JPWO2009028017A1 - 共振の周波数依存性を利用して直流電圧を安定化する電源における搬送波の振幅の制御 - Google Patents

共振の周波数依存性を利用して直流電圧を安定化する電源における搬送波の振幅の制御 Download PDF

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Abstract

【0094】共振回路を駆動する搬送波を発生するドライバー回路と、ドライバー回路の出力である搬送波によって駆動される共振回路と、共振回路の出力である振幅変調された搬送波を整流することにより直流電圧を生成する整流平滑回路と、直流電圧をこの電源の出力電圧を設定する参照電圧と比較し、誤差を搬送波の周波数と振幅に帰還して出力である直流電圧を安定化する電源において、 共振回路の出力を整流平滑することにより生成される直流電圧を共振回路を駆動する搬送波の周波数へ帰還する伝達関数に原点に位置する極を配置し、直流電圧から搬送波の振幅への帰還において、搬送波の振幅から直流電圧までの伝達関数における整流平滑回路の遅れを補償した直流電圧から搬送波の振幅への原点に極の配置されていない伝達関数により帰還することにより、直流電圧を出力とする電源の周波数応答を改善する。

Description

本発明は共振回路を利用して直流電圧を発生する直流電源において、電源の出力である直流電圧の安定化に関するものである。
共振回路を利用して直流電圧を発生する直流電源として、例えば共振回路として圧電トランスを使用した電源がある。圧電トランスの電力密度は通常の電磁トランスに較べて数倍大きく、しかも圧電トランスは通常の電磁トランスでは損失がおおきくなり実用的でない高い周波数で動作させることが出来るので、圧電トランスを使用することにより同一の電力定格のトランスを通常の電磁トランスの数分の一の大きさで実現することができる。しかし圧電トランスは負荷、周波数へ大きく依存する、通常の電磁トランスと異なる特性を示すため、圧電トランスを使用した電源は広く実用化されるには至っていない。
圧電トランスを使って電圧を変換する安定化直流電源では、圧電トランスの振幅比 (Amplitude Ratio ) の周波数依存性を利用して出力電圧を安定する。圧電トランスでは、入力された搬送波と出力された搬送波の振幅の比である振幅比が搬送波の関数として共振特性を示す。効率の観点から圧電トランスの共振周波数より高い周波数の搬送波を使用して圧電トランスを駆動する。搬送波の周波数が共振周波数より高いので、たとえば出力電圧を上げるためには搬送波の周波数を低くする。ところが搬送波の周波数が低くなるとこれを整流して得られる出力電圧は低下する。つまり出力電圧を上げるために周波数を下げると一時的に出力電圧が低下する。この出力電圧の低下は負荷が重くなると大きくなる。
搬送波の周波数が共振周波数より高い場合、搬送波の周波数の関数としての出力電圧は、その伝達関数が右半平面にゼロ点を持つ。右半平面にゼロ点を持つ回路では、ループゲインを大きくすることにも困難があり、回路のパラメータの許容される範囲も狭い。右半平面のゼロ点を帰還により解消することは、右半平面に極を持つ回路が不安定であることから原理的な困難がある。
特開2002-359967 特開2005-137085 特願2006-130906 特願2007-018715 特願2007-101471 PCT/JP2007/000477
特許文献1は、安定化された高電圧を提供する、効率のよい直流高電圧電源装置の簡単な回路の構成を提供することを課題とし、直流高電圧電源に、通常の電磁トランスではなく、圧電トランスによる高電圧発生手段を採用することにより効率の向上を計り、しかも高電圧を安定化するために圧電トランスの共振特性の周波数依存性を利用することにより、回路の簡素化と部品点数の減少を計ることにより課題を解決する。
特許文献2は直流高電圧電源装置に関するもので、当該装置の出力電圧を安定化する帰還について、高電圧の発生に伴う遅れの大きい帰還とは独立な遅れの少ない帰還を実装することにより、出力高電圧の安定化の精度の向上と応答の高速化を実現する。特許文献2のアイデアを搬送波の振幅への帰還に応用したのが本発明である。
特許文献3は安定化直流電圧電源に関するものであり、共振回路における共振の周波数依存性を利用する安定化において、出力電圧を共振回路を駆動する搬送波の周波数に帰還する伝達関数に原点に位置する極の導入された電源の構成とその回路定数を与える。
特許文献4は安定化直流電源装置に関するものであり、共振回路における共振の周波数依存性を利用する安定化において。出力電圧を共振回路を駆動する搬送波の周波数に帰還する伝達関数に原点に位置する極の配置されていない電源の構成とその回路定数を与える。
特許文献5は特許文献3の応用を広げる発明であり、特許文献3に対して優先権を主張する。
特許文献6は特許文献3,特許文献4,特許文献5を基にしたPCT国際出願である。
特許文献3、特許文献5および特許文献6の内容を本発明との関連において概説する。これらの特許文献は共振回路を使用して電圧を生成する安定化直流電源について述べている。
電源を近似する等価電源
電源は、一定な振幅を持つ搬送波を発生するドライバー回路と、ドライバー回路の出力である搬送波によって駆動される共振回路と、共振回路の出力である振幅変調された搬送波を整流することにより直流電圧として取り出す整流平滑回路とを備える電圧発生回路と、整流平滑回路の出力である直流電圧をこの電源の出力電圧を設定するためにあらかじめ与えられている参照電圧と比較する誤差増幅器と、誤差増幅器の出力よって決まる周波数を発生し、前記ドライバー回路を制御する周波数変調回路を備える帰還回路を含み、周波数変調回路の出力は前記ドライバー回路の入力となりドライバー回路の発生する搬送波の周波数の制御を行い、直流電圧を搬送波の周波数に帰還することにより出力直流電圧を安定化にする。
この電源が安定に動作する条件を明らかにすることを目的として、特許文献3,特許文献5、特許文献6において電源を近似する等価電源が導入された。等価電源は、一定振幅を持つ搬送波を発生するドライバー回路と、ドライバー回路の出力である搬送波によって駆動される仮想共振回路と、その出力が入力される仮想整流平滑回路とからなる仮想電圧発生回路と、仮想整流平滑回路の出力である直流電圧を参照電圧と比較する誤差増幅器と、誤差増幅器の出力よって決まる周波数を発生し、前記ドライバー回路を制御する周波数変調回路を備える帰還回路を含み、周波数変調回路の出力は前記ドライバー回路に入力され、ドライバー回路の発生する搬送波の周波数の制御を行い、仮想整流平滑回路の出力である直流電圧を搬送波の周波数に帰還することにより出力直流電圧を安定化する。
仮想電圧発生回路はドライバー回路と仮想共振回路と仮想整流平滑回路とからなる。仮想共振回路は、共振回路と同様に周波数変調された搬送波を入力とし、振幅変調された搬送波ではなく、そのエンベロープを出力する。また仮想整流平滑回路はこのエンベロープを入力とし、エンベロープに対して一次遅れのフィルターとして作用し、整流平滑回路の出力と同等の結果を出力する。
この等価電源は連立微分方程式系によりその動作を記述することができるので、安定性の数理的な解析が可能となる。微分方程式系を導出し、これから等価電源の出力電圧が参照電圧の近傍で安定となる十分条件を明らかにする。この十分条件を基にして安定な帰還を実現する実際の回路を構成し、回路定数を与えることができる。
周波数変調と(仮想)共振回路および(仮想)整流平滑回路
共振回路の共振周波数をωr、Q値をQ、共振周波数における昇圧比をgrとするとき、δ, ω0およびcを
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

と定義し、また 定数wを振幅として時間の関数ψを位相として周波数変調された搬送波を
Figure 2009028017
と書いたとき、数式4のψからφを
Figure 2009028017
と定義することにより数式4に記載された周波数変調された搬送波の周波数を
Figure 2009028017
と表し、rrおよびri
Figure 2009028017
Figure 2009028017

により定義するとき、共振回路に数式4で与えられる搬送波を入力したとき共振回路から出力される搬送波の振幅は,連立微分方程式
Figure 2009028017
Figure 2009028017

を満たすp, qにより
Figure 2009028017
と表すことが出来るので、共振回路から出力される搬送波を整流平滑して得られる直流電圧をzとすると、整流平滑回路の時定数をμ、整流平滑回路 における振幅の乗数をνとしてzは微分方程式
Figure 2009028017
を満たす。
帰還回路と電源を記述する微分方程式系
この整流平滑回路からの出力電圧zとあらかじめ出力に電圧を設定する参照電圧λとを比較し、電圧の誤差を搬送波の周波数φに帰還することにより出力電圧を安定化する帰還回路の伝達関数は、数式5に定義されたφと数式12のzと参照電圧 λと正数 k, d, E, A, Bとを使って、φ ≧ 0として
Figure 2009028017
と表せるので、この伝達関数を数式9、数式10、数式12の微分方程式と連立させることにより得られる次の正規な微分方程式系が安定化直流電源を記述することが分かる。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017


安定性とオーバーシュート
この安定化直流電源における帰還が安定であるためには、まず数式14〜数式17の微分方程式系が安定となることが必要である。微分方程式系がLyapunovの意味で安定であるための必要十分条件は、微分方程式系の固有多項式のすべての根の実部が負となることである。電源を記述する微分方程式系がLyapunovの意味で安定であることは、電源の満たすべき必要条件である。Lyapunovの意味での安定性は電源の安定性としては十分ではない。例えばLyapunovの意味で安定な電源の出力電圧が振動する場合が存在する。また出力電圧が参照電圧で設定された出力電圧の近傍で振動する場合、あるいはまた長い時間をかけてに振動しながらゆっくり安定する場合もある。
数式14〜数式17の微分方程式系が電源のすべての動作を記述できるわけではない。共振回路が整流平滑回路を駆動する。共振回路は整流平滑回路に電流を流し込むことにより出力電圧がグランドから離れる方向に上昇させることは出来るが、整流回路から電流を引き出し出力電圧を降下させることはできない。このため出力電圧の上昇は数式14〜数式17の微分方程式系によって記述することができるが、出力電圧の降下は微分方程式系では記述できない場合がある。
出力電圧が参照電圧より高くなると出力電圧を下げる方向に帰還が働き、共振回路から整流平滑回路への電流の供給は減少する。電流の供給がゼロの場合、出力電圧は参照電圧より高く、出力電圧は整流平滑回路に内蔵されたキャパシタンスと負荷抵抗から決まる時定数で減衰する。この減衰は微分方程式系とは独立な出力電圧の変化である。出力電圧が参照電圧より低くなった時点で電流の供給が始まり、出力電圧は上昇を開始する。このとき出力電圧の上昇にオーバーシュートが伴うと、出力電圧は上昇と下降を繰り返すことになる。これから電圧の上昇がオーバーシュートを伴わないことが安定な帰還に必要であることがわかる。
一つの十分条件
微分方程式系の固有多項式の特性代表根が虚根から分離された実根である場合、出力電圧の上昇はオーバーシュートを伴わないので帰還は安定になる。たとえば出力電圧を搬送波の周波数に帰還する帰還回路の伝達関数が、Nを正数として
Figure 2009028017
と表せる場合Eは特性代表根を近似し、したがって1/Eは出力電圧が上昇するときの立ち上がりの時定数の近似値となる。このときたとえば
Figure 2009028017
Figure 2009028017

