JPWO2008108325A1 - 新規なβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素、それをコードする遺伝子および酵素活性を向上させる方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を提供する。本明細書において、「β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素」とは、シチジン1リン酸(CMP)−シアル酸からシアル酸を、複合糖質糖鎖もしくは遊離の糖鎖中のガラクトース残基の6位、ラクトースもしくはN−アセチルラクトサミンなどのオリゴ糖に存在するガラクトースの6位、またはガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、グルコース、N−アセチルグルコサミンもしくはマンノースなどの複合糖質を構成しうる単糖であって6位の炭素に水酸基を有する単糖の6位、に転移させる活性を有するタンパク質を意味する。本明細書において、「β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素活性」とは、β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素について上述した活性を意味する。また、ここでいうシアル酸とは、シアル酸ファミリーに属するノイラミン酸誘導体を示す。具体的には、N−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、N−グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)、5−デアミノ−5−ヒドロキシノイラミン酸(KDN)、ジシアル酸(ジN−アセチルノイラミン酸:Neu5Acα2,8(9)Neu5Ac)などを示す。
本発明は、β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素をコードする核酸を提供する。
本発明者らは、ビブリオ科フォトバクテリウム属に属する微生物が新規なβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を発現することを見いだした。よって本発明は、本発明のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を発現する単離された微生物を提供する。本発明の微生物は、フォトバクテリウム属に属し、本発明のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素生産能を有する単離された微生物である。好ましい態様において、本発明の微生物は、フォトバクテリウム・レイオグナシーに属し、本発明のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素生産能を有する単離された微生物である。なお、上記のフォトバクテリウム属の微生物は一般に海洋性細菌であり、海水中または海産の魚介類から分離される。
本発明は、本発明のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を製造する方法にも関する。好ましい態様において本発明の方法は、本発明の酵素を生産する。
本発明は、本発明のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素タンパク質に対する抗体を提供する。本発明の抗体は、本発明のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素タンパク質、またはそのフラグメント、に対して作製してもよい。ここで、本発明のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素のフラグメントは、当該酵素のアミノ酸配列中、少なくとも6アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも20アミノ酸、または少なくとも30アミノ酸を含む配列を有するフラグメントである。
本発明はまた、本発明のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用いて糖転移反応を行うに際し、当該反応の効率を高める方法に関する。
(1)スクリーニング
海水、海砂、海泥あるいは海産魚介類を接種源とした。この接種源をマリンブロスアガー2216培地(ベクトン・ディッキンソン製)からなる平板培地上に塗布し、15℃、25℃もしくは30℃で生育する微生物を取得した。常法に従い、得られた微生物を純粋培養した後、マリンブロス2216培地(ベクトン・ディッキンソン製)からなる液体培地を用いてそれぞれの微生物を培養した。微生物が十分成育した後に、培養液から菌体を遠心分離によって集めた。集めた菌体に、0.2%トリトンX−100(関東化学製)を含む20mMカコジレート緩衝液(pH6.0)を添加し、菌体を懸濁した。この菌体懸濁液を氷冷下、超音波処理し細胞を破砕した。この細胞破砕液を粗酵素溶液としてシアル酸転移活性を測定し、シアル酸転移活性を有する菌株JT−SHIZ−145株を得た。
JT−SHIZ−145株から、常法により抽出したゲノムDNAを鋳型として、PCRにより16S rRNA遺伝子の部分塩基配列を増幅し、塩基配列を決定した。
(1)JT−SHIZ−145株におけるβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子ホモログの存在の確認
