JPWO2008096645A1 - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

染料と水と水溶性有機溶剤とに加えて、ι−カラギーナンを含有するボールペン用水性インキ組成物。該インキ組成物は、ボールペンに使用した場合、着色剤として染料が含まれていても、垂れ下がりと耐乾燥性の相反する機能を満足させ、筆記性能に優れている。該インキ組成物(C)は、例えば、インキ収容管(18)に充填しさらにインキ逆流防止体(20)を装填した替え芯(12)を、その筆記先端部が軸筒(21)の前端開口部から出没するボールペン(10)に収容して使用する。

Description

本発明は、ボールペン用水性インキ組成物、並びに、それらを収納したボールペン用替え芯(refill)及び出没式ボールペンに関する。本発明のボールペン用水性インキ組成物は、特に、ペン先を外気に長期間晒しても、ペン先の乾燥に起因するカスレや筆記不能の発生を抑えるような耐ドライアップ性(耐乾燥性)とともに、垂れ下がり防止性能に優れている。
なお、本明細書及び特許請求の範囲における、「%」等の配合単位は、特に断らない限り質量単位である。
また、「酸残基(acid residue)」とは、ナフタレンスルホン酸類やナフタレンカルボン酸類において、スルホン酸基やカルボン酸基の水素(H)や水酸基(OH)を除いた残りの部分をいう。
ボールペン用水性インキを収容管に充填し、該インキの充填部後端にインキ逆流防止体を備えたボールペンレフィルを軸筒に収容したキャップを要しない出没式ボールペンが多数市場に出回っている。出没式ボールペンにおいては、収容されるインキが比較的高い粘度であればペン先からのインキの垂れ下がりをある程度防止できるものの、低粘度のインキを用いると垂れ下がりを生じ易くなる。
また、ボールペン用水性インキはペン先を露出した状態における耐乾燥性が重要であり、ペン先乾燥防止剤として尿素やその誘導体の増量等が試みられてきた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、尿素やその誘導体は吸水性能の高さが耐乾燥性を発現させるため、これらを過剰に添加したインキは高湿度条件下で放置した際、ペン先で局部的に水分を吸収することになる。そのため、水分吸収によりペン先部分のインキ粘度が低下し、インキがペン先部分に溜まる「垂れ下がり」、或いは溜まったインキが落下する「ボタ落ち」現象が発生し易くなる。特に、着色剤のうち顔料は粒子状態でインキ中に分散されるため垂れ下がりやボタ落ちが生じ難いのに対して、染料を用いた場合、特に低粘度インキにおいては垂れ下がりやボタ落ちを抑制し難いという問題がある。
前述のように、インキ組成物の耐ドライアップ性を向上させる手段は存在するものの、垂れ下がりやボタ落ちといった他の筆記性能を十分に満足させるものではなく、特に、出没式ボールペンに使用する場合、耐ドライアップ性能を有すると共に、垂れ下がりやボタ落ちを生じないことは重要な要件となる。
特開昭59−45372号公報
本発明は、ボールペンに適用した場合、着色剤として染料が含まれていても、垂れ下がりと耐乾燥性(耐ドライアップ性)の相反する機能を満足させることができる水性インキ組成物を提供することを目的(課題)とする。すなわち、本発明のインキ組成物は、ボールペンに適用した場合、初期は勿論、長期間不使用後の書き出しも良好であると共に、筆跡のかすれや垂れ下がりといった不具合を生じることがない(安定した筆記性能を持続させることができ、継続して良好な筆跡が得られる。)。
このため、本発明のインキ組成物は、非筆記時に先端の筆記部(ボールペンチップ)が常に大気中に開放された構造の、キャップを要しない構成の出没式ボールペンに好適なものである。
本発明のボールペン用水性インキ組成物は、染料と水と水溶性有機溶剤とに加えて、ι−カラギーナンを粘性特性調節剤の必須成分として含有するものである。
該インキ組成物は、粘度[円錐円盤形回転式粘度計(EL型;20℃)]:1以上20mPa・s未満において、実験式(T=Kjn)から求められる剪断減粘指数(n;20℃):約0.4〜0.9を示すものであることが望ましい。
該インキ組成物中に、ナフタレン系染料中間体を含有することが望ましい。
該ナフタレン系染料中間体は、(A)下記構造式で示される(1)ナフタレンスルホン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基、及び、(B)下記構造式(2)ナフタレンカルボン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基を含むものから1種又は2種以上選択することが望ましい。
(1)
Figure 2008096645
(式中、m:1〜3の整数、R1、R2:H、OH又はNH2
(2)
Figure 2008096645
(式中、m:1〜4の整数、R3、R4:H、OH又はNH2