と選び、帰還が有効となる周波数の帯域を時定数1/Eから決まる周波数の帯域に制限し、さらに右半平面のゼロ点において帰還のループゲインが十分に1より小さくなるようにNを選ぶことにより安定な帰還を実現することが出来る。
右半平面のゼロ点
右半平面のゼロ点は、たとえば共振回路の共振周波数より高い周波数の搬送波が共振回路を駆動することにより生成される。出力電圧を共振回路を駆動する搬送波の周波数に帰還して出力である直流電圧を安定化する電源では、共振回路を駆動する搬送波の周波数が図1に示すように共振回路の共振周波数より高くなるように選ばれている場合、出力電圧が参照電圧より低いときには駆動周波数を下げて共振周波数に近づき、また出力電圧が参照電圧よ高いときには駆動周波数を上げて共振周波数より遠ざかることにより電圧を安定化する。
出力電圧を上げるために駆動周波数を下げると、搬送波の周波数が下がるため搬送波を整流平滑して生成される直流電圧は直ちに低下する。駆動周波数の変化に伴う共振回路から出力される搬送波の振幅の変化までには時間的遅れがある。駆動周波数の低下から振幅の増大までの遅れは1/δで近似できる。実際に直流電圧が降下する程度は主に電源の出力に結合している負荷に依存するが、出力電圧を上げようとすると、出力電圧はまず下がってから上がる。これは右半平面にゼロ点を持つ制御系の特徴の一つである。
周波数変調された搬送波の入力される共振回路が出力する振幅変調された搬送波から整流平滑により生成される直流電圧を共振回路に入力される搬送波の周波数に帰還することにより得られる安定化された直流電圧を出力電圧とする安定化直流電源において、大きな遅れを伴う直流電圧の搬送波の周波数への帰還が制約する出力電圧の周波数応答を向上させる帰還回路の構成と回路定数を与える。
出力電圧を共振回路に入力される搬送波の周波数へ帰還する遅れの大きい帰還と、出力電圧を搬送波の振幅へ帰還する遅れの小さい帰還を同時に実装することにより、搬送波の周波数の急速な変化の抑制と出力電圧の周波数応答の向上を実現する。
搬送波の可変な振幅
定数wと時間の関数xからなる関数w+xを振幅とし、時間の関数ψを位相とした周波数変調された搬送波を
Figure 2009028017
と書いたとき、数式21のψからφを
Figure 2009028017
と定義することにより数式21に記載された周波数変調された搬送波の周波数を
Figure 2009028017
と表し、rrおよびriを、数式7, 数式8の定義から変更し、
Figure 2009028017
Figure 2009028017

と定義する。このとき共振回路に数式21で与えられる搬送波を入力したとき共振回路から出力される搬送波の振幅は、連立微分方程式
Figure 2009028017
Figure 2009028017

を満たすp, qにより
Figure 2009028017
と表すことが出来るので、共振回路から出力される搬送波を整流平滑して得られる直流電圧をzとすると、整流平滑回路の時定数をμ、整流平滑回路 における振幅の乗数をνとしてzは微分方程式
Figure 2009028017
を満たす。
振幅への帰還
この整流平滑回路からの出力電圧zとあらかじめ出力に電圧を設定する参照電圧λとを比較し、電圧の誤差を搬送波の振幅w + xに帰還する帰還回路の伝達関数を、Gを正の定数として
Figure 2009028017
と表す。数式30は、出力電圧zが参照電圧より高いときにはxは負となり搬送波の振幅w + xは減少し出力電圧を下げる方向に働く。同様にして出力電圧が参照電圧より低い時には出力電圧を上げる方向に働く。
数式30を数式26、数式27に代入することにより次式を得る。
Figure 2009028017
Figure 2009028017


出力電圧の搬送波の周波数への帰還
この整流平滑回路からの出力電圧zとあらかじめ出力に電圧を設定する参照電圧λとを比較し、電圧の誤差を搬送波の周波数φに帰還する帰還回路の伝達関数は、数式22に定義されたφと数式29のzと参照電圧 λと正数 k, d, E, A, Bとを使って、φ ≧ 0として
Figure 2009028017
と表せる。
出力電圧の2階微分
出力電圧zの微分は数式29によって与えられる。これから出力電圧zの時間tに関する2階微分は次のようになる。
Figure 2009028017
数式34に数式29、数式31および数式32を代入して整理すると次式を得る。
Figure 2009028017
数式??0に数式30を代入すると次式を得る。
Figure 2009028017

出力電圧の搬送波の周波数への伝達関数
数式33を書き直すと次のようになる。
Figure 2009028017
数式37において、zの1階微分を数式29で置き換え、zの2階微分を数式36で置き換えると次式を得る。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017


微分方程式系による電源の記述
数式38を、数式31と数式32および数式29とを連立させることにより得られる次の正規な微分方程式系は、出力電圧を搬送波の周波数に帰還するとともに搬送波の振幅に帰還する安定化直流電源を記述する。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017


微分方程式系の平衡点
微分方程式系 数式39〜42の平衡点では
Figure 2009028017
が成り立つ。数式34と数式43から平衡点では
Figure 2009028017
が成り立つ。平衡点は次の連立一次方程式の解である。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

この解である平衡点をpe, qe, ze, φeとすると、数式37と数式44から
Figure 2009028017
であることが従い、数式30から平衡点においてx=0となるので、rを
Figure 2009028017
と表すときpe, qe, zeおよびλはφeの関数として次にように表すことができる。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017


微分方程式系の安定性
Lyapunovの方法により平衡点の近傍での微分方程式系の安定性を調べる。 p, q, z, φをそれぞれpe, qe, ze, φe
の近傍で次のように展開する。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

この式を微分方程式系 数式39〜42に代入し高次の項を無視することによりΔp, Δq, Δz, Δφに関する次のような正規かつ線形な微分方程式系を得る。
Figure 2009028017

Figure 2009028017
ここで
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

このとき、行列Mの要素はpe, qe, ze, φeの関数となるが、数式51〜数式54により、これらはφeの関数と考えることができる。したがって、 Mの固有多項式をm(h)とし、
Figure 2009028017
と書く。係数 a0, a1, a2, a3, a4は以下のようにφeの関数となる。係数 a0, a1, a2, a3, a4は以下のようにφeの関数となる。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

ここで、rは次にように定義されている。
Figure 2009028017
出力電圧から振幅への帰還が数式30
ではなく
Figure 2009028017
で与えられる場合の係数 a0, a1, a2, a3, a4は以下の通りである。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

Figure 2009028017
Figure 2009028017

いずれの場合にも固有多項式m(h)はhとφeとの関数であるが、混同のおそれがないので今後φeをφと表すことにする。
搬送波の周波数が固定されている場合の固有関数
共振回路を駆動する搬送波の周波数が固定され、出力電圧の搬送波の周波数への帰還が有効に働かない電源では、出力電圧を搬送波の振幅に帰還することにより安定化する。振幅への帰還がGを正の定数として
Figure 2009028017
と与えられる場合、この電源を記述するもっとも簡単な微分方程式系は次の通りである。
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

数式78〜数式80ではφは固定されている。この微分方程式系の平衡点pe, qe, zeは固定されているφとあらかじめ与えられているλを使って
Figure 2009028017
として
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

で与えられ、数式78〜数式80の微分方程式系の固有多項式をm(h)とし、
Figure 2009028017
と書くと、m(h)の係数a0, a1, a2, a3
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017
Figure 2009028017

によって与えられる。これからm(h)は次のように分解できる。
Figure 2009028017
出力電圧zと参照電圧λ徒の間の電圧差vが搬送波の振幅に帰還される。電圧vが搬送波の振幅に帰還されたことによる出力電圧への寄与を
Figure 2009028017
と書くと、出力電圧zは
Figure 2009028017
と書くことが出来る。一方、引き算回路では
Figure 2009028017
であることから
Figure 2009028017
と書くことが出来る。このとき
Figure 2009028017
と固有多項式m(h)について
Figure 2009028017
は帰還の安定性について同値な条件となるので,数式95と数式96とは同値である。これから
Figure 2009028017
が従う。
振幅への帰還が数式77ではなく、次のようにG、Hを正の定数として
Figure 2009028017
で与えられるとき、数式90で与えられた固有多項式は
Figure 2009028017
となり、これに伴い数式97は
Figure 2009028017
となる。
固有関数m(h)の分解
固有関数m(h)の係数a0, a1, a2, a3, a4が数式65〜数式69で与えられる場合のm(h)は次のように書くことができる。
Figure 2009028017
Figure 2009028017

数式101の右辺の第2項は帰還回路の伝達関数の分子に一致する。これから第2項は帰還回路からの寄与であることが分かる。また第1項および第3項は帰還回路の伝達関数に依存しないので電圧発生回路からの寄与であることが分かる。第1項の項hは帰還回路の原点に位置する極に対応する。項(μ h+1)は整流平滑回路に対応し、その遅れの時定数が1/μであることを示す。
出力電圧zと参照電圧λ徒の間の電圧差は誤差増幅器の引き算回路から電圧vとして出力される。この電圧vが搬送波の周波数と搬送波の振幅に帰還される。電圧vが搬送波の周波数に帰還されることによる出力電圧への寄与を
Figure 2009028017
と書き、また電圧vが搬送波の振幅に帰還されたことによる出力電圧への寄与を
Figure 2009028017
と書くと、出力電圧zは
Figure 2009028017
と書くことが出来る。一方、引き算回路では
Figure 2009028017
であることから
Figure 2009028017
と書くことが出来る。このとき
Figure 2009028017
は固有多項式m(h)について
Figure 2009028017
と等価であることからf, gについて共通の定数倍を除いて
Figure 2009028017
Figure 2009028017

