JPWO2009028099A1 - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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Abstract

ターボ分子ポンプは、ポンプ吸気側からポンプ排気側に向かって外径が小さくなるように配置された複数段の回転翼と、複数段の回転翼に対して回転軸方向に交互に配設され、半円状に2分割された複数段の固定翼とを備えるターボ分子ポンプにおいて、複数段の回転翼の最大外径よりも外径が小さな回転翼の下流側に配置される固定翼は、固定翼外周部に設けられた円弧状のリブと、リブからポンプ吸気側へと立設され、回転翼の径方向先端に近接して対向する円弧状の壁部とを有し、内径が最大外径よりも大きく、壁部を有する固定翼を所定位置に位置決めするスペーサリングを備える。

Description

本発明は、ターボ分子ポンプに関する。
近年、ターボ分子ポンプにおいては、高排気性能への要求に応えるために、回転体の高速回転化が進んでいる。しかし、高速回転化すると回転体の内部応力が問題となるため、内部応力を低減するために排気側に近い回転翼の外径を小さくして、遠心力による翼の引っ張り応力を低減させる必要がある。また、大きな排気速度を生じさせるためには、吸気口側に近い回転翼を長くする必要がある。これらのことから、吸気側から排気側にかけて回転翼の外径を小さくするような翼形状が標準的になりつつある。
ところが、排気口側の回転翼の外径を小さくすると、従来のように回転体を組み付けた後に、排気口側の固定翼およびスペーサリングを順に積層することが不可能となる。そのため、スペーサリングの形状を工夫することで、予め装着されたスペーサリング間に、固定翼を組み付けるのに十分な隙間を形成できるようにした構造のターボ分子ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−2692号公報
しかしながら、上述したターボ分子ポンプでは、固定翼を着脱するたびに、先に組み付けたスペーサリングを軸方向の一方に寄せて保持する必要がある。そのため、作業効率の低下を招くとともに、スペーサリング保持用の治具が必要となる。
本発明によるターボ分子ポンプは、ポンプ吸気側からポンプ排気側に向かって外径が小さくなるように配置された複数段の回転翼と、複数段の回転翼に対して回転軸方向に交互に配設され、半円状に2分割された複数段の固定翼とを備えるターボ分子ポンプにおいて、複数段の回転翼の最大外径よりも外径が小さな回転翼の下流側に配置される固定翼は、固定翼外周部に設けられた円弧状のリブと、リブからポンプ吸気側へと立設され、回転翼の径方向先端に近接して対向する円弧状の壁部とを有し、内径が最大外径よりも大きく、壁部を有する固定翼を所定位置に位置決めするスペーサリングを備えた。
本発明によるターボ分子ポンプおいて、壁部の外周面にポンプ吸気側が細くなるように形成された第1のテーパ面と、第1のテーパ面と同一傾きを有するようにスペーサリングの内周面に形成され、位置決め時に第1のテーパ面に当接して半円状に2分割された固定翼をそれぞれポンプ回転軸方向に付勢する第2のテーパ面とを備えるようにしても良い。
本発明によるターボ分子ポンプおいて、壁部を有する固定翼の全てをスペーサリングにより一括して位置決めするようにしても良い。
本発明によるターボ分子ポンプおいて、リブの厚さ寸法の下限公差域AH、第2のテーパ面の大径部直径寸法の公差下限値AD、および第1のテーパ面の大径部直径寸法の公差上限値Adが、式「AH≦(AD−Ad)」を満たすようにすることが好ましい。
本発明によれば、排気口側の固定翼およびスペーサリングを順に積層することが容易となり、作業効率の向上を図ることができる。
本発明の一実施の形態によるターボ分子ポンプを示す断面図である。 4段目の固定翼11Aから8段目の固定翼11Bまでを示す拡大図である。 (a)は固定翼11Bの平面図、(b)はC−C断面図ある。 固定翼11Bの組み付けを説明する図である。 比較例における固定翼の組み付けを説明する図である。 図5に続く組み付け手順を示す図である。 第1の実施の形態の変形例を示す図である。 スペーサリング100による固定翼11Cの位置決め固定を説明する図である。 ターボ分子ポンプの第2の実施の形態を示す図である。 第2の実施の形態の変形例を示す図である。 固定翼11Eとスペーサリング102の組み付け手順を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明によるターボ分子ポンプの一実施の形態を示す図であり、磁気軸受式ターボ分子ポンプ1の断面図である。ポンプ1のケーシング2の内部には回転体4が設けられ、回転体4には回転軸3がボルト締結されている。回転軸3は、ベース5のステータコラムに設けられた上下一対のラジアル磁気軸受6およびスラスト磁気軸受7によって非接触式に支持され、モータMにより回転駆動される。回転体4には、複数段の回転翼8および回転円筒部9が形成されている。
