JPWO2009011420A1 - 2型糖尿病の治療薬 - Google Patents
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Abstract
本発明によれば、ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する薬剤が脂肪肝または肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療薬を提供することができる。
Description
本発明は、ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する脂肪肝や肝機能障害等を伴う2型糖尿病の治療薬に関する。
糖尿病は高血糖を主徴とし、食生活の変化、栄養過多や運動不足を背景とした慢性代謝疾患の一つである。その患者数は2006年の段階で、日本国内に約740万人、世界においては約1億9400万人とも言われている。
糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病に大別される。
糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病に大別される。
1型糖尿病の成因としては、自己免疫機序等によるインスリン産生細胞の膵ランゲルハンス島の破壊による絶対的インスリン欠乏が挙げられる。そのため1型糖尿病の治療にはインスリン治療が必須となる。
一方、2型糖尿病の成因としては、インスリン抵抗性およびインスリン分泌低下が挙げられる。さらに2型糖尿病の発症には肥満、過食および運動不足等の生活習慣が深く関わっていると考えられている。また2型糖尿病が日本人の糖尿病の約95%を占め、治療法の開発は重要な課題となっている。
このように、1型糖尿病と2型糖尿病はそれぞれの成因が異なるため、両者の治療法は区別すべきものであると考えられている。
このように、1型糖尿病と2型糖尿病はそれぞれの成因が異なるため、両者の治療法は区別すべきものであると考えられている。
2型糖尿病の治療法としては、まず食事療法や運動療法が選択される。しかし、食事療法や運動療法によって十分な血糖コントロールが得られなかった場合や食事療法や運動療法の継続的実施が困難な場合には、薬物療法が併用される。現在、2型糖尿病治療薬としては、ビグアナイド薬、スルホニルウレア薬、α-グルコシダーゼ阻害薬やインスリン抵抗性改善薬等が使用されている。しかし、これらの従来の2型糖尿病治療薬には肝機能障害の発生の可能性が報告されており、肝機能障害を伴った2型糖尿病患者への2型糖尿病薬の投与は禁忌あるいは慎重投与となっている。そのため、肝機能障害を伴った2型糖尿病患者に安全に投与することができる有用性の高い2型糖尿病治療薬の開発が嘱望されている。
ウルソデオキシコール酸(以下、本明細書において、ウルソデオキシコール酸を「UDCA」と称することがある。)は、胆汁酸製剤であり、胆汁うっ滞性肝疾患等の慢性肝炎に広範に使用されている薬剤である。UDCAの薬理作用としては、利胆作用、細胞障害性を有するケノデオキシコール酸(CDCA)あるいはデオキシコール酸(DCA)等の内因性疎水性胆汁酸のUDCAへの置換作用、細胞保護作用、抗アポトーシス作用、RANTES誘導阻害作用等が報告されている(特許文献1、2、3、4及び非特許文献1)。
これまで1型糖尿病のモデル動物であるアロキサン投与ラットに、UDCAを経口投与した結果血糖が低下することが報告されている(非特許文献2)。しかし、上述の通り、1型糖尿病と2型糖尿病は病態としても明確に異なることが知られている。そのため、当該結果から、UDCAが肝機能障害を伴った2型糖尿病患者に安全に投与することができる有用性の高い薬剤であることは予測できず、またそのことに関しては報告もない。
また、タウリン抱合型ウルソデオキシコール酸(以下、本明細書において、タウリン抱合ウルソデオキシコール酸を「TUDCA」と称することがある)が、2型糖尿病モデルマウス(ob/obマウス)において、血糖を低下させることが報告されている(非特許文献3)。しかしながら、ob/obマウスはレプチン欠損による遺伝性の過食肥満に基づく糖尿病モデルであり、肝機能障害モデルとして使用することができるという報告はない。そのため、当該結果から、UDCAが肝機能障害を伴った2型糖尿病患者に安全に投与することができる有用性の高い薬剤であるは予測できず、またそのことに関しては報告もない。
特開平9-59162号公報
特開平9-315979号公報
特開2004−35503号公報
特開2007-106730号公報
J Leukoc Biol 2005 78 442
Cell Biochem Func 2004 22 97
Science 2006 313 1137
本発明の課題は、脂肪肝や肝機能障害等を伴う2型糖尿病の治療薬を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩(ウルソデオキシコール酸等と総称することもある)が脂肪肝や肝機能障害等を伴う2型糖尿病の治療薬として有用であることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療薬。
(2) ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療薬。
(3) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する脂肪肝である上記(2)に記載の治療薬。
(4) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝炎である上記(2)に記載の治療薬。
(5) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝硬変である上記(2)に記載の治療薬。
