JPWO2008156138A1 - 虹色反射光を持つ再帰性反射材 - Google Patents

虹色反射光を持つ再帰性反射材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、視認性を更に向上することのできる再帰性反射材を提供することにある。【解決手段】反射層と、透明微小球13と、を備え、入射光の少なくとも一部に可視光波長に対応する位相差を付与して再合成し、該可視光波長の光成分を干渉により強調し、入射角によって異なる可視光波長の干渉光を入射光進行方向に帰還させる再帰性反射材であって、前記反射層は光透過性の干渉層14を含み、該干渉層14は、光の入射角によって異なる可視光波長の干渉色を生起するように、一つの層ごとの光学的層厚を100〜600nmとしたことを特徴とする再帰性反射材。【選択図】図1

Description

本発明は再帰性反射材に関する。詳しくは、再帰反射された反射光を金属化合物の干渉色を利用する再帰性反射材の改良に関する。
拡散光の条件下において、鮮やか且つ所望の色彩を表示しつつ、再帰性反射の条件下では、十分な強さの反射輝度を実現する再帰性反射材が提案されている(例えば特許文献1〜3)。
しかし、従来からの再帰性反射材の反射光自体は、着色出来ず、反射光は単色のみの反射光となっている。又、反射材表面に、着色及びフイルム等の貼り合せにより、反射光に着色する事は出来るが、拡散光の条件下において、鮮やか且つ所望の色彩を表示する事が出来なく、基材の厚さ、風合い(硬さ)に問題があり、所望のデザインを行なうことが困難である。
特許第3432507号公報(カラー再帰性反射材) 特開平11−167010号公報(着色光再帰性反射材) 特表平10−500230号公報(再帰反射製品及びその製造方法)
近年、反射材が多く普及し、着用されている中、夜間時に着用される反射材は、どの反射材(道路標識、路側帯反射板、工事作業者ベスト、衣料用反射材等)も同じ反射光であり、反射材でない路側帯の外灯や遠くの街灯等にとけこみ、着用者の存在アピールがうすく、ドライバーへの視認性に欠ける。
よって本発明の目的は、拡散光の条件下において任意のデザイン、形状に加工ができ鮮やか且つ所望の色彩を表示しつつ、再帰性反射の条件下においては安全性を高めた再帰性反射性能を発揮し、かつ再帰反射光に変化を持たせた干渉色を付加することにより、より高い夜間の視認性を高めた再帰性反射材を提供することにある。
上記目的を達成する為に、より高い反射性能と干渉色を持った再帰反射層を作る必要が有り、前記特許文献1〜3に記載の技術も検討したが、本発明の課題解決手段として採用するに至らなかった。
又、再帰性反射の条件下において、反射光に干渉色を持たすには、特許文献2、3に記載の技術がある。
しかしながら、特許文献2に記載の技術では、1色の反射光しか表現できない。特許文献3に記載の技術では、光干渉フイルムを反射表面に貼り合せてある為、反射光は単色の反射光が光干渉フイルムを透過して干渉色を得ることが出来るが、拡散光の条件下においては任意の色彩が表現できず、基材の厚さ、風合いの問題がある為、衣料品への提供がしにくく、反射性能はJIS Z 9117−1984の1級に満たない為、安全性に欠ける。
したがって、前記特許文献に記載の技術は、再帰性反射材において視認性を高めるための手段として採用するに至らなかった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、視認性を更に高めることのできる再帰性反射材を提供することにある。
本発明者らが再帰性反射材の性能について検討を行った結果、光透過性を有する干渉層の光学的層厚を100〜600nmに設定することにより、視認性の向上に重要な虹色反射光が確実に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
得られる虹色反射光は、干渉により強調された可視光領域の波長成分であり、入射光の再帰性反射材への入射角によって、干渉により強調される可視光領域の波長成分も変化する。一般的な再帰反射光は、入射角によって実質的に色の変化を観察することができないが、本発明の虹色反射光は、入射角によって色が変化する。つまり再帰反射の条件下で入射光の再帰性反射材への入射角を変化させていくと、再帰性反射材からの反射光の色が、例えば橙から、赤、赤紫、紫、青紫、青、青緑、緑、黄緑、黄色等へと、虹色に変化していく様子をはっきり観察することができる。本発明の虹色反射光は、干渉層の光学的層厚を100〜600nmに制御することによりはじめて得られるものである。
<請求項1>
すなわち、前記目的を達成するために本発明にかかる再帰性反射材は、反射層と、透明微小球と、を備え、入射光の少なくとも一部に可視光波長に対応する位相差を付与して再合成し、可視光波長の光成分を干渉により強調し、入射角によって異なる可視光波長の干渉光を入射光進行方向に帰還させる再帰性反射材であって、
前記反射層は光透過性の干渉層を含み、該干渉層は、入射角によって異なる可視光波長の干渉色を生起するように、一つの層ごとの光学的層厚を100〜600nmとしたことを特徴とする。
本発明の光学的層厚100〜600nmは、可視光波長の一次オーダ(1/4λ)の干渉色、ないし二次オーダ(3/4λ)の干渉色を生起させるものとする。
なお、本発明の干渉層において、一つの層ごとの光学的層厚は100〜600nmが好ましく、100〜200nmが特に好ましい。
<請求項2>
なお、本発明においては、前記干渉層が、低屈折率金属化合物の層と該低屈折率金属化合物よりも高い屈折率を有する高屈折率金属化合物の層とを交互に積層した多層干渉層であり、
前記多層干渉層を構成する各金属化合物層の光学的層厚を、それぞれ100〜200nmとすることが好適である。
<請求項3>
本発明において、前記多層干渉層は、前記金属化合物の積層方向両側に、前記透明微小球よりも高い屈折率を有する金属化合物層を配置することが好適である。
すなわち、前記金属化合物層の積層方向両側に、前記透明微小球よりも高い屈折率を有する金属化合物層を配置することにより、他の配置のものに比較し、より良好な再帰反射光が得られるからである。
<請求項4>
本発明において、前記高屈折率金属化合物は、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、二酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化マグネシウムよりなる群から選ばれた一つであり、
前記低屈折率金属化合物は、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム、二酸化ケイ素よりなる群から選ばれた一つであることが好適である。
<請求項5>
本発明において、前記多層干渉層の積層厚は、合わせて光学的層厚300nm〜600nmの範囲において最大厚を選択することが好適である。
すなわち、前記層厚が、300nmよりも薄いと、干渉光が鈍く、600nmよりも厚いと、所望の干渉光が得られなかったり、外観色が白濁したりするからである。
本発明の多層干渉層は、合わせて光学的層厚300nm〜600nmの範囲において最大厚(全体厚)を選択することが特に好ましいが、一つの層ごとの光学的層厚が100〜200nmの範囲内であれば、本発明の再帰性反射材として使用することができる。