一方、ケーシング2内にはリング状のスペーサ10が複数積層され、そのスペーサ10によって上下に挟まれるように複数段の固定翼11A,11Bが設けられている。上側の1段目から4段目までは固定翼11Aが設けられ、5段目から8段目までは固定翼11Bが設けられている。さらに、固定翼11Bの下方(下流側)には、内周面に螺旋溝が形成された固定円筒部12が設けられている。
図1に示すターボ分子ポンプ1では、軸方向に交互に配置された複数段の回転翼8と複数段の固定翼11A,11Bとによりタービン翼部が構成され、回転円筒部9と固定円筒部12とによりモレキュラードラッグポンプ部が構成される。回転円筒部9は固定円筒部12の内周面に近接して設けられており、固定円筒部12の内周面には螺旋溝が形成されている。モレキュラードラッグポンプ部では、固定円筒部12の螺旋溝と高速回転する回転円筒部9とにより、粘性流による排気作用が発生する。
図1に示すタービン翼部とモレキュラードラッグポンプ部とを結合させたターボ分子ポンプ1は、広域型ターボ分子ポンプと称されている。吸気口13から流入したガスはタービン翼部によって図示下方(下流側)へと叩き飛ばされ、下流側に向かって排気される。そのガスは、さらにモレキュラードラッグポンプ部によって圧縮され、排気口14から排出される。
図2は、図1の4段目の固定翼11Aから8段目の固定翼11Bまでを示す拡大図である。固定翼11Aは、同一厚さを有する円弧状の外側リブ部110および内側リブ部111と、リブ110,111の間に形成された複数のタービンブレード112を有している。これらの固定翼11Aは、外側リブ部110を一対のスペーサリング10で上下から挟み込むことにより位置決め固定される。
1段目から4段目までの回転翼8は外形寸法が全て等しく、それらの径方向先端は、僅かな隙間を介してスペーサリング10の内周面に対向している。この隙間はガスの逆流の要因となるので、小さければ小さいほど良い。また、5および6段目の回転翼8の外径寸法は4段目の回転翼8よりも小さく、7段目および8段目と下がるにつれて回転翼8の外径寸法は順に小さくなっている。
5〜8段目の回転翼8に対応する固定翼11Bの外側リブ部113には、内側リブ部111と同一厚さの被挟持部113aと、吸気口側(図示上側)に突出するように厚くなったステータ壁部113bとが形成されている。固定翼11Bは、被挟持部113aを一対のスペーサリング10で上下から挟み込むことにより位置決め固定される。
一方、位置決め固定された固定翼11Bのステータ壁部113bは、僅かな隙間を介して固定翼8の先端に対向する。すなわち、ステータ壁部113bの内周面は、1〜4段目の回転翼8の先端が対向するスペーサリング内周面と同様の機能を果たしており、隙間を小さく保つことによりガス逆流の抑制を図っている。固定翼8の先端隙間はどの段も等しく設定されているので、ステータ壁部113bの径方向厚さt1は、6,7,8段と下段になるほど厚くなっている。また、ステータ壁部113bの軸方向(上下方向)の高さt2は、固定翼11Bの翼間隙間より若干小さく設定されている。
図3は固定翼11Bを示す図であり、(a)は一対の固定翼11Bの平面図、(b)は固定翼11BのC−C断面図である。固定翼11Bは、回転翼8間に径方向から差し込むように組み付けるために、半円形状に2分割されている。符号Eで示される隙間領域は固定翼11Bを2分割した際の分割代であり、カッティングソーの厚さにほぼ等しい寸法である。このように、固定翼11Bは2分割構造であるため、一対の固定翼11Bをスペーサリング10で位置決め固定した際に、最大で分割隙間Eだけの隙間が生じた状態で固定されてしまうおそれがある。
図4は、スペーサリング10および固定翼11Bの組み付け手順を説明する図である。先ず、ロータ4が締結された回転軸3をベース5のステータコラムに取り付ける。この際、後述するようにポンプ全体を逆さにして回転軸3をベース5に取り付ける。次いで、ポンプ全体を正立状態(図1に示す状態)に戻し、図4(a)に示すように、最下段(8段目)の固定翼11Bを、ロータ4の側方から回転翼間に挿入するようにベース5上に載置する。
