JPWO2009022477A1 - 生理活性物質を結合したノルボルネン系高分子重合体、その製法及び用途 - Google Patents
生理活性物質を結合したノルボルネン系高分子重合体、その製法及び用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2009022477A1 JPWO2009022477A1 JP2009528042A JP2009528042A JPWO2009022477A1 JP WO2009022477 A1 JPWO2009022477 A1 JP WO2009022477A1 JP 2009528042 A JP2009528042 A JP 2009528042A JP 2009528042 A JP2009528042 A JP 2009528042A JP WO2009022477 A1 JPWO2009022477 A1 JP WO2009022477A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- norbornene
- physiologically active
- active substance
- atom
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/14—Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
- A61K9/16—Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
- A61K9/1605—Excipients; Inactive ingredients
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/56—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
- A61K31/565—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids not substituted in position 17 beta by a carbon atom, e.g. estrane, estradiol
- A61K31/566—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids not substituted in position 17 beta by a carbon atom, e.g. estrane, estradiol having an oxo group in position 17, e.g. estrone
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/56—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
- A61K31/57—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids substituted in position 17 beta by a chain of two carbon atoms, e.g. pregnane or progesterone
- A61K31/573—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids substituted in position 17 beta by a chain of two carbon atoms, e.g. pregnane or progesterone substituted in position 21, e.g. cortisone, dexamethasone, prednisone or aldosterone
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/56—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
- A61K31/575—Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids substituted in position 17 beta by a chain of three or more carbon atoms, e.g. cholane, cholestane, ergosterol, sitosterol
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07J—STEROIDS
- C07J1/00—Normal steroids containing carbon, hydrogen, halogen or oxygen, not substituted in position 17 beta by a carbon atom, e.g. estrane, androstane
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07J—STEROIDS
- C07J5/00—Normal steroids containing carbon, hydrogen, halogen or oxygen, substituted in position 17 beta by a chain of two carbon atoms, e.g. pregnane and substituted in position 21 by only one singly bound oxygen atom, i.e. only one oxygen bound to position 21 by a single bond
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07J—STEROIDS
- C07J9/00—Normal steroids containing carbon, hydrogen, halogen or oxygen substituted in position 17 beta by a chain of more than two carbon atoms, e.g. cholane, cholestane, coprostane
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G61/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
- C08G61/02—Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes
- C08G61/04—Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms
- C08G61/06—Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms prepared by ring-opening of carbocyclic compounds
- C08G61/08—Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms prepared by ring-opening of carbocyclic compounds of carbocyclic compounds containing one or more carbon-to-carbon double bonds in the ring
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Steroid Compounds (AREA)
Abstract
【課題】生理活性物質を高密度で均一に分布している高分子重合体を提供すること。【解決手段】高分子重合体にポリノルボルネンを選択して用いることで、上記課題が解決できた。【選択図】 なし
Description
本発明は、生理活性物質を結合したノルボルネン系高分子重合体、その製法及び用途に関する。
より具体的には、本発明は、徐放性医薬などに用いることができ、また当該生理活性物質用のセンサや分析剤などに誘導することができる、ステロイドやホルモンなどの生理活性物質を化学結合したノルボルネン系高分子重合体に関する。
また、本発明は、生理活性物質を結合したノルボルネン誘導体モノマーにも関する。
より具体的には、本発明は、徐放性医薬などに用いることができ、また当該生理活性物質用のセンサや分析剤などに誘導することができる、ステロイドやホルモンなどの生理活性物質を化学結合したノルボルネン系高分子重合体に関する。
また、本発明は、生理活性物質を結合したノルボルネン誘導体モノマーにも関する。
ステロイド、ホルモンなどの生理活性物質を高分子重合体に保持させることによって、生理活性物質の放出速度など、その機能を調節することは従来から行なわれている。
例えば、生理活性物質と重合体とを溶解して混合した後溶媒を留去して混合物固体を形成させる方法である。しかし、このような方法では、生理活性物質を重合体中に高密度均一に分散保持させることは困難である。濃度にムラがあると徐放のコントロールが難しく、高密度均一分散できなければ分析剤に誘導した場合、高感度分析に用いることができない。
また、生理活性物質を固定化できる官能基を有するモノマーに生理活性物質を固定化した後共重合し、共重合体から該分子を除去してバイオセンサを製造する方法も知られているが(特許文献1,2)、いずれもビニル系の共重合体であり、嵩高な生理活性物質の固定化密度には限界があった。例えばステロイド類を対象とした例として、アクリル酸とステロイド類とを結合して得たモノマーをラジカル重合させる方法もあるが、ステロイドのような嵩高い置換基を有するビニルモノマーの重合のため、単独重合は困難であり、大量の架橋用モノマーとの共重合が行われている。架橋重合体のため不溶であり、共重合体の分子量や生理活性分子含有率の測定が不能となり、生理活性物質の取り込み量や均一性を確認できない。また、不溶のためフィルム化も不可能である。さらに、共重合しか進行しないためにステロイド類の固定化密度にも限界がある(非特許文献1)。
そこで、生理活性物質が高密度で均一に分布しており、かつ溶解性をもってフィルム化にも対応できるような高分子重合体が要望される。
特開2006−231262号公報
特開2006−337220号公報
Karube、Macromolecules 30(1997)1317
例えば、生理活性物質と重合体とを溶解して混合した後溶媒を留去して混合物固体を形成させる方法である。しかし、このような方法では、生理活性物質を重合体中に高密度均一に分散保持させることは困難である。濃度にムラがあると徐放のコントロールが難しく、高密度均一分散できなければ分析剤に誘導した場合、高感度分析に用いることができない。
また、生理活性物質を固定化できる官能基を有するモノマーに生理活性物質を固定化した後共重合し、共重合体から該分子を除去してバイオセンサを製造する方法も知られているが(特許文献1,2)、いずれもビニル系の共重合体であり、嵩高な生理活性物質の固定化密度には限界があった。例えばステロイド類を対象とした例として、アクリル酸とステロイド類とを結合して得たモノマーをラジカル重合させる方法もあるが、ステロイドのような嵩高い置換基を有するビニルモノマーの重合のため、単独重合は困難であり、大量の架橋用モノマーとの共重合が行われている。架橋重合体のため不溶であり、共重合体の分子量や生理活性分子含有率の測定が不能となり、生理活性物質の取り込み量や均一性を確認できない。また、不溶のためフィルム化も不可能である。さらに、共重合しか進行しないためにステロイド類の固定化密度にも限界がある(非特許文献1)。