<請求項6>
本発明においては、前記多層干渉層が、光の入射側より順に、光学的層厚140nmの硫化亜鉛、光学的層厚140nmのフッ化マグネシウム、光学的層厚140nmの硫化亜鉛を順に積層したものであることが好適である。
<請求項7>
本発明においては、前記多層干渉層が、光の入射側より順に、光学的層厚140nmの硫化亜鉛、光学的層厚140nmの二酸化ケイ素、光学的層厚140nmの硫化亜鉛を順に積層したものであることが好適である。
<請求項8>
本発明において、前記多層干渉層は、該多層干渉層を構成する各金属化合物層の光学的層厚に100〜200nmの範囲でグラデーションを付けることが好適である。
<請求項9>
本発明において、前記多層干渉層は、前記再帰性反射材に対し入射光が、垂直入射時の光学的層厚T90:75度入射時の光学的層厚T75:60度入射時の光学的層厚T60:45度入射時の光学的層厚T45:30度入射時の光学的層厚T30が、1.00:0.95:0.85:0.70:0.50の関係を満たすように、該多層干渉層を構成する各金属化合物層の光学的層厚に100〜200nmの範囲でグラデーションを付けることが好適である。
<請求項10>
本発明においては、前記干渉層が、単層の金属化合物であり、前記単層干渉層の光学的層厚を、100〜600nmとすることが好適である。
すなわち、前記層厚が100nmよりも薄いと、干渉光が鈍く、前記層厚が600nmよりも厚いと、所望の干渉光が得られなかったり、外観色が白濁したりするからである。
<請求項11>
本発明においては、前記金属化合物が、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、二酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム、二酸化ケイ素よりなる群から選ばれた一つを用いることが好適である。
<請求項12>
本発明においては、前記干渉層が、光学的層厚400nmの硫化亜鉛であることが好適である。
<請求項13>
本発明において、前記単層干渉層は、その光学的層厚に100〜600nmの範囲でグラデーションを付けることが好適である。
<請求項14>
本発明において、前記単層干渉層は、前記再帰性反射材に対し光が、垂直入射時の光学的層厚T90:75度入射時の光学的層厚T75:60度入射時の光学的層厚T60:45度入射時の光学的層厚T45:30度入射時の光学的層厚T30が、1.00:0.95:0.85:0.70:0.50の関係を満たすように、光学的層厚に100〜200の範囲でグラデーションを付けることが好適である。
<請求項15>
本発明においては、前記干渉層が、複数の透明微小球の下方部に設けられていることが好適である。
<請求項16>
本発明において、前記干渉層は、前記透明微小球の直ぐ下方部の金属化合物層が、該透明微小球の屈折率よりも高い屈折率を有することが好適である。
すなわち、前記干渉層は、前記透明微小球の直ぐ下方部の金属化合物層が、該透明微小球の屈折率よりも高い屈折率を有することにより、該屈折率の考慮のないものに比較し、より良好な再帰反射光が得られるからである。
<請求項17>
本発明においては、前記干渉層の下方部ないし前記透明微小球の上方部に、着色層ないし無色透明層を設けることが好適である。
<請求項18>
本発明においては、前記干渉層の下方部に、着色層、無色透明層、ないし基材貼り合せ接着層を設けることが好適である。
作用
本発明にかかる再帰性反射材は、反射層が光透過性を有する干渉層を備え、該干渉層の光学的層厚を100〜600nmに設定しているので、虹色反射光が得られる。
請求項2に記載の発明は、透過性を有する一つの金属化合物の層と透過性を有する他の金属化合物との層で、光学層厚(λ/4)の奇数倍である多層干渉層を構成し、これを反射層に用いた。
請求項2に記載の発明によると、反射層が透過性を有する金属化合物を含むので、拡散光の条件下においては、反射層の下方の着色層、素材のデザイン等が施された色彩を、上方の反射層を通して見ることができる。再帰反射の条件下においては、上方から入射した入射光の一部が、反射層により反射され、再帰性反射を生じる。また、反射層が、種類の異なる金属化合物を積層している為、積層間での屈折率の相違(λ/4の奇数倍)により、入射光の一部が、金属化合物の干渉色を得て再帰反射する。この結果、反射光に色彩する事ができ、光の入射角の変化により、金属化合物の干渉色も変化するので、反射光にも、虹色干渉光に変化する、という視覚的効果を生ずる。
請求項2に記載の発明は、一つの金属化合物と他の金属化合物とは、可視域における光の屈折率の差が約0.2以上であるように、金属化合物が選択されることが好ましく、望ましくは約0.3以上である。例えば一つの金属化合物は、屈折率1.74以上の高屈折化合物であり、他の金属化合物は、屈折率1.46以下の低屈折化合物であるように、再帰性反射材を構成した。この様に屈折率の差を大きくすることによって、反射光に色彩を施し、虹色干渉光に変化する、という視覚的効果を高めることができる。尚、積層は3層以上であることが望ましい。
また、請求項2の基材を用い、反射層の下方に、デザイン等の多色印刷着色や接着層を設けることにより、請求項17に記載の再帰性反射材シートができ、任意のデザイン、形状を持った再帰性反射材マークを作ることができる。
よって請求項2に記載の発明に係る再帰性反射材によると、拡散光の条件下において、任意のデザイン、形状に加工ができ、鮮やか且つ所望の色彩を表示しつつ、再帰性反射の条件下においては、安全性を高めた再帰性反射性能を発揮し、かつ再帰反射光に変化を持たせた干渉色を付加することにより、夜間の視認性を高めた再帰性反射材を提供することができる。
請求項10に記載の発明は、上方から入射した入射光の少なくとも一部を、略入射方向に再帰反射する再帰性反射材において、透過性を有する単層の金属化合物を反射層に持つ、再帰性反射材で、単独金属化合物の厚さによる干渉色を利用した再帰性反射材である。
請求項10に記載の金属化合物反射層は、請求項2に記載の多層干渉層の原理とは違い、金属化合物本来の干渉色を利用したもので、蒸着層厚さに変化を持たせた反射層である。
請求項4ないし11記載の金属化合物等は、再帰反射材の反射層として最も一般的に使用されているアルミニウムとは違い、真空蒸着加工の際、突起部(一番近い部分)に蒸着積層しやすく、だれにくい性質を利用し、蒸着基材である透明微小球散布シートに蒸着する。従って金属化合物は、透明微小球の上方部に多く積層厚され、透明微小球の側部には薄く積層されるので、透明微小球にそって、卵型の金属化合物反射層をもつ再帰性反射材を作ることができる。
また請求項10の基材を用い、反射層の下方にデザイン等の多色印刷着色や接着層を設けることにより、請求項18に記載の再帰性反射材シートができ、任意のデザイン、形状を持った再帰性反射材マークを作ることができる。
よって請求項10に記載の発明に係る再帰性反射材によると、拡散光の条件下において、任意のデザイン、形状に加工ができ、鮮やか且つ所望の色彩を表示しつつ、再帰性反射の条件下においては、安全性を高めた再帰性反射性能を発揮し、かつ再帰反射光に変化を持たせた干渉色を付加することにより、夜間の視認性を高めた再帰性反射材を提供することができる。
