JPWO2009037785A1 - 体液成分の分析器具の検査方法および体液成分の分析器具 - Google Patents

体液成分の分析器具の検査方法および体液成分の分析器具 Download PDF

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Abstract

保持された試薬の量が確実かつ高精度に検査でき、非破壊的で全数検査が可能となるような体液成分の分析器具の検査方法、および体液成分の分析器具を提供する。体液に含まれる特定の成分と反応して呈色する試薬5と、前記試薬を保持する試薬保持室4が凹設されたプレート部材3とを備える体液成分の分析器具において、前記試薬保持室4に入射光を照射し、そこからの透過光を測定して吸光度を算出し、それに基づき前記試薬5の保持量を算出することができる。

Description

本発明は体液成分の分析器具の検査方法、および体液成分の分析器具に関する。
体液成分の分析器具として、微量の体液の試料を試薬が保持された試験片に滴下し、試料が試薬と反応した後の光学的特性などを測定することによって体液成分の分析が可能となる器具についての技術が知られている(特許文献1、2参照)。この検査器具は、試験片に設けられた試料供給口に体液の試料を供給したのち、当該試料を流路を通じて試薬が備えられた試薬保持室に移送し、当該試薬保持室にて呈色反応を発生させた後、測定室にて吸光度を測定することによって所望の体液成分を測定することができるように構成されている。
当該分析器具は複数のプレート部材の積層によって構成されており、試料供給口から測定室に至る流路は一部の層に設けられた溝などによって形成される。また、前記試薬保持室は一部の層に凹部が設けられることによって形成され、当該凹部の中に試薬が塗布、乾燥されて保持されている。
当該分析器具の製造時、凹部が設けられたプレート部材に前記試薬が一定量滴下され、その後必要に応じて積層工程に移る。製品ごとに分析結果にばらつきが生じてはならないため、個々の製品に保持される試薬の量も一定であることが必要とされる。しかし実際には、試薬を滴下する際に使用されるノズル口の状態は微妙に異なるため、製品個体ごとに試薬保持量にばらつきが生じることは避けられない。
そこで従来から、製品ごとのばらつきを防止し、一定品質を確保するため、製造ロットごとに抜き取り検査を実施し、その時不合格品が発見されれば、不合格品が属するロット全体を不合格品として廃棄するという品質保証手法を採用していた。そのため、特に一つのロットを構成する製品数が多い場合、廃棄する製品も多数に上るため、結果として高コストを招来していた。このときの検査方法は、抜き取った製品に実際に成分が既知の試料を与え、得られた測定値が予め定めておいた許容範囲内に収まっているか否かで合否を判定するというものである。ここでもしも全数検査を適用することができれば、廃棄する製品が最小限の数量となるためこの点でコスト的に有利となるが、上記検査方法を実施すると製品の機能を消尽してしまう、すなわち破壊検査であるため、全数検査を実施することは不可能である。
ところで、前述の通り、試薬はプレート部材に設けられた凹部に保持されている。凹部の範囲の面積が既知であり、試薬が形成する液柱の高ささえわかれば、保持されている試薬の量は乗算により算出できる。しかし、実際には前記液柱の高さは均一とはならないため、当該方法による試薬の量の定量は困難である。
特開平8−114539号公報 特開2002−224090号公報
そこで、保持された試薬の量が確実かつ高精度に検査でき、非破壊的で全数検査が可能となるような体液成分の分析器具の検査方法、および体液成分の分析器具が求められていた。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、体液に含まれる特定の成分と反応して呈色する試薬と、前記試薬を保持する試薬保持室が凹設されたプレート部材とを備える体液成分の分析器具の検査方法において、前記試薬保持室に入射光を照射する工程と、前記試薬保持室からの透過光または反射光を測定する工程と、前記入射光および前記透過光または反射光に基づき吸光度を算出する工程と、前記吸光度に基づき前記試薬の保持量を算出する工程とを有することを特徴とする体液成分の分析器具の検査方法である。
