す帯域決定処理は、関連情報記憶部46に記憶された関連情報のビットレートのうち、最大のものを選択して決定帯域記憶部47に記憶する処理と同等である。図4の例では、コンテンツGHIのビットレート(必要帯域)である15Mbpsが、PLCネットワーク16で確保すべき伝送帯域として求まることになる。
図6に戻って、STB17の関連情報取得部41は、関連情報記憶部46に記憶された関連情報を、出力部35を介してTV20に出力して表示させる、などの処理を行うことにより、使用者に上記関連情報を参照させる。そして、使用者が、視聴を所望するコンテンツのタイトル名を選択し、入力部34を介して指示することにより、選択指示取得部43が使用者からのコンテンツの選択指示を取得する(ステップS13)。
このとき、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に記憶されたビットレートに対応する伝送帯域をPLCネットワーク16において確保するため、通信部33を介して上記伝送帯域をPLC親機15に通知する(ステップS14)。例えば、図4に示すコンテンツの関連情報の場合、PLCネットワーク16で確保するべき伝送帯域として15Mbpsの伝送帯域が決定され、使用者が例えばコンテンツABCを選択したとしても、10Mbpsではなく、15Mbpsの伝送帯域をSTB17のために確保するようPLC親機15に通知するのである。
なお、使用者が視聴するコンテンツを選択するより前に、伝送帯域をPLC親機15に通知してもよい。すなわち、ステップS13とステップS14とは順序が入れ替わっても良い。
ところで、PLCネットワーク16においては、複数のデータ伝送に対して帯域が割り当てられるので、帯域確保のために伝送帯域の通知を行う際には(ステップS14)、PLC親機15に対してデータを識別するための情報を通知する必要がある。しかしながら、このデータを識別するための情報が、コンテンツを選択した時点で得られる場合がある。具体的には、上述のように使用者がコンテンツを選択する(ステップS13)前に、帯域確保の要求(ステップS14)を行う場合が該当する。この場合には、PLC親機15が帯域を確保する時に具体的にどのデータ伝送に対して帯域を割り当てるかをSTB17が指定することができない。
そこで、このような場合、STB17は、PLC親機15に対し、最初に帯域確保のために伝送帯域の通知を行う時には、上記データを識別するための情報を通知せず、後ほどコンテンツが選択された時に、選択されたコンテンツを識別するための情報を通知することが考えられる。
一方、PLC親機15は、STB17から上記伝送帯域の通知を受け取ると、PLCネットワーク16における伝送帯域の設定処理を、他の機器の帯域設定状況を勘案しながら開始する(ステップS30)。そして、その設定結果を要求元のSTB17に通知する(ステップS31)。
一方、STB17では、PLC親機15から通信部33を介して帯域通知部44が受け取った設定結果が設定成功であった場合、コンテンツ取得部45が、使用者の選択したコンテンツの視聴要求(コンテンツ伝送要求)に、上記コンテンツに対応するタイトル名(識別情報)を付加して、VoDサーバ12に送信する(ステップS15)。なお、図5および図6には示していないが、上記設定結果が設定失敗であった場合、コンテンツ取得部45がエラーメッセージをTV20に表示させて処理を終了する。
一方、VoDサーバ12は、STB17からの視聴要求を受信すると、該視聴要求に含まれるタイトル名に対応するコンテンツのデータを、パケット形式で要求元のSTB17に送信することを開始する(ステップS21)。このとき、STB17は、上記コンテンツのデータを受信することを開始する(ステップS16)。これにより、コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツのパケット形式のデータをTV出力可能な映像信号に変換し、変換した映像信号を出力部35を介してTV20に送信することにより、上記コンテンツがTV20に再生表示され、使用者が上記コンテンツを視聴することができる。
その後、使用者が別のコンテンツに切り替えて視聴することを所望したとする。このとき、STB17は、使用者から入力部34を介しての指示により、関連情報記憶部46に格納されている関連情報を関連情報取得部41がTV20に出力して表示させるなどして、使用者に関連情報を提示する。そして、使用者が切り替えて視聴したいコンテンツのタイトル名を選択して、入力部34を介して指示する。これにより、選択指示取得部43が使用者からのコンテンツの切替指示を取得する(ステップS17)。
このとき、先の帯域通知(ステップS14)によってPLCネットワーク16で必要となる伝送帯域が既に確保されているので、帯域通知部44が再び帯域通知を行う必要はない。そして、ステップS15と同様に、コンテンツ取得部45が、使用者の選択したコンテンツの視聴要求(コンテンツ伝送要求)に、上記コンテンツに対応するタイトル名(識別情報)を付加して、VoDサーバ12に送信する(ステップS18)。
一方、VoDサーバ12は、STB17からの視聴要求を受信すると、該視聴要求に含まれるタイトル名に対応するコンテンツのデータを、パケット形式で要求元のSTB17に送信することを開始する(ステップS22)。このとき、STB17は、上記コンテンツのデータを受信することを開始する(ステップS19)。これにより、コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツのパケット形式のデータをTV出力可能な映像信号に変換し、変換した映像信号を出力部35を介してTV20に送信することにより、切り替えたコンテンツがTV20に再生表示され、使用者が、上記切り替えたコンテンツを視聴することができる。以降、コンテンツが切り替わる度に、ステップS17〜S19・S22と同じ処理が行われることになる。
図4に示すコンテンツの関連情報の例では、使用者がコンテンツABCを視聴している途中で、コンテンツDEFを新たに選択してコンテンツを切り替える場合、PLC親機15はコンテンツDEFの視聴に必要となる13Mbpsより大きい15Mbpsの帯域を既に確保しているため、コンテンツ取得部45は直ちにコンテンツDEFの視聴要求をVoDサーバ12に要求することができる。
なお、HGW14に接続されているPLCアダプタ18は、複数のコンテンツを受信する場合があるので、コンテンツをPLCネットワーク16に伝送するときには、何れのコンテンツが帯域確保の対象であるかを判別した上で伝送する必要がある。よって、上記対象となるコンテンツが変更された場合、確保すべき伝送帯域の大きさが十分であっても、上記対象となるコンテンツが変更された旨をPLCアダプタ18に通知する必要がある。
そこで、ステップS17の後に、帯域通知部44は、確保されている帯域の対象となるコンテンツを切り替えた旨をPLC親機15に通知する。この場合、切替え後のコンテンツで必要となる帯域は既に確保されているため、当該帯域の解放および再確保が必ず成功するという利点がある。
また、本実施形態では、コンテンツを送信するサーバと、コンテンツの関連情報を送信するサーバとは、同じVoDサーバ12であったが、別々のサーバであってもよい。また、視聴可能な複数のコンテンツは、全て1台のVoDサーバ12に格納されているとして扱ったが、複数台のVoDサーバ12に別々に格納されていてもよい。
以上のように、本実施形態では、VoDサーバ12が提供しているコンテンツであって現在STB17において再生可能な全てのコンテンツの中で、ビットレートが最も高いコンテンツを受信するのに十分な帯域を、PLCネットワーク16で使用する伝送帯域として予め確保している。これにより、コンテンツの切替えが発生しても、切り替えられたコンテンツの必要帯域が十分に確保されているから、コンテンツの切替え時に帯域設定処理を再度行う必要がなくなる。以下、上記最大の伝送帯域を「十分帯域」と称する。
なお、通信装置7がIP電話端末である場合、通話中にコーデックを切り替えて、通話の音質を変更したり、音声のみの通話から音声および映像の通話に変更したりすることが考えられる。
そこで、音質が変更される場合を想定して、上記IP電話端末がサポートしているコーデックの種類に関して、使用される帯域が最も大きいものを予め確保しておけばよい。コーデックの変更時には、送信側端末と受信側端末との間でそれぞれがサポートしているコーデックを交換し、両者がサポートしているコーデックのみが使用できる。よって、自端末がサポートしているコーデックによって使用される帯域の中で最大の帯域を確保しておけば、それ以上の帯域は不要となるので、上記コーデックの切替えを行った時に帯域設定処理を再実行しなくて済む。また、音声のみの通話から音声および映像の複合された通話に変更される事を想定して、予め音声の帯域と映像の帯域とを加算した分の帯域を確保しておいてもよい。
また、PLC親機15は、PLCネットワーク16が他のデータの伝送に利用されているなどにより、上述の十分帯域をSTB17のために確保できない場合が考えられる。この場合、PLC親機15は、STB17のために可及的に多くの帯域を確保することが望ましい。このとき、再生時に乱れるコンテンツを可及的に少なくすることができる。また、上記の場合、STB17は、各コンテンツの必要帯域が確保できているか否かを示す帯域確保状態をTV20に送信して表示することにより、使用者に通知することが望ましい。
図30および図31は、TV20に上記帯域確保状態を表示する一例を示している。図示の例では、ステップS13においてTV20にコンテンツの関連情報を表示させて使用者にコンテンツを選択させる場合に、上記関連情報と共に上記帯域確保状態をTV20に表示している。
具体的には、図30および図31では、上記関連情報としてサムネイル画像とタイトル名とがコンテンツごとに表示されている。また、図示の白抜き矢印は、現在選択中のコンテンツを示している。
そして、図30では、上記帯域確保状態として記号○または記号×がコンテンツごとに表示されている。記号○は、対応するコンテンツの必要帯域が確保されている状態を示し、記号×は、対応するコンテンツの必要帯域が確保されていない状態を示している。使用者は、図30に示す画面を参照することにより、タイトル4のコンテンツの必要帯域が確保されていないことを把握することができる。
なお、図30では、上記帯域確保状態を記号○・×で示しているが、他の記号を利用してもよいし、アイコン、色、「可」・「否」などの文字などを利用してもよい。さらに、上記帯域確保状態の欄を省略し、タイトル名の欄において、タイトル名の文字列、背景色、および/または枠色によって、上記帯域確保状態を表現してもよい。例えば、或るコンテンツに関して、必要帯域が確保されている場合にはタイトル名の文字列を緑色で表示する一方、必要帯域が確保されていない場合にはタイトル名の文字列を赤色で表示することが挙げられる。
また、サムネイル画像の枠色、および/または全体の色調によって、上記帯域確保状態を表現してもよい。例えば、或るコンテンツに関して、必要帯域が確保されている場合にはサムネイル画像の全体に半透明の緑色を施す一方、必要帯域が確保されていない場合にはサムネイル画像の全体に半透明の赤色を施すことが挙げられる。このように、上記帯域確保状態は、情報を表現するための任意の手段を利用することができる。
一方、図31では、上記帯域確保状態の欄に、各コンテンツの必要帯域と現在確保中の帯域とが棒グラフで表示されている。具体的には、各コンテンツの必要帯域が、黒四角を並べた横棒グラフで表示され、現在確保中の帯域が、四角(白四角)を並べた横棒グラフで表示されている。なお、図中の四角および黒四角の1個は約1Mbpsの帯域を表している。従って、図示の例では、確保されている帯域は7Mbpsであり、タイトル1の必要帯域は7Mbpsである。
図31に示す画面を参照することにより、使用者は、各コンテンツの必要帯域を把握できると共に、該必要帯域が現在確保中の帯域で足りるか否かを把握することができる。
なお、図31の棒グラフに関して、上記必要帯域が確保されているか否かを上記棒グラフの色で表現してもよい。例えば、上記必要帯域が確保されている場合には、緑色の四角を並べた横棒グラフで表示する一方、上記必要帯域が確保されていない場合には、赤色の四角を並べた横棒グラフで表示することが考えられる。これにより、使用者は、上記横棒グラフの色を参照することにより、上記必要帯域が確保されているか否かを迅速に把握することができる。
また、図31の棒グラフに関して、上記必要帯域と現在確保中の帯域とを1つの棒グラフにまとめて表示してもよい。この場合、現在確保中の帯域を示す棒グラフを表示するための領域を確保する必要がなくなる。
図32(a)および図32(b)は、上記必要帯域と現在確保中の帯域とを1つにまとめた棒グラフの例を示している。図32(a)および図32(b)のそれぞれでは、上段に、上記必要帯域が現在確保中の帯域で足りる場合を示し、下段に、上記必要帯域が現在確保中の帯域では不足する場合を示している。
図32(a)では、現在確保中の帯域を示す四角の配列に対し、上記必要帯域の分だけ、左端から四角を黒四角に変更している。そして、四角の配列からはみ出す分は、黒四角に白抜き×印が付されて配列されている。
一方、図32(b)では、図32(a)に比べて、黒四角を緑色の四角に変更し、白抜き×印の付された黒四角を赤色の四角に変更している。なお、図32(b)において、左上がりの斜線によるハッチングは緑色を示し、縦線によるハッチングは赤色を示している。これは他の図も同様である。
これにより、使用者は、図32(a)および図32(b)の上段のように四角の配列が存在することにより、上記必要帯域が現在確保中の帯域で足りることを容易に把握できる。また、使用者は、図32(a)の下段のように、白抜き×印の付された黒四角の配列が存在すれば、或いは、図32(b)の下段のように、赤色の四角の配列が存在すれば、上記必要帯域が現在確保中の帯域で不足することを容易に把握できる。また、使用者は、白抜き×印の付された黒四角の個数、或いは赤色の四角の個数を参照することにより、不足している帯域の量を容易に把握することができる。
なお、図30に示す表示形態と、図31に示す表示形態とは、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、切り替え可能であってもよい。また、表示中の映像コンテンツの一部領域に、図30または図31の画像を重畳して表示してもよい。このとき、重畳される領域は、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、変更可能であってもよい。
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について図8〜図11を参照して説明する。図8は、本実施形態のコンテンツ配信システム11の構成を示す概略図である。図8に示すコンテンツ配信システム11は、図2〜図7に示すコンテンツ配信システム11に比べて、VoDサーバ12に代えて、IP放送サーバ50、マルチキャストポイント51、およびEPGサーバ52が設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
コンテンツを提供するサーバが、VoDサーバ12ではなく、IP放送を行うIP放送サーバ50であるので、コンテンツは、所定の時間帯に一群の通信装置に対して同時に配信されることになる。このため、コンテンツを視聴したいときにすぐに視聴できるのではなく、サーバ側でコンテンツの配信スケジュールが決定され、そのスケジュールがEPGで提供される形態となる。そこで、本実施形態では、上記EPGにおいて、コンテンツの伝送に要する帯域情報がコンテンツごとに追加されている。
図8に示すように、IP放送で行われるマルチキャストでは、コンテンツデータは、IP放送サーバ50から直接伝送されるのではなく、マルチキャストポイント51を経由して伝送される。一群の通信装置は、同じマルチキャストポイント51からコンテンツデータを受信することになる。また、本実施形態では、コンテンツの関連情報を含むEPGを提供するEPGサーバ52を、IP放送サーバ50とは別に設置している。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図8〜図11を参照して説明する。図9は、本実施形態のコンテンツ配信システム11において伝送されるデータの流れを示すシーケンス図である。また、図10は、コンテンツ配信システム11のマルチキャストポイント51、EPGサーバ52、PLC親機15、およびSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図8から明らかなように、マルチキャストポイント51とSTB17との間の通信は、NGN網13、HGW14、PLCアダプタ18a・18c、およびPLCネットワーク16を介して行われる。一方、PLC親機15とSTB17との間の通信は、PLCアダプタ18b・18cおよびPLCネットワーク16を介して行われる。以下では、説明を簡略化するために、データを中継する機器の説明は省略する。