そこで、生理活性物質が高密度で均一に分布しており、かつ溶解性をもってフィルム化にも対応できるような高分子重合体が要望される。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決すること、すなわち、生理活性物質を高密度で均一に分布保持しており、かつフィルム化にも対応可能な高分子重合体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、高分子重合体としてノルボルネン系重合体を選択して用いることで、上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明者らは、生理活性物質をノルボルネンに対して1:1結合させたモノマーを生成して開環メタセシス(ROM)重合させることによって、生理活性物質が結合したノルボルネン系高分子重合体を製造することができることを見出した。ステロイドやホルモンなど、分子量の大きい嵩高な生理活性物質であっても、ノルボルネンに化学結合させたモノマーであれば重合させることができる。通常であれば、嵩高な生理活性物質が重合を阻害するが、ノルボルネンはその構造上当該分子を二重結合から離れた位置に導入でき、かつ二重結合の持つ高歪みのためROM重合しやすいので、重合が妨げられない。嵩高な生理活性物質をノルボルネンに化学結合させるに際しては、ノルボルネンにエステル基などのリンカーを介して結合させるのが有利である。
また、1:1結合させたモノマーを単独重合させることができるので、重合体中の生理活性物質の密度を高密度、かつ均等に保持することができる。
さらに、このようにして得た生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体は、リンカー部分が加水分解するなどにより、生理活性物質を徐々に放出することができるので、徐放性医薬として応用することができる。また、本発明の重合体は容易にフィルム化することができるので、貼付薬などに応用することもできる。
さらにまた、生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を加水分解などにより強制的に脱離あるいは除去することによって、重合体に生理活性物質の脱離孔が形成される。そこには、当該生理活性物質を再度特異的に嵌合して収容することができるので、生理活性物質を特異的に認識するセンサや分析剤としての用途を生みだすことができた。本発明では、生理活性物質を高密度均一に保持させることができるので、高感度なセンサや分析剤が得られる。
すなわち、本発明者らは、生理活性物質をノルボルネンに対して1:1結合させたモノマーを生成して開環メタセシス(ROM)重合させることによって、生理活性物質が結合したノルボルネン系高分子重合体を製造することができることを見出した。ステロイドやホルモンなど、分子量の大きい嵩高な生理活性物質であっても、ノルボルネンに化学結合させたモノマーであれば重合させることができる。通常であれば、嵩高な生理活性物質が重合を阻害するが、ノルボルネンはその構造上当該分子を二重結合から離れた位置に導入でき、かつ二重結合の持つ高歪みのためROM重合しやすいので、重合が妨げられない。嵩高な生理活性物質をノルボルネンに化学結合させるに際しては、ノルボルネンにエステル基などのリンカーを介して結合させるのが有利である。
また、1:1結合させたモノマーを単独重合させることができるので、重合体中の生理活性物質の密度を高密度、かつ均等に保持することができる。
さらに、このようにして得た生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体は、リンカー部分が加水分解するなどにより、生理活性物質を徐々に放出することができるので、徐放性医薬として応用することができる。また、本発明の重合体は容易にフィルム化することができるので、貼付薬などに応用することもできる。
さらにまた、生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を加水分解などにより強制的に脱離あるいは除去することによって、重合体に生理活性物質の脱離孔が形成される。そこには、当該生理活性物質を再度特異的に嵌合して収容することができるので、生理活性物質を特異的に認識するセンサや分析剤としての用途を生みだすことができた。本発明では、生理活性物質を高密度均一に保持させることができるので、高感度なセンサや分析剤が得られる。
すなわち、本発明は、次に関するものである。
(1)生理活性物質を化学結合したノルボルネン系高分子重合体。
(2)重合体鎖のくり返し単位が下記の式(1)の構造である上記(1)記載のノルボルネン系高分子重合体。
(但し、Lはリンカー、Sは生理活性物質であり、くり返し単位数(重合度)は10〜4000である。m、p、q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;酸素原子、イオウ原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。)
(3)重合体鎖のくり返し単位が下記の式(2)の構造である上記(1)記載のノルボルネン系高分子重合体。
(但し、Lはリンカー、Sは生理活性物質、くり返し単位数(重合度)は10〜4000である。m、p、q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;酸素原子、イオウ原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。)
(4)生理活性物質Sが、ステロイドである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
(5)生理活性物質Sが、ホルモンである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
(6)リンカーLが、−(X)n−CO−O−(Y)n’−、−(X)n−CO−NH−(Y)n’−、−(X)n−O−(Y)n’−、−(X)n−Si−O−(Y)n’−のいずれかである上記(1)〜(5)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
(但し、X, Yは、それぞれ独立にCH2、フェニレン基もしくはそれらの混成体であり、n、n’は0〜20の整数を表す。)
(7)下記の式(3)で表される生理活性物質が結合したノルボルネン誘導体モノマー。
(但し、Lはリンカー、Sは生理活性物質を表す。m、p、q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;酸素原子、イオウ原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。)
(8)生理活性物質Sが、ステロイドである上記(7)に記載のノルボルネン誘導体モノマー。
(9)生理活性物質Sが、ホルモンである上記(7)に記載のノルボルネン誘導体モノマー。
(10)リンカーLが、−(X)n−CO−O−(Y)n’−、−(X)n−CO−NH−(Y)n’−、−(X)n−O−(Y)n’−、−(X)n−Si−O−(Y)n’−のいずれかである上記(7)〜(9)のいずれかに記載のノルボルネン誘導体モノマー。
(但し、X, Yは、それぞれ独立にCH2あるいは、フェニレン基もしくはそれらの混成体、であるがそれらの組み合わせでもよい。n、n’は0〜20の整数を表す。)
(11)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体からなるフィルム。
(12)次の工程からなる上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体の製造方法。
(1)リンカーとなりうる官能基を有するノルボルネン誘導体と生理活性物質とを反応させて生理活性物質が結合したノルボルネン誘導体モノマーを製造する工程
(2)該モノマーをメタセシス重合触媒の存在下で開環メタセシス重合(ROMP)させる工程
(13)触媒が周期表第4族から第10族までの遷移金属元素より選択された一種類の遷移金属のカルベン錯体またはその誘導体、もしくは遷移金属カルベン種を反応系中で発生しうるメタセシス重合触媒である上記(12)に記載のノルボルネン系高分子重合体の製造方法。
(14)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体を含む徐放性医薬。
(15)上記(11)に記載のフィルムからなる貼付薬。
(16)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を除去したノルボルネン系高分子重合体を含む生理活性物質識別用センサ。
(17)上記(11)に記載のフィルムから生理活性物質を除去したフィルムからなる生理活性物質識別用センサ。
(18)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を除去したノルボルネン系高分子重合体を含む生理活性物質分析剤。
(19)上記(11)に記載のフィルムから生理活性物質を除去したフィルムからなる生理活性物質分析剤。
(1)生理活性物質を化学結合したノルボルネン系高分子重合体。
(2)重合体鎖のくり返し単位が下記の式(1)の構造である上記(1)記載のノルボルネン系高分子重合体。
(3)重合体鎖のくり返し単位が下記の式(2)の構造である上記(1)記載のノルボルネン系高分子重合体。
(4)生理活性物質Sが、ステロイドである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
(5)生理活性物質Sが、ホルモンである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
(6)リンカーLが、−(X)n−CO−O−(Y)n’−、−(X)n−CO−NH−(Y)n’−、−(X)n−O−(Y)n’−、−(X)n−Si−O−(Y)n’−のいずれかである上記(1)〜(5)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
(但し、X, Yは、それぞれ独立にCH2、フェニレン基もしくはそれらの混成体であり、n、n’は0〜20の整数を表す。)
(7)下記の式(3)で表される生理活性物質が結合したノルボルネン誘導体モノマー。
(8)生理活性物質Sが、ステロイドである上記(7)に記載のノルボルネン誘導体モノマー。
(9)生理活性物質Sが、ホルモンである上記(7)に記載のノルボルネン誘導体モノマー。
(10)リンカーLが、−(X)n−CO−O−(Y)n’−、−(X)n−CO−NH−(Y)n’−、−(X)n−O−(Y)n’−、−(X)n−Si−O−(Y)n’−のいずれかである上記(7)〜(9)のいずれかに記載のノルボルネン誘導体モノマー。
(但し、X, Yは、それぞれ独立にCH2あるいは、フェニレン基もしくはそれらの混成体、であるがそれらの組み合わせでもよい。n、n’は0〜20の整数を表す。)
(11)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体からなるフィルム。