となることがわかる。
固有関数m(h)の係数a0, a1, a2, a3, a4が数式72〜数式76で与えられる場合のm(h)は次のように書くことができる。
Figure 2009028017
Figure 2009028017

このとき数式109のfと数式110のgはそれぞれ 次のようになる。
Figure 2009028017
Figure 2009028017

fについてfの分子の項E + Ah + Bh2について、hに関する2次方程式
Figure 2009028017
の実根が正確にに分母の項1 + μhをキャンセルすると仮定する。この場合fの分子はhについて1次となり、分母はhについて3次となり、1個の極は原点に位置する。
gについて分子の項G + Hhが正確にに分母の項1 + μhをキャンセルするると仮定する。この場合、gの分子はhについて1次となり、分母はhについて2次となる。
振幅から出力電圧への伝達関数
出力電圧zの搬送波の振幅w+xへの帰還が引き算回路の出力によりGを正の定数として
Figure 2009028017
で与えられるときのgは数式110となる。この帰還がG、Hを正の定数として
Figure 2009028017
で与えられるときのgは
Figure 2009028017
となる。数式110と数式117とから振幅から出力電圧への伝達関数は
Figure 2009028017
で与えられることがわかる。この伝達関数は整流平滑回路による一次遅れ
Figure 2009028017
を含むので、この遅れをキャンセルする伝達関数
Figure 2009028017
により変換して入力することにより高速に出力電圧に帰還される。
補償後の振幅から出力電圧への伝達関数
整流平滑回路による遅れをキャンセルされた補償後の振幅から出力電圧への伝達関数は
Figure 2009028017
となる。これからh=0の直流ゲインは
Figure 2009028017
となる。つまり搬送波の振幅がwのときの出力電圧は
Figure 2009028017
となり、数式54と一致する。
搬送波の振幅が共振回路の入力で変化したとき、その変化が出力に現れるまでの時間の遅れが数式121に反映されている。またhがδの近傍にあるときのゲインはφに依存するが、近似的に半減する。
モデルとなる帰還の模式図
図2に示すように、出力電圧zと参照電圧λとの誤差λ - zが伝達関数がAの回路Aと伝達関数がBの回路Bとに入力され、それぞれの回路の出力の和
Figure 2009028017
が出力電圧zとなる場合には、zは
Figure 2009028017
と書くことができる。つまりこの帰還の安定性は
Figure 2009028017
の根によって決まる。
簡単のため、伝達関数Aに
Figure 2009028017
と原点に極の配置された伝達関数を仮定し、また伝達関数Bに増幅器をモデルとして一番簡単な
Figure 2009028017
を仮定すると、数式126は
Figure 2009028017
となる。数式129が負の実根を持つための必要十分条件は
Figure 2009028017
であり、任意の正数a, b, cに対して数式130の成り立つことがわかる。
数式129の根を原点に近い順にα、βとする。数式129は次のように書くことができるので
Figure 2009028017
これから-aが大きくなると-α、-βがともに大きくなる。また
Figure 2009028017
となることから
Figure 2009028017
であることが分かる。
回路Aを含むループが出力電圧を搬送波の周波数へ帰還し、回路Bを含むループが出力電圧を搬送波の振幅へ帰還する。回路Bの帯域は回路Aに比べて広くまたゲインも大きいので、出力電圧は主に搬送波の振幅に帰還される。回路Bには原点に極が配置されていないので、回路Bの出力と参照電圧λとの間には定常偏差が残る。回路Aの出力がこの定常偏差を打ち消す方向に変化する。
整流平滑回路の遅れを補償した伝達関数
定数μ1
Figure 2009028017
を満たす正の定数、またGを正の定数として出力電圧zの搬送波の振幅w+xへの帰還が引き算回路の出力により、
Figure 2009028017
と与えられるとき、gは数式113から
Figure 2009028017
と書ける。同様にfは数式112から
Figure 2009028017
と書ける。fについてfの分子の項E + Ah + Bh2について、hに関する2次方程式
Figure 2009028017
の実根が近似的に分母の項1 + μhをキャンセルすると仮定する。つまり数式138は-1/μの近傍に実根を持つ。
数式107はm(h)=0と同値であり、f1(h)とf2(h)とを次のように定義する。
Figure 2009028017
Figure 2009028017

このとき
Figure 2009028017
が成り立ち、m(h)を、
Figure 2009028017
と書いたときの係数 a0, a1
Figure 2009028017
Figure 2009028017

と与えられる。ところでμ1は近似的にμに等しく、また数式54から
Figure 2009028017
は参照電圧λすなわち出力電圧zeに等しいので、Gを
Figure 2009028017
と選ぶことにより、m(h)=0の4根の和をSとすると
Figure 2009028017
とすることができる。
搬送波の振幅が一定値wのもとで出力電圧が搬送波の周波数に帰還されたときの固有多項式がf1( h )である。f1(h) = 0の特性代表根を0と-1/μとの区間に実根αとして配置し、このαに隣接する実根をβとすると、たとえばαとβについて
Figure 2009028017
と選ばれている場合に帰還は安定になる。
αとβはf1(h)の項E + A s + B s2によって次のように
Figure 2009028017
Figure 2009028017

荒く近似することができる。hのαからβの範囲に含まれる区間で
Figure 2009028017
となり、帰還に比例して負の方向に大きくなる。
y = f2( h )のグラフは原点とh = -1/μ1とh = -(δ22)/δを通過する3次曲線である。y = f2( h )のグラフを図3に示す。これからhのαからβの範囲に含まれるある区間で
Figure 2009028017
が成り立つ。y = f1( h )のグラフを図3に示す。G = 0の場合にはm( h )= f1( h )であり、m( h ) = 0の根はf1(h) = 0の根と一致する。Gが0から増加すると図3から分かるように、グラフy = f1( h )とグラフy = f2( h )の交点のうち、αの近傍の根はその絶対値が小さくなり、実根βの近傍の根は絶対値の大きくなることが分かる。
f1( h ) = f2( h )が2個の虚根を持つ場合には虚根の位置が安定性に影響を与えるので、実根βの絶対値の大きさは虚根の位置によって制約される。たとえば
Figure 2009028017
の場合、β = -2 δであるとき、αは原点の近傍にあるので無視すると、虚根の実部は-3 δの近傍にあることが分かり、m( h ) = 0の根は原点に近い順にα, β, 虚根の実部と並ぶ。
出力電圧の振幅への帰還が組み込まれていない場合、f1(h) = 0の根βを-2δの近傍に配置すると、虚根の実部が原点の近傍に位置することになり、出力電圧が振動的になる。出力電圧の振幅への帰還はこの振動を抑えると考えられる。
数式78〜数式80の微分方程式に従う、出力電圧の搬送波の周波数への帰還が有効でない場合、共振回路を駆動する搬送波の周波数は固定されている。ところが共振回路の共振周波数は負荷に依存して変化する。したがって共振周波数の変化が負荷の範囲を限定する。出力電圧の搬送波の周波数への帰還を有効にすることにより、共振周波数の変化による負荷の限定が解除される。
出力電圧を共振回路を駆動する搬送波の周波数に帰還するとともに、出力電圧を搬送波の振幅に帰還することにより、共振回路を使用した電源の特性を通常の電磁トランスを使用した電源の特性に近づけることができる。
共振周波数と搬送波の周波数の範囲 モデルとなる帰還の模式図 微分帰還による根の移動の例 電源のブロック図 安定化直流電源のシミュレーション用回路 圧電トランスの等価回路 トランスの等価回路 圧電トランスの周波数依存性 圧電トランスの周波数依存性を測定するシミュレーション用回路 誤差増幅器のシミュレーション用回路 電圧制御スイッチ ドライブパルス回路のシミュレーション用回路 シミュレーションの結果
本発明の実施例として、共振回路として圧電トランスを使用した電圧発生回路とその帰還回路からなる安定化直流電源のブロック図を示す。ブロック図に示された安定化直流電源のシミュレーション用の回路を示し、この回路を用いてシミュレーションにより帰還が安定であることを示す。
ドライバー回路と圧電トランスと整流平滑回路からなる電圧発生回路と、誤差増幅器と周波数変調回路と振幅補償回路とからなる帰還回路とから構成される安定化直流電源のブロック図を図4に示す。
圧電トランス
圧電トランスはあらかじめ分極された圧電素子が持つ圧電効果を利用したものである。圧電素子に外力を加えて変形させれば電圧が発生し、逆に電圧を加えれば応力が発生し変形する。圧電トランスではこの効果を利用して、1次側で電気振動をいったん機械振動に変換して二次側に伝送し、二次側でこれを再び電気振動に戻すことにより、電気エネルギーを伝送する。このように、圧電トランスでは、電気的エネルギーが一次側で機械的振動に変換され、これが二次側で再び電気的エネルギーに再変換される。二次側はキャパシタンスであり、ここに機械的振動を通して電荷が注入されることにより電圧が発生する。
圧電トランスは内部に共振回路を含む。このため圧電トランスは、通常の電磁トランスと異なり、鋭い周波数特性や大きな負荷依存性を示す。この圧電トランスが電圧発生回路に使用されている。圧電トランスの出力に負荷抵抗を接続し、入力電圧と出力電圧の比である昇圧比を考える。昇圧比はそれぞれの負荷抵抗に対して周波数の関数として共振特性を示す。つまり圧電トランスは共振周波数において最大の昇圧を示す。
整流平滑回路
圧電トランスから出力される振幅変調された搬送波はダイオードブリッジ回路により全波整流される。ダイオードブリッジ回路の出力は出力キャパシタによってバッファされる。このバッファリングにより、出力電圧に含まれるリップルが減少する。出力電圧が正である場合、ダイオードブリッジ回路は電荷をキャパシタンスに汲み上げ電圧を上げることはできるが、キャパシタンスから電荷をくみ出し電圧を下げることはできない。搬送波の1周期で圧電トランスに蓄えられていた電荷が汲み上げられる。
出力電圧が正の場合、出力電圧の変化を考える。電圧が上昇するためには、圧電トランスが負荷に電流を供給すると同時に出力キャパシタを充電することが必要である。またこれらのキャパシタを負荷の抵抗を通して放電することにより出力電圧は下降する。電圧が上昇する場合の時定数は負荷が軽くなるに伴い小さくなる。出力電圧が下降する場合の時定数はおもにキャパシタと負荷の抵抗によって決まる。
誤差増幅器
誤差増幅器は引き算回路と位相補償回路とから構成される。引き算回路は、電源の出力電圧と出力電圧を設定するために外部よ供給される参照電圧とを比較し、この電圧の差を出力する。
位相補償回路の入力は引き算回路の出力である。位相補償回路は増幅器とその周辺回路から構成され、この伝達関数は原点に配置された極と2個のゼロ点を備えている。位相補償回路の入力はこの伝達関数により変換されて出力される。この出力はダイオードにより限られた範囲の電圧にクランプされている。
振幅補償回路
誤差増幅器の引き算回路の出力が振幅補償回路に入力される。振幅補償回路には整流平滑回路の遅れをキャンセルする回路が組み込まれている。振幅補償回路の出力がドライブパルス回路に入力される。
ドライバー回路
圧電トランスを入力端子から見るとキャパシタンスが見える。キャパシタンスを効率的に駆動するためには正弦波を使用することが不可欠であり、インダクタンスと共振させることにより、ドライバー回路は近似的な正弦波を作り出している。
圧電トランスを駆動するドライバー回路は2組のハーフブリッジを対にしたフルブリッジから構成される。ハーフブリッジは2個のFETとこれを駆動するための駆動回路からなる。ハーフブリッジを構成する2個のFETは互いにコンプリメンタリーな対をなすドライブパルスによって駆動される。2組のハーフブリッジから構成されるドライバー回路はすべて同一の周波数を持つ2組の対をなすあわせて4個のドライブパルスによって駆動される。
ドライバー回路を構成するフルブリッジはフェイズシフト方式で動作する。フルブリッジを構成する4個のFETは2組のドライブパルスによって駆動される。2組のドライブパルスの間には位相差がある。この位相差を制御することにより圧電トランスを駆動する搬送波の振幅を制御する。ドライブパルスの周波数は周波数変調回路によって生成され、組の間の位相差は振幅補償回路の出力によって制御される。ドライブパルスはドライブパルス回路によって生成される。
ドライブパルス回路
位相補償回路の出力と振幅補償回路の出力とがドライブパルス回路に入力される。ドライブパルス回路には周波数変調回路が含まれる。位相補償回路の出力がこの周波数変調回路に入力され、この入力の電圧に比例した周波数のパルス列が出力される。このパルス列から2組のドライブパルスが生成される。パルス列から2組のドライブパルスが生成される際に、振幅補償回路の出力がドライブパルスの組の間の位相差を制御する。
直流補助電源
直流補助電源は、共振回路を駆動する搬送波を生成するドライバー回路に直流電圧を供給する。
シミュレーション用回路
この安定化直流電源のシミュレーション用回路を図5に示す。帰還が安定であることをシミュレーションにより示す。シミュレーション用回路における電圧発生回路は、圧電トランスがその等価回路に置き換えられていることを除けば、回路ができるだけ忠実に再現されている。シミュレーション用回路における帰還回路は基本的には線形な回路である。このため帰還回路の入力と出力の関係を再現する簡単な回路がシミュレーション用回路に採用されている。
圧電トランスの等価回路
この電源で使用されている圧電トランスの等価回路とそのパラメータを図6に示す。圧電トランスの等価回路には理想トランスが含まれている。図7のような,1次側コイルと2次側コイルの巻き線比がnである理想トランスを考える。1次側電圧E1と1次側電流I1、2次側電圧E2と1次側電流
Figure 2009028017
は次の関係式を満たす。
Figure 2009028017

