JPWO2008111150A1 - 弁装置 - Google Patents

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Abstract

コバルト基合金をプラズマ粉体肉盛り溶接した弁装置の信頼性を向上する。弁棒1との摺動面を有する軸受けを備える弁装置であって、弁棒1との摺動面に耐熱コバルト基合金からなるプラズマ粉体肉盛りによる溶接層12が形成され、当該溶接層12は、軸受けの表面に形成された、希釈率が5〜25%の第1の溶接層12aと、第1の溶接層12aの上に形成された、希釈率が第1の溶接層12aの希釈率の50%以下である第2の溶接層12bとを備える。希釈率とは、母材への溶接金属の溶け込み量を示すパラメータであり、溶接した金属の全量をA、母材へ溶け込んでいる溶接金属の量をBとすると、B/A×100(%)で求められる値をいう。

Description

本発明は、弁装置に関し、特に蒸気弁の弁棒とこの弁棒を支持する軸受けとの間のスティックを防止することのできる弁装置に関する。
蒸気タ―ビンの主要な蒸気弁は高温高圧下の苛酷な条件のもとで使用され、さらに高速蒸気流を制御する役目を担っている。高温下においては金属表面が活性化状態となり、雰囲気中の高温水蒸気と反応して酸化皮膜を生成する。この生成した酸化皮膜は母材の組成及び雰囲気条件によって、母材との付着強度が異なり、弁のくり返し開閉動作の度に剥離を起こし、これが弁棒の摺動により表面の凹部に局部的に堆積して軸受けとの間隙を埋め、弁棒のスティックを生じることがある。このため、蒸気タ―ビンの定期検査時に弁棒まわりを分解し、酸化皮膜を落とすための手入れが必要となり、また堆積物発生量を予め見込んで弁棒と軸受けとの間隙を大きくとるために、弁棒まわりから漏洩する蒸気量が多くなり、プラント全体の熱効率を低下させる等の問題を起こす。
従来、上記問題点を解決する方法として、弁棒の外表面に窒化による表面硬化層を設けているが、窒化層は約500℃以上で分解し、軟化する性質を持ち、また窒化層の厚さが極めて薄いため窒化層がなくなると摩耗が急激に進展する欠点がある。
上記のように弁棒と軸受けとは酸化被膜が生成した場合においても弁の動作に支障をきたさない程度に間隙を保つ必要がある。また、これら弁棒と軸受けとは低合金鋼(Cr−Mo−V鋼)、12Cr系ステンレス鋼、オ―ステナイト系ステンレス鋼等から構成され、摩耗、スティック等の防止のため窒化による表面硬化処理を行っていた。スティック防止のために設けられる弁棒と軸受けとの間隙は余裕を見込み、大きく設定されているために弁棒が蒸気流によって振動し、軸受け端部がベルマウス状に摩耗し、さらに弁棒の振動を増大させる危険性がある。
以上の問題点について、特許文献1は、コバルト基合金で肉盛り溶接した弁装置を提案している。この弁装置は、肉盛り層の初めの少なくとも二層は、重量でNi:9〜11%、Cr:19〜21%、W:14〜16%、C:0.05〜0.15%、Feおよび不純物少量、残部CoからなるCo基合金(ステライトNo.25)、さらにその上の層が、重量でNi:3〜6%、Cr:26〜32%、C:0.9〜1.4%、W:3〜6%、Feおよび不純物少量、残部CoからなるCo基合金(ステライトNo.6)、または重量でNi:4%以下、Cr:25〜29%、C:0.2〜0.3%、Mo:5〜6%、Feおよび不純物少量、残部Co(ステライトNo.21)からなるCo基合金で形成される。なお、ステライトは、デロロステライト社の登録商標である。
特許文献1は、肉盛り溶接としてTIG溶接を用いることを例示しているが、特許文献2は、軸受けに接触する弁棒の外表面に、プラズマ粉体肉盛り溶接によるCo基合金の溶接層を形成することを提案している。
