JPWO2009004949A1 - スルホン酸基含有炭素質材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法は、固体酸触媒として反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を、硫酸存在下で加熱処理して再活性化する工程を有する。

Description

本発明は、固体酸触媒として反応に使用したことによって活性が低下したスルホン酸基含有炭素質材料を再活性化することによる、スルホン酸基含有炭素質材料の製造方法に関する。
硫酸は種々の化学プロセスで使用されている重要な触媒である。しかし一般的に大量の硫酸を必要とすること、装置の腐食の問題があること、反応後の生成物からの硫酸の分離、回収、精製、再利用の工程、生成物中に残留する硫酸の中和、およびそれにより生成する塩の除去および廃棄、排水処理などの工程を必要とすること、さらにこれら工程では多くのエネルギーを要することなど多くの問題がある。硫酸等の鉱酸触媒に代えて固体酸触媒を使用すると、装置の腐食がなく、分離などの反応後の種々の工程が省略もしくは大幅に簡略化されることから、各種化学反応に対する触媒として有用であり、様々な固体酸が開発されている。代表的な固体酸としては、シリカ・アルミナ、結晶性アルミノ珪酸塩(ゼオライト)、ヘテロポリ酸などの無機化合物の他、強酸型イオン交換樹脂などの高分子化合物が知られている。
オレフィンの水和反応はアルコール類やケトン類の製造等のために工業的に重要な反応であり、この反応には酸触媒が使用される。イソプロピルアルコールまたはメチルエチルケトンの原料である2−ブタノールは、プロピレンまたはn−ブテンの水和を利用した各種方法によって製造される。水和反応工程の多くのプロセスでは硫酸を触媒として使用しているが、前記の問題点の他に副生物が多い問題もあり、これらの問題を解消する目的で、固体酸触媒も一部使用されている。この場合、前記したシリカ・アルミナ、結晶性アルミノ珪酸塩(ゼオライト)のような無機固体酸触媒は一般には水の存在下には活性が低下することから使用されず、無機担体にリン酸を担持した触媒等が使用されるが、反応中にリン酸が担体上から脱離する問題がある。さらに架橋ポリスチレン骨格上にスルホン酸基を有するポリマーである強酸型イオン交換樹脂も使用されるが、高温使用においてスルホン酸基が脱離する、樹脂が軟化し形状を維持できない、ならびに高価であるなどの問題があり使用範囲が限定されている。耐熱性を有するフッ素置換オレフィンポリマーをベースとする超強固体酸「ナフィオン」(デュポン社登録商標)なども開発されているが、工業用途に利用するには高価過ぎる。
ところで、二酸化炭素の排出量削減の観点から、再生可能な資源であるバイオマス材料を原料とする「バイオエタノール」が大きな注目を集めている。「バイオエタノール」はバイオマス材料を構成する主成分であるセルロース類を加水分解して単糖類を得、酵母等を用いて発酵することで生産される。バイオマス材料の有効活用という観点において、セルロース類の加水分解反応はきわめて重要な技術である。従来、この加水分解反応には硫酸を触媒とした「濃硫酸法」と「希硫酸法」のいずれかが使われている(非特許文献1)。「濃硫酸法」では濃硫酸中で多糖類が加水分解されるが、反応によって生成した単糖類や水溶性の加水分解物等の生成物と硫酸を分離するのに多大なエネルギーが必要となる。一方、100℃以上で希硫酸を用いる「希硫酸法」では、生成した単糖類や水溶性の加水分解物等の生成物と硫酸との分離にだけでなく、反応自体にも大きなエネルギーが必要とされる。硫酸法のこの様な問題点を解決するために固体酸触媒の応用が望まれているが、バイオマス材料を構成するセルロース、でんぷんなどの多糖類を加水分解し、酵母等で発酵可能な単糖類を効率的に得ることのできる固体酸触媒は存在しなかった。
そのような中、芳香族系化合物や石油系重質油、糖類などの天然物を炭化処理およびスルホン化処理することで得られるスルホン酸基含有炭素質材料が近年開発され(特許文献1)、固体酸触媒として種々の化学反応において高活性を示すこと、耐熱性に優れること、低コストであることなどから注目を集めている。これまで脂肪酸のエステル化反応、エステルの加水分解反応、アルキル化反応、オレフィンの水和反応等の触媒としての評価が試みられており、硫酸に匹敵する活性をもつことが確認されている(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、特許文献1、特許文献2)。また、前記したバイオマス原料の加水分解への応用も研究されている。
しかしながら、スルホン酸基含有炭素質材料を触媒として高温で長時間使用すると、酸基含有量が低下し触媒活性が下がる。これは強酸性イオン交換樹脂においても同様である。触媒活性の低下したイオン交換樹脂は廃棄物として処分されるのみであり、その再活性化が問題となっている。スルホン酸基含有炭素質材料についても、触媒活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を廃棄処分するのではなく、再生して利用することが望ましい。しかしながら、現状において触媒活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料の再利用については全く提案されておらず、また再生する方法に関しても全く知見は得られていない。アルコールとオレフィンからのエーテル製造、例えばメチルターシャリーブチルエーテルあるいはメチルターシャリーアミルエーテルの製造に用いて活性の低下したカチオン交換樹脂をスルホン化試薬で処理して再活性化する方法が提案されている(例えば特許文献3)。しかしながらカチオン交換樹脂はスルホン酸基含有炭素質材料とは全く異なる構造を有しており、この提案をスルホン酸基含有炭素質材料に適用できない。
バイオニクス 2006年2月号 26〜33頁 堂免他,「カーボン系固体強酸の合成条件と触媒作用」,日本化学会第85回春季年会(2005),2B5−43 Hara,M.et al. Nature,438(10),178,November (2005) 原他,PETROTECH,29(6),411(2006) 特開2004−238311号公報 国際公開WO 2005/029508 A1号公報 特開平10−139919(特許請求の範囲の記載)
本発明は、固体酸触媒として反応に使用し、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を再活性化することによる、スルホン酸基含有炭素質材料方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、反応に使用することにより固体酸触媒としての活性が低下したスルホン酸基含有炭素質材料を、特定の処理に供することで再活性化できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、固体酸触媒として反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を、硫酸存在下で加熱処理して再活性化する第1の工程を有する、スルホン酸基含有炭素質材料の製造方法を提供する。