請求項1に記載の発明によれば、体液成分の分析器具についての検査方法であって、光を使用する非破壊的な検査方法を提供する。したがって低コストで全数検査が可能となり、その結果、不良品のみを除去することができ廃棄数量が減少するためコスト削減が実現する。また製品に保持された試薬の量を高精度に測定することができ、品質の向上および品質の均一化が実現する。
請求項2に記載の発明は、前記試薬保持室の周囲が光非透過性または光非反射性を有することを特徴とする請求項1に記載の体液成分の分析器具の検査方法である。
請求項2に記載の発明によれば、試薬保持室の周囲が光を透過しないまたは光を反射しないため、検査の際入射光として試薬保持室よりもやや大きい面積で光を照射しても、透過光または反射光は試薬保持室の大きさに対応する光束に制限される。したがって、検査の際の入射光照射工程において、試薬保持室の位置と入射光照射位置とのあいだに精密な位置精度が要求されることなく、高精度の検査が可能となる。
請求項3に記載の発明は、前記プレート部材が、光非透過性または光非反射性を備えるとともに開孔を有する膜が基材に貼着されてなり、前記開孔と前記基材とが前記試薬保持室を画成することを特徴とする請求項1に記載の体液成分の分析器具の検査方法である。
請求項3に記載の発明によれば、プレート部材自体に凹欠部を加工する必要がなく、フラットな基板に、開孔を有するパターンを、スクリーン印刷やグラビア印刷などで印刷することによって、試薬保持室となる凹部を相対的に形成することができる。さらに同時に、試薬保持室の周囲に光非透過性または光非反射性を付与することができ、検査の際の入射光照射工程において、試薬保持室の位置と入射光照射位置とのあいだに精密な位置精度が要求されることなく、高精度の検査が可能となる。
請求項4に記載の発明は、前記試薬の光吸収帯に属さない波長の光を少なくとも1つ含む、波長の異なる複数の光のそれぞれについて前記吸光度を算出し、複数の前記吸光度から変換された補正吸光度を算出し、前記補正吸光度に基づき前記試薬の保持量を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の体液成分の分析器具の検査方法である。
請求項4に記載の発明によれば、試薬に吸光されない波長の光についての吸光度、すなわち試薬保持室の面積のみの指標となるパラメータを別途測定し、試薬保持室の面積の差異に起因する部分を除去して補正することによって、高精度の試薬量測定が可能となる。すなわち、非透過性または非反射性物質を周囲に配置して区画されている試薬保持室の面積は製造精度により個体差が生じ、試薬保持室の面積のばらつきが与える影響を排除することができる。
請求項5に記載の発明は、前記呈色により吸光度が変化する波長帯と異なる波長帯に光吸収帯を有する色素が前記試薬に含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の体液成分の分析器具の検査方法である。
請求項5に記載の発明によれば、体液成分の分析のために用いる光の波長と全く異なる波長域に光吸収帯を有する色素を試薬に別途添加し、当該色素の光吸収帯の波長の光を用いることによって、体液成分の分析という製品としての機能に全く影響を及ぼすことなく、高精度な試薬量の測定を行うことが可能となる。
請求項6に記載の発明は、体液に含まれる特定の成分と反応して呈色する試薬と、光非透過性または光非反射性を備えるとともに開孔を有する膜が基材に貼着されてなるプレート部材とを備え、前記開孔と前記基材とから形成される凹部に前記試薬が保持されていることを特徴とする体液成分の分析器具である。
請求項6に記載の発明によれば、体液成分の分析器具を提供することができ、当該分析器具に保持された試薬の量は高精度に検査されるため、高品質でかつ均一な品質の当該器具を提供することができる。また、当該検査方法は光を使用する非破壊的な検査であり、低コストで全数検査が可能となり、さらに不良品のみを廃棄することにより廃棄数量が少なく、コスト削減に寄与する。また、プレート部材自体に凹欠部を加工するかわりに、フラットな基材にスクリーン印刷やグラビア印刷などによって開孔を有するパターンを貼着することによって、試薬保持室となる凹部を相対的に形成することができ、当該部に試薬を保持することができる。それと同時に、試薬保持室の周囲に光非透過性または光非反射性を付与することができるため、検査の際の入射光照射工程において、試薬保持室の位置と入射光照射位置とのあいだに精密な位置精度が要求されることなく、試薬量の高精度な検査が可能となる。
