JPWO2009041407A1 - 微細パターン形成用樹脂組成物および微細パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなリソグラフィ技術においては、露光波長の制約から、微細化に限界が生じているのを免れないので、これまで、この波長限界をこえる微細パターンの形成を可能にするための研究が行なわれてきた。すなわち、ポリメチルメタクリレートなどの電子線用レジストをパターン化し、該レジストパターン上にポジ型レジストを塗布したのち、加熱処理して該レジストパターンとポジレジスト層との境界に反応層を設け、ポジ型レジストの非反応部分を除去することにより、レジストパターンを微細化する方法(特許文献1)、下層レジストパターンと上層レジストとの間に酸発生剤や酸による熱架橋を利用して反応層を形成させる方法(特許文献2)、上層レジスト塗布液として、感光性成分を含まず、水溶性樹脂や水溶性架橋剤、あるいはこれらの混合物を水溶性溶媒に溶解した微細パターン形成材料を用いて半導体装置を製造する方法(特許文献3)、基板上に化学増幅型レジストからなる感光層を設け、画像形成露光後、現像処理してレジストパターンを形成させ、このレジストパターン上に、ポリビニルアセタールのような水溶性樹脂やテトラ(ヒドロキシメチル)グリコールウリルのような水溶性架橋剤とアミンのような水溶性含窒素有機化合物と、場合によりフッ素およびケイ素含有界面活性剤とを含む塗膜形成剤を塗布したのち、加熱処理してレジストパターンとレジストパターン微細化用塗膜との界面に水不溶性の反応層を形成させ、次いで純水により、レジストパターン微細化用塗膜の非反応部分を除去する方法(特許文献4)などが提案されている。
また、上記式(1)で表される側鎖を有する繰り返し単位(I)が下記式(2)で表される単量体に由来することを特徴とする。
特に、上記フェノール類に由来する水酸基を有する繰返し単位は、該繰り返し単位内にアミド結合を有する繰返し単位であることを特徴とする。このアミド結合を有する繰返し単位は、ヒドロキシアクリルアニリドおよびヒドロキシメタクリルアニリドから選ばれた少なくとも1つの化合物を共重合させて得られることを特徴とする。
特に、本発明の微細パターン形成用樹脂組成物は、該樹脂の収縮量が大きく、収縮時の温度依存性が低く、収縮後の微細スペースパターン形成に優れ、ピッチ依存性が低いため、プロセス変動に対するパターン形成マージンであるプロセスウィンドウが広い。また、フェノール類に由来する水酸基を有することでドライエッチング耐性に優れている。
さらに、このようにして形成された微細レジストパターンをマスクとしてドライエッチングすることにより、半導体基板上に精度よくトレンチパターンやホールを形成することができ、微細トレンチパターンやホールを有する半導体装置等を簡単にかつ歩留まりよく製造することができる。
2 ホールパターン
微細パターン形成用樹脂組成物を構成する樹脂は、上記式(1)で表される側鎖を有する繰り返し単位(I)を含有する樹脂である。
繰り返し単位(I)としては、重合性不飽和結合と式(1)で表される側鎖とを有する単量体であれば使用できる。好ましい繰り返し単位(I)を生成する単量体としては式(2)が挙げられる。
炭素数1〜8のフルオロアルキル基としては、ジフルオロメチル基、パーフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(パーフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロペンチル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、パーフルオロペンチルメチル基、パーフルオロヘキシル基、2−(パーフルオロペンチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘプチル基、パーフルオロヘキシルメチル基、パーフルオロヘプチル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−テトラデカフルオロオクチル基、パーフルオロヘプチルメチル基、パーフルオロオクチル基、2−(パーフルオロヘプチル)エチル基、を挙げることができる。
以上の中でも、フルオロアルキル基の炭素数が大きくなりすぎるとアルカリ水溶液への溶解性が低くなるため、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基が好ましい。
好ましいR'、R''は水素原子であり、Rは水素原子またはメチル基である。
アルコール性水酸基を含有する単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを例示することができ、好ましくは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。これらの単量体は単独でもしくは2種以上組み合わせて使用できる。
アルコール性水酸基を含有する単量体は、共重合体を構成する全繰り返し単位に対して、通常3〜40モル%、好ましくは5〜30モル%である。
式(4)で表されるフェノール性水酸基を有する単量体は、共重合体を構成する全繰り返し単位に対して、通常30〜90モル%、好ましくは40〜80モル%である。
これらの中ではアクリル酸、メタクリル酸、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレートが好ましい。