請求項4ないし11の発明によると、高屈折化合物は、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、二酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化マグネシウムからなる群から選ばれた一つであり、
低屈折化合物は、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム、二酸化ケイ素からなる群から選ばれた一つである。これらの金属化合物は、真空蒸着またはスパッタリング等の方法で、透明微小球表面等に積層させることにより、その積層された蒸着膜を反射層とすると共に、その反射光が干渉色を有する再帰性反射材を製造する事ができる。また経済性、耐久性の観点より、金属化合物の単層を積層する事でも、同様の反射光が干渉色を有する再帰性反射材を製造する事ができる。
各金属化合物の可視域における光の屈折率は、光の波長λに依存するが、概ね以下のような数値である。
<高屈折化合物>
硫化亜鉛(ZnS):2.40
二酸化チタン(TiO)−ルチル:2.71、アナターゼ:2.52
酸化インジウム(InO、In):2.00
酸化スズ(SnO、SnO):1.90
二酸化ジルコニウム(ZrO):2.40
アルミナ(酸化アルミニウム Al):1.76
酸化マグネシウム(MgO):1.74
<低屈折化合物>
フッ化カルシウム(CaF):1.44
フッ化マグネシウム(MgF):1.38
フッ化ナトリウム(NaF):1.29
二酸化ケイ素(SiO):1.46
請求項5に記載の発明によると、前記反射層は、必要な反射輝度率と透光度とのバランスを確保しつつ、広い角度での反射光の干渉色を確保するには、合わせて300nm〜600nmの最大厚であることが好ましい。各積層の層厚については、任意に選択できるが、反射増加膜や反射防止膜において利用される光学層厚λ/4の、奇数倍であることが好ましい。
請求項13に記載の発明によると、前記反射層は、必要な反射輝度率と透光度とのバランスを確保しつつ、広い角度での反射光の干渉色を確保するには、300nm〜600nmの最大厚であることが好ましい。積層膜の形状は、反射屈折透明微小球に、均一平行に沿った反射層も好ましいが、干渉色をより強く出す為に、積層層厚の厚さ差がでるような構造が特に好ましい。
請求項15に記載の発明は、請求項5ないし12の干渉色反射層を、複数の敷き詰められた透明微小球下方の反射光屈折焦点位置に、積層されていることを特徴とした再帰性反射材。
請求項17に記載の発明の着色層は、干渉層の下方に位置し、拡散光の条件下において、任意のデザイン、形状に加工ができ、鮮やか且つ所望の色彩を表示することができる。また着色層を無色透明な層にした場合、貼り合せ素材や素材表面のデザイン、色彩を、透明微小球上方部より視認することができつつ、再帰性反射の条件下においては、安全性を高めた再帰性反射性能を発揮し、かつ再帰反射光に変化を持たせた干渉色を付加することにより、夜間の視認性を高めた再帰性反射材を提供することができる。
また透明微小球上方(反射表面)にも、任意のデザイン、形状に加工ができ、鮮やか且つ所望の色彩を表示することができるが、入射する入射光の軌道を妨げ(又は屈折させる)再帰性反射光が得られない。従って、透明微小球上方(反射表面)への印刷は、前面印刷ではなく、一部のデザイン、文字等の色彩にする事が望ましい。
請求項18に記載の発明は、干渉層を反射層にもつ、請求項2ないし10の反射材に、任意のデザイン等を着色し、貼り合せ基材(フイルム、生地、看板、その他)に接着させる接着層をもつ再帰性反射材。また、着色層及び接着層を、印刷(スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷等)する事で、任意のデザイン、形状、色彩に加工ができる、再帰性反射材マーク、ロゴが提案できる。
本発明に係る再帰性反射材のタイプは、特に限定されるものではなく、オープンタイプ(透明微小球が露出)の他に、クローズドタイプ(透明微小球が埋没)、エンボスキューブ(マイクロプリズム)等の下方反射焦点位置に、干渉層を用いても、同様の反射光を得ることができる。
本発明に係る再帰性反射材によれば、光透過性の干渉層を備え、該干渉層の光学的層厚を100〜600nmに設定することとした。この結果、本発明は、特に、視認性に優れた虹色反射光を確実に得ることができるので、視認性の更なる向上を確実に図ることができる。
詳しくは、拡散光の条件下において、任意のデザイン、形状に加工ができ、鮮やか且つ所望の色彩を表示しつつ、再帰性反射の条件下においては、安全性を高めた再帰性反射性能を発揮し、かつ再帰反射光に変化を持たせた干渉色を付加することにより、夜間の視認性を高めた再帰性反射材を提供することができる。従って、反射材が多く普及し、使用されている通常の反射材の反射光や反射材でない路側帯の外灯や遠くの街灯等の光とは違った反射光の為、ドライバーへの視認性を上げることができる。
以下、本発明に係る再帰性反射材を実施するための最良の形態及び実施例について説明する。なお、以下の説明は発明をより深く理解するためのものであって、特許請求の範囲を限定するものではない。
第1実施形態
図1は本発明に係る再帰性反射材の一つの実施の形態の構造を示す拡大断面図である。図1及び以下の図においては、説明の便宜のために、再帰性反射材は、平面方向に連続するシートの一部の断片のみが、ガラスビーズ球が切断されることなく整然と整列され、また、各層は、層の平面的に広がる方向に均一の厚さであるかのように描かれている。更にガラスビーズ球の大きさや各層の厚さは、他の層の厚さに対して、必ずしも正確な比率で図示されているわけではなく、説明のために、厚くしたり、薄くしたりしている場合がある。
図1において、再帰性反射材は、上方から順に、基礎層11と、被覆層12と、ガラスビーズ球(透明微小球)13と、多層干渉層(干渉層)14と、着色樹脂層(着色層)16と、接着樹脂層(接着層)21と、を積層してなる再帰性反射材である。
再帰性反射材は、フイルム、生地、メルトフイルム等の被写体22に接着される。
基礎層11は、樹脂フイルム製または紙製で、使用時には基礎層11の下方の被覆層12と共に、再帰性反射材から剥離され、図1の視左部に一部示すような、オープンタイプ(ガラスビーズ球露出)の再帰性反射材となる。被覆層12は、例えばポリエチレンの様な無色透明の樹脂層である。
被覆層12の下方には、ガラスビーズ球13が並べられている。ガラスビーズ球13は屈折率1.9前後のものが選択され、ここでは、屈折率1.92、球径38μm〜50μm、もしくは球径50μm〜85μmの範囲の球径が好ましい。ガラスビーズ球13の屈折焦点位置は、ガラスビーズ球13の下半球の表面に一致する。多層干渉層14は、ガラスビーズ球13の下側の表面(隣り合うガラスビーズ球13同士の隙間では被覆層12の表面となる)に、蒸着被覆層された干渉金属化合物製であり、硫化亜鉛140nm(光学的層厚)、二酸化ケイ素140nm(光学的層厚)、硫化亜鉛140nm(光学的層厚)を3層に蒸着積層したものである。各金属化合物層の蒸着層厚は、光学的層厚で、可視波長400〜800nmの、1/4の奇数倍であることが好ましく、1/4、3/4であることが特に好ましい。