図9および図10に示すように、まず、STB17では、IP放送サーバ50による配信予定のコンテンツの関連情報を含むEPGを、関連情報取得部41が通信部33を介してEPGサーバ52に要求する(ステップS50)。なお、上記要求は、STB17の電源がオンになったとき、所定の時刻に達したとき、視聴するコンテンツが切り替わったとき(使用者がチャンネルを切り替えたとき、または、或る番組が終了して次の番組へ移行したとき)など、所定のタイミングで自動的に行っても良いし、使用者が入力部34を介して指示するタイミングで行っても良い。
一方、EPGサーバ52は、STB17からEPGの要求を受け取ると、配信予定のコンテンツの関連情報を含むEPGを要求元のSTB17に送信する(ステップS70)。このEPGには、一般的にEPGに含まれているチャンネル、番組のタイトル名、番組の放送時刻の他に、番組の帯域情報であるビットレートが番組ごとに含まれている。このビットレートは、コンテンツの圧縮方式、圧縮率などによって変わるものである。
図11は、上記EPGの一例を表形式で示す説明図である。図示の場合、チャンネルCH1では、8時00分から9時00分まで番組(コンテンツ)AAAがビットレート5Mbpsで放送され、続いて9時00分から9時15分まで番組BBBがビットレート10Mbpsで放送されることを示している。また、チャンネルCH2では、8時30分から11時00分まで番組GGGがビットレート9Mbpsで放送され、チャンネルCH3では、10時10分から11時00分まで番組JJJがビットレート7Mbpsで放送されることなどを示している。なお、図11の他の欄についても同様であるのでその説明を省略する。但し、図示のビットレートの数値は説明のための便宜上のものであり実際には放送コンテンツの圧縮方式、圧縮率などよって決まるものである。
図9および図10に戻ると、STB17では、IP放送サーバ50から送信されたEPGを、関連情報取得部41が通信部33を介して取得して関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS51)。
なお、先に述べたように、EPGサーバ52が、上記EPGを所定のタイミングで自発的に送信してもよい。この場合、STB17の関連情報取得部41は、EPGの要求(ステップS50)を省略する代わりに、常時データ受信状態になっており、EPGサーバ52から上記EPGを受信すると、関連情報記憶部46に格納することが考えられる。
また、STB17は、使用者からEPGの再取得が指示されるまで、関連情報記憶部46に格納したEPGを保持し続けてもよい。この場合、使用者は、コンテンツの視聴を所望する度に上記EPGをEPGサーバ52に要求して取得する必要がないので、上記EPGを迅速に提供することができる。
次に、STB17の帯域決定部42は、関連情報記憶部46に記憶されたEPGを参照して、PLCネットワーク16にて確保すべき帯域を決定する(ステップS52)。帯域決定部42は、決定した帯域を決定帯域記憶部47に格納する。
なお、帯域決定部42が行う帯域決定処理(ステップS52)は、図7に示す帯域決定処理と同様である。すなわち、本実施形態における帯域決定処理は、関連情報記憶部46に記憶されたEPGに含まれる全ての関連情報におけるビットレートのうち、最大のものを選択して決定帯域記憶部47に記憶する処理と同等である。
言い換えると、EPGに含まれる全放送時間帯にIP放送サーバ50が配信を予定している全てのコンテンツ(全チャンネルのコンテンツを含む)の内で、ビットレートが最も高いコンテンツを受信するのに十分な帯域を、確保するべき伝送帯域としている。図11の例では、コンテンツCCCのビットレート15Mbpsが、PLCネットワーク16で確保すべき伝送帯域として求まることになる。
次に、STB17の関連情報取得部41は、関連情報記憶部46に記憶されたEPGを、出力部35を介してTV20に出力して表示させる、などの処理を行うことにより、使用者に上記EPGを参照させる。そして、使用者が、視聴を所望するコンテンツのタイトル名或いはチャンネルを選択し、入力部34を介して指示することにより、選択指示取得部43が使用者からのコンテンツの選択指示を取得する(ステップS53)。
このとき、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に記憶されたビットレートに対応する伝送帯域をPLCネットワーク16において確保するため、通信部33を介して上記伝送帯域をPLC親機15に通知する(ステップS54)。例えば、図11に示すEPGの場合、PLCネットワーク16で確保するべき伝送帯域として15Mbpsの伝送帯域が決定され、使用者が例えば8時00分にコンテンツAAAを選択したとしても、5Mbpsではなく、15Mbpsの伝送帯域をSTB17のために確保するようPLC親機15に通知するのである。
なお、使用者が視聴するコンテンツを選択するより前に、伝送帯域をPLC親機15に通知してもよい。すなわち、ステップS53とステップS54とは順序が入れ替わっても良い。
一方、PLC親機15は、STB17から上記伝送帯域の通知を受け取ると、PLCネットワーク16における伝送帯域の設定処理を、他の機器の帯域設定状況を勘案しながら開始する(ステップS80)。そして、その設定結果を要求元のSTB17に通知する(ステップS81)。
一方、STB17では、PLC親機15から通信部33を介して帯域通知部44が受け取った設定結果が設定成功であった場合、コンテンツ取得部45は、使用者の選択したコンテンツを識別する情報であるチャンネルを付加した視聴要求をマルチキャストポイント51に送信する。具体的には、コンテンツ取得部45は、上記コンテンツの視聴の開始を通知するjoinパケットに、受信を開始しようとするチャンネルに対応するマルチキャストアドレスを含めてマルチキャストポイント51に送信する(ステップS55)。なお、図9および図10には示していないが、上記設定結果が設定失敗であった場合、コンテンツ取得部45がエラーメッセージをTV20に表示させて処理を終了する。
一方、マルチキャストポイント51は、STB17からのjoinパケットを受信すると、送信元のSTB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先に追加する(ステップS71)。これにより、上記コンテンツのデータが、パケット形式でマルチキャストポイント51からSTB17に配信される。
一方、STB17は、上記コンテンツのデータを受信することを開始する(ステップS56)。これにより、コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツのパケット形式のデータをTV出力可能な映像信号に変換し、変換した映像信号を出力部35を介してTV20に送信することにより、上記コンテンツがTV20に再生表示され、使用者が上記コンテンツを視聴することができる。このように、受信側の通信装置であるSTB17が事前に取得しているEPGの帯域情報から決定した帯域を、PLC親機15が確保して通信を行うのである。
その後、使用者が別のコンテンツに切り替えて視聴することを所望したとする。このとき、STB17は、使用者から入力部34を介しての指示により、関連情報記憶部46に格納されているEPGを関連情報取得部41がTV20に出力して表示させるなどして、使用者にEPGを提示する。そして、使用者が切り替えて視聴したいコンテンツのタイトル名或いはチャンネルなどを選択して、入力部34を介して指示する。これにより、選択指示取得部43が使用者からのコンテンツの切替指示を取得する(ステップS57)。
なお、EPGを表示せずに、予め決められた順序でチャンネルを切り替えるような操作によりチャンネルを切り替えても良い。例えば、チャンネルCH2を現在視聴中の場合に、リモコンの「+ボタン」を押すとチャンネルCH2がチャンネルCH3に切り替わり、「−ボタン」を押すとチャンネルCH2がチャンネルCH1に切り替わるというような操作方法でも良い。
このとき、先の帯域通知(ステップS54)によってPLCネットワーク16で必要となる伝送帯域が既に確保されているので、帯域通知部44が再び帯域通知を行う必要はない。一方、STB17のコンテンツ取得部45は、視聴を終了するコンテンツを識別する情報であるチャンネルを付加した視聴終了通知をマルチキャストポイント51に送信する。具体的には、コンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットに、受信を終了しようとするチャンネルに対応するマルチキャストアドレスを含めてマルチキャストポイント51に送出する(ステップS55)。続いて、ステップS55と同様に、コンテンツ取得部45は、使用者が新たに選択したコンテンツの視聴の開始を通知するjoinパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS59)。
一方、マルチキャストポイント51は、STB17からのleaveパケットを受信すると、leaveパケットの送信元であるSTB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する(ステップS72)。続いて、マルチキャストポイント51は、STB17からのjoinパケットを受信すると、送信元のSTB17を、新たに選択された上記コンテンツのマルチキャスト配信先に追加する(ステップS73)。これにより、上記コンテンツのデータが、パケット形式でマルチキャストポイント51からSTB17に配信される。
一方、STB17は、上記コンテンツのデータを受信することを開始する(ステップS60)。これにより、コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツのパケット形式のデータをTV出力可能な映像信号に変換し、変換した映像信号を出力部35を介してTV20に送信することにより、切り替えたコンテンツがTV20に再生表示され、使用者が、上記切り替えたコンテンツを視聴することができる。以降、コンテンツが切り替わる度に、ステップS57〜S60・S72・S73と同じ処理が行われることになる。
例えば、図11に示すEPGでは、使用者がコンテンツAAAを視聴している途中で、コンテンツFFFを新たに選択してコンテンツを切り替える場合、PLC親機15はコンテンツFFFの視聴に必要となる13Mbpsより大きい15Mbpsの帯域を既に確保しているため、コンテンツ取得部45は直ちにコンテンツAAAの視聴終了とコンテンツFFFの視聴開始とをマルチキャストポイント51に通知することができる。なお、上述のように、ステップS57の後に、帯域通知部44は、確保されている帯域の対象となるコンテンツを切り替えた旨をPLC親機15に通知するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態では、EPGに含まれる全てのコンテンツの必要帯域の中で最大のもの(十分帯域)を、PLCネットワーク16で使用する伝送帯域として予め確保している。これにより、コンテンツの切替えが発生しても、切り替えられたコンテンツの必要帯域が十分に確保されているから、コンテンツの切替え時に帯域設定処理を再度行う必要がなくなる。また、EPGを取得した後に1回だけPLCネットワーク16の帯域を確保すればよいため、PLC親機15の負担を減らすことができる。
なお、本実施形態では、EPGにおいて全ての時刻に放送されている全コンテンツを対象として、必要帯域が最大のもの(十分帯域)を選択しているが、対象となるコンテンツが放送される時間帯を限定することも可能である。例えば、一般的なEPGは、今後数日間の時間帯に放送される予定のコンテンツ全ての関連情報を含んでいるので、当該時間帯に放送される予定のコンテンツの中で、必要帯域が最大のもの(十分帯域)を選択してもよい。さらに、より短い時間帯(例えば6時間)に限定することも可能である。なお、限定される時間帯は、現在時刻を含む時間帯(第1の時間帯)であることが望ましい。
例えば、図11のEPGにおいて、8時00分から9時00分までの時間帯に放送が予定されているコンテンツだけに対象を絞って十分帯域を決定するという方法も考えられる。この場合、対象となるコンテンツは、それぞれAAA、FFF、III、およびGGGの4つとなり、コンテンツFFFのビットレート13Mbpsが十分帯域として決定されることになる。
なお、既に放送が終了したコンテンツは、対象から除外することが望ましい。上記の例において現在時刻が8時30分である場合、既に放送が終了しているコンテンツFFFが対象から除外されるので、コンテンツGGGのビットレート9Mbpsが十分帯域として決定されることになる。
或いは、現在時刻から所定期間という時間帯(第1の時間帯)の限定も考えられる。例えば、図11のEPGにおいて、現在時刻が10時15分で、これから60分間に放送が予定されているコンテンツに対象を絞って十分帯域を決定するという方法である。この場合、対象となるコンテンツは、それぞれDDD、GGG、JJJ、EEE、HHH、およびKKKの6つとなり、コンテンツEEEのビットレート12Mbpsが十分帯域として決定されることになる。
また、上述のように、未契約等により使用者が視聴できないチャンネルが存在する場合もある。この場合、視聴できないチャンネルが対象から除外されることが望ましい。上記の例においてチャンネルCH1を視聴できない場合、チャンネルCH1のコンテンツDDD・EEEが対象から除外されるので、コンテンツKKKのビットレート11Mbpsが十分帯域として決定されることになる。
なお、STB17において、IP放送とVoDとを同時に受信可能である場合、IP放送で受信可能なコンテンツとVoDで受信可能なコンテンツとの全ての中から最大の必要帯域を決定し、その帯域を確保しても良い。VoDにおけるコンテンツ受信サービスの手順は図1〜図7に示す実施形態にて述べた通りである。この場合、IP放送を視聴中に、使用者の操作等によりVoDに変更された場合(つまり、受信するサービスが変更された場合)にも、帯域設定処理を再度行う必要がなくなる。従って、コンテンツのリストを取得してその中から受信するコンテンツを選択するようなものであれば、コンテンツを受信する任意のサービスに本発明は適用できる。また、3つ以上のコンテンツ受信サービスを受信する場合も同様である。
また、サービスによっては、提供されるコンテンツのビットレートの上限が決まっている場合がある。例えば、IP放送の規格として、ビットレートの上限が決まっている場合(すなわち、どのチャンネルのどの時間帯においても、或るビットレートを超えるコンテンツが提供されることがないことが予め分かっている場合)、EPGから帯域情報を取得しなくとも、ビットレートの上限の分の帯域を確保しておけば、本実施形態と同様の効果を得られる。ただし、上限よりも低いビットレートのコンテンツしか伝送されない場合にも、常に上限のビットレートを確保することになるため、割り当てられる帯域よりも実際に使用される帯域が少ないという状態が多くなり、帯域の使用効率が悪くなる。
〔実施の形態3〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について図12〜図15、および図33〜図37を参照して説明する。本実施形態のコンテンツ配信システム11は、図8〜図11に示すコンテンツ配信システム11に比べて、帯域決定部42および帯域通知部44の機能と、決定帯域記憶部47のデータ構造とが異なるのみであり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、帯域決定部42は、或る時刻に配信が予定されているコンテンツ全てに関して十分帯域を決定し、決定した十分帯域と上記時刻とを対応付けて決定帯域記憶部47に記憶し、これをEPGに含まれる他の時刻について繰り返している。
そして、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に記憶された十分帯域が変化する時刻に到達した場合、変化後の十分帯域を、通信部33を介してPLC親機15に通知している。これにより、PLCネットワーク16の帯域を無駄に確保することを抑制できる。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図12〜図15を参照して説明する。図12は、本実施形態のコンテンツ配信システム11において伝送されるデータの流れを示すシーケンス図である。また、図13は、コンテンツ配信システム11のSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。なお、コンテンツ配信システム11のマルチキャストポイント51、EPGサーバ52、およびPLC親機15の処理は、図10に示す処理と同様であるので、その説明を省略する。