カルボン酸由来の水酸基を含む単量体は、共重合体を構成する全繰り返し単位に対して、通常5〜60モル%、好ましくは、10〜50モル%である。
好ましいR1としては、tert−ブチル基、アセトキシ基、1−エトキシエトキシ基、tert−ブトキシル基であり、最も好ましくはtert−ブトキシル基である。
繰り返し単位(III)を生成する単量体は樹脂を構成する全繰り返し単位に対して、通常10〜60モル%、好ましくは20〜50モル%である。10モル%未満では収縮寸法が増加せず、60モル%をこえると現像液に対する溶解性が悪くなる。
上記のような方法で得られた樹脂の精製方法として、以下の方法が挙げられる。金属等の不純物を除去する方法としては、ゼータ電位フィルターを用いて重合溶液中の金属を吸着させる方法、蓚酸、スルホン酸等の酸性水溶液で重合溶液を洗浄することで金属をキレート状態にして除去する方法等が挙げられる。また、残留する単量体やオリゴマー成分を規定値以下に除去する方法としては、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留する単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外濾過等の溶液状態での精製方法、重合溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留する単量体等を除去する再沈澱法、濾別した樹脂スラリー貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
上記架橋成分は上述した樹脂および/または架橋成分が相互に酸の作用により反応する架橋成分(硬化成分)として作用するものである。
市販されている化合物としては、サイメル300、同301、同303、同350、同232、同235、同236、同238、同266、同267、同285、同1123、同1123−10、同1170、同370、同771、同272、同1172、同325、同327、同703、同712、同254、同253、同212、同1128、同701、同202、同207(以上、日本サイテック社製)、ニカラックMW−30M、同30、同22、同24X、ニカラックMS−21、同11、同001、ニカラックMX−002、同730、同750、同708、同706、同042、同035、同45、同410、同302、同202、ニカラックSM−651、同652、同653、同551、同451、ニカラックSB−401、同355、同303、同301、同255、同203、同201、ニカラックBX−4000、同37、同55H、ニカラックBL−60(以上、三和ケミカル社製)などを挙げることができる。好ましくは、式1におけるR1、R2のどちらか一方が水素原子であり、すなわち、イミノ基を含有する架橋成分であるサイメル325、同327、同703、同712、同254、同253、同212、同1128、同701、同202、同207が好ましい。
市販されている化合物としては、アロンオキセタンOXT−101、同121、同221(以上、東亞合成社製)、OXTP、OXBP、OXIPA(以上、宇部興産社製)などを挙げることができる。
また、樹脂および架橋成分の合計量は、後述するアルコール溶媒を含めた樹脂組成物全体に対して、0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。水酸基を有する樹脂および架橋成分の合計量が、0.1重量%未満では塗膜が薄くなりすぎパターンエッチ部に膜切れを起こすおそれがあり、30重量%をこえると粘度が高くなりすぎ微細なパターンへ埋め込むことができないおそれがある。
そのような溶媒としては、炭素数1〜8の1価アルコールであることが好ましい。例えば、1−プロパノール、イソプロバノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノールなどが挙げられ、1−ブタノール、2−ブタノール、4−メチルー2−ペンタノールが好ましい。これらのアルコール溶媒は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、アルコール溶媒は、全溶媒に対して10重量%以下、好ましくは1重量%以下の水を含むことができる。10重量%をこえると樹脂の溶解性が低下する。より好ましくは、水を含有しない無水アルコール溶媒である。
他の溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、水が挙げられる。これらのうち、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類、水が好ましい。
そのような界面活性剤としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製)などの商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。
これらの界面活性剤の配合量は、水酸基を有する樹脂100重量部に対して好ましくは5重量%以下である。
(1)レジストパターンの形成
スピンコートなどの従来公知の方法により8インチあるいは12インチのシリコンウエハ基板上に反射防止膜(有機膜あるいは無機膜)を形成する。次いで、スピンコートなどの従来公知の方法によりフォトレジストを塗布し、例えば、80℃〜140℃程度、60〜120秒程度の条件でプリベーク(PB)を行なう。その後、g線、i線などの紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、X線、電子線などで露光をし、例えば、80℃〜140℃程度の条件でポストイクスポージャーベーク(PEB)を行なった後、現像し、レジストパターンを形成する。