また、特許文献3は、蒸気弁の駆動部を構成する弁棒の軸受け接触面に連続的にコバルト基硬質合金粉末を供給しつつ、レーザビームを該粉末に照射し順次溶融させてクラッディング硬化層を形成すること、また、蒸気弁の駆動部を構成する弁棒の軸受け接触面にコバルト基硬質合金粉末を溶射あるいは塗布して硬質合金層を形成し、その後該硬質合金層にレーザビームを照射して再溶融させてクラッディング硬化層を形成することを提案している。
特許文献1及び特許文献2ともに、Co基合金、典型的にはステライトを用いることにより酸化被膜の発生を低減できることを開示している。
特開昭59−169696号公報 特開昭60−17206号公報 特開平6−174126号公報
特許文献2が提案するプラズマ粉体肉盛り溶接は、母材への溶接材料の溶け込み深さが小さく、希釈率を5%未満と小さくすることができるため、溶接材料の標準化学組成の肉盛り層を効率的に得ることができる利点がある。また、特許文献3が提案するレーザビーム溶接は、ビーム周辺に冷却用アシストガスを流すので、肉盛り材料がガスで飛散し、溶接効率が低いという問題を有していた。したがって、コバルト基合金をプラズマ粉体肉盛り溶接することが、本発明が対象とする弁装置には効果的である。
しかるに、本発明者等がコバルト基合金をプラズマ粉体肉盛り溶接する実験を種々行ったところ、長時間にわたって高温高圧下の苛酷な条件下に置いた場合、コバルト基合金からなるプラズマ粉体肉盛り溶接層が剥離し、あるいは溶接層に脆性的な割れが発生することを確認した。
また、弁棒に肉盛り溶接を行うと、トリップや緊急負荷遮断が発生した時、弁棒に大きな衝撃が係ることがあり、弁棒の溶接部が脆性破壊を起こしやすくなることを確認した。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、コバルト基合金をプラズマ粉体肉盛り溶接した弁装置の信頼性を向上することを目的とする。
本発明者等は、かかる目的のもと、コバルト基合金からなるプラズマ粉体肉盛り溶接層が剥離し、あるいは溶接層に脆性的な割れが発生する原因を究明したところ、コバルト基合金の母材への希釈率が影響していることを知るに至った。上述したように、プラズマ粉体肉盛り溶接は、希釈率を5%未満と小さくできることを特徴とするものの、希釈率が5%未満と低い場合には剥離が生じやすい。一方、希釈率が高くなると、溶接層に脆性的な割れが発生する傾向が高い。そこで本発明は、希釈率を特定の範囲になるようにしてコバルト基合金からなるプラズマ粉体肉盛り溶接層を形成することを提案するものである。
また、より安全を重視する必要がある蒸気タービンによる発電システム等の弁装置においては、安全面より、軸受け側にコバルト基合金の肉盛り溶接を提案するものである。
すなわち本発明は、弁棒との摺動面を有する軸受けを備える弁装置であって、軸受けは弁棒との摺動面に耐熱コバルト基合金からなるプラズマ粉体肉盛り溶接層が形成され、当該溶接層は、軸受けの表面に形成された、希釈率が5〜25%の第1の溶接層と、第1の溶接層の上に形成された、希釈率が第1の溶接層の希釈率の50%以下である第2の溶接層とを備えることを特徴とする。
第1の溶接層の希釈率は、10〜25%であることが好ましい。
ここで、本発明における希釈率とは、母材への溶接金属の溶け込み量を示すパラメータであり、溶接した金属の全量をA、母材へ溶け込んでいる溶接金属の量をBとすると、B/A×100(%)で求められる値をいう。
以上説明したように、本発明の弁装置によれば、希釈率を特定の範囲になるようにしてコバルト基合金からなるプラズマ粉体肉盛り溶接層を形成することにより、長時間にわたって高温高圧下の苛酷な条件下に置いた場合でも、コバルト基合金からなるプラズマ粉体肉盛り溶接層が剥離し、あるいは溶接層に脆性的な割れが発生することを防止し、コバルト基合金をプラズマ粉体肉盛り溶接した弁装置の信頼性を向上することができる。