(12)次の工程からなる上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体の製造方法。
(1)リンカーとなりうる官能基を有するノルボルネン誘導体と生理活性物質とを反応させて生理活性物質が結合したノルボルネン誘導体モノマーを製造する工程
(2)該モノマーをメタセシス重合触媒の存在下で開環メタセシス重合(ROMP)させる工程
(13)触媒が周期表第4族から第10族までの遷移金属元素より選択された一種類の遷移金属のカルベン錯体またはその誘導体、もしくは遷移金属カルベン種を反応系中で発生しうるメタセシス重合触媒である上記(12)に記載のノルボルネン系高分子重合体の製造方法。
(14)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体を含む徐放性医薬。
(15)上記(11)に記載のフィルムからなる貼付薬。
(16)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を除去したノルボルネン系高分子重合体を含む生理活性物質識別用センサ。
(17)上記(11)に記載のフィルムから生理活性物質を除去したフィルムからなる生理活性物質識別用センサ。
(18)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を除去したノルボルネン系高分子重合体を含む生理活性物質分析剤。
(19)上記(11)に記載のフィルムから生理活性物質を除去したフィルムからなる生理活性物質分析剤。
本発明によると、生理活性物質が高密度で均一に分布している高分子重合体を提供することができた。本発明の生理活性物質を化学的に結合した高分子重合体は徐放性医薬、貼付薬、として用いることができ、センサ、分析剤に誘導できる。
以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
本発明の生理活性物質としては、ステロイドや動植物ホルモン、ビタミン、テルペン、オリゴペプチド、低分子糖鎖、ヌクレオチドなどがある。また環境ホルモンなどの微量の健康阻害有機化合物を対象とする分析剤に誘導することが目的の場合には、生理活性物質として当該環境ホルモンなどの有機化合物を用いることが出来る。
中でも、本発明には、ステロイドやホルモンが特に適する。ステロイドやホルモンは副作用も強いので急激に投与されるより、徐々に人体に投与されるのが好ましく、徐放性医薬に適するからである。ホルモンとしては、植物性ホルモン;性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの動物性ホルモンが好ましい。
本発明の生理活性物質としては、ステロイドや動植物ホルモン、ビタミン、テルペン、オリゴペプチド、低分子糖鎖、ヌクレオチドなどがある。また環境ホルモンなどの微量の健康阻害有機化合物を対象とする分析剤に誘導することが目的の場合には、生理活性物質として当該環境ホルモンなどの有機化合物を用いることが出来る。
中でも、本発明には、ステロイドやホルモンが特に適する。ステロイドやホルモンは副作用も強いので急激に投与されるより、徐々に人体に投与されるのが好ましく、徐放性医薬に適するからである。ホルモンとしては、植物性ホルモン;性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの動物性ホルモンが好ましい。
本発明のノルボルネン系高分子重合体は、生理活性物質を化学結合したノルボルネン誘導体モノマーを重合させて得られるが、用いられるノルボルネンとしては、次の式(ii)や(iii)の化合物が挙げられる。
上記式(ii)中、m、p、q、rはそれぞれ独立に0以上の整数であり、好ましくは0、1または2である。
Sは生理活性化合物を表す。Lはリンカーであり、エステル、アミド、エーテル、シロキシなどの加水分解可能な基を主鎖中に1個ないし複数個含む炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;酸素原子、イオウ原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。
Sは生理活性化合物を表す。Lはリンカーであり、エステル、アミド、エーテル、シロキシなどの加水分解可能な基を主鎖中に1個ないし複数個含む炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。
R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;酸素原子、イオウ原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。
上記炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、フェニル基などが挙げられる。また、上記炭化水素基は直接環構造に結合していてもよく、また連結基を介して結合していてもよい。
このような連結基としては、炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基(たとえば、−(CH2)k−(kは1〜10の整数)で表されるアルキレン基);フェニレン基;酸素、窒素、イオウまたはケイ素を含む連結基(例えば、カルボニル基(−CO−)、オキシカルボニル基(−O(CO)−)、スルホン基(−SO2−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−,−CONH−)、シロキサン結合(−OSiR2−(Rはメチル、エチル等のアルキル基))などが挙げられ、これらの複数を含む連結基であってもよい。
また、R1とR2および/またはR3は一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R1またはR2と、R3とは相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよく、該炭素環または複素環は、単環構造でも多環構造でもよい。
上記極性基としては、水酸基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基(たとえば、メトキシ基、エトキシ基等)、アルコキシカルボニル基(たとえば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリーロキシカルボニル基(たとえば、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、シアノ基、アミド基、イミド環含有基、トリオルガノシロキシ基(たとえば、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等)、トリオルガノシリル基(たとえば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基等)、アミノ基(たとえば、第1級アミノ基等)、アシル基、アルコキシシリル基(たとえば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等)、スルホニル含有基およびカルボキシ基(COOH)などが挙げられる。
このような単量体(以下、「単量体(ii)」ともいう。)の具体例として、[0014]に示した化合物の例のうち、任意の環炭素に結合した水素を上記 -L-S 基で置換したものを挙げることができる。本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。また、単量体(ii)は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ベンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[44.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ベンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[44.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
このような単量体(以下、「単量体(iii)」ともいう。)の具体例として、[0018]に示した化合物の例のうち、任意の環炭素に結合した水素を上記 -L-S 基で置換したものを挙げることができる。本発明はこれら具体例に限定されるものではない。また、単量体(iii)は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(α,βの両タイプとも可)、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
などを挙げることができる。
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2−ナフチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(α,βの両タイプとも可)、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
などを挙げることができる。
これらのうち、一般式(iii)のR1〜R3が全て水素原子、または何れか1つが炭素原子数1〜30の炭化水素基であり他が水素原子であるか、または何れか2つが炭素数3〜5のアルキレン基で連結されている単量体(iii)はその合成が容易である点で好ましい。
本発明でノルボルネン系高分子重合体というとき、重合体鎖がノルボルネンのみからなる場合だけでなく、ノルボルネンと他の重合性モノマーとの共重合鎖である場合も包含する。
共重合鎖を形成する他の重合性モノマーとして、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィンなどが用いられる。
共重合鎖を形成する他の重合性モノマーとして、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィンなどが用いられる。
本発明で、ノルボルネンに生理活性物質を化学結合させるとき、エステル基などのリンカーを介して結合させるのが好ましい。
リンカーとして用いられるのは例えば、−(X)n−CO−O−(Y)n’−、−(X)n−CO−NH−(Y)n’−、−(X)n−O−(Y)n’−、−(X)n−Si−O−(Y)n’−のいずれかである。これらの例示において、X側、あるいはY側のいずれがノルボルネンに結合しても構わない。
(但し、X, Yは、それぞれ独立にCH2、フェレン基もしくはそれらの混成体である。n、n’は0〜20の整数を表す。)
ここで、混成体とは、例えば、(X)nあるいは(Y)n’と表される置換基においても、メチレン基とフェニレン基とが混在していることを表す。より詳しく例示して説明すると、−(X)2−のとき、−CH2−フェニレン−であっても良いことを示す。
生理活性物質が嵩高な物質であるときには、nおよびn’のいずれかが1以上の値をもつ長いリンカーを用いる方がより好ましい。また、n、n’は12以下であるのが好ましい。
リンカーとして用いられるのは例えば、−(X)n−CO−O−(Y)n’−、−(X)n−CO−NH−(Y)n’−、−(X)n−O−(Y)n’−、−(X)n−Si−O−(Y)n’−のいずれかである。これらの例示において、X側、あるいはY側のいずれがノルボルネンに結合しても構わない。
(但し、X, Yは、それぞれ独立にCH2、フェレン基もしくはそれらの混成体である。n、n’は0〜20の整数を表す。)