圧電トランスの周波数依存性
負荷の抵抗を1 Ωから200 mΩステップで200 mΩまで変化させたときの圧電トランスの周波数依存性を図8に示す。図9にこの周波数依存性をシミュレートした回路を示す。この図において負荷はR76である。
誤差増幅器のシミュレーション用回路
入力と出力の関係を数学的関係式を用いて指定できるビヘービアモデルと呼ばれる回路素子をシミュレーションに使用することができる。誤差増幅器のシミュレーション用回路を図10に示す。誤差増幅器は引き算回路と位相補償回路と一次遅れ生成回路とから構成される。引き算回路は2入力1出力のビヘービアモデルと増幅器からなる。ビヘービアモデルは入力の差が出力となるように設定されている。ビヘービアモデルの出力は増幅器によって増幅され、位相補償回路に入力される。
位相補償回路は、積分器、ゲイン1の増幅器、微分器、さらに2入力の加算器2個とから構成される。積分器はゲインEの増幅器とビヘービアモデルとから構成される。関数SDT(x)の設定されビヘービアモデルは入力の時間積分を出力する。このビヘービアモデルからの出力がゲインEの増幅器に入力され、この増幅器からの出力が積分器の出力となる。
微分器はゲインBの増幅器とビヘービアモデルとから構成される。関数DDT(x)の設定されビヘービアモデルは入力の時間微分を出力する。このビヘービアモデルからの出力がゲインBの増幅器に入力され、この増幅器からの出力が微分器の出力となる。
積分器のゲインをE、微分器のゲインをBとするとき、位相補償回路の伝達関数は
Figure 2009028017
によって与えられる。
時定数Aの一次遅れの伝達関数は
Figure 2009028017
である。一次遅れを実現するラプラス素子とよばれるビヘービアモデルをシミュレーションに利用することができる。一次遅れ発生回路はこのラプラス素子によって構成される。
この図において S は参照電圧を生成する電圧源である。引き算回路の増幅器に設定されたゲインはCである。引き算回路の増幅器に設定されたゲインを変えることにより直流的ループゲインを制御することが可能となる。図5のシミュレーション用回路では、E=15, B=0.001, C=1に設定されている。
振幅補償回路のシミュレーション用回路
振幅補償回路のシミュレーション用回路を図11に示す。振幅補償回路は一次遅れ補償回路と低域通過フィルターとから構成される。 一次遅れ補償回路は、整流平滑回路の遅れ
Figure 2009028017
を補償する。よって一次遅れ補償回路の伝達関数は
Figure 2009028017
を近似する。一次遅れ補償回路は、ゲイン1の増幅器、微分器、2入力の加算器1個とから構成される。
低域通過フィルターは、帰還が有効となる周波数帯域の外側にある周波数成分を取り除く。低域通過フィルターは一次遅れのフィルターであり、ラプラス素子により実現されている。
ドライバー回路のシミュレーション用回路
シミュレーション用のドライバー回路は電圧制御スイッチとドライブパルス回路から構成される。実際のドライバー回路ではFETが使用される。シミュレーション用の回路では、このFETは図12に示す4端子の電圧制御スイッチによってシミュレートされる。4端子スイッチの端子1,2は制御入力端子であり端子1と端子2との間の電圧の差が1 V以上となると端子3と端子4の間が導通し、抵抗は0.1 Ωとなる。導通していないときの端子3と端子4の間のインピーダンスは1 M Ωである。
ドライバー回路には4個の電圧制御スイッチ A、B、C、D が含まれ、AとB また C と D とがそれぞれハーフブリッジを構成する。AとBからなるハーフブリッジは互いにコンプリメンタリーなドライブパルス a、b によって駆動される。同様に、 CとDからなるハーフブリッジはドライブパルス c、d によって駆動される。ドライブパルス a、b、c、d はドライブパルス回路によって生成される。
ドライブパルス回路のシミュレーション用回路
図13にドライブパルス回路をシミュレートする回路を示す。 シミュレーション用のドライブパルス回路は、実際の回路と異なりシミュレーションを容易にすべく数学的な関係式をもとに構成されている。シミュレーション用のドライブパルス回路に含まれている周波数変調回路の出力は、パルス列ではなく正弦波である。周波数変調回路の出力である正弦波と適当な直流レベルとを比較することにより、デッドタイムの設定された互いにコンプリメンタリーな1組のドライブパルスが生成される。
ドライブパルス回路には2組の周波数変調回路 A、B が用意されている。周波数変調回路 B の出力する正弦波と周波数変調回路 A の出力する正弦波の間には位相のズレがあり、この位相の差は周波数変調回路 B に入力される振幅補償回路の出力によって制御される。
振幅補償回路の出力は、周波数変調回路 A の出力する正弦波に対して、周波数変調回路 B の出力する正弦波の位相を0からπの範囲で制御する