請求項7に記載の発明は、前記試薬は前記特定の成分と反応すると呈色し、前記呈色により吸光度が変化する波長帯と異なる波長帯に光吸収帯を有する色素が前記試薬に含有されていることを特徴とする請求項6に記載の体液成分の分析器具である。
請求項7に記載の発明によれば、体液成分の定量のために用いる波長と全く異なる波長域に光吸収帯を有する色素を試薬に別途添加し、当該色素の光吸収帯の波長の光を用いることによって、体液成分の分析という製品としての機能に全く影響を及ぼすことなく、高精度な試薬量の検査を行うことが可能な、体液成分の分析器具を提供することができる。
請求項8に記載の発明は、前記色素が可視波長帯に光吸収帯を有することを特徴とする請求項7に記載の体液成分の分析器具である。
請求項8に記載の発明によれば、基材などが光吸収帯を有さない可視波長帯に、前記色素が光吸収帯を有するため、基材の影響を受けることなく、試薬量を精度よく検査することが可能な、体液成分の分析器具を提供することができる。
本発明によれば、体液成分の分析器具についての検査方法であって、光を使用する非破壊的な検査方法を提供することができる。したがって低コストで全数検査が可能となり、その結果、不良品のみを除去することができ廃棄数量が減少するためコスト削減が実現する。また製品に保持された試薬の量を高精度に測定することができ、品質の向上および品質の均一化が実現する。
本発明の実施の形態を示す断面図である。 本発明の実施の形態(光源および受光部を除いて見る)を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態を示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態の変形例を示す断面図である。 本発明の実施の形態における試薬保持量と吸光度の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 第1プレート
11 試料供給口
2 第2プレート
21 貫通孔
22 溝
23 貫通孔
3 第3プレート
31 基材
32 光非透過性膜
33 光非反射性膜
4 試薬保持室
5 試薬
6 測定室
7 流路
8 光源
9 受光部
つぎに、この発明の実施の形態について図面に基づき説明する。
図1および図2に本発明に係る実施の形態を示す。図1は本発明に係る実施の形態を示す断面図であり、図2は本発明に係る体液成分の分析器具の分解斜視図である。本実施の形態は、試薬保持室からの透過光を用いて吸光度を測定し、試薬量を検査する形態となっている。なお、本実施の形態に係る体液成分の分析器具は、血漿試料を適用して体液成分が測定されるよう構成されているが、別途濾過手段を試料供給口に重ね合わせて設け、血球成分を分離濾過してから供給できるよう構成すれば、全血を試料として適用することもできる。さらに、濾過手段の中に、高比重リポ蛋白(HDL)以外のリポ蛋白と反応して凝集させる凝集試薬を含有させ、凝集物を当該濾過手段で分離濾過できるよう構成しておけば、全血試料を適用して、高比重リポ蛋白中コレステロール(HDL−C)を選択的に定量することができるような検査器具を実現することができる。
図1および図2のように、本実施の形態に係る検査器具は、第1プレート1と、第2プレート2と、第3プレート3とが、両面テープなどの接着層(図示なし)を介して接着されて構成される。
第1プレート1には貫通孔からなる試料供給口11が設けられている。第2プレート2には試料供給口11と略同心位置に貫通穴21が設けられ、また離隔した位置に貫通穴23が設けられ、当該2つの貫通穴21、23を溝22が連通している。
第3プレート3は、基材31に光非透過性膜32が貼着されて構成される。基材31は貫通穴などがないフラットで光透過性のある板材であり、光非透過性膜32は、貫通孔23と略同心位置に開孔33を有する。基材31および開孔33によって試薬保持室4が形成され、ここに試薬5が保持される。
また、第1プレート1、貫通孔23および第3プレート3によって、測定室6が画成される。測定室6は、試薬5と反応した試料について測定をおこなうための室である。本実施例では、試薬保持室4と測定室6とが平面上同じ位置で上下に配置されているが、平面上で離隔した位置に配置することも可能である。
さらに、第1プレート1、第3プレート3および溝22によって、流路7が画成される。流路7は試料供給口11と測定室6とを結び、試料が移送される経路となる。