次に、図4(b)に示すように、リング状のスペーサリング10をロータ4に外挿するように下方に移動し、ロータ4の上方から固定翼11Bの外側リング部113に形成された被挟持部113a上に載置する。すなわち、ポンプ吸気口側から装着することができる。図4(c)に示すように、7段目の固定翼11Bも8段目と同様にロータ4の側方から挿入するようにスペーサリング10上に載置する。その後、スペーサリング10を上方から側方から挿入するように固定翼11Bの被挟持部113a上に載置する。
同様にして、図2に示す6段目および5段目の固定翼11Bを、順に組み付ける。5段目よりも上側の4段目から1段目の固定翼11Aは従来のターボ分子ポンプと同様の構造であり、組み付け手順の説明は省略する。固定翼11A,11Bおよびスペーサリング10の組み付けが済んだならば、ケーシング2をベース5にボルト締結する。その結果、スペーサリング10により固定翼11A,11Bが所定の位置に位置決め固定される。
《比較例》
図5および図6は、本実施の形態のターボ分子ポンプに対する比較例を示す図である。ここでは、上述した特開2007−2692号公報に記載されているターボ分子ポンプと同様の構造とした場合の、組み付け手順を示した。図5(a)に示すように、5〜8段目の回転翼8bの外径寸法は1〜4段目の回転翼8aよりも小さくなっている。一方、固定翼11に関しては、本実施形態と異なり外形寸法が全て同一となっており、本実施の形態のようにステータ壁部113bは形成されていない。そして、5〜8段目の固定翼11は、スペーサリング30a〜30dによって位置決め固定される。
この構造のターボ分子ポンプでは、ベース5のステータコラムにロータ4が締結された回転軸3を取り付けた後では、スペーサリング30a〜30dを組み付けることができない。そこで、ベース5に回転軸3を取り付ける前に、図5(b)に示すように、スペーサリング30a〜30dをベース5上に載置する。その後、回転軸3をベース5のステータコラムに挿入し、図6(a)のようにポンプ全体を逆さにして回転軸3をベース5に取り付ける。
ポンプ全体を逆さにすると、ベース5上に載置したスペーサリング30a〜30dは、スペーサリング30a〜30dの内径寸法よりも大きな外形寸法を有する4段目の回転翼8a上に積み重なるようになる。そして、スラストディスク15を回転軸3の下端部分に装着してナット16で固定したら、下側のスラスト電磁石17をベース5に装着し、回転数センサが取り付けられたプレート18をベース5に固定する。最後に、プレート18を覆う裏蓋19をベース5にボルト固定する。
回転軸3のベース5への取り付けが済んだならば、ポンプ全体を図6(b)のように正立させて最下段(8段目)の固定翼11を組み付ける。8段目の固定翼11を組み付ける際には、スペーサリング30a〜30dを破線矢印のように上方に持ち上げてスペーサリング30dとベース5との間に隙間を形成し、半割の固定翼11を側方から差し込んでベース5上に載置する。スペーサリング30a〜30dの内周寸法と回転翼8bの外形寸法との差は僅かであるため、回転翼8bと干渉しないようにスペーサリング30a〜30dを上方に移動させるための治具等が必要になる。
7段目の固定翼11を組み付ける場合には、スペーサリング30a〜30cを上方に持ち上げてスペーサリング30cおよび30d間に隙間を形成し、半割の固定翼11を側方から差し込むようにする。6および5段目の固定翼11に関しても、同様に組み付ける。4段目以上の固定翼11に関しては、内径が回転翼8aの外径よりも大きなスペーサリング10で固定するので、固定翼11、スペーサリング10、固定翼11、スペーサリング10のように順に積み重ねれば良い。
このように、図5,6に示した従来のターボ分子ポンプでは、スペーサリング30a〜30dの内径寸法が回転翼8aの外形寸法よりも小さいため、回転軸3をベース5に取り付ける前にスペーサリング30a〜30dを装着する必要がある。さらに、下段の固定翼11を組み付ける際に、固定翼8bに干渉しないようにスペーサリング30a〜30dを上方に移動させて固定翼挿入のための隙間を作る必要があり、作業性が悪い。また、スペーサリング30a〜30dは上下に移動可能なため、ポンプ逆転時に、スペーサリング30a〜30dが回転翼8aに積み重なるように当接した際に、衝撃や重みで回転翼が変形するおそれがある。
一方、本実施の形態のターボ分子ポンプでは、固定翼11Bに形成されたステータ壁部113bがスペーサリング30a〜30dの内周面と同様の機能を有していて、固定翼11Bの位置決め固定するスペーサリング10の内径寸法は固定翼11Aの外形寸法よりも大きく設定されている。そのため、ポンプ全体を正立させた状態で、ポンプ吸気口側から固定翼11Bを着脱することができ、ロータ4が締結された固定軸をベース5に取り付ける際に下段のスペーサリング10を予め装着しておく必要もないので、作業性の向上を図ることができる。