(2)微細パターンの形成
上記レジストパターンが形成された基板に、スピンコートなどの従来公知の方法により上記本発明の微細パターン形成用樹脂組成物を塗布する。スピンコートのみで溶剤が揮散し被覆膜を形成する場合がある。また、必要に応じて、例えば、80℃〜110℃程度、60〜120秒程度のプリベーク(PB)し、微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を形成する。
次いで、このレジストパターンを微細パターン形成用樹脂組成物により被覆した基板を熱処理する。熱処理により、フォトレジスト由来の酸がフォトレジストとの界面から微細パターン形成用樹脂組成物層中に拡散し、微細パターン形成用樹脂組成物は架橋反応を起こす。フォトレジスト界面からの架橋反応状態は、微細パターン形成用樹脂組成物の材料、使用されるフォトレジスト、ベーク処理温度およびベーク処理時間により決定される。熱処理温度および熱処理時間は、通常90℃〜160℃程度の温度で、60〜120秒程度で行なわれる。
次いで、微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などのアルカリ水溶液などにより現像処理(例えば、60〜120秒程度)して、未架橋の微細パターン形成用樹脂組成物の被覆膜を溶解させて除去する。最後に水で洗浄処理することにより、ホールパターンや楕円パターン、トレンチパターンなどを微細化することができる。
合成例1
樹脂(P−1)および以下の各合成例で得た各重合体のMwおよびMnの測定は、東ソー(株)社製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。測定の結果、樹脂P−1はMw5,800、Mw/Mn1.6であった。
合成例1と同一の出発原料を用いて、合成例1と同様にp−ヒドロキシメタクリルアニリド由来の繰り返し単位/p−t−ブトキシスチレン由来の繰り返し単位/2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート由来の繰り返し単位=60/35/5(モル比)、Mw5,200、Mw/Mn1.5からなる共重合体を得た。この共重合体を樹脂P−2とする。
合成例1と同一の出発原料を用いて、合成例1と同様にp−ヒドロキシメタクリルアニリド由来の繰り返し単位/p−t−ブトキシスチレン由来の繰り返し単位/2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート由来の繰り返し単位=60/30/10(モル比)、Mw5,200、Mw/Mn1.5からなる共重合体を得た。この共重合体を樹脂P−3とする。
表1に示す割合で、樹脂成分、架橋成分、アルコール溶媒およびその他添加剤を加え、3時間攪拌したのち、孔径0.03μmのフィルターを使用して濾過して、微細パターン形成用樹脂組成物を得た。
各実施例および比較例に用いた架橋成分およびアルコール溶媒を以下に示す。
架橋成分
C−1:ニカラックMX−750(日本カーバイド社製、商品名)
C−2:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
C−3:OXIPA
アルコール溶媒
S−1:1−ブタノール
S−2:4−メチル−2−ペンタノール
樹脂P−5および以下の各合成例で得た各重合体のMwおよびMnの測定は、東ソー(株)社製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶剤テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。測定の結果、樹脂P−5はMw5,800、Mw/Mn=1.5であった。また13C−NMRによる組成分析結果は以下の通りである。
単量体(m−2)由来のピークが78ppmに0.704、単量体(m−1)および(m−2)由来のピークが150〜155ppmに1.627であるため、(m−2)由来の積分値を差し引いて(m−1)由来のピークは0.923、(m−3)および(m−1)由来のピークが170〜180ppmに1.000であるため、(m−1)由来の積分値を差し引いて(m−3)由来のピークは0.077、よって樹脂P−5の組成はp−ヒドロキシメタクリルアニリド由来の繰り返し単位/p−t−ブトキシスチレン由来の繰り返し単位/2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート由来の繰り返し単位(モル比)=54.2/41.3/4.5であった。
合成例5と同一の出発原料を用いて、p−ヒドロキシメタクリルアニリド(m−1)20.07g、p−tert−ブトキシスチレン(m−2)5.70g、2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート(m−3)4.23g、およびアゾビスイソブチロニトリル2.13gをイソプロパノール(IPA)90gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル60g、IPA42g、メタノール42gを加えて均一化し、そこに水を180g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し50℃の温度にて真空乾燥した。その結果、共重合体22.5g(収率75重量%)を得た。この共重合体を樹脂P−6とする。