図12および図13に示すように、まず、STB17の関連情報取得部41は、図9および図10と同様に、IP放送サーバ50による配信予定のコンテンツの関連情報を含むEPGを通信部33を介してEPGサーバ52に要求して取得し、取得したEPGを関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS50・S51)。
次に、STB17の帯域決定部42は、関連情報記憶部46に記憶されたEPGを参照して、或る時刻においてPLCネットワーク16にて確保するべき伝送帯域を決定し、これをEPGに含まれる他の時刻について繰り返す(ステップS90)。帯域決定部42は、上記時刻と、決定した伝送帯域とを対応付けて決定帯域記憶部47に格納する。
図14は、上記EPGと、該EPGから決定された上記伝送帯域との一例を表形式で示す説明図である。図の左側には、関連情報記憶部46に記憶されるEPGが記載され、図の右側には、決定帯域記憶部47に記憶される上記伝送帯域が記載されている。なお、図14に示すEPGは、図11に示すEPGと同様であるので、その説明を省略する。
図14の例では、各時刻における十分帯域(必要帯域の最大値)は、8時00分〜8時30分が番組FFFのビットレート13Mbpsであり、8時30分〜9時00分と10時00分〜11時00分とが番組GGGのビットレート9Mbpsであり、9時00分〜9時15分が番組BBBのビットレート10Mbpsであり、9時15分〜10時00分が番組CCCのビットレート15Mbpsである。11時00分〜12時00分が番組EEEのビットレート12Mbpsである。従って、これらの時間帯および十分帯域が対応付けられて決定帯域記憶部47に記憶されることになる。なお、帯域決定部42による十分帯域の決定は、EPGを一度取得した後に1回行えばよく、番組が実際に切り替わる場合に再度行う必要はない。
図15は、帯域決定部42が上記伝送帯域を決定する処理(ステップS90)の詳細を示すフローチャートである。図示のように、まず、時刻tを、EPGに含まれる全てのコンテンツの中で最も配信時刻が早いコンテンツの配信開始時刻t0に合わせる(ステップS100)。図14の例では、t0が8時00分となる。次に、チャンネル番号i(以下、「チャンネルi」と略称する。)を1に設定する(ステップS101)。ここで、EPGに含まれるコンテンツは、1から始まる整数のチャンネル番号に割り当てられているものとする。
次に、時刻tがコンテンツ(i,u)の配信開始時刻uに到達したか否かを判断する(ステップS102)。ここで、コンテンツ(i,u)は、チャンネルiのチャンネルにおいて時刻uから配信が開始されるコンテンツを表している。
時刻tがコンテンツ(i,u)の配信開始時刻uに到達していない場合(ステップS102にてNO)、チャンネルiがEPGにおける最後のチャンネル番号であるか否かを判断する(ステップS103)。最後のチャンネル番号ではない場合(ステップS103にてNO)、チャンネルiが1だけ増分された(ステップS104)後、ステップS102に戻って上記動作を繰り返す。一方、最後のチャンネル番号の場合(ステップS103にてYES)、時刻tが配信開始時刻uに到達したコンテンツが存在しないと判断して、ステップS106に進む。
一方、時刻tがコンテンツ(i,u)の配信開始時刻uに到達した場合(ステップS102にてYES)、当該時刻tにおける必要帯域の最大値である十分帯域B(t)が決定され、時刻tおよび十分帯域B(t)が対応付けられて決定帯域記憶部47に格納される(ステップS105)。その後、ステップS106に進む。なお、ステップS105の処理は、図7に示す処理と同様である。
ステップS106では、時刻tが所定の時間だけ進められる。該所定の時間は、EPGに記載される時間の最小単位でよく、一般的には1分である。次に、時刻tが、EPGに含まれる最後の時刻に到達したか否かを判断する(ステップS107)。時刻tが上記最後の時刻に到達していない場合(ステップS107にてNO)、ステップS101に戻って上記処理動作を繰り返す。一方、時刻tが上記最後の時刻に到達した場合(ステップS107にてYES)、帯域決定処理を終了して元のルーチンに戻る。
すなわち、図15に示す帯域決定処理(ステップS100〜S107)では、EPGを参照して、何れかのチャンネルで配信されるコンテンツが切り替わる時刻tごとに、当該時刻tにおける十分帯域B(t)が決定され、決定帯域記憶部47に格納されることになる。
例えば、図14に示すEPGでは、まず、時刻t=8時00分の場合、チャンネルi=1のチャンネルにおける番組AAAの配信開始時刻であるため、時刻t=8時00分における十分帯域B(t)が求められる。8時00分において配信される番組のうち、必要帯域が最大のものは、番組FFFであるので、そのビットレート13Mbpsが十分帯域B(t)となる。
続いて、時刻tが進められて時刻t=8時30分に達した場合、チャンネルi=2のチャンネルにおける番組GGGの配信開始時刻であるため、時刻t=8時30分における十分帯域B(t)が求められる。8時30分において配信される番組のうち、必要帯域が最大のものは、番組GGGの番組であるので、そのビットレート9Mbpsが十分帯域B(t)となる。
続いて、時刻tが進められて時刻t=9時00分に達した場合、チャンネルi=1のチャンネルにおける番組BBBの配信開始時刻であるため、時刻t=9時00分における十分帯域B(t)が求められる。9時00分において配信される番組のうち、必要帯域が最大のものは、番組BBBであるので、そのビットレート10Mbpsが十分帯域B(t)となる。以下、同様にして時刻t=12時00分までの必要帯域の最大値(十分帯域)B(t)が求められる。
図12および図13に戻ると、上述のように、STB17の選択指示取得部43が、使用者からのコンテンツの選択指示を取得すると(ステップS53)、帯域通知部44は、現在時刻の十分帯域を決定帯域記憶部47から読み出して、通信部33を介してPLC親機15に通知する(ステップS54)。これにより、上記十分帯域がPLCネットワーク16において確保される。
そして、PLC親機15から通信部33を介して帯域通知部44が設定結果を受け取って帯域設定処理が完了したことを認識すると、コンテンツ取得部45は、使用者の選択したコンテンツを識別する情報であるチャンネルを付加した視聴要求(joinパケット)をマルチキャストポイント51に送信する(ステップS55)。これにより、STB17は、上記コンテンツのデータの受信を開始する(ステップS56)。コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツのパケット形式のデータをTV出力可能な映像信号に変換し、変換した映像信号を出力部35を介してTV20に送信することにより、上記コンテンツがTV20に再生表示され、使用者が上記コンテンツを視聴することができる。
図14の例では、使用者が8時00分にチャンネルCH1を選択した場合、まず決定帯域記憶部47が参照されて、8時00分から8時30分にPLCネットワーク16で確保しておくべき十分帯域13Mbpsが導き出され、PLC親機15に通知されて、PLCネットワーク16の帯域が設定される。なお、この設定は、決定帯域記憶部47に格納された時刻および十分帯域にのみ依存し、使用者が何れのチャンネルのコンテンツを視聴するかには依存しない。その後、コンテンツAAAの視聴を開始するjoinパケットがマルチキャストポイント51に送出され、STB17でコンテンツAAAの受信が開始される。
その後は、以下に示すように、3つの条件(ステップS91・S92・S96)の何れかに該当した場合、該当する条件に対応する処理が行われる。
すなわち、決定帯域記憶部47に対応付けて格納された時刻および十分帯域を参照して、PLCネットワーク16で確保すべき帯域が変化する時刻に達した場合(ステップS96にてYES)、帯域通知部44は、新たな十分帯域をPLC親機15に通知する(ステップS97)。図14の例では、8時00分からチャンネルCH3でコンテンツIIIを視聴している場合、8時30分に決定帯域記憶部47に格納されている十分帯域が13Mbpsから9Mbpsに変化するため、帯域通知部44は、8時30分にPLCネットワーク16の伝送帯域を9MbpsにするようPLC親機15に通知することになる。
一方、使用者からチャンネルの切替えが指示された場合(ステップS92にてYES)、STB17のコンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS93)。leaveパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への上記コンテンツの伝送が終了する。
次に、STB17のコンテンツ取得部45は、新しく選択されたコンテンツの視聴の開始を通知するjoinパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS94)。joinパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先に追加する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への新たなコンテンツの伝送が開始され、STB17のコンテンツ取得部45は、新たなコンテンツのデータの受信を開始する(ステップS95)。
図14の例では、使用者が8時00分から8時30分にチャンネルCH1のコンテンツAAAを視聴している時にチャンネルCH3に切り替えた場合、まず上記コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットがマルチキャストポイント51に送出され、続いてチャンネルCH3のコンテンツIIIの視聴の開始を通知するjoinパケットがマルチキャストポイント51に送出される。これにより、STB17でコンテンツIIIの受信が開始されることになる。このとき、確保する帯域を変更する要求をPLC親機15に通知する必要は無い。なお、ステップS93とステップS94との間に、帯域通知部44は、PLC親機15に対し、確保している帯域の対象となるコンテンツがAAAからIIIに変化した旨を通知するようにしてもよい。
その他、使用者が視聴するコンテンツをIP放送以外(VoDなど)に変更したり、TV20の電源を切ったり、TV20の入力切替(例えばTV20での表示をSTB17からゲーム機に切り替えること)を行ったりして、IP放送のコンテンツの視聴が終了されたと判断した場合(ステップS91にてYES)、STB17のコンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS98)。leaveパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への上記コンテンツの伝送が終了する。
さらに、STB17の帯域通知部44は、PLC親機15に対し、PLCネットワーク16で確保している帯域を解放するよう通知する(ステップS99)。その後、処理は終了する。なお、使用者が再度IP放送を視聴する可能性があるので、STB17から帯域の解放を通知せずに、帯域を確保したままとしてもよい。この場合、STB17は、所定期間(例えば1時間程度)経過して、IP放送を視聴していないと判断してから帯域を解放してもよい。上記IP放送を視聴していないと判断する方法としては、STB17やTV20に対する操作(例えばリモコンでのチャンネル変更や音量変更の操作)が何も行われない期間が所定時間経過したことを検出したり、STB17やTV20にカメラやセンサ装置を設けて、STB17やTV20の近辺に使用者が存在するかどうかを検出し、使用者が不在である期間が所定時間以上経過したことを検出したりすることが考えられる。
なお、本実施形態では、決定帯域記憶部47に記憶された時刻に達した場合に、PLCネットワーク16で確保すべき帯域を再設定させているが、コンテンツの視聴中に、全チャンネルの何れかで視聴可能なコンテンツが変化した場合に、上記再設定を行わせてもよい。例えば緊急番組や放送延長などによりEPGが変化した場合には再設定を行う必要がある。EPGを受信した際に、前回受信したEPGと差異があるかどうかを比較すれば、再設定を行う必要があるかどうかを判定することができる。
また、本実施形態では、帯域決定部42は、各時刻における十分帯域を予め決定しているが、現在時刻における十分帯域を決定し続けてもよい。すなわち、帯域決定部42は、所定の周期(例えば0.1秒)で現在放送中のコンテンツ全てに関して十分帯域を決定し、決定した十分帯域を決定帯域記憶部47に記憶してもよい。この場合、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に記憶された十分帯域が、PLCネットワーク16において現在確保されている帯域から変化しているかを上記所定の周期で判断し、変化している場合には、変化後の十分帯域を、通信部33を介してPLC親機15に通知すればよい。
上記の場合、使用者がチャンネルの切替えを指示して、コンテンツが切り替えられても、伝送するのに十分な帯域が既に確保されているので、確保する帯域を変更する要求をPLC親機15に通知する必要は無い。また、帯域決定部42は、決定した十分帯域を時刻と対応付ける必要が無い。さらに、視聴前に予め行う帯域決定処理(ステップS90)において、現在時刻以外の時刻における十分帯域を決定する必要がないので、コンテンツの視聴を迅速に行うことができる。
なお、チャンネルを切り替える過程では、切替前のコンテンツと切替後のコンテンツとの両方がPLCネットワーク16に伝送されることがある。そこで、帯域決定部42は、或る時刻に配信が予定されているコンテンツ全てのビットレートのうち、最大のビットレートと2番目のビットレートとを加算したものを十分帯域として決定してもよい。例えば、図14のEPGにおいて、8時00分から8時30分の時間帯における十分帯域は、13+8=21Mbpsとしてもよい。この場合、切替前のコンテンツと切替後のコンテンツとの両方を遅滞なくかつ確実に受信することができる。
また、図14の例では、PLCネットワーク16にて確保される帯域は、8時00分に13Mbpsに設定された後、8時30分に9Mbpsに変更され、9時00分に10Mbpsに変更され、9時15分に15Mbpsに変更されている。このとき、PLCネットワーク16に他のデータを伝送するための帯域が確保されて、9時15分に15Mbpsの帯域が確保できない可能性がある。
そこで、帯域決定部42は、確保すべき帯域が減少する場合には、帯域設定の要求を行わないようにしてもよい。この場合、8時00分から9時15分までに確保すべき帯域は、13Mbpsとなる。
また、現在の時間帯(第1の時間帯)の十分帯域から次の時間帯(第2の時間帯)の十分帯域に変更する代わりに、現在の時間帯より後の時間帯(第2の時間帯)の十分帯域のうち、最大のものに変更してもよい。
また、上述のように、PLC親機15は、上述の十分帯域をSTB17のために確保できない場合が考えられ、この場合、STB17は、上述の帯域確保状態をTV20に送信して表示することにより、使用者に通知することが望ましい。
図33は、表示中の映像コンテンツの一部領域に上記帯域確保状態を重畳してTV20に表示する一例を示している。なお、図示の例では、上記帯域確保状態を表示する領域である帯域確保状態表示領域60は、映像コンテンツの右上に設けているが、映像コンテンツの任意の位置に設けてもよいし、表示画面の任意の位置に表示するように設けてもよい。また、帯域確保状態表示領域60は、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、変更可能であってもよい。
図34(a)〜図34(c)は、帯域確保状態表示領域60に表示される上記帯域確保状態の一例を示している。図示の例では、上記帯域確保状態として記号○または記号×がチャンネル単位で表示されている。ここで、記号○は、対応するチャンネルで放送中のコンテンツの必要帯域が確保されている状態を示し、記号×は、上記コンテンツの必要帯域が確保されていない状態を示している。従って、使用者は、図34(a)〜図34(c)に示す画像を参照することにより、放送中のコンテンツの必要帯域が確保されていないチャンネルを把握することができる。
そして、図34(a)では、視聴中のチャンネルとその他のチャンネルとの2つに関する上記帯域確保状態が表示されている。なお、図示の例では、視聴中のチャンネル以外のチャンネルで放送中のコンテンツの少なくとも1つの必要帯域が確保されていない場合に記号×となり、該コンテンツの全ての必要帯域が確保されている場合に記号○となる。従って、使用者は、図34(a)に示す画像を参照することにより、チャンネルを切り替えると、再生するコンテンツに乱れが生じる虞があることを把握することができる。
また、図34(b)では、視聴中のチャンネルとその隣り合うチャンネルとの3つに関する上記帯域確保状態が表示されている。図示の例は、使用者がリモコン等におけるアップ(up)ボタンおよびダウン(down)ボタンでチャンネルを切り替える場合に好適である。