但し、N一置換体(NHR´)のR´:アルキル(炭素数1〜9)、アルキルアシル(炭素数1〜9)、ベンゾイル又はベンゼンスルホニル。
そして、上記ナフタレン系染料中間体のうち、上記構造式(1)の酸残基を含むものから選択することが望ましい。ここで、ナフタレンスルホン酸類としては、アミノナフトールスルホン酸類がより望ましい。
該アミノナフトールスルホン酸類としては、下記構造式(3)で示されるN−アシルJ酸(アシル炭素数:2〜4)の酸残基を含むものから選択することが望ましい。
(3)
Figure 2008096645
また、本発明の望ましい態様には、上記ボールペン用水性インキ組成物が充填されてなるボールペン用替え芯、さらには、ボールペン用替え芯の筆記先端部が、ボールペン軸筒の前端開口部から出没可能に組み付けられているものが、含まれる。
実施例のインキ組成物を適用した出没式ボールペンの一例を示す縦断面図である。
以下、本発明の望ましいボールペン用インキ組成物の態様(具体的構成)について説明する。
1)水性インキ組成物は、染料と水と水溶性有機溶剤とに加えて、ι−カラギーナンとを粘性特性調節剤の必須成分として含有する。
ι−カラギーナンは、インキ中で安定的に存在すると共に、垂れ下がり防止性能に優れる。
なお、カラギーナンは、通常、その分子中のアンヒドロ基と硫酸基の違いから、ゲル化性やタンパク質反応性の強いKappa(κ−)、増粘製に富んだIota(ι―)、及び冷水可溶性でゲル化しないLambda(λ−)の3つのタイプに分類される。
また、前記ι−カラギーナンは尿素のように耐乾燥性を妨げることもなく、更に、λ−カラギーナン等と比べて、特に染料系インキにおいて高い垂れ下がり防止性能を発現するものである。尚、κ−カラギーナンはインキ中で溶解して増粘することがなく、ゲル化してしまうため、ボールペン用インキに配合することは困難である。
前記ι−カラギーナンの含有量は、インキ組成物全量中約0.05〜1.0%、さらには約0.1〜0.6%、より更には約0.1〜0.3%が望ましい。ι−カラギーナンが少ないと、垂れ下がり防止効果を得られ難くなる。逆に、多いと、インキの粘度が上昇して泣き出し(blobbing)やボテ(dotting)の原因になったり、追従性を妨げたりし易くなり、さらには、耐乾燥性に悪影響を与えるおそれがある。
特に、前記ι−カラギーナンと共にナフタレン系染料中間体を併用することにより、経時的に、チップ先端の損傷や紙片の噛み込み等で、ボール26と、ボールペンチップ14の小口(ボール保持部)14aとの間に筆記時以外でもインキ通過隙間が形成されるようになった場合であっても、効果的に垂れ下がりを防止できるものとなる(図1参照)。
ナフタレン系染料中間体の含有量は、インキ組成物全量中約0.1〜5%、更には約0.5〜4%、より更には約0.5〜2%が望ましい。
ナフタレン系染料中間体が少ないと垂れ下がり防止効果を得難くなる。逆に、5%近くなると垂れ下がり防止効果の更なる向上を期待できず、更には、他の特性に悪影響(例えば、キャップオフ性やインキ安定性の低下)をもたらすおそれがある。ここで、キャップオフ性とは、ボールペンのキャップを外して、空気中に晒した状態で長時間放置後、筆記した際に筆記かすれや筆記不良が生じるのを抑制する性能をいう。また、インキ安定性とは、経時により析出物が発生して、各種性能の低下やインキ詰まり等を生じることがない性能をいう。
前記ナフタレン系染料中間体として、(A)下記構造式で示される(1)ナフタレンスルホン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基を含むもの、及び、(B)下記構造式で示される(2)ナフタレンカルボン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基を含むものを挙げることができる。
(1)
Figure 2008096645
(式中、m:1〜3の整数、R1、R2:H、OH又はNH2
(2)
Figure 2008096645
(式中、m:1〜4の整数、R3、R4:H、OH又はNH2
上記において、N一置換体(NHR´)のR´は、アルキル(炭素数1〜9)、アルキルアシル(炭素数1〜9)、ベンゾイル又はベンゼンスルホニルである。
より具体的には、下記の通りである。なお、各括弧内の数字は、特に断らない限り、スルホン酸基(SO3H)又はカルボキシル基(COOH)における置換位置を示す。
上記酸残基を含むもの(インキ原料)としては、通常、水溶解性の見地からアルカリ金属塩の形態のものを使用するが、他の金属塩、アンモニウム塩、酸アミド等の形態のものも使用可能である。
なお、これらのインキ原料の溶解性が不十分な場合は、水溶性有機溶剤を併用することにより使用可能とすることができる。
<ナフタレンスルホン酸系>
1)ナフタレンスルホン酸類・・・
モノスルホン酸(1又は2)、ジスルホン酸(1,5、2,6又は2,7)、トリスルホン酸(1,3,6)