(6) ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療方法。
(7) ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療方法。
(8) 上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の治療薬、および当該治療薬を脂肪肝もしくは肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療のために使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
(1) ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療薬。
(2) ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療薬。
(3) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する脂肪肝である上記(2)に記載の治療薬。
(4) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝炎である上記(2)に記載の治療薬。
(5) 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝硬変である上記(2)に記載の治療薬。
(6) ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療方法。
(7) ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療方法。
(8) 上記(1)〜(5)のいずれか1に記載の治療薬、および当該治療薬を脂肪肝もしくは肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療のために使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
本発明によれば、脂肪肝や肝機能障害等を伴う2型糖尿病を治療するためにウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、安全に投与することができ有用性の高い治療薬を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、脂肪肝または肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療薬(以下本発明の治療薬ともいう)を提供するものである。
本発明は、ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、脂肪肝または肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療薬(以下本発明の治療薬ともいう)を提供するものである。
本発明においてウルソデオキシコール酸(UDCA)とは、胆汁酸の一種であり、特開2001-261696号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により容易に合成することができる。また、田辺三菱製薬株式会社より「ウルソ(登録商標)」として市販されている。本発明においては、市販の「ウルソ(登録商標)」をそのまま使用することも可能である。
本発明においてウルソデオキシコール酸の薬理学的に許容される塩とは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等アルカリ土類金属塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の有機塩基との塩等が挙げられる。これらの塩は、公知の方法、例えば特開2001-261696号公報等に記載の方法により得ることができる。
本発明において脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が沈着している状態を指す。例えば、脂肪滴を伴う肝細胞が30%以上認められる症例等が該当し、これは画像により診断することが可能である。
脂肪肝はさらに、単純性脂肪肝、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease(NAFLD))および非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis(NASH))に分類される。ここで、単純性脂肪肝とは、組織診断において肝細胞の脂肪沈着のみを認める症例を指す。非アルコール性脂肪性肝疾患とは、脂肪肝の中でも、飲酒歴はないがアルコール性肝障害に類似した軽度の脂肪性肝障害を認める症例を指す。非アルコール性脂肪肝炎とは、肝細胞の脂肪沈着に加え壊死・炎症等や線維化を伴う症例を指す(NASH・NAFLDの診療ガイドライン、社団法人 日本肝臓学会、2006年8月22日発行)。なお、単純性脂肪肝および非アルコール性脂肪性肝の肝障害の程度は軽度であり、肝細胞壊死を反映するアラニンアミノトランスフェラーゼまたはグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(ALTまたはGPTと略)といった肝障害の指標となる臨床検査値が正常値を示す場合もあることが知られている。
本発明において肝機能障害とは、肝臓の有する様々な機能の少なくとも一つが障害されている状態を示す。肝臓の機能としては、代謝機能、排泄機能、解毒機能、凝固・線溶因子の生成機能等が挙げられる(臨床検査法提要 金井正光 編著 1993年 金原出版(株))。これらの機能がウィルス感染、過剰なアルコール摂取、生活習慣の乱れ、ストレス等の様々な原因により障害されている状態を肝機能障害という。