このとき、必要帯域が確保されていないチャンネルをスキップしてもよい。例えば、図34(b)において、現在表示中のチャンネルがチャンネル3であるとする。このとき、チャンネル2が前のチャンネルとなる。さらに、チャンネル1の必要帯域が確保されているとする。このような場合に、上記ダウンボタンを押すと、通常はチャンネル2の映像が表示されるが、図示のように、チャンネル2の必要帯域が確保されていないので、チャンネル2がスキップされて、チャンネル1の映像が表示されることになる。
そして、図34(c)では、全てのチャンネルに関する上記帯域確保状態が表示されている。なお、同図では、視聴中のチャンネルに記号>が付されている。図示の例は、使用者がリモコン等におけるテンキーボタンでチャンネルを切り替える場合に好適である。なお、必要帯域が確保されていないチャンネルに関しては、図示のリスト上では非表示としてもよい。
なお、図34(a)〜図34(c)では、上記帯域確保状態を記号○・×で示しているが、他の記号を利用してもよいし、アイコン、色、「可」・「否」などの文字などを利用してもよい。さらに、上記記号等を付す領域を省略し、「チャンネル」を含む文字列の欄(現在のチャンネル、前のチャンネル、チャンネル1等)において、該文字列および/または背景色によって、上記帯域確保状態を表現してもよい。例えば、放送中のコンテンツの必要帯域が確保されているチャンネルは上記文字列を緑色で表示する一方、上記必要帯域が確保されていないチャンネルは上記文字列を赤色で表示することが挙げられる。このように、上記帯域確保状態は、情報を表現するための任意の手段を利用することができる。
図35(a)〜図35(c)は、帯域確保状態表示領域60に表示される上記帯域確保状態の別の例を示している。図示の例では、上記帯域確保状態として、現在確保中の帯域が棒グラフで表示され、放送中のコンテンツの必要帯域がチャンネル単位の棒グラフで表示されている。具体的には、現在確保中の帯域が、四角を並べた横棒グラフで表示され、放送中のコンテンツの必要帯域が、黒四角を並べた横棒グラフで表示されている。なお、図中の四角および黒四角の1個は約1Mbpsの帯域を表している。従って、図35(a)の例では、確保されている帯域は7Mbpsであり、現在のチャンネルの必要帯域は7Mbpsである。
図35(a)〜図35(c)に示す画像を参照することにより、使用者は、放送中のコンテンツの必要帯域を把握できると共に、該必要帯域が現在確保中の帯域で足りるか否かを把握することができる。
さらに、図35(a)では、視聴中のチャンネルとその他のチャンネルとの2つに関する上記必要帯域が表示されている。なお、図示の例では、視聴中のチャンネル以外のチャンネルで放送中のコンテンツの必要帯域のうち、最大の必要帯域が表示されている。従って、使用者は、図35(a)に示す画像を参照することにより、チャンネルを切り替えると、再生するコンテンツに乱れが生じる虞があることを把握することができる。
また、図35(b)では、視聴中のチャンネルとその隣り合うチャンネルとの3つに関する上記必要帯域が表示されている。図示の例は、使用者がリモコン等におけるアップ(up)ボタンおよびダウン(down)ボタンでチャンネルを切り替える場合に好適である。
このとき、必要帯域が確保されていないチャンネルをスキップしてもよい。例えば、図35(b)において、現在表示中のチャンネルがチャンネル3であるとする。このとき、チャンネル4が次のチャンネルとなる。さらに、チャンネル5の必要帯域が確保されているとする。このような場合に、上記アップボタンを押すと、通常はチャンネル4の映像が表示されるが、図示のように、チャンネル4の必要帯域が確保されていないので、チャンネル4がスキップされて、チャンネル5の映像が表示されることになる。
そして、図35(c)では、全てのチャンネルに関する上記必要帯域が表示されている。なお、同図では、視聴中のチャンネルに記号>が付されている。図示の例は、使用者がリモコン等におけるテンキーボタンでチャンネルを切り替える場合に好適である。なお、必要帯域が確保されていないチャンネルに関しては、図示のリスト上では非表示としてもよい。
なお、図35(a)〜図35(c)の棒グラフに関して、上述のように、上記必要帯域が確保されているか否かを上記棒グラフの色で表現してもよい。これにより、使用者は、上記棒グラフの色を参照することにより、上記必要帯域が確保されているか否かを迅速に把握することができる。また、上述のように、上記必要帯域と現在確保中の帯域とを1つの棒グラフにまとめて表示してもよい。この場合、現在確保中の帯域を示す棒グラフを表示するための領域を確保する必要がなくなる。
なお、図34(a)〜図34(c)、および図35(a)〜図35(c)に示す各表示形態は、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、切り替え可能であってもよい。また、図34(a)〜図34(c)、および図35(a)〜図35(c)におけるチャンネル名を、放送局名に変更してもよい。
図36および図37は、TV20に上記帯域確保状態を表示する別の例を示している。図示の例では、ステップS53においてTV20にEPGを表示させて使用者にコンテンツを選択させる場合に、上記EPGと共に上記帯域確保状態をTV20に表示している。
具体的には、図36および図37では、上記EPGに含まれるコンテンツの放送チャンネルおよび放送時間に基づいて、現在放送中および放送予定のコンテンツのタイトル名が、チャンネルごとに時系列で表示されている。また、図示の白抜き矢印は現在選択中のチャンネルを示し、図示の逆黒三角は現在時刻を示している。
そして、図36では、現在放送中の各コンテンツに関して、該コンテンツのタイトル名に付随して、上記帯域確保状態としての記号○または記号×が表示されている。記号○は、対応するコンテンツの必要帯域が確保されている状態を示し、記号×は、対応するコンテンツの必要帯域が確保されていない状態を示している。使用者は、図36に示す画面を参照することにより、タイトル3−1・5−1のコンテンツの必要帯域が確保されていないため、チャンネル1からチャンネル3またはチャンネル5に切り替えると、再生するコンテンツに乱れが生じる虞があることを把握することができる。
一方、図37では、現在放送中の各コンテンツに関して、タイトル名の背景色によって、上記帯域確保状態を表現している。図示の例では、上記各コンテンツに関して、必要帯域が確保されている場合にはタイトル名の背景色を緑色で表示する一方、必要帯域が確保されていない場合にはタイトル名の背景色を赤色で表示している。これにより、使用者は、現在放送中のコンテンツにおけるタイトル名の背景色を参照することにより、上記必要帯域が確保されているか否かを迅速に把握することができる。
なお、図36では、上記帯域確保状態を記号○・×で示しているが、他の記号を利用してもよいし、アイコン、色、「可」・「否」などの文字などを利用してもよい。また、図37では、タイトル名の背景色によって上記帯域確保状態を表現しているが、タイトル名の文字列の色によって上記帯域確保状態を表現してもよい。このように、上記帯域確保状態は、情報を表現するための任意の手段を利用することができる。
なお、図36に示す表示形態と、図37に示す表示形態とは、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、切り替え可能であってもよい。また、表示中の映像コンテンツの一部領域に、図36または図37の画像を重畳して表示してもよい。このとき、重畳される領域の位置は、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、変更可能であってもよい。
なお、図36および図37において、現在放送中のコンテンツのうち、必要帯域が確保されていないコンテンツのタイトル名またはチャンネルを、非表示または色調の異なる表示(例えば輝度の低い色での表示)に変更してもよい。また、上記チャンネルを使用者が選択できないようにしてもよい。
〔実施の形態4〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について図16〜図19、および図38(a)〜図41を参照して説明する。本実施形態のコンテンツ配信システム11は、図12〜図15に示すコンテンツ配信システム11に比べて、帯域決定部42および帯域通知部44の機能と、決定帯域記憶部47のデータ構造とが異なるのみであり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、帯域決定部42は、或るチャンネルにおいて或る時刻に配信が予定されているコンテンツと、同じチャンネルでその次に配信が予定されているコンテンツとのうち、データ伝送に必要な帯域が大きい方の帯域を決定し、決定した帯域を当該時刻に当該チャンネルを視聴する場合における十分帯域として、上記時刻、上記チャンネル、および上記十分帯域を対応付けて、帯域テーブルとして決定帯域記憶部47に記憶し、これをEPGに含まれる各時刻および各チャンネルについて繰り返している。
そして、帯域通知部44は、視聴中のチャンネルで次のコンテンツを続けて視聴する場合に上記十分帯域が増加するか減少するかを判断する。上記十分帯域が増加する場合には、帯域通知部44は、上記次のコンテンツに切り替わる時刻から所定時間前の時刻に、増加後の十分帯域を通信部33を介してPLC親機15に通知する。一方、上記十分帯域が減少する場合には、帯域通知部44は、上記次のコンテンツに切り替わる時刻から所定時間後の時刻に、減少後の十分帯域を通信部33を介してPLC親機15に通知する。これにより、視聴中のチャンネルにおいて配信されるコンテンツが切り替わる瞬間に、PLCネットワーク16で確保する帯域を設定し直す必要がなくなるという利点がある。
図16は、帯域決定部42が決定して決定帯域記憶部47に格納した帯域テーブルを示す図である。図16に示す帯域テーブルは、図11に示すEPGから以下のようにして求められる。
すなわち、まず使用者が、8時00分から9時00分までの間にチャンネルCH1のコンテンツAAAを視聴する場合を考える。ここで、使用者がチャンネルの切替えの操作を行わなかった場合、配信されるコンテンツは、9時00分にコンテンツAAAからコンテンツBBBに切り替わる。そこで、コンテンツAAAのデータ伝送に必要な帯域と、コンテンツBBBのデータ伝送に必要な帯域とのうち、大きい方の帯域を、9時00までに使用者がチャンネルCH1を視聴している場合にPLCネットワーク16で確保すべき帯域である十分帯域とする。ここでは、コンテンツBBBの10Mbpsの帯域が十分帯域として選択されることになる。
次に、9時00分から9時15分までの間にチャンネルCH1のコンテンツBBBを視聴する場合を考えると、コンテンツBBBと、9時15分から配信が予定されているコンテンツCCCとのうち、データ伝送に必要な帯域が大きい方のコンテンツCCCの15Mbpsの帯域が十分帯域として選択され、9時00分から9時15分までに使用者がチャンネルCH1を視聴している場合の十分帯域となる。同様にしてEPGで放送が予定されている最後の時刻まで、使用者がチャンネルCH1を視聴する場合における十分帯域が求められる。なお、11時00分から12時00分までに使用者がチャンネルCH1を視聴する場合については、次の時刻に配信が予定されているコンテンツがEPG上に存在しないため、コンテンツEEEの必要帯域がそのまま十分帯域となる。
さらに、チャンネルCH2とチャンネルCH3とについても同様にして、それぞれのチャンネルを視聴する場合における十分帯域が求められる。なお、図12〜図15に示す実施形態では、PLCネットワーク16で確保すべき帯域は、時刻によって決定されたが、本実施形態では、上記確保すべき帯域は、時刻と視聴中のチャンネルとによって決定されることになる。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図16〜図19を参照して説明する。図17は、本実施形態のコンテンツ配信システム11のSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。なお、コンテンツ配信システム11のマルチキャストポイント51、EPGサーバ52、およびPLC親機15の処理は、図10に示す処理と同様であるので、その説明を省略する。
図17に示すように、まず、STB17の関連情報取得部41は、図9および図10と同様に、IP放送サーバ50による配信予定のコンテンツの関連情報を含むEPGを通信部33を介してEPGサーバ52に要求して取得し、取得したEPGを関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS50・S51)。
次に、STB17の帯域決定部42は、関連情報記憶部46に記憶されたEPGを参照して、上述のように、各チャンネルを視聴している場合におけるPLCネットワーク16で確保すべき帯域(十分帯域)を時刻ごとに決定し、上記時刻、上記チャンネル、および上記十分帯域とを対応付けて決定帯域記憶部47に格納する(ステップS110)。
図18は、帯域決定部42が上記伝送帯域を決定する処理(ステップS110)の詳細を示すフローチャートである。図示のように、まず、チャンネルcを1に設定する(ステップS130)。ここでは、EPGに含まれるコンテンツは1から始まる整数のチャンネル番号に割り振られているものとする。
次に、時刻tを、EPGに含まれる全てのコンテンツの中で最も配信時刻が早いコンテンツの配信開始時刻t0に合わせる(ステップS131)。図10のEPGの例では、t0=8時00分となる。
次に、時刻tがコンテンツ(c,u)の配信開始時刻uに達したか否かを判断する(ステップS132)。ここで、コンテンツ(c,u)は、チャンネルcにおいて配信開始時刻がuであるコンテンツを表す。上記配信開始時刻uに達している場合(ステップS132にてYES)、当該時刻tにチャンネルcを視聴している場合における十分帯域B(c,t)が決定され、決定帯域記憶部47に格納される(ステップS133)。なお、ステップS133の詳細は後述する。
ステップS133の後、または上記配信開始時刻に達していない場合(ステップS132でNO)、時刻tが進められ(ステップS134)、時刻tがEPGにおける最後の時刻に達したか否かを判断する(ステップS135)。時刻tがEPGの最後の時刻に達していない場合(ステップS135にてNO)、S132に戻って上記動作を繰り返す。
一方、時刻tがEPGの最後の時刻に達している場合(ステップS135にてYES)、チャンネルcがEPGにおける最後のチャンネルか否かを判断する(ステップS136)。チャンネルcが最後のチャンネルではない場合(ステップS136にてNO)、チャンネルcを1だけ増分して(ステップS137)、ステップS132に戻り、上記動作を繰り返す。一方、チャンネルcが最後のチャンネルである場合(ステップS136にてYES)、帯域決定処理を終了して、元のルーチンに戻る。
以上説明したステップS130〜S137の処理動作により、EPGの各チャンネルcの各時刻tにおける十分帯域B(c,t)が決定され、決定帯域記憶部47に帯域テーブルとして格納されることになる。図11の例では、まずチャンネルc=1において、時刻t=8時00分の場合、コンテンツAAAの配信開始時刻であるため、時刻t=8時00分における十分帯域B(c,t)が求められる。続いて、時刻tが進められて、時刻t=9時00の場合、コンテンツBBBの配信開始時刻であるため、時刻t=9時00分における十分帯域B(c,t)が求められる。続いて、時刻tが進められて、時刻t=9時15分の場合、コンテンツCCCの配信開始時刻であるため、時刻t=9時15分における十分帯域B(c,t)が求められる。以下同様にして、時刻t=12時00分までのチャンネルc=1における十分帯域B(c,t)が求められる。さらに、チャンネルc=2、チャンネルc=3の場合についても同様にして十分帯域B(c,t)が求められる。
図19は、時刻tにチャンネルcを視聴している場合における十分帯域B(c,t)を決定する処理(ステップS133)の詳細を示している。まず、帯域Bにコンテンツ(c,t)の必要帯域を設定する(ステップS140)。ここで、コンテンツ(c,t)は、チャンネルc(すなわち、帯域テーブルで今から求めようとしている該当チャンネル)において時刻tに配信が予定されているコンテンツを表す。図11の例では、時刻t=8時00分にチャンネルc=1を視聴する場合におけるコンテンツ(c,t)は、コンテンツAAAとなる。
次に、コンテンツ(c,t_next)が存在するか否かを調べる(ステップS141)。ここで、コンテンツ(c,t_next)は、上記チャンネルcにおいて時刻tに配信されているコンテンツの次に配信が予定されているコンテンツを表す。先の例では、時刻t=8時00分にチャンネルc=1を視聴している場合におけるコンテンツ(c,t_next)は、時刻t_next=9時00分であるコンテンツBBBとなる。上記コンテンツ(c,t_next)が存在しない場合(ステップS141にてNO)、ステップS144に進む。