多層干渉層14の下方には、図1に指示している通り、反射性着色樹脂層19と、着色樹脂層16と、透明樹脂層(透明層)20とを印刷積層している。反射性着色樹脂層19と着色樹脂層16とは、異系色で使用したり、同系色で使用したりして、拡散光の条件下で柄を視認したり、反射光で柄を視認したりする事ができる。また透明樹脂層20を加えても、上記と同様な視認を表現することができ、被写体22の素材性、色彩等を表現する事もできる。尚、この実施の形態では、反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16、透明樹脂層20を備えているが、全体を反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16、透明樹脂層20のいずれかにしても良いことは言うまでもない。反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16が淡色の場合、被写体22の色と混色してしまうので、更に二酸化チタン粉末等を混入させた樹脂層を、反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16の下方に設けて隠蔽する事もできる。
反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16、透明樹脂層20の下方には、接着樹脂層21が配置されている。接着樹脂層21は、再帰性反射材を被写体22に接着させる為の層である。接着樹脂層21がホットメルトフイルム、粘着シールの場合には、剥離紙(図示していない)が貼り合せてあり、接着する時にはこれを剥離し使用する。
上方着色樹脂層樹脂層17は、着色樹脂、透明樹脂等であり、反射光を伴わない層であって、拡散光の条件下において視認できる着色となる。但し、再帰性反射材の表面面積に対して上方着色樹脂層樹脂層17の比率が大きいと、反射光の視認性も低下してくる。透明樹脂を使用した場合、拡散光の条件下では、透明樹脂を透して下方(ガラスビーズ球下方)の着色を視認することができ、再帰反射の条件下では、上方着色樹脂層樹脂層17が反射光を妨げる。これにより隠し文字、デザイン等の特殊加工ができる。
本発明において特徴的なことは、入射光の一部に可視光波長に対応する位相差を付与して再合成し、該可視光波長の光成分を干渉により強調し、入射角によって異なる可視光波長の干渉光を入射光進行方向に帰還させたことである。
このために反射層は光透過性の干渉層を含み、該干渉層は、入射角によって異なる可視光波長の干渉色を生起するように、光学的層厚を100〜600nmに設定している。
本実施形態においては、多層干渉層14を、ガラスビーズ球13の着色樹脂層16の埋没面に設けている。本実施形態においては、ガラスビーズ球13の下方反射焦点位置の全域にわたって、多層干渉層14を構成する各金属化合物の光学的層厚を、それぞれ100〜600nmに設定している。
また、本実施形態においては、多層干渉層14の積層厚は、合わせて、光学的層厚300nm〜600nmの範囲において最大厚を選択している。
すなわち、多層干渉層14の最大厚が光学的層厚300nmよりも薄いと、干渉光が鈍いのに対し、その最大厚が光学的層厚600nmよりも厚いと、外観色が白濁したり、所望の干渉光が得られないことがあるからである。
なお、多層干渉層14においては、一つの層ごとの光学的層厚を、100〜200nmとすることが特に好ましい。
また、本実施形態の高屈折率金属化合物は、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、二酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化マグネシウムよりなる群から選ばれた一つである。低屈折率金属化合物は、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム、二酸化ケイ素よりなる群から選ばれた一つである。
本実施形態においては、干渉層を多層としているので、上層により生起される干渉色と同様の干渉色が下層によっても生起され、より強調されので、より所望の干渉色を得ることができる。
第2実施形態
図2の基本構造は、図1と同様だが、多層干渉層14に比較し、コスト及びロス率を少なくする仕様として、単層干渉層15を適用することも好適である。
単層干渉層(干渉層)15は、請求項4に記載の高屈折率金属化合物又は低屈折率金属化合物(請求項12に記載の金属化合物)の単層の金属化合物である。干渉を利用した反射層で、積層の厚さを変化させると共に、金属化合物の干渉にも干渉色を得ることができる。上記の金属化合物は、蒸発した化合物が、蒸着面の突起した部分に積層しやすく、ダレにくい性質を持っているため、フイルム等のフラットな面に蒸着するのでは無く、ガラスビーズ球散布シート(基礎層11、被覆層12、ガラスビーズ球13)に蒸着することで、厚さ変化のある単層干渉層15を作ることができる。但し、単層干渉層15を蒸着するには、高屈折率金属化合物又は低屈折率金属化合物によって、真空、温度、時間に、差があることは言うまでもない。
従って、単層干渉層15は、高屈折率金属化合物又は低屈折率金属化合物の単層であり、蒸着積層厚に変化をもたした干渉層である。ここでは、硫化亜鉛を、最高(最大)幾何学的層厚180nm、最低(最小)幾何学的層厚120nmになる様、温度、時間、蒸着方向の斜め角度を設定し、積層する。また単層干渉層15の下方積層へは、図1の指示同様の反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16、透明樹脂層20、接着樹脂層21等の加工を施すことができる。
本実施形態において特徴的なことは、ガラスビーズ球(透明微小球)13の着色樹脂層16の埋没面に、単層の干渉層15を設けたことである。
本実施形態においては、ガラスビーズ球13の下方反射焦点位置の全域にわたって、単層干渉層15の光学的層厚を、100〜600nmに設定している。
すなわち、単層干渉層15の光学的層厚が100nmよりも薄いと、干渉光が鈍いのに対し、該光学的層厚が600nmよりも厚いと、外観色が白濁したり、所望の干渉光が得られないことがあるからである。
第3実施形態
図3は本発明に係る再帰性反射材を使用した実施の形態、構造を示す図である。基材23は、基礎層11と、被覆層12と、ガラスビーズ球13とを含む。基材23の一部に、反射性着色樹脂層19と、着色樹脂層16と、透明樹脂層20と、接着樹脂層21とを任意のデザイン、形状に、シルクスクリーン印刷する。接着樹脂層21面を被写体25にあて接着させ、基材23を剥離すると、任意のデザイン、形状に、シルクスクリーン印刷されたガラスビーズ球13と、反射性着色樹脂層19と、着色樹脂層16と、透明樹脂層20と、接着樹脂層21とを含む転写24が、被写体25と接着される。
反射性着色樹脂層19と着色樹脂層16とは、異系色で使用したり、同系色で使用したりして、拡散光の条件下で柄を視認したり、反射光で柄を視認したりする事ができる。また透明樹脂層20を加えても、上記と同様な視認を表現することができ、被写体25の素材性、色彩等を表現する事もできる。尚、この実施の形態では、反射性着色樹脂層19と、着色樹脂層16と、透明樹脂層20とを備えているが、全体を反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16、透明樹脂層20のいずれかにしても良いことは言うまでもない。反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16が淡色の場合、被写体25の色と混色してしまうので、更に二酸化チタン粉末等を混入させた樹脂層を、反射性着色樹脂層19、着色樹脂層16の下方に設けて、隠蔽する事もできる。