また、弁棒及びこの弁棒を支持する軸受けを備える本発明の弁装置によれば、摩擦係数の低いコバルト基合金同士で摺動することになるので、上記の効果に加えて、より低いトルクで弁の開閉が可能となる。したがって、本発明によれば、弁開閉のためのアクチュエータを小型化できるという効果を奏する。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における軸受け2に弁棒1が嵌合された状態を示す模式図である。
概略円柱状の弁棒1は、母材11と、母材11の外表面に形成された溶接層12とを備えている。また、概略中空円筒状の軸受け2もまた、母材21と、母材21の内周面に形成された溶接層22とを備えている。弁棒1の溶接層12と軸受け2の溶接層22とが摺動面をなす。
弁棒1の母材11及び軸受け2の母材21は、低合金鋼(Cr−Mo−V鋼)、12Cr系ステンレス鋼、オ―ステナイト系ステンレス鋼等から構成することができる。
弁棒1の溶接層12及び軸受け2の溶接層22は、コバルト基合金をプラズマ粉体肉盛り溶接して得たものである。コバルト基合金としては、ステライトを用いることができる。ステライトには表1に示すようにいくつかの種類がある。本発明はそのいずれを用いることもできる。また、Co基合金として、トリバロイ(デロロステライト社の登録商標)を用いることもできる。トリバロイにも表1に示すようにいくつかの種類があり、本発明はそのいずれを用いることもできる。いずれの合金も、相当量のCrを含んでいる点で共通している。なお、表1は代表的な成分を重量%で示している。
Figure 2008111150
弁棒1の溶接層12及び軸受け2の溶接層22は、プラズマ粉体肉盛り溶接により形成されている。プラズマ粉体肉盛り溶接は、プラズマ溶接トーチと溶接母材との間に発生させたプラズマアーク中に粉体状の溶接金属を供給、溶解して肉盛りする方法である。前述したように、プラズマ粉体肉盛り溶接は、希釈率が低い肉盛り層が得られる特徴を有しているが、本発明では、低希釈率という特徴を利用するのではなく、希釈率を通常よりも高くした溶接層を設ける。
弁棒1の溶接層12は、図2に示すように、母材11と接する第1の溶接層12aと、第1の溶接層12aの上に形成される第2の溶接層12bとから構成される。つまり、母材11に対してプラズマ粉体肉盛り溶接を行うことにより、第1の溶接層12aを形成する。第1の溶接層12aを形成し、その表面を研削、研磨加工した後に、第1の溶接層12aの上にプラズマ粉体肉盛り溶接を行うことにより、第2の溶接層12bを形成する。第2の溶接層12bを形成した後、その表面を研削、研磨加工して、溶接層12を得る。第1の溶接層12aと第2の溶接層12bとは、通常、同一の溶接金属で構成される。
本実施形態による弁棒1は、第1の溶接層12aの希釈率を5〜25%にする。
第1の溶接層12aの希釈率が5%未満になると、弁棒1の使用環境下において、溶接層12が母材11と第1の溶接層12aとの界面で剥離しやすくなるからである。これは、希釈率が低いと、母材11に対する第1の溶接層12aの間で融合不良などの溶接欠陥が入り、密着強度が低くなるためと解される。実際の溶接工程においては、希釈率の部分的な変動を考慮して、希釈率の下限を10%として管理することが好ましい。