2)ナフトールスルホン酸類・・・
1−ナフトールモノスルホン酸(2、3、4、5、6、7又は8)、2−ナフトールモノスルホン酸(1、3、4、5、6、7又は8)、1−ナフトールジスルホン酸(2,4;2,5;2,7;3,6;3,7;3,8(ε酸);4,7;4,8又は6,8)、2−ナフトールジスルホン酸(1,4、1,5、1,6、1,7、3,6−3,7、4,8、又は6,8)、1−ナフトールトリスルホン酸(2,4,7、2,4,8又は3,6,8)
3)ナフチルアミンスルホン酸類・・・
1−ナフチルアミンモノスルホン酸(2、3、4、5、6、7又は8(ぺリ酸))、
2−ナフチルアミンモノスルホン酸(1、4、5、6、7又は8)、
1−ナフチルアミンジスルホン酸(2,4、2,5、2,7、2,8、3,5、3,6、3,7、3,8、4,6、4,7、5,7又は5,8置換体)、
2−ナフチルアミンジスルホン酸(1,6;1,7;3,6;3,7;4,7;4,8;5,7又は6,8)、
1−ナフチルアミントリスルホン酸(2,4,6;2,4,7;2,5,7;3,6,8又は4,6,8)、
2−ナフチルアミンー3,6,8−トリスルホン酸、
4)ジヒドロキシナフタレンスルホン酸類・・・
1,6−ジヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、
1,7―ジヒドロキシナフタレン−3−スルホン酸、
1,8ージヒドロキシナフタレンー4−スルホン酸、
1,3−ジヒドロキシナフタレン−5,7−ジスルホン酸、
1,2−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸、
1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,4−ジスルホン酸、
1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,5−ジスルホン酸、
1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸(クロモトロープ酸)、
2,7−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸
5)アミノナフトールスルホン酸類・・・
1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、
1−アミノ−2−ナフトール−6−スルホン酸、
1−アミノ−7−ナフトール−3−スルホン酸、
1−アミノ−8−ナフトール−4−スルホン酸(S酸)、
2−アミノ−3−ナフトール−6−スルホン酸、
2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸(J酸)、
2−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸(γ酸)、
5−アミノ−1−ナフトール−2−スルホン酸、
8−アミノ−1−ナフトール−4−スルホン酸、
1−アミノ−2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(H酸)、
1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸(K酸)、
1−アミノ−8−ナフトール−3,5−ジスルホン酸、
1−アミノ−8−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、
1−アミノ−8−ナフトール−4,6−ジスルホン酸、
1−アミノ−8−ナフトール−5,7−ジスルホン酸、
2−アミノ−1−ナフトール−4,8−ジスルホン酸、
2−アミノ−8−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、
6)ナフチレンジアミンスルホン酸類・・・
・1,2−ナフチレンジアミンモノスルホン酸(3、4、5、6又は7)、
・1,3−ナフチレンジアミンモノスルホン酸(5又は6)、
・1,4−ナフチレンジアミンモノスルホン酸(2、5又は6)、
・1,5−ナフチレンジアミンモノスルホン酸(2又は4)、
・1,6−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、
・1,8−ナフチレンジアミン−4−スルホン酸、
・1,8−ナフチレンジアミンジスルホン酸(3,6又は4,5)、
7)スルホン酸類の誘導体・・・
・ぺリ酸誘導体:N−p−トリルペリ酸、フェニルペリ酸、フェニルペリ酸インドフェノール、
・2−(2,4−ジアミノフェノキシ)ナフタレン−6−スルホン酸、
・エトキシクロモトロープ酸、
・エトキシクレーブ酸、
・o−ベンゼンスルホニルH酸、
・6−クレーブ酸インドフェノール、
・7−クレーブ酸インドフェノール、
・ジフェニルε酸、
