JPWO2008078641A1 - 亜鉛イオンの電気化学測定方法 - Google Patents

亜鉛イオンの電気化学測定方法 Download PDF

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Abstract

電気化学的方法による亜鉛イオンの検出・濃度測定を、簡便な操作及び装置で、高精度かつ高感度に行うことができる測定方法を提供する。そのために、前記試料溶液(4)の液性をアルカリ性に調整し、これに対電極(3)及びボロンドープダイヤモンド電極(1)を接触させ、前記ボロンドープダイヤモンド電極(1)の電位を負電位方向に変動させて、前記ボロンドープダイヤモンド電極(1)表面に亜鉛を析出させた後、前記ボロンドープダイヤモンド電極(1)の電位を正電位方向に掃引して、前記ボロンドープダイヤモンド電極(1)表面に析出した亜鉛を前記試料溶液(4)中に溶出させながら、当該電位掃引に対する電流変化を検出するようにした。

Description

この発明は、電気化学的方法による亜鉛イオンの検出・濃度測定を、簡便な操作及び装置で、高精度かつ高感度に行うことができる測定方法に関するものである。
従来、重金属の高感度測定法としては、水銀を用いた電気化学測定法が、最も感度良く、かつ、簡便なため、広く用いられてきた。特に、亜鉛のような酸化還元電位の低い金属に対しては、水素過電圧と金属イオンの酸化還元電位との関係から、電極材料として水銀以外の材料を用いた場合は事実上測定が不可能である。しかし、水銀使用に対する規制の強化により、これに代わる測定法が求められている。
近時、水銀を使わない高感度な測定法として、ICP(Inductively Coupled Plasma(誘導結合プラズマ))測定が使用されているが、装置が大きく、試料調製が煩雑である等、電気化学測定法に比べると使い勝手に課題があった。
このため、ボロンドープダイヤモンド電極を用いて亜鉛イオンを測定する方法が試みられている(特許文献1)。
特開2001−91499
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、亜鉛イオンの検出感度は低く、実用に充分な結果は得られていない。
そこで本発明は、電気化学的方法による亜鉛イオンの検出・濃度測定を、簡便な操作及び装置で、高精度かつ高感度に行うことができる測定方法を提供すべく図ったものである。
すなわち本発明に係る亜鉛イオンの電気化学測定方法は、試料溶液中の亜鉛イオンの濃度を電気化学的に測定する方法であって、前記試料溶液の液性をアルカリ性に調整する液性調整工程、前記試料溶液に、対電極及びボロンドープダイヤモンド電極を接触させる工程、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を負電位方向に変動させて、前記ボロンドープダイヤモンド電極表面に亜鉛を析出させる析出工程、並びに、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を正電位方向に掃引して、前記ボロンドープダイヤモンド電極表面に析出した亜鉛を前記試料溶液中に溶出させながら、当該電位掃引に対する電流変化を検出する電位掃引工程を備えていることを特徴とする。
本発明においては、まず、試料溶液の液性をアルカリ性に調整する。特に、pH12.5以上の強アルカリ性に調整することが好ましい。特許文献1に記載の方法では、試料溶液の液性は酸性に調整されており、その検出感度は低く充分なものではない。これに対して、本発明のように試料溶液の液性が強アルカリ性であると、亜鉛以外のほとんどの金属はイオン化しないので試料溶液中に溶解できず、このため、亜鉛イオンを選択的に試料溶液中に溶解でき、例えばCu、Cd、Mn等の他の金属イオンの干渉影響を低減して精度の高い測定をすることができる。また、試料溶液が強アルカリ性であると−1.6〜−1.5V程度まで電位窓が広くなり、前記電位掃引工程において、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を−1.6〜−1.5Vから正電位方向に掃引することが可能となる。このため、同じ濃度の亜鉛イオンを測定する場合でも−1.3V程度までと電位窓が狭い酸性条件下に比べて、亜鉛イオン検出時のピーク電流の検出が容易になり、この点からも検出感度を高めることができる。