周波数変調回路のシミュレーション用回路
周波数変調回路 A のシミュレーション用回路は、2個のビヘービアモデル M1, M2 を組み合わせて図13に示すように構成される。ビヘービアモデル M1 は入力の積分を出力する。ビヘービアモデル M2 には入力を位相とする正弦波の式が設定されている。この結果、ビヘービアモデル M1 に入力される電圧(すなわち誤差増幅器の出力)に比例した周波数を持つサイン波がビヘービアモデル M2 から出力される。
安定な帰還のシミュレーション例
安定化直流電源に組み込まれた帰還が安定であることをシミュレーション用回路5を用いて示す。この電源の定格の出力電圧は1 Vである。定常的に1 Aの電流が出力されているときに、幅100 msecのパルス状の過渡的電流 600 mA が追加的に出力されたときの出力電圧の変化を、周波数変調回路の入力と引き算回路の出力ととともに図14に示す。図では横軸を時間軸として、縦軸1を周波数変調回路(VCO)の入力、縦軸2を引き算回路の出力、縦軸3を出力電圧として示されている。
【0012】
関する2階微分は次のようになる。
[数34]
Figure 2009028017
数式34に数式29、数式31および数式32を代入して整理すると次式を得る。
[数35]
Figure 2009028017
数式35に数式30を代入すると次式を得る。
[数36]
Figure 2009028017
出力電圧の搬送波の周波数への伝達関数
[0031]
数式33を書き直すと次のようになる。
[数37]
Figure 2009028017
数式37において、zの1階微分を数式29で置き換え、zの2階微分を数式36で置き換えると次式を得る。
[数38]
Figure 2009028017
【0014】
[数44]
Figure 2009028017
が成り立つ。平衝点は次の連立一次方程式の解である。
[数45]
Figure 2009028017
[数46]
Figure 2009028017
[数47]
Figure 2009028017
[数48]
Figure 2009028017
[0034]
この解である平衡点をp,q,z,φとすると、数式37と数式44から
[数49]
Figure 2009028017
であることが従い、数式30から平衡点においてx=0となる。すなわち任意の正のwが出力電圧zを生成できる搬送波の振幅である場合に、これを平衡点における搬送波の振幅とする搬送波の周波数の存在することがわかる。
ここでrを
[数50]
Figure 2009028017
と表すときp,q,zおよびλはφの関数として次にように表すことができる。
【0015】
[数51]
Figure 2009028017
[数52]
Figure 2009028017
[数53]
Figure 2009028017
[数54]
Figure 2009028017
微分方程式系の安定性
[0035]
Lyapunovの方法により平衡点の近傍での微分方程式系の安定性を調べる。p,q,z,φをそれぞれp,q,z,φの近傍で次のように展開する。
[数55]
Figure 2009028017
[数56]
Figure 2009028017
[数57]
Figure 2009028017
[数58]
Figure 2009028017
この式を微分方程式系数式39〜42に代入し高次の項を無視することによりΔp,Δq,Δz,Δφに関する次のような正規な微分方程式系を得る。
【0016】
[数59]
Figure 2009028017
[数60]
Figure 2009028017
ここで
[数61]
Figure 2009028017
[数62]
Figure 2009028017
[数63]
Figure 2009028017
[0036]
このとき、行列Mの要素はp,q,z,φの関数となるが、数式51〜数式54により、これらはφの関数と考えることができる。したがって、Mの固有多項式をm(h)とし、
【0017】
[数64]
Figure 2009028017
と書く。係数a,a,a,a,aは以下のようにφの関数となる。係数a,a,a,a,aは以下のようにφの関数となる。
[数65]
Figure 2009028017
[数66]
Figure 2009028017
[数67]
Figure 2009028017
[数68]
Figure 2009028017
[数69]
Figure 2009028017
ここで、rは次にように定義されている。
[数70]
Figure 2009028017
[0037]
固有多項式m(h)の係数a,a,a,a,aが数式65〜数式69で与えられる場合のm(h)は次のように書くことができる。
[数71]
Figure 2009028017
【0018】
[0038]
出力電圧から振幅への帰還が数式30ではなく
[数72]
Figure 2009028017
で与えられる場合の係数a,a,a,a,aは以下の通りである。
[数73]
Figure 2009028017
[数74]
Figure 2009028017
[数75]
Figure 2009028017
[数76]
Figure 2009028017
[数77]
Figure 2009028017