従来、触媒活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料は、固体酸触媒としては使用できず有効な利用法は見出されていなかった。これに対して本発明によれば、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を上記第1の工程において再活性化することで、固体酸触媒として十分に再利用可能な程度にスルホン酸基含有炭素質材料を再活性化することができる。つまり、本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法は、触媒活性の低下が要因で廃棄される触媒を大幅に削減することができる点、従来廃棄物とされていたスルホン酸基含有炭素質材料を再利用できるという資源の有効利用の点、および、従来に比べ安価にスルホン酸基含有炭素質材料を得ることができる点で非常に有用である。
本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法は、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料が、スルホン酸基含有炭素質材料の存在下に水に不溶の多糖類を加水分解し、単糖類および/または水溶性の多糖類の製造を行うことによって得られるものであり、第1の工程が、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を、未反応であり且つ水に不溶の多糖類の共存下、硫酸存在下で加熱処理する第2の工程を含むことが好ましい。
また、本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法は、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料が、スルホン酸基含有炭素質材料の存在下に水に不溶の多糖類を加水分解し、単糖類および/または水溶性の多糖類の製造を行うことによって得られるものであり、第1の工程が、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を、未反応であり且つ水に不溶の多糖類の共存下で炭化処理する第3の工程と、該第3の工程における炭化処理後のスルホン酸基含有炭素質材料を硫酸で加熱処理する第4の工程とを含むことが好ましい。
また、本発明においては、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料として、カルボン酸とアルコールによるエステル化反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を好ましく用いることができる。
また、本発明においては、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料として、カルボン酸とオレフィンによるエステル化反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を好ましく用いることができる。
また、本発明においては、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料として、エステルの加水分解反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を好ましく用いることができる。
また、本発明においては、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料として、オレフィンの水和反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を好ましく用いることができる。
本発明においては、第1の工程を経て得られるスルホン酸基含有炭素質材料が、0.5mmol/g以上のスルホン酸基含有量を有するものであることが好ましい。
また、第1の工程を経て得られるスルホン酸基含有炭素質材料は、1mmol/g以上の酸基含有量を示すものであることが好ましい。
また、本発明は、上記本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法により得られたスルホン酸基含有炭素質材料を固体酸触媒として用い、所定の反応を行う方法を提供する。
本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法により得られたスルホン酸基含有炭素質材料は、固体酸触媒として十分に再利用可能な程度に再活性化されたものであるため、所定の反応において固体酸触媒として十分に機能し得る。また、反応に伴い生じる廃棄物の大幅な削減が可能になる、および従来に比べ安価にスルホン酸基含有炭素質材料を得ることができるなどの効果が奏される。
本発明によれば、スルホン酸基含有炭素質材料を再利用することができるため、廃棄触媒の大幅な削減が可能となる。さらにスルホン酸基含有炭素質材料製造に必要な原料が大幅に削減され、環境に対する負荷がより少ないスルホン酸基含有炭素質材料の製造が可能となる。
また、バイオマスの加水分解反応の如く、反応原料がセルロースのような、水に不溶の多糖類である場合、反応後の混合物から未反応のバイオマス固体と固体酸触媒を分離することは実質的に不可能であり、従来の固体酸触媒は全て廃棄物とならざるを得ない。しかしながら、固体酸触媒としてスルホン酸基含有炭素質材料からなる固体酸触媒を用いた場合は、未反応のバイオマスもスルホン酸基含有炭素質材料の出発原料となりうるので、それらを分離することなく、そのまま硫酸中で加熱処理することにより、炭化・スルホン化されてスルホン酸基含有炭素質材料とすることができるため、きわめて合理的である。このことも本発明の大きな効果である。公知の固体酸触媒であるカチオン交換樹脂をセルロース等水に不溶な多糖類の加水分解に用いた場合、活性の低下したカチオン交換樹脂と水に不要な未反応多糖類を分離できない。従って、活性の低下したカチオン交換樹脂は廃棄せざるを得ない。これに反し、本発明で用いるスルホン酸基含有炭素質材料は、未反応の、水に不溶な多糖類と混合した状態で再活性化することができ、固体酸触媒の再利用が可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(スルホン酸基含有炭素質材料)
本発明でいうスルホン酸基含有炭素質材料とは、スルホン酸基を有し、ダイヤモンドや黒鉛のような明確な結晶構造を有さない炭素質材料を意味する。特開2004−238311号公報に記載されている固体酸や国際公開WO2005/029508A1号公報に記載されているスルホン酸基導入無定形炭素はその典型的な一例であり、本発明における「スルホン酸基含有炭素質材料」も同様に定義される。その製造方法については目的とする反応に適したものであれば特に制限は無く、例えば国際公開WO 2005/029508A1号公報に記載されている方法や、特開2004−238311号公報に記載されている方法で製造することができる。