樹脂P−6に対し、合成例5と同様の測定をし、p−ヒドロキシメタクリルアニリド由来の繰り返し単位/p−t−ブトキシスチレン由来の繰り返し単位/2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート由来の繰り返し単位=64.8/26.0/9.2(モル比)、Mw5,200、Mw/Mn1.5であった。
合成例5と同一の出発原料を用いて、p−ヒドロキシメタクリルアニリド(m−1)17.21g、p−tert−ブトキシスチレン(m−2)8.56g、2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート(m−3)4.23g、およびアゾビスイソブチロニトリル2.13gをイソプロパノール(IPA)90gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル60g、IPA42g、メタノール42gを加えて均一化し、そこに水を180g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し50℃の温度にて真空乾燥した。その結果、共重合体21.5g(収率72重量%)を得た。この共重合体を樹脂P−7とする。
樹脂P−7に対し、合成例5と同様の測定をし、p−ヒドロキシメタクリルアニリド由来の繰り返し単位/p−t−ブトキシスチレン由来の繰り返し単位/2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート由来の繰り返し単位=55.4/34.8/9.8(モル比)、Mw5,200、Mw/Mn1.5であった。
表3に示す割合で、樹脂成分、架橋成分、アルコール溶媒およびその他添加剤を加え、3時間攪拌したのち、孔径0.03μmのフィルターを使用して濾過して、微細パターン形成用樹脂組成物を得た。
各実施例および比較例に用いた架橋成分およびアルコール溶媒を以下に示す。
架橋成分
C−1:ニカラックMX−750(日本カーバイド社製、商品名)
C−2:ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル
アルコール溶媒
S−1:1−ブタノール
S−2:4−メチル−2−ペンタノール
8インチシリコンウェハ上に下層反射防止膜ARC29A(ブルワーサイエンス社製)をCLEAN TRACK ACT8(東京エレクトロン(株))でスピンコートにより膜厚77nm(PB205℃、60秒)で塗膜を形成した後、JSR ArF AR1244J(JSR株式会社製、脂環族系感放射線性樹脂組成物)のパターニングを実施する。AR1244Jは、同CLEAN TRACK ACT8にてスピンコート、PB(130℃、90秒)、冷却(23℃、30秒)により膜厚210nmの塗布膜を形成し、ArF投影露光装置S306C(ニコン(株))で、NA:0.78、シグマ:0.85、2/3Annの光学条件にて露光(露光量30mJ/cm2)を行ない、同CLEAN TRACK ACT8ホットプレートにてPEB(130℃、90秒)、冷却(23℃、30秒)後、現像カップのLDノズルにて2.38重量%TMAH水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライし、評価用基板を得た。この工程で得られた基板を評価用基板Aとする。同一条件で作製した評価用基板Aを複数枚準備した。
得られた評価用基板を走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9380)で80nm径ホールパターン、100nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は110nm径パターン/70nmスペース)に該当するパターンを観察し、レジストパターンのホール径を測定した。
(1)収縮寸法およびベーク温度依存性の評価
上記評価用基板A上に、表1および表3記載の微細パターン形成用樹脂組成物をCLEAN TRACK ACT8にてスピンコートにて膜厚150nmで塗布した後、レジストパターンと微細パターン形成用樹脂組成物を反応させるため、表1および表3記載の収縮評価ベーク条件でベークを行なった。ついで同CLEAN TRACK ACT8で23℃、30秒の冷却プレートで冷却後、現像カップでLDノズルにて2.38重量%TMAH水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)、超純水にてリンス、次いで4000rpmで15秒間振り切りによりスピンドライした。この工程で得られた基板を評価用基板Bとする。パターン寸法の収縮測定は、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−9380)で60nm径ホールパターン、120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は110nm径パターン/70nmスペース)に該当するパターンを観察し、パターンのホール径を測定した。
収縮寸法(nm)=φ1−φ2
φ1:評価用基板Aのレジストパターンホール径(nm)
φ2:評価用基板Bのレジストパターンホール径(nm)