接着樹脂層21は、熱転写用ホットメルト樹脂や、感圧粘着樹脂または接着樹脂等でもよく、被写体にあわせて選択することができる。これにより熱転写マーク、粘着シール、アップリケ、等のデザイン、文字を必要とする再帰性反射材を作ることができる。
図示していないが、他の再帰性反射材であるクローズドタイプ再帰性反射材(ガラスビーズ球埋没)やエンボスキューブ(マイクロプリズム)等の下方反射焦点位置に、本発明の干渉反射層を用いても、同様の虹色反射光を得ることができる。但し、上記2種の再帰性反射材の場合、反射基礎層がフイルム仕様のため、所望のロゴ、文字を形成するには、カッティング、高周波ウエルダー等の溶断接着が必要となってくる。但し、全面で使用される道路標識や安全服、保安ベスト等には、使用することができる。
以下、本発明に係る虹色反射光を持つ再帰性反射材の実施例について説明する。
基礎となる厚さ100μmのPETフイルム(EMBLET(商標))の上面に、コンマコーターによりシリコーン配合ポリエチレン樹脂(5150S(商標))を塗工して厚さ約25μmの被覆層を形成し、その上にガラスビーズ球(UB−13M(商標))屈折率1.92、粒径38μm〜53μmを散布し、100℃で約6分間加熱乾燥して、ガラスビーズ球の下半球をポリエチレン樹脂中に埋没させた。さらにその上面(ガラスビーズ球面)に、蒸着機にて、硫化亜鉛140nm、フッ化マグネシウム140nm、硫化亜鉛140nmを蒸着させて、多層干渉層14を生成し、これを基材1とした。
蒸着層厚を硫化亜鉛140nm、二酸化ケイ素140nm、硫化亜鉛140nmに蒸着させて多層干渉層14を生成し、これを基材2とした。
また、硫化亜鉛165nm、二酸化ケイ素137nm、硫化亜鉛165nm、二酸化ケイ素137nm、硫化亜鉛165nmに蒸着させて多層干渉層14を生成し、これを基材3とした。
上記基材1、2、3の外観色および多層干渉層14を確認するために、各基材の多層干渉層面に、ポリウレタン樹脂(AG−946HV(商標))65重量部、パール顔料(パールグレーズMF−100R(商標))20重量部、着色顔料(K
Color K603(商標))1重量部、硬化剤アクセル(HM(商標))5重量部、溶剤(トルエン)9重量部を混合し、着色反射層樹脂を、コンマコーターにより、W/ギャップ200μm、70℃/90℃/120℃の温風乾燥、塗工2m/分で塗工して、単色の虹色反射光を持つ再帰性反射材(全面着色反射層再帰性反射材)を得た。
更に、コスト、生産ロス率を削減する為に、単独金属化合物にて、単層干渉層15を生成する。
基礎となる厚さ100μmのPETフイルム(EMBLET(商標))の上面に、コンマコーターにより、シリコーン配合ポリエチレン樹脂(5150S(商標))を塗工して、厚さ約25μmの被覆層を形成し、その上にガラスビーズ球(UB−13M(商標))屈折率1.92、粒径38μm〜53μmを散布し、100℃で約6分間加熱乾燥して、ガラスビーズ球の下半球をポリエチレン樹脂中に埋没させた。さらにその上面(ガラスビーズ球面)に、蒸着機にて、最大積層層厚を、硫化亜鉛240nmになるよう設定し、生成した。これを基材4とした。
上記生成方法にて、最大積層層厚を硫化亜鉛360nm(基材5)、最大積層層厚を硫化亜鉛432nm(基材6)、最大積層層厚を硫化亜鉛600nm(基材7)を蒸着させ、単層干渉層15を生成した。
上記基材4、5、6、7を実施例1と同様、ポリウレタン樹脂(AG−946HV(商標))65重量部、パール顔料(パールグレーズMF−100R(商標))20重量部、着色顔料(K
Color K603(商標))1重量部、硬化剤アクセル(HM(商標))5重量部、溶剤(トルエン)9重量部を混合し、着色反射層樹脂を、コンマコーターにより、W/ギャップ200μm、70℃/90℃/120℃の温風乾燥、塗工2m/分で塗工して、単色の虹色反射光を持つ再帰性反射材(全面着色反射層再帰性反射材)を得た。
実施例1ないし2の干渉層を生成した反射基材フイルムに着色し、外観色(拡散光の条件下)及び反射光色(再帰反射の条件下)の角度による干渉の移り変り、また再帰性反射材に最も必要な反射輝度を確認した。結果を表1に示す。
*表1の示されている反射輝度率は(Z 9117−1984に準ずる)観測角0.2°、入射角5°とした。
表1より分かるように、任意の外観色については、所望の着色ができ、干渉色反射が透過性をもっていることが分かる。ただし、積層層厚が厚くなると、任意の外観色よりも僅かながら白く白濁する事が分かった。反射輝度率については、Z 9117−1984の規格である1級70cdl/xm、2級35cdl/xm、をクリアしており、安全性が高い反射性能を持った商品であることを確認した。
実施例1のように、多層干渉層14を使用した反射光は、通常の反射光とは違い、所望の反射光に干渉した。また積層を重ねれば、角度による反射干渉色が細かくなり、多彩な干渉色を得ることができる。また、実施例2の表1に示した結果でも分かるように、単層干渉層15でも干渉光を得ることができる。但し、干渉光の度合いは、薄い場合は、干渉光が鈍く、厚すぎても所望の干渉光(薄い積層の反射光と似ている)が得られないことが分かった。
従って、本発明の虹色反射光を持つ再帰性反射材としては、実施例1の基材1ないし2及び、実施例2の基材6が、所望した外観色、反射光色、反射性能を平均して兼ね備えている点で好ましい。また反射光(干渉色)のみをとらえれば、実施例1の基材3が特に好ましい。
実施例1の基材1、2、3及び、実施例2の基材6を選択し、虹色反射光を持つ再帰性反射材フイルムし、次の課題である任意のデザイン、形状を検証する。
デザイン、色彩および任意の形状と物性を検討する為に、シルクスクリーン印刷にて文字およびモチーフを製版印刷し、更に被写体貼り合せ用の熱接着樹脂を同版印刷して熱転写マークを作成する。着色配色として、白色(淡色)、黒色(濃色)、透明色の色彩で検証する。
基材1、2、3、6の各反射層上面にシルクスクリーン印刷をする。印刷製版は、150メッシュを使用しA/Bの2版を製版する。A版では、ポリウレタン樹脂(AG−946HV(商標))65重量部、パール顔料(パールグレーズMF−100R(商標))20重量部、着色顔料(K
Color K208(黒))1重量部、硬化剤(アクセルHM(商標))5重量部、溶剤(トルエン)9重量部を混合し、着色反射層樹脂を作成し、印刷する。印刷層厚は、50μmに設定し、乾燥させる。他の色彩(白色)も同様だが、透明色の場合、パール顔料と着色顔料は除く。また、ここでは、単色の色彩で表現しているが、多色印刷や隠蔽を施す層も、追加できることは、言うまでもない。
更にB版で、ポリウレタン樹脂(AG−865HV(商標))60重量部、粉末メルトパウダー(P906(商標))20重量部、溶剤(CHA)20重量部を混合し、熱接着剤樹脂を印刷層厚50μmに設定し、印刷し、熱転写マークを作成する。プレス温度150℃、加圧500g/cm、時間10秒で、被写体に接着させ、冷えてから、基礎層であるPETライナーを剥離し、更にプレス温度150℃、加圧500g/cm、時間15秒で、本接着させる。