好ましいスルホン酸基含有炭素質材料としては、例えば、ラマン分光法によるスペクトルにおいて、GバンドとDバンドの両方が検出される炭素である場合には、GバンドとDバンドの積分強度比(I(D)/I(G))が0.7以下であればよいが、0.65以下であることが好ましく、0.6以下であることが更に好ましい。またスルホン酸基含有炭素質材料を製造する原料によっては、これらのスペクトルが現れないものもあるがその様な物も好ましく使用できる。セルロースを原料とするスルホン酸基含有炭素質材料の場合は、この数値は0.1〜0.7であればよい。本明細書中で、Dバンド、Gバンド、及びこれらの積分強度は以下のように定義される。
Dバンドは、炭素六員環におけるA1g breathing modeの振動であり、そのピークトップは1350cm−1〜1360cm−1に現れる。Gバンドは、炭素六員環のE2g modeの振動であり、そのピークトップは1580cm−1〜±5cm−1に現れる。両者のピークの和からなるラマンスペクトルをガウシアン、あるいはガウシアン−ローレンツイアンで2つにピーク分割し、得られたDバンド、Gバンドの積分強度をそれぞれの積分強度とする。
スルホン酸基含有炭素質材料の酸基含有量は1.0mmol/g以上であることが好ましく、1.6mmol/g以上であることがより好ましく、3mmol/g以上であることが更に好ましい。酸基の含有量が前記範囲の下限未満の場合には、加水分解反応に対する活性が不十分となる傾向にある。なお、酸基含有量の上限は特に限定されない。
また、スルホン酸基含有炭素質材料のスルホン酸基含有量は0.5mmol/g以上であることが好ましく、1.0mmol/g以上であることがより好ましく、1.5mmol/g以上であることが更に好ましい。スルホン酸基含有量が前記範囲の下限未満の場合には、加水分解反応に対する活性が不十分となる傾向にある。なお、スルホン酸基含有量の上限は特に限定されない。
スルホン酸基含有炭素質材料の硫黄/炭素原子比(モル比)はスルホン酸基含有炭素質材料に付加、導入されたスルホン酸基含有量の尺度となる。本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の硫黄/炭素元子比(モル比)は1.5×10−2以上であることが好ましい。この範囲の下限未満の場合には、加水分解反応に対する活性が不十分となる傾向にある。
また、本発明のスルホン酸基含有炭素質材料は、X線回折パターンからはいかなる構造も確認することができず、実質的に無定形である。
スルホン酸基含有炭素質材料は、国際公開WO第2005/029508号に記載されているように、有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理することにより製造することができる。
濃硫酸又は発煙硫酸中の有機化合物の加熱処理は、窒素、アルゴン等の不活性ガス気流中、あるいは乾燥空気中で行うことがスルホン酸密度の高いスルホン酸基含有炭素質材料を製造する上で必要である。より好ましい処理は有機化合物を加えた濃硫酸又は発煙硫酸に窒素、アルゴン等の不活性ガス、あるいは乾燥空気を吹き込みながら加熱を行うことである。濃硫酸と芳香族化合物の反応によって芳香族スルホン酸と水が生成するが、この反応は平衡反応である。したがって反応系内の水が増えると、逆反応が早く進むため、炭素質材料に導入されるスルホン酸の量が著しく低下する。不活性ガスや乾燥空気気流中で反応を行うか、反応系にこれらのガスを吹き込みながら反応を行い、水を反応系から積極的に除去することによって高いスルホン酸密度をもつ無定形炭素を合成することができる。
加熱処理においては、有機化合物の部分炭化、環化及び縮合などを進行させると共に、スルホン化を起こさせる。従って、加熱処理温度は、前記反応を進行させる温度であれば特に限定されないが、工業的には、50℃〜450℃、好ましくは60〜350℃、さらに好ましくは80℃〜200℃である。処理温度が50℃未満の場合、有機化合物の縮合、炭化が十分でなく、炭素の形成が不十分であること、スルホン酸基が充分に導入されないことがあり、また、処理温度が350℃を超えると、スルホン酸基の熱分解が起きる場合がある。出発原料が多環式芳香族炭化水素の場合には炭化およびスルホン化処理を同時に1工程で行うことが好ましい。
加熱処理時間は、使用する有機化合物や処理温度などによって適宜選択できるが、通常、1〜50時間、好ましくは5〜20時間である。
使用する濃硫酸又は発煙硫酸の量は特に限定されないが、有機化合物1モルに対し、通常、2.6〜50.0モル、好適には6.0〜36.0モルである。
有機化合物としては、芳香族炭化水素類を使用することができるが、それ以外の有機化合物、例えば、グルコース、砂糖(スクロース)、セルロースのような天然物も好適に使用できる。ポリエチレン、ポリアクリルアミドのような合成高分子化合物、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂のような合成樹脂を使用してもよい。これらセルロース、ヘミセルロース、リグニン、リグノセルロースなど木質系材料は、得られるスルホン酸基含有炭素質材料の熱安定性が高いことから好ましい。また、草本類や木本類など、精製してない繊維素物質も原料として使用できる。
芳香族炭化水素類は、多環式芳香族炭化水素類でも単環式芳香族炭化水素類でもよく、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ペリレン、コロネンなどを使用することができ、好適には、ナフタレンなどを使用することができる。また、フェノール樹脂なども好適に用いることができる。フェノール樹脂などの合成高分子材料は、得られるスルホン酸基含有炭素質材料の酸基含有量が高いことから好ましい。有機化合物は、一種類だけを使用してもよいが、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、必ずしも精製された有機化合物を使用する必要はなく、例えば、芳香族炭化水素類を含む重油、ピッチ、タール、アスファルトなどを使用してもよい。
グルコース、セルロース等の天然物や合成高分子化合物を原料とするときは、濃硫酸又は発煙硫酸中での加熱処理の前に、これらの原料を不活性ガス気流中で加熱し、部分炭化させておくことが好ましい。このときの加熱温度は、通常、100〜600℃であり、処理時間は、通常、1分〜100時間、好ましくは2〜30時間である。炭化処理の温度が前記範囲の下限に満たない場合には、これをスルホン化処理して得られるスルホン酸基含有炭素質材料の耐熱性が劣る、あるいは水又は有機物への溶解分が多いなどの問題を生じる傾向にある。温度が前記範囲の上限を超える温度の場合には、これをスルホン化処理する際に十分な量のスルホン酸基を付与することができず、得られるスルホン酸基含有炭素質材料の種々の反応に対する触媒活性が不十分なものとなる傾向にある。炭化処理の時間が前記範囲の下限に満たない場合には、これをスルホン化処理して得られるスルホン酸基含有炭素質材料の耐熱性が劣る、あるいは水または有機物等への溶解分が多いなどの問題を生じる傾向にある。一方、前記範囲の上限の時間で必要な炭化は十分進行しており、それを超える時間をかけることは不要であると同時に余分なエネルギーを消費することとなり好ましくない。