第1プレート1および基材31には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やAS樹脂のようなプラスチック材料が、光透過性を有しかつ加工が容易であるため好適である。しかし、光が透過することを妨げず、また試料が漏出することがないよう形成することができれば、これに限定されるものではない。
光非透過性膜32は、ブラックカーボンなどの黒色顔料をスクリーン印刷やグラビア印刷などにより印刷することによって、基材31に貼着される。しかし、光非透過性を確保することができれば、これに限られるものではなく、例えば黒色顔料に代えて酸化チタン粒子などの白色顔料を用いることも可能であり、印刷に代えて塗料を塗布することも可能である。
なお、試薬保持室4は、第3プレート3を一つの単体の部品とし、貫通孔23と略同心位置に凹部を設けその中に試薬を充填することによって形成されることも可能である。その場合、第3プレート3について、試薬保持室4の位置においては光透過性を有し、試薬保持室4の周囲においては非光透過性を有するよう構成すれば前記と同様の効果を奏するが、そのためには例えば光非透過性を有する塗料を別途塗布したり、試薬保持室4に相当する範囲をくりぬいた光非透過性を有する膜を別途貼着するなどの方法がある。
第2プレート2には、不通水性で通気性のある多孔質材を用いれば、空気抜き孔等を設けることなく試料を測定室3に移送することが可能となる。不通水性で通気性のある多孔質材として、たとえば市販のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜や、市販のセルロースアセテートまたはセルロース混合エステル製の濾紙について撥水処理を施したものが挙げられる。このとき流路7が撥水性を有しているため、毛管現象による自然流入は発生せず、加圧または吸引操作をすることによって、試料供給口11から溝22を通り、測定室6まで移送される。ここで加圧操作および吸引操作の方法は任意であるが、例えば加圧操作は、試料供給口11を覆うような弾性体の栓体を設け、それを加圧することによって実現され、吸引操作は、第2プレート2の一部にポンプを接続して吸引することによって実現される。
一方、第2プレート2に親水性の高い材料を用いても構成可能であるが、その際、毛管現象によって試料が移送されるよう、溝22の幅など設定しておく必要がある。この場合、試料を試料供給口11から測定室6に移送するのに、加圧や吸引等の操作力を必要としない。
本実施の形態に係る器具の製造時、試薬5は試薬保持室4に滴下され乾燥される。試薬保持室4は印刷された顔料の厚さを深さとする凹みとなるため、適量に滴下された場合、試薬5は開孔33の面積内にとどまり、これ以上広がらない。ここで当該部に滴下された試薬5は、図3に示す通り試薬保持室4内において高さが必ずしも一定とならないため、開孔33の面積に高さを乗じるといった方法で試薬の量を求めることはできない。
試薬5は、体液に含まれる特定の成分と反応して呈色するよう調製されている。ここで、特定の成分としては血中のグルコース、コレステロール、尿酸、尿中のグルコース、蛋白などが挙げられ、これらと反応する試薬として各種の調製が公知となっており、それらを用いることができる。
次に、本実施の形態に係る体液成分の分析器具を用いた、体液成分の分析の手順および当該器具の作用について説明する。
まず試料供給口11に体液の試料を滴下する。なお、試料供給口11手前に濾過手段を設け、全血試料を濾過手段に付与し、その中の血球成分その他分析の妨げとなる物質を予め分離濾過してから、試料供給口11に供給されるような形態に構成することも可能である。
試料供給口11に試料を滴下した後、加圧操作や吸引操作をすることによって、もしくは毛管現象によって、試料は測定室6まで移送される。試料は測定室6に到達した後、試薬保持室4に保持された試薬5と反応する。ここで第1のプレート1および基材31は、少なくとも測定室6の位置において透明に構成されている。したがって、反応が完了するのに必要な時間が経過した後、外部の光源81から測定室6に向け照射した入射光と、受光部82により測定室6を透過した透過光とを検出することによって、測定室6における吸光度を測定することができ、そして得られた吸光度に基づき、試料中の所望の成分を定量することが可能となる。