一方、上記コンテンツ(c,t_next)が存在する場合(ステップS141でYES)、帯域Bとコンテンツ(c,t_next)の必要帯域との大小を比較する(ステップS142)。帯域Bの方が小さい場合、帯域Bにコンテンツ(c,t_next)の必要帯域を設定する(ステップS143)。その後、ステップS144に進む。一方、帯域Bがコンテンツ(c,t_next)の必要帯域以上である場合には(ステップS142にてNO)、ステップS143を行うことなく、ステップS144に進む。
そして、ステップS144において、帯域BをPLCネットワーク16で確保すべき十分帯域として確定し、元のルーチンに戻る。
ステップS140からステップS144の処理は、時刻tにチャンネルcにおいて配信されているコンテンツと、同じチャンネルcにおいて次に配信が予定されているコンテンツとのうち、必要帯域が大きい方を十分帯域として選択する処理と等しい。図11の例では、時刻t=8時00分、チャンネルc=1の場合、コンテンツAAAの必要帯域とコンテンツBBBの必要帯域の大小が比較され、より必要帯域の値が大きいコンテンツBBBの帯域10Mbpsが十分帯域として求められることになる。同様にして、時刻t=8時30分、チャンネルCH2の場合、コンテンツGGGの必要帯域とコンテンツHHHの必要帯域の大小が比較され、より必要帯域の値が大きいコンテンツGGGの帯域9Mbpsが十分帯域として求められることになる。
図17に戻ると、上述のように、STB17の選択指示取得部43が、使用者からのコンテンツの選択指示を取得すると(ステップS53)、帯域通知部44は、現在時刻の十分帯域を決定帯域記憶部47から読み出して、通信部33を介してPLC親機15に通知する(ステップS54)。これにより、上記十分帯域がPLCネットワーク16において確保される。
そして、PLC親機15から通信部33を介して帯域通知部44が設定結果を受け取って帯域設定処理が完了したことを認識すると、コンテンツ取得部45は、使用者の選択したコンテンツを識別する情報であるチャンネルを付加した視聴要求(joinパケット)をマルチキャストポイント51に送信する(ステップS55)。これにより、STB17は、上記コンテンツのデータの受信を開始する(ステップS56)。コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツのパケット形式のデータをTV出力可能な映像信号に変換し、変換した映像信号を出力部35を介してTV20に送信することにより、上記コンテンツがTV20に再生表示され、使用者が上記コンテンツを視聴することができる。
図11および図16の例では、使用者が8時00分にチャンネルCH1を選択した場合、まず決定帯域記憶部47の帯域テーブルが参照され、9時00分までにPLCネットワーク16で確保しておくべき十分帯域10Mbpsが取得され、PLC親機15に通知されてPLCネットワーク16の帯域が設定される。その後、コンテンツAAAの視聴を開始するjoinパケットがマルチキャストポイント51に送出され、STB17でコンテンツAAAの受信が開始される。
その後は、以下に示すように、3つの条件(ステップS111・S112・S117)の何れかに該当した場合、該当する条件に対応する処理が行われる。
すなわち、上記条件の1つは、使用者からチャンネルの切替えが指示された場合である(ステップS112にてYES)。この場合、STB17のコンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS113)。leaveパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への上記コンテンツの伝送が終了する。
次に、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に格納された帯域テーブルを参照して、現在時刻において新たに選択したコンテンツ(のチャンネル)を視聴する際の十分帯域をPLC親機15に通知する(ステップS114)。この通知を受けたPLC親機15は、帯域設定を開始し、帯域設定の結果をSTB17に通知する。
次に、帯域設定の結果の通知を受け取ると、STB17のコンテンツ取得部45は、新しく選択されたコンテンツの視聴の開始を通知するjoinパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS115)。joinパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先に追加する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への新たなコンテンツの伝送が開始され、STB17のコンテンツ取得部45は、新たなコンテンツのデータの受信を開始する(ステップS116)。
図11および図16の例では、使用者が8時00分から8時30分までチャンネルCH1のコンテンツAAAを視聴している時にチャンネルCH2に切り替えた場合、まず、コンテンツAAAの視聴の終了を通知するleaveパケットがマルチキャストポイント51に送出される。そして、決定帯域記憶部47の帯域テーブルが参照されて、8時30分までにチャンネルCH2を視聴する場合にPLCネットワーク16で確保しておくべき十分帯域13Mbpsが導き出される。この十分帯域がPLC親機15に通知されて、PLCネットワーク16の帯域が設定される。その後、コンテンツFFFの視聴を開始するjoinパケットがマルチキャストポイント51に送出され、STB17でコンテンツFFFの受信が開始される。
また、上記条件の別の1つは、視聴中のチャンネルで次のコンテンツの配信される時間での十分帯域が、現在確保している帯域から変化する場合である(ステップS117)。上記十分帯域が増加する場合であって、次のコンテンツの配信が開始される時刻の所定時間前(例えば1分前)の時刻に達した場合(ステップS118にてYES)、或いは、上記十分帯域が減少する場合であって、次のコンテンツの配信が開始される時刻の所定時間後(例えば1分前)の時刻に達した場合(ステップS119にてYES)、帯域通知部44は、PLCネットワーク16で必要となる十分帯域をPLC親機15に通知する。
図11および図16の例では、8時00分から9時00分にチャンネルCH1でコンテンツAAAを視聴している場合、9時00分に帯域テーブルに格納されている十分帯域が10Mbpsから15Mbpsに増加するため、帯域通知部44は、コンテンツBBBの送信が開始される例えば1分前の8時59分に、15Mbpsの帯域を設定するようにPLC親機15に通知する。また、9時15分から10時00分にチャンネルCH1でコンテンツCCCを視聴している場合、10時00分に帯域テーブルに格納されている十分帯域が15Mbpsから12Mbpsに減少するため、帯域通知部44は、コンテンツCCCの送信が終了される例えば1分後の10時01分に、12Mbpsの帯域を設定するようにPLC親機15に通知する。
帯域設定は、STB17とPLC親機15との間で管理パケットのやり取りが行われたり、PLC親機15が内部的に帯域割当てのスケジューリングを変化させたりするために、或る程度の時間がかかってしまう。また、確保するべき帯域が増加する場合、帯域設定が完了する前に次のコンテンツの送信が開始されると、そのコンテンツを伝送するのに十分な帯域が確保されていない状態で伝送されることになる。よって、新たなコンテンツの伝送が開始されるより前に帯域設定を開始し、コンテンツの伝送が開始される時点では帯域設定が完了していることが望ましい。よって、本実施形態では、確保するべき帯域が増加する場合には、新たなコンテンツの送信が開始されるより前に帯域設定を行っている。
また、確保するべき帯域が減少する場合、現在視聴中のコンテンツの送信が終了する前に確保される帯域が減少してしまうと、現在視聴中のコンテンツを伝送するのに十分な帯域が確保されていない状態で伝送されることになる。よって、新たなコンテンツの伝送が開始されて、減少した帯域でも十分な状態になってから帯域設定行うことが望ましい。よって、本実施形態では、確保するべき帯域が減少する場合には、新たなコンテンツの送信が開始された後に帯域設定を行っている。
また、9時00分から9時15分にチャンネルCH1でコンテンツBBBを視聴している場合、9時15分には帯域テーブルに格納されている十分帯域が15Mbpsから変化しないため、コンテンツBBBからコンテンツCCCの切り替わりの際に上記のような帯域の通知が省略される。但し、上述のように、帯域通知部44は、伝送の対象となるコンテンツが変化した旨をPLC親機15に通知してもよい。
なお、ステップS117では、視聴中のチャンネルで次のコンテンツの配信される時間での十分帯域が、現在確保している帯域と同じ場合(同ステップにてNO)、帯域通知(ステップS120)を省略している。これにより、STB17における帯域通知の処理を軽減することができると共に、PLC親機15における帯域確保の処理を軽減することができる。
そして、上記条件の最後の1つは、使用者がTV20の電源を切るなどして、使用者からコンテンツの視聴の終了が指示された場合である(ステップS111にてYES)。この場合、STB17のコンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS121)。leaveパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への上記コンテンツの伝送が終了する。さらに、STB17の帯域通知部44は、PLC親機15に対し、PLCネットワーク16で確保している帯域を解放するよう通知する(ステップS122)。その後、処理は終了する。
また、上述のように、PLC親機15は、上述の十分帯域をSTB17のために確保できない場合が考えられ、この場合、STB17は、上述の帯域確保状態をTV20に送信して表示することにより、使用者に通知することが望ましい。
図38(a)および図38(b)は、図33に示す帯域確保状態表示領域60に表示される上記帯域確保状態の一例を示している。図示の例では、上記帯域確保状態として記号○または記号×が、現在視聴中のチャンネルのコンテンツと、該チャンネルで放送予定のコンテンツに関して表示されている。ここで、記号○は、対応するコンテンツの必要帯域が確保されている状態を示し、記号×は、上記必要帯域が確保されていない状態を示している。従って、使用者は、図38(a)および図38(b)に示す画像を参照することにより、時間の経過により切り替わるコンテンツの再生に乱れが生じるか否かを把握することができる。
そして、図38(a)では、視聴中のチャンネルのコンテンツと該チャンネルで次に放送される予定のコンテンツとの2つに関する上記帯域確保状態が表示されている。従って、使用者は、図38(a)に示す画像を参照することにより、時間の経過により次に切り替わるコンテンツの再生に乱れが生じるか否かを把握することができる。
また、図38(b)では、視聴中のチャンネルのコンテンツと該チャンネルで放送予定の全てのコンテンツとに関する上記帯域確保状態が表示されている。図示の例では、上記放送予定の各コンテンツを、放送の開始時刻で区別している。従って、使用者は、図38(b)に示す画像を参照することにより、上記チャンネルでいつ放送開始予定のコンテンツの再生に乱れが生じるかを把握することができる。
なお、図38(a)および図38(b)では、上記帯域確保状態を記号○・×で示しているが、他の記号を利用してもよいし、アイコン、色、「可」・「否」などの文字などを利用してもよい。さらに、上記記号等を付す領域を省略し、「コンテンツ」を含む文字列の欄において、該文字列および/または背景色によって、上記帯域確保状態を表現してもよい。例えば、必要帯域が確保されている視聴中または放送予定のコンテンツは上記文字列を緑色で表示する一方、必要帯域が確保されていない上記コンテンツは上記文字列を赤色で表示することが挙げられる。このように、上記帯域確保状態は、情報を表現するための任意の手段を利用することができる。
図39(a)および図39(b)は、図33に示す帯域確保状態表示領域60に表示される上記帯域確保状態の別の例を示している。図示の例では、上記帯域確保状態として、現在確保中の帯域が棒グラフで表示され、現在視聴中のチャンネルのコンテンツと、該チャンネルで放送予定のコンテンツとの必要帯域が棒グラフで表示されている。具体的には、現在確保中の帯域が、四角を並べた横棒グラフで表示され、上記コンテンツの必要帯域が、黒四角を並べた横棒グラフで表示されている。なお、図中の四角および黒四角の1個は約1Mbpsの帯域を表している。従って、図39(a)の例では、確保されている帯域は7Mbpsであり、視聴中のコンテンツの必要帯域は7Mbpsである。
図39(a)および図39(b)に示す画像を参照することにより、使用者は、上記コンテンツの必要帯域を把握できると共に、該必要帯域が現在確保中の帯域で足りるか否かを把握することができる。
そして、図39(a)では、現在視聴中のチャンネルのコンテンツと該チャンネルで次に放送される予定のコンテンツとの2つに関する必要帯域が表示されている。従って、使用者は、図39(a)に示す画像を参照することにより、時間の経過により次に切り替わるコンテンツの必要帯域が、現在確保中の帯域に比べてどの程度多いまたは少ないかを把握することができる。
また、図39(b)では、視聴中のチャンネルのコンテンツと、該チャンネルで放送予定のコンテンツの幾つかとに関する必要帯域が表示されている。従って、使用者は、図39(b)に示す画像を参照することにより、上記チャンネルで放送予定の各コンテンツの必要帯域が、現在確保中の帯域に比べてどの程度多いまたは少ないかを把握することができる。
なお、図39(a)および図39(b)の棒グラフに関して、上述のように、上記必要帯域が確保されているか否かを上記棒グラフの色で表現してもよい。これにより、使用者は、上記棒グラフの色を参照することにより、上記必要帯域が確保されているか否かを迅速に把握することができる。また、上述のように、上記必要帯域と現在確保中の帯域とを1つの棒グラフにまとめて表示してもよい。この場合、現在確保中の帯域と各コンテンツの必要帯域とを比較し易くなると共に、現在確保中の帯域を示す棒グラフを表示するための領域を確保する必要もなくなる。
なお、図38(a)、図38(b)、図39(a)、および図39(b)に示す各表示形態は、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、切り替え可能であってもよい。また、図38(a)、図38(b)、図39(a)、および図39(b)に示す文字列を、コンテンツのタイトル名、番組名、などに変更してもよい。
図40および図41は、TV20に上記帯域確保状態を表示する別の例を示している。図示の例では、ステップS53においてTV20にEPGを表示させて使用者にコンテンツを選択させる場合に、上記EPGと共に上記帯域確保状態をTV20に表示している。
具体的には、図40および図41では、上記EPGに含まれるコンテンツの放送チャンネルおよび放送時間に基づいて、現在放送中および放送予定のコンテンツのタイトル名が、チャンネルごとに時系列で表示されている。また、図示の白抜き矢印は現在選択中のチャンネルを示し、図示の逆黒三角は現在時刻を示している。
そして、図40では、現在選択中のチャンネルにおける各コンテンツに関して、該コンテンツのタイトル名に付随して、上記帯域確保状態としての記号○または記号×が表示されている。記号○は、対応するコンテンツの必要帯域が確保されている状態を示し、記号×は、対応するコンテンツの必要帯域が確保されていない状態を示している。使用者は、図40に示す画面を参照することにより、タイトル4−4のコンテンツの必要帯域が確保されていないため、選択中のチャンネルで20時30分から放送される、タイトル4−4のコンテンツに乱れが生じる虞があることを把握することができる。
一方、図41では、現在選択中のチャンネルにおける各コンテンツに関して、タイトル名の背景色によって、上記帯域確保状態を表現している。図示の例では、上記各コンテンツに関して、必要帯域が確保されている場合にはタイトル名の背景色を緑色で表示する一方、必要帯域が確保されていない場合にはタイトル名の背景色を赤色で表示している。これにより、使用者は、上記背景色を参照することにより、上記必要帯域が確保されているか否かを迅速に把握することができる。
なお、図40では、上記帯域確保状態を記号○・×で示しているが、他の記号を利用してもよいし、アイコン、色、「可」・「否」などの文字などを利用してもよい。また、図41では、タイトル名の背景色によって上記帯域確保状態を表現しているが、タイトル名の文字列の色によって上記帯域確保状態を表現してもよい。このように、上記帯域確保状態は、情報を表現するための任意の手段を利用することができる。