ここで、混成体とは、例えば、(X)nあるいは(Y)n’と表される置換基においても、メチレン基とフェニレン基とが混在していることを表す。より詳しく例示して説明すると、−(X)2−のとき、−CH2−フェニレン−であっても良いことを示す。
生理活性物質が嵩高な物質であるときには、nおよびn’のいずれかが1以上の値をもつ長いリンカーを用いる方がより好ましい。また、n、n’は12以下であるのが好ましい。
<モノマーの製造>
本発明のノルボルネン系重合体を得るには、生理活性物質がノルボルネンに化学結合したノルボルネン誘導体モノマーを製造する必要がある。
このようなモノマーは、リンカーとなりうる官能基を有するノルボルネン誘導体を出発原料として生理活性物質と反応させて得られる。
出発原料として用いるリンカーとなりうる官能基を有するノルボルネン誘導体としては、例えば、ヒドロキシアルキル基、カルボキシ基、ハロゲンで置換されたカルボキシ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシ基、シロキシ基などで置換されたノルボルネンが挙げられ、5-ノルボルネン2-メタノール、5-ノルボルネン2-カルボン酸、5-ノルボルネン2-カルボン酸塩化物、5-ノルボルネン2-カルボン酸臭化物、5-ノルボルネン2-カルボン酸アルキルエステル、5-ノルボルネン2-カルボン酸無水物が好ましく用いられる。
本発明のノルボルネン系重合体を得るには、生理活性物質がノルボルネンに化学結合したノルボルネン誘導体モノマーを製造する必要がある。
このようなモノマーは、リンカーとなりうる官能基を有するノルボルネン誘導体を出発原料として生理活性物質と反応させて得られる。
出発原料として用いるリンカーとなりうる官能基を有するノルボルネン誘導体としては、例えば、ヒドロキシアルキル基、カルボキシ基、ハロゲンで置換されたカルボキシ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシ基、シロキシ基などで置換されたノルボルネンが挙げられ、5-ノルボルネン2-メタノール、5-ノルボルネン2-カルボン酸、5-ノルボルネン2-カルボン酸塩化物、5-ノルボルネン2-カルボン酸臭化物、5-ノルボルネン2-カルボン酸アルキルエステル、5-ノルボルネン2-カルボン酸無水物が好ましく用いられる。
ノルボルネンの二重結合が酸化されるのを防ぐため、リンカーとなりうる官能基を有するノルボルネン誘導体と生理活性物質との反応は、アルゴンまたはチッソなどの不活性雰囲気で行なうのが好ましい。
<重合方法>
本発明では、重合体は、モノマーをメタセシス重合触媒の存在下で開環メタセシス重合(ROMP)させて得るのが好ましい。当反応で用いるメタセシス重合触媒としては、主として遷移金属のカルベン錯体が用いられるが、WCl6/SnMe4系(文献例 Tetrahedron Lett., 21 (1980) 1715) のように反応系中で遷移金属カルベン種を発生出来る混合系を用いてもよい。好ましくは各種のルテニウムカルベン錯体(文献例 Aldrichimica Acta, 38 (2005) 3-16)、モリブデンやタングステンのカルベン錯体(文献例Angew. Chem. Int. Ed.,45 (2006) 3748)が用いられる。
本発明では、重合体は、モノマーをメタセシス重合触媒の存在下で開環メタセシス重合(ROMP)させて得るのが好ましい。当反応で用いるメタセシス重合触媒としては、主として遷移金属のカルベン錯体が用いられるが、WCl6/SnMe4系(文献例 Tetrahedron Lett., 21 (1980) 1715) のように反応系中で遷移金属カルベン種を発生出来る混合系を用いてもよい。好ましくは各種のルテニウムカルベン錯体(文献例 Aldrichimica Acta, 38 (2005) 3-16)、モリブデンやタングステンのカルベン錯体(文献例Angew. Chem. Int. Ed.,45 (2006) 3748)が用いられる。
本発明では、上記触媒を用いたノルボルネン系単量体の重合は塊状で行っても良いし、溶液中で行っても良い。溶液中で重合を行う場合には、触媒活性に悪影響を与えない溶媒を使用する必要がある。使用可能な溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素系炭化水素;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドのようなアミド化合物などが挙げられる。これらの溶媒は混合して使用してもよい。
重合を行う際には、重合させるノルボルネン系単量体と触媒を混合するが、その混合順序は特に限定されない。
重合反応は、アルゴンまたはチッソなどの不活性雰囲気で行なうのが好ましい。
重合温度も特に制限されないが、一般には、−100℃〜150℃、好ましくは−50℃〜120℃である。温度が低すぎると重合速度が遅くなり、温度が高すぎると触媒の活性が低下する。上記範囲内で重合温度を選択することにより、重合速度や分子量などを調整することができる。
重合時間も特に制限はなく、例えば1分間〜100時間である。
重合反応は、アルゴンまたはチッソなどの不活性雰囲気で行なうのが好ましい。
重合温度も特に制限されないが、一般には、−100℃〜150℃、好ましくは−50℃〜120℃である。温度が低すぎると重合速度が遅くなり、温度が高すぎると触媒の活性が低下する。上記範囲内で重合温度を選択することにより、重合速度や分子量などを調整することができる。
重合時間も特に制限はなく、例えば1分間〜100時間である。
生理活性物質を結合したモノマー(ii) や(iii)は単独重合することによって、生理活性物質をノルボルネンユニットと1:1(モル比)の比率で重合体中に保持してもよいし、共重合体にすることによって、生理活性物質の密度を薄めることもできる。そのとき、共重合モノマーとしては特にシクロオレフィンが好ましく、前記段落[0014]に記されたオレフィン、および段落[0017]に記載された化合物が用いられる。
前述の製造方法で製造した本発明の生理活性物質を結合したノルボルネン系高分子重合体は、その重合体鎖くりかえし単位に次の構造を有することが好ましい。
(但し、Lはリンカー、Sは生理活性物質、重合度は40〜4000、m、p、q、rはそれぞれ独立に0〜4の整数、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;酸素原子、イオウ原子、窒素原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有してもよい、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表す。)
例えばm=p=0の場合で生理活性物質がステロイドの一種のエストロンであり、リンカーとして−CO−O−を選ぶとき、式(1)の繰り返し構造単位は、次の式(4)になる。
重合体中には、上記式(4)の構造単位を40〜4000含むのが好ましい。
<重合体の物性>
このようにして得られたノルボルネン系重合体のクロロホルム中(30℃)で測定した固有粘度(ηinh)は、0.2〜5dl/g、好ましくは0.3〜4dl/g、特に好ましくは0.5〜3dl/gである。上記範囲を超えると、溶液粘度が高くなりすぎ、加工性が悪化することがあり、上記範囲よりも低いと、フィルム強度が低下することがある。
このようにして得られたノルボルネン系重合体のクロロホルム中(30℃)で測定した固有粘度(ηinh)は、0.2〜5dl/g、好ましくは0.3〜4dl/g、特に好ましくは0.5〜3dl/gである。上記範囲を超えると、溶液粘度が高くなりすぎ、加工性が悪化することがあり、上記範囲よりも低いと、フィルム強度が低下することがある。
ノルボルネン系重合体の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、通常、8,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜500,000、特に好ましくは20,000〜100,000であり、また、重量平均分子量(Mw)が、通常、20,000〜3,000,000、好ましくは30,000〜1,000000、特に好ましくは40,000〜500,000の範囲である。また、分子量分布は、上記のMw/Mnが、通常、1〜10、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜5である。
ノルボルネン系重合体のSP値(溶解度パラメーター)は、好ましくは10〜30(MPa1/2)、さらに好ましくは12〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)である。SP値が上記範囲にあることにより、ノルボルネン系重合体を汎用の溶剤に良好に溶解でき、安定したフィルムの製造ができるとともに、得られるフィルムの特性が均一となり、接着性・基板との密着性を良好なものとすることができ、さらに吸水率を適度にコントロールすることが可能となる。
ノルボルネン系重合体のガラス転移温度(Tg)は、ノルボルネン系重合体の構成単位の種類、組成比、添加剤等の有無により異なるが、通常、80〜350℃、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは120〜200℃である。Tgが上記範囲よりも低いと、熱変形温度が低くなり、耐熱性に問題が生じるおそれがある。また、Tgが上記範囲よりも高いと、延伸加工等にTg近辺まで加熱して加工する場合に樹脂が熱劣化する可能性が高くなる。
さらに、式(1)の構造単位を有する重合体を水素化することによって、式(2)の構造単位を有する重合体に変換することもできる。
本発明には、この式(2)の構造を重合体鎖中に有する重合体も含まれる。
式(1)を有する重合体は、空気中熱を加えると酸化され易いので、使用条件で高温に暴露される用途には、水素化還元して式(2)の構造を有する重合体にするのが好ましい。
水素化は、ノルボルネン系重合体の水素化反応として公知の方法で行なう。
例えば、撹拌機を備えた槽型反応器中で水素化触媒の存在下水素化した後、次いでピストンフロー型反応器中で水素化する方法を用いることができる。
式(1)を有する重合体は、空気中熱を加えると酸化され易いので、使用条件で高温に暴露される用途には、水素化還元して式(2)の構造を有する重合体にするのが好ましい。
水素化は、ノルボルネン系重合体の水素化反応として公知の方法で行なう。
例えば、撹拌機を備えた槽型反応器中で水素化触媒の存在下水素化した後、次いでピストンフロー型反応器中で水素化する方法を用いることができる。
<フィルムの製造>
本発明の生理活性物質を化学結合させたノルボルネン系高分子重合体は、容易にフィルム化することができる。フィルム以外の形態として、粉末、ペレットでもよい。
本発明に係るノルボルネン系重合体フィルムは、上記のようにして得られたノルボルネン系重合体を溶液流延法(溶液キャスト法)により成膜することにより得ることができる。
本発明の生理活性物質を化学結合させたノルボルネン系高分子重合体は、容易にフィルム化することができる。フィルム以外の形態として、粉末、ペレットでもよい。
本発明に係るノルボルネン系重合体フィルムは、上記のようにして得られたノルボルネン系重合体を溶液流延法(溶液キャスト法)により成膜することにより得ることができる。
溶液キャスト法としては、たとえば、ノルボルネン系重合体を適当な溶媒に溶解または分散させて適度の濃度の液体にし、これを適当な基材上に注ぐかまたは塗布して乾燥した後、得られる樹脂膜を基材から剥離させる方法が挙げられる。