β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素活性を有することが明らかとなったJT−SHIZ−145株において、フォトバクテリウム・ダムセラJT0160株由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子(Yamamoto et al. (1996) J Biochem 120: 104-110)、またはJT−ISH−224株(寄託番号:NITE BP−87)由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子(PCT/JP2006/304993)のホモログが存在するかどうかを明らかにするため、ゲノミックサザンハイブリダイゼーションを実施した。JT−SHIZ−145株の菌体ペレット約0.75gから、Qiagen Genomic−tip 500/G(Qiagen社製)を用い、キット添付の説明書きに従って、約100μgのゲノムDNAを調製した。次に、JT−SHIZ−145株のゲノムDNA数μgを制限酵素EcoRI、HindIII、BamH I、Xho Iでそれぞれ消化し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分画した。泳動後、ゲルを0.4M NaOHを用いたアルカリブロッティングに供試し、DNAをHybond−N+ナイロンメンブレンフィルター(GEヘルスバイオサイエンス社製)に転写した。このフィルターに関して、フォトバクテリウム・ダムセラJT0160株由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子(GenBankアクセッション番号:E17028)の部分断片(ATGからHindIIIまでの約1.2kb EcoRI−HindIII断片)、およびJT−ISH−224株由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子(N1C0クローン、PCT/JP2006/304993)をプローブとして用いて、サザンハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション実験はECL direct labeling & detection system(GEヘルスバイオサイエンス社製)を使用した。キット添付の説明書きに従ってプローブをラベリングした。ハイブリダイゼーションは、キット中のハイブリダイゼーション バッファーにブロッキング試薬を5%(w/v)、NaClを0.5Mになるように加え、37℃(通常42℃)で4時間行った。洗浄は、0.4% SDS、0.5xSSC中で、50℃(通常55℃)で20分を2回、2xSSC中で室温、5分を1回行った。シグナルの検出は、キット添付の説明書きに従った。その結果、JT0160株由来のプローブを用いた場合、EcoRI消化で約5.5kbのバンドが、HindIII消化で約4.8kbのバンドが、そしてBamH I消化で4.8kbのバンドが検出された。また、JT−ISH−224株由来のプローブを用いた場合は、HindIII消化とBamH I消化で約4.8kbのバンドが検出された。さらに、JT−SHIZ−145株のゲノムDNAを制限酵素PstI、HincIIでそれぞれで消化し、同様にハイブリダイゼーションを行った。その結果、フォトバクテリウム・ダムセラJT0160株由来、およびJT−ISH−224株由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子の両プローブにおいて、PstI消化で約1.6kbのバンドが、HincII消化で約1.3kbのバンドが検出された。これらより、JT−SHIZ−145株には、フォトバクテリウム・ダムセラJT0160株由来、およびJT−ISH−224株由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子のホモログが存在することが明らかとなった。
上記より、JT−SHIZ−145株由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子ホモローグの全長を含み、かつプラスミドベクターへの導入が容易であると考えられた1.6kb PstI断片をプラスミドベクターpUC18へ挿入し、コロニーハイグリダイゼーションによりスクリーニングを行った。
上記でインサートDNAが確認されたプラスミドの一つに関して、M13プライマー(Takara社製)を用いて、ABI PRISM蛍光シークエンサー(Model 310 Genetic Analyzer, Perkin Elmer社製)で、1.6kb PstI断片の両端の塩基配列を決定した。得られたDNA配列を、遺伝情報処理ソフトウエアGENETYX Ver.7(ゼネティックス社製)を用いて、アミノ酸配列に翻訳し、National Center for Biotechnology Information(NCBI)のGenBankデータベースに対して、BLASTプログラムによる同一性検索を行った。その結果、片方のDNA配列から翻訳されたアミノ酸配列が、フォトバクテリウム・ダムセラJT0160株由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素のアミノ酸配列と有意な相同性を示した。相同性を示した領域の方向性から、1.6kb PstI断片の中には完全なJT−SHIZ−145株由来β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子ホモログが含まれることが示唆された。
SHIZ145 26 N1 (5’−GCCATCATTACAGCAGTTAATG−3’(22mer):配列番号5)
SHIZ145 26 N2(5’−TGAGTATTCACAGAATGAGCGC−3’(22mer):配列番号6)
を合成し、塩基配列決定に用いた。