肝機能障害に起因する疾患としては、例えば脂肪肝、急性肝炎、慢性肝炎、肝不全、肝硬変等の疾患が挙げられる。
ここで、肝機能を評価するための臨床検査値としては、ALT値が汎用されている。ただし、臨床検査値の正常値については、臨床検査会社ごとに差があることが知られている。具体的には三菱化学メディエンス社においては、ヒトの場合にはALTの正常値は10から40 IU/Lと定められている。本発明においては、三菱化学メディエンス社の測定したサンプルのALT値が、40 IU/Lよりも高値を示す場合には肝機能障害を伴うと認定する。なお本発明においては、三菱化学メディエンス社の指標に従うが、肝臓の様々な機能を検査する項目は多岐に渡るため、本発明における肝機能障害の定義はこれらの記載に限定されるものではない。
ここで、肝機能を評価するための臨床検査値としては、ALT値が汎用されている。ただし、臨床検査値の正常値については、臨床検査会社ごとに差があることが知られている。具体的には三菱化学メディエンス社においては、ヒトの場合にはALTの正常値は10から40 IU/Lと定められている。本発明においては、三菱化学メディエンス社の測定したサンプルのALT値が、40 IU/Lよりも高値を示す場合には肝機能障害を伴うと認定する。なお本発明においては、三菱化学メディエンス社の指標に従うが、肝臓の様々な機能を検査する項目は多岐に渡るため、本発明における肝機能障害の定義はこれらの記載に限定されるものではない。
本発明において2型糖尿病とは、インスリン抵抗性が主原因となり、相対的なインスリン分泌不足を伴う病態、インスリン分泌低下が主原因となり、インスリン抵抗性を伴う病態等が含まれる。すなわち、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性の二つを原因とする糖尿病のことである。ここで、1型糖尿病は、自己免疫機序等によるインスリン産生細胞の膵ランゲルハンス島の破壊による絶対的インスリン欠乏を成因とする。そのため、2型糖尿病で観察されるインスリン分泌低下と、1型糖尿病で観察されるインスリン分泌欠乏は病態が明らかに異なる(「科学的根拠(evidence)に基づく糖尿病診療ガイドライン」2004年 初版 日本糖尿病学会発行)。
本発明の治療薬は、ウルソデオキシコール酸と1種または2種以上の製剤用添加物を含む医薬組成物を調製することができる。経口投与に適した医薬組成物としては、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤等を挙げることができ、非経口投与に適した医薬組成物としては、例えば、液剤あるいは懸濁剤等の殺菌した液状の形態の医薬組成物を例示することができる。
医薬組成物の調製に用いられる製剤用添加物の種類は特に制限されず、種々医薬組成物の形態に応じて適宜製剤用添加物を選択することができる。製剤用添加物は固体または液体のいずれであってもよく、例えば固体担体や液状担体等を用いることができる。
固体担体の例としては、通常のゼラチンタイプのカプセルを用いることができる。また、例えば、有効成分を1種または2種以上の製剤用添加物とともに、あるいは製剤用添加物を用いずに錠剤化することができ、あるいは粉末として調製して包装することができる。例えば、これらのカプセル、錠剤、粉末には、一般的には製剤の全重量に対して、ウルソデオキシコール酸に換算して、5〜95重量%、好ましくは5〜90重量%のウルソデオキシコール酸等を含有することができる。
また上記投与単位形態に配合される量としては、ウルソデオキシコール酸に換算して、5〜500mg、好ましくは25〜250mgのウルソデオキシコール酸等を含有するものが挙げられる。
液状担体としては水、あるいは石油、ピーナツ油、大豆油、ミネラル油、ゴマ油等の動植物起源の油または合成の油が用いられる。また、一般に生理食塩水、デキストロールあるいは類似のショ糖溶液、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類が液状担体として好ましく、特に生理食塩水を用いた注射液の場合には、ウルソデオキシコール酸に換算して、通常0.5〜20%、好ましくは1〜10%重量のウルソデオキシコール酸等を含むように調製することができる。
本発明の治療薬を医薬として用いる場合の投与量は、疾患の種類、投与方法、病態、患者の年令等によっても異なるが、通常、成人に対し1日当り、ウルソデオキシコール酸に換算して、経口で30〜3000mg、好ましくは150〜1200mg、静注で5〜400mg、好ましくは50〜200mgである。これらを1日1〜6回、好ましくは1〜3回に分割して投与することができる。食前、食後、食間は問わず、投与期間は特に限定されない。
また上記投与単位形態に配合される量としては、ウルソデオキシコール酸に換算して、5〜500mg、好ましくは25〜250mgのウルソデオキシコール酸等を含有するものが挙げられる。
液状担体としては水、あるいは石油、ピーナツ油、大豆油、ミネラル油、ゴマ油等の動植物起源の油または合成の油が用いられる。また、一般に生理食塩水、デキストロールあるいは類似のショ糖溶液、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類が液状担体として好ましく、特に生理食塩水を用いた注射液の場合には、ウルソデオキシコール酸に換算して、通常0.5〜20%、好ましくは1〜10%重量のウルソデオキシコール酸等を含むように調製することができる。
本発明の治療薬を医薬として用いる場合の投与量は、疾患の種類、投与方法、病態、患者の年令等によっても異なるが、通常、成人に対し1日当り、ウルソデオキシコール酸に換算して、経口で30〜3000mg、好ましくは150〜1200mg、静注で5〜400mg、好ましくは50〜200mgである。これらを1日1〜6回、好ましくは1〜3回に分割して投与することができる。食前、食後、食間は問わず、投与期間は特に限定されない。