上記基材の色彩別の外観色と反射光色の結果を表2に示し、上記基材の物性試験結果を表3に示す。
反射性能、反射干渉光、外観色、衣料用の堅牢度について物性試験を行った。
耐洗濯試験(JIS-L-0217 103法)繰り返し洗濯50回 乾燥:恒温乾燥機(60℃×30分間)
耐ドライクリーニング試験(JIS-L-0217 401法)パークロエチレン 繰り返し10回
耐ドライクリーニング試験(JIS-L-0217 402法)石油系 繰り返し10回
耐摩擦試験(JIS-L-0849)摩擦試験機II形 準用 荷重:500gf 摩擦回数:200回
表2の結果、着色層の色彩が濃色の場合、外観色に干渉色である色彩が見られ、任意の外観色にならない事が分かった。表3の結果では、基材1の多層干渉層の一部であるフッ化マグネシウムが、水により溶解し、屈折積層を破壊する為、反射光に干渉色が得られず、通常の黄味のある反射光となってしまう。更に、基材3の多層積層の場合は、金属化合物とガラスビーズ球との密着が悪く、耐選択性試験では、ビーズ球脱落となってしまった。
上記の結果から、虹色反射光を持つ再帰性反射材反射として採用できる基材は、実施例1仕様の基材2及び実施例2仕様の基材6が最も好ましい。但し、水洗いのしない商材に使用の場合であれば、最も干渉反射の高い基材3を選択することも好ましい。各試験の結果は、実用的な衣料が備えるべき性能、物性としては、十分であると評価できる。
実施例2の基材6を使用して、他の付属品の実証をしてみる。但し、ここでは、基材6を使用するが、基材2及び基材3でも同様であることは言うまでも無い。着色層には、透明樹脂を使用し、貼り合せ被写体として25μmPETフイルム、ポリエステル生地、ホットメルトフイルムにそれぞれ貼り合せてみる。25μmPETフイルムは、両面反射材を貼り合せて、マイクロスリッター機にて、0.275mm、0.5mm、0.75mmに、スリットし、反射平糸を制作し、織物、編物およびテープ等に織り込む。貼り合せ被写体のポリエステル生地(無地)は、0.75mm、1mm、3mmでスリットし、織物及び衣料用付属テープに編込む。また、貼り合せ被写体のホットメルトフイルムは、2mm、5mm、10mmにスリットし、衣料用付属テープ等に熱転写する。
結果、製品スリット幅が、0.75mm以下になると、反射光の干渉色は、発揮しない。但し、寄り集まった部分は、通常の干渉反射色となった。また、ポリエステル生地タイプをスリットし、試用した衣料用付属テープに染め加工を施し確認したところ、ポリエステル生地が染料によって染まり、同系色の後染め加工用反射糸がつくれた。外観色は、表2と同様の結果を示し、やはり濃色では、外観色に干渉色が見えてきた。ホットメルトフイルム仕様も、表2及び表3と同様の結果であった。
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、適宣、変形実施が可能であることは言うまでもない。
視認性の更なる向上
ところで、本実施例において、再帰性反射材の視認性を更に向上するためには、拡散光の条件下での外観色、再帰反射の条件下での反射光色、反射性能を総合的に向上することが非常に重要である。このためには干渉層の光学的層厚の設定が非常に重要となる。
そこで、干渉層の光学的層厚と再帰性反射材の性能との関係を検証するため、干渉層の光学的層厚(全厚)を変えて、外観色、反射光色、及び反射性能の評価を行った。
<評価方法>
◎:非常に良い
○:良い
△:やや良い
×:悪い
(1)多層干渉層
本試験例では、多層干渉層14の光学的層厚と性能との関係を検証するため、多層干渉層14の光学的層厚(全厚)を変えて、外観色、反射光色、及び反射性能の評価を行った。その結果を下記の表4に示す。
同表より明らかなように、多層干渉層14の光学的層厚(全厚)は、300nmよりも薄いと、干渉光が鈍く、所望の干渉色が得られないことがある。
一方、多層干渉層14の光学的層厚(全厚)は、600nmよりも厚くても、所望の干渉光が得られなかったり、外観色が白濁したりして、干渉色が得られないことがある。
以上の結果から、本実施例においては、多層干渉層14の光学的層厚(全厚)を、300nm〜600nmの範囲において選択することが好ましい。
このような多層干渉層14を備えた再帰性反射材によれば、外観色、反射光色及び反射性能を、極めて高いレベルにおいてバランス良く得ることができる。
(2)単層干渉層
次に単層干渉層15の光学的層厚と性能との関係を検証するため、単層干渉層15の光学的層厚を変えて、外観色、反射光色、及び反射性能の評価を行った。その結果を下記の表5に示す。
同表より明らかなように、単層干渉層15の光学的層厚が、100nmよりも薄いと、干渉光が鈍く、所望の干渉色が得られないことがある。
一方、単層干渉層15の光学的層厚が、600nmよりも厚くても、所望の干渉光が得られなかったり、外観色が白濁したりして、干渉色が得られないことがある。
以上の結果から、本実施例においては、単層干渉層15の光学的層厚を、100nm〜600nmの範囲において選択することが好ましい。
このような単層干渉層15を備えた再帰性反射材によれば、外観色、反射光色および反射性能を極めて高いレベルにおいてバランス良く得ることができる。
視認性の更なる向上
また、本実施例において、視認性の更なる向上を図るためには、特に反射光色の更なる多彩化が非常に重要である。このために入射角によって干渉層の光学的層厚が異なるように、干渉層の光学的層厚に100〜600nmの範囲でグラデーションを付けることが特に好ましい。
<作製方法>
以下に、グラデーションの作製方法について、図4を参照しつつ説明する。なお、同図では、再帰性反射材としてオープンタイプのものを想定している。また、説明のため、構成を簡略化している。
同図において、グラデーションの作製方法は、薄膜蒸着工程(同図(A))と、フィルム基材貼り合わせ工程(同図(B))と、保護フィルム剥離工程(同図(C))とを含む。
同図(A)に示される薄膜蒸着工程では、保護フィルム30に保持されたビーズ原反(ガラスビーズ球)13に、ZnS薄膜を蒸着している。このとき、表面には、ガラスビーズ球13の半球部により、凹凸があるため、ZnS薄膜の厚さにグラデーション、つまり頂点から他の部位に向けて厚〜薄の変化が生じる。
この結果、同図(B)に示されるような、ガラスビーズ球13に沿って卵型のZnS薄膜からなる単層干渉層15を作ることができる。
前記薄膜蒸着後、同図(B)に示されるフィルム基材貼り合わせ工程では、同図(A)に示したものに、フィルム基材32を貼り合わせる。
前記フィルム基材貼り合わせ後、同図(C)に示される保護フィルム剥離工程では、同図(B)に示したものから、保護フィルム30を剥離する。
このような方法で、単層干渉層15の光学的層厚に100〜600nmの範囲でグラデーションを付けて、本実施例の再帰性反射材を作製している。
なお、再帰性反射材には、クローズタイプ、オープンタイプがあるが、光学的層厚にグラデーションを付ける際は、オープンタイプのものに蒸着を行うことが特に好ましい。
すなわち、クローズタイプでは、表面が蒸着源からみて、垂直でほぼフラットであるため、干渉層となるZnS薄膜の厚さが一定になる。これにより、反射する部分の層厚が、ほとんど変化しない。一方、オープンタイプでは、透明微小球の半球部により、表面に凹凸があるため、干渉層となるZnS薄膜の厚さにグラデーション、つまり頂点から他の部位に向けて厚〜薄の変化が生じるからである。