また、図40および図41において、使用者がチャンネルを切り替えたら、切り替え後のチャンネルに関して上記帯域確保状態が表示されることになる。また、図40に示す表示形態と、図41に示す表示形態とは、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、切り替え可能であってもよい。また、表示中の映像コンテンツの一部領域に、図40または図41の画像を重畳して表示してもよい。このとき、重畳される領域の位置は、使用者がリモコン等を操作して入力部34に指示情報を入力することにより、変更可能であってもよい。
また、図40および図41において、現在選択中のチャンネルに関して、必要帯域が確保されていないコンテンツのタイトル名を、非表示または色調の異なる表示(例えば輝度の低い色での表示)に変更してもよい。
〔実施の形態5〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について図20〜図23を参照して説明する。本実施形態のコンテンツ配信システム11は、図12〜図15に示すコンテンツ配信システム11と、図16〜図19に示すコンテンツ配信システム11とを組み合わせたものである。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、帯域決定部42は、或る時刻に配信が予定されているコンテンツの必要帯域と、上記時刻に視聴中のチャンネルで次に配信が予定されているコンテンツの必要帯域とのうち、最大のものを決定し、決定した帯域を当該時刻に当該チャンネルを視聴する場合における十分帯域として、上記時刻、上記チャンネル、および上記十分帯域を対応付けた帯域テーブルとして決定帯域記憶部47に記憶し、これをEPGに含まれる全時刻および全チャンネルについて繰り返している。
そして、帯域通知部44は、コンテンツを視聴している間に、何れかのチャンネルの視聴可能なコンテンツが変化した場合には、その度に、PLCネットワーク16で確保すべき十分帯域をPLC親機15に通知する。また、帯域通知部44は、視聴中のチャンネルで次のコンテンツを続けて視聴する場合に上記十分帯域が増加するか減少するかを判断する。上記十分帯域が増加する場合には、帯域通知部44は、上記次のコンテンツに切り替わる時刻から所定時間前の時刻に、増加後の十分帯域を通信部33を介してPLC親機15に通知する。一方、上記十分帯域が減少する場合には、帯域通知部44は、上記次のコンテンツに切り替わる時刻から所定時間後の時刻に、減少後の十分帯域を通信部33を介してPLC親機15に通知する。
これにより、使用者が或るチャンネルのコンテンツを視聴している時に別のチャンネルのコンテンツに切り替える際に、PLCネットワーク16で確保すべき十分な帯域が予め設定されているので、高速なコンテンツの切替えが可能となる。さらに、視聴中のチャンネルにおいて配信されるコンテンツが切り替わる瞬間に、PLCネットワーク16で確保する帯域を設定し直す必要がなくなるという利点がある。
図20は、帯域決定部42が決定して決定帯域記憶部47に格納した帯域テーブルを示す図である。図20に示す帯域テーブルは、図11に示すEPGから以下のようにして求められる。
すなわち、まず使用者が、8時00分から8時30分までの間にチャンネルCH1のコンテンツAAAを視聴する場合を考える。ここで、使用者がチャンネルの切替操作を行った場合、選択され得るコンテンツはチャンネルCH2のコンテンツFFFとチャンネルCH3のコンテンツIIIとである。一方、使用者がチャンネルの切替操作を行わなかった場合、チャンネルCH1では9時00分にコンテンツAAAに替わってコンテンツBBBの配信が始まる。
そこで、本実施形態では、上記のコンテンツAAA、コンテンツFFF、コンテンツIII、およびコンテンツBBBのそれぞれのデータ伝送に必要な帯域の中で、最も帯域が大きいものを選択して、時刻8時30分までチャンネルCH1を視聴している場合における十分帯域として、決定帯域記憶部47に予め格納しておく。図11の例では、コンテンツFFFに対応する13Mbpsの必要帯域が十分帯域として選択されることになる。
同様に、8時30分から9時00分にチャンネルCH1のコンテンツAAAを視聴する場合について考えると、同じ時刻に各チャンネルで配信されているコンテンツAAA、コンテンツGGG、およびコンテンツIIIと、チャンネルCH1で次に配信が予定されているコンテンツBBBとの中で、最も必要帯域が大きいもの、すなわちコンテンツBBBに対応する10Mbpsの必要帯域が十分帯域として選択されることになる。
また、9時15分から10時00分にチャンネルCH2のコンテンツGGGを視聴する場合について考えると、同じ時刻に各チャンネルで配信されているコンテンツCCC、コンテンツGGG、およびコンテンツIIIと、チャンネルCH2で次に配信が予定されているコンテンツHHHとの中で、最も必要帯域が大きいもの、すなわちコンテンツCCCに対応する15Mbpsの必要帯域が十分帯域として選択されることになる。
また、11時00分から12時00分にチャンネルCH3のコンテンツKKKを視聴する場合について考えると、同じ時刻に各チャンネルで配信されているコンテンツEEE、コンテンツHHH、およびコンテンツKKKの中で、最も必要帯域が大きいもの、すなわちコンテンツEEEに対応する12Mbpsの必要帯域が十分帯域として選択されることになる。なお、この例では、チャンネルCH3で次に配信が予定されているコンテンツが存在しないため、同じ時刻に配信されているコンテンツのみに対象を絞って必要帯域が求められることになる。
以上説明したのと同様の手順にて、各チャンネルの各時刻における十分帯域を求めることにより、図20に示すような帯域テーブルとして決定帯域記憶部47に格納されることになる。なお、図12〜図15に示す実施形態では、PLCネットワーク16で確保すべき帯域は、時刻によって決定されたが、本実施形態では、上記確保すべき帯域は、時刻と視聴中のチャンネルとによって決定されることになる。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図20〜図23を参照して説明する。図21は、本実施形態のコンテンツ配信システム11のSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。なお、コンテンツ配信システム11のマルチキャストポイント51、EPGサーバ52、およびPLC親機15の処理は、図10に示す処理と同様であるので、その説明を省略する。
図21に示すように、まず、STB17の関連情報取得部41は、図9および図10と同様に、IP放送サーバ50による配信予定のコンテンツの関連情報を含むEPGを通信部33を介してEPGサーバ52に要求して取得し、取得したEPGを関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS50・S51)。
次に、STB17の帯域決定部42は、関連情報記憶部46に記憶されたEPGを参照して、上述のように、各チャンネルを視聴している場合におけるPLCネットワーク16で確保すべき帯域(十分帯域)を時刻ごとに決定し、上記時刻、上記チャンネル、および上記十分帯域とを対応付けて決定帯域記憶部47に格納する(ステップS150)。
図22は、帯域決定部42が上記伝送帯域を決定する処理(ステップS150)の詳細を示すフローチャートである。図示のように、まず、時刻tを、EPGに含まれる全てのコンテンツの中で最も配信時刻が早いコンテンツの配信開始時刻t0に合わせる(ステップS170)。図11の例では、t0が8時00分となる。次に、チャンネルiを1に設定する(ステップS171)。ここで、EPGに含まれるコンテンツは、1から始まる整数のチャンネル番号に割り当てられているものとする。
次に、時刻tがコンテンツ(i,u)の配信開始時刻uに到達したか否かを判断する(ステップS172)。ここで、コンテンツ(i,u)は、チャンネルiのチャンネルにおいて時刻uから配信が開始されるコンテンツを表している。
時刻tがコンテンツ(i,u)の配信開始時刻uに到達していない場合(ステップS172にてNO)、チャンネルiがEPGにおける最後のチャンネル番号であるか否かを判断する(ステップS173)。最後のチャンネル番号ではない場合(ステップS173にてNO)、チャンネルiが1だけ増分された後(ステップS174)、ステップS172に戻って上記動作を繰り返す。一方、最後のチャンネル番号の場合(ステップS173にてYES)、時刻tが配信開始時刻uに到達したコンテンツが存在しないと判断して、ステップS179に進む。
一方、時刻tがコンテンツ(i,u)の配信開始時刻uに到達した場合(ステップS172にてYES)、チャンネルcを1に設定した後(ステップS175)、当該時刻tにおける必要帯域の最大値である十分帯域B(t)が決定され、時刻t、チャンネルc、および十分帯域B(t)が対応付けられて決定帯域記憶部47に格納される(ステップS176)。なお、ステップS176の詳細は後述する。
次に、チャンネルcがEPGにおける最後のチャンネル番号であるか否かを判断する(ステップS177)。最後のチャンネル番号ではない場合(ステップS177にてNO)、チャンネルcが1だけ増分された後(ステップS178)、ステップS176に戻って上記動作を繰り返す。一方、最後のチャンネル番号の場合(ステップS177にてYES)、時刻tにおける各チャンネルの十分帯域が決定されたと判断して、ステップS179に進む。
ステップS179では、時刻tが所定の時間だけ進められる。次に、時刻tが、EPGに含まれる最後の時刻に到達したか否かを判断する(ステップS180)。時刻tが上記最後の時刻に到達していない場合(ステップS180にてNO)、ステップS171に戻って上記処理動作を繰り返す。一方、時刻tが上記最後の時刻に到達した場合(ステップS180にてYES)、帯域決定処理を終了して元のルーチンに戻る。
以上説明したステップS170〜S180の処理動作により、EPGの各チャンネルcの各時刻tにおける十分帯域B(c,t)が決定され、決定帯域記憶部47に帯域テーブルとして格納されることになる。図11の例では、まず時刻t=8時00分の場合、チャンネルi=1のコンテンツAAAの配信開始時刻であるため、時刻t=8時00分におけるチャンネルc=1、c=2、c=3での十分帯域B(c,t)が求められる。続いてtが進められてt=8時30の場合、チャンネルi=2のコンテンツGGGの配信開始時刻であるため、時刻t=8時30分におけるチャンネルc=1、c=2、c=3での十分帯域B(c,t)が求められる。続いてtが進められてt=9時00分の場合、チャンネルi=1のコンテンツBBBの配信開始時刻であるため、時刻t=9時00分におけるチャンネルc=1、c=2、c=3での十分帯域B(t)が求められる。以下同様にして時刻t=12時00分までの各チャンネルcでの十分帯域B(c,t)が求められる。
図23は、十分帯域B(c,t)を決定する処理(ステップS176)の詳細を示している。図示のように、まず、PLCネットワーク16で確保すべき帯域Bを0Mbpsに、カウンタiを1に初期化する(ステップS190)。次に、上記帯域Bに比べて、コンテンツ(i,t)の必要帯域が大きいか否かを判断し(ステップS191)、大きい場合には、帯域Bにコンテンツ(i,t)の必要帯域が設定され(ステップS192)、その後ステップS193に進む。
ここでコンテンツ(i,t)は、チャンネルiにおいて時刻tに配信が予定されているコンテンツを表す。図11の例では、時刻t=8時30分の場合にコンテンツ(i,t)として選択され得るのは、チャンネルCH1で8時00分から9時00分まで配信が予定されているコンテンツAAA、チャンネルCH2で8時30分から11時00分まで配信が予定されているコンテンツGGG、およびチャンネルCH3で8時00分から10時10分まで配信が予定されているコンテンツIIIとなる。
次に、ステップS193において、コンテンツ(i+1,t)が存在するか、すなわちコンテンツ(i+1,t)に対応するEPGが関連情報記憶部46に記憶されているか否かを判断する。記憶されている場合(ステップS193にてYES)、カウンタiが1だけ増分された後(ステップS194)、ステップS191に戻って上記動作を繰り返す。一方、記憶されていない場合(ステップS193にてNO)、コンテンツ(c,t_next)が存在するか否かを調べる(ステップS195)。ここで、コンテンツ(c,t_next)は、上記チャンネルcにおいて時刻tに配信されているコンテンツの次に配信が予定されているコンテンツを表す。図11の例では、時刻t=8時30分にチャンネルc=1を視聴している場合におけるコンテンツ(c,t_next)は、時刻t_next=9時00分であるコンテンツBBBとなる。上記コンテンツ(c,t_next)が存在しない場合(ステップS141にてNO)、ステップS198に進む。
一方、上記コンテンツ(c,t_next)が存在する場合(ステップS195でYES)、帯域Bとコンテンツ(c,t_next)の必要帯域との大小を比較する(ステップS196)。帯域Bの方が小さい場合、帯域Bにコンテンツ(c,t_next)の必要帯域を設定する(ステップS197)。その後、ステップS144に進む。一方、帯域Bがコンテンツ(c,t_next)の必要帯域以上である場合には(ステップS196にてNO)、ステップS197を行うことなく、ステップS198に進む。
そして、ステップS198において、帯域BをPLCネットワーク16で確保すべき十分帯域として確定し、元のルーチンに戻る。
ステップS190〜S198の処理は、時刻tに各チャンネルにおいて配信されているコンテンツと、或るチャンネルcにおいて次に配信が予定されているコンテンツとのうち、必要帯域が大きい方を選択する処理と等しい。図11の例では、時刻t=8時30分、チャンネルc=1の場合、コンテンツAAA、コンテンツGGG、コンテンツIII、およびコンテンツBBBの必要帯域の大小が比較され、必要帯域の値が最も大きいコンテンツBBBの帯域13Mbpsが十分帯域として求められることになる。同様にして、時刻t=10時00分、チャンネルc=2の場合、コンテンツDDD、コンテンツGGG、コンテンツIII、およびコンテンツHHHの必要帯域の大小が比較され、必要帯域の値が最も大きいコンテンツGGGの帯域9Mbpsが十分帯域として求められることになる。
図21に戻ると、上述のように、STB17の選択指示取得部43が、使用者からのコンテンツの選択指示を取得すると(ステップS53)、帯域通知部44は、現在時刻において選択されたコンテンツのチャンネルの十分帯域を決定帯域記憶部47から読み出して、通信部33を介してPLC親機15に通知する(ステップS54)。これにより、上記十分帯域がPLCネットワーク16において確保される。
そして、PLC親機15から通信部33を介して帯域通知部44が設定結果を受け取って帯域設定処理が完了したことを認識すると、コンテンツ取得部45は、使用者の選択したコンテンツを識別する情報であるチャンネルを付加した視聴要求(joinパケット)をマルチキャストポイント51に送信する(ステップS55)。これにより、STB17は、上記コンテンツのデータの受信を開始する(ステップS56)。コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツのデータを、出力部35を介してTV20に送信することにより、上記コンテンツが再生表示され、使用者が上記コンテンツを視聴することができる。
図11および図20の例では、使用者が8時00分にチャンネルCH1を選択した場合、まず決定帯域記憶部47の帯域テーブルが参照され、8時00分から8時30分までPLCネットワーク16で確保しておくべき十分帯域13Mbpsが取得され、PLC親機15に通知されてPLCネットワーク16の帯域が設定される。その後、コンテンツAAAの視聴を開始するjoinパケットがマルチキャストポイント51に送出され、STB17でコンテンツAAAの受信が開始される。
その後は、以下に示すように、4つの条件(ステップS151・S152・S156・S157)の何れかに該当した場合、該当する条件に対応する処理が行われる。
すなわち、上記条件の1つは、使用者からチャンネルの切替えが指示された場合である(ステップS152にてYES)。この場合、STB17のコンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS153)。leaveパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への上記コンテンツの伝送が終了する。