炭化およびスルホン化処理工程後には、好ましくは熱水で洗浄することにより余剰の硫酸を除去し、さらに乾燥することによって、本発明で用いるスルホン酸基含有炭素質材料を得ることができる。熱水による洗浄は、例えばソックスレー抽出法等により、約100℃での還流下で行うのが簡便である。加圧下にさらなる高温で洗浄することにより、洗浄時間を短縮することも可能である。
芳香族炭化水素類、又はこれを含む重油、ピッチ、タール、アスファルトなどを原料とする場合、濃硫酸又は発煙硫酸中での加熱処理の後、生成物を真空加熱することが好ましい。これは、過剰の硫酸を除去すると共に、生成物の炭化・固化を促進させ、生成物の収率を増加させる。真空排気は排気速度10L/min以上、到達圧力100torr以下の排気装置を用いることが好ましい。好ましい加熱温度は140〜300℃、より好ましい温度は200〜280℃である。この温度における真空排気の時間は、通常2〜20時間である。
(スルホン酸基含有炭素質材料を固体酸として使用する反応)
以上のようにして得られるスルホン酸基含有炭素質材料は、固体酸触媒として各種化学反応に有用な程度の酸強度および酸基含有量を有している。本発明に用いるスルホン酸基含有炭素質材料は、オレフィンの水和反応やエーテル化反応、カルボン酸とアルコールとのエステル化反応、及びエステル結合又はエーテル結合を含有する有機化合物の加水分解反応等の各種極性条件下での反応の触媒に特に有用である。即ち、反応基質にアルコール、カルボン酸、水等の極性物質を用いる反応において、優れた活性および耐性を示すので、これら極性反応の触媒として有用である。
また、スルホン酸基含有炭素質材料は多糖類を加水分解することが可能なので、多糖類から単糖類および/または他の多糖類を製造するための触媒としても用いることができる。
使用する多糖類は、加水分解されエタノール発酵に利用可能な単糖類や他の多糖類等、水溶性の低重合糖を生成するものであれば特に限定されず、β1−4グリコシド結合を有する分子を含む材料、例えばセルロース、ヘミセルロース、リグノセルロース、セロビオースなどの水に不溶の天然高分子材料が好適に使用できる。またセロビオース、セロトリオースなどの水溶性のβ1−4グリコシド結合を有する分子を含む材料も用いることができる。
でんぷん(アミロース、アミロペクチン)、デキストリン、マルトース等も例示できる。また、多糖類は精製されたものでなくてもよく、例えば、植物など多糖類を含む天然有機物原料を使用してもよい。例えば木材質(廃材を含む)、古紙、稲藁、麦藁、もみ殻、竹、バガス(さとうきび圧搾残)、とうもろこし穂軸、サゴヤシ(でんぷん搾りかす)、リンター、綿、パルプなどもまた原料として供することが可能である。
ここで言う加水分解物である低重合体糖とは、水溶性多糖類もしくは実際に水に溶解している多糖類を示す。例えばβ1−4グリコシド結合にて結合しているグルコース多量体であれば、グルコース骨格が2〜10程度の繰り返し構造からなる多糖類を示す。
上記のよう製造されたスルホン酸基含有炭素質材料は固体酸触媒として優れたものであるが、上記のような酸触媒反応に継続使用すると反応供給物中の不純物や他の物質による汚染、或いはスルホン酸基の脱離などにより活性が低下する。使用中のスルホン酸基含有炭素質材料を用いて製造操作をこれ以上継続することが、作業性や経済性の面で好ましくないと使用者が判断したときに再活性操作を行う。活性低下の状況は実際の反応における反応率の低下あるいは酸基含有量の低下などで判断する。
(再活性化)
再活性化は、反応に使用して活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を硫酸存在下で加熱処理することにより行われる。使用する硫酸は、濃硫酸あるいは発煙硫酸のいずれも使用することができる。好ましくは、85質量%以上の濃度を有する濃硫酸あるいは0〜40質量%の三酸化硫黄含有量を有する発煙硫酸を使用することができる。なお、スルホン酸基含有炭素質材料からなる固体酸触媒をセルロース等の非水溶性多糖類の加水分解反応に用いた場合は、生成した単糖類および水溶性多糖類は水溶液として反応系外に分離できるが、原料セルロース等の多糖類が固体で水に不溶であるため、使用済みの、活性が低下したスルホン酸基含有炭素質材料と未反応のセルロース等の多糖類を分離できない。この場合は、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料と未反応のセルロース等の水に不溶の多糖類が共存したままで、硫酸中で加熱処理することにより再活性化することができる。
使用する濃硫酸又は発煙硫酸の量は特に限定されないが、硫酸処理を行う使用済みスルホン酸基含有炭素質材料の量の1〜500倍(質量比)、好ましくは2〜100倍である。この範囲の下限に満たない場合には、十分に再活性化が行われず、得られる再活性化スルホン酸基含有炭素質材料の種々の化学反応に対する触媒活性が不十分なものとなる。一方、この範囲の上限を超える場合には、必要以上の濃硫酸又は発煙硫酸を使用することとなり、使用済みの硫酸の処理を含めコスト上昇をもたらす。
硫酸処理の温度は、40〜250℃、好ましくは80〜200℃である。処理温度がこの範囲の下限に満たない場合には、再活性化が十分に行われず、得られる活性化スルホン酸基含有炭素質材料の種々の化学反応に対する触媒活性が不十分なものとなる傾向にある。またこの範囲の上限を超える温度の場合には、使用済みのスルホン酸基含有炭素質材料に付加しているスルホン酸基が分解する傾向となる。また、硫酸処理により新たに付加したスルホン酸基が分解する可能性が生ずる。さらには硫酸処理の操作が困難となる。
硫酸処理の時間は適宜選択できるが、5分を超え、かつ10時間以下の範囲で行うのが好ましい。硫酸処理の時間がこの範囲の下限に満たない場合には、再活性化が十分に進行せず、そのため得られる再活性化スルホン酸基含有炭素質材料は、固体酸触媒としては活性が不十分なものとなる。一方、この範囲の上限の時間で必要な再活性化は十分進行しており、それを超える時間を掛けることは不要である。
硫酸処理工程後には、好ましくは、熱水で洗浄することにより余剰の硫酸を除去し、さらに乾燥することにより、完成した再活性化スルホン酸基含有炭素質材料を得ることができる。熱水による洗浄は、一般的な洗浄手法を採用できるが、例えばソックスレー抽出法等により、約100℃での還流下で行うのが簡便である。加圧下にさらなる高温で洗浄することにより、洗浄時間を短縮することも可能である。