[0039]
固有関数m(h)の係数a,a,a,a,aが数式73〜数式77で与えられる場合のm(h)をm(h)と書くと、m(h)は次のように書くことができる。
[数78]
Figure 2009028017
いずれの場合にも固有多項式m(h)はhとφとの関数であるが、混同のおそれがないので今後φをφと表すことにする
【0019】
搬送波の周波数が固定されている場合の固有多項式
[0040]
共振回路を駆動する搬送波の周波数が固定され、出力電圧の搬送波の周波数への帰還が有効に働かない電源では、出力電圧を搬送波の振幅に帰還することにより安定化する。振幅への帰還がGを正の定数として
[数79]
Figure 2009028017
と与えられる場合、この電源を記述するもっとも簡単な微分方程式系は次の通りである。
[数80]
Figure 2009028017
[数81]
Figure 2009028017
[数82]
Figure 2009028017
数式80〜数式82ではφは固定されている。この微分方程式系の平衡点p,q,zは固定されているφとあらかじめ与えられているλを使って
[数83]
Figure 2009028017
として
[数84]
Figure 2009028017
[数85]
Figure 2009028017
【0020】
[数86]
Figure 2009028017
で与えられる。数式80〜数式82から導かれる、平衡点からのずれの時間的変化を記述する微分方程式系の固有多項式をm(h)とし、
[数87]
Figure 2009028017
と書くと、m(h)の係数a,a,a,a
[数88]
Figure 2009028017
[数89]
Figure 2009028017
[数90]
Figure 2009028017
[数91]
Figure 2009028017
によって与えられる。この固有多項式m(h)は次のように分解できる。
[数92]
Figure 2009028017
[0041]
出力電圧zと参照電圧λとの間の電圧差υが搬送波の振幅に帰還される。電圧υが搬送波の振幅に帰還されたことによる出力電圧への寄与を
[数93]
Figure 2009028017
と書くと、出力電圧zは
【0021】
[数94]
Figure 2009028017
と書くことが出来る。一方、引き算回路では
[数95]
Figure 2009028017
であることから
[数96]
Figure 2009028017
と書くことが出来る。このとき
[数97]
Figure 2009028017
と固有多項式m(h)について
[数98]
Figure 2009028017
は帰還の安定性について同値な条件となるので,数式97と数式98とは同値である。これから
[数99]
Figure 2009028017
が従う。
[0042]
振幅への帰還が数式79ではなく、次のようにG、Hを正の定数として
[数100]
Figure 2009028017
で与えられるとき、数式92の固有多項式に対応する固有多項式m(h)をm(h)と表すと、m(h)は
【0022】
[数101]
Figure 2009028017
となる。
これに伴い数式99は
[数102]
Figure 2009028017
となる。
原点に極の配置されていない出力電圧の周波数への帰還
[0043]
出力電圧を搬送波の周波数への帰還する帰還回路の伝達関数を与える数式33において、E=0の場合すなわち帰還回路の伝達関数に原点に位置する極が配置されていない場合の固有多項式m(h)を考える。このm(h)は数式78から次のようになることが予想される。
[数103]
Figure 2009028017
ここでφおよびwは平衡状態における搬送波の周波数と振幅を表す。これは次のようにして確かめられる。
[0044]
搬送波の周波数を生成する周波数変調器への入力電圧をυとすると、搬送波の周波数φは、正の定数kとφとによって、
[数104]
Figure 2009028017
と表すことができる。
また振幅への帰還が、G、Hを正の定数として
[数105]
Figure 2009028017
で与えられる。
【0023】
このとき出力電圧を搬送波の周波数と振幅に帰還する安定化直流電源は次に微分方程式系によって記述される。
[数106]
Figure 2009028017
[数107]
Figure 2009028017
[数108]
Figure 2009028017
[0045]
ここでφとwとを次のように導入する。
[数109]
Figure 2009028017
[数110]
Figure 2009028017
この結果、φ,wは平衡点において、次の方程式を満たす。
[数111]
Figure 2009028017
[数112]
Figure 2009028017
これから数式106,107,108からなる微分方程式系の平衡点(p,q,z)およびλは、φ
【0024】
とwとによって次のように与えられることがわかる。
[数113]
Figure 2009028017
[数114]
Figure 2009028017
[数115]
Figure 2009028017
[数116]
Figure 2009028017
[0046]
任意の正のw,φが与えられたとき、数式109,109をz,φを未知数とする連立方程式と考えたとき、これが正の解を持つならば、平衡点は振幅w,周波数φの搬送波によって実現される。
[0047]
数式106,107,108からなる微分方程式系から導かれる、平衡点からのずれの時間的変化を記述する微分方程式系の固有多項式をm(h)とし、
[数117]
Figure 2009028017
と書く。係数a,a,a,aは以下のようにφとwの関数となる。
[数118]
Figure 2009028017
[数119]
Figure 2009028017
[数120]
Figure 2009028017
【0025】
[数121]
Figure 2009028017
[0048]
上の係数a,a,a,aの固有多項式m(h)をm(h)と表すと、m(h)は次のようになる。
[数122]
Figure 2009028017
固有多項式m(h)の分解
[0049]
固有関数m(h)の係数a,a,a,a,aが数式65〜数式69で与えられる場合のm(h)は次のように書くことができる。
[数123]
Figure 2009028017
[0050]
数式123の右辺の第2項は帰還回路の伝達関数の分子に一致する。これから第2項は帰還回路からの寄与であることが分かる。また第1項および第3項は帰還回路の伝達関数に依存しないので電圧発生回路からの寄与であることが分かる。第1項の項hは帰還回路の原点に位置する極に対応する。項(μh+1)は整流平滑回路に対応し、その遅れの時定数が1/μであることを示す。
[0051]
出力電圧zと参照電圧λとの間の電圧差は誤差増幅器の引き算回路から電圧υとして出力される。この電圧υが搬送波の周波数と搬送波の振幅に帰還される。電圧υが搬送波の周波数に帰還されることによる出力電圧への寄与を
[数124]
Figure 2009028017
と書き、また電圧υが搬送波の振幅に帰還されたことによる出力電圧への寄与を
【0026】
[数125]
Figure 2009028017
と書くと、出力電圧zは
[数126]
Figure 2009028017
と書くことが出来る。一方、引き算回路では
[数127]
Figure 2009028017
であることから
[数128]
Figure 2009028017
と書くことが出来る。このとき
[数129]
Figure 2009028017
は固有多項式m(h)について
[数130]
Figure 2009028017
と等価であることからf,gについて共通の定数倍を除いて
[数131]
Figure 2009028017
[数132]
Figure 2009028017
となることがわかる。
[0052]
固有関数m(h)の係数a,a,a,a,aが数式73〜数式77で与えられる場合の
【0027】
(h)は次のように書くことができる。
[数133]
Figure 2009028017
このとき数式131のfと数式132のgはそれぞれ次のようになる。
[数134]
Figure 2009028017
[数135]
Figure 2009028017
[0053]
fについてfの分子の項E+Ah+Bhについて、hに関する2次方程式
[数136]
Figure 2009028017
の実根が正確にに分母の項1+μhをキャンセルすると仮定する。この場合fの分子はhについて1次となり、分母はhについて3次となり、1個の極は原点に位置する。
[0054]
gについて分子の項G+Hhが正確にに分母の項1+μhをキャンセルするると仮定する。この場合、gの分子はhについて1次となり、分母はhについて2次となる。
振幅から出力電圧への伝達関数
[0055]
出力電圧zの搬送波の振幅w+xへの帰還が引き算回路の出力によりGを正の定数として
[数137]
Figure 2009028017
で与えられるときのgは数式132となる。この帰還がG、Hを正の定数として
[数138]
Figure 2009028017
【0028】
で与えられるときのgは
[数139]
Figure 2009028017
となる。数式132と数式139とから振幅から出力電圧への伝達関数は
[数140]
Figure 2009028017
で与えられることがわかる。この伝達関数は整流平滑回路による一次遅れ
[数141]
Figure 2009028017
を含むので、出力電圧と参照電圧の誤差電圧z−λをこの遅れをキャンセルする伝達関数
[数142]
Figure 2009028017
により変換して振幅に作用することにより誤差電圧が出力電圧に高速に帰還される。
補償後の誤差電圧から出力電圧への伝達関数
[0056]
整流平滑回路による遅れが補償されている場合の誤差電圧から出力電圧への伝達関数は
[数143]
Figure 2009028017
となる。これからh=0の直流ゲインは
[数144]
Figure 2009028017
となる。つまり搬送波の振幅がwのときの出力電圧は
[数145]
Figure 2009028017
となり、数式54と一致する。
【0029】
[0057]
誤差電圧が搬送波の振幅に作用したとき、誤差電圧が出力電圧に現れるまでの時間の遅れが数式143に反映されている。またhがδの近傍にあるときのゲインはφに依存するが、近似的に半減する。
モデルとなる帰還の模式図
[0058]
図2に示すように、出力電圧zと参照電圧λとの誤差λ−zが伝達関数がAの回路Aと伝達関数がBの回路Bとに入力され、それぞれの回路の出力の和
[数146]
Figure 2009028017
が出力電圧zとなる場合には、zは
[数147]
Figure 2009028017
と書くことができる。つまりこの帰還の安定性は
[数148]
Figure 2009028017
の根によって決まる。
[0059]
簡単のため、伝達関数Aに
[数149]
Figure 2009028017
と原点に極の配置された伝達関数を仮定し、また伝達関数Bに増幅器をモデルとして一番簡単な
[数150]
Figure 2009028017
を仮定すると、数式148は
[数151]
Figure 2009028017
【0030】
となる。数式151が負の実根を持つための必要十分条件は
[数152]
Figure 2009028017
であり、任意の正数a,b,cに対して数式152の成り立つことがわかる。
[0060]
数式151の根を原点に近い順にα、βとする。数式151は次のように書くことができるので
[数153]
Figure 2009028017
これから−aが大きくなると−α、−βがともに大きくなる。また
[数154]
Figure 2009028017
となることから
[数155]
Figure 2009028017
であることが分かる。
[0061]
回路Aを含むループが出力電圧を搬送波の周波数へ帰還し、回路Bを含むループが出力電圧を搬送波の振幅へ帰還する。回路Bの帯域は回路Aに比べて広くまたゲインも大きいので、出力電圧は主に搬送波の振幅に帰還される。回路Bには原点に極が配置されていないので、回路Bの出力と参照電圧λとの間には定常偏差が残る。回路Aの出力がこの定常偏差を打ち消す方向に変化する。
整流平滑回路の遅れを補償した伝達関数
[0062]
定数μ
[数156]
Figure 2009028017
【0031】
を満たす正の定数、またGを正の定数として出力電圧zの搬送波の振幅w+xへの帰還が引き算回路の出力により、
[数157]
Figure 2009028017
と与えられるとき、gは数式135から
[数158]
Figure 2009028017
と書ける。同様にfは数式134から
[数159]
Figure 2009028017
と書ける。fについてfの分子の項E+Ah+Bhについて、hに関する2次方程式
[数160]
Figure 2009028017
の実根が近似的に分母の項1+μhをキャンセルすると仮定する。つまり数式160は−1/μの近傍に実根を持つ。
方程式m(h)=0の根
[0063]
固有多項式m(h)から導かれる方程式m(h)=0の根の配置を調べる。数式78で定義された固有多項式m(h)から導かれる方程式m(h)=0を調べるために、f(h)とf(h)とを次のように定義する。
[数161]
Figure 2009028017
[数162]
Figure 2009028017
このとき
【0032】
[数163]
Figure 2009028017
が成り立ち、m(h)を、
[数164]
Figure 2009028017
と書いたときの係数a,a
[数165]
Figure 2009028017
[数166]
Figure 2009028017
と与えられる。したがってm(h)=0の4根の和をSとすると
[数167]
Figure 2009028017
となる。
[0064]
グラフy=f(h)について考える。y=f(h)の第一項は、すくなくとも原点からh=−1/μまでの区間で負となる下に凸なhに関する4次式である。第二項は少なくとも原点からh=−H/Gまでの区間で負となるhに関する3次式もある。Gが小さく、H/G>δ+φ/δの場合には、原点からh=−(δ+φ/δ)の区間で負となる。これから正の数hが存在して、グラフy=f(h)は、φによらず原点からh=−hまでの区間で負となることが分かる。また第一項は4次式であり、第二項は3次式であることから、y=f(h)は下に凸であることが分かる。
[0065]
グラフy=f(h)は上に凸な2次式である。f(h)=0の根を原点と−hとの区間に実根αとして配置し、このαに隣接する実根をβとして
[数168]
Figure 2009028017
【0033】
と配置すると、図3から分かるように、m(h)=0はφによらず2個の実根を持つ。この2根はグラフy=f(h)上に拘束される。m(h)=0は4次方程式である。残りの2根が実根である場合、m(h)=0が4個の実根を持つので根はすべて負となり、帰還は安定となる。残りの2根が虚根である場合には、虚根の実部をα、βと数式167から評価することができる。虚根の実部のh軸上の位置はαとβの配置により制御できる。αとβのh軸上の位置はパラメータE,A,Bにより制御できる。つまりE,A,Bを適切に選ぶことにより虚根の実部をh軸上の望ましい位置に配置することが可能となる。E,A,Bを適切に選ぶことにより安定な帰還を実現することができる。
[0066]
数式122で定義された固有多項式m(h)から導かれる方程式m(h)=0を調べるために、f(h)とf(h)とを次のように定義する。
[数169]
Figure 2009028017
[数170]
Figure 2009028017
このとき
[数171]
Figure 2009028017
が成り立ち、m(h)を、
[数172]
Figure 2009028017
と書いたときの係数a,a
[数173]
Figure 2009028017
[数174]
Figure 2009028017
【0034】
と与えられる。したがってm(h)=0の3根の和をSとすると
[数175]
Figure 2009028017
となる。