次に、STB17のコンテンツ取得部45は、新しく選択されたコンテンツの視聴の開始を通知するjoinパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS154)。joinパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先に追加する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への新たなコンテンツの伝送が開始され、STB17のコンテンツ取得部45は、新たなコンテンツのデータの受信を開始する(ステップS155)。
その後、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に格納された帯域テーブルを参照して、現在時刻において新たに選択したコンテンツ(のチャンネル)を視聴する際の十分帯域をPLC親機15に通知する(ステップS114)。この通知を受けたPLC親機15は、帯域設定を開始し、帯域設定の結果をSTB17に通知する。
図11および図20の例では、使用者が8時30分から9時00分までチャンネルCH1のコンテンツAAAを視聴している時にチャンネルCH2に切り替えた場合、まず、コンテンツAAAの視聴の終了を通知するleaveパケットがマルチキャストポイント51に送出される。次に、コンテンツGGGの視聴を開始するjoinパケットがマルチキャストポイント51に送出され、STB17でコンテンツGGGの受信が開始される。そして、決定帯域記憶部47の帯域テーブルが参照されて、8時30分から9時00分までチャンネルCH2を視聴する場合にPLCネットワーク16で確保しておくべき十分帯域9Mbpsが導き出される。この十分帯域がPLC親機15に通知されて、PLCネットワーク16の帯域が設定される。
一方、上記条件の別の1つは、決定帯域記憶部47の帯域テーブルが参照されて、PLCネットワーク16で確保すべき帯域が変化する時刻に達した場合(ステップS156にてYES)である。この場合、帯域通知部44は、新たな十分帯域をPLC親機15に通知する(ステップS160)。図11および図20の例では、8時00分から9時00分にチャンネルCH1でコンテンツAAAを視聴している場合、8時30分に決定帯域記憶部47に格納されている十分帯域が13Mbpsから10Mbpsに変化するため、帯域通知部44は8時30分にネットワークの必要帯域を10MbpsにするようPLC親機15に通知することになる。
また、上記条件のさらに別の1つは、視聴中のチャンネルで次のコンテンツの配信される時間での十分帯域が、現在確保している帯域から変化する場合である(ステップS157)。上記十分帯域が増加する場合であって、次のコンテンツの配信が開始される時刻の所定時間前(例えば1分前)の時刻に達した場合(ステップS158にてYES)、或いは、上記十分帯域が減少する場合であって、次のコンテンツの配信が開始される時刻の所定時間後(例えば1分前)の時刻に達した場合(ステップS159にてYES)、帯域通知部44は、PLCネットワーク16で必要となる十分帯域をPLC親機15に通知する。
図11および図20の例では、8時30分から9時00分にチャンネルCH1でコンテンツAAAを視聴している場合、9時00分に帯域テーブルに格納されている十分帯域が10Mbpsから15Mbpsに増加するため、帯域通知部44は、コンテンツBBBの視聴を開始する例えば1分前の8時59分に、PLCネットワーク16の帯域を15MbpsにするようPLC親機15に通知する。
また、9時15分から10時00分にチャンネルCH1でコンテンツCCCを視聴している場合、10時00分に帯域テーブルに格納されている十分帯域が15Mbpsから12Mbpsに減少するため、帯域通知部44は、コンテンツDDDの視聴を開始した例えば1分後の10時01分に、PLCネットワーク16の帯域を12MbpsにするようPLC親機15に通知する。
また9時00分から9時15分にチャンネルCH1でコンテンツBBBを視聴している場合、9時15分には帯域テーブルに格納されている必要帯域が15Mbpsから変化しないため、コンテンツBBBからコンテンツCCCの切り替わりの際に上記のような帯域の通知を省略することができる。但し、上述のように、帯域通知部44は、伝送の対象となるコンテンツが変化した旨をPLC親機15通知してもよい。
そして、上記条件の最後の1つは、使用者がTV20の電源を切るなどして、使用者からコンテンツの視聴の終了が指示された場合である(ステップS151にてYES)。この場合、STB17のコンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS161)。leaveパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への上記コンテンツの伝送が終了する。さらに、STB17の帯域通知部44は、PLC親機15に対し、PLCネットワーク16で確保している帯域を解放するよう通知する(ステップS162)。その後、処理は終了する。
また、上述のように、PLC親機15は、上述の十分帯域をSTB17のために確保できない場合が考えられ、この場合、STB17は、上述の帯域確保状態をTV20に送信して表示することにより、使用者に通知することが望ましい。上記帯域確保状態として表示される画像の例としては、図34(a)〜図34(c)の何れかと、図38(a)および図38(b)の一方とを組み合わせた画像、図35(a)〜図35(c)の何れかと、図39(a)および図39(b)の一方とを組み合わせた画像、図36と図40とを組み合わせた画像、図37と図41とを組み合わせた画像、などが挙げられる。
なお、図36と図40とを組み合わせた場合、および、図37と図41を組み合わせた場合には、選択中のチャンネルおよび現在時刻に関わらず、全てのタイトルについて上記帯域確保状態が表示されることになるが、選択中のチャンネルに関する上記帯域確保状態を優先的に表示してもよい。また、選択中のチャンネルに近い順に上記帯域確保状態を表示してもよい。
例えば図41の場合、現在選択中のチャンネルがチャンネル4であるので、タイトル4−1、タイトル4−2、タイトル4−3、およびタイトル4−4の順で背景色を上記帯域確保状態に応じて変更する。さらに、選択中のチャンネルに隣接するチャンネル3およびチャンネル5に関して、各タイトルの上記帯域確保状態を判定し、次に、判定した上記帯域確保状態に応じて各タイトルの背景色を変更する。その後も、選択中のチャンネルに近い順から、各タイトルの上記帯域確保状態を判定して背景色を変更して行く。
同様に、現在時刻に近い順に上記帯域確保状態を表示してもよい。例えば図41の場合、現在放送中のコンテンツである、タイトル4−1、タイトル3−1、タイトル5−1、タイトル2−1、およびタイトル1−1の順に背景色を上記帯域確保状態に応じて変更する。なお、この場合も、上述と同様に、選択中のチャンネルに近い順に背景色を変更すればよい。
さらに、各チャンネルにおいて次に放送されるコンテンツの内、放送開始時間が現在時刻に近い順に、該コンテンツのタイトルの背景色を上記帯域確保状態に応じて変更する。例えば図41の場合、タイトル4−2、タイトル1−2、タイトル3−2、およびタイトル4−3の順に背景色が変更されて行くことになる。
このように表示することにより、ユーザが選択する可能性の高いコンテンツに関して、上記帯域確保状態が確認できることになる。従って、全てのコンテンツの上記帯域確保状態を確認するのに時間がかかる場合でも、ユーザは必要な情報を迅速に確認することができるようになる。
〔実施の形態6〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について図24〜図26を参照して説明する。本実施形態のコンテンツ配信システム11は、図12〜図15に示すコンテンツ配信システム11に比べて、帯域決定部42および帯域通知部44の機能と、決定帯域記憶部47のデータ構造とが異なるのみであり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
ところで、IP放送のマルチキャストでは、或るコンテンツの視聴から別のコンテンツの視聴に切り替えた場合、先のコンテンツのストリームデータの配信がすぐに終了しないため、切替え前と切替え後の両方のコンテンツのストリームデータがPLCネットワーク16上を流れる事態が発生する。
そこで、本実施形態では、帯域決定部42は、視聴しているコンテンツのデータ伝送に必要な帯域と、同じ時刻に他のチャンネルで配信されているコンテンツの中でデータ伝送に必要な帯域が最大のものとを合算した帯域を、当該時刻に当該チャンネルを視聴する場合における十分帯域として、上記時刻、上記チャンネル、および上記十分帯域を対応付けた帯域テーブルとして決定帯域記憶部47に記憶し、これをEPGに含まれる全時刻および全チャンネルについて繰り返している。
そして、帯域通知部44は、チャンネル切替えにより、コンテンツが切り替わる度に、PLCネットワーク16で確保すべき十分帯域をPLC親機15に通知する。また、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に記憶された十分帯域が変化する時刻に到達した場合、変化後の十分帯域を、通信部33を介してPLC親機15に通知している。
これにより、コンテンツが切り替わる際に切替え前と切替え後との両方のコンテンツのデータが同時にPLCネットワーク16上を流れる事態が発生しても、データを乱れなく受信することができる。
図24は、帯域決定部42が決定して決定帯域記憶部47に格納した帯域テーブルを示す図である。図24に示す帯域テーブルは、図11に示すEPGから以下のようにして求められる。
すなわち、まず使用者が8時00分から8時30分の間にチャンネルCH1のコンテンツAAAを視聴する場合を考える。ここで、使用者の操作によってチャンネルを切り替える場合、選択され得るコンテンツはチャンネルCH2のコンテンツFFFとチャンネルCH3のコンテンツIIIである。ここで、コンテンツFFFとコンテンツIIIとの必要帯域を比較すると、コンテンツFFFの必要帯域の方が大きい。
そこで、コンテンツAAAの必要帯域5MbpsとコンテンツFFFの必要帯域13Mbpsとを合算した、18Mbpsの帯域をPLCネットワーク16で確保しておけば、コンテンツAAAからコンテンツFFFに切り替わる場合と、コンテンツAAAからコンテンツIIIに切り替わる場合との何れの場合においても、切替え前後の両方のコンテンツが同時に流れたとしても、乱れなくデータを受信できるようになる。よって、8時00分から8時30分にチャンネルCH1を視聴する場合の十分帯域を18Mbpsとして、帯域テーブルに格納しておく。
同様にして、8時00分から8時30分の間にチャンネルCH2のコンテンツFFFを視聴している場合を考えると、コンテンツFFFの必要帯域13Mbpsと、コンテンツAAAとコンテンツIIIとのうち、必要帯域が大きいコンテンツIIIの必要帯域8Mbpsとを合算した、21Mbpsの帯域をPLCネットワーク16で確保しておけばよいことになる。また、9時15分から10時00分の間にチャンネルCH3のコンテンツIIIを視聴している場合を考えると、コンテンツIIIの必要帯域8Mbpsと、コンテンツCCCとコンテンツGGGとのうち、必要帯域が大きいコンテンツCCCの必要帯域15Mbpsとを合算した、23Mbpsの帯域をPLCネットワーク16で確保しておけばよいことになる。
以上説明したのと同様の手順にて、各チャンネルの各時刻における十分帯域が求められて、図24に示すような帯域テーブルとして決定帯域記憶部47に格納されることになる。なお、図12〜図15に示す実施形態では、PLCネットワーク16で確保すべき帯域は、時刻によって決定されたが、本実施形態では、上記確保すべき帯域は、時刻と視聴中のチャンネルとによって決定されることになる。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図24〜図26を参照して説明する。図25は、本実施形態のコンテンツ配信システム11のSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。なお、コンテンツ配信システム11のマルチキャストポイント51、EPGサーバ52、およびPLC親機15の処理は、図10に示す処理と同様であるので、その説明を省略する。
図25に示すように、まず、STB17の関連情報取得部41は、図9および図10と同様に、IP放送サーバ50による配信予定のコンテンツの関連情報を含むEPGを通信部33を介してEPGサーバ52に要求して取得し、取得したEPGを関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS50・S51)。
次に、STB17の帯域決定部42は、関連情報記憶部46に記憶されたEPGを参照して、上述のように、各チャンネルを視聴している場合におけるPLCネットワーク16で確保すべき帯域(十分帯域)を時刻ごとに決定し、上記時刻、上記チャンネル、および上記十分帯域とを対応付けて決定帯域記憶部47に格納する(ステップS200)。
図26は、帯域決定部42が上記伝送帯域を決定する処理(ステップS200)の詳細を示すフローチャートである。図示のように、まず、帯域B1にコンテンツ(c,t)の必要帯域を設定する(ステップS210)。ここで、コンテンツ(c,t)は、チャンネルc(すなわち帯域テーブルで今から求めようとしている該当チャンネル)において時刻tに配信されているコンテンツを表す。
次に、帯域B2を0Mbps、チャンネルiを1に初期化する(ステップS211)。次に、チャンネルiとチャンネルcとが等しいか否かを判断する(ステップS212)。チャンネルiとチャンネルcとが等しい場合(ステップS212にてYES)、ステップS215に進む。
一方、チャンネルiとチャンネルcとが等しくない場合(ステップS212にてNO)、帯域B2とコンテンツ(i,t)との帯域の大小を比較する(ステップS213)。ここで、コンテンツ(i,t)は、チャンネルiにおいて時刻tに配信が予定されているコンテンツを表す。
図11の例では、時刻t=8時30分の場合にコンテンツ(i,t)として選択され得るのは、チャンネルCH1で8時00分から9時00分まで配信が予定されているコンテンツAAAと、チャンネルCH2で8時30分から11時00分まで配信が予定されているコンテンツGGGと、チャンネルCH3で8時00分から10時10分まで配信が予定されているコンテンツIIIとなる。
帯域B2がコンテンツ(i,t)の必要帯域以上である場合(ステップS213にてNO)、ステップS215に進む。一方、帯域B2がコンテンツ(i,t)の必要帯域より小さい場合(ステップS213にてYES)、帯域B2にコンテンツ(i,t)の必要帯域が設定され(ステップS214)、その後、ステップS215に進む。
ステップS215において、コンテンツ(i+1,t)が存在するかを調べる。コンテンツ(i+1,t)が存在する場合(ステップS215にてYES)、チャンネルiが1つ増分され(ステップS216)、その後ステップS212に戻る。一方、コンテンツ(i+1,t)が存在しない場合(ステップS215にてNO)、帯域B1と帯域B2とを合算したものが十分帯域Bとされ(ステップS217)、帯域BをPLCネットワーク16で確保すべき帯域として確定する(ステップS218)。その後、帯域決定処理を終了して、元のルーチンに戻る。
ステップS210〜S218の処理は、視聴しているチャンネルのコンテンツの必要帯域と、同じ時刻に他のチャンネルで配信されているコンテンツの中でデータ伝送に必要な帯域が最大のものとを、合算したものを求める処理と等しい。図24の例では、時刻t=8時00分、チャンネルc=1の場合、コンテンツAAAに対応する5Mbpsの帯域と、コンテンツFFFに対応する13Mbpsの帯域とを合算した、18Mbpsの帯域が決定されることになる。同様にして時刻t=9時15分、チャンネルc=3の場合、コンテンツIIIに対応する8Mbpsの帯域と、コンテンツCCCに対応する15Mbpsの帯域とを合算した、23Mbpsの帯域が決定されることになる。
図25に戻ると、上述のように、STB17の選択指示取得部43が、使用者からのコンテンツの選択指示を取得すると(ステップS53)、帯域通知部44は、現在時刻において選択されたコンテンツのチャンネルの十分帯域を決定帯域記憶部47から読み出して、通信部33を介してPLC親機15に通知する(ステップS54)。これにより、上記十分帯域がPLCネットワーク16において確保される。
そして、PLC親機15から通信部33を介して帯域通知部44が設定結果を受け取って帯域設定処理が完了したことを認識すると、コンテンツ取得部45は、使用者の選択したコンテンツを識別する情報であるチャンネルを付加した視聴要求(joinパケット)をマルチキャストポイント51に送信する(ステップS55)。これにより、STB17は、上記コンテンツのデータの受信を開始する(ステップS56)。コンテンツ取得部45は、取得したコンテンツのデータを、出力部35を介してTV20に送信することにより、上記コンテンツが再生表示され、使用者が上記コンテンツを視聴することができる。