ノルボルネン系重合体溶液または分散液(以下これらを総称して「樹脂溶液」という。)中におけるノルボルネン系重合体成分の濃度は、通常、0.1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは5〜35重量%である。ノルボルネン系重合体成分の濃度が上記範囲よりも低い場合には、十分な厚みを有するフィルムが得られないことがあり、また、溶媒の蒸発に伴って生ずる発泡等によって、良好な表面平滑性を有するフィルムが得られないことがある。一方、ノルボルネン系重合体成分の濃度が上記範囲を超える場合には、樹脂溶液の粘度が高くなりすぎ、厚みや表面状態が均一なフィルムが得られないことがある。
また、樹脂溶液は、室温における粘度が、通常、1〜1,000,000mPa・s、好ましくは10〜100,000mPa・s、さらに好ましくは100〜50,000mPa・s、特に好ましくは1,000〜40,000mPa・sである。
樹脂溶液の調製に用いられる溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等のセロソルブ系溶媒;ジアセトンアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、エチルシクロヘキサノン、1,2−ジメチルシクロヘキサン等のケトン系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶媒;2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン含有溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;1−ペンタノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒を挙げることができる。
本発明の生理活性物質を化学結合させたノルボルネン系高分子重合体は徐放性医薬として有用性を有する。
ノルボルネン系高分子重合体におけるリンカー部分が空気中の水分や生体中の水分によって徐々に加水分解することによって、生理活性物質を徐々に放出する。
放出速度は、リンカーの種類によって調整することが可能である。
特に、ステロイドやホルモン製剤においては、そのまま投与するより、徐放性にするほうが、長時間作用を持続させることができるし、副作用の点でも好ましい。
医薬形態は、粉末、マイクロカプセル、ペレットなどがある。
また、フィルム化したノルボルネン系高分子重合体は、貼付薬として用いることもできる。
ノルボルネン系高分子重合体におけるリンカー部分が空気中の水分や生体中の水分によって徐々に加水分解することによって、生理活性物質を徐々に放出する。
放出速度は、リンカーの種類によって調整することが可能である。
特に、ステロイドやホルモン製剤においては、そのまま投与するより、徐放性にするほうが、長時間作用を持続させることができるし、副作用の点でも好ましい。
医薬形態は、粉末、マイクロカプセル、ペレットなどがある。
また、フィルム化したノルボルネン系高分子重合体は、貼付薬として用いることもできる。
さらに、本発明の生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体は、生理活性物質のセンサや分析剤としても応用できる。
生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を加水分解脱離あるいは除去することによって、重合体に生理活性物質の脱離孔が形成され、そこに試料中に混在する当該生理活性物質が近接すると、特異的に嵌合して結合することができる。この原理により、生理活性物質を特異的に認識するセンサや分析剤としても利用できる。本発明では、生理活性物質を高密度均一に保持させることができるので、高感度なセンサや分析剤が得られる。
生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を脱離あるいは除去するためには、酸もしくはアルカリ性の水溶液もしくはアルコール溶液 あるいはこれらの混合溶液を用いて行うことができる。
生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を加水分解脱離あるいは除去することによって、重合体に生理活性物質の脱離孔が形成され、そこに試料中に混在する当該生理活性物質が近接すると、特異的に嵌合して結合することができる。この原理により、生理活性物質を特異的に認識するセンサや分析剤としても利用できる。本発明では、生理活性物質を高密度均一に保持させることができるので、高感度なセンサや分析剤が得られる。
生理活性物質が化学結合したノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を脱離あるいは除去するためには、酸もしくはアルカリ性の水溶液もしくはアルコール溶液 あるいはこれらの混合溶液を用いて行うことができる。
以下には、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
<モノマーの合成>
1.モノマー合成
[モノマー A, B合成]
1) 胆汁酸パーホルメート (1g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン-2-メタノール(390mg)、2,4,6-トリニトロクロロベンゼン(1.3g)(東京化成)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で5時間攪拌した。
4) ジエチルエーテル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=8:2〜7:3)
5) 次いで、ホルミル基の脱保護を行うため、単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一晩放置した。ヘキサン:酢酸エチル=3:7にて目的物を溶出させた。
Aは収量0.44g (収率40%)、Bは収量0.33g(収率30%)で得られた。
1.モノマー合成
[モノマー A, B合成]
1) 胆汁酸パーホルメート (1g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン-2-メタノール(390mg)、2,4,6-トリニトロクロロベンゼン(1.3g)(東京化成)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で5時間攪拌した。
4) ジエチルエーテル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=8:2〜7:3)
5) 次いで、ホルミル基の脱保護を行うため、単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一晩放置した。ヘキサン:酢酸エチル=3:7にて目的物を溶出させた。
[モノマー Cの合成]
1) コルチゾン (1g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン-2-カルボン酸(400mg)、2,4,6-トリニトロクロロベンゼン(1.3g)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で5時間攪拌した。
4) ジエチルエーテル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチ=3:7)
5)単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、塩化メチレン:アセトン=1:1にて目的物を溶出させた。
さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量0.86g(収率65%)であった。
上記2)において、5-ノルボルネン-2-カルボン酸の代わりにその塩化物を同量用い、2,4,6-トリニトロクロロベンゼンを加えることなく30分間反応させることによっても、モノマーCが得られる。収量0.67g(収率50%)であった。
1) コルチゾン (1g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン-2-カルボン酸(400mg)、2,4,6-トリニトロクロロベンゼン(1.3g)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で5時間攪拌した。
4) ジエチルエーテル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチ=3:7)
5)単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、塩化メチレン:アセトン=1:1にて目的物を溶出させた。
さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量0.86g(収率65%)であった。
[モノマー Dの合成]
1) エストロン (1g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン-2-カルボン酸(500mg)、2,4,6-トリニトロクロロベンゼン(1.3g)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で5時間攪拌した。
4) ジエチルエーテル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=3:2)
5)単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて目的物を溶出させた。
さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量1.18g(収率82%)であった。
上記2)において、5-ノルボルネン-2-カルボン酸の代わりにその塩化物を同量用い、2,4,6-トリニトロクロロベンゼンを加えることなく30分間反応させることによっても、モノマーDが得られる。収量0.86g(収率60%)であった。
1) エストロン (1g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン-2-カルボン酸(500mg)、2,4,6-トリニトロクロロベンゼン(1.3g)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で5時間攪拌した。
4) ジエチルエーテル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=3:2)
5)単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて目的物を溶出させた。
さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量1.18g(収率82%)であった。
[モノマー Eの合成]
1) ビスフェノール A (1.46g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4Aモレキュラーシーブ (1.5g) を加えた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら5-ノルボルネン-2-カルボン酸塩化物(400mg)を反応容器に滴下した。