前記試料溶液をアルカリ性に調整するには、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いることが好ましい。当該水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムは、粒状や粉末等の固体であるか、又は、0.1M以上の高濃度溶液であることが好ましい。その理由は、0.1M以上なら、アルカリ化剤である高濃度溶液のpHが12.8以上となるため、pHを12.5以上に容易に調整できるからである。
このようにしてアルカリ性に調整した前記試料溶液に、対電極及び作用電極を接触させて測定を行うが、本発明においては、作用電極として、ホウ素を混入して導電性を付与したダイヤモンド薄膜を有するボロンドープダイヤモンド電極を用いる。
前記試料溶液に対電極及びボロンドープダイヤモンド電極を接触させた状態で、次いで、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を負電位方向に変動させて、前記ボロンドープダイヤモンド電極表面に試料溶液中に亜鉛イオンとして溶解している亜鉛を析出させる。この際、ボロンドープダイヤモンド電極の電位の変動は、一定速度で電位を掃引する方法や、指定した電位に一定時間ごとにステップする方法によってもよいが、電位を一定電位に変動させて、その電位に保持することが好ましい。ボロンドープダイヤモンド電極の電位を亜鉛が析出する一定の電位にしばらく保持することにより、亜鉛をボロンドープダイヤモンド電極表面に充分に析出させることができる。そして、電位保持時間を長くするほど、低濃度の亜鉛イオンの測定が可能となる。
前記ボロンドープダイヤモンド電極表面に亜鉛を析出させた後、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を正電位方向に掃引して、前記ボロンドープダイヤモンド電極表面に析出した亜鉛を亜鉛イオンとして前記試料溶液中に溶出させるとともに、当該電位掃引に対する電流変化を検出することにより、亜鉛イオン濃度を測定する。
本発明の電位掃引工程における電位の走査速度は、200mV/s以上であることが好ましい。走査速度を200mV/s以上とすることにより、測定時の信号量が増加し、より低い濃度の検出を可能とする。
前記電位掃引工程において用いられる電位走査法としては特に限定されず、例えば、サイクリックボルタンメトリー、リニアスイープボルタンメトリー、ノーマルボルタンメトリー、及び、ディファレンシャルパルスボルタンメトリー等のいずれの方法を用いてもよい。これらの各方法は亜鉛イオンの濃度を求める精度に応じて適宜選択することが可能であり、例えば、亜鉛イオンの濃度が極低濃度である場合は、ディファレンシャルパルスボルタンメトリーを用いることで精度良く検出することができる。
本発明においては、前記析出工程の前、又は、前記電位掃引工程の後に、ボロンドープダイヤモンド電極に一定電位又は電位サイクルを加えることが好ましい。これにより、ボロンドープダイヤモンド電極を再生し、その状態を常に一定にして、測定ごとの感度のばらつきを少なくすることができる。
本発明に係る亜鉛イオンの電気化学測定方法は、ボロンドープダイヤモンド電極及び対電極を用いる二電極法によるものでもよいが、高感度及び高精度の測定を行う場合は、更に参照電極を用いる三電極法によるのが好ましく、試料溶液に更に参照電極を接触させることにより、ボロンドープダイヤモンド電極と対電極との間に印加する電圧の絶対値を制御してもよい。
本発明に係る亜鉛イオンの電気化学測定方法は、例えば以下のような構成を有する測定装置によって実施することができる。即ち、試料溶液中の亜鉛イオンの濃度を電気化学的に測定するための装置であって、前記試料溶液の液性をアルカリ性に調整する液性調整手段と、対電極及びボロンドープダイヤモンド電極を内蔵するセルと、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を変動させる手段と、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位の変動に伴う電流変化を検出する手段と、検出された電流変化から亜鉛イオンの濃度を測定する情報処理装置とを備えている。
また、本測定装置は、セルが更に参照電極を内蔵し、ボロンドープダイヤモンド電極の電位の絶対値を制御する手段を備えているものであってもよい。
このように本発明によれば、亜鉛イオンの検出をアルカリ性条件下で行うことにより、他の金属イオンによる妨害が防げ、かつ、電位窓が−1.6〜−1.5V程度にまで広くなることより、亜鉛イオン検出時のピーク電流の検出が容易になるので、亜鉛イオンの検出感度を高めることができる。