前記作製方法によれば、例えば以下の層厚分布が得られる。
<層厚分布の測定方法>
前記干渉層の層厚分布は、以下のようにして測定した。
図5(A)に示されるように、保護フィルム30に保持されたビーズ原反(ガラスビーズ球)13に、ZnS薄膜を蒸着し、同図(B)に示されるような単層干渉層15を得る。
同図(B)に示されるように、同図(A)に示したものに、両面テープ基材40を貼り合わせる。
同図(C)に示されるように、同図(B)に示したものを、ステージ42に固定し、保護フィルム30を剥離する。
同図(D)に示されるように、同図(C)に示したものに、粘着テープ44を貼り付ける。
同図(E)に示されるように、同図(D)に示したものから、粘着テープ44を剥離すると、粘着テープ44と共にガラスビーズ13が剥離する。
同図(F)に示されるような干渉層15の上面から、超深度形状測定顕微鏡で、単層干渉層15の層厚(nm)の分布を測定した。
なお、層厚の測定は、単層干渉層15における図6に示す各位置で行った。図6(A)は、単層干渉層15を上から見た図、同図(B)は、同様の単層干渉層15を横から見た図である。同図に示されるように、単層干渉層15の位置は、単層干渉層15を上方から見て、その中心P3を中心にして、左右に約10μm間隔で、位置P1、P2、P4、P5を設定している。得られた各位置P1〜P5での層厚(nm)の一例を、下記の表6に示す。
また、単層干渉層15の好適な層厚分布を検討した結果、単層干渉層15は、再帰性反射材の面方向に対し光が垂直入射時の光学的層厚T90:75度入射時の光学的層厚T75:60度入射時の光学的層厚T60:45度入射時の光学的層厚T45:30度入射時の光学的層厚T30が、1.00:0.95:0.85:0.70:0.50の関係を満たすように、光学的層厚に100〜200nmの範囲でグラデーションを付けることが、所望の干渉色を得るためには好ましいことがわかった。
<作用>
以下に、得られた干渉層15の作用について、図7を参照しつつ説明する。
図7には、再帰性反射材の特徴部分である干渉層15及びその近傍が拡大して示されている。
同図に示されるように干渉層15は、前述のように層厚に変化をもたせている。
この結果、入射角を例えば同図(A)〜(C)に示されるように、90度から、60度、30度へ変化させると、入射光が集光されて反射(干渉)する干渉層部分15a,15b,15cの硫化亜鉛膜の層厚T90、T60、T30が変化する(T90>T60>T30)。
したがって、光の干渉作用による強調(減衰)される光の波長がより顕著に変化するので、干渉色が入射角によって異なる、いわゆる虹色干渉色が、より明瞭に得られる。
次に前記再帰性反射材の性能を検証するため、下記のサンプル、測定方法を用いて、色調測定をした。
<実施例3>
干渉層材質:ZnS
干渉層光学的層厚:前記表6の通り
干渉層の下方部に透明層を貼り合わせた積層体
<実施例4>
干渉層材質:ZnS
干渉層光学的層厚:前記表6の通り
干渉層の下方部に白色層を貼り合わせた積層体
<比較例1>
反射層材質:アルミニウム
<比較例2>
株式会社資生堂製 インフィニットカラー プリベールブルー BP(外観色が青、干渉色が紫色であるLiCoTi被覆雲母チタン)
<測定方法>
得られた再帰性反射材の色調を測定するため、図8に示されるような再帰反射光色調測定装置を用いた。
同図に示す再帰反射光色調測定装置50は、白色光源52と、ハーフミラー(可視光反射率90%)54と、非接触画像測色計56とを備える。そして、光路に、サンプルとなる再帰性反射材10を置いた。
測定を行うには、サンプルとなる再帰性反射材10に白色直線光を照射し、サンプル10の角度を90度から15度へと変化させていく。各角度での再帰反射光の色調(明度、色相等)を、非接触画像測色計56で測定した。
<色相>
各サンプルについて、非接触画像測色計56による反射光色の撮像画像を図9に示す。図10では同様の結果をL*a*b*表色系で示した。下記の表8では、観察された同様の結果を、干渉層15の光学的層厚(nm)、干渉により最も強調される反射光の波長(nm)、光の入射角(度)及び反射光の干渉色の4項目について示した。
比較例1を示す図9(A)においては、白色直線光の入射角を90度から15度に変えても、再帰反射光の色は、白(入射角90度)、白(入射角75度)、白(入射角60度)、白(入射角45度)、白(入射角35度)、白(入射角25度)、やや暗い白(入射角15度)と白のままであり、変化しなかった。
また、比較例2を示す同図(B)においては、白色直線光の入射角を90度から45度に変えても、再帰反射光の色は、青紫(入射角90度)、青紫(入射角75度)、青(入射角60度)、暗い青(入射角45度)とほぼ青のままであり、入射角45度を超えたあたりから、その青も、ほとんど観察するのが困難なほどに、非常に暗いものであった。
これに対し、実施例3を示す同図(C)では、白色直線光の入射角を90度から15度に変えると、再帰反射光の色は、黄緑(入射角90度)、緑(入射角75度)、青(入射角60度)、青紫(入射角45度)、赤紫(入射角35度)、赤(入射角25度)、橙(入射角15度)へと大きく変化する。
これらの結果から明らかなように、実施例3は、90〜15度へと入射角を変えると、再帰反射光の色が、黄緑(90度)、緑(75度)、青(60度)、青紫(45度)、赤紫(35度)、赤(25度)、橙(15度)へと大きく変化する。
一方、比較例1及び比較例2はいずれも、90〜15度へと入射角を変えても、色相がほとんど変化しなかった。
したがって、実施例3は、入射角90〜15度において、比較例に比較し、色相が大きく変化しており、反射光色の多彩化が図られていることがわかる。
<明度>
各サンプルについて、白色直線光の入射角と再帰反射光の明度との関係を測定した。その結果を図11に示す。
同図より明らかなように、実施例3,4は、入射角90〜15度の広い角度範囲において、比較例1と同様、比較例2に比較し、極めて高い明度を示している。
<彩度>
各サンプルについて、白色直線光の入射角と再帰反射光の彩度との関係を測定した。その結果を図12に示す。
同図より明らかなように、実施例3,4は、特に入射角30〜90度において、比較例1と同様、比較例2に比較し、極めて高い彩度を示している。
このように本実施例の再帰性反射材によれば、入射角15〜90度において、再帰性反射光は色相の変化に富み、しかも明度及び彩度も高いので、再帰性反射材の多彩化及び光の利用効率の向上の双方が得られている。これにより、本実施例は、入射角15〜90度の広い角度範囲において、視認性の更なる向上が図られている。
前記グラデーションの説明では、単層の干渉層15の場合を例に説明したが、多層の干渉層14の場合も同様である。