3) ジエチルエーテル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=4:1)
4) 単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、展開溶媒としてヘキサン:酢酸エチル=9:1を200 ml流した後、酢酸エチルにて目的物を溶出させた。
さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量0.27g(収率12%)であった。
1) ビスフェノール A (1.46g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4Aモレキュラーシーブ (1.5g) を加えた後、マグネチックスターラーで攪拌しながら5-ノルボルネン-2-カルボン酸塩化物(400mg)を反応容器に滴下した。
3) ジエチルエーテル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=4:1)
4) 単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、展開溶媒としてヘキサン:酢酸エチル=9:1を200 ml流した後、酢酸エチルにて目的物を溶出させた。
さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量0.27g(収率12%)であった。
[モノマー Fの合成]
1) β-エストラジオール (1g)を5mlのピリジンと5mlのベンゼンの混合溶媒に溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン2-カルボン酸 クロライド(500mg)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で5分間攪拌した。
4) 酢酸エチル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=7:3)
5) 単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、ヘキサン:酢酸エチル=4:1にて目的物を溶出させた。さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量0.28g (収率20 %)であった。
1) β-エストラジオール (1g)を5mlのピリジンと5mlのベンゼンの混合溶媒に溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン2-カルボン酸 クロライド(500mg)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で5分間攪拌した。
4) 酢酸エチル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=7:3)
5) 単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、ヘキサン:酢酸エチル=4:1にて目的物を溶出させた。さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量0.28g (収率20 %)であった。
[モノマー Gの合成]
1) プレドニゾン (1g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン2-カルボン酸 クロライド(400mg)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で30分攪拌した。
4) 酢酸エチル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢エチル=2:3)
5) 単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて目的物を溶出させた。さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量 0.79g (収率60 %)であった。
1) プレドニゾン (1g)を10mlのピリジンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン2-カルボン酸 クロライド(400mg)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で30分攪拌した。
4) 酢酸エチル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢エチル=2:3)
5) 単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて目的物を溶出させた。さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量 0.79g (収率60 %)であった。
[モノマー Hの合成]
1) デキサメタゾン (1g)を5mlのピリジンと5mlのベンゼンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン2-カルボン酸 クロライド(420mg)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で30分攪拌した。
4) 酢酸エチル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢エチル=2:3)
5) 単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて目的物を溶出させた。さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量 0.72g (収率55 %)であった。
1) デキサメタゾン (1g)を5mlのピリジンと5mlのベンゼンに溶解させた。
2) 4AMS (5g)、5-ノルボルネン2-カルボン酸 クロライド(420mg)を加え、フラスコをN2置換した。
3) 室温で30分攪拌した。
4) 酢酸エチル/飽和食塩水にて溶媒抽出し、有機層を回収し、シリカゲルオープンカラムクロマトグラフィーにて生成物を単離した。(展開溶媒はヘキサン:酢エチル=2:3)
5) 単離した生成物をアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに吸着させて一時間放置し、ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて目的物を溶出させた。さらに、もう一度、同一条件でアルミナオープンカラムクロマトグラフィーに通導した。
収量 0.72g (収率55 %)であった。
3.製造確認(データ)
得られたモノマーA〜HのNMRスペクトルを図1〜8に示す。
マススペクトルによる親ピークとハイマススペクトルによる分子量測定の結果は以下のとおりである。(測定装置:JEOL GCmate)
A: 組成式C32H50O4 498.3709
LR-EI-MS, 498 (M+, 10%)
HR-EI-MS, Calculated for C32H50O4 [M]+: 498.3709. Found: m/z, 498.3715.
B: 組成式C32H50O4 498.3709
LR-EI-MS, 498 (M+, 2%)
HR-EI-MS, Calculated for C32H50O4 [M]+: 498.3709. Found: m/z, 498.3704.
C: 組成式C29H36O6 480.2512
LR-EI-MS, 480 (M+, 44%)
HR-EI-MS, Calculated for C29H36O6 [M]+: 480.2512. Found: m/z, 480.2510.
D: 組成式C26H30O3 390.2195
LR-EI-MS, 390 (M+, 34%)
HR-EI-MS, Calculated for C26H30O3 [M]+: 390.2195. Found: m/z, 390.2200.
E: 組成式C23H24O3 348.1725
LR-EI-MS, 348 (M+, 41%)
HR-EI-MS, Calculated for C23H24O3 [M]+: 348.1725. Found: m/z, 348.1723.
F: 組成式C26H32O3 392.2351
LR-EI-MS, 392 (M+, 10%)
HR-EI-MS, Calculated for C26H32O3[M]+: 392.2351. Found: m/z, 392.2351.
G: 組成式C29H34O6 478.2355
LR-EI-MS, 478 (M+, 22%)
HR-EI-MS, Calculated for C29H34O6[M]+: 478.2355. Found: m/z, 478.2355.
H: 組成式C30H37O6F 512.2574
LR-EI-MS, 512 (M+, 6%)
HR-EI-MS, Calculated for C30H37O6F [M]+: 512.2574. Found: m/z, 512.2569.
得られたモノマーA〜HのNMRスペクトルを図1〜8に示す。
マススペクトルによる親ピークとハイマススペクトルによる分子量測定の結果は以下のとおりである。(測定装置:JEOL GCmate)
A: 組成式C32H50O4 498.3709
LR-EI-MS, 498 (M+, 10%)
HR-EI-MS, Calculated for C32H50O4 [M]+: 498.3709. Found: m/z, 498.3715.
B: 組成式C32H50O4 498.3709
LR-EI-MS, 498 (M+, 2%)
HR-EI-MS, Calculated for C32H50O4 [M]+: 498.3709. Found: m/z, 498.3704.
C: 組成式C29H36O6 480.2512
LR-EI-MS, 480 (M+, 44%)
HR-EI-MS, Calculated for C29H36O6 [M]+: 480.2512. Found: m/z, 480.2510.
D: 組成式C26H30O3 390.2195
LR-EI-MS, 390 (M+, 34%)
HR-EI-MS, Calculated for C26H30O3 [M]+: 390.2195. Found: m/z, 390.2200.
E: 組成式C23H24O3 348.1725
LR-EI-MS, 348 (M+, 41%)
HR-EI-MS, Calculated for C23H24O3 [M]+: 348.1725. Found: m/z, 348.1723.
F: 組成式C26H32O3 392.2351
LR-EI-MS, 392 (M+, 10%)
HR-EI-MS, Calculated for C26H32O3[M]+: 392.2351. Found: m/z, 392.2351.
G: 組成式C29H34O6 478.2355
LR-EI-MS, 478 (M+, 22%)
HR-EI-MS, Calculated for C29H34O6[M]+: 478.2355. Found: m/z, 478.2355.
H: 組成式C30H37O6F 512.2574
LR-EI-MS, 512 (M+, 6%)
HR-EI-MS, Calculated for C30H37O6F [M]+: 512.2574. Found: m/z, 512.2569.