本発明の一実施形態を示す電気化学測定装置の概要図。 亜鉛イオンを含有する試料溶液のpHを変えて電気化学測定を行い得られたボルタモグラム。 亜鉛イオンを含有する試料溶液のpHをアルカリ性領域で変えて電気化学測定を行い得られたボルタモグラム。
符号の説明
1・・・ボロンドープダイヤモンド電極
2・・・参照電極
3・・・対電極
4・・・試料溶液
5・・・測定セル
6・・・撹拌子
7・・・ポテンシオスタット
8・・・情報処理装置
以下、本発明に用いる電気化学測定装置の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る亜鉛イオンの電気化学測定方法を実施するための装置の一実施形態を示すものであり、電気化学測定用のバッチセルを用いた電気化学測定装置100の概略を示すものである。
図1に示す電気化学測定装置100には、ボロンドープダイヤモンド電極1、参照電極2、及び、対電極3の3本の電極が内蔵された測定セル5が配置されており、これら3本の電極は、ポテンシオスタット7に接続され、更にポテンシオスタット7には情報処理装置8が接続されている。また、測定セル5には、試料溶液4を攪拌する攪拌子6が挿入されている。
図1に示す電気化学測定装置100を用いて亜鉛イオンの濃度を測定するには、亜鉛イオンを含む試料溶液4を測定セル5に注入し、ボロンドープダイヤモンド電極1、参照電極2、及び、対電極3が試料溶液4に接触した状態で、試料溶液4を撹拌子6で撹拌しながら、ボロンドープダイヤモンド電極1と対電極3との間に電圧を印加して、電気化学的反応を起こす。当該電気化学的反応によって生じた電流値(電気信号)はポテンシオスタット7に伝達され、各電極1、2、3における信号の制御・検出が行われる。ポテンシオスタット7で検出された信号は情報処理装置8により解析され、亜鉛イオンの検出、濃度の測定が行われる。
測定セル5は、その内部に試料溶液4を貯留することができれば材質は特に限定されないが、例えば、できるだけ不純物の溶出を押さえられるポリテトラフルオロエチレン等の樹脂製であることが好ましい。
前記測定セル5は、その内部に貯留した試料溶液4が、ボロンドープダイヤモンド電極1、参照電極2及び対電極3と接触できるよう構成されている。
ボロンドープダイヤモンド電極1は、前記電気化学測定装置100において作用電極として機能する。ダイヤモンドに高濃度でホウ素をドープしたボロンドープダイヤモンド電極1は、電位窓が広く、他の電極材料と比較してバックグラウンド電流が低いといった有利な性質を有している。また、ボロンドープダイヤモンド電極1は、化学的耐性、耐久性、電気伝導度、耐腐食性等にも優れている。
ダイヤモンドに導電性を付与するために混入するホウ素の添加量は、ダイヤモンドに導電性を付与できる範囲で適宜決定されてよいが、例えば1×10−2〜10−6Ωcm程度の導電性を与える量であることが好ましい。
ボロンドープダイヤモンドそれ自体を基材の支持によらず電極とすることも可能であるが、基材上にボロンドープダイヤモンドの薄膜を形成し、この薄膜に導線を接続させ、電極とすることが好ましい。ボロンドープダイヤモンドの薄膜の厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度の厚さが好ましく、より好ましくは5〜50μm程度である。
ボロンドープダイヤモンド電極1の形状としては、棒状又は平面状のいずれでもよい。また、電極表面はas−grownのままでも良いが、水素アニール、電解酸化等の化学的表面処理や各種研磨による平坦化等の表面形状の物理的処理が施されていてもよい。
前記対電極3は電解電流を補償するものであり、例えば、白金、炭素、ステンレス、金、ダイヤモンド、SnO等からなる電極を用いることができる。
前記参照電極2としては公知のものを利用することができ、例えば、銀塩化銀電極、カロメル電極、標準水素電極、水素パラジウム電極等を用いることができる。
亜鉛イオンの測定に際しては、まず、測定対象の亜鉛イオンを含有しないキャリア溶液のみを測定セル5に注入し、いわゆるバックグラウンド電流をできるだけ小さくし、かつ安定させる。次に、亜鉛イオンを含有する試料溶液4を測定セル5に注入する。ここで、試料溶液4はあらかじめ水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いてpH12.5以上に調整されてある。