[0067]
グラフy=f(h)について考える。y=f(h)の第一項は、δ≫1/μであるので、すくなくとも原点からh=−1/μまでの区間で正となるhに関する3次式である。第二項は少なくとも原点からh=−H/G(〜−1/μ)までの区間で正となるhに関する2次式である。Gが小さく、H/G>δ+φ /δの場合には、原点からh=−(δ+φ /δ)の区間で正となる。これから正の数hが存在して、グラフy=f(h)は、φによらず原点からh=−hまでの区間で正となることが分かる。また第一項は3次式であり、第二項は2次式であることから、y=f(h)は右肩上がりあることが分かる。
[0068]
グラフy=f(h)は右肩下がりの1次式である。f(h)=0の根を原点と−hとの区間に実根αを
[数176]
Figure 2009028017
と配置すると、図15から分かるように、m(h)=0はφによらず1個の実根を持つ。この根はグラフy=f(h)上に拘束される。m(h)=0は3次方程式である。残りの2根が実根である場合、m(h)=0が3個の実根を持つので根はすべて負となり、帰還は安定となる。残りの2根が虚根である場合には、虚根の実部をαと数式175から評価することができる。虚根の実部のh軸上の位置はαの配置により制御できる。αのhの位置はパラメータA,Bにより制御できる。つまりA,Bを適切に選ぶことにより虚根の実部をh軸上の望ましい位置に配置することが可能となる。A,Bを適切に選ぶことにより安定な帰還を実現することができる。
搬送波の周波数と振幅の関係の任意性の解消
[0069]
出力電圧を搬送波の周波数に帰還する伝達関数
[数177]
Figure 2009028017
【0035】
が原点に極を配置されている場合にも、また配置されていない場合にも、wを正の定数とするとき出力電圧zを搬送波の振幅w+xに
[数178]
Figure 2009028017
によって帰還するとき、平衡点を実現する搬送波の周波数と振幅とを一意的に決定することはない。この任意性を解消するためには、すなわち平衡点を実現する搬送波の周波数と振幅とを一意的に実現するためには付加的な条件が必要になる。
多様な付加的条件を考えることができる。付加的条件は搬送波の周波数と振幅を一意的に決定するが、一般的には数式39〜42あるいは数式106〜108のp,q,z、あるいはφに関する微分方程式系を変更する。しかし平衡点からのずれの時間的変化を記述する微分方程式系を保存する場合もある。
[0070]
たとえば電源から出力される電流Iを考え、出力電流Iと出力電圧zが独立に変化すると考え、出力電圧zとともに出力電流Iを搬送波の振幅w+xに
[数179]
Figure 2009028017
により帰還する場合がこれにあたる。この場合、平衡点における搬送波の振幅wは出力電流Iに比例する。
すなわち数式179を組み込んだ、数式39〜42あるいは数式106〜108に相当する微分方程式系から、平衡点からのずれの時間的変化を記述する微分方程式系を導く際に、出力電流Iはp,q,z,φと独立に変化すると考える事ができるので出力電流Iを定数として取り扱うことが可能となり、この結果平衡点からのずれの時間的変化を記述する微分方程式系の固有多項式は、付加的条件のない時の、すなわちK=0の場合の固有多項式に一致する。
[0071]
さらに、出力電流の関数J(I)を使って数式179を
[数180]
Figure 2009028017
と置き換えても、固有多項式は不変であることがわかる。関数J(I)を適切に選ぶことにより、たとえば平衡点における搬送波の周波数φを出力電流Iによらず近似的に一定に
【0036】
保つことができる。適切に選ばれた関数J(I)を通して搬送波の周波数と振幅に関する不定性を解消し、周波数と振幅の間に一定の関係を導入することが可能となる。
発明の効果
[0072]
出力電圧を共振回路を駆動する搬送波の周波数に帰還するとともに、出力電圧を搬送波の振幅に帰還することにより、共振回路を使用した電源の特性を通常の電磁トランスを使用した電源の特性に近づけることができる。
図面の簡単な説明
[0073]
[図1]共振周波数と搬送波の周波数の範囲
[図2]モデルとなる帰還の模式図
[図3]方程式m(h)=0から導かれる方程式の根
[図4]電源のブロック図
[図5]安定化直流電源のシミュレーション用回路
[図6]圧電トランスの等価回路
[図7]トランスの等価回路
[図8]圧電トランスの周波数依存性
[図9]圧電トランスの周波数依存性を測定するシミュレーション用回路
[図10]誤差増幅器のシミュレーション用回路
[図11]振幅補償回路のシミュレーション用回路
[図12]電圧制御スイッチ
[図13]ドライブパルス回路のシミュレーション用回路
[図14]シミュレーションの結果
[図15]方程式m(h)=0から導かれる方程式の根
発明を実施するための最良の形態
[0074]
本発明の実施例として、共振回路として圧電トランスを使用した電圧発生回路とその帰還回路からなる安定化直流電源のブロック図を示す。ブロック図に示された安定化直流電源のシミュレーション用の回路を示し、この回路を用いてシミュレーションにより帰還が
【0037】
安定であることを示す。
実施例1
[0075]
ドライバー回路と圧電トランスと整流平滑回路からなる電圧発生回路と、誤差増幅器と周波数変調回路と振幅補償回路とからなる帰還回路とから構成される安定化直流電源のブロック図を図4に示す。
圧電トランス
[0076]
圧電トランスはあらかじめ分極された圧電素子が持つ圧電効果を利用したものである。圧電素子に外力を加えて変形させれば電圧が発生し、逆に電圧を加えれば応力が発生し変形する。圧電トランスではこの効果を利用して、1次側で電気振動をいったん機械振動に変換して二次側に伝送し、二次側でこれを再び電気振動に戻すことにより、電気エネルギーを伝送する。このように、圧電トランスでは、電気的エネルギーが一次側で機械的振動に変換され、これが二次側で再び電気的エネルギーに再変換される。二次側はキャパシタンスであり、ここに機械的振動を通して電荷が注入されることにより電圧が発生する。
[0077]
圧電トランスは内部に共振回路を含む。このため圧電トランスは、通常の電磁トランスと異なり、鋭い周波数特性や大きな負荷依存性を示す。この圧電トランスが電圧発生回路に使用されている。圧電トランスの出力に負荷抵抗を接続し、入力電圧と出力電圧の比である昇圧比を考える。昇圧比はそれぞれの負荷抵抗に対して周波数の関数として共振特性を示す。つまり圧電トランスは共振周波数において最大の昇圧を示す。
整流平滑回路
[0078]
圧電トランスから出力される振幅変調された搬送波はダイオードブリッジ回路により全波整流される。ダイオードブリッジ回路の出力は出力キャパシタによってバッファされる。このバッファリングにより、出力電圧に含まれるリップルが減少する。出力電圧が正である場合、ダイオードブリッジ回路は電荷をキャパシタンスに汲み上げ電圧を上げることはできるが、キャパシタンスから電荷をくみ出し電圧を下げることはできない。搬送波の1周期で圧電トランスに蓄えられていた電荷が汲み上げられる。
[0079]
出力電圧が正の場合、出力電圧の変化を考える。電圧が上昇するためには、圧電トランスが負荷に電流を供給すると同時に出力キャパシタを充電することが必要である。またこ
【0038】
れらのキャパシタを負荷の抵抗を通して放電することにより出力電圧は下降する。電圧が上昇する場合の時定数は負荷が軽くなるに伴い小さくなる。出力電圧が下降する場合の時定数はおもにキャパシタと負荷の抵抗によって決まる。
誤差増幅器
[0080]
誤差増幅器は引き算回路と位相補償回路とから構成される。引き算回路は、電源の出力電圧と出力電圧を設定するために外部よ供給される参照電圧とを比較し、この電圧の差を出力する。
[0081]
位相補償回路の入力は引き算回路の出力である。位相補償回路は増幅器とその周辺回路から構成され、この伝達関数は原点に配置された極と2個のゼロ点を備えている。位相補償回路の入力はこの伝達関数により変換されて出力される。この出力はダイオードにより限られた範囲の電圧にクランプされている。
振幅補償回路
誤差増幅器の引き算回路の出力が振幅補償回路に入力される。振幅補償回路には整流平滑回路の遅れをキャンセルする回路が組み込まれている。振幅補償回路の出力がドライブパルス回路に入力される。
ドライバー回路
[0082]
圧電トランスを入力端子から見るとキャパシタンスが見える。キャパシタンスを効率的に駆動するためには正弦波を使用することが不可欠であり、インダクタンスと共振させることにより、ドライバー回路は近似的な正弦波を作り出している。
[0083]
圧電トランスを駆動するドライバー回路は2組のハーフブリッジを対にしたフルブリッジから構成される。ハーフブリッジは2個のFETとこれを駆動するための駆動回路からなる。ハーフブリッジを構成する2個のFETは互いにコンプリメンタリーな対をなすドライブパルスによって駆動される。2組のハーフブリッジから構成されるドライバー回路はすべて同一の周波数を持つ2組の対をなすあわせて4個のドライブパルスによって駆動される。
[0084]
ドライバー回路を構成するフルブリッジはフェイズシフト方式で動作する。フルブリッジを構成する4個のFETは2組のドライブパルスによって駆動される。2組のドライブパルスの間には位相差がある。この位相差を制御することにより圧電トランスを駆動する
【0039】
搬送波の振幅を制御する。ドライブパルスの周波数は周波数変調回路によって生成され、組の間の位相差は振幅補償回路の出力によって制御される。ドライブパルスはドライブパルス回路によって生成される。
ドライブパルス回路
[0085]
位相補償回路の出力と振幅補償回路の出力とがドライブパルス回路に入力される。ドライブパルス回路には周波数変調回路が含まれる。位相補償回路の出力がこの周波数変調回路に入力され、この入力の電圧に比例した周波数のパルス列が出力される。このパルス列から2組のドライブパルスが生成される。パルス列から2組のドライブパルスが生成される際に、振幅補償回路の出力がドライブパルスの組の間の位相差を制御する。
直流補助電源
[0086]
直流補助電源は、共振回路を駆動する搬送波を生成するドライバー回路に直流電圧を供給する。
シミュレーション用回路
[0087]
この安定化直流電源のシミュレーション用回路を図5に示す。帰還が安定であることをシミュレーションにより示す。シミュレーション用回路における電圧発生回路は、圧電トランスがその等価回路に置き換えられていることを除けば、回路ができるだけ忠実に再現されている。シミュレーション用回路における帰還回路は基本的には線形な回路である。このため帰還回路の入力と出力の関係を再現する簡単な回路がシミュレーション用回路に採用されている。
圧電トランスの等価回路
[0088]
この電源で使用されている圧電トランスの等価回路とそのパラメータを図6に示す。圧電トランスの等価回路には理想トランスが含まれている。図7のような,1次側コイルと2次側コイルの巻き線比がnである理想トランスを考える。1次側電圧Eと1次側電流I、2次側電圧Eと1次側電流Iは次の関係式を満たす。
[数181]
Figure 2009028017
圧電トランスの周波数依存性
[0089]
負荷の抵抗を1Ωから200mΩステップで200mΩまで変化させたときの圧電トランスの周波数依存性を図8に示す。図9にこの周波数依存性をシミュレートした回路を示す。この図において負荷はR76である。
誤差増幅器のシミュレーション用回路
[0090]
入力と出力の関係を数学的関係式を用いて指定できるビヘービアモデルと呼ばれる回路素子をシミュレーションに使用することができる。誤差増幅器のシミュレーション用回路を図10に示す。誤差増幅器は引き算回路と位相補償回路と一次遅れ生成回路とから構成される。引き算回路は2入力1出力のビヘービアモデルと増幅器からなる。ビヘービアモデルは入力の差が出力となるように設定されている。ビヘービアモデルの出力は増幅器によって増幅され、位相補償回路に入力される。
[0091]
位相補償回路は、積分器、ゲイン1の増幅器、微分器、さらに2入力の加算器2個とから構成される。積分器はゲインEの増幅器とビヘービアモデルとから構成される。関数SDT(x)の設定されビヘービアモデルは入力の時間積分を出力する。このビヘービアモデルからの出力がゲインEの増幅器に入力され、この増幅器からの出力が積分器の出力となる。
[0092]
微分器はゲインBの増幅器とビヘービアモデルとから構成される。関数DDT(x)の設定されビヘービアモデルは入力の時間微分を出力する。このビヘービアモデルからの出力がゲインBの増幅器に入力され、この増幅器からの出力が微分器の出力となる。
[0093]
積分器のゲインをE、微分器のゲインをBとするとき、位相補償回路の伝達関数は
[数182]
Figure 2009028017
によって与えられる。
[0094]
時定数Aの一次遅れの伝達関数は
[数183]
Figure 2009028017
である。一次遅れを実現するラプラス素子とよばれるビヘービアモデルをシミュレーションに利用することができる。一次遅れ発生回路はこのラプラス素子によって構成される。
[0095]
この図においてSは参照電圧を生成する電圧源である。引き算回路の増幅器に設定されたゲインはCである。引き算回路の増幅器に設定されたゲインを変えることにより直流的ループゲインを制御することが可能となる。図5のシミュレーション用回路では、E=15,B=0.001,C=1に設定されている。
振幅補償回路のシミュレーション用回路
[0096]
振幅補償回路のシミュレーション用回路を図11に示す。振幅補償回路は一次遅れ補償回路と低域通過フィルターとから構成される。一次遅れ補償回路は、整流平滑回路の遅れ
[数184]
Figure 2009028017
を補償する。よって一次遅れ補償回路の伝達関数は
[数185]
Figure 2009028017
を近似する。一次遅れ補償回路は、ゲイン1の増幅器、微分器、2入力の加算器1個とから構成される。
[0097]
低域通過フィルターは、帰還が有効となる周波数帯域の外側にある周波数成分を取り除く。低域通過フィルターは一次遅れのフィルターであり、ラプラス素子により実現されている。
ドライバー回路のシミュレーション用回路
[0098]
シミュレーション用のドライバー回路は電圧制御スイッチとドライブパルス回路から構成される。実際のドライバー回路ではFETが使用される。シミュレーション用の回路では、このFETは図12に示す4端子の電圧制御スイッチによってシミュレートされる。4端子スイッチの端子1,2は制御入力端子であり端子1と端子2との間の電圧の差が1V以上となると端子3と端子4の間が導通し、抵抗は0.1Ωとなる。導通していないときの端子3と端子4の間のインピーダンスは1MΩである。
[0099]
ドライバー回路には4個の電圧制御スイッチA、B、C、Dが含まれ、AとBまたCとDとがそれぞれハーフブリッジを構成する。AとBからなるハーフブリッジは互いにコンプリメンタリーなドライブパルスa、bによって駆動される。同様に、CとDからなるハーフブリッジはドライブパルスc、dによって駆動される。ドライブパルスa、b、c、dはドライブパルス回路によって生成される。
ドライブパルス回路のシミュレーション用回路
[0100]
図13にドライブパルス回路をシミュレートする回路を示す。シミュレーション用のドライブパルス回路は、実際の回路と異なりシミュレーションを容易にすべく数学的な関係式をもとに構成されている。シミュレーション用のドライブパルス回路に含まれている周波数変調回路の出力は、パルス列ではなく正弦波である。周波数変調回路の出力である正弦波と適当な直流レベルとを比較することにより、デッドタイムの設定された互いにコン
[0101]
プリメンタリーな1組のドライブパルスが生成される。
ライブパルス回路には2組の周波数変調回路A、Bが用意されている。周波数変調回路Bの出力する正弦波と周波数変調回路Aの出力する正弦波の間には位相のズレがあり、
[0102]
この位相の差は周波数変調回路Bに入力される振幅補償回路の出力によって制御される。
振幅補償回路の出力は、周波数変調回路Aの出力する正弦波に対して、周波数変調回路Bの出力する正弦波の位相を0からπの範囲で制御する