本発明は、ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む脂肪肝または肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療方法を提供する。
投与対象としては、脂肪肝または肝機能障害に罹患する可能性がある対象であれば特に限られないが、ヒト、ヒト以外の哺乳動物(ブタ、ウシ、ウマ、イヌ等の家畜、ネコ等の愛玩動物等)が挙げられる。
投与対象としては、脂肪肝または肝機能障害に罹患する可能性がある対象であれば特に限られないが、ヒト、ヒト以外の哺乳動物(ブタ、ウシ、ウマ、イヌ等の家畜、ネコ等の愛玩動物等)が挙げられる。
本発明は、ウルソデオキシコール酸を有効成分として含有する2型糖尿病の治療薬、および当該治療薬を脂肪肝もしくは肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療のために使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージを提供する。
以下、実施例を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
実施例1:
以下の方法により2型糖尿病マウスに対するUDCAの血糖低下作用を評価した。
以下の方法により2型糖尿病マウスに対するUDCAの血糖低下作用を評価した。
2型糖尿病モデルであるKK−Ayマウス(雄、入荷時5週齢、1群=5匹)の肝臓中の中性脂肪を増加させるために、45%kcal高脂肪食(D12451:Research Diets, Inc.より購入)を8週間自由摂取させた。一方対照として通常食(MF、オリエンタル酵母工業より購入)を自由摂取させる群を設けた。
薬剤投与開始前の血糖値がほぼ等しくなるように高脂肪食群および通常食群のそれぞれの群を、UDCA投与群およびUDCA非投与群に群分けした。UDCA投与群には、UDCAを150mg/kg/日ずつ14日間経口投与して、UDCA非投与群には、精製水(pH8.3)を5mL/kg/日ずつ14日間経口投与した。
一晩絶食後投与13日目に採血し、血糖値を測定した。さらに、投与15日目に肝臓を採取し、肝臓中の中性脂肪値を測定した。
一晩絶食後投与13日目に採血し、血糖値を測定した。さらに、投与15日目に肝臓を採取し、肝臓中の中性脂肪値を測定した。
結果を図1に示す。
45%kcal高脂肪食投与群の肝臓は、通常食投与群の肝臓に比べて肝臓中の中性脂肪値が有意に増加しており、脂肪肝を呈していた(図1a)。
また、UDCA投与により、通常食投与群の血糖値を低下させなかったが、高脂肪食投与群においては、血糖値を低下させた(図1b)。
すなわちUDCAは、高脂肪食負荷により増加した血糖値を有意に低下させた。
45%kcal高脂肪食投与群の肝臓は、通常食投与群の肝臓に比べて肝臓中の中性脂肪値が有意に増加しており、脂肪肝を呈していた(図1a)。
また、UDCA投与により、通常食投与群の血糖値を低下させなかったが、高脂肪食投与群においては、血糖値を低下させた(図1b)。
すなわちUDCAは、高脂肪食負荷により増加した血糖値を有意に低下させた。
以上のことから、UDCAは脂肪肝や肝機能障害を伴わない2型糖尿病には効果が認められないが、脂肪肝や肝機能障害を伴う2型糖尿病に対しては有効であることが明らかとなった。さらに、UDCA投与に起因する肝機能障害の発生は認められておらず、UDCAは肝機能障害を伴う2型糖尿病患者に安全に投与することができる2型糖尿病治療薬として有用であることが明らかになった。
本発明によれば、新規な脂肪肝や肝機能障害等を伴う2型糖尿病の治療薬を提供することができる。
以上、本発明の具体的な態様のいくつかを詳細に説明したが、当業者であれば示された特定の態様には、本発明の教示と利点から実質的に逸脱しない範囲で様々な修正と変更をなすことは可能である。従って、そのような修正および変更も、すべて後記の請求の範囲で請求される本発明の精神と範囲内に含まれるものである。
本出願は日本で出願された特願2007−186430を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。
Claims (8)
- ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療薬。
- ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療薬。
- 肝機能障害が、肝機能障害に起因する脂肪肝である請求項2に記載の治療薬。
- 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝炎である請求項2に記載の治療薬。
- 肝機能障害が、肝機能障害に起因する肝硬変である請求項2に記載の治療薬。
- ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む脂肪肝を伴う2型糖尿病の治療方法。
- ウルソデオキシコール酸またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与対象に投与することを含む肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の治療薬、および当該治療薬を脂肪肝もしくは肝機能障害を伴う2型糖尿病の治療のために使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
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WO2009011420A1 (ja) | 2009-01-22 |
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