・1−ジアゾ−6−ニトロ−2−ナフトール−4−スルホン酸、
・4−ニトロソ−3−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、
・J酸N置換誘導体:N−フェニルJ酸、N−メチルJ酸、N−アセチルJ酸、N−ベンゾイルJ酸、カルバミンJ酸
・J酸ベンゾイル置換誘導体:P−ニトロベンゾイルJ酸、p−ニトロベンゾイルJ酸、m−ニトロベンゾイルJ酸、p−アミノベンゾイルJ酸、m−アミノベンゾイルJ酸、
・γ酸・S酸・H酸・K酸のN置換誘導体:N−フェニルγ酸、N−ジメチルγ酸、N−p-カルボキシフェニルγ酸、N−ベンゾイルS酸、N−アセチルH酸、N−ベンゾイルH酸、N−ベンゼンスルホニルH酸、N−ベンゾイルK酸、
<ナフタレンカルボン酸系>
1)ナフタレンモノカルボン酸類(1(1−ナフトエ酸)又は2(2−ナフトエ酸))、
2)ナフタレンジカルボン酸類(1,2;1,3;1,4;1,5;1,6;1,7;1,8;2,3;2,6;2,7)、
3)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、
4)ナフトエ酸誘導体
ヒドロキシ−1−ナフトエ酸類(OH置換位置:2、3、4、5、6、7又は8)
2−ヒドロキシ1−ナフトエ酸、
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸類(OH置換位置:1、3、4、5、6、7又は8)
前記ナフタレン系染料中間体のうち、上記構造式(1)で示されるナフタレンスルホン酸系、特に、アミノナフトールスルホン酸類及びそれらのN置換誘導体の群から選択することが望ましい。さらには、インキ安定性、垂れ下がり防止性の見地から下記構造式(3)で示される、N−アシルJ酸の酸残基を含むものから選択することが望ましい。
(3)
Figure 2008096645
前記染料としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能なものが全て使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、
コンゴーレッド(C.I.22120)、
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
バイオレットBB(C.I.27905)、
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
染料を着色剤として用いる場合、キャップを要しないノック式のボールペンに適用する系ではドライアップが顕著であるため、耐ドライアップ性能は重要な要件となる。
前記染料は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができる。染料のインキ組成物全量中の含有量は、約1〜25%、更には約2〜15%が望ましい。
更に、前記染料と併用して、各種顔料を配合することもできる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素(株)製〕、
C.I.Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素(株)製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業(株)製〕等を挙げることができる。
また、水溶性樹脂を用いた水分散顔料としては、
C.I.Pigment Black 7〔商品名:WA color Black A25、顔料分15%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Green 7〔商品名:WA−S color Green、顔料分8%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Violet 23〔商品名:マイクロピグモ WMVT−5、顔料分20%、オリエント化学工業(株)製〕、
C.I.Pigment Yellow 83〔商品名:エマコールNSイエロー4618、顔料分30%、山陽色素(株)製〕が挙げられる。
更に、蛍光顔料として、各種蛍光染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。その他、金属光沢顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム等の白色顔料、可逆熱変色性組成物を内包したカプセル顔料、香料や香料を内包したカプセル顔料等を例示できる。
前記金属光沢顔料としては、アルミニウムや真鍮等の金属粉、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、金属蒸着膜の片面又は両面に透明又は着色透明フィルムを設けた金属光沢フィルム片を細かく裁断したもの、透明性樹脂層を複数積層した虹彩性フィルムを細かく裁断したものを例示できる。