一方、第1の溶接層12aの希釈率が25%を超えると、弁棒1の使用環境下において、第1の溶接層12aに割れが発生しやすくなる。好ましい希釈率は15〜25%、より好ましい希釈率は17〜23%である。希釈率が高いと割れが発生する理由は、以下の通りである。希釈率が高くなると、第1の溶接層12a内に、母材11中のFe成分が多く溶け込むことになる。このFeと上記したCo基合金に含まれるCr成分とが結びつくことにより、σ相が析出しやすい状態となる。ここで、σ相とは、FeとCrの金属間化合物であり、非常に硬く、かつ脆い特性を有している。Fe成分が多く溶け込んだ第1の溶接層12aが長時間高温に保持されることにより、σ相が第1の溶接層12aに析出して割れやすくなる。また、プラズマ粉体肉盛り溶接後に、第1の溶接層12aが常温まで冷却される過程で第1の溶接層12aに引張りの残留応力が生じる。この残留応力は、希釈率の増加に伴い高くなる傾向にある。一方、弁棒1の作動により、第1の溶接層12aには外力が加わる。この外力と残留応力の和が、第1の溶接層12aの破壊強度を超えると割れが発生する。
次に、第2の溶接層12bは、第1の溶接層12aと同様の溶接金属で構成される。したがって、第1の溶接層12aに対して第2の溶接層12bは高い密着強度を得ることができる。このように高い密着強度を得ることができるため、第2の溶接層12bは比較的低い希釈率を許容し、第1の溶接層12aの50%以下の希釈率とすればよい。より具体的な希釈率としては、5%未満、さらには3%未満とすることができる。なお、第2の溶接層12bの希釈率は、第1の溶接層12aを母材として求めることになる。
第1の溶接層12a(第2の溶接層12b)の希釈率は、プラズマ粉体肉盛り溶接の条件により調整することができる。例えば、上記したステライト、トリバロイを溶接金属とする場合、以下の条件とすることにより、第1の溶接層12aによる希釈率を5〜25%にすることができる。
母材11の予熱温度:250〜350℃
溶接速度:70〜80mm/min.
アシストガス:Arガス(温度;20℃)
ガス流量:プラズマガス;2〜3l/min.シールドガス;10〜15l/min.
トーチと溶接部の距離:5〜10mm
トーチ温度:90〜120℃
溶接金属粒度分布:60〜180μm
上記溶接条件には、溶接速度を遅くしているところに特徴がある。これは、5〜25%というプラズマ粉体肉盛り溶接においては、高めの希釈率を得るためである。つまり、溶接速度を遅くすることによって、溶接金属が液相状態となる時間を長くして希釈率を高くするのである。液相状態となる時間を多くすることで、溶接面の波打ちが低減され、表面が平滑な第1の溶接層12aを得ることができる利点もある。
第2の溶接層12bは、第1の溶接層12aよりも希釈率は低い。したがって、第1の溶接層12aと同じ装置を使用し、肉盛り溶接層の厚みが同じならば第1の溶接層12aを形成する場合に比べて、溶接速度を70〜100mm/min.の範囲で速くすればよい。他の溶接条件は、第1の溶接層12aと同様とすればよい。
第1の溶接層12a、第2の溶接層12bの厚さは、使用環境によって適宜設定されるべきであるが、各々、1.5〜2.0mm程度とすることが好ましい。1層で3〜4mmの厚さの溶接層12を得ようとする場合、後に行う研削、研磨加工の負担を軽減するためにも、溶接ビードの波の高さを抑えて均一な厚さの肉盛りを行うには、熟練者による溶接が必要である。しかるに、第1の溶接層12a、第2の溶接層12bの厚さが1.5〜2.0mm程度と比較的薄い場合には、ロボットでの溶接によっても表面が平滑な溶接面を得ることができる。さらに、第1の溶接層12aの溶接金属と第2の溶接層12bの溶接金属が同じであるため、各々の厚さを1.5〜2.0mm程度と薄くすることができるので、溶接中のガスの巻き込みが少なく、研削による異物滞留の原因となる空孔の発生を低減することができる。
以上では、弁棒1の溶接層12について説明したが、軸受け2の溶接層22についても、同様の形態を有する第1の溶接層、第2の溶接層を設ける。