なお、図2の符号Dで示す部分においては、上下一対のスペーサリング10は嵌め合い構造となっている。そのため、図3(a)に示すように外側リブ部113に隙間が生じていても、この隙間からスペーサリング10の外周側にガスが逆流することはない。
[変形例]
図7は、上述した第1の実施の形態の変形例を示す図である。図7に示す変形例では、図2の固定翼11Bの代わりに固定翼11Cを用い、固定翼11Cを位置決め固定するスペーサリング10をスペーサリング100で置き換えた。固定翼11Cは、ステータ壁部113bの外周側にテーパ面113Tを形成した点が固定翼11Bと異なり、その他の形状は固定翼11Bと同じである。一方、スペーサリング100には、固定翼11Cのテーパ面113Tと当接するテーパ面100Tが形成されている。テーパ面113Tとテーパ面100Tとは、同一テーパ形状を有している。
図8はテーパ面113T,100Tの作用効果を説明する図である。図8(a)は、固定翼11C上に載置された状態のスペーサリング100を示す。一方、図8(b)は、スペーサリング100により固定翼11Cが位置決め固定された状態を示しており、ケーシング12をベース5にボルト締結すると、積層されたスペーサリング100がベース方向(図示下方)に押圧される。
図8(a)に示すように、固定翼11Cに形成されたテーパ面113Tの大径部の寸法dは、スペーサリング100に形成されたテーパ面100Tの大径部の寸法Dよりも大きく設定されている。そのため、位置決め固定時にスペーサリング100が下方に押し下げられると、図8(b)に示すように、テーパ面113T,100Tの作用により一対の固定翼11Cが中心方向(回転軸方向)に寄せられることになる。その結果、固定翼11C間の隙間の寸法を小さくすることができ、軸方向のガス逆流を抑えることができる。
なお、位置決め固定時におけるスペーサリング100の軸方向位置は、スペーサリング100の挟持面100bと固定翼11Cの被挟持部113aの上面とが当接することにより決まる。このときの固定翼11Cの中心方向の移動量は寸法差(d−D)なので、挟持面100bと被挟持部113aの上面との間に隙間を生じさせないでそれらを確実に当接させるためには、次式(1)を満たすことが必要である。Hは被挟持部113aの寸法である。
(Hの下限公差域)≦(Dの公差下限値)−(dの公差上限値)
もちろん、寸法差(d−D)を分割隙間Eよりも若干小さく設定して隙間の発生を許容し、挟持面100bと被挟持部113aの上面との確実な当接を図るようにしても良い。この場合も、隙間を小さく抑えることでガス逆流を低減することができる。さらに、固定翼11Cを積層する際に、分割隙間部分の位相をずらしながら積層することで、ガス逆流の影響を低減することができる。なお、テーパ面113T,100Tの角度αについては、容易に固定翼11Cの中心方向への移動が容易にできるように、45°〜90°程度に設定するのが好ましい。
−第2の実施の形態−
図9は、本発明によるターボ分子ポンプの第2の実施の形態を説明する図であり、図2の場合と同様に4段目から8段目までの固定翼を示す拡大図である。なお、図9に示す部分以外の構成は第1の実施の形態と同様であり、以下では説明を省略する。第2の実施の形態では、5段目の固定翼には第1の実施の形態と同一形状の固定翼11Bが用いられ、6〜8段目には固定翼11Dが用いられている。
固定翼11Dの外側リブ部113には、固定翼11Bに設けられていた被挟持部113aが形成されておらず、ステータ壁部123bだけが形成されている。固定翼11Bの場合には、ステータ壁部123bの軸方向高さは固定翼間隔H2よりも小さく設定されているが、固定翼11Dの場合には固定翼間隔H2と等しく設定されている。すなわち、ステータ壁部123bの軸方向高さによって固定翼間隔H2が決まる。
さらに、積層された4段分の固定翼11B,11Dは、スペーサリング101とベース5との間に一括して位置決め固定される。この場合、4段分の固定翼11B,11Dをロータ側方から一括して差し込むようにベース5上に載置した後、吸気口側からスペーサリング101を組み付けるだけで、4段分の固定翼の組み付けることができる。そのため、部品点数の削減とともに、組み付け作業の効率化が図れる。
[変形例]
図10は、第2の実施の形態の変形例を示す図である。図9のスペーサリング101に代えて、内周面にテーパ面102Tが形成されたスペーサリング102を用い、固定翼11Eのステータ壁部123bの外周面にテーパ面123Tを形成した。図9の場合と同様に4段分の固定翼11Eはスペーサリング102の挟持部102bとベース5との間に挟持され位置決め固定される。
図7の場合と同様に、スペーサリング102を押し下げたとき各固定翼11Eのテーパ面123Tにテーパ面102Tが当接し、各固定翼11Eが中心方向に移動する。その結果、一対の半割固定翼11Eの間の隙間が縮小され(図8参照)、この隙間を介したガス逆流を抑制することができる。