なお、前記アルミニウムや真鍮等の金属粉を用いる場合、前記金属粉の表面を透明性樹脂や着色透明性樹脂で被覆したものが好適に用いられ、インキ組成物中での安定性に優れる。
また、顔料を併用する場合、必要に応じて顔料分散剤を添加できる。
前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニオン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチレンアクリル酸等のアニオン性高分子、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の非イオン性高分子等が用いられる。
前記水溶性有機溶剤(極性溶剤)としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもできる。
更に、前記成分以外に、粘性特性調節剤として、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、λ−カラジーナン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩等の水溶性高分子を一種又は二種以上添加することができる。
その他、必要に応じてpH調整剤、防錆剤、防腐剤或いは防黴剤、潤滑剤、湿潤剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
前記潤滑剤としては、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
前記湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。
その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
前記インキ組成物をインキ収容管内に内蔵し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設するタイプのボールペンに用いる場合、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞があるため、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸、エルソルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン、カテキン誘導体、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素、ホルムアミジンスルフィン酸、グルタチオン等を添加して化学的に気泡を除去することが好ましい。
本発明の水性インキ組成物には、所望により剪断減粘性付与剤、例えば、水に可溶乃至分散性の、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独或いは混合して使用することもできる。
更に、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を用いることもできる。
インキの剪断減粘性とは静止状態あるいは応力の低い時は高粘度で流動し難い性質を有し、応力が増大すると低粘度化して良流動性を示すレオロジー特性を言うものであり、チクソトロピー性あるいは擬似可塑性とも呼ばれる液性を意味している。
本発明のインキの粘性特性としては、粘度計での測定粘度(円錐円盤形回転式粘度計(EL型);20℃、20rpm、以下同じ):約1以上20mPa・s未満において、下記実験式から求める剪断減粘指数(n):約0.4〜0.9であることが望ましい。
実験式 T=Kjn
〔T:ずり応力(dyne/cm2)、K:定数、j:ずり速度(76.80s-1)、n:剪断減粘指数〕
更には、粘度:約5以上20mPa・s未満において、剪断減粘指数(n):約0.4〜0.7であることが望ましい。
前記粘度の上限を20mPa・s未満としたのは、本発明のインキ組成物は、ゲルインキの範疇(粘度20mPa・s以上;JIS 6061(2005))に入らないためである。なお、20mPa・s近くになると、筆記によるインキの追従性を満足させ難く、特に高速で筆記した際の筆跡にかすれを生じ易くなる。また、20mPa・s未満であることは、垂れ下がりが発生し易い低粘度インキを意味し、本発明の効果が顕著となる。
また、剪断減粘指数が低いと、筆記感に劣ると共に、初期の書き出し時にはインキがボールに転移し難い。更に、筆跡が乾き難く、指触や紙同士の擦過によって被筆記面の空白部分に転移して汚染し易くなる。
前記した粘度及び剪断減粘指数を満たすことにより、垂れ下がりと耐乾燥性を満足させる他、筆記性能、即ち、筆記感、初期書き出し、筆跡の乾燥性や良好な筆跡の形成を満足させることができる。