コバルト基合金は乾燥摩擦係数が小さく、スケールが発生しないため摩擦係数は安定している。特に、コバルト基合金同士の乾燥摩擦係数は0.56と、コバルト基合金とFe基合金との摩擦係数が0.41であるのに比べて高いが、スケールの発生が皆無であること及び高温蒸気の介在により、実質的に摩擦係数は乾燥時よりも低く安定している。したがって、弁棒1と軸受け2の摺動面にコバルト基合金を配設することにより、より低いトルクで弁の開閉が可能となる。したがって、本発明によれば、弁開閉のためのアクチュエータを小型化できるという効果をも奏する。
1.2%Cr−0.3%Mo鋼(JIS SCM3)を用意した。板状のこの鋼材(母材)に対して、以下の要領でプラズマ粉体肉盛り溶接を行った。なお、プラズマ粉体肉盛り溶接は、図2に示すように、2層とし、かつ希釈率を変えた。希釈率は、図2に示すように、溶接速度を変えることにより調節した。なお、図2において、第1の溶接層とは母材表面に形成したものであり、第2の溶接層とは第1の溶接層の表面に形成したものである。第1の溶接層を形成した後に、その表面を研削、研磨加工することにより図2に示す厚さとした。その後、第2の溶接層を形成した後に、その表面を研削、研磨加工することにより図2に示す厚さとした。
鋼材の予熱温度:300℃
溶接速度:60〜80mm/min.
アシストガス:Arガス(温度;20℃)
ガス流量:プラズマガス;2.5l/min.シールドガス;12l/min.
トーチと溶接部の距離:6mm
トーチ温度:90〜120℃
溶接金属材質:55%Co−30%Cr−15%W(重量%)
溶接金属粒度分布:120μm(平均粒径)
以上の要領で作製された、試料を用いて溶接層の剥離、割れの評価を行った。
剥離の評価は、超音波探傷検査により行った。また、割れの評価は、蛍光浸透探傷検査により行った。
その結果を表2に示すが、第1の溶接層の希釈率が5%未満の場合には、母材から第1の溶接層の剥離が観察された。ただし、第2の溶接層の希釈率が5%未満の場合には、第1の溶接層から第2の溶接層が剥離する事例はなかった。
第1の溶接層の希釈率が25%を超えると、第1の溶接層に割れが観察された。同様に、第2の溶接層の希釈率が25%を超えると、第2の溶接層に割れが観察された。
以上の結果より、母材に接するプラズマ粉体肉盛り溶接による第1の溶接層の希釈率は、5〜25%の範囲とすることが好ましい。また、第1の溶接層上に形成する第2の溶接層の希釈率は、第2の溶接層を構成するコバルト基合金の本来の特性を引き出すために、5%以下、好ましくは3%以下とする。
Figure 2008111150
本実施の形態における弁棒及び軸受けを示す断面図である。 弁棒表面の溶接層の構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1…弁棒、11…母材、12…溶接層、12a…第1の溶接層、12b…第2の溶接層
2…軸受け、21…母材、22…溶接層

Claims (2)

  1. 弁棒との摺動面を有する軸受けを備える弁装置であって、
    前記軸受けは前記弁棒との摺動面に耐熱コバルト基合金からなるプラズマ粉体肉盛り溶接層が形成され、
    当該溶接層は、
    前記軸受けの表面に形成された、希釈率が5〜25%の第1の溶接層と、
    前記第1の溶接層の上に形成された、希釈率が前記第1の溶接層の希釈率の50%以下である第2の溶接層とを備えることを特徴とする弁装置。
  2. 前記第1の溶接層の希釈率が、10〜25%であることを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
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