測定セル5に注入された試料溶液4は撹拌子6によって撹拌される。撹拌子6が試料溶液4を攪拌することによって、ボロンドープダイヤモンド電極1に亜鉛を析出(電着)させる際の効率が向上する。撹拌子6は、羽の形状や材質、羽の動作方法は特に限定されないが、試料溶液4の充分な攪拌が可能であり、かつ不純物や微粉末等の発生をできるだけ抑制できるものが好ましい。
試料溶液4を攪拌しながら、ポテンシオスタット7を用いてボロンドープダイヤモンド電極1の電位を負電位の方向に変動させることにより、亜鉛イオンをボロンドープダイヤモンド電極1の表面に析出させる。この際、しばらくの間ボロンドープダイヤモンド電極1の電位を一定電位に保持することにより亜鉛を濃縮し充分に析出させることができる。
ポテンシオスタット7は電位を一定に保つ機能のほか、電位を一定速度で走査したり、指定した電位に一定時間ごとにステップしたりする機能を持つ。これらの機能は、1台に搭載する必要はなく、例えば電位保持機能と電位走査機能が別の筐体に備わっていてもよい。
ボロンドープダイヤモンド電極1の表面に亜鉛が析出したら、撹拌子6を停止し、ポテンシオスタット7により、ボロンドープダイヤモンド電極1の電位を−1.6〜−1.5Vから正電位方向に掃引して、亜鉛イオンを試料溶液4中に再溶出させる。
亜鉛イオンが溶出すると、これに伴い電流が発生する。亜鉛イオン溶出に起因する電流は−1.5〜−1.2Vで発生し、この電流(電気信号)はポテンシオスタット7に伝達され、ポテンシオスタット7で検出された信号は情報処理装置8により解析され濃度に換算される。電位掃引の際の電位の走査速度を200mV/s以上にすると、信号量が増加し、より低濃度の亜鉛イオンの検出が可能となる。
情報処理装置8は、CPU、内部メモリ、HDD等の外部記憶装置、モデム等の通信インタフェース、ディスプレイ、マウスやキーボードといった入力手段等を有する。そして、前記内部メモリや外部記憶装置等の所定領域に設定したプログラムにしたがって電気信号を解析し、亜鉛イオンの検出や濃度の算出を行う。かかる情報処理装置8は、汎用のコンピュータであってもよく、専用のものであってもよい。
電位の掃引が終わったあと、ボロンドープダイヤモンド電極1の電位を−1.2V以上で保持することにより、析出した亜鉛を完全に溶出させ、ボロンドープダイヤモンド電極1を測定前の状態に戻して再生することができる。ボロンドープダイヤモンド電極1の再生は、一定電位の保持のみでなく、広い電位で繰り返し掃引を行うことでも可能である。
図2は、対電極3として白金線電極、参照電極2として銀塩化銀電極を用い、試料溶液4として10ppmZn2+を用い、pHをpH2.07〜13.1まで変化させて、ボロンドープダイヤモンド電極1の電位を−1.4Vに保持して亜鉛イオンをボロンドープダイヤモンド電極1表面に析出させた後、リニアスイープボルタンメトリーにより測定を行い、得られたボルタモグラムを示す。図2に示すように、pH13.1におけるピーク電流が際立って顕著に検出された。
図3は、pHをpH12.5〜13.1までのアルカリ性領域で変化させたこと以外は図2と同様にして測定を行い、得られたボルタモグラムを示す。図3に示すように、pH12.5がピーク電流の検出限界であることが確認できた。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではなく、例えば、セルがバッチ型であるもの以外にストップドフロー型の電気化学測定装置100を使用してもよい。
また、前記電気化学測定装置100は、ボロンドープダイヤモンド電極1、参照電極2及び対電極3が備わった三電極法による測定を行うものであるが、本発明に係る測定方法を行うための電気化学測定装置100としては、ボロンドープダイヤモンド電極1及び対電極3のみを備えた二電極法によるものであってもよい。三電極法の方が、ボロンドープダイヤモンド電極1と対電極3との間に印加する電圧の絶対値を制御することができるので、精度及び感度の高い測定を行うことが可能であるが、二電極法によれば、用いる電極がボロンドープダイヤモンド電極1及び対電極3の2電極ですむので、測定セル5の構造を単純化、小型化することができ、測定セル5をチップ化し使い捨てとすることも可能で、より簡便な測定を行いうる。
前記試料溶液4の液性の調整は、試料溶液4を測定セル5に注入する前にあらかじめ行わなくとも良く、測定セル5中で試料溶液4の液性調整を行っても良い。また、前記電気化学測定装置100は、試料溶液4を測定セル5に注入する前にアルカリ試薬と混合する混合槽を別途有していてもよい。
ボロンドープダイヤモンド電極1を再生させる際には、溶液の液性を中性又は酸性にすることで、再生効率を向上させることも可能である。