次に、本発明の上記水性インキ組成物を使用するボールペンの構成について説明する。
本発明の水性インキ組成物は、出没式ボールペン(図1参照)に適用することが好適である。筆記先端部(ボールペンチップ)が外気に常に晒され、本発明のインキ組成物の効果が顕著となるためである。
なお、出没式の構成は、図1に示すようなノック式に限られず、回転式、スライド式であってもよく、軸筒内に複数の替え芯を収容してなる複合式のボールペンであってもよい。
また、本発明の水性インキ組成物は、上記出没式に限られること無く、キャップ式ボールペン、さらには、替え芯を介さずに、ボールペンの軸筒に直接充填する使い捨てボールペン等、種々のタイプに適用可能である。
以下に、本発明の効果を確認するために比較例とともに行った実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<インキ組成物の調製>
各実施例・比較例の水性インキ組成物は、表1・2に示す組成処方とした。計量混合物を、室温で分散混練機(dispersion mixer)を用いて3000rpmで1時間攪拌後、濾して調製した。
なお、各実施例、比較例のインキ粘度は、円錐円盤形回転式粘度計(EL型、東京計器(株)製)を用いて、20℃×20rpm(比較例2のみ10rpm)の条件で、粘度計目盛読み取り値θに換算乗数として0.30(取り扱い説明書参照)を乗じて求めたものである。
そして、剪断減粘指数(n)は、同じく円錐円盤形回転式粘度計(20℃)を用いて、複数の回転速度(例えば、20rpm、10rpm、5rpm)のそれぞれについて粘度計目盛読み取り値θを下記実験式に代入して慣用の方法で求めた。
実験式 T=Kjn
〔但し、T:ずり応力(dyne/cm2)、K:定数、j:ずり速度(s−1)、n:剪断減粘指数〕
例えば、実施例1では、
20rpmでのインキ粘度:9mP・s
10rpmでのインキ粘度:12.3mP・s
5rpmでのインキ粘度:16.8mP・s
を用いて、実験式 T=Kjnと、以下の粘度測定式により算出した。
T=3M/2πR3
M=t×θ/100
〔T:ずり応力(dyne/cm2)、M:粘性抵抗トルク(dyne・cm)、R:ロータ半径(2.4cm)、t:フルスケールトルク(674dyne・cm)、θ:目盛読み取り値〕
Figure 2008096645
Figure 2008096645
なお、表中の原料の内容は下記の通りである。各番号は表中の番号に対応する。
(1)オリエント化学工業(株)製、C.I.50420、商品名:ウォーターブラックR510
(2)アイゼン保土谷(株)製、C.I.45410、商品名:フロキシン
(3)ダイワ化成(株)製、C.I.45380、商品名:エオシン
(4)住友化学工業(株)製、C.I.42655、商品名:アシッドブルーPG
(5)中央フーズマテリアル(株)製、商品名:NEWGELIN GJ500
(6)スガイ化学工業(株)製、商品名:N−アセチルJ酸
(7)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルリン酸モノエステル及びジエステル混合物
(8)1,2−ベンズチアゾリン−3−オン、アビシア(株)製、商品名:プロキセルXL−2
(9)大日製薬(株)製、商品名:エコーガム
(10)三栄源(株)製、商品名:カラギニンCSL−2
<ボールペン(試料)の作製>
上記で調製した各インキ組成物を使用して、ボールペンを作製した。
適用したボールペン10の構造を図1に示す。
替え芯12は、ボールペンチップ14が接続管16を介して固着されたインキ収納管18にインキ組成物Cが充填されたものである。インキ組成物Cを充填後、充填高さ位置に高粘度流動体からなる逆流防止体20が配される。替え芯(レフィル)12が軸筒21内に収納され、軸筒21の後端部にノック部22を備え、該ノック部22の押圧により、替え芯12の筆記先端部を、軸筒21の前端開口部から出没用コイルばね24を利用して出没させる機構を有する。
なお、ボールペンチップ14の先端筆記部となる小口14aに押圧ばね26で付勢されてボール27が保持されている。押圧ばね26は、ボール27を先端で押圧する押圧ロッド28aを備えた円盤先ばね座28と、接続管16のチップ保持穴の底段部で形成される元ばね座16aで保持されている。こうして、常態時は、ばね付勢されたボール27で小口14aが閉じ、筆記時は、ボール27が筆圧で後退して、小口14aとボール32とでインキ通過隙間が形成されて筆記可能となる。なお、インキ逆流防止体20として、基油にポリブテン、増粘剤に脂肪酸アマイドをそれぞれ用いたものを使用した。
こうして作成した各ボールペン(試料)により以下の試験を行った。
<垂れ下がり試験A>
各ボールペンを用いて、ボールペンチップを軸筒から露出させてチップを下向きで保持し、温度20℃、相対湿度55%の雰囲気下に20時間放置した後、チップ先端の外観を目視で観察した。そして、下記基準で評価した。