本実施の形態では、試薬保持室4と測定室6とが平面上同じ位置で上下に配置されているため、測定室6の中で試料が試薬5と反応するよう構成されている。しかし、試薬保持室4と測定室6の位置はこれに限られるものではなく、試料供給口11から測定室6に至るまでの中途に、別途反応室(図示なし)となる空間を設け、さらに反応室と同位置に開孔部33を配置することによって、反応室と試薬保持室4とが平面上同じ位置で上下に並ぶよう構成することができる。これによって、試料を試料供給口11から移送する際、一端反応室に留め、ここで反応室の下部に位置する試薬保持室4に保持された試薬5との反応を進行させ、反応が終了した後再び移送を開始して測定室6まで移送し、測定室6での測定に供することが可能となる。
なお、本実施の形態では、透過光により吸光度を測定する形態であるが、反射光により吸光度を測定する形態とすることも可能である。その場合、図4に示すとおり、測定部6に入射した光が透過しないよう、基材12に光非透過性膜13貼着させることによって第1プレートを形成し、光非透過膜13が第2プレート2側を向くよう第1プレートを配置すればよい。試薬の層を通過した光を反射させるため、光非透過性膜13には反射能の高い白色顔料が好適であり、基材12にスクリーン印刷やグラビア印刷などで印刷するのが簡便である。また、測定室6の位置にさえ光非透過性膜12が備えられていれば十分であるが、第1プレート1全面に備えられていてもよい。
次に、本実施の形態に係る体液成分の分析器具の検査方法について説明する。なお、上述の体液成分の分析器具については、器具の内部で試料を移送できるような、積層構造の分析器具の実施の形態について述べてきたが、以下に記す試薬量の検査方法は、例えば第3プレート3のみから構成されるような単層構造の体液成分の分析器具についても適用できる。単層構造の体液成分の分析器具の場合、試薬保持部4に直接試料を滴下し、同じ場所で反応させ、さらに分析に供するという分析手順となる。
試薬5は試薬保持室4に保持されており、試薬5は特定の波長を光吸収帯とする成分を複数含んでいる。すなわち、試薬5の吸光度と試薬5の量は線形の関係にあり、試薬5の吸光度を測定することによって試薬5の量を検査することができる。
試薬5の吸光度を測定するため、試薬保持室4に入射光をを照射し、試薬保持室4からの透過光または反射光を測定することによって、吸光度を測定することができる。あらかじめ試薬量が既知である場合の吸光度を得ておくことによって、吸光度と試薬量の対応関係が得られ、その対応関係に基づき測定された吸光度に応じた試薬量を求めることができる。
具体的には、体液成分の分析のための手順と同様、図1に示すように、外部の光源81から試薬保持室4に向け照射した入射光と、受光部82により試薬保持室4を透過した透過光とを検出することによって、試薬5の吸光度を測定することができ、そして得られた吸光度に基づき、試薬5の量を検査することが可能となる。
なお、本実施の形態では、透過光により吸光度を測定する形態であるが、これは体液成分の分析の手順として透過光を用いる形態であるため、試薬量の検査の手順についてもそれに準じるのが、特別な装備を別途用意する必要としないという点で簡便である。その一方で、反射光により吸光度を測定する形態とすることも可能である。その場合、図3のように、体液成分の分析の手順として反射光を用いる形態である場合、試薬量の検査の手順についてもそれに準じて反射光により吸光度を測定するのが、特別な装備を別途用意する必要としないという点で簡便である。
ここで、本実施の形態においては、試薬保持室4の周囲に顔料が印刷されることにより相対的に形成される凹部が試薬保持室4となり、すなわち試薬保持室4の面積は顔料が印刷されていない範囲によって決定される。しかし、印刷精度の問題より試薬保持室4の面積は必ずしも均一とはならず、その結果、透過光または反射光の光量に試薬保持室4の面積の誤差が含まれるため、吸光度測定値にも影響が及び、検査結果の精度低下の要因となる。
ここで、試薬の光吸収帯に属さない波長の光をさらに照射して吸光度を測定することによって、前記の精度低下を回避することができる。その原理は以下の通りである。
試薬の光吸収帯に属する第1の波長λおよび試薬の光吸収帯に属さない第2の波長をλについて、それぞれの波長の光を同じ光量で照射するものとする。第1の波長λの光を光量Iで照射した場合、まず試薬保持室4の周囲の光非透過性物質により一部が吸光され、その残りが試薬保持室4に光量Iで入射する。その後さらに試薬5により一部が吸光され、そして最終的にIの光量で透過する。このときの測定される吸光度をEとすると、以下の式で表わされる。