クローン化した遺伝子が、シアル酸転移酵素活性を有するタンパク質をコードするか否かを調べるため、同遺伝子ホモログの全長、およびN末端側のシグナルペプチドをコードする部分を除去したタイプの遺伝子を発現ベクターに組み込み、大腸菌内でタンパク質を生産させ、この発現タンパク質の活性を測定した。
SHIZ145 N0 BspHI(5’−AAAGGGTCATGAAAAGAATATTTTGTTTA−3’(29mer):配列番号7);および
SHIZ145 C0 Hind(5’−ATGAGCAAGCTTTCAGCACCAAAATAGAACATC−3’(33mer):配列番号8);
さらに、シグナルペプチド部分のアミノ酸が除かれたタイプのタンパク質をコードする遺伝子(本実施例においてSHIZ145−N1C0と表記する)をクローン化するためのプライマー対:
SHIZ145 N1 Pci(5’−TATACATGTGTAATGATAATCAGAATACAG−3’(30 mer):配列番号9);および
SHIZ145 C0 Hind(5’−ATGAGCAAGCTTTCAGCACCAAAATAGAACATC−3’(33mer):配列番号8);
を設計、合成した。
上記で得られた2種類の発現ベクターの内、SHIZ145−N1C0/pTrc99Aを用いて、タンパク質発現誘導実験を行った。SHIZ145−N1C0クローン(配列番号3)が組み込まれた発現ベクターpTrc99Aをもつ大腸菌TB1の単一コロニーを、抗生物質アンピシリン(最終濃度100μg/mL)を含むLB培地(6ml)に接種し、A600=0.5程度になるまで30℃で菌を前培養し、その後IPTG(イソプロピル−β−D(−)−チオガラクトピラノシド、和光純薬工業社製)を最終濃度で1mMとなるように加え発現誘導を開始し、30℃でさらに一晩振とう培養した。培養液2ml中の菌体を遠心分離によって集めた。この菌体を、400μlの0.336%トリトンX−100を含む20mM ビストリス緩衝液(pH6.0)に懸濁し、氷冷下で超音波破砕した。得られた破砕液を粗酵素液としシアル酸転移活性の測定に供試した。方法は、J. Biochem., 120, 104-110 (1996) (引用によりその全体を本明細書に援用する)の記載に従った。具体的には、糖供与体基質であるCMP−NeuAc(70nmol、14CでNeuAcをラベルしたCMP−NeuAc 約20,000cpmを含む。NeuAcはN−アセチルノイラミン酸を表す)、0.5M NaCl、糖受容体基質である120mM ラクト−ス、さらに上記に記した方法で調製した粗酵素液5μlを混和し、30℃で30分間反応させた。その後、5mMリン酸緩衝液(pH6.8)1.97mlで反応を停止させ、この溶液をDowex1×8(PO4 3‐ フォーム、0.2×2cm、BIO−RAD製)カラムに供した。カラムの溶出液に含まれる反応生成物、すなわち、シアリルラクト−スに含まれる放射活性を測定することで、酵素活性を算出した。2反復で測定を行ったところ、SHIZ145−N1C0を含む大腸菌の粗酵素液中には、糖供与体であるCMP−NeuAc中の14CでラベルされたNeuAcを糖受容体基質であるラクト−スに転移する活性、即ちシアル酸転移酵素活性が存在することが示された。具体的には、インサートが挿入されていないpTrc99Aベクターを組み込んだ大腸菌から調製した破砕液を用いた場合(ネガティブコントロール)の放射活性が156cpmであったのに対し、SHIZ145−N1C0クローンが組み込まれた発現ベクターpTrc99Aを組み込んだ大腸菌から調製した破砕液を用いた場合の放射活性は、8326cpmであった。
上記(5)のSHIZ145−N1C0/pTrc99Aを導入した大腸菌で発現されたシアル酸転移酵素がβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移活性を有するかどうか調べた。実施例1と同様に、糖受容体としてピリジルアミノ化ラクトース(Galβ1−4Glc−PA、タカラバイオ社製PA−Sugar Chain 026)を用い、酵素反応を行った。その結果、実施例1と同様に、PA−6’−シアリルラクトース(Neu5Acα2−6Galβ1−4Glc−PA)が検出された。これらの結果から、フォトバクテリウム属 JT−SHIZ−145株のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素遺伝子がクローニングされ、かつ、大腸菌内で発現されたことが証明された。
LBAmp平板培地上で継代培養したSHIZ145−N1C0クローン(配列番号3)が組み込まれた発現ベクターpTrc99Aをもつ大腸菌TB1のコロニーから菌体をループで採取し、30μlの×200アンピシリン(400mg/20ml)を添加した6ml−LB液体培地10mlに接種し、30℃、毎分180回転で8時間振とう培養した。
実施例3で調製した精製酵素を用い、JT−SHIZ−145株由来組換えβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素N1C0(配列番号4)の至適pH、至適温度を調べた。
酢酸バッファー(pH4−5)、カコジル酸バッファー(pH5−6)、ビス−トリスバッファー(pH6−7)、リン酸バッファー(pH6−9.5)、トリス−塩酸バッファー(pH7−9.5)、TAPSバッファー(pH8−9)、CHESバッファー(pH9−10)、CAPSバッファー(pH10−11)をそれぞれ調製し、これらを用いて、30℃で各pHにおける酵素活性を測定した。
リン酸バッファー(pH8.0)を用いて、10℃から50℃までの5℃毎の反応温度において、酵素活性を測定した。
実施例3で調製したJT−SHIZ−145株由来組換えβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素N1C0(配列番号4)の精製酵素を用いて、各種の単糖/二糖類を糖受容体基質として、シアル酸転移反応を行った。反応は、J. Biochem., 120, 104-110 (1996)に記載されている方法に従って行った。