スペーサリング101に下端部分には、ベース5の外周面と嵌め合う垂直部102aが形成されている。この垂直部102aの内周面とベース5の外周面とが嵌め合うことにより、スペーサリング101はベース5のステータコラム中心軸と同軸に位置決めされる。また、この嵌め合い構造により、上述したカット部の隙間を介してスペーサリング102の外周側にガスが漏れ出るのを防止することができる。
図11は、組み付け手順を示したものである。初めに、図11(a)に示すように4段分の固定翼11Eをロータ側方から差し込むようにベース5の上に載置する。このとき、各ステータ壁部123bの外周垂直面123Eがベース5の外周面とほぼ一致するように載置する。
次に、図11(b)に示すように、スペーサリング102を吸気口側から組み付け、スペーサリング102のテーパ面102Tをステータ壁部123bのテーパ面123Tに当接させる。スペーサリング102を押し下げると、上側の固定翼11Eから順に中心側に移動する。そして、挟持部102bが固定翼11Eのステータ壁部123bの上面に当接するまで、スペーサリング102を押し下げる。その後、より上段の固定翼11およびスペーサリング10を吸気口側から順に積層し、ケーシング12を装着してベース5に締結すると、スペーサリング10,102により全ての固定翼が位置決め固定される。
上述したように、本発明によるターボ分子ポンプでは、2分割された固定翼にステータ壁部を形成し、全てのスペーサリングの内径を回転翼の最大外径よりも大きく設定しているので、ポンプを正立させた状態で、全ての固定翼およびスペーサリングの組み付け作業を行うことができる。その結果、ポンプ組み立ての作業効率の向上を図ることができる。また、ステータ壁部の外周およびスペーサリング内周に互いに当接するテーパ面を形成したことにより、スペーサリングによる固定翼の位置決め固定時に欠く固定翼が中心方向に付勢され、分割隙間の低減を図ることができる。その結果、分割隙間を通したガス逆流の低減を図ることができ、ポンプ性能の向上が図れる。
上述した実施の形態では、ステータ部が形成された固定翼をスペーサリングで位置決め固定するようにしたが、スペーサリングを用いる代わりに、ボルトやテープや接着剤などにより固定するようにしても良い。
なお、上述した実施の形態では磁気軸受式のターボ分子ポンプを例に説明したが、磁気軸受式に限らず種々のターボ分子ポンプに対して本発明を同様に適用することができる。さらに、モレキュラードラッグポンプ部を有さない全翼タイプのターボ分子ポンプにも同様に適用することができる。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。

Claims (4)

  1. ポンプ吸気側からポンプ排気側に向かって外径が小さくなるように配置された複数段の回転翼と、
    前記複数段の回転翼に対して回転軸方向に交互に配設され、半円状に2分割された複数段の固定翼とを備えるターボ分子ポンプにおいて、
    前記複数段の回転翼の最大外径よりも外径が小さな回転翼の下流側に配置される固定翼は、固定翼外周部に設けられた円弧状のリブと、前記リブからポンプ吸気側へと立設され、前記回転翼の径方向先端に近接して対向する円弧状の壁部とを有し、
    内径が前記最大外径よりも大きく、前記壁部を有する固定翼を所定位置に位置決めするスペーサリングを備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記壁部の外周面にポンプ吸気側が細くなるように形成された第1のテーパ面と、
    前記第1のテーパ面と同一傾きを有するように前記スペーサリングの内周面に形成され、前記位置決め時に前記第1のテーパ面に当接して前記半円状に2分割された固定翼をそれぞれポンプ回転軸方向に付勢する第2のテーパ面とを備えたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記スペーサリングは、前記壁部を有する固定翼の全てを一括して位置決めすることを特徴とするターボ分子ポンプ。
  4. 請求項2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
    前記リブの厚さ寸法の下限公差域AH、前記第2のテーパ面の大径部直径寸法の公差下限値AD、および前記第1のテーパ面の大径部直径寸法の公差上限値Adは、式「AH≦(AD−Ad)」を満たすことを特徴とするターボ分子ポンプ。
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