Figure 2009037785
それに対して、第2の波長λの光を光量Iで照射した場合、試薬保持室4の周囲の光非透過性物質により一部が吸光されるが、その残りが試薬保持室4に光量Iで入射し、そしてそのままIの光量で透過する。このときの測定される吸光度をEとすると、以下の式で表わされる。
Figure 2009037785
したがって、光非透過性物質による吸光分を除外した、すなわち吸光試薬保持室4の面積のばらつきの影響を除外した補正吸光度Eは、実際に試薬保持室4に入射した光量Iと、透過した光量Iとの関係から求められ、以下の式で表わされる。
Figure 2009037785
したがって、上記2つの波長の光それぞれについて吸光度EおよびEを算出し、上記式に代入して求められる補正吸光度Eが、試薬5の量と線形の関係を有する。ただし、光非透過性膜32により吸光された光量が、試薬5により吸光された光に比べ十分少ない場合は、試薬保持室4の面積のばらつきによる影響も同様に十分少ないため、吸光度Eのままでも試薬5の量と良好な線形関係を示す。
ここで試薬5が、紫外部にのみ光吸収帯を有する成分しか含まない場合があり、このとき試薬量を測定するための照射光として紫外光を選択すべきことになる。ところが、体液成分の分析器具の第1プレート1などのプレート材を形成する樹脂も紫外部に光吸収帯を持つ場合が多い。そのため、試薬量を精度よく検査するためには、照射光として可視領域を用いることが望ましい。可視波長域に光吸収帯を有する成分が試薬に含まれない場合、可視光を吸収する色素などの物質を試薬に添加することによって、試薬量の検査が可能となる。ただし、製品としての機能を損なわないために、すなわち体液成分の分析に影響を与えないために、前記添加される物質は試料に含まれる成分と反応しないことが求められる。また同様の理由により、試薬が試料と反応して呈色して吸光度が変化する波長帯と、添加される物質の光吸収帯が重ならないことが必要である。
なお、前述の通り、本実施の形態においては試薬保持室4の周囲は光非透過性または光非反射性の膜が存在することにより、透過光または反射光の光束の大きさが制限される。したがって、試薬保持室の位置と光源の位置とのあいだに精密な位置精度は不要であり、簡易な装置で検査が可能となる。しかし、高精度な位置精度を実現できる場合、試薬保持室の周囲について光非透過性または光非反射性に仕上げる手当ては不要となる。
ここで、試薬の量が既知である体液成分の分析器具について、本発明に係る検査方法を用いて試薬の吸光度を測定した結果を示す。
ここで使用した体液成分の検査器具の形態は、第3プレート3のみからなる単層構造であり、基材31としてPETフィルムを使用し、光非透過性膜32としてカーボンインキをスクリーン印刷したものを用いている。開孔33の大きさ直径1.2mmであり、印刷の厚さは約10μmである。
試薬5は、体液中のグルコース濃度を分析する構成となっているが、そのままでは可視波長域に光吸収帯を持たないため、別途色素を添加している。試薬5の調製は以下の通りである。
試薬5の調製
黄色4号 10mg
グルコース脱水素酵素 200U
ジアフォラーゼ 150U
グッド緩衝剤(BES) 200mM
界面活性剤(CHAPS) 5mg
O 1mL
試薬5は試薬保持室4に滴下したのち乾燥させることにより、第3プレート3に保持させた。試薬の量は、280nLを基準の100%とし、50%から150%までの以下の5種についてそれぞれ20個の標本を作成し、試薬量の検査に供した。
試薬保持量
50%:140nL
75%:210nL
100%:280nL
125%:350nL
150%:420nL
照射光には第1の波長λが405nmの光と、第2の波長λが810nmの光の、2種類の波長の光を用いた。ここで、405nmの波長は、試薬に含まれる黄色4号の光吸収帯に属しており、一方810nmの波長は試薬5に含まれるいずれの成分の光吸収帯にも属していない。全ての標本について上記2つの光に対する吸光度E、Eをそれぞれ測定し、補正吸光度Eを算出し、さらに平均値、標準偏差および変動係数を求めた。
測定結果を表1および図5に示す。
Figure 2009037785