なお、硫酸処理の前に活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料、或いはスルホン酸基含有炭素質材料と未反応非水溶性多糖類の混合物を予め乾燥しておくと、残存する水分やアルコール等による硫酸の希釈が防止され、効果的な硫酸処理を行ううえで好ましい。
前記したごとく、スルホン酸基含有炭素質材料からなる固体酸触媒をセルロース等の非水溶性多糖類の加水分解反応に用いた場合は、原料が固体で水に不溶であるため、使用済みの、活性が低下したスルホン酸基含有炭素質材料と未反応のセルロース等の非水溶性多糖類を分離できない。この場合も、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料と未反応のセルロース等の非水溶性多糖類を混合したままで、硫酸中で加熱処理することにより再活性化することができる。しかしながら、固体酸触媒として用いたスルホン酸基含有炭素質材料に対する原料セルロース等の非水溶性多糖類の比率が大きい場合には、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料に対する未反応のセルロース等の非水溶性多糖類の比率が大きくなる。この様な場合は、スルホン酸基含有炭素質材料と未反応のセルロース等の非水溶性多糖類の混合物を、硫酸処理する前に炭化処理を行うことも可能である。
炭化処理の条件は、基本的には新規なスルホン酸基含有炭素質材料を製造するときと変わらない。具体的には、炭化は窒素雰囲気下、250〜600℃、1〜50hrで行うことができる。炭化処理の温度が前記範囲の下限に満たない場合には、スルホン酸基含有炭素質材料と共存するセルロース等の非水溶性多糖類の炭化が十分進行せず、これを硫酸処理しても再活性して得られるスルホン酸基含有炭素質材料の耐熱性が劣る、あるいは水又は有機物への溶解分が多いなどの問題を生じる傾向にある。一方、前記範囲の上限を超える温度の場合には、これを硫酸処理しても十分な量のスルホン酸基を付与することができず、得られる再活性化スルホン酸基含有炭素質材料の種々の化学反応に対する触媒活性が不十分なものとなる傾向にある。また、炭化処理の時間が前記範囲の下限に満たない場合には、これを硫酸処理しても再活性化が不十分で得られるスルホン酸基含有炭素質材料の耐熱性が劣る、あるいは水または有機物等への溶解分が多いなどの問題を生じる。一方、前記範囲の上限の時間で必要な炭化は十分進行しており、それを超える時間をかけることは不要である。
(酸基含有量について)
固体酸触媒として使用するスルホン酸基含有炭素質材料の酸基含有量(反応に供する前の酸基含有量)は、好ましくは1.0mmol/g以上、より好ましくは1.6mmol/g以上である。1.0mmol/g未満では固体酸触媒としての性能が不十分となる傾向にある。
したがって、本発明において、再活性化後により得られるスルホン酸基含有炭素質材料の酸基含有量は、好ましくは1.0mmol/g、以上、より好ましくは1.6mmol/g以上である。酸基の含有量が1.0mmol/g未満の場合には、得られる再生スルホン酸基含有炭素質材料の種々の化学反応に対する固体酸触媒としての活性が不十分となる傾向にある。
なお、ここでいう酸基含有量とは、スルホン酸基含有炭素質材料に対して中和滴定手法(例えば、逆滴定法)により測定するものであり、スルホン化処理により生成するスルホン酸基と、炭化処理時および/またはスルホン化処理時に生成するカルボン酸基およびフェノール性水酸基を併せたものの含有量を指す。
(スルホン酸基含有量について)
固体酸触媒として使用するスルホン酸基含有炭素質材料のスルホン酸基含有量(反応に供する前の酸基含有量)は、好ましくは0.5mmol/g以上、より好ましくは1.0mmol/g以上である。0.5mmol/g未満では固体酸触媒としての性能が不十分となる傾向にある。
したがって、本発明において、再活性化により得られるスルホン酸基含有炭素質材料のスルホン酸基含有量は、好ましくは0.5mmol/g、以上、より好ましくは1.0mmol/g以上である。スルホン酸基含有量が0.5mmol/g未満の場合には、得られる再生スルホン酸基含有炭素質材料の種々の化学反応に対する固体酸触媒としての活性が不十分となる傾向にある。
なお、ここでいうスルホン酸基含有量とは、後述するように塩化ナトリウム溶液を用いたイオン交換容量測定により求められるものである。
(X線回折分析)
再活性化後のスルホン酸基含有炭素質材料は、反応に使用する前の新スルホン酸基含有炭素質材料と同じく、X線回折パターンからはいかなる構造も確認することができず、実質的に無定形である。
以上のようにして再活性化して得られるスルホン酸基含有炭素質材料は、廃棄される触媒を有効に利用できるだけでなく、再生方法が簡便なため低コストでスルホン酸基含有炭素質材料を得ることが可能である上に、新スルホン酸基含有炭素質材料と同程度或いはそれ以上の酸強度および酸基含有量を有している。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(スルホン酸基含有炭素質材料の分析方法)
実施例および比較例で得られた各スルホン酸基含有炭素質材料について、以下の分析を実施した。
1.粉末X線回折分析
分析にはマックサイエンス社製X線回折装置(MXP18VAHF)を使用した。
2.酸基含有量の測定
逆滴定法により測定した。
3.元素分析
分析にはElementar Vario ELを使用した。結果を硫黄原子と炭素原子の比(S/C比)で表した。この値はスルホン酸基含有炭素質材料に付加、導入されたスルホン酸基含有量の尺度となる。
4.スルホン酸基含有量の測定
前述のようにスルホン酸基含有量は、塩化ナトリウム溶液を用いたイオン交換容量測定により求めた。所定量のスルホン酸基含有炭素質材料を塩化ナトリウム溶液に加え入れて一定時間撹拌し、スルホン酸基のプロトンとナトリウムイオンとを交換させた。イオン交換により生成したHClの量を中和滴定により定量して、スルホン酸基含有量を求めた。
イオン交換反応は下記式(1)で示される。
R−SOH+NaCl→R−SONa+HCl (1)
(式中、Rはスルホン酸基含有炭素質材料からスルホン酸基を除いた残基を示す)。
[比較例1]
(スルホン酸基含有炭素質材料の調製)
グルコース40gを容量1000mlナス型フラスコに取り、窒素流通下に400℃、5hr加熱処理して10.7gの炭化物を得た。この黒色粉末状の炭化物3.0gに97質量%濃度の濃硫酸278gを加え、窒素雰囲気下で150℃, 2hr加熱処理してスルホン化を行った。スルホン化後、黒色固形物をガラスフィルターにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用して約100℃で熱水を還流させて洗浄を繰り返し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくなることを確認した。これを乾燥し、黒色粉末のスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料α−1」という。)を得た。