本発明に係る多層干渉層を反射層とした再帰性反射材の1つの実施の形態を示す拡大図面である。 本発明に係る単層干渉層を反射層とした再帰性反射材の1つの実施の形態を示す拡大図面である。 本発明に係る再帰性反射材の形状表現方法の実施の形態を示す拡大図面である。 本実施例において特徴的な反射層の作製方法の説明図である。 本実施例において特徴的な反射層の層厚分布を測定する方法の説明図である。 本実施例において特徴的な反射層の層厚分布の測定位置の説明図である。 本実施例において特徴的な反射層の作用の説明図である。 本実施例において特徴的な反射層の色調を測定するための装置の説明図である。 本実施例の反射層を用いた場合と従来例の反射層を用いた場合との色相変化の比較写真である。 本実施例の反射層を用いた場合と従来例の反射層を用いた場合との色相変化の比較説明図である。 本実施例の反射層を用いた場合と従来例の反射層を用いた場合との明度の比較説明図である。 本実施例の反射層を用いた場合と従来例の反射層を用いた場合との彩度の比較説明図である。
符号の説明
11 基礎層
12 被覆層(ガラスビーズ球仮接着樹脂層)
13 ガラスビーズ球(透明微小球)
14 多層干渉層(干渉層)
15 単層干渉層(干渉層)
16 着色樹脂層
17 上方着色樹脂層樹脂層
18 反射顔料粉体
19 反射性着色樹脂層(着色層)
20 透明樹脂層(無色透明層)
21 接着樹脂層(接着層)
22 被写体
23 基材シート(11、12、13)
24 形状マーク(13、14、15、16、18、19、20、21)
25 被写体

Claims (18)

  1. 反射層と、透明微小球と、を備え、入射光の少なくとも一部に可視光波長に対応する位相差を付与して再合成し、該可視光波長の光成分を干渉により強調し、入射角によって異なる可視光波長の干渉光を入射光進行方向に帰還させる再帰性反射材であって、
    前記反射層は光透過性の干渉層を含み、該干渉層は、光の入射角によって異なる可視光波長の干渉色を生起するように、一つの層ごとの光学的層厚を100〜600nmとしたことを特徴とする再帰性反射材。
  2. 請求項1記載の再帰性反射材において、
    前記干渉層は、低屈折率金属化合物の層と該低屈折率金属化合物よりも高い屈折率を有する高屈折率金属化合物の層とを交互に積層した多層干渉層であり、
    前記多層干渉層を構成する各金属化合物層の光学的層厚を、それぞれ100〜200nmとしたことを特徴とする再帰性反射材。
  3. 請求項2記載の再帰性反射材において、
    前記多層干渉層は、前記金属化合物の積層方向両側に、前記透明微小球よりも高い屈折率を有する金属化合物を配置したことを特徴とする再帰性反射材。
  4. 請求項2又は3記載の再帰性反射材において、
    前記高屈折率金属化合物は、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、二酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化マグネシウムよりなる群から選ばれた一つであり、
    前記低屈折率金属化合物は、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム、二酸化ケイ素よりなる群から選ばれた一つであることを特徴とする再帰性反射材。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の再帰性反射材において、
    前記多層干渉層の積層厚は、合わせて、光学的層厚300nm〜600nmの範囲において最大厚を選択したことを特徴とする再帰性反射材。
  6. 請求項5記載の再帰性反射材において、
    前記多層干渉層は、光の入射側より順に、光学的層厚140nmの硫化亜鉛、光学的層厚140nmのフッ化マグネシウム、光学的層厚140nmの硫化亜鉛を順に積層したものであることを特徴とする再帰性反射材。
  7. 請求項5記載の再帰性反射材において、
    前記多層干渉層は、光の入射側より順に、光学的層厚140nmの硫化亜鉛、光学的層厚140nmの二酸化ケイ素、光学的層厚140nmの硫化亜鉛を順に積層したものであることを特徴とする再帰性反射材。
  8. 請求項2〜7のいずれかに記載の再帰性反射材において、
    前記多層干渉層は、該多層干渉層を構成する各金属化合物層の光学的層厚に、100〜200nmの範囲でグラデーションを付けたことを特徴とする再帰性反射材。
  9. 請求項8記載の再帰性反射材において、
    前記多層干渉層は、前記再帰性反射材の面方向に対し光が、垂直入射時の光学的層厚T90:75度入射時の光学的層厚T75:60度入射時の光学的層厚T60:45度入射時の光学的層厚T45:30度入射時の光学的層厚T30が、1.00:0.95:0.85:0.70:0.50の関係を満たすように、該多層干渉層を構成する各金属化合物層の光学的層厚に100〜200nmの範囲でグラデーションを付けたことを特徴とすることを特徴とする再帰性反射材。
  10. 請求項1記載の再帰性反射材において、
    前記干渉層は、単層の金属化合物であり、
    前記単層干渉層の光学的層厚の最大厚を、100〜600nmの範囲において選択したことを特徴とする再帰性反射材。
  11. 請求項10記載の再帰性反射材において、
    前記単層干渉層を構成する金属化合物は、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、二酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム、二酸化ケイ素よりなる群から選ばれた一つを用いることを特徴とする再帰性反射材。
  12. 請求項11記載の再帰性反射材において、
    前記単層干渉層は、光学的層厚400nmの硫化亜鉛であることを特徴とする再帰性反射材。
  13. 請求項9〜12のいずれかに記載の再帰性反射材において、
    前記単層干渉層は、光学的層厚に100〜600nmの範囲でグラデーションを付けたことを特徴とする再帰性反射材。
  14. 請求項13記載の再帰性反射材において、
    前記単層干渉層は、前記再帰性反射材の面方向に対し光が、垂直入射時の光学的層厚T90:75度入射時の光学的層厚T75:60度入射時の光学的層厚T60:45度入射時の光学的層厚T45:30度入射時の光学的層厚T30が、1.00:0.95:0.85:0.70:0.50の関係を満たすように、その光学的層厚に100〜600nmの範囲でグラデーションを付けたことを特徴とすることを特徴とする再帰性反射材。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の再帰性反射材において、
    前記干渉層は、複数の透明微小球の下方部に設けられていることを特徴とする再帰性反射材。
  16. 請求項15記載の再帰性反射材において、
    前記干渉層は、前記透明微小球のすぐ下方部に設けられる金属化合物層が、該透明微小球の屈折率よりも高い屈折率を有することを特徴とする再帰性反射材。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の再帰性反射材において、
    前記干渉層の下方部ないし前記透明微小球の上方部に、着色層ないし無色透明層を設けたことを特徴とする再帰性反射材。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の再帰性反射材において、
    前記干渉層の下方部に、着色層、無色透明層、ないし基材貼り合せ接着層を設けたことを特徴とする再帰性反射材。
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