<重合>
1.重合反応
エストロン-ノルボルネン結合体モノマー(D)の粉末0.5g(1.28 mmol)および触媒としてルテニウム−ビニリデン錯体 [RuCl2(P(Cyclohexyl)3)2(CCH-t-Bu)] の結晶1mg(1.28 μmol)を容器にいれアルゴン置換した後、脱気した1,2-ジクロロエタン10 mlを加え70°Cで65時間撹拌した。反応混合物を多量のメタノールに注ぐと重合体が白色固体として沈殿した。収量0.49g (収率97 %)であった。
モノマー(A)〜(C)(E)についても、上記のモノマー(D)と同様の方法によって重合体を得た。
1.重合反応
エストロン-ノルボルネン結合体モノマー(D)の粉末0.5g(1.28 mmol)および触媒としてルテニウム−ビニリデン錯体 [RuCl2(P(Cyclohexyl)3)2(CCH-t-Bu)] の結晶1mg(1.28 μmol)を容器にいれアルゴン置換した後、脱気した1,2-ジクロロエタン10 mlを加え70°Cで65時間撹拌した。反応混合物を多量のメタノールに注ぐと重合体が白色固体として沈殿した。収量0.49g (収率97 %)であった。
モノマー(A)〜(C)(E)についても、上記のモノマー(D)と同様の方法によって重合体を得た。
2.製造確認(データ)
[0050]に記した重合化の条件を更に種々変更して得た重合体について、重合条件、及び収率、得られた重合体の分子量について[表1]にまとめた。
[0050]に記した重合化の条件を更に種々変更して得た重合体について、重合条件、及び収率、得られた重合体の分子量について[表1]にまとめた。
<フィルム化>
上記で得られたポリマー 各0.4gをTHF 15mLに溶解し、この溶液を8cm径のシャーレに移して1日放置し溶媒を蒸発させると、無色透明で強度があり、折り曲げに強いフィルムが得られた。
得られたフィルムからポリマーのIRスペクトルを得て図9〜13に示した。
上記で得られたポリマー 各0.4gをTHF 15mLに溶解し、この溶液を8cm径のシャーレに移して1日放置し溶媒を蒸発させると、無色透明で強度があり、折り曲げに強いフィルムが得られた。
得られたフィルムからポリマーのIRスペクトルを得て図9〜13に示した。
<重合>
以下の重合反応は実施例2と同様に実施したが、触媒となる錯体として市販の、[RuCl2(P(Cyclohexyl)3)2(CHPh)] (シグマアルドリッチ(株) 579726、以下Grubbs1と略)または[RuCl2(C(N(Mes)CH2)2)(P(Cyclohexyl)3)(CHPh)] (シグマアルドリッチ(株) 569747、以下Grubbs2と略)を用いた。得られた重合体について[表2」にまとめた。
以下の重合反応は実施例2と同様に実施したが、触媒となる錯体として市販の、[RuCl2(P(Cyclohexyl)3)2(CHPh)] (シグマアルドリッチ(株) 579726、以下Grubbs1と略)または[RuCl2(C(N(Mes)CH2)2)(P(Cyclohexyl)3)(CHPh)] (シグマアルドリッチ(株) 569747、以下Grubbs2と略)を用いた。得られた重合体について[表2」にまとめた。
<フィルム化>
上記で得られたポリマーF,Hを 各0.4gをTHF 15mLに溶解し、この溶液を8cm径のシャーレに移して1日放置し溶媒を蒸発させると、無色透明で強度があり、折り曲げに強いフィルムが得られた。
得られたフィルムからポリマーのIRスペクトルを得て図14,15に示した。
上記で得られたポリマーF,Hを 各0.4gをTHF 15mLに溶解し、この溶液を8cm径のシャーレに移して1日放置し溶媒を蒸発させると、無色透明で強度があり、折り曲げに強いフィルムが得られた。
得られたフィルムからポリマーのIRスペクトルを得て図14,15に示した。
<共重合反応>
実施例2で得たエストロン-ノルボルネン結合体モノマー(D)の粉末0.23g (0.586 mmol)と、ノルボルネン0.055g(0.586 mmol)およびルテニウム-ビニリデン錯体[RuCl2(P(Cyclohexyl)3)2(CCH-t-Bu)]の結晶0.5mg(0.6 μmol)を容器にいれ、脱気した1,2-ジクロロエタン5 mlを加え、70℃で24時間撹拌した。反応混合物を多量のメタノールに注ぎ、重合体を白色固体(収量0.19 g)として得た。GPCによる測定ではやや幅のあるシングルピークが観測され、分子量はMn=262,000, Mw/Mn=2.48 (ポリスチレン基準)であった。1H NMRスペクトル(CDCl3溶媒)では、d 6.75ppm 付近にエストロンの芳香環水素2つに帰属される重なったピークが観測され、これらピークの積分値と、他の水素によるピーク(d 5.6〜5.2:アルケン水素、d 3.2〜0.8:アルカン水素)の積分値を比較することにより、共重合体中にはノルボルネンとモノマーDがほぼ1.2/1の割合で取り込まれていることがわかった。
実施例2で得たエストロン-ノルボルネン結合体モノマー(D)の粉末0.23g (0.586 mmol)と、ノルボルネン0.055g(0.586 mmol)およびルテニウム-ビニリデン錯体[RuCl2(P(Cyclohexyl)3)2(CCH-t-Bu)]の結晶0.5mg(0.6 μmol)を容器にいれ、脱気した1,2-ジクロロエタン5 mlを加え、70℃で24時間撹拌した。反応混合物を多量のメタノールに注ぎ、重合体を白色固体(収量0.19 g)として得た。GPCによる測定ではやや幅のあるシングルピークが観測され、分子量はMn=262,000, Mw/Mn=2.48 (ポリスチレン基準)であった。1H NMRスペクトル(CDCl3溶媒)では、d 6.75ppm 付近にエストロンの芳香環水素2つに帰属される重なったピークが観測され、これらピークの積分値と、他の水素によるピーク(d 5.6〜5.2:アルケン水素、d 3.2〜0.8:アルカン水素)の積分値を比較することにより、共重合体中にはノルボルネンとモノマーDがほぼ1.2/1の割合で取り込まれていることがわかった。
<フィルム化>
上記で得られた共重合体0.4gをTHF 15mLに溶解し、この溶液を8cm径のシャーレに移して1日放置し溶媒を蒸発させると、無色透明で強度があり、折り曲げに強いフィルムが得られた。
得られたフィルムからポリマーのIRスペクトルを得て図16に示した。
上記で得られた共重合体0.4gをTHF 15mLに溶解し、この溶液を8cm径のシャーレに移して1日放置し溶媒を蒸発させると、無色透明で強度があり、折り曲げに強いフィルムが得られた。
得られたフィルムからポリマーのIRスペクトルを得て図16に示した。
<徐放試験>
[実施例2で得たポリマーDを用いたエステロン加水分解試験]
1.酸による加水分解
1. 粉末、フィルム状のエストロン-ノルボルネンポリマー (1 mg)をそれぞれ4つ分取した。
2. 1 μMのHCl水溶液 (pH 5.2)を100 μl加え、36 oCで12時間、5日、7日放置した。
3. 反応液を中和し、ポリマーを混入させないようにメタノールで反応容器を洗いながらシリンジで溶液をマイクロチューブに移し、溶液をエバポレートした。
4. 内部標準として1.6 mMのプレグネノロンメタノール溶液を50 μl加えてGCにて定量した。
[実施例2で得たポリマーDを用いたエステロン加水分解試験]
1.酸による加水分解
1. 粉末、フィルム状のエストロン-ノルボルネンポリマー (1 mg)をそれぞれ4つ分取した。
2. 1 μMのHCl水溶液 (pH 5.2)を100 μl加え、36 oCで12時間、5日、7日放置した。
3. 反応液を中和し、ポリマーを混入させないようにメタノールで反応容器を洗いながらシリンジで溶液をマイクロチューブに移し、溶液をエバポレートした。
4. 内部標準として1.6 mMのプレグネノロンメタノール溶液を50 μl加えてGCにて定量した。
2.塩基による加水分解
1. 粉末、フィルム状のエストロン-ノルボルネンポリマー (1 mg)をそれぞれ3つ分取した。
2. 1μMのKOH水溶液 (pH 9.1)を100 μl加え、36 oCで12時間、5日、7日放置した。
3. 反応液を中和し、ポリマーを混入させないようにメタノールで反応容器を洗いながらシリンジで溶液をマイクロチューブに移し、溶液をエバポレートした。
4. 内部標準として1.6 mMのプレグネノロン/メタノール溶液を50 μl加えてGCにて定量した。
1. 粉末、フィルム状のエストロン-ノルボルネンポリマー (1 mg)をそれぞれ3つ分取した。
2. 1μMのKOH水溶液 (pH 9.1)を100 μl加え、36 oCで12時間、5日、7日放置した。
3. 反応液を中和し、ポリマーを混入させないようにメタノールで反応容器を洗いながらシリンジで溶液をマイクロチューブに移し、溶液をエバポレートした。
4. 内部標準として1.6 mMのプレグネノロン/メタノール溶液を50 μl加えてGCにて定量した。
3.加水分解試験の結果
結果を図17,18に示した。図17,18で横軸は反応時間、縦軸は反応率を表す。
結果を図17,18に示した。図17,18で横軸は反応時間、縦軸は反応率を表す。
以上のとおり、本発明によって、徐放性医薬、貼付薬、センサ、分析剤などに応用ができる生理活性物質を結合したノルボルネン高分子重合体提供することができたので、産業上の有用性を有する。
Claims (19)
- 生理活性物質を化学結合したノルボルネン系高分子重合体。
- 重合体鎖のくり返し単位が下記の式(1)の構造である請求項1記載のノルボルネン系高分子重合体。
- 重合体鎖のくり返し単位が下記の式(2)の構造である請求項1記載のノルボルネン系高分子重合体。
- 生理活性物質Sが、ステロイドである請求項1〜3のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
- 生理活性物質Sが、ホルモンである請求項1〜3のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
- リンカーLが、−(X)n−CO−O−(Y)n’−、−(X)n−CO−NH−(Y)n’−、−(X)n−O−(Y)n’−、−(X)n−Si−O−(Y)n’−のいずれかである請求項1〜5のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体。
(但し、X, Yは、それぞれ独立にCH2、フェニレン基もしくはそれらの混成体であり、n、n’は0〜20の整数を表す。) - 下記の式(3)で表される生理活性物質が結合したノルボルネン誘導体モノマー。
- 生理活性物質Sが、ステロイドである請求項7に記載のノルボルネン誘導体モノマー。
- 生理活性物質Sが、ホルモンである請求項7に記載のノルボルネン誘導体モノマー。
- リンカーLが、−(X)n−CO−O−(Y)n’−、−(X)n−CO−NH−(Y)n’−、−(X)n−O−(Y)n’−、−(X)n−Si−O−(Y)n’−のいずれかである請求項7〜9のいずれかに記載のノルボルネン誘導体モノマー。