スルホン酸基含有炭素質材料α−1に対して前記の各種分析を行った。各種物性の測定結果を表1に示す。粉末X線回折分析の回折パターンからは構造を特定できるピークは検出されず、実質的にアモルファスであることがわかった。
(スルホン酸基含有炭素質材料α−1を用いたアルコールのエステル化反応)
内容積100mlのナス型フラスコ中に、エタノールを30ml仕込み、酢酸をアルコールに対してモル比で1/50になるように添加し、スルホン酸基含有炭素質材料α−1を0.20g加えて加熱した。攪拌しながら還流温度(80℃)にて2hr反応させた後、水浴で急冷し、反応を停止した。反応終了後、反応後のスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料α−2」という。)を反応液から分離し、TCD検出器付きガスクロマトグラフにより生成物の定量分析を行った。また、分離したスルホン酸基含有炭素質材料α−2を触媒として、同条件にてエステル化反応を再度実施した。各反応の単位触媒量、単位時間当たりに換算した酢酸エチルの生成量およびスルホン酸基含有炭素質材料α−2の性状を表2に示す。本結果より、スルホン酸基含有炭素質材料α−2はスルホン酸基含有炭化水素材料α−1に比べて活性、物性ともに劣化したことが確認された。
[実施例1]
(スルホン酸基含有炭素質材料α−2の再活性化)
スルホン酸基含有炭素質材料α−2に97質量%濃度の濃硫酸10gを加えて150℃で2hr加熱処理して再活性化した。加熱処理後のスルホン酸基含有炭素質材料をガラスフィルターにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用して還流下(約100℃)で熱水による洗浄を繰り返し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくなることを確認した。これを乾燥し、再活性化したスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料A」という。)を得た。
(スルホン酸基含有炭素質材料Aの分析)
スルホン酸基含有炭素質材料Aに対して各種分析を行った。結果を表2に示す。
本結果より、再活性化により得られたスルホン酸基含有炭素質材料Aにおいては、スルホン酸基含有炭素質材料α−1と同等にまで物性が回復したことが確認された。
(スルホン酸基含有炭素質材料Aを用いたアルコールのエステル化反応)
スルホン酸基含有炭素質材料Aを用いた以外は前記比較例1のスルホン酸基含有炭素質材料α−1を用いたアルコールのエステル化反応と同条件にてエステル化反応を実施した。単位触媒量、単位時間当たりに換算した酢酸エチルの生成量を表2に示す。この結果から、再活性化により、エステル化反応に対するスルホン酸基含有炭素質材料の活性が大幅に回復したことが確認された。
[比較例2]
(スルホン酸基含有炭素質材料α−1を用いたエステルの加水分解反応)
内容積100mlのナス型フラスコ中に、酢酸エチルを2.6g(0.030モル)仕込み、水を27g(酢酸エチルに対してモル比で50倍)添加し、スルホン酸基含有炭素質材料α−1を0.2g加えて加熱した。攪拌しながら還流温度(80℃)にて2時間反応させた後、氷浴で急冷し、反応を停止した。反応終了後、反応後のスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料α−3」という。)を反応液から分離し、TCD検出器付きガスクロマトグラフにより生成物の定量分析を行った。スルホン酸基含有炭素質材料α−3を触媒として、同条件にてエステルの加水分解反応を再度実施した。各反応の酢酸エチルの酢酸への転化率(生成酢酸/仕込み酢酸エチル、モルベース)およびスルホン酸基含有炭素質材料α−3の性状を表3に示す。本結果より、スルホン酸基含有炭素質材料α−3はスルホン酸基含有炭素質材料α−1に比べて活性、物性ともに劣化したことが確認された。
[実施例2]
(スルホン酸基含有炭素質材料α−3の再活性化)
スルホン酸基含有炭素質材料α−3に97質量%濃硫酸10gを加えて150℃で2hr加熱処理して再活性化した。加熱処理後、スルホン酸基含有炭素質材料をガラスフィルターにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用して還流下(約100℃)で熱水による洗浄を繰り返し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくなることを確認した。これを乾燥し、再活性化したスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料B」という。)を得た。
(スルホン酸基含有炭素質材料Bの分析)
スルホン酸基含有炭素質材料Bに対して各種分析を行った。結果を表3に示す。本結果より、再活性化により得られたスルホン酸基含有炭素質材料Bにおいては、スルホン酸基含有炭素質材料α−1と同等にまで物性が回復したことが確認された。
(スルホン酸基含有炭素質材料Bを用いたエステルの加水分解反応)
スルホン酸基含有炭素質材料Bを用いた以外は前記比較例2のスルホン酸基含有炭素質材料α−1を用いたエステルの加水分解反応と同条件にてエステルの加水分解反応を実施した。酢酸エチルの酢酸への転化率を表3に示す。この結果から、再活性化により、エステルの加水分解反応に対するスルホン酸基含有炭素質材料の活性が大幅に回復したことが確認された。
[比較例3]
(スルホン酸基含有炭素質材料の調製)
セルロース(Aldrich社製310697)40gを用いる他は前記スルホン酸基含有炭素質材料α−1の調製と同様の製法により、スルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料β−1」という。)を得た。
スルホン酸基含有炭素質材料β−1に対して前記の各種分析を行った。スルホン酸基含有炭素質材料β−1に対する各種分析結果を表1に示す。粉末X線回折分析の回折パターンからは構造を特定できるピークは検出されず、実質的にアモルファスであることがわかった。
(スルホン酸基含有炭素質材料β−1を用いたセルロースの加水分解反応)
内容積10mlのナスフラスコに、蒸留水1000μl、セルロース粉末0.025gを仕込み、スルホン酸基含有炭素質材料β−1を0.30g加えて密閉し700rpmで攪拌しながらオイルバス中で120℃まで昇温し2hr加水分解反応を行った。反応終了後、反応液を冷却した後に遠心分離により固液分離し、さらにマイクロフィルターにてろ過を行い、得られた液体中のグルコース量を液体クロマトグラフにより定量分析を行った。単位触媒量、単位時間当たりに換算したグルコースの生成量を表4に示す。