収縮の判定として、収縮が確認され、収縮寸法が20nm以上のときを「〇」、収縮が確認されないもしくはパターンがつぶれてしまっているとき、もしくは収縮寸法が20nm未満のものを「×」とした。
評価用基板Bを走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−4800)で60nm径ホールパターン、120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は110nm径パターン/70nmスペース)に該当するパターンの断面を観察し、開口部底部に不溶物がないとき「〇」、不溶物が観察されたとき「×」とした。
(3)パターン収縮後形状評価
評価用基板Aおよび評価用基板Bにおいて、走査型電子顕微鏡(日立計測器(株)製S−4800)で60nm径ホールパターン、120nmスペースのマスクパターン(バイアス+30nm/マスク上は110nmパターン/70nmスペース)に該当し、かつ同位置に存在するパターンの断面をそれぞれ観察する。断面形状を図1および図2に示す。基板1に対するホールパターン2の側壁2aの角度がパターン収縮前の角度θ(図1(a))とパターン収縮後の角度θ'(図1(b))で3度以下の差であること(図1参照)、かつ評価用基板A(図2(a))におけるレジストの膜厚tを100として、基板1からレジストの膜厚t−t'が80をこえる部分でのみ評価用基板B上のパターンに劣化部分t'が認められるものを良好とし(図2(b))、その他は不良とした(図2参照)。
Claims (19)
- 前記式(1)で表される側鎖を有する繰り返し単位(I)が下記式(2)で表される単量体に由来することを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記繰り返し単位(I)が、前記樹脂を構成する全繰り返し単位に対して3〜30モル%であることを特徴とする請求項2記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記式(1)におけるRfが、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、およびパーフルオロプロピル基から選ばれた1つであることを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記式(1)におけるRfが、パーフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記単量体が、2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレートであることを特徴とする請求項2記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記樹脂の重量平均分子量が1,000〜20,000であることを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記アルコール溶媒が炭素数1〜8の1価アルコールであることを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記架橋成分の配合量が、前記樹脂100重量部に対して5〜70重量部であることを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記樹脂および前記架橋成分の合計量が、前記樹脂組成物全体に対して0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記樹脂は、さらに、アルコール類、フェノール類、およびカルボン酸類に由来する水酸基から選ばれる少なくとも1つの水酸基を側鎖に有する繰り返し単位(II)を含有することを特徴とする請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記フェノール類に由来する水酸基を有する繰返し単位は、該繰り返し単位内にアミド結合を有する繰返し単位であることを特徴とする請求項12記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記繰り返し単位内にアミド結合を有する繰返し単位は、ヒドロキシアクリルアニリドおよびヒドロキシメタクリルアニリドから選ばれた少なくとも1つの化合物を共重合させて得られることを特徴とする請求項13記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記式(3)におけるR1が、tert−ブチル基、およびtert−ブトキシル基から選ばれた1つであることを特徴とする請求項15記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記式(3)におけるR1が、tert−ブトキシル基であることを特徴とする請求項16記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 前記繰り返し単位(III)が、p−tert−ブトキシスチレンを重合させて得られることを特徴とする請求項15記載の微細パターン形成用樹脂組成物。
- 基板上にレジストパターンを形成するパターン形成工程と、このレジストパターン上に請求項1記載の微細パターン形成用樹脂組成物を被覆する工程と、前記被膜工程後の基板を熱処理する工程と、アルカリ水溶液により現像する工程とを含む微細パターン形成方法。
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