糖受容体基質として、アシアロフェツイン、アシアロムチンを用いた。2mgのアシアロフェツインまたはアシアロムチンを1mlの20mM Bis-tris緩衝液(pH7.0)に溶解させて、糖受容体基質溶液とした。糖供与体基質としてCMP−NeuAcを用いた。糖受容体基質溶液40μl、糖供与体基質5μl、酵素溶液5μlを混合して、30℃、0.5時間インキュベートしてシアル酸転移反応を行った。反応終了後、反応溶液を0.1 M塩化ナトリウムで平衡化したセファデックスG−50スーパーファイン(0.8x18.0cm)に供して、ゲルろ過を行った。糖タンパク質が含まれるゲルろ過の溶出液画分(2〜4mlの画分)を集め、この画分の放射活性を液体シンチレーションカウンターを用いて測定することで、糖受容体基質に転移したシアル酸の定量を行った。
(1)JT−SHIZ−145株由来組換えβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素N1C0の酵素活性に対する錯イオンの効果
硝酸カリウム(KNO3)水溶液、硝酸ナトリウム(NaNO3)水溶液、硫酸カリウム(K2SO4)水溶液、硫酸ナトリウム(Na2SO4)水溶液、リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)水溶液、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)水溶液、および、リン酸カリウム(KH2PO4+K2HPO4(KPBと略す))水溶液を調整し、Tris−HClバッファーを用いて、30℃で、反応液中の陰イオン濃度をそれぞれ0.1Mに調整し、酵素活性を測定した。
硝酸カリウム(KNO3)水溶液、硝酸ナトリウム(NaNO3)水溶液、硫酸カリウム(K2SO4)水溶液、硫酸ナトリウム(Na2SO4)水溶液、リン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)水溶液、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)水溶液、および、リン酸カリウム(KH2PO4+K2HPO4(KPBと略す))水溶液を調整し、Tris−HClバッファーを用いて、30℃で、反応液中の陰イオン濃度をそれぞれ0.1Mに調整し、酵素活性を測定した。
塩化カリウム(KCl)水溶液、塩化ナトリウム(NaCl)水溶液、塩化リチウム(LiCl)水溶液を調製し、Tris−HClバッファーを用いて、30℃で、反応液中の陽イオン濃度をそれぞれ0.1M、0.2Mまたは0.5Mに調整し、酵素活性を測定した。
粗酵素液を用いて反応液中に塩化カルシウムおよび/またはEDTAを添加し、カルシウムイオンについては終濃度10mM、EDTAについては終濃度50mMとなるよう調整し、酵素活性を測定した。
フォトバクテリウム・レイオグナシー(Photobacterium leiognathi)基準株であるNCIMB2193(ATCC25521)株、ならびに、フォトバクテリウム・レイオグナシー株NCIMB1511(ATCC25587)株およびNCIMB2134(ATCC33469)株を、それぞれシー・ウォーター・イースト・ペプトン培地(イースト・エクストラクト3.0g/lおよびペプトン5.0g/l)6mlを用いて培養し、前述の実施例2−(5)の方法に従って粗酵素液を調製し、シアル酸転移酵素活性の測定に供試した。その結果、表5に示すように粗酵素液を含まないバッファーのみを含む場合(ネガティブコントロール)および粗酵素液を含む場合の放射活性はいずれも500〜600cpmであった。この結果は、当該技術分野において入手可能な複数のフォトバクテリウム・レイオグナシー株が、シアル酸転移酵素を持たない、または検出限界以下の極めて弱い酵素活性しか持たないことを示すものである。一方、JT−SHIZ−145株は、フォトバクテリウム・レイオグナシー株でありながら高いシアル酸転移酵素活性を有する。
Claims (16)
- β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素活性を有する単離されたタンパク質であって:
(a)配列番号2、配列番号4、および配列番号2のアミノ酸16−497、からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(b)配列番号2、配列番号4、および配列番号2のアミノ酸16−497、からなる群より選択されるアミノ酸配列において、1またはそれより多くのアミノ酸の欠失、置換、挿入および/または付加を含むアミノ酸配列;または
(c)配列番号2、配列番号4、および配列番号2のアミノ酸16−497、からなる群より選択されるアミノ酸配列と60%以上のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
を含んでなる、前記単離されたタンパク質。 - β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素活性を有する単離されたタンパク質であって:
(a)配列番号1、配列番号3、および配列番号1のヌクレオチド46−1494、からなる群より選択される塩基配列;
(b)配列番号1、配列番号3、および配列番号1のヌクレオチド46−1494、からなる群より選択される塩基配列において、1またはそれより多くのヌクレオチドの欠失、置換、挿入および/または付加を含む塩基配列;
(c)配列番号1、配列番号3、および配列番号1のヌクレオチド46−1494、からなる群より選択される塩基配列と70%以上の同一性を有する塩基配列;または、