分離された固形分(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料β−2」という。)に蒸留水1000μlを加え入れ、同条件にてセルロースの加水分解反応を再度実施した。本反応によるグルコースの生成量を表4に示す。表4の結果から、スルホン酸基含有炭素質材料β−2におけるセルロースの加水分解活性がスルホン酸基含有炭素質材料β−1よりも低下したことが分かる。
[実施例3]
(スルホン酸基含有炭素質材料β−2の再活性化)
スルホン酸基含有炭素質材料β−2(固形分として約0.32g)に97質量%濃硫酸16gを加えて150℃で2hr加熱処理して再活性化した。加熱処理後、スルホン酸基含有炭素質材料をガラスフィルターにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用して還流下(約100℃)で熱水による洗浄を繰り返し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくなることを確認した。これを乾燥し、再活性化したスルホン酸基含有炭素質材料(以下、スルホン酸基含有炭素質材料C」という。)を得た。
(スルホン酸基含有炭素質材料Cの分析)
スルホン酸基含有炭素質材料Cに対して各種分析を行った。本結果より、再活性化によってスルホン酸基含有炭素質材料βとほぼ同等の物性にまで回復したことが確認された。
(再活性化スルホン酸基含有炭素質材料Cを用いたセルロースの加水分解反応)
再活性化スルホン酸基含有炭素質材料Cを用いた以外は、前記のスルホン酸基含有炭素質材料β−1を用いたセルロースの加水分解反応と同条件にてセルロースの加水分解反応を実施した。単位触媒量、単位時間当たりに換算したグルコースの生成量を表4に示す。本結果より、再活性化により得られたスルホン酸基含有炭素質材料Cにおいては、スルホン酸基含有炭素質材料β−1とほぼ同程度にまで加水分解活性が回復したことが確認された。
[比較例4]
(スルホン酸基含有炭素質材料の調製)
ノボラック型フェノール樹脂(大日本インキ化学工業(株)製TD−739A)50gを容量1000mlナス型フラスコに取り、窒素流通下に450℃、5hr加熱処理して39gの炭化物を得た。この黒色粉末状の炭化物5.0gに三酸化硫黄を10質量%含有する発煙硫酸150gを加え、窒素雰囲気下で140℃,2hr加熱処理してスルホン化を行った。スルホン化後、黒色固形物をガラスフィルターにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用して約100℃で熱水を還流させて洗浄を繰り返し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくなることを確認した。これを乾燥し、黒色粉末のスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料γ−1」という。)を得た。スルホン酸基含有炭素質材料γ−1のスルホン酸基含有量を表1に示す。
(スルホン酸基含有炭素質材料γ−1を用いたオレフィンのエステル化反応)
スルホン酸基含有炭素質材料γ−1を触媒として用いてオレフィンのエステル化反応を行った。100ccの撹拌機付きオートクレーブに、酢酸36.1g(0.6モル)を仕込み、スルホン酸基含有炭素質材料γ−1を0.5g加えて密閉し、プロピレンを16.7g(0.4モル)封入した。窒素により2.0MPaに圧力を調整した後、500rpmで撹拌しながら80℃まで昇温し、4時間エステル化反応を行なった。反応終了後は、反応液を冷却してから、スルホン酸基含有炭素質材料と反応液とを分離してFID−GCにより定量分析を行い、酢酸イソプロピルの生成量を確認した。
分離した使用済みのスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料γ−2」という。)を用いて、同条件にてオレフィンのエステル化反応を再度実施し、酢酸イソプロピルの生成量を確認した。各反応の酢酸イソプロピルの生成量、および用いたスルホン酸基含有炭素質材料γ−2のスルホン酸基含有量を表5に示す。本結果より、新スルホン酸基含有炭素質材料γ−1に比べてスルホン酸基含有炭素質材料γ−2は活性、物性ともに劣化したことが確認された。
[実施例4]
(スルホン酸基含有炭素質材料γ−2の再活性化)
スルホン酸基含有炭素質材料γ−2に三酸化硫黄を10質量%含有する発煙硫酸5gを加えて150℃で2hr加熱処理して再活性化した。加熱処理後、スルホン酸基含有炭素質材料をガラスフィルターにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用して還流下(約100℃)で熱水による洗浄を繰り返し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくなることを確認した。これを乾燥し、再活性化したスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料D」という。)を得た。
スルホン酸基含有炭素質材料Dのスルホン酸基含有量を測定した。結果を表5に示す。本結果より、再活性化によってスルホン酸基含有炭素質材料γ−1とほぼ同等の物性にまで回復したことが確認された。
(スルホン酸基含有炭素質材料Dを用いたオレフィンのエステル化反応)
スルホン酸基含有炭素質材料Dを用いたこと以外は、前記のスルホン酸基含有炭素質材料γ−1を用いたオレフィンのエステル化反応と同条件にて、オレフィンのエステル化反応を実施した。酢酸イソプロピルの生成量を表5に示す。本結果より、スルホン酸基含有炭素質材料Dは新スルホン酸基含有炭素質材料γ−1とほぼ同等にまで活性が回復していることが確認された。
[比較例5]
(スルホン酸基含有炭素質材料γ−1を用いたオレフィン水和反応)
内容積100ccの攪拌機付きオートクレーブ型反応器に、蒸留水18.0g(1.0モル)とジオキサン(溶媒)15.0gを仕込み、スルホン酸基含有炭素質材料γ−1を0.2g加えて密閉し、窒素置換した後プロピレンを10.5g(0.25モル)封入した。その後、窒素により2.5Mpaまで圧力を上昇させ、500rpmで攪拌しながら120℃まで昇温し、温度を120℃に保ったまま1.5hr水和反応を行った。反応終了後、反応液を冷却し、FID−GCにより生成物の定量分析を行った。その結果、単位触媒量、単位時間当たりに換算した2−プロパノールの生成量は、0.54mmol/g−cat./hrであった。結果を表6に示す。
分離した使用済みのスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料γ−3」という。)を用いて、同条件にてオレフィン水和反応を再度実施し、2−プロパノールの生成量を確認した。単位触媒量、単位時間当たりに換算し2−プロパノールの生成量、およびスルホン酸基含有炭素質材料γ−3のスルホン酸基含有量を表6に示す。本結果より、スルホン酸基含有炭素質材料γ−3はスルホン酸基含有炭素質材料γ−1に比べて活性、物性ともに劣化したことが確認された。
[実施例5]