(但し、X, Yは、それぞれ独立にCH2、フェニレン基もしくはそれらの混成体、n、n’は0〜20の整数を表す。) - 請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体からなるフィルム。
- 次の工程からなる請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体の製造方法。
(1)リンカーとなりうる官能基を有するノルボルネン誘導体と生理活性物質とを反応させて生理活性物質が結合したノルボルネン誘導体モノマーを製造する工程
(2)該モノマーをメタセシス重合触媒の存在下で開環メタセシス重合(ROMP)させる工程 - 触媒が周期表第4族から第10族までの遷移金属元素より選択された一種類の遷移金属のカルベン錯体またはその誘導体、もしくは遷移金属カルベン種を反応系中で発生しうるメタセシス重合触媒である請求項12に記載のノルボルネン系高分子重合体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体を含む徐放性医薬。
- 請求項11に記載のフィルムからなる貼付薬。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を除去したノルボルネン系高分子重合体を含む生理活性物質識別用センサ。
- 請求項11に記載のフィルムから生理活性物質を除去したフィルムからなる生理活性物質識別用センサ。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルネン系高分子重合体から生理活性物質を除去したノルボルネン系高分子重合体を含む生理活性物質分析剤。
- 請求項11に記載のフィルムから生理活性物質を除去したフィルムからなる生理活性物質分析剤。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007208756 | 2007-08-10 | ||
JP2007208756 | 2007-08-10 | ||
PCT/JP2008/053758 WO2009022477A1 (ja) | 2007-08-10 | 2008-03-03 | 生理活性物質を結合したノルボルネン系高分子重合体、その製法及び用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2009022477A1 true JPWO2009022477A1 (ja) | 2010-11-11 |
Family
ID=40350535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009528042A Withdrawn JPWO2009022477A1 (ja) | 2007-08-10 | 2008-03-03 | 生理活性物質を結合したノルボルネン系高分子重合体、その製法及び用途 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPWO2009022477A1 (ja) |
WO (1) | WO2009022477A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2014332069B2 (en) | 2013-10-07 | 2016-12-01 | University Of Connecticut | Self-assembled brush block copolymer-nanoparticles for drug delivery |
WO2016061310A2 (en) * | 2014-10-15 | 2016-04-21 | University Of Connecticut | Bio-reducible self-assembled liquid crystalline block copolymer for drug delivery |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001048964A (ja) * | 1999-05-28 | 2001-02-20 | Hitachi Chem Co Ltd | 樹脂粒子の製造法 |
JP2003502488A (ja) * | 1999-06-17 | 2003-01-21 | ウィスコンシン・アラムナイ・リサーチ・ファウンデイション | 多価アレイおよび多価アレイのコンビナトリアルライブラリーを作製する方法および試薬 |
GB0419268D0 (en) * | 2004-08-31 | 2004-09-29 | Givaudan Sa | Organic compounds |
-
2008
- 2008-03-03 WO PCT/JP2008/053758 patent/WO2009022477A1/ja active Application Filing
- 2008-03-03 JP JP2009528042A patent/JPWO2009022477A1/ja not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2009022477A1 (ja) | 2009-02-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7037993B2 (en) | Norbornene-based ring-opening polymerization polymer, product of hydrogenation of norbornene-based ring-opening polymerization polymer, and processes for producing these | |
Kobayashi et al. | Regioselective Ring-Opening Metathesis Polymerization of 3-Substituted Cyclooctenes with Ether Side Chains. | |
US7271223B2 (en) | Norbomene compounds with cross-linkable groups and their derivatives | |
EP1996631B1 (en) | Metathesis interpolymers having terminal functional group(s) | |
JP2009287042A (ja) | 開環オレフィン重合体およびその水素化物の製造方法 | |
TW200906870A (en) | Norbornene monomers with epoxy group and polymer material thereof | |
TW200904839A (en) | Norbornene monomers with fluorene group and polymer material thereof | |
Biagini et al. | Investigation into the ROMP copolymerization of peptide‐and PEG‐functionalized norbornene derivatives | |
JPWO2009022477A1 (ja) | 生理活性物質を結合したノルボルネン系高分子重合体、その製法及び用途 | |
US7084222B2 (en) | Ruthenium complexes, process for preparation thereof, and processes for producing open-ring polymer of cycloolefins and hydrogenation products thereof by using the complex as catalyst | |
JP5265914B2 (ja) | 反応性官能基を提示する刺激性ポリマー粒子、その製造方法、及び使用 | |
FR3075802A1 (fr) | Procede de polymerisation de cycloolefines par metathese avec ouverture de cycle | |
EP1598384A1 (en) | Novel polymer and process for producing the same | |
JP3143804B2 (ja) | キャストフィルム | |
JP5239180B2 (ja) | スピロ環含有ノルボルネン誘導体、ノルボルネン系重合体、ノルボルネン系開環重合体水素化物、光学樹脂材料及び光学成形体 | |
JPH07196736A (ja) | ノルボルネン系重合体およびその製造方法 | |
JP2003292586A (ja) | ノルボルネン系開環重合体、ノルボルネン系開環重合体水素化物及びそれらの製造方法 | |
US8349999B2 (en) | Pyrene-containing norbornene methylene amine and polymer thereof, and method for manufacturing the polymer | |
JP3175293B2 (ja) | 延伸フィルム | |
JP2011006498A (ja) | 樹脂組成物およびフィルム | |
JP2003089689A (ja) | ルテニウム錯体化合物、その製造方法、メタセシス反応用触媒及び水素化反応用触媒 | |
JP2003301032A (ja) | ノルボルネン系開環重合体、ノルボルネン系開環重合体水素化物およびそれらの製造方法 | |
JP2005126372A (ja) | 架橋基を有するノルボルネン系化合物及びそれに誘導される重合体 | |
Murphy et al. | Synthesis and ring opening metathesis polymerisation of isoxazolino-and isoxazolidino-norbornenes | |
JP3928407B2 (ja) | 開環重合体および開環重合体水素化物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A529 | Written submission of copy of amendment under section 34 (pct) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A5211 Effective date: 20091224 |
|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20091224 |
|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110510 |