図5に示すとおり、試薬保持量が75%〜125%の範囲において、試薬保持量と吸光度の関係が直線となっており、本発明に係る方法により体液成分の分析器具の検査が良好に実施可能であることが判明した。
試薬保持量が50%の場合と150%の場合は直線から外れているが、これは、試薬保持量が50%の場合は、試薬が試薬保持室4の面積の全面を覆っておらず、試薬保持室4に光を照射しても試薬が存在しない範囲から光が抜けるため、試薬保持室4に光を照射して得られた吸光度と試薬5の量との間に相関が無くなるからである。一方、試薬保持量が150%の場合は、滴下した試薬が試薬保持室4の領域を超えて拡がるため、試薬保持室4の吸光度と試薬の量との間に相関が無くなるからである。
しかし、実際の製造工程において、試薬の滴下量に25%以上もの誤差が生じることは極めてまれである。また、試薬量が正常と判断される上下限を適正に設定しておくことによって、万が一線形域を外れるほどの大幅な誤差が試薬滴下時の発生した製品であっても、不良品として判断され廃棄される。したがって、本発明に係る検査方法は、製品の検査方法として実用上問題ない。
また、表1に示す通りEはEに比べ十分小さい。すなわち光非透過性膜32により吸光された光量が、試薬5により吸光された光量より十分少ないため、波長が405nmの光のみで求めた吸光度Eによっても試薬5の量は検査可能である。しかし、表1に示す通り、波長が810nmの光による吸光度Eを加味して補正した補正吸光度Eを用いた方が、吸光度Eを用いた場合よりも変動係数が小さくなる。すなわち個々の製品における試薬保持室の面積のばらつきの影響が排除され、より正確な試薬量を測定することができる。

Claims (8)

  1. 体液に含まれる特定の成分と反応して呈色する試薬と、
    前記試薬を保持する試薬保持室が凹設されたプレート部材と
    を備える体液成分の分析器具の検査方法において、
    前記試薬保持室に入射光を照射する工程と、
    前記試薬保持室からの透過光または反射光を測定する工程と、
    前記入射光および前記透過光または反射光に基づき吸光度を算出する工程と、
    前記吸光度に基づき前記試薬の保持量を算出する工程とを有する
    ことを特徴とする体液成分の分析器具の検査方法。
  2. 前記試薬保持室の周囲が光非透過性または光非反射性を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の体液成分の分析器具の検査方法。
  3. 前記プレート部材が、光非透過性または光非反射性を備えるとともに開孔を有する膜が基材に貼着されてなり、
    前記開孔と前記基材とが前記試薬保持室を画成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の体液成分の分析器具の検査方法。
  4. 前記試薬の光吸収帯に属さない波長の光を少なくとも1つ含む、波長の異なる複数の光のそれぞれについて前記吸光度を算出し、
    複数の前記吸光度から変換された補正吸光度を算出し、
    前記補正吸光度に基づき前記試薬の保持量を算出する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の体液成分の分析器具の検査方法。
  5. 前記呈色により吸光度が変化する波長帯と異なる波長帯に光吸収帯を有する色素が前記試薬に含有されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の体液成分の分析器具の検査方法。
  6. 体液に含まれる特定の成分と反応して呈色する試薬と、
    光非透過性または光非反射性を備えるとともに開孔を有する膜が基材に貼着されてなるプレート部材とを備え、
    前記開孔と前記基材とから形成される凹部に前記試薬が保持されている
    ことを特徴とする体液成分の分析器具。
  7. 前記呈色により吸光度が変化する波長帯と異なる波長帯に光吸収帯を有する色素が前記試薬に含有されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の体液成分の分析器具。
  8. 前記色素が可視波長域に光吸収帯を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の体液成分の分析器具。
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