(スルホン酸基含有炭素質材料γ−3の再活性化)
スルホン酸基含有炭素質材料γ−3に三酸化硫黄を10質量%含有する発煙硫酸5gを加えて150℃で2hr加熱処理して再活性化させた。加熱処理後、スルホン酸基含有炭素質材料をガラスフィルターにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用して還流下(約100℃)で熱水による洗浄を繰り返し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくなることを確認した。これを乾燥し、再活性化したスルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質材料E」という。)を得た。
スルホン酸基含有炭素質材料Eのスルホン酸基含有量を測定した。結果を表6に示す。本結果より、再活性化によってスルホン酸基含有炭素質材料γ−1とほぼ同等の物性にまで回復したことが確認された。
(スルホン酸基含有炭素質材料Eを用いたオレフィン水和反応)
スルホン酸基含有炭素質材料Eを用いたこと以外は、前記のスルホン酸基含有炭素質材料γ−1を用いたオレフィン水和反応と同条件にて、オレフィン水和反応を実施した。単位触媒量、単位時間当たりに換算した2−プロパノールの生成量を表6に示す。本結果より、スルホン酸基含有炭素質材料Eはスルホン酸基含有炭素質材料γ−1とほぼ同等の活性をもつことが確認された。
以上の実施例により、各種反応に使用し活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料について、本発明に係る所定の加熱処理することによって、固体酸触媒としての活性を十分に向上させることができ、新品の触媒と同様に再度使用することが可能になることがわかる。
Figure 2009004949
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本発明により、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料からなる固体酸触媒を再活性することが可能になり、当該スルホン酸基含有炭素質材料を繰り返し使用することが可能になる。その結果、触媒のコストを低減することが可能になり、ひいては固体酸触媒を用いて得られる製品の製造費用を低減できる。また、廃触媒が低減されることにより廃棄物が減少し、環境に対する影響をも低減することが可能になる。特に、セルロース等の水不溶性多糖類の加水分解に使用したときには、未反応のセルロース等の水不溶性多糖類の共存下で再活性できるので、バイオエタノールの工業的生産に有利である。

Claims (10)

  1. 固体酸触媒として反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を、硫酸存在下で加熱処理して再活性化する第1の工程を有する、スルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  2. 前記活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料が、スルホン酸基含有炭素質材料の存在下に水に不溶の多糖類を加水分解し、単糖類および/または水溶性の多糖類の製造を行うことによって得られるものであり、
    前記第1の工程が、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を、未反応であり且つ水に不溶の多糖類の共存下、硫酸存在下で加熱処理する第2の工程を含む、請求項1に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  3. 前記活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料が、スルホン酸基含有炭素質材料の存在下に水に不溶の多糖類を加水分解し、単糖類および/または水溶性の多糖類の製造を行うことによって得られるものであり、
    前記第1の工程が、活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料を、未反応であり且つ水に不溶の多糖類の共存下で炭化処理する第3の工程と、該第3の工程における炭化処理後のスルホン酸基含有炭素質材料を硫酸で加熱処理する第4の工程とを含む、請求項1に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  4. 前記活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料が、カルボン酸とアルコールによるエステル化反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料である、請求項1に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  5. 前記活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料が、カルボン酸とオレフィンによるエステル化反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料である、請求項1に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  6. 前記活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料が、エステルの加水分解反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料である、請求項1に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  7. 前記活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料が、オレフィンの水和反応に用いられたことによって活性の低下したスルホン酸基含有炭素質材料である、請求項1に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  8. 前記第1の工程を経て得られるスルホン酸基含有炭素質材料が、0.5mmol/g以上のスルホン酸基含有量を有するものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  9. 前記第1の工程を経て得られるスルホン酸基含有炭素質材料が、1mmol/g以上の酸基含有量を示すものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法により得られたスルホン酸基含有炭素質材料を固体酸触媒として用い、所定の反応を行う方法。
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