(d)配列番号1、配列番号3、および配列番号1のヌクレオチド46−1494、からなる群より選択される塩基配列の相補鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列;
を含んでなる核酸によってコードされる、前記単離されたタンパク質。 - フォトバクテリウム属に属する微生物由来である、請求項1または2に記載の単離されたタンパク質。
- 反応至適pHが、pH7〜pH9.5の範囲である、請求項1または2に記載の単離されたタンパク質。
- β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素活性を有するタンパク質をコードする単離された核酸であって:
(a)配列番号2、配列番号4、および配列番号2のアミノ酸16−497、からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(b)配列番号2、配列番号4、および配列番号2のアミノ酸16−497、からなる群より選択されるアミノ酸配列において、1またはそれより多くのアミノ酸の欠失、置換、挿入および/または付加を含むアミノ酸配列;または
(c)配列番号2、配列番号4、および配列番号2のアミノ酸16−497、からなる群より選択されるアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列;
を含んでなるタンパク質をコードする、前記単離された核酸。 - β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素活性を有するタンパク質をコードする単離された核酸であって:
(a)配列番号1、配列番号3、および配列番号1のヌクレオチド46−1494、からなる群より選択される塩基配列;
(b)配列番号1、配列番号3、および配列番号1のヌクレオチド46−1494、からなる群より選択される塩基配列において、1またはそれより多くのヌクレオチドの欠失、置換、挿入および/または付加を含む塩基配列;
(c)配列番号1、配列番号3、および配列番号1のヌクレオチド46−1494、からなる群より選択される塩基配列と70%以上の同一性を有する塩基配列;または
(d)配列番号1、配列番号3、および配列番号1のヌクレオチド46−1494、からなる群より選択される塩基配列の相補鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列;
を含んでなる、前記単離された核酸。 - 請求項5または6に記載の核酸を含んでなる発現ベクター。
- 請求項7に記載の発現ベクターで形質転換した宿主細胞。
- β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素活性を有する組換えタンパク質の製造方法であって、以下の工程:
1)請求項5または6に記載の核酸を含んでなる発現ベクターで宿主細胞を形質転換し;
2)得られた形質転換細胞を培養し;そして、
3)培養した形質転換細胞またはその培養上清から、β−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素活性を有するタンパク質を単離する;
ことを含んでなる、前記製造方法。 - シアル酸転移反応における、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素の使用であって、リン酸バッファーを含む組成を有する反応液中で使用することを特徴とする、前記使用。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用いて糖転移反応を行うに際し、当該反応を一価金属イオンの存在下で行うことにより、当該一価金属イオンの非存在下と比較して当該反応の効率を高める方法。
- 一価金属イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはリチウムイオンである、請求項11に記載の方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用いて糖転移反応を行うに際し、当該反応を、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ホウ酸イオン、塩化物イオン、フッ化物イオンおよびそれらいずれかの組合せ、
からなる群より選択される陰イオンの存在下で行うことにより、当該陰イオンの非存在下と比較して当該反応の効率を高める方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用いて糖転移反応を行うに際し、当該反応を、一価の金属イオンと、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ホウ酸イオン、塩化物イオン、およびフッ化物イオンからなる群より選択される陰イオンとの塩の存在下で行うことにより、当該塩の非存在下と比較して当該反応の効率を高める方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用いて糖転移反応を行うに際し、当該反応をカルシウムイオンの存在下で行うことにより、カルシウムイオンの非存在下と比較して当該反応の効率を高める方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のβ−ガラクトシド−α2,6−シアル酸転移酵素を用いて糖転移反応を行うに際し、当該反応を、カルシウムイオンと、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、ホウ酸イオン、塩化物イオン、およびフッ化物イオンからなる群より選択される陰イオンとの塩の存在下で行うことにより、当該塩の非存在下と比較して当該反応の効率を高める方法。
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