本発明によって、亜鉛イオンの検出・濃度測定を、安価な装置で、迅速かつ高精度に行うことが可能となる。

Claims (11)

  1. 試料溶液中の亜鉛イオンの濃度を電気化学的に測定する方法であって、
    前記試料溶液の液性をアルカリ性に調整する液性調整工程、
    前記試料溶液に、対電極及びボロンドープダイヤモンド電極を接触させる工程、
    前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を負電位方向に変動させて、前記ボロンドープダイヤモンド電極表面に亜鉛を析出させる析出工程、並びに、
    前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を正電位方向に掃引して、前記ボロンドープダイヤモンド電極表面に析出した亜鉛を前記試料溶液中に溶出させながら、当該電位掃引に対する電流変化を検出する電位掃引工程を備えていることを特徴とする亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  2. 前記アルカリ性が、pH12.5以上である請求項1記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  3. 前記電位掃引工程において、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を−1.6〜−1.5Vから正電位方向に掃引する請求項1又は2記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  4. 前記液性調整工程において、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いる請求項1、2又は3記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  5. 前記水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが、0.1M以上の溶液である請求項4記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  6. 前記電位掃引工程において、サイクリックボルタンメトリー、リニアスイープボルタンメトリー、ノーマルボルタンメトリー、又は、ディファレンシャルパルスボルタンメトリーを用いる請求項1、2、3、4又は5記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  7. 前記析出工程において、前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を一定電位に保持する請求項1、2、3、4、5又は6記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  8. 前記一定電位が、前記ボロンドープダイヤモンド電極表面に亜鉛が析出する電位である請求項7記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  9. 前記析出工程の前、又は、前記電位掃引工程の後に、前記ボロンドープダイヤモンド電極に一定電位又は電位サイクルを加える工程を備えている請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  10. 前記電位掃引工程において、電位の走査速度が200mV/s以上である請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の亜鉛イオンの電気化学測定方法。
  11. 試料溶液中の亜鉛イオンの濃度を電気化学的に測定するための装置であって、
    前記試料溶液の液性をアルカリ性に調整する液性調整手段と、
    対電極及びボロンドープダイヤモンド電極を内蔵するセルと、
    前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位を変動させる手段と、
    前記ボロンドープダイヤモンド電極の電位の変動に伴う電流変化を検出する手段と、
    検出された電流変化から亜鉛イオンの濃度を測定する情報処理装置とを備えていることを特徴とする亜鉛イオンの電気化学測定装置。
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