周波数変調回路のシミュレーション用回路
[0103]
ド周波数変調回路Aのシミュレーション用回路は、2個のビヘービアモデルM1,M2を組み合わせて図13に示すように構成される。ビヘービアモデルM1は入力の積分を出力する。ビヘービアモデルM2には入力を位相とする正弦波の式が設定されている。この結果、ビヘービアモデルM1に入力される電圧(すなわち誤差増幅器の出力)に比例した周波数を持つサイン波がビヘービアモデルM2から出力される。
安定な帰還のシミュレーション例
[0104]
安定化直流電源に組み込まれた帰還が安定であることをシミュレーション用回路5を用いて示す。この電源の定格の出力電圧は1Vである。定常的に1Aの電流が出力されているときに、幅100msecのパルス状の過渡的電流600mAが追加的に出力されたときの出力電圧の変化を、周波数変調回路の入力と引き算回路の出力ととともに図14に示す。図では横軸を時間軸として、縦軸1を周波数変調回路(VCO)の入力、縦軸2を引き算回路の出力、縦軸3を出力電圧として示されている。

Claims (3)

  1. 共振回路の共振周波数をωr、Q値をQ、共振周波数における昇圧比をgrとするとき、δ、ω0およびcを
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    と定義し、振幅が可変な周波数変調された搬送波を、定数wと正の実数値をとる時間の関数xとによって振幅を
    Figure 2009028017
    とし、時間の関数ψを位相として
    Figure 2009028017
    と表すとき、搬送波の変調帯域が共振回路の共振周波数に較べて十分に狭い共振回路の伝達関数を
    Figure 2009028017
    によって近似し、 数式5のψからφへの写像を
    Figure 2009028017
    と定義することにより数式5に記載された周波数変調された搬送波の周波数を
    Figure 2009028017
    と表し、rrおよびri
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    により定義するとき、伝達関数が数式6で与えられる共振回路に数式5で与えられる搬送波を入力したときの共振回路から出力される搬送波の振幅は、連立微分方程式
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    を満たすp、qにより
    Figure 2009028017
    と表すことが出来るので、共振回路から出力される搬送波を整流平滑して生成される直流電圧を、整流平滑を行う整流平滑回路の時定数をμ、振幅の乗数をνとして一時遅れを表すzに関する微分方程式
    Figure 2009028017
    の解として求め、
    この整流平滑回路からの出力電圧zとあらかじめ出力に電圧を設定する参照電圧λとの電圧の誤差を引き算回路によって求め、この電圧の誤差を搬送波の振幅w + xに帰還する帰還回路の伝達関数をG, Hを正の定数として
    Figure 2009028017
    と表すと
    数式15を数式11、数式12に代入することにより次式が得られ、
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017


    さらに整流平滑回路からの出力電圧zを参照電圧λと比較し、電圧の誤差を搬送波の周波数φに帰還する帰還回路の伝達関数は数式7に定義されたφと数式14のzと参照電圧 λと正数 k、d、E、A、Bとを使って、φ ≧ 0として
    Figure 2009028017
    と表せる原点に極の配置されている場合、この伝達関数を数式16、数式17、数式14の微分方程式と連立させることにより次の正規な微分方程式系を導き、
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017



    平衡点をpe, qe, ze, φeとするとき平衡点においてze = λすなわちx=0となるので、rを
    Figure 2009028017
    と表すときpe, qe, zeおよびλはφeの関数として次にように
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    表すことができ、この平衡点の近傍で線形化された微分方程式系の固有多項式をm(h)とし、m(h)を
    Figure 2009028017
    と表すと、
    Figure 2009028017
    として、係数 a0、a1、a2、a3、a4
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    となり、混乱のおそれがないので以後φeをφとかくことにすると、固有関数m(h)は次のように書くことができるので、
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017


    共振回路から整流平滑回路の出力までの伝達関数をFw、帰還回路の伝達関数をBkとし、閉ループの伝達関数Fw/(1+Fw Bk)を求めると、固有関数m(h)は閉ループ伝達関数Fw/(1+Fw Bk)の分母に定数倍を除き一致するので、固有多項式m(h)のすべての根の実部が負となるようにE、A, B、G, Hを選ぶことにより、閉ループ伝達関数の分母のすべての根の実部が負であるという意味で安定な帰還を実現することを特徴とする方法。
  2. 請求項1において、出力電圧zと参照電圧λとの間の電圧の誤差は引き算回路から電圧vとして出力され、この電圧vが搬送波の周波数と搬送波の振幅に帰還されるとき、電圧vが搬送波の周波数に帰還されることによる出力電圧への寄与を
    Figure 2009028017
    と書き、また電圧vが搬送波の振幅に帰還されたことによる出力電圧への寄与を
    Figure 2009028017
    と書くと、出力電圧zは
    Figure 2009028017
    と書け、引き算回路では
    Figure 2009028017
    が成り立つので
    Figure 2009028017
    と書けることがわかり、このとき
    Figure 2009028017
    は数式35で与えられる固有多項式m(h)について
    Figure 2009028017
    と等価であることからf, gについて共通の定数倍を除いてfとgとはそれぞれ次のように求められ、
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    このとき、定数μ1
    Figure 2009028017
    を満たす正の定数、またGを正の定数として数式15のGとHが
    Figure 2009028017
    と書ける場合にはgは
    Figure 2009028017
    と書け、またfについてfの分子の項E + Ah + Bh2について、hに関する2次方程式
    Figure 2009028017
    の実根が近似的に分母の項1 + μhをキャンセルする場合を考えると、
    数式41はm(h)=0と同値であり、f1(h)とf2(h)とを次のように定義すると
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    このとき
    Figure 2009028017
    が成り立ち、m(h)を、
    Figure 2009028017
    と書いたときの係数 a0, a1
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    と与えられ、またμ1は近似的にμに等しく、数式26、数式27から
    Figure 2009028017
    は参照電圧λすなわち出力電圧zeに等しいので、Gを
    Figure 2009028017
    と選ぶことにより、m(h)=0の4根の和をSとすると
    Figure 2009028017
    とすることができ、
    搬送波の振幅が一定値wのもとで出力電圧が搬送波の周波数に帰還されたときの固有多項式がf1( h )であり、f1(h)=0の特性代表根を0と-1/μとの区間に実根αとして配置し、このαに隣接する実根をβとすると、αとβはf1(h)の項E + A s + B s2によって次のように
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    荒く近似でき、hのαからβの範囲に含まれる区間で
    Figure 2009028017
    となり、さらに帰還に比例して負の方向に大きくなるので、y = f2( h )のグラフは 原点とh = -1/μ1とh = -(δ22)/δを通過する3次曲線であることから、hのαからβの範囲に含まれる区間で
    Figure 2009028017
    が成り立ち、G = 0の場合にはm( h )= f1( h )であるのでm( h ) = 0の根はf1(h) =0の根と一致し、Gが0から増加すると、グラフy = f1( h )とグラフy = f2( h )の交点のうちαの近傍の根はその絶対値が小さくなり、実根βの近傍の根は絶対値の大きくなり、さらにf1( h ) = f2( h )が2個の虚根を持つ場合には虚根の実部をγとするとき
    Figure 2009028017
    により定義されるSによって決まる虚根の実部の位置をGを通して制御することにより安定な帰還を実現することを特徴とする方法。
  3. 共振回路を駆動する搬送波を生成するドライバー回路とこの搬送波を入力とする共振回路と共振回路の出力である高周波交流を整流することにより当該電源の出力となる直流電圧を生成する整流平滑回路とを含む電圧発生回路と、電圧発生回路の出力電圧と外部から供給される出力電圧を設定する参照電圧とを入力とする引き算回路と引き算回路によって制御される位相補償回路と振幅補償回路とからなる帰還回路とを包含し、位相補償回路の制御する周波数変調器はドライバー回路の発生する搬送波の周波数を制御する手段を持ち、振幅補償回路はドライバー回路の発生する搬送波の振幅を制御する手段を持ち、共振回路を駆動する搬送波の周波数と振幅とを変調するので、この搬送波によって駆動される共振回路の出力は近似的に引き算回路の出力によって振幅変調された搬送波であり、整流平滑回路によって振幅変調された搬送波から復調された出力電圧を引き算回路に入力するとき、引き算回路から出力される電圧の誤差による出力電圧zのうち周波数変調による寄与をfvとし、振幅変調による寄与をgvとすると
    Figure 2009028017
    と書くことができ、位相補償回路の伝達関数をfB、振幅補償回路の伝達関数をgBとして,
    Figure 2009028017
    Figure 2009028017

    と書くと、前向きの伝達関数であるfFとgFはその分母に整流平滑回路の遅れに対応した項を共通に含むので、この項をfB、gBにより近似的にキャンセルすることにより帰還の遅れを減らし、周波数変調による帰還は振幅変調による帰還より遅れが大きいので、fBに原点あるいはその近傍に極を配置することにより周波数変調による帰還と帯域の広いゲインの大きい振幅変調による帰還との干渉を防ぎ安定な帰還を実現することを特徴とする方法
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