○:インキの漏れだし(垂れ下がり)が認められない。
△:チップ先端にインキの小滴が認められる。
×:チップ先端に、大きいインキ滴が認められる、或いはチップ先端から漏れたインキが落下している。
<垂れ下がり試験B>
筆記部を上側にした各ボールペンのボールを3~5μm程度押し下げて、小口の内壁に押圧傷を付けたものについて、温度20℃、相対湿度55%の雰囲気下に20時間放置し、チップ先端の外観を目視で観察し、上記垂れ下がり試験Aと同一基準で評価した。
<耐乾燥性試験>
各ボールペンを用いて、ボールペンチップを軸筒から露出させて横置き状態で保持し、温度20℃及び50℃で、それぞれ60日間放置した後、JIS P3201筆記用紙Aに手書きで丸(径約16mm)を一行に12個連続で筆記し、何個目から正常に筆記可かを目視により観察した。そして、下記基準で評価した。
○:1個目の丸で筆記可。
△:2個目以降の丸で一行以内で筆記可。
×:一行丸を筆記しても筆記不可。
<試験結果及び考察>
上記、試験結果を示す表3・4から、本発明のインキ組成物は、優れた特性を示すことが分かる。
すなわち、ι-カラギーナンを添加することで、ペン先を露出した状態で長時間放置してもインキの垂れ下がりを抑制できる、実用性を備えたボールペン用インキが得られた。また、ι-カラギーナンと共にナフタレン系染料中間体を添加することで、チップ先端の損傷等でインキ吐出部分が大きくなる等のより過酷な状況であっても、インキの垂れ下がりを抑制できる、より実用性の高いボールペン用インキ(実施例5〜7)となった。
Figure 2008096645
Figure 2008096645

Claims (11)

  1. 染料と水と水溶性有機溶剤とに加えて、ι−カラギーナンを粘性特性調節剤の必須成分として含有するボールペン用水性インキ組成物。
  2. 前記インキ組成物が、粘度[円錐円盤形回転式粘度計(EL型;20℃)]:1以上20mPa・s未満において、下記実験式から求める剪断減粘指数(n;20℃):約0.4〜0.9を示すものである請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
    実験式 T=Kjn
    〔T:ずり応力(dyne/cm2)、K:定数、j:ずり速度(s-1)、n:剪断減粘指数〕
  3. 前記ι−カラギーナンをインキ組成物全量中約0.05〜1.0%含有する請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
  4. さらに、ナフタレン系染料中間体を含有する請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
  5. 前記ナフタレン系染料中間体が、(A)下記構造式で示される(1)ナフタレンスルホン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基、及び、(B)下記構造式(2)ナフタレンカルボン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基を含むものから1種又は2種以上選択されるものである請求項4記載のボールペン用水性インキ組成物。
    (1)
    Figure 2008096645
    (式中、m:1〜3の整数、R1、R2:H、OH又はNH2
    (2)
    Figure 2008096645
    (式中、m:1〜4の整数、R3、R4:H、OH又はNH2
    但し、N一置換体(NHR´)のR´:アルキル(炭素数1〜9)、アルキルアシル(炭素数1〜9)、ベンゾイル、又はベンゼンスルホニル。
  6. 前記ナフタレン系染料中間体が、前記構造式(1)で示されるナフタレンスルホン酸類(N一置換体を含む。)の酸残基を含むものから1種又は2種以上選択されものである請求項5記載のボールペン用水性インキ組成物。
  7. 前記ナフタレンスルホン酸類が、アミノナフトールスルホン酸類である請求項6記載のボールペン用水性インキ組成物。
  8. 前記アミノナフトールスルホン酸類が、下記構造式(3)で示されるN−アシルJ酸類(アシル炭素数:2〜4)の酸残基を含むものから選択される請求項7記載のボールペン用水性インキ組成物。
    Figure 2008096645
  9. 前記ナフタレン系中間体をインキ組成物全量中約0.1〜5%含有する請求4記載のボールペン用水性インキ組成物。
  10. 請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物が充填されてなるボールペン用替え芯。
  11. 請求項10記載のボールペン用替え芯の筆記先端部が、ボールペン軸筒の前端開口部から出没可能に組み付けられていることを特徴とする出没式ボールペン。

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