図11および図24の例では、使用者が8時00分にチャンネルCH1を選択した場合、まず帯域テーブルが参照されて8時00分から8時30分にネットワークで確保しておくべき帯域18Mbpsが取得され、PLC親機15に通知されPLCネットワーク16の帯域が設定される。その後、コンテンツAAAの視聴を開始するjoinパケットがマルチキャストポイント51に送出され、STB17でコンテンツAAAの受信が開始される。
その後は、以下に示すように、3つの条件(ステップS201・S202・S206)の何れかに該当した場合、該当する条件に対応する処理が行われる。
すなわち、上記条件の1つは、決定帯域記憶部47に格納された帯域テーブルを参照して、PLCネットワーク16で確保すべき帯域が変化する時刻に達した場合(ステップS206にてYES)である。この場合、帯域通知部44は、新たな十分帯域をPLC親機15に通知する(ステップS207)。図11および図24の例では、8時00分から9時00分にチャンネルCH1でコンテンツAAAを視聴している場合、8時30分に帯域テーブルに格納されている十分帯域が18Mbpsから14Mbpsに変化するため、帯域通知部44は8時30分にPLCネットワーク16の帯域を14MbpsにするようPLC親機15に通知することになる。
また、上記条件の別の1つは、使用者からチャンネルの切替えが指示された場合である(ステップS202にてYES)。この場合、STB17のコンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS203)。leaveパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への上記コンテンツの伝送が終了する。
次に、STB17のコンテンツ取得部45は、新しく選択されたコンテンツの視聴の開始を通知するjoinパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS205)。joinパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先に追加する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への新たなコンテンツの伝送が開始され、STB17のコンテンツ取得部45は、新たなコンテンツのデータの受信を開始する(ステップS205)。
その後、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に格納された帯域テーブルを参照して、現在時刻において新たに選択したコンテンツ(のチャンネル)を視聴する際の十分帯域をPLC親機15に通知する(ステップS207)。この通知を受けたPLC親機15は、帯域設定を開始し、帯域設定の結果をSTB17に通知する。
図11および図24の例では、使用者が8時00分から8時30分にチャンネルCH1のコンテンツAAAを視聴している時にチャンネルCH2に切り替えた場合、まずコンテンツAAAの視聴の終了を通知するleaveパケットがマルチキャストポイント51に送出され、続いて、コンテンツFFFの視聴を開始するjoinパケットがマルチキャストポイント51に送出され、STB17でコンテンツFFFの受信が開始される。そして、帯域テーブルが参照されて8時00分から8時30分にチャンネルCH2を視聴する場合にPLCネットワーク16で確保しておくべき帯域21Mbpsが導き出され、PLC親機15に通知されPLCネットワーク16の帯域が設定される。
そして、上記条件の最後の1つは、使用者がTV20の電源を切るなどして、使用者からコンテンツの視聴の終了が指示された場合である(ステップS201にてYES)。この場合、STB17のコンテンツ取得部45は、コンテンツの視聴の終了を通知するleaveパケットをマルチキャストポイント51に送出する(ステップS208)。leaveパケットを受け取ったマルチキャストポイント51は、STB17を上記コンテンツのマルチキャスト配信先から削除する。これにより、マルチキャストポイント51からSTB17への上記コンテンツの伝送が終了する。さらに、STB17の帯域通知部44は、PLC親機15に対し、PLCネットワーク16で確保している帯域を解放するよう通知する(ステップS209)。その後、処理は終了する。
〔実施の形態7〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について図28を参照して説明する。本実施形態のコンテンツ配信システム11は、図16〜図19に示すコンテンツ配信システム11に比べて、帯域決定部42および帯域通知部44の機能と、決定帯域記憶部47のデータ構造とが異なるのみであり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、帯域決定部42は、図11に示すようなEPGをそのまま帯域テーブルとして決定帯域記憶部47に記憶している。そして、帯域通知部44は、視聴中のチャンネルで次のコンテンツを続けて視聴する場合に上記十分帯域が増加するか減少するかを判断する。上記十分帯域が増加する場合には、帯域通知部44は、上記次のコンテンツの配信が開始される時刻から所定時間前の時刻に、増加後の十分帯域を通信部33を介してPLC親機15に通知する。これにより、上記次のコンテンツの配信開始時刻には、上記次のコンテンツの受信に必要な帯域が確保されるので、上記次のコンテンツをその配信開始時刻から遅滞なくかつ確実に受信することができる。その結果、上記次のコンテンツの再生映像の乱れを防止できる。
一方、上記十分帯域が減少する場合には、帯域通知部44は、視聴中のコンテンツの配信が終了する時刻から所定時間後の時刻に、減少後の十分帯域を通信部33を介してPLC親機15に通知する。これにより、視聴中のコンテンツの配信終了時刻の後に、視聴中のコンテンツの受信に必要な帯域から上記次のコンテンツの受信に必要な帯域に変更されることになる。従って、視聴中のコンテンツをその配信終了時刻まで遅滞なくかつ確実に受信することができると共に、上記次のコンテンツを遅滞なくかつ確実に受信することができる。その結果、視聴中のコンテンツの再生映像の乱れを防止できると共に、上記次のコンテンツの再生映像の乱れを防止できる。
図28は、本実施形態のコンテンツ配信システム11のSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。図示の処理は、図17に示す処理に比べて、ステップS110が省略されている点と、ステップS118・S119に代えて、ステップS123・S124が行われる点とが異なり、その他の処理は同様である。
ステップS117にて、視聴中のチャンネルで次のコンテンツ視聴時の必要帯域、すなわち、次に配信されるコンテンツのビットレートが、現在確保している帯域から増加する場合であって、次のコンテンツの配信が開始される時刻の所定時間前(例えば1分前)に達した場合(ステップS123にてYES)、帯域通知部44は、次のコンテンツのビットレート(必要帯域)をPLC親機15に通知する(ステップS120)。
また、ステップS117にて、視聴中のチャンネルで次に配信されるコンテンツのビットレートが、現在確保している帯域から減少する場合であって、視聴中のコンテンツの配信が終了する時刻の所定時間後(例えば1分後)に達した場合(ステップS124にてYES)、帯域通知部44は、次のコンテンツのビットレート(必要帯域)をPLC親機15に通知する(ステップS120)。
図11の例では、チャンネルCH1を視聴している場合、9時00分にはコンテンツAAAの配信が終了して引き続きコンテンツBBBの配信が開始される。このとき、ビットレートが5Mbpsから10Mbpsに増加するため、帯域通知部44は、コンテンツBBBの配信が開始される例えば1分前の8時59分に、10Mbpsの帯域を設定するようにPLC親機15に通知することになる。
なお、上記1分前を3分前や5分前のようにさらに早くすることもできる。この場合、余分な帯域が確保されることになるが、帯域設定を試行する回数を増やすことができるので、帯域の確保に失敗するという可能性を低減することができる。
また、10時00分にはコンテンツCCCの配信が終了して引き続きコンテンツDDDの配信が開始される。このとき、ビットレートが15Mbpsから5Mbpsに減少するため、帯域通知部44は、コンテンツCCCの配信が終了する例えば1分後の10時01分に、5Mbpsの帯域を設定するようにPLC親機15に通知することになる。
なお、上記1分後を3分後や5分後のようにさらに遅くすることもできる。この場合、余分な帯域が確保されることになるが、視聴中のコンテンツが完全に終了するまで遅滞なくかつ確実に受信することができる。
なお、上述のように、帯域設定が頻発すると、STB17およびPLC親機15における処理の負担が増大することになる。そこで、帯域通知部44は、次のコンテンツに切り替えるときに、該次のコンテンツのビットレートを確保する代わりに、上記次のコンテンツのビットレートと、その後に続く1つ以上のコンテンツのビットレートとのうち、最大のものを確保するようにPLC親機15に通知してもよい。この場合、帯域設定の回数を減らすことができるので、STB17およびPLC親機15における処理の負担を軽減することができる。
例えば、図11において、チャンネルCH1を視聴している場合、9時00分にはコンテンツAAAの配信が終了して引き続きコンテンツBBBの配信が開始され、その後にコンテンツCCCの配信が開始される。このとき、8時59分にコンテンツBBBのビットレート10Mbpsを通知し、9時14分にコンテンツCCCのビットレート15Mbpsを通知する代わりに、コンテンツBBB・CCCのビットレートのうち、大きい方のビットレート15Mbpsを8時59分に通知しても良い。
この場合、コンテンツBBBの配信期間中は本来10Mbpsの帯域確保でよいところを15Mbpsの帯域確保を行うことになるが、コンテンツBBBは15分と比較的配信期間が短いので、余分に帯域を確保する期間が短くなる。このように、配信期間の短いコンテンツのための帯域変更を省略するような場合に上記の方法が有効である。なお、9時00分以降の時間帯、すなわち9時00分〜12時00分の時間帯(第2の時間帯)に配信されるコンテンツBBB・CCC・DDD・EEEを、最大のビットレートを選択する対象にしても良い。
〔実施の形態8〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について図29を参照して説明する。本実施形態のコンテンツ配信システム11は、図12〜図15に示すコンテンツ配信システム11に比べて、帯域通知部44の機能が異なるのみであり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成および処理と同様の構成および処理には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、帯域通知部44は、決定帯域記憶部47に記憶された十分帯域が切り替わる切替時刻に到達する前に、上記十分帯域が現在の十分帯域から増加するか減少するかを判断する。上記十分帯域が増加する場合には、帯域通知部44は、上記切替時刻に到達する所定時間前の時刻に、増加後の十分帯域を通信部33を介してPLC親機15に通知する。これにより、上記切替時刻には、上記切替時刻から次の切替時刻までの期間(第2の時間帯)に配信される各チャンネルのコンテンツの受信に必要な帯域が確保されるので、上記切替時刻に配信が開始されるコンテンツを遅滞なくかつ確実に受信することができる。
一方、上記十分帯域が減少する場合には、帯域通知部44は、上記切替時刻に到達する所定時間後の時刻に、減少後の十分帯域を通信部33を介してPLC親機15に通知する。これにより、上記切替時刻の後に、減少前の十分帯域から減少後の十分帯域に変更されることになる。従って、上記切替時刻まで配信されていたコンテンツをその配信終了時刻まで遅滞なくかつ確実に受信することができると共に、上記切替時刻後に配信されるコンテンツを遅滞なくかつ確実に受信することができる。
図29は、本実施形態のコンテンツ配信システム11のSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。図示の処理は、図13に示す処理に比べて、ステップS96に代えてステップS220〜222が行われる点が異なり、その他の処理は同様である。
ステップS220において、帯域通知部44は、次の十分帯域が現在の十分帯域から増加するか否かを判断する。上記次の十分帯域が増加の場合には(ステップS220にてYES)、帯域通知部44は、次の十分帯域に切り替わる時刻の所定時間前(例えば1分前)に達すると(ステップS221にてYES)、帯域通知部44は、次のコンテンツのビットレート(必要帯域)をPLC親機15に通知する(ステップS97)。
一方、上記次の十分帯域が減少の場合には(ステップS220にてNO)、帯域通知部44は、次の十分帯域に切り替わる時刻の所定時間後(例えば1分後)に達すると(ステップS222にてYES)、帯域通知部44は、次のコンテンツのビットレート(必要帯域)をPLC親機15に通知する(ステップS97)。
図14の例では、8時30分に十分帯域が13Mbpsから9Mbpsに減少するため、帯域通知部44は、8時30分の例えば1分後である8時31分に、9Mbpsの帯域を設定するようにPLC親機15に通知することになる。
また、11時00分に十分帯域が9Mbpsから12Mbpsに増加するため、帯域通知部44は、11時00分の例えば1分前である10時59分に、12Mbpsの帯域を設定するようにPLC親機15に通知することになる。
ところで、使用者は、コンテンツの視聴が終了すると、そのチャンネルで配信されるコンテンツを引き続き視聴し、当該コンテンツに興味がない場合に、直ちにチャンネルを切り替えて別のコンテンツを視聴することが多い。例えば、使用者がチャンネルCH3のコンテンツJJJを視聴し、11時00分に引き続きコンテンツKKKを視聴したが、興味がなかったので11時01分にチャンネルCH1に切り替えてコンテンツEEEを視聴したとする。
この場合、図28に示すコンテンツ配信システム11では、帯域通知部44は、10時59分に7Mbpsから11Mbpsにビットレートを設定するようにPLC親機15に通知し、11時01分に11Mbpsから12Mbpsにビットレートを設定するようにPLC親機15に通知することになる。すなわち、2分間の間に2回の帯域変更をPLC親機15に要求することになる。
これに対し、本実施形態では、帯域通知部44は、10時59分に9Mbpsから12Mbpsにビットレートを設定するようにPLC親機15に通知するのみであり、帯域変更の要求が1回で済む。
なお、上述のように、帯域決定部42は、或る時刻に配信が予定されているコンテンツ全てのビットレートのうち、最大のビットレートと2番目のビットレートとを加算したものを十分帯域として決定してもよい。この場合、切替前のコンテンツと切替後のコンテンツとの両方を遅滞なくかつ確実に受信することができる。
また、本実施形態では、上記十分帯域が増加するか減少するかを帯域通知部44が判断しているが、帯域決定部42が判断してもよい。すなわち、帯域決定部42は、上記十分帯域が増加する場合には、上記十分帯域が切り替わる切替時刻をその所定時間前の時刻に変更する一方、上記十分帯域が減少する場合には、上記切替時刻をその所定時間後の時刻に変更して決定帯域記憶部47に記憶してもよい。この場合、帯域決定部42の処理が増加するが、帯域通知部44におけるステップS220〜S222の処理が不要となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、映像コンテンツについて説明しているが、音声コンテンツ、AV(Audio-Visual)コンテンツなど、その他のデータにも適用可能である。
最後に、VoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17の各ブロック、特に制御部31は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、VoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるVoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記VoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、VoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送通信、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。